説明

旋回角度計測装置

【課題】加工の煩雑化及び強度上の問題を招来することなく、旋回体の旋回角度を計測すること。
【解決手段】建設機械の下部走行体100に対して上部旋回体200が旋回した場合にロータ10とシャフト20とが相対回転するようにスイベルジョイント1を配設し、ロータ10及びシャフト20を介して回転センサにより、下部走行体100に対する上部旋回体200の旋回角度を検出するようにした旋回角度計測装置において、シャフト20にロータ10の回転中心を軸心とした円周に沿う被検出面41を設け、回転センサにはロータ10及びシャフト20が相対回転した場合の被検出面41の変位を検出する回転検出部80を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械において上部旋回体等の旋回体の旋回角度を計測するのに好適な旋回角度計測装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パワーショベルやクローラキャリア、クレーン等の建設機械では、下部走行体と上部旋回体との間に旋回角度計測装置が配設されており、この旋回角度計測装置の出力結果に基づいて下部走行体に対して上部旋回体を目標旋回角度に旋回させる制御が行われている。建設機械に用いられる旋回角度計測装置としては、例えば、特許文献1に記載されているように、下部走行体と上部旋回体との間に介在されるスイベルジョイントに、ロータリポテンショメータを付設したものが提供されている。
【0003】
スイベルジョイントは、ロータの中心孔にシャフトを回転可能に配設するとともに、これら相対回転するロータ及びシャフトの間に渡って油通路を構成し、この油通路を介して上部旋回体及び下部走行体の間に油を流通させるものである。より具体的には、シャフトの回転中心が上部旋回体の旋回中心と一致する位置において、例えばロータが下部走行体に支持され、かつシャフトが上部旋回体に支持されており、下部走行体に対して上部旋回体が旋回した場合、シャフトがロータに対して回転するように配設されている。
【0004】
ロータリポテンショメータは、本体に対して入力軸が回転した場合に回転角に応じた検出信号を出力するもので、本体がスイベルジョイントのシャフトに支持され、入力軸が連結軸を介してスイベルジョイントのロータに連結されている。
【0005】
この旋回角度計測装置では、下部走行体に対して上部旋回体が旋回すると、スイベルジョイントのロータ及びシャフトを介してロータリポテンショメータの本体と入力軸とが相対的に回転するため、下部走行体に対する上部旋回体の旋回角度を検出信号として出力することができるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭62−7458号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、ロータの回転をロータリポテンショメータの入力軸に伝達する連結軸は、シャフトの回転中心上、つまりシャフトの中心部を貫通しなければならない。このため、上述の旋回角度計測装置を構成するには、スイベルジョイントのシャフトに対してその中心部に連結軸を貫通させるための貫通孔を設ける必要がある。
【0008】
上述したように、スイベルジョイントは、ロータ及びシャフトの間に渡って油通路を有したものであり、特にシャフトには軸方向に沿って複数の油通路が形成されている。従って、内部に油通路を有したシャフトに対して、さらにその中心部に貫通孔を設けた場合には、加工の煩雑化を招来するばかりでなく、スイベルジョイントの強度上の問題を招来する恐れがある。
【0009】
本発明は、上記実情に鑑みて、加工の煩雑化及び強度上の問題を招来することなく、旋回体の旋回角度を計測することのできる建設機械の旋回角度計測装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係る建設機械の旋回角度計測装置は、中心孔を有したロータ及び前記ロータの中心孔に回転可能に配設したシャフトを備え、これら相対回転するロータ及びシャフトの間に渡って油を流通可能な油通路が設けられたスイベルジョイントと、前記ロータ及び前記シャフトのいずれか一方に支持させ、かつ他方を検出対象として前記ロータ及び前記シャフトの相対回転角度を検出する回転センサとを備え、建設機械の走行体に対して旋回体が旋回した場合に前記ロータと前記シャフトとが相対回転するように前記スイベルジョイントを配設し、前記ロータ及び前記シャフトを介して前記回転センサにより、前記走行体に対する前記旋回体の旋回角度を検出するようにした建設機械の旋回角度計測装置において、前記回転センサの検出対象となる前記ロータもしくは前記シャフトに前記ロータの回転中心を軸心とした円周に沿う被検出面を設け、前記回転センサには前記ロータ及び前記シャフトが相対回転した場合の前記被検出面の