説明

日光暴露への安定性が向上した層配置

2個のアルコキシ基が同一であるかもしくは異なることができるか又は一緒になって場合により置換されていることができるオキシ−アルキレン−オキシ架橋を示す、場合により置換されていることができる3,4−アルキレンジオキシチオフェン構造単位を含有するポリマーと、ポリリン酸、ポリリン酸塩、チア−アルカンジカルボン酸、シクロヘキサジエン化合物及びテトロン酸誘導体;少なくとも1個のスルホ基を有するオルトジヒドロキシベンゼン化合物、式(I):HO−CH−CH(OH)−(CH−S−CH−C(R)(R)−CH−S−(CH−CH(OH)−CH−OH
[式中、R及びRは独立してH、−OH又はアルキルであり、n及びmは独立して1、2又は3である]
に従う化合物;式(II):HO−(CH−S−CH−S−(CH−OH
[式中、p及びqは独立して2、3又は4である]
に従う化合物;テトロン酸誘導体に加水分解され得る化合物;式(I)に従う化合物に加水分解され得る化合物より成る群から選ばれるポリヒドロキシ−化合物ならびにスルホ−置換2−チア−アルキルベンズイミダゾール化合物より成る群から選ばれる化合物とを含有する層を含んでなる支持体上の層配置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、可視及びUV光暴露への安定性が向上した層配置に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
ポリチオフェンは、それらの興味深い電気的及び/又は光学的性質の故に広範囲に研究されてきた。ポリチオフェンは化学的もしくは電気化学的に酸化もしくは還元されると電気伝導性となる。
【0003】
特許文献1は、式:
【0004】
【化1】

【0005】
[式中、Aは場合により置換されていることができるC1−4−アルキレン基を示す]
の構造単位を含有するポリチオフェン及び対応するチオフェンの酸化重合によるその製造を開示している。
【0006】
特許文献2は、ポリアニオンの存在下における式(I):
【0007】
【化2】

【0008】
[式中、R及びRは互いに独立して水素又はC1−4−アルキル基を示すか、あるいは一緒になって場合により置換されていることができるC1−4−アルキレン残基を形成する]
の構造単位から構築されるポリチオフェンの分散液を開示している。
【0009】
特許文献3は、A)式(I)
【0010】
【化3】

【0011】
[式中、R及びRは互いに独立して水素又はC1−C4アルキル基を示すか、あるいは一緒になって場合により置換されていることができるC1−C4アルキレン残基、好ましくは場合によりアルキル基で置換されていることができるメチレン、場合によりC1−C12−アルキルもしくはフェニル基で置換されていることができる1,2−エチレン残基又は1,2−シクロヘキセン残基を示す]
の繰り返し構造単位を有する中性ポリチオフェンならびにB)ジ−もしくはポリヒドロキシ−及び/又はカルボキシ基又はアミドもしくはラクタム基含有有機化合物の混合物;ならびに好ましくは<300オーム/平方まで抵抗を増すために調質される(tempered)それらからの伝導性コーティングを開示している。特許文献3中に開示されているジ−及びポリヒドロキシ有機化合物の例は、糖及び糖誘導体、例えばサッカロース、グルコース、フルクトース、ラクトース、糖アルコール、例えばソルビトール及びマンニトールならびにアルコール、例えばエチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール及びトリエチレングリコールである。
【0012】
特許文献4は、式(I)
【0013】
【化4】

【0014】
[式中、X及びYは独立してO、S、N−Rであり、Zは−(CH−CR−(CH−であり;Rはアリール、C1−18−アルキル又は水素であり;Rは水素又は−(CH−O−(CH−SOであり;Rは−(CH−O−(CH−SOであり;Mはカチオンであり;m及びnは独立して0〜3の整数であり;sは0〜10の整数であり;pは1〜18の整数である]
に従うモノマーチオフェン誘導体を、水溶液中で酸化剤により重合させることを特徴とする水溶性π−共役ポリマーの製造法を開示している。
【0015】
特許文献5は、透明基質;透明基質上に付着する半透明電極;半透明電極上に位置する正孔−注入層;正孔−注入層上に位置する有機EL−材料から作られる発光層;及び電子−注入層上に位置する電子−注入層を含んでなる有機/ポリマーエレクトロルミネセント(EL)装置において、正孔−注入層及び電子−注入層のために単−イオン伝導体(single−ion conductors)を用いることを含んでなる改良を開示している。明細書は「単−イオン伝導体」の用語の意味を定義しておらず、それは平易な言葉で単イオンの伝導体を意味するが、請求項9は単イオン伝導体が単−カチオン伝導体又は単アニオン伝導体であることができると記載しており、請求項10はそのような単イオン伝導体を、主鎖中にエーテル鎖[(−CHO−]、例えばポリエチレンオキシド又はポリプロピレンオキシドを含んでなり、且つ主な側鎖中にSO、COO又はIのようなアニオンを含有し、それらがNa、Li、Zn2+、Mg2+、Eu3+又は(NHのような対イオンとイオン結合を形成する一般式(I)又は(II):
【0016】
【化5】

