説明

映像信号変換装置、映像信号変換方法及び映像信号変換プログラム

【課題】同一の映像クロックだけでなく、異なった映像クロックの複数チャンネルの非圧縮デジタル映像データを伝送する場合にも、映像データの伝送に使用する信号線の数を抑えることを目的とする。
【解決手段】クロック乗せ換え器A104は、映像信号Aと水平同期信号Aと垂直同期信号Aとの映像クロック信号Aに同期した信号を多重させた多重信号Aを、映像クロック信号Aの2倍以上のクロック周波数の伝送クロックに同期させた映像信号YC’aを生成する。クロック乗せ換え器B114は、映像信号Bと水平同期信号Bと垂直同期信号Bとの映像クロック信号Bに同期した信号を多重させた多重信号Bを、前記伝送クロックに同期させた映像信号YC’bを生成する。前記映像信号YC’a及び前記映像信号YC’bと前記伝送クロックとが映像信号受信器202へ出力される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、映像データの伝送技術に関する。特に、この発明は、信号線の総数を減らして映像データの伝送を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
非圧縮デジタル映像データの伝送を行う場合、例えばITU−R.BT−601形式はY信号8ビット、Cb/Cr信号に8ビット、垂直同期信号に1ビット、水平同期信号に1ビット、有効データを示す信号に1ビット、さらにドットクロック信号に1ビットの合計20ビットの信号を出力している。
【0003】
また、非圧縮デジタル映像データの伝送を行う場合、例えばITU−R.BT−656形式はY信号、Cb/Cr信号、垂直同期信号、水平同期信号、有効データを示す信号を8ビットに多重し、さらにドットクロック信号に1ビットの合計9ビットの信号を出力している。
【0004】
特許文献1には、映像データの伝送に使用する信号線の数を減らすことについて記載がある。特許文献1では、単位時間当り6ビットの情報量を有するR信号、G信号及びB信号を、時分割多重することにより単位時間当り6ビットの情報量を有するRGB信号と1ビットの判別信号MKRに変換している。これにより、R信号、G信号及びB信号を伝送するために必要な信号線の数が18本から7本となり、11本の信号線を削減している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平2001−224045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載された方法では、同一の映像クロックで動作する映像信号しか時分割多重することができない。そのため、異なった映像クロックで動作する複数チャンネルの映像信号は多重することができない。
この発明は、同一の映像クロックだけでなく、異なった映像クロックの複数チャンネルの非圧縮デジタル映像データを伝送する場合にも、映像データの伝送に使用する信号線の数を抑えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る映像信号変換装置は、
クロック周波数Aの映像クロック信号Aを入力として、前記映像クロック信号Aの2倍以上の速さのクロック周波数の映像クロック信号2Aを出力する逓倍器Aと、
映像信号Aと水平同期信号Aと垂直同期信号Aとの前記映像クロック信号Aに同期した信号を、前記逓倍器Aが出力した映像クロック信号2Aに同期させて多重することにより、1つの多重信号Aを生成する信号多重部Aと、
クロック周波数Bの映像クロック信号Bを入力として、前記映像クロック信号Bの2倍以上の速さのクロック周波数の映像クロック信号2Bを出力する逓倍器Bと、
映像信号Bと水平同期信号Bと垂直同期信号Bとの前記映像クロック信号Bに同期した信号を、前記逓倍器Bが出力した映像クロック信号2Bに同期させて多重することにより、1つの多重信号Bを生成する信号多重部Bと、
前記信号多重部Aが生成した多重信号Aを、前記映像クロック信号2A以上の速さ、かつ、前記映像クロック信号2B以上の速さのクロック周波数の伝送クロックに同期させた出力信号Aを生成するとともに、前記信号多重部Bが生成した多重信号Bを前記伝送クロックに同期させた出力信号Bを生成する出力信号生成部と
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係る映像信号変換装置は、映像クロック信号Aに同期した映像信号Aを多重信号Aとし、映像クロック信号Bに同期した映像信号Bを多重信号Bとし、多重信号Aと多重信号Bとをそれぞれ伝送クロックに同期した出力信号A,Bとしている。そのため、映像クロック信号Aと映像クロック信号Bとのクロックが同一であるか異なるかにかかわらず、映像信号A,Bの伝送に使用する信号線の数を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態1に係る映像伝送装置100の機能を示す機能ブロック図。
【図2】実施の形態1にかかる映像伝送装置100の動作を示すタイミング図。
【図3】実施の形態1にかかる映像伝送装置100の動作を示すタイミング図。
【図4】映像信号YC’a341及び映像信号YC’b441として出力される映像信号値に多重される情報の割り当ての例を示す図。
【図5】実施の形態2に係る映像伝送装置100の機能を示す機能ブロック図。
【図6】実施の形態2にかかる映像伝送装置100の動作を示すタイミング図。
【図7】映像信号YC’622として出力される映像信号値に多重される情報の割り当ての例を示す図。
【図8】実施の形態3に係る映像伝送装置100の機能を示す機能ブロック図。
【図9】実施の形態3にかかる映像伝送装置100の第2の動作を示すタイミング図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る映像伝送装置100(映像信号変換装置)の機能を示す機能ブロック図である。
【0011】
クロック発生器200は、映像伝送装置100に対して、伝送クロックTCKを出力する。なお、伝送クロックTCKは、後述する映像クロックVCKaの2倍より速いクロック周波数のクロックで、かつ、後述する映像クロックVCKbの2倍より速いクロック周波数のクロックである。
【0012】
映像信号出力器A201は、映像伝送装置100に対して、映像クロック信号VCKa(映像クロック信号A)、水平同期信号HSYNCa、垂直同期信号VSYNCa、有効画素判定信号DEa、輝度信号Ya(8ビット)、及び色差信号Ca(8ビット)を出力する。なお、輝度信号Yaと色差信号Caとを合わせて映像信号Aと呼ぶ。
