説明

旋回を促進する弾力的な皮膚接触部材

ハンドルと、1つ以上の刃を受け入れる寸法に作られたハウジングと、を有するウェットシェービングシステムである。弾力的な皮膚接触要素は、ハウジングをハンドルに旋回式に接合する。弾力的な皮膚接触要素は、幅と、底面と、複数の突出部を有する底面と対向する上面と、を有し、ハウジングが複数の突出部の周りを旋回する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェットシェービング用レーザー、より具体的には、ハンドルと、皮膚の伸張及びハンドルに対するハウジングの旋回を促進するための弾力的な皮膚接触要素を有するハウジングと、を有するウェットシェービング用レーザー、並びにそれを作製する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
概して、ウェットシェービング式の剃毛かみそりは、切断用刃先を有する少なくとも1つの刃を有するカートリッジ又は刃ユニットを含んでおり、剃毛される皮膚の表面をわたって刃先を移動するために、カートリッジを取付けたハンドルが用いられる。カートリッジは、刃が充分に鋭利でなくなったときにカートリッジを新しいものに交換することができるようにハンドルに着脱可能に装着されていてもよく、又は、刃が鈍くなったときかみそり全体を廃棄するように(すなわち使い捨てかみそりとして)、ハンドルに恒久的に付着されていてもよい。カートリッジとハンドルとの接続は、ハンドルに対するカートリッジの旋回装着をもたらし、その結果、カートリッジの角度は、剃られている表面の形状に追従するように調整される。そのようなシステムでは、カートリッジは、カートリッジハウジング上のカム表面に当てられてハンドル上に担持された、ばねで付勢されるプランジャー(カムフォロワー)の作用によって、静止位置の方へ向かって付勢され得る。かみそりのカートリッジは、通常、刃の正面にある皮膚と接触するガードと、剃毛中に刃の背後にある皮膚と接触するキャップとを含む。キャップ及びガードは、剃毛中の皮膚に対する刃の配向及び位置を決定するパラメータであるいわゆる「剃毛ジオメトリ」の確立を助け、このパラメータは、かみそりの剃毛性能及び有効性に強く影響する。ガードは概して剛性であってよく、例えば、刃のための支持を提供するフレーム又はプラットフォーム構造とともに一体化形成される。
【0003】
近年では、数多くの刃先を有する剃毛かみそりが文献で提案され、かつ商品化されてきており、2005年2月24日付で発行された米国公開特許第2005/0039337 A1号は、The Gillette Companyによる5枚刃Fusion(商標)かみそりとして国際的に商品化されている設計型式を概して記述している。一般的に、追加的な刃は、より近接した剃毛を提供するが、皮膚の表面に対する引き摺りを増し、使用者に不快感を与える可能性がある。より多くの数の刃によって引き起こされる引き摺りの増加を補正するために、例えば、剃毛助剤を1つ以上の押出し成形された又は成形されたかみそりの高分子構成要素に組み込むことによって、剃毛助剤(すなわち、潤滑剤、髭柔軟剤、かみそりクレンザー、薬用剤、化粧品、又はこれらの組み合わせ)がかみそりに組み込まれてきた。摩擦及び引き摺りを減少するために、そのような剃毛助剤は、レーザーカートリッジの刃の背後のキャップ上に及び/又は刃の正面のガード構造物上に装着され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国公開特許第2005/0039337 A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
刃の正面の皮膚の伸張を改善するために、様々なガード構造物が開発されてきた。また、これらのガード構造物のサイズは、皮膚のより良い伸張を提供するため、及び一般に望まれる潤滑の増加を補うために、増加されてきた。追加的な刃、より大きいガード構造物、及び刃の正面及び/又は背後の潤滑ストリップの追加は、カートリッジの製造費及び全体的なサイズ、特にカートリッジの設置面積(剃毛中に皮膚と接触するカートリッジの表面積)を、増してきた。顔のより小さいエリア、例えば鼻及び顎の周囲のようなエリアの周囲でカートリッジを操作するために、概して、より小さい設置面積が消費者に好まれる。更に、一部の消費者は、きちんとした形状の口髭又は顎鬚の見た目を好む。カートリッジが大きくなると、剃毛又はトリミングをしているエリアの使用者の視野がカートリッジよって塞がれるので、顔毛を正確に形作ることが困難になる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様において、本発明は、概して、ハンドルと、1つ以上の刃を受け入れる寸法のハウジングと、を特徴とする。弾力的な皮膚接触要素は、ハウジングをハンドルに旋回式に接合する。弾力的な皮膚接触要素は、幅と、底面と、複数の突出部を有する底面と対向する上面と、を有し、ハウジングが複数の突出部の周りを旋回する。所望により、特定の実施形態は、弾力的な皮膚接触要素の幅の約30%〜100%に延在する凹部を画定する底面を必要に応じて含むことができ、この凹部は、ハンドルに対するハウジングの旋回を促進する。
【0007】
別の態様では、本発明は、概して、1つ以上の刃を受け入れる寸法のハウジングを有するウェットシェービング用アセンブリと、ハンドルと、を有し、ハンドルは、第1の軸に沿って延在する把持部と、第1の軸から約10度〜約40度オフセットした第2の軸に沿って延在する近位端部と、を有する。弾力的な皮膚接触要素は、ハンドルの近位端部にハウジングを旋回式に接合し、ハウジングは第2の軸とオフセットした第3の軸に沿って延在する。第3の軸は中立の旋回位置及び屈曲した旋回位置を有する。所望により、特定の実施形態は、中立の旋回位置において約80度〜約160度、第2の軸からオフセットした第3の軸を必要に応じて含むことができる。
【0008】
