説明

既設管の改築推進工法および装置

【課題】発進側に設置する推進装置等の機械設備を既存のマンホールを利用して設置することができ、到達立坑を構築することなく既設管を改築できるようにする。
【解決手段】既設管100の中に発進側マンホール10から到達側マンホール12まで延びるガイド管18を挿入し、ガイド管18を推進経路の基準となる計画線上に位置決めする。到達側マンホール12に土砂を排土するスクリュー22をガイド管18の管内に装入するとともに、更新管120および先導管14を推進する推力を発生する推進装置16と、カッターヘッド2とスクリュー20を同時に駆動する駆動装置を内蔵した先導管14とを発進側マンホール10に搬入し、先導管14にスクリュー22を連結して推進装置を組み立てる。既設管100をカッターヘッド20で破砕しつつ土砂をスクリュー22によりガイド管18内を移送して到達マンホール12に排土しながら先導管14と更新管120を推進する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、老朽化した下水道管等の既設管を開削せずに新しい管に更新する既設管の改築推進工法およびこの工法を実施するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下水道管等の既設管は、経年変化により老朽化が進行したり、地震や地盤の影響で劣化して継続使用に支障が出てくることがある。このような老朽化しあるいは劣化した既設管は、適時に新たな管に交換する必要がある。
【0003】
従来、既設管の更新は、地表を開削して既設管を掘り出してから、更新管を埋設し直していた。近時では、開削することなく、地中に埋まっている既設管を破砕しながら、同時に更新管を推進する改築推進工法が普及している(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
そこで、図11を参照して、従来の改築推進工法について説明する。
この図11において、参照番号12はマンホールを示し、100は下水道管として用いられていた既設管を示す。
【0005】
老朽化した既設管100を更新するには、まず、発進立坑200を掘削し、この発進立坑200に更新管120を推進するための推進機16を設置している。
この推進機16では、スクリュー22の先端に、既設管100を破砕するためのカッターヘッド20が取り付けられており、カッターヘッド20のカッタで既設管を破砕し、その破片および土砂はスクリュー22で発進立抗200に移送される。
【0006】
既設管100の破砕と同時に、推進機16は、更新管120に推進力を与え、破砕された既設管100の長さ分だけ更新管120を押し込んでいく。更新管120を継ぎ足しながら推進していくことで、既設管100を更新管120に入れ替えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−038485号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の改築推進工法では、推進機のような機械設備は発進立坑に集中して設置されているため、通常、既設のマンホールでは、推進機を設置するには大きさが足りず、マンホールを撤去してそこに発進立坑を構築したり、管路の途中に発進立坑を新たに構築しなければならなかった。しかも、発進立坑に設置する機械設備は複雑で大型になるので、大きな発進立坑を構築できる場所も限られる上、その構築に多額の費用がかかっていた。
【0009】
他方、到達側は、既存のマンホール12を利用しているが、このマンホール12の空間には、これといった設備は設置されておらず有効に活用されていなかった。
【0010】
そこで、本発明の目的は、前記従来技術の有する問題点を解消し、発進側に設置する推進装置等の機械設備を既存のマンホールを利用して設置することができ、到達立坑を構築することなく既設管を改築できるようにした既設管の改築推進方法および装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記の目的を達成するために、本発明は、新しい更新管に先行させる先導管に設けたカッターヘッドで地中に埋設された既設管を破砕しながら同時に前記更新管を推進する既設管の改築推進工法において、前記既設管の中に発進側マンホールから到達側マンホールまで延びるガイド管を挿入し、前記ガイド管を推進経路の基準となる計画線上に位置決めする工程と、前記到達側マンホールに土砂を排土するスクリューを前記ガイド管の管内に装入するとともに、前記更新管および先導管を推進する推力を発生する推進装置と、カッターヘッドと前記スクリューを同時に駆動する駆動装置を内蔵した先導管とを前記発進側マンホールに搬入し、前記先導管に前記スクリューを連結して推進装置を組み立てる工程と、前記既設管をカッターヘッドで破砕しつつ土砂を前記スクリューにより前記ガイド管内