早漏治療用医薬組成物
本発明は、早漏治療用の経口用医薬組成物を提供して、前記組成物は、効果的で且つ優れた早漏治療効果を提供するだけでなく、吐き気、嘔吐、ねむ気及び鎮静効果、覚醒効果、体重減少などのような副作用の減少を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はクロミプラミン(Clomipramine)またはその薬剤学的に許容される塩、セルトラリン(Sertraline)またはその薬剤学的に許容される塩、及びフルオキセチン(Fluoxetine)またはその薬剤学的に許容される塩を活性成分として含む、早漏治療用医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
早漏(premature ejaculation)とは、患者(またはパートナー)が挿入前、挿入中、挿入直後、または患者(またはパートナー)が望む前に射精することを指し、極く小さい刺激によって再発的に起きる射精を意味する。早漏の大部分は、精神的な要因によって発生し、また、遺伝的特徴を有するとか、神経系等の障害も早漏の原因になり得る。早漏は性機能障害のうち一つであり、適齢男性の約30%が早漏で悩んでいる。
【0003】
WHOは早漏を定量的に膣内射精時間(Intravaginal Ejaculatory Latency Time,IELT)が60秒以下の場合と定義している。射精遅延は5HT2cの活性化と関連していることに比べて、早い射精は5HT1aと関連していると知られている。5HT(serotonin)の低い神経伝達レベル、5HT2c受容体の機能低下、及び5HT1aの過度な活性作用が早漏を引き起こすと推定されている。また、過敏性神経系、敏感な陰茎、体細胞の脆弱性、セロトニン作動系の抑制効果などを含めたその他の因子と関連される(米国特許公開第2007−0043030号、Trendsin Neuroscience,2007,(30):79−84)。
【0004】
早漏は、男性の性機能障害のうち最も一般的な症状であるにもかかわらず、性医学的に十分な研究が行われなかった。早漏が行動治療により容易に治されるという1970年に発表されたマスターズ(Masters)とジョンソン(Johnson)の研究が広く知られており、早漏の原因が勃起不全または性慾低下と類似すると認識されてきた。しかし、行動療法は不十分であると明らかになることによって1990年代に至って早漏の薬物治療が注目を集めた。
【0005】
早漏の薬物治療の初期段階において、代表的な三環系抗憂鬱剤(Tricyclic antidepressants,TCAs)であるクロミプラミン(Clomipramine,Anafranil(登録商標))が用いられ、クロミプラミンを1日当り経口容量25mg〜50mgを投与した結果、射精遅延の効果があると報告されている(J Clin Psychiatry,1995,(56):402−407)。また、平均44歳の早漏患者に50mgのクロミプラミンを投与した結果、射精遅延の効果はあったが、便秘、口の渇き、吐き気、ねむ気、頭痛、及び目まい症などのような副作用を引き起こすと報告されている(The Journal of Urology,1998,(159):425−427)。このような副作用はクロミプラミンがセロトニンだけでなく、他の神経伝達物質にも影響を与えるためであると明らかになった。
【0006】
そこで、早漏治療用のセロトニンの選択的取り込み阻害剤(Selective Serotonin Reuptake Inhibitor;SSRI)に焦点を合わせた研究が行われた。代表的なSSRIのうち一つとして、セルトラリン(Sertraline,Zoloft(登録商標))が早漏治療に用いられ、早漏患者に1日当り50mg〜200mgのセルトラリンを投与すると、射精は遅延されるが、吐き気、嘔吐などを伴う副作用が発生して投薬効果を低下させると報告された(米国特許第4940731号、The Journal of Urology,1998,(159):1935−1938)。
【0007】
他のSSRIのうち抗鬱剤として知られたフルオキセチン(Fluoxetine,Prozac(登録商標))が早漏治療のために開発され。米国特許第5151448号は、フルオキセチンを早漏患者に投与することを開示している。しかし、文献(The Journal of Urology,1998,(159):425−427)は、40mgのフルオキセチンを早漏患者に投与したが、射精遅延の効果が低く、さらに、ねむ気、口の渇き、吐き気、嘔吐などを伴う副作用が発生すると報告された。また、文献(The Journal of Urology,2003、(170):164−165)によると、早漏患者にフルオキセチンを投与すると、吐き気、頭痛、不眠症のような副作用が発生すると報告している。従って、フルオキセチンは早漏治療には効果的でないことが明らかである。
【0008】
米国特許第6495154号は、必要時に投与できるクロミプラミンを含む即時放出型の剤型を開示しているが、前記副作用に対する具体的な解決策を提示していない。また、米国特許公開第2007−0043030号は、クロミプラミンを含む肺吸入用組成物が迅速な治療効果を達成できるとともに、前記副作用を減少させ得ると開示しているが、薬物治療の効果及び副作用減少の効果を示す具体的な結果は全く記載されていない。また、多様な抗鬱剤またはその他の治療薬を組み合わせた組成物も提示していない。
【0009】
従って、効果的で且つ優れた治療効果を奏するとともに、吐き気、嘔吐、ねむ気、及び鎮静効果、覚醒効果、体重減少などのような副作用を減少させる早漏治療剤の開発が要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許公開第2007−0043030号
【特許文献2】米国特許第4940731号
【特許文献3】米国特許第5151448号
【特許文献4】米国特許第6495154号
【特許文献5】米国特許公開第2007-0043030号
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Trendsin Neuroscience,2007,(30):79−84
【非特許文献2】J Clin Psychiatry,1995,(56):402−407
【非特許文献3】The Journal of Urology,1998,(159):425−427
【非特許文献4】The Journal of Urology,1998,(159):1935−1938
【非特許文献5】The Journal of Urology,2003,(170):164−165
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って、本発明の目的は、早漏治療用医薬組成物を提供することである。
【0013】
本発明の他の目的は、早漏を治療する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記目的を達成するために、本発明の一実施態様によれば、クロミプラミン(Clomipramine)またはその薬剤学的に許容される塩、セルトラリン(Sertraline)またはその薬剤学的に許容される塩、及びフルオキセチン(Fluoxetine)またはその薬剤学的に許容される塩を活性成分として含む、早漏治療用医薬組成物を提供する。
【0015】
本発明の他の一実施様態によれば、クロミプラミン(Clomipramine)またはその薬剤学的に許容される塩、セルトラリン(Sertraline)またはその薬剤学的に許容される塩、及びフルオキセチン(Fluoxetine)またはその薬剤学的に許容される塩を含む組成物を投与することを含有する、早漏の治療方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の前記目的及びその他の目的並びにその特徴は、添付の図面を考慮して、下記本発明の説明から明確になる。
【図1】実施例2による射精時間の変化を示す図である。
【図2】実施例3による体重の変化を示す図である。
【発明の実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明による医薬組成物を下記実施例によって具体的に説明する。
【0018】
本発明者らは、早漏治療用医薬組成物を開発するために鋭意研究した結果、クロミプラミン、セルトラリン、及びフルオキセチンの混合物の経口投与が早漏を治療するとともに、副作用を顕著に減少させることを見出して本発明を完成するに至った。
【0019】
より具体的に、本発明の発明者らは、クロミプラミン(Clomipramine)、セルトラリン(Sertraline)、及びフルオキセチン(Fluoxetine)を混合して投与する場合、薬物の相互作用を通じて薬物吸収が増加することを見出した。
【0020】
本明細書で用いた用語、“クロミプラミン”、“セルトラリン”、及び“フルオキセチン”は、それぞれ遊離塩基(free base)の形態を意味する。“薬剤学的に許容される塩”は投与容量において無毒性の塩を指称し、無機酸、有機酸または無毒性塩類のような通常的な塩を含む。
【0021】
かかる無機酸の例としては、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、亜硝酸、亜リン酸が挙げられるが、これらに限定されない。前記有機酸の例としては、酢酸、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、酒石酸、安息香酸、フタル酸、グルコン酸、サッカリン酸、メタンスルホン酸(methane sulphonic acid)、エタンジスルホン酸(ethane disulphonicacid)、脂肪族モノ、及びジカルビン酸塩(aliphatic mono and dicarboxylate)、フェニル置換されたアルカノアート(phenyl−substituted alkanoate)、ヒドロキシアルカノアート(hydroxy alkanoate)、及びアルカンジオネート(alkanedioate)、芳香族酸(aromaticacid)、脂肪族、及び芳香族スルホン酸(aliphatic and aromatic sulfonic acid)が挙げられるが、好ましい有機酸は塩酸(塩化水素)である。
【0022】