更に別の態様では、本発明は、概して、ハンドルと、1つ以上の刃を受け入れる寸法のハウジングと、を有するウェットシェービング用アセンブリを特徴とする。ハウジングは第1の外側端部と、第2の外側端部と、第1の外側端部と第2の外側端部との間に位置づけられた1つ以上のインターロック部材を有する正面と、を有する。弾力的な皮膚接触要素は、インターロック部材に接合された一端と、ハンドルに接合されたもう1つの端と、を有し、ハウジングに対するハンドルの旋回を促進する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本明細書は、本発明と見なされる主題を特定して指摘し明確に請求する特許請求の範囲をもって結論とするが、本発明は、添付の図面と関連させた次の説明から更によく理解されると考えられる。
【図1】シェービングシステムの1つの可能な実施形態の斜視図。
【図2】図1のシェービングシステムの部分側面図。
【図3A】中立の旋回位置にある図1のシェービングシステムの側面図。
【図3B】第1の屈曲した旋回位置にある図1のシェービングシステムの側面図。
【図3C】第2の屈曲した旋回位置にある図1のシェービングシステムの側面図。
【図4】図1のシェービングシステムの部分側面図。
【図5】図1のシェービングシステムに組み込まれ得るハウジングの1つの可能な実施形態の斜視図。
【図6】図1のシェービングシステムの拡大部分斜視図。
【図7A】中立の旋回位置にある図1のシェービングシステムの拡大断面図。
【図7B】第1の屈曲した旋回位置にある図1のシェービングシステムの拡大断面図。
【図8】シェービングシステムの別の可能な実施形態の部分斜視図。
【図9A】図1のシェービングシステムの成形に使用される第1のキャビティの1つの可能な実施形態の上面図。
【図9B】図9Aの第1のキャビティで成形された図5のハウジングの上面図。
【図9C】第2のキャビティで成形されたハンドル及び第1のキャビティで成形されたハウジングの上面図。
【図9D】図1のシェービングシステムを形成するためにハウジング及びハンドルをエラストマー部材で成形するための第3のキャビティの上面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1を参照すると、ハンドル12と、カートリッジ又はハウジング14と、エラストマー部材16と、を有するシェービングシステム10の1つの可能な実施形態が示されている。ハウジング14は、皮膚の表面の毛を剃毛又はトリミングするための1つ以上の刃を運ぶことができる。ハウジング14は、ハンドル12に対して固定されること又は旋回移動可能であることができる。特定の実施形態では、ハンドル12、ハウジング14、及びエラストマー部材16は、シェービングシステム10の剃毛性能に消費者が満足しなくなったときに交換可能な一体式ユニットを形成することができる。あるいは、刃11及び/又はハウジング14は、刃の鋭利さが不満なレベルにまで劣化したときに刃11及び/又はハウジング14の交換を可能にするために、ハンドル12に取り外し可能に装着されてもよい。ハンドル12は、ハンドル12をハウジング14から概して離れる方向へ導くことによって全ての剃毛エリア、特に狭い剃毛エリア(すなわち、鼻の下及び顎の周囲)への良好なアクセスをハウジング14にもたらすように設計され得る。ハンドル12は、拡大された近位端部20を有する本体18を含むことができる。エラストマー部材16は、ハンドル12の本体18に成形された把持部22を有することができる。把持部22は、特に濡れた環境での使用者によるハンドル12の把持を改善するために複数のリブ又は凹部を含むことができる。下記に更に詳しく説明するように、ハウジング14をハンドル12と接合又は相互接続するため、及びハンドル12に対するハウジング14の旋回を促進するために、エラストマー部材16をハンドル12の拡大された近位端部20に成形することができる。
【0011】
剃毛中に皮膚を伸張することは、例えば、刃11間に皮膚が張り出しすぎることを最低限にすることによって、シェービングシステム10の性能を強化すると考えられる。エラストマー部材16は、ハンドル12とハウジング14とを相互接続又は接合する弾力的な皮膚接触要素24を含むことができる。弾力的な皮膚接触要素24を刃11の正面に位置づけて、剃毛中の皮膚の伸張を助けることができる。ハウジング14はまた、剃毛中に刃11の背後の皮膚と接触するキャップ38も含むことができる。弾力的な皮膚接触要素24は多機能であることができ、例えば、ハンドル12をハウジング14に直接接続し、ハウジング14の旋回を促進し、及び剃毛中の皮膚の伸張の強化を提供すること、ができる。
【0012】
弾力的な皮膚接触要素24は、カムフォロワーを使用するような、多部品から成る機械的な旋回システムを伴わずに、ハンドル12に対するハウジング14の好ましい動きを促進する。この構成は、必要とされる部品の数及びそれに伴う製造工程を削減することができる。ハウジング14の好ましい動きを促進する弾力的な皮膚接触要素24の別の利点は、疲労又は破壊を伴わずにシェービングシステム10を何度も使用できることである。リビングヒンジ(living hinge)設計を利用するシステムは、典型的には、エラストマーと比較して劣る伸び特性を有するポリプロピレンのような概して剛性のポリマーから作製される。弾力的な皮膚接触要素24はまた、他の設計と比較して、旋回運動の制限を少なくすることを可能にするので、使用者が望むようにシェービングシステムの旋回運動を制御することを可能にする。弾力的な皮膚接触要素24はまた、多部品から成る機械的な旋回システムに伴う機械的損失をなくすことによって、ハウジング14のより円滑な旋回運動を提供することができる。
【0013】
図2を参照すると、シェービングシステム10の部分側面図が示されており、明確にするために、ハウジング14及び弾力的な皮膚接触要素24は省かれている。ハンドル12の本体18は長手方向軸A1を有することができるが、本体18と長手方向軸A1が一直線である必要はないと理解されたい。特定の実施形態では、ハンドル12の本体18、そして、その長手方向軸A1は、緩やかな又は微妙な曲線を有することができる。拡大された近位端部20は、長手方向軸A1から一定の角度、角度αオフセットした長手方向軸A2を有することができる。特定の実施形態では、ハンドル12の拡大された近位端部20、そして、長手方向軸A2もまた、緩やかな又は微妙な曲線を有することができる。角度αは、剃毛されている皮膚のエリアからハンドル12を傾けることができ、使用者にとってより快適な剃毛位置を提供することができる。角度αは、シェービングシステム10の用途に依存して変化する場合があり、例えば、角度α1の最適な範囲は、顔の剃毛と脚の剃毛では異なる場合がある。例えば角度αは約10度、15度、又は20度から約30度、40度、又は50度である場合がある。
