説明

昇降式立体駐車装置

【課題】複数のブロックが、左右に複数隣接して配置されてなる昇降式立体駐車装置において、バッテリー充電スタンドのスタンド扉が開いている場合に、ブロックの区分けを越えて、パレット昇降体の昇降を制限する。
【解決手段】同一ブロック10Bのパレット昇降体161と直に隣接する、別ブロック10Aのパレット昇降体163の、バッテリー充電スタンド24のスタンド扉が開放されている場合には、インターロックを構成するブレーク接点46Bにより、同一ブロック10Bの昇降機構の駆動用電動モータ42Bの、駆動回路44Bが切断され、パレット昇降体161の動作を停止させる。隣接する別ブロック10Aのパレット昇降体163の、バッテリー充電スタンド操作者H’によるバッテリー充電スタンド24の操作の中断を回避し、かつ、昇降式立体駐車装置の安全な運行を確保する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、昇降式立体駐車装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
昇降式立体駐車装置10は、図4に示されるように、複数のパレット12、13、14が上下一列に固定されてなるパレット昇降体16が、地表面GLを掘り下げて形成されたピット18内に、左右に隣接して複数(図示の例では、161、162の2機)配置されたものである。そして、各パレット昇降体161、162には、上下に昇降させる昇降機構が各々設けられており、独立して上下に昇降可能である。そして、使用者は、ピット18に隣接して設けられた操作盤20のスイッチを操作して、目的のパレットを地表面(入出庫面)GLに呼び出し、車両22の入出庫を行うものである。通常は、図示の如く上段のパレット12が入出庫面GLにある状態が、待機状態における定位置であり、操作者Hには、中段のパレット13及び下段のパレット14に対して車両22の入出庫を行う際に、パレット昇降体16を昇降させ、入出庫を完了した後、定位置へとパレット昇降体16を復帰させるまでの一連の操作が求められる。
なお、パレット昇降体16の昇降機構についての詳しい説明は省略するが、電動モータや油圧等を動力源とし、パレット昇降体16を昇降させるための動力伝達手段として、ワイヤ等が用いられるものである。(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
又、近年では、電気自動車やプラグインハイブリッド車のように、電動モータを動力源に含む自動車の普及を考慮して、そのような自動車のためのバッテリー充電用スタンドの設置が求められており、かかる自動車のためのバッテリー充電用スタンドの普及が求められており、機械式駐車装置に対するバッテリー充電用スタンドの設置も発案されている(例えば、特許文献2参照。)。そして、図4に示された昇降式立体駐車装置10は、本発明者が開発中のもの(非公知)であり、待機状態で入出庫面GLに位置する上段パレット12に、バッテリー充電用スタンド24が設けられたものである。
バッテリー充電スタンド24は、スタンド扉24aを備えており、その内部に車両22とバッテリー充電スタンド24とを接続する、着脱式の充電コード24bのコンセントが格納されることで、コンセント電極部が雨滴に曝されることを防いでいる。
又、図4の昇降式立体駐車装置10を一つのブロックとして、複数のブロックを左右に複数隣接して配置することで(図1参照)、収容台数を自由に増加させることも可能である(例えば、特許文献3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−164780号公報
【特許文献2】特開2010−222793号公報
【特許文献2】特開2007−170004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、図4に例示されるように、操作盤20とバッテリー充電スタンド24とが、設置場所の制約等を受けて、離れた位置にあるような場合、操作者H’が、バッテリー充電スタンド24の充電コード24bの抜差し等操作中に、操作盤20が別の操作者Hによって操作されることが想定される。かかる事態は、操作者H’によるバッテリー充電スタンド24の操作を中断する要因ともなり、かつ、昇降式立体駐車装置10の安全な運行を確保する上でも、避ける必要がある。同様に、操作盤20が操作者Hによって操作されている最中に、バッテリー充電スタンド24が別の操作者Hによって操作されることも避ける必要がある。
