説明

日除け兼ガードカバー

【課題】 カバー本体を上方位置に引き上げて取り付けることにより日除けとして使用でき、また下方位置に下ろして取り付けることによりガードカバーとして使用できるようにした日除け兼ガードカバーを提供することを課題とする。
【解決手段】 使用個所の周りに立てる複数本のポール3、3、3・・・と、各ポール3の上方位置に引き上げて取り付けることにより日除けとして機能する状態及び下方位置に下ろして取り付けることによりガードカバーとして機能する状態で前記ポール3に支持されるカバー本体4とを備えており、ポール3はポール3に沿って移動する昇降部材15を備え、ポール3の上端個所と昇降部材15には同昇降部材15を上方位置に固定する係止部が設けられ、且つ該昇降部材15には前記カバー本体4の外縁が繋留され、前記ポール3は、オモリ体5に立ち状態に支持しうるようにされたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、幼稚園などの子供用施設で使用する日除け兼ガードカバーに関する。具体的には、カバー本体を上方位置に取り付けて日除けとして、また下方位置に取り付けてガードカバーとして任意に択一に選択して使用できるようにした日除け兼ガードカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
幼稚園、保育所などの子供用施設の砂場、プール等にあって子供らが、犬,猫等動物類の排泄物や吹き溜まるごみ等に起因する衛生的被害を受けている事実が問題になっている。そこで、従前、該問題を解決するものとして、砂場、プールの上をたとえば外周にオモリをつけたシートやネットで覆う形式のガードカバーが提供されている。
【0003】
一方、前記子供用施設の砂場、プール等では、直射日光や紫外線を避けるために折り畳み式のテント(特許文献1参照)が使用されている。
【0004】
しかしながら、現在、前記ガードカバーの役目及び折り畳み式テントの役目を一品で兼ね果たす、構造が簡略で組立が容易な形式の日除け兼ガードカバーは見当らない。
【0005】
そこで、本発明者は、日除け兼ガードカバーの提供をテーマに研究・開発を行っていたところ、本発明に係る日除け兼ガードカバーを案出するに至ったものである。
【0006】
【特許文献1】特開2002−201823号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明のうち請求項1に係る日除け兼ガードカバーは、カバー本体を張り状態のまま上方位置に引き上げて取り付けることにより日除けとして使用でき、また張り状態のまま下方位置に下ろして取り付けることによりガードカバーとして使用、つまり兼用できるようにした、新規の日除け兼ガードカバーを提供することを課題とする。
【0008】
本発明のうち請求項2に係る日除け兼ガードカバーは、前記課題に加えて日除けとしての機能を生かしつつ風に煽られてカバーが飛翔するおそれがなく、暑季に涼風を呼ぶことができるようにすることを課題とする。
【0009】
本発明のうち請求項3又は4に係る日除け兼ガードカバーは、前記課題に加えて、極めて簡単な手段で、カバー本体を日除け機能発揮状態及びガードカバー機能発揮状態に変容できるようにすることを課題とする。また同時に構成の簡略化及びコストの低減化を達成することを課題とする。
【0010】
本発明のうち請求項5に係る日除け兼ガードカバーは、前記課題に加えて、簡易な構成でポールの起立状態を確保でき、しかも不要時に容易に移動できるようにすることを課題とする。
【0011】
本発明のうち請求項6に係る日除け兼ガードカバーは、前記課題に加えて、風による煽り、その他の外力が加わってもより確実に起立保持できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を達成するために、請求項1に係る日除け兼ガードカバーは、使用個所の周りに立てる複数本のポールと、該ポールの上方位置に引き上げて取り付けることにより日除けとして機能する状態及び下方位置に下ろして取り付けることによりガードカバーとして機能する状態で前記ポールに支持されるカバー本体とを備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項2に係る日除け兼ガードカバーは請求項1の記載の日除け兼ガードカバーに関し、カバー本体はメッシュで形成され、複数の風抜き用スリットが配設されたことを特徴とする。
【0014】
また、請求項3に係る日除け兼ガードカバーは、請求項1記載の日除け兼ガードカバーに関し、前記ポールは、該ポールに沿って移動する昇降部材を備え、該ポールの上端個所と昇降部材には同昇降部材を上方位置に固定する係止部が設けられ、且つ該昇降部材には前記カバー本体の外縁が繋留されたことを特徴とする。
【0015】
