説明

旋盤

【課題】 分断されない連続形の切屑が工具やワークに絡み付くことを防止することができ、かつ切屑の後処理が容易な旋盤を提供する。
【解決手段】 旋盤は、ワークを回転自在に支持する主軸と、ワークを切削加工する加工手段10とを備える。加工手段10は、主軸に対し相対的に移動可能に設けられた移動部材12と、移動部材12に設けられ、複数の工具14のうちの任意の工具14を定められた加工位置に割り出す刃物台13とを有する。各工具14に、加工時に生じる切屑45を延びた状態にして移動部材12の側へ案内する工具側切屑案内手段21aを設ける。移動部材12に、加工位置に位置する工具14の工具側切屑案内手段21aの出口に入口が整合する移動部材側切屑案内手段21bと、この移動部材側切屑案内手段21bにより案内された切屑を切断する切屑切断手段22とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、旋盤に関し、特に切削加工により生じる切屑を処理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
旋盤の切削加工により生じる切屑は、螺旋状にカールしているため、工具やワークに絡み付きやすく、そのことが旋盤の自動化を阻害する大きな要因となっている。延性の低い材料からなるワークの切屑については、従来、チップブレーカを用いて切屑を分断処理することで、上記工具やワークへの絡付き防止に対して一定の成果が得られていた。しかし、チップブレーカは、切屑のカールをより一層強めることで、切屑を破壊、分断させるものであるため、例えば切込み量が少ない場合、切屑の可撓性が高く簡単にカールしてしまうことから、チップブレーカで分断するのが難しい。また、延性の高い材料からなるワークの切屑も、同様の理由から分断するのが難しい。そのため、可撓性の高い切屑に対する新たな対策が求められている。
【0003】
そこで本出願人は、工具のワーク接触部近傍に入口が位置し、工具やワークから離れて出口が位置する切屑の誘導路が形成された切屑案内具を設け、前記誘導路に入口から取り込んだ切屑を強制排出用流体により出口側へ強制的に排出させる切屑案内具付き工具を提案した(特許文献1)。この切屑案内具付き工具を用いると、切屑が誘導路を通って工具やワークから離れた位置へ排出されるため、切屑が工具やワークに絡み付くことなく良好に切削加工できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−120156号公報
【特許文献2】特開平4−63608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術によれば、工具やワークへの切屑の絡み付きは解消されるものの、切屑は分断されないまま切屑案内具の誘導路から排出されるため、その後の処理に課題を有する。つまり、誘導路の出口の近傍や下方に位置する芯押し台、加工手段等の他の構成要素に絡み付き等の悪影響を与える可能性がある。また、長く連なったままの切屑は、体積が大きいため、機外に排出されてからも処理に困る。
【0006】
この発明の目的は、分断されない連続形の切屑が工具やワークに絡み付くことを防止することができ、かつ切屑の後処理が容易な旋盤を提供することである。
この発明の他の目的は、切削加工により発生する切屑を工具のワーク接触部から離れた位置へ確実に排出することができるようにすることである。
この発明のさらに他の目的は、タレット旋盤に適用可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の旋盤は、ワークを回転自在に支持する主軸と、この主軸に支持されて回転するワークに対し相対的に移動してワークを切削加工する加工手段とを備える。加工手段は、前記主軸に対し相対的に移動可能に設けられた移動部材と、複数の工具が装着され、これら複数の工具のうちの任意の工具を定められた加工位置に割り出せるように位置変更可能に前記移動部材に設けられた刃物台とを有し、前記各工具に、加工時に生じる切屑を延びた状態にして前記移動部材の側へ案内する工具側切屑案内手段を設け、かつ前記移動部材に、前記加工位置に位置する前記工具の前記工具側切屑案内手段の出口に入口が整合する移動部材側切屑案内手段と、この移動部材側切屑案内手段により案内された切屑を切断する切屑切断手段とを設けた。
