説明

日照情報収集システムおよび日照情報送信機

【課題】透明板に映像を投影する技術において、透明板に映像を投影しない場合における透明板越しの視認性を向上することを目的とする。
【解決手段】複数の日照情報送信機5が道路1〜4に沿って間隔を空けて設置され、これら複数の日照情報送信機5が、当該日照情報送信機5に備えられる太陽電池の発電量に基づいて日照情報を作成して送信し、それら日照情報をセンタ6が受信、記録、および送信し、車両7のナビゲーション装置20がその日照情報を受信し、ユーザに表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、日照情報収集システムおよび日照情報送信機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ナビゲーション装置において、太陽光発電をより効率的に行うために、経路中の高層ビルと太陽の位置関係を算出することで、道路への日照の有無を判定し、その判定結果を利用して経路探索を行う技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−353295号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような方法で正確に日照の有無を算出するためには、詳細な建物構造を有する地図データと、高い演算処理能力が必要となる。
【0005】
本発明は上記点に鑑み、道路上の日照情報を、詳細な建物構造を有する地図データも高い演算処理能力も必要とせず収集するための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、道路に沿って間隔を空けて設置される複数の日照情報送信機(5)と、センタ(6)と、を備えた日照情報収集システムであって、前記複数の日照情報送信機(5)のそれぞれは、太陽電池(51)と、前記太陽電池(51)の発電量を検出する検出部(52)と、前記太陽電池(51)が生成した電力を用いて無線送信を行う通信部(56)と、前記検出部(52)の検出結果に基づいて作成した日照情報を、前記センタ(6)を宛先として、前記通信部(56)に繰り返し無線送信させる制御回路(59)と、を備え、前記センタ(6)は、前記複数の日照情報送信機(5)のそれぞれから送信された日照情報を受信するとともに、受信した日照情報とその日照情報の送信元の日照情報送信機(5)の設置位置の情報とを対応付けた日照情報テーブルを記録し、記録された前記日照情報テーブルを他の通信機器に送信することを特徴とする日照情報収集システムである。
【0007】
このように、複数の日照情報送信機(5)が道路に沿って間隔を空けて設置され、これら複数の日照情報送信機(5)が、太陽電池(51)の発電量に基づいて日照情報を作成して送信し、それら日照情報をセンタ(6)が受信、記録、および送信するので、道路上の日照情報を、詳細な建物構造を有する地図データも高い演算処理能力も必要とせず収集することができる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の日照情報収集システムにおいて、前前記センタ(6)が送信した前記日照情報テーブルを受信するナビゲーション装置(20)を備え、前記ナビゲーション装置(20)は、経路を算出し、受信した前記日照情報テーブル中の日照情報のうち、前記経路上の設置位置に対応付けられた日照情報に基づいた情報表示を行うことを特徴とする。
【0009】
このようになっていることで、ユーザは、経路上の日照についての情報を得ることができ、その情報を経路の選択等に利用することができる。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、複数の駐車場に設置される日照情報送信機(5)と、センタ(6)と、ナビゲーション装置(20)と、を備えた日照情報収集システムであって、前記複数の駐車場に設置される日照情報送信機(5)のそれぞれは、太陽電池(51)と、前記太陽電池(51)の発電量を検出する検出部(52)と、前記太陽電池(51)が生成した電力を用いて無線送信を行う通信部(56)と、前記検出部(52)の検出結果に基づいて作成した日照情報を、前記センタ(6)を宛先として、前記通信部(56)に繰り返し無線送信させる制御回路(59)と、を備え、前記センタ(6)は、前記複数の日照情報送信機(5)のそれぞれから送信された日照情報を受信するとともに、受信した日照情報とその日照情報の送信元の日照情報送信機(5)の設置位置の情報とを対応付けた日照情報テーブルを記録し、記録された前記日照情報テーブルを前記ナビゲーション装置(20)に送信し、前記ナビゲーション装置(20)は、前記センタ(6)が送信した前記日照情報テーブルを受信し、所定範囲内の複数の駐車場のそれぞれについて、受信した前記日照情報テーブル中の日照情報のうち、当該駐車場内の設置位置に対応付けられた日照情報に基づいた情報表示を行うことを特徴とする日照情報収集システムである。
【0011】
このようになっていることで、ユーザは、複数の駐車場の日照についての情報を得ることができ、その情報を目的地駐車場の選択等に利用することができる。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、道路または道路脇に設置するための日照情報送信機であって、太陽電池(51)と、前記太陽電池(51)の発電量を検出する検出部(52)と、前記太陽電池(51)が生成した電力を用いて無線送信を行う通信部(56)と、前記検出部(52)の検出結果に基づいて作成した日照情報を、前記通信部(56)に繰り返し無線送信させる制御回路(59)と、を備えた日照情報送信機である。
【0013】
このように、上記のような日照情報収集システムの一構成要素である日照情報送信機としても、本発明を捉えることができる。