また、請求項4に係る日除け兼ガードカバーは、請求項1記載の日除け兼ガードカバーに関し、前記カバー本体にはポールの上端部に滑車を介してかけてからポールの下部に達して余る長さのロープが連結され、該ロープの先端寄り個所とポールの下部にはカバー本体を日除けとして機能する位置に繋留するための係止部が設けられ、また同ロープの連結端寄り個所とポールの下部にはカバー本体をガードカバーとして機能する位置に繋留するための係止部が設けられたことを特徴とする。
【0016】
また、請求項5に係る日除け兼ガードカバーは、請求項1、3又は4記載の日除け兼ガードカバーに関し、前記ポールは、オモリ体に立ち状態に支持しうるようにされたことを特徴とする。
【0017】
さらに、請求項6に係る日除け兼ガードカバーは、請求項5記載の日除け兼ガードカバーに関し、前記オモリ体は、該オモリ体を前記使用個所に固定するための固定装置を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明のうち請求項1に係る日除け兼ガードカバーは、カバー本体を張り状態のまま上方位置に引き上げて取り付けることにより日除けとして使用でき、また張り状態のまま下方位置に下ろして取り付けることによりガードカバーとして使用でき、つまり兼用できる。
【0019】
本発明のうち請求項2に係る日除け兼ガードカバーは前記効果に加えて、日除けとしての機能を生かしつつ風に煽られてカバーが飛翔するおそれがなく、暑季に涼風を呼ぶことができる。
【0020】
また、請求項3に係る日除け兼ガードカバーは、前記請求項1の効果に加えて、昇降部材の取り付け位置を択一的に選択して取り付けるという極めて簡単な手段で、カバー本体を日除け機能発揮状態及びガードカバー機能発揮状態に変容できる。また、この場合にあってポールは、前記日除け機能状態のカバー本体及びガードカバー機能状態のカバー本体の支え役及び変容時の昇降部材の案内役を果たすことができる。結果として構成の簡略化及びコストの低減化ができる。しかも日除けカバーとガードカバーを別々に用意し、各々保管するような煩瑣さがない利点がある。
【0021】
また、請求項4に係る日除け兼ガードカバーは、前記請求項1の効果に加えて、利用者の手の届かないような高い位置に日除けとして容易、かつ迅速にカバー本体を張設することができ、ポールの下部に対するロープの係止位置を選択するという極めて簡単な手段で、カバー本体を日除け機能発揮状態及びガードカバー機能発揮状態に変容できる。また、この場合にあってロープは、一本で前記日除け機能状態のカバー本体及びガードカバー機能状態のカバー本体の支え役を果たすことができる。結果として構成の簡略化及びコストの低減化ができる。しかも請求項3に係る日除け兼ガードカバー同様、日除けカバーとガードカバーを別々に用意し、各々保管するような煩瑣さがない利点がある。さらに、ロープの先端の余り部分は後述するように次回の握り持ち部として利用でき、利用者の背丈の足りない分を補うことができる。
【0022】
また、請求項5に係る日除け兼ガードカバーは、前記請求項1、3又は4の効果に加えて、簡易な構成でポールの起立状態を容易に確保でき、しかも不要時に容易に移動できる。
【0023】
本発明のうち請求項6に係る日除け兼ガードカバーは、前記請求項1の効果に加えて、風による煽り、その他の外力が加わってもより確実に起立保持できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
先ず、本発明に係る第1の実施の形態を図1〜図4に基づいて説明する。なお、図1〜図4は、本発明に係る第1実施の形態を示す。また、図1は砂場2に使用した状態で示す全体の斜視図である。図2は同じくポール部分の拡大斜視図である。図3は上位用係止部を示す拡大斜視図である。図4は下位用係止部を示す拡大斜視図である。
【0025】
この第1実施の形態に係る日除け兼ガードカバー1は、砂場2の周りに立てる多数本のポール3と、張り状態のまま上方位置に引き上げて固定することにより日除けとして機能する状態及び張り状態のまま下方位置に下ろして固定することによりガードカバーとして機能する状態で前記ポール3に支持されたカバー本体4とにより構成されている。
【0026】
前記各ポール3は、砂場2の外周に配置したオモリ体5に立設して用いるようにしてある。したがって、各ポール3の位置決め、位置調節はオモリ体5を任意に移動することで容易にでき、使い勝手がよい。
【0027】
前記オモリ体5は、垂直な面取り状の垂直壁面6が4隅に設けられた中空のプラスチック製容器7に、該容器7の頂壁に設けられたキャップ付き注排水口8から水(図示せず)を収容することによりオモリ機能を果たすようにされ、該水を捨てて軽くすることにより可搬しうるようにしてあるものである。
【0028】
