施設間移動推定装置、方法、及びプログラム
【課題】 本発明の目的は、ユーザの施設間移動経路を高い精度で推定する施設間移動推定装置を提供することである。
【解決手段】 複数の施設に関する位置情報と、施設間の移動時間を格納する移動マップを作成し、ユーザの移動開始時点での位置情報を測位し、位置情報の最寄施設から他の施設への複数の移動経路候補と、それらの尤度を格納する移動候補リストを作成し、ユーザの移動状況を推定し、移動状況が変化する毎に、最寄施設及びユーザの移動状況に応じて、移動候補リストから現在移動している移動経路候補を複数推定し、これらの移動経路候補の尤度を変化させ、ある移動経路候補の尤度が他の移動経路候補の尤度よりも高い場合、当該移動経路候補をユーザが移動中であるとして推定する。
【解決手段】 複数の施設に関する位置情報と、施設間の移動時間を格納する移動マップを作成し、ユーザの移動開始時点での位置情報を測位し、位置情報の最寄施設から他の施設への複数の移動経路候補と、それらの尤度を格納する移動候補リストを作成し、ユーザの移動状況を推定し、移動状況が変化する毎に、最寄施設及びユーザの移動状況に応じて、移動候補リストから現在移動している移動経路候補を複数推定し、これらの移動経路候補の尤度を変化させ、ある移動経路候補の尤度が他の移動経路候補の尤度よりも高い場合、当該移動経路候補をユーザが移動中であるとして推定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが施設間を移動することを推定する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、センサを用いて交通機関による移動を検知し、路線情報との一致を見ることでユーザの位置を推定する技術が存在した。特許文献1には、位置情報が得られない場合、空気圧や加速度の測定データから駅間移動時間を測定し、路線情報とマッチングさせることで、交通機関による移動経路を特定するシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−128343号公報(第9〜14頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の技術では、ユーザが施設間を移動する経路を高い精度で推定できない、という問題があった。
【0005】
本発明の目的は、ユーザの施設間移動経路を高い精度で推定する施設間移動推定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態の施設間移動推定装置は、複数の施設に関する位置情報と、前記施設間の移動時間を格納する移動マップと、前記ユーザの移動開始時点での位置情報を測位する測位部と、前記測位した位置情報の最寄施設から他の施設への複数の移動経路候補と、前記移動経路候補の尤度を格納する移動候補リストと、前記ユーザの移動状況を推定する移動状況推定部と、前記移動状況が変化する毎に、前記最寄施設及び前記ユーザの移動状況に応じて、前記移動候補リストから現在移動している移動経路候補を複数推定する移動経路推定部と、前記推定された複数の移動経路候補の尤度を変化させる調整部を有し、前記推定された複数の移動経路候補中のある移動経路候補の尤度が他の移動経路候補の尤度よりも高い場合、当該移動経路候補をユーザが移動中であるとして推定する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザの施設間移動経路を高い精度で推定する施設間移動推定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態に係る施設間移動推定装置100の構成ブロック図。
【図2】移動経路推定部140がユーザの施設間の移動を推定するフローチャート。
【図3】駅間移動マップを示す図。
【図4】移動状況時系列データを示す図。
【図5】駅間移動候補リストを示す図。
【図6】移動状況時系列データを示す図。
【図7】半蔵門線の時刻表の一部を示す図。
【図8】時刻表との合致による尤度変化後の駅間移動候補リストを示す図。
【図9】駅間移動マップとの合致による尤度変化後の駅間移動候補リストを示す図。
【図10】移動状況時系列データを示す図。
【図11】位置測位との合致による尤度変化後の駅間移動候補リストを示す図。
【図12】移動状況時系列データを示す図。
【図13】駅間移動マップとの合致による尤度変化後の駅間移動候補リストを示す図。
【図14】移動状況時系列データを示す図。
【図15】駅間移動マップとの合致および時刻表との合致による尤度変化後の駅間移動候補リストを示す図。
【図16】工場内の設備間移動マップを示す図。
【図17】移動状況時系列データを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0010】
図1は、本発明の実施形態に係る施設間移動推定装置100の構成ブロック図である。ここでは、施設の例として駅を挙げる。そして、ユーザが電車で移動する際の駅間の移動経路を推定するケースを説明する。
【0011】
位置測位部110は、ユーザが所持しているモバイル機器(携帯電話機など)のGPS又は無線LANであり、ユーザの位置情報を取得する。
【0012】
移動状況推定部120は、加速度センサ130からの情報を用いて、ユーザが静止しているか、歩いているか、又は、ユーザの乗った電車が発車したか、停車したかを示す、ユーザの移動状況を推定する。
【0013】