【0014】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の日照情報送信機において、前記制御回路(59)は、前記検出部(52)の検出結果に基づいて作成した日照情報の繰り返し送信の間隔を、前記検出部(52)の検出結果の発電量が小さいほど長くすることを特徴とする。
【0015】
このようになっていることで、日照量が低いために太陽電池による発電量が少なくなっている場合でも、日照情報の繰り返し送信の間隔を長くすることで、使用電力量を低く抑えることができるので、電力の枯渇の可能性が低減される。なお、日照量が低くなる典型的な例は、夜間であるが、夜間の場合、少なくとも次の朝まで日照量が大きく向上することがないので、このように日照情報の送信間隔を長くしても、日照情報の正確性が損なわれる可能性は低い。
【0016】
また、請求項6に記載の発明は、請求項4または5に記載の日照情報送信機において、前記制御回路は、新たな日照情報の送信時には、過去所定期間内における前記検出部(52)の検出結果のうち、最も発電量が大きい検出結果に基づいて、前記新たな日照情報を作成することを特徴とする。
【0017】
このようになっていることで、渋滞、信号待ち等によって、過去所定期間内に日照情報送信機が一時的に車両の陰に隠れて太陽光を受けられない場合があったとしても、そのような場合に影響されず、正しい日照情報を送信することができる。
【0018】
また、請求項7に記載の発明は、請求項4ないし6のいずれか1つに記載の日照情報送信機において、書き込み可能な記憶媒体(54)と、作業者の操作を受ける操作部(57)と、自機の現在位置を特定して出力する現在位置特定装置(8)からの出力を取得するインターフェース(58)と、を備え、前記制御回路(59)は、前記操作部(57)に対して所定の登録操作が行われたことに基づいて、前記インターフェース(58)が取得した現在位置の情報を前記記憶媒体(54)に記録し、さらに前記制御回路(59)は、前記検出部(52)の検出結果に基づいて作成した前記日照情報を、前記記憶媒体(54)に記録された現在位置の情報と共に、前記通信部(56)に無線送信させることを特徴とする。
【0019】
このようになっていることで、日照情報送信機(5)の設置時には、操作部(57)に対して所定の登録操作を行うことで、日照情報送信機(5)に対して設置位置の情報を容易に登録することができる。
【0020】
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の日照情報送信機を道路または道路脇に設置する方法であって、前記日照情報送信機の前記インターフェース(58)に対し、前記現在位置特定装置(8)を接続する接続ステップと、前記接続ステップの後、前記日照情報送信機の設置位置において、前記操作部(57)に対して前記登録操作を行う登録ステップと、前記登録ステップの後、前記現在位置特定装置(8)を前記インターフェース(58)から切り離す切り離しステップと、を含む方法である。
【0021】
このように、日照情報送信機(5)の設置位置を特定するための現在位置特定装置(8)は、設置時に一時的に日照情報送信機(5)と接続されるだけなので、1つの現在位置特定装置(8)を複数の日照情報送信機(5)の設置に使い廻すことができ、日照情報送信機(5)のそれぞれが現在位置特定装置(8)を備える必要がなくなる。
【0022】
なお、上記および特許請求の範囲における括弧内の符号は、特許請求の範囲に記載された用語と後述の実施形態に記載される当該用語を例示する具体物等との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態に係る日照情報収集システムの構成図である。
【図2】道路における日照情報送信機5の設置位置を示す図である。
【図3】道路に日照情報送信機5が埋設された状態を示す図である。
【図4】日照情報送信機5の構成を示す図である。
【図5】センタ6の構成を示す図である。
【図6】ナビゲーション装置の構成を示す図である。
【図7】日照情報送信機の制御回路が実行する処理のフローチャートである。
【図8】センタの制御部が実行する受信処理のフローチャートである。
【図9】センタが記録する日照テーブルの構成例を示す図である。
【図10】センタの制御部が実行する送信処理のフローチャートである。
【図11】ナビゲーション装置の制御回路が実行する受信処理のフローチャートである。
【図12】ナビゲーション装置における日照情報の表示例を示す図である。
【図13】ナビゲーション装置の制御回路が実行する誘導経路算出処理のフローチャートである。
【図14】ナビゲーション装置の制御回路が実行する誘導経路算出処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態について説明する。図1に、本実施形態に係る日照情報収集システムの構成を概略的に示す。道路1〜4のそれぞれにおいて、黒丸印で表した複数の日照情報送信機5が、道路沿いに間隔を空けて設置されている。また、日照情報送信機5は、複数の駐車場にも設置される。ただし、屋根に覆われている駐車場のように、日中でも太陽光の当たることがほとんどない駐車場については、設置されず、屋根がなく太陽光が十分当たると判断された駐車場にのみ、設置される。駐車場中の日照情報送信機5の設置位置は、例えば、駐車場の四隅、駐車場の中央とする。ただし、車の影に入らないよう、駐車マスの外側に配置される。
【0025】
日照情報送信機5は、設置位置の日照情報(すなわち、設置位置において受けることができる太陽光の強度に相当する量を示す情報)を送信するための装置である。道路における日照の状態は、その道路のそばにある構造物(ビル、樹木等)に影響されるので、そのような構造物の影響による日照状態の違いを十分詳細に反映するには、設置間隔として、例えば、道路に沿って100メートル以下であることが好ましい。