【0013】
映像信号出力器B211は、映像伝送装置100に対して、映像クロック信号VCKb(映像クロック信号B)、水平同期信号HSYNCb、垂直同期信号VSYNCb、有効画素判定信号DEb、輝度信号Yb(8ビット)、及び色差信号Cb(8ビット)を出力する。なお、輝度信号Ybと色差信号Cbとを合わせて映像信号Bと呼ぶ。
【0014】
映像伝送装置100は、映像信号出力器A201が出力する映像信号A(Ya,Ca)と、映像信号出力器B211が出力する映像信号B(Yb,Cb)とを、クロック発生器200が発生させた伝送クロックTCKに同期させて、映像信号受信器202へ伝送する。
映像伝送装置100は、逓倍器A101、レベル変換器A102、マルチプレクサA103(信号多重部A)、クロック乗せ換え器A104(出力信号生成部)を備える。また、映像伝送装置100は、逓倍器B111、レベル変換器B112、マルチプレクサB113(信号多重部B)、クロック乗せ換え器B114(出力信号生成部)を備える。
【0015】
逓倍器A101は、映像信号出力器A201から出力される映像クロック信号VCKaを2倍に逓倍したクロック(映像クロック信号2A)を出力する。
【0016】
レベル変換器A102は、映像信号出力器Aから出力された輝度信号Yaと色差信号Caとのレベルを変換して、輝度信号Y’aと色差信号C’aとにする。例えば、レベル変換器A102は、輝度信号及び色差信号のレベル範囲0x00〜0xFFをレベル範囲0x10〜0xEFに変換する。
【0017】
マルチプレクサA103は、逓倍器A101が出力した映像クロックVCKaの2倍のクロックを用いて、レベル変換器A102が出力した輝度信号Y’aと色差信号C’aとを時分割多重し8ビットの信号に変換する。
さらに、マルチプレクサA103は、有効画素判定信号DEaがブランキング期間を示す期間に、水平同期信号HSYNCaと垂直同期信号VSYNCaとブランキング画素とを示す情報を多重し、映像信号YCa(8ビット)(多重信号A)として出力する。なお、ブランキング期間とは、画素が有効でない期間である。
【0018】
クロック乗せ換え器A104は、マルチプレクサA103が出力した映像信号YCaを、クロック発生器200が出力した伝送クロックTCKに同期させて出力する。なお、クロック乗せ換え器A104は、伝送クロックTCKと映像クロックVCKaとのクロック差により映像信号YCaに有効なデータがない場合は、無効データを示す情報を多重し、映像信号YC’a(8ビット)(出力信号A)として出力する。
【0019】
逓倍器B111は、映像信号出力器B211から出力される映像クロック信号VCKbを2倍に逓倍したクロック(映像クロック信号2B)を出力する。
【0020】
レベル変換器B112は、レベル変換器A102と同じように、映像信号出力器B211から送出される輝度信号Ybと色差信号Cbとのレベルを変換して、輝度信号Y’bと色差信号C’bとにする。
【0021】
マルチプレクサB113は、マルチプレクサA103と同じように、逓倍器A101が出力した映像クロックVCKbの2倍のクロックを用いて、レベル変換器B112が出力した輝度信号Y’bと色差信号C’bとを時分割多重し8ビットの信号に変換する。
さらに、マルチプレクサB113は、マルチプレクサA103と同じように、有効画素判定信号DEbがブランキング期間を示す期間に、水平同期信号HSYNCbと垂直同期信号VSYNCbとブランキング画素を示す情報とを多重し、映像信号YCb(8ビット)(多重信号B)として出力する。
【0022】
クロック乗せ換え器B114は、クロック乗せ換え器A104と同じように、マルチプレクサB113が出力した映像信号YCbを、クロック発生器200が出力した伝送クロックTCKに同期させて出力する。なお、クロック乗せ換え器B114は、伝送クロックTCKと映像クロックVCKbとのクロック差により映像信号YCbに有効なデータがない場合は、無効データを示す情報を多重し、映像信号YC’b(8ビット)(出力信号B)として出力する。
【0023】
映像信号受信器202は、映像伝送装置100から伝送クロックTCKと映像信号YC’aと映像信号YC’bとを受信する。映像信号受信器202は、受信した映像信号YC’aと映像信号YC’bとのそれぞれについて、無効データの分離、垂直同期信号の分離、水平同期信号の分離、有効画素判定信号の分離、輝度信号の分離、及び色差信号の分離を行う。また、映像信号受信器202は、輝度信号及び色差信号について、レベル変換器A102及びレベル変換器B112で行ったレベル変換の逆変換を行う。
これにより、映像信号出力器A201が映像伝送装置100に入力した映像データAと、映像信号出力器B211が映像伝送装置100に入力した映像データBとが再生される。
【0024】
図2は、実施の形態1にかかる映像伝送装置100の動作を示すタイミング図である。図2では、映像信号出力器A201から映像伝送装置100に入力された映像信号の変換処理を示している。
【0025】
垂直同期信号VSYNCa301、水平同期信号HSYNCa302、有効画素判定信号DEa303、輝度信号Ya304、及び色差信号Ca305は、映像信号出力器A201から映像伝送装置100に入力される信号を示している。
【0026】
垂直同期信号VSYNCa301、水平同期信号HSYNCa302、及び有効画素判定信号DEa303はHighの場合に有意となる信号である。特に、有効画素判定信号DEa303がLowの期間は、輝度信号Ya304及び色差信号Ca305はブランク期間となり有効なデータが入力されない。一方、有効画素判定信号DEa303がHighの期間は、輝度信号Ya304、及び色差信号Ca305に有効データが入力される。
【0027】
垂直同期信号VSYNCa311、水平同期信号HSYNCa312、有効画素判定信号DEa313、輝度信号Ya314、及び色差信号Ca315は、垂直同期信号VSYNCa301、水平同期信号HSYNCa302、有効画素判定信号DEa303、輝度信号Ya304、及び色差信号Ca305の一部をそれぞれ拡大した信号を示している。
【0028】
輝度信号Ya314は、有効画素判定信号DEa313がLowの期間はブランク期間となり、有効画素判定信号DEa313がHighの期間はY0,Y1,Y2,...の順番に画素データが入力される。
色差信号Ca315は、有効画素判定信号DEa313がLowの期間はブランク期間となり、有効画素判定信号DEa313がHighの期間はC0,C1,C2,...の順番に画素データが入力される。
