説明

旅行計画作成支援装置

【課題】 旅行プランを作成する為の施設や観光地などの地点の追加や変更を容易に行う事ができ、しかも移動経路を確認しながら旅行行程を作成することのできる旅行計画作成支援装置の提供。
【解決手段】出発地点、目的地点および立寄り地点の少なくとも2つ以上の地点と、地点間の移動経路を含んで構成される旅行行程を作成する旅行行程作成手段と、表示装置上に、旅行行程における地点に存在する施設名と当該施設間の移動手段を行程順に表示したチャート表示領域と、当該旅行行程を地図上に表示した地図情報表示領域とを区画して表示する旅行行程出力手段と、を具備してなり、前記旅行行程作成手段は、チャート表示領域における操作情報および地図情報表示領域における操作情報の少なくとも何れかを取得して旅行行程を作成又は変更すると共に、前記旅行行程出力手段は、当該作成又は変更された旅行行程を、前記チャート表示領域および地図情報表示領域の両方に表示させる旅行計画作成支援装置とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、団体旅行などの旅行プランを効率良く、かつ簡易に作成する為の旅行計画作成支援装置に関し、特に旅行プランにおける移動時間や施設利用時間を考慮して、様々な嗜好に応じた効率的な旅行プランを簡易且つ自由に作成する為の旅行計画作成支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から各種の旅行パック商品が提案されているが、旅行パックなどは最大公約数の感が否めずユーザの希望を常に満足させることが困難である。特に、団体旅行などにおいてはユーザの嗜好性が強く現れることから、旅行代理店などの旅行業者は、それぞれのユーザーごとに旅行プランを計画し、提案することが必要になっている。
【0003】
そして旅行計画(旅行プランと同義)を作成する際には、旅行先となる施設や宿泊地を最初に特定し、当該旅行先の施設や宿泊地、あるいはそれらが存在する方面の立寄り施設を特定することが行われている。
【0004】
このような旅行計画を作成するものとして、従来、特許文献1(特開2000−99580号公報)を提案している。この文献では出発地点から目的地点へ至るルートであって、より観光に適したルートを検索することができ、また観光に適したルートを容易に決定することができる旅行ルート作成システムとなっている。
【0005】
また特許文献2(特開2000−82096号公報)では、汎用コンピュータにより出発地を起点および終点、宿泊地、観光施設を途中地点とする移動経路が自動探索され、探索された移動経路に沿った旅行費用が計算されるとともに、移動のタイムスケジュールが自動作成される旅行計画作成システムを提案している。
【0006】
また特許文献3(特開平11−353381号公報)では、旅行の目的として訪問しようとする施設の決定をより簡便かつ柔軟に行うことが出来るように、制御部で探索された経路を包含する領域を定め、この定めた領域内に存在する施設を抽出することを提案している。
【0007】
そして特許文献4(特開平11−232334号公報)では、地域・種別によって検索された施設名の画像を見ながら訪問する施設を特定することのできる旅行計画作成システムを提案している。この旅行計画作成システムによれば、未だ明確に目的地域が定まっていない場合であっても、移動経路や移動経路上にある施設を考慮して柔軟な旅行計画作成を行うことができる。
【0008】
また、特許文献5(特開2002−297720号公報)では、データベースサーバに格納されている地図情報を、ユーザのインターネット接続端末の表示部に表示させ、ユーザは、表示部に表示されている地図上の所望の目的地を、インターネット接続端末のポインティングデバイスによって入力することにより、目的地に対応する宿泊情報、観光情報、利用交通機関等の各種のデータをデータベースサーバから出力して表示部に表示し、この表示に従って、ユーザが順次、宿泊先、利用交通機関等を選択して個人旅行用の旅程を作成する旅程作成システムが提案されている。
【特許文献1】特開2000−99580号公報
【特許文献2】特開2000−82096号公報
【特許文献3】特開平11−353381号公報
【特許文献4】特開平11−232334号公報
【特許文献5】特開2002−297720号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
旅行プランを作成する際、最も重要視されるのは、如何なる施設や観光地を旅行行程に組み込み、全体として旅行者が楽しめるプランになっているかである。そのため、各旅行会社が旅行プランを作成する際には、何度も施設や観光地を追加したり削除したりしながら、ベストな旅行プランを作成するように努めている。
【0010】
そこで本発明は、旅行プランを作成する為の施設や観光地などの地点の追加や変更を容易に行う事ができ、しかも移動経路を確認しながら旅行行程を作成することのできる等、旅行行程を簡易に作成する事のできる各種の機能を具備する旅行計画作成支援装置を提供することを第一の課題とする。
【0011】
また、実際に旅行する場合には、何れかの地点から他の地点に移動する際に、地図などを見ながら、移動途中に存在する観光地に立寄ったりすることもある。そして旅行行程を作成する場合にも、このような実際の旅行と同じ感覚で行程を作成できれば、より実情に沿った旅行行程を作成することができる。
【0012】
そこで本発明は、地図上に表示した移動経路を操作して立寄り地点などを追加することのできる旅行計画作成支援装置を提供することを第二の課題とする。
【0013】
また、旅行行程の作成に際しては、作成された旅行計画も作成者の経験によっても大きく異なる事が知られている。そして未だ十分に経験の無い者であっても、経験豊富な者が保有する情報を利用できれば、旅行者が満足するような旅行行程を作成することができる。
【0014】
そこで本発明は、観光地や施設に関する情報を共有し、これにより十分に経験の無い者であっても旅行者が満足するような旅行行程を作成できるようにした旅行計画作成支援装置を提供することを第三の課題とする。
【0015】
そして作成された旅行行程は、最終的には紙などの印刷媒体に印刷され、旅行を予定する者に提出される。そして旅行予定者は、当該紙に印刷された内容に基づいて、当該旅行行程(旅行プラン)を採用するか否かを判断することから、紙などに印刷したときのレイアウトや印刷項目も重要になる。
【0016】
そこで本発明は、作成した旅行プランを任意の形式で、ユーザーの希望通りの様式、及び項目で印刷できるようにし、更に作成したテンプレートを保存しておく事のできる旅行計画作成支援装置を提供することを第四の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題の少なくとも何れかを解決するべく、本発明では地図とチャートの両方に基づいて旅行行程を作成できるようにした。
【0018】
即ち本発明では、前記課題の少なくとも何れかの課題を解決する為に、入力手段から入力された情報、またはネットワークを介して取得した情報に基づいて旅行行程を作成する旅行計画作成支援装置であって、当該旅行計画作成支援装置は、出発地点、目的地点および立寄り地点の少なくとも2つ以上の地点と、地点間の移動経路を含んで構成される旅行行程を作成する旅行行程作成手段と、表示装置上に、旅行行程における地点に存在する施設名と当該施設間の移動手段を行程順に表示したチャート表示領域と、当該旅行行程を地図上に表示した地図情報表示領域とを区画して表示する旅行行程出力手段と、を具備してなり、前記旅行行程作成手段は、チャート表示領域における操作情報および地図情報表示領域における操作情報の少なくとも何れかを、入力手段から入力されるか、またはネットワークを介して取得して、旅行行程を作成又は変更すると共に、前記旅行行程出力手段は、当該作成又は変更された旅行行程を、前記チャート表示領域および地図情報表示領域の両方に表示させる旅行計画作成支援装置を提供する。
【0019】
かかる旅行計画作成支援装置では、チャート表示領域と地図情報表示領域に区画して、望ましくは1画面内に表示することにより、チャート表示領域に表示されている旅行行程が、実際にはどのような経路を辿るのかを、地図表示領域で確認しながら旅行行程を作成することができる。そして、最初に作成した旅行行程に対する施設や観光地などの地点を追加するための操作情報は、チャート表示領域からでも地図表示領域からでも入力できることから、直感的に、操作しやすい表示領域から入力することができる。
【0020】
上記本発明に係る旅行計画作成支援装置において、旅行行程中に施設や観光地などの立寄り地点等を追加するには、以下のように構成することができる。
【0021】
先ず第一に、前記地図表示領域に表示される旅行行程は、出発地点、目的地点および立寄り地点の少なくとも何れかを表示する地点表示部と、当該地点に繋がる移動経路を示す経路表示部で構成されており、当該経路表示部はベクタグラフィックス形式で描画されており、前記旅行行程作成手段は、地図表示部における経路表示部上のポイントを、地図表示部上に表示された地点表示部上に移動させて開放した情報を取得し、当該ポイントが開放された地点に存在する施設を、移動させたポイントが存在する経路に組み込んで旅行行程を作成する様に構成することができる。
【0022】
このように形成した場合には、地図上に表示した移動経路を操作して、立寄り地点などを追加することができるようになり、恰も、実際に旅行する場合において、何れかの地点から他の地点に移動する際に、地図などを見ながら、移動途中に存在する観光地に立寄る様な感覚で旅行行程を作成することができる。ここで、地点表示部とは、その地点についての情報、特に名称をテキストなどで表示した部分であり、経路表示部とは、地点間の移動経路を直線または移動経路に沿って線で表示した部分である。
【0023】
また第二の、前記地図表示領域に表示される旅行行程は、出発地点、目的地点および立寄り地点の少なくとも何れかを表示する地点表示部と、当該地点に繋がる移動経路を示す経路表示部で構成されており、前記旅行行程作成手段は、地図表示部における地点表示部上の地点表示部を選択し、この選択した地点表示部をチャート表示領域に表示された施設間の移動手段の上に移動させて開放した情報を取得すると共に、当該地点表示部が開放された移動手段に、当該地点表示部が選択された地点表示部が示す出発地点、目的地点および立寄り地点の少なくとも何れかを組み込んだ旅行行程を作成する様に構成することができる。
【0024】
このように形成するには、地図表示領域で選択した地点表示をチャート表示領域に渡して、これを旅行行程に組み込む必要がある。このように形成すれば、例えばチャート表示で旅行行程を作成する事に慣れているユーザーであっても、何ら戸惑いなく立寄り施設などを作成している旅行行程中に追加することが可能になる。
【0025】
更に、作成している旅行行程中に施設等を選択、追加する他の構成として、更に前記旅行行程出力手段は、地域及び種類の少なくとも何れかを指定して地点を検索する検索領域と、当該検索結果をテキスト形式で一覧表示するテキスト表示領域とを、前記チャート表示領域および地図情報表示領域と区画して表示してなり、前記旅行行程を作成又は変更を指示する操作情報は、当該テキスト表示領域に表示された地点の選択によっても行われるように構成する事もできる。
【0026】
この様に形成した場合には、画面上には前記した地図表示領域、チャート表示領域の他に、検索領域とテキスト表示領域が表示される事になる。これにより、例えばユーザーが旅行行程に組み込みたい施設名や種類などを知っている場合には、当該検索領域における検索で簡易且つ迅速に探し出す事ができ、この探し出した施設を利用して旅行行程を作成することができる。
【0027】
なお、上記したような旅行行程を作成する為の入力画面、特に画面に表示する各領域(以下、「ブロック」とも言う)は、任意に表示、非表示を選択することもできる。例えば、地図上の移動経路の確認は終了し、後は各行程を微調整する場合には、チャート表示領域を大きく表示し、地図表示領域を非表示にすることが望ましい。そこで本発明では、このようなブロックの表示・非表示を簡易に切り替える事ができるようにすることで、ユーザーにおける旅行行程の作成を簡易なものとすることができる。
【0028】
即ち、前記旅行計画作成支援装置が、更に、前記旅行行程作成手段が旅行行程を作成するのに使用する情報の入力ブロック、および作成した旅行計画を表示する出力ブロックの表示画面についての表示制御を行う画面表示制御手段を具備しており、当該画面表示制御手段は、表示項目の指定情報に基づいて、表示画面に表示するブロックを制御する様に形成する。
【0029】
以上のように構成された本発明に係る旅行計画作成支援装置では、基本的には以下のような処理を実施することで、ユーザーの意図する旅行計画を簡易に作成することができる・
【0030】
即ち、最初に入力手段から入力されるか、またはネットワークを介して取得することによって特定された出発地点情報、目的地店情報および立寄り地点情報の少なくとも2地点以上の情報を、地点情報取得手段が取得する。地点情報取得手段が取得する地点情報としては、当該地点について地図上で特定されるポイントである他、住所表示、或いは緯度経度であってよい。このような地点情報を地点情報取得手段が取得するには、画面内に区画されたテキスト表示領域に列記された施設名、住所表示または緯度経度を選択するか、地図上に表示された施設を選択するか、或いはテキスト表示領域に列記された施設名、住所表示または緯度経度、もしくは地図上に表示された施設を、画面内に区画された時間軸を有するチャート表示領域にドラッグアンドドロップすることを契機として取得することができる。更に、このような旅行計画作成支援装置が保持する地点の情報のみならず、地図上でユーザーが任意に指定したポイントを流行行程における何れかの地点として使用することもできる。
【0031】
