説明

映像信号受信レベル推定方法および映像信号受信レベル推定装置

【課題】簡単な構成で映像信号の受信レベルの推定し、遠隔サポートセンタで容易にユーザ宅内における故障箇所の切り分けを可能にする。
【解決手段】映像配信サーバからネットワークを介して、ネットワーク終端装置および映像出力装置を備えるユーザ宅へ、映像信号とパイロット信号を周波数多重して配信する映像信号配信システムの映像信号受信レベル推定方法において、映像信号とパイロット信号は、ネットワーク終端装置からそれぞれ規定の信号レベルで出力され、それぞれの周波数とユーザ宅内の伝送距離に応じた減衰特定によりそれぞれの受信レベルに所定の相関関係があり、ネットワーク終端装置と映像出力装置との間で、パイロット信号の受信レベルを測定し、所定の相関関係に基づいてパイロット信号の受信レベルから映像信号の受信レベルを推定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して配信される映像信号の受信レベルを推定する映像信号受信レベル推定方法および映像信号受信レベル推定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、光回線等のブロードバンド通信環境の整備が進み、通信回線を介した映像配信サービスが普及してきている。これらの映像配信サービスにおいて故障により配信映像が閲覧できない等の障害が発生した場合、現状ではユーザ宅内の機器(テレビやケーブルなど) の故障箇所の切り分けを遠隔で行うことはできない。そのため、ユーザから故障の申告を受けた事業者はユーザ宅に作業者を派遣し、ユーザ宅で映像信号受信レベル測定装置を用いて映像信号の受信レベル等の測定を行い、故障箇所の切り分けを行っている(非特許文献1)。その結果、故障箇所が例えばケーブルなどの事業者設備であれば修理や交換等の対象となるが、故障箇所がテレビ等のユーザ設備であれば事業者の管轄外であり、作業者を派遣しても障害の解決にならず、無駄な稼働のみが生じる「無効派遣」になっていた。
【0003】
そこで、このような無効派遣を回避するために、遠隔で故障箇所の切り分けを行う方法について様々な方法が検討されている。その一例について、図7に示す映像信号配信システムを参照して説明する。
【0004】
図7において、映像配信サーバ71からネットワーク72を介して伝送された映像信号はユーザ宅内のネットワーク終端装置73で終端され、さらに宅内ケーブル74を介して映像出力装置75に伝送されて表示される。映像信号の受信レベルを測定する測定装置(レベルチェッカー)76は、ネットワーク終端装置73と映像出力装置75との間の宅内ケーブル74に接続される。測定装置76で測定された受信レベルは、ネットワーク終端装置73を介してネットワーク72に接続される遠隔サポートセンタ77に伝送され、オペレータが当該受信レベルを確認することで、故障箇所の切り分けを行う。
【0005】
図8は、測定装置76の構成例を示す。
図8において、測定装置76は、ネットワーク終端装置73から映像出力装置75に配信されている映像信号の一部を分配する分配器81と、分配器81で分配された映像信号を復調するチューナ82と、チューナ82が復調した映像信号の受信レベルを測定する受信レベル測定器83と、受信レベル情報をネットワーク終端装置83に送信する送信器84により構成される。なお、ネットワーク終端装置73が受信した受信レベル情報は、ネットワーク終端装置73の機能により、または図7に示す遠隔サポートセンタ77からのアクセスにより、ネットワーク終端装置73から遠隔サポートセンタ77へ転送される。
【0006】
このような測定装置76を各ユーザ宅に設置し、映像信号の受信レベルを遠隔サポートセンタ77でモニタすることにより故障箇所の切り分けを行うことが可能である。しかし、一般的に映像信号の受信レベルを測定する測定装置76は、映像信号を復調するためのチューナ72を含むためにサイズが大きく、また高価であるため、各ユーザ宅内に個別に設置することは難しい。
【0007】
