説明

昇降機用清掃装置およびそれを備えた昇降機

【課題】乗場ドアのドアレールを自動的に清掃することにより昇降機の信頼性を向上し、かつ取り付け、調整および交換作業を効率化することができる昇降機用清掃装置およびそれを備えた昇降機とを提供する。
【解決手段】昇降機用清掃装置1は、かご11を昇降させるための昇降機100の乗場ドア13を開閉方向に案内するドアレール14を清掃するための昇降機用清掃装置1であって、かご11のかごドア12に支持された清掃体2と、清掃体2をドアレール14に対して接触させた状態と離れた状態との間で移動させるための移動機構3とを備え、清掃体2は、かごドア12の開閉に従って、ドアレール14に接触しつつドアレール14に沿って移動するよう構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、昇降機用清掃装置およびそれを備えた昇降機に関し、特に、乗場ドアのドアレールを清掃するための昇降機用清掃装置およびそれを備えた昇降機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
昇降機のドアは、ドアレールにハンガーローラを介して吊り下げられた構造となっている。このドアレールに埃が堆積すると、ハンガーローラの動きに影響が生じる。そのため、ドアの開閉に不具合が生じて故障の原因となる。このため、従来からドア開閉の際、自動的にドアレールを清掃するドアレール清掃装置が提案されている。
【0003】
たとえば、特開2006−335496号公報(特許文献1)では、ドアの上方に配設されたドアレールと、ドアの上端側に設けられたドアハンガーと、ドアハンガーに設けられてドアレールの長手方向に沿ってドアレール上を転動するローラと、ドアハンガーに取り付けられてドアレールの上面を清掃する清掃部材を備えたエレベーター(昇降機)のドアレール清掃装置が提案されている。この清掃部材は、一端側がドアハンガーに固定され他端側に取り付け用切り欠きが設けられた保持体と、取り付け用切り欠きに着脱可能に取り付けられる清掃ブラシ体と、清掃ブラシ体を取り付け用切り欠きに固定するための固定具とから構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−335496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のエレベーター(昇降機)のドアレール清掃装置では、次のような問題がある。乗場ドア側のドアハンガーに対してドアレール清掃装置が取り付けられているため、全階床の乗場ドアにドアレール清掃装置を設置する必要がある。そのため、ドアレール清掃装置の取り付け、調整作業に手間および時間がかかる。
【0006】
また清掃ブラシ体は、ドアレールとの摩擦により磨耗するため、長期間清掃機能を維持することが難しい。そのため、清掃ブラシ体の交換などの保守作業が必要となる。乗場ドア側のドアハンガーに対して、ドアレール清掃装置が取り付けられているため、全階床の乗場ドアにドアレール清掃装置が設置されているため、清掃ブラシ体の交換作業に手間および時間がかかる。
【0007】
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、その目的は乗場ドアのドアレールを自動的に清掃することにより昇降機の信頼性を向上し、かつ取り付け、調整および交換作業を効率化することができる昇降機用清掃装置およびそれを備えた昇降機とを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の昇降機用清掃装置は、かごを昇降させるための昇降機の乗場ドアを開閉方向に案内するドアレールを清掃するための昇降機用清掃装置であって、かごのかごドアに支持された清掃体と、清掃体をドアレールに対して接触させた状態と離れた状態との間で移動させるための移動機構とを備え、清掃体は、かごドアの開閉に従って、ドアレールに接触しつつドアレールに沿って移動するよう構成されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の昇降機用清掃装置によれば、かごドアに支持された清掃体をドアレールに対して接触させた状態と離れた状態との間で移動させるための移動機構を備え、清掃体は、かごドアの開閉に従って、ドアレールに接触しつつドアレールに沿って移動するため、かごドアの開閉に従ってドアレールを自動的に清掃することができる。そのため、ドア開閉の不具合の発生を抑制することにより、昇降機の信頼性を向上することができる。また、かごドアに清掃体が支持されているため、昇降機用清掃装置の取り付け、調整および交換作業を効率化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1における昇降機用清掃装置を備えた昇降機の概略構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1における昇降機用清掃装置がかごに設置された状態を示す概略斜視図である。
【図3】図2のP1部を示す概略斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態1における昇降機用清掃装置の概略斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態1における制御部とドアモータと駆動源との信号線による接続状態を示す概略図である。
【図6】本発明の実施の形態1における昇降機用清掃装置およびそれを備えた昇降機の動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態1における昇降機用清掃装置の動作を示す概略斜視図であって、清掃体がドアレールに向かって移動する様子を示す概略斜視図である。
【図8】本発明の実施の形態1における昇降機用清掃装置の動作を示す概略斜視図であって、清掃体がドアレールに接触しつつドアレールに沿って移動する様子を示す概略斜視図である。