【0017】
[式中、EOはエチレンオキシドを示し;Non−EOは非−エチレンオキシドを示し;POはプロピレンオキシドを示し;Non−POは非−プロピレンオキシドを示し;Aはアニオンを示し;Cはカチオンを示し;m+n=11であり、nは0より大きく且つ1より小さい実数を示す]
として示すことができると記載している。
【0018】
T.−W.Lee及びO.O.Parkは2001年に非特許文献1において、単−イオン伝導体(SIC’s)を用いるポリマー発光エネルギー−ウェル(energy−well)装置を開示しており、その装置では、単−カチオン性伝導体(SCC)及び単−アニオン性伝導体(SAC)の両方を用いることにより、電荷の注入及びその閉じ込め(confinement)がEL装置において同時に努力され(striven)、それは「電荷注入の向上において重要な役割を果たす移動性イオンを、発光材料と一緒にブレンドする代わりにサンドイッチ型多層装置の構造における両方の電極の近くに別々に置き、発光材料の相分離の問題を避けることができる」装置において、「ウェル−電子及び正孔を閉じ込めて対の再結合率を高める」目的で、「電極近くの移動性イオンの蓄積の故に電荷注入を非常に向上させる」。彼らはさらに、イオン性ポリウレタンが単−イオン輸送性と一緒に優れた機械的性質及び高いイオン伝導率を有すること、ならびにSIC’sが一般に2つの異なる型のものであり:一方は通常劣った機械的性質を有するイオノマーとポリエーテルのポリマーブレンドであり、他方はポリエーテルとのオリゴマー性イオノマーのコポリマーであることを開示している。彼らはまた、軟質及び硬質ブロックを有するSIC’sのEL装置中への導入が輝度のみでなく効率も劇的に向上させること、ならびにSCC’sが電子−注入且つ正孔−遮断性を有し、SAC’sが正孔−注入且つ電子−遮断性を有することを開示している。
【0019】
T.−W.Lee et al.は2001年に非特許文献2において、発光層のためにポリ[2−メトキシ−5−(2’−エチル−ヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン](MEH−PPV)及び電子−注入層のためにスルホン化ポリスチレン(SPS)イオノマーを用いるポリマー発光ダイオードにおいて、最適エレクトロルミネセント(EL)特性を得るためのイオン濃度、中和レベル及びイオノマー中の対イオンの効果の研究を開示した。
【0020】
電子装置における、特に発光ダイオードにおける一般的問題は、正の電極における望ましくない正孔−電子再結合であり、それにより装置の効率及び寿命が低下する。
【0021】
ポリアニオンの存在下でポリ(3,4−ジアルコキシチオフェン)ポリマーを含有する電気伝導層の一般的欠点は、可視及びUV光に暴露される時のそれらの表面抵抗における急速な増加である。
【特許文献1】欧州特許出願公開第339340号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第440957号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第686662号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第1122274号明細書
【特許文献5】国際公開第01/78464号パンフレット
【非特許文献1】T.−W.Lee and O.O.Park著,Advanced Materials,volume 13,2001年,pages 1274−1278
【非特許文献2】T.−W.Lee et al.著,Journal of Applied Physics,volume 90,2001年,pages 2128−2134
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
発明の側面
従って、本発明の側面は、可視及び紫外光に暴露される時に表面抵抗における急速な増加を経ない、ポリ(3,4−ジアルコキシチオフェン)ポリマーをポリアニオンの存在下で含有する電気伝導層を提供することである。
【0023】
本発明のさらに別の側面は、正の電極及び正孔を輸送できる材料の間の層であって、正の電極における正孔−電子再結合を減少させ、それによりそのような層配置を含有する電子装置の効率及び寿命を向上させることができる層を提供することである。
【0024】
本発明のさらに別の側面及び利点は、下記の記述から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0025】
発明の概略
驚くべきことに、ポリリン酸、ポリリン酸塩、チア−アルカンジカルボン酸、シクロヘキサジエン化合物ならびにテトロン酸誘導体;少なくとも1個のスルホ基を有するオルト−ジヒドロキシベンゼン化合物、式(I):
HO−CH−CH(OH)−(CH−S−CH−C(R)(R)−
CH−S−(CH−CH(OH)−CH−OH (I)
[式中、R及びRは独立してH、−OH又はアルキルであり、n及びmは独立して1、2又は3である]
に従う化合物;式(II):
HO−(CH−S−CH−S−(CH−OH (II)
[式中、p及びqは独立して2、3又は4である]
に従う化合物;テトロン酸誘導体に加水分解され得る化合物;式(I)に従う化合物に加水分解され得る化合物より成る群から選ばれるポリヒドロキシ−化合物;及びスルホ−置換2−チア−アルキル−ベンズイミダゾール化合物を導入すると、ポリアニオンの存在下でポリ(3,4−ジアルコキシチオフェン)ポリマーを含有する電気伝導層の可視及びUV光に暴露される時の表面抵抗における増加が実質的に低下することが見出された。
【0026】
驚くべきことに、正の電極及び正孔を輸送できる材料の間でポリリン酸及びポリ[4−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イルメトキシ)−ブタン−1−スルホン酸]を含有する層を用いることは、寿命を増加させ且つ発光ダイオードの場合には最適電圧を下げることにより装置の性能を向上させることも見出された。
【0027】
本発明の側面は、2個のアルコキシ基が同一であるかもしくは異なることができるか又は一緒になって場合により置換されていることができるオキシ−アルキレン−オキシ架橋を示す、場合により置換されていることができる3,4−アルキレンジオキシチオフェン構造単位を含有するポリマーと、ポリリン酸、ポリリン酸塩、チア−アルカンジカルボン酸、シクロヘキサジエン化合物及びテトロン酸誘導体;少なくとも1個のスルホ基を有するオルト−ジヒドロキシベンゼン化合物、式(I):
HO−CH−CH(OH)−(CH−S−CH−C(R)(R)−
CH−S−(CH−CH(OH)−CH−OH (I)
[式中、R及びRは独立してH、−OH又はアルキルであり、n及びmは独立して1、2又は3である]
に従う化合物;式(II):
HO−(CH−S−CH−S−(CH−OH (II)
[式中、p及びqは独立して2、3又は4である]
に従う化合物;テトロン酸誘導体に加水分解され得る化合物;式(I)に従う化合物に加水分解され得る化合物より成る群から選ばれるポリヒドロキシ−化合物ならびにスルホ−置換2−チア−アルキル−ベンズイミダゾール化合物より成る群から選ばれる化合物とを含有する層を含んでなる支持体上の層配置により実現される。
【0028】
好ましい態様は従属クレイムにおいて開示される。
発明の詳細な記述
図1は装置2〜10で用いられる層配置及びエレクトロルミネセンスを得るために用いられる回路の側面図及び平面図の略図であり、図中:
Aはポリ(エチレンテレフタレート)支持体を示し;
BはスパッタリングされたITO層を示し;
Cは電子遮断層を示し;
DはZnS:Cuナノ−粒子及び結合剤を含有するエレクトロルミネセント層を示し;
Eは蒸発アルミニウム電極を示し、
Fは接続のための伝導性銀ペースト点を示し、
GはIV−電力源を示し(Delta ElektronicaからのPower Supply ES 030−5)、
Hは電気伝導性銅ワイアを示し、
Iは第1層を示し、
IIは第2層を示し、
IIIは第3層を示す。
【0029】
定義
アルキルという用語は、アルキル基中の炭素原子のそれぞれの数に関して可能なすべての変形、すなわち3個の炭素原子の場合:n−プロピル及びイソプロピル;4個の炭素原子の場合:n−ブチル、イソブチル及び第3級−ブチル;5個の炭素原子の場合:n−ペンチル、1,1−ジメチル−プロピル、2,2−ジメチルプロピル及び2−メチル−ブチルなどを意味する。
【0030】
チア−アルキルという用語は、アルキル鎖中に1個もしくはそれより多い硫黄原子を有するチア−アルキル基、例えば2,6−ジチア−オクチル、3,6−ジチア−オクチル、1,4−ジチア−オクチル、1,4−ジチアヘキシル及び1,4,7−トリチア−ヘプチルを意味する。
【0031】
本発明の目的のための水性という用語は、少なくとも60容量%の水、好ましくは少なくとも80容量%の水を含有し、且つ場合により水−混和性有機溶媒、例えばアルコール類、例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、イソ−アミルアルコール、オクタノール、セチルアルコールなど;グリコール類、例えばエチレングリコール;グリセリン;N−メチルピロリドン;メトキシプロパノール;ならびにケトン類、例えば2−プロパノン及び2−ブタノンなどを含有することができることを意味する。
【0032】
本発明の開示において用いられるカルボキシという用語はカルボン酸基又はその塩である。
【0033】
本発明の開示において用いられるスルホという用語はスルホン酸基又はその塩である。
【0034】
本発明の開示において用いられるスルホナトという用語は−SOH基又はその塩である。
【0035】
PEDOTという略語はポリ(3,4−エチレンジオキシ−チオフェン)を示す。
【0036】
PEDOT−Sという略語はポリ[4−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イルメトキシ)−ブタン−1−スルホン酸]を示す。
【0037】
PSSという略語はポリ(スチレンスルホン酸)又はポリ(スチレンスルホネート)を示す。
【0038】
PPAという略語はポリリン酸を示す。
【0039】
OTsという略語はトシレート基を示す。
【0040】
本発明の開示において用いられる「正孔を輸送できる材料」という句は、正孔が注入され且つそれを通って正孔が輸送され得る材料を意味し、好ましくは飛行時間法により、又は電界効果型トランジスタにおいて測定される正孔移動度>10−8cm−1−1そして特に好ましくは正孔移動度>10−6cm−1−1を有する。電荷輸送は充電装置においても起こり、それは発光が電子−正孔結合から生ずるエネルギーの結果だからである。
【0041】
層配置
本発明の側面は、2個のアルコキシ基が同一であるかもしくは異なることができるか又は一緒になって場合により置換されていることができるオキシ−アルキレン−オキシ架橋を示す、場合により置換されていることができる3,4−アルキレンジオキシチオフェン構造単位を含有するポリマーならびにポリリン酸、ポリリン酸塩、チア−アルカンジカルボン酸、シクロヘキサジエン化合物及びテトロン酸誘導体;少なくとも1個のスルホ基を有するオルト−ジヒドロキシベンゼン化合物、式(I):
HO−CH−CH(OH)−(CH−S−CH−C(R)(R)−
CH−S−(CH−CH(OH)−CH−OH (I)
[式中、R及びRは独立してH、−OH又はアルキルであり、n及びmは独立して1、2又は3である]
に従う化合物;式(II):
HO−(CH−S−CH−S−(CH−OH (II)
[式中、p及びqは独立して2、3又は4である]
に従う化合物;テトロン酸誘導体に加水分解され得る化合物;式(I)に従う化合物に加水分解され得る化合物より成る群から選ばれるポリヒドロキシ−化合物ならびにスルホ−置換2−チア−アルキル−ベンズイミダゾール化合物より成る群から選ばれる化合物を含有する層を含んでなる支持体上の層配置を用いて実現される。
【0042】
本発明に従う層配置の第1の態様に従うと、層はさらに界面活性剤を含有する。
【0043】
本発明に従う層配置の第2の態様に従うと、層はさらに結合剤を含有する。
【0044】
本発明に従う層配置の第3の態様に従うと、層はさらに架橋剤を含有する。
【0045】
場合により置換されていることができる
3,4−アルキレンジオキシチオフェン構造単位を含有するポリマー
本発明に従うポリマーは3,4−アルキレンジオキシチオフェン構造単位を含有し、ここで2個のアルコキシ基は同一であるかもしくは異なることができるか又は一緒になって場合により置換されていることができるオキシ−アルキレン−オキシ架橋を示す。
【0046】
本発明に従う層配置の第4の態様に従うと、ポリマーは:ポリ(3,4−メチレンジオキシ−チオフェン)、ポリ(3,4−メチレンジオキシチオフェン)誘導体、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシ−チオフェン)誘導体、ポリ(3,4−プロピレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−プロピレンジオキシチオフェン)誘導体、ポリ(3,4−ブチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ブチレンジオキシチオフェン)誘導体及びそれらを用いるコポリマーより成る群から選ばれる。本発明に従う層配置の第4の態様の開示において用いられる誘導体という用語は、モノマーが置換されていることを意味する。
【0047】
本発明に従う層配置の第5の態様に従うと、オキシ−アルキレン−オキシ架橋のための置換基はアルキル、アルコキシ、アルキルオキシアルキル、アルキルオキシアルキレンカルボキシ、アルキルオキシアルキレンスルホ、カルボキシ、アルキルスルホナト及びカルボキシエステル基である。
【0048】
本発明に従う層配置の第6の態様に従うと、場合により置換されていることができるオキシ−アルキレン−オキシ架橋は、1,2−エチレン基、場合によりアルキル−置換されていることができるメチレン基、場合によりC−C12−アルキル−もしくはフェニル−置換されていることができる1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基又は1,2−シクロヘキシレン基である。
【0049】
本発明に従う層配置の第7の態様に従うと、場合により置換されていることができる3,4−アルキレンジオキシチオフェン構造単位は式(III):
【0050】
【化6】

【0051】
[式中、X及びYはOであり、Zは−(CH−CR−(CH−であり;Rは水素又は−(CH−O−(CH−SOであり;Rは−(CH−O−(CH−SOであり;Mはカチオンであり;m及びnは独立して0〜3の整数であり;sは0〜10の整数であり;pは1〜18の整数である]
により示される。
【0052】
本発明に従う層配置の第8の態様に従うと、場合により置換されていることができる3,4−アルキレンジオキシチオフェン構造単位を含有するポリマーは式(IV)
【0053】
【化7】