なお、非特許文献1で紹介されている測定装置(レベルチェッカー)は、作業者がユーザ宅で故障箇所の切り分けのために所持するもので、送信器74を含まない構成である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】NTT技術ジャーナル 2011.1 、「フレッツ・テレビ故障切分けツールの開発」、pp.58-59
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
映像信号配信システムにおける故障箇所の切り分けを遠隔で行うために、ユーザ宅に映像信号の受信レベルを測定可能な測定装置を設置し、遠隔サポートセンタでオペレータが受信レベルをモニタできるようにするには、ユーザ宅に設置される測定装置の小型化およびコスト低減が極めて重要な課題になる。
【0010】
本発明は、簡単な構成で映像信号の受信レベルの推定し、遠隔サポートセンタで容易にユーザ宅内における故障箇所の切り分けを可能にする映像信号受信レベル推定方法および映像信号受信レベル推定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の発明は、映像配信サーバからネットワークを介して、ネットワーク終端装置および映像出力装置を備えるユーザ宅へ、映像信号とパイロット信号を周波数多重して配信する映像信号配信システムの映像信号受信レベル推定方法において、映像信号とパイロット信号は、ネットワーク終端装置からそれぞれ規定の信号レベルで出力され、それぞれの周波数とユーザ宅内の伝送距離に応じた減衰特定によりそれぞれの受信レベルに所定の相関関係があり、ネットワーク終端装置と映像出力装置との間で、パイロット信号の受信レベルを測定し、所定の相関関係に基づいてパイロット信号の受信レベルから映像信号の受信レベルを推定する。
【0012】
第1の発明の映像信号受信レベル推定方法において、ネットワーク終端装置の出力端で予め測定された映像信号とパイロット信号の出力レベルを入力し、映像信号とパイロット信号の出力レベルと規定の信号レベルとの差に応じて、映像信号とパイロット信号の受信レベルの所定の相関関係を校正し、校正された相関関係に基づいて、パイロット信号の受信レベルから映像信号の受信レベルを推定する。
【0013】
第2の発明は、映像配信サーバからネットワークを介して、ネットワーク終端装置および映像出力装置を備えるユーザ宅へ、映像信号とパイロット信号を周波数多重して配信する映像信号配信システムの映像信号受信レベル推定装置において、映像信号とパイロット信号は、ネットワーク終端装置からそれぞれ規定の信号レベルで出力され、それぞれの周波数とユーザ宅内の伝送距離に応じた減衰特定によりそれぞれの受信レベルに所定の相関関係があり、ネットワーク終端装置と映像出力装置との間で、パイロット信号を検波し、その受信レベルを測定するパイロット信号受信レベル測定手段と、所定の相関関係に基づいて、パイロット信号の受信レベルから映像信号の受信レベルを推定する映像信号受信レベル推定手段とを備える。
【0014】
第2の発明の映像信号受信レベル推定装置において、映像信号受信レベル推定手段は、ネットワーク終端装置の出力端で予め測定された映像信号とパイロット信号の出力レベルを入力し、その各出力レベルと規定の信号レベルとの差に応じて、映像信号とパイロット信号の受信レベルの所定の相関関係を校正し、その校正された相関関係に基づいて、パイロット信号の受信レベルから映像信号の受信レベルを推定する。
【0015】
第2の発明の映像信号受信レベル推定装置において、ネットワーク終端装置に映像信号受信レベル推定手段を配置し、パイロット信号受信レベル測定手段は、パイロット信号の受信レベルをネットワーク終端装置の映像信号受信レベル推定手段に送信する手段を含む。
【0016】
第2の発明の映像信号受信レベル推定装置において、ネットワークに接続される遠隔サポートセンサに映像信号受信レベル推定手段を配置し、パイロット信号受信レベル測定手段は、パイロット信号の受信レベルをネットワーク終端装置を介して、遠隔サポートセンサの映像信号受信レベル推定手段に送信する手段を含む。
【発明の効果】
【0017】
本発明の映像信号受信レベル推定方法は、映像信号の受信レベルを直接測定する代わりに、映像信号配信システムにおいて試験信号として配信されているパイロット信号(無変調の正弦波)の受信レベルを測定し、その受信レベルから映像信号の受信レベルを推定することにより、故障箇所の切り分けを可能にする。