【0029】
映像信号クロックVCKa320は、映像信号出力器A201から映像伝送装置100に入力される信号を示しており、輝度信号Y’a324及び色差信号C’a325は、レベル変換器A102が出力する信号を示している。輝度信号Y’a324は、輝度信号Ya314のY0,Y1,Y2,...がそれぞれY’0,Y’1,Y’2,...に変換されたことを示している。同様に、色差信号C’a325は、色差信号Ca315のC0,C1,C2,...がそれぞれC’0,C’1,C’2,...に変換されたことを示している。
【0030】
映像クロックVCK2a330は、逓倍器A101が出力する映像クロックVCKaの2倍のクロック周波数のクロックを示しており、映像信号YCa331は、マルチプレクサA103が出力する映像信号を示している。
映像信号YCa331は、垂直同期信号VSYNCa311がHighの期間は垂直同期信号が有効であることを示す情報(図2では‘V’として記載)が多重される。また、映像信号YCa331は、水平同期信号HSYNCa312がHighの期間は水平同期信号が有効であることを示す情報(図2では‘H’として記載)が多重される。また、映像信号YCa331は、垂直同期信号VSYNCa311がLowであり、かつ、水平同期信号HSYNCa312がLowであり、かつ、有効画素判定信号DEa313がLowであるの期間はブランキング期間であることを示す情報(図2では‘B’として記載)が多重される。また、映像信号YCa331は、有効画素判定信号DEa313がHighの期間は輝度信号Y’a324と色差信号C’a325とが時分割に多重される。また、映像信号YCa331は、映像クロックVCK2a330に同期して出力される。
なお、図2では示されていないが、映像信号YCa331は、垂直同期信号VSYNCa311がHighであり、かつ、水平同期信号HSYNCa312がHighである期間は、垂直同期信号及び水平同期信号が有効であることを示す情報が多重される。
【0031】
伝送クロックTCK340はクロック発生器200が出力するクロックを示しており、映像信号YC’a341はクロック乗せ換え器A104が出力する映像信号を示している。
映像信号YC’a341としては、映像信号YCa331の信号が順次出力される。映像信号YC’a341は、映像クロックVCK2a320と伝送クロックTCK340のクロック周波数差により映像信号YCa331のデータが不足した場合は、無効データを示す情報(図2では‘N’と記載)が多重される。また、映像信号YC’a341は、伝送クロックTCK340に同期して出力される。
【0032】
なお、図2では、伝送クロックTCK340が映像クロックVCKa320の3倍のクロック周波数であるため、映像信号YC’a341には、3画素に1回無効データを示す情報が多重されている。
【0033】
図3は、実施の形態1にかかる映像伝送装置100の動作を示すタイミング図である。図3では、映像信号出力器B211から映像伝送装置100に入力された映像信号の変換処理を示している。
【0034】
映像信号出力器B211から映像伝送装置100に入力された映像信号の変換処理は、図2に基づき説明した、映像信号出力器A201から映像伝送装置100に入力された映像信号の変換処理と同様である。したがって、説明を省略する。なお、図3において、各信号は、以下の情報を示している。
垂直同期信号VSYNCb401、水平同期信号HSYNCb402、有効画素判定信号DEb403、輝度信号Yb404、及び色差信号Cb405は、映像信号出力器B211から映像伝送装置100に入力される信号を示している。
垂直同期信号VSYNCb411、水平同期信号HSYNCb412、有効画素判定信号DEb413、輝度信号Yb414、及び色差信号Cb415は、垂直同期信号VSYNCb401、水平同期信号HSYNCb402、有効画素判定信号DEb403、輝度信号Yb404、及び色差信号Cb405の一部をそれぞれ拡大した信号を示している。
映像信号クロックVCKb420は、映像信号出力器B211から映像伝送装置100に入力される信号を示しており、輝度信号Y’b424及び色差信号C’b425は、レベル変換器B112が出力する信号を示している。
映像クロックVCK2b430は、逓倍器B111が出力する映像クロックVCKbの2倍のクロック周波数のクロックを示しており、映像信号YCb431は、マルチプレクサB113が出力する映像信号を示している。
伝送クロックTCK440は、クロック発生器200が出力するクロックを示しており、図2に示す伝送クロックTCK340と同一のクロックである。映像信号YC’b441は、クロック乗せ換え器B114が出力する映像信号を示している。
【0035】
なお、図3では、伝送クロックTCK440は、映像クロックVCKb420の4倍のクロック周波数であるため、映像信号YC’b441には、2画素に1回無効データを示す情報が多重されている。
【0036】
図4は、映像信号YC’a341及び映像信号YC’b441として出力される映像信号値に多重される情報の割り当ての例を示す図である。
信号値500は、映像信号YC’a341、及び映像信号YC’b441から出力される0x00〜0xFFまでの信号値を示している。信号の意味501は、信号値500に対する信号の意味を示している。記号502は、図2及び図3で示した記号との対応を示している。
図4に示すように、レベル変換器A102やレベル変換器B112で信号値のレベルを変換することにより、有効画素値データとして使用しなくなった信号値に、垂直同期信号情報、水平同期信号情報、ブランク期間情報、無効データ情報が多重される。
【0037】
以上のように、実施の形態1に係る映像伝送装置100では、垂直同期信号、水平同期信号、有効画素判別信号、輝度信号、及び色差信号の計19ビットの信号を8ビットの映像信号に多重して出力することができる。
特に、実施の形態1に係る映像伝送装置100では、映像クロックと伝送クロックとの周波数差を示す情報(無効データ)を映像信号に多重して出力する。そのため、映像クロックの異なる複数チャンネルの映像データを送信することができる。なお、この場合、クロック信号は共通のクロック1本で出力することができる。
【0038】
これにより、例えば、映像クロックの異なる2チャンネルの映像データを出力する場合は、38本の信号を17本の信号で出力することができる。つまり、21本の信号線を削減することができ、映像信号を伝送するための信号線を抑えることができる。
【0039】
実施の形態2.