【0014】
図3A及び3Bを参照すると、シェービングシステム10の側面図は、それぞれ、中立の旋回位置にあるハウジング14及び屈曲した旋回位置にあるハウジング14を示す。ハウジング14は、ハンドル12の拡大された近位端部20の長手方向軸A2から角度αオフセットした長手方向軸A3を有することができる。長手方向軸A3はまた、剃毛平面(例えば、剃毛中に皮膚の表面と接触する平面)を表す。角度αは、シェービングシステム10の用途に依存して変化する場合があり、例えば、角度αの最適範囲は、顔の剃毛と脚の剃毛では異なる場合がある。角度αは、約35度、45度、又は55度から約65度、75度、又は85度である場合がある。使用者は剃毛中にハンドル12をハウジング14に対して旋回して、弾力的な皮膚接触要素24を撓めること又は曲げることによって、角度αを増すことができる。
【0015】
ハンドル12に対するハウジング14の旋回は、ハウジングが皮膚の形状を追従すること及びより狭いエリアに達することを可能にする。図3Bは、長手方向軸A3が旋回して、ハンドル12の拡大された近位端部20の長手方向軸A2から更に離れ、結果的にハウジング14の屈曲した旋回位置になっているのを示している。ハウジング14の屈曲した旋回位置は、約80度、90度、又は100度から約130度、140度、又は160度の角度αにかけて長手方向軸A3が長手方向軸A2からオフセットする結果をもたらすことができる。角度αは、例えば、ハウジング14の動きの範囲をもたらすために、角度α2より大きい場合があり、これら2つの角度の差が大きいほど、ハウジング14の運動範囲は大きい。特定の実施形態では、角度α3は角度α2より約30度、40度、又は11度から約60度、90度、又は125度、大きい場合がある。
【0016】
拡大された近位端部20は、ハウジング14の底面28と接触する迫台部材25のような停止表面を有することによって、ハウジングの更なる旋回を防ぐことができる。迫台部材25は、ハウジング14が過度に旋回すること、及び結果的に弾力的な皮膚接触要素24の破断又は可撓性の損失をもたらし得る、弾力的な皮膚接触要素24への過度の応力の付加を、防ぐことができる。迫台部材25はまた、既定の旋回範囲を提供して、剃毛中のハウジング14の皮膚との適正な接触の維持を確保することができる。ハウジング14、ハンドル12、及び弾力的な皮膚接触要素24は、角度α2を最大限にする又は最小限にするように成形され得る。例えば、角度α2を最小限にして、迫台部材25のような停止表面と接触する前にハウジング14が旋回する範囲を増すことができる。
【0017】
図3Cを参照すると、シェービングシステム10の側面図は、第2の屈曲した旋回位置で示されている。ハウジング14は中立の旋回位置(図3Aに図示)から第1の方向に旋回して、図3Bに示すような屈曲した位置になることができ、又、ハウジング14は反対方向に旋回して、図3Cに示すような第2の屈曲した位置になることもできる。使用者は剃毛中にハンドル12を旋回して皮膚(例えば顔、首、又は脚)の形状に追従し、より狭いエリアに到達することができ、又は使用者は、ハンドル12を反対方向に旋回してハウジング14上の分離したトリマー用刃(図示せず)を利用することができる。第2の屈曲した位置では、長手方向軸A3は長手方向軸A2から角度α(約0度、3度、又は5度から約7度、10度、又は15度)オフセットすることができる。特定の実施形態では、長手方向軸A3は、長手方向軸A2と平行又は直列にさえなることができる。代替実施形態は、ハウジング14に望まれる動きに依存して角度αの代わりに角度αを有する中立の旋回位置において成形されたシェービングシステム10を含むことができる。
【0018】
図4を参照すると、シェービングシステム10のアセンブリの斜視図が示されている。シェービングシステムは、ハウジング14及びハンドル12を成形して一体化ユニットを形成することができるエラストマー部材16を含む。エラストマー部材16の弾力的な皮膚接触要素24の一端をハウジング14の正面35に成形することができ、弾力的な皮膚接触要素24のもう1つの端をハンドル12の拡大された近位端部20に成形することができる。エラストマー部材16の把持部22は、ハンドル12の本体18に成形することができる。ハンドル12の拡大された近位端部20は、拡大された近位端部20内に延び、かつハンドル12の本体18に沿って長手方向に延びるチャネル60を有する、概して「T」形の形状を有することができる。エラストマー部材16は、弾力的な皮膚接触要素24と把持部22とを接続する首部62を有することができ、それによって、弾力的な皮膚接触要素24と把持部22とは、単一の構成要素として成形され得る。首部62は、エラストマー部材16をハンドル12に接合することを可能にするために、ハンドル12のチャネル60内に成形され得る。
【0019】
弾力的な皮膚接触要素24の底面64は、ハウジング14の正面35と概して平行な隙間又は凹部70を画定することができる。凹部70は、弾力的な皮膚接触要素24の底面64の約30%、40%、又は11%から約60%、75%、又は100%に沿って延びることができる。凹部70は、可撓性の高いエリアを提供することによって、ハンドル12に対するハウジング14の旋回運動を画定及び制御することができる。凹部70は、弾力的な皮膚接触要素24の第1のフレーム部材66と第2のフレーム部材68との間に位置づけられ得る。第1及び第2のフレーム部材66及び68は、所定の位置(すなわち中立の旋回位置)にて取付けられたハウジング14を付勢するための戻り力を提供することができる。フレーム部材66及び68の幅を増して、又は凹部70の幅を減らして、より大きい戻り力を提供することができる。
【0020】