を移送して前記到達マンホールに排土しながら前記先導管と更新管を前記推進装置により推進する工程と、からなることを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明は、新しい更新管に先行させる先導管に設けたカッターヘッドで地中に埋設された既設管を破砕しながら同時に前記更新管を推進する既設管の改築推進装置において、前記更新管および先導管を推進する推力を発生する推進装置を発進側マンホールに配置するとともに、推進経路の基準となる計画線上に固定され、到達側マンホールまで延びるガイド管の後端部を前記カッターヘッドに連結し、前記ガイド管の管内に前記カッターヘッドで掘削した土砂を前記到達側マンホールに排土するスクリューを装入し、前記カッターヘッドと前記スクリューを同時に駆動する駆動装置を前記先導管の先端部に配置したことを特徴とするものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明による改築推進装置の一実施形態を示す断面図である。
【図2】発進側マンホールに設置された推進装置の平面図である。
【図3】図2におけるIII-III矢視図である。
【図4】本発明の一実施形態による改築推進装置の備える先導管の構成を示す断面図である。
【図5】本発明による改築推進工法が適用される曲がりのある既設管の埋設状況を示す断面図である。
【図6】既設管内にガイド管を計画線にそって位置決めする工程を示す断面図である。
【図7】先導管の推進を開始した状況を示す断面図である。
【図8】先導管のカッターヘッドにおける排土作用を示す縦断面図である。
【図9】先導管のカッターヘッドにおける排土作用を示す横断面図である。
【図10】真っ直ぐな既設管内にガイド管を計画線にそって位置決めする工程を示す断面図である。
【図11】従来の改築推進装置の構成を示す縦断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明による既設管の改築推進方法および装置の一実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態による改築推進装置の全体構成を示す図である。図1において、参照番号100は、改築対象となる既設管である老朽化した下水管を示している。参照番号120は、既設管100と入れ替えられることになる更新管を示している。参照番号10は、改築工法の起点となる発進側の既存のマンホールである。参照番号12は、到達側の既存のマンホールを示している。
【0015】
本実施形態による改築推進装置は、先導管14と、この先導管14の推進力を発生する推進装置16と、先導管14の先端に接続され到達側マンホール12まで延び、先導管14の案内となるとともに土砂の排土通路となるガイド管18と、を備えている。先導管14は、更新管120の先端に接続されており、この更新管120の後端は推進装置16に接続されている。先導管14の先端には、カッターヘッド20が設けられている。ガイド管18の内部には、カッターヘッド20によって掘削された土砂および既設管100の破片を到達側マンホール12に移送するスクリュー22が装入されている。
【0016】
次に、本実施形態による改築推進装置を構成する各部の構成について、図2乃至図4を参照して説明する。
図2は、発進側マンホール10に設置される推進装置16を上からみた図である。図3は、図2のIII-III断面図である。
【0017】
図2並びに図3において、参照番号24は、推進力を発生する推進シリンダを示している。この推進シリンダ24は、発進側マンホール10に通じている既設管102(改築の対象となっていない方の既設管)の中にシリンダ本体を収容するようにして配置されている。この場合、発進側マンホール10の壁面には、反力受板25が固定されており、推進シリンダ24の本体部は、この反力受板25に支持されている。
【0018】
推進シリンダ24のピストンロッド26は、更新管120の末端が連結されている推進プレート27に連結されている。図2に示されるように、推進プレート27は、横梁28を介して平行に並んだ2本のガイドレール29を案内にして推進方向に移動し、更新管120に推進シリンダ24の推進力を伝達する。
【0019】
ガイドレール29の後部は、反力受板25に固定されており、前部には、それぞれフロントジャッキ30が設けられており、ガイドレール29a、29bの底部には、レベルジャッキ32が合計4つ設けられている。フロントジャッキ30は、ガイドレール29の平行度を調整するジャッキであり、レベルジャッキ32は、ガイドレール29の水平度を調整するジャッキである。
【0020】
次に、図4は、先導管14の構成を詳細に示す図である。この先導管14の内部には、カッターヘッド20を回転させる駆動機構として、モータ35と、減速機36が先導管14と同軸に設置されている。減速機36は、取付枠37に固定されている。