移動経路推定部140は、移動状況が変化する毎に、ユーザの移動開始時点での位置情報及びユーザの移動状況から移動状況時系列データを記録する。さらに、移動状況が変化する毎に、ユーザはどの施設を経由したのか(例えば、ユーザが利用する移動手段(電車)が、いつ発車、停車したか)を推定する。これによって、ユーザが移動する経路全体を推定する。また、移動経路全体を推定するために、位置測位部110及び加速度センサ130を駆動させる時間をどのぐらいにするかを制御する(点線で表示)。
【0014】
移動マップDB150は、ユーザが移動する施設の位置情報(施設が駅の場合、駅名および駅間の位置情報)、それら施設間を移動する際の時系列データ情報(駅間の移動時間)、及び、移動回数(駅間の移動をユーザが今まで行った回数を表す)を格納する。なお、駅間の位置情報とは、駅それぞれの絶対位置(GPS情報又は無線LAN基地局情報)または駅間の相対位置(路線図;鉄道路線と当該路線にある駅の順序を表す位置関係)をいう。
【0015】
マップ更新部160は、移動経路推定部140が推定した移動経路全体を移動マップDB150に更新する。具体的には、駅間の移動時間を、実際にかかった移動時間に応じて更新する。
【0016】
移動候補リスト170は、移動経路の候補群(ユーザが移動を開始した最寄施設から移動可能な他の施設への)及び各候補の尤度を備える。リスト作成部180は、移動マップDB150を参照して、各移動経路の候補(以下「移動候補」という)に尤度を付加し、移動候補リスト170を作成する。例えば、移動マップDB150内に格納されている移動回数を参照し、ユーザが移動経路として頻繁に利用している移動候補には高い尤度を与える。説明の便宜上、尤度は、その移動候補上の移動をユーザが実際に行った移動回数とする。
【0017】
尤度調整部190は、移動経路推定部140から得られるユーザの電車での駅間の移動時間等から構成される移動状況や位置情報を用いて、移動候補リスト170中の各移動候補の尤度を上下に変化させる。
【0018】
駆動調整部200は、移動候補リスト170を参照し、移動候補の中で尤度が十分に高いものが出てきた場合に、位置測位部110又は加速度センサ130の駆動を停止させるよう、移動経路推定部140を調整する。
【0019】
図2は、尤度調整部190が移動候補の尤度を調整し、移動経路推定部140がユーザの施設間の移動を推定するフローチャートである。まず、ユーザが移動を開始する地点において、位置測位部110は、ユーザの現在位置を取得する(S201)。次に、リスト作成部180は、移動マップDB150を参照し、現在位置の最寄駅から移動可能な移動候補を移動候補リスト170に設定する(S202)。
【0020】
図3は、駅間移動マップ(施設間の移動マップの一例)を示す図である。この駅間移動マップには、渋谷を中心とした井の頭線、銀座線、半蔵門線、田園都市線の移動経路、およびその移動にかかる時間、およびその移動を行った回数が記録されている。この駅間移動マップは、ユーザが過去に渋谷から駒場東大前、青山一丁目、外苑前、三軒茶屋への移動を行ったという実績に基づいて作成してもよいし、既存の路線図を基にして作成してもよい。
【0021】
本実施形態では、ユーザが渋谷から移動を開始する場合について説明する。ユーザが歩行での移動を開始すると、位置測位部110がユーザの位置情報を測る。図4は、ユーザの移動状況時系列データ(渋谷駅周辺の位置情報を測位できた場合)を示す図である。
【0022】
この段階で、リスト作成部180が、図5の駅間移動候補リスト(施設間の移動候補リスト170の一例)を作成する(S202)。駅間移動候補リスト内の各移動候補は、移動する駅間の順番を路線毎に表す駅間移動順データと、それぞれの移動候補がユーザの実際の移動に合致していると推定される尤度で構成される。作成時の尤度は、それぞれの移動候補に含まれる駅間の移動を、ユーザが行った回数が多いほど、高い尤度が設定される。
【0023】
図3の駅間移動マップの場合、井の頭線「渋谷→神泉→駒場東大前」という経路(図5の移動候補1に相当)の移動回数が最も多い。それゆえ、図5の駅間移動候補リストでは、移動候補1(井の頭線「渋谷→神泉→駒場東大前」)には高い尤度である3が設定され、その他の移動候補の尤度には1が設定される。
【0024】
次に、移動経路推定部140が、移動状況推定部120を用いてユーザの移動状況を推定し、移動状況時系列データを記録する(S203)。移動状況時系列データが一定時間の乗車後に静止もしくは歩行を記録した場合、駅間の移動後に停車または乗り換えと判断する(S204)。
【0025】
(尤度変化ステップ1;時刻表との合致確認)
図6は、ユーザの移動状況時系列データ(渋谷からの乗車開始時刻が12:04の場合)を示す図である。移動経路推定部140は、2分の乗車状況及びその後の静止状況を移動状況時系列データとして記録し、電車が駅で停車した場合、乗車状況の開始時刻と、駅間移動候補リスト内の移動候補の各路線の時刻表を参照し、尤度調整部190は、乗車開始時刻と時刻表の発車時刻が一致する移動候補の尤度を増加させる(S205)。なお、時刻表データはサーバから予めダウンロード等しておけばよい。
【0026】
図7は、半蔵門線(移動候補の各路線の一例)の時刻表の一部を示す図である。渋谷から表参道,青山一丁目へ移動する半蔵門線渋谷駅の時刻表および表参道から青山一丁目に移動する半蔵門線表参道駅の時刻表について、12時台の一部が表示されている。
【0027】
この場合、乗車開始時刻と、各移動候補の時刻表を参照し、乗車開始時刻と時刻表内の発車時刻が一致する移動候補の尤度を増加させ、一致しない移動候補の確信度を減少させる。
