説明

映像コンテンツ視聴システム及び映像コンテンツ配信サービスシステム

【課題】
タッチパネル方式のディスプレイを備えるインターネット通信可能な携帯端末で、ユーザの操作に応じて各種のキャラクターに関する映像コンテンツを出力させることにより、ユーザが特定のキャラクターとコミュニケーションしているかの如き錯覚を楽しむことのできる視聴覚効果を奏する映像コンテンツ視聴システムを提供する。
【解決手段】
キャラクターの映像コンテンツデータから成るデータセットとアプリケーションプログラムとから構成し、データセットに含まれる映像コンテンツデータは、それぞれが一日の特定の時間帯、及び特定の入力方法及び入力位置に対応する出力条件情報を予め有し、起動時には、現在時刻情報に基づき、起動時刻の属する時間帯に対応する出力条件情報を有する映像コンテンツデータを出力させ、起動中は、入力方法及び入力位置を検出して、対応する出力条件情報を有する所定の映像コンテンツデータを選択して出力させる

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネル方式のディスプレイを備えるインターネット通信可能な携帯電話機又は携帯情報端末により、ユーザが、映像データ、音声データ、画像データ並びにテキストデータ等から成る映像コンテンツ(以下、「映像コンテンツデータ」と記す。)を視聴できる映像コンテンツ視聴システムに関し、特に、配信事業者のサーバから映像コンテンツデータ並びに映像コンテンツデータ出力制御用のアプリケーションプログラムをダウンロードしてインストールすることにより、ユーザによるタッチパネル等の操作の日付や曜日、時間帯あるいは操作の種類や方法に応じて、特定の人物等キャラクター(以下、「キャラクター」と記す。)の特定の動作や音声が出力され、あたかもユーザーの操作に対して意思を持って応答するかのようなインタラクティブな視聴覚的効果を奏する映像コンテンツ視聴システム及び映像コンテンツ配信サービスシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機や携帯情報端末の改良進歩により、いわゆる「スマートフォン」や「タブレット型情報端末」と称される、タッチパネル方式のディスプレイを備えたインターネット通信可能な携帯電話機又は携帯情報端末(以下、「携帯端末」と記す。)が急速に普及しつつある。
【0003】
これら携帯端末の多くは、インターネットを介してダウンロード可能なアプリケーションプログラムや映像・画像・音声・テキストなどのコンテンツデータを内蔵する記憶装置に記憶させることにより、出荷時点に有する機能に加えて新たな機能を追加可能としている。近年では、特に前記アプリケーションプログラムとして映像再生ソフトウェアを用い、ダウンロードあるいはストリーミング配信される映像データを再生する機能が携帯端末で広く活用されるようになっている。
【0004】
また、ユーザによる操作も、前記アプリケーションプログラムが前記タッチパネル上に定義する特定の領域を、指で触れる、撫でる、叩くといったタッチ操作(以下「タッチ」と記す。)や、携帯端末本体を振る操作(以下、「シェイク」と記す。)による加速度変化を内蔵する加速度センサで検出する等の、多様な入力方法を実現している。
【0005】
かかる携帯端末の特性を活かすべく、携帯通信事業者(以下、「キャリア」と記す。)のみならず多くのソフトウェア開発事業者等が、携帯端末の機能拡張用からゲームに渡る多種多様なアプリケーションソフトウェアを開発してこれを市場に投入している。また、これらは、アプリケーションソフトウェアとコンテンツデータのセットやそれらを個々単体で、配信事業者のサーバからダウンロードする方法により有償又は無償で提供されている。
【0006】
中でも、いわゆる「携帯ゲーム」の分野では、ゲームの進行に応じた様々な局面でユーザーの操作に基づき画像データや映像データをディスプレイ上に表示・再生し、そのインタラクティブな効果によりユーザーを楽しませるアプリケーションソフトウェアが多数提供されている。こうした携帯ゲームとしては、いわゆる対戦型ゲーム、RPG(ロールプレイング)ゲーム、シュミレーションゲーム等が知られている。
【0007】
例えば、特許文献1又は特許文献2に記載の発明は、生物(例えば犬等のキャラクター)の画像を対象に、タッチパネル上で操作(犬等のキャラクターの「世話」に当たる命令)を行うことにより、犬等の変化する画像あるいは複数の画像から成るアニメーション映像が順次ディスプレイ上に表示するため、あたかもユーザーが犬等のキャラクターを飼育し成長させているような感覚を楽しめるシュミレーションゲームを実現するものである。類似のゲームは携帯ゲーム分野においても普及しており、登場するキャラクターとして、架空の又は実在の人物が設定されているものもある。
【特許文献1】特開平10−69214号公報
【特許文献2】特開2010−68268号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、これらの発明が実現するシュミレーションゲームは、携帯端末の記憶容量やインターネットによるデータ転送速度の制約等から、画像やアニメーション等で表現可能な現実感に乏しいキャラクターを使用せざるを得ず、ゲームの進行自体も所定の目標(例えば犬等のキャラクターの成長)を達成するといったインタラクティブ性に乏しい展開であり、何より、携帯可能な大画面や入力操作の自由度の高さというタッチパネル方式の携帯端末の最大の特徴を十分に活かしたものではなく、ゲーム自体のリアリティに欠けるという問題があった。
【0009】
一方、近年では前記携帯端末の高性能化や記憶容量の増大、データ転送速度の高速化等により、データサイズの比較的小さな画像やアニメーションのみならず、サイズの大きな映像データ、例えば音声付の実写映像をも多数ダウンロードして記憶し、ディスプレイ上に再生することが可能となり、実在の人物やリアリティの高いCGをキャラクターとすることができる。また、タッチパネル方式のディスプレイや加速度センサは、出力中の画像や映像等の任意の箇所における様々なタッチによる入力方法やシェイクによる入力方法を設定することが可能とするので、ユーザーとキャラクターとのコミュニケーション方法の多様性、ひいてはリアリティも高めることができる。
【0010】