【0054】
[式中、X及びYはOであり、Zは−(CH−CR−(CH−であり;Rは水素又は−(CH−O−(CH−SOであり;Rは−(CH−O−(CH−SOであり;Mはカチオンであり;m及びnは独立して0〜3の整数であり;sは0〜10の整数であり;pは1〜18の整数であり;qは2〜10,000の整数である]
に従うポリチオフェンである。
【0055】
本発明に従う層配置の第9の態様に従うと、場合により置換されていることができる3,4−アルキレンジオキシチオフェン構造単位を含有するポリマーは、ポリ[4−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イルメトキシ)−ブタン−1−スルホン酸]である。
【0056】
本発明に従う層配置の第10の態様に従うと、場合により置換されていることができる3,4−アルキレンジオキシチオフェン構造単位を含有するポリマーは、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)である。
【0057】
本発明に従うポリマーを、化学的又は電気化学的に重合させることができる。化学重合は酸化的又は還元的に行なわれ得る。そのようなポリマーの酸化重合のために、例えばJournal of the American Chemical Society,volume 85,1963年,pages 454−458及びJ.Polymer Science Part A Polymer Chemistry,volume 26,1988年,pages 1287−1294に記載されているような、ピロールの酸化重合のために用いられる酸化剤を用いることができる。
【0058】
本発明の第11の態様に従うと、FeCl、有機酸の鉄(III)塩、例えばFe(OTs)のような鉄(III)塩、H、KCr、過硫酸アルカリ及びアンモニウム、過ホウ酸アルカリ及び過マンガン酸カリウムのような安価且つ容易に入手可能な酸化剤が酸化重合において用いられる。
【0059】
理論的に、チオフェンの酸化重合は、式(III)のチオフェンのモル当たり2.25当量の酸化剤を必要とする[例えば、J.Polymer Science Part A Polymer Chemistry,volume 26,1988年,pages 1287−1294を参照されたい]。実際には、重合単位当たり0.1〜2当量過剰の酸化剤が用いられる。過硫酸塩及び鉄(III)塩の使用は、それらが腐蝕的に作用しないという大きな技術的利点を有する。さらに、特定の添加剤の存在下で、本発明に従うポリマーへの酸化重合は非常にゆっくり進行するので、チオフェン及び酸化剤を溶液又はペーストとして一緒にし、処理されるべき基質に適用することができる。そのような溶液又はペーストの適用後、引用することによりその記載事項が本明細書の内容となる米国特許第6,001,281号明細書及び国際公開第00/14139号パンフレットに開示されている通り、コーティングされた基質を加熱することによって酸化重合を加速することができる。
【0060】
2002年にAppperloo et al.によりChem.Eur.Journal,volume 8,pages 2384−2396に記載され、且つそれぞれ2001年にTetrahedron Letters,volume 42,pages 155−157において、及び1998年にMacromolecules,volume 31,pages 2047−2056において開示されている通り、Stille(有機錫)又はSuzuki(有機ホウ素)経路を用いて、あるいは1999年にBull.Chem.Soc.Japan,volume 72,page 621において、及び1998年にAdvanced Materials,volume 10,pages 93−116において開示された通りニッケル錯体を用いて還元重合を行なうことができる。
【0061】
本発明に従う場合により置換されていることができる3,4−ジアルコキシチオフェン構造単位を、他のチオフェンモノマー又は重合可能な複素環式化合物、例えばピロールと化学的又は電気化学的に共重合させることができる。
【0062】
ポリリン酸及びその塩
本発明の側面は、ポリリン酸及び/又はその塩ならびに場合により置換されていることができる3,4−アルキレンジオキシチオフェン構造単位を含有するポリマーを含有する層を含んでなる支持体上の層配置を用いて実現される。
【0063】
本発明に従う層配置の第12の態様に従うと、ポリリン酸対場合により置換されていることができる3,4−アルキレンジオキシチオフェン構造単位を含有するポリマーの重量比は0.4〜10である。
【0064】
ポリリン酸には二リン酸、ピロリン酸、三リン酸、四リン酸、メタリン酸及び「ポリリン酸」が含まれる。
【0065】
ポリリン酸は、HPOを十分なP10(無水リン酸)と一緒に加熱することにより、又はHPOを加熱して水を除去することにより製造することができる。72.74%のP10を含有するP10/HO混合物は純粋なHPOに相当するが、通常の商用銘柄の酸はもっと多くの水を含有する。P10含有量と共に、H、ピロリン酸がP〜Pピロリン酸と一緒に生成する。三リン酸は71.7%Pにおいて現れ(H10)、四リン酸(H13)は約75.5%Pにおいて現れる。そのような線状ポリリン酸は2〜15個のリン原子を有し、それらのそれぞれが強く酸性のOH基を有する。さらに、2個の末端P原子はそれぞれ弱く酸性のOH基に結合している。低分子量ポリリン酸から閉環により生成する環状ポリリン酸又はメタリン酸、H3nは、比較的小数の環原子を有する(n=3〜8)。環中の各原子は1個の強く酸性のOH基に結合している。高分子量(high)線状及び環状ポリリン酸は、82%Pより高い酸濃度においてのみ存在する。市販のリン酸は82〜85重量%のP含有率を有する。それは約55%の三リン酸を含み、残りはHPO及び他のポリリン酸である。
【0066】
ポリリン酸は、PEDOT/PSS−含有層のコーティングのための分散液の調製において用いられるPEDOT/PSS分散液の調製の間、すなわち限外濾過プロセスの間の洗浄液への添加剤として、ならびにEDOTの重合の後の両方に加えることができる。本発明に従って用いるのに適したポリリン酸は、ACROSにより供給される84%(Pとして)ポリリン酸である(Cat.no.19695−0025)。
【0067】
チア−アルカンジカルボン酸
本発明の側面は、チア−アルカンジカルボン酸ならびに場合により置換されていることができる3,4−アルキレンジオキシチオフェン構造単位を含有するポリマーを含有する層を含んでなる支持体上の層配置を用いて実現される。
【0068】
適したチア−アルカンジカルボン酸には:
【0069】
【表1】

【0070】
が含まれる。
【0071】
シクロヘキサジエン化合物
本発明の側面は、シクロヘキサジエン化合物ならびに場合により置換されていることができる3,4−アルキレンジオキシチオフェン構造単位を含有するポリマーを含有する層を含んでなる支持体上の層配置を用いて実現される。
【0072】
適したシクロヘキサジエン化合物には:
【0073】
【表2】

【0074】
が含まれる。
【0075】
ポリヒドロキシ−化合物
本発明の側面は、テトロン酸誘導体;少なくとも1個のスルホ基を有するオルト−ジヒドロキシベンゼン化合物、式(I):
HO−CH−CH(OH)−(CH−S−CH−C(R)(R)−
CH−S−(CH−CH(OH)−CH−OH (I)
[式中、R及びRは独立してH、−OH又はアルキルであり、n及びmは独立して1、2又は3である]
に従う化合物;式(II):
HO−(CH−S−CH−S−(CH−OH (II)
[式中、p及びqは独立して2、3又は4である]
に従う化合物より成る群から選ばれるポリヒドロキシ−化合物;ならびに場合により置換されていることができる3,4−アルキレンジオキシ−チオフェン構造単位を含有するポリマーを含有する層を含んでなる支持体上の層配置を用いて実現される。
【0076】
式(I)に従う適した化合物には:
【0077】
【表3】

【0078】
が含まれる。
【0079】
式(II)に従う適した化合物には:
【0080】
【表4】

【0081】
が含まれる。
【0082】
テトロン酸誘導体にはアスコルビン酸、カロール酸(carolic acid)、カーロジン酸(carlosic acid)、カロリン酸(carolinic acid)及びカール酸(carlic acid)が含まれる。
【0083】
適したテトロン酸誘導体には:
【0084】
【表5】

【0085】
が含まれる。
【0086】
適した少なくとも1個のスルホ基を有するオルト−ジヒドロキシベンゼン[ODHB]化合物には:
【0087】
【表6】

【0088】
が含まれる。
【0089】
本発明の側面は、場合により置換されていることができる3,4−アルキレンジオキシ−チオフェン構造単位を含有するポリマー;ならびにテトロン酸誘導体に加水分解され得る化合物及び/又は式(I)に従う化合物に加水分解され得る化合物を含有する層を含んでなる支持体上の層配置を用いて実現される。
【0090】
式(I)に従うポリヒドロキシ−化合物は、エポキシ化合物の加水分解により得ることができる。
【0091】
スルホ−置換2−チア−アルキル−ベンズイミダゾール化合物
本発明の側面は、スルホ−置換2−チア−アルキル−ベンズイミダゾール化合物[SSTAB]ならびに場合により置換されていることができる3,4−アルキレンジオキシチオフェン構造単位を含有するポリマーを含有する層を含んでなる支持体上の層配置を用いて実現される。
【0092】
本発明に従う層配置の第13の態様に従うと、スルホ−置換2−チア−アルキル−ベンズイミダゾール化合物は式(V):
【0093】
【化8】

【0094】
[式中、Rは水素又はスルホ基であり;Rは場合によりスルホ基及び/又は場合により置換されていることができる2−ベンズイミダゾリル基で置換されていることができるチア−アルキル基であり;且つRが水素の場合、Rは少なくとも1個のスルホ基を含有する]
により示される。
【0095】
適したスルホ−置換2−チア−アルキル−ベンズイミダゾール化合物[SSTAB]には:
【0096】
【表7】