次に取得した地点情報に基づいて、旅行行程作成手段は、その2点以上の地点を結ぶ移動経路を作成し、望ましくは、当該移動経路における出発時間、到着時間、各地点の移動時間、および各地点の滞在時間を含む旅行行程を作成する。ここで当該移動経路における出発時間や到着時間などの時間を含む旅行行程を作成するには、何れかの地点における時間が特定される必要がある。この基準と成る時間は、入力手段から入力されるか、またはネットワークを介して取得して指定される他、旅行計画作成支援装置において出発時間などをデフォルト値(規定値)として保持しておく事もできる。更に、チャート表示領域が時間軸を有する場合には、最初の地点情報(を示す施設や名称)をチャート表示領域上に配置した際の、その配置場所の時間を取得して、これを基準の時間としても良い。
【0032】
この旅行行程作成手段が作成した旅行行程は、表示装置内に区画されたチャート表示領域上に出力される。このような表示装置に対する旅行計画の表示は、旅行計画作成支援装置が備える旅行行程出力手段により実施することができる。
【0033】
表示装置に表示されたチャート表示領域上の旅行行程に対して、選択及び変更、例えば立寄り地点の追加や削除、或いは各地点の滞在時間の変更、各地点間の移動手段または移動時間の変更などが行われると、旅行行程作成手段がその情報を取得し、取得した情報に基づいて再度旅行行程を構成し直す。ここで再構成される旅行行程は、追加、削除、あるいは変更された後の旅行行程として構成される。このとき出力される旅行行程は、チャート表示領域が時間軸を有する場合には、各施設の滞在時間、移動時間などの時間の要素を当該チャート表示領域上の時間軸に相関付けて表示し、これにより当該旅行行程におけるタイムスケジュールを明確に把握することができる。
【0034】
この再構成後の旅行行程を表示装置に出力することになるが、タイムチャート表示領域上に表示された当該再構成後の旅行行程に対して、再度変更などを行う事ができ、その場合でも新たな条件で構成し直された旅行行程は、ディスプレイなどの表示装置に表示される事になる。
【0035】
そして、本発明に係る旅行計画作成支援装置は、更にユーザーにおける旅行行程の作成を簡易にするために、以下の構成を伴う事ができる。
【0036】
本発明に係る旅行計画作成支援装置が伴う事のできる第一の機能は、作成している旅行行程において分岐したコースを作成し、1つの行程に見やすく表示する機能である。
即ち、上記旅行計画作成支援装置が、更に、前記旅行行程作成手段が作成した旅行行程を、当該旅行行程毎にレコードとして記憶する記憶手段を具備しており、前記旅行行程作成手段は、同じ時間に異なる地点又は移動経路を通る、何れかの地点で分岐したコースを有する旅行行程を作成し、当該記憶手段は、旅行行程作成手段が作成した分岐した旅行行程を1つのレコードとして保持す様に構成する。
【0037】
このように構成すれば、例えば1つの団体旅行において、参加者の好みや、人数制限などの要請に応じて途中で分かれて行動する場合などにおいて、これを1つの旅行行程として保持でき、管理も容易なものとなる。
【0038】
また、上記のように分岐した旅行行程を作成する場合、前記旅行行程出力手段は、旅行者が共通して移動する行程と、分かれて移動する行程、更には分かれて移動する各行程ごとに、表示する色やトーンなどを異ならせて表示することが望ましい。更に、分岐した旅行行程における、分岐する直前の地点を、他の地点と識別して表示する事が望ましい。ユーザーにおいても各コースを直感的に理解できるようにするためである。
【0039】
本発明に係る旅行計画作成支援装置が伴う事のできる第一の機能は、作成している旅行行程に含まれる施設をコピーし、これを逆順にペーストする機能である。
即ち、上記旅行計画作成支援装置において、更に、前記旅行行程作成手段が作成した旅行行程を構成する地点と移動経路から選択された2以上を、旅行行程における移動順に保持すると共に、当該保持した地点と移動経路から選択された2以上を、保持した順序とは逆順に出力する逆順処理部を具備する様に構成する。
【0040】
かかる機能は、例えば2日目の行程(例えば復路)が、初日の行程(例えば往路)の逆順である場合には、初日の行程を作成した後、これをコピーして2日目に貼り付けることで簡易に2日目の行程表を作成することができる。
【0041】
本発明に係る旅行計画作成支援装置が伴う事のできる第三の機能は、旅行行程の作成に際して、予め移動手段をデフォルトで規定しておき、区間ごとに移動手段を指定する手間を省く機能である。
即ち、上記旅行計画作成支援装置において、前記旅行行程作成手段は、出発地点、目的地点および立寄り地点の少なくとも2つ以上の地点間の移動手段として、当該地点を規定する情報が、予め定められた移動手段についての情報を保持する場合には、当該移動手段を用いた移動経路を作成し、その他の地点間の移動については、作成する行程ごとに指定された移動手段に基づいて旅行行程を作成する様に構成する。
【0042】
例えば旅行行程に含まれる地点が空港である場合には、そこからの移動手段として通常使用されるのは航空機であるから、このような特定される移動手段は旅行計画作成支援装置が保持しておき、それ以外の施設、例えば電車の駅や観光地など、様々な移動手段を利用できる場合には、その移動手段としてデフォルトで設定した移動手段で経路を検索する。当然のことながら、作成した行程において、特定の区間について、デフォルト以外の交通手段を設定する事もできる。
【0043】
本発明に係る旅行計画作成支援装置が伴う事のできる第四の機能は、公共交通気候が利用される場合における、最寄駅の検索、およびこれを旅行行程に加入する機能である。
即ち、上記旅行計画作成支援装置において、前記旅行行程作成手段は、地点間の移動手段として公共交通機関が設定されているか否かを判断し、公共交通機関が設定されている場合には、当該公共交通機関による移動手段の前後の地点から最寄の駅又は空港の地点をを含む公共交通機関の乗降地点を抽出し、当該乗降地点をを組み込んだ旅行行程を作成する様に構成する。
【0044】
より具体的には、作成している旅行行程の移動手段として公共交通機関が指定されており、何れかの施設間の移動に当該公共交通機関が使用される場合には、出発する施設に最寄の乗車地点と、到着する施設の最寄の降車地点を検索し、これを旅行行程中に組み込む機能である。このように形成すれば、ある施設から次の施設に移動する場合でも、その移動経路を的確に把握することができ、より実際の旅行を想定しやすい旅行行程を作成することができる。
【0045】
更に、本発明に係る旅行計画作成支援装置は、作成した旅行行程を見栄え良く、かつ容易に理解できるような印刷物を作成するために、以下の構成を伴う事ができる。
【0046】
本発明に係る旅行計画作成支援装置が伴う事のできる第五の機能は、印刷用のテンプレートを取得し、これを変更して保存できる機能である。
即ち、上記旅行計画作成支援装置は、更に、前記旅行行程作成手段が作成した旅行行程を印刷する為の印刷様式、印刷項目および印刷レイアウトの少なくとも何れかを規定した1つ以上のテンプレートを保持するテンプレート保持手段を具備しており、当該テンプレート保持手段は、保持するテンプレートについて変更が行われた任意のテンプレートを、ユーザーごとに保持する様に構成することができる。
【0047】
かかる旅行計画作成支援装置の実施態様としては、ネットワーク構成であり、サーバー装置側で1つ以上のテンプレートを保持するテンプレート保持手段を具備し、クライアント端末では、このテンプレート保持手段が保持する何れかのテンプレートをダウンロードする事などにより取得し、このダウンロードしたテンプレートを適宜変更した上で、サーバー装置のテンプレート保持手段に保存するものである。かかるテンプレート保持手段は旅行行程を印刷する為のテンプレートを、XML形式等の様々なファイル形式で保持し、任意に読み出し可能なように構成されている。
【0048】
また、上記のような印刷用のテンプレートは、サーバー装置側から提供されるもののみならず、ユーザーにおいて任意に作成する機能も備える事ができる。
即ち、旅行計画作成支援装置が、更に、前記テンプレート保持手段が保持するテンプレートの印刷項目を一覧表示するテンプレート作成手段を具備しており、当該テンプレート作成手段は、一覧表示されたテンプレートの項目を選択すると共に、当該選択した項目を他のアプリケーションのテンプレートに配置することにより、テンプレートを作成する様に構成するものである。
【0049】
テンプレート作成手段は、前記テンプレート保持手段が保持するテンプレートの印刷項目を一覧表示させ、この一覧表示させた印刷項目の内、選択された印刷項目を他のアプリケーションのテンプレートに配置し、当該他のアプリケーションで使用可能なテンプレートを作成するものである。よって、選択し配置される印刷項目は、当該他のプロイグラムで認識されるファイル形式(例えばXML、HTML、CSVなどのテキスト形式)である必要がある。
【0050】
以上のように、旅行計画作成支援装置が提供するテンプレートを任意に変更したり、或いはユーザーが自ら簡易にテンプレートを作成することにより、ユーザーの好みに応じた様々な旅行行程表(旅行行程の印刷物)を作成することができる。
【0051】
本発明に係る旅行計画作成支援装置が伴う事のできる第六の機能は、旅行行程を画面に表示する際、或いは印刷する際に、移動を示す行程、或いは各種の施設や観光地などに表示するアイコンのカスタマイズ機能である。
即ち、上記旅行計画作成支援装置は、更に、旅行行程を印刷する際に使用するアイコンをユーザーごとに保持可能なアイコンマスタを具備し、前記印刷制御手段は、前記旅行行程作成手段が作成した旅行行程に対応するアイコンをアイコンマスタから読み出して旅行行程表を作成する様に構成するものである。
【0052】
アイコンマスタは、各種のアイコンの画像を、その用途に関連付けて登録・保持するものであり、例えば電車による移動を示す画像、観光地を示す画像、徒歩での移動を示す画像、宿泊地を示す画像、等のように、必要であれば用途ごとにコード化して登録する。このようにしてアイコンを登録することにより、旅行行程における移動手段、或いは施設の用途などの情報を読み出し、それに対応するアイコンを旅行計画作成支援装置側で選択して旅行行程表(旅行行程の印刷物)や画面上に表示させる事ができる。さらに、このアイコンの画像は、ユーザーが好みに応じて任意に登録できる事から、旅行予定者の好みに応じた旅行行程表(旅行行程の印刷物)をきめ細かく作成することができる。
【0053】
本発明に係る旅行計画作成支援装置が伴う事のできる第七の機能は、旅行行程を画面に表示する際、或いは印刷する際に、その印刷項目を任意に選択できる機能である。
即ち、上記旅行計画作成支援装置は、前記印刷制御手段は、旅行行程作成手段が作成した旅行行程を印刷物に出力する際に、当該作成した旅行行程が保有する情報の内、少なくとも何れかの情報を印刷するか否か、またはその印刷位置を指定する印刷設定情報に基づいて、当該旅行行程を印刷する為の印刷情報を作成するように構成するものである。
【0054】
例えば、施設名称を印刷するか否か、印刷する場合にはアイコンの上下何れに印刷するかや、移動手段を印刷するか否か、印刷する場合にはどの位置に印刷するか等の設定を許容し、この設定内容を読み込んで印刷の為の印刷情報を作成するものである。印刷に使用される紙面の広さの制限から、1枚に印刷できる情報量も自ずと制限され、よって如何なる情報をどのように印刷するかを、旅行予定者に合わせて調整できるようにしたものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0055】
以下、図面に基づいて本発明に係る旅行計画作成支援装置、およびこれを用いた旅行計画作成支援システム、並びに旅行計画作成支援プログラムの具体的な1つの実施態様を示す。
【0056】
〔旅行行程の作成〕
図1は、この実施の形態に係る旅行計画作成支援システムの全体構成を示しており、インターネットなどのネットワーク上に設置されたサーバー装置10と、同じくインターネットなどのネットワーク上に設置された複数のクライアント端末20,20・・とで構成されている。複数のクライアント端末は、例えば企業ごとまたはグループごとに関連付けることができ、また企業やグループごとにローカルエリアネットワークで接続する事もできる。
【0057】
サーバー装置10とクライアント端末20とは、インターネットなどのネットワークを介して情報を送受信可能なように接続されており、よって両者はネットワークケーブルやネットワークカードなどのネットワークデバイスを備えている。
【0058】
サーバー装置10とクライアント端末20とは、少なくとも何れか一方を旅行計画作成支援装置として使用することができる。旅行計画作成支援装置として使用されるサーバー装置又はクライアント端末20は、その記憶手段(図2の外部記憶装置810)に、ユーザーデータ、地図データ、施設データ、移動手段データなどを保持しておく必要があり、更に旅行行程を作成する為に実行される旅行計画作成支援プログラムを保持しておく必要がある。サーバー装置10を旅行計画作成支援装置として使用する場合には、旅行行程を作成するプログラムや、各種データをサーバー装置10が保持し、クライアント端末20からの実行要求に応じてサーバー装置10が動作して情報処理を実行する。一方、クライアント端末20を旅行計画作成支援装置として機能させる場合には、当該クライアント端末20は、少なくとも旅行行程を作成する為のプログラムを保持し、望ましくは当該プログラムで使用する各種データも保持する。ただし、ユーザーデータ、地図データ、施設データ、移動手段データ等の各種データはサーバー装置10側で保持し、プログラムにおいて使用する際に、ネットワークを介して、クライアント端末20がサーバー装置10から取得する事もできる。更に、ユーザーデータ、地図データ、施設データ、移動手段データ等の各種データは、その何れかをサーバー装置10に保持し、その他をクライアント端末20に保持したり、或いはサーバー装置10とクライアント端末20の両方で一部又は全部重複して保持する事もできる。よって、これら各種のデータは、少なくとも旅行計画作成支援プログラムにおいて随時読み出し及び書き込みできるように保持されていれば良い。
【0059】
これらの各種データの保持形式としては、サーバー装置10側に保持しているデータを、定期的にクライアント端末20側にシンクロさせてダウンロードし、旅行計画作成支援プログラムでは、このクライアント端末20側にダウンロードしたデータを利用することが望ましい。このように構成することで、最新のデータを利用可能であり、かつ不慮の回線ダウンや屋外等に持ちだした場合などのオフライン環境での利用も可能となる。
