説明

施設検索装置

【課題】所望の施設を容易に検索できる利便性に優れた施設検索装置を提供する。
【解決手段】指示を入力する入力装置4と、地図情報ならびに施設の名称および種別を含む施設情報を記憶した地図情報記憶装置5と、入力装置から指示された施設の名称を抽出する施設名称抽出部11と、施設名称抽出部で抽出された施設の名称を検索キーとして、該検索キーを含む名称を有する施設を地図情報記憶装置に記憶されている施設情報から検索する施設検索部12と、施設検索部で検索された施設のうちの施設名称抽出部で抽出された施設と同一の名称および同一の種別を有する複数の施設の名称を、共通施設名称として1行に表したリストを生成するリスト生成部13と、リスト生成部で生成されたリストを表示する表示装置8を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、施設を検索する施設検索装置に関し、特に、多数の施設が検索された場合の検索結果を表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばナビゲーション装置などに搭載された施設検索装置が知られている。この施設検索装置においては、ユーザが希望する施設の名称を入力することにより、地図情報記憶装置に格納されている施設情報のデータベースが検索される(以下、この検索を「施設名称検索」という)。
【0003】
この施設名称検索において、ユーザが希望する施設の名称が全国で1件または数件しか存在しないユニークな名称であれば、検索結果のリストに表示される件数が少ないため、ユーザが希望する施設を検索結果のリストから容易に選択することができる。しかしながら、ユーザが希望する施設の名称が、全国に多数存在する同一名称の施設、例えば、ファーストフード店またはコンビニエンスストアなどのチェーン店名である場合、名称の入力だけでは、全国(地図情報データベース収録範囲の全域)に存在する同一名称の施設が多数検索され、検索結果のリストに同一名称の施設が複数ページにわたって表示されるので、ユーザは、希望する施設を見つけ出すのが困難であった。
【0004】
また、多数存在する同一名称の施設と同じ名称の別の施設、例えば、チェーン店と同じ名称の銀行などを検索する場合においても、検索結果のリストには、多数のチェーン店の中にユーザが希望する施設が埋もれてしまうため、上記と同様に、ユーザが希望する施設を見つけ出すのが困難であった。
【0005】
このような問題を解決するために、施設名称検索の開始時または検索途中で、検索結果のリストに表示される件数を削減することを目的として、施設名称検索の開始時または検索途中で検索範囲の絞り込みを行っている。この絞り込みは、施設名称検索の過程において、ユーザに施設の所在地を入力させることにより行われる。
【0006】
なお、施設検索に関連する技術として、特許文献1は、地図上に表示されている施設と同業の他の施設を検索できるナビゲーション装置を開示している。このナビゲーション装置は、地図情報および施設情報をHDDからそれぞれ読み出す読み出し手段と、読み出された地図情報および施設情報に応じた情報を表示装置に表示する表示手段と、表示された所定の情報が指示された場合には、対応する施設情報を特定する特定手段と、特定手段によって特定された施設情報から業種を示す情報を抽出する抽出手段と、抽出された業種を示す情報を参照し、同じ業種に属する他の施設を検索する検索手段と、検索によって得られた他の施設を呈示する呈示手段を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−145330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した従来の施設検索装置では、施設の所在地の入力操作が必要になるとともに、ユーザは、希望する施設の所在地を知っている必要があり、利便性に劣るという問題がある。
【0009】
この発明は、上述した問題を解消するためになされたものであり、その課題は、所望の施設を容易に検索できる利便性に優れた施設検索装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、この発明に係る施設検索装置は、指示を入力する入力装置と、地図情報ならびに施設の名称および業種に関する種別を含む施設情報を記憶した地図情報記憶装置と、前記入力装置から指示された施設の名称を抽出する施設名称抽出部と、前記施設名称抽出部で抽出された施設の名称を検索キーとして、前記検索キーに基づいて前記地図情報記憶装置に記憶されている施設情報から施設を検索する施設検索部と、前記施設検索部で検索された前記施設のうち、同一の名称および同一の業種に関する種別を有するものが複数存在する施設は共通施設