説明

昆虫育成堆肥床

【課題】 家畜の排泄物はかつて堆肥にして余すところ無く有効利用されていた、近年は専業化して多頭羽飼育になり、家畜糞尿が農地へ還元され有効利用される割合が低下し廃棄物化する傾向に有る。この家畜糞尿を昆虫の食性を利用して育成し、昆虫体は飼料や飼料原料に、分解物は土壌改良剤、有機肥料で利用する昆虫育成堆肥化装置を提供する事に有る。
【解決手段】 近年の環境基準が厳しくなる中で、畜産規模が拡大し、糞尿など排泄物も大量に発生するように成り、従来の堆肥製造で背産される大量の堆肥は分散して利用すると流通経費が負担となり、燃焼処理によれば化石燃料を使う事になる。本発明は、この畜糞尿を昆虫の食性を利用して処理し、昆虫体と堆肥利用のカスケード利用の装置で、畜糞尿を育成容器に敷き広げて昆虫の卵を植え付け幼虫を育て、容器から脱出する習性で昆虫体を分離する、装置の提供を目的とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家畜の糞尿など有機廃棄物を昆虫の食性を利用した分解処理と昆虫を育成し、育成した昆虫体と分解物を分離して昆虫体では動物性蛋白質などの飼料や飼料原料を生産利用する。分解物は土壌改良剤、有機肥料で利用する。家畜糞尿などの有機廃棄物で昆虫育成、堆肥化の装置及び処理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来家畜の糞尿は有用な肥料として利用されて来たが、近年畜産規模が拡大し、糞尿など排泄物も大量に発生するように成り、環境基準が厳しく成る中、野積みなども認められない状況にある。この畜糞を昆虫の食性を利用して処理し、育成した昆虫体を飼料原料に、昆虫体を分離した分解処理残物は土壌改良剤、堆肥で利用し、言わばカスケード利用の技術である。この装置は、水分調整を行った畜糞尿を平底の育成容器に適度な厚さで敷き広げて昆虫の卵を植え付け育成する。幼虫が終齢に達すると蛹化直前の這い出し行動で容器から脱出する。この様に畜糞尿を昆虫に食させて処理し、昆虫体を飼料、原料に、処理物を有機肥料で利用することは畜糞尿処理で有効な処理手段と期待されている。
【特許文献1】 特開2002−11440号 公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年の環境基準が厳しくなる中、畜産規模が拡大し、糞尿など排泄物も大量に発生するように成った。従来の堆肥製造で生産する大量の堆肥は熟成に日数が必要で、利用する場合には流通の費用をも含む肥料コストを吸収できる消費の場が必要である。燃焼処理によれば大量の化石燃料を使う事になる。本発明は、この畜糞尿、鶏糞等を昆虫の食性を利用して処理し、育成した昆虫体を飼料原料に、昆虫体を分離した分解処理残物は減容して土壌改良剤、堆肥で利用する。水分調整を行った畜糞尿を育成容器に敷き広げて昆虫の卵を植え付け、温度、湿度管理をして幼虫を育てる。終齢に達した幼虫は、蛹化で這い出し、容器から脱出する習性を利用して昆虫体を分離する。食処理された処理物は減容して堆肥原料を製造できる装置、カスケード利用システムの昆虫育成堆肥床を提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を達成するため、請求項1の発明は、家畜の排泄物や食物残渣などの有機物を昆虫の食性を利用し、昆虫体の養殖、処理物の減容、堆肥化処理を行う。利用昆虫を養殖して産卵させた卵を、有機物処理装置の育成処理容器に畜糞尿を敷き均した上へ、小さな塊で均等に卵を接種する。