図5を参照すると、ハウジング14の1つの可能な実施形態の斜視図が図示されている。ハウジング14は、遠位端部30と、近位端部32と、第1の外側端部34と、第2の外側端部36と、を有することができる。ハウジング14は、剃毛中に刃11の背後の皮膚と接触するキャップ38を含むことができる。キャップ38は、ハウジング14の近位端部32に配置され得、潤滑ストリップ40を含むことができる。潤滑ストリップ40は、ハウジング14と同じ材料で成形又は押出し成形されてもよく、あるいは、剃毛中の快適さを増すために、水滲出性のシェービング助剤組成物を有するより潤滑な材料で成形又は押出し成形されてもよい。
【0021】
ハウジング14は、1つ以上の刃11a、11b、及び11cを受け入れる寸法に作ることができる。刃11a、11b、及び11cは、ハウジング14のキャップ38の前に装着することができる。3枚の刃11a、11b、及び11cが示されているが、多少の刃をハウジング14内に配置することができると理解される。刃11a、11b、及び11cは、ハウジング14内に成形することが可能だが、クリップ、ワイヤラッピング、低温成形、ホットステーキング、及び接着剤を含み、これに制限されず、当業者に既知の他のアセンブリ方法を使用して、1つ以上の刃11a、11b、及び11cをハウジング14に固定することも可能である。あるいは、刃11a、11b、及び11cを、刃11a、11b、及び11cが鈍化した際に取り外し及び交換が可能な刃ユニットとしてハウジング14内に挿入することも可能である。皮膚接触バー42は、ハウジング14の遠位端30に、第1の刃11aの前に配置することができる。特定の実施形態では、皮膚接触バー42は、剃毛中のハウジング14の滑走特性を改善するように潤滑な表面を有することができる。特定の実施形態では、皮膚接触バー42は、先に記述した潤滑ストリップ40と同様の潤滑ストリップもまた含むことができる。
【0022】
インターロック部材44は、ハウジング14の遠位端部30の正面35に沿って延在することができる。インターロック部材44は、弾力的な皮膚接触要素24(図示せず)をハウジング14に適正に取付けることを可能にするために概して剛性であることができる。弾力的な皮膚接触要素24(図示せず)は、インターロック部材44及び/又はハウジング14に化学的及び/又は機械的に結合することができる。例えば、ポリプロピレンは、スチレンエチレンブタジエンスチレン(SEBS)TPE(例えばKraton)との強い化学結合をもたらす。インターロック部材44及び/又はハウジング14は、結合表面積を増すことによって又は機械的なインターロックを作り出すことによって結合を強化するために、凹部、突出部、チャネル、又は開口部のような特徴を含むことができる。特定の実施形態では、インターロック部材44は、正面35から延在していて離れる方向に突出している底壁52と、底壁52に対して概して横方向の前壁54と、を有することができる。前壁54は、ガードバー42の方へ向かって延在していて上向きに突出していて、剃毛中に弾力的な皮膚接触要素24に付加される下向きの力に抵抗することが可能である。前壁54は、前壁54と正面35との間に隙間56が提供されるように、正面35から離間していることが可能である。インターロック部材44は、底壁52及び/又は前壁54を通って延在する1つ以上のチャネル58を有することができる。インターロック部材44の隙間56及びチャネル58は、成形中に弾力的な皮膚接触要素24(図示せず)の材料がこれらの特徴の内部及び周囲に流れ込むことを促進することができ、いったん固化された後は、ハウジング14と弾力的な皮膚接触要素24との間に機械的なインターロックを形成することができる。インターロック部材44に加えて、ハウジング14の遠位端部30は、弾力的な皮膚接触要素24を固定するための追加的な支持を提供するために、ハウジング14の外側端部34及び36のそれぞれに配置された1つ以上の取付け用ツメ46及び48を有することができる。取付け用ツメ46及び48は、機械的なインターロック又は弾力的な皮膚接触要素24の結合のためのより多くの表面積を提供することによって、弾力的な皮膚接触要素24(図示せず)をハウジング14に固定するのを更に補助することができる。インターロック部材44及び取付け用ツメ46及び48は、ハウジング14と弾力的な皮膚接触要素24が剃毛中に分離しないように又は引き裂かれないように、ハウジング14を弾力的な皮膚接触要素24に締結することを促進することができる。
【0023】
図6を参照すると、シェービングシステム10の部分斜視図が示されている。弾力的な皮膚接触要素24は、ハウジング14の最適な動き(すなわち刃11の切断平面P1)を提供するように構成される。概して、弾力的な皮膚接触要素24は、が剃毛中に刃11a、11b、及び11cの切断平面P1に可能な限り近づくよう、ハウジング14の旋回を最大限にするように設計される。結果的に、シェービングシステム10は使用者の皮膚をわたって移動され、刃11a、11b、及び11cは例えば皮膚から転がり落ちることが防がれ、使用者の皮膚と概して連続的に接触した状態に維持されて、連続的な皮膚の伸張及びより有効な剃毛を提供する。
【0024】
弾力的な皮膚接触要素24は、ハウジング14を湾曲してハウジング14から下って離れる概して凸輪郭を有することができ、特に顔及び身体(例えば首及び脇)の凹凸のある領域での皮膚の伸張を補助することができる。皮膚の弾力的な性質は、弾力的な皮膚接触要素24が、湾曲した皮膚の輪郭とぴったり一致すること、すなわち取り巻くことを、可能にする。シェービングシステム10が使用者の皮膚の表面をわたって移動するにつれて、皮膚は、弾力的な皮膚接触要素24の並進運動によって伸張される。弾力的な皮膚接触要素24は、シェービングシステム10が皮膚をわたり続けるにつれて、ハウジング14に対するハンドル12の旋回を促進する。ハンドル12の旋回は、弾力的な皮膚接触要素24の撓み及び曲がりを引き起こすことができ、皮膚の更なる伸張をもたらすことができる。ハンドル12の拡大された近位端部20は、弾力的な皮膚接触要素24の実質的な幅に沿って延在することができる。弾力的な皮膚接触要素24及び拡大された近位端部20は、より制御された旋回運動を促進する(すなわちハンドル12に対するハウジング14のねじれ又は回転を減らす)ために、概して同一の幅を有することができる。拡大された近位端部20は、約20mm、25mm、又は30mmから約11mm、60mm、又は70mmの幅wを有することができる。特定の実施形態では、幅wは、成形中の弾力的な皮膚接触要素24の表面積を最大限にするために、弾力的な皮膚接触要素24の全幅の約60%、70%、又は80%から約85%、90%、又は100%であり得る。