【0026】
これら日照情報送信機5は、センタ6と通信することができるようになっている。センタ6は、携帯電話通信の基地局に設置されていてもよいし、インターネット等の広域ネットワークに接続されていてもよい。センタ6が携帯電話通信の基地局に設置されている場合、当該センタ6は、当該基地局の無線通信のカバーエリア(例えば基地局を中心とする半径10kmの円内のエリア)内の日照情報送信機5と、基地局を介して通信することができる。センタ6が広域ネットワークに接続されている場合、当該センタ6は、設置位置にかかわらずどの日照情報送信機5とも、広域ネットワークを介して通信できる。
【0027】
日照情報送信機5のそれぞれからセンタ6へは、当該日照情報送信機5の日照情報および位置情報が送信され、センタ6は、これら受信した日照情報および位置情報を受信し、それらをまとめて日照情報テーブルに記録し、必要に応じて車両7に搭載されたナビゲーション装置20等の通信機器に、日照情報テーブルを送信する。
【0028】
車両7は、太陽電池(図示せず)を備えたハイブリッド自動車または電気自動車であり、太陽電池によって発電し、その発電電力を車両のメインバッテリ(図示せず)に蓄積する。そして、メインバッテリに蓄積された電力は、車両駆動用のモータ(図示せず)の動力源となる。
【0029】
車両7に搭載されたナビゲーション装置20は、センタ6から受信した日照情報テーブルに基づいて、後述するような経路上の日照量表示、駐車場の日照量表示等を行う。これによって、ナビゲーション装置20のユーザは、その表示を、経路選択、駐車場選択等に用いることができる。
【0030】
本実施形態の日照情報収集システムは、これら日照情報送信機5、センタ6、およびナビゲーション装置20等によって構成される。
【0031】
ここで、図2に、道路上の日照情報送信機5の設置位置を例示する。この例に示すように、日照情報送信機5は、道路上の第1の走行方向9aへ走行する車線の中央に、間隔を空けて設置すると共に、同じ道路上の第1の走行方向9aとは反対の第2の走行方向9bへ走行する車線の中央にも、間隔を空けて設置するようになっていてもよい。
【0032】
なお、日照情報送信機5のそれぞれは、道路に埋設されるように設置される。図3に、道路に埋設された状態の日照情報送信機5を示す。日照情報送信機5は、この図3に示すように、道路の路面を構成する道路舗装用素材10に設けられた窪みに入れられる。その際、日照情報送信機5が有する太陽電池51が、日照情報送信機5の他の部分50よりも上に配置されるようにする。そして、太陽電池51の上には、道路舗装用素材10の表面と面一になるように透明カバー11が配置される。この透明カバー11は、太陽電池51に太陽が良好に当たるよう透明になっており、かつ、車両のタイヤが乗っても壊れないような強度の高い材質のもの(例えば、硬質ガラス)で構成されている。
【0033】
次に、図4を参照して日照情報送信機5の構成を説明する。日照情報送信機5は、上述の太陽電池51に加え、発電電力検出部52、二次電池53、RAM54、ROM55、通信部56、操作部57、外部インターフェース58、御回路59等を備えている。太陽電池51は、受けた太陽の光を電気エネルギーに変えて出力する周知の装置である。
【0034】
発電電力検出部52は、太陽電池51から出力される電流および電圧を検知することで、太陽電池の発電電力(発電量の一例に相当する)を常時検出し、その検出結果の発電電力を制御回路59に出力する回路である。
【0035】
二次電池53は、太陽電池51が生成した電力を蓄積する電池である。太陽電池51、発電電力検出部52、二次電池53、RAM54、ROM55、通信部56、操作部57、外部インターフェース58、制御回路59は、この二次電池53に蓄えられた電力(すなわち、太陽電池51が生成した電力)のみを用いて作動するようになっている。
【0036】
RAM54は、制御回路59が作業用に用いる揮発性の書き込み可能な記憶媒体である。なお、このRAM54の代わりに不揮発性の書き込み可能な記憶媒体(例えばフラッシュメモリ)を用いてもよい。ROM55は、制御回路59の実行するプログラム等が記録された書き込み不能な記憶媒体である。
【0037】
通信部56は、センタ6との通信(無線送信、無線受信)に用いる通信用の回路であり、必要に応じて送受信する信号の増幅、周波数変換、変調、復調等を行う。この通信部56の通信方式は、例えば携帯電話機で用いられるデータ通信方式を採用してもよい。
【0038】
この通信部56は、センタ6が携帯電話通信の基地局に接続されている場合、この基地局を介してセンタ6と通信し、センタ6が広域ネットワーク上に接続されている場合は、携帯電話通信の基地局および広域ネットワークを介してセンタ6と通信を行う。
【0039】
操作部57は、作業者の操作を受け付け付ける部材(例えば押しボタン)を備えた装置である。
【0040】
外部インターフェース58は、GPS受信機8等の外部機器(より詳しくは、日照情報送信機5の外部の機器)が脱着可能なコネクタを有している。GPS受信機8(現在位置特定装置の一例に相当する)は、GPS衛星からの信号に基づいて、自機の現在位置(緯度、経度)を特定して出力する周知の装置である。この外部インターフェース58のコネクタにGPS受信機8が接続された場合、外部インターフェース58は、このGPS受信機8からの出力、つまり、GPS受信機8の現在位置を取得し、取得した現在位置を制御回路59に出力する。
【0041】
制御回路59は、ROM55に記録されたプログラムを実行することで、後述する各種処理を実行する装置(例えばCPU)である。その処理の際、制御回路59は、通信部56を用いて送信を行い、発電電力検出部52、操作部57、外部インターフェース58から信号を取得する。
【0042】
次に、図5を参照してセンタ6の構成を説明する。センタ6は、ハードディスクドライブ61、通信部62、制御部63を備えている。