実施の形態1では、映像伝送装置100は、映像信号出力器A201が出力する映像信号Aと、映像信号受信器202が出力する映像信号Bとをそれぞれ、8ビットの映像信号に変換して、映像信号受信器202へ伝送した。実施の形態2では、映像伝送装置100は、映像信号出力器A201が出力する映像信号Aと、映像信号受信器202が出力する映像信号Bとをまとめて、8ビットの映像信号に変換して、映像信号受信器202へ伝送する。
【0040】
図5は、実施の形態2に係る映像伝送装置100の機能を示す機能ブロック図である。
【0041】
実施の形態2に係る映像伝送装置100は、図1に示す実施の形態1に係る映像伝送装置100の構成から、クロック乗せ換え器A104及びクロック乗せ換え器B114がなくなり、クロック乗せ換え器105(出力信号生成部)が追加されている。他は、図1に示す実施の形態1に係る映像伝送装置100と同一であるため、同一のものは同一番号を付加し説明を省略する。
【0042】
クロック乗せ換え器105は、マルチプレクサA103が出力する映像信号YCaとマルチプレクサB113が出力する映像信号YCbとを時分割で多重し、クロック発生器200が出力する伝送クロックTCKに同期させて出力する。なお、クロック乗せ換え器105は、伝送クロックTCKと、映像クロックVCKa及び映像クロックVCKbとのクロック差により映像信号YCa又は映像信号YCbに有効なデータがない場合は、無効データを示す情報を多重し、映像信号YC’(8ビット)として出力する。
【0043】
映像信号受信器202は、映像伝送装置100から伝送クロックTCKと映像信号YC’とを受信する。映像信号受信器202は、受信した映像信号YC’について、無効データの分離、2チャンネルの映像データの分離、垂直同期信号の分離、水平同期信号の分離、有効画素判定信号の分離、輝度信号の分離、及び色差信号の分離を行う。また、映像信号受信器202は、輝度信号及び色差信号について、レベル変換器A102及びレベル変換器B112で行ったレベル変換の逆変換を行う。
これにより、映像信号出力器A201が映像伝送装置100に入力した映像データAと、映像信号出力器B211が映像伝送装置100に入力した映像データBとが再生される。
【0044】
図6は、実施の形態2にかかる映像伝送装置100の動作を示すタイミング図である。図6では、クロック乗せ換え器105に入力される映像信号と変換後の出力信号とを示している。
【0045】
映像信号出力器A201が出力する信号、レベル変換器A102が出力する信号、及び逓倍器A101が出力する信号は、図2と同一である。また、映像信号出力器B211が出力する信号、レベル変換器B112が出力する信号、及び逓倍器B111が出力する信号は、図3と同一である。
【0046】
映像クロックVCK2a600は、逓倍器A101が出力する映像クロックVCKaの2倍のクロック周波数のクロックを示しており、映像信号YCa601は、マルチプレクサA103が出力する映像信号を示している。
映像信号YCa601は、垂直同期信号が有効である事を示す情報(図6では’Va’として記載)、水平同期信号が有効である事を示す情報(図6では’Ha’として記載)、ブランキング期間である事を示す情報(図6では’Ba’として記載)、及び輝度信号と色差信号が時分割に多重されている。また、映像信号YCa601は、映像クロックVCK2a600に同期して出力される。
【0047】
映像クロックVCK2b610は、逓倍器B111が出力する映像クロックVCKbの2倍のクロック周波数のクロックを示しており、映像信号YCb611は、マルチプレクサB113が出力する映像信号を示している。
映像信号YCb611は、垂直同期信号が有効である事を示す情報(図では’Vb’として記載)、水平同期信号が有効である事を示す情報(図では’Hb’として記載)、ブランキング期間である事を示す情報(図では’Bb’として記載)、及び輝度信号と色差信号が時分割に多重されている。また、映像信号YCb611は、映像クロックVCK2b610に同期して出力される。
【0048】
伝送クロックTCK620は、クロック発生器200が出力するクロックを示しており、映像信号YC’622は、クロック乗せ換え器105が出力する映像信号を示している。
AB判定信号ABidc621はYC’622に2つの映像信号のどちらを多重するかを判定するための信号である。クロック乗せ換え器105は、AB判定信号ABidc621がLowの場合は、映像信号YCa601を多重し、AB判定信号ABidc621がHighの場合はYCb611を多重する。
【0049】
映像信号YC’622は、映像信号YCa601と映像信号YCb611とが時分割で多重され順次出力される。映像信号YC’622は、映像クロックVCK2a600と伝送クロックTCK620とのクロック周波数差により映像信号YCa601のデータが不足した場合は無効データを示す情報(図6では‘Na’と記載)が多重され、映像クロックVCK2b610と伝送クロックTCK620とのクロック周波数差により映像信号YCb611のデータが不足した場合は無効データを示す情報(図6では‘Nb’と記載)が多重される。また、映像信号YC’622は、伝送クロックTCK620に同期して出力される。
【0050】
なお、図6では、伝送クロックTCK620は映像クロックVCKa600の4倍のクロック周波数で、かつ、伝送クロックTCK620は映像クロックVCKb610の6倍のクロック周波数である。そのため、映像信号YC’341には、6画素に1回無効データを示す情報‘Nb’が多重される。
【0051】
図7は、映像信号YC’622として出力される映像信号値に多重される情報の割り当ての例を示す図である。