本発明は、前記のような事情に鑑みて成されたものであり、タッチパネル方式のディスプレイを備えたインターネット接続可能な携帯端末の特性を最大限に活用して、大画面に表示される映像データの有する臨場感やバーチャル性、すなわち、ユーザーに対して、登場するキャラクターがあたかも携帯端末内に「住んで」いているかのように錯覚させる効果や、タッチパネル等による入力操作の自由度の高さを活用して、あたかも自分がキャラクターとコミュニケーションしているかのように錯覚させる効果を発揮し、また、登場するキャラクターをユーザーの好みに応じて任意に増やしたり入れ替えたりすることが可能なインタラクティブ性の高い携帯ゲームを提供するだけでなく、登場するキャラクターを介して、映像コンテンツ提供者とユーザーとの間の各種情報や広告の送受をも可能とする映像コンテンツ視聴システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、タッチパネル方式のディスプレイを備えるインターネット通信可能な携帯電話機又は携帯情報端末と、インターネットを介してダウンロードされる、キャラクターの単一又は複数の映像コンテンツデータから成るデータセット及び該映像コンテンツデータ出力制御用のアプリケーションプログラムとから成る映像コンテンツ視聴システムであって、前記データセットに含まれる前記映像コンテンツデータは、それぞれが一日の特定の時間帯、及び前記携帯電話機又は携帯情報端末への特定の入力方法及び入力位置に対応する出力条件情報を予め有し、前記アプリケーションプログラムは、起動時においては、前記携帯電話機又は携帯情報端末が内蔵するタイマー部から取得した現在時刻情報に基づき、起動時刻の属する時間帯に対応する出力条件情報を有する複数の前記映像コンテンツデータから所定の映像コンテンツデータを選択して出力させ、起動中に入力があった場合においては、入力方法及び入力位置を検出して、該入力方法及び入力位置に対応する出力条件情報を有する複数の前記映像コンテンツデータから所定の映像コンテンツデータを選択して出力させることを特徴とする。
【0012】
前記キャラクターは、モデル等実在の人物(以下、「モデル」と記す。)のほかCG等で制作した架空のキャラクターであってもよく、モデルの場合は、映像コンテンツデータは実写映像あるいは実写にCG等の加工を加えた映像でもよい。また、映像コンテンツデータは、単一シーン又は複数のシーンが順次遷移するよう構成して成るものでもよく、映像以外にキャラクターのセリフや効果音、BGM等の音声、あるいはテキストデータを含むものでもよい。また、一つの映像コンテンツデータに登場するキャラクターは単一が望ましいが、複数であってもよい。
【0013】
前記出力条件情報に含まれる一日の特定の時間帯とは、1時間単位で一日を24分割したものであってもよいし、1時間単位に限定されない特定の時間帯としてもよい。また、前記特定の入力方法とは、前記アプリケーションプログラムが前記タッチパネル上に定義する特定の領域を指で触れる、撫でる、叩くといったタッチの種類及び位置、携帯端末本体を振る、傾ける等のシェイクの種類をいう。
【0014】
また、請求項2に記載した発明は、請求項1に記載の映像コンテンツ視聴システムであって、前記アプリケーションンプログラムは、特定の出力条件情報を有する複数の映像コンテンツデータからの所定の映像コンテンツデータの選択を決定するための参照情報を提供する選択参照部を備えることを特徴とする。
【0015】
前記選択参照部は、前記アプリケーションプログラムからの参照を受ける都度、前記所定の映像コンテンツデータの選択を決定するための参照情報を提供する。例えば、乱数発生部を備え、該乱数発生部が発生させた乱数表により前記参照情報を決定するものであってもよいし、前記入力の時刻、入力の位置や方法、単位時間内の入力の回数あるいは累積入力回数等と前記出力条件方法との関係の様々な組み合わせを予め記述したロジックテーブルであってもよいし、乱数発生部とロジックテーブルを組み合わせたものでもよい。
【0016】
また、請求項3に記載した発明は、請求項1又は請求項2のいずれかに記載の映像コンテンツ視聴システムであって、前記アプリケーションプログラムは、その起動中に、一定時間入力を検出しなかった場合には、前記キャラクターが登場しない特定の前記映像コンテンツデータを出力させ、その後入力があった場合には、前記キャラクターの登場する前記所定の映像コンテンツデータのいずれかを出力させることを特徴とする。
【0017】
ユーザーが一旦前記アプリケーションプログラムを起動しても、その後何らの入力も行わず放置した後に再度ディスプレイ画面を見た際に、最後に表示していた映像がそのまま表示され続けているといかにも人工的で興醒めであり、キャラクターのリアリティは減殺される。しかし、請求項3の発明の構成を取れば、ユーザーがキャラクターを無視して放置したことに対し、キャラクターがあたかも「画面上から退場するという対応」をしたかの如き演出が可能となり、キャラクターのリアリティを向上させることができる。
【0018】
また、請求項4に記載した発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の映像コンテンツ視聴システムであって、前記携帯電話機又は携帯情報端末が、複数の前記データセットをダウンロードして記憶している場合において、前記アプリケーションプログラムは、
前記携帯電話機又は携帯情報端末のユーザが任意に各データセットを特定の曜日又は日付における出力対象として設定し、あるいは入れ替えることを可能とし、前記タイマー部から取得した現在時刻情報及び曜日又は日付情報に基づき、起動時の属する曜日又は日付の出力対象として設定したデータセットからのみ、所定の前記映像コンテンツデータを選択して出力させることを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、各データセットにそれぞれ特定のキャラクターの映像コンテンツデータを収容しておき、ユーザーが特定の曜日又は日付を各データセットに割り振る設定操作を行うことにより、前記アプリケーションプログラムの起動時には、起動の日付あるいは曜日に設定したキャラクターのみの映像が表示される。この場合、例えば7つのデータセットに一週間の異なる曜日を設定すれば、曜日ごとに特定のキャラクターが登場し、ユーザーが、時間経過とともに当該キャラクターとの一日を過ごす、といった演出が可能となる。
【0020】