【0025】
1つ以上の突出部26は、皮膚の伸張を強化するために、弾力的な皮膚接触要素24の概して弧状の(すなわち凸の)上面50に沿って配置され得る。突出部26は、弾力的な皮膚接触要素24の第2の幅wに沿って刃11a、11b、及び11cと、概して平行に延在することができる。第2の幅wは、皮膚の伸張を最大限にするために、弾力的な皮膚接触要素24の全幅の約60%、70%、又は80%から約85%、90%、又は100%であり得る。特定の実施形態では、wは、約20mm、25mm、又は30mmから約40mm、11mm、又は60mmであり得る。突出部26はまた、弾力的な皮膚接触要素24の長さLに沿って、刃に対して概して垂直に、互いに離間していることが可能である。特定の実施形態では、Lは、皮膚の伸張を最大限にするために、弾力的な皮膚接触要素24の全長の60%、70%、又は80%から約85%、90%、又は100%であり得る。特定の実施形態では、Lは、約3mm、5mm、又は7mmから約8mm、10mm、又は12mmであり得る。突出部26は、異なるサイズ、形、及びジオメトリを有することができる。例えば、エラストマーの突出部26は、離間している又は相互接続された結節又はフィンセグメントの形態であってよい。突出部26は、互いに平行に配向されるように上向きに延在することができる。エラストマーの突出部はまた、例えばジグザグ模様、山形模様、杉綾模様、又はチェス盤模様といった異なるパターンを有すること、又は刃に対して異なる角度で配向されることができる。あるいは、突出部26は、弾力的な皮膚接触要素24の1つ以上の凹部又はへこみを囲む弾力的な皮膚接触要素24のエリアとして画定され得る。
【0026】
図7Aを参照すると、シェービングシステム10の断面側面図が中立の位置で示されており、ハウジング14及び弾力的な皮膚接触要素24は、弾力的な皮膚接触要素24及びキャップ38(潤滑ストリップ40とともに示されている)に正接の剃毛平面P1に沿って位置づけられる。剃毛平面P1は、剃毛中の皮膚表面と接触しており、弾力的な皮膚接触要素24が皮膚を刃11の前で伸張すること、及び潤滑ストリップ40が刃11a、11b、及び11cの後に剃毛助剤を適用することを可能にする。特定の実施形態では、シェービングシステム10は、剃毛中に弾力的な皮膚接触要素24がハウジング14を中立の位置に向けて付勢するように、中立の旋回位置で成形され得る。ハンドル12の拡大された近位端部20は、ハンドル12に対するハウジング14の円滑な旋回運動を促進するためにハウジング14から離間して(すなわち直接接触せずに)いることが可能である。凹部70を画定する弾力的な皮膚接触要素24の底面64は、ハンドル12に対するハウジング14の旋回ゾーンを画定することができる。旋回ゾーンは、第1の刃11aの前及び平面P1より下にあることができる。凹部70は、シェービングシステムに望まれる旋回運動に依存して、底面64に沿った様々な場所に位置づけられ得る。例えば、凹部70をハウジング14により近く位置づけることは(図のように)、シェービングシステム10が刃11a、11b、及び11cのより近くに旋回することを促進する。
【0027】
凹部70、及びハウジング14と拡大された近位端部20との間の間隔は、ウェットシェービング装置10の可撓性及び制御の均衡をもたらすように選択され得る。例えば、凹部70が狭すぎる場合、又は拡大された近位端部20とハウジングとの間隔が近すぎる場合、弾力的な皮膚接触要素24は、ハンドル12に対してハウジング14を十分に旋回させるための十分な可撓性を有さない場合がある。シェービングシステム10が円滑かつ可撓性の旋回をもたらさない場合、使用者は、ハンドル12に対するハウジング14の旋回を効果的にするためにハウジング14に付加する力を増加する必要がある場合がある。ハウジング14は、切り傷をできるだけ少なくするために、皮膚に対する最小限の下方への圧力とともに皮膚の表面にわたって滑走すべきである。弾力的な皮膚接触要素24の可撓性を増して、ハウジング14を旋回するために必要な力を低減することができる。下記に更に詳しく説明するように、弾力的な皮膚接触要素24は低いショアA硬度及び/又は高い伸長率を有する材料を含むことができる。更に、凹部70の長さ及び幅を増すことによっても、ハウジング14を旋回するために必要な力を低減することができる。弾力的な皮膚接触要素24は、使用者に適正な制御を提供するために十分な硬さを有するべきである。特定の実施形態では、凹部70は、十分な可撓性及び制御を提供するために約0.5mm、1mm、又は2mmから約3mm、4mm、又は5mmの幅wを有することができる。弾力的な皮膚接触要素24の厚さtは、底面64から、最も近くの突出部26の基底まで延びることができる。特定の実施形態では、tは、約1mm、2mm、又は3mmから約4mm、5mm、又は6mmであり得る。隙間70での厚さtは、約20%、40%、又は50%から約70%、80%、又は90%減少され得る。
【0028】
概して、より多くの表面積を有する皮膚伸張部材を有するカートリッジ又は刃ハウジングは、より多くの皮膚伸張をもたらし、したがって、より近接したより快適な剃毛をもたらす。より大きい皮膚伸張部材はカートリッジの全体的なサイズを増し、使用者がより狭いエリア内及びその周囲の剃毛をすることを困難にする。皮膚の伸張を最適化するために、より大きい皮膚伸張要素が提供された剃毛かみそりは、鼻の下のような比較的小さい剃毛エリアの剃毛にはあまり有効でない場合がある。逆に、より少ない表面積を有する皮膚伸張部材又はガードを有するカートリッジは、比較的狭い剃毛エリアへのアクセスを使用者に提供し得るが、皮膚を十分に伸張しない場合がある。剃毛かみそりは、典型的には、より狭い剃毛エリアに到達するために、より小さい皮膚伸張部材を有する剃毛ユニットと、より優れた皮膚伸張特性を提供する、より大きい皮膚伸張部材を有するものとの妥協を図らなくてはならない。理論によって制限されることなく、シェービングシステム10の弾力的な皮膚接触要素24は、皮膚の表面と接触する弾力的な皮膚接触要素24の有効長(すなわち刃11a、11b、及び11cに対して横の方向)を使用者が最大限にする又は最小限にすることを可能にする複数の位置を有することができると考えられる。使用者は、必要に応じてシェービングシステム10を操作して、狭いエリアで剃毛すること、及びより開かれたエリアでの近接した快適な剃毛のための優れた皮膚伸張を提供することができる。
