説明

旋回作業機のボンネットシール構造

【課題】 固定カバーの上端部と開閉カバーの上端部との間のシール部材上に雪や土が溜まらないようにする。
【解決手段】 旋回台にエンジンが搭載されると共に、エンジンを覆うボンネットが設けられ、ボンネットは固定カバーと固定カバーに対して開閉自在な開閉カバーとを備え、開閉カバーはその一端側を支点に縦軸廻りに開閉自在とされ、開閉カバーの閉塞時に開閉カバーの上端部を固定カバーの上端部に対してシール部材を介して接当させるようにした旋回作業機のボンネットシール構造において、
開閉カバーの上壁又は固定カバーの上壁の一方に、開閉カバーの閉塞時に前記シール部材を上方側から乗り越えて他方の上壁の上方に達するように覆い片が突設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックホー等の旋回作業機のボンネットシール構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のバックホー等の旋回作業機には、旋回台の後部にエンジンを搭載すると共に、エンジンを覆うボンネットを設け、ボンネットを、エンジンの前側を覆う前カバーと、エンジンの左側方を覆う左側カバーと、エンジンの後方を覆う後カバー等で構成し、前カバーと左側カバーとをエンジンを跨ぐ支持フレーム等に固定し、後カバーを前カバーに対して開閉自在とし、後カバーを、左右方向の一端側を支点に支持フレーム等に縦軸廻りに開閉自在に支持するようにしたものがある(例えば特許文献1)。
この種の従来の旋回作業のボンネットシール構造では、例えば特許文献2に開示されるボンネットシール構造をそのまま適用して、後カバーの閉塞時に後カバーの上端部を固定カバーの上端部に対してシール部材を介して接当させるようにしたのが一般的であった(公知文献としては存在しないが、実際のバックホー等の旋回作業機についてそのように構成していた)。
【特許文献1】特開2005−280485号公報
【特許文献2】特開2004−150029号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、従来の場合、固定カバーの上端部と開閉カバーの上端部との間のシール部材に雪や土が溜まり、凍結で当該シール部材の周囲が固着されてしまうという問題があった。
本発明は上記問題点に鑑み、固定カバーの上端部と開閉カバーの上端部との間のシール部材上に雪や土が溜まらないようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この技術的課題を解決する本発明の技術的手段は、旋回台にエンジンが搭載されると共に、エンジンを覆うボンネットが設けられ、ボンネットは固定カバーと固定カバーに対して開閉自在な開閉カバーとを備え、開閉カバーはその一端側を支点に縦軸廻りに開閉自在とされ、開閉カバーの閉塞時に開閉カバーの上端部を固定カバーの上端部に対してシール部材を介して接当させるようにした旋回作業機のボンネットシール構造において、
開閉カバーの上壁又は固定カバーの上壁の一方に、開閉カバーの閉塞時に前記シール部材を上方側から乗り越えて他方の上壁の上方に達するように覆い片が突設されている点にある。
【0005】
また、本発明の他の技術的手段は、開閉カバーの上壁に、前記覆い片が設けられると共に覆い片の基部側から下方に突出した垂下片が設けられ、固定カバーの上壁に、上壁の先端部から前記垂下片に対向するように起立した起立片が設けられ、起立片は開閉カバーが閉塞したときに覆い片の下方に位置するように配置され、垂下片又は起立片の一方に、開閉カバーが閉塞したときに垂下片又は起立片の他方に接当するように前記シール部材が装着されている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、旋回台の後部にエンジン及びラジエータが搭載されると共に、エンジンを跨ぐように支持フレームが設けられ、支持フレームにエンジンの上面側及び前面側を覆うように固定カバーが固定され、支持フレームにエンジンの後面側を覆う開閉カバーが左右方向の一端側を支点に縦軸廻りに開閉自在に支持されており、
前記開閉カバーは、カバー本体とカバー本体の上端部に前方突出するように固設された上部カバー体とを有し、上部カバー体の上壁に前記覆い片と垂下片とが突設されている点にある。
【0006】
