説明

既設基礎の補強構造

【課題】増設フーチングが必須ではなく、施工に手間がかからず、かつ施工時間を短縮することのできる既設基礎の補強構造を提供する。
【解決手段】既設フーチング12を有する既設基礎10の補強構造1であって、頭部に杭頭コンクリート23が充填される鋼管杭からなる複数の増し杭21を既設フーチング12の外周に構築し、複数の接合部30をもって既設フーチング12の側面12sに横梁24を接合し、増し杭21の上面21uから突出する態様で杭頭コンクリート23に埋設されて増し杭21に一体化される連結部材25を横梁24に接合することで、増し杭21と既設フーチング12とを直接接合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フーチングを有する既設基礎の補強構造に関する。
【背景技術】
【0002】
大型の構造物では、地盤中に打設した杭の上部にフーチングを設けた杭基礎が多く採用されている。フーチングは、上部構造物の荷重を杭に伝達するものであり、比較的大きな厚さとされることが多い。既設基礎は、設計当初においては、構造物の重量や地震時荷重に対して十分な耐力を有するように設計されているが、上部構造物の荷重の増大や供用後の耐震設計基準の改定により所要の地震時耐力などの確保が困難となることがある。このような場合には、既設基礎の補強工事が必要となる。
【0003】
ところが、フーチングを有する基礎の場合、フーチングの下方に新たな杭を設けることは困難である。そこで、既設フーチングの周囲に増し杭を構築し、既設フーチングの外周に構築した増設フーチングなどによって増し杭と既設フーチングとを連結する補強構造が採用されることがある(特許文献1の従来技術参照)。
【0004】
また、フーチング基礎の補強方法として、既設フーチングの外周部をウォータージェットなどではつって横方向主鉄筋の先端部を露出させ、既設フーチングの外周に増し杭を打設するとともに、荷重伝達が可能なように横方向主鉄筋に増設鉄筋を配置したうえで、増し杭を上方から覆うように既設フーチングの外周に増設フーチングを構築する発明が提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−339894号公報
【特許文献2】特開平8−296209号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のように増設フーチングによって増し杭と既設フーチングとを連結する補強構造では、既設フーチングと増設フーチングとを接合するために、既設フーチングの側面に多数のアンカー筋などのせん断負担材を設ける必要があり、施工に手間がかかる。また、増し杭と既設フーチングとを連結するためには増設フーチングが必須となる。
【0007】
また、特許文献2の発明では、増設フーチングが必須であるだけでなく、はつり作業に手間がかかる。特に、荷重伝達が可能なように横方向主鉄筋を露出させるためには既設フーチングの側面を相当な厚さで全周にわたってはつる必要があるため、施工に多大な時間を要する。
【0008】
本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、増設フーチングが必須ではなく、施工に手間がかからず、かつ施工時間を短縮することのできる既設基礎の補強構造を提供することをその主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、フーチング(12)を有する既設基礎(10)の補強構造(1)であって、前記フーチングの外周に構築され、頭部に杭頭コンクリート(23)が充填される鋼管杭からなる複数の増し杭(21)と、前記フーチングの側面(12s)に複数の接合部(30)をもって接合された横梁(24)と、前記増し杭の上面(21u)から突出する態様で前記杭頭コンクリートに埋設されて前記増し杭に一体化され、前記横梁に接合された連結部材(25)とを有するように構成する。
【0010】
このような構成とすることにより、増設フーチングを必須とすることなく、増し杭とフーチングとを連結部材および横梁を介して直接接合することができる。そして、増し杭の構築位置が多少ずれたとしても、連結部材が鋼管内に納まる範囲の施工誤差であれば、設置済みの横梁に連結部材を接合した状態で杭頭コンクリートを打設するだけで施工誤差を吸収することができるため、施工に手間がかからず、施工時間を短縮することができる。
【0011】