そして、図4の昇降式立体駐車装置10を一つのブロックとして、複数のブロックが左右に複数隣接して配置されている場合には、バッテリー充電スタンド24が操作者H’によって操作されているときに、隣接する別ブロックの操作盤20が操作者Hによって操作されることで、ブロックを跨って、上記と同様の問題が生じ得るものとなる。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数のブロックが、左右に複数隣接して配置されてなる昇降式立体駐車装置において、バッテリー充電スタンドのスタンド扉が開いている場合に、ブロックの区分けを越えて、パレット昇降体の昇降を制限し、バッテリー充電用スタンドを備える昇降式立体駐車装置の安全性を、十分に確保することにある。
【0007】
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
【0008】
(1)上下一列に固定された複数のパレットを備えるパレット昇降体が、左右に隣接して複数配置され、該パレット昇降体毎に設けられた昇降機構により、任意のパレット昇降体が昇降可能であり、かつ、少なくとも待機状態で入出庫面に位置するパレットに、電動モータを動力源に含む自動車のバッテリー充電用スタンドが設置されて、一つのブロックを形成し、更に、該ブロックが左右に複数隣接してなる昇降式立体駐車装置であって、前記バッテリー充電用スタンドには、スタンド扉の開閉検知手段が設けられ、かつ、同一ブロックのパレット昇降体と直に隣接する別ブロックのパレット昇降体の、前記スタンド扉の開閉検知手段により検知される開状態を受けて、前記昇降機構の動作を停止させるインターロックを備える昇降式立体駐車装置(請求項1)。
【0009】
本項に記載の昇降式立体駐車装置は、同一ブロックのパレット昇降体と直に隣接する別ブロックのパレット昇降体の、スタンド扉が開放されて、バッテリー充電スタンドに対する充電コードの抜差し等の操作が行われている場合には、同一ブロックのパレット昇降体と直に隣接する別ブロックのパレット昇降体の、スタンド扉の開閉検知手段により検知される開状態を受けて、インターロックにより、同一ブロックのパレット昇降体の、昇降機構の動作を停止させるものである。これにより、ブロックを跨って、同一ブロックのパレット昇降体と直に隣接するパレット昇降体の、バッテリー充電スタンド操作者によるバッテリー充電スタンドの操作の中断を回避し、かつ、昇降式立体駐車装置の安全な運行を確保するものである。
【0010】
(2)上記(1)項において、前記ブロック毎に、同一ブロックに含まれるパレット昇降体の、バッテリー充電用スタンドのスタンド扉の開閉検知手段により検知される開状態を示す信号を受けて、同一ブロックの昇降機構の動作を停止させる昇降制御部を備えることを特徴とする昇降式立体駐車装置。
本項に記載の昇降式立体駐車装置は、同一ブロックのパレット昇降体の、スタンド扉が開放されて、バッテリー充電スタンドに対する充電コードの抜差し等の操作が行われている場合には、昇降制御部は、スタンド扉の開閉検知手段からバッテリー充電用スタンドの開状態を示す信号を受けて、昇降機構の動作を停止させるものである。すなわち、同一ブロックのいずれかのバッテリー充電用スタンドのスタンド扉が開いている状態では、各パレット昇降体の昇降機構は、パレット昇降体を昇降動作させることはない。
【0011】
(3)上記(2)項において、前記インターロックは、前記昇降制御部を介さずに、同一ブロックのパレット昇降体と隣接する別ブロックのパレット昇降体の、バッテリー充電用スタンドのスタンド扉の開動作と連動して、同一ブロックの昇降機構の動作を停止させるものである昇降式立体駐車装置(請求項2)。
本項に記載の昇降式立体駐車装置は、同一ブロックのパレット昇降体と直に隣接する別ブロックのパレット昇降体の、スタンド扉が開放されて、バッテリー充電スタンドに対する充電コードの抜差し等の操作が行われている場合には、インターロックにより、同一ブロックの昇降制御部を介さずに、同一ブロックのパレット昇降体と隣接する別ブロックのパレット昇降体の、バッテリー充電用スタンドのスタンド扉の開動作と連動して、昇降機構の動作を停止させるものである。このインターロックは、昇降制御部を介さないことから、昇降制御部の構成に変更を加えることなく、インターロックの設置や増設を行うものである。
【0012】
(4)上記(3)項において、前記インターロックは、隣接する別ブロックのパレット昇降体の、バッテリー充電用スタンドのスタンド扉の開放動作に連動するブレーク接点が、同一ブロックのパレット昇降体の昇降機構の、駆動用電動モータの駆動回路中に配置されてなる昇降式立体駐車装置(請求項3)。
