説明

施設検索装置

【課題】地図データの更新による新たな施設の情報の有効活用を促すことを可能とした「施設検索装置」を提供する。
【解決手段】カーナビゲーション装置100は、制御部102及びHDD20がハードディスク22に記憶された施設情報の変更、及び、ハードディスク22への新たな施設情報の追加の少なくともいずれかを行い、制御部102が、施設検索に際しての入力情報に基づいて、ハードディスク22により記憶された施設情報を検索し、制御部102及び施設描画リスと116が、その検索結果として得られた施設情報について、追加変更された施設情報を、他の施設情報とは区別してディスプレイ70に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されて施設を検索するナビゲーション装置等の施設検索装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カーナビゲーション装置には、一般に目的地等の施設を検索する機能が搭載されている。このような施設検索は、地図データに含まれる所望の施設の情報を取得して、表示等を行うものである。施設検索の手法としては、利用者によってキーワードが設定された場合に、その設定されたキーワードを名称に含む施設の情報を地図データから取得する手法や、利用者によって地域やジャンルが設定された場合に、その設定された地域に存在し、設定されたジャンルに対応する施設の情報を地図データから取得する手法等が採用されている。
【0003】
ところで、カーナビゲーション装置において用いられる地図データは、実態とそぐわないものとなることを防止すべく、所定の周期で更新されることが一般的である。このように地図データの更新が行われる場合、その更新によって変更あるいは追加された施設の情報を利用者にわかりやすく提示して、新たな施設の情報の有効活用を図ることが提案されている。例えば、特許文献1では、地図データの更新によって変更あるいは追加された施設を地図上に強調表示させる。
【特許文献1】特開2002−188926号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した特許文献1に記載された技術のように、変更あるいは追加された施設を地図上に強調表示させるのみでは、新たな施設の情報の有効活用を促すという観点からは十分ではない。
【0005】
本発明の目的は、上述した課題を解決するものであり、地図データの更新による新たな施設の情報の有効活用を促すことを可能とした施設検索装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の施設検索装置は、施設情報を記憶する施設情報記憶手段と、前記施設情報記憶手段への新たな施設情報の追加、及び、前記施設情報記憶手段に記憶された施設情報の変更の少なくともいずれかを行う施設情報追加変更手段と、施設検索に際しての入力情報に基づいて、前記施設情報記憶手段により記憶された施設情報を検索する施設情報検索手段と、前記施設情報検索手段により検索結果として得られた施設情報について、前記施設情報追加変更手段により追加変更された施設情報を、他の施設情報とは区別して提示する制御を行う検索結果提示制御手段とを有することを特徴とする.
【0007】
この構成によれば、検索結果として得られた施設情報は、追加変更された施設情報と他の施設情報とが区別されて提示されるため、利用者は、容易に追加変更された施設を認識することができるため、その施設の情報の有効活用を促すことが可能となる。
【0008】
また、本発明の施設検索装置は、前記施設情報記憶手段により記憶された施設情報に対して、前記施設情報追加変更手段により追加変更された施設情報と、他の施設情報とを識別するための追加変更識別情報を付加する情報付加手段を有し、前記検索結果提示制御手段が、前記施設情報検索手段により検索結果として得られた施設情報について、前記追加変更識別情報に基づいて、前記施設情報追加変更手段により追加変更された施設情報と他の施設情報とを区別するようにしてもよい。
【0009】
この構成によれば、追加変更識別情報に基づいて、追加変更された施設情報と他の施設情報とを確実に区別することができる。
【0010】
また、本発明の施設検索装置は、前記検索結果提示制御手段が、前記施設情報検索手段により検索結果として得られた施設情報について、前記施設情報追加変更手段により追加変更された施設情報を、他の施設情報よりも優先して表示手段に表示させるようにしてもよい。
【0011】
