説明

日射光制御特性を有する窓組立体および窓組立体を作製する方法

【課題】様式化されたインク層又はオーバモールド済フレームを有する透明パネルの部分において収集される太陽エネルギーの量を最小にすることになるシステムを提供する。
【解決手段】日射光制御特性を有する窓システムは、第1面及び第2面を有する基材と、基材の第1面に隣接した第1プラズマ層と、基材の第1面とプラズマ層との間に配置された第1耐候性層と、基材の第1面と耐候性層との間に配置された日射光制御システムとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、自動車及び他の構造体で使用するためのプラスチックパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
ポリカーボネート(PC)及びポリメチルメタクリレート(PMMA)などのプラスチック材料は、Bピラー(B−pillar)、ヘッドランプ、及びサンルーフなどの、いくつかの自動車部品及びコンポーネントの製造において現在使用されている。自動車窓モジュールは、スタイリング/設計、重量節約、及び安全性/セキュリティの領域において種々の利点があるため、これらのプラスチック材料についての新たに出現してきた用途を示す。より具体的には、プラスチック材料は、機能コンポーネントをモールドされたプラスチックモジュールに一体化することによって窓組立体の複雑さを低減すると共に、全体の設計及び形状の複雑さを増すことによって自分の車両と競争相手の車両の差を示す能力を自動車製造業者に提供する。軽量プラスチック窓モジュールの使用は、車両についての低い重心と燃料経済性の改善の両方を容易にする場合がある。さらに、プラスチック窓モジュールは、転覆事故の最中における搭乗者の保持を向上させることによって、車両の全体の安全性を高める。
【0003】
自分の車両と競争相手の車両の差を示すために、製造業者が透明プラスチックパネルを使用する場合がある1つのこうしたやり方は、透明プラスチックパネル内に様式化されたインク層又はオーバモールド済の透明性の低いカラーフレームを追加することである。この様式化されたインク層又はオーバモールド済フレームは、透明プラスチックパネルの少なくとも一部分を覆うように様式化されてもよい。様式化されたインク層又はオーバモールド済フレームは、太陽エネルギーを吸収するため、透明パネルの表面温度が変動する可能性があることが発見された。より具体的には、様式化されたインク層又はオーバモールド済フレームを有する透明パネルの部分は、様式化されたインク層又はオーバモールド済フレームをもたない透明パネルの部分より高い表面温度を有することになる。透明パネルが冷えた後、様式化されたインク層又はオーバモールド済フレームを有する透明パネルの部分は、透明プラスチックパネルの耐候性及び動作寿命に影響を及ぼす反りを受ける可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、様式化されたインク層又はオーバモールド済フレームを有する透明パネルの部分において収集される太陽エネルギーの量を最小にすることになるシステムを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
知られている技術分野の欠点及び制限を克服するときに、日射光制御特性を有する窓システムが提供される。一実施形態では、窓システムは、第1面及び第2面を有する基材と、基材の第1面に隣接した第1プラズマ層と、基材の第1面とプラズマ層との間に配置された第1耐候性層と、基材の第1面と耐候性層との間に配置された日射光制御組立体とを含む。
【0006】
日射光制御組立体は、さらに、2つのポリカーボネート膜層の間に配置された日射光制御システムであってよい。
【0007】
さらに、さらなる耐候性層及びプラズマ層は、日射光制御組立体と基材の第2面の両方に塗布されてもよい。
【0008】
別の実施形態では、第1耐候性層は耐候性膜であってよい。耐候性膜は、アクリル、ポリウレタン、フルオロポリマー、イオノマー、シロキサン、及びそれらの組合せから作られてもよい。さらに、プラズマ層は、日射光制御組立体と第2プラズマ層に塗布されてもよく、耐候性層は、基材の第2面に塗布されてもよい。そうすることによって、プラズマ層は、優れたUV保護並びに長期の耐候性を付加することになる。
【0009】