変位を検出する検出部を設けたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上述した建設機械の旋回角度計測装置において、前記ロータの外周面に前記被検出面を設けるとともに、前記シャフトに前記回転センサを支持させ、前記回転センサは、外周面を介して前記ロータの被検出面を転動する転動ローラを備え、前記検出部は、前記転動ローラの回転変位を検出することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上述した建設機械の旋回角度計測装置において、前記スイベルジョイントは、前記シャフトの外周面に前記ロータの開口端部を覆うカバー部材を備え、前記回転センサは、前記カバー部材の一部をセンサ収容体として前記シャフトに支持させたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上述した建設機械の旋回角度計測装置において、前記転動ローラの周面を前記被検出面に押圧する押圧手段を設けたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る建設機械の旋回角度計測装置は、中心孔を有したロータ及び前記ロータの中心孔に回転可能に配設したシャフトを備え、これら相対回転するロータ及びシャフトの間に渡って油を流通可能な油通路が設けられたスイベルジョイントと、前記シャフトに支持させ、前記ロータが相対的に回転した場合に前記ロータ及び前記シャフトの相対回転角度を検出する回転センサとを備え、建設機械の走行体に対して旋回体が旋回した場合に前記ロータと前記シャフトとが相対回転するように前記スイベルジョイントを配設し、前記ロータ及び前記シャフトを介して前記回転センサにより、前記走行体に対する前記旋回体の旋回角度を検出するようにした建設機械の旋回角度計測装置において、前記スイベルジョイントは、前記シャフトの外周面に前記ロータの開口端部を覆うカバー部材を備え、前記ロータの外周面に前記ロータの回転中心を軸心とした円周に沿う被検出面を設けるとともに、前記カバー部材に前記回転センサを支持させ、前記回転センサは、前記カバー部材に対して回転可能に配設し、外周面を介して前記ロータの被検出面を転動する転動ローラと、この転動ローラの回転変位を検出する検出部とを備え、さらに前記転動ローラの周面を前記被検出面に押圧する押圧手段を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、回転センサの検出対象となるロータもしくはシャフトに、ロータの回転中心を軸心とした円周に沿う被検出面を設け、回転センサとしてはロータ及びシャフトが相対回転した場合の被検出面の変位を検出するものを適用しているため、被検出面に対向する部位に回転センサを設ければ良く、シャフトやロータに対して複雑で強度に影響を与えるような加工を要することなく、旋回体の旋回角度を計測することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明の実施の形態である建設機械の旋回角度計測装置を示す断面図である。
【図2】図2は、図1に示した旋回角度計測装置の要部拡大断面側面図である。
【図3】図3は、図1に示した旋回角度計測装置の平面図である。
【図4】図4は、図1における矢視X図である。
【図5】図5は、図1に示した旋回角度計測装置を適用した建設機械を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る建設機械の旋回角度計測装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0018】
図1〜図4は、本発明の実施の形態である旋回角度計測装置を示したものである。ここで例示する旋回角度計測装置は、図5に示すように、パワーショベルやバックホー等の建設機械において下部走行体100に対する上部旋回体200の旋回角度を計測するためのものである。
【0019】
旋回角度計測装置の適用対象となる建設機械には、下部走行体100と上部旋回体200との間に旋回サークル300が設けてある。旋回サークル300は、互いに回転可能となる内外2つのサークル部301,302を備えて構成した環状部材である。この旋回サークル300は、内方サークル部301が下部走行体100に固定され、かつ外方サークル部302が上部旋回体200に固定されており、下部走行体100に対して上部旋回体200を鉛直方向に沿った軸心を中心として旋回させることが可能である。この建設機械には、下部走行体100と上部旋回体200との間にスイベルジョイント1が配設してある。
【0020】