信号値700は、映像信号YC’622から出力される0x00〜0xFFまでの信号値を示している。信号の意味701は、信号値700に対する信号の意味を示している。記号702は、図6で示した記号との対応を示している。
図7に示すように、レベル変換器A102やレベル変換器B112で信号値のレベルを変換することにより、有効画素値データとして使用しなくなった信号値に、垂直同期信号情報、水平同期信号情報、ブランク期間情報、無効データ情報が多重される。
また、チャンネルAの垂直同期信号情報、水平同期信号情報、ブランク期間情報、無効データ情報を示す値と、チャンネルBの垂直同期信号情報、水平同期信号情報、ブランク期間情報、無効データ情報を示す値とがそれぞれ異なる値になっている。そのため、映像信号受信器202では、2チャンネルの映像データの分離をすることができる。
【0052】
以上のように、実施の形態2に係る映像伝送装置100では、2チャンネルの垂直同期信号、水平同期信号、有効画素判別信号、輝度信号、及び色差信号の計38ビットの信号を8ビットの映像信号に多重して出力する。さらに、映像クロックと伝送クロックの周波数差を示す情報(無効データ)を映像信号に多重して出力するため、クロック信号は共通のクロック1本で出力することができる。
【0053】
これにより、例えば、映像クロックの異なる2チャンネルの映像データを出力する場合は、38本の信号を9本の信号で出力することができる。つまり、29本の信号線を削減することができ、映像信号を伝送するための信号線を抑えることができる。
【0054】
実施の形態3.
実施の形態1,2では、映像伝送装置100は、映像信号出力器A201が出力する映像信号Aと、映像信号受信器202が出力する映像信号Bとを映像信号受信器202へ伝送した。実施の形態3では、映像伝送装置100は、映像信号出力器A201と映像信号出力器B211とが出力する映像信号A,Bを映像信号受信器202へ伝送する場合と、映像信号出力器A201が出力する映像信号Aのみを映像信号受信器202へ伝送する場合とを切り替える。
【0055】
図8は、実施の形態3に係る映像伝送装置100の機能を示す機能ブロック図である。
【0056】
実施の形態3に係る映像伝送装置100は、逓倍器A101が出力するクロックを選択できる点と、マルチプレクサA103が出力する映像信号のチャンネル数を選択できる点と、クロック乗せ換え器B114が入力する映像信号を選択できる点とが、図1に示す実施の形態1に係る映像伝送装置100と異なる。他は、図1に示す実施の形態1に係る映像伝送装置100と同一であるため、同一のものは同一番号を付加し説明を省略する。
【0057】
映像伝送装置100は、第1の動作と第2の動作との2つの動作を切り替えて行う。
第1の動作は、逓倍器A101は映像信号出力器A201から出力される映像クロック信号VCKaを2倍に逓倍したクロックを出力する動作である。第2の動作は、逓倍器A101は映像信号出力器A201から出力される映像クロック信号VCKaを1倍のクロックを出力する動作である。
【0058】
第1の動作について説明する。なお、第1の動作は、実施の形態1で説明した動作と概ね同じである。
【0059】
逓倍器A101は、第1の動作では、映像信号出力器A201から出力される映像クロック信号VCKaを2倍に逓倍したクロック(映像クロック信号2A)を出力する。
【0060】
マルチプレクサA103は、逓倍器A101が出力した映像クロックVCKaの2倍のクロックを用いてレベル変換器A102が出力した輝度信号Y’aと色差信号C’aとを時分割多重し8ビットの信号に変換する。
さらに、マルチプレクサA103は、有効画素判定信号DEaがブランキング期間を示す期間に、水平同期信号HSYNCaと垂直同期信号VSYNCaとブランキング画素を示す情報とを多重し、映像信号YCa1(8ビット)として出力する。
【0061】
クロック乗せ換え器A104は、マルチプレクサA103が出力する映像信号YCa1を、クロック発生器200が出力する伝送クロックTCKに同期させて出力する。なお、クロック乗せ換え器A104は、伝送クロックTCKと映像クロックVCKaとのクロック差により映像信号YCa1に有効なデータがない場合は、無効データを示す情報を多重し、映像信号YC’a(8ビット)として出力する。
【0062】
クロック乗せ換え器B114は、マルチプレクサB113が出力する映像信号YCbを、クロック発生器200が出力する伝送クロックTCKに同期させて出力する。なお、クロック乗せ換え器B114は、伝送クロックTCKと映像クロックVCKbとのクロック差により映像信号YCbに有効なデータがない場合は、無効データを示す情報を多重し、映像信号YC’b(8ビット)として出力する。
【0063】
第2の動作について説明する。なお、伝送クロックTCKは、第2の動作を行う場合には、映像クロックVCKaの1倍よりも速いクロックであればよい。
【0064】
逓倍器A101は、第2の動作では、映像信号出力器A201から出力される映像クロック信号VCKaを1倍に逓倍したクロック(映像クロック信号A’)を出力する。
【0065】
マルチプレクサA103は、逓倍器A101が出力したクロックを用いて、有効画素判定信号DEaがブランキング期間を示す期間に、水平同期信号HSYNCaと垂直同期信号VSYNCaとブランキング画素を示す情報とを輝度信号Y’aに多重し、映像信号YCa1(8ビット)として出力する。
また、マルチプレクサA103は、逓倍器A101が出力したクロックを用いて、有効画素判定信号DEaのブランキング期間を示す期間に、水平同期信号HSYNCaと垂直同期信号VSYNCaとブランキング画素を示す情報とを色差信号C’aに多重し、映像信号YCa2(8ビット)として出力する。
【0066】