昆虫の幼虫が処理物を食処理するに好ましい環境、水分調整した処理物を昆虫の幼虫で食処理するに好ましい量を取り込む手段、育成処理容器の内側面に、処理物敷き厚の目安線を印し、該線を目安に処理物を敷き均すことで処理物の量や深さが都度均一化する。育成処理容器の底を傾斜し、船底様に成して処理物の上面を均す事で外側、虫の這い出し側へ薄く敷かれる。この薄い部分の処理、乾燥がより早く進み、蛹化で乾燥部分を好み這い出す誘導手段である。容器を積み上げ養生の場を有効に活用する容器積み上げで、容器の重ね部を凹凸継ぎ手様にし、積み上げの位置合わせ、ずれ防止の手段と、容器を積み上げて上側の容器、下側の容器を重ねた状態で容器の間に昆虫這い出しの隙間が形成される手段とした。
【0005】
請求項2の発明は、家畜の排泄物や食物残渣などを有効に処理する手段で、昆虫の食性を利用した食処理で行う、昆虫利用の有機物処理装置の育成処理容器で、敷き広げた処理物の上を仕切る板を適宜数配し、這い出す幼虫が容器の這い出し口へ直線的に短距離で這い出す手段で、横走り、迷走をさえぎり、這い出し口の方へ、ガイドし、昆虫体の分離を良くする。
【0006】
請求項3は、昆虫利用の有機物処理装置において、食性を利用する昆虫に蝿の幼虫を利用した場合には、蝿の産卵数が多く、蝿は成育期間が短いなど、昆虫の中でも家畜排泄物の分解効率が高い。
【0007】
請求項4の発明は、昆虫利用の有機物処理装置において、容器の上に容器を積み重ねた場合、適宜隙間を生じる形で幼虫這い出し口を形成する育成処理容器を作る。積み上げた育成処理容器の昆虫這い出し口周辺を明るくして、這い出し口から明かりを差し込ませ、蛹化での這い出し行動と、走光性を利用した手段で処理物と昆虫体との分離をより効率よく行う。
【0008】
請求項5の発明は、昆虫利用の有機物処理装置において、育成処理容器の這い出し口の端から落下する昆虫を、前側へ押し出すような斜面を作り、落下する位置を前よりにして、より下位の容器の縁に当たり跳び散ることを防ぐ。容器の這い出し口前側へカーテン様に下げた落下ガイドを設けてその裾を、溝様の容器の内側に入れて受け,該容器に溜めた水を揺動して、昆虫の這い登り這い出しを防ぎながら溜める、昆虫体を集める手段と、これら溜めた昆虫体を水と共に集塵機で吸い込み集塵機から袋に吐出しながら昆虫体を袋詰めする手段とする。
【0009】
請求項6の発明は、昆虫利用の有機物処理装置において、育成処理容器に家畜排泄物を敷き広げて昆虫卵を接種し、容器を積み上げ養生する場所への搬送で、最下段には、全体を持ち上げ積み上げで必要な耐力のある台枠を設ける。自走車等搬送用機械のフォーク又は、自走車が潜り込める枠構えの構造に成して、容器を積み上げたままで底部からリフトし搬送可能な構造に成す。
【0010】
請求項7の発明は、昆虫利用の有機物処理装置において、積み上げて養生する育成処理容器に取り付けて、湿度、温度などを計測センシングする計測端末を具備し、パソコンへ情報通信して、パソコンから空調機を自動制御する。又は表示機で表示して遠隔操作を可能にする。データーを保存、分析して状態表示し、日程管理及び状態管理をソフトの設定で表示、又は管理を可能にする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明は、家畜の排泄物や食物残渣などの有機物を昆虫の食性を利用した食処理で行う場合で、一般に堆肥又は廃棄物にされる処理物を堆肥にすると同時に、昆虫を養殖して昆虫体を得て飼料、飼料原料に、又堆肥資源で利用できる。育成処理容器の内側面には処理物を敷く厚さの目安になる線を印し、目安に沿って処理物を敷き均すことで処理物の量、深さが個々の育成処理容器で都度均一化出来る。容器底を傾斜した船底様に成して上面を均す事で、処理物の外側、虫の這い出し側へ薄く敷かれる。この手段で外側部分の食処理、乾燥がより早く進み、蛹化で乾燥を好み這い出す幼虫を誘導でき、処理物と昆虫体の分離を良くする。重ねる育成処理容器を上下合わせる部分で凹凸継ぎ手様にし、容易な位置決め、積み上げでのずれを防止する。容器を積み上げる場合の、上側の容器と下側の容器を重ねた場合に、容器の間に隙間空間の幼虫這い出し口を形成し、幼虫を這い出し落下させて効率的に昆虫体を集める事が出来る。