また、本発明の他の技術的手段は、ラジエータの風上側と風下側とを仕切る仕切りカバーが開閉カバーの左右方向の遊端部に沿うように支持フレームに固定され、仕切りカバーは天壁部と天壁部の後端から下方に突出した後壁部とを有し、上部カバー体の遊端側に、開閉カバーが閉塞したときに仕切りカバーの天壁部に接当する上シール部材が設けられ、カバー本体の遊端部に、開閉カバーが閉塞したときに仕切りカバーの後壁部に接当する後シール部材が設けられている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、覆い片の突出端部に下方に突出した下方突出片が設けられ、開閉カバーが閉塞したときに、起立片が覆い片の下方であって下方突出片よりも垂下片側に入り込むように構成されている点にある。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、固定カバーの上壁又は開閉カバーの上壁の一方に、開閉カバーの閉塞時にシール部材を上方側から乗り越えて他方の上壁の上方に達するように覆い片が突設されているので、開閉カバーを閉塞しているときに、雪が降っても、また、掘削作業等によって持ち上げられた土がボンネット上に落下するようなことがあっても、シール部材上に雪や土が落ちないように、覆い片及び下方突出片によりシール部材を上側から覆って保護することができ、シール部材上に雪や土が溜まるのを確実に防止することができる。従って、従来のように、シール部材の周囲に雪や土等が溜まり、凍結で当該シール部材の周囲が固着されてしまうのを未然に防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図4において、旋回作業機であるバックホー1は、左右一対のクローラ走行体を有する走行装置の上部に、旋回ベアリングを介して上下方向の旋回軸心廻りに回動自在に旋回台2を搭載したものとなっている。
旋回台2は、底部に板状の旋回基板3を有すると共に、旋回基板3上を前後に区切る縦壁5を有し、縦壁5は旋回基板3の前後中途部に立設されている。旋回基板3に、左右一対の縦リブ6,7が、旋回基板3の前方側から後方広がり状に設けられている。左右一対の縦リブ6,7の前部側に装着ブラケット9が旋回基板3から前方突出するように設けられ、この装着ブラケット9を介して旋回台2の前端部に掘削用作業装置が装着されている。
【0009】
旋回基板3の後端部にカウンタウエイト11が設けられ、旋回基板3の後端部であってカウンタウエイト11の前側に円弧状の取付壁12が上方に突設されている。旋回基板3の後端部の取付壁12の前側にエンジン14が設けられ、旋回基板3の左側に燃料タンクが設けられ、旋回基板3の右側にバッテリ、オイルタンクが設けられている。燃料タンクは縦壁5より前側であって左縦リブ6のすぐ左側に配置されている。バッテリ及びオイルタンクは縦壁5の前側であって右縦リブ7の右側に配置されている。
而して、旋回台2の縦壁5の後側にエンジンルーム20が形成されていて、旋回台2の後部にエンジン14、ラジエータ15等が搭載され、エンジン14の左側に油圧ポンプ16が設けられている。
【0010】
図5に示すように、旋回台2のエンジン14の前側にエンジンルーム20の前側を仕切るように前カバー22が設けられ、前カバー22の下端部が縦壁5にボルト等の固定具により固定されている。旋回台2の後端部に後カバー24が設けられ、旋回台2の後カバー24の左側に左側カバー25が設けられ、旋回台2の前カバー22の右側に右内壁カバー26が設けられ、旋回台2の右内壁カバー26の右側に右側カバー28が設けられている。
前カバー22は、前端下部の起立壁31と、起立壁31の上端から後上がりに傾斜した傾斜壁32と、傾斜壁32の上端から後方に突出した上壁33とを有し、起立壁31の下部が縦壁5の上部に重合されて、縦壁5にボルトナット等の固定具により固定されている。なお、前カバー22の傾斜壁32に点検用等の開口窓35が設けられ、開口窓35を図示省略の蓋部材で着脱自在に塞ぐようになっている。
【0011】
後カバー24はカウンタウエイト11の上側にあり、カウンタウエイト11と後カバー24とはエンジンルーム20の後側を包囲し、左側カバー25はエンジンルーム20の左側を包囲し、縦壁5と前カバー22とは、エンジンルーム20の前側及び上側を包囲し、右側カバー28の後部はエンジンルーム20の右側を包囲している。従って、縦壁5と前カバー22と左側カバー25と右側カバー28の後部とカウンタウエイト11と後カバー24とで、エンジン14の周囲(エンジンルーム20)を取り囲んでいる。右側カバー28は、旋回台2上の機器を包囲し、バッテリ及びオイルタンクの外方を覆いかつエンジンルーム20の右側方を覆っていて、バッテリ、オイルタンク等の機器がある旋回基板3上の右前側の前部、上部及び外側部を覆い、右内壁カバー26は、バッテリ、オイルタンク等の機器がある旋回基板3上の右前側の内側部を覆っている。
