説明

昇降圧縮型ごみ減容装置

【課題】省スペースに寄与するごみ減容機を提供する。
【解決手段】適宜に構成されたケースの両側面四隅近傍に駆動スプロケットおよび従動スプロケットを各々軸支するとともに、各スプロケット間に駆動チェーンを張設し、また、特定の駆動スプロケットに隣接して隣接駆動スプロケットを同軸に軸支するとともに、該隣接スプロケット上下間に隣接チェーンを張設し、これらの駆動スプロケットおよび隣接スプロケットの軸に対する駆動源と駆動力伝達手段を設け、この駆動源の駆動にて同方向に移動するチェーンに対しごみ押圧のための昇降体を設けたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、駆動源としての電動モーターにて駆動するとともに、ケース外部に突出する部分を有さない昇降圧縮型のごみ減容装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、油圧、空圧、電動による種々のごみ圧縮減容装置が利用されてきたが、そのいずれも筐体上方への突出部分を有しており、本発明にて示すように、この突出部分を有さないごみ圧縮減容装置は見あたらない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ごみの圧縮減容は、上方開放箱体内のごみを上方から圧縮する方式が多く用いられており、そのためにごみ押圧体を昇降させる必要がある。油圧や空圧方式では昇降ストローク確保のためにシリンダーを筐体上方に突出させる必要があり、また電動の場合においても突出昇降部分が必要となるなど、設置スペースの点で問題がある。つまり、従来方式ではごみ押圧体の昇降ストロークが大きくなると、よりストロークの大きなシリンダーが必要となり、必然的に筐体上方に突出するシリンダー長が大となる。また、電動方式にても同様に昇降ストロークに応じて筐体上方に位置する突出昇降部分が長くなり、設置空間確保の点において難があるものであった。
本発明は以上に鑑み、電動による二連のチェーン駆動方式を新たに創案したものであり、ごみ押圧体の昇降ストロークに関わらず、筐体上方への一切の突出部分を有さない、新規かつ有用なるごみの圧縮減容手段を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
課題を解決する手段として本発明は以下の構成とした。
すなわち、適宜に構成されたケースの両側面四隅近傍に駆動スプロケットおよび従動スプロケットを各々軸支するとともに、各スプロケット間に駆動チェーンを張設し、また、特定の駆動スプロケットに隣接して隣接駆動スプロケットを同軸に軸支するとともに、該隣接スプロケット上下間に隣接チェーンを張設し、これらの駆動スプロケットおよび隣接スプロケットの軸に対する駆動源と駆動力伝達手段を設け、この駆動源の駆動にて同方向に移動するチェーンに対しごみ押圧のための昇降体を設ける。本発明は以上の構成よりなる昇降圧縮型ごみ減容装置である。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、ケースサイズの範囲内にて昇降体を昇降させ、この昇降体下方に位置するダストボックス内のごみを押圧減容することのできる有用なる装置を得ることができる。また、作動原理上からケース上方への突出物もなく、省スペースにて使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図において、1は金属板体による中空箱形のケース、2は該ケース内四隅近傍に立設される中空柱体、3は該柱体およびケース内面に固定される台板である。4は台板上に位置する電動による減速機構付きのモーター、5は台板上方に位置する駆動軸である。この駆動軸は中空柱体内蔵のベアリング内に位置し、中空柱体より突出した軸部分に駆動スプロケット6および隣接スプロケット7が設けられ、またこの軸の中間位置適所に主スプロケット8が取り付けられる。9は従動スプロケットで、中空柱体内蔵のベアリングに軸支される。なお、以上の主スプロケットを除く各スプロケットは図のごとく上下左右対称形に一対が設けられる。モーター軸にも小径のスプロケットが設けられて主スプロケットとの間に主チェーン10が張設される。11は駆動チェーンで、各駆動スプロケットおよび従動スプロケット間に張設され、上下の隣接スプロケット間には隣接チェーン12が各々張設される。