【0012】
請求項2の発明は、家畜の排泄物や食物残渣など有機物を昆虫の食性を利用して食処理を行う場合の育成処理容器で、容器に敷き広げた処理物の上を適宜数の板で仕切り、終齢期になり、這い出す幼虫を這い出し口へ直線的に、より短距離で這い出させるガイドにし、横走り、迷走を防止し、這い出し効率を良くする。
【0013】
請求項3は、昆虫利用の有機物処理装置において、食性を利用する昆虫に蝿の幼虫を利用すると、蝿は産卵数が多い、蝿の成育期間が短い、昆虫の中でも家畜排泄物の分解効率が高く、飼育が比較的容易である。
【0014】
請求項4の発明は、昆虫利用の有機物処理装置において、育成処理容器の側壁を頑丈で耐圧十分な形に形成し、容器の上に容器を積んだ場合に、上下容器の間に適宜隙間を生じる形で成し、昆虫這い出し口が形成される。積み上げた育成処理容器の昆虫這い出し口周辺を明るくして、這い出し口から明かりを差し込ませ、蛹化で這い出す行動と、走光性を利用し、処理物と昆虫体との分離をより効率よく行う。
【0015】
請求項5の発明は、昆虫利用の有機物処理装置において、育成処理容器の這い出し口の縁から落下する幼虫を、容器の前側へ押し出すような斜面を作り、落下する位置を前よりにして、より下位の容器の縁に当たり跳び散ることを防ぐ、容器の這い出し口前側へカーテン様に下げた跳ねガードを設けてその裾を、溝様の容器の内側に入れて、落下する幼虫を受ける。該容器に溜めた水を揺動して、幼虫の這い登り這い出しを防ぎながら溜める。これら溜めた幼虫を水と共に集塵機で吸い込み集塵機から袋に吐出しながら幼虫を容易に袋詰めする事が出来る。
【0016】
請求項6の発明は、昆虫利用の有機物処理装置において、育成処理容器に家畜排泄物を敷き広げて卵を接種し、容器を積み上げて養生する場所へ搬送設置する。最下段には、積み上げ容器全部を持ち上げるに必要な耐力のある台枠を設け、自走車等搬送用機械のフォーク差込又は、自走車が潜り込める構造に成して、容器を積み上げたままでリフトし、養生する場へ自走で搬送配置を容易にした。
【0017】
請求項7の発明は、有機物処理装置の養生する育成処理容器に湿度計、温度計などの計測端末を備え、パソコンへその情報を通信し、パソコンでの空調機制御を可能にした。又同時に表示機で表示し、手動での操作を可能にする。これらのデーターを保存、分析して状態表示し、作業日程管理、状態管理の標準値など、ソフトの設定、表示し、養生管理の自動化を可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
一般に堆肥又は廃棄物とされる、家畜排泄処理物を敷き広げて昆虫の卵を接種、処理物を堆肥化すると同時に、昆虫の食性を利用し、養殖して昆虫体を得、飼料、飼料原料に、食処理の残物は堆肥資源で利用する。育成処理容器の内側面に処理物を敷く厚さの目安線を印し、目安の線に深さを合わせる様に処理物を敷き均すことで、育成処理容器の処理物敷き厚さを好ましい厚さに都度均一化出来る。処理容器底を傾斜した船底様に成して上面を均す事で、処理物外側の、虫の這い出し側這い出し口へ斜めに薄く敷かれ、この這い出し口部分の処理、乾燥がより早く進む。幼虫は蛹化で乾燥部分へ這い出す習性があり幼虫を外へ誘導でき、処理物と昆虫体の分離を良くする。重ねる育成処理容器は上下合わせる部分に窪みと凸部を設けて有り、重ね置くことで位置を合わせ、互いのずれを防止する。容器を積んだ場合の、上側の容器と下側容器の間に隙間口を形成し、下容器の傾斜底延長上に開口し、幼虫が這い出し落下させ、下部の容器に昆虫体を集める。容器は敷き広げた処理物の上を適宜板で仕切り、終齢期になり、這い出す幼虫が横走り、迷走を少なく、より直線的に短距離で這い出すガイドとして設け、這い出し効率を良くする。