【0012】
前カバー22、左側カバー25、右側カバー28の後部及び後カバー24により、後部ボンネット36が構成され、右側カバー28及び右内壁カバー26により、側部ボンネット37が構成されている。
図1に示すように、旋回台2の縦壁5及び前カバー22の前側に運転席38が配置されて、旋回台2の縦壁5の前側に運転席38や操縦レバーを有する操縦部が形成されおり、前カバー22上に、運転席38(操縦部)を保護するキャノピ39が立設されている。
図2〜図8に示すように、旋回台2の後部にエンジン14を跨ぐ支持フレーム43が設けられている。支持フレーム43は、左前脚体45と左後脚体46と右後脚体47と右前脚体と横支持板49と縦支持板50等から主構成されていて、エンジン14を跨ぐように配置されている。横支持板49は脚体45,46,47の上端に連結され、縦支持板50は横支持板49の右端部から前方に突出され、図示省略の右前脚体は縦支持板50の前部側を支持している。
【0013】
左前脚体45及び右前脚体48の下端は、縦壁5等を介して旋回基板3に取付固定されている。左後脚体46及び右後脚体47の下端は取付台55,56等を介して旋回基板3に取り付け固定されている。横支持板49は横長の帯板形状であり、横支持板49の左端部と左前脚体45の上端部とが溶接等により連結固定され、横支持板49の左右方向中途部と左後脚体46の上端部とが溶接等により連結固定され、横支持板49の右端部と右後脚体47の上端部とが溶接等により連結固定されている。縦支持板50の後端部が横支持板49の右端部及び右後脚体47の上端部に溶接等により連結固定されている。
【0014】
図5〜図8に示すように、左側カバー25は、支持フレーム43の横支持板49に取付ブラケット53等を介して支持固定され、右内壁カバー26は、支持フレーム43の横支持板49に取付ブラケット等を介して支持固定され、右側カバー28は支持フレーム43の縦支持板50にヒンジ具を介して前後方向の支軸廻りに開閉自在に支持されている。前カバー22の上壁33が支持フレーム43の横支持板49上に配置されて、横支持板49にボルトナット等の固定具により固定されている。
図6〜図8、図13、図16に示すように、支持フレーム43の横支持板49に左右方向に間隔をおいて複数の固定片59が突設されている。各固定片59は横支持板49から後方突出し、前側の水平な取付基部59aと後側の後上がりに傾斜した傾斜固定部59bとを有している。前カバー22の上壁33の後部は複数の固定片59上に配置され、前カバー22の上壁33の後端部は各固定片59の傾斜固定部59bに対応して後上がりに傾斜された傾斜部33aとされ、固定片59の傾斜固定部59bにボルト等の固定具60により固定されている。
【0015】
図5及び図13に示すように、ラジエータ15の風上側と風下側とを仕切る仕切りカバー62が後カバー24の右端部(左右方向の遊端部)に沿うように支持フレーム43の右後脚体47に固定されている。仕切りカバー62は天壁部62aと天壁部62aの後端から下方に突出した後壁部62bと天壁部62a及び後壁部62bの左端部から下方又は前方に突出した側壁部62cとを有している。なお、この仕切りカバー62はラジエータ15外周の前後左右のうちの後側を左右に仕切っている。ラジエータ15の外周の前側、左側及び右側の仕切りについては図示省略の他の仕切りカバー等によりなされている。
【0016】
図5、図7、図8、図11、図12に示すように、後カバー24は、カバー本体64とカバー本体64の上端部に前方突出するように固設された上部カバー体65とを有している。カバー本体64は、後壁64aと後壁64aの上端から前方に突出した取付縁部64bとを有し、後壁64aは左右方向の中央部が後方に突出しかつ左右両端部が前方に突出するように弓形に湾曲されると共に、後壁64aの上部側が前方に湾曲されている。上部カバー体65は上壁65aと上壁65aの左右両端から下方に湾曲した左右一対の側壁65bと上壁65aの後端から下方に湾曲した後壁65cとを有している。上部カバー体65の後部がカバー本体64の取付縁部64bに載置されてボルト等の締結具で締め付け固定され、これにより上部カバー体65がカバー本体64に着脱自在に取り付けられている。
【0017】
