説明

映像プリント遊戯装置

【課題】 映像プリント遊戯装置において、背景画像である複数のフレーム画像データの使用状況を、装置の設置側で容易かつ即時に把握することが可能で、画像データのバージョンアップ等に迅速かつ的確に対応可能とする。
【解決手段】 フレーム画像の使用回数が計数されており、フレーム使用頻度閲覧が選択されると(#8でYES)、所定期間内での計数値を閲覧し、フレーム画像毎の使用回数をシールにプリントすることができる(#9,#10,#11,#12)。これにより、フレーム画像の使用状況を装置側にて容易に把握することができる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、映像をプリントしたシールを遊戯者に提供することが可能な映像プリント遊戯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の映像プリント遊戯装置としては、所定の金額の硬貨(コイン)が投入されたとき、装置が稼働状態となり、遊戯者が所望する被写体像をカメラを用いて撮像し、この画像と予め用意されたフレーム画像データを背景画像として合成して映像としてCRTに表示すると共に、この映像をビデオプリンタを用いてシール上にプリントするものが知られている。このようなアミューズメント(娯楽)を以下ではシールプリント遊戯と称する(この遊戯は「プリント倶楽部」と愛称されているものである)。
【0003】この種の遊戯装置は、通常、複数の店舗等にそれぞれ1台又は複数台が端末として設置され、それら全体を管理するセンター側の装置と電話回線等によりネットワーク接続されることでシステムが構築され、各端末装置の稼働状況や売り上げ等の管理情報がセンター側に送信され、センター側でシステム全体の管理を行うことができるようになっている。そのセンター側での管理内容として、各端末から送信される稼働状況、フレーム画像毎の使用状況等から、各端末に対してフレーム画像のバージョンアップその他の制御を行うことが含まれる。遊戯装置として、シールをプリントするものではないが、パチンコ台やスロット台において、台のスタート回数や大当たり回数等を記憶し、表示する機能を持たせた装置が知られている(例えば、特開平8−38730号参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記のような従来のシールプリントシステムでは、センター側でのみ管理が可能であって、各端末が設置されている店舗側において、フレーム画像毎の使用状況等を即座に把握することができず、従って、現場である店舗側からフレーム画像の人気度に応じてフレーム画像の更新等について迅速にセンター側に要請するといったことができない状況にあった。また、上記公報に示されるような装置においては、1台の機械の中での遊戯者(客)の好み・趣向をデータとして知るという点では何等関係のないものであり、また、そのような観点からデータの更新を要請するようなものでもない。
【0005】本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、背景画像である複数のフレーム画像データの使用状況を、装置を設置している店舗側で容易かつ即時に把握することが可能で、画像データのバージョンアップ等に迅速かつ的確に対応可能となり、アミューズメント性を高めることができる映像プリント遊戯装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために請求項1の発明は、遊戯者所望の被写体像を撮像する撮像手段と、予め用意されたフレーム画像データを記憶した記憶手段と、フレーム画像データと撮像した被写体像を合成して画面に表示する表示手段と、この画面表示される映像をシール上にプリントする記録手段とを備え、映像をプリントしたシールを遊戯者に提供することが可能な映像プリント遊戯装置において、記憶手段には複数種類のフレーム画像データが記憶され、該装置の利用に際して、選択使用されたフレーム画像の使用回数を計数する計数手段と、所定期間内での計数手段による計数値を閲覧するフレーム使用頻度閲覧手段とを備えたものである。この構成においては、フレーム画像の使用回数が計数手段により計数され、フレーム使用頻度閲覧手段により所定期間内での計数手段による計数値を閲覧することができる。これにより、フレーム画像の使用状況を装置側にて容易に把握することができ、その人気度に応じてフレーム画像データをバージョンアップ又はリニューアルすることに容易に対応することができる。
【0007】また、請求項2の発明は、請求項1に記載の映像プリント遊戯装置において、フレーム使用頻度閲覧手段は、所定期間内でのフレーム画像毎の使用回数を表示し、又は/及び印刷出力するものである。この構成においては、フレーム画像毎の使用回数が表示され、又は/及び印刷出力されるので、フレーム使用頻度を容易に把握することができる。