【0018】
本発明の映像信号受信レベル推定装置は、パイロット信号の受信レベルから映像信号の受信レベルを推定することにより、映像信号を復調するチューナを不要とし、小型かつ安価な構成で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】パイロット信号および各映像信号の受信レベル特性を示す図である。
【図2】パイロット信号と各映像信号の受信レベル相関グラフを示す図である。
【図3】本発明の映像信号受信レベル推定装置の実施例1の構成を示す図である。
【図4】本発明の映像信号受信レベル推定装置の実施例2の構成を示す図である。
【図5】ネットワーク終端装置の出力レベル誤差を含む受信レベル相関グラフを示す図である。
【図6】パイロット信号と各映像信号の受信レベル相関グラフの校正を説明する図である。
【図7】映像信号配信システムの構成例を示す図である。
【図8】測定装置76の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(発明の原理)
本発明は、映像信号配信システムにおいて、通信機器の試験を行うための試験信号として配信されているパイロット信号(無変調の正弦波)の受信レベルを測定し、その受信レベルから映像信号の受信レベルを推定することが特徴であるので、まず、パイロット信号の受信レベルから映像信号の受信レベルを推定できる原理について説明する。
【0021】
パイロット信号は無変調の正弦波であるため、フィルタや検波器などの簡易な装置を組み合わせることで受信レベルを測定することができる。
【0022】
また、図7および図8に示すネットワーク終端装置73から出力される信号レベルは、パイロット信号、映像信号共にそれぞれ基準値が定められており、当該基準値から許容される誤差範囲内で出力される。すなわち、図7に示す映像配信サーバ71からユーザ宅までの距離等に依存せず、一定の信号レベルでパイロット信号および映像信号がネットワーク終端装置73から出力されることになる。また、ユーザ宅内での信号配信に利用されるケーブルの種類は限定されており、それらのいずれを用いた場合でも、各信号レベルは周波数と伝送距離に応じて同様に減衰する。
【0023】
図1は、パイロット信号および各映像信号の受信レベル特性を示す。
図1において、ネットワーク終端装置73から出力される信号レベルの基準値は、例えばパイロット信号はA [dBμV]、地デジ信号はB [dBμV]、BS信号はC [dBμV]、CS信号はD [dBμV]と規定されている。すなわち、各信号は、これらの基準値から許容誤差の範囲内で、実際に出力される。また、各信号レベルは、ケーブルの種類には依存せず、ケーブル長と周波数に応じて減衰するが、一般に周波数が高いほどケーブル損失が大きいため、各信号の減衰量はCS信号>BC信号>地デジ信号>パイロット信号の順番となる。
【0024】
ネットワーク終端装置73からあるケーブル長の位置における各信号の受信レベルは、信号の周波数に依存して異なるものの、その減衰量はケーブルの種類に依存せず、距離および周波数の関数で表される。そのため、いずれかのケーブルで各周波数の伝送距離による減衰特性(ネットワーク終端装置の出力を初期値とした受信レベル特性)を測定しておけば、いずれか1つの信号の受信レベルを測定することにより、他の信号の受信レベルを推定することが可能となる。なお、実際は、各信号の伝送に用いられる周波数はそれぞれ定められているため、各信号の使用する周波数についての減衰特性を測定しておけば足りる。
【0025】
このように、各信号の周波数について予め測定して得られる図1に示すパイロット信号および各映像信号の受信レベル特性から、図2に示すパイロット信号の受信レベルを基準とした各映像信号の受信レベル相関グラフ(テーブル)を作成することができる。図2において、横軸はパイロット信号の受信レベルであり、各受信レベルにおける他の映像信号の受信レベルがパイロット信号と当該映像信号との受信レベルの差として記録される。
【0026】
