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易分散性固形顔料調合物
説明

易分散性固形顔料調合物

本発明は、
(A)少なくとも一種の顔料5〜99重量%、
(B)次の構造単位からなるコポリマーに基づく少なくとも一種の水溶性分散添加剤1〜95重量%
(i)1.0〜50モル%の構造単位B1;
【化1】


(ii)合計して50〜99.0モル%の構造単位B2及びB3;
【化2】


(iii)0〜49モル%の構造単位B4;
【化3】


を含む固形顔料調合物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の対象は、水溶性スルホネート基含有ポリマーに基づく分散添加剤を含む固形の顔料調合物、及び天然及び合成材料の着色のためのそれらの使用である。
【背景技術】
【0002】
顔料着色されたコーティング材の製造には、コーティング材系中での固形粒子の微細でかつ均一な分布がその品質に重大である。顔料粒子が応用系(Anwendungssystem)中に最適に分散及び安定化されていないと、凝集現象及び沈降物の形成が起こることがあり、これは、応用系の望ましくない粘度の変化、色相の変化、並びに色強度、隠蔽力、光沢及び均質性、明度の損失、並びに再現性の悪い色相を招き、及び塗装の際に垂れる傾向を高める恐れがある。ペイント系、印刷インキ及びワニス中での顔料の微分散及び安定化を容易化し、それによって最適な応用技術上の性質を達成するために、多くの場合に湿潤剤もしくは分散剤が使用される。しかし、応用系中への有機顔料の分散は、重大で手間の掛かるプロセスである。一般的に、顔料は、エネルギー集約的なボールミル、攪拌ボールミルまたは高性能ビーズミルの使用によって、分散剤または湿潤剤と組み合わせて液相中に配合される。ペイント系、印刷インキ及びワニスの顔料着色を、高効率にかつ低コスト及び低エネルギー集約的に行う可能性の一つは、慣用の顔料よりも、かなりより少ないエネルギー入力及びより迅速な色の発現で応用系中に配合することができる易分散性固形顔料調合物を使用することであり、これは経済的に非常に有利である。
【0003】
国際公開第2004/046251号パンフレット(特許文献1)には、エチレン性不飽和モノ−及び/またはジカルボン酸のホモ−及びコポリマーに基づく水溶性アニオン性添加剤を含む固形顔料調合物が記載されている。
【0004】
国際公開第2004/074383号パンフレット(特許文献2)からは、溶剤含有応用媒体中にだけ容易に分散できる固形顔料調合物が知られている。
【0005】
欧州特許出願公開第1132434号明細書(特許文献3)は、芳香族ポリアルキレングリコールに基づく分散剤の使用によって易分散性顔料調合物を製造する方法を開示している。これらの調合物は、水性応用系としか適合しない。
【0006】
様々な極性の応用媒体中での適合性に関する改善が、国際公開第2007/039603号パンフレット(特許文献4)に記載の固形顔料調合物によってもたらされる。この顔料調合物の製造に使用される分散添加剤は、親水性ポリエーテルに基づく側鎖を有する、連鎖反応によって合成されたポリマー骨格からなる。この分散添加剤の例としては、スチレン−無水マレイン酸コポリマーとポリエーテルアミンとの反応生成物が挙げられている。しかし、疎水性の高い塗料系、例えば長油アルキド樹脂に基づく溶剤含有工業用塗料中への分散は十分ではない。
【0007】
米国特許出願公開第2006/0142416号明細書(特許文献5)は、水性インクジェット専用の、顔料と、顔料表面当たりのスルホネート基含有量が100μmol/g以上のコポリマーとからなる分散可能な着色料を開示している。しかし、この分散可能な着色料は煩雑な方法で製造される。先ず、顔料を、分散助剤及び高エネルギー入力を用いて分散させ、次いでモノマーを顔料分散物に加えそして数時間重合する。この着色料は、複数回の遠心分離及び洗浄ステップの後に単離される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2004/046251号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2004/074383号パンフレット
【特許文献3】欧州特許出願公開第1132434号明細書
【特許文献4】国際公開第2007/039603号パンフレット
【特許文献5】米国特許出願公開第2006/0142416号明細書
【特許文献6】独国特許出願公開第2638946号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
水性応用媒体中にだけでなく、溶剤含有媒体中にも易分散性を有する顔料調合物に対する要望がある。このような顔料調合物は汎用に適合性であるべきであり、そしてそれの配合は、応用媒体に依存せずに、簡単にかつ追加のステップ無しで行われるべきである。易分散性とは、顔料が非常に僅かなエネルギー入力並びに強くかつ迅速な色の発現を持って応用系中に配合できることを意味する。顔料の完全な分散を達成するためには、更なるコスト集約的な分散ステップを省略できるように、穏和な剪断力、例えばディスソルバ(鋸歯型攪拌機)の作用で十分であるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
驚くべきことに、以下に定義される固形顔料調合物が、水性応用媒体中にも、非極性溶剤含有応用媒体中にも容易に分散可能であり、それ故、上記の課題を解決することが見出された。
【0011】
本発明の対象は、それぞれ顔料調合物の総重量を基準にして、
(A)5〜99重量%、好ましくは40〜99重量%の、C.I.ピグメントブルー15:3以外の少なくとも一種の顔料、
(B)1〜95重量%、好ましくは1〜60重量%の、以下の構造単位からなるコポリマーに基づく少なくとも一種の水溶性分散添加剤:
(i)1.0〜50モル%、好ましくは5〜30モル%の構造単位B1
【0012】
【化1】