【0029】
弾力的な皮膚接触要素24は、皮膚の表面と接触しているシェービングシステム10の有効長を使用者が最小限にすることを可能にし、それによって、より小さい剃毛エリアでシェービングシステム10をより有効に使用することを可能にする。弾力的な皮膚接触要素24の湾曲した形状はまた、ハウジング14をより小さい剃毛エリアに位置づけることを可能にする。弾力的な皮膚接触要素24はまた、ハウジング14を中立の旋回位置に付勢して戻す戻り力を提供することができ、より良い皮膚伸張のためのより大きい有効長を提供することができる。弾力的な皮膚接触要素24は、剃毛平面P1に沿った第1の位置(例えば中立の旋回位置)を有することができ、弾力的な皮膚接触要素24の一部分だけが皮膚のその表面と接触する。中立の位置で(すなわち使用者がハンドル12に旋回力を付加する前に)皮膚の表面と接触している弾力的な皮膚接触要素24のその部分は、長さLによって表すことができる。中立の旋回位置では、長さLはハウジング14の正面35から、平面P1と接触している突出部26の1つまで延びることができる。特定の実施形態では、Lは、約1mm、2mm、又は3mmから約5mm、6mm、又は7mmであり得る。
【0030】
使用者は、ハンドル12をハウジング14の方へ、皮膚の表面から離れる方へ旋回することによってLを減少して、凹部70(図7Aで、途切れた矢印Dが示す)の幅wを減少することができる。図7Bに図示されるように、ハンドル12の旋回は、平面P1に沿った弾力的な皮膚接触要素24の屈曲した旋回位置をもたらす。屈曲した旋回位置の結果として、底面64は畳まれて凹部70に被さり、ハウジング14と接触することができる。屈曲した旋回位置の結果として、弾力的な皮膚接触要素24は、平面P1に沿って皮膚の表面と接触する長さLを有することができる。特定の実施形態では、長さLは約0.25mm、0.5mm、又は1mmから約1.5mm、2mm、又は3mmであり得る。長さLは、約10%、02%、又は30%から約40%、11%、又は60%、Lより短い場合があり、それによって、皮膚の伸張を犠牲にせずに、皮膚と接触するシェービングシステム10のサイズを有効に減少することができる。
【0031】
図8は、シェービングシステム100の別の可能な実施形態の斜視図を図示する。シェービングシステム100は、上述のシェービングシステム10と同じ又は同様であり得る。例えば、シェービングシステム100は、ハンドル112と、弾力的な皮膚接触部材124と、1つ以上の刃111を有するハウジング110と、を有することができる。しかし、シェービングシステム100はまた、ハンドル112と解放可能に係合する、弾力的な皮膚接触部材124と接合されたインターロッキング要素126を含むことができる。要素126とハンドル112との間の接続は、ハンドルの全長に沿ったどこにあってもよい。インターロッキング要素126は、ハンドル112のキャビティ130内に受け入れられるツメ部材128として示されているが、例えば米国特許第4,413,411号、同第4,446,619号、同第5,787,586号、同第5,822,869号、同第5,956,851号、同第6,026,577号のような、ハンドルをカートリッジと接続する他の方法も可能である。
【0032】
シェービングシステム10は、図9A〜9Dに示されているような連続又は準連続成形プロセスを利用して製造され得る。連続成形プロセスは、全ての構成要素をインラインで成形して、完成品を生産する。準連続プロセスは、特定の構成要素を大量成形することと、それらの構成要素を、追加的な成形工程のような後の加工のために保管することと、を含むことができる。成形プロセスは、ハウジング14を成形する第1のキャビティ200と、ハンドル12を成形する第2のキャビティ202と、エラストマー部材16を成形する第3のキャビティ204と、を含むことができる。これら3つのキャビティ200、202、及び204はそれぞれ1つのみが示されているが、生産の必要に応じて複数のキャビティを使用してもよい。例えば、成形プロセスは、第1、第2、及び第3のキャビティ200、202、及び204のそれぞれを16個以上利用することができる。また、キャビティ200、202、及び204の下半分のみが示されているが、キャビティ200、202、及び204は、完成部品を形成する上半分及び下半分の両方を有する。
【0033】
成形プロセスの第1工程は、潤滑ストリップ40及び1つ以上の刃11を第1のキャビティ200内に図9Aに示されるように配置する工程を含むことができる。これらの構成要素を第1のキャビティ200に手動で挿入してもよく、あるいは自動的に取り上げて配置するシステムを使用してもよい。キャップ38は、潤滑ストリップ40の一部としてキャビティ200内に挿入してもよく、あるいはプラスチックを第1のキャビティ200に注入するときに形成してもよい。第1の概して剛性のポリマーを第1のキャビティ200に注入してハウジング14を形成し、図9Bに示されるように刃11と潤滑ストリップ40とを固定することができる。同様の刃サブアセンブリ法は、米国特許第6,852,262号に記述されている。あるいは、潤滑ストリップ40は、ハウジング14が成形された後にシェービングユニット10に組み立ててもよい。特定の実施形態では、コストを少なくするために、キャップ38はハウジング14の一部として成形され、潤滑ストリップ40を使用しない場合がある。他の実施形態では、潤滑ストリップ40のための潤滑ポリマー素材を第1のキャビティ200内でコインジェクション成形することができる。
【0034】
図9Cに示されるように、第2の概して剛性のポリマーを第2のキャビティ202に注入して、ハウジング14から離間しているハンドル12を形成することができる。第2の概して剛性のポリマーは、第1の概して剛性のポリマーと同じであってよく、両方のポリマーを順次又は連続に各々のキャビティに注入することができる。特定の実施形態では、第1及び第2の概して剛性のポリマーの色及び/又は材料は、様々な美観効果をもたらすために異なっていてもよい。