前記無毒性の塩類としては、硫酸塩、ピロ硫酸、重硫酸塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、硝酸塩、リン酸塩、リン酸一水素、無水リン酸、メタリン酸塩、塩化ピロリン酸エステル、臭化物、ヨウ化物、フッ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリレート、ギ酸塩、イソ酪酸エステル、カプリン酸、ヘプタン酸、プロピオール酸塩、シュウ酸塩、マロン酸エステル、コハク酸エステル、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸エステル、ブテン−1、4−ジオネート、ヘキサン−1、6−ジオネート、安息香酸エステル、クロロ安息香酸、メチル安息香酸、ジニトロ安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、メトキシ安息香酸、フタル酸エステル、テレフタル酸エステル、ベンゼンスルホナート、トルエンスルホナート、クロロベンゼンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸、フェニル酪酸、クエン酸塩、乳酸塩、β−ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタタレン−2−スルホン酸塩、及びマンデル酸を含むが、これらに限定されない。
【0023】
本発明は、クロミプラミンまたはその薬剤学的に許容される塩、セルトラリンまたはその薬剤学的に許容される塩、及びフルオキセチンまたはその薬剤学的に許容される塩を活性成分として含む、早漏治療用医薬組成物を提供する。
【0024】
前記医薬組成物において、クロミプラミンまたはその薬剤学的に許容される塩、セルトラリンまたはその薬剤学的に許容される塩、及びフルオキセチンまたはその薬剤学的に許容される塩は約1:1〜2:0.5〜1の重量比で含まれることが好ましい。
【0025】
本発明の一実施態様によれば、人間に対する効果的な一日当り投与量としては、クロミプラミン0.7〜75.0mg、セルトラリン1.1〜113.0mg、及びフルオキセチン0.5〜59.0mgを含む早漏治療用医薬組成物を提供する。好ましくは、クロミプラミン0.7〜22.5mg、セルトラリン1.1〜33.9mg、及びフルオキセチン0.5〜17.7mgを含む早漏治療用医薬組成物を提供する。さらに好ましくは、クロミプラミン2.2〜22.5mg、セルトラリン3.3〜33.9mg、及びフルオキセチン1.7〜17.7mgを含む早漏治療用医薬組成物を提供する。最も好ましくは、クロミプラミン7.5mg、セルトラリン11.3mg、及びフルオキセチン5.9mgを含む早漏治療用医薬組成物を提供する。
【0026】
前記新規の早漏治療薬は、クロミプラミン、セルトラリン、及びフルオキセチンの組み合わせによってより少ない副作用と顕著な治療効果とを示し、特に、前記投与容量の範囲において最大の治療効果及び最小の副作用が現われる。
【0027】
本明細書において、クロミプラミン、セルトラリン、及びフルオキセチンの含量は、各活性有効成分の遊離塩基(free base)形態に基づいて換算した値を示す。
【0028】
本発明の医薬組成物は、例えば、錠剤(tablet)、カプセル剤(capsule)、懸濁剤(suspension)、顆粒剤(granule)、ゲル剤(gel)、丸薬(pill)、チンキ剤(tincture)、煎じ剤(decoction)、注入剤(infusion)、酒精剤(spirit)、流エキス剤(fluidextract)、エリキシル剤(elixir)、エキス剤(extract)、シロップ剤(syrup)、散剤(powder)、芳香水剤(aromatic water)、リモナーデ剤(lemonade)などで経口投与することができる。
【0029】
本発明の経口用医薬組成物において、錠剤(tablet)は、例えば、糖衣錠(sugar−coated tablet)、フィルムコーティング錠(film−coated tablet)、腸溶錠(enteric−coated tablet)、内服錠(peroral tablet)、舌下錠(sublingual tablet)、口腔錠(buccal tablet)、チュアブル錠(chewable tablet)、調剤錠(dispensing tablet)、多層錠(mulilayerd tablet)、有核錠(press−coated tablet)、発泡錠(effervescent tablet)、溶解錠(solution tablet)、注射錠(hypodermic tablet)などの形態であっても良く、本技術分野における当業者によって多様な変形及び変更が可能である。
【0030】
また、本発明の経口用医薬組成物は、サステインリリース方式(sustained−release)製剤、放出制御性(controlled−release)製剤、復効錠(repeat−action)製剤、即時放出型(immediate−release)製剤、速崩壊性(fast−disintegrated)製剤などの形態で製造することができる。
【0031】
本発明の他の一実施態様によれば、本発明の医薬組成物は、薬剤学的に許容される担体と組み合わせて単位剤形(unit dosage form)のうちクロミプラミン0.7〜75.0mg、セルトラリン1.1〜113.0mg、及びフルオキセチン0.5〜59.0mgを活性成分として含むことができる。好ましくは、薬剤学的に許容される担体と組み合わせて単位剤形(unit dosage form)のうちクロミプラミン0.7〜22.5mg、セルトラリン1.1〜33.9mg、及びフルオキセチン0.5〜17.7mgを活性成分として含むことができる。最も好ましくは、前記組成物は薬剤学的に許容される担体と組み合わせてクロミプラミン7.5mg、セルトラリン11.3mg、及びフルオキセチン5.9mgを含むことができる。
【0032】
本発明の早漏治療用医薬組成物は、クロミプラミンまたはその薬剤学的に許容される塩、セルトラリンまたはその薬剤学的に許容される塩、及びフルオキセチンまたはその薬剤学的に許容される塩を含むことができる。
【0033】
前記薬剤学的に許容される担体の例としては、賦形剤、崩壊剤、結合剤、潤滑剤、乳化剤、懸濁化剤、安定化剤などのような添加剤が挙げられるが、必要な場合、甘味剤及び/または香味剤も添加しても良く。本発明の医薬組成物は、錠剤、カプセル剤、水性液剤または懸濁剤などのような多様な製剤で経口投与することができる。錠剤の場合には、乳糖、コーンスターチなどのような担体、及びステアリン酸マグネシウムなどのような潤滑剤を通常的に添加しても良い。カプセル剤の場合、乳糖、及び/または乾燥コーンスターチを希釈剤として用いても良い。水性液剤の場合、活性成分を乳化剤、及び/または懸濁剤とともに製剤化することができる。必要な場合、特定の甘味剤、及び/または香味剤を添加しても良い。
【0034】
本発明の医薬組成物は、固形、半固形または液状の薬学的製剤の形態で用いることができる。前記製剤は、外用、内用または非経口用に適した有機または無機担体或いは賦形剤の混合物を含むことができる。
【0035】
本発明の医薬組成物は、錠剤、ペレット、カプセル、液状、乳化剤、懸濁液剤、トローチ、及びその他の適した形態で1種以上の薬剤学的に許容される担体を含むことができる。結合剤(例えば、微細結晶セルロース、トラガカント・ゴムまたはゼラチン)、賦形剤(例えば、澱粉または乳糖)、崩壊剤(例えば、アルギン酸、プリモゲル(primogel)、コーンスターチなど)、潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステロテックス(sterotex))、滑動剤(例えば、コロイド二酸化ケイ素)、甘味剤(例えば、スクロース、サッカリン)、または香味剤(例えば、ペパーミント、メチル・サリチル酸、オレンジ香)を添加しても良い。コーティングのようなその他の多様な物質が投与単位の物理的形態を変形させるために用いられる。例えば、錠剤または丸薬は、糖、セラックまたは他のコーティング剤でコートしても良い。シロップ剤は、甘味剤としてスクロース、特定保存剤、染料、着色剤、及び/または香味剤を含有しても良い。かかる多様な組成物を製造するために用いられる添加剤は、薬学的に純粋で且つ無毒性ではなければならない。
【0036】
また、本発明の組成物は溶液または懸濁液の形態で用いることができ、滅菌希釈剤(例えば、注射用の水)、食塩水(例えば、塩化ナトリウム及びマンニトール)、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたはその他の合成溶媒、抗菌制(例えば、ベンジルアルコール、メチルパラベン)、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸、二硫化ナトリウム)、キレート剤(例えば、EDTA、エチレンジアミン四酢酸)、緩衝剤(例えば、酢酸酸性塩、クエン酸塩、リン酸塩)からなる群から選ばれる1種以上の補助剤を含むことができる。非経口剤形は、アンプル、使い捨て注射器、ガラスまたはプラスチック製の反復投与用バイアルに入れて用いても良い。
【0037】
本発明の早漏治療用医薬組成物は、クロミプラミン、セルトラリン、及びフルオキセチンの以外に他の薬物、例えば、セロトニン作動薬(serotonin agonist)、セロトニン拮抗薬(serotonin antagonist)、アドレナリン作動薬(adrenergic agonist)、アドレナリン拮抗薬(adrenergic antagonist)、アドレナリン神経遮断薬(adrenergic neurone blocker)、勃起不全(impotence)治療剤、V型ホスホジエステラーゼ阻害剤(phosphodiesterase 5 inhibitor)、勃起誘発剤(erection inducer)、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれたいずれか一つ以上をさらに含むことができる。特に、V型ホスホジエステラーゼ阻害剤としては、シルデナフィル(silenafil)、タダラフィル(tadalafil)、バルデナフィル(vardenafil)、ユデナフィル(udenafil)などが挙げられるが、これらに限定されない。発起誘発制としては、フェトラミン(phentolamine)、パパベリン(papaverine)、アルプロスタジル(alprostadil)などが挙げられるが、これらに限定されない。必要な場合、本技術分野における当業者であれば、前記薬物のうち適した薬物を選択することができ、前記薬物と共に、他の追加薬物を用いることができることを理解すべきである。