【図9】本発明の実施の形態1における昇降機のかごと乗場床との位置関係を示す概略側面図である。
【図10】本発明の実施の形態1における昇降機用清掃装置とドアレールとの位置関係を示す概略側面図である。
【図11】本発明の実施の形態1における昇降機用清掃装置の変形例1を示す概略側面図であって、清掃体がドアレールと離れた状態を示す概略側面図(A)と、清掃体がドアレールと接触した状態を示す概略側面図(B)である。
【図12】本発明の実施の形態1における昇降機用清掃装置の変形例2を示す概略側面図であって、清掃体がドアレールと離れた状態を示す概略側面図(A)と、清掃体がドアレールと接触した状態に移動させた状態を示す概略側面図(B)である。
【図13】本発明の実施の形態2における昇降機用清掃装置がかごに設置された状態を示す概略斜視図である。
【図14】図13のP2部を示す概略斜視図である。
【図15】本発明の実施の形態2における昇降機用清掃装置の概略斜視図である。
【図16】本発明の実施の形態2における昇降機用清掃装置の動作を示す概略斜視図である。
【図17】本発明の実施の形態3における昇降機用清掃装置がかごに設置された状態を示す概略斜視図である。
【図18】図17のP3部を示す概略斜視図であって、昇降機用清掃装置の動作を示す概略斜視図である。
【図19】本発明の実施の形態4における昇降機用清掃装置がかごに設置された状態を示す概略斜視図である。
【図20】図19のP4部を示す概略斜視図である。
【図21】本発明の実施の形態4における昇降機用清掃装置の清掃体とアーム軸と回転部材と引張りばねとを示す概略斜視図である。
【図22】本発明の実施の形態4における昇降機用清掃装置の動作を示す概略斜視図であって、アームが直進カム機構側に移動する様子を示す概略斜視図である。
【図23】本発明の実施の形態4における昇降機用清掃装置の動作を示す概略斜視図であって、清掃体が回転する様子を示す概略斜視図である。
【図24】本発明の実施の形態4における昇降機用清掃装置の回転部材の構成を示す概略斜視図である。
【図25】本発明の実施の形態4における昇降機用清掃装置の回転部材がアーム溝を移動する様子を示す概略図であって、回転部材がアーム溝を上方向に移動する様子を示す図(A)と、回転部材がアーム溝を斜め上方向に移動する様子を示す図(B)と、回転部材がアーム溝を下方向に移動する様子を示す図(C)と、回転部材がアーム溝を斜め下方向に移動する様子を示す図(D)である。
【図26】本発明の実施の形態5における昇降機用清掃装置がかごに設置された状態を示す概略斜視図である。
【図27】本発明の実施の形態5における昇降機用清掃装置の概略斜視図である。
【図28】本発明の実施の形態5における昇降機用清掃装置の動作を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態の昇降機用清掃装置およびそれを備えた昇降機について図に基づいて説明する。
【0012】
(実施の形態1)
最初に本発明の実施の形態1の昇降機用清掃装置を備えた昇降機の構成について説明する。以下、本実施の形態の昇降機用清掃装置を備えた昇降機として、両開き式ドアの昇降機を例に説明するが、片開き式ドアの昇降機であってもよい。また、本実施の形態の昇降機用清掃装置を備えた昇降機として、ロープ式の昇降機を例に説明するが、油圧式の昇降機であってもよい。
【0013】
図1を参照して、本実施の形態の昇降機100は、昇降機用清掃装置1と、かご11と、かごドア12と、乗場ドア13と、巻上機101と、制御盤(制御部)102と、ドアモータ103と、つり合いおもり104と、昇降路105と、機械室106と、ワイヤーロープ107とを主に有している。
【0014】
昇降機100を制御するための制御盤(制御部)102と、制御盤102に接続されたかご11を巻き上げるための巻上機101とが機械室106に設置されている。巻上機101の下方には、昇降路105がかご11を昇降させる方向に伸びるように形成されている。昇降路105は、かご11を取り囲むように形成されている。
【0015】
かご11は、昇降路105内を巻上機101とつり合いおもり104とによって昇降可能に、巻上機101を挟んでつり合いおもり104とワイヤーロープ107で接続されている。かご11のかごドア12は、乗場ドア13と向きあう方向に配置されている。乗場ドア13は、かごドア12の開閉機構により、かごドア12と連動して開閉するよう構成されている。
【0016】
昇降機用清掃装置1は、かご11を昇降させるための昇降機100の乗場ドア13を開閉方向に案内するドアレール(図2)を清掃するためのものである。昇降機用清掃装置1は、かごドア12に取り付けられている。なお、機械室106は設けられていなくてもよく、機械室106が設けられていない場合には、巻上機101および制御盤102は昇降路105内に設置されている。
【0017】
制御盤102が巻上機101を制御することにより、かご11が昇降路105内を所定の階に昇降する。かご11が所定の階に移動すると、かごドア12が所定の階の乗場ドア13と対向するよう位置する。その位置で制御盤102がドアモータ103を制御することによって、かごドア12が開閉される。
【0018】
この際、かごドア12の開閉機構と係合することにより、ドアモータ103の駆動力によってかごドア12の開閉に従って乗場ドア13が開閉する。このように制御盤102によってかごドア12および乗場ドア13の開閉が制御される。昇降機用清掃装置1は、かごドア12の開閉に従って、乗場ドア13を開閉方向に案内するドアレール(図2)を清掃する。
【0019】
次に、本実施の形態の昇降機用清掃装置1の構成について説明する。
図2および図3を参照して、かご11のかごドア12の上部中央側に昇降機用清掃装置1が取り付けられている。かご11の上部にドアモータ103が設置されている。昇降機用清掃装置1とドアモータ103とは信号線8で接続されている。乗場ドア13の上部にハンガープレート15が取り付けられている。