この構成によれば、追加変更された施設情報が優先的に表示されるため、利用者は、容易に追加変更された施設を認識することができるため、その施設の情報の有効活用を促すことが可能となる。
【0012】
また、本発明の施設検索装置は、前記施設情報が、対応する施設の位置情報を含み、前記施設検索装置の位置を検出する位置検出手段と、前記施設情報検索手段により検索結果として得られた、前記施設情報追加変更手段により追加変更された施設情報に含まれる位置情報と、前記位置検出手段により検出された施設検索装置の位置とに基づいて、前記施設情報検索手段により検索結果として得られた施設情報のうち、前記施設情報追加変更手段により追加変更された施設情報に対応する施設と、前記施設検索装置との距離を算出する距離算出手段とを有し、前記検索結果提示制御手段が、前記施設情報検索手段により検索結果として得られた施設情報のうち、前記施設情報追加変更手段により追加変更された施設情報を、対応する施設と前記施設検索装置との距離の短い順に表示手段に表示させるようにしてもよい。
【0013】
この構成によれば、近傍にある施設の情報をより優先的に表示させて、その施設の情報の有効活用を促すことが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、利用者は、容易に追加変更された施設を認識することができるため、その施設の情報の有効活用を促すことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。図1は、本発明の施設検索装置が適用されたカーナビゲーション装置の構成を示す図である。図1に示すカーナビゲーション装置100は、車両に搭載され、本体10、ハードディスクドライブ(HDD)20、操作部30、通信部40、GPS受信部50、自立航法センサ60、ディスプレイ70及びスピーカ80により構成される。
【0016】
HDD20は、ハードディスク22を搭載している。ハードディスク22には地図データが記憶されている。HDD20は、このハードディスク22に記憶された地図データを適宜読み出す。地図データには、道路について、緯度及び経度によって特定される複数の位置(ノード)の集合からなる道路情報が含まれている。また、地図データには、施設についての情報(施設情報)が含まれている。
【0017】
図2は、地図データに含まれる施設情報の一例を示す図である。図2に示す施設情報は、当該施設情報を一意に特定するIDと、対応する施設のジャンル及び名称と、対応する施設を地図上に表示させる際に用いられるアイコン画像のIDと、対応する施設の住所、電話番号、緯度及び経度と、追加変更識別情報としての新規フラグとによって構成される。新規フラグについては後述する。
【0018】
操作部30は、図示しない操作ボタンやジョイスティック等を有しており、誘導経路検索時の目的地の設定や、施設検索時の施設の名称やジャンル等の検索情報の設定等において、利用者によって操作される。通信部40は、例えば、携帯電話機であり、カーナビゲーション装置100に必要な各種情報を取得するために、外部との通信を行う。GPS受信部50は、車両の位置の検出に必要なGPS衛星からのGPS信号を受信する。自立航法センサ60は、車両の進行方向を検出するためのジャイロ等と、一定の走行距離毎にパルス(車速パルス)を発生する距離センサとにより構成される。
【0019】
本体10は、制御部102と、バッファメモリ104と、地図描画部106と、操作画面・マーク発生部108と、誘導経路記憶部110と、誘導経路描画部112と、施設情報格納部114と、施設リスト描画部116と、画像合成部118とにより構成される。
【0020】
本実施形態においては、ハードディスク22が施設情報記憶手段に対応し、HDD20及び制御部102が施設情報追加変更手段に対応し、制御部102が施設情報検索手段、情報付加手段、位置検出手段及び距離算出手段に対応し、制御部102及び施設リスト描画部116が検索結果提示制御手段に対応する。
【0021】
制御部102は、カーナビゲーション装置100の全体を制御する。具体的には、制御部102は、GPS受信部50によって受信されたGPS信号や、自立航法センサ60によって検出された車両の進行方向、車速パルスの出力間隔に基づいて、車両の位置、換言すれば、カーナビゲーション装置100の位置や、車両の方位及び速度を算出する。また、制御部102は、HDD20に対して、ハードディスク22に記憶された地図データの読み出しを指示する。例えば、制御部102は、車両が走行中の場合には、車両位置周辺の所定範囲に対応する地図データの読み出しを指示する。この指示によってHDD20が読み出した地図データは、バッファメモリ104に格納される。地図描画部106は、バッファメモリ104に格納された地図データに基づいて地図画像を生成する。