【0043】
ハードディスクドライブ61は、上述の日照情報テーブルを記録されるようになっており、また、制御部63が実行するプログラムを記憶している。通信部62は、日照情報送信機5およびナビゲーション装置20と通信するための通信インターフェース回路である。
【0044】
制御部63は、ハードディスクドライブ61に記録されたプログラムを実行することで、後述する各種処理を実行する装置(例えばCPU)である。その処理の際、制御部63は、通信部62を用いて日照情報送信機5およびナビゲーション装置20と通信を行う。
【0045】
次に、図6を参照してナビゲーション装置20の構成を説明する。ナビゲーション装置20は、車両7に搭載され、位置検出器21、画像表示装置22、操作部23、スピーカ24、通信部25、地図データ取得部26、および制御回路27を有している。
【0046】
位置検出器21は、いずれも周知の図示しない加速度センサ、地磁気センサ、ジャイロセンサ、車速センサ、およびGPS受信機等のセンサを有しており、これらセンサの各々の性質に基づいた、車両の現在位置、向き、および速度を特定するための情報を制御回路17に出力する。画像表示装置22は、制御回路17から出力された映像信号に基づいた映像をユーザに表示する。操作部23は、ユーザによる操作を受け付け、受け付けた操作に応じた信号を制御回路17に出力する。
【0047】
通信部25は、センタ6との通信(無線送信、無線受信)に用いる通信用の回路であり、必要に応じて送受信する信号の増幅、周波数変換、変調、復調等を行う。この通信部25の通信方式は、例えば携帯電話機で用いられるデータ通信方式を採用してもよい。
【0048】
この通信部25は、センタ6が携帯電話通信の基地局に接続されている場合、この基地局を介してセンタ6と通信し、センタ6が広域ネットワーク上に接続されている場合は、携帯電話通信の基地局および広域ネットワークを介してセンタ6と通信を行う。
【0049】
地図データ取得部26は、DVD、CD、HDD等の不揮発性の記憶媒体およびそれら記憶媒体に対してデータの読み出し(および可能ならば書き込み)を行う装置から成る。当該記憶媒体は、制御回路27が実行するプログラム、経路案内用の地図データ等を記憶している。
【0050】
地図データは、道路データおよび施設データを有している。道路データは、リンクの位置情報、種別情報、ノードの位置情報、種別情報、および、ノードとリンクとの接続関係の情報等を含んでいる。施設データは、施設(例えば駐車場)毎のレコードを複数有しており、各レコードは、対象とする施設の名称情報、所在位置情報、土地地番情報、施設種類情報等を示すデータを有している。
【0051】
制御回路(コンピュータに相当する)27は、CPU、RAM、ROM、I/O等を有するマイコンである。CPUは、ROMまたは地図データ取得部26から読み出したプログラムを実行し、その実行の際にはRAM、ROM、および地図データ取得部26から情報を読み出し、RAMおよび(可能であれば)地図データ取得部26の記憶媒体に対して情報の書き込みを行い、位置検出器21、画像表示装置22、操作部23、スピーカ24、および通信部25と信号の授受を行う。
【0052】
制御回路27がプログラムを実行することによって行う具体的な処理としては、現在位置特定処理、地図表示処理、誘導経路算出処理、経路案内処理等がある。現在位置特定処理は、位置検出器21からの信号に基づいて、周知のマップマッチング等の技術を用いて車両の現在位置や向きを特定する処理である。
【0053】
地図表示処理は、車両の現在位置の周辺等の特定の領域の地図を、画像表示装置22に表示させる処理である。この際、地図表示のために用いる情報は、地図データから取得する。誘導経路算出処理は、操作部23からユーザによる目的地の入力を受け付け、現在位置から当該目的地までの最適な誘導経路を算出する処理である。
【0054】
経路案内処理は、算出された誘導経路に沿った走行を案内する処理であり、誘導経路と自車位置との位置関係を逐次監視し、誘導経路上の右左折交差点等の案内ポイントの手前に自車両が到達したときに、右折、左折等を指示する案内音声をスピーカ14に出力させ、当該案内ポイントの拡大図を画像表示装置12に表示させることで、誘導経路に沿った車両の運転を案内する処理である。
【0055】
ここで、日照情報送信機5を道路に設置する方法およびその際の日照情報送信機5の作動について説明する。
【0056】
まず、日照情報送信機5を設置する作業者は、日照情報送信機5を設置する位置(以下、設置位置という)に日照情報送信機5を配置し、さらに、外部インターフェース58にGPS受信機8を接続する。あるいは、あらかじめ外部インターフェース58にGPS受信機8を接続し、その後、日照情報送信機5を設置位置に配置してもよい。日照情報送信機5の外部インターフェース58に対し、GPS受信機8を接続する作業が、接続ステップに相当する。
【0057】
続いて作業者は、日照情報送信機5の操作部57に対して所定の登録操作(例えば、登録ボタンの押下操作)を行う。この登録操作を行う作業が、登録ステップに相当する。日照情報送信機5の制御回路59は、この登録操作が行われたことに基づいて、GPS受信機8から出力されて外部インターフェース58が取得した現在位置の情報を、RAM54に記録する。このRAM54に記録された情報は、後に、日照情報送信機5の所在位置を示す位置情報として使用される。
【0058】
続いて作業者は、GPS受信機8を外部インターフェース58から切り離す。この切り離し作業が、切り離しステップに相当する。その後作業者は、図3に示したように日照情報送信機5を設置位置に固定し、透明カバー11で日照情報送信機5を覆う。このようにして、日照情報送信機5の設置が終了する。
【0059】