【0028】
図8は、時刻表との合致による尤度変化後の駅間移動候補リストを示す図である。ここでは、移動候補3(半蔵門線「渋谷→表参道→青山一丁目」)の尤度を2増加させ、その他の尤度を2減少させる。なお、移動候補3の尤度のみ変化(増加)させ、他の移動候補1,2,3の尤度を変化(減少)させなくてもよい。その逆、移動候補3の尤度のみ変化(増加)させず、他の移動候補1,2,3の尤度を変化(減少)させてもよい。
【0029】
(尤度変化ステップ2;駅間移動マップとの合致確認)
次に、移動状況時系列データ(図6)と駅間移動マップ(図3)との合致により尤度を変化させることについて説明する。
【0030】
図6の移動状況時系列データに、渋谷を起点とする2分間の乗車状況が記録されている。すなわち、移動状況が変化した場合に、駅間移動マップから、渋谷から2分間乗車を行うと次の駅に到達する移動経路を探索する。探索の結果、神泉および表参道への移動が2分間の乗車であるため、尤度調整部190は、渋谷の次に神泉および表参道へ移動する移動候補1,2,3の尤度を1増加させ、他の移動候補4の尤度を1減少させる。図9は、駅間移動マップとの合致による尤度変化後の駅間移動候補リストを示す図である。
【0031】
なお、移動候補1,2,3の尤度のみ変化(増加)させ、他の移動候補4の尤度を変化(減少)させなくてもよい。移動候補1,2,3の尤度のみ変化(増加)させず、他の移動候補4の尤度を変化(減少)させてもよい。
【0032】
また、尤度の量をユーザが移動している時間帯に応じて変化させてもよい。すなわち、電車の移動時間が不確定な平日朝夕のラッシュ時には尤度の変化を少なく、運行が安定している昼や休日は尤度の変化を大きく設定しても良い。
【0033】
(尤度変化ステップ3;測位した位置との合致確認)
次に、移動経路推定部140は、駅間移動候補リストの始点から一定距離以上移動したかを判定する(S207)。移動距離は、移動した駅の数で測定してもよいし、乗車時間の総計で測定してもよい。なお、この測定は、電車が駅で停車している場合に行うことが望ましい。
【0034】
一定距離以上移動していた場合、駅間移動候補リスト中の1つの移動候補の尤度が、他の移動候補と比較して高いかを確認することによって、ユーザの移動が特定できているかを判定する(S208)。そして、ユーザの移動が特定できていれば、駆動調整部200が位置測位部110又は加速度センサ130の駆動を停止させることによって、施設間移動推定装置100全体を低消費電力化することができる。
【0035】
尤度の高い移動候補がない場合、位置測位部110を用いて現在位置を取得する(S209)。現在位置情報が取得できた場合(S210)、まず現在位置情報が、駅間移動候補リスト中で現在ユーザがいると推定されている駅(例えば、図9の場合、神泉,表参道または池尻大橋)の位置情報(以下「推定位置情報」という)から大きく離れているかを判定する(S211)。大きく離れている場合(S211のYes)、現在位置の最寄駅を始点として、駅間移動候補リストを再作成する(S202)。そうでない場合は、尤度調整部190は、現在位置情報と推定位置情報が近い移動候補の尤度を増加させる(S212)。
【0036】
図10は、位置測位部110としてのWiFiを用いて、表参道付近の位置情報を測位した場合、移動経路推定部140は駅間移動マップ内の駅の位置情報との合致を確認し、尤度調整部190は渋谷から1駅目が表参道に近い移動候補の尤度を2増加させ、それ以外の駅を含む移動候補の尤度を2減少させる。尤度変化後の駅間移動候補リストを図11に示す。なお、測位方式の位置測位の正確さに合わせて、尤度の変化の増減量を変化させてもよい。
【0037】
その後、2分の乗車を記録し、再度WiFi測位を行ったが、今回測位が行えず、かつ、時刻表との合致も行えなかった状態を図12に示す。この場合、尤度の変化は移動状況のみに基づいて行われ、WiFi測位及び時刻表に基づいては行われない。変化後の駅間移動候補リストを図13に示す。この場合、渋谷から表参道への移動をユーザの移動として確定する。このようにすれば、ユーザの駅間移動経路を高い精度推定することができる。
【0038】
次に、位置測位部110としてのGPSの移動速度に基づいて、ユーザが乗車後歩行しているかどうかを判定する(S213)。歩行していない場合、まず各駅間移動候補リストの終端駅にユーザが到達していると推定しているかどうかを判定する(S214)。到達している場合、そこから先の移動可能駅を探索し、移動候補の延長や追加を行う(S215)。
【0039】
歩行している場合(S213のYes)、駅間移動候補リスト中の1つの移動候補の尤度が、他の移動候補と比較して高いかどうかを判定する(S216)。そのような移動候補がない場合は移動検出ができなかった旨出力する(S217)。
【0040】
一方、そのような移動候補がある場合は、その移動候補をユーザの移動として推定し、出力する(S218)。このようにすれば、ユーザの駅間移動経路を高い精度推定することができる。
【0041】
また、マップ更新部160は、その移動に対応する駅間移動マップの移動回数を1増加させるとともに、移動にかかった実際の時間を駅間移動マップに記録する(S219)。駅間移動マップから駅間の移動時間を算出する際は、記録された実際の移動時間の平均を用いてもよい。
【0042】
(変形例1)
