説明

昆虫忌避性織布およびその製造方法

難燃特性も有する昆虫忌避性織布が開示されている。織布は、織布の繊維に吸収された昆虫忌避分子を有する。織布は、洗濯後もその昆虫忌避特性および難燃特性を維持する。織布は衣料に用いるのに好適であり、さらに詳細には、火事および病気を媒介する昆虫の両方にさらされる危険に直面することのある、産業労働者、軍人、救急隊員、および消防士などの個人が着用するよう設計された防護服に用いるのに適している。昆虫忌避分子は、昆虫忌避剤を含んでいる浴に繊維または織布を浸してから浴を加熱するなどのさまざまな方法で織布に取り込むことができるが、これに限定されない。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
多くの職業(産業労働者(例えば、公共事業作業員、石油化学工場作業員など)、軍隊、救援、消防、建設、および造園を含むが、これらに限定されない)では、屋外環境で過ごすことが求められる。多くの場合、そうした環境にはさまざまな昆虫が生息している。蚊やダニなどのそうした昆虫の多くは、人にかみついたり、刺したり、またはそうでなければ人にくっついて不快にさせることがある。単に不愉快なだけの昆虫もいるが、病気、ウイルス、または人をかむかまたは他の接触によって伝染しうる他の疾患を媒介しうる昆虫もいる。例えば、蚊は、西ナイルウイルス、マラリア、黄熱病、デング熱、脳炎、および他の疾患を媒介することが知られている。加えて、ダニはライム病を媒介することがある。他の昆虫は、他の重篤な病気または疾患を媒介することがあり、さらに人間をかむか、またはそうでなければかみつくことまたは他のタイプの接触を通じてそうした病気をうつすことが知られている。
【0002】
虫刺されは、時には、屋内にとどまるか、ある特定の地理的地域を避けることによって回避することができる。しかし、個人が職務ゆえに屋外で長時間過ごさなければならない場合には、こうした選択肢は必ずしも利用できない。このような場合、個人は局所用昆虫忌避剤を自分の皮膚に施して、虫刺されの可能性または頻度を減らすことができる。局所用昆虫忌避剤は虫刺されの可能性または頻度を減らすことはできるが、それでも昆虫は、人の体に着用されているシャツまたは比較的薄い上着などの衣服を通して人を刺すことがある。
【0003】
個々の職業によっては、外部環境で過ごすことだけでなく、火事の脅威に身をさらすことを求めることもある。例えば、産業労働者、軍人、救急隊員、および消防士はすべて炎や他の熱源に身をさらしかねない外部環境で働く。このような場合、耐燃性または難燃性の昆虫忌避性衣服を用意することが望ましいであろう。他の耐燃性である材料に、市販の昆虫忌避剤を吹き付けることによって、昆虫忌避特性(insect repellent properties)を耐燃性衣服に付与することが考えられる。しかし、この処理方法では、施された昆虫忌避剤により材料の耐燃特性が損なわれるため、処理された衣服が燃えることになる。その上、衣服が洗濯されるか、またはある時間着用されると、昆虫忌避剤は衣服から流れ落ちてしまう。それゆえに、耐燃特性と昆虫忌避特性の両方を有する衣服であって、昆虫忌避性によって耐燃性が損なわれずかつ衣服が洗濯されてもいずれの特性の効果も失われない、衣服を提供することが望まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記を考慮すると、昆虫を寄せつけない衣服を製造することが望ましい。
【0005】
昆虫忌避特性および難燃または耐燃特性の両方を有する衣服を製造することも望ましい。
【0006】
昆虫忌避特性および難燃または耐燃特性を失わずに洗濯が可能な衣服を製造することも望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的は、本発明の実施態様によって達成される。一実施態様は、少なくとも1種の昆虫忌避剤で処理された織布を含み、昆虫忌避剤は繊維に吸収されるか、吸い込まれるか、またはそうでなければ取り込まれて繊維に固定される。時間が経つにつれ、昆虫忌避分子(insect repellent molecules)は徐々に繊維の表面に放出され、その表面で昆虫忌避分子が昆虫に対して忌避剤として働く。こうした織布は昆虫を寄せつけないと同時に、昆虫忌避特性を失うことなく洗濯が可能である。
【0008】