前記オモリ体5は、前記容器7の頂壁の中央個所に深い筒状縦孔10が設けられ、該筒状縦孔10に前記ポール3の下端部を抜き挿し可能に挿し立てて該ポール3を起立状態に維持する。なお、該維持は、ここでは詳述しないが、前記筒状縦孔10の開口に金属製口金11を設けると共に前記筒状縦孔10とポール3の下端部をバヨネット(図示せず)により固定することで、不用意に揺れたり抜けたりしない確固たるものにされている。もちろん、必要があるときには容器7とポール3とは、分離しうるようにされてある。このように分離形式にした場合には、搬送、格納等が容易になって好都合である。
【0029】
また、前記オモリ体5は、前記垂直壁面6の外面に前記砂場2の外周に位置する地面に固定するための固定装置12を有し、これを利用して固定しうるようにされている。この固定装置12は螺子(図示せず)止めのL型金具13からなる。このL型金具13は通常アンカー(図示せず)により打ち止める。なお、該固定装置12は、他のものであってもよく、また、前記オモリ体5の重量だけで充分である場合には、固定装置12すなわちL型金具13は省略できる。
【0030】
前記各ポール3は、該ポール3に沿って移動する昇降部材15と、前記ポール3の上端個所及び下端個所と前記昇降部材15に設けられた同昇降部材15を上方位置に固定する上位用係止部16及び下方位置に固定する下位用係止部17とを備えている。
【0031】
前記昇降部材15は、ポール3の直径よりやや大きい内径の金属リング18で、その外周には前記カバー本体4の繋留環19と前記上位用係止部16の構成要素として機能する上側係止環20とが設けられている。
【0032】
また、上位用係止部16は、前記ポールの上端部に設けられた固定リング21と、前記上側係止環20と、これら上側係止環20に連結された外れ阻止用バネ部材22付きカラビナ23から構成されている。なお、該カラビナ23は上側係止環20に繋がれ通常は外さないようにされている。つまり、前記昇降部材15は、カラビナ23が固定リング21から外された状態にあるときにポール3に沿って昇降できる。
【0033】
また、下位用係止部17は、前記口金11に設けられた鉤型フック24に前記カラビナ23を係止させたときに係止機能を果たすようにされている。
【0034】
前記上位用係止部16、下位用係止部17は、前記カラビナ23利用の構成にこだわる必要はなく、着脱自在若しくは繋いだり、解いたりできるものであればよく、他のものであってもよい。
【0035】
さらに、前記カバー本体4は、その外周辺に多数個の鳩目部材25をバランスよく取り付けて該鳩目部材25に繋留紐26を連結すると共に各繋留紐26の先端を前記繋留環18に結着することで張設されている。
【0036】
なお、前記カバー本体4は、ポリエステル(塩化ビニールコーティング)製で、遮光率75%のメッシュのものであり、サイズは5m×7mで、適宜個所には風抜き(突風逃げ)用スリット29が設けられている。したがって、該カバー本体4は、風に煽られて飛ばされず、涼しく、風通しがよい。また、このカバー本体4は、UVカット加工を施してあるメッシュ製であることが好ましい。
【0037】
すなわち、上記実施の形態に係る日除け兼ガードカバーは、これを搬送若しくは格納する場合には、カバー本体、ポール、オモリ体に分割することができ、また最初の組み立て、再組み立ての場合には、ポールをオモリ体に差し立てて固定してから昇降部材15にカバー本体を結わえ付ける若しくはカバー本体にロープを結わえ付ける要領で行うことができ、また前記組立の要領を逆の順に行って分解できるようにしてあるものであり、組立、分解が簡単にできる。
【0038】
次に、本発明に係る第2の実施の形態を図5〜図8に基づいて説明する。なお、図5はプール30に使用した状態で示す全体の斜視図である。図6は同じくポール部分の拡大斜視図である。図7はカバー本体を日除け機能位置にした状態で示す要部の拡大斜視図である。図8はカバー本体をガードカバー機能位置にした状態で示す要部の拡大斜視図である。
【0039】
この第2実施の形態に係る日除け兼ガードカバー31は、滑車32及びロープ33等を利用することにより、利用者の手の届かないような高い位置でもカバー本体4を容易かつ迅速に日除け機能位置にしたりガードカバー機能位置にしたりするように構成されたものである。
【0040】
なお、該第2実施の形態に係る日除け兼ガードカバー31は、滑車32及びロープ33を利用した点が前記第1実施の形態に係る日除け兼ガードカバー1と異なり、その他は概ね同様であるので、同じ部位には上記第1実施の形態に係る日除け兼ガードカバー1と同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0041】