また、本発明の一側面によれば、前記横梁は、少なくとも2つの前記接合部(30b)において、前記フーチングに略水平に設けた貫通孔(33)に挿通されてその端部(32a)が前記横梁に定着されるPC鋼材(32)によって前記フーチングの側面に摩擦接合され、前記PC鋼材は、前記フーチングにおける相反する側面に位置する一対の前記接合部(30b)にその両端が定着された構成とすることができる。
【0012】
この構成によれば、PC鋼材による摩擦接合により、少ない接合箇所で確実に横梁をフーチングの側面に接合することができる。また、PC鋼材が水平方向の圧縮力をフーチングに付与することで、フーチングにプレストレスが導入されるため、フーチングの鉄筋応力度を低減できる。
【0013】
また、本発明の一側面によれば、前記横梁は、前記連結部材の近傍の接合部(30a)において、前記フーチングに略水平に設けたアンカーボルト(31)によって前記フーチングの側面に締結され、前記連結部材は、ボルト(26)によって前記横梁に締結された構成とすることができる。
【0014】
横梁における連結部材の近傍では連結部材を接合するためにPC鋼材を設置しにくいが、この構成によれば、アンカーボルトを用いることによって連結部材の近傍にも接合部を設け、フーチングの荷重を効率よく連結部材に伝達させることができる。また、連結部材と横梁とをボルトで接合すれば済むため、連結作業が容易であり、施工時間も短縮できる。
【0015】
また、本発明の一側面によれば、前記増し杭を上方から覆うように前記フーチングの外周に構築され、前記横梁および前記連結部材を埋没させる増設フーチング(22)を更に有し、前記PC鋼材の端部に連結され、前記増設フーチングの側面(22s)近傍にて定着される延長PC鋼材(36)を更に有する構成とすることができる。
【0016】
この構成によれば、横梁および連結部材が増設フーチングに埋設されるため、これらの腐食や損傷を防止することができる。また、延長PC鋼材が増設フーチングにも設けられたことにより、既設フーチングと増設フーチングとの打継面にプレストレスが導入されるため、せん断伝達耐力が向上し、既設フーチングと増設フーチングとを確実に一体化させることができる。
【0017】
また、本発明の一側面によれば、前記増設フーチングは、前記フーチングの上方にも構築された構成とすることができる。
【0018】
増し杭によって支持力が増大するとともに、フーチング中心から支持位置(増し杭)までの距離が大きくなることにより、フーチングに生じる応力が大きくなるが、この構成によれば、フーチングのせん断耐力および曲げ耐力を増強することができる。
【発明の効果】
【0019】
このように本発明によれば、増設フーチングが必須ではなく、施工に手間がかからず、かつ施工時間を短縮することのできる既設基礎の補強構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る既設基礎の補強構造の平面図
【図2】図1中のII−II断面図
【図3】図1中のIII−III断面図
【図4】図3の部分拡大図
【図5】図1中のV−V断面拡大図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明に係る既設基礎10の補強構造1および既設基礎10の補強方法の実施形態について詳細に説明する。なお、煩雑になるのを避けるために各図においてコンクリート構造体部分のハッチングを省略するとともに、図1においては増設フーチング22を透視した状態で示している。また、以下の説明では、既設のものと増設するものとを区別するために、杭やフーチングなどの各名称の前にそれぞれ「既設」または「増設」若しくは「増し」を付し、既設と増設とを含んで総称的に指し示す場合には、名称に何も付さずに単に「フーチング2」などと記すものとする。
【0022】
図1〜図3に示すように、既設基礎10は、上部構造体である橋脚4の基礎であり、ここでは4本の既設杭11と、これらの既設杭11の頭部を連結するように設けられた既設フーチング12とを有している。既設フーチング12は、平面視で正方形を呈する略直方体形状をしており、平面における図形の中心部に橋脚4が一体に構築されている。各既設杭11は、既設フーチング12の四隅近傍に配置されている。なお、既設基礎10は、既設フーチング12を有しているものであればよく、既設杭11を有していなくてもよい。
【0023】
