映像信号多重伝送装置およびそれを具備する撮像装置
【課題】映像信号多重デジタル伝送システムのケーブル長が延びたときの伝送波形を改善する。
【解決手段】一つの75Ω伝送路にデジタル映像信号を時分割双方向切換送受する多重伝送装置において、伝送路両側の終端に時分割で双方向を切換えるNMOSバススイッチICを有し、受信側に波形等化器または波形等化器を含む受信器を有し、NMOSバススイッチICの正電源Vccを+3.3Vとし負電源Veeを−1.7Vとし、NMOSバススイッチICの導通抵抗の平均値7Ω分差し引いた75−7=68Ωを終端抵抗値Rzとする。さらに、アナログ切換器の導通抵抗が低い信号波形極性を圧縮する接地されたショトキーバリアダイオードと抵抗の直列接続を有する。
【解決手段】一つの75Ω伝送路にデジタル映像信号を時分割双方向切換送受する多重伝送装置において、伝送路両側の終端に時分割で双方向を切換えるNMOSバススイッチICを有し、受信側に波形等化器または波形等化器を含む受信器を有し、NMOSバススイッチICの正電源Vccを+3.3Vとし負電源Veeを−1.7Vとし、NMOSバススイッチICの導通抵抗の平均値7Ω分差し引いた75−7=68Ωを終端抵抗値Rzとする。さらに、アナログ切換器の導通抵抗が低い信号波形極性を圧縮する接地されたショトキーバリアダイオードと抵抗の直列接続を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビジョンカメラ装置等の撮像装置に用いる映像信号多重伝送装置における伝送方法の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、テレビジョンカメラシステムではカメラヘッドとカメラコントロールユニットの間で本線映像信号,送り返し映像信号,音声信号,コントロール用シリアルデータ信号,及び電源の伝送を3重同軸(トライアックス)ケーブル1本の伝送路で行なっている。簡易方法として伝送路に通常の同軸ケーブルも用いることもある。通常、これらの信号は周波数変調され周波数多重伝送するか、デジタルで時分割多重(双方向切換)伝送される。
【0003】
主な映像信号としてはSDTVとして有効走査線485本のNTSCと有効走査線575本のPAL、HDTVとして有効走査線720本と有効走査線1080本、SHDTVとして有効走査線2160本、UHDTVとして有効走査線4320本がある。
【0004】
カメラ部から出力されたNTSCの10bit4:2:2のデジタル化した映像信号、音声信号、制御信号を含む映像シリアルデジタルインタフェース(SDI)信号は出力振幅0.8Vp−pで270Mbpsのデータ量があり、送り返しの映像信号はデータ圧縮しても約50Mbpsのデータ量がある。時分割双方向伝送の場合、映像信号を時間圧縮し、約360Mbpsの信号にして短い時間で間欠的にカメラヘッドからカメラ制御装置に伝送する。そして時間圧縮により空いた期間に、カメラ制御装置からカメラヘッドの方向に360Mbpsに時間圧縮した送り返しの映像信号を短い時間で間欠的に伝送する。その処理を1秒間に数回の速度で入出力切換え器により切り替えを行なうことにより時分割多重(双方向切換)伝送を実現している(特許文献1)。HDTV用のSDI(HD−SDI)信号は1500Mbpsのデータ量がある。3GのSDI信号は2970Mbpsのデータ量がある。UHDTV用のSDI信号は約24000Mbpsのデータ量がある。
【0005】
パルス波形の再生を行うことを波形等化という。通常、直径8.6mmのトライアックスケーブルの300MHzの減衰量は100mで12dBで1kmで120dBと大きく、現状の市販の波形等化器では、直径8.6mmのトライアックスケーブルでは約500m程度しかカメラヘッドとカメラコントロールユニットの間は延長できない。中継ケーブルの挿入による延長には、伝送された基準信号に基づき、デジタル映像信号のケーブル周波数特性の劣化を予め補正する必要がある。SDI映像信号に電源を重畳する監視用途の同軸重畳も提案されている(非特許文献1参照)。
【0006】
SDI信号は、アナログ信号処理回路において反転増幅器が多用されるため、信号の極性を常に留意していることが煩わしくなる。そこで、G(x)=(x9 +x4 +1)(x+1)という生成多項式による自己同期型スクランブルド(Non Return To Zero)NRZ−I符号を採用し、データの0/1を0→1,1→0の反転情報に置き換えることによって、極性フリーでスペクトルが均一に分布したSDI信号を実現している。こうした自己同期型スクランブルを掛けると、シリアル伝送路上に、1水平ラインに亘り、1ビットの1に続いて19ビットの0が続くパターン(あるいはその反転パターン)の信号や、20ビットの1が連続した後20ビットの0が連続するパターン(あるいはその反転パターン)の信号が発生する場合がある。これらのパターンは、パソロジカルパターンと呼ばれている。したがって、パソロジカルパターンの最大長20からSDI信号の基本クロック周波数の1/20から3倍の高調波周波数を伝送すれば、誤りなくSDI信号を伝送できる(非特許文献2参照)。HD−SDI信号も同様である。
【0007】
送信回路と受信回路のインピーダンスがケーブルインピーダンス75Ωから外れると反射が起こり伝送エラーが増加する。SDI信号を長距離にケーブル伝送するには、送信回路と受信回路のインピーダンスを所要周波数内で、ケーブルインピーダンス75Ωにできるだけ一致させるのが望ましい(非特許文献2参照)。
【0008】