【0060】
ユーザーデータは各ユーザーごとに、ユーザー名、ユーザーID、ユーザーが設定したログイン情報、ユーザーの住所など、この旅行計画作成支援装置を利用するユーザーに関する情報を記録保持することができる。また地図データは、地図上に設定される地点ごとに、当該地点の緯度・経度、地点の名称、地点のID、地点が存在する施設の出入り口の地点情報などを保持することができる。更に施設データは、施設ごとに、施設の名称、施設のID、施設の利用時間、施設の平均滞在時間、施設の利用料金などを保持することができる。
【0061】
かかる旅行計画作成支援装置となり得る、サーバー装置10およびクライアント端末20(以下、これらを合わせて「コンピュータ」とする)のハードウエア構成を、図2のブロック図を参照しながら説明する。この図に示すように、当該旅行計画作成支援装置を構成するコンピュータ800は、CPU801、メモリ802、音声出力装置803、ネットワークインタフェース804、ディスプレイコントローラ805、表示装置806、入力機器インタフェース807、キーボード808、マウス809、外部記憶装置810、記録媒体駆動装置811、記録媒体インタフェース812、およびこれらの構成要素を互いに接続するバス813を含んで構成することができる。ただし、音声出力装置803、ディスプレイコントローラ805、表示装置806、入力機器インタフェース807、キーボード808、およびマウス809は、必須の構成要素ではない。
【0062】
CPU801は、コンピュータ800の各構成要素の動作を制御し、オペレーティングシステム(以下、「OS」)の制御下で、各プログラムの実行をコントロールし、本発明に係る旅行計画作成支援装置の各構成要素の動作を制御する。メモリ802は通常、不揮発性メモリであるROM(Read Only Memory)、および揮発性メモリであるRAM(Random Access Memory)から構成される。ROMには、コンピュータ800の起動時に実行されるプログラム等が格納される。RAMには、本実施の形態にかかる旅行計画作成支援装置の各機能乃至は処理がCPU801で実行される際に、それを実現するためのプログラムや、それらのプログラムが実行中に使用するデータが格納される。
【0063】
音声出力装置803は、たとえば、スピーカ等のように音声を出力する機器であり、ネットワークインタフェース804は、インターネットやイーサーネットなどの各種のネットワーク820に接続するためのインタフェースである。
【0064】
ディスプレイコントローラ805は、CPU801が発する描画命令を実際に処理するための専用コントローラである。ディスプレイコントローラ805で処理された描画データは、一旦グラフィックメモリに書き込まれ、その後、表示装置としてのLCDやCRTで構成されるディスプレイ806に出力される。
【0065】
入力機器インタフェース807は、キーボード808やマウス809から入力された信号を受信して、その信号パターンに応じた所定の指令をCPU801に送信する。キーボード808やマウス809は、CPUに対して所定の指令を与える為に必要となる。
【0066】
外部記憶装置810は、たとえば、ハードディスクドライブ(HDD)のような記憶装置であり、この装置内には後述の処理を実行するプログラムやデータが記録され、実行時に、必要に応じてそこからメモリ802のRAMにロードされる。旅行計画作成支援装置での演算に使用される演算ファイルや、処理を行う為のプログラム、および各種のデータなどが格納される記憶手段が、この外部記憶装置810に相当する。
【0067】
記録媒体駆動装置811は、CD(Compact Disc)、MO(Magneto−Optical Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)などの可搬型ディスクタイプの記録媒体830の記録面にアクセスして、そこに記録されているデータを読み取る装置である。記録媒体830には、本発明に係る旅行計画作成支援装置を実現するためのプログラムも記録することが可能である。記録媒体830に記録されているデータは、記録媒体駆動装置811を介して外部記憶装置810に格納され、プログラムであれば、実行時にメモリ802のRAMにロードされる。
【0068】
また、本発明に係る旅行計画作成支援装置を実現する(又は構築する)ためのプログラムの他の流通形態としては、ネットワーク上の所定のサーバから、ネットワーク820およびネットワークインタフェース804を介して外部記憶装置810に格納され、あるいは直接実行されるということも考えられる。このようなルートで格納されたプログラムは、上記と同様に、実行時にメモリ802のRAMにロードされ、実行される。
【0069】
記録媒体インタフェース812は、USBメモリ、SDメモリ、メモリスティックといった、半導体メモリ(たとえば、フラッシュメモリ)を備える可搬型メモリタイプの記録媒体840と接続端子等で接続し、そこに記録されているデータを読み取る装置である。記録媒体840には、ディスクタイプの記録媒体830と同様に、本発明に係る旅行計画作成支援装置を実現するためのプログラムを記録することが可能である。
【0070】
次にこの旅行計画作成支援システムにおける情報の送受信と処理内容について、図3の旅行行程作成処理フロー、および図4〜5の旅行計画作成支援装置(即ちコンピュータ800)における出力画面の略図に基づいて説明する。
【0071】
先ず、この旅行計画作成支援装置800を利用した旅行行程の作成に際しては、最初に図4に示すようなログイン画面50を表示させ、ユーザーである従業員のログインID(「ユーザーID」と同義。以下同じ)およびパスワードの入力を要求し、旅行計画作成支援装置が保持する情報に基づいてユーザー照合手段が照合を実行し、これによりユーザーについての認証が行われる。このユーザー認証は旅行計画作成支援プログラムの実行開始要件として使用する他、サーバー装置10とクライアント端末20との情報通信を確立させるための認証情報として使用することもできる。情報通信を確立する為の認証情報として使用する場合には、クライアント端末20からのアクセス要求に応じ、サーバー装置10はログインIDやパスワード等のログイン情報の照合を行い、照合が正しい場合には、両者間における情報通信が`確立される。
【0072】
仮にサーバー装置10を旅行計画作成支援装置800として使用する場合には、この情報通信の確立により、サーバー装置10はクライアント端末20のディスプレイ(出力装置)に、旅行行程を作成する為の画面を表示させる。なおこの場合、クライアント端末20においては、Webブラウザなどのプログラムにより、サーバー装置10として使用される旅行計画作成支援装置800から送信される情報をディスプレイに表示させることができる。一方、クライアント端末20を旅行計画作成支援装置800として使用する場合には、情報通信の確立により、当該クライアント端末20で実行されるプログラムは、サーバー装置10から各種の情報を取得することが可能になる。
【0073】
図5は、旅行行程を作成するに際して、これから作成する旅行行程についての必要事項を入力する基本情報入力画面51であり、この実施の形態では、これから作成する旅行行程を識別する為の「ツアー名」と、デフォルトとして設定される「移動手段」、これから作成するツアーが国内ツアーか海外ツアーかの区分と、旅行する方面、および出発日と宿泊日数(旅行行程日数)、人数構成などを、作成する行程についての情報(「行程表情報」)を入力する。その他にも、作成した旅行行程の提案先である「得意先情報」、およびこの旅行行程を提案する「自社情報」につての入力を要求する。ここで設定された行程表情報における「ツアー名」や「方面」の情報は、当該旅行行程を管理する情報として使用することができ、移動手段や、経路の検索に際して使用できる移動手段を選択する「経路検索条件」については、旅行行程作成に際して、プログラムが参照する情報として使用される。即ち、この実施の形態に係る旅行計画作成支援装置は、この図5示した項目を保持および使用して旅行行程を作成する。
【0074】
上記の基本情報入力画面を介して基本情報が入力されると、次に旅行計画を作成乃至は編集する為の行程作成入力画面53を表示させる。図6は当該行程作成入力画面53であり、この入力画面は、地図を表示する地図表示領域61と、時間を横軸にしたタイムチャート表示領域62とを含んで構成されており、更に観光施設などの地点名をテキストで検索する施設検索領域64と、その検索結果を表示したテキスト表示領域63(図16参照)とで構成されている。これらの地図表示領域61、タイムチャート表示領域62、施設検索領域64およびテキスト表示領域63は、それぞれブロックに区画されており、1つのウィンドウ内に表示されるように構成されている。また何れかの領域(ブロック)は、任意に閉じてタブ表示に切り替えることができるし、何れかの領域(ブロック)をウィンドウ内の全体に表示する事もできる。
【0075】
更に、このような旅行行程を作成する為に使用する情報を入力する入力ブロックや、作成した旅行計画を表示する出力ブロックの表示画面については、何れのブロックを表示するか、或いはタブとして表示するかについて予め登録した画面表示制御手段を設けることもできる。例えば表示項目1として、地図表示領域61、タイムチャート表示領域62、及びテキスト表示領域63を表示し、表示項目2としてタイムチャート表示領域62およびテキスト表示領域63を表示するなど、画面に表示するブロックの情報を保持させることができる。
【0076】
本実施の形態において、旅行行程は、この様に表示された画面上のテキスト、キャラクタ又はオブジェクトを指定、選択、および変更することにより作成する。具体的には、最初に施設検索領域64で任意の検索項目を指定して出発地点、目的地点、または到着地点を検索し、これをテキスト表示領域63および地図表示領域61に表示させる。
【0077】
検索項目をテキスト表示する際、検索される地点は、「施設名称」や「住所」等の情報の他、利用可能時間や利用料金、或いはバリアフリーの対応などの「詳細情報」、更に旅行代理店と施設間で取り決められる「追加情報」など(図26(b)(c)参照)を保持しており、これらの情報(項目)の全て、又は何れかを検索結果としてテキスト表示欄に表示させることもできる。この時、検索結果として出力される項目(フィールド)は、利用者や作成する旅行行程毎に重要度も異なる事から、この項目の表示順序を任意に変更する事もできる。また、このような表示項目(フィールド)の順序の変更は、過去に作成した旅行行程の検索において、当該旅行行程が保有するフィールド項目、例えばツアー名称」、「方面」、「行程番号」、「行程作成日」、「出発日」、「旅行種別(国内・海外の区別など)」等に付いても行う事ができる。そしてこれらの表示項目(フィールド)の順序を変更した情報(設定情報の1つ)は、ユーザー毎(ユーザーID毎)に保持することができる。
【0078】
そして、検索の結果、テキスト表示領域63および地図表示領域61に表示された施設などを指定又は選択し、少なくとも2つ以上の地点と、両地点間の移動経路からなる基本となる行程(以下「基本旅行行程」とする)を作成する。このとき地点間の移動手段としては、前記図5に示す基本情報入力画面51で設定した移動手段とする行程を作成する。但し、ここで作成される行程の経路は、単に両地点を結んだだけであり、まだ詳細な経路は作成されていない。道路等の移動経路を道路上に設置された地点情報(道路ポイント)を考慮した詳細な経路を含む行程は、別途、経路検索の要求指示を待って行われることになる。即ち、この図6においては、入力手段(806,809)で指定された出発地点と、出発地点の次の到着地点を特定する情報を取得して、両者を結ぶ基本旅行行程が作成されている状態を示している。
【0079】
次に、上記のように作成された基本旅行行程に対して、立寄りたい施設(施設地点)や、経由したい地点などを追加して、ユーザーの趣向に合う旅行行程を作成することになる。かかる立寄りたい施設などの基本旅行行程への追加は、旅行計画作成支援装置800に付随する入力装置(806,809)を操作し、この入力画面53において、立寄りたい施設をタイムチャート表示領域62上に配置することで行う事ができる。即ちCPUで構成される旅行行程作成手段が保持する基本旅行行程に対して、その変更要求を行う。ここでの処理は、入力画面53上で操作乃至は指定された情報を旅行行程作成手段801に渡し、当該旅行行程作成手段801では、この取得した情報に基づいて、それまでにディスプレイ806に表示していた基本旅行行程を変更して新たな旅行行程を作成する。そしてこの新たな旅行行程をディスプレイ806に表示させる為に、当該修正した新たな旅行行程を旅行行程出力手段805に渡す。
【0080】
タイムチャート表示領域62上への訪問する施設の配置は、地図表示領域61において、地点(施設や観光地など)間の移動経路を示す経路表示部35(図20参照)を選択し、選択した経路表示部35を、立寄りたい地点(即ち訪問する施設)、即ち地図表示領域中において立寄りたい地点をテキスト表示している地点表示部30(図7参照)まで移動させて選択を開放する(即ち、経路表示部35を立寄りたい地点表示部30までドラッグしてドロップする)ことによりタイムチャート表示領域62に追加することができる。これにより、選択した経路が施設にドロップされると同時に、タイムチャート表示領域62上に表示された行程表の中におけるドラッグした道路の地点間に、当該施設を割り込んで表示する。このように構成する為には、当該選択した移動経路が何れの経路かを判別する必要があり、よって経路ごとに識別情報(ID)を保持するか、あるいは選択された経路の始点と終点とから、何れの経路が選択されたかを判別するように構成する。また経路に割り込ませる施設を特定する為に、選択して移動させた経路が何れの地点まで移動されたのかを判別(即ち、移動させて開放した情報を取得)する必要がある。これは例えば選択した施設を開放(ドロップ)することにより、当該開放した地点の緯度・経度や、地点ごとに付与したIDなど、場所を特定する情報を取得するように構成する。
【0081】