【0022】
また、制御部102は、利用者による操作部30の操作や、カーナビゲーション装置10の動作状態に応じて、操作画面・マーク発生部108に画像生成の指示を出す。操作画面・マーク発生部108は、この指示に応じて、各種メニュー画面や車両位置マーク、カーソルのマークの画像を生成する。
【0023】
また、制御部102は、利用者による操作部30の誘導経路検索のための操作に応じて、バッファメモリ104に格納された地図データを読み出し、当該地図データに基づいて、所定の経路探索アルゴリズムを用いて目的地までの誘導経路を設定する。設定された誘導経路の情報(例えば、出発地から目的地までの誘導経路に対応する複数のノードの集合)は、誘導経路記憶部110に記憶される。誘導経路描画部112は、誘導経路記憶部110に記憶された誘導経路情報に基づいて、誘導経路画像を生成する。
【0024】
また、制御部102は、利用者による操作部30の施設検索のための操作に応じて、バッファメモリ104に格納された地図データ内の施設情報を読み出し、当該施設情報に基づいて、施設検索を行う。施設検索の詳細は、後述する。検索された施設に対応する施設情報は、施設情報格納部114に記憶される。更に、制御部102は、施設情報格納部114に記憶された施設情報を読み出し、施設リスト描画部116へ出力する。施設リスト描画部116は、入力した施設情報に基づいて、検索結果である施設情報のリストの画像を生成する。
【0025】
また、制御部102は、利用者による操作部30の操作や、カーナビゲーション装置100の動作状態に応じて、画像合成部118に、画像合成を指示する。画像合成部118は、この指示に応じて、地図画像描画部106、操作画面・マーク発生部108、誘導経路描画部112、施設リスト描画部116によって生成された各種画像を適宜合成し、得られた画像をディスプレイ70に表示させる。また、制御部102は、利用者による操作部30の操作や、カーナビゲーション装置100の動作状態に応じて、音声を生成し、スピーカ80に出力させる。例えば、制御部102は、経路誘導中に誘導経路情報に基づいて、交差点を曲がる指示等の案内音声を生成し、スピーカ80に出力させる。
【0026】
また、制御部102は、ハードディスク22に記憶されている地図データの更新時に、当該ハードディスク22に記憶されている施設情報の変更や、当該ハードディスク22への新たな施設情報の追加を行う。具体的には、制御部102は、通信部40によって受信された地図データが入力されたり、図示しないDVDに記憶された地図データが図示しないDVD読取部によって読み出されて入力されると、当該地図データをハードディスク22へ出力し、ハードディスク22に記憶された地図データを更新する。
【0027】
この際、制御部102は、入力した地図データに含まれる施設情報(以下、適宜「入力施設情報」と称する)内のIDと、ハードディスク22に既に記憶されている地図データに含まれる施設情報(以下、適宜「記憶済施設情報」と称する)内のIDとを比較する。そして、制御部102は、記憶施設情報とIDが一致する入力施設情報については、その入力施設情報を同一IDの記憶施設情報に置き換える。これにより、施設情報が変更される。一方、制御部102は、記憶施設情報とIDが一致しない入力施設情報については、そのままハードディスク22に記憶させる。これにより、施設情報が追加される。
【0028】
更に、制御部102は、ハードディスク22に記憶されている施設情報のうち、最新の地図データの更新処理によって変更あるいは追加がなされた施設情報については、図2に示すように当該施設情報が変更あるいは追加されたものであることを示す「1」に設定した新規フラグを付加し、それ以外の施設情報、すなわち、最新の地図データの更新処理によっては変更あるいは追加がなされなかった施設情報については、図2に示すように当該施設情報が変更あるいは追加されたものでないことを示す「0」に設定した新規フラグを付加する。これにより、ハードディスク22に記憶されている施設情報は、地図データの更新処理が行われる毎に、その更新処理によって変更あるいは追加がなされたものについてのみ新規フラグが「1」となり、その他のものについては新規フラグが「0」となる。
【0029】
次に、カーナビゲーション装置100における施設検索の詳細について説明する。図3は、施設検索における動作を示すフローチャートである。
【0030】