【0020】
ハンガープレート15の乗場ドア13と反対側の端部にはハンガーローラ16が回転可能に装着されている。ハンガーローラ16は、乗場ドア13の上方に配置されたドアレール14の上面と係合して、ドアレール14上を摺動可能に装着されている。なお、ドアレール14の上面は凸形状を有していてもよく、この場合ドアレール14の凸形状と接するハンガーローラ16の外周面は、凸形状と係合するように凹形状を有していてもよい。
【0021】
図4を参照して、昇降機用清掃装置1は、清掃体2と移動機構3とを主に有している。清掃体2は、かご11のかごドア12に支持されている。清掃体2は、かごドア12の開閉に従って、ドアレール14に接触しつつドアレール14に沿って移動するよう構成されている。清掃体2は、摩擦係数が金属より高い材質からなっていてもよい。また清掃体2は、硬度が金属より高い材質からなっていてもよい。清掃体2は、たとえばフェルト、スポンジ、ブラシ、ゴム材料からなっていてもよい。
【0022】
清掃体2は、油を含浸し保持可能な材料からなっていてもよい。この場合、清掃体2によってドアレール14が給油される。なお、ドアレール14の上面は凸形状を有している場合、ドアレール14の凸形状と接する清掃体2は、凸形状と係合するように凹形状を有していてもよい。
【0023】
移動機構3は、清掃体2をドアレール14に対して接触させた状態と離れた状態との間で移動させるためのものである。移動機構3は、駆動源4と、アーム5と、アーム軸部6と、ねじりばね部7とを主に有している。アーム5は、一方端側に清掃体2が取り付けられており、他方端側にアーム軸部6が接続されている。
【0024】
駆動源4は、かごドア12に支持されており、アーム軸部6を介してアーム5と接続されている。駆動源4は、清掃体2をドアレール14に対して接触させた状態と離れた状態との間で移動させる駆動力を与えるよう構成されている。駆動源4は、たとえばモータであり、アーム軸部6を回転させることにより、アーム5を乗場ドア13側に倒れ込ませるように円運動させるように構成されている。駆動源4に信号線8が接続されている。
【0025】
ねじりばね部7は、アーム軸部6に装着されている。ねじりばね部7は、その付勢力により、周りの機器に干渉しないようにかごドア12上でかごドア12に沿ってアーム5を立たせるよう構成されている。なお、ねじりばね部7は設けられていなくてもよく、この場合、駆動源4を逆回転させてアーム5を逆方向に円運動させてもよい。
【0026】
図5を参照して制御盤102に昇降機用清掃装置モータ(駆動源)4とドアモータ103とが信号線8で接続されている。制御盤102から信号線8を通じて駆動の信号が送られることにより、昇降機用清掃装置モータ(駆動源)4とドアモータ103とは連動して駆動されるよう構成されている。
【0027】
次に、本実施の形態の昇降機用清掃装置およびそれを備えた昇降機の動作について説明する。
【0028】
図6を参照して、昇降機100の乗場ドア13、かごドア12が閉まっているかが判断される(S1)。乗場ドア13、かごドア12が閉まっていない場合、かご11は移動不能とされる(S2)。一方、乗場ドア13、かごドア12が閉まっている場合、かご11の移動が開始される(S3)。
【0029】
かこ11が移動することにより、かご11が目的階に到着する(S4)。乗場ドア13、かこドア12が閉まっており、かご11が静止し、乗場に到着しているか否かが判断される(S5)。乗場ドア13、かこドア12が閉まっており、かご11が静止し、乗場に到着していない場合、かご11は移動不能とされる(S6)。
【0030】
一方、乗場ドア13、かこドア12が閉まっており、かご11が静止し、乗場に到着している場合、制御盤102からドアモータ103がかごドア12を開方向に駆動させる信号を受信する。同時に駆動の信号を共用している昇降機用清掃装置モータ(駆動源)4も駆動の信号を受信する(S7)。かごドア12、乗場ドア13の戸開閉が開始される。この際、ドアモータ103と駆動源4が同時に駆動を開始する(S8)。
【0031】
ドアモータ103が駆動することにより、かごドア12が開き、同時にかごドア12の開閉機構により乗場ドア13が開きはじめる(S9)。ドアモータ103の駆動が継続されて、かごドア12、乗場ドア13が開く(S10)。制御盤102からドアモータ103がかごドア12を閉方向に駆動させる信号を受信する。上述したかごドア12、乗場ドア13を開く場合とは逆にかごドア12、乗場ドア13が閉まりはじめる(S11)。
【0032】
一方、駆動源4が駆動することにより、アーム5が円運動し、清掃体2がドアレール14に接触する(S12)。ドアレール14上を清掃体2が摺動し、埃をふき取り清掃する(S13)。かごドア12が閉まる際に、方向を反転しドアレール14上を清掃体2が摺動し埃をふき取り清掃する(S14)。
【0033】
かごドア12、乗場ドア13が完全に閉まると、制御盤102からの閉方向に駆動させる信号が切れる(S15)。駆動源4の駆動は止まり、ねじりばね部7の力により、アーム5はかごドア12側に直立するように円運動する(S16)。これにより、かごドア12、乗場ドア13の開閉が終了する(S17)。
【0034】
続いて、本実施の形態の昇降機用清掃装置の動作について説明する。
図7を参照して、駆動源4がアーム軸部6を回転させることにより、図中矢印R1方向にアーム5が円運動する。つまり、アーム5が乗場ドア13側に倒れ込むようにアーム軸部6を中心に円運動する。これにより、清掃体2は、ドアレール14の上面と接触し、駆動源4の駆動力により所定の力でドアレール14を押圧する。
【0035】
図8を参照して、清掃体2は、ドアレール14の上面と接触し押圧した状態で、かごドア12の開閉に従ってドアレール14に沿って移動する。清掃体2は、かごドア12の開方向(図中矢印D1方向)の移動と連動して、ドアレール14上を図中矢印D2方向に摺動してドアレール14に付着した埃をふき取る。なお、乗場ドア13は、かごドア12の開方向の移動と連動して図中矢印D3方向に移動する。