本発明の、これらのまた他の利点、特徴、及び実施形態は、図面、詳細な説明、及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の原理を具現化する日射光反射特性を有する窓組立体を有する自動車の斜視図である。
【図2】本発明の原理を具現化する窓組立体の平面図である。
【図3】本発明の原理を具現化する窓組立体の別の実施形態の平面図である。
【図4】図2のライン4−4に沿って全体が切り取られた窓組立体の一部分の断面図である。
【図4A】図4に示す日射光制御システムの一部分の拡大図である。
【図5】さらなる耐候性層とプラズマ層とを有する窓組立体の別の実施形態の図4と同様の断面図である。
【図6】図2のライン4−4に沿って全体が切り取られた、接着促進層を介してプラスチック膜層に結合する日射光制御システムを有する窓組立体の一部分の断面図である。
【図7】さらなる耐候性層とプラズマ層とを有する窓組立体の別の実施形態の図6と同様の断面図である。
【図8】図2のライン4−4に沿って全体が切り取られた、耐候性層を有する窓組立体の一部分の断面図である。
【図9】さらなる耐候性層とプラズマ層とを有する窓組立体の別の実施形態の図8と同様の断面図である。
【図10】図2のライン4−4に沿って全体が切り取られた、接着促進層を介してプラスチック膜層及び耐候性膜に結合する日射光制御システムを有する窓組立体の一部分の断面図である。
【図11】さらなる耐候性層とプラズマ層とを有する窓組立体の別の実施形態の図10と同様の断面図である。
【図12】耐候性膜とプラズマ層との間に配置された日射光制御システムを有する窓組立体の別の実施形態の図10と同様の断面図である。
【図13】さらなる耐候性層とプラズマ層とを有する窓組立体の別の実施形態の図12と同様の断面図である。
【図14】オーバモールド済ブラックフレームを有する窓組立体の別の実施形態の図7と同様の断面図である。
【図15】本発明の原理を具現化する日射光反射特性を有する窓組立体を作製する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1を参照すると、本発明を組み込む自動車10が示される。自動車10は、自動車10の内側に配置され搭乗者コンパートメント12及びフレーム16を介して自動車10に搭載された窓組立体14を含む。
【0012】
この説明は、サンルーフ又はムーンルーフとして窓組立体14を使用することを述べるが、本発明は、自動車10の他の領域に同様に適用可能である。たとえば、窓組立体14は、運転者側窓、乗客側窓、リア窓、フロントガラス、及び/又は自動車10が有してもよい任意の他の窓として使用されるように適切に配置され、また、適切な大きさに作られてもよい。
【0013】
図2を参照すると、窓組立体14のより詳細な図が示される。図2に示すように、窓組立体14は、透明観察領域20及び様式化されたインク領域22を有する。或いは、様式化されたインク領域22は、ブラックコンポーネントフレーム領域であってよい。透明観察領域20は、光が搭乗者コンパートメント12を通過し、搭乗者コンパートメント12に入ることを可能にする点で、従来の窓組立体と同様である。様式化されたインク領域22は、透明領域20と同様である。しかし、様式化されたインク領域は、搭乗者コンパートメント12内への光の透過を防止する。
【0014】
窓組立体14の別の実施形態が図3に示される。このレイアウトでは、窓組立体14は、様式化されたインク領域28によって囲まれ、且つ、分離された2つの透明領域24、26を有する。先の実施形態と同様に、透明領域24は従来の窓組立体と同様であり、一方、様式化されたインク領域28は、搭乗者コンパートメント12内への光の透過を防止する。明らかに、様式化されたインク領域28は、任意の数のパターン、設計、又は構成で所望に応じて配置されてもよい。
【0015】
図4を参照すると、図2のライン4−4によって全体が切り取られた略断面が図4に示される。窓組立体14aは、上部面34及び底部面36を有する剛性基材32を含む。基材32は、ポリカーボネート、ポリアミド、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、アクリロニトリルスチレンアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ポリカーボネート/ポリエステルのブレンド、アクリロニトリルブタジエンスチレン、及びそれらの組合せから作られてもよい。基材32は、また、熱硬化性樹脂から作られてもよい。さらに、ガラス繊維が基材32に添加されてもよい。好ましくは、基材32は透明である。基材32の上部面34の上には、インク層38があってもよい。インク層38は、図1で最もよく示されるように搭乗者コンパートメント12内への光の透過を防止する。