また、タイムチャート表示領域62上への立寄りたい施設の配置は、地図表示領域61において施設を表示している地点表示部30を選択し、タイムチャート表示領域62上に移動させて開放する(即ち、地図表示領域上の地点表示部30をドラッグして、タイムチャート表示領域上にドロップする)ことによっても行う事ができる。例えば図7(a)では、追加する施設として地図表示領域61上の施設30として「ディズニーリゾートライン」が選択され、この施設30をチャート表示領域における「ディズニーアンバサダーホテル」と「新規施設」との間の経路(即ち移動を示すバー31)まで移動させる事により、図7(b)に示すように、当該経路間に「ディズニーリゾートライン」が追加された旅行行程が作成される。これにより、当該立寄りたい施設は当該時間に設置されることになり、必要に応じてタイムチャート表示領域62上にドロップされた場所の横軸(即ち時間)が読み出されることになる。
【0082】
このような処理を行うには、地図表示領域61で特定された地点表示部30(訪問する施設)についての情報を、選択した場所の緯度・経度や、当該施設のIDなどにより特定して取得し、これをドラッグした場所、すなわちタイムチャート表示領域62上でのドロップ位置を特定する情報を取得する。本実施の形態では、横軸に時間を規定しているから、ドロップした場所を時間に関連付けて取得することができる。またタイムチャート表示領域62に配置した施設などをあらわす地点情報は、その時系列において前後を入れ替えるように構成する事もできる。即ち、作成している旅行行程において、任意の2つの施設を主記憶領域802で一旦保持し、その順序を逆にしてタイムチャート表示領域62に配置することで、このような施設の入れ替え処理を行う事ができる。
【0083】
前記タイムチャート表示領域62上に立寄りたい施設を追加する際、タイムチャート表示領域62に示された行程表中の、移動時間帯(移動を示すバー31)の部分に移動させれば、移動行程中に当該施設を追加することが出来、既に施設が設定されている時間帯の領域に施設を移動すれば、同じ時間帯の別行程として、枝分かれした二種類の行程を作成することができる。そして追加された第二の行程(前記別行程)では、移動を示すバー31の接続先を任意の施設に設定することが出来る。具体的には移動行程を示すバーを選択した後、バーの先端(次行程側)をドラッグして、接続したい施設を表示しているボックス32にドロップすればよい。このような操作により、選択された移動行程の移動先の情報が変更され、変更された施設との間における移動時間が演算されることになる。
【0084】
上記したような、タイムチャート表示領域62に対する立寄り施設の配置は、例えば図8に示すような処理手順で行う事ができる。即ち、最初に旅行行程作成手段は、地図上の経由地点を選択してドラッグしたか、或いは地図上の経路を選択してドラッグしたか、何れかの入力情報を取得し(S101)、これにあわせて選択したものをドロップした事(S102)に起因する入力情報を取得する。そしてこのドロップした場所に関し、取得した入力情報から、経由地点上にドロップされたか否かが判断され(S103)、経由地点上にドロップされていないと判断された場合には、何も処理を行わずにここで処理を終了する(S104)。一方、立寄り施設等の経由地点上にドロップされたと判断された場合には、次に、選択したのは経由地点か否かが判断される(S105)。選択したのが経由地点でない場合には、選択した経路を切り離し、ドロップされた経由地点と、選択した経路とで結ばれていた経由地点を結ぶ処理を行う(S106)。一方、選択したのが経由地点である場合には、選択した経由地点に結ばれている経路を切り離し、「選択した経由地点と結ばれている経由地点」と「ドロップされた経由地点」を経路で結ぶ処理を行う(S107)。この為、当該旅行行程作成手段は、ドラッグしたオブジェクトが、施設などを表示する地点なのか、地点間の移動経路かを識別する必要があり、更にドロップした場所が経由地点上か否か、および選択したのが経由地点か否かを識別する必要がある。
【0085】
以上のように立寄りたい施設(地点)等の追加や削除が行われ、一通りの旅行行程を作成した後に、各地点(施設)の滞在時間や、移動時間、および移動経路を演算乃至は特定する為に経路検索を行う。即ち、旅行行程作成手段に対する経路検索の要求が行われると、当該旅行行程作成手段は、基本旅行行程に含まれる施設(地点)と、新たに追加した立寄りたい施設(地点)と、これらの施設の間の移動経路を算出する。この移動経路の算出に際しては、旅行行程に含まれる施設(地点)が、施設データとして予め登録されている施設の場合には、当該施設データに関連付けられているか或いはユーザーが指定した交通機関情報に基づき、その施設に最も近い交通機関を示す地点情報、例えば道路地点(道路ポイントとも言う)、駅、空港、又はバス停などの情報を用いて移動経路を作成する。各施設データと道路地点とは、例えば、それぞれの経度・緯度情報により関連付け、これをマスタとして管理することができる。
【0086】
一方、旅行行程に含まれる何れかの施設(地点)が、施設データとして予め登録されていない施設(即ち、後述の様に任意に登録された地点)の場合には、当該施設に最も近い道路ポイントを検索・特定し、この特定した道路ポイントを用いて移動経路を作成することができる。ここで、施設に最も近い道路地点とは、単に地図上で近いと思われる道路地点が最寄りの道路地点とは限らない。何故ならば、その施設から地図上一番近いと思われる道路地点(施設から20m程離れた地点)であっても、当該施設との間に、例えば川等があって移動困難な場合もあり、この場合には、施設から50m程離れた道路地点が最寄りの道路地点となる為である。この施設に最も近い道路ポイントを検索・特定手順については、後述の〔施設乃至は地点に最寄の道路ポイントの算出手順〕で説明する。
【0087】
タイムチャート表示領域62上に、出発地点、立寄り地点、到着地点が設定された後に、当該タイムチャート表示領域上に設定された各地点や施設で、出発時刻や到着時刻を変更できない地点や施設を設定し、この設定した地点や施設を移動時間の検索における基準(基準点)とする。即ち、出発時刻や到着時刻を変更できない地点についてフラグ等を設定し、このフラグが設定された地点についての時間を固定した上で、前記旅行行程作成手段は経路計算等を行い、各地点への到着時間、出発時間、及び/又は滞在時間などを演算して旅行行程を作成する。このような到着時間、出発時間、及び/又は滞在時間の固定は、前記図6に示すような行程作成入力画面において、タイムチャート表示領域上の施設を示すオブジェクト(図6では「東京タワー大展望台」を示すボックス32)を指定して、当該施設の到着時間、出発時間、及び/又は滞在時間についての固定を示す情報を付加することができる。そしてこのように固定されている時間については、固定されている事を表示するアイコン(図6では「ピン」のアイコン33)を表示することができる。
【0088】
以上のように何れかの時間が固定されている旅行行程を作成する際には、当該旅行行程作成手段は、検索の基準点(即ち出発時刻や到着時刻を変更できない地点や施設)よりも前に行程経路情報があるか否かを判断し、検索基準点よりも前に行程経路情報が存在すると判断した場合には、基準点の到着時刻から、基準点より前の行程経路を検索する。一方、検索基準点よりも前に行程経路情報が存在しないと判断した場合には、検索の基準点よりも後に行程経路情報が存在するか否かを判断し、検索基準点よりも後に行程経路情報が存在すると判断した場合には、基準点の出発時刻から、基準点よりも後の行程経路を検索し、2つの経路検索結果を組み合わせて、行程経路検索結果とする(図3参照)。なお、旅行行程作成手段における行程経路情報の有無の判断は、経路計算を行う旅行行程を構成する行程経路情報を判断することにより行う事ができる。
【0089】
図3に示すように、検索基準点よりも前に行程経路情報があると旅行行程作成手段が判断した場合において、基準点の到着時刻から、基準点より前の行程経路を検索するには、最初に基準点の施設を到着施設とし、1つ前の施設を出発施設として経路を検索する。次に施設間を移動する経路の所要時間を計算する。そして出発する施設の出発時刻が固定されているか否かを判断し、出発時刻が固定されている場合には出発する施設の出発時刻を当該固定された時刻とする。一方、出発時刻が固定されていない場合には、出発する施設の出発時刻を、到着時刻から所要時間を差し引いて出発する施設の出発時刻を変更する。このような基準点よりも前の施設についての行程検索を、逐次前の施設に検索基準点を設定して経路の検索を行い、これを出発地点または開始地点に到達するまで繰り返して行う処理を実行する事で、移動時間などを加味した旅行行程を作成することができる。
【0090】
一方、検索基準点よりも前に行程経路情報がない場合における、基準点の到着時刻から、基準点よりも後の行程経路を検索するには、最初に基準点の施設を出発施設とし、1つ後の施設を到着施設として経路を検索する。次に施設間を移動する経路の所要時間を計算する。そして到着する施設の到着時刻が固定されているか否かを判断し、到着時刻が固定されている場合には到着する施設の到着時刻を当該固定された時刻とする。一方、到着時刻が固定されていない場合には、到着する施設の出発時刻を、出発時刻に所要時間を加算し到着する施設の到着時刻を移動する。このような基準点よりも後の施設についての行程検索を、検索基準点を逐次後の施設に設定して経路の検索を行い、これを到着地点または終了地点に到達するまで繰り返して行う処理を実行する事で、移動時間などを加味した旅行行程を作成することができる。
【0091】
以上の2つの経路検索結果を組み合わせて、行程経路検索結果とする。ただし、行程を構成する何れかの施設(地点)を選択し、当該選択した施設(地点)それよりも前の行程、または後の行程を検索するように指定して検索することもできる。
【0092】
以上のようにして行程経路検索結果を取得した後、旅行行程作成手段は、この行程経路検索結果の所要時間に基づいて、出発時刻に出発した場合に、到着時刻に施設に到着できるか否かを判断する。その結果、余裕を持って到着できると判断された場合には、施設同士を結ぶ線の色を緑色に設定し、丁度良い時刻で到着できる場合には、施設同士を結ぶ線の色を青色に設定し、到着できない場合には、施設同士を結ぶ線の色を赤色に設定し、線場に「×」等の注意喚起表示を表示させる。
【0093】
このような線を着色する処理は、後述するように、旅行計画作成支援装置が保持する移動時間や施設滞在時間の演算結果から得られる標準の行程時間と、タイムチャート表示領域62上に表示している移動時間や施設滞在時間を比較し、その比較結果に対して着色表示の指定を割り当てればよい。なお、タイムチャート表示領域62上に表示している移動時間や施設滞在時間は、タイムチャート表示領域に表示する為の値として旅行計画作成支援装置800が保持していることから、この値を使用することができる。またタイムチャート表示領域62上に表示されている旅行行程に基づいて、入力手段等から施設滞在時間や移動時間を変更する処理を行った場合には、その変更した値と、前記旅行計画作成支援装置800が保持する移動時間や施設滞在時間の演算結果とを対比することにより、当該変更と同時に、移動などの困難性を示す着色表示等を行う事ができる。
【0094】
よって、この旅行計画作成支援装置では、施設乃至は地点間(以下「区間」ともいう)の移動の困難性を判断し、立寄り地点の追加や滞在時間の変更、或いは当該区間の移動手段の変更を行い、当該区間の移動が不可能でないように調整することができる。なお、この移動の困難性の判断結果については、着色表示に限定される事なく、到着の困難性を示す記号、符号または図などを表示したり、あるいはテキストを表示しても良い。
【0095】
また上記の処理により、旅行行程は施設の滞在時間や移動時間等の時間情報を保持することができる。そこで旅行計画作成支援装置が保持する標準の行程時間を、例えば主記憶装置などに保持しておけば、タイムチャート表示領域上で施設を示すボックスを移動したり、滞在時間を変更して移動時間を変化させる度に、この保持した標準の行程時間と対比して移動困難性を判断し、その結果を移動を示すバーの着色表示として示す事ができる。この事を図9(a)を参照しながら補足すれば、チャート表示領域62に表示されている旅行行程で、行程における施設を示すオブジェクト(ボックス32)を時間軸に沿って移動させた場合には、当該施設までの移動経路について、移動の困難性を判断して着色表示する。例えば、図9(b)に示すように、東京駅を表示するオブジェクト(ボックス32)を、そこ迄の移動時間を短縮する向き(図面における左側)に移動させる事により、当該移動が困難である事を着色表示する。これに対して図9(c)に示すように、東京駅を表示するオブジェクト(ボックス32)を、そこ迄の移動時間を長くする向き(図面における右側)に移動させる事により、当該移動が実現できる事を着色表示する。
【0096】
更に、旅行行程の作成に際して立寄り地点(施設)が選択されており、かつ当該施設への到着時間も、前記経路の算出により特定される。そして、立寄り地点である施設は、後述するとおり、利用可能な日時についての情報を保持している事から、当該施設への到着時間が、当該施設の利用可能な日時である場合には、アラート(警告)などを表示する事もできる。かかる施設の利用時間についてのアラートは、旅行行程の作成時に表示しても良く、更に旅行行程を作成し、印刷又は保存するタイミングで表示するように構成しても良い。
【0097】
通常、行程中に立寄り施設を追加すると、施設間の移動時間に影響を及ぼすことになるが、このとき、地図上のルート及び/又はタイムチャート表示領域の移動時間帯に前記したような着色乃至は注意喚起表示を行うことで、作成者に修正を促すことができる。作成者はこの表示結果を確認の上、移動手段を変更したり、時間的に余裕のある何れかの移動区間の移動時間を短縮したり、或いは何れかの施設における滞在時間を短縮するなど、作成者の意思を反映させて、自由に旅行計画を作成することができる。
【0098】
この点、施設滞在時間を自動的に調整することも可能であるが、この場合には一律に施設の滞在時間が短縮されてしまう事から、他の方法(移動手段の変更や、移動経路の変更など)を選択することができず、作成できる旅行行程も自ずと制限されることになる。よって、旅行者の好みに合わせた旅行行程を作成するためには、施設情報の滞在時間を調整するか、施設を左右に移動させて、施設間の移動時間を調整するかを任意に選択できる事が望ましい。