スイベルジョイント1は、図1〜図4に示すように、中心孔11を有し上端が開口するとともに下端が閉塞したロータ10と、ロータ10の中心孔11に回転可能に配設したシャフト20とを備えて構成したものである。このスイベルジョイント1は、下部走行体100に対して上部旋回体200が旋回した場合に、ロータ10に対してシャフト20が回転するように、図5に示すように、シャフト20の回転中心を上部旋回体200の旋回中心に合致させた状態で、ロータ10を下部走行体100に取り付け、かつシャフト20を上部旋回体200に取り付けてある。
【0021】
図1〜図4に示すように、スイベルジョイント1には、ロータ10及びシャフト20の間に渡って複数の油通路30が設けてある。本実施の形態では、ロータ10に4つの環状油路部31A,31B,31C,31D及び4つのロータ側ポート部32A,32B,32C,32Dを設けるとともに、シャフト20に4つのシャフト側ポート部33A,33B,33C,33Dを設けることによって互いに独立した4つの油通路30A,30B,30C,30Dが構成してある。
【0022】
環状油路部31A,31B,31C,31Dは、図1に示すように、それぞれシャフト20の回転中心を軸心とした環状を成し、個々の内周がロータ10の中心孔11に開口するもので、互いの間に間隔を確保した状態でシャフト20の回転中心に沿って並設してある。ロータ側ポート部32A,32B,32C,32Dは、個々の環状油路部31A,31B,31C,31Dからロータ10の径方向に沿って延在したもので、図4に示すように、個々の延在端部がロータ10の外表面に開口している。シャフト側ポート部33A,33B,33C,33Dは、図3に示すように、シャフト20の回転軸心を中心とした円周上に等間隔に配設し、それぞれシャフト20の回転軸心に沿って延在したものである。シャフト側ポート部33A,33B,33C,33Dの基端部は、それぞれシャフト20の端面に開口している。シャフト側ポート部33A,33B,33C,33Dの先端部は、図2に示すように、それぞれシャフト20の径方向に沿って外方に屈曲した後、シャフト20の外周面に開口している。シャフト側ポート部33A,33B,33C,33Dがシャフト20の外周面に開口する位置は、シャフト20の回転中心に沿って互いにずれており、それぞれが個別の環状油路部31A,31B,31C,31Dに対向している。
【0023】
上記のように構成したスイベルジョイント1の油通路30A,30B,30C,30Dは、ロータ10に対してシャフト20が回転した場合にも、シャフト側ポート部33A,33B,33C,33Dにおいてシャフト20の外周面に開口する位置が対応する環状油路部31A,31B,31C,31Dに対向した状態に維持される。これにより、ロータ10に対するシャフト20の回転角度に関わらず、ロータ10の外周面に開口するロータ側ポート部32A,32B,32C,32Dとシャフト20の端面に開口するシャフト側ポート部33A,33B,33C,33Dとの間に常に油を流通させることが可能となる。図には明示していないが、ロータ10の外周面に開口するロータ側ポート部32A,32B,32C,32Dには、走行モータとの間に油を流通させる油圧配管101(図5)が接続され、またシャフト20の端面に開口するシャフト側ポート部33A,33B,33C,33Dには、油圧ポンプとの間に油を流通させる油圧配管201(図5)が接続される。尚、図2中の符号34は、ロータ10の中心孔11において各環状油路部31A,31B,31C,31Dの両側となる位置に配設したオイルシールである。
【0024】
図1及び図2に示すように、このスイベルジョイント1には、旋回角度計測装置を構成すべく、ロータ10の上端部に被検出面41が設けてあるとともに、シャフト20の外周面において被検出面41に隣接する部位にカバー部材50が設けてある。ロータ10の被検出面41は、ロータ10の上端部外周に中空円筒状のガイド部材40を装着することによってガイド部材40の外周面に構成したものである。この被検出面41は、シャフト20の回転中心を軸心とした円周に沿って設けてある。カバー部材50は、図3に示すように、平面視が多角形状を成し、嵌合孔51aを介してシャフト20の外周面に嵌合した基準プレート部51と、円筒状を成し、基準プレート部51においてロータ10側に位置する端面からガイド部材40を覆う態様で配設した外周カバー部52とを有したものである。このカバー部材50は、ロータ10の開口端部を覆うものである。外周カバー部52の下端部には、ロータ10の被検出面41との間に異物が進入するのを防止するためのダストシール部材53が設けてある。
【0025】
図1〜図4に示すように、カバー部材50には、その一部にセンサ収容体54が構成してある。センサ収容体54は、カバー部材50における外周カバー部52の一部から外方に膨出するように設けた中空部分であり、ロータ10の被検出面41に対向する部位にのみ開口している。図1に示すように、このセンサ収容体54には、プッシャ60、転動ローラ(回転センサ)70及び回転検出部(回転センサ)80が配設してある。
