説明

昇華型プリンタ

【課題】簡単な構成で印刷時にインクカートリッジが取り出されることを防止し、装置本体のコストダウンとともに小型化を図った昇華型プリンタを提供する
【解決手段】ヘッドアセンブリ4を回動するシャフト11の先端に抜止部材5が一体形成されている。シャフト11が駆動部6によりサーマルヘッド9をプラテンローラに押圧するX方向に回転すると、ヘッドアセンブリ4は、サーマルヘッド9をプラテンローラ3に押圧する。このシャフト11の動きに連動して抜止部材5が、ドアカバー2に立設し、その先端を折り曲げた鉤部材8とドアカバー2との間に入り込む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーマルヘッドの通電加熱によってインクリボンのインクを用紙に転写する昇華型プリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、昇華型プリンタ(以下単にプリンタと称す。)は、プラテンローラを本体フレームに立設した側板間に回転自在に取り付け、サーマルヘッドをこのプラテンローラに対向する位置に設ける。ヘッドアセンブリが、サーマルヘッドを保持し、自身の回動によりサーマルヘッドをプラテンローラに押圧する。
【0003】
こうしたプリンタでは、印刷時、サーマルヘッドをプラテンローラに押圧し、インクリボンと用紙とを重ねた状態で、このサーマルヘッドとプラテンローラとの間を通過させ、用紙に文字や画像を印刷する。このとき、利用者がドアカバーを開き、インクカートリッジをプリンタから取り出そうとすると、インクリボンや用紙がプリンタ内部に絡まってしまい、プリンタが故障してしまう。そこで印刷中にドアカバーが開かれることを防止し、上述した問題を解決する構成が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
具体的には、画像形成装置が印刷要求を受け付けると、ロック機構を設けているドアカバーをロックする。このロック機構は、ロック部材の一方の端部にソレノイドのプランジャを連結させ、他方の端部と装置本体に設けた固定部材との間にスプリングを介装した構成である。印刷時には、ソレノイドが駆動し、ロック部材と係合部材とが係合する。こうすることで、ドアカバーは印刷時に開けられるのを防止している。
【特許文献1】特開2006−44128号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1で提案されている構成では、ソレノイドやスプリングが必要であり、装置本体のコストが高く、ソレノイドやスプリングの分だけ装置本体が大型化するという問題があった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、簡単な構成で印刷時にインクカートリッジが取り出されることを防止し、装置本体のコストダウンとともに小型化を図った昇華型プリンタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、以下の通りである。
【0008】
ドアカバーが、インクリボンを収納したインクカートリッジを本体に装填する装填口に設けられている。プラテンローラが、本体フレームに立設した側板間に回転自在に取り付けられている。ヘッドアセンブリが、プラテンローラに対向するサーマルヘッドを保持し、側板間に回動自在に取り付けられ、回動することによりサーマルヘッドをプラテンローラに押圧する。サーマルヘッドをプラテンローラに押圧し、サーマルヘッドとプラテンローラとの間をインクカートリッジから引き出したインクリボンと用紙とを通過させ、用紙に文字や画像を印刷する。
【0009】
ヘッドアセンブリの動きに連動して動作する板状の抜止部材を備えている。この抜止部材の形状は、例えば扇形状である。また、この抜止部材は、ヘッドアセンブリを軸支する回動軸の周面に一体形成されていても良い。ドアカバーは、立設し先端を折り曲げた鉤部が一体形成されている。抜止部材は、サーマルヘッドがプラテンローラを押圧しているとき、鉤部とドアカバーとの間に位置する。抜止部材は、動作時、鉤部に接触していない方が望ましい。
【0010】
こうすることにより、サーマルヘッドをプラテンローラに押圧する動きに連動して抜止部材が鉤部とドアカバーとの間に位置する。そのため、ソレノイドやスプリング等が不要になるので、簡単な構成で印刷時にインクカートリッジが取り出されることを防止し、装置本体のコストダウンとともに小型化が図れる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、簡単な構成で、印刷時にインクカートリッジが取り出されることを防止し、装置本体のコストダウンとともに小型化が図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に係る昇華型プリンタ(以下、単にプリンタと称す。)の実施形態について説明する。なお、以下では、断面図において、その断面表記を省略する。