【0016】
インク層38の上には、日射光制御組立体40aがある。日射光制御組立体40aは、共に剛性がない、第1プラスチック膜層44と第2プラスチック膜層46との間に配置された日射光制御システム42を含む。日射光制御システム42を第1及び第2プラスチック膜層44、46に付着させるのは、それぞれ、第1及び第2結合層48、50である。一般に、第1及び第2プラスチック膜層44、46は、PC、PMMA、ポリエステル、ポリアミド、TPU、及びそれらの組合せから作られる。結合層48、50は、通常、ポリウレタン、アクリル、ポリエステル、芳香族ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、ポリシアノアクリレート、コポリエステルホットメルト接着剤、及びそれらの組合せのうちの少なくとも1つから作られる。「組合せ(combination)」は、ブレンド、混合物、又はコポリマーを含むように幅広く定義される。
【0017】
図4Aを参照すると、日射光制御システム42の一部分の拡大図が示される。日射光制御システム42は、日射光制御積層体54に接続されたベース層52を含む。ベース層52は、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリカーボネート/ポリエステルのブレンド、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、及びそれらの組合せのうちの少なくとも1つから作られてもよい。
【0018】
日射光制御積層体54は、ポリマー積層体又は金属誘電積層体から作られてもよい。金属誘電積層体は、第1屈折率を有する少なくとも1つの金属層と、第2屈折率を有する少なくとも1つの誘電層と含む。金属層及び誘電層は、互いの上部に積層され、金属誘電積層体を形成する。金属層は、銀及び銀合金、金、銅、プラチナ、レニウム、アルミニウム、ニッケル、クロム、又は、それらの合金及びそれらの組合せのうちの少なくとも1つから作られてもよい。誘電層は、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム(In)、酸化インジウムスズ(ITO)、二酸化チタン(TiO)、SiO、酸化アンチモンスズ(ATO)、二酸化シリコン(SiO)、二酸化アルミニウム(Al)、窒化シリコン(Si)、硫化亜鉛(ZnS)、及びそれらの組合せから作られてもよい。
【0019】
ポリマー積層体は、第1屈折率を有する少なくとも1つの第1ポリマー層と、第2屈折率を有する少なくとも1つの第2ポリマー層とを含む。第1ポリマー層及び第2ポリマー層は、互いの上部に積層され、ポリマー積層体を形成する。第1及び第2ポリマー層は、ポリエステル、アクリル、ポリエステルアクリルのブレンド又はコポリマーのうちの1つから作られてもよい。
【0020】
ポリマー積層体及び金属誘電積層体は共に、同様な様態で働く。ポリマー積層体及び金属誘電積層体は、熱保護又は日射光制御特性が生成されるように、離散的な波長範囲内でスペクトル透過及び反射機能がセットアップされることができるということを利用する選択的光学干渉システムを形成する。たとえば、光ビームが、異なる屈折率を有する2つの材料間の界面を横切る場合、ビーム経路が、材料の屈折率の差に応じて変わる。差が大きければ大きいほど、ビームの屈折が大きい。異なる屈折率を有する層を利用することによって、熱保護及び/又は日射光制御特性が達成されることができる。
【0021】
日射光制御組立体40aの上には、耐候性層56が配置される。耐候性層56は、アクリル、ポリウレタン、シリコンハードコート、又は、これらの材料の組合せのうちの少なくとも1つからの材料であり、高い耐候性及び長期紫外保護を提供する。耐候性層56は、フローコーティング、ディップコーティング、スプレーコーティング、インモールドコーティング、カーテンコーティングなどの群から選択される1つの方法によって塗布される。さらに、本発明の別の実施形態では、シリコン/ナノ粒子が、耐候性層56の材料にブレンドされてもよく、又は、シロキサンコポリマーが、重合によって耐候性層56内に形成される。さらに、耐候性層56は、紫外吸収体を含んでもよい。
【0022】