【0036】
その後、かごドア12の移動方向が開方向から閉方向に反転することにより、清掃体2は、ドアレール14上を開方向と逆方向の閉方向に摺動してドアレール14に付着した埃をふき取る。これにより、清掃体2の往復摺動が完了する。かごドア12、乗場ドア13が完全に閉まると、駆動源4の駆動が止まり、ねじりばね部7の付勢力によりアーム5がかごドア12側に直立するよう円運動され、図3に示す状態になる。
【0037】
清掃体2が油を含浸し保持可能な材料からなっている場合、清掃体2がドアレール14に接触しつつドアレール14に沿って移動することにより、ドアレール14の埃がふき取られるのと同時にドアレール14に油が供給される。
【0038】
また、図9を参照して、一般的に昇降機100では、正常運転の範囲内で目的階にかご11が到着した際、乗場床17を基準としてかごドア12と乗場床17の相対位置にずれが生じる。図中Gは、このずれの範囲を示している。
【0039】
図10を参照して、ずれが生じた場合には、清掃体2の運動軌跡T1〜T3が異なる。たとえば、かごドア12と乗場床17とのずれが生じない場合の運動軌跡T1と比較して、かごドア12が乗場床17に対して上方にずれた場合の運動軌跡T2は、ドアレール14との接触位置が近くなり得る。またかごドア12が乗場床17に対して下方にずれた場合の運動軌跡T3は、ドアレール14との接触位置がさらに近くなり得る。
【0040】
清掃体2は、ずれが生じた場合であっても、ドアレール14の上面の全て接触するよう構成されている。具体的には、ずれが生じた場合でも、ドアレール14の上面の全てに接触するよう清掃体2の長さが設定されている。なお、ドアレール14は曲げ加工により形成されていてもよく、末端部が開口するよう形成されていてもよい。
【0041】
また、移動機構3は、上記の構成に限定されず、たとえば、アーム5が伸縮可能に構成されていてもよい。変形例1では、図11(A)を参照して、アーム5はドアレール14に向かって伸びるように配置されている。清掃体2およびアーム5はドアレール14の上方に配置されている。図中矢印D11のようにアーム5が伸びることにより、清掃体2がドアレール14の上方に向かって直線的に移動する。
【0042】
図11(B)を参照して、清掃体2がドアレール14の上方に位置した状態で、アーム軸部6を下方(図中矢印D13方向)に移動させる。これにより、清掃体2が下方(図中矢印D12方向)に移動してドアレール14の上面に接触する。
【0043】
変形例2では、図12(A)を参照して、アーム5はドアレール14に向かって伸びるように配置されている。清掃体2およびアーム5はドアレール14の上方に配置されている。図中矢印D14のようにアーム5が伸びることにより、清掃体2がドアレール14に向かって弧の軌跡を描くように移動する。図12(B)を参照して、アーム5が伸びた状態で、清掃体2がドアレール14に接触する。
【0044】
なお、変形例1および2においては、アーム5が縮んだ状態では、かご11(図1)が昇降中に清掃体2およびアーム5が他機器に接触、干渉しないようにアーム5がかご11上に配置されている。
【0045】
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
本実施の形態の昇降機用清掃装置1によれば、かごドア12に支持された清掃体2をドアレール14に対して接触させた状態と離れた状態との間で移動させるための移動機構3を備え、清掃体2は、かごドア12の開閉に従って、ドアレール14に接触しつつドアレール14に沿って移動するため、かごドア12の開閉に従ってドアレール14を自動的に清掃することができる。そのため、ドア開閉の不具合の発生を抑制することにより、ドア開閉の故障率の低減およびドア開閉の品質の向上を図ることができる。このため、昇降機100を長寿命化することができる。これにより、昇降機100の信頼性を向上することができる。
【0046】
また、かごドア12に清掃体2が支持されているため、従来のように乗場ドア13にドアレール清掃装置が設置されている場合と比較して装置の数を少なくすることができる。つまり、従来の装置では、両開き式ドアの場合、1階毎に2個の清掃装置が必要であり、昇降機100の全体では階数の2倍の数の清掃装置が必要である。たとえば、10階建ての場合には清掃装置は20個必要である。一方、本実施の形態では、両開き式ドアの場合、かごドア12に昇降機用清掃装置1を2個装着することにより全階のドアレール14を清掃することができる。そのため、昇降機用清掃装置1の取り付け、調整を効率化することができる。また、清掃体2の数が少ないため交換作業を効率化できるので、昇降機用清掃装置1の交換作業を効率化することができる。
【0047】
また、清掃体2をドアレール14に対して接触させた状態と離れた状態との間で移動させるための移動機構3を備えている。このため、清掃の際には移動機構3が清掃体2をドアレール14に対して接触させた状態にする。一方、清掃していない際には移動機構3が清掃体2をドアレール14に対して離れた状態にする。そのため、周りの機器に干渉しないよう清掃体2を配置することができる。このため、昇降機100の機器が清掃体2と接触することにより故障することを防止することができる。これにより、昇降機100の信頼性を向上することができる。
【0048】
本実施の形態の昇降機用清掃装置1によれば、移動機構3は、かごドア12に支持され、かつ清掃体2をドアレール14に対して接触させた状態と離れた状態との間で移動させる駆動力を与える駆動源4を含んでいてもよい。このため、従来のように乗場ドア13にドアレール清掃装置の駆動源4が設置されている場合と比較して駆動源4の数を少なくすることができる。そのため、駆動源4を備えた昇降機用清掃装置1の取り付け、調整および交換作業を効率化することができる。
【0049】