このようになっていることで、日照情報送信機5の設置時には、操作部57に対して所定の登録操作を行うことで、日照情報送信機に対して設置位置の情報を容易に登録することができる。
【0060】
そして、日照情報送信機5の設置位置を特定するためのGPS受信機8は、設置時に一時的に日照情報送信機5と接続されるだけなので、1つの現在位置特定装置8を複数の日照情報送信機5の設置に使い廻すことができ、日照情報送信機5のそれぞれが現在位置特定装置8を備える必要がなくなる。
【0061】
次に、日照情報送信機5のそれぞれが上記のような方法で設置された後の、日照情報収集システムの作動について説明する。まず、日照情報送信機5の作動について説明する。日照情報送信機5の制御回路59のそれぞれは、作動中、図7のフローチャートに示すステップ110〜150を常時繰り返し実行しており、その実行においてまずステップ110で、現時点の経過時間が待ち時間Tを超えるまで待つ。
【0062】
現時点の経過時間は、このステップ110の実行が日照情報送信機5の起動後初めてである場合は、日照情報送信機5の起動時から現在までの経過時間であり、また、このステップ110の実行が日照情報送信機5の起動後2回目以降である場合は、直前のステップ150の実行時から現在までの経過時間である。
【0063】
また、待ち時間Tは、このステップ110の実行が日照情報送信機5の起動後初めてである場合は、あらかじめROM55に記録された初期値である。この初期値としては、10分から30分までの範囲内のいずれかの時間(例えば10分)を採用する。また、待ち時間Tは、このステップ110の実行が日照情報送信機5の起動後2回目以降である場合は、直前のステップ150において決定された値とする。
【0064】
なお、ステップ110でこの待ち時間Tの経過を待っている間、制御回路59は、発電電力検出部52から出力される太陽電池51の発電電力を繰り返し(例えば、定期的に1秒周期で)RAM54に記録する。
【0065】
現時点の経過時間が待ち時間Tを超えた場合、すなわち、待ち時間Tが経過した場合、続いてステップ120で、RAM54に記録されている過去の発電電力のうち、過去所定期間内における最も大きい値を、最大発電電力として採用する。ここで、過去所定期間としては、現在よりも上記待ち時間T(より具体的には、直前のステップ110で採用した待ち時間T)だけ遡った時点から現在までの期間としてもよいし、現在よりも一定時間(例えば20分)だけ遡った時点から現在までの期間としてもよい。
【0066】
続いてステップ130では、この最大発電電力に基づいて、日照情報を作成する。具体的には、最大発電電力を、太陽電池51の受光面の面積で除算した結果の値、すなわち、単位面積当たりの発電電力を、日照情報とする。なお、太陽電池51の受光面の面積は、あらかじめROM55に記録されている。
【0067】
続いてステップ140では、ステップ130で作成した日照情報と、設置時にRAM54に記録された位置情報を、センタ6を宛先として、通信部56に無線送信させる。このようにして、位置情報と新たな日照情報とが、センタ6に送信される。
【0068】
続いてステップ150では、次のステップ110で採用する待ち時間Tを算出する。具体的には、直前のステップ110で待ち時間Tの経過を待っていた期間に記録した複数の発電電力Wを用いて、当該期間における総発電電力量Eを算出し、この総発電電力量Eを用いて、E≧J+K/Tを満たす最大のTを、次のステップ110で採用する待ち時間Tとして採用する。
【0069】
ここで、値Jは、当該期間における日照情報送信機5の消費電力量であり、これは、あらかじめROM55に記録されている「非通信時の単位時間当たりの日照情報送信機5の電力消費量」に、当該期間の長さを乗算することで算出可能である。また、値Kは、位置情報および日照情報の1回の送信に要する通信部56の消費電力量であり、あらかじめROM55に記録されている。
【0070】
つまり、次のステップ110で採用する待ち時間Tは、前回の待ち期間における太陽電池51の総発電電力量が小さくなればなるほど長くなる値である。このようにすることで、二次電池53の蓄電量が継続的に減少していく可能性がほとんどなくなるので、日照情報送信機5が電力不足で作動しなくなってしまうことがなくなる。ステップ150の後は、再度ステップ110に戻り、直前に算出した待ち時間Tだけ待機する。
【0071】
以上のように、日照情報送信機5のそれぞれが、発電電力検出部52の検出結果に基づいて作成した日照情報およびRAM54中の位置情報を、通信部56に繰り返し無線送信させる。
【0072】
また、日照情報送信機5は、発電電力検出部52の検出結果に基づいて作成した日照情報の繰り返し送信の間隔を、発電電力検出部52の検出結果の発電量が小さいほど長くするようになっている。
【0073】
このようになっていることで、日照量が低いために太陽電池による発電量が少なくなっている場合でも、日照情報の繰り返し送信の間隔を長くすることで、使用電力量を低く抑えることができるので、電力の枯渇の可能性が低減される。なお、日照量が低くなる典型的な例は、夜間であるが、夜間の場合、少なくとも次の朝まで日照量が大きく向上することがないので、このように日照情報の送信間隔を長くしても、日照情報の正確性が損なわれる可能性は低い。
【0074】
また、日照情報送信機5は、新たな日照情報の送信時には、過去所定期間内における発電電力検出部52の検出結果のうち、最も発電量が大きい検出結果に基づいて、新たな日照情報を作成する。
【0075】
このようになっていることで、渋滞、信号待ち等によって、過去所定期間内に日照情報送信機が一時的に車両の陰に隠れて太陽光を受けられない場合があったとしても、そのような場合に影響されず、正しい(すなわち、一時的に通過する車に遮られていない場合の)日照情報を送信することができる。
【0076】