【0013】
(ii)合計で50〜99.0モル%、好ましくは60〜95モル%の構造単位B2及びB3、この際、そのうち0〜100モル%の構造単位B2及び0〜100モル%の構造単位B3が含まれていることができる;
【0014】
【化2】

【0015】
(iii)0〜49モル%、例えば1〜20モル%の構造単位B4
【0016】
【化3】

【0017】
[式中、
、R、R及びRは、互いに独立して、水素またはC〜Cアルキルであり、
は、共有結合、C〜Cアルキレン、C〜C−アルキレン−C〜C12アリーレン、C〜C30アリーレンまたは次の式
【0018】
【化4】

【0019】
の基であり、
は、水素、Na、KまたはN(Rであり、
及びRは、互いに独立して、線状もしくは分枝状C〜C40アルキル、C〜C30シクロアルキル、C〜Cアルキレン−C〜C12アリールまたはC〜C30アリールを意味し、そして
は、水素、線状もしくは分枝状C〜C40アルキル、C〜C30シクロアルキル、C〜C30アリール、C〜Cアルキレン−C〜C12アリール、−F、−Cl、−Br、−OHまたは−CNを意味し、この際、アリールはC〜Cアルキル基で置換されていてもよく、
(C)0〜30重量%、好ましくは0.1〜10重量%の、フィラー、難燃剤、防腐剤、光保護剤、顔料系もしくは非顔料系分散剤、界面活性剤、酸化防止剤、消泡剤、樹脂及び帯電防止剤の群から選択される助剤、
を含み、(B1)からのスルホネート基は、固形顔料調合物1グラム当たり1μmolより多くかつ100μmol未満、好ましくは3〜98μmol/g、特に好ましくは9〜95μmol/gである、固形顔料調合物である。
【0020】
顔料(A)としては、有機顔料が好ましい。これらの中でも、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、レーキ化アゾ顔料、β−ナフトール顔料、ナフトールAS顔料、ベンズイミダゾロン顔料、ジスアゾ縮合顔料、アゾ金属錯体顔料及び多環式顔料、例えばフタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3は除く)、キナクリドン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、チオインディゴ顔料、アンタントロン顔料、アントラキノン顔料、フラバントロン顔料、インダントロン顔料、イソビオラントロン顔料、ピラントロン顔料、ジオキサジン顔料、キノフタロン顔料、イソインドリノン顔料、イソインドリン顔料及びジケトピロロピロール顔料、またはファーネスブラック及びガスブラックの群からの酸性乃至アルカリ性カーボンブラックなどが挙げられる。
【0021】
上記の有機顔料の中でも、調合物の製造のためにできるだけ微細な有機顔料が特に適しており、この際、顔料粒子の好ましくは95%、特に好ましくは99%が≦500nmの粒度を有する。
【0022】
有利には、顔料粒子は、50〜500nm、好ましくは70〜350nmのd50値を有する。
【0023】
この際、特に好ましい有機顔料の例示的な選択肢としては、カーボンブラック顔料、例えばガスブラックまたはファーネスブラック; モノアゾ顔料及びジスアゾ顔料、特にカラーインデックス顔料のピグメントイエロー1、ピグメントイエロー3、ピグメントイエロー12、ピグメントイエロー13、ピグメントイエロー14、ピグメントイエロー16、ピグメントイエロー17、ピグメントイエロー73、ピグメントイエロー74、ピグメントイエロー81、ピグメントイエロー83、ピグメントイエロー87、ピグメントイエロー97、ピグメントイエロー111、ピグメントイエロー126、ピグメントイエロー127、ピグメントイエロー128、ピグメントイエロー155、ピグメントイエロー174、ピグメントイエロー176、ピグメントイエロー191、ピグメントイエロー213、ピグメントイエロー214、ピグメントレッド38、ピグメントレッド144、ピグメントレッド214、ピグメントレッド242、ピグメントレッド262、ピグメントレッド266、ピグメントレッド269、ピグメントレッド274、ピグメントオレンジ13、ピグメントオレンジ34またはピグメントブラウン41; β−ナフトール顔料及びナフトールAS顔料、特にカラーインデックス顔料のピグメントレッド2、ピグメントレッド3、ピグメントレッド4、ピグメントレッド5、ピグメントレッド9、ピグメントレッド12、ピグメントレッド14、ピグメントレッド53:1、ピグメントレッド112、ピグメントレッド146、ピグメントレッド147、ピグメントレッド170