また、請求項5に記載した発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の映像コンテンツ視聴システムであって、前記映像コンテンツデータは、前記ディスプレイの一部に設けたテロップ表示部にテロップを表示するためのテキストデータをさらに含み、前記アプリケーションプログラムは、予め設定した所定の時間帯に起動した場合に、前記映像とともに前記テキストデータを前記テロップ表示部にテロップ表示で出力することを特徴とする。
【0021】
本発明によれば、映像とは別にテロップによるテキストデータをディスプレイ画面の例えば最下段に表示することができるため、音声とテキストのいずれか、あるいはその両方を表示できる。例えば、映像の中に現れる商品等に関する広告メッセージをテキスト情報としてテロップ表示したり、「深夜から翌朝までの時間帯にはキャラクターも眠る」という演出をするために当該時間帯に表示されるキャラクターの映像もセリフ等の音声なしの就寝状態の映像とした場合でも、キャラクターの「寝言」としてテキスト情報を違和感なく表示できる。
【0022】
また、請求項6に記載した発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の映像コンテンツ視聴システムであって、前記テキストデータに予め所定の外部ウェブサイトのURLが関連付けられている場合には、前記アプリケーションプログラムは、前記テロップが出力されている状態で前記テロップ表示部上への入力を検出した際、インターネットを介して前記URLに接続し、前記外部ウェブサイトの画面を表示することを特徴とする。
【0023】
本発明によれば、例えば、前記テロップのテキストデータとして映像に現れる商品に関する広告メッセージを表示し、商品の広告主企業等のウェブサイトのURLを直接表示したり、あるいは商品名等特定のテキストに当該ウェブサイトへのハイパーリンクを設定したりすることにより、ユーザーが当該テロップ上をタッチすることにより直ちに当該ウェブサイトの画面を表示させることが可能となるなど、映像との相乗効果による広告効果が期待できる。また、前記テロップには、広告主企業等だけではなく、配信事業者自身の各種告知やURLをテキストデータあるいはハイパーリンクを設定したテキストとして表示することも可能である。
【0024】
なお、前記アプリケーションプログラムは、映像コンテンツデータを出力するだけでなく、当然にユーザが操作方法や出力条件等に関する各種環境を設定又は変更できるインターフェイス画面をディスプレイ上に表示可能とし、また、携帯端末自体が有する通信機能及びメール送受信機能を利用して配信事業者とのデータ通信あるいはメール送受信等も可能とする。
【0025】
次に、請求項7に記載した発明は、ユーザ側の携帯電話機又は携帯情報端末と、インターネットを介して前記データセット及び前記アプリケーションプログラムを配信するコンピュータ装置とからなる映像コンテンツ配信サービスシステムであって、前記配信事業者側コンピュータ装置は、ユーザに対して前記データセット及び前記アプリケーションプログラムを配信する単一又は複数の配信事業者側サーバと課金装置とを備えるとともに、ユーザ側からの追加データセット配信要求を受信して、前記サーバから新たなデータセットを配信するとともに、ユーザへの課金処理を行うことにより、前記携帯電話機又は携帯情報端末において請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の映像コンテンツ視聴システムを実現するとともに、ユーザに新たなデータセット配信の対価の課金処理を行うことを特徴とする。
【0026】
インターネットを介した携帯電話機又は携帯情報端末用アプリケーションプログラムのダウンロード販売サービス事業における代金回収の方法としては、ユーザが当該アプリケーションプログラムをダウンロードする際に配信事業者側サーバが課金処理を行ってキャリア側のサーバに課金情報を送信し、キャリア側のサーバが当該ユーザの通信料に代金を加算してユーザの銀行口座から引き落とすという方法が一般的である。一方、多数のユーザにダウンロードしてもらい当該アプリケーションの普及を促進するために、まず、アプリケーションプログラム自体をユーザに無償で配布し、そのアップグレードや追加データ等を有償で配布する方法も用いられている。
【0027】
本発明によれば、配信事業者側サーバは、ユーザからの配信要求に応じて前記アプリケーションプログラムと、ユーザが選択した単一のデータセットの組み合わせをユーザの携帯電話機又は携帯情報端末へ無償で配信することにより、ユーザ側において前記請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の映像コンテンツ視聴システムの最小限の構成を実現できる。ユーザは経済的負担なしに少なくとも一つのデータセットにより本映像コンテンツ視聴システムを体験できる。また、例えば当該データセットに新たなキャラクターが登場する他のデータセットを紹介する「予告編」的な映像コンテンツデータを含めておくことで、有償の追加データセットへの需要を喚起できる。
【0028】
その後、ユーザからの追加配信要求があった場合には、配信事業者側サーバがユーザに新たなデータセットのみを配信するとともに、前記課金処理装置が追加データセットの対価についてのユーザへの課金処理を行い、キャリア側サーバを通じて対価の決済が行われる。以上により、配信事業者は、短期間に多数のユーザに本発明に係る映像コンテンツ視聴システムを普及させつつ、有償の追加データセットのダウンロード販売により収益を挙げることができるのである。
【0029】
また、請求項8に記載した発明は、請求項7に記載の映像コンテンツ配信サービスシステムであって、前記映像コンテンツ配信サービスシステムは、さらにインターネットを介して所定の公衆コミュニケーションサービス事業者側サーバに接続され、該公衆コミュニケーションサービス事業者側サーバは、前記キャラクターごとの関連データ(テキストデータ、画像データ、映像データ、音声データのいずれか、あるいはそれらの組み合わせ)を記憶しており、前記配信事業者側サーバは、キャラクターごとの前記所定の公衆コミュニケーションサービス用ID及び告知用データを、前記ユーザ側の携帯電話機又は携帯情報端末はユーザ自身の当該公衆コミュニケーションサービス用IDをそれぞれ記憶しており、ユーザは、前記携帯電話機又は携帯情報端末から前記所定の公衆コミュニケーションサービス事業者側サーバ上のキャラクターの関連データにアクセスするとともにユーザ自身の当該公衆コミュニケーションサービス用IDを送信し、前記配信事業者側コンピュータ装置は、前記所定の公衆コミュニケーションサービス事業者側サーバから前記ユーザ自身のIDを取得し、インターネットを介して前記告知用データを当該ユーザに対して配信することを特徴とする。