本実施の形態の昇降機用清掃装置1によれば、清掃体2は、油を含浸し保持可能な材料からなっていてもよい。このため、清掃体2がドアレール14に接触しつつドアレール14に沿って移動することにより、ドアレール14の埃をふき取り掃除するのと同時にドアレール14に給油することができる。
【0050】
本実施の形態の昇降機100によれば、本実施の形態の昇降機用清掃装置1を備えているため、昇降機用清掃装置1の取り付け、調整および交換作業を効率化することができる昇降機100を提供することができる。
【0051】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2では、実施の形態1と比較して移動機構3の構成が主に異なっている。
【0052】
図13を参照して、かごドア12の上部中央側およびかご11のかごドア12側上部に昇降機用清掃装置1が支持されている。図14および図15を参照して、昇降機用清掃装置1は、清掃体2と移動機構3とを有している。移動機構3は、アーム5と、アーム軸部6と、スライドガイド部20と、スライド部21と、保持部23と、支持部24と、スライド軸部25と、圧縮ばね部26とを有している。
【0053】
アーム5は、一方端側に清掃体2が取り付けられており、他方端側において回転可能にかごドア12に支持されている。この他方端側にはアーム軸部6およびスライド軸部25が接続されている。アーム軸部6は、かごドア12に取り付けられた支持部24に回転可能に支持されている。このアーム軸部6が回転することによりアーム5は回転するよう構成されている。
【0054】
スライドガイド部20は、かご11の上部に支持された保持部23に取り付けられている。スライド部21は、アーム5に取り付けられ、かつスライドガイド部20に沿って移動することによりアーム5を回転させて清掃体2をドアレール14に対して接触させた状態と離れた状態との間で移動させるよう構成されている。
【0055】
スライドガイド部20は、平板形状を有しており、ドアレール14に沿って配置されている。スライドガイド部20にはスライドガイド溝20aが形成されている。スライドガイド溝20aは、一方端から他方端に向かって、スライドガイド溝20aの下端から上端まで斜めに形成されている。一方端から斜めに形成されたスライドガイド溝20aは、上端に達してからは他方端まで同じ高さで直線状に形成されている。
【0056】
スライド部21は、スライドガイド部20の平板形状に沿って移動可能であり、かつアーム5に対して伸縮可能に構成されている。スライド部21は、スライド軸部25のアーム5と反対側にスライド軸部25の伸びる方向(図中矢印D21方向)にスライド軸部25に沿って移動可能に嵌めこまれている。スライド軸部25を取り囲むようにアーム5とスライド部21との間に圧縮ばね部26が設けられている。スライド部21の球状の先端部21aがスライドガイド溝20aに沿って摺動可能にスライドガイド溝20aに嵌め込まれている。
【0057】
図14に示すように、かごドア12が閉まっている状態では、アーム5がスライドガイド部20側に位置する。また、スライド部21の先端部21aは、スライドガイド溝20aの下端に位置する。この状態では、アーム5と先端部21aとの距離が短いため、圧縮ばね部26はアーム5とスライド部21との間で圧縮された状態で保持されている。そのため、アーム5はかごドア12上に直立するように保持される。
【0058】
なお、本実施の形態のこれ以外の構成は、上述した実施の形態1の構成と同一であるため同一の要素については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0059】
次に、本実施の形態の昇降機用清掃装置1の動作について説明する。
図16を参照して、かご11が目的の階に着き、かごドア12が開くと、昇降機用清掃装置1は、かごドア12と共に開方向にスライドする。これにより、スライドガイド溝20aに嵌め込まれている先端部21aが、スライドガイド溝20aの下端から上端に向かって斜め方向(図中矢印D22方向)に移動する。
【0060】
このため、アーム5と先端部21aとの距離が長くなるので、圧縮ばね部26の付勢力により先端部21aが図中矢印D23に示すようにスライド軸部25に沿ってアーム5から離れるように移動するとともに、アーム5が図中矢印R2に示すようにアーム軸部6を中心にドアレール14側に回転移動する。なお、この際の清掃体2のドアレール14と接する部分の位置は、ドアレール14の下方に設定されているため、ドアレール14に清掃体2が所定の力で押圧される。
【0061】
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
本実施の形態の昇降機用清掃装置1によれば、スライドガイド部20に沿って移動することによりアーム5を回転させて清掃体2をドアレール14に対して接触させた状態と離れた状態との間で移動させるスライド部21を含んでいる。そのため、かごドア12を開閉させる動力により、清掃体2をドアレール14に対して接触させた状態と離れた状態との間で移動させることができる。このため、昇降機100のドアモータ103の駆動力を利用して清掃体2を移動させるので、装置の構成が簡易である。また、清掃体2を移動させるための新たな駆動源が必要ないため、装置が安価であり、取り付けも容易である。
【0062】
また、本実施の形態の昇降機用清掃装置1によれば、スライドガイド部20は、平板形状を有しており、スライド部は21、平板形状に沿って移動可能であり、かつアーム5に対して伸縮可能に構成されていてもよい。スライドガイド部20が平板形状を有しているため、スライドガイド部20が周りの機器に接触しないように配置し易い。そのため、スライドガイド部20が周りの機器に干渉することを抑制することができる。また、スライドガイド部20およびスライド部21の製造が容易である。
【0063】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3では、実施の形態2と比較して移動機構3の構成が主に異なっている。