本発明では、ユーザ宅内に設置した映像信号受信レベル推定装置においてパイロット信号の受信レベルを測定し、その受信レベルを用いて図2に示す受信レベル相関グラフを参照することによって、各映像信号の受信レベルを一意に推定することができる。
【実施例1】
【0027】
図3は、本発明の映像信号受信レベル推定装置の実施例1の構成を示す。ここでは、図7に示す映像信号配信システムのネットワーク終端装置73からユーザ宅内部分を示す。
【0028】
図3において、実施例1の映像信号受信レベル推定装置10は、ネットワーク終端装置73と映像出力装置75との間の宅内ケーブル74に接続され、分配器11、フィルタ12、検波器13、パイロット信号受信レベル測定器14、映像信号受信レベル推定器15、送信器16により構成される。分配器11は、ネットワーク終端装置73から映像出力装置75に配信される信号の一部を分配する。フィルタ12は、分配器11で分配された信号からパイロット信号の周波数帯域のみを通過させて検波器13に出力する。検波器13は、パイロット信号を検出し、A/D変換してパイロット信号受信レベル測定器14に出力する。パイロット信号受信レベル測定器14は、入力されたパイロット信号の受信レベルを測定し、その値を映像信号受信レベル推定器15に出力する。なお、分配器11を挿入することで、例えば2分配器であれば3dB程度の損失が発生するため、パイロット信号の受信レベルの測定を行う際は分配器11による損失分を考慮する必要がある。
【0029】
映像信号受信レベル推定器15は、パイロット信号の受信レベルに対応する各映像信号の受信レベルを、図2に示す受信レベル相関グラフを参照して推定し、その受信レベル推定情報を送信器16に出力する。送信器16は、各映像信号の受信レベル推定情報を無線回線または宅内ケーブル74を介してネットワーク終端装置73に送信する。
【0030】
ネットワーク終端装置73に送信された各映像信号の受信レベル推定情報は、ネットワーク終端装置73に一旦蓄積され、定期的に図7に示す遠隔サポートセンタ77に転送する方法や、遠隔サポートセンタ77からのアクセスによりネットワーク終端装置73から遠隔サポートセンタ77へ転送する方法となる。また、映像信号受信レベル推定装置10の送信器16からネットワーク終端装置73を介して遠隔サポートセンタ77へ直接送信する方法でもよい。
【0031】
このような本実施例の映像信号受信レベル推定装置10は、パイロット信号の受信レベルから各映像信号の受信レベルを推定する構成であるので、各映像信号を復調するチューナが不要であり、小型かつ安価な構成で実現することができる。
【実施例2】
【0032】
図4は、本発明の映像信号受信レベル推定装置の実施例2の構成を示す。
実施例2の映像信号受信レベル推定装置は、ネットワーク終端装置73と映像出力装置75との間の宅内ケーブル74に接続されるパイロット信号受信レベル測定装置20と、ネットワーク終端装置73に配置される映像信号受信レベル推定器15とにより構成される。パイロット信号受信レベル測定装置20は、実施例1の映像信号受信レベル推定装置10と同様の分配器11、フィルタ12、検波器13、パイロット信号受信レベル測定器14、送信器16により構成される。すなわち、パイロット信号受信レベル測定器14が測定したパイロット信号の受信レベルは、送信器16からネットワーク終端装置73の映像信号受信レベル推定器15に転送される。なお、パイロット信号受信レベル測定装置20も、各映像信号を復調するチューナが不要であり、小型かつ安価な構成で実現することができる。
【0033】
映像信号受信レベル推定器15は、実施例1と同様に、パイロット信号の受信レベルから各映像信号の受信レベルを推定する。各映像信号の受信レベル推定情報は、定期的に図7に示す遠隔サポートセンタ77に転送するか、遠隔サポートセンタ77からのアクセスによりネットワーク終端装置73から遠隔サポートセンタ77へ転送される。
【0034】
また、映像信号受信レベル推定器15は、ネットワーク終端装置73に配置する代わりに、図7に示す遠隔サポートセンタ77にあっても構わない。その場合には、パイロット信号受信レベル測定装置20で測定したパイロット信号の受信レベルは、ユーザ情報とともに、ネットワーク終端装置15を介して遠隔サポートセンタ77の映像信号受信レベル推定器15に転送され、当該ユーザ宅の各映像信号の受信レベルが推定されることになる。