【0030】
本発明によれば、前記配信事業者は、特定のキャラクターごとに前記公衆コミュニケーションサービス用のIDを取得した上で、予め前記公衆コミュニケーションサービス事業者側サーバ上に、当該キャラクターごとの関連データをアップロードして記憶させておく。そのため、当該公衆コミュニケーションサービス用のIDを取得して利用が可能なユーザは、例えば、自己の携帯電話機又は携帯情報端末にダウンロード済みのデータセットに登場するキャラクターのみならず他のキャラクターの関連データにもアクセスでき、前記有償の追加データセットへの需要をさらに喚起できる。
【0031】
また、前記配信事業者側サーバには、特定のキャラクターごとに告知用データを記憶させておき、例えば公衆コミュニケーションサービスが提供する所定の定型メッセージ送信機能を通じてユーザから当該キャラクターのIDを相手先として定型メッセージが送られた場合には、当該定型メッセージの種類に応じた前記告知用データをユーザのIDを相手先として送信するよう設定しておくことが可能である。これにより、ユーザが、例えば自己の携帯電話機又は携帯情報端末内に「住んでいる」特定のキャラクターに「声を掛け」た場合に、キャラクターがこれに「答える」形となるため、ユーザは、公衆コミュニケーションサービスを介してキャラクターと個人的にコミュニケーションしているかの如き感覚を楽しむことができ、結果的に本発明に係る映像コンテンツ視聴システムの効果におけるバーチャル性を高めることができるのである。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、タッチパネル方式のディスプレイを備えたインターネット接続可能な携帯端末の特性を最大限に活用して、大画面に表示される映像データの有する臨場感やバーチャル性、すなわち、ユーザーに対して、あたかも登場するキャラクターが携帯端末内に「住んで」いているかのように錯覚させる効果や、タッチパネル等による入力操作の自由度の高さを活用して、あたかもキャラクターとのコミュニケーションしているかのように錯覚させる効果を発揮できるので、従来にない高度なインタラクティブ性を備えた魅力的な携帯ゲームを実現することができる。
【0033】
また、登場するキャラクターをユーザーの好みに応じて任意に増やしたり入れ替えたりすることが可能なため、配信事業者は、追加データセットのダウンロード販売を通じて収益を挙げることが可能である。さらに、登場するキャラクターを介して、配信事業者だけでなく広告主等の映像コンテンツ提供者とユーザーとの間の各種情報や広告の送受をも可能とできるため、単なる携帯ゲームとしてだけではなく、ユーザへの広告効果の高い広告手段としても活用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明の実施の形態の一例について、図1乃至図8を参照して詳細に説明する。
【0035】
図1は、左側が一般にスマートフォンと称されるタッチパネル方式のディスプレイを備える携帯電話機の代表的な機種の外観図である。また、右側は同様の機能を有するより大型でパッド形状を有する携帯情報端末の代表的な機種の外観図である。いずれも薄型の携帯端末10の前面にタッチパネル11兼用のディスプレイ12を備える。また、本発明に係るアプリケーションプログラムを適用した場合は、前記ディスプレイ12の最下部は横長のテロップ表示部13としてテロップを表示する。また、前記ディスプレイ画面の最上部は、必要に応じて現在時刻を表示可能な時刻表示部14としている。
【0036】
図2は、本発明に係る映像コンテンツ視聴システムの基本構成の概略を示す構成図である。ユーザの携帯端末10は、インターネット又は携帯通信網20を介して配信事業者側コンピュータ装置30と通信可能とし、キャリア側の基地局22により基地局通信網23に接続してゲートウェイサーバ21を介して前記配信事業者側コンピュータ装置30と通信するほか、携帯端末10が無線LANへの接続機能を有すれば、アクセスポイント(図示せず)からインターネットを介して前記配信事業者側コンピュータ装置30に接続してもよい。また、前記配信事業者コンピュータ装置30は、配信事業者側サーバ31と配信事業者側課金装置32を備え、配信事業者側サーバ31には本発明に係るアプリケーションプログラムAPとデータセットDSが記憶されている。
【0037】
本発明に係る映像コンテンツ視聴システムを利用したいユーザが、携帯端末10から配信事業者側コンピュータ装置30に対して特定のデータセットDSを指定して配信要求を送信すると、該コンピュータ装置は、指定されたデータセットDSとともにアプリケーションプログラムAPを携帯端末10に配信する。携帯端末10は受信したアプリケーションプログラムAPとデータセットDSをダウンロードし、内蔵する記憶部15にアプリケーションプログラムAPをインストールするとともにデータセットDSを記憶する。これにより、携帯端末10上において、本発明に係る映像コンテンツ視聴システムの最小限の構成が実現し、ユーザはデータセットDS内の映像コンテンツデータを視聴することが可能となる。
【0038】
その後、ユーザが異なるデータセットDSを指定してその追加配信の要求を前記配信事業者側コンピュータ装置30に送信すると、該配信事業者側コンピュータ装置30は、指定されたデータセットDSのみを前記配信事業者側サーバ31から同様に携帯端末10へと配信し、携帯端末10はこれをダウンロードして記憶部に記憶する。その際、前記配信事業者側課金装置32は追加配信を記録してキャリア側サーバ(図示せず)及び携帯端末10に課金情報を送信し、該キャリア側サーバが携帯端末10のユーザーの端末利用料金に課金額を加算して請求並びに決済処理を行うとともに、例えば月次で課金額を精算して手数料を差し引いた後に配信事業者へ支払うことで配信事業者はデータセットDSの対価を回収する。
【0039】