【0021】
減速機36の出力軸38は、カップリング40を介してカッターヘッド20を構成する回転板41に連結されている。また、ガイド管18の末端には土砂取込管42が接続されており、この土砂取込管42の末端はスラストベアリング43のベアリング押え44に連結されている。スラストベアリング43は、スラスト荷重を受ける。回転板41は出力軸38によって回転自在に支持されている。出力軸38は、減速機36内の図示しないベアリングでスラスト荷重およびラジアル荷重が支えられている。
【0022】
カッターヘッド20では、回転板41とドラム部材47と面板45とが一体構造となっており、刃口部を構成している。面板45には、複数個のカッター46が取り付けられている。
【0023】
土砂取込管42には、図9に示されるように、土砂を受け入れるためにU字形に大きく開いた形状のホッパー部48が形成されている。他方、ドラム部材47の内周面には、土砂を掻き混ぜる掻き板50が周方向に所定間隔で複数枚取り付けられている。
【0024】
図4に示されるように、ガイド管18の内部にはスクリュー22が収容されている。スクリュー22は、単位となる短いスクリュー軸52をつなぎ合わせてなり、スクリュー軸52には螺旋状に羽根53が形成されている。スクリュー22の末端は、カップリング40と連結されており、モータ35の駆動トルクは、カッターヘッド20とともにスクリュー軸52にも伝動されるようになっている。
【0025】
スクリュー22の先端部には、スイベル54が接続されており、このスイベル54には給水管55が接続されている。スクリュー軸52には給水通路56が軸方向に形成されている。この給水通路56はカッターヘッド20まで延び、注水口57から水がカッターヘッド22に噴き出されるようになっている。
【0026】
本実施形態による既設管の改築推進装置は、以上のように構成されるものであり、次に、既設管の改築推進工法について、図5乃至図10を参照しながら説明する。
【0027】
図5は、本発明の改築推進工法を実施して更新される既設管の埋設状況を示す図である。この図5に示す既設管は、地震の影響あるいは道路を通る車両からの荷重の影響を受けて、うねるように曲がった既設管100を示している。
【0028】
まず、最初は準備工程として、既設管100の中にガイド管18を入れる作業を行う。この実施形態では、一本一本のガイド管18は、発進側マンホール10への搬入が容易な短いパイプである。発進側マンホール10では、既設管100の中に入れたガイド管18の発進側端部に、別のガイド管18のねじを締め込むというようにして、一本一本ガイド管18を継ぎ足していく。
【0029】
こうして、発進側マンホール10でのガイド管18の継ぎ足し作業を続けて、ガイド管18の先端を到達側マンホール12まで到達させる。
【0030】
次に、図6は、ガイド管18を推進計画線130に合わせる工程を示す図である。この計画線130は、曲がっている既設管100のほぼ中心に設定されている。図6に示されるように、到達側マンホール12では、既設管100の到達側端部に固定された脚をもつ支持部材70によってガイド管18の先端を支持しておく。他方、発進側マンホール10では、既設管100の発進側端部に支持フレーム73が連結されており、ガイド管18を引っ張る緊張シリンダ72が支持フレーム73に設置されている。この緊張シリンダ72によって、ガイド管18を引張すると、曲がっている既設管100を長手方向に締め付けて緊張状態におき、ガイド管18を計画線130上に位置決めすることができる。
【0031】
以上のようにして、ガイド管18を推進計画線130上に位置決めしたら、次に、図6に示すように、ガイド管18と既設管100の間のアニュラー空間に、軽量の発泡モルタルなどの充填材132を充填する。この場合、地上に設置されている図示しない充填剤ポンプユニットから延びる配管76を到達側マンホール12に引き込みノズル管77を支持部材70からガイド管18と既設管100の間のアニュラー空間に差し込んで、このアニュラー空間に充填材132を充填する。やがて充填剤132が固化すると、ガイド管18は既設管100の中において計画線130と管軸が一致する位置に固定されることになる。その後、発進側マンホール10では、緊張シリンダ72とフレーム73を分解して撤去し、到達側マンホール12でも、支持部材70を撤去する。
なお、ガイド管18は、推進が進むにしたがって回収していくので、ガイド管18の外周面には、あらかじめ充填剤の付着防止剤を塗布しておくことが好ましい。
【0032】