第1プラズマ層58は、プラズマ強化化学気相堆積(PECVD)プロセス、拡張熱プラズマPECVD、プラズマ重合、光化学気相堆積、イオンビーム堆積、イオンメッキ堆積、カソードアーク堆積、スパッタリング、蒸着、中空カソード活性化堆積、マグネトロン活性化堆積、活性化反応性蒸着、熱化学気相堆積、及びゾルゲルコーティングプロセスなどによって耐候性層56上に堆積された「ガラス様(glass−like)」被膜である。第2プラズマ層60は、基材32の底部面36上に堆積される。プラズマ層58、60は、本発明の一実施形態では、多層プラズマ被膜である。プラズマ層58、60は、複数の層であってよく、紫外吸収体を含んでもよい。
【0023】
プラズマ層58、60は、酸化アルミニウム、フッ化バリウム、窒化ボロン、酸化ハフニウム、フッ化ランタニウム、酸化マグネシウム、酸化スカンジウム、一酸化シリコン、二酸化シリコン、窒化シリコン、シリコンオキシ窒化物、シリコンオキシカーバイド、水素添加シリコンオキシカーバイド、シリコンカーバイド、酸化タンタル、酸化チタン、酸化スズ、酸化イットリウム、酸化亜鉛、セレン化亜鉛、硫酸亜鉛、酸化ジルコニウム、及びチタン酸ジルコニウムから作られてもよい。さらに、プラズマ層58、60は、組成又は構造が異なる複数のサブ層を含んでもよい。
【0024】
図5を参照すると、窓組立体14aの別の実施形態が示される。この実施形態は、第2耐候性層62が、組立体14a内で、基材32の底部面36と第2プラズマ層60との間の場所に設けられることを除いて、図4に示す実施形態と同様である。第2耐候性層62は、先に説明した第1耐候性層56と構成が同様である。
【0025】
図6を参照すると、本発明の原理による窓組立体14bの別の実施形態が示される。窓組立体14bは、その日射光制御組立体40bが、図4の日射光制御組立体40aと異なることを除いて図4に示す窓組立体14aと同様である。
【0026】
日射光制御組立体40bは、図4の第1及び第2プラスチック膜層44、46と同様である第1及び第2プラスチック膜層44、46を含む。同様に、日射光制御組立体40bは、図4の日射光制御システム42と同様である日射光制御システム42を含む。差は、日射光制御システム42が、それぞれ、接着促進層49、51を介してプラスチック膜層44、46に付着することである。一般に、接着促進層は、金属誘電積層体の場合、SiOxCyHzから作られてもよく、ポリマー積層体の場合、ある他の連結層又は結合層から作られてもよい。通常、金属誘電積層体が利用されるとき、他の実施形態で述べるように、接着促進層49、51の一方は結合層であってよい。ポリマー積層体が利用されるとき、接着促進層49、51は、共に、連結層であることができる。これは、金属誘電積層体が、通常、スパッタリング及び/又はPECVDなどのプラズマコーティングによって作製されるからである。ポリマー積層体は、一方、共押出し、押出し、ラミネーション、及び/又は溶剤キャスティングによって作製されてもよい。
【0027】
図7を参照すると、窓組立体14bの別の実施形態が示される。この実施形態は、第2耐候性層62が、基材32の底部面36とプラズマ層60との間に配置されることを除いて、図6に示す実施形態と同様である。
【0028】
図8を参照すると、本発明の原理による窓組立体14cの別の実施形態が示される。窓組立体14cは、第1耐候性層56及び第1プラスチック膜層44が除去されたことを除いて図4に示す窓組立体14aと同様である。さらに、耐候性膜層66が付加された。非剛性耐候性膜層は、結合層48とプラズマ層58との間に配置される。耐候性膜層66は、結合層48を介して日射光制御システム42に結合される。耐候性膜層66は、さらに、アクリル、ポリウレタン、フルオロポリマー、イオノマー、シロキサン、及びそれらの組合せのうちの少なくとも1つから作られてもよい。耐候性膜層66は、紫外吸収体を含んでもよい。耐候性膜は、押出し、共押出し、ラミネーション、押出し−ラミネーション、押出し−コーティング、ローラーコーティングなどによって作製される。したがって、日射光制御組立体40cは、結合層48、50、日射光制御システム42、及びプラスチック膜46を含む。
【0029】
図9を参照すると、窓組立体14cのなお別の実施形態が示される。この実施形態は、第2耐候性層62が、基材32の底部面36とプラズマ層60との間に配置されることを除いて、図8の窓組立体14cと同様である。
【0030】