次に、これら日照情報送信機5から送信された位置情報および日照情報を受信するセンタ6の作動について説明する。センタ6の制御部63は、図8に示すように、まずステップ210で、日照情報を複数の日照情報送信機5のうちいずれかから通信部62を介して位置情報および日照情報受信するまで待ち、受信すると続いてステップ220で、受信した位置情報および日照情報に基づいて、ハードディスクドライブ61中の日照情報テーブルを更新する。
【0077】
図9に、日照情報テーブルの構成を示す。日照情報テーブルは、複数のレコードを含んでおり、1つのレコードが1つの日照情報送信機5に対応する。そして、各レコードには、当該レコードに対応する日照情報送信機5から受信した最新の位置情報および日照情報が対になって(すなわち、互いに対応付けられて)記録される。ステップ220の日照情報テーブルの更新においては、今回受信した位置情報と同じ位置情報を有するレコードを日照情報テーブル中で検索し、検索の結果見つかったレコードの内容を、今回受信した位置情報および日照情報の組で置き換える。ステップ220の後は、再度ステップ210で位置情報および日照情報の受信を待つ。
【0078】
このように、センタ6は、日照情報送信機5から受信する位置情報および日照情報に基づいて日照情報テーブルを更新することで、日照情報テーブル中の位置情報および日照情報を最新の値に保つことができる。
【0079】
また、センタ6は、ナビゲーション装置20に日照情報テーブルを送信するために、図10に示す処理も実行する。具体的には、まずステップ230で、所定の送信タイミングが到来するまで待ち、送信タイミングが到来すると続いてステップ240で、通信部62を用いて、日照情報テーブルを送信し、その後、再度ステップ230で次の送信タイミングを待つ。ここで、送信タイミングは、一定間隔(例えば10分)毎に到来するようになっていてもよいし、他の条件によって到来するようになっていてもよい。
【0080】
ステップ240における日照情報テーブルの送信は、あらかじめハードディスクドライブ61に登録された送信先のナビゲーション装置20(他の通信機器の一例に相当する)を宛先とする送信であってもよいし、ブロードキャスト方式の送信であってもよい。
【0081】
ブロードキャスト方式の送信とは、携帯電話通信の基地局等の無線基地局から、宛先を指定せず送信する方式である。ブロードキャスト方式の送信では、特定の他の(すなわち、センタ6以外の)通信機器ではなく、不特定の他の通信機器に送信することになる。
【0082】
ナビゲーション装置20の制御回路27は、このように、ナビゲーション装置20宛に、またはブロードキャスト方式で送信された日照情報テーブルを受信するために、図11に示すような処理を実行する。そしてまずステップ310で、日照情報テーブルを通信部25を介して受信するまで待ち、受信すると続いてステップ320で、受信した日照情報テーブルをRAMまたは地図データ取得部26の記憶媒体に記録する。記録の際、過去に受信して記録していた日照情報テーブルは削除する。このようにすることで、日照情報テーブルを最新の状態に保つことができる。ステップ320の後は、再度ステップ310で日照情報テーブルの受信を待つ。このように、ナビゲーション装置20は、センタ6から日照情報テーブルを受信して記録する。
【0083】
そしてナビゲーション装置20の制御回路27は、上述の地図表示処理において、受信した日照情報テーブルの情報をユーザに表示する。具体的には、図2に示すように、画像表示装置22に地図を表示させる際、日照情報テーブルから当該地図範囲内となる位置情報を有するレコードを抽出する。そして、抽出したレコード中の位置情報に該当する地図上の位置に、日照情報マーク61〜68を表示させる。そして、各日照情報マーク61〜68の色を、その日照情報マークに対応するレコード中の日照情報に応じた色にする。具体的には、日照情報マークの表示輝度を、対応するレコード中の日照情報の値が大きいほど高くする。
【0084】
また、ナビゲーション装置20の制御回路27は、受信した日照情報テーブルを、上述の誘導経路算出処理においても用いるようになっている。
【0085】
具体的には、図13に示すように、まずステップ410で、操作部23を介してユーザの目的地入力操作を受け付け、受け付けた入力操作に基づいて目的地を設定する。続いてステップ420で、その目的地までの誘導経路の候補(以下、候補経路という)を複数個算出する。
【0086】
続いてステップ430では、それら複数の候補経路上に位置するすべての日照情報送信機5のレコードを、日照情報テーブルから抽出する。続いてステップ440では、複数の候補経路のそれぞれについて、当該候補経路上に位置するすべての日照情報送信機5のレコードに基づいて、当該候補経路を走行した場合の総日照量X(より詳しくは、受光面の単位面積当たりの総日照量)を、以下の式によって推定する。
【0087】
X=Σ[{(L+Li+1)/2}×D/V
ここで、L、Li+1は、それぞれ、当該候補経路上に位置する日照情報送信機5のうち、経路に沿って出発地点から数えてi番目、i+1番目の日照情報送信機5に対応する日照情報(具体的には、単位面積当たりの発電電力)の値であり、Dは、i番目の日照情報送信機5からi+1番目の日照情報送信機5までの候補経路に沿った距離であり、Vは、i番目の日照情報送信機5からi+1番目の日照情報送信機5までの候補経路に沿った走行速度である。また、Σは、[]内の式をiについて1からN−1まで総和を取ることを意味する。
【0088】
の値は、地図データから算出することができる。また、Vの値は、あらかじめ設定された値とする。例えば、Vの値は、iによらず一定の値(例えば、時速30キロメートル)に設定されていてもよい。
【0089】
続いてステップ450では、ステップ440で算出した各候補経路の総日照量Xを、各候補経路を採用した場合における目的地への到着時刻、各候補経路の総距離等と共に、画像表示装置22に表示させる。
【0090】