、ピグメントレッド184、ピグメントレッド187、ピグメントレッド188、ピグメントレッド210、ピグメントレッド247、ピグメントレッド253、ピグメントレッド256、ピグメントオレンジ5、ピグメントオレンジ38またはピグメントブラウン1; レーキ化アゾ顔料及び金属錯体顔料、特にカラーインデックス顔料のピグメントレッド48:2、ピグメントレッド48:3、ピグメントレッド48:4、ピグメントレッド57:1、ピグメントレッド257、ピグメントオレンジ68またはピグメントオレンジ70; ベンズイミダゾリン顔料、特にカラーインデックス顔料のピグメントイエロー120、ピグメントイエロー151、ピグメントイエロー154、ピグメントイエロー175、ピグメントイエロー180、ピグメントイエロー181、ピグメントイエロー194、ピグメントレッド175、ピグメントレッド176、ピグメントレッド185、ピグメントレッド208、ピグメントバイオレット32、ピグメントオレンジ36、ピグメントオレンジ62、ピグメントオレンジ72またはピグメントブラウン25; イソインドリノン顔料及びイソインドリン顔料、特にカラーインデックス顔料のピグメントイエロー139またはピグメントイエロー173; フタロシアニン顔料、特にカラーインデックス顔料のピグメントブルー15、ピグメントブルー15:1、ピグメントブルー15:2、ピグメントブルー15:4、ピグメントブルー15:6、ピグメントブルー16、ピグメントグリーン7またはピグメントグリーン36; アンタントロン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インダントロン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料及びチオインディゴ顔料、特にカラーインデックス顔料のピグメントイエロー196、ピグメントレッド122、ピグメントレッド149、ピグメントレッド168、ピグメントレッド177、ピグメントレッド179、ピグメントレッド181、ピグメントレッド207、ピグメントレッド209、ピグメントレッド263、ピグメントブルー60、ピグメントバイオレット19、ピグメントバイオレット23またはピグメントオレンジ43; トリアリールカルボニウム顔料、特にカラーインデックス顔料のピグメントレッド169、ピグメントブルー56またはピグメントブルー61; ジケトピロロピロール顔料、特にカラーインデックス顔料のピグメントレッド254、ピグメントレッド255、ピグメントレッド264、ピグメントレッド270、ピグメントレッド272、ピグメントオレンジ71、ピグメントオレンジ73、ピグメントオレンジ81が挙げられる。
【0024】
構造単位B1は、以下の一般式(b1)のエチレン性不飽和スルホン酸から誘導することができる。
【0025】
【化5】

【0026】
これの例は、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、p−スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びこれらの塩である。好ましくは、コポリマー中には、スルホン酸基は塩の形で、例えばナトリウム塩、カリウム塩またはアンモニウム塩として存在する。
【0027】
構造単位B2は、以下の一般式(b2)のエチレン性不飽和モノカルボン酸のエステルから誘導することができる。
【0028】
【化6】

【0029】
これの例は、メチル−、エチル−、プロピル−、イソプロピル、ブチル−、ペンチル−、ヘキシル−、2−エチルヘキシル−、ノニル−及びラウリル−(メタ)アクリレート並びにフェニル−、ナフチル−及びベンジル(メタ)アクリレートである。
【0030】
構造単位B3は、以下の一般式(b3)のビニルエステルから誘導することができる。
【0031】
【化7】

【0032】
これの例は、ビニルアセテート、イソプロペニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルラウレート、ビニル−2−エチルヘキサノエート、並びに特に好ましくは、Rが分枝状C〜C18アルキル、好ましくは分枝状C〜C12アルキルであり、特に−C(CH)(R70)(R71)の意味を有し、R70及びR71が合計して6もしくは7個の炭素原子を有するアルキル基を意味するバーサティック酸(Versaticsaeure)のビニルエステルである。
【0033】
構造単位B4は以下の一般式(b4)のオレフィンから誘導することができる。
【0034】
【化8】