図3は、本発明に係る映像コンテンツ視聴システムを適用した状態における前記携帯端末20の構成を示す概略図である。なお、本図における携帯端末20は、前記アプリケーションプログラムAPと曜日ごとに割り当てた7つのデータセットDSを予めダウンロードした状態を示している。また、各データセットDSにおけるキャラクターはそれぞれ異なるモデル、すなわち実在の女性(または男性)とし、映像コンテンツデータCDは、様々な場面や状況設定(シーン)に基づく、当該モデルの全身や顔、身体の各部やその動作を撮影した実写映像、背景映像その他の映像データV、当該女性のセリフ等の音声や効果音、BGMその他の音声データA、及び、テロップ表示用の各種のテキストデータTから構成されるものとする。
【0040】
携帯端末10は、タッチパネル11、ディスプレイ12、記憶部15、制御部16、タイマー部17、加速度センサ18、スピーカー19のほか、アンテナ101と接続された通信制御部102、ディスプレイ12への映像・画像表示を制御する表示制御部103、スピーカー19からの音声出力を制御する音声出力制御部104を備える。また、記憶部15は、携帯端末10の機能全般を制御する基本プログラムOSと、ダウンロード及びインストールされた前記アプリケーションプログラムAP、及びダウンロードして記憶された一つ又は複数のデータセットDSとが保持されている。また、アプリケーションプログラムAPは選択参照部SLを備える。
【0041】
個々のデータセットDSは少なくとも一つの映像コンテンツデータCDを含む。映像コンテンツデータは、映像データV、音声データA、テキストデータTのいずれか又はそれらの組み合わせから構成され、個々のデータごとに、あるいはデータの組み合わせごとに出力条件情報Iが付加されている。また、ユーザの事前の設定により、個々のデータセットDS自体にも特定の曜日に対応する出力条件情報Iが付加されている。
【0042】
前記映像コンテンツデータCDの内容としては、1)モデルの何気ない佇まいをセリフなしで撮影した「基本シーン」、2)起動後におけるユーザの初回のタッチに反応して挨拶する「挨拶シーン」、3)起動中におけるユーザの特定のタッチに特定の反応を返す「しぐさシーン」のほか、モデルが不在で背景だけの「不在シーン」、「不在シーン」表示中のシェイクに反応してモデルが再び現れる「再登場シーン」、モデルが就寝中の「寝顔シーン」、異なる「基本シーン」が遷移する際の違和感を低減するための「つなぎシーン」など多様な映像を用意しておく。
【0043】
かかる構成において、まず、ユーザがタッチパネル11上の前記アプリケーションプログラムAPに係るアイコンをタッチすると、制御部16がタッチを検知し、基本プログラムOSを介してアプリケーションプログラムAPを起動させる。この際、アプリケーションプログラムAPは、タイマー部17が有する現在時刻情報を検出して、起動時の時刻と曜日を検出し、当該曜日に対応するデータセットDSから、当該時刻が属する時間帯が設定された出力条件情報Iを有する映像コンテンツデータCD(例えば、前記「基本シーン」のいずれか)を選択し、制御部16を介して映像をディスプレイ12に、音声をスピーカー19に出力させる。
【0044】
本実施例では、映像コンテンツデータCDは多数のシーンに対応して複数存在するので、アプリケーションプログラムAPは前記選択参照部SLを参照して得た参照情報に基づき映像コンテンツデータCDの選択を行う。なお、アプリケーションプログラムAPの起動後は、タッチだけでなく加速度センサ18が検出したシェイクもアプリケーションプログラムAPへの入力として取り扱われる。
【0045】
以上は、本発明に係るアプリケーションプログラムAPの起動時の説明であるが、図4は、起動及び起動後の本映像コンテンツ視聴システムの動作プロセスの一例を時系列で示すフローチャートである。
【0046】
ユーザにより起動させられたアプリケーションプログラムAPは、タイマー部17から現在時刻の属する曜日を検出し、7つのデータセットDSから当該曜日が割り当てられたデータセットDSを選択する。次に、アプリケーションプログラムAPは、選択参照部SLを参照してランダムに決定された参照情報Rを得、該参照情報Rに基づき、当該データセットDSの映像コンテンツデータCDの中から「基本シーン」のいずれかを選択して出力する。
【0047】
前記基本シーンの出力は、一つの「基本シーン」を「つなぎシーン」を挟みつつループさせてもよいが、時間経過により順次異なる「基本シーン」を「つなぎシーン」を挟みつつランダムに出力させることでユーザを飽きさせない自然な演出を行うために、前記参照情報Rは、かかるランダムなシーン遷移のスケジュールを含むものとする。
【0048】
「基本シーン」出力中にユーザが何らのタッチも行わない場合、アプリケーションプログラムAPはタイマー部17から時間経過を検出し、所定の時間が経過した場合には前記「不在シーン」を出力させる。これにより、ユーザが「放っておいた」結果、モデルが自分の意思で「退出してしまった」かの如き演出が可能となる。
【0049】
「不在シーン」出力中は、ユーザがディスプレイ上をタッチしても変化は起こらないようにする。次に、ユーザが携帯端末10をシェイクすると、加速度センサ18がシェイクによる生じる加速度を検知し、アプリケーションプログラムAPは、今度は前記「再登場シーン」を出力する。これは、ユーザーによる「呼び出し」に応じてモデルが「戻ってくる」ことを表す演出である。「再登場シーン」が一巡した後は、アプリケーションプログラムAPは、再び選択参照部SLからの参照情報Rに基づきランダムに「基本シーン」を遷移させつつ出力するモードに復帰する。
【0050】
次に「基本シーン」出力中にユーザがディスプレイ上の特定の位置を特定の方法でタッチすると、アプリケーションプログラムAPは、当該タッチの方法・位置を検出して選択参照部SLに送り、該選択参照部SLからの参照情報Rに基づき特定の「しぐさシーン」を出力させる。この場合、選択参照部SLが発する参照情報Rは、タッチの時点で出力されている「基本シーン」とタッチの方法・位置の組み合わせに基づき、特定の出力条件情報が付された「基本シーン」あるいは「しぐさシーン」を選択して出力するようにする。
【0051】
例えば、タッチの時点で出力されていた「基本シーン」が「機嫌が悪そうな表情のシーン」であった場合に、タッチが「触れる」あるいは「撫でる」(「ご機嫌を取る」行為に相当)であれば「機嫌の良さそうな表情」の「基本シーン」に復帰させるが、タッチが「叩く」であれば、嫌がる様子を示す「しぐさシーン」を出力し、さらに「叩く」を反復した場合には、気分を害した様子の「しぐさシーン」を表示するとともに抗議のセリフを音声出力させる。