図7〜図10、図12に示すように、カバー本体64(後カバー24)の左端部の内面側にコの字状の取付部材68が設けられ、取付部材68に支持部材69がボルト等の固定具により固定され、支持部材69の突出端部に上下一対の支持筒体70が固着されている。横支持板49の左端部にコの字状の支持ブラケット72が後方に突設され、支持ブラケット72に上支持体73がボルト等の固定具により固定され、上支持体73に対応する下支持体74が連結体75により連結され、上支持体73と下支持体74との間に縦軸77が連結されている。縦軸77は支持部材69の上下一対の支持筒体70に軸心廻りに相対回転自在に挿通されており、これにより、支持フレーム43に後カバー24が左端部(左右方向の一端側)を支点に縦軸77廻りに開閉自在に支持されている。
【0018】
後カバー24の右端部の内面側にロック機構79が設けられている。ロック機構79は、後カバー24を閉塞したときに支持フレーム43側に設けた係止部に自動的に係合して後カバー24を閉塞状態にロック解除自在にロックするように構成されている。
図11,図12に示すように、上部カバー体65(後カバー24)の上壁33に、覆い片81が前方に突設されると共に、覆い片81の基部側から下方に突出した垂下片82が設けられている。前カバー22の上壁33(上壁33の傾斜部33a上端)に、垂下片82に対向するように起立した起立片83が設けられている。起立片83は後カバー24が閉塞したときに覆い片81の下方に位置するように配置され、垂下片82に、開閉カバー24が閉塞したときに起立片83に接当するようにシール部材84が装着されている。シール部材84は、後カバー24の左右方向の略全長に亘る長さを有している。また、シール部材84は、U字状の取付部85と円筒状の接当部86とを有し、取付部85が垂下片82の下部に下側から嵌合固着されており、後カバー24が閉塞したときにシール部材84の接当部86が起立片83に押圧接当して、後カバー24の上端部を前カバー22の上端部とを左右方向の略全長に亘ってシールするように構成されている。
【0019】
覆い片81の突出端部(前端部)に下方に突出した下方突出片87が設けられ、後カバー24が閉塞したときに、起立片83が覆い片81の下方であって下方突出片87よりも垂下片82側(後方)に入り込むように構成されている。
覆い片81は、シール部材84の前端よりも前方に突出し又はシール部材84の前端に達する程度に前方に突出しており、後カバー24の閉塞時に、シール部材84が前カバー22の上端部(起立片83)に押圧接当して後方に弾性変形することと相俟って、覆い片81がシール部材84を上方側から乗り越えて前カバー22の上壁33(起立片83又は上壁33後端部)の上方に達するように構成されている。
【0020】
上部カバー体65の遊端側(右側壁65aの下端部)に、後カバー24が閉塞したときに仕切りカバー62の天壁部62aに接当する上シール部材90が設けられ、カバー本体64の遊端部(後壁64aの右端部)に、後カバー24が閉塞したときに仕切りカバー62の後壁部62bに接当する後シール部材88が突出片89を介して設けられている。カバー本体64の基端部(後壁64aの左端部)に、基端シール部材91が突出片92を介して設けられ、後カバー24が閉塞したときに左側カバー25の右端部に接当して、左側カバー25と後カバー24との間をシールするように構成されている。
【0021】
図1、図14及び図15に示すように、カウンタウエイト11の左上部に、油圧ポンプ16に対応して開口窓95が設けられ、開口窓95を塞ぐカバー体96がカウンタウエイト11にボルト等の締結具97により着脱自在に取り付けられている。従って、油圧ポンプ16を点検等のために旋回台2から取り外す際に、カバー体96を取り外すことにより、カウンタウエイト11全体を取り外すことなく油圧ポンプ16を旋回台2から外すことができるようになっている。なお、カバー体96は合成樹脂等により構成されている。
上記実施の形態によれば、後カバー24を縦軸77廻りに回動して後カバー24を閉塞すると、上部カバー体65のシール部材84が前カバー22の起立片83に押圧接当し、後カバー24の上端部を前カバー22の上端部とを左右方向の略全長に亘ってシールする。このとき、起立片83が覆い片81の下方であって下方突出片87よりも垂下片82側(後方)に入り込み、覆い片81がシール部材84を上方側から乗り越えて前カバー22の上壁33(起立片82又は上壁33後端部)の上方に達する。従って、雪が降っても、また、掘削作業等によって持ち上げられた土が後部ボンネット36上に落下するようなことがあっても、シール部材84上に雪や土が落ちないように、覆い片81及び下方突出片87によりシール部材84を上側から保護することができ、シール部材84上に雪や土が溜まるのを防止することができる。従って、シール部材84の周囲に雪や土等が溜まり、凍結で当該シール部材84の周囲が固着されてしまうのを未然に防ぐことができる。