【0013】
図1は、プリンタの外観を示す外観斜視図である。図2は、プリンタの内部構成を示す上面図である。図3は、図2におけるAA’方向での側面断面図である。
【0014】
プリンタ1は、インクカートリッジドアカバー2、プラテンローラ3、ヘッドアセンブリ4、抜止部材5、駆動部6、を備えている。また、その他に、USBコネクタ等の外部装置と接続する接続用端子、フラッシュメモリ等のメモリカードを挿入するカードスロット、用紙を本体に供給する搬送ローラ等を有した用紙供給部、等を備えている。プリンタ1は、接続している外部装置からの印刷指示や、利用者が図示していない操作キーを操作し入力した印刷指示を受け付けて、用紙に文字や画像を印刷する。
【0015】
インクカートリッジドアカバー2(以下、単にドアカバー2と称す。)は、インクリボンを収納したインクカートリッジ7を本体に装填するカートリッジ装填口2aに設けている。ドアカバー2は、鉤部材8を一体形成している。鉤部材8は、図1及び図2に示す通り、ドアカバー2の内側に立設し先端を折り曲げている。鉤部材8の詳細は後述する。
【0016】
プラテンローラ3は、本体フレーム底板に立設した側板3a,3b間に回転自在に取り付けられている。ヘッドアセンブリ4は、このプラテンローラ3に対向配置したサーマルヘッド9を保持し、側板3a,3bに取り付けられている。ヘッドアセンブリ4の詳細は後述する。
【0017】
抜止部材5は、このヘッドアセンブリ4の動きに連動して動作する板状の部材である。抜止部材5の詳細は後述する。
【0018】
駆動部6は、歯車6aを含む複数の歯車や図示していないモータを有している。歯車6aは、モータからの駆動力により、ヘッドアセンブリ4を回動する。
【0019】
ヘッドアセンブリ4について説明する。ヘッドアセンブリ4は、図2、図3に示す通り、サーマルヘッド9、ヘッド固定部品10、シャフト11からなる。
【0020】
サーマルヘッド9は、略直方体形状をなし、その長手方向が用紙の搬送方向である。ヘッド固定部品10は、樹脂で形成され、サーマルヘッド9を保持する。このヘッド固定部品10は、サーマルヘッド9を上面及び側面から当接する。ヘッド固定部品10は、回動軸であるシャフト11により回動自在に軸支される。シャフト11は、側板3a,3bに取り付けられ、後端が歯車6aからの駆動力を受けて回転する。シャフト11の周面は、抜止部材5の後端が一体形成されている。
【0021】
図4〜図7に基づいて、抜止部材5及び鉤部材8について説明する。
【0022】
図4は、鉤部材8の上面図である。図5(A)は、抜止部材5の正面図であり、図5(B)は、図5(A)におけるBB’方向での側面図である。図6(A)は、印刷時での抜止部材5と鉤部材8の上面図であり、図6(B)は、非印刷時での抜止部材5と鉤部材8の上面図である。図7(A)は、印刷時でのプリンタ1の内部状態を示す斜視図であり、図7(B)は、非印刷時でのプリンタ1の内部状態を示す斜視図である。
【0023】
鉤部材8は、図4に示す通り、ドアカバー2に立設する立設部8a、鉤部材8の先端を折り曲げた屈曲部8bにより、L字状に形成されている。立設部8aは、その後端がドアカバー2に一体形成され、その先端が屈曲部8bの後端に接続する。屈曲部8bの先端は、図6に示す通り、シャフト11の周面に対向する。
【0024】
抜止部材5は、図5(A)に示す通り、扇形状の板状物である。この抜止部材5は、樹脂や金属で形成されている。抜止部材5の後端は、図5(B)に示す通り、シャフト11の先端に一体形成されている。図6(A)で示す通り、サーマルヘッド9がプラテンローラ3を押圧している時、抜止部材5は、ドアカバー2と屈曲部8bとの間の隙間に位置する。このとき、抜止部材5は、表面がドアカバー2に対向し、裏面が屈曲部8bに対向する。また、図6(B)で示す通り、サーマルヘッド9がプラテンローラ3を押圧していない時、抜止部材5は、表面がドアカバー2に対向し、裏面が屈曲部8bに対向しない。
【0025】
抜止部材5は、その先端から後端までの長さが、図6(A)に示す通り、シャフト11の周面から立設部8aまでの距離よりも短く、シャフト11の周面から屈曲部8bの先端までの距離よりも長い。また、抜止部材5の厚さは、図6に示す通り、屈曲部8bのドアカバー2側の面とドアカバー2の装置内側の面との間の距離よりも短い。
【0026】