【0026】
図2に示すように、プッシャ60は、センサ収容体54の内部においてロータ10の被検出面41に近接離反する方向に沿って移動可能に配設した筒状部材である。このプッシャ60には、センサ収容体54を構成するカバー部材50との間にプッシャ60をロータ10の被検出面41に向けて常時押圧する押圧スプリング(押圧手段)61が介在させてある。
【0027】
転動ローラ70は、中心孔71にセンサシャフト72を嵌着したものであり、センサシャフト72の両端部とユニットケース73との間にそれぞれベアリング74を介在させることにより、ユニットケース73に回転可能に支持させてある。この転動ローラ70は、センサシャフト72の軸心がシャフト20の回転中心と平行となる状態で、ユニットケース73を介してプッシャ60とガイド部材40との間に位置する部位に支持させてある。図1からも明らかなように、転動ローラ70の外周面は、ユニットケース73から外部に露出しており、押圧スプリング61の押圧力により、プッシャ60、ユニットケース73、ベアリング74及びセンサシャフト72を介してロータ10の被検出面41に常時押圧された状態に維持されている。
【0028】
図1に示すように、回転検出部80は、センサシャフト72の端部に配設した永久磁石75の磁力に応じた電気信号を出力するもので、例えばホール素子によって構成してある。図には明示していないが、本実施の形態では、2つのホール素子をセンサシャフト72の回転方向に沿って90°位相をずらして配設し、これら位相が異なるホール素子からの2つの出力信号に基づいて、センサシャフト72の絶対角度及び回転方向を検出するように回転検出部80が構成してある。尚、図2中の符号90は、信号ケーブル91を接続するための端子台である。この端子台90には、上部旋回体200に搭載された図示せぬ制御手段との間に電気信号を送受信する信号ケーブル91が接続されている。
【0029】
上記のように構成した旋回角度計測装置では、図示せぬ旋回アクチュエータの駆動により下部走行体100に対して上部旋回体200が旋回すると、下部走行体100を基準とした場合、スイベルジョイント1のロータ10に対してシャフト20が同方向に同一角度だけ回転することになる。ロータ10に対してシャフト20が回転すると、ロータ10の被検出面41に押圧された転動ローラ70がロータ10及びシャフト20の相対回転角度に応じて回転し、転動ローラ70の回転変位が回転検出部80によって検出されて電気信号が出力される。
【0030】
ここで、上記の旋回角度計測装置によれば、押圧スプリング61の押圧力によって転動ローラ70がロータ10の被検出面41に押圧された状態となる。従って、ロータ10とシャフト20との間に多少のがたつきが発生した場合にも、常にロータ10及びシャフト20の相対回転変位に応じて転動ローラ70を回転させることが可能となり、下部走行体100に対する上部旋回体200の旋回角度を、より正確に検出することが可能となる。上述したように、ロータ10の中心孔11とシャフト20の外周面との間には、オイルシール34を介在させることが必須となり、ロータ10とシャフト20との間に隙間を設けなければならないため、ロータ10とシャフト20とのがたつきに応じて転動ローラ70が追従できる構成はきわめて有効である。
【0031】
これらの結果、回転検出部80から出力される電気信号に基づいて旋回アクチュエータ(図示せず)の駆動を制御すれば、下部走行体100に対して上部旋回体200を所望の旋回角度に正確に旋回させることが可能となる。
【0032】
しかも、上述の旋回角度計測装置では、ロータ10に設けたガイド部材40の外周面を被検出面41とし、この被検出面41を転動する転動ローラ70の回転変位を回転検出部80によって検出するように構成しているため、シャフト20やロータ10に対して複雑で強度に影響を与えるような加工を何ら施す必要がない。従って、加工の煩雑化及び強度上の問題を招来することなく、下部走行体100に対する上部旋回体200の旋回角度を正確に検出することが可能となる。
【0033】
尚、上述した実施の形態では、回転センサを構成する転動ローラ70及び回転検出部80をシャフト20に支持させるようにしているが、転動ローラ70及び回転検出部80をロータ10に支持させるように構成しても良い。この場合、被検出面41をシャフト20に設ける必要があるのはいうまでもない。また、スイベルジョイント1のロータ10を下部走行体100に支持させ、かつシャフト20を上部旋回体200に支持させるようにしているが、逆の態様でロータ10及びシャフト20を建設機械に搭載しても良い。
【0034】
さらに、上述した実施の形態では、ガイド部材40の外周面を被検出面41として構成したものを例示しているが、ガイド部材40の内周面を被検出面41として旋回角度計測装置を構成することも可能である。
【0035】