【0035】
これの例はエチレン、プロピレン、ビニルクロライド、ビニルブロマイド、ビニルアルコール、アクリロニトリル、スチレン、メチルスチレン及びビニルトルエンである。
【0036】
該コポリマーは、ランダム状、交互状、グラジエント状またはブロック状に形成することができる。好ましくは、コポリマーはランダム状に構成される。該コポリマーの好ましい形態では、平均分子量Mは1,000〜50,000g/モルの範囲、特に好ましい形態では3,000〜20,000g/モルの範囲である。
【0037】
本発明の顔料調製物に成分(C)として含まれ得る通常の界面活性剤の例は、アルキルスルフェート類、例えばラウリルスルフェート、ステアリルスルフェートまたはオクタデシルスルフェート、第一アルキルスルホネート類、例えばドデシルスルホネート、及び第二アルキルスルホネート類、特にC13〜C17アルカンスルホネートナトリウム塩、アルキルホスフェート類、アルキルベンゼンスルホネート類、例えばドデシルベンゼンスルホン酸、並びにこれらの化合物の塩である。更に、ダイズレシチン、並びに脂肪酸とタウリンもしくはヒドロキシエタンスルホン酸からなる縮合生成物、並びにアルキルフェノール類、ヒマシ油ロジンエステル類、脂肪アルコール類、脂肪アミン類、脂肪酸類及び脂肪酸アミド類のアルコキシル化生成物が適している。これらのアルコキシル化生成物は、イオン性末端基を備えていることができ、例えばスルホコハク酸半エステル、またはスルホン酸エステル、硫酸エステル及びリン酸エステル、並びにそれらの塩、すなわちスルホン酸塩、硫酸塩もしくはリン酸塩として備えることができる。また、ポリエポキシド類をアミン類と、またはビスフェノールAもしくはビスフェノールA誘導体とアミン類とを反応させることによって得られるオキシアルキル化付加化合物、並びに尿素誘導体も適している。
【0038】
本発明の更なる対象は、上記の固形顔料調合物を製造する方法であって、顔料を粉末、グラニュールまたはプレスケーキの形で、水または有機溶剤または水と有機溶剤との混合物の存在下に、少なくとも一種の水溶性分散添加剤(B)、場合により及び上記の慣用の助剤と混合し、次いで固形の形で単離することを特徴とする上記方法である。
【0039】
特に有利な混合は、粉砕もしくは分散装置を用いて達成することができる。このためには、攪拌機、ディスソルバ(鋸歯型攪拌機)、ローターステーターミル、ボールミル、攪拌ボールミル、例えばサンドまたはビーズミル、高速ミキサー、混練装置、ロールミルまたは高性能ビーズミルを使用することができる。この際、顔料の微分散または粉砕は、所望の粒度分布になるまで行われ、そして0〜100℃の範囲の温度、有利には10〜70℃の温度、好ましくは20〜60℃の温度で行うことができる。
【0040】
顔料の種類に依存して、こうして得られた顔料懸濁物を仕上げに付すことができる。仕上げ処理は、有利には、存在する有機溶剤、水または水−溶剤混合物中で、50〜250℃、特に70〜200℃、就中100〜190℃の温度で、有利には5分間〜24時間、特に5分間〜18時間、就中5分間〜6時間の期間、行われる。好ましくは、仕上げ処理は、溶剤系の沸騰温度で、または溶剤系の沸騰温度を超える温度で加圧下に行われる。純粋な水性顔料分散物が好ましい場合には、場合により使用される溶剤を水蒸気蒸留によって除去することができる。
【0041】
本発明の顔料調合物は、例えば濾過、デカンテーション、遠心分離、噴霧乾燥、流動床乾燥、ベルト乾燥、噴霧造粒またはパドルドライヤー中での乾燥によって、固形の形で単離される。本発明の顔料調合物の単離は、好ましくは、濾過し、最後に乾燥することによって行われる。得られる顔料調合物が粗粒である場合には、これを、有利には、更に粉砕、例えば乾式粉砕に付する。
【0042】
本発明の更なる対象は、全ての種類の天然及び合成材料、特にペイント、コーティング系、例えば壁紙用着色料、印刷インキ、エマルション塗料及び着色ニス(これらは、水及び/または溶剤含有、特にアルキド樹脂ワニスに基づく溶剤含有着色料である)の顔料着色及び着色のための本発明の顔料調合物の使用である。
【0043】