本項に記載の昇降式立体駐車装置は、同一ブロックのパレット昇降体と直に隣接する別ブロックのパレット昇降体の、スタンド扉が開放された場合には、隣接する別ブロックのパレット昇降体の、バッテリー充電用スタンドのスタンド扉の開放動作に連動するブレーク接点により、同一ブロックの昇降機構の駆動用電動モータの駆動回路が切断されることで、同一ブロックの昇降機構の動作を停止させるものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明はこのように構成したので、複数のブロックが、左右に複数隣接して配置されてなる昇降式立体駐車装置において、バッテリー充電スタンドのスタンド扉が開いている場合に、ブロックの区分けを越えて、パレット昇降体の昇降を制限し、バッテリー充電用スタンドを備える昇降式立体駐車装置の安全性を、十分に確保することにある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態に係る昇降式立体駐車装置と共に、別ブロックのパレット昇降体と隣接するパレット昇降体の、各昇降機構の昇降駆動用電動モータの駆動回路の、要部を抽出して示した模式図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る昇降式立体駐車装置の各ブロックに係る、充電制御部と昇降制御部との双方が、相手方の状況を取り込んで作動制御を行う連携制御手段の構成を示すブロック図である。
【図3】(a)は各ブロック単体での制御手順を示し、(b)は隣接するブロックを含めた制御手順を示すフローチャートである。
【図4】従来の昇降式立体駐車装を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態を添付図面に基づいて説明する。ここで、従来技術と同一部分、若しくは相当する部分については、同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0016】
図1に示された本発明の実施の形態に係る昇降式立体駐車装置の基本構成は、図4に示される従来の昇降式立体駐車装置10を一つのブロックとして、二つのブロック10A、10Bを左右に隣接して配置したものである。又、各ブロック10A、10Bには三列のパレット昇降体16が配置され、各パレット昇降体16の最上段のパレット12に、バッテリー充電スタンド24が設置されている。各バッテリー充電スタンド24には、図4に示されるように、スタンド扉24a及び開閉検知スイッチ24cが設けられている。
【0017】
又、隣接する別ブロックのパレット昇降体の、バッテリー充電用スタンドのスタンド扉の開放動作に連動するブレーク接点46が、同一ブロックのパレット昇降体の昇降機構の、駆動用電動モータ42の駆動回路44中に配置されてなる、インターロックを備えている。そして、開閉検知スイッチ24cは、ブレーク接点46に連動し、かつ、後述する充電制御部28の、コンセント通電制御部32へと、開閉信号を出力するものである。
図1には、説明の便宜上、直に隣接する別ブロック10A、10Bのパレット昇降体163、161に係る駆動回路46のみ示している。又、ブロック10Aに係る構成要素には符号42A、44A、46Aを、ブロック10Bに係る構成要素には符号42B、44B、46Bを、夫々付している。
【0018】
そして、開閉検知スイッチ24cは、同一ブロック(例えば10A)のパレット昇降体(例えば163)と直に隣接する別ブロック(例えば10B)のパレット昇降体(例えば161)の、スタンド扉24aの開閉検知スイッチ24c(図4参照)により検知される開状態を受けて、昇降機構の動作を停止させるインターロックを構成するものである。このインターロックは、後述する昇降制御部30を介さずに、同一ブロック(例えば10A)のパレット昇降体(例えば163)と隣接する別ブロック(例えば10B)のパレット昇降体(例えば161)の、スタンド扉24aの開動作と連動して、同一ブロック(例えば10A)の昇降機構の動作を停止させるものである。
【0019】
又、ブロック10A、10B毎に、図2に示される昇降制御部30を備えている。昇降制御部30は、同一ブロックに含まれるパレット昇降体16の、バッテリー充電用スタンド24のスタンド扉24aの開閉検知スイッチ24c(図4参照)により検知される開状態を示す信号を受けて、同一ブロックの昇降機構の動作を停止させるものである。
昇降制御部30は、充電制御部28と共に、連携制御手段26を構成するものである。そして、この連携制御手段26は、充電制御部28と昇降制御部30との双方が、相手方の状況を取り込んで作動制御を行うものである。
【0020】