2970Mbpsの3GのSDI信号受信で伝送同軸ケーブル長100mから200mに改良された波形等化器で波形等化しても、270MbpsのSDI信号受信で伝送同軸ケーブル長は350mから400mと少ししか伸びない(非特許文献3と非特許文献4参照)。波形等化器を含む受信器でも270MbpsのSDI信号受信で伝送同軸ケーブル長は480mと少ししか伸びない(非特許文献5参照)。
【0009】
電流帰還演算増幅器(Operational Amplifier: Op Amp)は0.2Vp−pの小振幅で増幅度1倍(0dB)なら1.8GHz程度、増幅度2倍(+6dB)なら1.2GHz程度までの高周波数を増幅でき、2Vp−pの大振幅なら750MHz程度までの高周波数を増幅でき、シャットダウン(SD)機能を有するものもある(非特許文献6参照)。
しかし、電流帰還演算増幅器内部の増幅トランジスタのエミッタが負入力端子に接続されており、負入力端子の接続インピーダンスは高周波数成分が抵抗成分でないと、高周波数で発振を起こしやすい。そのため、電流帰還演算増幅器の負入力端子を容量で接地し、高周波数成分を増強する増幅回路の実現は困難だった。
【0010】
ところで、最近不要輻射低減用に、低い周波数では、低いインピーダンスで、特定周波数からインピーダンスが急激に高くなり、抵抗成分が大きいフェライトビーズが多様な種類で各社から量産されている。フェライトビーズの近似の等価回路はインダクタと容量と抵抗との並列接続したものと抵抗との直列接続したものである(非特許文献7参照)。フェライトビーズを用いたケーブル補正も提案されている(特許文献2参照)。
【0011】
従来の一実施例の概要と動作を図2で説明する。図2は、従来の一実施例のトライアックスカメラシステムを示すブロック図である。図2において、トライアックスカメラシステムは撮像部1とトライアックスケーブル2と制御部3で構成している。
【0012】
撮像部1の撮像素子102は、レンズ部101で結像された入射光を光電変換してデジタル映像信号処理部204に出力する。デジタル映像信号処理部204は、映像信号のレベル増幅や輪郭強調等の処理を施し出力する。伝送路2が長い場合、映像圧縮部105で映像圧縮を行い、短い場合はそのまま時分割双方向切換部210に出力される。時分割双方向切換部210では、デジタル映像信号とデジタル音声信号とを時分割多重化し、双方向伝送する。撮像部1より出力されたシリアルデジタル信号は、トライアックスケーブル2を介して制御部3に伝送される。制御部3に伝送されたシリアルデジタル信号は、時分割双方向切換部216で分解され、もとのデジタル映像信号とデジタル音声信号とに復調し、映像伸縮を行い、デジタル信号処理部217で信号処理後、D/Aコンバータ128でアナログ映像信号に変換され、映像信号を出力する。また、制御部3から入力し撮像部1から出力する外部映像信号も上記と同様に伝送される。
【0013】
時分割双方向切換部210と216とは、高速なNMOS(N-channel Metal Oxidize Semiconductor Field Effect Transistor)バススイッチのICを用いるが、NMOSバススイッチのIC内のNMOSのソースーゲート間電圧が約1V以上確保されないとNMOSバススイッチが導通されない。またNMOSバススイッチIC内のNMOSのソースーゲート間電圧が約2VではNMOSバススイッチの導通抵抗Rdが高い。またNMOSバススイッチIC内のNMOSのソースーゲート間電圧が約2.5V以上確保されないとNMOSバススイッチの導通抵抗Rdが下がりきらない。そのため、時分割双方向切換部を通過する信号は、NMOSバススイッチICの正電源電圧から約2.5V低い電圧以内が圧縮され、NMOSバススイッチICの正電源電圧から約2V低い電圧以内が強く圧縮され、NMOSバススイッチICの正電源電圧から約1V低い電圧以下に制限される。具体的なNMOSバススイッチICの導通抵抗Rdは、本発明の1実施例のNMOSバススイッチICの導通抵抗特性の模式図の図8Aのように、NMOSバススイッチICの正電源電圧から2.1Vで10Ω、2.5Vで8Ω、2.9Vで7Ω、3.3Vで6Ω、3.7Vで5Ω、4.3Vで4Ωとなる(非特許文献8参照)。
つまり、時分割双方向切換を行う場合は、接地電位のSDI信号0.8Vp−pでの導通抵抗RdがNMOSバススイッチで10Ωから7Ωとなり、トライアックスケーブルまたは同軸ケーブルの伝送路の特性インピーダンスRz=75Ωに対し5%以上と、無視できない抵抗値となり、インピーダンスミスマッチングが発生して反射による波形歪が発生する。さらにSDI信号の振幅値0.8Vp−pでの抵抗値変化がNMOSバススイッチICでは3Ωと75Ωに対し約4%と無視できない変化をし、上下非対称の波形歪が発生する。受信側で受信信号の高周波数成分を増幅させる等の周波数特性補正や2970Mbpsの3GのSDI信号受信用に改良された等化器でも波形等化では、インピーダンスミスマッチングの反射による波形歪や上下非対称の波形歪による位相変化は残ってしまい補正できない。そのため、伝送ケーブル長を延長することが困難であった。
【0014】
改良された5V低容量バススイッチICも製品化され、本発明の1実施例の低容量バススイッチICの導通抵抗特性の模式図の図8Bのように、正電源電圧から1Vで6Ω、1.5Vで6.8Ω、2Vで5Ω、2.1Vで4.8Ω、2.5Vで4.3Ω、2.7Vから3.5Vで4.2Ω、3.9Vで4Ω、4.5Vで3.8Ωとなる(非特許文献9参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開平7−203399号公報
【特許文献2】特開2010−021993号公報
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】ジェナム Security &Surveillance http://www.gennum.com/applications/security-surveillance/hdcctv