ここで図10を参照すると、本発明の原理による窓組立体14dの別の実施形態が示される。窓組立体14dは、第1耐候性層56及び第1プラスチック膜層44が除去されたことを除いて図6の窓組立体14bと同様である。さらに、耐候性膜層66が付加された。耐候性膜層66は、接着促進層49とプラズマ層58との間に配置される。耐候性膜層66は、接着促進層49を介して日射光制御システム42に付着される。したがって、耐候性膜層66は、アクリル、ポリウレタン、フルオロポリマー、イオノマー、シロキサン、及びそれらの組合せのうちの少なくとも1つから作られてもよい。耐候性膜層66は、紫外吸収体を含んでもよい。図6に示す実施形態と同様に、通常、金属誘電積層体が利用されるとき、他の実施形態で述べるように、接着促進層49、51の一方は結合層であってよい。ポリマー積層体が利用されるとき、接着促進層49、51は、共に、連結層又は結合層であることができる。これは、金属誘電積層体が、通常、スパッタリング及び/又はPECVDなどのプラズマコーティングによって作製されるからである。ポリマー積層体は、一方、共押出し、押出し、ラミネーション、及び/又は溶剤キャスティングによって作製されてもよい。
【0031】
図11を参照すると、窓組立体14dの別の実施形態が示される。この実施形態は、第2耐候性層62が、基材32の底部面36と第2プラズマ層60との間に配置される点で、図10の実施形態と異なる。
【0032】
図12を参照すると、窓組立体14eの別の実施形態が示される。この実施形態では、日射光制御組立体40eは、日射光制御システム42及び接着促進層49、51を含む。通常、この場合、金属誘電積層体が、耐候性及びUV保護も提供される日射光制御システム42のために使用される。ポリマー積層体が使用される場合、ポリマー積層体は、通常、アクリル、TPU、フルオロポリマー、イオノマー、シロキサン、及びそれらの組合せなどの耐候性材料から作られる。接着促進層49はオプションである。さらに、日射光制御組立体40eは、第1プラズマ層58と耐候性膜66との間に配置される。
【0033】
図13を参照すると、窓組立体14eの別の実施形態が示される。この実施形態は、第2耐候性層62が、基材32と第2プラズマ層60との間に配置される点で、図12の実施形態と異なる。
【0034】
図14を参照すると、窓組立体14bの別の実施形態が示される。この実施形態は、オーバモールド済ブラックフレーム68が、基材32の底部面36とオプションの耐候性層62との間で、基材32の底部面36に塗布されることを除いて、図7に示す実施形態と同様である。したがって、オーバモールド済ブラックフレーム68は、同様に、述べた全ての実施形態に適用可能である。オーバモールド済ブラックフレーム68は、また、基材32の周縁を囲む。
【0035】
図15を参照すると、窓組立体14を作製する方法70が示され、方法70は、ブロック72で示すように始まる。最初に、ブロック74で示すように、日射光制御組立体が形成される。日射光制御組立体は、押出し、共押出し、ラミネーション、溶剤キャスティング、スパッタリング、又は同様なプロセスによって形成されてもよい。
【0036】
ブロック76に示すように、オプションの様式化されたインク層は、日射光制御組立体に塗布されてもよい。様式化されたインク層は、スクリーン印刷、パッド印刷、膜像転写印刷、転写印刷、インクジェット印刷、デジタル印刷、ロボット分注、又はマスク及びスプレーによって塗布されてもよい。任意選択で、ブロック78で示すように、日射光制御組立体は、熱成形されてもよい。この熱成形プロセスは、真空熱成形、圧力支援熱成形、ドレープ成形、又は冷間成形によって行われてもよい。
【0037】
その後、ブロック80及び82に示すように、日射光制御組立体は、次いで、整えられ、モールドキャビティに一致するように置かれる。モールドキャビティ内に置かれると、ブロック84で示すように、基材材料は、基材材料でバックモールドされる。これは、射出成形、圧縮成形、射出圧縮成形、マルチコンポーネント成形、マルチカラー成形、又は複数材料成形プロセスを利用することによって達成されてもよい。
【0038】
その後、ブロック86及び88に示すように、日射光制御組立体及び基材材料は、ホットメルトされ、それにより、窓パネルが形成され、窓パネルは、その後、モールドキャビティから取り外される。ブロック90に示すように、オプションの耐候性層が、窓組立体に塗布されてもよい。その後、ブロック92に示すように、プラズマ被膜が、PECVDプロセスによって窓組立体に塗布される。ブロック94は、方法70の終了を示す。