【0038】
本発明の医薬組成物は、性交をする前に投与しても良く、好ましくは、性行為30分前〜3時間前に投与することである。前記投与方法は患者の特性によって変化され得る。
【0039】
前記言及したように、クロミプラミン、セルトラリン、及びフルオキセチンを活性成分として含む本発明の医薬組成物は、効果的で且つ優れた早漏治療だけではなく、吐き気、嘔吐、ねむ気、及び鎮静効果、覚醒効果、体重減少などのような副作用の減少を提供する。
【0040】
さらに、前記組成物は、各薬物による副作用を減少させるとともに、服用効果及び患者の服薬順守(compliance)を向上させるに効果的である。
【0041】
一方、本発明は、クロミプラミンまたはその薬剤学的に許容される塩、セルトラリンまたはその薬剤学的に許容される塩、及びフルオキセチンまたはその薬剤学的に許容される塩を活性成分として含む組成物を、早漏治療が必要な対象に投与する早漏治療の方法も提供する。前記対象としては哺乳動物が好ましく、そのうち人間がより好ましい。
【0042】
以下に、本発明を下記実施例により更に詳細に説明する。但し、下記実施例は本発明を例示するためのものであって、本発明の範囲がこれらに限定されるものではない。
【0043】
また、下記提示された固形混合物内の固体、液状中の液体、及び液状中の固体に対する百分率は、それぞれwt/wt、vol/vol及びwt/volの単位であり、すべての反応は特別の言及がない限り室温で行われた。
【実施例】
【0044】
実施例1.薬物動力学(Pharmacokinetics)の試験
<1−1>材料及び方法
各々約200gの7週齢のCrl:CD(SD)ラットの雄群を16時間絶食させた後、ポリエチレン管(PE−50)を用いて頚動脈にカニューレを挿入し、10匹ずつ4つの群に分けた。次いで、試験群1のラットにクロミプラミン2.70mg/kg;試験群2のラットにセルトラリン6.02mg/kg;試験群3のラットにフルオキセチン2.41mg/kg;また、試験群4のラットに3種の薬物複合剤(クロミプラミン2.70mg/kg、セルトラリン6.02mg/kg、及びフルオキセチン2.41mg/kg容量)を経口で単回投与した。前記薬物を投与した後、0.5、1、2、3、4、5、7、9、11、24時間後にポリエチレン管を用いて血液試料(約200μl)を採血した。それぞれ採血する時には、ラットにヘパリンが添加された食塩水(heparinized saline)(20IU/ml)約200μlを補充した。その後、採取した血液を10,000rpmで1分間遠心分離(MicroMax,International EquipmentCompany,U.S.A.)して血漿試料を得た。次いで、LC/MS/MS同時分析法を用いて血漿内のクロミプラミン、セルトラリン、及びフルオキセチンの含量を決定した。
【0045】
<1−2>評価方法
血漿中濃度−時間曲線から最高血漿濃度(Cmax)とCmax到達時間(Tmax)を求めた。血漿中濃度−時間曲線下面積(AUC0−t)は台形公式(trapezoidal rule)を用いて算出した。
【0046】
<1−3>試験結果
本発明における3種の薬物複合剤を投与する時、クロミプラミン及びセルトラリンによるCYP2D6とCYP2C9の抑制によって、すべての動物でフルオキセチン(CYP2C9、2C19、及び2D6(主酵素)の基質として知られている)のCmax及びAUCが増加した。クロミプラミンの場合、フルオキセチンとセルトラリンのCYP2D6抑制によってCmaxとAUCが増加することを観察した。セルトラリン(CYP2C9、2C19、2D6及び3A4のような多様な酵素により代謝される基質として知られている)の場合、CmaxとAUCが単一薬剤投与のデータより高かったが、AUCだけ顕著に増加した。
【0047】
本発明によって、3種の薬物複合剤を単回経口投与する時、単一薬剤投与よりも体内クロミプラミン、フルオキセチン、及びセルトラリンの露出量が増加し、フルオキセチン>クロミプラミン>セルトラリンの順に薬物の相互作用が明確に観察された。
【0048】
3種の薬物複合剤及び単剤のAUC及びCmaxの測定結果を表1に示す。
【表1】
【0049】
前記表1でみるように、3種の薬物複合剤(クロミプラミン2.70mg/kg、セルトラリン6.02mg/kg、フルオキセチン2.41mg/kg)を投与した場合、単一薬剤を投与した場合よりもAUC及びCmaxが増加した。このような結果は、3種の薬物複合剤の薬物・薬物相互作用によってAUC及びCmaxが増加したということを立証する。その結果、少ない投与量でも効果的な射精遅延を期待することができる。
【0050】
実施例2:薬効評価(ラット)
<2−1>材料及び方法
Brain Res Brain Res Protoc,1997,(1):203−209の方法によって、試験動物として20週齢以上のCrl:CD(SD)ラットの雄及び雌を用いて本実験を行った。
【0051】
(1)卵巣摘出(ovariectomy)及び発情誘導
ラットの雌にケタミン(ketamine)75mg/kgとキシラジン(xylazine)25mg/kgとの混合物を腹腔内(i.p.)に投与して麻酔させた。開腹術(laparotomy)をした後、卵巣(ovary)を摘出してから腹膜壁を縫合した。次いで、10%のアムピシルリン2mlを腹腔内に注射した後、ラットの雌に7日間の回復期間を与えた。卵巣摘出された雌ラットに試験物質を投与する約52時間前に、0.2mlのごま油(sesame oil)に溶かした安息香酸エストラジオール(estradiol benzoate)20ug/ratを皮下(s.c)注射し、試験物質を投与する約4時間前に、0.2mlのごま油に溶かしたプロゲステロン(progesterone)1mg/ratを皮下(s.c.)注射して人工発情を誘発させた。
【0052】
(2)スクリーニング検査(screening test)及び性交の訓練(copulatory experience)
前面がプレキシガラス(plexiglass)である観察箱(60×40×30cm)でスクリーニング検査を行った。スクリーニング検査を行う前、ラットの雄を観察箱で約10分間適応させた後、人工発情を誘発させたラットの雌を箱に入れた。雄ラットが30分内に射精する場合、性的に活発な個体と見なした。選別されたラットの雄に3日間隔で5回間性交訓練を施した。
【0053】
(3)投与及び評価
試験群の平均射精時間(ejaculation latency time,ELT)が類似するように約10匹ずつ15つの試験群に分けた。試験化合物を経口で単回投与した。
【0054】
陰性対照群の試験群1は、0.5%のメチルセルロース1500(Sigma社、以下、“MC1500”という)を投与した。試験群2〜4は、単一薬剤としてクロミプラミン、セルトラリン、及びフルオキセチンをそれぞれ投与した。試験群5〜7は、2種の薬物複合剤を投与した。試験群8〜15は、多様な容量を有する3種の薬物複合剤を投与した。具体的な投与量は下記表2に示されている。
【0055】
試験化合物を投与した後、2時間50分後にラットの雄を観察箱で10分間適応させた。その後、観察箱に人工発情されたラットの雌を入れてから交尾行動の試験を開示した。射精時間(ejaculation latency time,ELT)は、一番目の挿入(intromission)から射精(ejaculation)までの時間を評価した。
【0056】
<2−2>結果
前記実験によってラットに対するELT結果を平均±標準誤差(mean±S.E.M)で示し、表2及び図1に示されている。
【表2】
【0057】
試験群1(陰性対照群)のELTは206.8±37.4秒である。試験群2〜4(単一剤群)の場合、ELTが陰性対照群より長くない。また、試験群5及び6(2種の薬物複合剤群)でも陰性対照郡に比べてELTが増加されない。
【0058】
しかし、試験群8〜15の3種の薬物複合剤(クロミプラミン+セルトラリン+フルオキセチン)のELTは、それぞれ227.0±40.1秒、375.5±122.4秒、409.1±158.2秒、350.1±120.3秒、314.3±92.1秒、300.1±50.3秒、263.7±42.2秒及び260.8±43.8秒である。陰性対照群と比較してこれらのELTの増加率(%)は、それぞれ9.8%、81.6%、97.8%、69.3%、52.0%、45.1%、27.5%及び26.1%である。
【0059】
前記結果を考慮すると、試験群8〜15の3種の薬物複合剤は、陰性対照群と比較して0.1X〜10Xの容量で全てELTを増加させた。特に、試験群10(1X投与量の3種の薬物複合剤)は、陰性対照群と比較して顕著な増加率(約98%)を示された。また、3種の薬物複合剤群は、単剤及び2種の複合剤に比べていずれも優れた射精遅延の効果を有することが明らかになった。
【0060】
結論的に、3種の薬物複合剤(クロミプラミン、セルトラリン及びフルオキセチン)は、単剤及び2種の薬物複合剤に比べて優れた早漏治療の効果を奏する。
【0061】
実施例3:副作用の評価(ラット)
<3−1>材料及び方法
7週齢のCrl:CD(SD)ラットの雄を10匹ずつ5つの群に分けた。陰性対照群は0.5%MC1500を、3種の薬物複合剤(クロミプラミン+セルトラリン+フルオキセチン)群は4つの容量(3X、5X、7X、10Xで表示する)の3種の薬物複合剤をそれぞれ毎日1回、7日間投与した。具体的な投与量は下記表3に示されている。その後、毎日2回動物の臨床症状を観察し、投与前、投与を開示してから1、3、5、7日目に体重を測定した。
【0062】
<3−2>評価方法
処理群を陰性対照群と比較することで3種の薬物複合剤の毒性効果を評価した。特に、実験期間中に体重の増加または減少が統計的に有意な場合には毒性効果と見なされる。
【0063】
処理群と陰性対照群との間を比較するために、体重に対する統計分析を行った。p<0.05、p<0.01及びp<0.001で確認される場合、有意差があると判断した。第一、分散の同質性を調べるために、与えられた変数をレーベン検定法(Levene’s test)で調査した。分散が同質的であれば、各投与群と陰性対照群とを比べるために、ダネット検定法(Dunnett’s t−test)を用いた。レーベン検定法の分散が異質的であれば、各投与群を陰性対照群と比較するために順位変換検定法(rank−transform test)を用いた。分散の同質性を評価するためにレーベン検定法によって変換されたデータを再調査した。分散が同質的であれば、各投与群と陰性対照群とを比較するためにダネット検定法を用いた。