【0099】
そこで、本実施の形態に係る旅行計画作成支援装置は、タイムチャート表示領域62を設け、この上に表示する施設名を表すボックスの幅は施設滞在時間を示すように表示している。そして、施設名のボックス32をクリックすることに起因して、当該ボックスの幅の変更とボックスの移動を可能な状態とし、当該ボックスの幅を調整することで滞在時間を調整でき、また施設名のボックス32を移動することで滞在時間帯を移動できる様に構成している。即ち、ボックス32の幅(滞在時間)の調整と、ボックス32のスライドによる滞在時間帯(到着又は出発時間)の調整により、調整された施設の直前と直後の移動時間の計算は、ボックス32の調整と同期して行われ、施設間を結ぶバー31(移動を示す線)が前記した条件で変化するので、線の色の変化を目視しながら調整をすればよい。この為、当該ボックス32の前の移動時間が、例えば移動不可能な赤に表示されている場合は、青、緑などの移動可能時間に変化するところまで当該ボックス32の幅や位置を調整をすればよいので、別途時間を計算することなく、直感的に調整が可能となっている。
【0100】
上記のように区間(地点間)の移動困難性を判断したり、行程における各時間を演算する為には、その基準となる、施設乃至は地点における滞在時間についての情報を取得する必要がある。そこで本実施の形態に係る旅行計画作成支援装置800では、施設(又は地点)ごとの滞在時間として、旅行計画作成支援装置が保有する施設データが平均滞在時間の情報を保持していればその時間を使用し、立寄りに設定した施設の施設データが平均滞在時間の情報を保持していなければ、利用目的に沿った滞在時間を基準時間として使用している。したがって、本実施の形態にかかる旅行計画作成支援装置では、施設情報は、経度緯度の情報の他に施設名称の情報がある施設の種別や利用目的などの情報を保持しており、この施設の種別や利用目的に基づいて、利用目的と平均滞在時間を規定している利用目的マスタを参照し、当該施設の平均滞在時間を抽出できるように構成される。すなわち、施設情報と利用目的及び/又は平均滞在時間は施設種別で紐づいており、施設種別毎に利用目的及び/又は平均滞在時間を設定している利用目的マスタを備えている。このように施設の滞在時間についての情報を抽出乃至は演算し得る事から、旅行行程を容易に作成する事ができ、かつ様々な施設について平均滞在時間を算出することができる。
【0101】
また、本実施の形態に係る旅行計画作成支援装置800では、旅行行程全体の移動時間のみならず、各施設間ごとにも移動時間を算出するものであるが、これは施設間の移動経路を構成する各地点情報が保有する次の地点までの移動距離又は移動時間を合計することで得る事ができる。この場合、地点情報は、当該地点に隣接する地点を識別する情報(IDなど)と、当該隣接する地点までの距離および平均的な移動時間を保持する必要がある。また各施設間ごとの移動時間の算出は、施設間の移動距離と、その移動手段とから算出することもできる。施設間の移動距離は、出発地点となる施設の最寄の道路ポイントから、次の到着地点となる施設の最寄の道路ポイントまでの道路ポイント間の距離を加算することにより算出することができる。
【0102】
また移動手段は、旅行行程の作成に際して、基準となる移動手段を設定する他、任意に選択した移動区間について、移動手段を設定することができる。旅行行程の作成に際して移動手段を特定するには、例えば図10のフローチャートに示すような処理を行う事ができる。即ち、最初に図5に示すような基本情報入力画面51で、デフォルト(設定値)となる移動手段を設定する。即ち、施設間の区間ごとに移動手段が設定されるか、或いは後の操作において、旅行行程全体について特定の移動手段が設定されるなど、意図的な移動手段が設定されない場合において、あらかじめ組み込まれる設定値(デフォルト)としての移動手段を特定する。そして、デフォルトに設定された移動手段を行程データに保持し、施設間の移動経路が作成されたときに、当該デフォルトに設定された移動手段を読み出し、これを旅行行程における各施設の移動手段に設定する。このように各施設間についての移動距離と、移動手段が設定されることから、その移動時間も演算可能になる。なお、この移動手段は、公共機関によらない移動手段の場合には、平均的な移動速度についての情報を保持しておくことができ、公共交通機関にあっては出発時間と到着時間についての情報を保持し、この出発時間と到着時間から移動時間を算出する事も望ましい。
【0103】
また地点情報、当該地点について通常利用される移動手段を特定する情報を保持しておく事ができる。例えば地点情報が空港を示す場合には、当該地点からの移動手段として航空機を特定する情報を保持することができる。これにより、例えば空港を示す地点がら空港を示す地点までの移動経路を含む場合や、空港以外の地点の次の施設として当該空港を示す地点が選択されている場合などには、当該地点からの移動手段として当該地点情報が保持する移動手段(航空機)が割り当てられる。
【0104】
一方、当該地点が公共交通機関の駅等である場合であって、特段交通手段を特定する情報を保持していない場合には、前記したデフォルトの交通手段を当該地点からの移動手段として設定することができる。たとえば、地点情報が東京駅である場合であっても、当該地点からの交通手段が特定されていない場合には、デフォルトの交通手段(例えば貸切バスなど)を移動手段として設定することができる。
【0105】
よって、この旅行計画作成支援装置は、何れかの区間の移動手段として当該地点を規定する情報が、予め定められた移動手段についての情報を保持する場合には、当該移動手段を用いた移動経路を作成し、その他の地点間の移動については、作成する行程ごとに指定された移動手段(例えばデフォルトで設定した移動手段)に基づいて旅行行程を作成することができる。
【0106】
以上のようにして、出発・到着・立寄り施設(地点)、移動経路、移動手段、出発時間、到着時間、および施設の滞在時間を含む旅行行程が作成されると、図11の行程経路編集画面54としてチャート表示領域62を拡大表示させると共に、複数の日程にわたる旅行の場合には、日程ごとの旅行行程を表示させることができる。このような行程経路編集画面54を表示させる事により、行程に含まれる施設の滞在時間や移動時間等の時間についての調整を、このチャート表示領域62において詳細に調整することができる。
【0107】
〔公共交通機関の選択処理〕
以上のようにして、施設(地点)間の移動時間を考慮しながら、立寄りの施設や地点を追加乃至は削除したり、滞在時間を変更したり、或いは移動手段を変更するなどにより、決め細やかな旅行行程を作成することができる。そしてこのようにして作成された旅行行程では、各施設間の移動時間および施設の滞在時間が保持されていることから、各施設の到着時間、出発時間も保持されている。そこで、この到着時間を使用し、旅行行程中の移動手段として公共交通手段が存在する場合には、当該公共交通機関の便や出発時刻を選択することも可能である。即ち、移動手段として公共交通機関が選択され、その出発地点または到着地点の施設情報として、電車の駅、空港、路線バスのバス停などが選択されている場合には、当該施設の出発地点または到着地点の時刻を読み出す。そして読み出した時刻を検索キーとして当該施設に対応付けられた公共交通機関の時刻表を参照し、当該時刻に対応する便などを指定することができる。
【0108】
このため、当該旅行計画作成支援装置800は、公共交通機関の時刻表を記述した情報(以下、「時刻表情報」)を取得することが必要であり、当該時刻表情報は、この旅行計画作成支援装置が保持する他、ネットワークを介して、外部のサーバー等の情報処理装置から取得する事もできる。図12に示す行程作成入力画面53では、行程における施設に「東京駅」を含み、そこから次の施設である「新横浜」までの移動手段として鉄道が選択されていることから、この「東京駅」への到達時間を取り出し、この到達時間で乗車できる時刻の新幹線の時刻表を抽出して時刻表画面55を表示させた状態を示している。このように表示された時刻表情報から、任意の便を指定することで経路検索条件として便が特定されて当該欄65に表示される。そして経路検索条件として、この便の出発時間および到着時間が固定されることから、この固定された時間を基準に旅行行程を作成することができる。また、図13は道路を利用する経路検索条件の指定画面56であり、この図に示すように、高速道路等の有料道路や、その他の道路に関連する施設についての通過時間や、到着時間などを設定し、この設定した時間を基準に旅行行程のタイムスケジュールを作成する事もできる。経路検索を行う際には、この図13に示した設定項目に基づいて検索を行う事ができる。
【0109】
また、前記旅行行程作成手段は、移動手段として公共交通機関が選択されている場合には、当該旅行行程における施設の最寄の駅などの乗降地点を検索し、これを行程の中に挿入することができる。すなわち、旅行行程作成手段において、地点間の移動手段として公共交通機関が設定されているか否かを判断し、公共交通機関が設定されている場合には、当該公共交通機関による移動手段の前後の地点から最寄の駅又は空港を含む公共交通機関の乗降地点を抽出するものである。より具体的には、施設から又は施設までの移動手段として公共交通機関が選択されている場合には、当該公共交通機関を利用する区間の前後の施設(地点)から最寄の電車の駅、空港、路線バスのバス停等の乗降地点を検索し、その検索結果を行程中に挿入することが望ましい。例えば、図14(a)に示す行程作成入力画面53(特にタイムチャート領域62)は、旅行行程における施設として「新横浜プリンスホテル」と「川崎グランドホテル」とを示すボックスがこの順で時系列に並んでおり、両者間の移動手段として公共交通機関である電車が指定されている場合、この経路について経路検索を実行することにより、図14(b)に示すように出発地点の最寄駅である「新横浜駅」と到着地点の最寄駅である「川崎駅」が抽出され、これを旅行行程に組み込んで図14(c)に示すようにチャート表示領域62に表示する。このような最寄駅などの検索の流れの一例を図15のフローチャートを参照しながら説明する。
【0110】
先ず、経路検索が開始されると(S201)、旅行計画作成支援装置の中央処理装置(CPU)において、駅ではない施設間の経路検索か否かが判断される(S202)。判断結果で、駅である施設間の経路検索と判断されれば、経路検索を続行する(S203)。一方、駅ではない施設間の経路検索であると判断された場合には、次に経路検索を中断し、最寄り駅の挿入処理を開始する(S204)。そして、この最寄り駅の挿入処理により、駅ではない施設における最寄り駅の情報を取得し(S205)、この情報に基づいて、最寄駅を通るように行程を変更する。このとき、駅ではない施設から最寄駅までの移動手段は、前記したデフォルトなどで規定された設定情報を参照することができる(S206)。そして最寄駅の挿入処理を終了し、経路検索を再開する(S207)。そして引き続き経路検索を続行する(S203)。なお、このような最寄駅の検索、挿入処理は、その移動手段として鉄道、航空機、路線バスなどの公共交通機関が選択されている場合であり、公共交通機関以外の移動手段が選択されている場合には、このような処理は不要である。
【0111】
〔旅行行程の分岐表示〕
更に、本実施の形態に係る旅行計画作成支援装置では、前記旅行行程の作成に際して、追加したい立寄り地点の移動場所(ドロップした場所)によっては、分岐したコースを作成することができる。即ち、旅行行程作成手段は、同じ時間に異なる地点又は移動経路を通る、何れかの地点で分岐したコースを有する旅行行程を作成することができる。これは、例えば団体旅行における参加メンバーを2つ以上のグループに分け、それぞれの趣向に応じて、分岐した何れかコースを選択可能な旅行行程を作成するためである。このように分岐したコースを有する旅行行程は、分岐経路を含んで1つの旅行行程として、即ち1つのレコードとして旅行計画作成支援装置(特に外部記憶装置810等の記憶手段)が保持する事が望ましい。
【0112】
図16に示す行程作成入力画面53は、このような分岐したコースを作成した例を示しており、この例では「ディズニーアンバサダーホテル」の次の施設として、「東京ディズニーシー」に行くコースと、「東京ディズニーランド」に行くコースとの2つのコースに分岐している。そしてこのような2つのコースは、「ディズニーランドツアー」として1つの旅行行程情報として保持されている。また図17は、このように分岐したコースを識別表示した状態であり、図17(a)のように分岐して作成された旅行行程は、図17(b)(c)に示すように、それぞれのコースごとに色分けして表示することができ、更に、図17(d)に示すように、共通して訪問する施設と、各コースごとに異なる施設とを色分け表示することができる。
【0113】
このような分岐したコースを作成する際には、当該分岐の前後の施設である共通して訪問する施設や、分岐した各コースを、色や線の太さ、あるいは表示フォントなどを変更することで、分かりやすく表示することが望ましい。かかる処理手順を図18フローチャートに基づいて説明する。
【0114】
即ち、コース色の表示処理を開始すると(S301)、最初に全てのコース色の表示を試みたか否かが判断される(S302)。この判断結果において、全てのコース色の表示を試みたとの判断結果が返された場合には、ここでコース色の表示処理を終了する(S303)。一方、全てのコース色の表示を試みていないとの判断結果が返された場合には、施設に対して複数のコースのうち、1つのコース色を設定する(S304)。次に、今回設定した施設に対して、既に色が設定されているか否かが判断され(S305)、まだ色が設定されていないとの判断結果が返された場合には、コースが重複しているので重複色を表示し(S306)、そして再度全てのコース色の表示を試みたか否かの判断処理に戻される。一方、既に色が設定されているとの判断結果が返された場合には、設定されたコース色を表示し(S307)、そして再度全てのコース色の表示を試みたか否かの判断処理(S302)に戻される。