制御部102は、利用者によって操作部30が操作されてジャンル別の施設検索におけるジャンルが指定されたか否かを判定する(S101)。例えば、ディスプレイ70にジャンル指定のためのメニュー画面が表示されている状態において、利用者は、操作部30を操作することにより、検索を所望する施設のジャンルを指定することができる。制御部102は、この操作に応じて操作部30から出力される信号を入力した場合に、ジャンル別の施設検索が指示されたと判定する。
【0031】
ジャンルが指定された場合、次に、制御部102は、最新の地図データの更新処理によって変更あるいは追加がなされた施設情報(以下、「新規施設情報」と称する)を優先的に表示させる指示が、ジャンル指定から所定時間内になされたか否かを判定する(S102)。例えば、利用者は、操作部30を操作することにより、ディスプレイ70に表示された画面に含まれる新規施設情報優先表示の選択のための表示領域を指定することができる。制御部102は、この操作に応じて操作部30から出力される信号を入力した場合に、新規施設情報の優先表示が指示されたと判定する。
【0032】
ジャンル指定から所定時間内に新規施設情報の優先表示が指示された場合、制御部102は、利用者によって指定されたジャンルに属する施設の施設情報を取得する(S103)。具体的には、制御部102は、HDD20に対して、ハードディスク22に記憶された地図データ内の施設情報の読み出しを指示する。HDD20は、この指示に応じて施設情報を読み出し、バッファメモリ104に格納させる。そして、制御部102は、バッファメモリ104に格納された施設情報のうち、利用者によって指定された指定されたジャンルを含むものを抽出する。更に、制御部102は、抽出した施設情報を施設情報格納部114へ格納させる。
【0033】
次に、制御部102は、S103において取得した施設情報について、新規施設情報を他の施設情報に優先してディスプレイ70に表示させる制御を行う(S104)。
【0034】
図4は、S104における施設情報表示の動作を示すフローチャートである。制御部102は、S103において取得した施設情報、すなわち、施設情報格納部114に格納された施設情報のうち、未選択のもの、換言すれば、後述するS202乃至S205の処理の対象となっていないものをいずれか1つ選択する(S201)。
【0035】
次に、制御部102は、選択した施設情報(以下、適宜「選択施設情報」と称する)に対応する施設について、車両位置からの距離を算出する(S202)。具体的には、制御部102は、GPS受信部50によって受信されたGPS信号や、自立航法センサ60によって検出された車両の進行方向、車速パルスの出力間隔に基づいて、車両の位置(緯度、経度)を検出する。更に、制御部102は、選択施設情報に含まれる施設の緯度、経度を抽出する。そして、制御部102は、車両位置の緯度、経度と、選択施設情報から抽出した施設の緯度、経度とに基づいて、車両位置から選択施設情報に対応する施設までの距離を算出する。更に、制御部102は、算出した距離を、対応する選択施設情報に付加する。
【0036】
次に、制御部102は、選択施設情報に含まれる新規フラグが「1」であるか否かを判定する(S203)。選択施設情報に含まれる新規フラグが「1」である場合、当該選択施設情報は、最新の地図データの更新処理によって変更あるいは追加がなされた新規施設情報である。この場合、制御部102は、新規施設情報を一覧形式にまとめる新規施設情報リストに、その新規施設情報を追加する。この際、制御部102は、新規施設情報を、対応する施設と車両位置との距離の短いものが上位になるように、換言すれば、対応する施設と車両位置との距離の短い順に表示されるように、新規施設情報リストに追加する(S204)。
【0037】
一方、選択施設情報に含まれる新規フラグが「0」である場合、当該選択施設情報は、最新の地図データの更新処理によって変更あるいは追加がなされなかった施設情報(以下、「在来施設情報」と称する)である。この場合、制御部102は、在来施設情報を一覧形式にまとめる在来施設情報リストに、その在来施設情報を追加する。この際、制御部102は、在来施設情報を、当該在来施設情報に対応する施設と車両位置との距離の短いものが上位になるように、換言すれば、対応する施設と車両位置との距離の短い順に表示されるように、在来施設情報リストに追加する(S205)。
【0038】
S204において新規施設情報を新規施設情報リストに追加した後、あるいは、S205において在来施設情報を在来施設情報リストに追加した後、制御部102は、施設情報格納部114に格納された施設情報のうち、未選択のものがあるか否かを判定する(S206)。未選択の施設情報が存在する場合には、再び、その未選択の施設情報のいずれかの選択(S201)以降の動作が繰り返される。