【0064】
<3−3>結果
前記実験からラットの体重変化を平均±標準偏差で示し、これは表3及び図2に示されている。
【表3】
【0065】
薬物の毒性徴候を評価する代表的な因子として、対照群と比較した体重変化が用いられた。3種の薬物複合剤を7日間投与した場合、体重が5X投与群において5及び7日目に陰性対照群と比較して約4%程度減少した。また、体重が7X、10X投与群において1〜7日目まで陰性対照群と比較して約6〜8%程度有意に減少した。各処理群の7日間の体重変化を陰性対照群と比較する時、5X、7X、及び10X群の場合には、それぞれ−19%、−34%、及び−33%まで体重が有意に減少した。毒性試験で陰性対照群と比較して体重増加が10%以下で減少することに基づいて、一般的に最大耐性容量(MTD)が選定される。前記結果によれば、本発明において3種の薬物複合剤のMTDは5X投与量未満で決定された。
【0066】
実施例4:薬効評価−臨床試験
<4−1>人体投与量の算出
前記実施例2におけるラット投与量に基づき、人間に対する投与量を算出することができる。具体的には、米国食品医薬局指針書である“Estimating the Maximum Safe Starting Dosein Initial Clinical Trials for Therapeuticsin Adult Healthy Volunteers”に基づいて、下記計算式を用いて人体投与量(Humanequivalent dose)を算出することができる。前記計算はラットが150g、人間が60kgという推定に根拠する。
【0067】
HED=動物投与量(mg/kg)×(動物の体重(kg)/人間の体重(kg))0.33)
本発明の3種の薬物複合剤において、ラットの1X投与量を人体投与量に換算すると、クロミプラミン7.4mg、セルトラリン11.2mg、フルオキセチン6.0mgに算出される。実施例2に基づいて、試験群8〜15のラット投与量が3種の薬物複合剤に関する人体投与量に変換される。具体的な人体投与量が下記表4に提示される。
【表4】
【0068】
<4−2>試験方法
射精時間が60秒以下の患者を20名ずつ4つの群に分けた。一日の薬物投与量として患者群1はクロミプラミン22.4mg;患者群2はセルトラリン50.0mg;患者群3はフルオキセチン20.0mg;また、患者群4はクロミプラミン7.5mg、セルトラリン11.3mg、及びフルオキセチン5.9mgを含む本発明の3種の薬物複合剤を投与した。性交をする3時間前に薬物を服用し、投与期間は3週間とする。患者とのインタビューを行うことで患者に対する薬物投与の効果を調査した。患者の射精時間が10分以上になると、前記薬物が効果的なものと見なされる。
【0069】
<4−3>結果
前記実験から人間治療効果の結果が下記表5に示されている。
【表5】
【0070】
前記表5に示したように、クロミプラミン22.4mgを投与した患者の75%及びセルトラリン50.0mgを投与した患者の約40%で薬物の治療効果が示された。しかし、フルオキセチン20.0mgを投与した患者には治療効果が示されなかった。一方、3種の薬物複合剤を投与した患者の場合、各薬物の服用量が大幅に減少したにもかかわらず、これらのうち95%に達する驚くほどの治療効果が示された。
【0071】
実施例5:副作用の評価−臨床試験(吐き気)
実施例4において各薬物を服用した患者のうち、吐き気を伴う副作用の発生頻度を調査した。表6で示すように、セルトラリン50.0mgを服用した患者の90%で吐き気が発生したことに比べて、3種の薬物複合剤を服用した患者の5%だけが吐き気を経験した。この結果は、3種の薬物複合剤の顕著な吐き気減少の効果を立証する。
【0072】
前記実験から副作用(吐き気)に対する結果が表6に示されている。
【表6】
【0073】
実施例6.副作用評価−臨床試験(ねむ気)
実施例4において各薬物を服用した患者のうち、ねむ気(sedation)を伴う副作用の発生頻度を調査した。表7で示すように、クロミプラミン22.4mgを服用した患者の70%でねむ気が発生したことに比べて、3種の薬物複合剤を服用した患者の約5%だけがねむ気を経験した。この結果は、3種の薬物複合剤の顕著なねむ気減少の効果を立証する。
【0074】
前記実験から副作用(ねむ気)に対する結果が表7に示されている。
【表7】
【0075】
製造例1:錠剤の製造
活性成分としてクロミプラミン塩酸塩、セルトラリン塩酸塩及びフルオキセチン塩酸塩を含む、表8に示した錠剤コアの全ての成分を十分に混合した後、単一錠剤プレス(single tablet press)を用いて打錠して錠剤を製造した。前記錠剤をオパドライ(Opadry(登録商標) white 85F 18422,カラルコン社)でコートしてフィルムコート錠を得た。
【表8】
【0076】
製造例2:錠剤の製造
活性成分としてクロミプラミン塩酸塩、セルトラリン塩酸塩、及びフルオキセチン塩酸塩を活性成分として含む、表9に示す顆粒内部の全ての成分を混合した。これにヒドロキシプロピルセルロースとポリソルベート80とを水に溶かした後、得られた結合液を加えることで顆粒を得た。得られた顆粒にステアリン酸マグネシウムを加えてからその混合物を打錠して錠剤を製造した。前記錠剤をオパドライ(登録商標)でコートしてフィルムコート錠を得た。
【表9】
【0077】
製造例3:カプセル剤の製造
クロミプラミン塩酸塩、セルトラリン塩酸塩、及びフルオキセチン塩酸塩を活性成分として含む、表10に示す全ての成分を十分に混合した。得られた混合物を硬質のカプセル(ゼラチン)に充填してキャプセル剤を製造した。
【表10】
【0078】
以上、本発明を好ましい実施例により説明したが、添付の特許請求の範囲によって定義された本発明の技術思想を逸脱しない範囲内で本発明の技術分野に属する当業者によって多様な変形及び変更が可能である。
【技術分野】
【0001】
本発明はクロミプラミン(Clomipramine)またはその薬剤学的に許容される塩、セルトラリン(Sertraline)またはその薬剤学的に許容される塩、及びフルオキセチン(Fluoxetine)またはその薬剤学的に許容される塩を活性成分として含む、早漏治療用医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
早漏(premature ejaculation)とは、患者(またはパートナー)が挿入前、挿入中、挿入直後、または患者(またはパートナー)が望む前に射精することを指し、極く小さい刺激によって再発的に起きる射精を意味する。早漏の大部分は、精神的な要因によって発生し、また、遺伝的特徴を有するとか、神経系等の障害も早漏の原因になり得る。早漏は性機能障害のうち一つであり、適齢男性の約30%が早漏で悩んでいる。
【0003】
WHOは早漏を定量的に膣内射精時間(Intravaginal Ejaculatory Latency Time,IELT)が60秒以下の場合と定義している。射精遅延は5HT2cの活性化と関連していることに比べて、早い射精は5HT1aと関連していると知られている。5HT(serotonin)の低い神経伝達レベル、5HT2c受容体の機能低下、及び5HT1aの過度な活性作用が早漏を引き起こすと推定されている。また、過敏性神経系、敏感な陰茎、体細胞の脆弱性、セロトニン作動系の抑制効果などを含めたその他の因子と関連される(米国特許公開第2007−0043030号、Trendsin Neuroscience,2007,(30):79−84)。
【0004】
早漏は、男性の性機能障害のうち最も一般的な症状であるにもかかわらず、性医学的に十分な研究が行われなかった。早漏が行動治療により容易に治されるという1970年に発表されたマスターズ(Masters)とジョンソン(Johnson)の研究が広く知られており、早漏の原因が勃起不全または性慾低下と類似すると認識されてきた。しかし、行動療法は不十分であると明らかになることによって1990年代に至って早漏の薬物治療が注目を集めた。
【0005】
早漏の薬物治療の初期段階において、代表的な三環系抗憂鬱剤(Tricyclic antidepressants,TCAs)であるクロミプラミン(Clomipramine,Anafranil(登録商標))が用いられ、クロミプラミンを1日当り経口容量25mg〜50mgを投与した結果、射精遅延の効果があると報告されている(J Clin Psychiatry,1995,(56):402−407)。また、平均44歳の早漏患者に50mgのクロミプラミンを投与した結果、射精遅延の効果はあったが、便秘、口の渇き、吐き気、ねむ気、頭痛、及び目まい症などのような副作用を引き起こすと報告されている(The Journal of Urology,1998,(159):425−427)。このような副作用はクロミプラミンがセロトニンだけでなく、他の神経伝達物質にも影響を与えるためであると明らかになった。
【0006】
そこで、早漏治療用のセロトニンの選択的取り込み阻害剤(Selective Serotonin Reuptake Inhibitor;SSRI)に焦点を合わせた研究が行われた。代表的なSSRIのうち一つとして、セルトラリン(Sertraline,Zoloft(登録商標))が早漏治療に用いられ、早漏患者に1日当り50mg〜200mgのセルトラリンを投与すると、射精は遅延されるが、吐き気、嘔吐などを伴う副作用が発生して投薬効果を低下させると報告された(米国特許第4940731号、The Journal of Urology,1998,(159):1935−1938)。
【0007】
他のSSRIのうち抗鬱剤として知られたフルオキセチン(Fluoxetine,Prozac(登録商標))が早漏治療のために開発され。米国特許第5151448号は、フルオキセチンを早漏患者に投与することを開示している。しかし、文献(The Journal of Urology,1998,(159):425−427)は、40mgのフルオキセチンを早漏患者に投与したが、射精遅延の効果が低く、さらに、ねむ気、口の渇き、吐き気、嘔吐などを伴う副作用が発生すると報告された。また、文献(The Journal of Urology,2003、(170):164−165)によると、早漏患者にフルオキセチンを投与すると、吐き気、頭痛、不眠症のような副作用が発生すると報告している。従って、フルオキセチンは早漏治療には効果的でないことが明らかである。