【0115】
〔地図およびタイムチャート表示〕
更に本実施の形態に係る旅行計画作成支援装置では、旅行行程の作成を容易にする為に、ディスプレイに表示される地図表示領域61における操作情報と、タイムチャート表示領域62における操作情報とが連動している事が望ましい。
【0116】
すなわち、旅行行程出力手段により、表示装置上に、旅行行程における地点に存在する施設名と当該施設間の移動手段を行程順に表示したチャート表示領域と、当該旅行行程を地図上に表示した地図情報表示領域とを区画して表示し、旅行行程作成手段では、チャート表示領域における操作情報および地図情報表示領域における操作情報の少なくとも何れかをし、入力手段からの入力か又はネットワークを介して取得し、旅行行程を作成又は変更することができる。そしてこの作成又は変更した旅行行程を、チャート表示領域および地図情報表示領域の両方に表示させることができる。
【0117】
例えば、前述のように既に作成されている旅行行程に新たに訪問する施設を追加したり、既に作成されている旅行行程から訪問する施設を削除する場合には、地図表示領域61上でこれらの指示を特定しても、タイムチャート表示領域62上でこれらの指示を特定しても、いずれの場合でも旅行行程を修正可能であり、かつ何れか一方に対する操作が、他方に反映するように形成されていることが望ましい。かかるユーザインターフェースに関する処理を、図19に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0118】
即ち、旅行行程の作成や編集に際して、ディスプレイ上に図6に示したような旅行計画を作成乃至は編集する為の入力画面53を表示させ、入力装置(キーボードやポインティングデバイスなど)からの入力を待機する(S401)。この入力待機状態で、地図表示領域における操作またはタイムチャート表示領域での操作が行われると(S402)、何れの操作による指示内容も行程データに反映され、即ち行程データとして主記憶領域に読み込まれる(S403)。そして、CPU(中央処理装置)は、入力装置からの入力情報に基づいて、行程の変更が行われたか否かを判断し(S404)、変更が行われていないと判断した場合には、入力待機ステップ(S401)に処理を戻す。一方変更が行われていると判断した場合には、その変更内容を地図表示領域61およびタイムチャート表示領域62の双方に表示し(S405)、その後入力待機ステップ(S401)に処理を戻す。このような処理により、旅行計画作成支援装置のディスプレイに表示した地図表示領域61およびタイムチャート表示領域62の何れからの入力情報でも行程作成・変更情報として使用され、かつその作成・変更した旅行行程を、同じ内容で地図表示領域61およびタイムチャート表示領域62の双方に表示させる事ができる。
【0119】
〔地図表示領域中における移動行程の着色表示〕
更に、上記のように地図表示領域に、出発地点、立寄り地点(施設など)、到着地点などを表示する際には、例えば図20の地図表示領域61に示すように、その移動行程(コース)を着色表示することが望ましい。移動行程(経路表示部)35を着色表示することにより、地図表示領域61に表示された地図上で、その移動行程35を確認することができ、かつ前記したように行程における施設間の移動経路(経路表示部35)を選択し、当該移動経路を、新たに立寄りたい地点(地点表示部30)に移動することによって施設の追加が可能になる。この旅行行程、特に移動経路を地図上にトレース表示する処理は、図21のフローチャートに示すように行う事ができる。
【0120】
即ち、前記図19に基づいて示したユーザインターフェースによる行程作成処理により、旅行行程が作成乃至は変更されることに基づいて、旅行計画作成支援装置において、経路トレース表示の処理が開始される(S501)。この処理では、最初に経路が検索されているか否かが判断され(S502)、検索されていなければ、この処理を終了して、別途、経路の検索を行う(S506)。一方、経路が検索されている場合には、当該経路における道路地点情報列を取得する(S503)。この道路地点情報列は、例えば、後述するように旅行行程における施設乃至は地点から最寄の道路地点情報を取得し、この道路地点情報を次の立寄り施設等に向けて結んだ道路地点における緯度・経度情報列として取得することができる。そして取得した道路地点同士を線で結び(S504)、地図上に行程(移動経路)を示す線を表示させる。そして旅行計画作成支援装置のCPUは、全ての道路地点同士が結ばれたか否かを判断し(S505)、結ばれている場合には経路トレース表示処理を終了し(S506)、一方で終了していなければ道路地点同士を線で結ぶ処理(S504)を繰り返す。この地図領域に表示された経路トレース表示(移動行程35)は、地図情報の上にベクタデータとして情報を保持することができ、それ故に、施設間の移動経路の選択や変更を可能にすることができる。
【0121】
〔移動経路の逆順貼り付け〕
更に本実施の形態に係る旅行計画作成支援装置では、移動行程の作成に際して、複数の施設(地点)をコピーし、その移動経路を逆順に貼り付けるようすることが望ましい。即ち、旅行行程作成手段が、作成した旅行行程を構成する地点と移動経路から選択された2以上を旅行行程における移動順に保持し、この保持した地点と移動経路から選択された2以上を、保持した順序とは逆順に出力する様に構成した逆順処理部を備えるように形成する。
【0122】
旅行行程を作成する場合には、目的地点から到着地点に至る経路(帰路)は、出発地点から目的地店に至る経路(往路)の逆順で作成される場合が多く、このような場合に、帰路の作成に際して往路の行程を逆順に貼り付けできれば、旅行行程全体の作成手順を大幅に削減することができるためである。具体的には、旅行行程において公共交通機関を使用する場合などには、往路における公共交通機関の駅やバス停などの情報を、入力装置からのコピー操作により、一旦、主記憶領域802に保持し、これを帰路の作成に際してペースト(貼り付ける)することにより、往路の逆順となる帰路を簡易に作成することができる(逆順処理部はこの処理を実行する)。なお、このコピー操作による往路の行程情報の保持は、クライアント端末を旅行計画作成支援装置とする場合には、その主記憶領域に保持する他、サーバー装置における主記憶領域に保持する事もできる。更に、前記のように旅行者を2つのグループに分け、各グループごとに異なる分岐した経路を作成する場合には、復路において往路の分岐コースとは逆のコースを選択できるように貼り付ける事もできる。かかる行程の逆順の貼り付けは、図22のフローチャートおよび図23の処理画面に示すような処理で行う事ができる。
【0123】
即ち、行程の逆順貼り付け処理の開始(S601)により、最初に選択している施設、経路を通常の処理によりコピーし(S604,図23(a))、そのデータを旅行計画作成支援装置の主記憶領域802に保存する。次に、逆順に貼り付ける旨の処理の指示に従い(図23(b))、行程データを参照し、コピーしたデータを終端の施設から貼り付けて(S603)、この逆順貼り付け処理を終了する(S604,図23(c))。
【0124】
〔任意地点の登録〕
また、本実施の形態に係る旅行計画作成支援装置では、旅行行程に組み込む地点として、予め旅行計画作成支援装置800が保持する地点情報の他に、ユーザーが任意に登録した地点を使用することができる。即ち、地図表示領域において、旅行行程に組み込みたい地点を選択し、この選択した地点の緯度・経度、または表示装置に表示するときの座標を取得した上で、当該地点について任意の名称や、施設の種別、および利用目的と登録することができる。このような任意地点の登録は、地図情報表示領域上におけるポイントされた地点を、任意の名称や、施設の種別、および利用目的等の情報と共に保持する地点登録手段を外部記憶装置810等の記憶手段に設ける事により実現可能である。この登録した地点は、ユーザー毎に保持する事もでき、この場合には、ユーザーID等によるユーザー照合手段による照合結果に基づいて、当該登録した地点が読み出されることになる。
【0125】
例えば、図24の行程作成入力画面53に示すように、最初に新しい施設を登録する為の処理の開始を選択し(図24(a))、その後、新しく登録したい地点を地図表示領域61上で指定することにより(図24(b))、当該地点を「空施設」として分類し、チャート表示領域62上に「新規施設」として、立寄り施設を追加する。この空施設については、施設詳細設定欄65において任意に名称などを登録することができる。具体的には、地図表示領域で選択した地点の緯度・経度又は座標に関連付けて、図25に示すような施設詳細設定欄65で、「表示名称」、「施設名称」、「カナ名称」、「利用時間」、「表示用利用時間」、「集合時間」、「電話番号」、「ファックス番号」、「利用者区分(男女構成、幼児人数)」などを登録する。さらに必要に応じて、当該地点ついての簡単なコメントを表示することができる。このように登録した地点は、その登録時に作成している旅行行程において利用することができ、また、当該登録した地点についても経路検索を行う事が可能になる。これにより、本発明に係る旅行計画作成支援装置は任意に選択した自由な地点についても経路検索を行う事ができる。かかる登録した地点の情報は、この地点を使用している旅行行程またはユーザーID等のユーザー識別情報に関連付けて旅行計画作成支援装置(より具体的には記録手段)に保持される。かかる任意に登録する地点は、例えば、それぞれのレコード(地点)が図25に示す様な項目をフィールドとして保持する事ができる。
【0126】
また、任意地点の登録に際しては、その地点の登録時に作成している旅行行程のみならず、他の旅行行程の作成時も利用可能なように、旅行計画作成支援装置が保有する施設情報として登録する事もできる。即ち、地図情報表示領域上で指定されたポイントを地点情報として保持する地点情報保持手段を外部記憶装置810等の記憶手段に設ける事ができる。
【0127】
このような地点登録処理の流れを図26に示す地点登録画面54の遷移図により説明すれば、最初に登録する場所(地点)を地図上で指定により、当該地点の緯度経度又は座標を取得する(図26(a))。このとき、場所(地点)の特定に際して、当該地点についての名称や施設のタイプの選択情報を取得する事もできる。地点の特定を行った後、当該地点についての基本情報を取得して登録する。この基本情報は図26(b)に示すように、施設コード、施設名称および施設種別などの基本情報、当該施設の平均滞在時間、施設有効期限、収容人員などの補足情報、並びに旅行行程を作成するユーザーごとに定められた協定の区分、手配R率などユーザー側の自社追加情報の入力を許容し、旅行計画作成支援装置が具備する地点情報保持手段はこれらの情報をレコードなどとして保持することができる。
【0128】
ここで、基本情報を構成する施設種別は、例えば「宿泊施設」「観光施設」「レジャー施設」「飲食施設」「買い物施設」「交通施設」「学校施設」「その他の施設」など、予め定められた項目から選択されることが望ましい。さらに、当該施設については、図26(c)に示すように、定休日情報、営業期間情報、営業時間情報、利用料金情報からなる付加情報の入力を許容し、これを保持することができる。更に利用料金情報については、曜日などによって料金が異なる場合、或いは大人と子供で料金が異なる場合など、料金区分を詳細情報として保持することができる。更に、図示していないが、この登録した施設を現す画像など、各種の画像やコメントを施設画像として保持することができる。
【0129】
よって、本実施の形態にかかる旅行計画作成支援装置は、地点情報保持手段等が保持する各地点の施設データとして、各レコード(地点)は、例えば図26(a)(b)及び(c)に示す様な項目をフィールドとして保持する事ができる。このように登録された任意の地点は、当該旅行計画作成支援装置が保持する他の地点情報と同じように、旅行行程の作成に際して検索対象の施設となり、また当該施設を選択し、当該施設に対しても経路検索を行う事ができる。更に、以上のように登録した地点は、前記した、タイムチャート表示領域62上への訪問する施設の配置の手順に従って行程中に追加することができる。
【0130】
更に、上記のようにして登録した地点や、旅行計画作成支援装置が保持する地点(特に施設や観光地を示す地点)については、複数のユーザーに公表し、当該地点について他のユーザーから付加情報(例えば口コミ情報)を取得し、保持するように構成する事もできる。
【0131】
即ち地点登録手段が保持する地点や旅行計画作成支援装置が保持する何れかの地点について、当該地点の情報を、登録したユーザーにのみアクセス可能とするか、または他のユーザーに対してもアクセス可能とするかを区別する為のアクセス情報を保持し、他のユーザーに対してもアクセス可能とするアクセス情報を保持する場合には、当該地点の情報にアクセスしたユーザーからの付加情報の登録を許容する様に構成する事もできる。このように構成することにより、例えば特定の地域においてのみ人気のある施設や観光地についても、様々な情報を取得することができ、これをユーザーで共有することが可能になる。
【0132】
〔施設乃至は地点に最寄の道路ポイントの算出手順〕
旅行行程の作成に際して指定される施設が、施設情報として予め登録されていない施設乃至は地点である場合、当該施設乃至は地点に最も近く、かつ実際に移動可能な道路ポイントを抽出、演算する必要がある。例えば、図27(a)の地図に黒色矢印で示した地点P1から最寄の道路を検索しようとした場合には、距離で道路地点を探ると白色矢印で示した道路P2が一番近い道路ポイントとなる。しかしながら実際には島が離れている為、車で移動することは出来ない。そこで、このような移動不可能な経路を作成することがないように、施設に対する最寄りの道路ポイントを規定したマスタ(道路地点接続定義マスタ)を設定し、その道路ポイントを元に経路を作成する必要がある。かかる道路地点接続定義マスタは、地図情報表示領域に表示される地図における少なくとも何れかのエリアについて、当該エリアに隣接する他のエリアを関連付けた地点接続定義情報からなることもできる。例えば、図27(a)に示したような特殊な地形や場所の場合には、緯度経度の範囲をデータに設け、範囲内のポイントの接続地点を指定しておくことで間違った道路ポイントを指示さないように道路地点接続定義マスタを作成し対応させている。