名称と前記同一の業種に関する種別を示す絵図とを並べることによりまとめて1行に表すとともに、同一の名称および同一の業種に関する種別を有するものが複数存在しない施設は前記施設の名称と業種に関する種別を示す絵図とを並べることにより1行に表すことによりリストを作成し、異なる名称の施設についても一覧で表示可能にした第1のリストを生成する第1のリスト生成部と、前記第1のリストを表示させる際、画面上において、左から順に、前記同一の業種に関する種別を示す絵図、前記共通施設名称、および、画面をスクロールさせるためのスクロールバーを表示する表示装置と、検索の基準位置を算出する位置算出部と、前記入力装置から入力された指示によって、前記表示装置に表示された前記第1のリストの中から共通施設名称が選択された場合に、前記選択された共通施設名称によって示された同一の名称および同一の業種に関する種別を有する複数の施設を、前記位置算出部で算出された基準位置から近い順に一覧に表示可能とした第2のリストを生成する第2のリスト生成部とを備え、前記表示装置は、前記第2のリストを表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
この発明に係る施設検索装置によれば、施設検索部で検索された結果が、複数の施設を含むとともに、これらの複数の施設の内に異なる施設の名称を備えた施設が存在する場合には、同一の名称および同一の種別を有する複数の施設の名称を、共通施設名称として1行に表すことにより、異なる名称の施設についても一覧で表示可能なリストを生成して表示するように構成したので、リストに表示される施設の件数が膨大な数になるのを抑制してリストの認識性を向上させることができ、ユーザは、希望する施設を見つけ出すのが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の実施の形態1に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る施設検索装置で使用される制御装置の機能的な構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る施設検索装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】この発明の実施の形態1,2に係る施設検索装置で出力される表示画面の例を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態2に係る施設検索装置で使用される制御装置の機能的な構成を示すブロック図である。
【図6】この発明の実施の形態2に係る施設検索装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る施設検索装置の構成を示すブロック図である。なお、この施設検索装置は、車載ナビゲーション装置に組み込まれて使用されるものとする。
【0014】
実施の形態1に係る施設検索装置は、GPS(Global Positioning System)受信機1、方位センサ2、車速センサ3、入力装置4、地図情報記憶装置5、記憶装置6、制御装置7および表示装置8を備えている。
【0015】
GPS受信機1は、GPS衛星から送信されるGPS信号を受信し、この受信したGPS信号に基づき自己の現在位置を検出する。このGPS受信機1で検出された自己の現在位置は現在位置信号として制御装置7に送られる。
【0016】
方位センサ2は、車両の進行方向の変化を検出する。この方位センサ2で検出された車両の進行方向の変化は、方位信号として制御装置7に送られる。車速センサ3は、車輪の回転を検出し、車輪の回転に応じた車速パルスを生成する。この車速センサ3で生成された車速パルスは、車速信号として制御装置7に送られる。
【0017】
入力装置4は、例えば操作パネル、タッチパネルまたは音声入力装置などの少なくとも1つから構成されており、ユーザが種々の指示を施設検索装置に入力するために使用される。この入力装置4が操作されることによって発生された信号は、操作信号として制御装置7に送られる。
【0018】
地図情報記憶装置5は、例えばHDD(Hard Disk Drive)から構成されており、地図情報および施設情報を記憶している。地図情報には、道路データおよび道路属性データなどが含まれる。また、施設情報には、施設の名称および種別(種別の名称または施設ID)などが含まれる。この地図情報記憶装置5に格納されている地図情報および施設情報は、制御装置7によって読み出される。なお、地図情報記憶装置5としては、DVD(Digital Versatile Disk)に記録されている情報を再生するDVDドライブから構成することができる。この場合、地図情報および施設情報は、DVDドライブに装着されるDVDに格納される。