続いてステップ460では、ユーザが操作部23を用いてこれら候補経路のうち1つを選択するまで待ち、選択されると、続いてステップ470で、選択された候補経路を、最終的な誘導経路として確定し、その後、誘導経路算出処理を終了する。
【0091】
このようになっていることで、ユーザは、誘導経路の選択時に、各経路について、その経路を走行した場合の総日照量を考慮することができる。例えば、太陽発電を十分行いたい場合は、総日照量が最も多い候補経路を選択することができる。
【0092】
また、ナビゲーション装置20の制御回路27は、誘導経路算出処理において、操作部23に対するユーザの操作によって、目的地ではなく候補エリアの指定を受けるモードで作動する場合がある。候補エリアは、目的地の候補となる地理範囲である。
【0093】
このようなモードで作動する場合、制御回路27は、図14に示すような処理を実行する。その際、まずステップ510で、操作部23を介してユーザの候補エリア入力操作を受け付け、受け付けた入力操作に基づいて候補エリアを設定する。続いてステップ520で、地図データに基づいて候補エリア中のすべての駐車場を抽出し、さらに、当該駐車場に位置する日照情報送信機5のレコードを日照情報テーブルから抽出する。
【0094】
なお、日照情報送信機5は、駐車場のうち、屋根がなく太陽光が当たる駐車場のみに設置されているので、候補エリア中のすべての駐車場に日照情報送信機5が設置されているとは限らない。したがって、ステップ520では、候補エリア中のすべての駐車場のうち、屋根が無く太陽光が十分当たると判断された駐車場のみから、その駐車場に位置する日照情報送信機5のレコードを日照情報テーブルから抽出することになる。
【0095】
続いてステップ530では、駐車場のそれぞれについて、当該駐車場までの最適な経路を算出する。なお、ここで経路を算出する対象の駐車場は、日照情報送信機5が設置されている駐車場のみならず、日照情報送信機5が設置されていない駐車場も含む、候補エリア中のすべての駐車場である。
【0096】
続いてステップ540では、ステップ520で抽出した各レコード中の日照情報を、ステップ530で算出した各駐車場への最適経路を採用した場合における当該駐車場への到着時刻、各経路の総距離等と共に、画像表示装置22に表示させる。
【0097】
続いてステップ550では、ユーザが操作部23を用いてこれら駐車場(およびそれら駐車場への経路)のうち1つを選択するまで待ち、選択されると、続いてステップ550で、選択された駐車場および経路を、最終的な目的地および誘導経路として確定し、その後、誘導経路算出処理を終了する。
【0098】
このようになっていることで、ユーザは、目的地駐車場および誘導経路の選択時に、駐車先の駐車場の総日照量を考慮することができる。例えば、駐車中に太陽発電を十分行いたい場合は、総日照量が最も多い駐車場を目的地に選ぶことができる。また、駐車先の駐車場の総日照量が表示されない駐車場は、太陽光がほとんど当たらない駐車場であると判断することができる。
【0099】
以上説明した通り、複数の日照情報送信機5が道路に沿って間隔を空けて設置され、これら複数の日照情報送信機5が、太陽電池51の発電量に基づいて日照情報を作成して送信し、それら日照情報をセンタ6が受信、記録、および送信するので、道路上の日照情報を、詳細な建物構造を有する地図データも高い演算処理能力も必要とせず収集することができる。
【0100】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の各発明特定事項の機能を実現し得る種々の形態を包含するものである。
【0101】
例えば、上記実施形態においては、センタ6は、自発的に他の通信機器(ナビゲーション装置20等)に日照情報テーブルを送信するようになっている。しかし、必ずしもこのようになっておらずともよい。例えば、センタ6は、Webサーバとして機能し、他の通信機器(例えば、家庭のパーソナルコンピュータ等)から広域ネットワーク(例えばインターネット)を介してリクエストを受けた場合、日照情報テーブル中の各レコードの情報を地図形式で表したものを、当該リクエスト元の通信機器に送信するようになっていてもよい。日照情報テーブル中の各レコードの情報を地図形式で表したものとしては、例えば図12に示したようなものでよい。これを実現するために、ハードディスクドライブ61には、地図データが記録されていてもよい。
【0102】
また、上記実施形態において、日照情報送信機5がセンタ6に対して送信するのは、日照情報および位置情報の組ではなく、日照情報および日照情報送信機5のIDの組であってもよい。その場合、センタ6は、日照情報送信機5のIDと当該日照情報送信機5の設置位置とを対応付ける対応情報を有しており、その対応情報に基づいて受信したIDから設置位置を特定し、特定した設置位置の情報と、当該IDと共に受信した日照情報とを対応付けて、日照情報テーブルに記録してもよい。この場合、日照情報送信機5に対して位置情報を登録する必要がなくなる。
【0103】
また、上記実施形態では、日照情報送信機5の設置位置は道路内となっていたが、日照情報送信機5の設置位置は道路脇(例えば、道路から5メートル以内の距離だけ離れた位置)でもよい。
【0104】
また、ナビゲーション装置20を搭載した車両は、必ずしも太陽光発電を行わなくともよい。その場合でも、ナビゲーション装置20の制御回路27は、図13のような処理を行えば、冬期に、車内暖房による電力消費を抑えたい場合、ユーザは、総日照量が最も多い候補経路を選択するために、総日照量の表示を利用することができる。また、夏期に、車内冷房による電力消費を抑えたい場合、ユーザは、総日照量が最も少ない候補経路を選択するために、総日照量の表示を利用することができる。
【0105】