【0008】
この構成によると、主軸に回転自在に支持されたワークに対し、刃物台に支持された工具により切削加工を行う。移動部材に設けられた刃物台が主軸に対し相対的に移動することで、工具の送りと切込み量の調整を行う。切削加工時に発生する切屑は、工具側切屑案内手段により、延ばされた状態にして移動部材の側へ導かれる。それにより、切屑が工具やワークに絡み付くことを防止できる。さらに、工具側切屑案内手段の出口に入口が整合する移動部材側切屑案内手段により案内された切屑を、切屑切断手段により短く切断する。切屑は延ばされた状態になっているため、切屑切断手段による切屑の切断が良好に行われる。切屑を短く切断することにより、後の切屑の処理が容易になる。
【0009】
この発明において、例えば、前記工具側切屑案内手段は、入口が前記工具のワーク接触部の近傍に位置し、出口が前記移動部材の側に位置する切屑誘導路と、この切屑誘導路の途中部に一端が連通され、この一端から前記切屑誘導路内へ送り込まれる流体が切屑誘導路の出口側へ流れるようにした流体導入路とを有し、前記移動部材側切屑案内手段は、一端が前記加工位置に位置する前記工具の前記工具側切屑案内手段における前記流体導入路の他端に整合し、他端が強制排出用流体供給源に連通された流体供給路が設けられた構成とすることができる。
【0010】
この構成であると、或る工具が加工位置に割り出された場合、その工具の工具側切屑案内手段の流体導入路の他端が、移動部材側切屑案内手段の流体供給路の一端に連通される。それにより、強制排出用流体供給源から供給される強制排出用流体が、流体供給路と流体導入路を通って切屑誘導路内に送り込まれ、切屑誘導路内を出口側に流れる。この強制排出用流体の流れにより、切屑誘導路内の切屑が強制的に出口から排出される。このため、切屑を工具のワーク接触部から離れた位置へ確実に排出することができる。
【0011】
この発明において、前記移動部材は、前記主軸の軸心と平行な方向に移動可能、かつ前記主軸に対し接近および離反する方向に移動可能であり、前記刃物台は、前記主軸の軸心と平行な旋回軸回りに回転可能で、外周部に複数の前記工具装着部を有するタレット刃物台であっても良い。
【発明の効果】
【0012】
この発明の旋盤は、ワークを回転自在に支持する主軸と、この主軸に支持されて回転するワークに対し相対的に移動してワークを切削加工する加工手段とを備え、この加工手段は、前記主軸に対し相対的に移動可能に設けられた移動部材と、複数の工具が装着され、これら複数の工具のうちの任意の工具を定められた加工位置に割り出せるように位置変更可能に前記移動部材に設けられた刃物台とを有し、前記各工具に、加工時に生じる切屑を延びた状態にして前記移動部材の側へ案内する工具側切屑案内手段を設け、かつ前記移動部材に、前記加工位置に位置する前記工具の前記工具側切屑案内手段の出口に入口が整合する移動部材側切屑案内手段と、この移動部材側切屑案内手段により案内された切屑を切断する切屑切断手段とを設けたため、分断されない連続形の切屑が工具やワークに絡み付くことを防止することができ、かつ切屑の後処理が容易である。
【0013】
前記工具側切屑案内手段は、入口が前記工具のワーク接触部の近傍に位置し、出口が前記移動部材の側に位置する切屑誘導路と、この切屑誘導路の途中部に一端が連通され、この一端から前記切屑誘導路内へ送り込まれる流体が切屑誘導路の出口側へ流れるようにした流体導入路とを有し、前記移動部材側切屑案内手段は、一端が前記加工位置に位置する前記工具の前記工具側切屑案内手段における前記流体導入路の他端に整合し、他端が強制排出用流体供給源に連通された流体供給路が設けられている場合は、切削加工により発生する切屑を工具とワークの接触部から離れた位置へ確実に排出できる。
【0014】
前記移動部材を、前記主軸の軸心と平行な方向に移動可能、かつ前記主軸に対し接近および離反する方向に移動可能とし、前記刃物台を、前記主軸の軸心と平行な旋回軸回りに回転可能で、外周部に複数の前記工具装着部を有するタレット刃物台とすれば、この発明をタレット旋盤に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明の一実施形態にかかる旋盤の一部破断正面図である。
【図2】同旋盤の一部破断側面図である。