図10の状態から、次の乗車状況が12:07に開始され、その後4分の乗車状況を検知した状態を図14に示す。この場合の、尤度変化後の駅間移動候補リストを図15に示す。この場合、尤度の高い青山一丁目への移動をユーザの移動として確定する。なお、時刻表に基づく尤度変化を行う場合、対応する路線の遅延情報を参照し、遅延がある場合は尤度の変化を少なくしてもよい。
【0043】
(変形例2)
移動マップDB150において、移動回数は駅間の移動をユーザが今まで行った回数とした。しかし、これに限定されるものではない。
【0044】
例えば、既存の路線図から移動時間を推定して移動マップを作成してもよい。この場合の移動候補リスト170では、尤度の初期値を0(ゼロ)に設定すればよい。
【0045】
(変形例3)
以上では、電車での移動におけるユーザの駅間移動を推定する例を示した。しかし、本実施形態に係る施設間移動推定装置は駅間の移動に限らず、他の施設間の移動の推定にも適用することができる。
【0046】
例えば、工場内の設備で作業を行う作業員の移動を推定する場合、移動マップDB150は、施設間移動マップとして、図16に示すような、作業員が移動する設備に関する位置情報(設備名および設備間の位置関係)およびそれら設備間の移動にかかる時間から構成されるマップを格納する。ここでは、設備間の位置関係として、設備間の相対位置(各設備と、作業員が各設備を巡回するルート群を表す)を用いている。
【0047】
移動経路推定部140は、作業員の移動状況時系列データとして、図17に示すような、ある設備での作業後、歩行によって他の設備に移動し、移動先の設備で作業を行うというデータを記録する。このデータを施設間移動マップと照合することで、作業員の移動を推定する。このようにすれば、個人差(歩行速度など)へ適応することができる。
【0048】
なお、移動前の最初の設備での作業開始の検出に関しては、作業員が明示的に入力する、もしくはRFIDなど屋内で利用可能な測位方式を適用してもよい。
【0049】
上述した実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば、適宜組合わせ及び変更することができることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0050】
100 施設間移動推定装置
110 位置測位部
120 移動状況推定部
130 加速度センサ
140 移動経路推定部
150 移動マップDB
160 マップ更新部
170 移動候補リスト
180 リスト作成部
190 尤度調整部
200 駆動調整部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが施設間を移動することを推定する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、センサを用いて交通機関による移動を検知し、路線情報との一致を見ることでユーザの位置を推定する技術が存在した。特許文献1には、位置情報が得られない場合、空気圧や加速度の測定データから駅間移動時間を測定し、路線情報とマッチングさせることで、交通機関による移動経路を特定するシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−128343号公報(第9〜14頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の技術では、ユーザが施設間を移動する経路を高い精度で推定できない、という問題があった。
【0005】
本発明の目的は、ユーザの施設間移動経路を高い精度で推定する施設間移動推定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態の施設間移動推定装置は、複数の施設に関する位置情報と、前記施設間の移動時間を格納する移動マップと、前記ユーザの移動開始時点での位置情報を測位する測位部と、前記測位した位置情報の最寄施設から他の施設への複数の移動経路候補と、前記移動経路候補の尤度を格納する移動候補リストと、前記ユーザの移動状況を推定する移動状況推定部と、前記移動状況が変化する毎に、前記最寄施設及び前記ユーザの移動状況に応じて、前記移動候補リストから現在移動している移動経路候補を複数推定する移動経路推定部と、前記推定された複数の移動経路候補の尤度を変化させる調整部を有し、前記推定された複数の移動経路候補中のある移動経路候補の尤度が他の移動経路候補の尤度よりも高い場合、当該移動経路候補をユーザが移動中であるとして推定する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザの施設間移動経路を高い精度で推定する施設間移動推定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態に係る施設間移動推定装置100の構成ブロック図。
【図2】移動経路推定部140がユーザの施設間の移動を推定するフローチャート。
【図3】駅間移動マップを示す図。
【図4】移動状況時系列データを示す図。
【図5】駅間移動候補リストを示す図。
【図6】移動状況時系列データを示す図。
【図7】半蔵門線の時刻表の一部を示す図。
【図8】時刻表との合致による尤度変化後の駅間移動候補リストを示す図。
【図9】駅間移動マップとの合致による尤度変化後の駅間移動候補リストを示す図。
【図10】移動状況時系列データを示す図。
【図11】位置測位との合致による尤度変化後の駅間移動候補リストを示す図。
【図12】移動状況時系列データを示す図。
【図13】駅間移動マップとの合致による尤度変化後の駅間移動候補リストを示す図。