【0019】
記憶装置6は、例えばHDDから構成されており、制御装置7が処理に使用するデータを一時的に格納する。この記憶装置6は、制御装置7によってアクセスされる。制御装置7は、例えばマイクロコンピュータから構成されており、施設検索装置の全体を制御する。この制御装置7の詳細は後述する。
【0020】
表示装置8は、例えば液晶ディスプレイ装置から構成されており、制御装置7から送られてくる表示データにしたがって、施設検索の結果をリスト形式で表示する。なお、この表示装置8には、施設検索の結果の他に、ナビゲーション機能を実現するための地図、自車位置マーク、目的地までの経路、その他の種々の情報が表示される。
【0021】
次に、上述した制御装置7の詳細を説明する。図2は、制御装置7の機能的な構成を示すブロック図である。この制御装置7は、マイクロコンピュータ上で動作するソフトウェア処理により実現された施設名称抽出部11、施設検索部12およびリスト生成部13を備えている。
【0022】
施設名称抽出部11は、入力装置4から送られてくる操作信号によって示される施設の名称(文字列)を抽出する。この施設名称抽出部11で抽出された施設の名称は、施設検索部12に送られる。
【0023】
施設検索部12は、施設名称抽出部11から送られてくる施設の名称を検索キーとして、この検索キーを含む名称を有する施設を、地図情報記憶装置5に記憶されている施設情報から検索する。この施設検索部12で検索された施設は、検索施設情報として記憶装置6に送られて一時的に記憶される。
【0024】
リスト生成部13は、施設検索部12で検索されて記憶装置6に記憶されている検索施設情報を読み込み、この読み込んだ検索施設情報によって示される施設のうち、施設名称抽出部11で抽出された施設の名称と同一の名称および同一の種別を有する施設の名称を、共通施設名称として1行に表したリストを生成する。このリスト生成部13で生成されたリストは、表示データとして表示装置8に送られる。
【0025】
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態1に係る施設検索装置の動作を、施設名称検索処理を中心に、図3に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0026】
施設名称検索処理では、まず、施設検索の対象とされる施設の名称が入力される(ステップST11)。すなわち、ユーザは、入力装置4を操作して施設の名称(文字列)を入力する。図4(a)は、表示装置8の画面の下部に表示された文字セットを入力装置4で順次に指定することにより施設の名称を入力する様子を示しており、「ABCDEFGH」という施設の名称のうち、「ABC」までを入力した状態を示している。施設の名称の入力は、画面下部の「OKボタン」が押されることにより完了する。この入力装置4が操作されることにより発生された信号は、操作信号として、施設名称抽出部11に送られる。施設名称抽出部11は、入力装置4から送られてくる操作信号によって示される施設の名称(文字列)を抽出し、施設検索部12に送る。
【0027】
次いで、施設名称の検索が行われる(ステップST12)。すなわち、施設検索部12は、施設名称抽出部11から送られてくる施設の名称を検索キーとして、この検索キーを含む名称を有する施設を、地図情報記憶装置5に記憶されている施設情報から検索し、検索した施設を、検索施設情報として記憶装置6に送る。これにより、施設名称の検索によって得られた施設を表す情報が、記憶装置6に一時的に記憶される。
【0028】
次いで、検索結果に同一名称が存在するかどうかが調べられる(ステップST13)。すなわち、リスト生成部13は、ステップST12において記憶装置6に格納された検索施設情報を読み込み、この読み込んだ検索施設情報によって示される施設に、施設名称抽出部11で抽出された施設の名称と同一の名称を有する施設が存在するかどうかを調べる。
【0029】
このステップST13において、検索結果に同一名称が存在することが判断されると、次いで、同一種別であるかどうかが調べられる(ステップST14)。すなわち、リスト生成部13は、ステップST13で同一名称であると判断された名称を有する施設が、施設名称抽出部11で抽出された施設と同一の種別であるかどうかを調べる。このステップST14で、同一種別であることが判断されると、まとめリストが作成される(ステップST15)。すなわち、リスト生成部13は、同一の名称および同一の種別を有する施設の名称を、共通施設名称として1行に表したまとめリストを生成し、表示データとして表示装置8に送る。その後、シーケンスはステップST17に進む。
【0030】