【図3】上側の加工手段用の切替連通型切屑案内手段および切屑切断手段を概略的に示す正面図である。
【図4】同切替連通型切屑案内手段および切屑切断手段を概略的に示す平面図である。
【図5】(A)は同切替連通型切屑案内手段および切屑切断手段を概略的に示す側面図、(B)は回転カッターの拡大側面図である。
【図6】同切替連通型切屑案内手段の工具側切屑案内手段の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
この発明の一実施形態を図面と共に説明する。図1はこの実施形態の一部破断正面図、図2はその一部破断側面図である。この旋盤は、ベッド1上に、正面視で左右方向に延びる主軸2が主軸台3を介して回転自在に設置され、この主軸2の軸心O1の延長線上に、芯押し台4に支持された回転センター5が設けられている。ワークWは、一端が主軸2の先端に設けられたチャック2aにより把持され、他端が回転センター5により支持される。主軸2は、サーボモータ等からなる主軸モータ6により、伝動機構7を介して回転駆動される。
【0017】
主軸2によるワークWの支持位置の上下に、一対の加工手段10が設けられている。各加工手段10は、移動部材である送り台11および昇降台12を介して、タレット型の刃物台13を移動可能に設置したものである。送り台11は、ベッド1に設けられた水平な案内1aに進退自在に設置され、昇降台12は、送り台11に設けられた垂直な案内11aに昇降自在に設置されている。送り台11および昇降台12は、それぞれサーボモータおよび送りねじ機構からなる駆動装置(図示せず)により、水平進退駆動および昇降駆動がなされる。送り台11の進退により、刃物台13のワークWに対する軸方向の送りがなされる。また、昇降台12の昇降により、刃物台13に設けた工具14のワークWに対する切込み量の調整がなされる。
【0018】
刃物台13は、多角形をした外周部に複数の工具装着部13aを有するタレット刃物台であり、主軸2の軸心O1と平行な旋回軸O2回りに旋回自在に、昇降台12に設置されている。工具装着部13aは、刃物台13の一部であってもよく、あるいは刃物台13とは別に設けられた工具ホルダであっても良い。各工具装着部13aには、それぞれ工具14が装着される。図示しない割出駆動機構により、旋回軸O2回りに刃物台13を旋回させることで、各工具装着部13aに装着された複数の工具14のうちの任意の工具14が定められた加工位置Pに割り出される。
【0019】
この旋盤は、全体が機体カバー15に覆われており、この機体カバー15内における主軸台3および刃物台13を設置した空間が加工領域Qとなる。この加工領域Qの底面は全体が、傾斜面のホッパー状部16に形成され、このホッパー状部16の底面の開口(図示せず)部分の下に一端17aが位置するチップコンベア17が、ベッド1の下面の前後に貫通した空間を介して旋盤の後方へ延びている。加工領域Qの前面は、機体カバー15に設けられた開閉扉18で開閉可能であり、この開閉扉18に、主軸2に対するワークWの搬入搬出の補助を行う搬入搬出補助機構19が設けられている。
【0020】
各加工手段10には、切替連通型切屑案内手段21と切屑切断手段22とが設けられている。切替連通型切屑案内手段21は、工具14ごとに設けられた工具側切屑案内手段21a(図3)と、移動部材である昇降台12に設けられた移動部材側切屑案内手段21b(図3)とでなる。切屑切断手段22は、昇降台12に設けられている。なお、図1には、上側の加工手段10用の切替連通型切屑案内手段21および切屑切断手段22だけを図示してある。
【0021】
図3、図4、図5(A)はそれぞれ、上側の加工手段10用の切替連通型切屑案内手段21および切屑切断手段22を概略的に示す正面図、平面図、および側面図である。これらの各図では、工具14ごとに設けられている複数の工具側切屑案内手段21aのうち、加工位置Pに位置する工具14に設けられている一つの工具側切屑案内手段21aだけが図示されている。なお、図例の工具14は、シャンク14aと、このシャンク14aの先端に取付けられたチップ14bとからなるバイトである。
【0022】