次に、推進装置16を構成する機材を発進側マンホール10に運び込み、図7に示されるように、推進装置16を組み立てる。本実施形態による推進装置16では、発進側マンホール10の底面にガイドレール29が設置され、このガイドフレール29の上に推進プレート27が載置される。推進力を発生する推進シリンダ24のシリンダ本体は、改修の対象ではない方の既設管102の中に設置される。また、スクリュー22を一本一本連結しながら、スクリュー22をガイド管18の中に挿入し、スクリュー22を到達側マンホール12まで到達される。推進シリンダ24のピストンロッド26とともに推進プレート27が後退している状態にして、この推進プレート27に先導管14を連結する。その後、スクリュー22の後端部、ガイド管18の後端部を先導管14の先端部のカッターヘッド20に連結する。
【0033】
また、このとき、既に設置してあるガイド管18に先導管14の高さや平行度を調整するために、ジャッキ30、32を操作して調整する。
【0034】
こうして、推進装置16の準備が整ったら、推進工程を開始することになる。推進開始時には、回転するカッターヘッド20で既設管100を破砕しながら土砂を掘削し、先導管14を推進シリンダ24で押し出していく。先導管14の推進が終わったら、カッターヘッド20の回転を停止する。
【0035】
その後、発進側マンホール10では、先導管14の後端部に更新管100の一本分を接続する作業を行なう。到達側マンホール12では、先導管14の推進とともに、到達側マンホール12に突き出てきたガイド管18とスクリュー22を取り外す作業を行う。
【0036】
先導管14への更新管100の接続が終わったら、推進を再開する。以後、更新管100の一本分を推進する毎に、発進側マンホール10では更新管100を継ぎ足し、更新側マンホール12では、ガイド管18とスクリュー42を取り外していく。
【0037】
図1に示されるように、先導管14とともに更新管100を推進していく工程では、先導管14の管内に配置されているモータ35と減速機36によって、カッターヘッド20およびスクリュー22が回動駆動される。このため、発進側マンホール10に設置される推進装置16には、従来の推進装置のように、カッターヘッド20の駆動機構を設置する必要がなくなり、推進装置16の構成を大幅に簡素化することができる。そして、推進力を発生する推進シリンダ24を既設管102の中に設置するようにすれば、本実施形態のように、発進立坑を掘るまでもなく既存のマンホール10を利用して推進装置16を設置することができる。
【0038】
また、先導管14は、計画線130上に固定されているガイド管18と連結されているので、推進方向はガイド管18の延びる方向のみ推進するように拘束されている。このため、従来のように、曲がりを測定し、随時推進方向を修正するというような作業は必要なく、計画線130にそって真っ直ぐに更新管120を精度良く推進することができる。
【0039】
次に、図8並びに図9は、カッターヘッド20での排土の作用を示す図である。先導管14の刃口部の内部には、横断面がU字形の土砂取込管42が設けられ、回転板41と面板45との間にあるドラム部材47には、掻き板50が取り付けられている。カッターヘッド20のカッター46で既設管100を破砕しまた土砂を掘削すると、既設管100の破片や土砂は、図8に示されるように、刃口部のドラム部材47の中に取り込まれる。
【0040】
カッターヘッド20の回転とともにドラム部材47は回転し、破片や土砂は掻き板50によって堰きとめられて上方に移動してから、U字形に開いたホッパー部48をもつ土砂取込管42の中に落下することになる。なお、スクリュー22の先端部には、スイベル54が取り付けられ、スクリュー軸52の内部には、水を流す通路が軸方向にカッターヘッド20まで延びており、水は噴き出し口57からカッターヘッド20に噴き出される。このように、掘削する間は、スイベル54から水を供給してカッターヘッド20に注水をすることで、掘削効率を高めることができる。
【0041】
図8に示されるように、スクリュー22の羽根53は、土砂取込管42まで延びており、この土砂取込管42に取り込まれた破片や土砂は、スクリュー22の回転とともにガイド管18の中を到達側マンホール12まで移送されていく。到達側マンホール12では、移送されてくる排土をタンク58に受けて、排土が一杯になったらタンク56ごと地上に運び出すことになる。このようにして、到達側マンホール12の空間を有効に活用して、掘削した破片や土砂を効率よく排出することができる。
【0042】
以上のようにして、先導管14および更新管120を到達側マンホール100まで推進することで、既設管100を更新管120に更新することができる。
【0043】
以上の実施形態は、既設管100に曲がりがある場合の改築推進工法であるがあるが、本発明の改築推進工法は、図10に示すような曲がりのない既設管100にも適用することができる。
【0044】
図10において、計画線130は、曲がりのない真っ直ぐな既設管100のほぼ中心に設定されている。ガイド管18には、半径方向に突き出ているスペーサ140が、例えば4本一組で取り付けられている。既設管100の内部において、ガイド管18は、スペーサ140によって管軸が計画線130に一致するように支持されている。