【非特許文献2】ARIB−B07 http://www.arib.or.jp/english/html/overview/doc/4-TR-B07v2_0.pdf
【非特許文献3】テキサスインスツルメント製LMH0024 http://www.ti.com/lit/ds/symlink/lmh0024.pdf
【非特許文献4】テキサスインスツルメント製LMH0394 http://www.ti.com/lit/ds/symlink/lmh0394.pdf
【非特許文献5】ジェナム製GS2971A http://www.gennum.com/extranet/document/55977
【非特許文献6】テキサスインスツルメント製LMH6703 http://www.ti.com/lit/ds/symlink/lmh6703.pdf
【非特許文献7】TDK製mmz2012Equivalent Circuit http://www.tdk.co.jp/etvcl/equivalent/mmz2012.pdf
【非特許文献8】ルネサス テクノロジ高速バススイッチ HD74CBTシリーズ http://hk.renesas.com/products/standard_ic/logic/hd74cbt/index.jsp
【非特許文献9】東芝5V低容量バススイッチ TC7SB66CFU, TC7SB67CFU http://www.semicon.toshiba.co.jp/docs/datasheet/en/LogicIC/TC7SB66CFU_TC7SB67CFU_en_datasheet_110401.pdf
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
従来のトライアックスシステムのデジタル伝送では270Mbps以上という高い周波数でのビットレートで伝送するため、ケーブルでの減衰量が大きくなってしまい、ケーブル長を延長することが困難であった。特に、時分割双方向切換を行う場合は、アナログ切換器の導通抵抗が、トライアックスケーブルまたは同軸ケーブルの伝送路の特性インピーダンスに対し、無視できない抵抗値となる。さらにSDI信号の振幅で抵抗値が変化をする。そのため、伝送ケーブル長を延長することが困難であった。
【0018】
本発明は、これらの欠点を除去し、時分割双方向切換のデジタル伝送でも長いケーブル長で運用できるトライアックスシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、上記の目的を達成するために、一つの伝送路を介して、デジタル化した映像信号、音声信号、制御信号を含むデジタル信号を時分割双方向切換送受するデジタル映像信号多重伝送装置において、前記伝送路の両側の終端に時分割多重を切換えるアナログ切換器のICを有し、受信側に波形等化器または波形等化器を含む受信器を有し、前記デジタル化した映像信号、音声信号、制御信号を含むデジタル信号における前記アナログ切換器の導通抵抗の平均値が前記伝送路の特性インピーダンス抵抗Rzの約1/10以下でかつ、前記デジタル化した映像信号、音声信号、制御信号を含むデジタル信号における前記アナログ切換器の導通抵抗の変化が前記伝送路の特性インピーダンス抵抗Rzの約1/30以下、になるように、前記アナログ切換器の電源電圧の正電源Vccを高く設定し、前記伝送路の前記伝送路の特性インピーダンス抵抗Rzに対し、前記アナログ切換器の導通抵抗による終端抵抗の増加を補正する手段と、前記アナログ切換器の導通抵抗の変化による終端抵抗のずれによる信号波形の歪を補正する手段との少なくとも一方を有することを特徴とする映像信号多重伝送装置である。
【0020】
また、一つの伝送路を介して、デジタル化した映像信号、音声信号、制御信号を含むデジタル信号を時分割双方向切換送受するデジタル映像信号多重伝送装置において、前記伝送路の両側の終端に時分割多重を切換えるアナログ切換器のNMOSバススイッチICを有し、受信側に波形等化器または波形等化器を含む受信器を有し、前記アナログ切換器のNMOSバススイッチICの電源電圧の正電源Vccを+2.9V以上とし正電源Vccと負電源Veeの差Vabが4.5V以上5.5V以下とするか、または、前記伝送路の両側の終端に時分割多重を切換えるアナログ切換器の5V低容量バススイッチICを有し、受信側に波形等化器または波形等化器を含む受信器を有し、前記アナログ切換器の5V低容量バススイッチICの電源電圧の正電源Vccを+2.5V以上とし正電源Vccと負電源Veeの差Vabが4.5V以上5.5V以下とするかとし、前記伝送路の特性インピーダンス抵抗Rzに対し、前記アナログ切換器の導通抵抗による終端抵抗の増加を補正する手段と、前記アナログ切換器の導通抵抗の変化による終端抵抗のずれによる信号波形の歪を補正する手段との少なくとも一方を有することを特徴とする映像信号多重伝送装置である。
【0021】
また、上記において、前記デジタル化した映像信号、音声信号、制御信号を含むデジタル信号における前記アナログ切換器のバススイッチICの導通抵抗の変化が前記伝送路の特性インピーダンス抵抗Rzの約1/100以下になるように、前記アナログ切換器のバススイッチICの電源電圧の正電源Vccを設定した前記アナログ切換器のバススイッチICと、前記伝送路の特性インピーダンス抵抗Rzから前記アナログ切換器の導通抵抗の平均値Rd分低減した抵抗値Rz−Rdの終端抵抗と、前記アナログ切換器の受信側の前記アナログ切換器の導通抵抗が低(く信号波形の圧縮されな)い信号波形極性を圧縮する接地されたショトキーバリアダイオードと抵抗の直列接続と、との少なくとも一方を有することを特徴とする映像信号多重伝送装置である。