別の実施態様では、少なくとも1種の昆虫忌避剤で処理された織布は、耐燃特性を有する少なくともいくつかの繊維をさらに含む。こうした織布は、耐燃特性を維持しながらも昆虫を寄せつけず、しかも昆虫忌避特性も耐燃特性も失うことなく洗濯が可能である。
【0009】
本発明の別の実施態様は、洗濯後も昆虫忌避特性を織布が維持するように昆虫忌避特性を織布に付与する方法を含む。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施態様では、衣服は、使用者が病原体を持った1匹または複数匹の昆虫に出くわす可能性のある環境で使用者が着用できるシャツを含みうる。シャツは、後述するように、少なくとも1種の昆虫忌避剤で処理された材料で作られる。例示の目的のためにシャツの説明をするが、他の種類の衣服についても本明細書に記載する織布および方法は役立ちうる。このような衣服として、さまざまな用途に用いることを意図した上着、ズボン、カバーオール、チョッキなどの1つ以上を含むことができるが、これらに限定されない。さらに、本開示は衣服に限定されない。より一般的には、本開示は昆虫忌避性が望ましい任意の織布に関する。例えば、昆虫忌避性は、窓またはドアに垂らすカーテンに用いる織布、ベッドまたは他の宿泊設備を覆う天蓋、あるいはテントまたは他の柔軟なシェルターを作るのに用いる織布に望ましい。
【0011】
本発明の他の実施態様では、衣服は耐燃特性を有する織布で構成されうる。このような織布は、本質的に耐燃性である繊維、本質的には耐燃性でないが、繊維または糸として難燃化学薬品(flame retardant chemicals)で処理された繊維、あるいは両方の種類の繊維を含むことができる。本明細書で使用される「本質的に耐燃性である繊維」は、繊維の化学構造が極めて安定しているため燃えない繊維を指す。本質的に耐燃性である繊維の例として、アラミド(芳香族ポリアミド)繊維、ポリベンゾキサゾール(PBO)繊維、ポリベンゾイミダゾール(PBI)繊維、メラミン繊維、ポリアミド繊維、ポリイミド繊維、ポリイミドアミド繊維、およびモダクリル繊維を含むが、これらに限定されない。難燃化学薬品で処理できる本質的に耐燃性でない繊維の例として、レーヨン、アセテート、トリアセテート、およびリオセルなどのセルロース系繊維を含むが、これらに限定されない。これらの構成は単なる例であり、本開示の範囲を限定することを意図するものではないことを理解すべきである。
【0012】
織布が構成の元になる繊維の種類にかかわりなく、昆虫忌避剤は、(単に繊維の表面に施されるのではなく)繊維の少なくとも一部によって吸収されるか、吸い込まれるか、またはそうでなければ取り込まれるのが好ましい。このようにすることで、繰り返し洗濯した後でも織布の昆虫忌避特性はより十分に保持される。
【0013】
昆虫忌避性は、さまざまな方法で織布(好ましくは耐燃性でもあるが、必ずしもそうではない)に付与できる。一実施態様では、染色工程または仕上げ工程の間に昆虫忌避剤を織布に加える。一実施態様では、織布は染浴の中において昆虫忌避剤で処理することができ、この場合、数種類の成分を液体の形で混ぜ合わせ、織布を染浴に浸す。染浴中の成分の例として、織布を染める染料、染色助剤(dye assistant)(または「キャリヤー」)、昆虫忌避剤、または難燃添加剤(該当する場合)のいずれかまたは全部を含むことができる。キャリヤーは、染料が織布の繊維に吸収されるのを助ける。場合によっては、キャリヤーは、以下に説明されているように自然の昆虫忌避剤として作用しうる。例示的なキャリヤーとして、ジブチルアセトアミド、ジブチルホルムアミド、アリールエーテル、イソホロン、ベンジルアルコール、N−シクロヘキシルピロリジノン(CHP)、およびN−ジエチル−m−トルアミド(「DEET」)を含む。例示的な昆虫忌避剤として、ペルメトリン(McLaughlin Gormley King Co.から入手可能なEvercide 2778またはBayer Environmental Scienceから入手可能なPermanone 40)およびDEET(Fisher ScientificおよびMorflex,Inc.から入手可能)があるが、これらに限定されない。
【0014】