充電制御部28は、バッテリー充電用スタンドのコンセント通電制御部32を含み、かつ、バッテリー充電用スタンドのスタンド扉開閉信号、ブレーカトリップ信号又はCP(サーキットプロテクタ)トリップ信号を、適宜、昇降制御部30の装置動作制御部36、操作処理制御部38及び異常信号出力制御部40へと出力する信号出力手段34を備えている。
一方、昇降制御部30は、装置動作制御部36、操作処理制御部38及び異常信号出力制御部40を含み、かつ、装置定位置信号、電源ON−OFF信号、装置動作中信号、装置異常信号及び手動操作信号を充電制御部28のコンセント通電制御部32へと出力する信号出力手段を備えている。
【0021】
なお、充電制御部28及び昇降制御部30の構成については、マイクロコンピュータなどの電子演算器、リレー回路等によって適宜構成されるものである。又、充電制御部28は、図4に示される制御盤20に、昇降制御部30は、図4に示されるバッテリー充電スタンドに各々設けても良く、適宜、同一の制御盤(コントローラ)として構成しても良いが、特に、既存の昇降式立体駐車装置10にバッテリー充電スタンド24を後付けするような場合には、前者の構成を採ることが簡便である。
【0022】
以下に、図3を参照しながら本発明の実施の形態に係る制御手順を説明する。ここでも、適宜、図1、図2を参照されたい。まず、図3(a)は、図1のブロック10Aのみ操作される場合、一例として、同一ブロック10A内で、パレット昇降体16のバッテリー充電用スタンド24が操作される場合が例示されている。
【0023】
S100:操作者Hにより、ブロック10Aに係る運転操作が開始される。なお、詳しい説明は省略するが、電源キーは図4に示される操作盤20に、専用キーを差し込んでそれを回転させることにより、ON/OFF操作が可能である。
S110:上記S100において、電源キーがONである場合には、昇降制御部30の装置処理制御部38により、同一ブロック10A内で運転操作の該等パレット以外で定位置でないパレット(パレット昇降体16)があるか否かを監視する。この監視は、パレット昇降体16の位置を検知する各種センサやリレースイッチ等により得ることも可能であるが、パレット昇降体16の作動履歴を把握している場合には、それからも得ることができる。そして、定位置でないパレットがある場合には(Y)、パレット昇降体16の操作が既に実行中であることから、新たな運転操作を受け付けることなく、S140へと移行する。
【0024】
S120:上記S110において、同一ブロック10A内で定位置でないパレットがない場合には(N)、昇降制御部30の装置処理制御部38により、同一ブロック10A内で充電スタンド24のスタンド扉24aが開いているパレットがあるか否かを監視する。この監視は、充電制御部28のコンセント通電制御部32において、スタンド扉24aの開閉検知スイッチ24c(図4参照)その他の開閉センサに基づき把握され、スタンド扉検知信号有の旨の信号が、信号出力手段34から、昇降制御部30の装置動作制御部36及び操作処理制御部38へと出力されることにより行われる。
そして、同一ブロック10A内で充電スタンド24のスタンド扉24aが開いているパレットがある場合(Y)、すなわち、操作者H’によって、パレット昇降体163の充電スタンド24のスタンド扉24aにより、車両22に充電操作が行われているような場合には、S140へと移行する。
S130:上記S120において、同一ブロック内で充電スタンド24のスタンド扉24aが開いているパレットがない場合には(N)、同一ブロックのパレット昇降体16の昇降動作を阻害する要因がないものとして運転を開始し、昇降制御部30の装置動作制御部36により、指定のパレット昇降体16の昇降動作が実行される。
S140:同一ブロック10Aのパレット昇降体16の昇降動作を阻害する要因があるとして、運転を不可とし、昇降制御部30の装置動作制御部36は、パレット昇降体16の昇降動作を実行しない。
【0025】
一方、図3(b)は、図1のブロック10A、10Bの双方が操作される場合、一例として、同一ブロックのパレット昇降体10Bと直に隣接する別ブロック10Aのパレット昇降体16のバッテリー充電用スタンド24が操作される場合を示している。
【0026】
S200:操作者H”により、ブロック10Bのパレット昇降体161に係る運転操作が開始される。操作手順は、上記S100と同様である。
S210:上記S200において、電源キーがONである場合には、ブロック10Bに係る昇降制御部30の装置処理制御部38により、同一ブロック内で運転操作の該等パレット以外で定位置でないパレット(パレット昇降体16)があるか否かを監視する。この監視については上記S110と同様である。そして、定位置でないパレットがある場合には(Y)、パレット昇降体16の操作が実行中であることから、S260へと移行する。