【0022】
上記映像信号多重伝送装置において、受信側の波形等化器または波形等化器を含む受信器の前に前記デジタル信号の波形を増幅する増幅器と、前記デジタル信号の波形を増幅する増幅器の(非反転増幅の負入力の接地抵抗または非反転増幅の正入力の接地抵抗または反転増幅の出力と反転極性の入力の入力抵抗または増幅器の出力抵抗または2段の増幅回路間の接続抵抗等の)回路特性抵抗に比較して、前記デジタル信号の波形のクロック基本波周波数におけるインピーダンスが低く、前記デジタル信号の波形のクロック高調波周波数におけるインピーダンスが高いインダクタと容量と抵抗との並列接続したものと抵抗との直列接続したものの近似の等価回路として表せるもの(以下インピーダンス体)を有し、前記波形等化器または波形等化器を含む受信器に入力する、前記デジタル信号の波形のクロック基本波周波数以下の低周波数成分を減衰し、前記デジタル信号の波形のクロック高調波成分を増強し、ショトキーバリアダイオードと抵抗とで、(前記アナログ切換器で圧縮されない)前記アナログ切換器で負方向の信号振幅を圧縮するか、または、前記アナログ切換器の5V低容量バススイッチICの電源電圧を、正電源Vcc約3.2Vで負電源Veeを正電源Vccと負電源Veeの差Vabが4.5V以上5.5V以下と(して、伝送信号振幅0.8Vp−pでの切替器の導通抵抗の変化を少なく)するか、の少なくとも一方を行う事を特徴とする映像信号多重伝送装置である。
さらに、上記映像信号多重伝送装置において、送信側の前記アナログ切換器の前に前記デジタル信号の波形を増幅する増幅器と、前記インピーダンス体とを有し、送信側の前記アナログ切換器に入力する、前記デジタル信号の波形のクロック基本波周波数以下の低周波数成分を減衰し、前記デジタル信号の波形のクロック高調波成分を増強する事を特徴とする映像信号多重伝送装置である。
また、上記において、上記デジタル信号が(25Mbps、50Mbps、100Mbps、270Mbps、1500Mbps、2970Mbps等の)シリアルデジタルインタフェース(SDI)信号であり、上記インピーダンス体がフェライトビーズまたは、フェライトビーズと抵抗または、インダクタと抵抗の少なくとも一つである事を特徴とする映像信号多重伝送装置である。
【0023】
また、一つの伝送路を介して、デジタル化した映像信号、音声信号、制御信号を含むデジタル信号を時分割双方向切換送受するデジタル映像信号多重伝送装置において、前記伝送路の両側の終端に時分割多重を切換えるアナログ切換器のバススイッチICを有し、受信側に波形等化器または波形等化器を含む受信器を有し、前記伝送路の前記伝送路の特性インピーダンス抵抗に対し、前記アナログ切換器のバススイッチICの導通抵抗による終端抵抗の増加を補正する手段と、前記アナログ切換器のバススイッチICの導通抵抗の変化による終端抵抗のずれによる信号波形の歪を補正する手段との少なくとも一方を有することを特徴とする映像信号多重伝送装置である。
【0024】
さらに、撮像素子と映像信号処理部とCPU(Central Processing Unit)を有する撮像部と、上記の映像信号多重伝送装置と、映像信号処理部と映像信号入出力部とCPUを有する制御部とを具備し、映像信号を時分割双方向多重伝送する事を特徴とする撮像装置である。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように本発明によれば、時分割双方向切換を行うアナログ切換器のNMOSバススイッチICまたは5V低容量バススイッチICの導通抵抗によるインピーダンスミスマッチングから発生する反射歪または、信号電圧による導通抵抗の変化による信号波形の非対称劣化を改善することができ、デジタル映像信号多重伝送装置のケーブル長を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施例の全体構成を示すブロック図
【図2】従来の一実施例の全体構成を示すブロック図
【図3A】本発明の1実施例の反転増幅回路と切替器とのブロック図
【図3B】本発明の1実施例の非反転増幅回路と切替器とのブロック図
【図3C】本発明の1実施例の駆動回路と波形等化器または波形等化器を含む受信器と切替器とのブロック図
【図3D】本発明の1実施例の駆動回路と波形等化器または波形等化器を含む受信器と切替器とのブロック図
【図3E】本発明の1実施例の反転増幅回路と切替器とのブロック図
【図3F】本発明の1実施例の反転増幅回路と切替器とのブロック図
【図4A】本発明の1実施例の反転増幅回路の入出力波形図
【図4B】本発明の1実施例の非反転増幅回路の入出力波形図
【図4C】本発明の1実施例の駆動回路と波形等化器または波形等化器を含む受信器の入出力波形図
【図4D】本発明の1実施例の駆動回路と波形等化器または波形等化器を含む受信器の入出力波形図
【図4E】本発明の1実施例の反転増幅回路の入出力波形図
【図5】本発明の1実施例のフェライトビーズの周波数特性の模式図
【図6】従来の駆動回路と波形等化器と切替器とのブロック図
【図7】従来の駆動回路と波形等化器と切替器との入出力波形図
【図8A】本発明の1実施例のNMOSバススイッチICの導通抵抗特性の模式図
【図8B】本発明の1実施例の低容量バススイッチICの導通抵抗特性の模式図
【発明を実施するための形態】
【0027】