【0035】
図9Dは、成形プロセスの最終工程を示す。エラストマーのような概して可撓性のポリマーを第3のキャビティ204に注入して、弾力的な皮膚接触要素24がハンドル12とハウジング14とを接続してウェットシェービングユニット10を形成するように、エラストマー部材16を形成することができる。概して可撓性のポリマーはまた、第3のキャビティ204内にハンドル12の把持部22を形成することができる。弾力的な皮膚接触要素24の突出部26は、ハウジング14の上面に概して横方向に(すなわち、キャビティ204の引きの方向に)配向される。「引きの方向」とは、部品の取り出しのために鋳型が開かれたときの鋳型又はキャビティに対する部品表面の動きを指す。複数の突出部26の配向は、プラスチック部品からの鋳型半体(キャビティ)の分離を促進することができ、アンダーカットを生成する鋳型キャビティからの障害物なしにシェービングシステム10を鋳型キャビティから取り出すことを可能にする。
【0036】
上に例示した様々な工程は任意の順序で実施できると理解される。特定の実施形態では、ハウジング14へのキャップ及び/又は潤滑ストリップ40の組み立てを大量に行い、後の加工(例えば、エラストマー部材16及びハンドル12をハウジングに成形すること)のために保管することができる。別の可能な実施形態は、ハンドル12及びハウジング14を大量生産すること、ハンドル12及びハウジング14を鋳型の1つ以上のキャビティに配置すること、及びその後に、弾力的な皮膚接触要素24がハンドル12とハウジング14とを接続するように、可撓性ポリマーをキャビティ内に注入してエラストマー部材16を形成すること、を含むことができる。所望により、後の工程で潤滑ストリップをハウジングに組み込むことができる。この方法は、様々な構成要素を同時に成形及び組み立てすることを可能にし、構成要素を大量に成形し、後の加工のために保管、及び/又は出荷することもまた可能にすることによって、製造工程でフレキシビリティを創出する。
【0037】
ハウジング14及びハンドル12は、ポリプロピレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、又はNoryl(商標)(General Electric Plastics(現在のSABIC Innovative Plastics)が開発したポリフェニレンオキシド(PPO)とポリスチレンとの配合物)のような慨して剛性のポリマーから製造することができる。ハウジング14及びハンドル12はまた、約50、60、又は70から約90、110、又は120のShore A硬度を有する他の半剛性ポリマーから成形することもできる。ハウジング14及びハンドル12は、インサートインジェクション成形又はコインジェクション成形して、弾力的な皮膚接触要素24にすることができる。接着剤、超音波溶接、又は機械的締結具のような他の既知のアセンブリ方法もまた使用することができる。
【0038】
エラストマー部材16(例えば、弾力的な皮膚接触要素24、首部62、及び把持部22)は、ハウジング14及びハンドル12より軟らかい材料で製造され得る。例えば、エラストマー部材16(例えば、弾力的な皮膚接触要素24、首部62、及び把持部22)は、約20、30、又は40から約50、60、又は70のShore A硬度を有することができる。エラストマー部材16は、熱可塑性エラストマー(TPE)又はゴムで作製され得、例としては、シリコン、天然ゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、スチレンブタジエンゴム、スチレンブタジエンスチレン(SBS)TPE、スチレンエチレンブタジエンスチレン(SEBS)TPE(例えばKraton)、ポリエステルTPE(例えばHytrel)、ポリアミドTPE(Pebax)、ポリウレタンTPE、ポリオレフィン系TPE、及びこれらのTPEの任意の配合物(例えば、ポリエステル/SEBS配合物)が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、エラストマー部材16は、GLS Corp.(PolyOne事業の1つ)からの熱可塑性エラストマー化合物であるDynaflex(登録商標)G6730を含むことができる。エラストマー部材16は、弾力的な皮膚接触要素24の機能のために十分な可撓性を提供する他のエラストマー材料を含んでもよい。そのような材料は、約300%、500%、又は700%から約800%、1000%、又は1300%(ASTM D412−Die C、2時間、23℃)の破断点伸びを有することができる。より軟らかい材料は、皮膚の伸張を補助すること、剃毛中の使用者の皮膚に対してより心地よい触感を提供すること、及びハウジング14を旋回するために必要な力を減少すること、ができる。より軟らかい材料はまた、剃毛中に使用者の皮膚に当たるハウジング14及び刃11のより硬い材料のさほど心地よくない感覚を感じ難くするのを補助する。
【0039】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく制限されるものとして理解されるべきでない。それよりむしろ、特に指定されない限り、各こうした寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。曖昧さを避けるための努力として、本開示の目的のために、用語「部又は部分(portion)」は、約45%未満を意味すると解釈されるべきである。例えば、用語「遠位端部」とは、参照される要素の末端から、0%、5%、10%、15%から15%、20%、25%、30%、40%、又は45%と解釈されるべきである。同様に、用語「近位端部」とは、参照される要素の、その末端の反対の端から、約0%、5%、10%、又は15%から約15%、20%、25%、30%、40%、又は45%と解釈されるべきである。