S220:上記S210において、同一ブロック内で定位置でないパレットがない場合には(N)、ブロック10Bに係る昇降制御部30の装置処理制御部38により、同一ブロック10B内で充電スタンド24のスタンド扉24aが開いているパレットがあるか否かを監視する。この監視については上記S110と同様である。
そして、同一ブロック10B内で充電スタンド24のスタンド扉24aが開いているパレットがある場合には(Y)、S260へと移行する。
S230:上記S220において、同一ブロック内で充電スタンド24のスタンド扉24aが開いているパレットがない場合には(N)、ブロック10Bに係る昇降制御部30の装置処理制御部38は、ブロック10Aに係る昇降制御部30の装置処理制御部38から、直に隣接するパレット昇降体163が定位置であるか否かの情報を得る。そして、ブロック10Aのパレット昇降体163が定位置でない場合には(N)、ブロック10Aのパレット昇降体163の操作が実行中、すなわち、パレット昇降体163が昇降動作中又は停止中であっても近いうちに定位置へと復帰することが明らかであることから、S260へと移行する。
【0027】
S240:上記S230において、隣接する別ブロック10Aのパレット昇降体16が定位置である場合には(Y)、ブロック10Bに係る昇降制御部30の装置処理制御部38は、ブロック10Aに係る充電制御部28のコンセント通電制御部32から、パレット昇降体163のスタンド扉24aが、開いているか否かの情報を得る。
そして、パレット昇降体163のスタンド扉24aのが開いている場合には(Y)、S260へと移行する。
S250:上記S240において、隣接する別ブロック10A内で充電スタンド24のスタンド扉24aが開いているパレットがない場合には、同一ブロック10Bのパレット昇降体16の昇降動作を阻害する要因がないものとして運転を開始し、昇降制御部30の装置動作制御部36により、同一ブロック10Bのパレット昇降体161の昇降動作が実行される。
S260:同一ブロック10Bのパレット昇降体16の昇降動作を阻害する要因があるとして、運転を不可とし、ブロック10Bに係る昇降制御部30の装置処理制御部38は、ブロック10Bのパレット昇降体161の昇降動作を実行しない。
なお、上記各ステップの手順についてはあくまでも一例であり、適宜、順番を入れ替えて運用することも可能である。
【0028】
さて、上記構成をなす本発明の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能である。
本発明の実施の形態に係る昇降式立体駐車装置は、図1に例示されるように、同一ブロック(例えば10B)のパレット昇降体(例えば161)と直に隣接する別ブロック(例えば10A)のパレット昇降体(例えば163)の、スタンド扉24aが開放されて、バッテリー充電スタンド24に対する充電コード24bの抜差し等の操作が行われている場合には、同一ブロック(例えば10B)のパレット昇降体(例えば161)と直に隣接する別ブロック(例えば10A)のパレット昇降体(例えば163)の、スタンド扉24aの開閉検知手段24cにより検知される開状態を受けて、インターロック(ブレーク接点46B)により、同一ブロック(例えば10B)のパレット昇降体(例えば161)の、昇降機構の動作を停止させるものである。これにより、ブロックを跨って、同一ブロック(例えば10B)のパレット昇降体(例えば161)と直に隣接するパレット昇降体(例えば163)の、バッテリー充電スタンド操作者H’によるバッテリー充電スタンド24の操作の中断を回避し、かつ、昇降式立体駐車装置の安全な運行を確保することができる。
【0029】
又、図3(a)に示されるように、同一ブロック(例えば10A)のパレット昇降体16の、スタンド扉24aが開放されて、バッテリー充電スタンド24に対する充電コード24bの抜差し等の操作が行われている場合には、昇降制御部30は、スタンド扉24aの開閉検知手段24cからバッテリー充電用スタンド24の開状態を示す信号を受けて、同一ブロック(例えば10A)の昇降機構の動作を停止させるものである(S120、S140)。すなわち、同一ブロック(例えば10A)のいずれかのバッテリー充電用スタンド24のスタンド扉24aが開いている状態では、各パレット昇降体16の昇降機構は、パレット昇降体16を昇降動作させることはない。
【0030】