【0019】
蝿は産卵数が多く、また蝿の成長期間が短く、他の昆虫に比して家畜排泄物などを分解する効率が高い。蝿はケージで飼育が出来、牛乳、砂糖などの餌を与えて飼育産卵させ、産卵数を多く得る事が容易である。養生の場を有効に利用する為に、育成処理容器を積み上げて利用するが、容器の側壁に幅を持たせ、頑丈で耐圧十分な形に形成する。容器の上に容器を積んだ場合に、適宜隙間を生じる形で、幼虫這い出し口を形成し、積み上げた這い出し口の周辺を明るく、這い出し口隙間から明かりが差し込む構成と成す。終齢期の幼虫は蛹化での走光性、這い出し行動を利用して、処理物と昆虫体の分離をより効率よく行う。育成処理容器の這い出し口の端から落下する昆虫を、容器端の真下より前側へ押し出すように斜面を作り、幼虫が落下する位置を前よりにして、より下位の容器の縁に当たり跳び散ることを防ぐ。容器端の這い出し口前側へ幼虫落下空間を挟んで、カーテン様に跳ねガードを下げて設ける。跳ねガードの裾を、水を溜めた受け箱の内側に入れて、落下する幼虫を受ける。該受け箱の水を揺動して、幼虫の這い登り這い出しを防ぎ幼虫を溜める。溜めた幼虫は水と一緒に集塵機で吸い込み、メッシュの袋に吐出して、幼虫をボイル袋詰め搬送が出来る。育成処理容器に家畜排泄処理物を敷き広げて卵を接種し、積み上げて養生場所へ搬送する最下段に、積み上げで必要な耐力のある台枠を設けることで、自走車搬送車のフォークなどの差込、潜り込み可能な枠構造とし、養生する場へ自走搬送配置を容易にする。養生する育成処理容器に湿度計、温度計など計測端末を備えて、パソコンへ情報通信し、パソコンからの空調機制御を可能に、表示機で表示して手動の操作を可能にする。データーを保存、分析加工して状態表示し、作業日程管理状況、状態管理の設定、養生管理の自動化を可能にする。
【実施例】
【0020】
以下、本発明を図面に示した実施例により説明する。「図1」、「図2」、「図3」、「図4」、「図5」、「図6」、に本発明の実施例を示した。昆虫育成堆肥床(1)は育成処理容器(2)に家畜排泄物の処理物(19)を敷き、昆虫卵を接種する。育成処理容器(2)の内側面に処理物(19)を敷く厚さの目安の線、目安帯線(6)を印し、該線に合わせる様に処理物(19)を敷き均すことで、昆虫育成堆肥床(1)に入れる処理物(19)の敷き厚さを都度均一に敷く事が出来る。容器底(3)を傾斜して船底様に成し、処理物(19)の上面を均す事で、処理物(19)は外側、幼虫這い出し口(20)へ斜めに薄く敷かれ、この幼虫這い出し口(20)付近の処理物(19)の食処理、乾燥がより早く進む。幼虫は蛹に成る時期乾燥した所へ這い出す習性があり、幼虫這い出し口(20)へ誘導し、処理物(19)と昆虫体の分離をする。重ねる育成処理容器(2)は、上容器と下容器を合わせる部分に窪み合わせ凹(4)と合わせ凸(5)を設けて位置合わせを容易にし、互いのずれを防止する。育成処理容器(2)を積んで、上側の容器と下側容器の間に幼虫這い出し口(20)を下容器の容器底(3)の傾斜延長上に開口する。幼虫が幼虫這い出し口(20)から落下し、途中幼虫跳ね押し板(8)、跳ねガード(10)の間を落ち、揺動受け箱(11)の水面、揺動水面(18)で受け、水面を揺動して幼虫の這い登り逃げ出しを防ぎ溜めて処理する。