染浴を一旦作成すると、典型的には浸漬によって織布を染浴と接触させ、染浴を加熱して染料を繊維中に固定する。この工程の間に、昆虫忌避剤(これはキャリヤーまたは別個の化学薬品の形態であってよい)は、繊維の少なくとも一部によって吸収されるか、吸い込まれるか、またはそうでなければ取り込まれる。時間が経つにつれ、昆虫忌避分子は徐々に繊維の表面に放出され、その表面で昆虫忌避分子が昆虫に対して忌避剤として働く。この工程の間に染色が行われる必要はないことは、当業者には自明であろう。むしろ、染色済みまたは未染色の織布に昆虫忌避特性を付与することを望む場合には、染料なしで工程を実施することができる。
【0015】
織布が完全に構成されている場合に、織布は、昆虫忌避剤、難燃剤、またはこれらの組合せで処理されるものとして説明してきたが、処理は、工程の初期段階の間に、織られるかまたは紡いで完全に構成された織布にされる前の繊維、糸、または他の繊維製品(fibrous textile)などに実施することができる。さらに、キャリヤーは、繊維または繊維で構成された織布を処理する前の、繊維の製造時に繊維に吸い込ませることができる。この方法は、追加のキャリヤーが浴中で必要ないことがあるという点で、有利でありうる。織物を染色する装置としては、ジグ染色機(jig dyeing machines)、パッド染色機、ベック染色機(beck dyeing machines)、およびジェット染色機がある。
【0016】
昆虫忌避剤の1種はペルメトリンであり、これは、約0.15%(織布の重量に対して)(「owf」)から約2.80%owfの範囲の濃度で染浴に加えることができる。染浴工程の間に、ペルメトリンが織布の繊維にいっそう容易に吸収されるように、ペルメトリンを溶解させるためのキャリヤーを使用してよいが、必ずしも使用する必要はない。浴は、約100°F〜約300°Fの範囲の温度で実施してよい。浴を沸点(大気圧で212°Fである)より下で実施する場合、昆虫忌避剤の吸収を実現するのには、CHPまたはベンジルアルコールが特に効果的であろう。織布を浴中で処理した後、織布を取り出し、加熱して織布を乾燥させる。織布が乾燥すると、繊維は収縮して繊維中に昆虫忌避分子が固定されることにより、衣服が洗濯された後でさえ、昆虫忌避剤は衣服にとどまることが可能になる。このような濃度の場合、およそ20回洗濯した後でも、ペルメトリンの残存レベルは約0.10〜1.75%owfである。表Iは、ペルメトリンを含んでいる染浴で染色された織布の2つの具体例を示す。織布1は、4.0オンス/平方ヤード(osy)の、Nomex T−462とFRレーヨンの65/35のブレンドである平織織布であり、織布2は6osyのNomex T−462の平織織布である。
【0017】
【表1】

【0018】
織布上の昆虫忌避剤の量は、McLaughlin Gormley King Companyから入手可能なGLC Method of Analysis for Permethrin in Technical Material and Formulationsなどのガスクロマトグラフィーを用いて測定した。
【0019】
一例として、織布中に取り込まれたペルメトリンの量を測定するための1つの可能な試験方法では、フレームイオン化検出器を備えたガスクロマトグラフを使用する。カラムは、Chromosorb W(HP)(80/100メッシュ)上に5%OV−1がある120cm×4mm(内径)のガラスである。カラム温度は250℃であり、注入口(injection port)および検出器の温度はそれぞれ300℃である。ガス流は、N(50ml/分)、空気(240ml/分)、およびH(60ml/分)である。フレームイオン化検出器の感度は5×10−11AFSである。方法は以下のとおりである:アセトン中のペルメトリンの量がおよそ1.0mg/mlとなるように、アセトン中にペルメトリンを含む試料を調製する。アセトン中にペルメトリンを1.0mg/ml含む標準溶液も調製する。試料および標準溶液はそれぞれ内標準として1当量のフタル酸ジエチルヘキシルをさらに含む。試料および標準溶液をカラムに注入する。保持時間は、ペルメトリンが約5分間であり、フタル酸ジエチルヘキシルが約3分間である。この方法ではペルメトリンの異性体は分離されない。
【0020】