一方、ステップST13において、検索結果に同一名称が存在しないことが判断された場合、および、ステップST14において、同一種別でないことが判断された場合は、1行リストが作成される(ステップST16)。すなわち、リスト生成部13は、ステップST12で検索された施設の名称を1行に表した1行リストを生成し、表示データとして表示装置8に送る。その後、シーケンスはステップST17に進む。
【0031】
ステップST17においては、検索結果のリストが表示される。すなわち、表示装置8は、リスト生成部13から表示データとして送られてきたまとめリストおよび1行リストを表示する。これにより、例えば、図4(b)に示すような、施設の種別毎に同一名称を有する施設の名称のリストが表示される。図4(b)においては、「ATM」、「レストラン」および「会社」といった施設の種別毎に、「ABCDEFGH」という施設の名称が、共通施設名称として1行に表示されている。
【0032】
次いで、追加文字入力による絞り込み検索が可能であるかどうかが調べられる(ステップST18)。このステップST18において、追加文字入力による絞り込み検索が可能であることが判断されると、シーケンスはステップST11に戻り、文字が追加された施設の名称が入力される。以下、上述した処理が繰り返される。このステップST18において、追加文字入力により絞り込み検索が不可能であることが判断されると、施設名称検索処理は終了する。
【0033】
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係る施設検索装置によれば、施設検索部12で検索された施設のうちの施設名称抽出部11で抽出された施設と同一の名称および同一の種別を有する複数の施設の名称を、共通施設名称として1行に表したリストを生成して表示するように構成したので、リストに表示される施設の件数が膨大な数になるのを抑制してリストの認識性を向上させることができ、ユーザは、希望する施設を見つけ出すのが容易になる。
【0034】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係る施設検索装置は、上述した実施の形態1に係る施設検索装置において、共通施設名称としてリストの1行に表された複数の施設の中から所望の施設を検索できるようにしたものである。
【0035】
この実施の形態2に係る施設検索装置の構成は、制御装置7が制御装置7aに変更されている点を除き、上述した実施の形態1に係る施設検索装置の構成と同じである。以下においては、実施の形態1に係る施設検索装置と相違する部分を中心に説明する。
【0036】
図5は、実施の形態2に係る施設検索装置の制御装置7aの機能的な構成を示すブロック図である。この制御装置7aは、実施の形態1に係る施設検索装置の制御装置7に、マイクロコンピュータ上で動作するソフトウェア処理により実現された現在位置検出部14、周辺施設検索部15および距離方向算出部16が追加されて構成されている。
【0037】
現在位置検出部14は、この発明の位置算出部に対応し、GPS受信機1から送られてくる現在位置信号、方位センサ2から送られてくる方位信号および車速センサ3から送られてくる車速信号に基づき自車の現在位置を算出する。この現在位置検出部14で決定された自車の現在位置は、後述する周辺施設検索の中心となる基準位置を示す基準位置データとして周辺施設検索部15に送られる。
【0038】
なお、現在位置検出部14で検出された現在位置に限らず、入力装置4から入力された位置を基準位置として用いるように構成することもできる。この場合、入力装置4から送られてくる操作信号によって示される情報が、基準位置データとして周辺施設検索部15に送られる。
【0039】
周辺施設検索部15は、入力装置4から入力された指示によって、表示装置8に表示されたリストの中から共通施設名称が選択された場合に、現在位置検出部14で検出された基準位置の周辺に存在する、共通施設名称によって示される施設を、記憶装置6から読み込んだ検索施設情報によって示される施設の中から検索する。この周辺施設検索部15で検索された施設は、周辺施設情報として距離方向算出部16に送られる。
【0040】
距離方向算出部16は、周辺施設検索部15から送られてくる周辺施設情報によって示される施設の距離および方向、つまり、現在位置検出部14で検出された基準位置からの距離および方向を、地図情報記憶装置5から読み込んだ地図情報に基づき算出する。この距離方向算出部16で算出された距離および方向は、リスト生成部13に送られる。
【0041】