【0133】
この道路地点接続定義マスタを用いた検索方法を図27(b)を参照しながら説明すると、図27(b)中に矩形の枠66で示しているような緯度・経度の範囲データを作成し、その範囲に一番近い道路ポイントを連結することで、範囲内のどこのポイントを検索しようとしても一番最寄の道路ポイントを検索することが出来る。
【0134】
そこで、旅行行程におけるスタート地点(集合場所など)の施設、立寄り地点の施設などの道路以外の施設には、最も適切でかつ最も近い道路ポイントを関連つけたマスタ(道路地点接続定義マスタ)を設け、この道路地点接続定義マスタに基づいて出発点となる道路ポイントから近いポイント(地点)を選択して経路を作成し、目的地となる地点までのルート(移動経路)を作成する。このとき次のポイント(地点)の選択には、現在のポイント(地点)と接続できるポイント(地点)の情報を持っており、その中で、ルート作成の際に設定した条件(時間、距離、道路幅、有料道路使用、一般道優先の少なくとも1つ以上を選択)にしたがって、道路地点接続定義マスタから最適なポイント(地点)を選択する。
【0135】
この任意に設定した施設乃至は地点に最も近い道路ポイントの検索手順を図28のフローチャートに基づいて説明する。先ず、任意の施設乃至は地点が選択されると、当該任意の施設乃至は地点の緯度・経度を取得する(S701)。そしてこの緯度・経度の情報に基づいて道路地点接続定義マスタを参照し、当該緯度・経度が接続する道路ポイントを、図13(b)に示した規定の緯度・経度範囲内(矩形の枠内)で検索する(S702)。そして道路ポイントが取得された場合には、取得した道路ポイントを返し(S704)、処理は終了する事になるが(S705)、取得されない場合には、任意の施設乃至は地点の緯度・経度から±1秒の範囲内で道路ポイントを順に検索する(S706)。そしてこの範囲(選択された地点が存在するエリアに関連付けられている他のエリア)内で道路ポイントが取得されたか否かが判断され(S707)、取得された場合には、検索された道路ポイントのうち、ルート作成の際に設定した条件(時間、距離、道路幅、有料道路使用、一般道優先の少なくとも1つ以上を選択)に合う1件を返し(S708)、処理を終了する(S709)。一方、緯度・経路を広げた範囲内でも道路ポイントが検索されない場合には、更に緯度・経度の範囲を広げて、再度道路ポイントを検索する(S710)。
【0136】
このような処理が必要になるのは、本発明に係る旅行計画作成支援装置は、所謂カーナビゲーションシステムとは異なり、旅行行程を作成する為の装置であり、車両のルート案内を主とするものではないからである。即ち、もっぱら車両のルート案内を行う場合には、道路上のポイント情報(地点情報)を多く設け、この道路ポイントを連結していく事により、自ずと通行不可能な経路を作成することは無くす事も考えられるが、本発明にかかる旅行計画作成支援装置では、道路のルート案内を主とする処理結果を出力するものではなく、航空機、鉄道など、自動車以外の移動手段も使用し、更に道路のルート案内以上に、観光地や施設などの地点についての情報や、移動時間を取得するものであるから、道路上のポイント情報(地点情報)のうち、例えば観光施設等の旅行で使用するポイントへ接続しない道路との交差点などのポイントを必要としない為である。無論、このような細かな道路上のポイントを多く設けることにより、カーナビゲーションのような車輌のルート検索として利用することも可能である。道路上のポイント情報(地点情報)を多く設けた上で、更に上述したような道路ポイントの検索手順を実施することにより、任意の地点から実質的に通行不可能な経路案内を無くす事ができる。
更に、このような任意の地点に最寄の道路ポイントの検索は、道路ポイントの多少に拘わらず、カーナビゲーションシステムその他の経路検索方法乃至は手段として使用することができる。
【0137】
即ち、入力手段から入力された情報、またはネットワークを介して取得した情報に基づいて移動経路を作成し、作成した移動経路を表示装置に出力する移動経路作成装置であって、当該移動経路作成装置は、出発地点、目的地点および立寄り地点から選択される少なくとも2つ以上の地点間の移動経路を作成する移動経路作成手段と、当該移動経路を地図上に表示した地図情報表示領域を、表示装置に出力する移動経路出力手段と、前記地図情報表示領域に表示される地図における少なくとも何れかのエリアについて、当該エリアに隣接する他のエリアを関連付けた地点接続定義情報からなる地点接続定義マスタを具備してなり、前記移動経路作成手段は、更に、入力手段から入力されるか、またはネットワークを介して指定された地図情報表示領域上におけるポイントされた地点の緯度・経度または表示装置における座標を取得し、当該地点を、出発地点、目的地点および立寄り地点の少なくとも何れかの地点として設定すると共に、前記地点接続定義情報を参照して、ポイントが存在するエリア、および当該エリアに関連付けられている他のエリアを順に検索し、当該ポイントに最寄の地点を抽出する移動経路作成装置とする。
【0138】
ここで、移動経路作成装置は前記旅行行程作成手段に相当し、移動経路出力手段は前記旅行行程出力手段に相当するように構成することができる。
【0139】
以上のようにして、追加した立寄りたい施設(地点)をタイムチャート表示領域62上に設定し、その前後の施設との間のルートを検索することができる。このルートの検索に際しては、更に施設間の移動手段を任意に設定する事もできる。即ち、公共交通機関を利用するか否か、および公共交通機関を利用する場合には、新幹線、フェリー、路線バス、飛行機の何れを使用するか、公共交通機関を利用しない場合には、高速道路や有料道路を使用するか否かを設定することができる。このような移動手段の設定は、デフォルトで設定しておく他、経路検索時の検索条件として任意に設定できるようにすることができる。また、追加した立寄りたい施設(地点)が、施設データとして予め登録されていない施設の場合(即ち、施設情報が無い位置に道路をドロップした場合)には、行程表には「新規施設」のタイトルで欄を作成し、当該「新規施設」については施設情報の追加入力を許容し、これをシステム利用者の個別情報として保存できるように形成することが望ましい。
【0140】
〔旅行行程におけるデータ使用形式〕
図29は、上記の処理によって形成された旅行行程の出力例と、旅行行程を構成する各データの保有形式を示している。この図からも明らかなように、本実施の形態では、行程表におけるツアー名は、行程番号、ツアー名を記録した「行程データ」に基づいて作成し、コース名は、行程番号、行程コースコード、行程コース名を記録した「行程コースデータ」に基づいて作成し、行程での利用施設は、行程番号、施設コード、施設名を記録した「行程利用施設データ」に基づいて作成し、日付と利用施設と移動手段は、行程番号、行程要素コードを記録した「行程要素データ」に基づいて作成し、各施設間の経路は、行程番号、行程要素コード、経路順位を記録した「行程経路データ」に基づいて作成し、経路と施設の連結は、行程番号、行程コースコード、行程連結コードを記録した「行程連結コード」に基づいて作成し、行程表に付記される画像は、行程番号、行程要素コード、画像管理コードを記録した「行程画像データ」に基づいて作成している。そして、これらのコードについてテキスト表示やデータなどを保有するマスターを作成する。よって、本発明に係る旅行計画作成支援装置では、この図29に示すようなデータを保持することができる。
【0141】
〔作成した旅行行程の保持〕
以上のように作成した旅行行程は、ユーザーごとに、即ちユーザーIDに関連付けて記録・保存しておく事ができる。この為、当該旅行計画作成支援装置の起動時、または何れかのタイミングにおいて、ユーザーIDの入力などを要求し、その入力情報を、ユーザー照合手段において、旅行計画作成支援装置が保持するユーザー情報と比較し、ユーザーの照合が行われる。このようなユーザーの照合を旅行計画作成支援装置の起動時に実行すれば、起動情報と共に、ユーザー情報に関連して保持されている設定情報を読み出す事ができる。このような設定情報としては、外部記憶装置810等の記憶手段に設けられる旅行行程記憶手段が保持する当該ユーザーがこれまで作成した旅行行程(以下、「旅行行程履歴」とも言う)や、入力画面における表示ブロックの設定情報、またはユーザー毎に任意に登録している地点についての情報などが挙げられる。また、旅行行程の保存に際しては、当該行程をXML形式などのテキストデータで保存することができる。
【0142】
これにより、次回、当該ユーザーが同じIDでログインした場合には、起動時におけるユーザーの照合が認証された場合には、当該ユーザーに関連付けて記憶されている旅行行程を読み出して表示装置に出力することができる(この処理を実行する部分を「履歴表示手段」とする)。例えば、図30に示すように、これまでに作成乃至はエントリーした旅行行程を検索スライダー67などに一覧表示することができる。これにより、この一覧表示された中から任意の旅行行程を選択し、例えば作成途中の旅行行程に簡易にアクセスすることができ、また過去に作成した旅行行程を読み出し、これを変更して新たな旅行行程を簡易に作成することができる。
【0143】
また、頻繁に使用する旅行行程などは、図31に示すようなサンプル登録画面55を介して、サンプルとして旅行計画作成支援装置の記憶装置810などに保存しておく事もできる。この為、当該旅行計画作成支援装置は、何れかのユーザーが作成した旅行行程を、他のユーザーもアクセス可能なサンプルとして保持すると共に、サンプルとして登録された旅行行程を、当該旅行行程を構成する日程ごとに読み出し可能に保持するサンプル登録手段を具備することが望ましい。
【0144】
かかるサンプル登録の処理は、図31に示すサンプル登録画面55で、作成した旅行行程について、サンプル登録を行うとの要求を指示する項目68を指定することに開始され、サンプル登録を行う旅行行程にインデックス(行程番号、ツアー名、方面、宿泊数など)を付してマスターに登録することがで実施できる。サンプルとして登録した旅行行程は、特定の企業、営業所など、関連付けられたユーザーが自由に利用できるように旅行計画作成支援装置に保存される。例えば、当該サンプルとして登録した旅行行程にアクセスできるユーザーをIDで管理することが考えられる。このように頻繁に利用される旅行行程をサンプルとして登録しておく事で、新たに似たような方面についての旅行行程を作成する場合には、図32(a)(b)に示すようなサンプル読み出し画面56を介した指示により、当該サンプルが登録されているマスターから必要なサンプルデータを読み出し、これを加工することにより簡易に旅行行程を作成することができる。例えば、サンプルとして読み出した旅行行程について、人数や、出発時間を変更したり、或いは立寄り地点の追加、削除、変更を行い、今回の旅行行程を作成することができる(図32(d)参照)。特に本実施の形態では、サンプルとして登録した旅行行程は、日程ごとに利用可能なように、日程単位で読み出し可能なように保持されている(図32(c)参照)。
【0145】
また、ログインしたユーザーIDに関連して、前記の履歴となる旅行行程のみならず、ユーザーが頻繁に使用する施設や観光地などをお気に入りの地点(お気に入りポイント)として登録し、旅行計画作成支援装置はこれをユーザーごと、または特定の企業や営業所ごとに保持する事もできる。このようなお気に入りポイントについては、更に簡単なコメントを付し、他のユーザーが利用しやすいように加工する事もできる。
【0146】
〔作成した旅行行程の印刷〕
以上のように作成した旅行行程は、多くの場合、紙などの印刷媒体に印刷されることになる。そこで本実施の形態にかかる旅行計画作成支援装置では、印刷時のレイアウトや印刷媒体における見易さを向上させる為のアイコンを任意に登録および選択できるように形成している。
【0147】
例えば、本実施の形態に係る旅行計画作成支援装置は、作成した旅行行程を印刷する為の印刷様式、印刷項目および印刷レイアウトの少なくとも何れかを規定した1つ以上のテンプレートを外部記憶装置810等の記憶手段に保持しておき、当該旅行行程の印刷に際しては任意のテンプレートを読み出して使用する事ができる。特に当該記憶手段におけるテンプレートを保持・管理する構成をテンプレート保持手段として位置づける事ができる。また、かかるテンプレート保持手段では、ユーザーがテンプレートの項目を変更した場合には、この変更後のテンプレートを保持することができ、これを当該ユーザーだけが使用できるようにユーザー単位で保持する他、特定のユーザー間で共有して使用できるように保持することもできる。
【0148】
また、当該旅行計画作成支援装置では、印刷時のレイアウトを作成する為に、印刷項目を任意に選択できるように構成されており、更に当該印刷時のレイアウトを、他のアプリケーションで使用できるように、印刷を実施する業務用アプリケーションのテンプレートに対して、印刷項目を設定できるように構成している。この為、この旅行計画作成支援装置は、作成した旅行行程を、当該印刷を実行するアプリケーションとのデータの互換性を担保可能なファイル形式、例えばXML等のテキスト形式で保持している。また、当該旅行計画作成支援装置では、他のアプリケーションにおけるテンプレートを読み出し、これ変更を加えることができるように、両者を同じ画面に表示している。
【0149】
即ち、当該旅行計画作成支援装置は、CPU801における処理で、前記テンプレート保持手段が保持するテンプレートの印刷項目を一覧表示し、かつ一覧表示されたテンプレートの項目を選択すると共に、当該選択した項目を他のアプリケーションのテンプレートに配置することにより、テンプレートを作成するするテンプレート作成手段を具備することが望ましい。
【0150】
図33は、この旅行計画作成支援装置が提供する印刷項目を第一ウインドウ57に一覧表示し、第二ウインドウ58には印刷を実行するアプリケーションのテンプレート画面を表示している。そして、第一ウインドウ57で選択(例えばコピー)した印刷項目を第二ウインドウ58の印刷箇所に配置(例えばペースト)することにより、簡易に印刷の為のテンプレートを作成できるように構成している。この為、第一ウインドウ57でコピーされる項目は、第二ウインドウ58で認識される情報である必要がある。