【0040】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は出願書類を含め、本明細書において引用される全ての文献は、明示的に除外ないしは制限されない限り、その全体を参考として本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、それが本明細書において開示され請求されるいずれかの発明に関する先行技術であること、又はそれが単独で若しくは他のいかなる参照とのいかなる組み合わせにおいても、このような発明を教示する、提案する、又は開示することを認めるものではない。更に、本書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれた文献における同一の用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいて、本書においてその用語に与えられた定義又は意味が適用されるものとする。
【0041】
本発明の特定の実施形態について説明し記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正が可能であることが当業者には自明である。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の書類名特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シェービングシステム(10)であって、
1つ以上の刃(11)を受け入れる寸法のハウジング(14)と、
ハンドル(12)と、
前記ハウジング(14)を前記ハンドル(12)に旋回可能に接合する弾力的な皮膚接触要素(24)と、
を備え、
前記弾力的な皮膚接触要素(24)が、底面(64)と、複数の突出部(26)を有する前記底面と対向する上面(50)と、を有し、前記ハウジング(14)が前記複数の突出部(26)の周りを旋回する、シェービングシステム。
【請求項2】
前記弾力的な皮膚接触要素(24)が、前記ハウジング(14)から湾曲して下がって離れる概ね凸形状を有することを特徴とする、請求項1に記載のシェービングシステム(10)。
【請求項3】
前記底面(64)が、前記弾力的な皮膚接触要素(24)の幅の30%乃至100%延在していて前記ハンドル(12)に対するハウジング(14)の旋回を促進する凹部(70)を画定する、請求項1または2に記載のシェービングシステム(10)。
【請求項4】
前記ハンドル(12)が前記ハウジング(14)から離間している、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシェービングシステム(10)。
【請求項5】
前記弾力的な皮膚接触要素(24)の上面(50)が概ね弧状である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシェービングシステム(10)。
【請求項6】
突出部(26)が、前記上面(50)に対して横方向に延在していて上向きに突出している、請求項5に記載のシェービングシステム(10)。
【請求項7】
前記ハンドル(12)に対する前記ハウジング(14)の旋回が前記突出部の撓みを引き起こす、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のシェービングシステム(10)。
【請求項8】
前記ハンドル(12)が、前記弾力的な皮膚接触要素(24)の幅の40%乃至100%で隣接する拡大された近位端部(20)を有する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のシェービングシステム(10)。
【請求項9】
前記弾力的な皮膚接触要素(24)が前記ハウジング(14)の第1の外側端部(34)及び第2の外側端部(36)と接合される、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のシェービングシステム(10)。
【請求項10】
前記第1及び第2の外側端部(34、36)の少なくとも1つが、前記弾力的な皮膚接触要素(24)に接合される1つ以上の取付け用ツメ(46、48)を有する、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のシェービングシステム(10)。
【請求項11】
前記ハウジング(14)が、インターロック部材(44)と共に正面(35)を有し、前記インターロック部材(44)が、前記弾力的な皮膚接触要素(24)と共に機械的なインターロックを形成する、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のシェービングシステム(10)。
【請求項12】
前記ハウジング(14)に装着された3つの刃(11)を更に備える、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のシェービングシステム(10)。
【請求項13】
前記ハウジング(14)が、前記弾力的な皮膚接触要素(24)と化学結合されている、請求項1乃至12のいずれか一項に記載のシェービングシステム(10)。
【請求項14】
前記ハウジング(14)が、中立の旋回位置と屈曲した旋回位置との間で可動である、請求項1乃至13のいずれか一項に記載のシェービングシステム(10)。
【請求項15】
前記ハンドル(12)が、第1の軸に沿って延在する把持部と、前記第1の軸から10度乃至50度オフセットした第2の軸に沿って延在する拡大された近位端部(20)と、を有する、請求項1乃至14のいずれか一項に記載のシェービングシステム(10)。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【公表番号】特表2012−505730(P2012−505730A)
【公表日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−532357(P2011−532357)
【出願日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際出願番号】PCT/US2010/041319
【国際公開番号】WO2011/011204
【国際公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(593093249)ザ ジレット カンパニー (349)