【0064】
図17および図18を参照して、かごドア12の上部中央側およびかご11のかごドア12側上部に昇降機用清掃装置1が支持されている。スライドガイド部20は、かご11のかごドア12側上部の中央側に形成されており、両端側には形成されていない。
【0065】
図18を参照して、移動機構3は、アーム5と、アーム軸部6と、スライドガイド部20と、スライド部21と、保持部23と、支持部24と、スライド軸部25と、圧縮ばね部26と、ねじりばね部31とを有している。
【0066】
ねじりばね部31は、アーム5をドアレール14に向けて付勢することで清掃体2をドアレール14に接触させるためものである。ねじりばね部31は、アーム軸部6に装着されている。ねじりばね部31は、その付勢力により、アーム5をドアレール14側に伸びるように配置するよう構成されている。
【0067】
スライドガイド部20は、かごドア12の開閉に従ってねじりばね部31の付勢力に逆らって清掃体2をドアレール14と離れた状態に移動させるよう構成されている。スライドガイド部20は、平板形状を有しており、ドアレール14に沿って配置されている。スライドガイド部20のスライドガイド溝20aは、一方端から他方端に向かってスライドガイド溝20aの下端から上端まで斜めに形成されている。上端から他方端側にはスライドガイド部20は形成されおらず、スライドガイド溝20aは他方端側に開口している。
【0068】
なお、本実施の形態のこれ以外の構成は、上述した実施の形態2の構成と同一であるため同一の要素については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0069】
かごドア12が開方向に移動することにより、先端部21aがスライドガイド溝20aの下端から上端に向かって移動する。これにより、図中矢印R3に示すようにアーム5がドアレール14側に回転移動する。先端部21aがスライドガイド溝20aの上端に移動することにより、アーム5がドアレール14側に伸びるように配置される。
【0070】
さらにかごドア12が開方向(図中矢印D31方向)に移動することにより、先端部21aはスライドガイド溝20aの他方端部の開口部分から開放されて図中矢印D31方向に移動する。このため、清掃体2は、スライドガイド部20およびスライド部21によって影響されることなく、ねじりばね31の付勢力によりドアレール14に押圧される。
【0071】
本実施の形態の昇降機用清掃装置1によれば、アーム5をドアレール14に向けて付勢することで清掃体2をドアレール14に接触させるためのねじりばね部31を含み、スライドガイド部20は、かごドア12の開閉に従ってねじりばね部31の付勢力に逆らって清掃体2をドアレール14と離れた状態に移動させるよう構成されている。このため、スライドガイド部20を短くすることができる。スライドガイド部20を長くするより、ねじりばね部31を設ける方が製造が容易であるため、移動機構3の製造が容易になる。またスライドガイド部20の取り付け性が向上する。
【0072】
また、ねじりばね部31の付勢力により清掃体2をドアレール14に押圧するため、ねじりばね部31を調整することにより清掃体2の押圧力を調整することができる。このため、清掃体2の押圧力を容易に調整することができる。
【0073】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4では、実施の形態1と比較してドアレールに接触する清掃体の表面を変更する点が主に異なっている。
【0074】
図19を参照して、かご11のかごドア12の上部中央側およびかご11のかごドア12側上部に昇降機用清掃装置1が支持されている。昇降機用清掃装置1は、清掃体2と移動機構3とを主に有している。清掃体2は、ドアレール14に接触する清掃体2の表面を変更できるように移動機構3に対して回転可能に支持されている。
【0075】
なお、図19では、保持部23は、かごドア12に沿う方向にかご11の上面の両端に渡って設置されているが、直進カム機構45の設置されている箇所に形成されていればよい。そのため、たとえば、保持部23は、かごドア12に沿う方向にかご11の上面の中央部に形成されており、両端部は形成されていなくてもよい。また、図19では直進カム機構45の位置を示すため、直進カム機構45を上方に伸ばして示している。
【0076】
図20および図21を参照して、清掃体2は、直方体形状を有しており、直方体形状の一方向に連続する四面2aの各々がドアレール14に接触するよう構成されている。この直方体形状の一方向に連続する四面2aは、アーム5が伸びる方向に沿う方向に形成された立方体形状の各面である。
【0077】
移動機構3は、駆動源4と、アーム5と、アーム軸部6と、ねじりばね部7と、保持部23と、直進カム機構45とを主に有している。アーム5は、アーム軸41aと、アーム筒41bと、回転部材42と、引張りばね部43と、アーム底部46とを主に有している。
【0078】
アーム軸41aは一方端に清掃体2を取り付けられており、他方端に引っ張りばね部43を取り付けられている。他方端近傍には回転部材42が設けられている。回転部材42は、アーム軸41aの中心軸CL1に対して90°の角度で形成されている。
【0079】
アーム筒41bは、アーム軸41aを内蔵するよう内部が空洞に形成されている。アーム筒41bの外周には、回転部材42と嵌りあうためのアーム溝44が形成されている。アーム溝44は、アーム筒41bの中心軸CL2に対して90°の角度でアーム筒41bの中心軸CL2に沿って直線部分が形成されている。隣り合う直線部分は、互いの上端と下端が斜線部分で繋がっている。
【0080】
アーム軸41aは、アーム筒41bに挿入されており、アーム溝44から回転部材42が突出している。アーム筒41bは、アーム底部46に取り付けられている。引張りばね部43は、アーム底部46に格納された状態でアーム底部46に取り付けられている。これにより、アーム軸41aはアーム筒41bに沿って移動可能にアーム底部46に取り付けられている。