【0097】
が含まれる。
【0098】
ポリアニオン
本発明に従う層配置の第14の態様に従うと、層はさらにポリアニオンを含有する。
【0099】
本発明に従う層配置中で用いるためのポリアニオン化合物は、引用することによりその記載事項が本明細書の内容となる欧州特許出願公開第440957号明細書に開示されており、高分子カルボン酸、例えばポリアクリル酸、ポリメタクリル酸又はポリマレイン酸及びポリスルホン酸、例えばポリ(スチレンスルホン酸)を含む。これらのポリカルボン酸及びポリスルホン酸は、ビニルカルボン酸及びビニルスルホン酸と他の重合可能なモノマー、例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル及びスチレンとのコポリマーであることもできる。
【0100】
本発明に従う層配置の第15の態様に従うと、層はさらにポリ(スチレンスルホネート)であるポリアニオンを含有する。
【0101】
界面活性剤
本発明に従う層配置の第16の態様に従うと、層はさらに非−イオン性界面活性剤、例えばエトキシル化/フルオロアルキル界面活性剤、ポリエトキシル化シリコーン界面活性剤、ポリシロキサン/ポリエーテル界面活性剤、ペルフルオロ−アルキルカルボン酸のアンモニウム塩、ポリエトキシル化界面活性剤及びフッ素−含有界面活性剤を含有する。
【0102】
適した非−イオン性界面活性剤には:
界面活性剤番号01=ZONYLTM FSN,DuPontからの水中のイソプロパノールの50重量%溶液中のF(CFCF1−9CHCHO(CHCHO)Hの40重量%溶液であり、ここでx=0〜約25;
界面活性剤番号02=ZONYLTM FSN−100:DuPontからのF(CFCF1−9CHCHO(CHCHO)Hであり、ここでx=0〜約25;
界面活性剤番号03=ZONYLTM FS300,DuPontからのフッ素化界面活性剤の40重量%水溶液;
界面活性剤番号04=ZONYLTM FSO,DuPontからの水中のエチレングリコールの50重量%溶液中の式:F(CFCF1−7CHCHO(CHCHO)Hを有し、ここでy=0〜約15であるエトキシル化非−イオン性フルオロ−界面活性剤の混合物の50重量%溶液;
界面活性剤番号05=ZONYLTM FSO−100,式:F(CFCF1−7CHCHO(CHCHO)Hを有し、ここでy=0〜約15であるDuPontからのエトキシル化非−イオン性フルオロ−界面活性剤の混合物;
界面活性剤番号06=TegoglideTM 410,Goldschmidtからのポリシロキサン−ポリマーコポリマー界面活性剤;
界面活性剤番号07=TegowetTM,Goldschmidtからのポリシロキサン−ポリエステルコポリマー界面活性剤;
界面活性剤番号08=FLUORADTMFC431:3MからのCF(CFSO(C)N−CHCO−(OCHCHOH;
界面活性剤番号09=FLUORADTMFC126,3Mからのペルフルオロカルボン酸のアンモニウム塩の混合物;
界面活性剤番号10=ポリオキシエチレン−10−ラウリルエーテル
界面活性剤番号11=FLUORADTMFC430,3Mからの98.5%活性フルオロ脂肪族エステル
が含まれる。
【0103】
本発明に従う層配置の第17の態様に従うと、層はさらにアニオン性界面活性剤を含有する。
【0104】
適したアニオン性界面活性剤には:
界面活性剤番号12=ZONYLTM 7950,DuPontからのフッ素化界面活性剤;
界面活性剤番号13=ZONYLTM FSA,DuPontからの水中のイソプロパノールの50重量%溶液中のF(CFCF1−9CHCHSCHCHCOOLiの25重量%溶液;
界面活性剤番号14=ZONYLTM FSE,DuPontからの水中のエチレングリコールの70重量%溶液中の[F(CFCF1−7CHCHO]P(O)(ONHの14重量%溶液であり、ここでx=1又は2であり;y=2又は1であり;x+y=3である;
界面活性剤番号15=ZONYLTM FSJ,DuPontからの水中のイソプロパノールの25重量%溶液中の、x=1又は2であり;y=2又は1であり;x+y=3であるF(CFCF1−7CHCHO]P(O)(ONHと炭化水素界面活性剤のブレンドの40重量%溶液;
界面活性剤番号16=ZONYLTM FSP,DuPontからの水中のイソプロパノールの69.2重量%溶液中の、x=1又は2であり;y=2又は1であり、x+y=3である[F(CFCF1−7CHCHO]P(O)(ONHの35重量%溶液;
界面活性剤番号17=ZONYLTM UR:DuPontからの、x=1又は2であり;y=2又は1であり、x+y=3である[F(CFCF1−7CHCHO]P(O)(OH)
界面活性剤番号18=ZONYLTM TBS:DuPontからの水中の酢酸の4.5重量%溶液中のF(CFCF3−8CHCHSOHの33重量%溶液;
界面活性剤番号19=3Mからのペルフルオロ−オクタン酸のアンモニウム塩
が含まれる。
【0105】
エレクトロルミネセント蛍リン光体
本発明に従う層配置の第18の態様に従うと、層配置はさらにエレクトロルミネセント蛍リン光体の層を含んでなる。
【0106】
本発明に従う層配置の第19の態様に従うと、層配置はさらにエレクトロルミネセント蛍リン光体の層を含んでなり、ここでエレクトロルミネセント蛍リン光体はII−VI半導体、例えばZnSの種類に属するか、あるいは第II族元素と酸化性アニオン(oxidic anion)の組み合わせであり、最も普通のものはケイ酸塩、リン酸塩、炭酸塩、ゲルマニウム酸塩、錫酸塩、ホウ酸塩、バナジン酸塩、タングステン酸塩及びオキシ硫酸塩である。典型的なドーパントは金属及びすべての希土類、例えばCu、Ag、Mn、Eu、Sm、Tb及びCeである。
【0107】
本発明に従う層配置の第20の態様に従うと、層配置はさらにエレクトロルミネセント蛍リン光体の層を含んでなり、ここでエレクトロルミネセント蛍リン光体は透明障壁層、例えばAl及びAINを用いて水分に対して封入される。そのような蛍リン光体はSylvania、Shinetsu polymer KK、Durel、Acheson及びToshibaから入手可能である。そのような蛍リン光体を用いるコーティングの例はSylvaia/GTEから入手可能な72X及び米国特許第4,855,189号明細書に開示されているコーティングである。
【0108】
本発明に従う層配置の第21の態様に従うと、層配置はさらにエレクトロルミネセント蛍リン光体の層を含んでなり、ここでエレクトロルミネセント蛍リン光体はマンガン、銅又はテルビウムがドーピングされたZnS、セリウムがドーピングされたCaGa、DuPontにより供給されるエレクトロルミネセント蛍リン光体ペースト、例えば:LUXPRINTTM 7138J型、白色蛍リン光体;LUXPRINTTM 7151J型、緑−青蛍リン光体;及びLUXPRINTTM 7174J型、黄色−緑蛍リン光体;ならびにAchesonから供給されるELECTRODAGTM EL−035Aである。
【0109】
本発明に従う層配置の第22の態様に従うと、層配置はさらにエレクトロルミネセント蛍リン光体の層を含んでなり、ここでエレクトロルミネセント蛍リン光体は、マンガンがドーピングされ、且つAINで封入された硫化亜鉛蛍リン光体である。
【0110】
誘電層
本発明に従う層配置の第23の態様に従うと、層配置はさらに誘電層を含んでなる。
【0111】
誘電層においていずれの誘電材料を用いることもでき、イットリア及びチタン酸バリウム、例えばDuPontにより供給されるチタン酸バリウムペースト、LUXPRINTTM 7153E型高K誘電絶縁体及びAchesonにより供給されるチタン酸バリウムペースト、ELECTRODAGTM EL−040が好ましい。発光層の蛍リン光体から逃げるイオンを捕獲するために、陽イオン交換物質を誘電層中に導入することができる。誘電層中のイオン交換物質の量は、初期の輝度レベルを低下させずに黒点(black spots)を減少させることにおいてそれが最大の有効性を有するように最適化されねばならない。従って誘電層中の樹脂及び誘電材料の合計量の100重量部に0.5〜50重量部のイオン交換物質を加えるのが好ましい。イオン交換物質は有機又は無機であることができる。
【0112】
適した無機イオン交換物質は、水和五酸化アンチモン粉末、リン酸チタン、リン酸及びケイ酸の塩ならびにゼオライトである。
【0113】
支持体
本発明に従う層配置の第24の態様に従うと、支持体は透明又は半透明である。
【0114】
本発明に従う層配置の第25の態様に従うと、支持体は紙、ポリマーフィルム、ガラス又はセラミックである。
【0115】
本発明に従う層配置の第26の態様に従うと、支持体は透明もしくは半透明ポリマーフィルムである。
【0116】
本発明に従う電気伝導性もしくは帯電防止層と一緒に用いるのに適した透明もしくは半透明支持体は剛性もしくは柔軟性であることができ、ガラス、ガラス−ポリマー積層物、ポリマー積層物、熱可塑性ポリマー又はジュロプラスチックポリマー(duroplastic polymer)から成ることができる。薄い柔軟性支持体の例はセルロースエステル、三酢酸セルロース、ポリプロピレン、ポリカーボネート又はポリエステルから作られるものであり、ポリ(エチレンテレフタレート)又はポリ(エチレンナフタレン−1,4−ジカルボキシレート)が特に好ましい。
【0117】
エレクトロルミネセント装置
本発明に従う層配置の第27の態様に従うと、層配置はエレクトロルミネセント装置である。
【0118】
本発明に従う層配置の第28の態様に従うと、層配置は発光ダイオードである。
【0119】
薄フィルムエレクトロルミネセント装置(ELDs)はすべて、2つの電極の間にサンドイッチ状に挟まれた1つ(もしくはそれより多く)のエレクトロルミネセント活性層により特徴付けられる。場合により誘電層もサンドイッチの一部であることができる。
【0120】
薄フィルムELDsを有機及び無機に基づくELDsに細分することができる。有機に基づく薄フィルムELDsを、オリゴマーを含む低分子量有機装置(有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diodes)(OLEDs))及び高分子量有機装置(ポリマー発光ダイオード(Polymer Light Emitting Diodes)(PLEDs))に細分することができる。他方、無機ELDsをさらに高電圧交流(HV−AC)ELDs及び低電圧直流(LV−DC)ELDsに細分することができる。LV−DC ELDsには粉末ELDs(DC−PEL装置又はDC−PELDs)及び薄フィルムDC−ELDsが含まれ、下記で無機発光ダイオード(ILEDs)と呼ぶ。
【0121】
有機ELDs(PLED及びOLED)の基本的構造は以下の層配置を含んでなる:透明基質(ガラス又は柔軟性プラスチック)、透明伝導体、例えば酸化錫インジウム(ITO)、正孔輸送層、ルミネセント層及び第2の電極、例えばCa、Mg/Ag又はAl/Li電極。OLEDsの場合、正孔輸送層及びルミネセント層は10〜50nmの厚さであり、真空蒸着により適用されるが、PLEDsの場合、正孔輸送層は通常約40nmの厚さであり、ルミネセント層は通常100nmの厚さであり、スピンコーティング又は他の非−真空コーティング法により適用される。両電極間に5〜10Vの直流電圧が適用され、正孔及び電子から発光が生じ、正孔及び電子はそれぞれ正及び負の電極から注入され、ルミネセント層中で一緒になり、それによりルミネセント種を励起して光を発せしめるエネルギーを生む。
【0122】
OLEDsにおいて、正孔輸送層及びエレクトロルミネセント層は低分子量有機化合物から成り、例えばN,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD)を正孔輸送物質として用いることができ、且つアルミニウム(III)8−ヒドロキシキノリン錯体(Alq)、ポリ芳香族化合物(polyaromatics)(アントラセン誘導体、ペリレン誘導体及びスチルベン誘導体)及びポリ複素芳香族化合物(polyhetero−aromatics)(オキサゾール、オキサジアゾール、チアゾールなど)をエレクトロルミネセント化合物として用いることができる。
【0123】
PLEDsにおいて、用いられ得るエレクトロルミネセント化合物は非−共役ポリビニルカルバゾール誘導体(PVK)のようなポリマー又はポリ(p−フェニレンビニレン)(PPV)、ポリフルオロレン、ポリ(3−アルキルチオフェン)、ポリ(p−フェニレンエチニレン)などのような共役ポリマーである。これらの高分子量材料は、流延による薄フィルムの容易な製造を可能にし、且つ結晶化に対する高い抵抗性を示す。
【0124】
低電圧DC PEL装置は一般に透明基質、透明伝導体(ITO)、ドーピングされたZnS蛍リン光体層(20μm)及び蒸発アルミニウムの最上電極を含んでなる。蛍リン光体層はドクターブレード法又はスクリーン印刷によりITO伝導層上に適用される。続いて蒸発によりアルミニウム電極が適用される。数ボルトの直流電圧が適用されると(ITO正)、正孔がアルミニウム電極に向かって動き出し、それにより約1分以内にITO層の隣に絶縁領域(厚さが約1μm)を生ずる。これは電流の低下を生じ、それに発光の開始が伴う。このプロセスはフォーミングプロセス(forming process)と呼ばれてきた。それにより形成される薄い高抵抗性の蛍リン光体層に高い電場が起こり、もはや低電圧(典型的には10〜30V)においてエレクトロルミネセンスが可能である。Que et al.[Appl.Phys.Lett.,volume 73,1998年,pages 2727−2729を参照されたい]はZnS:Cuナノ結晶を用い、5V未満のターンオン電圧(turn on voltages)を達成した。
【0125】
混成LEDsにおいては、電荷輸送性及びいくつかの場合には発光性も有する有機ポリマーと組み合わされて、無機発光性のいわゆる量子点が用いられる。CdSeナノ粒子を用いる混成LEDsはColvin et al.[Nature,volume 370,1994年,pages 354−357を参照されたい]、Dabbousi et al.[Appl.Phys.Lett.,volume 66,1995年,pages 1316−1318を参照されたい]及びGao et al.[J.Phys.Chem.B,volume 102,1998年,pages 4096−4103を参照されたい]により報告されており;ならびにZnS:Cuナノ−結晶を用いるものはHuang et al.[Appl.Phys.Lett.,volume 70,1997年,2335−2337を参照されたい]により報告されており、これらのすべては引用することによりその記載事項が本明細書の内容となる。
【0126】
光起電力装置
本発明に従う層配置の第29の態様に従うと、層配置は光起電力装置である。
【0127】
本発明に従う層配置の第30の態様に従うと、層配置は太陽電池である。
【0128】
本発明に従う層配置の第31の態様に従うと、層配置はさらに少なくとも1つの光起電力層を含んでなる。光起電力層は有機層、混成無機及び有機層又は無機層であることができる。
【0129】
本発明に従う層配置が導入された光起電力装置は2つの型:正味の化学変化を後に残さずに光を電力に変換し、電流−伝搬電子(current−carrying electron)が陽極及び外部回路に輸送され、正孔が陰極に輸送され、そこでそれらが外部回路からの電子により酸化される再生型ならびに半導体電極の表面で正孔と反応するもの及び対極に入る電子と反応するものの2つのレドックス系があり、例えば水が半導体光電陽極において酸素に酸化され、陰極において水素に還元される光合成型のものであることができる。Graetzel電池により代表されるような再生型の光電池の場合、正孔輸送媒体はレドックス反応を支持する液体電解質、レドックス反応を支持するゲル電解質、2,2’,7,7’−テトラキス(N,N−ジ−p−メトキシフェニル−アミン)9,9’−スピロビフルオレン(OMeTAD)もしくはトリフェニルアミン化合物のような低分子量材料又はポリマー、例えばPPV−誘導体、ポリ(N−ビニルカルバゾール)などであることができる有機正孔輸送材料あるいはCuI、CuSCNなどのような無機半導体であることができる。電荷輸送プロセスは、液体電解質又はゲル電解質の場合のようにイオン的であるか又は有機もしくは無機正孔輸送材料の場合のように電子的であることができる。
【0130】
そのような再生型光起電力装置は、末端用途に適した多様な内部構造を有することができる。考えられる形態はおおまかに2つの型:両側から光を受ける構造及び片側から光を受ける構造に分けられる。前者の例は、透明的に伝導性の層、例えばITO−層又はPEDOT/PSS−含有層ならびに透明対極電気伝導層、例えばITO−層又はPEDOT/PSS−含有層から作られ、それらの間に感光層及び電荷輸送層がはさまれている構造である。そのような装置は、内部物質の変質又は揮発を防ぐために、好ましくはそれらの面がポリマー、接着剤又は他の手段で密封される。電気伝導性基質及び対極にそれぞれのリード線を介して連結された外部回路は周知である。
【0131】
本発明に従う層配置の有機光起電力層は、例えばフラーレン(fullerene)分子(電子受容体及び電子輸送物質として)と共役ポリマー(例えば置換ポリフェニレンビニレン(PPV)(光吸収剤及び正孔輸送物質として)の混合物である[Brabec et al.著,Adv.Funct.Mater.,volume 11(1),2001年,pages 15−26を参照されたい]。1995年にHalls et al.はNature,volume 376,page 498において、フラーレンの代わりに受容体−型共役ポリマーを用いて成功したことを報告した。
【0132】
あるいはまた、本発明に従う層配置を、1991年にGraetzel et al.によりNature,volume 353,pages 737−740において、1998年にU.Bach et al.により[Nature,volume 395,1998年,pages 583−585を参照されたい]、及び2002年にW.U.Huynh et al.により[Science,volume 295,2002年,pages 2425−2427を参照されたい]記載されているような混成光起電力組成物中に導入することができる。これらのすべての場合、成分(光吸収剤、電子輸送物質又は正孔輸送物質)の少なくとも1つは無機(例えば電子輸送物質としてナノ−TiO、光吸収剤及び電子輸送物質としてCdSe)であり、且つ成分の少なくとも1つは有機(例えば正孔輸送物質としてトリフェニルアミン又は正孔輸送物質としてポリ(3−ヘキシルチオフェン))である。
【0133】
本発明に従う層配置において用いられ得る無機光起電力層は、欧州特許出願公開第1176646号明細書に記載されている。
【0134】
トランジスタ
本発明に従う層配置の第32の態様に従うと、層配置はトランジスタである。
【0135】
本発明に従う層配置の第33の態様に従うと、層配置はさらに上記の、しかし配置をトランジスタとして使用できるような配置の範囲内の電子輸送成分又は正孔輸送成分の1つもしくはそれより多くを有する層を含んでなる。半導体はn−型、p−型又は両方(両極性(ambipolar)トランジスタ)であることができ、且つ有機又は無機であることができる。
【0136】
工業的用途
正の電極と正孔の輸送が可能であり、且つ正の電極における正孔−電子再結合を減少させることができる材料との間に層を含んでなる層配置を、広範囲の電子装置、例えば光起電力装置,太陽電池、電池、コンデンサー、発光ダイオード、有機及び無機エレクトロルミネセント装置、スマートウインドウズ(smart windows)、エレクトロクロミック装置、有機及び生物−有機材料のためのセンサー及び電界効果型トランジスタにおいて用いることができる[Handbook of Oligo− and Polythiophenes,D.Fichou編集,Wiley−VCH,Weinheim(1999)の10章も参照されたい]。
【0137】
下記で本発明を比較実施例及び本発明の実施例により例示する。これらの実施例において示されるパーセンテージ及び比率は、他にことわらなければ重量による。
【0138】
下記で例示される層配置及び発光装置において用いられる下塗り層番号01は組成:
【0139】
【表8】