【図14】移動状況時系列データを示す図。
【図15】駅間移動マップとの合致および時刻表との合致による尤度変化後の駅間移動候補リストを示す図。
【図16】工場内の設備間移動マップを示す図。
【図17】移動状況時系列データを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0010】
図1は、本発明の実施形態に係る施設間移動推定装置100の構成ブロック図である。ここでは、施設の例として駅を挙げる。そして、ユーザが電車で移動する際の駅間の移動経路を推定するケースを説明する。
【0011】
位置測位部110は、ユーザが所持しているモバイル機器(携帯電話機など)のGPS又は無線LANであり、ユーザの位置情報を取得する。
【0012】
移動状況推定部120は、加速度センサ130からの情報を用いて、ユーザが静止しているか、歩いているか、又は、ユーザの乗った電車が発車したか、停車したかを示す、ユーザの移動状況を推定する。
【0013】
移動経路推定部140は、移動状況が変化する毎に、ユーザの移動開始時点での位置情報及びユーザの移動状況から移動状況時系列データを記録する。さらに、移動状況が変化する毎に、ユーザはどの施設を経由したのか(例えば、ユーザが利用する移動手段(電車)が、いつ発車、停車したか)を推定する。これによって、ユーザが移動する経路全体を推定する。また、移動経路全体を推定するために、位置測位部110及び加速度センサ130を駆動させる時間をどのぐらいにするかを制御する(点線で表示)。
【0014】
移動マップDB150は、ユーザが移動する施設の位置情報(施設が駅の場合、駅名および駅間の位置情報)、それら施設間を移動する際の時系列データ情報(駅間の移動時間)、及び、移動回数(駅間の移動をユーザが今まで行った回数を表す)を格納する。なお、駅間の位置情報とは、駅それぞれの絶対位置(GPS情報又は無線LAN基地局情報)または駅間の相対位置(路線図;鉄道路線と当該路線にある駅の順序を表す位置関係)をいう。
【0015】
マップ更新部160は、移動経路推定部140が推定した移動経路全体を移動マップDB150に更新する。具体的には、駅間の移動時間を、実際にかかった移動時間に応じて更新する。
【0016】
移動候補リスト170は、移動経路の候補群(ユーザが移動を開始した最寄施設から移動可能な他の施設への)及び各候補の尤度を備える。リスト作成部180は、移動マップDB150を参照して、各移動経路の候補(以下「移動候補」という)に尤度を付加し、移動候補リスト170を作成する。例えば、移動マップDB150内に格納されている移動回数を参照し、ユーザが移動経路として頻繁に利用している移動候補には高い尤度を与える。説明の便宜上、尤度は、その移動候補上の移動をユーザが実際に行った移動回数とする。
【0017】
尤度調整部190は、移動経路推定部140から得られるユーザの電車での駅間の移動時間等から構成される移動状況や位置情報を用いて、移動候補リスト170中の各移動候補の尤度を上下に変化させる。
【0018】
駆動調整部200は、移動候補リスト170を参照し、移動候補の中で尤度が十分に高いものが出てきた場合に、位置測位部110又は加速度センサ130の駆動を停止させるよう、移動経路推定部140を調整する。
【0019】
図2は、尤度調整部190が移動候補の尤度を調整し、移動経路推定部140がユーザの施設間の移動を推定するフローチャートである。まず、ユーザが移動を開始する地点において、位置測位部110は、ユーザの現在位置を取得する(S201)。次に、リスト作成部180は、移動マップDB150を参照し、現在位置の最寄駅から移動可能な移動候補を移動候補リスト170に設定する(S202)。
【0020】
図3は、駅間移動マップ(施設間の移動マップの一例)を示す図である。この駅間移動マップには、渋谷を中心とした井の頭線、銀座線、半蔵門線、田園都市線の移動経路、およびその移動にかかる時間、およびその移動を行った回数が記録されている。この駅間移動マップは、ユーザが過去に渋谷から駒場東大前、青山一丁目、外苑前、三軒茶屋への移動を行ったという実績に基づいて作成してもよいし、既存の路線図を基にして作成してもよい。
【0021】
本実施形態では、ユーザが渋谷から移動を開始する場合について説明する。ユーザが歩行での移動を開始すると、位置測位部110がユーザの位置情報を測る。図4は、ユーザの移動状況時系列データ(渋谷駅周辺の位置情報を測位できた場合)を示す図である。
【0022】
この段階で、リスト作成部180が、図5の駅間移動候補リスト(施設間の移動候補リスト170の一例)を作成する(S202)。駅間移動候補リスト内の各移動候補は、移動する駅間の順番を路線毎に表す駅間移動順データと、それぞれの移動候補がユーザの実際の移動に合致していると推定される尤度で構成される。作成時の尤度は、それぞれの移動候補に含まれる駅間の移動を、ユーザが行った回数が多いほど、高い尤度が設定される。
【0023】
図3の駅間移動マップの場合、井の頭線「渋谷→神泉→駒場東大前」という経路(図5の移動候補1に相当)の移動回数が最も多い。それゆえ、図5の駅間移動候補リストでは、移動候補1(井の頭線「渋谷→神泉→駒場東大前」)には高い尤度である3が設定され、その他の移動候補の尤度には1が設定される。
【0024】
次に、移動経路推定部140が、移動状況推定部120を用いてユーザの移動状況を推定し、移動状況時系列データを記録する(S203)。移動状況時系列データが一定時間の乗車後に静止もしくは歩行を記録した場合、駅間の移動後に停車または乗り換えと判断する(S204)。