【0052】
選択参照部SLにおいては、かかる特定の入出力の組み合わせを前記ロジックテーブルにより一義的に定めておき、さらに前記乱数発生部で発生させる乱数表により該組み合わせの範囲内において出力されるシーンの選択にランダム性を付加することができる。これにより、ディスプレイ内のモデルの様子とユーザーのタッチの仕方によってモデルに様々な反応を示させることが可能となり、ユーザーは、あたかも携帯端末10内に居るモデルとリアルタイムにコミュニケーションを図っているかの如き錯覚を楽しむことができるのである。
【0053】
図5は、ユーザの様々な操作に対応して出力されるシーンの関係の一例を示すシーンの構成図である。本例では、アプリケーションプログラムAPの起動(1)により、起動時刻が、例えば06:00~23:59の時間帯であった場合、6つの表情(普通の表情、困った表情、機嫌の良さそうな表情、機嫌の悪そうな表情、悲しそうな表情、眠そうな表情)のいずれかをベースとする複数の「基本シーン(2)」が、適宜「つなぎシーン(4)」を挟んで遷移しつつ出力される。
【0054】
ここでユーザがタッチした場合、予め設定した時間帯の中での最初のタッチにより、当該時間帯に応じた「挨拶シーン(3)」が出力され、その後は「しぐさシーン」のいずれかが出力される。
【0055】
そのまま放置した場合、所定時間の経過の後、「不在シーン(誰もいない部屋)」のシーンに遷移して待機モードに入る。次に、ユーザがシェイクした場合、「再登場シーン(モデルが部屋に戻って来るシーン)」が出力された後、再び前記「基本シーン(2)」が遷移するモードに復帰する。
【0056】
「基本シーン(2)」の出力中には、各時間帯における二度目以降のタッチの場合は、「挨拶シーン(3)」を飛ばして「しぐさシーン(5)」のいずれかが出力される。この場合、前述の通り、出力中の「基本シーン(2)」とタッチの位置・方法・回数等の仕方により、これに応答して出力される「しぐさシーン(5)」は所定の組み合わせの範囲内でランダムに変化する。その後、タッチがない場合には、所定時間経過後に再び「基本シーン(2)」に復帰する。
【0057】
一方、00:00~05:59の時間帯には、アプリケーションプログラムAPの起動により出力されるのはモデルの「寝顔シーン(6)」となる。この状態でユーザがタッチすると、「寝顔の変化シーン(7)」が出力されるが、就寝中であるため音声のセリフは出力されず、モデルの「寝言」がテキストでテロップ表示される。
【0058】
図6は、映像の出力とともに携帯端末10のスピーカー19から出力される音声データA、すなわちモデル(この場合は女性)のセリフの一例を示す表である。モデルのセリフは、特定の時間帯にのみ出力される時間帯指定のものと、時間帯を指定せず特定のタッチの方法に応じてランダムに出力される時間帯指定なしのものを用意する。
【0059】
図7は、請求項7に記載した本発明に係る映像コンテンツ配信サービスシステムの構成の一例を示すものである。
【0060】
本実施例では、前記アプリケーションプログラムAP及びデータセットDSの携帯端末10への配信は、配信サービス事業者の運営する配信サービス事業者側コンピュータ装置40から行う。かかる配信サービス事業者は、音楽ファイルや電子書籍ファイルのほか携帯端末用アプリケーションプログラムのインターネットを介したダウンロード販売等を行うウェブサイト運営事業者が想定される。
【0061】
図7において、前記配信サービス事業者側コンピュータ装置40は、配信サービス事業者側サーバ41と配信サービス事業者側課金装置42とを有し、インターネット20を介して前記配信事業者側コンピュータ装置30及びユーザの携帯端末10と通信可能とし、前記配信サービス事業者側サーバ41は、アプリケーションデータAP及びデータセットDSを記憶可能であるとともに、携帯端末10へのそれらの配信を行う。
【0062】
一方、配信事業者側コンピュータ装置30は、前記配信事業者側サーバ31の他に告知用データADを記憶する告知用データサーバ33を有する。該告知用データサーバ33はユーザの携帯端末10からの告知要求を受け、インターネットを介して告知用データADを配信する。なお、配信事業者側サーバ31が告知用データサーバ33を兼ねてもよい。
【0063】
配信事業者は、制作したアプリケーションプログラムAP及びデータセットDSを配信事業者側サーバ31に記憶させるとともに、前記配信サービス事業者側サーバ41にアップロードすることで、配信サービス事業者にアプリケーションプログラムAP及びデータセットDSの無償あるいは有償での配信を委託し、以後、配信サービス事業者側サーバがユーザからの配信要求を受けて携帯端末10への配信を行う。また、前述の追加データセットDSの対価の課金処理は配信サービス事業者側課金装置42が行い、携帯端末10並びに配信事業者側コンピュータ装置30へ課金情報を送信する。この場合、前記対価は、配信サービス事業者がユーザが契約しているクレジットカード会社との間での決済後に、前記課金情報に基づき配信事業者に送金して完了する方法が好適である。
【0064】
一方、配信事業者は、本映像コンテンツ視聴システムが起動している携帯端末10に対し、インターネットを介して前記告知用データサーバ33内の告知用データADを送信し、
前述の通りディスプレイ上のテロップ表示の中に告知用データADをテキスト表示し、さらに該テキスト表示中により詳細な告知用データADの配信要求のためのハイパーリンクを含めることができる。ユーザは、本映像コンテンツ視聴システムを利用中に、テロップ表示された前記告知用データADに関心を持った場合、テロップ上をタッチしてより詳細な告知用データADの配信要求を配信事業者に送信することができ、配信事業者は追加の告知用データADを携帯端末10に送信してテロップ表示させたり、あるいは該告知用データADを直接メールにて送信するようにすることもできる。
【0065】
これにより、本映像コンテンツ視聴システムは、携帯端末10上において単に一方的に映像コンテンツデータを出力するだけでなく、各種の告知情報を適宜のタイミングで表示することができ、さらにユーザからの要求を受けて追加の情報提供を行うこともできる。
【0066】