【0022】
また、後カバー24を閉塞すると、上部カバー体65の遊端側(右側壁65bの下端部)の上シール部材90が仕切りカバー62の天壁部62aに接当すると共に、カバー本体64の遊端部(後壁の右端部)の後シール部材88が仕切りカバー62の後壁部62bに接当して、後カバー24と仕切りカバー62との間をシールする。カバー本体64の基端部(後壁の左端部)の基端シール部材91が左側カバー25の右端部に接当して、左側カバー25と後カバー24との間をシールする。
図16は他の実施形態を示し、前カバー22の起立片83の上端部にシール部材84を装着し、後カバー24を縦軸77廻りに回動することにより後カバー24が閉塞したとき、起立片83のシール部材84が後カバー24の垂下片82に押圧接当し、後カバー24の上端部と前カバー22の上端部とを左右方向の略全長に亘ってシールするように構成し、このとき、起立片83が覆い片81の下方であって覆い片81の先端81Aよりも垂下片82側(後方)に入り込み、覆い片81がシール部材84を上方側から乗り越えて前カバー22の上壁33(起立片82又は上壁33後端部)の上方に達するようにしている。その他の点は前記実施の形態の場合と同様の構成である。
【0023】
なお、前記図11及び図16の実施の形態では、開閉カバー24の上壁65aに、開閉カバー24の閉塞時にシール部材84を上方側から乗り越えて固定カバー22の上壁33の上方に達するように覆い片81が突設されており、後方から後部ボンネットを見た場合に、開閉カバー24と固定カバー22との間の段差が覆い片81等で隠されて見えなくなり、形状がシンプルで見栄えが良くなるが、これに代え、固定カバー22の上壁33に、開閉カバー24の閉塞時にシール部材84を上方側から乗り越えて開閉カバー24の上壁65aの上方に達するように覆い片81を突設するようにしてもよい。
【0024】
また、前記図11及び図16の実施の形態では、開閉カバー24の上壁65aに、覆い片81が設けられると共に覆い片81の基部側から下方に突出した垂下片82が設けられ、固定カバー22の上壁33の先端部から垂下片82に対向するように起立した起立片83が設けられているが、これに代え、固定カバー22の上壁33に、覆い片81を設けると共に覆い片81の基部側から下方に突出した垂下片82を設け、開閉カバー24の上壁65aの先端部から垂下片82に対向するように起立した起立片83を設けるようにしてもよい。また、この場合、垂下片82にシール部材84を装着してもよいし、起立片83にシール部材84を装着してもよい。
【0025】
また、前記実施の形態では、開閉カバーである後カバー24を左右方向の左端部を支点に縦軸77廻りに開閉自在に支持しているが、これに代え、開閉カバーである後カバー24を左右方向の右端部を支点に縦軸77廻りに開閉自在に支持するようにしてもよい。
また、前記実施の形態では、前カバー22を固定カバーとし、後カバー24を開閉カバーとして、後カバー24の閉塞時に後カバー24の上端部を前カバー22の上端部に対してシール部材84を介して接当させるようにしているが、固定カバーは前カバー22に限定されず、また、開閉カバーは後カバー24に限定されず、例えば、左側カバー25を開閉カバーとし、前カバー22を固定カバーとするようにしてもよく、この場合、左側カバー25を縦軸77廻りに開閉自在とし、左側カバー25の閉塞時に左側カバー25の上端部を前カバー22の上端部に対してシール部材84を介して接当させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施の形態を示すバックホーの上部の斜視図である。
【図2】同旋回台の平面図である。
【図3】同旋回台の後部ボンネット部分の左側面図である。
【図4】同旋回台の後部ボンネット部分の背面図である。
【図5】同旋回台の後部の平面図である。
【図6】同旋回台の後部ボンネット部分の平面図である。
【図7】同旋回台の後カバー部分の平面図である。
【図8】同旋回台の後カバー部分の背面図である。
【図9】同旋回台の後カバーの左端部の背面図である。
【図10】同旋回台の後カバーの左端部の平面図である。
【図11】同旋回台の後カバー部分の側断面図である。
【図12】同後カバーの斜視図である。
【図13】同旋回台の仕切りカバー部分の斜視図である。
【図14】同カウンタウエイトの左部分の斜視図である。
【図15】同カバー体を外した状態のカウンタウエイトの左部分の斜視図である。
【図16】他の実施形態を示す旋回台の後カバー部分の側断面図である。
【符号の説明】
【0027】
1 バックホー