【0008】
米国特許第6495154号は、必要時に投与できるクロミプラミンを含む即時放出型の剤型を開示しているが、前記副作用に対する具体的な解決策を提示していない。また、米国特許公開第2007−0043030号は、クロミプラミンを含む肺吸入用組成物が迅速な治療効果を達成できるとともに、前記副作用を減少させ得ると開示しているが、薬物治療の効果及び副作用減少の効果を示す具体的な結果は全く記載されていない。また、多様な抗鬱剤またはその他の治療薬を組み合わせた組成物も提示していない。
【0009】
従って、効果的で且つ優れた治療効果を奏するとともに、吐き気、嘔吐、ねむ気、及び鎮静効果、覚醒効果、体重減少などのような副作用を減少させる早漏治療剤の開発が要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許公開第2007−0043030号
【特許文献2】米国特許第4940731号
【特許文献3】米国特許第5151448号
【特許文献4】米国特許第6495154号
【特許文献5】米国特許公開第2007-0043030号
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Trendsin Neuroscience,2007,(30):79−84
【非特許文献2】J Clin Psychiatry,1995,(56):402−407
【非特許文献3】The Journal of Urology,1998,(159):425−427
【非特許文献4】The Journal of Urology,1998,(159):1935−1938
【非特許文献5】The Journal of Urology,2003,(170):164−165
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って、本発明の目的は、早漏治療用医薬組成物を提供することである。
【0013】
本発明の他の目的は、早漏を治療する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記目的を達成するために、本発明の一実施態様によれば、クロミプラミン(Clomipramine)またはその薬剤学的に許容される塩、セルトラリン(Sertraline)またはその薬剤学的に許容される塩、及びフルオキセチン(Fluoxetine)またはその薬剤学的に許容される塩を活性成分として含む、早漏治療用医薬組成物を提供する。
【0015】
本発明の他の一実施様態によれば、クロミプラミン(Clomipramine)またはその薬剤学的に許容される塩、セルトラリン(Sertraline)またはその薬剤学的に許容される塩、及びフルオキセチン(Fluoxetine)またはその薬剤学的に許容される塩を含む組成物を投与することを含有する、早漏の治療方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の前記目的及びその他の目的並びにその特徴は、添付の図面を考慮して、下記本発明の説明から明確になる。
【図1】実施例2による射精時間の変化を示す図である。
【図2】実施例3による体重の変化を示す図である。
【発明の実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明による医薬組成物を下記実施例によって具体的に説明する。
【0018】
本発明者らは、早漏治療用医薬組成物を開発するために鋭意研究した結果、クロミプラミン、セルトラリン、及びフルオキセチンの混合物の経口投与が早漏を治療するとともに、副作用を顕著に減少させることを見出して本発明を完成するに至った。
【0019】
より具体的に、本発明の発明者らは、クロミプラミン(Clomipramine)、セルトラリン(Sertraline)、及びフルオキセチン(Fluoxetine)を混合して投与する場合、薬物の相互作用を通じて薬物吸収が増加することを見出した。
【0020】
本明細書で用いた用語、“クロミプラミン”、“セルトラリン”、及び“フルオキセチン”は、それぞれ遊離塩基(free base)の形態を意味する。“薬剤学的に許容される塩”は投与容量において無毒性の塩を指称し、無機酸、有機酸または無毒性塩類のような通常的な塩を含む。
【0021】
かかる無機酸の例としては、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、亜硝酸、亜リン酸が挙げられるが、これらに限定されない。前記有機酸の例としては、酢酸、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、酒石酸、安息香酸、フタル酸、グルコン酸、サッカリン酸、メタンスルホン酸(methane sulphonic acid)、エタンジスルホン酸(ethane disulphonicacid)、脂肪族モノ、及びジカルビン酸塩(aliphatic mono and dicarboxylate)、フェニル置換されたアルカノアート(phenyl−substituted alkanoate)、ヒドロキシアルカノアート(hydroxy alkanoate)、及びアルカンジオネート(alkanedioate)、芳香族酸(aromaticacid)、脂肪族、及び芳香族スルホン酸(aliphatic and aromatic sulfonic acid)が挙げられるが、好ましい有機酸は塩酸(塩化水素)である。
【0022】
前記無毒性の塩類としては、硫酸塩、ピロ硫酸、重硫酸塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、硝酸塩、リン酸塩、リン酸一水素、無水リン酸、メタリン酸塩、塩化ピロリン酸エステル、臭化物、ヨウ化物、フッ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリレート、ギ酸塩、イソ酪酸エステル、カプリン酸、ヘプタン酸、プロピオール酸塩、シュウ酸塩、マロン酸エステル、コハク酸エステル、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸エステル、ブテン−1、4−ジオネート、ヘキサン−1、6−ジオネート、安息香酸エステル、クロロ安息香酸、メチル安息香酸、ジニトロ安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、メトキシ安息香酸、フタル酸エステル、テレフタル酸エステル、ベンゼンスルホナート、トルエンスルホナート、クロロベンゼンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸、フェニル酪酸、クエン酸塩、乳酸塩、β−ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタタレン−2−スルホン酸塩、及びマンデル酸を含むが、これらに限定されない。
【0023】
本発明は、クロミプラミンまたはその薬剤学的に許容される塩、セルトラリンまたはその薬剤学的に許容される塩、及びフルオキセチンまたはその薬剤学的に許容される塩を活性成分として含む、早漏治療用医薬組成物を提供する。
【0024】
前記医薬組成物において、クロミプラミンまたはその薬剤学的に許容される塩、セルトラリンまたはその薬剤学的に許容される塩、及びフルオキセチンまたはその薬剤学的に許容される塩は約1:1〜2:0.5〜1の重量比で含まれることが好ましい。
【0025】
本発明の一実施態様によれば、人間に対する効果的な一日当り投与量としては、クロミプラミン0.7〜75.0mg、セルトラリン1.1〜113.0mg、及びフルオキセチン0.5〜59.0mgを含む早漏治療用医薬組成物を提供する。好ましくは、クロミプラミン0.7〜22.5mg、セルトラリン1.1〜33.9mg、及びフルオキセチン0.5〜17.7mgを含む早漏治療用医薬組成物を提供する。さらに好ましくは、クロミプラミン2.2〜22.5mg、セルトラリン3.3〜33.9mg、及びフルオキセチン1.7〜17.7mgを含む早漏治療用医薬組成物を提供する。最も好ましくは、クロミプラミン7.5mg、セルトラリン11.3mg、及びフルオキセチン5.9mgを含む早漏治療用医薬組成物を提供する。
【0026】
前記新規の早漏治療薬は、クロミプラミン、セルトラリン、及びフルオキセチンの組み合わせによってより少ない副作用と顕著な治療効果とを示し、特に、前記投与容量の範囲において最大の治療効果及び最小の副作用が現われる。
【0027】
本明細書において、クロミプラミン、セルトラリン、及びフルオキセチンの含量は、各活性有効成分の遊離塩基(free base)形態に基づいて換算した値を示す。
【0028】
本発明の医薬組成物は、例えば、錠剤(tablet)、カプセル剤(capsule)、懸濁剤(suspension)、顆粒剤(granule)、ゲル剤(gel)、丸薬(pill)、チンキ剤(tincture)、煎じ剤(decoction)、注入剤(infusion)、酒精剤(spirit)、流エキス剤(fluidextract)、エリキシル剤(elixir)、エキス剤(extract)、シロップ剤(syrup)、散剤(powder)、芳香水剤(aromatic water)、リモナーデ剤(lemonade)などで経口投与することができる。
【0029】
本発明の経口用医薬組成物において、錠剤(tablet)は、例えば、糖衣錠(sugar−coated tablet)、フィルムコーティング錠(film−coated tablet)、腸溶錠(enteric−coated tablet)、内服錠(peroral tablet)、舌下錠(sublingual tablet)、口腔錠(buccal tablet)、チュアブル錠(chewable tablet)、調剤錠(dispensing tablet)、多層錠(mulilayerd tablet)、有核錠(press−coated tablet)、発泡錠(effervescent tablet)、溶解錠(solution tablet)、注射錠(hypodermic tablet)などの形態であっても良く、本技術分野における当業者によって多様な変形及び変更が可能である。