【0140】
を有する。
【0141】
比較及び参照層配置において用いられる成分:
ポリヒドロキシ−化合物:
・DEG=ジエチレングリコール(欧州特許出願公開第686662号明細書で開示);
・TEG=トリエチレングリコール(欧州特許出願公開第686662号明細書で開示);
・DHTP=1,5−ジヒドロキシ−3−チア−ペンタン;
・DHDTO=1,8−ジヒドロキシ−3,6−ジチア−オクタン。
【0142】
層配置1〜38の製造において用いられるコーティング分散液の
調製で用いられるPEDOT/PSS−分散液の調製
1:2.5のPEDOT対PSSの重量比を含有するPEDOT/PSSの1.2重量%を含む水性分散液Aは、欧州特許出願公開第440957号明細書に開示されている通りに調製され、AR1000プレートアンドコーン流動計(plate and cone rheometer)(直径4cm;コーン角2)を用いて20℃において5秒−1のせん断速度で測定される38mPa.sの典型的な粘度を有し、且つ1.9のpHを有した。水性分散液Aはコーティング分散液の調製において直接用いられたか、あるいは水性分散液Bの場合には洗浄媒体として脱イオン水を用いて、又は水性分散液Cの場合には洗浄媒体としてポリリン酸の0.31重量%溶液を用いて限外濾過に供された。
【0143】
層配置1〜3
88%塩化ビニリデン、10%アクリル酸メチル及び2%イタコン酸のコポリマーの30%水性ラテックス;3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ZONYLTM FSO100及びN−メチルピロリジノンを加えることにより、水性分散液A、B及びCからコーティング分散液を調製し、下塗り層1が下塗りされたポリ(エチレンテレフタレート)支持体上にコーティングし、次いで45℃で3分間乾燥し、するとNMPはほとんど蒸発し、それぞれ層配置1、2及び3に関する以下の被覆率を得た:
【0144】
【表9】