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態2に係る施設検索装置の動作を、周辺施設検索処理を中心に、図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。この周辺施設検索処理は、図3のフローチャートに示した実施の形態1に係る施設検索装置のステップST17において検索結果のリストが表示された後に実行される。
【0042】
周辺施設検索処理では、まず、施設名称の選択が行われる(ステップST21)。すなわち、ユーザは、入力装置4を操作して、表示装置8に表示されている図4(b)に示すようなリストの中から1つの施設の名称を選択する。この入力装置4が操作されることにより発生された信号は、操作信号として周辺施設検索部15に送られる。
【0043】
次いで、選択された施設名称が共通施設名称であるかどうかが調べられる(ステップST22)。すなわち、周辺施設検索部15は、ステップST21で選択された施設名称、つまり入力装置4から送られてくる操作信号によって示される施設の名称が、同一の名称および同一の種別を有する複数の施設の名称を表した共通施設名称であるかどうかを調べる。このステップST22において、選択された施設名称が共通施設名称でないことが判断されると、周辺施設検索処理は終了する。
【0044】
一方、ステップST22において、選択された施設名称が共通施設名称であることが判断されると、次いで、周辺施設の検索が行われる(ステップST23)。すなわち、周辺施設検索部15は、入力装置4から送られてくる操作信号によって示される名称を有する施設であって、現在位置検出部14で検出された基準位置から予め指定された範囲、つまり自車の周辺の施設を、記憶装置6から読み込んだ検索施設情報によって示される施設の中から検索する。この施設検索の間は、その旨を表す画面が表示装置8に表示される。図4(c)は、レストランの「ABCDEFGH’S」が施設名称として選択された状態で周辺施設の検索が行われている場合の画面例を示している。
【0045】
次いで、検索された施設が指定件数以内であるかどうかが調べられる(ステップST24)。すなわち、周辺施設検索部15は、ステップST23で検索された施設の数が、予め指定されている件数以内であるかどうかを調べる。このステップST24において、検索された施設が指定件数以内でない、つまり指定件数より多いことが判断されると、周辺施設検索部15は、周辺施設検索を終了し、検索した施設を距離方向算出部16に送る。その後、シーケンスはステップST27に進む。
【0046】
一方、ステップST24において、検索された施設が指定件数以内であることが判断されると、次いで、検索範囲は指定範囲内であるかどうかが調べられる(ステップST25)。すなわち、周辺施設検索部15は、基準位置からの距離によって規定される検索範囲が、予め指定された範囲内であるかどうかを調べる。このステップST25において、検索範囲が指定範囲内であることが判断されると、基準位置からの距離を所定値だけ増加させることにより検索範囲が広げられ、その後、シーケンスはステップST23に戻り、再度、周辺施設検索が行われる。一方、ステップST25において、検索範囲が指定範囲内でないことが判断されると、次いで、1件以上の検索結果が存在するかどうかが調べられる(ステップST26)。すなわち、周辺施設検索部15は、ステップST23で検索された施設の数が、1件以上であるかどうかを調べる。このステップST26において、1件以上の検索結果が存在することが判断されると、周辺施設検索部15は、検索された施設を距離方向算出部16に送る。その後、シーケンスはステップST27に進む。
【0047】
ステップST27においては、距離および方向が算出される。すなわち、距離方向算出部16は、周辺施設検索部15から送られてくる施設の全てについて、該施設までの距離およびその施設が存在する方向を、地図情報記憶装置5から読み込んだ地図情報に基づき算出する。この距離方向算出部16で算出された距離および方向は、施設の名称に付加されてリスト生成部13に送られる。
【0048】
次いで、検索結果のリストが表示される(ステップST28)。すなわち、リスト生成部13は、距離方向算出部16から送られてくる距離および方向が付加された施設の名称の一覧を生成し、表示データとして表示装置8に送る。表示装置8は、リスト生成部13から表示データとして送られてきた距離および方向が付加された施設の名称の一覧を表示する。
【0049】
これにより、施設の種別毎に同一名称を有する施設であって、基準位置から所定範囲内に存在する施設の名称に、その施設までの距離および方向が付されたリストが表示される。例えば、図4(d)に示すように、「レストラン」といった種別の施設であって、「ABCDEFGH」という名称を有する施設の一覧が、そのレストランまでの距離および方向が付加されて表示される。その後、周辺施設検索処理は終了する。