なお、図7では、別途広告主側のコンピュータ装置50も、インターネットを介して携帯端末10と通信可能とした構成を示しており、該広告主側のコンピュータ装置50は、データセットDSを記憶する広告主側サーバ51と、告知用データADを記憶する広告主側告知用データサーバ52を備えている。
【0067】
この場合、広告主が配信事業者とは別に独自のデータセットDSを制作し、すでに本映像コンテンツ視聴システムを利用中の携帯端末10のユーザに対して独自にデータセットDSを追加配信することも可能であり、前述の配信事業者と同じ方法での告知用データADも配信することができる。
【0068】
これにより、広告主がオリジナルのデータセットDSを制作して、配信事業者とは別に独自に携帯端末10に直接配信して配布することができる。これにより、たとえば自社広告に起用した有名タレント等をモデルとしてオリジナルのデータセットDSを制作し、配信事業者のサービスシステムを通じてユーザに告知すれば、タレント等の高い知名度により多数のユーザから広告主の提供するデータセットDSへの配信要求を集めることができる。広告主は、当該データセットDSの映像に自社の商品やサービスを登場させたり、モデルの演技やセリフあるいはテロップ表示を通じて商品・サービスの魅力を訴求させたり、自社のウェブサイトへのアクセスを誘導したりすることが可能となり、データセットDS自体を強力な広告媒体として活用することができる。
【0069】
図8は、請求項8に記載した本発明に係る映像コンテンツ配信サービスシステムの構成の他の一例を示すものである。
【0070】
図8では、本映像コンテンツ配信サービスシステムが、インターネットを介して例えば「Twitter」等に代表される簡易ブログシステムを利用した公衆コミュニケーションサービスサイト(以下、「簡易ブログサイト60」と記す。)や、例えば「Mixi」等に代表されるソーシャルネットワークサービスサイト(以下、「SNSサイト70」と記す。)と通信可能としている。
【0071】
配信事業者は、予め前記データセットDSに登場するモデルごとに前記簡易ブログサイト60の簡易ブログサイト側サーバ61あるいはSNSサイト70のSNSサイト側サーバ71にアカウントを設定し、簡易ブログIDやSNSのIDを取得して本映像コンテンツ配信サービスシステムを通じてユーザに告知しておく。また、配信事業者側の告知用データサーバ33には、予め簡易ブログサイト60やSNSサイト70に適合した内容の告知用データADを記憶させておき、簡易ブログサイト60にはメッセージを、SNSサイトにはモデルごとの専用ページに詳細なプロフィールや画像、メッセージ、日記等の関連データをアップロードしておく。
【0072】
これにより、簡易ブログサイト側サーバ61やSNSサイト側サーバ71にアカウントを有するユーザがこれらのサイトにアクセスした場合、あたかもデータセットDSに登場するモデル本人がアップロード(投稿等)を行っているかの如き錯覚を楽しむことができ、モデルのメッセージや専用ページにメッセージやコメントを寄せることで、携帯端末10の外でもモデルとの間でコミュニケーションする疑似的体験を楽しむことができるのである。
【0073】
以上、本発明に係る映像コンテンツ視聴システム及び映像コンテンツ配信サービスシステムの実施例について具体的な構成と各プロセスについて説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内において改良又は変更が可能であり、それらは本発明の技術的範囲に属するものとする。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、タッチパネル方式のディスプレイを備えるインターネット通信可能な携帯電話機又は携帯情報端末において、ユーザの操作に応じて各種のキャラクターに関する映像コンテンツを出力させることにより、ユーザが特定のキャラクターとコミュニケーションしているかの如き錯覚を楽しむことのできる視聴覚効果を奏する映像コンテンツ視聴システム及び映像コンテンツ配信システムを提供し、かつ、かかる映像コンテンツを通じてユーザに多様な広告等の告知を提供するものであって、インタラクティブ性の高い携帯ゲームの提供及び広告媒体としての利用可能性を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明に係る携帯端末の代表的な機種の外観図である。
【図2】本発明に係る映像コンテンツ視聴システムの基本構成図である。
【図3】本発明に係る映像コンテンツ視聴システムを適用した携帯端末の構成を示す概略図である。
【図4】本発明に係る映像コンテンツ視聴システムの動作プロセスの一例を示すフローチャートである。
【図5】本発明に係る映像コンテンツ視聴システムが出力する映像コンテンツのシーン構成図である。
【図6】本発明に係る映像コンテンツ視聴システムが出力する音声データの一例を示す表である。
【図7】本発明に係る映像コンテンツ配信サービスシステムの構成の一例を示す図である。
【図8】本発明に係る映像コンテンツ配信サービスシステムの構成の他の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0076】
10 携帯端末(携帯電話機又は携帯情報端末)
11 タッチパネル
12 ディスプレイ
13 テロップ表示部
14 時刻表示部
15 記憶部
16 制御部
17 タイマー部
18 加速度センサ
19 スピーカー
101 アンテナ
102 通信制御部
103 表示制御部
104 音声出力制御部
20 インターネット又は公衆携帯通信網
21 ゲートウェイサーバ
22 基地局通信網
23 基地局
30 配信事業者側コンピュータ装置
31 配信事業者側サーバ
32 配信事業者側課金装置
33 配信事業者側告知用データサーバ
40 配信サービス事業者側コンピュータ装置
41 配信サービス事業者側サーバ
42 配信サービス事業者側課金装置
50 広告主側コンピュータ装置
51 広告主側サーバ
52 広告主側告知用データサーバ
60 簡易ブログサイト
61 簡易ブログ側サーバ
70 SNSサイト
71 SNSサイト側サーバ
OS 基本プログラム
AP アプリケーションプログラム
DS データセット
CD 映像コンテンツデータ
V 映像データ
A 音声データ
T テキストデータ
I 出力条件情報
SL 選択参照部
R 参照情報