【0145】
10本のストリップを用い、可視フィルターを用いる透過においてMacBeth TR924デンシトメーターを用いてプリント及び支持体の光学濃度を決定し、次いで得られる値を10で割った。結果を表1にまとめる。
【0146】
コーティングされた層を、それぞれ長さが35mmで35mm離れ、線接触を形成でき、TEFLON絶縁物質により隔てられた平行銅電極と接触させることにより、コーティングされた層の表面抵抗を測定した。これは、実現されるべき表面抵抗の直接の測定を可能にした。表面抵抗測定値は、新しく製造された層配置について、ならびにAtlas Material Testing Technology BV,D−63558 Gelnhausen,Germanyにより供給されるSUNTESTTM CPS装置中における48時間及び96時間に供した後に測定された。この試験において、コーティングされた支持体は、ガラスフィルターを介してキセノンランプにより与えられる人工の日光に暴露された。結果をやはり表1にまとめる。PEDOT/PSSがポリリン酸−含有水を用いる限外濾過に供された0.65:1のポリリン酸(HPOとして)対PEDOTの重量比を含有する層配置3は、PEDOT/PSSが水を用いる限外濾過に供された層配置2及びPEDOT/PSSが限外濾過に供されなかった層配置1と比較して、擬似日光暴露に対して強力に向上した安定性を示した。
【0147】
【表10】

【0148】
層配置4〜6
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ZONYLTM FSO100及びジエチレングリコールを加えることにより、水性分散液A、B及びCからコーティング分散液を調製し、下塗り層1が下塗りされたポリ(エチレンテレフタレート)支持体上にコーティングし、次いで140℃で1分間乾燥すると、それぞれ層配置4、5及び6に関する以下の被覆率が得られた:
【0149】
【表11】

【0150】
層配置1〜3に関して記載した通りに、コーティングされた層の表面抵抗及び光学濃度を測定した。表面抵抗測定値は、新しく製造された層配置について、ならびにAtlas Material Testing Technology BVにより供給されるSUNTESTTM CPS装置中における48時間に供した後に測定された。この試験において、コーティングされた支持体は、ガラスフィルターを介してキセノンランプにより与えられる人工の日光に暴露された。結果を表2にまとめる。
【0151】
PEDOT/PSSがポリリン酸−含有水を用いる限外濾過に供された0.65:1のポリリン酸(HPOとして)対PEDOTの重量比を含有する層配置6は、PEDOT/PSSが水を用いる限外濾過に供された層配置5及びPEDOT/PSSが限外濾過に供されなかった層配置4と比較して、擬似日光暴露に対して強力に向上した安定性を示した。
【0152】
【表12】

【0153】
層配置7〜9
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ZONYLTM FSO100、ジエチレングリコール及び場合によりポリリン酸を加えることにより、水性分散液Aからコーティング分散液を調製し、下塗り層1が下塗りされたポリ(エチレンテレフタレート)支持体上にコーティングし、次いで140℃で1分間乾燥すると、ジエチレングリコールが少なくとも部分的に蒸発し、それぞれ層配置7、8及び9に関する以下の被覆率が得られた:
【0154】
【表13】

【0155】
層配置1〜3に関して記載した通りに、コーティングされた層の表面抵抗を測定した。表面抵抗測定値は、新しく製造された層配置について、ならびにAtlas Material Testing Technology BVにより供給されるSUNTESTTM CPS装置中における48時間に供した後に測定された。この試験において、コーティングされた支持体は、ガラスフィルターを介してキセノンランプにより与えられる人工の日光に暴露された。結果を表3にまとめる。
【0156】
PEDOT/PSS−層がそれぞれ3.46:1及び6.92:1のポリリン酸(HPOとして)対PEDOTの重量比を含有する層配置8及び9は、ポリリン酸を含有しない層配置7と比較して、擬似日光暴露に対する強力に向上した安定性を示した。
【0157】
【表14】

【0158】
層配置10〜19
層配置1に関して記載した通りに層配置10を製造し、PEDOT/PSS−含有層中に表4において規定される化合物を10mg/mの被覆率で導入する以外は層配置2に関して記載したとおりに層配置11〜19を製造した。
【0159】
層配置1〜3に関して記載した通りに、PEDOT/PSS−含有層の表面抵抗及び光学濃度を測定した。表面抵抗測定値は、新しく製造された層配置について、ならびにAtlas Material Testing Technology BVにより供給されるSUNTESTTM CPS装置中における48時間及び96時間に供した後に測定された。この試験において、コーティングされた支持体は、ガラスフィルターを介してキセノンランプにより与えられる人工の日光に暴露された。結果を表4にまとめる。
【0160】
表4中の結果は、PEDOT/PSS−含有層中への式(I)又は式(II)に従うポリヒドロキシ−化合物の10mg/mの被覆率における導入が、SUNTEST装置における擬似日光への暴露に対する安定性において、添加剤なしのPEDOT/PSS−含有層(層配置10)、欧州特許出願公開第686662号明細書に開示されている2種のポリヒドロキシ−化合物、ジエチレングリコール及びトリエチレングリコールが加えられた層(層配置11及び12)ならびにジエチレングリコール(DHTP)及びトリエチレングリコール(DHDTO)のチア−類似化合物が加えられた層(層配置13及び14)の場合に見出される安定性を超える向上を生じたことを示す。
【0161】
【表15】

【0162】
層配置20〜22
PEDOT/PSS−含有層中に表5において規定される化合物を10mg/m又は50mg/cmの被覆率で導入する以外は層配置1に関して記載した通りに層配置20〜22を製造した。
【0163】
層配置1〜3に関して記載した通りに、PEDOT/PSS−含有層の表面抵抗及び光学濃度を測定した。表面抵抗測定値は、新しく製造された層配置について、ならびにAtlas Material Testing Technology BVにより供給されるSUNTESTTM CPS装置中における48時間及び96時間に供した後に測定された。この試験において、コーティングされた支持体は、ガラスフィルターを介してキセノンランプにより与えられる人工の日光に暴露された。結果を、PEDOT/PSS−含有層に添加剤が加えられなかった比較実施例としての層配置10に関する結果と一緒に表5にまとめる。
【0164】
表5における結果は、PEDOT/PSS−含有層中へのチア−アルカンジカルボン酸の10mg/mの被覆率における導入が、SUNTEST装置における擬似日光への暴露に対する安定性において、添加剤なしのPEDOT/PSS−含有層(層配置10)に関して見出されるものを超える向上を生じたことを示す。PEDOT/PSS−層におけるTADCA01の50mg/mの被覆率に関し、SUNTEST装置における擬似日光への48時間及び96時間の暴露の後、優秀な安定性が観察された。
【0165】
【表16】

【0166】
層配置23〜25
PEDOT/PSS−含有層中に表6において規定される化合物を10mg/mの被覆率で導入する以外は層配置1に関して記載したとおりに層配置23〜25を製造した。
【0167】
層配置1〜3に関して記載した通りに、PEDOT/PSS−含有層の表面抵抗及び光学濃度を測定した。表面抵抗測定値は、新しく製造された層配置について、ならびにAtlas Material Testing Technology BVにより供給されるSUNTESTTM CPS装置中における48時間及び96時間に供した後に測定された。この試験において、コーティングされた支持体は、ガラスフィルターを介してキセノンランプにより与えられる人工の日光に暴露された。結果を、PEDOT/PSS−含有層に添加剤が加えられなかった比較実施例としての層配置10に関する結果と一緒に表6にまとめる。
【0168】
【表17】

【0169】
表6における結果は、PEDOT/PSS−含有層中へのテトロン酸誘導体の10mg/mの被覆率における導入が、SUNTEST装置における擬似日光への暴露に対する安定性において、添加剤なしのPEDOT/PSS−含有層(層配置10)に関して見出されるものを超える向上を生じたことを示す。PEDOT/PSS−層におけるアスコルビン酸の100mg/mの被覆率に関し、SUNTEST装置における擬似日光への48時間及び96時間の暴露の後、優秀な安定性が観察された。
【0170】
層配置26
PEDOT/PSS−含有層中に表7において規定される化合物を10mg/mの被覆率で導入する以外は層配置1に関して記載した通りに層配置26を製造した。
【0171】
層配置1〜3に関して記載した通りに、PEDOT/PSS−含有層の表面抵抗及び光学濃度を測定した。表面抵抗測定値は、新しく製造された層配置について、ならびにAtlas Material Testing Technology BVにより供給されるSUNTESTTM CPS装置中における48時間及び96時間に供した後に測定された。この試験において、コーティングされた支持体は、ガラスフィルターを介してキセノンランプにより与えられる人工の日光に暴露された。結果を、PEDOT/PSS−含有層に添加剤が加えられなかった比較実施例としての層配置10に関する結果と一緒に表7にまとめる。
【0172】
【表18】