【0039】
当業者が容易に理解することになるように、上記説明は、本発明の実施態様の例証として意図される。本説明は、添付特許請求の範囲に定義される本発明の精神から逸脱することなく、修正、変形、及び変更を受けるため、本発明の範囲又は用途を制限することを意図されない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
日射光制御特性を有する窓組立体であって、システムが
第1面及び第2面を有する基材と、
前記基材の前記第1面に隣接した第1プラズマ層と、
前記基材の前記第1面と前記プラズマ層との間に配置された第1耐候性層と、
前記基材の前記第1面と前記耐候性層との間に配置された日射光制御組立体とを含む、組立体。
【請求項2】
前記第1プラズマ層は紫外吸収体をさらに含む請求項1に記載の組立体。
【請求項3】
前記日射光制御組立体は、日射光制御システム及び2つのプラスチック膜層をさらに含み、前記日射光制御システムは、前記2つのプラスチック膜層の間に配置される請求項1に記載の組立体。
【請求項4】
前記プラスチック膜層は、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ポリアミド、熱可塑性ポリウレタン、及びそれらの組合せのうちの少なくとも1つから作られる請求項3に記載の組立体。
【請求項5】
前記日射光制御システムは、金属誘電積層体及びポリマー積層体の一方である請求項3に記載の組立体。
【請求項6】
前記金属誘電積層体は、
第1屈折率を有する少なくとも1つの金属層と、
第2屈折率を有する少なくとも1つの誘電層とをさらに含む請求項5に記載の組立体。
【請求項7】
前記少なくとも1つの金属層は、銀及び銀合金、金、銅、プラチナ、レニウム、アルミニウム、ニッケル、クロム、又は、それらの合金及びそれらの組合せのうちの少なくとも1つから作られる請求項6に記載の組立体。
【請求項8】
前記少なくとも1つの誘電層は、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム(In)、酸化インジウムスズ(ITO)、二酸化チタン(TiO)、酸化アンチモンスズ(ATO)、SiO、二酸化シリコン(SiO)、二酸化アルミニウム(Al)、窒化シリコン(Si)、硫化亜鉛(ZnS)、及びそれらの組合せのうちの少なくとも1つから作られる請求項6に記載の組立体。
【請求項9】
前記ポリマー積層体は、
第1屈折率を有する少なくとも1つの第1ポリマー層と、
第2屈折率を有する少なくとも1つの第2ポリマー層とをさらに含む請求項5に記載の組立体。
【請求項10】
前記少なくとも1つの第1ポリマー層及び少なくとも1つの第2ポリマー層は、ポリエステル、アクリル、ポリエステルアクリルのブレンド及びコポリマーのうちの1つから作られる請求項9に記載の組立体。
【請求項11】
前記プラスチック膜層と前記日射光制御システムとの間に配置された結合層をさらに含み、それにより、前記結合層は、前記日射光制御システムを前記プラスチック膜層に付着させる請求項3に記載の組立体。
【請求項12】
前記結合層は、ポリウレタン、アクリル、ポリエステル、芳香族ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、ポリシアノアクリレート、コポリエステルホットメルト接着剤、及びそれらの組合せのうちの少なくとも1つから作られる請求項11に記載の組立体。
【請求項13】
前記プラスチック膜層と前記日射光制御システムとの間に配置された接着促進層をさらに含み、それにより、前記接着促進層は、前記日射光制御システムを前記プラスチック膜層に付着させる請求項3に記載の組立体。
【請求項14】
前記接着促進層は、SiOから作られる請求項13に記載の組立体。
【請求項15】
前記日射光制御システムは、ベース層をさらに含む請求項3に記載の組立体。
【請求項16】
前記ベース層は、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリカーボネート/ポリエステルのブレンド、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、及びそれらの組合せである請求項15に記載の組立体。
【請求項17】