【0081】
直進カム機構45は、回転部材42とかみ合うことにより、アーム軸41aを上方向(図中矢印D42方向)に持ち上げるよう構成されている。直進カム機構45は、回転部材42とかみ合う位置で保持部23に取り付けられている。直進カム機構45は、回転部材42に向かって直進する部分を有している。その直進する部分の先端部分にテーパ面45aが形成されている。テーパ面45aは先端に向かって傾斜するように形成されている。
【0082】
なお、本実施の形態のこれ以外の構成は、上述した実施の形態1の構成と同一であるため同一の要素については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0083】
次に、本実施の形態の昇降機用清掃装置1の動作について説明する。
図22を参照して、本実施の形態の昇降機用清掃装置1では、実施の形態1と同様に、かごドア12が開くのと連動して、駆動源4がアーム軸部6を回転させることによりアーム5が円運動する。これにより、アーム5の一方端側に取り付けられた清掃体2は、ドアレール14の上面と接触し、駆動源4の駆動力により所定の力でドアレール14を押圧する。清掃体2がかごドア12の開閉に従ってドアレール14に沿って移動することにより、ドアレール14に付着した埃をふき取る。
【0084】
かごドア12、乗場ドア13が完全に閉まると、駆動源4の駆動が止まり、ねじりばね部7の付勢力によりアーム5が図中矢印R4方向に円運動する。アーム5が図中矢印R4方向に円運動することにより、回転部材42の接触面42aが直進カム機構45のテーパ面45aに沿って上方に押される。これにより回転部材42がアーム溝44に沿って上方に押されて保持される。
【0085】
図23を参照して、再びかごドア12が開くのと連動して、回転部材42が直進カム機構45からはずれ、引張りばね部43によりアーム軸41aが下方に引っ張られる。このため、回転部材42がアーム溝44に沿ってアーム筒41bの中心軸CL2に対して90°の角度で回転しつつ下方に滑って移動する。これにより、1回の清掃毎にドアレール14に接触する清掃体2の直方体形状の一方向に連続する四面2aが変更される。
【0086】
続いて、ドアレール14に接触する清掃体2の直方体形状の一方向に連続する四面2aが変更される動作について詳細に説明する。
【0087】
図24を参照して、回転部材42は、直進カム機構45と接触する接触面42aと、接触面42aと対向する背面42cの両端に連続して形成された上斜面42bおよび下斜面42dとを有している。図25(A)を参照して、図示しない直進カム機構45のテーパ面45aに沿うことにより、回転部材42はアーム溝44の第1および第2直線壁44a,44cに沿って上方向(図中矢印D46方向)に移動する。図25(B)を参照して、さらに上方に移動すると、回転部材42の上斜面42bが、第2直線壁44cに連続して形成された上斜壁44bに沿って移動することにより、回転部材42の接触面4aが第3直線壁44e側に斜め上方向(図中矢印47方向)に移動する。図25(C)を参照して、図示しないかごドア12が開くのと連動して、回転部材42が直進カム機構45からはずれると、回転部材42の接触面42aが第3直線壁44eに沿って下方向(図中矢印D48方向)に移動する。第3直線壁44eは下斜壁44dと第1直線壁44aとの連続部分より前方に形成されているため、回転部材42の下斜面42dの先端部がこの連続部分より前方に位置する。図25(D)を参照して、このため、回転部材42は、その下斜面42dがアーム溝44の下斜壁44dに沿って斜め下方向(図中矢印49方向)に移動する。
【0088】
また、本実施の形態の移動機構3のアーム5および直進カム機構45は、実施の形態2または3の移動機構3にも適用可能である。
【0089】
本実施の形態の昇降機用清掃装置1によれば、清掃体2は、ドアレール14に接触する清掃体2の表面を変更できるように移動機構3に対して回転可能に支持されているため、清掃体2の表面のドアレール14に接触する部分を変更することができる。このため、ドアレール14に接触する清掃体2の表面を変更しない場合と比較して、清掃体2の表面のドアレール14に接触する部分を増やすことができる。このため、清掃体2の磨耗が分散される。よって、清掃体2の取替え頻度を少なくすることができる。
【0090】
本実施の形態の昇降機用清掃装置1によれば、清掃体2は、直方体形状を有しており、直方体形状の一方向に連続する四面2aの各々がドアレール14に接触するよう構成されている。このため、清掃体2が直方体形状の一面でドアレール14に接触するため、清掃体2をドアレール14にしっかり接触させることができる。これにより、ドアレール14を確実に清掃することができる。
【0091】
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5では、実施の形態1と比較してドアレールに接触する清掃体の表面を変更する構成が主に異なっている。
【0092】
図26を参照して、かご11のかごドア12の上部中央側に昇降機用清掃装置1が支持されている。昇降機用清掃装置1は、清掃体2と移動機構3とを主に有している。清掃体2は、ドアレール14に接触する清掃体2の表面を変更できるように移動機構3に対して回転可能に支持されている。
【0093】
図27を参照して、清掃体2は、円筒形状を有しており、円筒形状の外周面2bがドアレール14に接触するよう構成されている。この円筒形状の外周面2bは、アーム5が伸びる方向に沿う方向に形成された円筒形状の外周の面である。
【0094】
移動機構3のアーム5は、回転軸部50と、回転軸受部51とを有している。回転軸部50は一方端に清掃体2を取り付けられており、他方端において回転軸部50の中心軸CL3まわりに回転可能に回転軸受部51に支持されている。回転軸部50の中心軸CL3は、清掃体2の円筒形状の中心軸CL4に沿うように配置されている。