工具側切屑案内手段21aとして、工具14のシャンク14aにおけるチップ14bが取付けられている面と同じ面に、切屑案内部材23が取付けられている。この切屑案内部材23は、例えば図6に示すように、一端側が先細りになったブロック状で、その先細りの一端を工具14のワーク接触部の近傍に位置させて取付けられている。切屑案内部材23には、切屑誘導路24の案内部材内部分24aが形成されている。切屑誘導路24の案内部材内部分24aは、前記先細りの一端に開口する入口25から、この入口25と反対側の面まで続く。案内部材内部分24aにおける入口25に近接する一部分は、チップ14bのすくい面に対面して開口する溝部分24aaなっている。また、案内部材内部分24aに続いて案内部材外部分24bが形成され、その先端が切屑誘導路24の出口26とされている。出口26は、昇降台12の側に位置する。案内部材外部分24bは、切屑案内部材23に固定されたパイプ材27の内径孔からなる。
【0023】
また、切屑誘導路24の案内部材内部分24aの途中部には、後記強制排出用流体を切屑誘導路24内に導入するための流体導入路28の一端が連通されている。流体導入路28の切屑誘導路24に連通する部分は、強制排出用流体を切屑誘導路24の出口26側へ送り込む方向に向けられている。流体導入路28は、切屑案内部材23の内部に形成された案内部材内部分28aと、切屑案内部材23の外面と刃物台13の外周面間に設けたパイプ材29の内径孔からなるパイプ内部分28bと、このパイプ内部分28bに連通させて刃物台13の内部に径方向に沿い形成された刃物台内部分28c(図3)とでなる。刃物台13は、この刃物台13の中央部に挿入された昇降台12の刃物台内挿入部12aの外周面に嵌合状態で回転可能に摺接する内周面部を有し、前記刃物台内部分28cは、刃物台13の外周面から前記内周面部まで続いている。なお、前記刃物台内挿入部12aは、刃物台13の一部となるタレット非回転部分と呼ばれることがある。
【0024】
切替連通型切屑案内手段21の移動部材側切屑案内手段21bは、図3に示すように、昇降台12に固定した支持部材30に支持された切屑案内管31を備える。移動部材側切屑案内手段21bの入口となる切屑案内管31の一端は、加工位置Pにある工具14に設けられた工具側切屑案内手段21aの切屑誘導路24の出口26に整合する。切屑案内管31の他端は、切屑切断手段22の上方に位置する。加工位置Pにある工具14の切屑誘導路24と切屑案内管31とは密閉状態に接続する必要があり、そのための密閉接続手段(図示せず)を設けるのが望ましい。
【0025】
また、移動部材側切屑案内手段21bは、前記流体導入路28の刃物台内部分28cに連なる流体供給路32を備える。この流体供給路32は、昇降台12の内部に設けられ、一端が刃物台内挿入部12aの外周面に開口している。流体供給路32の開口端の周方向位置は、加工位置Pにある工具14の流体導入路28の刃物台内部分28cと整合する位置とされている。流体供給路32の他端は、強制排出用流体供給源33に連通されている。強制排出用流体は、例えばエアである。
【0026】
切屑切断手段22は、前記支持部材30に支持されて切屑案内管31の先端の下方に設けられ、切替連通型切屑案内手段21により案内されてきた切屑を短く切断する手段である。図3〜図5に図示の切屑切断手段22は、刃物回転型であって、フレーム40に互いに平行な一対のカッター軸41A,41Bが水平姿勢で回転自在に支持され、各カッター軸41A,41Bにそれぞれ複数の回転カッター42が、軸方向に交互に位置をずらして取付けられている。回転カッター42は、図5(B)に示すように、円板状部42aの外周に複数の刃部42bが形成されたものである。一方のカッター軸42Aの一端にはモータ等の回転駆動源43の回転軸(図示せず)が連結され、両カッター軸42A,42Bは他端側にそれぞれ取付けた一対のギア44A,44Bにより互いに伝動可能に連結されている。
【0027】
回転駆動源43を駆動すると、一対のカッター軸42A,42Bが互いに逆方向に回転する。切屑を切断する場合は、回転カッター42の刃部42bが一対のカッター軸42A,42B間で下向きに移動するように、カッター軸42A,42Bを回転させる。これにより、切屑案内管31から排出される切屑45を、両カッター軸42A,42Bの回転カッター42で咬合して破砕することで切断する。
【0028】
下側の加工手段10用の切替連通型切屑案内手段21および切屑切断手段22も、上記と同様の構成である。切屑案内手段21の強制排出用流体供給源33は、上側の加工手段10用と下側の加工手段10用とで共用であって良い。