クロック乗せ換え器A104は、マルチプレクサA103が出力する映像信号YCa1をクロック発生器200が出力する伝送クロックTCKに同期させて出力する。なお、伝送クロックTCKと映像クロックVCKaとのクロック差により映像信号YCa1に有効なデータがない場合は、無効データを示す情報を多重し、映像信号YC’a(8ビット)として出力する。
【0067】
クロック乗せ換え器B114は、マルチプレクサA103が出力する映像信号YCa2をクロック発生器200が出力する伝送クロックTCKに同期させて出力する。伝送クロックTCKと映像クロックVCKaとのクロック差により映像信号YCa2に有効なデータがない場合は、無効データを示す情報を多重し、映像信号YC’b(8ビット)として出力する。
【0068】
映像伝送装置100が第1の動作を行う場合における映像信号受信器202の動作を説明する。
映像信号受信器202は、映像伝送装置100から伝送クロックTCKと映像信号YC’aと映像信号YC’bとを受信する。映像信号受信器202は、受信した映像信号YC’aと映像信号YC’bとのそれぞれについて、無効データの分離、垂直同期信号の分離、水平同期信号の分離、有効画素判定信号の分離、輝度信号の分離、及び色差信号の分離を行う。また、映像信号受信器202は、輝度信号及び色差信号について、レベル変換器A102及びレベル変換器B112で行ったレベル変換の逆変換を行う。
これにより、映像信号出力器A201が映像伝送装置100に入力した映像データAと、映像信号出力器B211が映像伝送装置100に入力した映像データBとが再生される。
【0069】
映像伝送装置100が第2の動作を行う場合における映像信号受信器202の動作を説明する。
映像信号受信器202は、映像伝送装置100から伝送クロックTCKと映像信号YC’aと映像信号YC’bとを受信する。映像信号受信器202は、受信した映像信号YC’aと映像信号YC’bとを1チャンネルのデータとして、無効データの分離、垂直同期信号の分離、水平同期信号の分離、有効画素判定信号の分離を行う。また、映像信号受信器202は、輝度信号及び色差信号について、レベル変換器A102で行ったレベル変換の逆変換を行う。
これにより、映像信号出力器A201が映像伝送装置100に入力した映像データAが再生される。
【0070】
図9は、実施の形態3にかかる映像伝送装置100の第2の動作を示すタイミング図である。図9では、映像信号出力器A201から映像伝送装置100に入力された映像信号の変換処理を示している。
なお、第1の動作を行う場合における映像伝送装置100の動作は、図3及び図4を用いて実施の形態1で説明した通りであるため、ここでは説明を省略する。
【0071】
垂直同期信号VSYNCa801、水平同期信号HSYNCa802、有効画素判定信号DEa803、輝度信号Ya804、及び色差信号Ca805は、映像信号出力器A201から映像伝送装置100に入力される信号を示している。
【0072】
垂直同期信号VSYNCa801、水平同期信号HSYNCa802、及び有効画素判定信号DEa803はHighの場合に有意となる信号である。特に、有効画素判定信号DEa803がLowの期間は、輝度信号Ya804及び色差信号Ca805はブランク期間となり有効なデータが入力されない。一方、有効画素判定信号DEa803がHighの期間は、輝度信号Ya804、及び色差信号Ca805に有効データが入力される。
【0073】
垂直同期信号VSYNCa811、水平同期信号HSYNCa812、有効画素判定信号DEa813、輝度信号Ya814、及び色差信号Ca815は、垂直同期信号VSYNCa801、水平同期信号HSYNCa802、有効画素判定信号DEa803、輝度信号Ya804、及び色差信号Ca805の一部をそれぞれ拡大した信号を示している。
【0074】
輝度信号Ya814は、有効画素判定信号DEa813がLowの期間はブランク期間となり、有効画素判定信号DEa813がHighの期間はY0,Y1,Y2,...の順番に画素データが入力される。
色差信号Ca815は、有効画素判定信号DEa813がLowの期間はブランク期間となり、有効画素判定信号DEa813がHighの期間はC0,C1,C2,...の順番に画素データが入力される。
【0075】
映像信号クロックVCKa820は、映像信号出力器A201から映像伝送装置100に入力される信号を示しており、輝度信号Y’a824及び色差信号C’a825は、レベル変換器A102が出力する信号を示している。輝度信号Y’a824は、輝度信号Ya814のY0,Y1,Y2,...がそれぞれY’0,Y’1,Y’2,...に変換されたことを示している。同様に、色差信号C’a825は、色差信号Ca815のC0,C1,C2,...がそれぞれC’0,C’1,C’2,...に変換されたことを示している。
【0076】
映像信号YCa1830は、マルチプレクサA103が出力する映像信号を示している。
映像信号YCa1830は、垂直同期信号VSYNCa811がHighの期間は垂直同期信号が有効である事を示す情報(図9では’V’として記載)が多重される。また、映像信号YCa1830は、水平同期信号HSYNCa812がHighの期間は水平同期信号が有効である事を示す情報(図9では’H’として記載)が多重される。また、映像信号YCa1830は、垂直同期信号VSYNCa811がLowであり、かつ、水平同期信号HSYNCa812がLowであり、かつ、有効画素判定信号DEa813がLowである期間はブランキング期間である事を示す情報(図9では’B’として記載)が多重される。また、映像信号YCa1830は、有効画素判定信号DEa813がHighの期間は輝度信号Y’a824が多重される。また、映像信号YCa1830は、映像クロックVCKa820に同期して出力される。
【0077】