【0095】
なお、本実施の形態のこれ以外の構成は、上述した実施の形態1の構成と同一であるため同一の要素については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0096】
図28を参照して、本実施の形態の昇降機用清掃装置1では、実施の形態1と同様に、かごドア12が開くのと連動して、駆動源4がアーム軸部6を回転させることによりアーム5が円運動する。これにより、アーム5の一方端側に取り付けられた清掃体2は、ドアレール14の上面と接触し、駆動源4の駆動力により所定の力でドアレール14を押圧する。清掃体2がかごドア12の開閉に従ってドアレール14に沿って移動する。清掃体2は、その円筒形状の外周面2bがドアレール14上を回転しながらドアレール14に付着した埃をふき取る。
【0097】
また、本実施の形態の移動機構3のアーム5および直進カム機構45は、実施の形態2または3の移動機構3にも適用可能である。
【0098】
本実施の形態の昇降機用清掃装置1によれば、清掃体2は、円筒形状を有しており、円筒形状の外周面2bがドアレール14に接触するよう構成されている。このため、円筒形状の外周面2bを回転させることにより、清掃体2の表面のドアレール14に接触する部分を連続的に変更することができる。清掃体2の磨耗が均一に分散させる。よって、清掃体の取替え頻度をさらに少なくすることができる。
【0099】
上記の各実施の形態は、適時組み合わせることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。
【符号の説明】
【0100】
1 昇降機用清掃装置、2 清掃体、2a 四面、2b 外周面、3 移動機構、4 駆動源、5 アーム、6 アーム軸部、7 ねじりばね部、8 信号線、11 かご、12 かごドア、13 乗場ドア、14 ドアレール、15 ハンガープレート、16 ハンガーローラ、17 乗場床、20 スライドガイド部、20a スライドガイド溝、21 スライド部、21a 先端部、23 保持部、24 支持部、25 スライド軸部、26 圧縮ばね部、31 ねじりばね部、41b アーム筒、41a アーム軸、42 回転部材、43 引張りばね部、44 アーム溝、45 直進カム機構、46 アーム底部、50 回転軸部、51 回転軸受部、100 昇降機、101 巻上機、102 制御盤、103 ドアモータ、104 つり合いおもり、105 昇降路、106 機械室、107 ワイヤーロープ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
かごを昇降させるための昇降機の乗場ドアを開閉方向に案内するドアレールを清掃するための昇降機用清掃装置であって、
前記かごのかごドアに支持された清掃体と、
前記清掃体を前記ドアレールに対して接触させた状態と離れた状態との間で移動させるための移動機構とを備え、
前記清掃体は、前記かごドアの開閉に従って、前記ドアレールに接触しつつ前記ドアレールに沿って移動するよう構成されている、昇降機用清掃装置。
【請求項2】
前記移動機構は、
前記かごドアに支持され、かつ前記清掃体を前記ドアレールに対して前記接触させた状態と前記離れた状態との間で移動させる駆動力を与える駆動源を含む、請求項1に記載の昇降機用清掃装置。
【請求項3】
前記移動機構は、
一方端側に前記清掃体を取り付けられ、かつ他方端側において回転可能に前記かごドアに支持されたアームと、
前記かごに支持されたスライドガイド部と、
前記アームに取り付けられ、かつ前記スライドガイド部に沿って移動することにより前記アームを回転させて前記清掃体を前記ドアレールに対して前記接触させた状態と前記離れた状態との間で移動させるスライド部とを含む、請求項1に記載の昇降機用清掃装置。
【請求項4】
前記スライドガイド部は、平板形状を有しており、
前記スライド部は、前記平板形状に沿って移動可能であり、かつ前記アームに対して伸縮可能に構成されている、請求項3に記載の昇降機用清掃装置。
【請求項5】
前記移動機構は、
前記アームを前記ドアレールに向けて付勢することで前記清掃体を前記ドアレールに接触させるためのねじりばね部を含み、
前記スライドガイド部は、前記かごドアの開閉に従って前記ねじりばね部の付勢力に逆らって前記清掃体を前記ドアレールと離れた状態に移動させるよう構成されている、請求項4に記載の昇降機用清掃装置。
【請求項6】
前記清掃体は、前記ドアレールに接触する前記清掃体の表面を変更できるように前記移動機構に対して回転可能に支持されている、請求項1〜5のいずれかに記載の昇降機用清掃装置。
【請求項7】
前記清掃体は、直方体形状を有しており、前記直方体形状の一方向に連続する四面の各々が前記ドアレールに接触するよう構成されている、請求項6に記載の昇降機用清掃装置。
【請求項8】
前記清掃体は、円筒形状を有しており、前記円筒形状の外周面が前記ドアレールに接触するよう構成されている、請求項6に記載の昇降機用清掃装置。
【請求項9】
前記清掃体は、油を含浸し保持可能な材料からなる、請求項1〜8のいずれかに記載の昇降機用清掃装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載の昇降機用清掃装置と、
前記昇降機用清掃装置を取り付けられた前記かごドアを有する前記かごと
前記かごを巻き上げる巻上機と、
前記巻上機で巻き上げられた前記かごの前記かごドアと連動して開閉する前記乗場ドアと、
前記かごドアおよび前記乗場ドアの開閉を制御する制御部とを備えた、昇降機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2011−219249(P2011−219249A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−92519(P2010−92519)
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】