【0029】
この旋盤は、主軸2に回転自在に支持されたワークWに対し、刃物台13に支持された工具14により切削加工を行う。切削加工時に発生する切屑45は、工具14のワーク接触部の近傍に位置する入口25より切屑誘導路24内に吸い込まれて、延ばされた状態になって前記ワーク接触部から離れる側へ案内される。それにより、切屑45が工具14やワークWに絡み付くことを防止できる。切屑誘導路24には強制排出用流体供給源33により供給される強制排出用流体が出口26側に吹き込まれているので、その負圧で切屑45が切屑誘導路24内に吸い込まれる。
【0030】
切屑誘導路24内に吸い込まれた切屑45は、強制排出用流体と共に送られて、出口26から強制的に排出される。さらに、切屑45は、切屑誘導路24の出口26と一端が整合する切屑案内管31を通って切屑切断手段22の上方に排出されて、切屑切断手段22により短く切断される。切屑45は延ばされた状態になっているため、切屑切断手段22による切屑45の切断が良好に行われる。
【0031】
切断された切屑45aは、切屑切断手段22の下方に落下する。そのため、加工領域Q内の芯押し台4や加工手段10に切屑45が絡み付くのを防止できる。切断された切屑45aは、加工領域Qの底面に形成されたホッパー状部16に受けられ、さらにこのホッパー状部16の底面の開口からチップコンベア17の一端17aの上に案内される。そして、このチップコンベア17により機外へ排出される。切屑45が細かく切断されているため、後の処理が容易である。
【符号の説明】
【0032】
2…主軸
10…加工手段
11…送り台(移動部材)
12…昇降台(移動部材)
13…刃物台
13a…工具装着部
14…工具
21…切替連通型切屑案内手段
21a…工具側切屑案内手段
21b…移動部材側切屑案内手段
22…切屑切断手段
24…切屑誘導路
25…入口
26…出口
28…流体導入路
32…流体供給路
33…強制排出用流体供給源
45…切屑
O1…主軸の軸心
O2…旋回軸
P…加工位置
Q…加工領域
W…ワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを回転自在に支持する主軸と、この主軸に支持されて回転するワークに対し相対的に移動してワークを切削加工する加工手段とを備え、
この加工手段は、
前記主軸に対し相対的に移動可能に設けられた移動部材と、複数の工具が装着され、これら複数の工具のうちの任意の工具を定められた加工位置に割り出せるように位置変更可能に前記移動部材に設けられた刃物台とを有し、
前記各工具に、加工時に生じる切屑を延びた状態にして前記移動部材の側へ案内する工具側切屑案内手段を設け、かつ前記移動部材に、前記加工位置に位置する前記工具の前記工具側切屑案内手段の出口に入口が整合する移動部材側切屑案内手段と、この移動部材側切屑案内手段により案内された切屑を切断する切屑切断手段とを設けた、
旋盤。
【請求項2】
前記工具側切屑案内手段は、入口が前記工具のワーク接触部の近傍に位置し、出口が前記移動部材の側に位置する切屑誘導路と、この切屑誘導路の途中部に一端が連通され、この一端から前記切屑誘導路内へ送り込まれる流体が切屑誘導路の出口側へ流れるようにした流体導入路とを有し、前記移動部材側切屑案内手段は、一端が前記加工位置に位置する前記工具の前記工具側切屑案内手段における前記流体導入路の他端に整合し、他端が強制排出用流体供給源に連通された流体供給路を有する請求項1記載の旋盤。
【請求項3】
前記移動部材は、前記主軸の軸心と平行な方向に移動可能、かつ前記主軸に対し接近および離反する方向に移動可能であり、前記刃物台は、前記主軸の軸心と平行な旋回軸回りに回転可能で、外周部に複数の前記工具装着部を有するタレット刃物台である請求項1または請求項2記載の旋盤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−56020(P2012−56020A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−201703(P2010−201703)
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】