映像信号YCa2831も、マルチプレクサA103が出力する映像信号を示している。
映像信号YCa2831は、垂直同期信号VSYNCa811がHighの期間は垂直同期信号が有効である事を示す情報(図9では’V’として記載)が多重される。また、映像信号YCa2831は、水平同期信号HSYNCa812がHighの期間は水平同期信号が有効である事を示す情報(図9では’H’として記載)が多重される。また、映像信号YCa2831は、垂直同期信号VSYNCa811がLowであり、かつ、水平同期信号HSYNCa812がLowであり、かつ、有効画素判定信号DEa813がLowである期間はブランキング期間である事を示す情報(図9では’B’として記載)が多重される。また、映像信号YCa2831は、有効画素判定信号DEa813がHighの期間は色差信号C’a825が多重される。また、映像信号YCa2831は、映像クロックVCKa820に同期して出力される。
【0078】
伝送クロックTCK840は、クロック発生器200が出力するクロックを示している。映像信号YC’a841は、クロック乗せ換え器A206が出力する映像信号を示している。映像信号YC’b842は、クロック乗せ換え器B114が出力する映像信号を示している。
映像信号YC’a841としては、映像信号YCa1830の信号が順次出力される。映像信号YC’a841は、映像クロックVCKa820と伝送クロックTCK840とのクロック周波数差により映像信号YCa1830のデータが不足した場合は無効データを示す情報(図では’N’と記載)が多重される。また、映像信号YC’a841は、伝送クロックTCK840に同期して出力される。
映像信号YC’b842としては、映像信号YCa2831の信号が順次出力される。映像信号YC’b842は、映像クロックVCKa820と伝送クロックTCK840とのクロック周波数差により映像信号YCa2831のデータが不足した場合は無効データを示す情報(図では’N’と記載)が多重される。また、映像信号YC’b842は伝送クロックTCK840に同期して出力される。
【0079】
なお、図9では、伝送クロックTCK840が映像クロックVCKa820の1.5倍のクロック周波数であるため、映像信号YC’a841及び映像信号YC’b842には、3画素に1回無効データを示す情報が多重されている。
【0080】
映像信号YC’a841、及び映像信号YC’b842で出力される映像信号値に多重する情報の割り当ては、図3及び図4を用いて実施の形態1で説明した通りであるため、説明を省略する。
【0081】
以上のように、実施の形態3に係る映像伝送装置100では、第1の動作を行うことにより、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、実施の形態3に係る映像伝送装置100では、第2の動作を行うことにより、2チャンネルの映像データを出力する信号線と同一の信号線を使用して、最大伝送クロックと同等の映像クロックの1チャンネルの映像データを出力することができる。したがって、第2の動作を行うことにより、高画質な映像データを出力することができる。
【0082】
なお、映像伝送装置100の各機能(逓倍器A101、レベル変換器A102、マルチプレクサA103、クロック乗せ換え器A104、クロック乗せ換え器105、逓倍器B111、レベル変換器B112、マルチプレクサB113、クロック乗せ換え器B114)は、例えば、回路や装置により実現される。
【0083】
また、映像伝送装置100の各機能部は、ソフトウェア、プログラムにより実現されてもよい。この場合、映像伝送装置100は、CPU(Central・Processing・Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサともいう)を備えている。CPUは、バスを介してROM、RAM等の記憶装置と接続されている。記憶装置には、映像伝送装置100の各機能部を実現するソフトウェアやプログラムが記憶されており、CPUにより読み出され実行される。また、各機能部へ入力される信号やデータ、各機能部から出力される信号やデータは、記憶装置に一時的に記憶される。
【符号の説明】
【0084】
100 映像伝送装置、101 逓倍器A、102 レベル変換器A、103 マルチプレクサA、104 クロック乗せ換え器A、105 クロック乗せ換え器、111 逓倍器B、112 レベル変換器B、113 マルチプレクサB、114 クロック乗せ換え器B、200 クロック発生器、201 映像信号出力器A、202 映像信号受信器、211 映像信号出力器B。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロック周波数Aの映像クロック信号Aを入力として、前記映像クロック信号Aの2倍以上の速さのクロック周波数の映像クロック信号2Aを出力する逓倍器Aと、
映像信号Aと水平同期信号Aと垂直同期信号Aとの前記映像クロック信号Aに同期した信号を、前記逓倍器Aが出力した映像クロック信号2Aに同期させて多重することにより、1つの多重信号Aを生成する信号多重部Aと、
クロック周波数Bの映像クロック信号Bを入力として、前記映像クロック信号Bの2倍以上の速さのクロック周波数の映像クロック信号2Bを出力する逓倍器Bと、
映像信号Bと水平同期信号Bと垂直同期信号Bとの前記映像クロック信号Bに同期した信号を、前記逓倍器Bが出力した映像クロック信号2Bに同期させて多重することにより、1つの多重信号Bを生成する信号多重部Bと、
前記信号多重部Aが生成した多重信号Aを、前記映像クロック信号2A以上の速さ、かつ、前記映像クロック信号2B以上の速さのクロック周波数の伝送クロックに同期させた出力信号Aを生成するとともに、前記信号多重部Bが生成した多重信号Bを前記伝送クロックに同期させた出力信号Bを生成する出力信号生成部と