【0025】
(尤度変化ステップ1;時刻表との合致確認)
図6は、ユーザの移動状況時系列データ(渋谷からの乗車開始時刻が12:04の場合)を示す図である。移動経路推定部140は、2分の乗車状況及びその後の静止状況を移動状況時系列データとして記録し、電車が駅で停車した場合、乗車状況の開始時刻と、駅間移動候補リスト内の移動候補の各路線の時刻表を参照し、尤度調整部190は、乗車開始時刻と時刻表の発車時刻が一致する移動候補の尤度を増加させる(S205)。なお、時刻表データはサーバから予めダウンロード等しておけばよい。
【0026】
図7は、半蔵門線(移動候補の各路線の一例)の時刻表の一部を示す図である。渋谷から表参道,青山一丁目へ移動する半蔵門線渋谷駅の時刻表および表参道から青山一丁目に移動する半蔵門線表参道駅の時刻表について、12時台の一部が表示されている。
【0027】
この場合、乗車開始時刻と、各移動候補の時刻表を参照し、乗車開始時刻と時刻表内の発車時刻が一致する移動候補の尤度を増加させ、一致しない移動候補の確信度を減少させる。
【0028】
図8は、時刻表との合致による尤度変化後の駅間移動候補リストを示す図である。ここでは、移動候補3(半蔵門線「渋谷→表参道→青山一丁目」)の尤度を2増加させ、その他の尤度を2減少させる。なお、移動候補3の尤度のみ変化(増加)させ、他の移動候補1,2,3の尤度を変化(減少)させなくてもよい。その逆、移動候補3の尤度のみ変化(増加)させず、他の移動候補1,2,3の尤度を変化(減少)させてもよい。
【0029】
(尤度変化ステップ2;駅間移動マップとの合致確認)
次に、移動状況時系列データ(図6)と駅間移動マップ(図3)との合致により尤度を変化させることについて説明する。
【0030】
図6の移動状況時系列データに、渋谷を起点とする2分間の乗車状況が記録されている。すなわち、移動状況が変化した場合に、駅間移動マップから、渋谷から2分間乗車を行うと次の駅に到達する移動経路を探索する。探索の結果、神泉および表参道への移動が2分間の乗車であるため、尤度調整部190は、渋谷の次に神泉および表参道へ移動する移動候補1,2,3の尤度を1増加させ、他の移動候補4の尤度を1減少させる。図9は、駅間移動マップとの合致による尤度変化後の駅間移動候補リストを示す図である。
【0031】
なお、移動候補1,2,3の尤度のみ変化(増加)させ、他の移動候補4の尤度を変化(減少)させなくてもよい。移動候補1,2,3の尤度のみ変化(増加)させず、他の移動候補4の尤度を変化(減少)させてもよい。
【0032】
また、尤度の量をユーザが移動している時間帯に応じて変化させてもよい。すなわち、電車の移動時間が不確定な平日朝夕のラッシュ時には尤度の変化を少なく、運行が安定している昼や休日は尤度の変化を大きく設定しても良い。
【0033】
(尤度変化ステップ3;測位した位置との合致確認)
次に、移動経路推定部140は、駅間移動候補リストの始点から一定距離以上移動したかを判定する(S207)。移動距離は、移動した駅の数で測定してもよいし、乗車時間の総計で測定してもよい。なお、この測定は、電車が駅で停車している場合に行うことが望ましい。
【0034】
一定距離以上移動していた場合、駅間移動候補リスト中の1つの移動候補の尤度が、他の移動候補と比較して高いかを確認することによって、ユーザの移動が特定できているかを判定する(S208)。そして、ユーザの移動が特定できていれば、駆動調整部200が位置測位部110又は加速度センサ130の駆動を停止させることによって、施設間移動推定装置100全体を低消費電力化することができる。
【0035】
尤度の高い移動候補がない場合、位置測位部110を用いて現在位置を取得する(S209)。現在位置情報が取得できた場合(S210)、まず現在位置情報が、駅間移動候補リスト中で現在ユーザがいると推定されている駅(例えば、図9の場合、神泉,表参道または池尻大橋)の位置情報(以下「推定位置情報」という)から大きく離れているかを判定する(S211)。大きく離れている場合(S211のYes)、現在位置の最寄駅を始点として、駅間移動候補リストを再作成する(S202)。そうでない場合は、尤度調整部190は、現在位置情報と推定位置情報が近い移動候補の尤度を増加させる(S212)。
【0036】
図10は、位置測位部110としてのWiFiを用いて、表参道付近の位置情報を測位した場合、移動経路推定部140は駅間移動マップ内の駅の位置情報との合致を確認し、尤度調整部190は渋谷から1駅目が表参道に近い移動候補の尤度を2増加させ、それ以外の駅を含む移動候補の尤度を2減少させる。尤度変化後の駅間移動候補リストを図11に示す。なお、測位方式の位置測位の正確さに合わせて、尤度の変化の増減量を変化させてもよい。
【0037】
その後、2分の乗車を記録し、再度WiFi測位を行ったが、今回測位が行えず、かつ、時刻表との合致も行えなかった状態を図12に示す。この場合、尤度の変化は移動状況のみに基づいて行われ、WiFi測位及び時刻表に基づいては行われない。変化後の駅間移動候補リストを図13に示す。この場合、渋谷から表参道への移動をユーザの移動として確定する。このようにすれば、ユーザの駅間移動経路を高い精度推定することができる。
【0038】
次に、位置測位部110としてのGPSの移動速度に基づいて、ユーザが乗車後歩行しているかどうかを判定する(S213)。歩行していない場合、まず各駅間移動候補リストの終端駅にユーザが到達していると推定しているかどうかを判定する(S214)。到達している場合、そこから先の移動可能駅を探索し、移動候補の延長や追加を行う(S215)。