印刷時、図示していないモータからの駆動力を受けて歯車6aは、図7(A)で矢示するX方向にシャフト11を回転する。シャフト11が回転すると、ヘッド固定部品10もX方向に向かって回動し、シャフト11の先端に一体形成されている抜止部材5も後端を回転中心にX方向に回動する。そして、ヘッド固定部品10が保持するサーマルヘッド9は、印刷位置に達しプラテンローラ3を押圧する。また、抜止部材5は、図6(A)、図7(B)で示す通り、鉤部材8に入り込む。印刷が完了すると、図示していないモータの駆動力を受けて歯車6aは、図7(B)で矢示するX’方向にシャフト11を回転する。シャフト11が回転すると、ヘッド固定部品10もX’方向に回動し、シャフト11の先端に一体形成されている抜止部材5も後端を回転中心にX’方向に回動する。そして、ヘッド固定部品10が保持するサーマルヘッド9は、プラテンローラ3から離れる方向に移動する。また、抜止部材5は、図6(B)、図7(A)で示す通り、鉤部材8から離れた状態に戻る。
【0027】
こうすることにより、印刷時、利用者がドアカバー2を開けようとしても、抜止部材5が屈曲部8bにあたり、ドアカバー2を開くことを防止し、印刷時に利用者がインクカートリッジを取り出すことを防ぐことができる。また、ソレノイドやスプリングが不要になるため、装置本体の小型化が図れる。また、抜止部材5は動作時に鉤部材と接触しないため、抜止部材と鉤部材との磨耗が無くなるので、装置の信頼性が向上する。
【0028】
次に、このプリンタ1の印刷動作について説明する。
【0029】
プリンタ1は、カラー画像を印刷する昇華型プリンタであり、図3に示す通り、サーマルヘッド9を挟んでインクリボンが張架されている。このインクリボンは、給紙側から送り出されて排紙側で巻き取られる。また、インクリボンは、オーバーコート、シアン、マゼンタ、イエロのインクリボンがこの順番に繋がっている。各色のインクリボンの長さはカラー画像を印刷する用紙の搬送方向の長さと同じである。
【0030】
プリンタ1は、印刷するカラー画像が入力されると、入力されたカラー画像について色分解を行い、シアン画像、マゼンタ画像、イエロ画像を生成する。プリンタ1は、用紙供給部から用紙を送り出し、サーマルヘッド9の手前でインクリボンにおけるシアンの先端と用紙の先端とを合わせた状態で、プラテンローラ3とサーマルヘッド9との間に送り込む。用紙の先端がサーマルヘッド9による印刷位置に達すると、図示していないモータからの駆動力により歯車6aが回転し、図7(A)で矢示するX方向にシャフト11を回転する。シャフト11の回転により、ヘッド固定部品10はX方向に回動し、サーマルヘッド9をプラテンローラ3に押圧する。このとき、抜止部材5は、シャフト11の動きに連動して動作し、後端を回転中心にX方向に回動する。そして、上述した位置に入り込む。サーマルヘッド9とプラテンローラ3との間には、インクリボンと用紙とが重なった状態で搬送される。用紙は搬送ローラにより搬送されており、インクリボンは給紙側で巻き取られる。用紙の後端がサーマルヘッド9により印刷位置に達すると、用紙及びインクリボンの巻き取りを停止し、シャフト11を図7(B)で矢示するX’方向に回転させ、ヘッド固定部品10をX’方向に回動する。サーマルヘッド9がプラテンローラ3を押圧していない状態にする。このとき、シャフト11の回転に連動して抜止部材5は後端を回転中心にX’方向に回動し、図7(A)で示した状態に戻る。これにより、シアン画像の印刷が完了し、このシアン画像にマゼンタ画像を重ねて印刷する工程を開始する。
【0031】
この状態で用紙のみを給紙側に戻し、用紙の先端とインクリボンにおけるマゼンタの先端と用紙の先端とをあわせ、この状態で再びプラテンローラ3とサーマルヘッド9との間に送り込む。用紙の先端がサーマルヘッド9による印刷位置に達すると、上述した動作を行い、マゼンタ画像の印刷を行う。マゼンタ画像の印刷が完了すると、次にイエロ画像を重ねて印刷する工程を開始する。
【0032】
上述のマゼンタ画像の印刷と同様に、この状態で用紙のみを給紙側に戻し、用紙の先端とインクリボンにおけるイエロの先端と用紙の先端とを合わせ、この状態でプラテンローラ3とサーマルヘッド9との間に送り込む。用紙の先端がサーマルヘッド9による印刷位置に達すると、上述した動作を行い、イエロ画像の印刷を行う。イエロ画像の印刷が完了すると、次にオーバーコートを重ねて印刷する工程を開始する。
【0033】
上述のイエロ画像の印刷と同様に、この状態で用紙のみを給紙側に戻し、用紙の先端とインクリボンにおけるオーバーコートの先端と用紙の先端とを合わせ、この状態でプラテンローラ3とサーマルヘッド9との間に送り込む。用紙の先端がサーマルヘッド9による印刷位置に達すると、上述した動作を行い、オーバーコートの印刷が完了し、カラー画像の印刷が完了する。