【0030】
また、本発明の経口用医薬組成物は、サステインリリース方式(sustained−release)製剤、放出制御性(controlled−release)製剤、復効錠(repeat−action)製剤、即時放出型(immediate−release)製剤、速崩壊性(fast−disintegrated)製剤などの形態で製造することができる。
【0031】
本発明の他の一実施態様によれば、本発明の医薬組成物は、薬剤学的に許容される担体と組み合わせて単位剤形(unit dosage form)のうちクロミプラミン0.7〜75.0mg、セルトラリン1.1〜113.0mg、及びフルオキセチン0.5〜59.0mgを活性成分として含むことができる。好ましくは、薬剤学的に許容される担体と組み合わせて単位剤形(unit dosage form)のうちクロミプラミン0.7〜22.5mg、セルトラリン1.1〜33.9mg、及びフルオキセチン0.5〜17.7mgを活性成分として含むことができる。最も好ましくは、前記組成物は薬剤学的に許容される担体と組み合わせてクロミプラミン7.5mg、セルトラリン11.3mg、及びフルオキセチン5.9mgを含むことができる。
【0032】
本発明の早漏治療用医薬組成物は、クロミプラミンまたはその薬剤学的に許容される塩、セルトラリンまたはその薬剤学的に許容される塩、及びフルオキセチンまたはその薬剤学的に許容される塩を含むことができる。
【0033】
前記薬剤学的に許容される担体の例としては、賦形剤、崩壊剤、結合剤、潤滑剤、乳化剤、懸濁化剤、安定化剤などのような添加剤が挙げられるが、必要な場合、甘味剤及び/または香味剤も添加しても良く。本発明の医薬組成物は、錠剤、カプセル剤、水性液剤または懸濁剤などのような多様な製剤で経口投与することができる。錠剤の場合には、乳糖、コーンスターチなどのような担体、及びステアリン酸マグネシウムなどのような潤滑剤を通常的に添加しても良い。カプセル剤の場合、乳糖、及び/または乾燥コーンスターチを希釈剤として用いても良い。水性液剤の場合、活性成分を乳化剤、及び/または懸濁剤とともに製剤化することができる。必要な場合、特定の甘味剤、及び/または香味剤を添加しても良い。
【0034】
本発明の医薬組成物は、固形、半固形または液状の薬学的製剤の形態で用いることができる。前記製剤は、外用、内用または非経口用に適した有機または無機担体或いは賦形剤の混合物を含むことができる。
【0035】
本発明の医薬組成物は、錠剤、ペレット、カプセル、液状、乳化剤、懸濁液剤、トローチ、及びその他の適した形態で1種以上の薬剤学的に許容される担体を含むことができる。結合剤(例えば、微細結晶セルロース、トラガカント・ゴムまたはゼラチン)、賦形剤(例えば、澱粉または乳糖)、崩壊剤(例えば、アルギン酸、プリモゲル(primogel)、コーンスターチなど)、潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステロテックス(sterotex))、滑動剤(例えば、コロイド二酸化ケイ素)、甘味剤(例えば、スクロース、サッカリン)、または香味剤(例えば、ペパーミント、メチル・サリチル酸、オレンジ香)を添加しても良い。コーティングのようなその他の多様な物質が投与単位の物理的形態を変形させるために用いられる。例えば、錠剤または丸薬は、糖、セラックまたは他のコーティング剤でコートしても良い。シロップ剤は、甘味剤としてスクロース、特定保存剤、染料、着色剤、及び/または香味剤を含有しても良い。かかる多様な組成物を製造するために用いられる添加剤は、薬学的に純粋で且つ無毒性ではなければならない。
【0036】
また、本発明の組成物は溶液または懸濁液の形態で用いることができ、滅菌希釈剤(例えば、注射用の水)、食塩水(例えば、塩化ナトリウム及びマンニトール)、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたはその他の合成溶媒、抗菌制(例えば、ベンジルアルコール、メチルパラベン)、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸、二硫化ナトリウム)、キレート剤(例えば、EDTA、エチレンジアミン四酢酸)、緩衝剤(例えば、酢酸酸性塩、クエン酸塩、リン酸塩)からなる群から選ばれる1種以上の補助剤を含むことができる。非経口剤形は、アンプル、使い捨て注射器、ガラスまたはプラスチック製の反復投与用バイアルに入れて用いても良い。
【0037】
本発明の早漏治療用医薬組成物は、クロミプラミン、セルトラリン、及びフルオキセチンの以外に他の薬物、例えば、セロトニン作動薬(serotonin agonist)、セロトニン拮抗薬(serotonin antagonist)、アドレナリン作動薬(adrenergic agonist)、アドレナリン拮抗薬(adrenergic antagonist)、アドレナリン神経遮断薬(adrenergic neurone blocker)、勃起不全(impotence)治療剤、V型ホスホジエステラーゼ阻害剤(phosphodiesterase 5 inhibitor)、勃起誘発剤(erection inducer)、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれたいずれか一つ以上をさらに含むことができる。特に、V型ホスホジエステラーゼ阻害剤としては、シルデナフィル(silenafil)、タダラフィル(tadalafil)、バルデナフィル(vardenafil)、ユデナフィル(udenafil)などが挙げられるが、これらに限定されない。発起誘発制としては、フェトラミン(phentolamine)、パパベリン(papaverine)、アルプロスタジル(alprostadil)などが挙げられるが、これらに限定されない。必要な場合、本技術分野における当業者であれば、前記薬物のうち適した薬物を選択することができ、前記薬物と共に、他の追加薬物を用いることができることを理解すべきである。
【0038】
本発明の医薬組成物は、性交をする前に投与しても良く、好ましくは、性行為30分前〜3時間前に投与することである。前記投与方法は患者の特性によって変化され得る。
【0039】
前記言及したように、クロミプラミン、セルトラリン、及びフルオキセチンを活性成分として含む本発明の医薬組成物は、効果的で且つ優れた早漏治療だけではなく、吐き気、嘔吐、ねむ気、及び鎮静効果、覚醒効果、体重減少などのような副作用の減少を提供する。
【0040】
さらに、前記組成物は、各薬物による副作用を減少させるとともに、服用効果及び患者の服薬順守(compliance)を向上させるに効果的である。
【0041】
一方、本発明は、クロミプラミンまたはその薬剤学的に許容される塩、セルトラリンまたはその薬剤学的に許容される塩、及びフルオキセチンまたはその薬剤学的に許容される塩を活性成分として含む組成物を、早漏治療が必要な対象に投与する早漏治療の方法も提供する。前記対象としては哺乳動物が好ましく、そのうち人間がより好ましい。
【0042】
以下に、本発明を下記実施例により更に詳細に説明する。但し、下記実施例は本発明を例示するためのものであって、本発明の範囲がこれらに限定されるものではない。
【0043】
また、下記提示された固形混合物内の固体、液状中の液体、及び液状中の固体に対する百分率は、それぞれwt/wt、vol/vol及びwt/volの単位であり、すべての反応は特別の言及がない限り室温で行われた。
【実施例】
【0044】
実施例1.薬物動力学(Pharmacokinetics)の試験
<1−1>材料及び方法
各々約200gの7週齢のCrl:CD(SD)ラットの雄群を16時間絶食させた後、ポリエチレン管(PE−50)を用いて頚動脈にカニューレを挿入し、10匹ずつ4つの群に分けた。次いで、試験群1のラットにクロミプラミン2.70mg/kg;試験群2のラットにセルトラリン6.02mg/kg;試験群3のラットにフルオキセチン2.41mg/kg;また、試験群4のラットに3種の薬物複合剤(クロミプラミン2.70mg/kg、セルトラリン6.02mg/kg、及びフルオキセチン2.41mg/kg容量)を経口で単回投与した。前記薬物を投与した後、0.5、1、2、3、4、5、7、9、11、24時間後にポリエチレン管を用いて血液試料(約200μl)を採血した。それぞれ採血する時には、ラットにヘパリンが添加された食塩水(heparinized saline)(20IU/ml)約200μlを補充した。その後、採取した血液を10,000rpmで1分間遠心分離(MicroMax,International EquipmentCompany,U.S.A.)して血漿試料を得た。次いで、LC/MS/MS同時分析法を用いて血漿内のクロミプラミン、セルトラリン、及びフルオキセチンの含量を決定した。
【0045】
<1−2>評価方法
血漿中濃度−時間曲線から最高血漿濃度(Cmax)とCmax到達時間(Tmax)を求めた。血漿中濃度−時間曲線下面積(AUC0−t)は台形公式(trapezoidal rule)を用いて算出した。
【0046】
<1−3>試験結果
本発明における3種の薬物複合剤を投与する時、クロミプラミン及びセルトラリンによるCYP2D6とCYP2C9の抑制によって、すべての動物でフルオキセチン(CYP2C9、2C19、及び2D6(主酵素)の基質として知られている)のCmax及びAUCが増加した。クロミプラミンの場合、フルオキセチンとセルトラリンのCYP2D6抑制によってCmaxとAUCが増加することを観察した。セルトラリン(CYP2C9、2C19、2D6及び3A4のような多様な酵素により代謝される基質として知られている)の場合、CmaxとAUCが単一薬剤投与のデータより高かったが、AUCだけ顕著に増加した。
【0047】
本発明によって、3種の薬物複合剤を単回経口投与する時、単一薬剤投与よりも体内クロミプラミン、フルオキセチン、及びセルトラリンの露出量が増加し、フルオキセチン>クロミプラミン>セルトラリンの順に薬物の相互作用が明確に観察された。
【0048】
3種の薬物複合剤及び単剤のAUC及びCmaxの測定結果を表1に示す。
【表1】
【0049】