また、上記の実施形態において、制御回路59、制御部63、制御回路27がプログラムを実行することで実現している各機能は、それらの機能を有するハードウェア(例えば回路構成をプログラムすることが可能なFPGA)を用いて実現するようになっていてもよい。
【符号の説明】
【0106】
1 道路
5 日照情報送信機
6 センタ
7 車両
8 GPS受信機
9 走行方向
10 道路舗装用素材
11 透明カバー
20 ナビゲーション装置
27 制御回路
51 太陽電池
52 発電電力検出部
56 通信部
57 操作部
58 外部インターフェース
59 制御回路
61〜68 日照情報マーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路に沿って間隔を空けて設置される複数の日照情報送信機(5)と、
センタ(6)と、を備えた日照情報収集システムであって、
前記複数の日照情報送信機(5)のそれぞれは、
太陽電池(51)と、
前記太陽電池(51)の発電量を検出する検出部(52)と、
前記太陽電池(51)が生成した電力を用いて無線送信を行う通信部(56)と、
前記検出部(52)の検出結果に基づいて作成した日照情報を、前記センタ(6)を宛先として、前記通信部(56)に繰り返し無線送信させる制御回路(59)と、を備え、
前記センタ(6)は、前記複数の日照情報送信機(5)のそれぞれから送信された日照情報を受信するとともに、受信した日照情報とその日照情報の送信元の日照情報送信機(5)の設置位置の情報とを対応付けた日照情報テーブルを記録し、記録された前記日照情報テーブルを他の通信機器に送信することを特徴とする日照情報収集システム。
【請求項2】
前記センタ(6)が送信した前記日照情報テーブルを受信するナビゲーション装置(20)を備え、
前記ナビゲーション装置(20)は、経路を算出し、受信した前記日照情報テーブル中の日照情報のうち、前記経路上の設置位置に対応付けられた日照情報に基づいた情報表示を行うことを特徴とする請求項1に記載の日照情報収集システム。
【請求項3】
複数の駐車場に設置される日照情報送信機(5)と、
センタ(6)と、
ナビゲーション装置(20)と、を備えた日照情報収集システムであって、
前記複数の駐車場に設置される日照情報送信機(5)のそれぞれは、
太陽電池(51)と、
前記太陽電池(51)の発電量を検出する検出部(52)と、
前記太陽電池(51)が生成した電力を用いて無線送信を行う通信部(56)と、
前記検出部(52)の検出結果に基づいて作成した日照情報を、前記センタ(6)を宛先として、前記通信部(56)に繰り返し無線送信させる制御回路(59)と、を備え、
前記センタ(6)は、前記複数の日照情報送信機(5)のそれぞれから送信された日照情報を受信するとともに、受信した日照情報とその日照情報の送信元の日照情報送信機(5)の設置位置の情報とを対応付けた日照情報テーブルを記録し、記録された前記日照情報テーブルを前記ナビゲーション装置(20)に送信し、
前記ナビゲーション装置(20)は、前記センタ(6)が送信した前記日照情報テーブルを受信し、所定範囲内の複数の駐車場のそれぞれについて、受信した前記日照情報テーブル中の日照情報のうち、当該駐車場内の設置位置に対応付けられた日照情報に基づいた情報表示を行うことを特徴とする日照情報収集システム。
【請求項4】
道路または道路脇に設置するための日照情報送信機であって、
太陽電池(51)と、
前記太陽電池(51)の発電量を検出する検出部(52)と、
前記太陽電池(51)が生成した電力を用いて無線送信を行う通信部(56)と、
前記検出部(52)の検出結果に基づいて作成した日照情報を、前記通信部(56)に繰り返し無線送信させる制御回路(59)と、を備えた日照情報送信機。
【請求項5】
前記制御回路(59)は、前記検出部(52)の検出結果に基づいて作成した日照情報の繰り返し送信の間隔を、前記検出部(52)の検出結果の発電量が小さいほど長くすることを特徴とする請求項4に記載の日照情報送信機。
【請求項6】
前記制御回路は、新たな日照情報の送信時には、過去所定期間内における前記検出部(52)の検出結果のうち、最も発電量が大きい検出結果に基づいて、前記新たな日照情報を作成することを特徴とする請求項4または5に記載の日照情報送信機。
【請求項7】
書き込み可能な記憶媒体(54)と、
作業者の操作を受ける操作部(57)と、
自機の現在位置を特定して出力する現在位置特定装置(8)からの出力を取得するインターフェース(58)と、を備え、
前記制御回路(59)は、前記操作部(57)に対して所定の登録操作が行われたことに基づいて、前記インターフェース(58)が取得した現在位置の情報を前記記憶媒体(54)に記録し、
さらに前記制御回路(59)は、
前記検出部(52)の検出結果に基づいて作成した前記日照情報を、前記記憶媒体(54)に記録された現在位置の情報と共に、前記通信部(56)に無線送信させることを特徴とする請求項4ないし6のいずれか1つに記載の日照情報送信機。
【請求項8】
請求項7に記載の日照情報送信機を道路または道路脇に設置する方法であって、
前記日照情報送信機の前記インターフェース(58)に対し、前記現在位置特定装置(8)を接続する接続ステップと、
前記接続ステップの後、前記日照情報送信機の設置位置において、前記操作部(57)に対して前記登録操作を行う登録ステップと、
前記登録ステップの後、前記現在位置特定装置(8)を前記インターフェース(58)から切り離す切り離しステップと、を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−163987(P2011−163987A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−28315(P2010−28315)
【出願日】平成22年2月11日(2010.2.11)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】