時分割双方向切換を行う場合は、背景技術の0014段落のように、アナログ切換器の導通抵抗からインピーダンスミスマッチングが発生して反射による波形歪が発生する。さらにアナログ切換器の導通抵抗変化から、上下非対称の波形歪が発生する。そのため、受信側で受信信号の高周波数成分を増幅させる等の周波数特性補正や2970Mbpsの3GのSDI信号受信用に改良された等化器(イコライザ)(非特許文献4参照)または波形等化器を含む受信器(レシーバ)(非特許文献5参照)での波形等化では、反射による波形歪や上下非対称の波形歪による位相変化は残ってしまい補正できない。そのため、インピーダンスミスマッチングの反射による波形歪やアナログ切換器の導通抵抗の変化により上下非対称の波形歪が発生すると、伝送ケーブル長を延長することが困難であった。
【0028】
そこで、本発明では、SDI信号0.8Vp−pにおけるアナログ切換器の導通抵抗によるインピーダンスミスマッチングを伝送路の特性インピーダンスRz=75Ωの約1/50以下に低減し、さらにアナログ切換器の導通抵抗変化をRz=75Ωの約1/30以下に低減するか補正する。
具体的には、一つの伝送路を介して、デジタル化した映像信号、音声信号、制御信号を含むデジタル信号を時分割双方向切換送受するデジタル映像信号多重伝送装置において、伝送路の両側の終端に時分割に双方向を切換えるアナログ切換器の非特許文献8のNMOSバススイッチICを有し、受信側に波形等化器または波形等化器を含む受信器を有し、NMOSバススイッチICの電源電圧は、正電源Vccを+2.9V以上とし正電源Vccと負電源Veeの差Vabが4.5V以上5.5V以下とし、伝送するSDI信号の振幅0.8Vp−p直流電位0Vの各電圧−0.4Vから+0.4Vに対し、NMOSバススイッチの導通抵抗が8Ωから6Ωと導通抵抗の変化を2Ωと伝送路の特性インピーダンス75Ωに対し約2.7%と少なくする。または、NMOSバススイッチICが約3V以上の正電源を有し該正電源電圧より約2.5V以上低い(負の)電圧に前記NMOSバススイッチICを通過するデジタル信号をバイアスする。
そして、前記伝送路の特性インピーダンスRz=75Ωに対し、NMOSバススイッチICの導通抵抗の平均値Rd約7Ω分低減したRso=Rz−Rd=75−7=68で68Ωを終端抵抗値としてインピーダンスマッチングを取り、反射歪を低減する。
【0029】
または、前記伝送路の両側の終端に時分割多重を切換えるアナログ切換器の非特許文献9の5V低容量バススイッチICを有し、受信側に波形等化器または波形等化器を含む受信器を有し、5V低容量バススイッチICの電源電圧は、正電源Vccを+2.5V以上とし正電源Vccと負電源Veeの差Vabが4.5V以上5.5V以下とするかとし、前記伝送路の特性インピーダンスRz=75Ωに対し、5V低容量バススイッチICの導通抵抗Rdは4.8Ωから4.2Ωで平均値約4.5Ω分低減したRso=Rz−Rd=75−4.5=70.5≒71≒68+2.7で68Ωと2.7Ωの直列を終端抵抗値として平均誤差0.2Ω0.3%と誤差範囲以下の精度でインピーダンスマッチングを取り、反射歪を低減する。
【0030】
出力終端抵抗とアナログ切換器の導通抵抗との合計値と、受信終端抵抗とアナログ切換器の導通抵抗との合計値と、トライアックスケーブルまたは同軸ケーブルの伝送路の特性インピーダンス抵抗75Ωとがほぼ等しくなり、インピーダンスミスマッチングと反射による波形歪が低減する。さらにSDI信号の振幅値0.8Vp−pで抵抗値の変化が75Ωに対しNMOSバススイッチICで約2.7%と5V低容量バススイッチICで約0.8%と低減し、上下非対称の波形歪が低減する。
【0031】
ところで、本発明は、NMOSバススイッチICと5V低容量バススイッチICに限定せず、導通抵抗が低く高速なアナログ切換器のICが使用できる。SDI信号の振幅値0.8Vp−pにおける前記アナログ切換器の導通抵抗の平均値が前記伝送路の特性インピーダンス抵抗Rzの約1/10以下でかつ、SDI信号の振幅値0.8Vp−pにおける前記アナログ切換器の導通抵抗の変化が前記伝送路の特性インピーダンス抵抗Rzの約1/30以下、になるように、導通抵抗が低く高速なアナログ切換器のICの導通抵抗の特性に基づいて、正電源Vccと負電源Veeの値と、出力終端抵抗と受信終端抵抗の値と、前記アナログ切換器の電源電圧の正電源Vccを高く設定する。その結果、SDI信号0.8Vp−pにおけるアナログ切換器の導通抵抗によるインピーダンスミスマッチングを低減し、さらにアナログ切換器の導通抵抗変化を低減する。
【0032】
さらに、受信側の前記アナログ切換器の導通抵抗が低く信号波形の圧縮されない信号波形極性を圧縮する接地されたショトキーバリアダイオードと抵抗の直列接続とを有して、切替器で圧縮されない方を圧縮し、信号波形の上下のバランスをとる。
または、非特許文献9の5V低容量バススイッチICの導通抵抗Rdは、正電源電圧から2.7Vから3.5Vで4.2Ωと一定であることを利用し、5V低容量バススイッチを用いて、さらに正電源Vcc+3.2VでVee−1.3Vから−2.3Vとすれば、接地電位のSDI信号の0.8Vp−pでの導通抵抗Rdは4.2Ω一定で、抵抗値の変化がなくなり、上下非対称の波形歪がなくなる。
【0033】
その結果、受信側において、SDI信号の受信用のイコライザ(等化)ICまたは波形等化器を含む受信器ICで送信時の波形に戻す波形等化によるSDI信号の補正が容易となる。そのため、波形等化による劣化を最小限にする事が可能なるため、長いケーブルに応じた波形等化が可能となる。ケーブル2はトライアックスケーブルだけでなく、通常の同軸ケーブルでも従来より長いケーブルが伝送可能となる。さらに、ケーブル内の伝送波形とは独立に信号劣化を補正するので、中継ケーブルの挿入によるケーブル長の変更に容易に対応し、トライアックスケーブルだけでなく、通常の同軸ケーブルでも従来より長いケーブルが補正可能となる。また、2970Mbpsの3GのSDI信号受信用に改良された等化器または波形等化器を含む受信器で波形等化が有効となり、より長いケーブルが補正可能となる。