本発明に係る補強構造1は、既設基礎10を補強すべく増設されたものであり、既設フーチング12の外周に構築され、頭部に杭頭コンクリート23(図4参照)が充填される鋼管杭からなる複数(ここでは20本)の増し杭21(21Cおよび21S)と、既設フーチング12の4つの側面12sに複数(ここでは、橋軸方向に向く面で各10箇所、橋軸直角方向に向く面で各8箇所。)の接合部30(30aおよび30b)をもって接合された溝形鋼からなる4本の横梁24と、増し杭21の上面21uから突出する態様で杭頭コンクリート23に埋設されて増し杭21に一体化されるとともに、横梁24に接合されたH形鋼からなる連結部材25と、増し杭21を上方から覆うように既設フーチング12の外周に構築され、横梁24および連結部材25を埋没させる増設フーチング22とを有している。
【0024】
増し杭21は、図示しない下端が所定の根入れ長さをもって支持地盤に突入し、上端が既設杭11と同様に既設フーチング12の下面12lよりも若干高い位置になる長さとされている。ここでは、補強によるフーチング2の拡張寸法を可及的に小さくするために、増し杭21の断面寸法が既設杭11の断面寸法に比べて小さくされ、その分、増し杭21の本数が比較的多くされている。増し杭21は、平面視で正方形をなして既設フーチング12を取り囲むように、既設フーチング12の外周(側面12s)に沿って等間隔に配置されており、四隅に配置される4本の増し杭21(以下、隅杭21Cと称する。)と、既設フーチング12の側面12sに対峙する隅杭以外の16本の増し杭21(以下、側杭21Sと称する。)とから構成される。
【0025】
各横梁24は、SS400などの鋼材からなる溝形鋼からなり、既設フーチング12の高さ方向の中心線Ch近傍の同一高さ位置(ここでは、横梁24の高さ方向の中心が既設フーチング12の高さ方向の中心線Chよりも若干低くなる位置)にそれぞれ水平に配置されている。各横梁24は、既設フーチング12の隅部で相互に干渉しないように、既設フーチング12の側面12sの水平方向長さよりも若干短くされている。
【0026】
横梁24は、増し杭21に対応して増し杭21の近傍に配置された4箇所の第1接合部30aと、それ以外の6箇所の第2接合部30bをもって既設フーチング12の側面12sに接合されている。第1接合部30aでは、図4に示すように、横梁24は、既設フーチング12に打設された雄ねじを有する4本のアンカーボルト31により既設フーチング12に締結されている。
【0027】
一方、第2接合部30bでは、図5に示すように、横梁24は、既設フーチング12の側面12sに直交するPC鋼棒32によって既設フーチング12の側面12sに摩擦接合されている。PC鋼棒32は、コアドリルなどによって既設フーチング12の互いに平行な一対の側面12sに直交状態で開口するように水平に穿設された貫通孔33に挿通されており、所定の緊張具により緊張された状態でその端部32aが固定具または定着具34によってそれぞれ横梁24に定着されることで、横梁24を介して既設フーチング12に圧縮のプレストレスを導入している。
【0028】
なお、ここでは既設フーチング12が平面視で正方形を呈しているため、PC鋼棒32の延在方向は、橋軸方向および橋軸直角方向の2方向となっている。橋軸方向に延在するPC鋼棒32と橋軸直角方向に延在するPC鋼棒32とは、平面視で互いに交差し得るように、貫通孔33が接触しない程度に異なる高さにて2段に配置されている。
【0029】
連結部材25は、図1および図4に示すように、増し杭21の内部に挿入可能な断面寸法とされており、増し杭21のうち上方に横梁24が位置する側杭21Sに設置される。各連結部材25は、平面視で増し杭21の略中央に配置された状態で、下部が増し杭21の杭頭コンクリート23に埋設されるとともに、上部が複数の(ここでは4組の)ボルト・ナット26により横梁24に締結されている。なお、横梁24には、連結部材25(増し杭21)に対応する位置に、ボルト挿通孔が形成されて溝形鋼の溝を塞ぐ連結プレート24aが溶接されるとともに、連結プレート24aの幅方向の中央部に、横梁24の内面(溝)に適合する形状のスチフナ24bが溶接されている。
【0030】
増し杭21の杭頭コンクリート23は、連結部材25の下端よりも深い位置から増し杭21の上面21uまで構築されており、連結部材25から伝達される既設フーチング12の荷重が杭頭コンクリート23を介して増し杭21に確実に伝達されるようになっている。なお、連結部材25の下部外面や増し杭21の内面にスタッドボルトなどの抵抗手段を設けてもよい。
【0031】
増し杭21のうち上方に横梁24が位置しない隅杭21Cでは、詳細な図示は省略するが、隅杭21Cの上面21uから突出する一般的な鉄筋籠を杭頭部に設置された状態で杭頭コンクリート23を打設され、増設フーチング22と一体化される。