またさらに、上述した実施の形態では、回転センサとして被検出面41を転動する転動ローラ70を備えるとともに、転動ローラ70の回転変位を検出する回転検出部80を備えたものを例示しているが、必ずしもこれに限定されない。例えば、転動ローラを要することなく、ロータ及びシャフトが相対回転した場合の被検出面の変位を光学的に検出したり、磁気的に検出する検出部を設けて回転センサを構成することも可能である。尚、転動ローラ70の回転変位を検出する回転センサを適用した場合に上述した実施の形態では、センサシャフト72の端部に配設した永久磁石75の磁力に応じた電気信号を出力するものを例示しているが、転動ローラの回転変位を光学的に検出するように回転センサを構成しても構わない。
【符号の説明】
【0036】
1 スイベルジョイント
10 ロータ
11 中心孔
20 シャフト
30A,30B,30C,30D 油通路
40 ガイド部材
41 被検出面
50 カバー部材
51 基準プレート部
52 外周カバー部
53 ダストシール部材
54 センサ収容体
60 プッシャ
61 押圧スプリング
70 転動ローラ
75 永久磁石
80 回転検出部
100 下部走行体
200 上部旋回体
300 旋回サークル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心孔を有したロータ及び前記ロータの中心孔に回転可能に配設したシャフトを備え、これら相対回転するロータ及びシャフトの間に渡って油を流通可能な油通路が設けられたスイベルジョイントと、
前記ロータ及び前記シャフトのいずれか一方に支持させ、かつ他方を検出対象として前記ロータ及び前記シャフトの相対回転角度を検出する回転センサと
を備え、建設機械の走行体に対して旋回体が旋回した場合に前記ロータと前記シャフトとが相対回転するように前記スイベルジョイントを配設し、前記ロータ及び前記シャフトを介して前記回転センサにより、前記走行体に対する前記旋回体の旋回角度を検出するようにした建設機械の旋回角度計測装置において、
前記回転センサの検出対象となる前記ロータもしくは前記シャフトに前記ロータの回転中心を軸心とした円周に沿う被検出面を設け、前記回転センサには前記ロータ及び前記シャフトが相対回転した場合の前記被検出面の変位を検出する検出部を設けたことを特徴とする建設機械の旋回角度計測装置。
【請求項2】
前記ロータの外周面に前記被検出面を設けるとともに、前記シャフトに前記回転センサを支持させ、
前記回転センサは、外周面を介して前記ロータの被検出面を転動する転動ローラを備え、前記検出部は、前記転動ローラの回転変位を検出することを特徴とする請求項1に記載の建設機械の旋回角度計測装置。
【請求項3】
前記スイベルジョイントは、前記シャフトの外周面に前記ロータの開口端部を覆うカバー部材を備え、前記回転センサは、前記カバー部材の一部をセンサ収容体として前記シャフトに支持させたことを特徴とする請求項2に記載の建設機械の旋回角度計測装置。
【請求項4】
前記転動ローラの周面を前記被検出面に押圧する押圧手段を設けたことを特徴とする請求項2に記載の建設機械の旋回角度計測装置。
【請求項5】
中心孔を有したロータ及び前記ロータの中心孔に回転可能に配設したシャフトを備え、これら相対回転するロータ及びシャフトの間に渡って油を流通可能な油通路が設けられたスイベルジョイントと、
前記シャフトに支持させ、前記ロータが相対的に回転した場合に前記ロータ及び前記シャフトの相対回転角度を検出する回転センサと
を備え、建設機械の走行体に対して旋回体が旋回した場合に前記ロータと前記シャフトとが相対回転するように前記スイベルジョイントを配設し、前記ロータ及び前記シャフトを介して前記回転センサにより、前記走行体に対する前記旋回体の旋回角度を検出するようにした建設機械の旋回角度計測装置において、
前記スイベルジョイントは、前記シャフトの外周面に前記ロータの開口端部を覆うカバー部材を備え、
前記ロータの外周面に前記ロータの回転中心を軸心とした円周に沿う被検出面を設けるとともに、前記カバー部材に前記回転センサを支持させ、
前記回転センサは、前記カバー部材に対して回転可能に配設し、外周面を介して前記ロータの被検出面を転動する転動ローラと、この転動ローラの回転変位を検出する検出部とを備え、
さらに前記転動ローラの周面を前記被検出面に押圧する押圧手段を設けたことを特徴とする建設機械の旋回角度計測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−23865(P2013−23865A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−158341(P2011−158341)
【出願日】平成23年7月19日(2011.7.19)
【出願人】(000001236)株式会社小松製作所 (1,686)
【Fターム(参考)】