さらに、1500MbpsのHD−SDI信号、2970Mbpsの3GのSDI信号、約24000MbpsのUHDTV用のSDI信号の伝送でも、トライアックスケーブルや通常の同軸ケーブルでも従来より長いケーブルが伝送可能となる。
【0034】
以下、本発明の一実施例のトライアックスカメラシステムの全体を図1で説明してから、本発明の1実施例の反転増幅回路と非反転増幅回路のブロック図と入出力波形図と動作の模式図とを図3A〜図3C、図4A〜図4Cを用いて説明する。
【0035】
図1は、本発明の一実施例のトライアックスカメラシステムの全体を示すブロック図であり、撮像部1とトライアックスケーブル2と制御部3で構成している。101は図示していない入射光を結像するためのレンズ部、102はレンズ部101で結像した光を光電変換する撮像素子、103は映像信号をデジタル映像信号に変換するA/Dコンバータ、104と127とはデジタル映像信号を所定のレベルに増幅する事や輪郭強調等の処理を施す映像処理部である。105と136とは映像の圧縮を行う映像圧縮部で、107と135とはデジタル映像信号とデジタル音声信号と制御信号(CPUデータ)とを多重化するENCODE部、108と133とはデジタル信号を増幅する増幅部で、109と134とはトライアックスケーブル2の周波数特性分を補正する増幅部で受信側の波形等化器または波形等化器を含む受信器の前にある。この増幅部の切換はケーブル2の長さに応じて撮像部1または制御部3のCPUの113と130とからの制御により、増幅部がシャットダウン機能を有する増幅器や切り替え機能を有する増幅器や低インピーダンスの切換ICで構成されていれば、増幅部108と109と133と134とで行う。双方向部112と121とが時分割多重のアナログ切換器であり、108と109と133と134との増幅部が、長いケーブル用と短いケーブル用と各2組ある場合は、双方向部112と121とで切換えても良い。113と130とは制御するためのCPU(Central Processing Unit)、120は撮像部1とトライアックスケーブル2とをつなぐ接栓で142はトライアックスケーブル2と制御部3をつなぐ接栓、112は撮像部1で生成された映像信号と制御部3より伝送されてきた外部映像信号の時分割切換を行う双方向部、121とは外部映像信号と撮像部1より伝送されてきた映像信号の切換を行う切換部、119と122とは伝送されてきた信号の波形等化を行う波形等化器または波形等化器を含む受信器、116と125とはもとのデジタル映像信号とデジタル音声信号とに復調するDECODE部、115と126とは映像の伸長を行う映像伸長部、114と128とはデジタル映像信号をアナログ映像信号に変換するD/Aコンバータ(DAC)、138は増幅器である。
【0036】
次に本発明の一実施例の動作について説明する。
電源投入時に撮像部1のCPUの113または制御部3のCPUの130でケーブル2の遅延量または減衰量を測定する事によりケーブル2の長さを検出する。検出したケーブル2の長さは撮像部1または制御部3のCPUに伝送し、ケーブル2の長さは撮像部1と制御部3とで共用する。
【0037】
背景技術の非特許文献1の様に、映像シリアルデジタルインタフェース(SDI)信号はG(x)=(x9 +x4 +1)(x+1)という生成多項式による自己同期型スクランブルド(Non Return To Zero)NRZ−I符号を採用し、データの0/1を0→1,1→0の反転情報に置き換えることによって、極性フリーでスペクトルが均一に分布したSDI信号を実現している。こうした自己同期型スクランブルを掛けると、シリアル伝送路上に、1水平ラインに亘り、1ビットの1に続いて19ビットの0が続くパターン(あるいはその反転パターン)の信号や、20ビットの1が連続した後20ビットの0が連続するパターン(あるいはその反転パターン)の信号が発生する場合がある。これらのパターンは、パソロジカルパターンと呼ばれている。したがって、パソロジカルパターンの最大長20からSDI信号の基本クロック周波数の1/20から3倍の高調波周波数を伝送すれば、誤りなくSDI信号を伝送できる。SDI信号の生成にパソロジカルパターンの最大長をより短くする自己同期型スクランブルド符号を用いれば周波数帯域をさらに狭くできる。
【0038】
ここで、撮像部で生成された順方向のSDI信号はNTSCで270Mbps、HDTVで1500Mbpsのデータ量がある。3GのSDI信号は2970Mbpsのデータ量がある。UHDTV用のSDI信号は24000Mbpsのデータ量が予想される。また、制御部より撮像部に送り返し伝送される送り返しの映像信号はMPEG2で圧縮すると映像圧縮比がおおよそ1/5となり、順方向のSDI信号と圧縮した送り返しSDI信号の時分割切換または周波数選別を行う双方向部は時分割のアナログ切換器のICが好ましい。H.264で圧縮すると撮像部で生成された順方向のSDI信号の1500Mbpsに対し送り返し方向の映像圧縮されたSDI信号の25Mbpsと映像圧縮比が1/60と、パソロジカルパターンの最大長20と高調波次数3との積60倍の逆数の1/60以下も可能となる。音声信号,制御信号(CPUデータ信号)をSDI信号に重畳してあるので、順方向のSDI信号と圧縮した送り返しSDI信号の時分割切換または周波数選別を行う双方向部は、順方向のSDI信号を高域通過フィルタ(HPF)で通過させ、送り返し方向の映像圧縮されたSDI信号を低域通過フィルタ(LPF)で通過させ、順方向のSDI信号と送り返し方向の映像圧縮されたSDI信号とを双方向伝送させる組み合わせでも良い。