【実施例3】
【0035】
上記の原理説明、実施例1および実施例2では、ネットワーク終端装置73から出力されるパイロット信号および映像信号の出力レベルはほぼ基準値に近い値で出力されるとし、図2に示す受信レベル相関グラフに基づいてパイロット信号の受信レベルから各映像信号の受信レベルを一意に推定する方法を説明した。
【0036】
しかし、通信回線が光回線以外であったり、または光回線でもネットワーク終端装置73の出力レベル誤差が比較的大きい場合がある。ネットワーク終端装置73の出力レベル誤差が大きくなると、図5に示す受信レベル相関グラフのように、パイロット信号の受信レベルから推定される映像信号の受信レベル推定値はある幅を持つこととなり、推定精度が劣化する可能性がある。なお、図5は、図2に示す1つの映像信号における受信レベル相関グラフを例示している。
【0037】
そこで、実施例3では、パイロット信号および各映像信号について、ネットワーク終端装置73の出力レベル誤差が大きい場合(すなわち、図1の基準値A〜Dがユーザ宅により異なる場合)でも、パイロット信号の受信レベルに対する映像信号の受信レベル推定精度を高めるための受信レベル相関グラフの校正方法について説明する。
【0038】
ここでは、図4に示す実施例2の映像信号受信レベル推定装置の構成に基づいて説明する。すなわち、ネットワーク終端装置73と映像出力装置75との間の宅内ケーブル74にパイロット信号受信レベル測定装置20を接続し、ネットワーク終端装置73に映像信号受信レベル推定器15を配置する構成である。
【0039】
このパイロット信号受信レベル測定装置20をユーザ宅に設置する時に、ネットワーク終端装置73のパイロット信号および各映像信号の出力レベルを測定し、映像信号受信レベル推定器15に記録する。映像信号受信レベル推定器15では、図6に示すように、ネットワーク終端装置73のパイロット信号および各映像信号の出力レベル(初期値)を用いて受信レベル相関グラフの校正を行う。このように、基準値とユーザ宅設置時のネットワーク終端装置73の出力レベルとの間の誤差を考慮して校正された受信レベル相関グラフを用いることにより、パイロット信号受信レベル測定装置20で測定されるパイロット信号の受信レベルに対応する各映像信号の受信レベルを精度よく推定することができる。
【0040】
なお、実施例3においても、映像信号受信レベル推定器15は、ネットワーク終端装置73に配置する代わりに、図7に示す遠隔サポートセンタ77にあっても構わない。その場合には、まず、ネットワーク終端装置73のパイロット信号および各映像信号の出力レベル(初期値)がユーザ情報とともに遠隔サポートセンタ77に転送されて受信レベル相関グラフの校正が行われる。次に、パイロット信号受信レベル測定装置20で測定したパイロット信号の受信レベルが、ユーザ情報とともに、ネットワーク終端装置15を介して遠隔サポートセンタ77の映像信号受信レベル推定器15に転送され、当該ユーザ宅の各映像信号の受信レベルが推定されることになる。
【0041】
このように、各ユーザ宅にパイロット信号受信レベル測定装置20を設置する時に、ネットワーク終端装置73のパイロット信号および各映像信号の出力レベルを測定することにより、各ユーザ宅ごとの受信レベル相関グラフを校正することができる。したがって、ネットワーク終端装置からの出力レベル誤差が大きい場合でも、パイロット信号の受信レベルから各映像信号の受信レベルを精度高く推定することができる。
【符号の説明】
【0042】
10 映像信号受信レベル推定装置
11 分配器
12 フィルタ
13 検波器
14 パイロット信号受信レベル測定器
15 映像信号受信レベル推定器
16 送信器
20 パイロット信号受信レベル測定装置
71 映像配信サーバ
72 ネットワーク
73 ネットワーク終端装置
74 宅内ケーブル
75 映像出力装置
76 測定装置(レベルチェッカー)
77 遠隔サポートセンタ
81 分配器
82 チューナ
83 受信レベル測定器