【0050】
上記ステップST26において、1件以上の検索結果が存在しないことが判断されると、エラーテロップが表示される(ステップST29)。すなわち、周辺施設検索部15は、1件以上の検索結果が存在しない旨のエラーテロップを生成し、表示データとして表示装置8に送る。これにより、表示装置8に、1件以上の検索結果が存在しない旨のテロップが表示される。
【0051】
なお、ステップST29においては、エラーテロップを表示する代わりに、または、エラーテロップを表示すると同時に、検索範囲を広げ、その後、ステップST23に戻るように構成することができる。この構成によれば、ユーザは、より広い範囲で所望の施設が存在するかどうかを確認することができる。
【0052】
以上説明したように、この発明の実施の形態2に係る施設検索装置によれば、1つの共通施設名称を選択することによって、その選択した施設の周辺の施設が自動的に検索されるので、ユーザに対し、表示件数の絞り込みのための追加情報の入力、例えば、国の名称または市の名称等を入力する操作は不要になり、しかも、ユーザが目的とする施設の所在位置を知らなくても検索が可能になる。
【0053】
また、周辺施設の検索結果のリストに周辺施設検索の中心である基準位置からの距離および方向が表示されるので、ユーザは、目的とする施設の選択を容易に行うことができる。さらに、周辺施設の検索範囲に制限を設けたので、検索に要する時間を短縮できるとともに、検索に必要なメモリ消費量を抑制できる。
【0054】
この発明に係る施設検索装置は、リストに表示される施設の件数が膨大な数になるのを抑制してリストの認識性を向上させることができ、ユーザは、希望する施設を見つけ出すのが容易になるため、多数の施設が検索された場合の検索結果を表示する施設検索装置等に用いるのに適している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
指示を入力する入力装置と、
地図情報ならびに施設の名称および業種に関する種別を含む施設情報を記憶した地図情報記憶装置と、
前記入力装置から指示された施設の名称を抽出する施設名称抽出部と、
前記施設名称抽出部で抽出された施設の名称を検索キーとして、前記検索キーに基づいて前記地図情報記憶装置に記憶されている施設情報から施設を検索する施設検索部と、
前記施設検索部で検索された前記施設のうち、同一の名称および同一の業種に関する種別を有するものが複数存在する施設は共通施設名称と前記同一の業種に関する種別を示す絵図とを並べることによりまとめて1行に表すとともに、同一の名称および同一の業種に関する種別を有するものが複数存在しない施設は前記施設の名称と業種に関する種別を示す絵図とを並べることにより1行に表すことによりリストを作成し、異なる名称の施設についても一覧で表示可能にした第1のリストを生成する第1のリスト生成部と、
前記第1のリストを表示させる際、画面上において、左から順に、前記同一の業種に関する種別を示す絵図、前記共通施設名称、および、画面をスクロールさせるためのスクロールバーを表示する表示装置と、
検索の基準位置を算出する位置算出部と、
前記入力装置から入力された指示によって、前記表示装置に表示された前記第1のリストの中から共通施設名称が選択された場合に、前記選択された共通施設名称によって示された同一の名称および同一の業種に関する種別を有する複数の施設を、前記位置算出部で算出された基準位置から近い順に一覧に表示可能とした第2のリストを生成する第2のリスト生成部とを備え、
前記表示装置は、前記第2のリストを表示する
ことを特徴とする施設検索装置。
【請求項2】
検索された施設の前記位置検出部で算出された基準位置からの距離および方向を、前記地図情報記憶装置に記憶されている地図情報に基づき算出する距離方向算出部を備え、
前記第2のリスト生成部は、施設の名称に前記距離方向算出部で算出された距離および方向を付して一覧にしたリストを生成することを特徴とする請求項1記載の施設検索装置。
【請求項3】
第2のリスト生成部は、所定の範囲に制限して検索された施設のリストを生成することを特徴とする請求項1記載の施設検索装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−7754(P2013−7754A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−180963(P2012−180963)
【出願日】平成24年8月17日(2012.8.17)
【分割の表示】特願2010−540327(P2010−540327)の分割
【原出願日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】