【0173】
表7における結果は、PEDOT/PSS−含有層中へのCHDC01の10mg/mの被覆率における導入が、SUNTEST装置における擬似日光への暴露に対する安定性において、添加剤なしのPEDOT/PSS−含有層(層配置10)に関して見出されるものを超える向上を生じたことを示す。
【0174】
層配置27〜33
層配置4に関して記載した通りに層配置27を製造し、PEDOT/PSS−含有層中に表7において規定される化合物を10mg/mの被覆率で導入する以外は層配置4に関して記載した通りに層配置28〜33を製造した。
【0175】
層配置1〜3に関して記載した通りに、PEDOT/PSS−含有層の表面抵抗及び光学濃度を測定した。表面抵抗測定値は、新しく製造された層配置について、ならびにAtlas Material Testing Technology BVにより供給されるSUNTESTTM CPS装置中における48時間及び96時間に供した後に測定された。この試験において、コーティングされた支持体は、ガラスフィルターを介してキセノンランプにより与えられる人工の日光に暴露された。結果を表8にまとめる。
【0176】
【表19】

【0177】
表8における結果は、PEDOT/PSS−含有層中への式(I)に従うポリヒドロキシ−化合物、式(II)に従うポリヒドロキシ−化合物及びチア−アルカンジカルボン酸の10mg/mの被覆率における導入が、SUNTEST装置における擬似日光への暴露に対する安定性において、添加剤なしのPEDOT/PSS−含有層(層配置27)に関して見出されるものを超える向上を生じたことを示す。
【0178】
層配置34〜38
PEDOT/PSS−含有層中に表9において規定される化合物を表9において規定される被覆率で導入する以外は層配置4に関して記載した通りに層配置34〜38を製造した。
【0179】
層配置1〜3に関して記載した通りに、PEDOT/PSS−含有層の表面抵抗及び光学濃度を測定した。表面抵抗測定値は、新しく製造された層配置について、ならびにAtlas Material Testing Technology BVにより供給されるSUNTESTTM CPS装置中における48時間及び96時間に供した後に測定された。この試験において、コーティングされた支持体は、ガラスフィルターを介してキセノンランプにより与えられる人工の日光に暴露された。結果を表9にまとめる。
【0180】
【表20】

【0181】
表9における結果は、PEDOT/PSS−含有層中へのすべてのテトロン酸誘導体の10mg/mの被覆率における導入が、SUNTEST装置における擬似日光への48時間に及ぶ暴露に対する安定性において、添加剤なしのPEDOT/PSS−含有層(層配置27)に関して見出されるものを超える実質的な向上を生じたことを示す。TAD02及びTAD03はPEDOT/PSS−含有層における50mg/mの被覆率で、SUNTEST装置における擬似日光への48時間に及ぶ暴露に対する安定性において、添加剤なしのPEDOT/PSS−含有層(層配置27)に関して見出されるものを超える実質的な向上をもたらした。
【0182】
層配置39及び40
PEDOT/PSS−含有層中に表10において規定される化合物を表10において規定される被覆率で導入する以外は層配置4に関して記載した通りに層配置39及び40を製造した。
【0183】
層配置1〜3に関して記載した通りに、PEDOT/PSS−含有層の表面抵抗及び光学濃度を測定した。表面抵抗測定値は、新しく製造された層配置について、ならびにAtlas Material Testing Technology BVにより供給されるSUNTESTTM CPS装置中における48時間及び96時間に供した後に測定された。この試験において、コーティングされた支持体は、ガラスフィルターを介してキセノンランプにより与えられる人工の日光に暴露された。結果を表10にまとめる。
【0184】
表10における結果は、PEDOT/PSS−含有層中へのオルト−ジヒドロキシ−ベンゼン化合物ODHB01及びスルホ−置換2−チア−アルキル−ベンズイミダゾール化合物SSTAB01の10mg/mの被覆率における導入が、SUNTEST装置における擬似日光への48時間に及ぶ暴露に対する安定性において、添加剤なしのPEDOT/PSS−含有層(層配置27)に関して見出されるものを超える向上を生じたことを示す。
【0185】
【表21】

【0186】
発光装置実施例
PEDOT−Sの合成
2−アセトキシメチル−2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]
ジオキシン−5,7−ジカルボン酸ジメチルエステルの合成
【0187】
【化9】

【0188】
米国特許第5,111,327号明細書に記載されている通りに3,4−ジヒドロキシチオフェン−2,5−ジカルボン酸ジメチルエステル及びエピブロモヒドリンの間の反応を行なうことにより、2−アセトキシメチル−2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−5,7−ジカルボン酸ジメチルエステル及び3−アセトキシ−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキセピン−6,8−ジカルボン酸ジメチルエステルの70/30モル混合物を得た。続いてアセチル化/選択的結晶化法によりこの混合物を分離した:2−アセトキシメチル−2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−5,7−ジカルボン酸ジメチルエステル及び3−アセトキシ−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキセピン−6,8−ジカルボン酸ジメチルエステルの70/30モル混合物(143g,0.496モル)を塩化メチレン(1.5 l)中に溶解した。続いてトリエチルアミン(80mL)を加え、その後わずかに冷却することにより反応物を約25℃に一定に保ちながら、塩化アセチル(43mL)を滴下した。滴下の後、混合物を25℃でさらに1時間攪拌した。
【0189】
続いて反応混合物をそれぞれHCl水溶液(1M)、NaHCO水溶液(1M)及び飽和NaCl水溶液で数回洗浄した。溶媒を除去し、得られる固体をエタノールから再結晶した。濾過及び残留物の洗浄の後、NMR及び質量分析により示される通り純粋な2−アセトキシメチル−2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−5,7−ジカルボン酸ジメチルエステルが得られた。
【0190】
2−ヒドロキシメチル−2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]
ジオキシン−5,7−ジカルボン酸の合成
【0191】
【化10】

【0192】
2−アセトキシメチル−2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−5,7−ジカルボン酸ジメチルエステル(60g,0.18モル)をエタノール(680mL)中に溶解した。この溶液にKOH(36g)を加え、その後継続的に冷却しながら(upon continuous cooling)水(500mL)を加えた。水の添加の後、反応混合物をさらに30分間攪拌し、その後蒸留により溶媒を除去した。反応混合物の残留部分に我々は氷(50g)及び濃HCl(25mL)の混合物を滴下し、攪拌した。次いで混合物を濾過し、残留物を水で洗浄した。続く乾燥は、NMR及び質量分析により示される通り純粋な2−ヒドロキシメチル−2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−5,7−ジカルボン酸の定量的な生成を生じた。
【0193】
(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)
−メタノールの合成
【0194】
【化11】

【0195】
2−ヒドロキシメチル−2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−5,7−ジカルボン酸(48g,0.184モル)をN,N−ジメチルアセトアミド(500mL)中に溶解し、CuCr(8.6g)及びキノリン(15滴)を加えた。続いてこの混合物を150℃で2時間攪拌し、その後それを25℃に冷却した。次いでそれを酢酸エチル中に注ぎ、濾過により触媒を除去し、濾液を酸性の水及び飽和NaCl水溶液で洗浄した。続いて溶媒を除去し、その後真空蒸留により(115〜120℃;0.05mmHg)純粋な(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)−メタノールを単離した。
【0196】
4−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン
−2−イル−メトキシ)−ブタン−1−スルホン酸ナトリウム塩の合成
【0197】
【化12】

【0198】
(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)−メタノール(6.9g,40ミリモル)をテトラヒドロフラン(100mL)中に溶解し、Nによりガスシールした。NaH(1.76g)を加え、攪拌を30分間続けた。次いでブタンスルトン(6.0g)を滴下し、その後反応混合物を3時間還流させた。次いでそれを再び25℃に冷却し、溶媒を除去し、メタノールを加え、混合物を攪拌し、濾過し、濾液を濃縮した。残留油をヘキサン及びエタノールの添加により固化させ、続いて攪拌した。最終的濾過及び乾燥は、NMR及び質量分析により示される通り純粋な4−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イルメトキシ)−ブタン−1−スルホン酸ナトリウム塩を生じた。
【0199】
4−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン
−2−イルメトキシ)−ブタン−1−スルホン酸ナトリウム塩の化学的重合
4−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イルメトキシ)−ブタン−1−スルホン酸ナトリウム塩(0.66g,2.0ミリモル)を酸素−非含有水(20mL)中に溶解した。溶液を80℃に加熱し、その後Fe(OTs).6HO(4.06g,6.0ミリモル)を加えた。溶液の色は直後に暗青色に変わった。反応混合物を80℃にさらに3.5時間保ち、その後それを冷却し、濾過した。カチオン性及びアニオン性樹脂を用いるイオン交換により、最終的に濾液から鉄、ナトリウム及びトシレートイオンを除去し、暗青色のPEDOT−S水溶液を得た。最後に脱イオン水を用いて溶液を1重量%のPEDOT−Sに希釈した。
【0200】
発光装置1〜10
エレクトロルミネセントZnS:Cu分散液の調製
以下の溶液を調製した:
【0201】
【表22】