【0034】
こうすることにより、サーマルヘッド9をプラテンローラ3に押圧する動きに連動して抜止部材5が鉤部材8とドアカバー2との間に位置する。そのため、抜止部材5をソレノイドやスプリング等により動かす必要がなくなるので、簡単な構成で印刷時にインクカートリッジが取り出されることを防止し、装置本体のコストダウンを図れる。
【0035】
以下、抜止部材及び鉤部材の形状を変更した例について、図8〜図11に基づいて説明する。なお、同じ構成には同符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0036】
図8(A)は抜止部材の別の形状に係る実施例の正面図である。抜止部材5aは、抜止部材5の円弧形状を直線形状にしたものである。抜止部材5aは、その後端がシャフト11の先端に一体形成されている。抜止部材5aの先端から後端までの長さ及びその厚さは、上述した抜止部材5と同様である。抜止部材5aの形状でも上述した効果が得られる。
【0037】
図8(A)は、抜止部材の別の形状に係る実施例の正面図である。抜止部材5bは、矩形形状の板状物である。その後端は、シャフト11の先端に一体形成されている。この抜止部材5bの先端から後端までの長さとその厚さは、上述した抜止部材5と同様であるが、その幅は、シャフト11の直径よりも短い。抜止部材5bの形状でも上述した効果が得られる。
【0038】
図8(C)は、抜止部材の別の形状に係る実施例の正面図であり、図8(D)は、図8(C)におけるCC’方向での側面図である。抜止部材5cは、矩形形状の板状物である。その後端は、シャフト11の周面に一体形成されている。この抜止部材5cの先端から後端までの長さとその厚さは、上述した抜止部材5と同様である。抜止部材5cの形状でも上述した効果が得られる。
【0039】
このように、図8で示した抜止部材の形状でも、上述した効果が得られる。
【0040】
なお、抜止部材の後端をシャフトの先端に一体形成するのではなく、シャフトの周面に一体形成しても良い。この場合でも、抜止部材の先端から後端までの長さとその厚さが鉤部材に対して上述した長さと厚さの関係であれば良い。
【0041】
図9(A)は、鉤部材の別の形状に係る実施例の上面図である。鉤部材18は、ドアカバー2に立設した立設部18a、鉤部材18の先端を折り曲げた屈曲部18b、屈曲部8bの先端を折り曲げた折曲部18c、により、クの字状に形成されている。立設部18aの後端はドアカバー2に一体形成され、その先端が屈曲部18bの後端に接続されている。屈曲部8bの先端は折曲部18cの後端に接続されている。折曲部18cの先端は、ドアカバー2に対向する。この鉤部材18cに対しても、抜止部材5dを用いることで、印刷時にドアカバー2をロックすることができる。
【0042】
図9(B)は、印刷時における抜止部材5dと鉤部材18cとを示す上面図であり、図9(C)は、非印刷時における抜止部材5dと鉤部材18cとを示す上面図である。印刷時、抜止部材5dの裏面は、折曲部18cの先端に対向する。また、抜止部材5dと折曲部18cとが接触しない。非印刷時、抜止部材5dの裏面は、折曲部18cに対向しない。
【0043】
板状の抜止部材5dは、後端がシャフト11の先端に一体形成されている。抜止部材5dは、その先端から後端までの長さが、シャフト11の周面から立設部18aまでの距離よりも短く、シャフト11の周面から折曲部18cのシャフト11側の面までの距離よりも長い。また、抜止部材5dの厚さは、折曲部18cの先端とドアカバー2の装置内側の面との間の距離よりも短い厚さである。こうした場合であっても、上述した効果が得られる。
【0044】
なお、抜止部材は、こうした長さ、幅、厚さを満たすものであるのなら、その形状は上述した抜止部材の形状であっても良いし、他の形状であっても良い。
【0045】
図10(A)は、鉤部材の別の形状に係る実施例の上面図である。また、図10(B)は、印刷時での鉤部材と抜止部材とを示す上面図であり、図10(C)は、非印刷時での鉤部材と抜止部材とを示す上面図である。図11(A)は、図10(B)におけるDD’方向での側面図である。また、図11(B)は、図10(C)におけるEE’方向での側面図である。
【0046】
鉤部材28は、ドアカバー2に立設した立設部28a、鉤部材を折り曲げた屈曲部28b、屈曲部28bの先端を折り曲げた屈曲部28cにより、コの字状に形成されている。立設部28aの後端は、ドアカバー2に一体形成され、その先端が屈曲部28bの後端に接続されている。屈曲部28bの先端は、折曲部28cの後端に接続されている。折曲部28cの先端は、ドアカバー2に一体形成されている。シャフト11が屈曲部28bの中央部の上方に位置する部位に鉤部材28を設けている。