前記表1でみるように、3種の薬物複合剤(クロミプラミン2.70mg/kg、セルトラリン6.02mg/kg、フルオキセチン2.41mg/kg)を投与した場合、単一薬剤を投与した場合よりもAUC及びCmaxが増加した。このような結果は、3種の薬物複合剤の薬物・薬物相互作用によってAUC及びCmaxが増加したということを立証する。その結果、少ない投与量でも効果的な射精遅延を期待することができる。
【0050】
実施例2:薬効評価(ラット)
<2−1>材料及び方法
Brain Res Brain Res Protoc,1997,(1):203−209の方法によって、試験動物として20週齢以上のCrl:CD(SD)ラットの雄及び雌を用いて本実験を行った。
【0051】
(1)卵巣摘出(ovariectomy)及び発情誘導
ラットの雌にケタミン(ketamine)75mg/kgとキシラジン(xylazine)25mg/kgとの混合物を腹腔内(i.p.)に投与して麻酔させた。開腹術(laparotomy)をした後、卵巣(ovary)を摘出してから腹膜壁を縫合した。次いで、10%のアムピシルリン2mlを腹腔内に注射した後、ラットの雌に7日間の回復期間を与えた。卵巣摘出された雌ラットに試験物質を投与する約52時間前に、0.2mlのごま油(sesame oil)に溶かした安息香酸エストラジオール(estradiol benzoate)20ug/ratを皮下(s.c)注射し、試験物質を投与する約4時間前に、0.2mlのごま油に溶かしたプロゲステロン(progesterone)1mg/ratを皮下(s.c.)注射して人工発情を誘発させた。
【0052】
(2)スクリーニング検査(screening test)及び性交の訓練(copulatory experience)
前面がプレキシガラス(plexiglass)である観察箱(60×40×30cm)でスクリーニング検査を行った。スクリーニング検査を行う前、ラットの雄を観察箱で約10分間適応させた後、人工発情を誘発させたラットの雌を箱に入れた。雄ラットが30分内に射精する場合、性的に活発な個体と見なした。選別されたラットの雄に3日間隔で5回間性交訓練を施した。
【0053】
(3)投与及び評価
試験群の平均射精時間(ejaculation latency time,ELT)が類似するように約10匹ずつ15つの試験群に分けた。試験化合物を経口で単回投与した。
【0054】
陰性対照群の試験群1は、0.5%のメチルセルロース1500(Sigma社、以下、“MC1500”という)を投与した。試験群2〜4は、単一薬剤としてクロミプラミン、セルトラリン、及びフルオキセチンをそれぞれ投与した。試験群5〜7は、2種の薬物複合剤を投与した。試験群8〜15は、多様な容量を有する3種の薬物複合剤を投与した。具体的な投与量は下記表2に示されている。
【0055】
試験化合物を投与した後、2時間50分後にラットの雄を観察箱で10分間適応させた。その後、観察箱に人工発情されたラットの雌を入れてから交尾行動の試験を開示した。射精時間(ejaculation latency time,ELT)は、一番目の挿入(intromission)から射精(ejaculation)までの時間を評価した。
【0056】
<2−2>結果
前記実験によってラットに対するELT結果を平均±標準誤差(mean±S.E.M)で示し、表2及び図1に示されている。
【表2】
【0057】
試験群1(陰性対照群)のELTは206.8±37.4秒である。試験群2〜4(単一剤群)の場合、ELTが陰性対照群より長くない。また、試験群5及び6(2種の薬物複合剤群)でも陰性対照郡に比べてELTが増加されない。
【0058】
しかし、試験群8〜15の3種の薬物複合剤(クロミプラミン+セルトラリン+フルオキセチン)のELTは、それぞれ227.0±40.1秒、375.5±122.4秒、409.1±158.2秒、350.1±120.3秒、314.3±92.1秒、300.1±50.3秒、263.7±42.2秒及び260.8±43.8秒である。陰性対照群と比較してこれらのELTの増加率(%)は、それぞれ9.8%、81.6%、97.8%、69.3%、52.0%、45.1%、27.5%及び26.1%である。
【0059】
前記結果を考慮すると、試験群8〜15の3種の薬物複合剤は、陰性対照群と比較して0.1X〜10Xの容量で全てELTを増加させた。特に、試験群10(1X投与量の3種の薬物複合剤)は、陰性対照群と比較して顕著な増加率(約98%)を示された。また、3種の薬物複合剤群は、単剤及び2種の複合剤に比べていずれも優れた射精遅延の効果を有することが明らかになった。
【0060】
結論的に、3種の薬物複合剤(クロミプラミン、セルトラリン及びフルオキセチン)は、単剤及び2種の薬物複合剤に比べて優れた早漏治療の効果を奏する。
【0061】
実施例3:副作用の評価(ラット)
<3−1>材料及び方法
7週齢のCrl:CD(SD)ラットの雄を10匹ずつ5つの群に分けた。陰性対照群は0.5%MC1500を、3種の薬物複合剤(クロミプラミン+セルトラリン+フルオキセチン)群は4つの容量(3X、5X、7X、10Xで表示する)の3種の薬物複合剤をそれぞれ毎日1回、7日間投与した。具体的な投与量は下記表3に示されている。その後、毎日2回動物の臨床症状を観察し、投与前、投与を開示してから1、3、5、7日目に体重を測定した。
【0062】
<3−2>評価方法
処理群を陰性対照群と比較することで3種の薬物複合剤の毒性効果を評価した。特に、実験期間中に体重の増加または減少が統計的に有意な場合には毒性効果と見なされる。
【0063】
処理群と陰性対照群との間を比較するために、体重に対する統計分析を行った。p<0.05、p<0.01及びp<0.001で確認される場合、有意差があると判断した。第一、分散の同質性を調べるために、与えられた変数をレーベン検定法(Levene’s test)で調査した。分散が同質的であれば、各投与群と陰性対照群とを比べるために、ダネット検定法(Dunnett’s t−test)を用いた。レーベン検定法の分散が異質的であれば、各投与群を陰性対照群と比較するために順位変換検定法(rank−transform test)を用いた。分散の同質性を評価するためにレーベン検定法によって変換されたデータを再調査した。分散が同質的であれば、各投与群と陰性対照群とを比較するためにダネット検定法を用いた。
【0064】
<3−3>結果
前記実験からラットの体重変化を平均±標準偏差で示し、これは表3及び図2に示されている。
【表3】
【0065】
薬物の毒性徴候を評価する代表的な因子として、対照群と比較した体重変化が用いられた。3種の薬物複合剤を7日間投与した場合、体重が5X投与群において5及び7日目に陰性対照群と比較して約4%程度減少した。また、体重が7X、10X投与群において1〜7日目まで陰性対照群と比較して約6〜8%程度有意に減少した。各処理群の7日間の体重変化を陰性対照群と比較する時、5X、7X、及び10X群の場合には、それぞれ−19%、−34%、及び−33%まで体重が有意に減少した。毒性試験で陰性対照群と比較して体重増加が10%以下で減少することに基づいて、一般的に最大耐性容量(MTD)が選定される。前記結果によれば、本発明において3種の薬物複合剤のMTDは5X投与量未満で決定された。
【0066】
実施例4:薬効評価−臨床試験
<4−1>人体投与量の算出
前記実施例2におけるラット投与量に基づき、人間に対する投与量を算出することができる。具体的には、米国食品医薬局指針書である“Estimating the Maximum Safe Starting Dosein Initial Clinical Trials for Therapeuticsin Adult Healthy Volunteers”に基づいて、下記計算式を用いて人体投与量(Humanequivalent dose)を算出することができる。前記計算はラットが150g、人間が60kgという推定に根拠する。
【0067】
HED=動物投与量(mg/kg)×(動物の体重(kg)/人間の体重(kg))0.33)
本発明の3種の薬物複合剤において、ラットの1X投与量を人体投与量に換算すると、クロミプラミン7.4mg、セルトラリン11.2mg、フルオキセチン6.0mgに算出される。実施例2に基づいて、試験群8〜15のラット投与量が3種の薬物複合剤に関する人体投与量に変換される。具体的な人体投与量が下記表4に提示される。
【表4】
【0068】
<4−2>試験方法
射精時間が60秒以下の患者を20名ずつ4つの群に分けた。一日の薬物投与量として患者群1はクロミプラミン22.4mg;患者群2はセルトラリン50.0mg;患者群3はフルオキセチン20.0mg;また、患者群4はクロミプラミン7.5mg、セルトラリン11.3mg、及びフルオキセチン5.9mgを含む本発明の3種の薬物複合剤を投与した。性交をする3時間前に薬物を服用し、投与期間は3週間とする。患者とのインタビューを行うことで患者に対する薬物投与の効果を調査した。患者の射精時間が10分以上になると、前記薬物が効果的なものと見なされる。
【0069】
<4−3>結果
前記実験から人間治療効果の結果が下記表5に示されている。
【表5】
【0070】
前記表5に示したように、クロミプラミン22.4mgを投与した患者の75%及びセルトラリン50.0mgを投与した患者の約40%で薬物の治療効果が示された。しかし、フルオキセチン20.0mgを投与した患者には治療効果が示されなかった。一方、3種の薬物複合剤を投与した患者の場合、各薬物の服用量が大幅に減少したにもかかわらず、これらのうち95%に達する驚くほどの治療効果が示された。
【0071】
実施例5:副作用の評価−臨床試験(吐き気)
実施例4において各薬物を服用した患者のうち、吐き気を伴う副作用の発生頻度を調査した。表6で示すように、セルトラリン50.0mgを服用した患者の90%で吐き気が発生したことに比べて、3種の薬物複合剤を服用した患者の5%だけが吐き気を経験した。この結果は、3種の薬物複合剤の顕著な吐き気減少の効果を立証する。
【0072】
前記実験から副作用(吐き気)に対する結果が表6に示されている。
【表6】
【0073】
実施例6.副作用評価−臨床試験(ねむ気)
実施例4において各薬物を服用した患者のうち、ねむ気(sedation)を伴う副作用の発生頻度を調査した。表7で示すように、クロミプラミン22.4mgを服用した患者の70%でねむ気が発生したことに比べて、3種の薬物複合剤を服用した患者の約5%だけがねむ気を経験した。この結果は、3種の薬物複合剤の顕著なねむ気減少の効果を立証する。