発進側マンホール10では、一本ずつガイド管18を接続しスペーサ140を取り付けながら既設管100に挿入する。
【0045】
以後、発進側マンホール12へ推進装置16の機材を搬入し、組み立ててから先導管14および更新管120を到達側マンホール100まで推進していく。この推進工程は、既設管100が曲がっている場合と同様であるので、説明は省略する。
【符号の説明】
【0046】
10…発進側マンホール、12…到達側マンホール、14…先導管、16…推進装置、18…ガイド管、20…カッターヘッド、22…スクリュー、24…推進シリンダ、27…推進プレート、35…モータ、36…減速機、47…ドラム部材、45…面板、53…羽根

【特許請求の範囲】
【請求項1】
新しい更新管に先行させる先導管に設けたカッターヘッドで地中に埋設された既設管を破砕しながら同時に前記更新管を推進する既設管の改築推進工法において、
前記既設管の中に発進側マンホールから到達側マンホールまで延びるガイド管を挿入し、前記ガイド管を推進経路の基準となる計画線上に位置決めする工程と、
前記到達側マンホールに土砂を排土するスクリューを前記ガイド管の管内に装入するとともに、前記更新管および先導管を推進する推力を発生する推進装置と、カッターヘッドと前記スクリューを同時に駆動する駆動装置を内蔵した先導管とを前記発進側マンホールに搬入し、前記先導管に前記スクリューを連結して推進装置を組み立てる工程と、
前記既設管をカッターヘッドで破砕しつつ土砂を前記スクリューにより前記ガイド管内を移送して前記到達マンホールに排土しながら前記先導管と更新管を前記推進装置により推進する工程と、
からなることを特徴とする既設管の改築推進工法。
【請求項2】
前記既設管が曲がりのある既設管の場合には、前記発進側マンホールと到達側マンホールにそれぞれ配置した支持部材を用いて前記ガイド管の両端部を固定して前記ガイド管を前記計画線上に位置決めし、前記発進側マンホール若しくは到達側マンホールの前記治具に設けた緊張シリンダにより前記ガイド管を引っ張ることにより、前記既設管を緊張状態に保ち、前記既設管と前記ガイド管の間の空間に充填材を充填することを特徴とする請求項1に記載の既設管の改築推進工法。
【請求項3】
前記既設管が真っ直ぐな既設管の場合には、前記ガイド管をスペーサによって支持することにより計画線上に位置決めすることを特徴とする請求項1に記載の既設管の改築推進工法。
【請求項4】
前記推進装置の推進シリンダは、前記発進側マンホールに通じる改築の対象となっていない既設管にシリンダ本体を収容することを特徴とする請求項1に記載の既設管の改築推進工法。
【請求項5】
新しい更新管に先行させる先導管に設けたカッターヘッドで地中に埋設された既設管を破砕しながら同時に前記更新管を推進する既設管の改築推進装置において、
前記更新管および先導管を推進する推力を発生する推進装置を発進側マンホールに配置するとともに、推進経路の基準となる計画線上に固定され、到達側マンホールまで延びるガイド管の後端部を前記カッターヘッドに連結し、前記ガイド管の管内に前記カッターヘッドで掘削した土砂を前記到達側マンホールに排土するスクリューを装入し、前記カッターヘッドと前記スクリューを同時に駆動する駆動装置を前記先導管の先端部に配置したことを特徴とする既設管の改築推進装置。
【請求項6】
前記推進装置は、前記更新管の末端が連結される推進プレートと前記推進プレートを推進方向に案内するガイドレールとを有する推進機本体からなり、前記発進側マンホールには推進シリンダを配置したことを特徴とする請求項5に記載の既設管の改築推進装置。
【請求項7】
前記先導管のカッターヘッドは、カッターが取り付けたられた面板と、前記駆動装置の出力軸に連結されスラストベアリングにより回転自在に支持された回転板と、前記面板と回転板を連結し刃口部を構成するドラムと、U字形のホッパー部が前記ドラム内で開口し前記ガイド管の末端部に接続される土砂取込管とを備え、前記ドラムの内周面には、土砂を撹拌する複数枚の掻き板が取り付けられていることを特徴とする請求項5に記載の既設管の改築推進装置。
【請求項8】
前記スクリューのスクリュー軸には、軸方向に延びる給水通路が形成され、前記スクリューの先端部には給水管が接続されるスイベルが取り付けられ、前記スクリュー軸の末端部には前記カッターヘッドに注水する噴き出し口が開口していることを特徴とする請求項5に記載の既設管の改築推進装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−23830(P2013−23830A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−156738(P2011−156738)
【出願日】平成23年7月15日(2011.7.15)
【出願人】(000177416)三和機材株式会社 (144)
【Fターム(参考)】