【0202】
室温に保たれ、且つ1500rpmで攪拌されている溶液3に、溶液1及び2を両方とも500ml/分の流量において室温で同時に加えた。得られる分散液の1000mlに、水酸化アンモニウムを用いてpH6に調節された1000mlの1%ポリリン酸溶液を加え、Fresenius F60カートリッジを用いる限外濾過により分散液を1000mlに濃縮した。続いて水中の水酸化アンモニウム溶液を用いてpH6に調節されたポリリン酸溶液の1%溶液の5500mlを用いることにより、この分散液をダイアフィルトレーションした。分散液をさらに約570mlの体積に濃縮し、30g/LのZnS:Cu及び1%ポリリン酸を含有するpH6における水性分散液を調製した。次いで分散液を1時間ボールミル磨砕した。得られる分散液の20mlを次いで氷中で冷却しながら超音波棒(Sonics & materials Inc.からのVibra cell VCX 400W−振幅 約78%−出力 40%)を用いて3分間超音波処理した。次いで水中のポリ(ビニルピロリドン)の5重量%水溶液の3.2gを16.8gのZnS:Cu分散液に加え、続いて超音波棒を用いて5分間さらに超音波処理した。次いで0.5mlのZONYLTM FSO100を1重量%水溶液として加え、続いて十分に攪拌した。得られる分散液を次いで5μm MILLIPORETM フィルターを介して濾過し、それによりエレクトロルミネセントZnS:Cuのナノ−分散液を調製した。
【0203】
パターン化(patterned)ITP電極の製造
約80オーム/平方の表面抵抗を有するISTからの175μmの厚さのポリ(エチレンテレフタレート)[PET]上の酸化錫インジウム[ITO]層を正孔−伝導電極として用いた。5x5cmのITO/PETシートに、3Mからの2cmのマジックテープScotch 810を用いて板の中央部分においてテープを被せた(taped off)。50mLの濃塩酸、50mLの脱イオン水及び4mLの濃硝酸から成る溶液を用い、ITO板の側(sides)をエッチングした。エッチングの後、ITO/PETシートを水で数回洗浄し、続いてヘアドライヤーで乾燥した。乾燥の後、テープを除去し、イソプロパノールを含む容器中にシートを入れ、それを超音波浴中に10分間入れた。後にそれらを50℃で10分間乾燥した。各ITO/PETシートは中央部分に2cmの伝導性ITOのバンドを含有した。
【0204】
電子遮断層の調製及び適用
表11に示す溶液/分散液を調製した。
【0205】
【表23】

【0206】
溶液4、5、6及び7をパターン化されたITO/PETシート上に800rpmにおいて6秒間、及び次いで4000rpmにおいて50秒間スピンコーティングし、層を40℃で10分間乾燥した。これは約5〜10nmの層厚さを生じ、それによりそれぞれ装置2、3、4及び5のための基質が製造された。
【0207】
溶液8、9、10、11及び12をパターン化されたITO/PET上に800rpmにおいて6秒間、及び次いで1500rpmにおいて50秒間スピンコーティングし、層を40℃で10分間乾燥した。これは約100nmの層厚さを生じた。それによりそれぞれ装置6、7、8、9及び10のための基質が製造された。
【0208】
厚さはガラス上にスピンコーティングされた層を用い、DEKTAKTMプロフィロメーターを用いて測定された。ITO/PET上で類似の層厚さを予測することができる。
【0209】
エレクトロルミネセント層の適用
電子遮断層のないパターン化されたITO/PETの上に、エレクトロルミネセントナノZnS:Cu−分散液を1000rpmにおいて6秒間、続いて2000rpmにおいて50秒間スピンコーティングした。エレクトロルミネセントナノZnS:Cu−分散液を装置2〜25の基質に同じ方法で、用いられる特定の遮断層の上に適用した。
【0210】
得られる層を次いで50℃で10分間乾燥し、それにより100nmのエレクトロルミネセントZnS:Cu−層厚さが得られた。
【0211】
アルミニウム電極の適用
続いてスピンコーティングされた二重層上にマスクを用い、1.33x10−4Nm−2Paの真空において、160nmの厚さのアルミニウム電極(陰極)を真空蒸着させた。発出面積(emission area)は25mmであった。装置の構造を図1に示す。
【0212】
発光装置の性能
発光装置2〜10に関する結果を、同時に製造されたがパターン化されたITO−層とエレクトロルミネセント層の間に層を有していない装置1に関する結果と一緒に表12に示す。
【0213】
【表24】

【0214】
順方向バイアス(forward bias)において、装置は490nmのλmaxを有するエレクトロルミネセンスを示した。寿命測定のために、順方向バイアスを適用し、光出力(light output)を約0.5Cd/mで一定に保つように電圧を上げた。最大電圧は12Vであった。発光装置の寿命は、最適電圧の適用とさらなるエレクトロルミネセンスが観察され得ない瞬間の間の時間であると理解された。最適電圧は、最大の光出力が観察される電圧であった。
【0215】
表12から、層の片面上において陽極と、及び反対面上において正孔を輸送できる材料と連続する表面を有するポリリン酸(PPA)に関し、その中に式Iに従うポリマー、例えばPEDOT−Sを5:100、20:100及び50:50のPEDOT−S/PPA重量比で導入することは、層を用いずに、ならびにPEDOT−S及びPPA層を用いて得られる向上を超える寿命における向上を生ずると結論することができる。
【0216】
本発明は、暗黙にもしくは明白に本明細書中で開示されているいずれの特徴又は特徴の組み合わせあるいはそれらの一般化をも、それが現在特許請求されている発明に関連するかどうかに無関係に含むことができる。前記の記述を見て、本発明の範囲内で種々の修正を成し得ることが当該技術分野における熟練者に明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0217】
【図1】装置2〜10で用いられる層配置及びエレクトロルミネセンスを得るために用いられる回路の側面及び平面の略図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2個のアルコキシ基が同一であるかもしくは異なることができるか又は一緒になって場合により置換されていることができるオキシ−アルキレン−オキシ架橋を示す、場合により置換されていることができる3,4−アルキレンジオキシチオフェン構造単位を含有するポリマーと、ポリリン酸、ポリリン酸塩、チア−アルカンジカルボン酸、シクロヘキサジエン化合物及びテトロン酸誘導体;少なくとも1個のスルホ基を有するオルト−ジヒドロキシベンゼン化合物、式(I):
HO−CH−CH(OH)−(CH−S−CH−C(R)(R)−
CH−S−(CH−CH(OH)−CH−OH (I)
[式中、R及びRは独立してH、−OH又はアルキルであり、n及びmは独立して1、2又は3である]
に従う化合物;式(II):
HO−(CH−S−CH−S−(CH−OH (II)
[式中、p及びqは独立して2、3又は4である]
に従う化合物;テトロン酸誘導体に加水分解され得る化合物;式(I)に従う化合物に加水分解され得る化合物より成る群から選ばれるポリヒドロキシ−化合物ならびにスルホ−置換2−チア−アルキル−ベンズイミダゾール化合物より成る群から選ばれる化合物とを含有する層を含んでなる支持体上の層配置。
【請求項2】
該場合により置換されていることができる3,4−アルキレンジオキシチオフェン構造単位が式(III):
【化1】

[式中、X及びYはOであり、Zは−(CH−CR−(CH−であり;Rは水素又は−(CH−O−(CH−SOであり;Rは−(CH−O−(CH−SOであり;Mはカチオンであり;m及びnは独立して0〜3の整数であり;sは0〜10の整数であり;pは1〜18の整数である]
により示される請求項1に従う層配置。
【請求項3】
該場合により置換されていることができる3,4−アルキレンジオキシチオフェン構造単位を含有するポリマーが式(IV)
【化2】

[式中、X及びYはOであり;Zは−(CH−CR−(CH−であり;Rは水素又は−(CH−O−(CH−SOであり;Rは−(CH−O−(CH−SOであり;Mはカチオンであり;m及びnは独立して0〜3の整数であり;sは0〜10の整数であり;pは1〜18の整数であり;qは2〜10,000の整数である]
に従うポリチオフェンである請求項1又は2に従う層配置。
【請求項4】
該場合により置換されていることができる3,4−アルキレンジオキシチオフェン構造単位を含有するポリマーがポリ[4−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イルメトキシ)−ブタン−1−スルホン酸]である請求項1〜3のいずれかに従う層配置。
【請求項5】
該ポリマーがポリ(3,4−メチレンジオキシ−チオフェン)、ポリ(3,4−メチレンジオキシチオフェン)誘導体、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシ−チオフェン)誘導体、ポリ(3,4−プロピレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−プロピレンジオキシチオフェン)誘導体、ポリ(3,4−ブチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ブチレンジオキシチオフェン)誘導体及びそれらを用いるコポリマーより成る群から選ばれる請求項1〜4のいずれかに従う層配置。
【請求項6】
該場合により置換されていることができる3,4−アルキレンジオキシチオフェン構造単位を含有するポリマーがポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)である請求項1に従う層配置。
【請求項7】
該層がさらにポリアニオンを含有する請求項1〜6のいずれかに従う層配置。
【請求項8】
該ポリアニオンがポリ(スチレンスルホネート)である請求項7に従う層配置。
【請求項9】
該層配置が発光ダイオードである請求項1〜8のいずれかに従う層配置。
【請求項10】
該層配置が光起電力装置である請求項1〜8のいずれかに従う層配置。
【請求項11】
該層配置が太陽電池である請求項1〜8のいずれかに従う層配置。
【請求項12】
該層配置がトランジスタである請求項1〜8のいずれかに従う層配置。
【請求項13】
該層配置がエレクトロルミネセント装置である請求項1〜8のいずれかに従う層配置。

【図1】
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【公表番号】特表2006−505099(P2006−505099A)
【公表日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−530268(P2004−530268)
【出願日】平成15年7月29日(2003.7.29)
【国際出願番号】PCT/EP2003/050347
【国際公開番号】WO2004/018560
【国際公開日】平成16年3月4日(2004.3.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
マジックテープ
【出願人】(504376795)アグフア−ゲヴエルト (24)
【Fターム(参考)】