【0032】
増設フーチング22は、既設フーチング12の下面12lと同一高さから構築されることで、増し杭21の頭部を巻き込み、既設フーチング12の上面12uよりも高い位置まで構築されることで、フーチング2の高さをより大きなものとしている。なお、増設フーチング22との接合面となる既設フーチング12の側面12sおよび上面12u並びに橋脚4の下部側面は、チッピングなどによって表面が粗に処理されている。
【0033】
既設フーチング12の側面12sのうち横梁24と接合する部分は、直接横梁24を面接触させるために、ここでは表面処理を行っていないが、横梁24との密着度を高めるために、表面を粗に処理したうえで横梁24との隙間に無収縮モルタルなどを充填するようにしてもよい。
【0034】
図5に示すように、PC鋼棒32の端部32aにはカプラー35が連結され、さらにカプラー35のPC鋼棒32が連結された側と反対側には、PC鋼棒32と同軸に延在する延長PC鋼棒36の一端が連結されている。延長PC鋼棒36は、他端が定着体37によって増設フーチング22にその側面22s近傍にて定着されることで、増設フーチング22に圧縮のプレストレスを導入している。
【0035】
上記構成の既設基礎10の補強方法は次の通りである。まず、既設基礎10に影響を与えないように中堀工法などによって既設フーチング12の外周に鋼管杭を地盤中に打ち込んで増し杭21を構築する。また、既設フーチング12には、コアボーリングなどによって貫通孔33を穿設し、貫通孔33内にPC鋼棒32をセットする。既設フーチング12の側面12sおよび上面12uをチッピングなどによって粗面にするとともに、既設フーチング12の側面12sに削孔してアンカーボルト31を固定する。次に、横梁24をアンカーボルト31で既設フーチング12の側面12sに締結する。また、PC鋼棒32を緊張してその端部32aを定着具34で横梁24に定着し、既設フーチング12に水平方向のプレストレスを導入する。さらに、増し杭21の杭頭部に連結部材25の下部を挿入した状態で連結部材25の上部をボルト・ナット26により横梁24に締結し、杭頭コンクリート23を打設する。その後、PC鋼棒32の端部32aにカプラー35および延長PC鋼棒36を連結して増設フーチング22を構築し、増設フーチング22のコンクリートが硬化した後、延長PC鋼棒36を緊張して定着体37で増設フーチング22の側面22s近傍に定着し、増設フーチング22に水平方向のプレストレスを導入する。
【0036】
このようにして構成された既設基礎10の補強構造1および補強方法によれば、増し杭21と既設フーチング12とが連結部材25および横梁24を介して直接接合される。そのため、増設フーチング22を必須とすることなく既設基礎10を補強することができる。そして、増し杭21と既設フーチング12とを直接接合する形態であるため、増し杭21を既設フーチング12に近接配置することができるため、補強による既設基礎10の拡張寸法が小さく、用地を確保できない場合や構造物などが近接して存在する場合などにも適用が可能である。
【0037】
また、増し杭21の構築位置が多少ずれたとしても、連結部材25が鋼管内に納まる範囲の施工誤差であれば、設置済みの横梁24に連結部材25を接合した状態で杭頭コンクリート23を打設するだけで施工誤差を吸収することができるため、施工に手間がかからず、施工時間を短縮することができる。
【0038】
また、横梁24が複数の第2接合部30bにおいてPC鋼棒32によって既設フーチング12の側面12sに摩擦接合されたことにより、少ない接合箇所で確実に横梁24が既設フーチング12の側面12sに接合される。そして、PC鋼棒32の両端が一対の第2接合部30bにて横梁24に定着されて既設フーチング12に圧縮のプレストレスを導入したことにより、既設フーチング12の鉄筋応力度が低減される。
【0039】
また、横梁24における連結部材25の近傍では連結部材25を接合するためにPC鋼棒32を設置しにくいが、連結部材25近傍の第1接合部30aにおいては、アンカーボルト31によって横梁24が既設フーチング12に締結され、連結部材25がボルト・ナット26によって横梁24に締結されたことにより、連結部材25の近傍にも横梁24と既設フーチング12との接合部30が設けられ、既設フーチング12の荷重が効率よく連結部材25に伝達される。また、連結部材25と横梁24との接合がボルト・ナット26により行われるため、短い施工時間で連結作業を容易に行うことができる。
【0040】