【0039】
歩行している場合(S213のYes)、駅間移動候補リスト中の1つの移動候補の尤度が、他の移動候補と比較して高いかどうかを判定する(S216)。そのような移動候補がない場合は移動検出ができなかった旨出力する(S217)。
【0040】
一方、そのような移動候補がある場合は、その移動候補をユーザの移動として推定し、出力する(S218)。このようにすれば、ユーザの駅間移動経路を高い精度推定することができる。
【0041】
また、マップ更新部160は、その移動に対応する駅間移動マップの移動回数を1増加させるとともに、移動にかかった実際の時間を駅間移動マップに記録する(S219)。駅間移動マップから駅間の移動時間を算出する際は、記録された実際の移動時間の平均を用いてもよい。
【0042】
(変形例1)
図10の状態から、次の乗車状況が12:07に開始され、その後4分の乗車状況を検知した状態を図14に示す。この場合の、尤度変化後の駅間移動候補リストを図15に示す。この場合、尤度の高い青山一丁目への移動をユーザの移動として確定する。なお、時刻表に基づく尤度変化を行う場合、対応する路線の遅延情報を参照し、遅延がある場合は尤度の変化を少なくしてもよい。
【0043】
(変形例2)
移動マップDB150において、移動回数は駅間の移動をユーザが今まで行った回数とした。しかし、これに限定されるものではない。
【0044】
例えば、既存の路線図から移動時間を推定して移動マップを作成してもよい。この場合の移動候補リスト170では、尤度の初期値を0(ゼロ)に設定すればよい。
【0045】
(変形例3)
以上では、電車での移動におけるユーザの駅間移動を推定する例を示した。しかし、本実施形態に係る施設間移動推定装置は駅間の移動に限らず、他の施設間の移動の推定にも適用することができる。
【0046】
例えば、工場内の設備で作業を行う作業員の移動を推定する場合、移動マップDB150は、施設間移動マップとして、図16に示すような、作業員が移動する設備に関する位置情報(設備名および設備間の位置関係)およびそれら設備間の移動にかかる時間から構成されるマップを格納する。ここでは、設備間の位置関係として、設備間の相対位置(各設備と、作業員が各設備を巡回するルート群を表す)を用いている。
【0047】
移動経路推定部140は、作業員の移動状況時系列データとして、図17に示すような、ある設備での作業後、歩行によって他の設備に移動し、移動先の設備で作業を行うというデータを記録する。このデータを施設間移動マップと照合することで、作業員の移動を推定する。このようにすれば、個人差(歩行速度など)へ適応することができる。
【0048】
なお、移動前の最初の設備での作業開始の検出に関しては、作業員が明示的に入力する、もしくはRFIDなど屋内で利用可能な測位方式を適用してもよい。
【0049】
上述した実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば、適宜組合わせ及び変更することができることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0050】
100 施設間移動推定装置
110 位置測位部
120 移動状況推定部
130 加速度センサ
140 移動経路推定部
150 移動マップDB
160 マップ更新部
170 移動候補リスト
180 リスト作成部
190 尤度調整部
200 駆動調整部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の施設に関する位置情報と、前記施設間の移動時間を格納する移動マップと、
前記ユーザの移動開始時点での位置情報を測位する測位部と、
前記測位した位置情報の最寄施設から他の施設への複数の移動経路候補と、前記移動経路候補の尤度を格納する移動候補リストと、
前記ユーザの移動状況を推定する移動状況推定部と、
前記移動状況が変化する毎に、前記最寄施設及び前記ユーザの移動状況に応じて、前記移動候補リストから現在移動している移動経路候補を複数推定する移動経路推定部と、
前記推定された複数の移動経路候補の尤度を変化させる調整部を有し、
前記推定された複数の移動経路候補中のある移動経路候補の尤度が他の移動経路候補の尤度よりも高い場合、当該移動経路候補をユーザが移動中であるとして推定する施設間移動推定装置。
【請求項2】
前記移動経路推定部は、時刻表を参照し、
前記調整部は、ある施設からの移動開始時刻と、前記時刻表の出発時刻との合致に応じて、前記移動経路候補の尤度を変化させることを特徴とする請求項1記載の施設間移動推定装置。
【請求項3】
前記移動経路推定部は、移動開始から停止までの移動時間を順番に記録し、
前記調整部は、前記移動開始から停止までの移動時間と、前記施設間の移動時間との合致に応じて、前記移動経路候補の尤度を変化させることを特徴とする請求項1記載の施設間移動推定装置。
【請求項4】
前記経路中の状況が移動候補リストの始点から一定距離以上離れた場合であり、かつ、移動候補リストの中に尤度の高い移動候補が無い場合、前記測位部は位置情報を測位し、前記調整部は当該位置情報を用いて、前記移動経路候補の尤度を変化させることを特徴とする請求項1記載の施設間移動推定装置。
【請求項5】
複数の施設に関する位置情報と、前記施設間の移動時間を格納する移動マップを作成するステップと、
前記ユーザの移動開始時点での位置情報を測位するステップと、