【0039】
一方、施設情報格納部114に格納された全ての施設情報が選択済みである場合には、制御部102は、新規施設情報リストの情報を施設リスト描画部116へ出力する。施設リスト描画部116は、入力した新規施設情報リストの情報に基づいて、新規施設情報リストの画像を生成する。生成された新規施設情報リストの画像は、画像合成部118によって、必要に応じて他の画像と合成されて、ディスプレイ70に表示される(S207)。
【0040】
図5は、新規施設情報リストの画像の一例を示す図である。図5に示す新規施設情報リストの画像は、施設名称201と、車両位置から対応する施設までの距離202と、スクロール用の操作ボタン203とを含む。施設名称201は、新規施設情報内の施設名称から得られ、距離202は、新規施設情報に付加された距離から得られる。
【0041】
再び、図4に戻って説明する。新規施設情報リストの画像が表示された後、制御部102は、利用者によって操作部30が操作され、表示切替が指示されたか否かを判定する(S208)。表示切替が指示されていない場合には、新規施設情報リストの画像表示(S207)が継続される。一方、表示切替が指示された場合には、制御部102は、在来施設情報リストの情報を施設リスト描画部116へ出力する。施設リスト描画部116は、入力した在来施設情報リストの情報に基づいて、在来施設情報リストの画像を生成する。生成された在来施設情報リストの画像は、画像合成部118によって、必要に応じて他の画像と合成されて、ディスプレイ70に表示される(S209)。
【0042】
その後、制御部102は、利用者によって操作部30が操作され、表示切替が指示されたか否かを判定する(S210)。表示切替が指示されていない場合には、在来施設情報リストの画像表示(S209)が継続される。一方、表示切替が指示された場合には、新規施設情報リストの画像表示(S207)が行われる。S207乃至S210の動作は、利用者によって操作部30が操作され、新規施設情報リストの画像や在来施設情報リストの画像に含まれる施設名称のいずれかが選択されて、目的地等としての施設が決定されるまで継続される。
【0043】
再び、図3に戻って説明する。S102においてジャンル指定から所定時間内に新規施設情報の優先表示が指示されなかった場合、制御部102は、利用者によって指定されたジャンルに属する施設の施設情報を取得する(S105)。具体的な処理は、S103における処理と同様である。更に、制御部102は、取得した施設情報施設情報を一覧形式にまとめる施設情報リストの情報を生成し、施設リスト描画部116へ出力する。施設リスト描画部116は、入力した施設情報リストの情報に基づいて、施設情報リストの画像を生成する。生成された施設情報リストの画像は、画像合成部118によって、必要に応じて他の画像と合成されて、ディスプレイ70に表示される(S106)。
【0044】
このように、本実施形態の施設検索装置が適用されたカーナビゲーション装置100は、検索結果として得られた施設情報は、最新の地図データの更新処理において追加変更された施設情報である新規施設情報と、最新の地図データの更新処理において追加変更されていない施設情報である在来施設情報とを区別し、新規施設情報を優先してディスプレイ70に表示させる。従って、利用者は、容易に追加変更された施設を認識することができるため、その施設の情報の有効活用を促すことが可能となる。
【0045】
なお、上述した実施形態では、最新の地図データの更新処理によっては変更あるいは追加がなされた施設情報についてのみ、新規フラグに「1」が設定されるようにしたが、新規フラグの設定手法は、上述した手法に限定されるものではない。例えば、制御部102は、ハードディスク22に記憶されている各施設情報について、その施設情報が最後に変更あるいは追加された日時の情報を付加しておく。そして、制御部102は、この日時情報を参照して、過去の所定期間内(例えば過去1ヶ月以内)の地図データの更新処理において変更あるいは追加がなされた施設情報については、最新の地図データの更新処理において変更あるいは追加がなされなかった場合においても、「1」に設定した新規フラグを付加するようにし、一方、過去の所定期間内の地図データの更新処理において変更あるいは追加がなされなかった施設情報については、その所定期間よりも以前に変更あるいは追加された場合においても、「0」に設定した新規フラグを付加するようにしてもよい。