他の実施態様では、仕上げ工程の間にペルメトリンなどの昆虫忌避剤を織布中に取り込む。仕上げ工程は、染浴の中において昆虫忌避剤で織布を処理する代わりに、またはその処理に加えて行うことができる。このような仕上げ配合物の1つは、0.9%〜6.0%(浴の重量に対して)(「owb」)だけ40%活性ペルメトリンを含むことができる。仕上げ配合物は、パッドロール、キスロール、ロール式ナイフ、または泡仕上げアプリケーター(foam finish applicator)などの仕上げアプリケーター(finish applicator)で塗布することができる。処理織布は、織布を乾燥させるのに十分な時間、乾燥器(またはテンター)内においておよそ250°F〜400°Fで乾燥させることができる。織布が乾燥すると、繊維が収縮して、繊維中に昆虫忌避剤が固定される。他の実施態様では、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ジメチロールジヒドロキシエチレン尿素(DMDHEU)樹脂、アクリルポリマー、ポリウレタンポリマーなどの結合剤を仕上げ配合物に加えて、洗濯耐久性の維持に役立てることができる。
【0021】
ペルメトリンのほかに使用できる別の昆虫忌避剤はN−ジエチル−m−トルアミド(「DEET」)である。上述したように、DEETは染色工程の間にキャリヤーの役割をすることもできる。キャリヤーは可燃性であるため、慣例上、染色した織布からできるだけキャリヤーを除去する。しかし、DEETを昆虫忌避剤として使用し、染浴法で織布に取り込む場合、浴の完了後にDEETの残存量が比較的多く繊維に残るようにするために、比較的大量のDEETを使用できる。DEETは、約10グラム/リットル(gpL)〜約60gpLの範囲の濃度で染浴に添加してよい。このような濃度にすれば、DEETの残存レベルを約0.10%〜l.75%owfにすることができる。これとは別に、またはこれに加えて、ペルメトリンに関連して上述したのと類似の方法で、仕上げ工程の間にDEETを繊維に取り込むことができる。このような場合、仕上げ配合には、約0.9%〜6.0%owbの濃度でDEETを含ることができる。
【0022】
耐燃性を向上させるか、または繊維中に含まれるキャリヤーのどんな有害作用をも打ち消すために、難燃化合物を、染浴に含めること、仕上げ処理として施すこと、またはそうでなければ織布の繊維に取り込むこともできる。さらに、潤滑剤、湿潤剤、均染剤などを含め他の化学薬品を繊維に施す(例えば、混合物に加える)ことができる。難燃化合物を繊維マトリックス(fiber matrix)に含めると、繊維およびそれから得られる製品の耐久性を高めることもできる。
【0023】
本発明の実施態様は、織布の昆虫忌避特性を測定するために、Insect Control & Research(Baltimore,Maryland)が試験を行った。この試験方法では、ペルメトリンとDEETの両方で処理された織布試料を使用し、さらに、洗濯の前と後の両方で試料を試験した。織布は、網(典型的には窓網戸として使用されるタイプのもの)で構成されたチューブの回りに巻き付けた。対照チューブとしての役割を果たすように、いずれの昆虫忌避剤によっても処理されていない織布を別のチューブに巻き付けた。その後、被験者は自分の腕をチューブの中に入れ、250匹の蚊が入れられているかごにその腕を入れた。3分後に織布上の蚊の数を数えた。その後、織布が蚊をもはや追い払わなくなるまで、30分間隔で蚊の数を数えた。織布の忌避性は、次の式を用いて計算した: R=(C−T)/C 100(式中、Rは忌避性であり、Cは対照織布にとまった蚊の数であり、Tは含浸織布にとまった蚊の数である)。
【0024】
表IIは、1.6%owfのペルメトリンで処理された、4.5オンス/平方ヤード(osy)のNomex T−462(登録商標)とFRレーヨンとの65/35のブレンド(織布A)の試験結果を示す。織布は、洗濯の前と洗濯の後の両方で試験した。表IIから理解できるように、洗濯していない未処理の織布と比べて、洗濯していない処理織布では著しい改善結果が得られ、8時間にわたって平均忌避性増加量(average repellency increase)が約75%であった。同様に、洗濯した未処理の織布と比べて洗濯した処理織布で改善結果が得られ、およそ2時間にわたって平均忌避性増加量が約38%であった。
【0025】
【表2】

【0026】
次に表IIIに目を向けるが、4.5osyの、Nomex T−462(登録商標)とFRレーヨンとの65/35のブレンド(織布B)を、24%owfのDEETで処理した。処理織布の試料および同じ織布の未処理試料(すなわち、「対照」)を上述と同様にして試験した。表IIIから理解できるように、洗濯していない未処理の織布と比べて、洗濯していない処理織布では著しい改善結果が大半において得られ、2時間にわたって平均忌避性増加量が約46%であった。同様に、洗濯した未処理の織布と比べて洗濯した処理織布では改善結果が得られ、およそ2時間にわたって平均忌避性増加量が約64%であった。