前記測位した位置情報の最寄施設から他の施設への複数の移動経路候補と、前記移動経路候補の尤度を格納する移動候補リストを作成するステップと、
前記ユーザの移動状況を推定するステップと、
前記移動状況が変化する毎に、前記最寄施設及び前記ユーザの移動状況に応じて、前記移動候補リストから現在移動している移動経路候補を複数推定するステップと、
前記推定された複数の移動経路候補の尤度を変化させるステップと、
前記推定された複数の移動経路候補中のある移動経路候補の尤度が他の移動経路候補の尤度よりも高い場合、当該移動経路候補をユーザが移動中であるとして推定するステップとを有する施設間移動推定方法。
【請求項6】
コンピュータを、
複数の施設に関する位置情報と、前記施設間の移動時間を格納する移動マップを作成する手段と、
前記ユーザの移動開始時点での位置情報を測位する手段と、
前記測位した位置情報の最寄施設から他の施設への複数の移動経路候補と、前記移動経路候補の尤度を格納する移動候補リストを作成する手段と、
前記ユーザの移動状況を推定する手段と、
前記移動状況が変化する毎に、前記最寄施設及び前記ユーザの移動状況に応じて、前記移動候補リストから現在移動している移動経路候補を複数推定する手段と、
前記推定された複数の移動経路候補の尤度を変化させる手段と、
前記推定された複数の移動経路候補中のある移動経路候補の尤度が他の移動経路候補の尤度よりも高い場合、当該移動経路候補をユーザが移動中であるとして推定する手段と、として実行させるための施設間移動推定プログラム。
【請求項1】
複数の施設に関する位置情報と、前記施設間の移動時間を格納する移動マップと、
前記ユーザの移動開始時点での位置情報を測位する測位部と、
前記測位した位置情報の最寄施設から他の施設への複数の移動経路候補と、前記移動経路候補の尤度を格納する移動候補リストと、
前記ユーザの移動状況を推定する移動状況推定部と、
前記移動状況が変化する毎に、前記最寄施設及び前記ユーザの移動状況に応じて、前記移動候補リストから現在移動している移動経路候補を複数推定する移動経路推定部と、
前記推定された複数の移動経路候補の尤度を変化させる調整部を有し、
前記推定された複数の移動経路候補中のある移動経路候補の尤度が他の移動経路候補の尤度よりも高い場合、当該移動経路候補をユーザが移動中であるとして推定する施設間移動推定装置。
【請求項2】
前記移動経路推定部は、時刻表を参照し、
前記調整部は、ある施設からの移動開始時刻と、前記時刻表の出発時刻との合致に応じて、前記移動経路候補の尤度を変化させることを特徴とする請求項1記載の施設間移動推定装置。
【請求項3】
前記移動経路推定部は、移動開始から停止までの移動時間を順番に記録し、
前記調整部は、前記移動開始から停止までの移動時間と、前記施設間の移動時間との合致に応じて、前記移動経路候補の尤度を変化させることを特徴とする請求項1記載の施設間移動推定装置。
【請求項4】
前記経路中の状況が移動候補リストの始点から一定距離以上離れた場合であり、かつ、移動候補リストの中に尤度の高い移動候補が無い場合、前記測位部は位置情報を測位し、前記調整部は当該位置情報を用いて、前記移動経路候補の尤度を変化させることを特徴とする請求項1記載の施設間移動推定装置。
【請求項5】
複数の施設に関する位置情報と、前記施設間の移動時間を格納する移動マップを作成するステップと、
前記ユーザの移動開始時点での位置情報を測位するステップと、
前記測位した位置情報の最寄施設から他の施設への複数の移動経路候補と、前記移動経路候補の尤度を格納する移動候補リストを作成するステップと、
前記ユーザの移動状況を推定するステップと、
前記移動状況が変化する毎に、前記最寄施設及び前記ユーザの移動状況に応じて、前記移動候補リストから現在移動している移動経路候補を複数推定するステップと、
前記推定された複数の移動経路候補の尤度を変化させるステップと、
前記推定された複数の移動経路候補中のある移動経路候補の尤度が他の移動経路候補の尤度よりも高い場合、当該移動経路候補をユーザが移動中であるとして推定するステップとを有する施設間移動推定方法。
【請求項6】
コンピュータを、
複数の施設に関する位置情報と、前記施設間の移動時間を格納する移動マップを作成する手段と、
前記ユーザの移動開始時点での位置情報を測位する手段と、
前記測位した位置情報の最寄施設から他の施設への複数の移動経路候補と、前記移動経路候補の尤度を格納する移動候補リストを作成する手段と、
前記ユーザの移動状況を推定する手段と、
前記移動状況が変化する毎に、前記最寄施設及び前記ユーザの移動状況に応じて、前記移動候補リストから現在移動している移動経路候補を複数推定する手段と、
前記推定された複数の移動経路候補の尤度を変化させる手段と、
前記推定された複数の移動経路候補中のある移動経路候補の尤度が他の移動経路候補の尤度よりも高い場合、当該移動経路候補をユーザが移動中であるとして推定する手段と、として実行させるための施設間移動推定プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−196881(P2011−196881A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−65225(P2010−65225)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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