【0074】
前記実験から副作用(ねむ気)に対する結果が表7に示されている。
【表7】
【0075】
製造例1:錠剤の製造
活性成分としてクロミプラミン塩酸塩、セルトラリン塩酸塩及びフルオキセチン塩酸塩を含む、表8に示した錠剤コアの全ての成分を十分に混合した後、単一錠剤プレス(single tablet press)を用いて打錠して錠剤を製造した。前記錠剤をオパドライ(Opadry(登録商標) white 85F 18422,カラルコン社)でコートしてフィルムコート錠を得た。
【表8】
【0076】
製造例2:錠剤の製造
活性成分としてクロミプラミン塩酸塩、セルトラリン塩酸塩、及びフルオキセチン塩酸塩を活性成分として含む、表9に示す顆粒内部の全ての成分を混合した。これにヒドロキシプロピルセルロースとポリソルベート80とを水に溶かした後、得られた結合液を加えることで顆粒を得た。得られた顆粒にステアリン酸マグネシウムを加えてからその混合物を打錠して錠剤を製造した。前記錠剤をオパドライ(登録商標)でコートしてフィルムコート錠を得た。
【表9】
【0077】
製造例3:カプセル剤の製造
クロミプラミン塩酸塩、セルトラリン塩酸塩、及びフルオキセチン塩酸塩を活性成分として含む、表10に示す全ての成分を十分に混合した。得られた混合物を硬質のカプセル(ゼラチン)に充填してキャプセル剤を製造した。
【表10】
【0078】
以上、本発明を好ましい実施例により説明したが、添付の特許請求の範囲によって定義された本発明の技術思想を逸脱しない範囲内で本発明の技術分野に属する当業者によって多様な変形及び変更が可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロミプラミン(Clomipramine)またはその薬剤学的に許容される塩、セルトラリン(Sertraline)またはその薬剤学的に許容される塩、及びフルオキセチン(Fluoxetine)またはその薬剤学的に許容される塩を活性成分として含む、早漏治療用医薬組成物。
【請求項2】
クロミプラミンまたはその薬剤学的に許容される塩、セルトラリンまたはその薬剤学的に許容される塩、及びフルオキセチンまたはその薬剤学的に許容される塩が1:1〜2:0.5〜1の重量比で含有されている請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記薬剤学的に許容される塩がそれぞれ塩酸塩である請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項4】
薬剤学的に許容される担体をさらに含む請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記薬剤学的に許容される担体が、賦形剤、崩壊剤、結合剤、潤滑剤、乳化剤、懸濁化剤、安定化剤、甘味剤、香味剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれる請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項6】
セロトニン作動薬、セロトニン拮抗薬、アドレナリン作動薬、アドレナリン拮抗薬、アドレナリン神経遮断薬、勃起不全治療剤、V型ホスホジエステラーゼ阻害剤、勃起誘発剤及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれる薬物をさらに含む請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項7】
請求項1に記載の組成物及び薬剤学的に許容される担体を含む、早漏治療用の経口単位剤形。
【請求項8】
錠剤、カプセル剤、懸濁剤、顆粒剤、ゲル剤、丸薬、チンキ剤、煎じ剤、注入剤、酒精剤、流エキス剤、エリキシル剤、エキス剤、シロップ剤、散剤、芳香水剤、及びリモナーデ剤からなる群から選ばれる請求項7に記載の経口単位剤形。
【請求項9】
クロミプラミン0.7〜75.0mg、セルトラリン1.1〜113.0mg、及びフルオキセチン0.5〜59.0mgを含む請求項7に記載の単位投薬剤形。
【請求項10】
クロミプラミン0.7〜22.5mg、セルトラリン1.1〜33.9mg、及びフルオキセチン0.5〜17.7mgを含む請求項7に記載の単位投薬剤形。
【請求項11】
クロミプラミン2.2〜22.5mg、セルトラリン3.3〜33.9mg、及びフルオキセチン1.7〜17.7mgを含む請求項7に記載の単位投薬剤形。
【請求項12】
前記薬剤学的に許容される担体が賦形剤、崩壊剤、結合剤、潤滑剤、乳化剤、懸濁化剤、安定化剤、甘味剤、香味剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれる請求項7に記載の単位投薬剤形。
【請求項13】
セロトニン作動薬、セロトニン拮抗薬、アドレナリン作動薬、アドレナリン拮抗薬、アドレナリン神経遮断薬、勃起不全治療剤、V型ホスホジエステラーゼ阻害剤、勃起誘発剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれる薬物をさらに含む請求項7に記載の単位投薬剤形。
【請求項1】
クロミプラミン(Clomipramine)またはその薬剤学的に許容される塩、セルトラリン(Sertraline)またはその薬剤学的に許容される塩、及びフルオキセチン(Fluoxetine)またはその薬剤学的に許容される塩を活性成分として含む、早漏治療用医薬組成物。
【請求項2】
クロミプラミンまたはその薬剤学的に許容される塩、セルトラリンまたはその薬剤学的に許容される塩、及びフルオキセチンまたはその薬剤学的に許容される塩が1:1〜2:0.5〜1の重量比で含有されている請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記薬剤学的に許容される塩がそれぞれ塩酸塩である請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項4】
薬剤学的に許容される担体をさらに含む請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記薬剤学的に許容される担体が、賦形剤、崩壊剤、結合剤、潤滑剤、乳化剤、懸濁化剤、安定化剤、甘味剤、香味剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれる請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項6】
セロトニン作動薬、セロトニン拮抗薬、アドレナリン作動薬、アドレナリン拮抗薬、アドレナリン神経遮断薬、勃起不全治療剤、V型ホスホジエステラーゼ阻害剤、勃起誘発剤及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれる薬物をさらに含む請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項7】
請求項1に記載の組成物及び薬剤学的に許容される担体を含む、早漏治療用の経口単位剤形。
【請求項8】
錠剤、カプセル剤、懸濁剤、顆粒剤、ゲル剤、丸薬、チンキ剤、煎じ剤、注入剤、酒精剤、流エキス剤、エリキシル剤、エキス剤、シロップ剤、散剤、芳香水剤、及びリモナーデ剤からなる群から選ばれる請求項7に記載の経口単位剤形。
【請求項9】
クロミプラミン0.7〜75.0mg、セルトラリン1.1〜113.0mg、及びフルオキセチン0.5〜59.0mgを含む請求項7に記載の単位投薬剤形。
【請求項10】
クロミプラミン0.7〜22.5mg、セルトラリン1.1〜33.9mg、及びフルオキセチン0.5〜17.7mgを含む請求項7に記載の単位投薬剤形。
【請求項11】
クロミプラミン2.2〜22.5mg、セルトラリン3.3〜33.9mg、及びフルオキセチン1.7〜17.7mgを含む請求項7に記載の単位投薬剤形。
【請求項12】
前記薬剤学的に許容される担体が賦形剤、崩壊剤、結合剤、潤滑剤、乳化剤、懸濁化剤、安定化剤、甘味剤、香味剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれる請求項7に記載の単位投薬剤形。
【請求項13】
セロトニン作動薬、セロトニン拮抗薬、アドレナリン作動薬、アドレナリン拮抗薬、アドレナリン神経遮断薬、勃起不全治療剤、V型ホスホジエステラーゼ阻害剤、勃起誘発剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれる薬物をさらに含む請求項7に記載の単位投薬剤形。
【図1】
【図2】
【図2】
【公表番号】特表2011−520952(P2011−520952A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−510419(P2011−510419)
【出願日】平成21年5月19日(2009.5.19)
【国際出願番号】PCT/KR2009/002636
【国際公開番号】WO2009/142428
【国際公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(501190745)ユハン・コーポレーション (2)
【出願人】(510305790)
【氏名又は名称原語表記】SEOL, Hyun Uk
【住所又は居所原語表記】4th Fl., Dongsan Building, #54−18, Seongsan−dong, Mapo−gu, Seoul 121−250, Korea
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月19日(2009.5.19)
【国際出願番号】PCT/KR2009/002636
【国際公開番号】WO2009/142428
【国際公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(501190745)ユハン・コーポレーション (2)
【出願人】(510305790)
【氏名又は名称原語表記】SEOL, Hyun Uk
【住所又は居所原語表記】4th Fl., Dongsan Building, #54−18, Seongsan−dong, Mapo−gu, Seoul 121−250, Korea
【Fターム(参考)】
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