すなわち、この第2実施の形態に係る日除け兼ガードカバー31は、前記カバー本体4にはポール3の上端部に滑車32を介してかけてからポール3の下部に達して余る長さのロープ33が連結され、該ロープ33の先端寄り個所とポール3の下部にはカバー本体4を日除けとして機能する位置に繋留するための上位用係止部34が設けられ、また同ロープ33の連結端寄り個所とポール3の下部にはカバー本体4をガードカバーとして機能する位置に繋留するための下位用係止部35が設けられたものである。
【0042】
前記ロープ33は、ロープ本体36とその連結端側にカラビナ37を介して分離可能に連結された短尺ロープ部38により構成され、該ロープ本体36はポール3の上端部に滑車32を介してかけられている。
【0043】
前記上位用係止部34は、前記第1実施の形態に係る日除け兼ガードカバー1の鉤型フック24と同様にして設けられた鉤型フック39に対してロープ本体36の先端寄り個所に形成された結び環40を係止させたときに係止機能を果たすようにされている。
【0044】
また、前記下位用係止部35は、前記鉤型フック39に対して前記短尺ロープ部37に連結されたカラビナ37を係止させたときに係止機能を果たすようにされている。
【0045】
前記上位用係止部34及び前記下位用係止部35は、鉤型フック39を兼用するようにしてあるが別々に設けることは任意であり、またカラビナ37の代わりに結び環を設けてもよく、カラビナ37を設けずに後述する余剰端部41を利用して結び止めるようにしてもよい。さらに、ロープ本体36において結び環40は、滑車32に引っ掛かってロープ本体36の抜け外れ阻止機能を果たすようにしてあり、該結び環40が滑車32に引っ掛かってできる余剰端部41(図8参照)は、次回の握り持ち部として利用しうるようにしてあり、利用者の背丈の足りない分を補い、脚立等を使用せずにロープを操作できるようにしてある。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】第1実施の形態に係る日除け兼ガードカバーの使用状態を示す斜視図である。
【図2】同じくポール部分の拡大斜視図である。
【図3】上位用係止部を示す拡大斜視図である。
【図4】下位用係止部を示す拡大斜視図である。
【図5】第2実施の形態に係る日除け兼ガードカバーの使用状態を示す斜視図である。
【図6】同じくポール部分の拡大斜視図である。
【図7】日除け機能状態を示す要部の拡大斜視図である。
【図8】ガードカバー機能状態を示す要部の拡大斜視図である。
【符号の説明】
【0047】
1、31 日除け兼ガードカバー
3 ポール
4 カバー本体
5 オモリ体
12 固定装置
15 昇降部材
16、34 上位用係止部
17、35 下位用係止部
20 上側係止環
29 風抜き用スリット
32 滑車
33 ロープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用個所の周りに立てる複数本のポールと、該ポールの上方位置に引き上げて取り付けることにより日除けとして機能する状態及び下方位置に下ろして取り付けることによりガードカバーとして機能する状態で前記ポールに支持されるカバー本体とを備えたことを特徴とする日除け兼ガードカバー。
【請求項2】
カバー本体はメッシュで形成され、複数の風抜き用スリットが配設されたことを特徴とする請求項1記載の日除け兼ガードカバー。
【請求項3】
前記ポールは、該ポールに沿って移動する昇降部材を備え、該ポールの上端個所と昇降部材には同昇降部材を上方位置に固定する係止部が設けられ、且つ該昇降部材には前記カバー本体の外縁が繋留されたことを特徴とする請求項1記載の日除け兼ガードカバー。
【請求項4】
前記カバー本体にはポールの上端部に滑車を介してかけてからポールの下部に達して余る長さのロープが連結され、該ロープの先端寄り個所とポールの下部にはカバー本体を日除けとして機能する位置に繋留するための係止部が設けられ、また同ロープの連結端寄り個所とポールの下部にはカバー本体をガードカバーとして機能する位置に繋留するための係止部が設けられたことを特徴とする請求項1記載の日除け兼ガードカバー。
【請求項5】
前記ポールは、オモリ体に立ち状態に支持しうるようにされたことを特徴とする請求項1、3又は4記載の日除け兼ガードカバー。
【請求項6】
前記オモリ体は、該オモリ体を前記使用個所に固定するための固定装置を備えたことを特徴とする請求項5記載の日除け兼ガードカバー。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−77676(P2007−77676A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−266989(P2005−266989)
【出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【出願人】(591060625)マスセット株式会社 (16)
【Fターム(参考)】