前記基材は、ポリカーボネート、ポリアミド、熱可塑性ポリウレタン、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ポリカーボネート/ポリエステルのブレンド、及びそれらの組合せのうちの少なくとも1つを含む材料である請求項1に記載の組立体。
【請求項18】
前記材料はガラス繊維をさらに含む請求項17に記載の組立体。
【請求項19】
前記第1耐候性層は、アクリル、ポリウレタン、シリコンハードコート、及びそれらの組合せのうちの少なくとも1つから作られる請求項1に記載の組立体。
【請求項20】
前記第1耐候性層は紫外吸収体をさらに含む請求項1に記載の組立体。
【請求項21】
前記基材の前記第2面に隣接して配置された第2プラズマ層をさらに含む請求項1に記載の組立体。
【請求項22】
前記基材の前記第2面と前記第2プラズマ層との間に配置された第2耐候性層をさらに含む請求項21に記載の組立体。
【請求項23】
前記第2耐候性層は、アクリル、ポリウレタン、シリコンハードコート、及びそれらの組合せのうちの少なくとも1つから作られる請求項22に記載の組立体。
【請求項24】
前記第2耐候性層は紫外吸収体をさらに含む請求項22に記載の組立体。
【請求項25】
前記基材の前記第1面と前記日射光制御組立体との間に配置されたインク層をさらに含む請求項1に記載の組立体。
【請求項26】
前記基材の前記第2面と前記第2プラズマ層との間に配置され、且つ、前記基材の周縁を囲むオーバモールド済ブラックコンポーネントをさらに含む請求項1に記載の組立体。
【請求項27】
前記第1耐候性層は耐候性膜である請求項1から26までのいずれか一項に記載の組立体。
【請求項28】
前記日射光制御組立体と前記プラスチック膜層との間に配置された第1結合層と、
前記日射光制御組立体と前記耐候性膜との間に配置された第2結合層とをさらに含み、それにより、前記結合層が、前記日射光制御組立体を前記プラスチック膜層と前記耐候性膜に付着させる請求項27に記載の組立体。
【請求項29】
前記第1及び第2結合層は、ポリウレタン、芳香族ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、ポリシアノアクリレート、コポリエステルホットメルト接着剤、アクリル、ポリエステル、及びそれらの組合せのうちの少なくとも1つから作られる請求項28に記載の組立体。
【請求項30】
前記耐候性膜は、アクリル、ポリウレタン、フルオロポリマー、イオノマー、シロキサン、及びそれらの組合せのうちの少なくとも1つから作られる請求項27に記載の組立体。
【請求項31】
窓組立体を作製する方法であって、
日射光制御組立体を形成するステップと、
前記日射光制御組立体を整えるステップと、
前記日射光制御組立体をモールドキャビティ内に置くステップと、
前記モールドキャビティをプラスチック基材材料でバックモールドする(back mold)ステップと、
前記日射光制御組立体を前記プラスチック基材材料に融解結合させて、前記窓組立体を形成するステップと、
前記モールドキャビティから前記窓組立体を取り外すステップと、
前記窓組立体の少なくとも一方の面上にプラズマ被膜を塗布するステップとを含む方法。
【請求項32】
前記日射光制御組立体上に様式化されたインクを印刷するステップをさらに含む請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記日射光制御組立体を熱成形するステップをさらに含む請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記窓組立体に耐候性層を塗布するステップをさらに含む請求項31に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2012−224087(P2012−224087A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−123384(P2012−123384)
【出願日】平成24年5月30日(2012.5.30)
【分割の表示】特願2009−514457(P2009−514457)の分割
【原出願日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【出願人】(501080424)エグザテック・リミテッド・ライアビリティー・カンパニー (7)
【氏名又は名称原語表記】Exatec,LLC.
【住所又は居所原語表記】31220 Oak Creek Drive,Wixom,MICHIGAN,USA
【Fターム(参考)】