【0046】
また、上述した実施形態では、利用者によってジャンルが指定された場合における施設検索について説明したが、利用者によって指定されたキーワードを名称に含む施設の検索や利用者によって指定された地域に存在する施設の検索、車両位置から所定距離内に存在する施設の検索等、様々な施設検索においても本発明を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
以上、説明したように、本発明に係る施設検索装置は、新たな施設情報の有効活用を促すことが可能となり、施設検索装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】カーナビゲーション装置の構成を示す図である。
【図2】施設情報の一例を示す図である。
【図3】施設検索の動作を示すフローチャートである。
【図4】施設情報表示の動作を示すフローチャートである。
【図5】新規施設情報リストの画像の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0049】
10 本体
20 ハードディスクドライブ(HDD)
22 ハードディスク
30 操作部
40 通信部
50 GPS受信部
60 自立航法センサ
70 ディスプレイ
80 スピーカ
100 カーナビゲーション装置
102 制御部
104 バッファメモリ
106 地図描画部
108 操作画面・マーク発生部
110 誘導経路記憶部
112 誘導経路描画部
114 施設情報格納部
116 施設リスト描画部
118 画像合成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設情報を記憶する施設情報記憶手段と、
前記施設情報記憶手段への新たな施設情報の追加、及び、前記施設情報記憶手段に記憶された施設情報の変更の少なくともいずれかを行う施設情報追加変更手段と、
施設検索に際しての入力情報に基づいて、前記施設情報記憶手段により記憶された施設情報を検索する施設情報検索手段と、
前記施設情報検索手段により検索結果として得られた施設情報について、前記施設情報追加変更手段により追加変更された施設情報を、他の施設情報とは区別して提示する制御を行う検索結果提示制御手段とを有することを特徴とする施設検索装置。
【請求項2】
前記施設情報記憶手段により記憶された施設情報に対して、前記施設情報追加変更手段により追加変更された施設情報と、他の施設情報とを識別するための追加変更識別情報を付加する情報付加手段を有し、
前記検索結果提示制御手段は、前記施設情報検索手段により検索結果として得られた施設情報について、前記追加変更識別情報に基づいて、前記施設情報追加変更手段により追加変更された施設情報と他の施設情報とを区別することを特徴とする請求項1に記載の施設検索装置。
【請求項3】
前記検索結果提示制御手段は、前記施設情報検索手段により検索結果として得られた施設情報について、前記施設情報追加変更手段により追加変更された施設情報を、他の施設情報よりも優先して表示手段に表示させることを特徴とする請求項1又は2に記載の施設検索装置。
【請求項4】
前記施設情報は、対応する施設の位置情報を含み、
前記施設検索装置の位置を検出する位置検出手段と、
前記施設情報検索手段により検索結果として得られた施設情報のうち、前記施設情報追加変更手段により追加変更された施設情報に含まれる位置情報と、前記位置検出手段により検出された施設検索装置の位置とに基づいて、前記施設情報検索手段により検索結果として得られた、前記施設情報追加変更手段により追加変更された施設情報に対応する施設と、前記施設検索装置との距離を算出する距離算出手段とを有し、
前記検索結果提示制御手段は、前記施設情報検索手段により検索結果として得られた施設情報のうち、前記施設情報追加変更手段により追加変更された施設情報を、対応する施設と前記施設検索装置との距離の短い順に表示手段に表示させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の施設検索装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−134308(P2008−134308A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−318596(P2006−318596)
【出願日】平成18年11月27日(2006.11.27)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】