また、制御部3から入力し撮像部1に送り返えされて撮像部1から出力する外部デジタル映像信号も上記と同様に伝送される。図1では、送り返し方向の映像圧縮は映像圧縮部136で圧縮されているが、圧縮された外部デジタル映像信号を入力しても良い。
【0039】
撮像部1の撮像素子102は、レンズ部101で結像された入射光を光電変換してデジタル映像信号処理部104に出力する。デジタル映像信号処理部104は、映像信号のレベル増幅や輪郭強調等の処理を施し出力する。映像圧縮部105で、HDTVのSDI信号と3GのSDI信号の場合は低遅延の映像圧縮を行い、UHDTV用のSDI信号の場合はH.264等の高圧縮比の映像圧縮を行い、SDI信号を270Mbpsに圧縮し、NTSCのSDI信号の270MbpsはそのままENCODE部107に出力される。ENCODE部107では、デジタル映像信号とデジタル音声信号とCPUデータとを多重化される。多重化された信号は、ケーブル2が長い場合には、増幅部108と109とにより増強される。短い場合には、一定の低増幅率とする。撮像部1より出力された補正デジタル信号波形は、ケーブル2を介して制御部3に伝送される。
【0040】
上記は270MbpsのNTSCの4:2:2映像信号の伝送について説明したが、HDTVの映像信号のHD−SDIの1500Mbps(4:2:2)や3000Mbps(4:4:4)やSHDTVや24000Mbpsのデータ量が予想されるUHDTVのSDIについても、A/Dコンバータ、D/Aコンバータ、増幅器、波形等化器または波形等化器を含む受信器、バススイッチIC等が高速化すれば、適用可能となる。
【0041】
さらに、撮像素子と映像信号処理部とCPU(Central Processing Unit)を有する撮像部(Camera Head)と、映像信号多重伝送部(Camera Adaptor)と、映像信号処理部と映像信号入出力部とCPUを有する制御部(Camera Control Unit)とを具備すれば、運動施設やホールの内部に光ケーブルを敷設し直すことなく、運動施設やホールに既に敷設されているトライアックスケーブルを用いて、映像信号を時分割双方向多重伝送し、運動施設やホールの外部の有線(光ファイバー網)または無線(Field Pick Up)の映像信号伝送手段で放送局に伝送するか録画するいわゆる放送中継が可能な撮像装置(テレビカメラ)が実現できる。
【実施例1】
【0042】
背景技術で説明したように、電流帰還演算増幅器は小振幅で増幅度2倍なら1.2GHz程度までの高周波数を増幅できる。しかし、電流帰還演算増幅器内部の増幅トランジスタのエミッタが負入力端子に接続されており、負帰還入力端子の接続インピーダンスは高周波数成分が抵抗成分でないと、高周波数で発振を起こしやすい。そのため、電流帰還演算増幅器の負帰還入力端子を容量で接地するのではなく、本発明の1実施例のフェライトビーズの周波数特性の模式図の図5の様な、おおよそ25MHzまたは270MHzまたは1500MHzまたは3000MHzのクロック基本波周波数Fcにおけるインピーダンス(抵抗)分が前記電流帰還演算増幅器の非反転増幅の負入力の接地抵抗または反転増幅の負入力の入力抵抗より低く、クロック高調波周波数におけるインピーダンス(抵抗)分が非反転増幅の負入力の接地抵抗または反転増幅の負入力の入力抵抗より高いフェライトビーズを電流帰還演算増幅器の出力と電流帰還演算増幅器の負入力間に設け、伝送信号の低周波数成分を減衰し高周波数成分を増強する。高周波数の出力インピーダンスが上昇してしまう場合は、電流バッファICを追加する。
【0043】
さらに、波形等化器または波形等化器を含む受信器(以下波形等化器)の入力振幅に余裕がない場合は、伝送路(トライアックスケーブルまたは同軸ケーブル)が長く伝送路の損失が大きいときのみ、増幅度を高くし、伝送路が短く伝送路の損失が小さいときは増幅度を0dB(特性整合損失を除けば+6dB)付近にする。
【0044】
制御部3に伝送されたデジタル信号波形は、ケーブル2が長い場合には、増幅部109とで基本波周波数以下の低周波数成分を減衰させ3次以上の高調波成分を増強してから波形等化器122で波形等化が行われ、その後DECODE部125によりもとのデジタル映像信号とデジタル音声信号とに復調し、映像伸縮部126で映像伸縮を行い、デジタル信号処理部127で信号処理後、D/Aコンバータ128でアナログ映像信号に変換され増幅器138から出力する。又、DECODE部125からは、CPUデータ、音声データも再生される。増幅部の108と109と波形等化器の119と122との性能が向上し1500Mbps等の高いデータ量が伝送できる場合は、映像圧縮部105の圧縮比を下げてより低遅延とする。低遅延で高圧縮比の映像圧縮が可能となれば、映像圧縮部105の出力SDI信号を25Mbps、50Mbps等の100Mbps以下に圧縮し、本発明の1実施例のフェライトビーズの周波数特性の模式図の図5の(c)の様な低い周波数でインピーダンスが変化するフェライトビーズで、SDI信号のクロック基本波周波数以下の低周波数成分を減衰させ、高調波成分を増強する。
【0045】
双方向部112と121とはHPFとLPFとで構成されており双方向部112と121とは時分割のアナログ切換器のNMOSバススイッチICまたは5V低容量バススイッチである。通過信号振幅に余裕がない場合は、ケーブル2の長さが長い場合に送信側では増幅度を3次高調波までの周波数で一定としてオーバーシュートを防止して振幅を制限し、受信側で基本波周波数以下の低周波数成分を減衰させ3次以上の高調波成分を増強する。
以下、説明を簡易化するため、広帯域で一般的な電流帰還演算増幅器で説明する。広帯域な電圧帰還演算増幅器を用いても良い。
【0046】