さらに、既設フーチング12の外周に増設フーチング22構築されたことにより、横梁24および連結部材25がコンクリートに覆われて、腐食したり損傷を受けたりしなくなる。そして、延長PC鋼棒36が増設フーチング22の側面22s近傍にて定着されたことにより、既設フーチング12と増設フーチング22との打継面にプレストレスが導入されるため、せん断伝達耐力が向上し、既設フーチング12と増設フーチング22とが確実に一体化する。
【0041】
加えて、増し杭21によってフーチング2の支持力が増大するとともに、フーチング2に生じる応力が大きくなるが、増設フーチング22が既設フーチング12の上方にも構築されたことにより、フーチング2のせん断耐力および曲げ耐力が増強する。
【0042】
以上で具体的実施形態についての説明を終えるが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、橋脚4の既設基礎10に本発明を適用しているが、それ以外の構造物の下部構造の基礎に適用してもよい。また、上記実施形態では、増設フーチング22を構築しているが、横梁24や連結部材25の腐食や損傷の問題がなければ、増設フーチング22を構築しない形態とすることもできる。また、上記実施形態では、既設フーチング12が平面視正方形を呈しているが、長方形や多角形、円形、トラック形状など、異なる形状であってもよい。この他、各部材の具体的形状や、配置、数量などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。また、上記実施形態に示した本発明に係る既設基礎10の補強構造1の各構成要素および既設基礎10の補強方法の各ステップは、必ずしも全てが必須ではなく、少なくとも本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。
【符号の説明】
【0043】
1 補強構造
10 既設基礎
12 既設フーチング
12s 側面
21 増し杭
21u 上面
22 増設フーチング
22s 側面
23 杭頭コンクリート
24 横梁
25 連結部材
26 ボルト・ナット
30 接合部
30a 第1接合部
30b 第2接合部
31 アンカーボルト
32 PC鋼棒
33 貫通孔
36 延長PC鋼棒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フーチングを有する既設基礎の補強構造であって、
前記フーチングの外周に構築され、頭部に杭頭コンクリートが充填される鋼管杭からなる複数の増し杭と、
前記フーチングの側面に複数の接合部をもって接合された横梁と、
前記増し杭の上面から突出する態様で前記杭頭コンクリートに埋設されて前記増し杭に一体化され、前記横梁に接合された連結部材と
を有することを特徴とする既設基礎の補強構造。
【請求項2】
前記横梁は、少なくとも2つの前記接合部において、前記フーチングに略水平に設けた貫通孔に挿通されてその端部が前記横梁に定着されるPC鋼材によって前記フーチングの側面に摩擦接合され、
前記PC鋼材は、前記フーチングにおける相反する側面に位置する一対の前記接合部にその両端が定着されたことを特徴とする、請求項1に記載の既設基礎の補強構造。
【請求項3】
前記横梁は、前記連結部材の近傍の接合部において、前記フーチングに略水平に設けたアンカーボルトによって前記フーチングの側面に締結され、
前記連結部材は、ボルトによって前記横梁に締結されたことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の既設基礎の補強方法。
【請求項4】
前記増し杭を上方から覆うように前記フーチングの外周に構築され、前記横梁および前記連結部材を埋没させる増設フーチングを更に有し、
前記PC鋼材の端部に連結され、前記増設フーチングの側面近傍にて定着される延長PC鋼材を更に有することを特徴とする、請求項2または請求項3に記載の既設基礎の補強方法。
【請求項5】
前記増設フーチングは、前記フーチングの上方にも構築されたことを特徴とする、請求項4に記載の既設基礎の補強方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−96176(P2013−96176A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−241518(P2011−241518)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(000174943)三井住友建設株式会社 (346)
【Fターム(参考)】