13は上板で、略四角形板体の四隅を略L形に張り出した形状で、その下面に補強板を有し、この張り出し個所に設けた孔を介してターンバックル方式の接続金具14が位置し、この接続金具にて上板はその水平を保ってケース内の台板下方に位置する。なお、一方の張り出し個所には駆動チェーンが他方の張り出し個所には隣接チェーンが各々取り付けられる。15は上板下面に固着される中空角体による昇降体、16は上部開放箱形のダストボックスである。
ケース下面にはキャスターが備えられ、ケース正面には蝶番方式による上部扉17と下部扉18が各々設けられる。なお、モーターには電力が供給され、ケース適所にモーター駆動のためのスイッチ(図示略)が設けられる。
【0007】
本発明の使用に際しては、まず昇降体をケース内上方に位置させておき、下部扉を開けて所定位置にごみの入ったダストボックスを載置する。次にモーター駆動にてモーター軸と主スプロケットは右側面視にて反時計方向に回転し、同時に駆動スプロケットと隣接スプロケットおよび従動スプロケットも同様に反時計方向に回転する。上板は一方は従動スプロケット上下間に位置するチェーンに取り付けられ、他方は隣接スプロケット上下間に位置するチェーンに取り付けられ、その水平を保っており、また上板下面には中空角体による昇降体が設けられている。従って、各スプロケットの回転にて従動スプロケット上下間のチェーンと隣接スプロケット上下間のチェーンは同期して下降し、昇降体が下降してやがてダストボックス内のごみを押圧減容する。モーター逆回転にて昇降体は上昇に転じ、所定位置にて昇降を停止させ、扉を開けて減容されたごみを収納しているダストボックスを取り出して内容物を廃棄することができる。以上の作業を反復して、次々とごみ減容を行うことができる。
以上、本発明について記したが、本発明は従来品のように上方突出部分を有さず、コンパクトに使用できるところにその特徴を有し、比較的シンプルな構成にて目的を達するものである。また、電動駆動のためランニングコスト面でも有利なものとなったのである。
既述の実施表現においては基本的な部分について述べたが、実施の場合においては、昇降体の垂直移動のためのガイド機構、リミットスイッチ等による昇降体上下停止位置設定、制御回路による自動運転などの要素付加が好ましい。なお、記述例における上板形状構成や中空柱体を用いた構成は実施の一例であって設計上種々の形状構成が可能である。
また、記述例では駆動スプロケット外方に隣接スプロケットを設けたが、これを入れ替えた構成としてもよい。なお、駆動スプロケットと隣接スプロケットは同一軸のため同一外径であることが肝要で、これにて双方のスプロケット角速度は同一、すなわち駆動チェーンは同一速度となり、昇降体はその水平を保ちつつ昇降することができる。
以上のごとく、本発明によってより省スペースにて作業可能なる、昇降体による押圧圧縮型のごみ減容装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の内部構造説明図(平面視)
【図2】本発明の正面図
【図3】本発明の内部構造説明図(右側面視時における平面視)
【図4】本発明の内部構造説明図(右側面視)
【符号の説明】
【0009】
1 ケース
2 中空柱体
3 台板
4 モーター
5 駆動軸
6 駆動スプロケット
7 隣接スプロケット
8 主スプロケット
9 従動スプロケット
10 主チェーン
11 駆動チェーン
12 隣接チェーン
13 上板
14 接続金具
15 昇降体
16 ダストボックス
17 上部扉
18 下部扉

【特許請求の範囲】
【請求項1】
適宜に構成されたケースの両側面四隅近傍に駆動スプロケットおよび従動スプロケットを各々軸支するとともに、各スプロケット間に駆動チェーンを張設し、また、特定の駆動スプロケットに隣接して隣接駆動スプロケットを同軸に軸支するとともに、該隣接スプロケット上下間に隣接チェーンを張設し、これらの駆動スプロケットおよび隣接スプロケットの軸に対する駆動源と駆動力伝達手段を設け、この駆動源の駆動にて同方向に移動するチェーンに対しごみ押圧のための昇降体を設けたことを特徴とする昇降圧縮型ごみ減容装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−230185(P2011−230185A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−115779(P2010−115779)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【出願人】(591253836)