【0008】また、請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の映像プリント遊戯装置において、フレーム使用頻度閲覧手段は、装置のメンテナンスモードにおいて機能するものである。この構成においては、フレーム使用頻度を装置のメンテナンスモードにて容易に閲覧することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施形態を図面を参照して説明する。図1は映像プリント遊戯装置のシステム全体の構成図である。映像プリント遊戯装置1は、遊戯者が所望する映像をプリントしたシールを遊戯者に提供する遊戯機能と、ホームページを作成し、ホームページをシールにプリントして出力する遊戯機能とを併せ持つものであり、本明細書では、前者の遊戯機能を「シールプリント」と称し、後者の遊戯機能の愛称を「放課後倶楽部」という。映像プリント遊戯装置1は、ディジタル公衆電話回線(ISDN)2によりアクセスポイント3を経てNTTネットワークサービス4に接続される。さらに、このネットワークサービス4にはインターネットへホームページを公開するための放課後画像用サーバ5が接続され、この放課後画像用サーバ5はインターネット6に接続されている。
【0010】また、インターネット6には、専用回線7により本システムの管理者8の管理コンピュータ10がモデム9を介して接続されている。映像プリント遊戯装置1は、映像データと音声データに管理データを付加してISDN2を経て放課後画像用サーバ5に送信する。放課後画像用サーバ5では、管理データを分離し、その管理データ群をインターネット6を経て管理コンピュータ10に伝送する。映像プリント遊戯装置1は、所轄の地域内にある複数の店舗や店頭等に1台又は複数台が設置される。
【0011】図2は一つの映像プリント遊戯装置1のブロック図である。映像プリント遊戯装置1は、遊戯機能の制御を司るコンピュータ12を有し、このコンピュータ12には、制御用のプログラムや、映像の背景となる複数種類のフレーム画像データ等を格納したメモリ(記憶手段)が内蔵されている。コンピュータ12には、遊戯者所望の被写体像を撮像するカメラ13(撮像手段)、撮像した被写体像とフレーム画像データと入力された文字情報とを合成した映像を画面表示するCRT14(表示手段)、音声を入力するためのマイク15、音声出力のためのスピーカ16、上記映像をシールにカラープリントするプリンタ17(記録手段)、遊戯者により投入されたコインを識別しその金額をカウントするコインカウンタ18等が接続されている。また、CRT14上にはタッチパネル式で文字等をデータ入力するための画面が表示される。
【0012】コンピュータ12は、シールプリントの遊戯機能と、インターネットのホームページを作成し、それをインターネットに対して公開する機能及びそのホームページをシールにプリントする機能からなる放課後倶楽部の遊戯機能とを具備しており、上記カメラ13、CRT14、プリンタ17等は、これら両遊戯に兼用している。つまり、カメラ13により撮像した被写体像と、フレーム画像データと、入力された文字データをもとに、シールプリント用の映像が作成され、また、同様の映像をもとにホームページ用の映像が作成され、これらの作成されたシール用の映像やホームページをプリンタ17によりシールにプリントして出力する。作成されたホームページデータは、モデム19及び電話回線を介してネットワーク11に送信される。
【0013】また、本遊戯装置1のコンピュータ12には、フレーム画像の使用回数を計数するカウンタ(計数手段)が内蔵又は外付けにて設けられ、このカウンタは所定期間内でのフレーム画像の使用回数(頻度)をカウントする。さらには、本遊戯装置1側のオペレータの指示に応じて、本遊戯装置1のメンテナンスモードとなり、その中で、上記所定期間内でのフレーム画像毎のカウント値をCRT14に表示し、また、プリンタ17に印刷出力することができるようになっている。この機能手段のことを、フレーム画像の使用頻度を閲覧するという意味で、本明細書では、フレーム使用頻度閲覧手段と称する。
【0014】図3は、映像プリント遊戯装置1のパワーオン後のシールプリントの遊戯機能動作のフローチャートである。ここでは、放課後倶楽部の遊戯機能についての詳細説明は省略する。本装置1のパワーオン後、遊戯者によりコインが投入され、遊戯選択が行われ、シールプリントの遊戯(ゲーム)が開始されると(#2でYES)、遊戯者の好みのフレーム選択が行われ(#3)、そのフレームの使用回数を、カウンタにより計数し、その計数値を+1する(#3−1)。さらに、所望の被写体像をカメラ13により撮影する(#4)。続いて、文字入力が行われる(#5)。これらの操作も、CRT14のガイダンス表示に従って簡単に行うことができる。CRT14には、選択されたフレーム画像を背景に撮影された被写体像と入力された文字情報とが合成された映像が表示される。さらに、この映像はシールにプリント出力される(#6)。シールのプリント態様については後述する。
【0015】ゲーム開始でなければ(#2でNO)、本遊戯装置1のメンテナンスモードの開始であるかを調べる(#7)。本遊戯装置1の操作部からの指示により同モードに入ることができ、同モードに入ると、フレーム使用頻度閲覧が選択されたかを調べ(#8)、これが選択されると、CRT14の画面にフレームの画像と共に、フレーム画像に対応して所定期間内の各フレームの使用回数が表示される(#9,#10)。ここで、印刷が選択されると(#11)、プリンタ17によりフレーム画像毎に各フレームの使用回数がシール上にプリントして出力される(#12)。プリント出力されると、それまでのカウンタの計数値は、リセットされ、次回のフレーム使用頻度閲覧に備える。また、#8でフレーム使用頻度閲覧選択でなければ、その他のメンテナンスを実行する(#13)。