更に、本発明の顔料調合物は、全ての種類の高分子材料、例えば天然及び合成繊維材料、好ましくはセルロース繊維の着色に、並びに紙パルプの着色並びに積層物の着色にも適している。更なる用途は、印刷インキの製造、例えばテクスタイル印刷用インキ、フレキソ印刷用インキ、装飾印刷用インキまたは凹版印刷用インキ、壁紙用着色料、水で希釈可能な塗料、木材保護系、ビスコース紡糸液着色料、塗料、ソーセージケーシング、種、肥料、ガラス、特にガラスボトルの製造、並びに屋根瓦の内部着色、電子写真用トナー及び現像剤中の着色剤として、漆喰、コンクリート、木材着色用媒染剤、色鉛筆の芯、フェルトペン、ワックス、パラフィン、製図用インキ、ボールペン用ペースト、チョーク、洗剤及び洗浄剤、靴の手入れ剤、ラテックス製品、研磨剤の着色に、並びに全ての種類のプラスチックもしくは高分子材料の着色である。高分子有機材料は、例えばセルロースエーテル及びセルロースエステル、例えばエチルセルロース、ニトロセルロース、セルロースアセテートまたはセルロースブチレート、天然樹脂もしくは合成樹脂、例えば重合樹脂または縮合樹脂、例えばアミノプラスト、特に尿素−及びメラミンホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、フェノプラスト、ポリカーボネート、ポリオレフィン、例えばポリスチレン、ポリビニルクロライド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸エステル、ポリアミド、ポリウレタン、またはポリエステル、ゴム、カゼイン、ラテックス、シリコーン、シリコーン樹脂の個々のものまたは混合物である。
【0044】
更に本発明の顔料調合物は、全ての慣用のインクジェットプリンター、特にバブルジェット法またはピエゾ法に基づくインクジェットプリンターに使用するための、インクジェット用インキ、例えば水系又は非水系(“溶剤系”)のインクジェットインキ、マイクロエマルションインキ、UV硬化性インキ、並びにホットメルト法に従い機能するインキの製造に適している。これらのインキを用いて、紙を、並びに天然もしくは合成繊維材料、フィルム及びプラスチックを印刷することができる。
【0045】
加えて、本発明の顔料調合物は、様々な種類の被覆されたもしくは被覆されていない基材の印刷、すなわち例えば、厚紙、ボール紙、木材、及び木材加工製作材料、金属製材料、半導体材料、セラミック材料、ガラス、ガラス繊維及びセラミック繊維、無機材料、コンクリレート、皮革、食品、化粧料、皮膚及び毛髪の印刷に使用することができる。この際、この基材は、二次的に平面に広がるか、または立体的に広がる、すなわち三次元の形であることができ、全体がもしくは一部のみ印刷もしくは被覆されていることができる。
【0046】
更に、本発明の顔料調合物は、加法混色及び減法混色のための、“フラットパネルディスプレー”用のカラーフィルターのための着色剤、更に“フォトレジスト”のための着色剤、並びに電子インキ(“エレクトロニックインキ”または“e−インキ”)のための着色剤として、または電子ペーパー(“エレクトロニックペーパー”または“e−ペーパー”)のための着色剤としても適している。
【0047】
本発明の更なる対象は、本発明の顔料調合物の顔料着色有効量を有機材料中に均一に分散することを含む、高分子量有機材料の着色方法である。攪拌とは、小さな剪断力の使用下での如何なる種類の混合と理解され、すなわち例えば振盪も含まれる。顔料着色有効量は、顔料着色すべき有機材料の重量を基準として、通常0.01〜40重量%の顔料調合物である。
【実施例】
【0048】
以下の例において、
VeoVa(登録商標)9(Hexion)は、R70+R71が6個のC原子のバーサティック酸のビニルエステルを、
VeoVa(登録商標)10(Hexion社)は、R70+R71が7個の炭素原子のバーサティック酸のビニルエステルを、
意味する。
【0049】
例1:
Hostaperm(登録商標)Scharlach GO(ピグメントレッド168,C.I.No.59300)の含湿プレスケーキ(30重量%)540gを、1,800gの水中に懸濁させ、そして18gの分散添加剤(12.5モル%のp−スチレンスルホン酸ナトリウム塩、62.5モル%のメチル(メタ)アクリレート及び25モル%のVeoVa9からなるコポリマー;Mw約7,000g/mol、200gの水中に溶解したもの)と混合した。そのpH値を8〜8.5に調節し、そしてこの混合物を1時間80℃で攪拌した。次いで、その表面コートされた顔料を濾別し、そして<0.5mS/cmの電導率(濾液)まで水で洗浄した。このコートされた顔料を、流通空気乾燥棚中80℃で乾燥し、次いで粉末化した。顔料調合物1g当たり94μmolのスルホネート基を有する171gの固形の顔料調合物が得られた。
【0050】
例2:
Hostaperm(登録商標)Scharlach GO(C.I.No.59300)の含湿プレスケーキ(30重量%)540gを、1,800gの水中に懸濁させ、そして9gの分散添加剤(12.5モル%のビニルスルホン酸ナトリウム塩、50モル%のビニルアセテート及び37.5モル%のVeoVa10(登録商標)からなるコポリマー、Mw=8,000g/mol、100gの水中に溶解したもの)と混合した。そのpH値を8〜8.5に調節し、そしてこの混合物を1時間80℃で攪拌した。次いで、この表面コートされた顔料を濾別し、そして<0.5mS/cmの電導率(濾液)まで水で洗浄した。そのコートされた顔料を流通空気乾燥棚中80℃で乾燥し、次いで粉末化した。顔料調合物1g当たり47μmolのスルホネート基を有する162gの固形顔料調合物が得られた。
【0051】
例3:
900gの水中に懸濁させたピグメントレッド122(C.I.No.73915)の含湿プレスケーキ(29.5重量%)543gを、18gの分散添加剤(11.1モル%のビニルスルホン酸ナトリウム塩、44.5モル%のビニルアセテート、33.3モル%のVeoVa10(登録商標)、及び11.1モル%のビニルアルコールからなるコポリマー、Mw=7,500g/mol)、及び200gの水中に溶解させた7.5gのEO単位数10のC12/C16−アルキルエトキシレートと混合した。そのpH値を8〜8.5に調節し、そして800gのイソブタノールをそれに加えた。この混合物を、125℃で3時間、加圧仕上げ処理に付した。次いで、イソブタノールを水蒸気蒸留によって留去し、コートされた顔料を濾別し、そして<0.5mS/cmの電導率(濾液)まで水で洗浄した。コートされた顔料を、流通空気乾燥棚中80℃で乾燥し、次いで粉末化した。顔料調合物1g当たり87μmolのスルホネート基を有する173gの固形顔料調合物が得られた。
【0052】
様々な極性のペイント系中での易分散性の評価のために、例1〜3からの顔料調合物を、ディソルバによる分散によって、石油ベンゼン含有空気乾燥性長油−アルキド樹脂焼き付け塗料(LA塗料)中及び屋外塗装用の水性エマルション塗料(W−エマルション塗料)中で試験した。
【0053】
溶剤含有LA塗料の顔料着色のための手順:
4cmの歯付きディスクを備えたディスソルバ中で、例1及び2からの易分散性顔料調合物15.0g(または例3の場合には9.6g)を、長油−アルキド樹脂粉砕用ワニス(Anreibelack)(40%)45.0g(または例3の場合は50.4g)中に、40℃及び10,000rpmで30分間、分散した。この顔料着色された粉砕用ワニス10gを、ガラス棒でゆっくりと攪拌しながら、室温で、レットダウン用混合物(54%)10g及びクリアコート混合物30g(または例3の場合には20g)と混合した。
【0054】
ホワイトリダクション(Aufhellung)調製のために、上記のマストーン塗料8.1g(または例3の場合には6.7g)を、長油−アルキド樹脂白色塗料(27%TiO、1.5%Octa−Soligen(登録商標)173)30gと、簡単な手作業による攪拌によって均一化した。こうして調製された塗料を、フィルムアプリケータフレームを用いて、試験カード上に200μmの厚さで塗り、そして先ず室温で15分間、次いで60℃で60分間、乾燥棚中で乾燥した。
【0055】
水性エマルション塗料の顔料着色のための一般手順:
4cmの歯付きディスクを備えたディスソルバ中で、例1〜3からの易分散性顔料調合物36.0gを、粉砕用混合物(Anreibegemische)44.0g中に、20℃及び8,000rpmで30分間分散した(45%濃度ミルベース)。ホワイトリダクション調製のために、このミルベース1.16gを、水性白色分散物(20%TiO)50.84gと、簡単な手作業での攪拌によって均一化した(1%ホワイトリダクション)。こうして調製された塗料を、フィルムアプリケータフレームを用いて、試験カード上に200μmの厚さで塗り、そして60分間室温で乾燥した。
【0056】
参照例として、Clariant社の顔料であるHostaperm(登録商標)Scharlach GO(P.R.168)及びHostaperm(登録商標)Rosa E(P.R.122)を、上記のワニス系中にディスソルバを用いて分散配合し、そして例1〜3からの顔料調合物と比較した。上記例に記載の本発明による顔料調合物は、これらの慣用の未処理の顔料と比べて、ディスソルバによる分散において、上記の疎水性溶剤含有塗料系及び水性エマルション塗料中で有利な効果を示す。
【0057】
【表1】