【0047】
抜止部材5eの後端は、シャフト11の周面に一体形成されている。先端から後端までの長さは、シャフト11から屈曲部28bの上面との間の距離よりも長く、シャフト11から屈曲部28bの下面との間の距離よりも短い。また、先端から後端までの長さは、シャフトから立設部28aまでの距離よりも短い。また、その幅は、屈曲部28bのドアカバー2側の面とドアカバー2の装置内側の面との間の距離よりも短い。
【0048】
こうすることにより、図11(A)に示す通り、印刷時、抜止部材5eは、鉤部材28とドアカバー2との隙間に入り込み、図11(B)に示す通り、非印刷時、抜止部材5eは、鉤部材28とドアカバー2との隙間から離れる。そのため、上述した効果が得られる。
【0049】
なお、シャフトは、屈曲部の中央部に位置していなくとも良く、屈曲部の後端あるいは先端等の他部位に位置していても良い。この場合、抜止部材が後端を回転中心に回動する隙間がシャフトと立設部あるいは折曲部との間にあればよく、抜止部材の幅、長さ、厚さを適宜変更すればよい。
【0050】
また、本実施形態では、カラー画像用の昇華型プリンタについて説明したが、モノクロ画像用の昇華型プリンタに適用しても良いまた、上述した抜止部材の形状及び鉤部形状以外の形状にしても良い。
【0051】
また、抜止部材をシャフトの周面に一体形成したが、別部品としても良く、この場合、抜止部材がヘッドアセンブリの動きに連動して動作するように構成すれば良い。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】昇華型プリンタの外観斜視図である。
【図2】昇華型プリンタの内部構成を示す上面図である。
【図3】昇華型プリンタのAA’方向における側面断面図である。
【図4】鉤部材の上面図である。
【図5】抜止部材の正面図及びBB’方向での側面図である。
【図6】抜止部材と鉤部材の上面図である。
【図7】印刷時及び非印刷時での昇華型プリンタの内部状態を示す斜視図である。
【図8】抜止部材の正面図及びCC’方向での側面図である。
【図9】鉤部材及び抜止部材の上面図である。
【図10】鉤部材及び抜止部材の上面図である。
【図11】DD’方向及びEE’方向での鉤部材及び抜止部材の側面図である。
【符号の説明】
【0053】
1…昇華型プリンタ
2…インクカートリッジドアカバー
2a…カートリッジ装填口
3…プラテンローラ
3a,3b…側板
4…ヘッドアセンブリ
5,5a〜5e…抜止部材
6…駆動部
6a…歯車
7…インクカートリッジ
8,18,28…鉤部材
8a,18a,28a…立設部
8b,18b,28b…屈曲部
9…サーマルヘッド
10…ヘッド固定部品
11…シャフト
18c,28c…折曲部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクリボンを収納したインクカートリッジを本体に装填する装填口に設けられたドアカバーと、
本体フレームに立設した側板間に回転自在に取り付けたプラテンローラと、
前記プラテンローラに対向するサーマルヘッドを保持し、前記側板間に回動自在に取り付けられ、回動することにより当該サーマルヘッドを当該プラテンローラに押圧するヘッドアセンブリと、を備え、
前記サーマルヘッドを前記プラテンローラに押圧し、このサーマルヘッドとプラテンローラとの間を前記インクカートリッジから引き出したインクリボンと用紙とを搬送し、用紙に文字や画像を印刷する昇華型プリンタにおいて、
前記ヘッドアセンブリの動きに連動して動作する板状の抜止部材を備え、
前記ドアカバーは、立設し先端を折り曲げた鉤部が一体形成され、
前記抜止部材は、前記サーマルヘッドが前記プラテンローラを押圧しているとき、前記鉤部と前記ドアカバーとの間に位置する、昇華型プリンタ。
【請求項2】
前記抜止部材は、前記ヘッドアセンブリを軸支する回動軸の周面に一体形成されている、請求項1に記載の昇華型プリンタ。
【請求項3】
前記抜止部材は、扇形状である、請求項1または2に記載の昇華型プリンタ。
【請求項4】
前記抜止部材は、動作時、前記鉤部に接触しない、請求項1〜3の何れかに記載の昇華型プリンタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−226819(P2009−226819A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−77019(P2008−77019)
【出願日】平成20年3月25日(2008.3.25)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】