【0016】図4は、上記フレーム使用頻度閲覧で印刷出力されたシールの例を示す図である。シール21は、シール遊戯で使用されるシールプリントと同じものでよく、1枚のシール台紙上に分離可能に複数のシール片22が貼付され、各シール片22に、メモリに格納された映像の背景となる複数種類のフレーム画像データの全てがプリントされ、かつ、各フレーム画像内にそれぞれのフレーム画像データの所定期間内での使用回数がプリントされる。CRT14での表示も、図示していないが、このプリント内容と同等である。
【0017】このようにして、本遊戯装置1を設置している店舗側のオペレータは、フレーム画像毎の使用頻度状況を容易に把握することができ、顧客の趣向が分かるので、フレームの人気度に応じてフレーム画像データをバージョンアップ又はリニューアルすることを、管理コンピュータ10のある本システムの管理者8(センター側)に容易かつ即座に要請することができ、的確な対応が可能となる。
【0018】なお、本遊戯装置1は、上記のように電話回線、ネットワークを介して放課後画像用サーバ5に接続されていて、このサーバ5に映像データ、音声データに管理データを付加して送信する。送信は、放課後倶楽部の起動時と放課後倶楽部の通信時に行われる。放課後画像用サーバ5では、受信したデータから管理データを分離し、この管理データはインターネット6を通じて管理コンピュータ10に転送される。管理コンピュータ10では、受信した管理データを逐次更新し、適宜にこの管理データに基づいて必要な処理を行う。管理データには、例えば、遊戯の種別毎の稼働回数、売り上げ金額、フレーム画像データの個別の利用データが含まれる。また、本遊戯装置1では、データ送信を用いることで、遊戯の種別毎の稼働回数、売り上げ金額、フレーム画像データの個別の利用データは、逐次センター側にが装置がインターネットに接続された時に映像データと共に管理データが送信されるので、管理データを別個に送信する手間は不要となる。なお、画像データのバージョンアップは、ネットサービス4、電話回線2を介して行うことができる。
【0019】なお、本発明は上記実施形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、メンテナンスモードにおいてフレーム使用頻度閲覧が行えるようにして、簡単な操作で閲覧することができようにしたが、個別の閲覧モードを設けてもよい。
【0020】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、背景画像である複数のフレーム画像の使用回数が計数され、その所定期間内での計数値をフレーム使用頻度閲覧機能により閲覧することができるようにしたので、フレーム画像データの使用状況を、装置を設置している店舗側で容易かつ即時に把握することが可能となり、画像データのバージョンアップ等に迅速かつ的確に対応可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による映像プリント遊戯装置のシステム全体の構成図である。
【図2】映像プリント遊戯装置のブロック図である。
【図3】映像プリント遊戯装置の動作のフローチャートである。
【図4】フレーム使用頻度閲覧機能でのプリントシールの印刷例を示す図である。
【符号の説明】
1 映像プリント遊戯装置
12 コンピュータ
13 カメラ(撮像手段)
14 CRT(表示手段)
17 プリンタ(記録手段)
21 シール

【特許請求の範囲】
【請求項1】 遊戯者所望の被写体像を撮像する撮像手段と、予め用意されたフレーム画像データを記憶した記憶手段と、前記フレーム画像データと撮像した被写体像を合成して画面に表示する表示手段と、この画面表示される映像をシール上にプリントする記録手段とを備え、映像をプリントしたシールを遊戯者に提供することが可能な映像プリント遊戯装置において、前記記憶手段には複数種類のフレーム画像データが記憶され、該装置の利用に際して、選択使用されたフレーム画像の使用回数を計数する計数手段と、所定期間内での前記計数手段による計数値を閲覧するフレーム使用頻度閲覧手段とを備えたことを特徴とする映像プリント遊戯装置。
【請求項2】 前記フレーム使用頻度閲覧手段は、所定期間内でのフレーム画像毎の使用回数を表示し、又は/及び印刷出力することを特徴とする請求項1に記載の映像プリント遊戯装置。
【請求項3】 前記フレーム使用頻度閲覧手段は、装置のメンテナンスモードにおいて機能することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の映像プリント遊戯装置。

【図4】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2000−32371(P2000−32371A)
【公開日】平成12年1月28日(2000.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−200449
【出願日】平成10年7月15日(1998.7.15)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】