【0058】
顔料調製物の調製
粉末、グラニュールまたはプレスケーキとしての顔料を、分散剤及び他の添加剤と一緒に脱イオン水中でペースト化し、次いでディスソルバ(例えばVMA−Getzmann GmbH製のタイプAE3−M1)または他の適当な装置中で均一化し、予備分散化した。その後の微分散を、ビーズミル(例えばVMA−Getzmann製のAE3−M1)または他の適当な分散装置を用いて行った。この際、粉砕は、サイズd=1mmのシリカザイト(Siliquarzit)ビーズまたはジルコン混合酸化物ビーズを用いて、冷却下に、所望の色強度及び色彩まで行った。次いで、分散物から粉砕媒体を分離し、顔料調合物を単離し、そして脱イオン水で約20%の濃度に調節し、そしてBuechi社製の噴霧乾燥機(Buechi190)を用いて乾燥した。乾燥粉末が得られた。
【0059】
顔料調製物の評価
色強度及び色相の測定はDIN55986に従って行った。水性顔料分散物及び乾燥粉末を、内装塗装用の慣用の水系エマルション塗料及び慣用の溶剤含有塗料中で試験した(色強度及び着色すべき媒体との適合性)。“ラブアウト試験(Rub−Out−Test)”のために、塗料を、顔料分散物と混合した後にペイントカード上に塗布した。次いで、ペイントカードの下の部分を指で後擦りした。後擦りした面が、隣接する未処理の面と比べて強く着色された場合に不適合性である(“ラブアウト試験”は独国特許出願公開第2638946号明細書(特許文献6)に記載されている)。
【0060】
粘度は、Haake社製のコーン−プレート型粘度計(Roto Visco1)を用いて20℃で測定した(チタン製コーン: 60mm、1°)。この際、0〜200s−1の範囲のせん断速度への粘度の依存性を調べた。粘度は、60s−1のせん断速度で測定した。
【0061】
分散物の貯蔵安定性の評価のために、調製物の調製直後の粘度と50℃で四週間貯蔵した後の粘度を測定した。
【0062】
以下に記載の顔料調製物を上記の方法に従い調製した。この際、以下の成分を、100部の顔料調製物が生ずるように記載の量で使用した。以下の例において部は重量部を意味する。
35部 C.I.ピグメントイエロー74
5部 例2の分散剤
10部 ラウリルアルコールと7モルのEOとのエトキシル化生成物
50部 水
乾燥後、顔料調製物は以下の組成を有する。この際、約1%の残留含水率は無視する。
70部 C.I.ピグメントイエロー74
10部 例2の分散剤
20部 ラウリルアルコールと7モルのEOとのエトキシル化生成物
分散調合物1g当たりのスルホネート基94μmol。
【0063】
該顔料調製物は白色分散物及び塗料中で高い色強度を有しそして安定している。ラブアウト試験は、後擦りした面と比べて色強度の差異を示さない。乾燥粉末は、水系白色分散物及び溶剤含有塗料中に自然に混ざることができる。これを3分間、手で攪拌する。両方の塗料系において、高い色強度並びに凝集安定性の斑点の無い着色が得られる。ラブアウト試験は、後擦りした面と比べて色強度の差異を示さない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固形顔料調合物であって、それぞれ顔料調合物の総重量を基準にして、
(A)C.I.ピグメントブルー15:3を除く少なくとも一種の顔料5〜99重量%、
(B)次の構造単位からなるコポリマーに基づく少なくとも一種の水溶性分散添加剤1〜95重量%、
(i)1.0〜50モル%の構造単位B1;
【化1】