【0027】
【表3】

【0028】
防護服用の昆虫忌避性織布の特定の実施態様を、例示の目的のため前述の説明および図面で詳細に開示してきたが、開示内容の範囲を逸脱することなくその変更および修正を行えることは、当業者に理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)複数の繊維と、
(b)前記複数の繊維の少なくとも一部に吸収された昆虫忌避分子と、
を含む織布。
【請求項2】
前記複数の繊維の少なくとも一部が耐燃性繊維を含む、請求項1に記載の織布。
【請求項3】
前記耐燃性繊維が、アラミド繊維、ポリベンゾキサゾール繊維、ポリベンゾイミダゾール繊維、メラミン繊維、ポリイミド繊維、またはポリイミドアミド繊維のうちの少なくとも1種を含む、請求項2に記載の織布。
【請求項4】
前記耐燃性繊維がパラアラミド繊維またはメタアラミド繊維の少なくとも一方を含む、請求項3に記載の織布。
【請求項5】
前記耐燃性繊維が難燃化合物で処理されたセルロース系繊維を含む、請求項2に記載の織布。
【請求項6】
前記昆虫忌避分子がペルメトリンまたはN−ジエチル−m−トルアミドの少なくとも一つを含む、請求項1に記載の織布。
【請求項7】
請求項1に記載の織布で構成された衣服。
【請求項8】
(a)複数の繊維であって、前記複数の繊維の少なくとも一部が耐燃性繊維を含んでいる複数の繊維と、
(b)前記複数の繊維の少なくとも一部に吸収された昆虫忌避分子であって、前記昆虫忌避分子がペルメトリンまたはN−ジエチル−m−トルアミドの少なくとも一方を含んでいる昆虫忌避分子と、
を含む、耐燃性織布。
【請求項9】
前記耐燃性繊維が、アラミド繊維、ポリベンゾキサゾール繊維、ポリベンゾイミダゾール繊維、メラミン繊維、ポリイミド繊維、またはポリイミドアミド繊維のうちの少なくとも1つを含む、請求項8に記載の織布。
【請求項10】
前記耐燃性繊維がパラアラミド繊維またはメタアラミド繊維のうちの少なくとも1つを含む、請求項9に記載の織布。
【請求項11】
前記耐燃性繊維が難燃化合物で処理されたセルロース系繊維を含む、請求項8に記載の織布。
【請求項12】
請求項8に記載の織布を含む衣服。
【請求項13】
昆虫忌避剤による繊維の処理方法であって、
(a)複数の昆虫忌避分子を含んでいる溶液に前記繊維を浸すことと、
(b)前記溶液を加熱することと、
(c)前記繊維を前記溶液から取り出すことと、
(d)前記繊維を乾燥させることと、
を含み、
前記複数の昆虫忌避分子の少なくとも一部が、前記繊維の少なくとも一部に吸収される方法。
【請求項14】
前記溶液が、染料、キャリヤー、または難燃化合物のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記繊維の少なくとも一部が耐燃性繊維を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記昆虫忌避分子が、N−ジエチル−m−トルアミドまたはペルメトリンの少なくとも1つを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記溶液を約100°F〜約300°Fの温度まで加熱する、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記繊維を溶液に浸すことが、前記繊維を含んでいる織布の少なくとも一部を前記溶液に浸すことを含む、請求項13に記載の方法。

【公表番号】特表2010−514783(P2010−514783A)
【公表日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−544204(P2009−544204)
【出願日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際出願番号】PCT/US2007/088268
【国際公開番号】WO2008/083017
【国際公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願人】(505451040)サザンミルズ インコーポレイテッド (11)
【氏名又は名称原語表記】Southern Mills,Inc.
【Fターム(参考)】