84 送信器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像配信サーバからネットワークを介して、ネットワーク終端装置および映像出力装置を備えるユーザ宅へ、映像信号とパイロット信号を周波数多重して配信する映像信号配信システムの映像信号受信レベル推定方法において、
前記映像信号と前記パイロット信号は、前記ネットワーク終端装置からそれぞれ規定の信号レベルで出力され、それぞれの周波数と前記ユーザ宅内の伝送距離に応じた減衰特定によりそれぞれの受信レベルに所定の相関関係があり、
前記ネットワーク終端装置と前記映像出力装置との間で、前記パイロット信号の受信レベルを測定し、前記所定の相関関係に基づいて前記パイロット信号の受信レベルから前記映像信号の受信レベルを推定する
ことを特徴とする映像信号受信レベル推定方法。
【請求項2】
請求項1に記載の映像信号受信レベル推定方法において、
前記ネットワーク終端装置の出力端で予め測定された前記映像信号と前記パイロット信号の出力レベルを入力し、
前記映像信号と前記パイロット信号の出力レベルと前記規定の信号レベルとの差に応じて、前記映像信号と前記パイロット信号の受信レベルの前記所定の相関関係を校正し、
前記校正された相関関係に基づいて、前記パイロット信号の受信レベルから前記映像信号の受信レベルを推定する
ことを特徴とする映像信号受信レベル推定方法。
【請求項3】
映像配信サーバからネットワークを介して、ネットワーク終端装置および映像出力装置を備えるユーザ宅へ、映像信号とパイロット信号を周波数多重して配信する映像信号配信システムの映像信号受信レベル推定装置において、
前記映像信号と前記パイロット信号は、前記ネットワーク終端装置からそれぞれ規定の信号レベルで出力され、それぞれの周波数と前記ユーザ宅内の伝送距離に応じた減衰特定によりそれぞれの受信レベルに所定の相関関係があり、
前記ネットワーク終端装置と前記映像出力装置との間で、前記パイロット信号を検波し、その受信レベルを測定するパイロット信号受信レベル測定手段と、
前記所定の相関関係に基づいて、前記パイロット信号の受信レベルから前記映像信号の受信レベルを推定する映像信号受信レベル推定手段と
を備えたことを特徴とする映像信号受信レベル推定装置。
【請求項4】
請求項3に記載の映像信号受信レベル推定装置において、
前記映像信号受信レベル推定手段は、前記ネットワーク終端装置の出力端で予め測定された前記映像信号と前記パイロット信号の出力レベルを入力し、その各出力レベルと前記規定の信号レベルとの差に応じて、前記映像信号と前記パイロット信号の受信レベルの前記所定の相関関係を校正し、その校正された相関関係に基づいて、前記パイロット信号の受信レベルから前記映像信号の受信レベルを推定する
ことを特徴とする映像信号受信レベル推定装置。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の映像信号受信レベル推定装置において、
前記ネットワーク終端装置に前記映像信号受信レベル推定手段を配置し、
前記パイロット信号受信レベル測定手段は、前記パイロット信号の受信レベルを前記ネットワーク終端装置の前記映像信号受信レベル推定手段に送信する手段を含む
ことを特徴とする映像信号受信レベル推定装置。
【請求項6】
請求項3または請求項4に記載の映像信号受信レベル推定装置において、
前記ネットワークに接続される遠隔サポートセンサに前記映像信号受信レベル推定手段を配置し、
前記パイロット信号受信レベル測定手段は、前記パイロット信号の受信レベルを前記ネットワーク終端装置を介して、前記遠隔サポートセンサの前記映像信号受信レベル推定手段に送信する手段を含む
ことを特徴とする映像信号受信レベル推定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−13031(P2013−13031A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−146051(P2011−146051)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】