を備えることを特徴とする映像信号変換装置。
【請求項2】
前記出力信号生成部は、前記伝送クロックが前記映像クロック信号2Aよりも速い場合には、前記多重信号Aに有効なデータがないことを示す無効データと前記多重信号Aとを多重して、前記出力信号Aを生成し、前記伝送クロックが前記映像クロック信号2Bよりも速い場合には、前記多重信号Bに有効なデータがないことを示す無効データと前記多重信号Bとを多重して、前記出力信号Bを生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の映像信号変換装置。
【請求項3】
前記出力信号生成部は、前記多重信号Aと前記多重信号Bとを、前記映像クロック信号2Aの2倍以上の速さ、かつ、前記映像クロック信号2Bの2倍以上の速さの伝送クロックに同期させて多重することにより、前記出力信号Aと前記出力信号Bとを合わせた1つの出力信号を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の映像信号変換装置。
【請求項4】
前記出力信号生成部は、前記伝送クロックが前記映像クロック信号2Aの2倍よりも速い場合と、前記伝送クロックが前記映像クロック信号2Bの2倍よりも速い場合との少なくともいずれかの場合には、前記多重信号Aと前記多重信号Bとに有効なデータがないことを示す無効データと前記多重信号Aと前記多重信号Bとを多重して、前記出力信号を生成する
ことを特徴とする請求項3に記載の映像信号変換装置。
【請求項5】
前記映像信号Aは、輝度信号Yaと色差信号Caとを含む映像信号であり、
前記逓倍器Aは、所定の場合には、前記映像クロック信号A以上の速さのクロック周波数の映像クロック信号A’を出力し、
前記信号多重部Aは、前記所定の場合には、前記映像信号Aのうちの輝度信号Yaと前記水平同期信号Aと前記垂直同期信号Aとの信号を、前記逓倍器Aが出力した映像クロック信号A’に同期させて多重することにより、1つの多重信号A1を生成するとともに、前記映像信号Aのうちの色差信号Caと前記水平同期信号Aと前記垂直同期信号Aとの信号を、前記逓倍器Aが出力した映像クロック信号A’に同期させて多重することにより、1つの多重信号A2を生成し、
前記出力信号生成部は、前記所定の場合には、前記信号多重部Aが生成した多重信号A1を、前記映像クロック信号A’以上の速さのクロック周波数の伝送クロックに同期させた出力信号A1を生成するとともに、前記多重信号A2を前記映像クロック信号A’以上の速さのクロック周波数の伝送クロックに同期させた出力信号A2を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の映像信号変換装置。
【請求項6】
処理装置が、クロック周波数Aの映像クロック信号Aを入力として、前記映像クロック信号Aの2倍以上の速さのクロック周波数の映像クロック信号2Aを出力する逓倍工程Aと、
処理装置が、映像信号Aと水平同期信号Aと垂直同期信号Aとの前記映像クロック信号Aに同期した信号を、前記逓倍工程Aで出力した映像クロック信号2Aに同期させて多重することにより、1つの多重信号Aを生成する信号多重工程Aと、
処理装置が、クロック周波数Bの映像クロック信号Bを入力として、前記映像クロック信号Bの2倍以上の速さのクロック周波数の映像クロック信号2Bを出力する逓倍工程Bと、
処理装置が、映像信号Bと水平同期信号Bと垂直同期信号Bとの前記映像クロック信号Bに同期した信号を、前記逓倍工程Bで出力した映像クロック信号2Bに同期させて多重することにより、1つの多重信号Bを生成する信号多重工程Bと、
処理装置が、前記信号多重工程Aで生成した多重信号Aを、前記映像クロック信号2A以上の速さ、かつ、前記映像クロック信号2B以上の速さのクロック周波数の伝送クロックに同期させた出力信号Aを生成するとともに、前記信号多重工程Bで生成した多重信号Bを前記伝送クロックに同期させた出力信号Bを生成する出力信号生成工程と
を備えることを特徴とする映像信号変換方法。
【請求項7】
クロック周波数Aの映像クロック信号Aを入力として、前記映像クロック信号Aの2倍以上の速さのクロック周波数の映像クロック信号2Aを出力する逓倍処理Aと、
映像信号Aと水平同期信号Aと垂直同期信号Aとの前記映像クロック信号Aに同期した信号を、前記逓倍処理Aで出力した映像クロック信号2Aに同期させて多重することにより、1つの多重信号Aを生成する信号多重処理Aと、
クロック周波数Bの映像クロック信号Bを入力として、前記映像クロック信号Bの2倍以上の速さのクロック周波数の映像クロック信号2Bを出力する逓倍処理Bと、
映像信号Bと水平同期信号Bと垂直同期信号Bとの前記映像クロック信号Bに同期した信号を、前記逓倍処理Bで出力した映像クロック信号2Bに同期させて多重することにより、1つの多重信号Bを生成する信号多重処理Bと、
前記信号多重処理Aで生成した多重信号Aを、前記映像クロック信号2A以上の速さ、かつ、前記映像クロック信号2B以上の速さのクロック周波数の伝送クロックに同期させた出力信号Aを生成するとともに、前記信号多重処理Bで生成した多重信号Bを前記伝送クロックに同期させた出力信号Bを生成する出力信号生成処理と
をコンピュータに実行させることを特徴とする映像信号変換プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−213115(P2012−213115A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−78598(P2011−78598)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】