AD 告知用データ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネル方式のディスプレイを備えるインターネット通信可能な携帯電話機又は携帯情報端末と、
インターネットを介してダウンロードされる、キャラクターの単一又は複数の映像コンテンツデータから成るデータセット及び該映像コンテンツデータ出力制御用のアプリケーションプログラムとから成る映像コンテンツ視聴システムであって、
前記データセットに含まれる前記映像コンテンツデータは、それぞれが一日の特定の時間帯、及び前記携帯電話機又は携帯情報端末への特定の入力方法及び入力位置に対応する出力条件情報を予め有し、
前記アプリケーションプログラムは、
起動時においては、前記携帯電話機又は携帯情報端末が内蔵するタイマー部から取得した現在時刻情報に基づき、起動時刻の属する時間帯に対応する出力条件情報を有する複数の前記映像コンテンツデータから所定の映像コンテンツデータを選択して出力させ、
起動中に入力があった場合においては、入力方法及び入力位置を検出して、該入力方法及び入力位置に対応する出力条件情報を有する複数の前記映像コンテンツデータから所定の映像コンテンツデータを選択して出力させること
を特徴とする映像コンテンツ視聴システム。
【請求項2】
前記アプリケーションンプログラムは、
特定の出力条件情報を有する複数の映像コンテンツデータからの所定の映像コンテンツデータの選択を決定するための参照情報を提供する選択参照部を備えること
を特徴とする請求項1に記載の映像コンテンツ視聴システム。
【請求項3】
前記アプリケーションプログラムは、その起動中に、一定時間入力を検出しなかった場合には、前記キャラクターが登場しない特定の前記映像コンテンツデータを出力させ、
その後入力があった場合には、前記キャラクターの登場する前記所定の映像コンテンツデータのいずれかを出力させること
を特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の映像コンテンツ視聴システム。
【請求項4】
前記携帯電話機又は携帯情報端末が、複数の前記データセットをダウンロードして記憶している場合において、
前記アプリケーションプログラムは、
前記携帯電話機又は携帯情報端末のユーザが任意に各データセットを特定の曜日又は日付における出力対象として設定し、あるいは入れ替えることを可能とし、
前記タイマー部から取得した現在時刻情報及び曜日又は日付情報に基づき、起動時の属する曜日又は日付の出力対象として設定したデータセットからのみ、所定の前記映像コンテンツデータを選択して出力させること
を特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の映像コンテンツ視聴システム。
【請求項5】
前記映像コンテンツデータは、前記ディスプレイの一部に設けたテロップ表示部にテロップを表示するためのテキストデータをさらに含み、
前記アプリケーションプログラムは、予め設定した所定の時間帯に起動した場合に、前記映像とともに前記テキストデータを前記テロップ表示部にテロップ表示で出力すること
を特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の映像コンテンツ視聴システム。
【請求項6】
前記テキストデータに予め所定の外部ウェブサイトのURLが関連付けられている場合には、
前記アプリケーションプログラムは、前記テロップが出力されている状態で前記テロップ表示部上への入力を検出した際、インターネットを介して前記URLに接続し、前記外部ウェブサイトの画面を表示すること
を特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の映像コンテンツ視聴システム。
【請求項7】
ユーザ側の携帯電話機又は携帯情報端末と、インターネットを介して前記データセット及び前記アプリケーションプログラムを配信するコンピュータ装置とからなる映像コンテンツ配信サービスシステムシステムであって、
前記配信事業者側コンピュータ装置は、ユーザに対して前記データセット及び前記アプリケーションプログラムを配信する単一又は複数の配信事業者側サーバと課金装置とを備えるとともに、
ユーザ側からの追加データセット配信要求を受信して、前記サーバから新たなデータセットを配信するとともに、ユーザへの課金処理を行うことにより、
前記携帯電話機又は携帯情報端末において請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の映像コンテンツ視聴システムを実現するとともに、ユーザに新たなデータセット配信の対価の課金処理を行うこと
を特徴とする映像コンテンツ配信サービスシステム。
【請求項8】
前記映像コンテンツ配信サービスシステムシステムは、さらにインターネットを介して所定の公衆コミュニケーションサービス事業者側サーバに接続され、
該公衆コミュニケーションサービス事業者側サーバは、前記キャラクターごとの関連データ(テキストデータ、画像データ、映像データ、音声データのいずれか、あるいはそれらの組み合わせ)を記憶しており、
前記配信事業者側サーバは、キャラクターごとの前記所定の公衆コミュニケーションサービス用ID及び告知用データを、
前記ユーザ側の携帯電話機又は携帯情報端末はユーザ自身の当該公衆コミュニケーションサービス用IDをそれぞれ記憶しており、
ユーザは、前記携帯電話機又は携帯情報端末から前記所定の公衆コミュニケーションサービス事業者側サーバ上のキャラクターの関連データにアクセスするとともにユーザ自身の当該公衆コミュニケーションサービス用IDを送信し、
前記配信事業者側コンピュータ装置は、前記所定の公衆コミュニケーションサービス事業者側サーバから前記ユーザ自身のIDを取得し、インターネットを介して前記告知用データを当該ユーザに対して配信すること
を特徴とする請求項7に記載の映像コンテンツ配信サービスシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−231281(P2012−231281A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−98051(P2011−98051)
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【出願人】(511098840)株式会社KMK’s (1)
【Fターム(参考)】