【0021】
育成処理容器(2)に敷き広げた処理物(19)の表面部を這い出しガイド板(7)で仕切る。終齢期に蛹に成る這い出しで、横走り迷走を少なく、より短距離で這い出す、這い出しガイド板(7)を設けて幼虫集めの効率を高める。蝿はケージで牛乳、砂糖等の餌で飼育でき、成長サイクルが短く、産卵数が多い、家畜排泄物などを分解する効率が良い。育成処理容器(2)を積み上げる耐圧は、容器の側壁幅を厚くした形で強化する。育成処理容器(2)を積んで、その上下間に幼虫這い出し口(20)を形成し、幼虫を落下させるが、積み上げた育成処理容器(2)の幼虫這い出し口(20)の周辺を灯火ランプ(9)などで明るくし、幼虫這い出し口(20)の隙間から明かりが差す構造にした。終齢期の幼虫の走光性の利用も、処理物(19)と昆虫体の分離を効率良く行う手段である。育成処理容器(2)の幼虫這い出し口(20)の縁から落下する昆虫を、容器の端、真下より前側へ押し出すように幼虫跳ね押し板(8)で斜面を作り、幼虫が落下する位置を前よりにして、より下位の育成処理容器(2)の縁に当たっての跳び散りを防ぐ。育成処理容器(2)の幼虫這い出し口(20)前側、幼虫の落下する空間を挟んで、カーテン様の跳ねガード(10)を下げる。跳ねガード(10)の裾を揺動受け箱(11)の内側に入れて落下する幼虫を受け集める。揺動受け箱(11)を揺動軸(13)で揺らし、揺動受け箱(11)内の水、揺動水面(18)を揺らして、幼虫の這い登り這い出しを防ぎ、水と一緒に幼虫を集塵機で吸い込み集め、メッシュの袋に吐出し、幼虫をボイル、乾燥する。
【0022】
育成処理容器(2)に処理物(19)を敷き、昆虫卵を接種して、容器を積み上げ養生場所へ搬送する。育成処理容器(2)の積み上げで必要な耐力のある台枠(17)を設け、台枠(17)の下は広くする枠構造で、自走搬送車などフォークの差込、搬送車の潜り込みを可能にして自走搬送、配置を可能にする。センサー、温湿度計(16)等の計測端末を備えて、情報を図示しない制御装置(14)へ通信し、養生場所の温度、湿度管理など、空調機の制御を可能にし、表示機の表示、操作手段で手動の操作を可能にする。データーを保存、分析加工して状態表示し、作業日程管理、状態管理を設定し養生の自動管理を可能にする。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明は近年の環境基準が厳しくなる中で、畜産規模が拡大し、家畜糞尿など排泄物も大量に発生するように成った。従来行われている堆肥製造は、日日大量に排出される排泄物を処理する事が必要で、堆肥の熟成には日数と広い養生熟成の場所を必要とする。堆肥として施肥、利用する場合には大量な流通の経費を見込む必要が有る。又堆肥の肥料を大量に利用する消費の場も必要となる。排泄物を燃焼処理する事にすれば燃料を使う事になり、化石燃料の大量使用にも繋がりかねない。そこでこの家畜排泄物を昆虫、此処では蝿の幼虫、蛆の食性を利用した処理で、水分調整を行った畜糞尿を育成容器に敷き広げて昆虫の卵を植え付け、温度、湿度管理をして幼虫を育てる。終齢に達した幼虫は、蛹化で這い出し、容器から脱出する習性を利用して昆虫体を分離する。育成分離した昆虫体を飼料、飼料原料に、食処理で減容し昆虫体を分離した分解処理残物は土壌改良剤、堆肥原料で利用する事が出来る。この様に家畜糞尿など排泄物をカスケード利用出来る、装置システムの昆虫育成堆肥床を提供出来る。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の昆虫育成堆肥床の一実施例正面図である。