【0151】
また、印刷物を作成する際には、その印刷面に表示されるアイコンや画像により、印象も大きく異なる。そこでこの実施の形態にかかる旅行計画作成支援装置では、図34に示すような印刷確認画面に、旅行行程を表示する際に使用するアイコンを任意に選択できるようにアイコンを一覧表示したブロック69を表示している。かかるアイコンは、当該アイコンごとに使用される場面が定義付けられており、例えば鉄道による移動に際しては何れかのデザインの電車を表すアイコンを使用するなどを定義付けている。またこのアイコンブロックの欄には、ユーザーが任意にアイコン用の画像(イメージデータ)を登録することができる。このように各ユーザが登録したアイコンのデータと、旅行計画作成支援装置が保持するアイコンのデータは、外部記憶装置810等の記憶手段にアイコンマスタ等として保持することができる。
【0152】
更に、この印刷項目も任意に選択できるように構成されている事が望ましい。即ち、前記図29に示したような旅行行程が保有する情報の内、少なくとも何れかの情報を印刷するか否かや、その印刷位置をどこにするかを指定する印刷設定情報を保持するように形成し、この印刷設定情報に基づいて、当該旅行行程を印刷する為の印刷情報を作成する事が望ましい。例えば図35に示すような印刷項目設定画面では、施設などの利用時間を印字するか否か、文字のみか、或いは文字とアイコンを印刷するかなどを任意に設定可能であり、同じように、施設詳細情報や、移動経路名称などを設定できるようになっている。ここで設定された項目は、旅行計画作成支援装置において設定情報として保持され、印刷実行時には、この設定情報を読み込んで印刷レイアウトを作成する。
【産業上の利用可能性】
【0153】
団体旅行などの旅行プランを作成する際に、これを効率良く、かつ簡易に作成する為に利用することができる。特に、本発明に係る旅行計画作成支援装置では、旅行プラン作成者の望み通りに、施設滞在時間や移動手段などを調整することができ、より自由度の高い旅行行程を作成することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0154】
【図1】実施の形態に係る旅行計画作成支援システムの全体構成図
【図2】ハードウエア構成を示すブロック図
【図3】旅行行程の作成処理工程を示すフローチャート
【図4】旅行計画作成支援装置における表示画面(ログイン画面)
【図5】旅行計画作成支援装置における表示画面(基本情報入力画面)
【図6】旅行計画作成支援装置における表示画面(行程作成入力画面)
【図7】旅行計画作成支援装置における表示画面(立寄りたい施設の追加処理を示す略図)
【図8】立寄り施設の配置処理工程を示すフローチャート
【図9】旅行計画作成支援装置における表示画面(チャート表示領域における時間の調整処理を示す略図)
【図10】旅行行程の作成時における移動手段の特定工程を示すフローチャート
【図11】旅行計画作成支援装置における表示画面(チャート表示領域を拡大表示させた行程経路編集画面)
【図12】旅行計画作成支援装置における表示画面(公共交通機関の指定状態を示す行程作成入力画面)
【図13】旅行計画作成支援装置における表示画面(道路を利用する経路検索条件の指定画面)
【図14】旅行計画作成支援装置における表示画面(乗降地点の挿入処理を示す行程作成入力画面)
【図15】乗降地点の検索工程を示すフローチャート
【図16】旅行計画作成支援装置における表示画面(分岐コースの作成状態を示す行程作成入力画面)
【図17】旅行計画作成支援装置における表示画面(分岐コースの識別表示状態を示す略図)
【図18】分岐コースの着色表示工程を示すフローチャート
【図19】ユーザインターフェースでの入力処理工程を示すフローチャート
【図20】旅行計画作成支援装置における表示画面(移動行程を着色表示した地図表示領域)
【図21】面地図表示領域における移動経路のトレース表示処理工程を示すフローチャート
【図22】施設などの逆順貼り付け処理工程を示すフローチャート
【図23】旅行計画作成支援装置における表示画面(逆順貼り付け処理を示す画面遷移図)
【図24】旅行計画作成支援装置における表示画面(地点登録処理を示す画面遷移図)
【図25】旅行計画作成支援装置における表示画面(地点登録における施設詳細設定欄)
【図26】旅行計画作成支援装置における表示画面(地点登録画面の遷移図)
【図27】経路検索処理手順を説明する略図
【図28】最寄の道路ポイントの検索工程を示すフローチャート
【図29】旅行行程の出力例と当該旅行行程を構成する各データの保有形式を示す略図
【図30】旅行計画作成支援装置における表示画面(作成した旅行行程履歴の表示状態を示す画面)
【図31】旅行計画作成支援装置における表示画面(サンプル登録画面)
【図32】旅行計画作成支援装置における表示画面(サンプル行程の読み出し編集処理における画面遷移)
【図33】旅行計画作成支援装置における表示画面(印刷用テンプレートの作成画面)
【図34】旅行計画作成支援装置における表示画面(印刷確認画面)
【図35】旅行計画作成支援装置における表示画面(印刷項目設定画面)
【符号の説明】
【0155】
10 サーバー装置
20 クライアント端末
35 移動行程
50 ログイン画面
51 基本情報入力画面
53 行程作成入力画面
54 行程経路編集画面
55 時刻表画面
55 サンプル登録画面
61 地図表示領域
62 チャート表示領域
63 テキスト表示領域
64 施設検索領域
800 コンピュータ
801 旅行行程作成手段
802 主記憶領域
806 表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力手段から入力された情報、またはネットワークを介して取得した情報に基づいて旅行行程を作成する旅行計画作成支援装置であって、当該旅行計画作成支援装置は、
出発地点、目的地点および立寄り地点の少なくとも2つ以上の地点と、地点間の移動経路を含んで構成される旅行行程を作成する旅行行程作成手段と、
表示装置上に、旅行行程における地点に存在する施設名と当該施設間の移動手段を行程順に表示したチャート表示領域と、当該旅行行程を地図上に表示した地図情報表示領域とを区画して表示する旅行行程出力手段と、を具備してなり、
前記旅行行程作成手段は、チャート表示領域における操作情報および地図情報表示領域における操作情報の少なくとも何れかを、入力手段から入力されるか、またはネットワークを介して取得して、旅行行程を作成又は変更すると共に、
前記旅行行程出力手段は、当該作成又は変更された旅行行程を、前記チャート表示領域および地図情報表示領域の両方に表示させることを特徴とする、旅行計画作成支援装置。
【請求項2】
前記地図表示領域に表示される旅行行程は、出発地点、目的地点および立寄り地点の少なくとも何れかを表示する地点表示部と、当該地点に繋がる移動経路を示す経路表示部で構成されており、
当該経路表示部はベクタグラフィックス形式で描画されており、
前記旅行行程作成手段は、地図表示部における経路表示部上のポイントを、地図表示部上に表示された地点表示部上に移動させて開放した情報を取得し、当該ポイントが開放された地点に存在する施設を、移動させたポイントが存在する経路に組み込んで旅行行程を作成する、請求項1に記載の旅行計画作成支援装置。
【請求項3】
前記地図表示領域に表示される旅行行程は、出発地点、目的地点および立寄り地点の少なくとも何れかを表示する地点表示部と、当該地点に繋がる移動経路を示す経路表示部で構成されており、
前記旅行行程作成手段は、地図表示部における地点表示部上の地点表示部を選択し、この選択した地点表示部をチャート表示領域に表示された施設間の移動手段の上に移動させて開放した情報を取得すると共に、当該地点表示部が開放された移動手段に、当該地点表示部が選択された地点表示部が示す出発地点、目的地点および立寄り地点の少なくとも何れかを組み込んだ旅行行程を作成する、請求項1又は2に記載の旅行計画作成支援装置。
【請求項4】
前記旅行行程出力手段は、更に地域及び種類の少なくとも何れかを指定して地点を検索する検索領域と、当該検索結果をテキスト形式で一覧表示するテキスト表示領域とを、前記チャート表示領域および地図情報表示領域と区画して表示してなり、
前記旅行行程を作成又は変更を指示する操作情報は、当該テキスト表示領域に表示された地点の選択によっても行われる請求項1〜3の何れか一項に記載の旅行計画作成支援装置。
【請求項5】
更に、前記旅行行程作成手段が作成した旅行行程を、当該旅行行程毎にレコードとして記憶する記憶手段を具備しており、
前記旅行行程作成手段は、同じ時間に異なる地点又は移動経路を通る、何れかの地点で分岐したコースを有する旅行行程を作成し、
当該記憶手段は、旅行行程作成手段が作成した分岐した旅行行程を1つのレコードとして保持する請求項1〜4の何れか一項に記載の旅行計画作成支援装置。
【請求項6】
前記旅行行程出力手段は、分岐した旅行行程における、分岐する直前の地点を、他の地点と識別して表示する請求項5に記載の旅行計画作成支援装置。
【請求項7】
更に、前記旅行行程作成手段は、作成した旅行行程を構成する地点と移動経路から選択された2以上を旅行行程における移動順に保持すると共に、当該保持した地点と移動経路から選択された2以上を、保持した順序とは逆順に出力する逆順処理部を具備する、請求項1〜6の何れか一項に記載の旅行計画作成支援装置。
【請求項8】
更に、前記旅行行程作成手段が旅行行程を作成するのに使用する情報の入力ブロック、および作成した旅行計画を表示する出力ブロックの表示画面についての表示制御を行う画面表示制御手段を具備しており、
当該画面表示制御手段は、表示項目の指定情報に基づいて、表示画面に表示するブロックを制御する、請求項1〜7の何れか一項に記載の旅行計画作成支援装置。
【請求項9】
前記旅行行程作成手段は、出発地点、目的地点および立寄り地点の少なくとも2つ以上の地点間の移動手段として、
当該地点を規定する情報が、予め定められた移動手段についての情報を保持する場合には、当該移動手段を用いた移動経路を作成し、その他の地点間の移動については、作成する行程ごとに指定された移動手段に基づいて旅行行程を作成する、請求項1〜8の何れか一項に記載の旅行計画作成支援装置。
【請求項10】
前記旅行行程作成手段は、地点間の移動手段として公共交通機関が設定されているか否かを判断し、公共交通機関が設定されている場合には、当該公共交通機関による移動手段の前後の地点から最寄の駅又は空港を含む公共交通機関の乗降地点を抽出し、当該乗降地点を組み込んだ旅行行程を作成する請求項1〜9の何れか一項に記載の旅行計画作成支援装置。
【請求項11】
更に、前記旅行行程作成手段が作成した旅行行程を印刷する為の印刷様式、印刷項目および印刷レイアウトの少なくとも何れかを規定した1つ以上のテンプレートを保持するテンプレート保持手段を具備しており、
当該テンプレート保持手段は、保持するテンプレートについて変更が行われた任意のテンプレートを、ユーザーごとに保持する請求項1〜10の何れか一項に記載の旅行計画作成支援装置。
【請求項12】
更に、前記テンプレート保持手段が保持するテンプレートの印刷項目を一覧表示するテンプレート作成手段を具備しており、
当該テンプレート作成手段は、一覧表示されたテンプレートの項目を選択すると共に、当該選択した項目を他のアプリケーションのテンプレートに配置することにより、テンプレートを作成する請求項1〜11の何れか一項に記載の旅行計画作成支援装置。
【請求項13】
更に、旅行行程を印刷する際に使用するアイコンをユーザーごとに保持可能なアイコンマスタと、、
前記旅行行程作成手段が作成した旅行行程に対応するアイコンをアイコンマスタから読み出して旅行行程表を作成する印刷制御手段を具備する請求項11又は12に記載の旅行計画作成支援装置。
【請求項14】
前記印刷制御手段は、旅行行程作成手段が作成した旅行行程を印刷物に出力する際に、当該作成した旅行行程が保有する情報の内、少なくとも何れかの情報を印刷するか否か、またはその印刷位置を指定する印刷設定情報に基づいて、当該旅行行程を印刷する為の印刷情報を作成する、請求項11〜13の何れか一項に記載の旅行計画作成支援装置。

【図3】
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【図8】
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【図10】
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【図15】
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【図18】
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【図19】
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【図21】
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【図22】
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【図28】
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【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図16】
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【図17】
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【図20】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2010−146129(P2010−146129A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−320336(P2008−320336)
【出願日】平成20年12月17日(2008.12.17)
【出願人】(510084297)株式会社ブロードリーフ (6)
【Fターム(参考)】