2 旋回台
3 旋回基板
5 縦壁
14 エンジン
15 ラジエータ
22 前カバー(固定カバー)
24 後カバー(開閉カバー)
33 上壁
36 後部ボンネット
43 支持フレーム
62 仕切りカバー
64 カバー本体
65 上部カバー体
65a 上壁
77 縦軸
81 覆い片
82 垂下片
83 起立片
84 シール部材
87 上シール部材
88 後シール部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
旋回台(2)にエンジン(14)が搭載されると共に、エンジン(14)を覆うボンネット(36)が設けられ、ボンネット(36)は固定カバー(22)と固定カバー(22)に対して開閉自在な開閉カバー(24)とを備え、開閉カバー(24)はその一端側を支点に縦軸(77)廻りに開閉自在とされ、開閉カバー(24)の閉塞時に開閉カバー(24)の上端部を固定カバー(22)の上端部に対してシール部材(84)を介して接当させるようにした旋回作業機のボンネットシール構造において、
開閉カバー(24)の上壁(65a)又は固定カバー(22)の上壁(33)の一方に、開閉カバー(24)の閉塞時に前記シール部材(84)を上方側から乗り越えて他方の上壁(33,65a)の上方に達するように覆い片(81)が突設されていることを特徴とする旋回作業機のボンネットシール構造。
【請求項2】
開閉カバー(24)の上壁(65a)に、前記覆い片(81)が設けられると共に覆い片(81)の基部側から下方に突出した垂下片(82)が設けられ、固定カバー(22)の上壁(33)に、上壁(65a,33)の先端部から前記垂下片(82)に対向するように起立した起立片(83)が設けられ、起立片(83)は開閉カバー(24)が閉塞したときに覆い片(81)の下方に位置するように配置され、垂下片(82)又は起立片(83)の一方に、開閉カバー(24)が閉塞したときに垂下片(82)又は起立片(83)の他方に接当するように前記シール部材(84)が装着されていることを特徴とする請求項1に記載の旋回作業機のボンネットシール構造。
【請求項3】
旋回台(2)の後部にエンジン(14)及びラジエータ(15)が搭載されると共に、エンジン(14)を跨ぐように支持フレーム(43)が設けられ、支持フレーム(43)にエンジン(14)の上面側及び前面側を覆うように固定カバー(22)が固定され、支持フレーム(43)にエンジン(14)の後面側を覆う開閉カバー(24)が左右方向の一端側を支点に縦軸(77)廻りに開閉自在に支持されており、
前記開閉カバー(24)は、カバー本体(64)とカバー本体(64)の上端部に前方突出するように固設された上部カバー体(65)とを有し、上部カバー体(65)の上壁(65a)に前記覆い片(81)と垂下片(82)とが突設されていることを特徴とする請求項2に記載の旋回作業機のボンネットシール構造。
【請求項4】
ラジエータ(15)の風上側と風下側とを仕切る仕切りカバー(62)が開閉カバー(24)の左右方向の遊端部に沿うように支持フレーム(43)に固定され、仕切りカバー(62)は天壁部(62a)と天壁部(62a)の後端から下方に突出した後壁部(62b)とを有し、上部カバー体(65)の遊端側に、開閉カバー(24)が閉塞したときに仕切りカバー(62)の天壁部(62a)に接当する上シール部材(90)が設けられ、カバー本体(64)の遊端部に、開閉カバー(24)が閉塞したときに仕切りカバー(62)の後壁部(62b)に接当する後シール部材(88)が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の旋回作業機のボンネットシール構造。
【請求項5】
覆い片(81)の突出端部に下方に突出した下方突出片(87)が設けられ、開閉カバー(24)が閉塞したときに、起立片(83)が覆い片(81)の下方であって下方突出片(87)よりも垂下片(82)側に入り込むように構成されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の旋回作業機のボンネットシール構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−121290(P2010−121290A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−293491(P2008−293491)
【出願日】平成20年11月17日(2008.11.17)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】