一方、図3(b)に示されるように、同一ブロック(例えば10B)のパレット昇降体と直に隣接する別ブロック(例えば10A)のパレット昇降体163の、スタンド扉24aが開放されて、バッテリー充電スタンド24に対する充電コード24bの抜差し等の操作が行われている場合には、インターロック(ブレーク接点46)により、同一ブロック(例えば10B)の昇降制御部30を介さずに、同一ブロック(例えば10B)のパレット昇降体161と隣接する別ブロック(例えば10A)のパレット昇降体163の、バッテリー充電用スタンド24のスタンド扉24aの開動作と連動して、昇降機構の動作を停止させるものである(S240、S260)。
【0031】
より具体的には、ブロック10Bのパレット昇降体161と直に隣接する別ブロック10Aのパレット昇降体163の、スタンド扉24aが開放された場合には、隣接する別ブロック10Aのパレット昇降体163の、バッテリー充電用スタンド24のスタンド扉24aの開放動作に連動するブレーク接点46Bにより、同一ブロック10Bの昇降機構の駆動用電動モータ42Bの、駆動回路44Bが切断されることで、同一ブロック10Bの昇降機構の動作を停止させることができる。本発明の実施の形態に係るインターロックは、昇降制御部30を介さないことから、例えば、既存の駐車装置に、バッテリー充電スタンド24を増設する場合であっても、昇降制御部30の構成に変更を加えることなく、インターロックの設置や増設を行うことが可能となる。
【0032】
なお、本発明の実施の形態体では、二つのブロック10A、10Bが、各々三列のパレット昇降体16を備える場合を例示して説明したが、更に多数のブロックを左右に隣接して配置した場合であっても、又、各ブロックのパレット昇降体16の列数が増減した場合であっても、同様の作用効果を得ることが可能である。
【符号の説明】
【0033】
10:昇降式立体駐車装置、 12:パレット、 16、161、163:パレット昇降体、22:車両、24:バッテリー充電スタンド、24a:スタンド扉、24b:充電コード、24c:開閉検知スイッチ、30:昇降制御部、32:コンセント充電制御部、34、42:信号出力手段、36:装置動作制御部、38:操作処理制御部、 42、42A、42B:昇降機構の駆動用電動モータ、 44、44A、44B:駆動回路、 46、46A、46B:ブレーク接点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下一列に固定された複数のパレットを備えるパレット昇降体が、左右に隣接して複数配置され、該パレット昇降体毎に設けられた昇降機構により、任意のパレット昇降体が昇降可能であり、かつ、少なくとも待機状態で入出庫面に位置するパレットに、電動モータを動力源に含む自動車のバッテリー充電用スタンドが設置されて、一つのブロックを形成し、更に、該ブロックが左右に複数隣接してなる昇降式立体駐車装置であって、
前記バッテリー充電用スタンドには、スタンド扉の開閉検知手段が設けられ、かつ、同一ブロックのパレット昇降体と直に隣接する別ブロックのパレット昇降体の、前記スタンド扉の開閉検知手段により検知される開状態を受けて、前記昇降機構の動作を停止させるインターロックを備えることを特徴とする昇降式立体駐車装置。
【請求項2】
前記ブロック毎に、同一ブロックに含まれるパレット昇降体の、バッテリー充電用スタンドのスタンド扉の開閉検知手段により検知される開状態を示す信号を受けて、同一ブロックの昇降機構の動作を停止させる昇降制御部を備え、
前記インターロックは、前記昇降制御部を介さずに、同一ブロックのパレット昇降体と隣接する別ブロックのパレット昇降体の、バッテリー充電用スタンドのスタンド扉の開動作と連動して、同一ブロックの昇降機構の動作を停止させるものであることを特徴とする請求項1記載の昇降式立体駐車装置。
【請求項3】
前記インターロックは、隣接する別ブロックのパレット昇降体の、バッテリー充電用スタンドのスタンド扉の開放動作に連動するブレーク接点が、同一ブロックのパレット昇降体の昇降機構の、駆動用電動モータの駆動回路中に配置されてなることを特徴とする請求項2記載の昇降式立体駐車装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−136896(P2012−136896A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−290989(P2010−290989)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000003377)東急車輛製造株式会社 (332)