(ii)合計して50〜99.0モル%の構造単位B2及びB3、ここでそのうち0〜100モル%の構造単位B2及び0〜100モル%の構造単位B3が含まれ得る;
【化2】

(iii)0〜49モル%の構造単位B4;
【化3】

[式中、
、R、R及びRは、互いに独立して、水素またはC〜Cアルキルであり、
は、共有結合、C〜Cアルキレン、C〜CアルキレンC〜C12アリーレン、C〜C30アリーレン、または次の式
【化4】

の基であり、
は、水素、Na、KまたはN(Rであり、
及びRは、互いに独立して、C〜C40アルキル、C〜C30シクロアルキル、C〜CアルキレンC〜C12アリール、またはC〜C30アリールを意味し、そして
は、水素、C〜C40アルキル、C〜C30シクロアルキル、C〜C30アリール、C〜CアルキレンC〜C12アリーレン、−F、−Cl、−Br、−OHまたは−CNを意味し、この際、アリールはC〜Cアルキルによって置換されていてもよい]
(C)フィラー、難燃剤、防腐剤、光保護剤、顔料系もしくは非顔料系分散剤、界面活性剤、酸化防止剤、消泡剤、樹脂、及び帯電防止剤の群からの助剤0〜30重量%、
を含み、この際、(B1)からのスルホネート基含有量が、固形顔料調合物1g当たり1μmolより多くかつ100μmolよりも少ない、前記固形顔料調合物。
【請求項2】
顔料調合物の総重量を基準にして40〜99重量%の顔料(A)の含有率を特徴とする、請求項1の顔料調合物。
【請求項3】
顔料調合物の総重量を基準にして1〜60重量%の分散添加剤(B)の含有率を特徴とする、請求項1または2の顔料調合物。
【請求項4】
構造単位(B1)が5〜30モル%であることを特徴とする、請求項1〜3の一つまたはそれ以上の顔料調合物。
【請求項5】
構造単位(B2)+(B3)の合計が60〜95モル%であることを特徴とする、請求項1〜4の一つまたはそれ以上の顔料調合物。
【請求項6】
構造単位(B4)が1〜20モル%であることを特徴とする、請求項1〜5の一つまたはそれ以上の顔料調合物。
【請求項7】
(B1)からのスルホネート基含有量が3〜98μmol/gであることを特徴とする、請求項1〜6の一つまたはそれ以上の顔料調合物。
【請求項8】
有機顔料が、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、レーキ化アゾ顔料、β−ナフトール顔料、ナフトールAS顔料、ベンズイミダゾロン顔料、ジスアゾ縮合顔料、アゾ金属錯体顔料、C.I.ピグメントブルー15:3を除くフタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、チオインディゴ顔料、アンタントロン顔料、アントラキノン顔料、フラバントロン顔料、インダントロン顔料、イソビオラントロン顔料、ピラントロン顔料、ジオキサジン顔料、キノフタロン顔料、イソインドリノン顔料、イソインドリン顔料及びジケトピロロピロール顔料、またはファーネスブラック及びガスブラックの群からの酸性乃至アルカリ性カーボンブラックの部類からのものであることを特徴とする、請求項1〜7の一つまたはそれ以上の顔料調合物。
【請求項9】
構造単位(B3)を含み、B3がバーサティック酸のビニルエステルの意味を有する、請求項1〜8の一つまたはそれ以上の顔料調合物。
【請求項10】
請求項1〜9の一つまたはそれ以上の固形顔料調合物の製造方法であって、粉末、グラニュールまたはプレスケーキの形の顔料を、水または有機溶剤または水と有機溶剤との混合物の存在下に、少なくとも一種の水溶性分散添加剤(B)と混合し、次いで固形の形態で単離することを特徴とする、前記方法。
【請求項11】
顔料調合物を、濾過、乾燥及びその後の粉砕によって固形の形態で単離することを特徴とする、請求項10の固形顔料調合物の製造方法。
【請求項12】
顔料調合物が噴霧乾燥によって固形の形態で単離されることを特徴とする、請求項10の固形顔料調合物の製造方法。
【請求項13】
天然及び合成材料の顔料着色及び着色のための、請求項1〜9の一つまたはそれ以上の固形顔料調合物の使用。
【請求項14】
水性のペイント、エマルション塗料及び着色ニス、水で希釈可能な塗料、壁紙用着色料及び印刷インキの顔料着色のための請求項13の使用。
【請求項15】
溶剤含有のペイント、エマルション塗料及び着色ニス、壁紙用着色料及び印刷インキの顔料着色のための請求項13の使用。

【公表番号】特表2012−517511(P2012−517511A)
【公表日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−549454(P2011−549454)
【出願日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際出願番号】PCT/EP2010/000024
【国際公開番号】WO2010/091766
【国際公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.バブルジェット
【出願人】(398056207)クラリアント・ファイナンス・(ビーブイアイ)・リミテッド (182)
【Fターム(参考)】