【図2】図1昆虫育成堆肥床の側面図である。
【図3】図1昆虫育成堆肥床の上面図である。
【図4】育成処理容器の上面図である。
【図5】育成処理容器の側面図である。
【図6】育成処理容器の正面図である。
【符号の説明】
【0025】
1 昆虫育成堆肥床
2 育成処理容器
3 容器底
4 合わせ凹
5 合わせ凸
6 目安帯線
7 這い出しガイド板
8 幼虫跳ね押し板
9 灯火ランプ
10 跳ねガード
11 揺動受け箱
12 受け箱支え
13 揺動軸
14 図示しない制御装置
15 天カバー
16 センサー、温湿度計
17 台枠
18 揺動水面
19 処理物
20 幼虫這い出し口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
家畜の排泄物や食物残渣などを有効に利用する手段で、これら有機物の処理を昆虫の食性を利用した食処理で行い、育成した昆虫体を飼料等原料に、処理残物は有機肥料などで利用を可能にする昆虫利用の有機物処理装置において、育成処理容器内側面に処理物を敷く収納深さの目安線を印して処理物の量を適量化する手段と、容器底を平らな船底様に成して処理収納物が外側へ薄く敷かれる形態に成し、外側部分の処理、乾燥がより早く進む手段と、容器積み上げで位置決めを容易にし、ずれを防止する凹凸継ぎ手様手段と、容器積み上げで上下容器の間に昆虫這い出し隙間が形成される手段を設けた事を特徴とする、昆虫育成堆肥床。
【請求項2】
家畜の排泄物や食物残渣などを有効に利用する手段で、これら有機物の処理を昆虫の食性を利用した食処理で行う、昆虫利用の有機物処理装置において、育成処理容器に適宜敷き広げた処理収納物の上を仕切る板を適宜数配し、昆虫の這い出しをガイドする手段を講じて特徴とする、昆虫育成堆肥床。
【請求項3】
昆虫利用の有機物処理装置において、食性を利用する昆虫が蝿であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の昆虫育成堆肥床。
【請求項4】
昆虫利用の有機物処理装置において、育成処理容器積み上げで形成する昆虫這い出し隙間周辺を灯火で照らし、隙間から明かりが差し込む手段を講じて特徴とする、請求項1又は請求項2記載の昆虫育成堆肥床。
【請求項5】
昆虫利用の有機物処理装置において、育成処理容器から這い出し落下する昆虫がより下位の容器縁で跳ねる等の跳び散りを防ぐ、カーテン様に下げた跳ね防止手段と、溝様の容器で受け,容器に溜めた水を揺動して、昆虫の這い登り這い出しを防ぐ手段を講じた事を特徴とする、請求項1又は請求項2記載の昆虫育成堆肥床。
【請求項6】
昆虫利用の有機物処理装置において、育成処理容器を積み上げた最下段に、別途台枠を設けて自走車等搬送用機械のフォーク持ち、自走車で底面をリフトする等で、利用可能な枠構造に成して有る事を特徴とする、請求項1又は請求項2記載の昆虫育成堆肥床。
【請求項7】
昆虫利用の有機物処理装置において、育成処理容器付近の湿度、温度情報をセンシングする手段と、パソコンに通信し、空調機を自動制御して積み上げた育成処理容器周辺の空調を自動管理及び表示機表示で遠隔操作出来る手段の構成を特徴とする、請求項1又は請求項2記載の昆虫育成堆肥床。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−110307(P2010−110307A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−305469(P2008−305469)
【出願日】平成20年11月4日(2008.11.4)
【出願人】(507347772)株式会社BBB (1)
【Fターム(参考)】