図3Aは本発明の1実施例の反転増幅回路のブロック図であり、図3Bは本発明の1実施例の非反転増幅回路のブロック図であり、図4Aは本発明の1実施例の反転増幅回路の入出力波形図であり、図4Bは本発明の1実施例の非反転増幅回路の入出力波形図であり、図5は、本発明の1実施例のフェライトビーズの周波数特性の模式図である。本発明に用いるインピーダンス体は、図5のフェライトビーズの周波数特性例をしめす模式図のようなフェライトビーズまたは、図5と同様な周波数特性例をしめすインダクタと容量の並列接続と抵抗である。
【0047】
図3Aと図3Bとは反転+6dBや非反転+12dBで帯域3Fcが確保できる電流帰還演算増幅器または電流帰還演算増幅器と電流バッファICのIC1を用いた場合である。背景技術で説明した様に電流帰還演算増幅器は0.2Vp−pの小振幅で0dBなら1.8GHz程度、+6dBなら1.2GHz程度までの高周波数を増幅でき、2Vp−pの大振幅なら750MHz程度までの高周波数を増幅できる。そのため、高周波数増幅に余裕ができるので、フェライトビーズの周波数特性のインピーダンス変化がより大きくなれば、より長いケーブルが補正できる。
【0048】
図3A〜図3Fにおいて、IC2、IC5〜IC14はNMOSバススイッチICであり、D10,D11はショトキーバリアダイオード(以下SBD)、Z1、Z2,Z5〜Z24は図5の周波数特性の模式図のようなフェライトビーズであり、C1〜C14とCoは容量であり、Roは出力抵抗、Rsoは出力終端抵抗、R1〜R7,R11,R12は抵抗である。Vinは送信側入力信号、Vsoは送信側出力信号、Vrinは受信側入力信号、Vroは受信側増幅出力信号、Voは受信側出力信号である。
【0049】
図3Aと図3Bとの増幅部134の出力抵抗Roは次の等化器122の入力の特性抵抗にそろえるが、増幅部134の増幅器の出力と次の等化器122の入力との配線長がデジタル信号の波形のクロック基本波周波数の波長の1/8(270MHzなら154mm)以下なら出力抵抗Roは短絡可能である。図3Aと図3Bの様に、増幅部108として用いる場合は、出力終端抵抗Rsoは伝送路2の特性抵抗Rzが一般に75ΩからNMOSバススイッチICの導通抵抗Rdを引いた値となる。NMOSバススイッチICの導通抵抗Rdは、正電源電圧Vccから2.5Vで8Ω、2.9Vで7Ω、3.3Vで6Ωとなる。そのため、図3Aと図3Bのアナログ切換器にNMOSバススイッチICを用いた場合では、正電源Vcc+2.9Vでの直流電位SDI信号の振幅での導通抵抗Rdの8Ωから6Ωで平均7Ωとなる。出力終端抵抗Rsoは75Ωから7Ωを引いた値で68Ωとなる。図3Aの受信終端抵抗R6は68Ω程度、図3Bの受信終端抵抗R3と受信終端抵抗R4との合計は68Ωが最適だが、33+36=69で69Ω程度でも誤差約1.3%で許容できる。
NMOSバススイッチICの導通抵抗Rdは正電源電圧から2.9Vで7Ω、3.3Vで6Ω、3.7Vで5Ωとなるから、正電源Vccを3.3V以上に高くすれば、出力終端抵抗Rsoは導通抵抗Rdの平均6Ωを引いた69Ωが最適だが68Ωでも誤差約1.3%で許容できる。
【0050】
また、図3Aと図3Bのアナログ切換器に非特許文献9の5V低容量バススイッチを用いた場合では、導通抵抗Rdは正電源電圧Vccから2.1Vで4.8Ω、2.5Vで4.3Ω、2.7Vから3.5Vで4.2Ωとなる。そのため、正電源Vcc+2.5Vでの直流電位SDI信号の振幅での導通抵抗Rdは4.8Ωから4.2Ωで平均4.5Ωとなる。RzからRdを引き、75−4.5=70.5=33+36+1.5≒68+2.7となり、R6は68Ωと2.7Ωの直列でRz75Ωからの誤差0.2Ωで0.3%と誤差範囲以下で、R3は33ΩでR4は36Ωと1.5ΩとでRz75Ωからの誤差はなくなる。
つまり、Rso+Rd=Rz、R6+Rd=Rz,R3+R4+Rd=Rzを誤差範囲以下でインピーダンスマッチングをとり、反射歪を低減する。
【0051】
さらに、受信側のアナログ切換器の導通抵抗が低く信号波形の圧縮されない信号波形極性を圧縮する接地されたショトキーバリアダイオードD10と抵抗R11の直列接続で、信号波形の上下のバランスをとる。
非特許文献9の5V低容量バススイッチのCの導通抵抗Rdは、正電源電圧から2.7Vから3.5Vで4.2Ωと一定であることを利用し、5V低容量バススイッチを用いて、さらに正電源Vcc+3.2VでVee−1.3Vから−2.3Vとすれば、接地電位のSDI信号の0.8Vp−pでの導通抵抗は4.2Ω一定で、抵抗値の変化がなくなり、上下非対称の波形歪がなくなる。そのため、上下非対称の波形歪の補正のD10とR11は不要となり、D10またはR11開放とする。
【0052】
図3Aと図3Bと図4Aと図4Bにおいて、バススイッチ器のIC2の切替により、伝送ケーブルが近距離時は演算増幅器の負入力の接地抵抗または負入力の入力抵抗のR1と演算増幅器の出力と演算増幅器の負入力間の帰還抵抗のR2の値の比から増幅度(Gain)は周波数によらず一定で、出力は0.8Vp-pとなる。そして、伝送ケーブルが遠距離時は、例えばSDIでは演算増幅器の出力と演算増幅器の負入力間の帰還のフェライトビーズZ1の周波数特性から低周波数が減衰され、高周波数が増強される。具体的には、本発明の1実施例のフェライトビーズの周波数特性の模式図の図5の(a)BLM15BA220SNで基本波付近の300MHzでは73Ωで基本波成分の振幅はおおよそ0.4Vp-pと少なく、3倍高調波付近の1000MHzでは505Ωで、3倍高調波成分の振幅はおおよそ1.4Vp-pと大きくなる。またHD−SDIではフェライトビーズZ1が本発明の1実施例のフェライトビーズの周波数特性の模式図の図5の(b)MMMZ0603F100Cが3並列で基本波付近の1500MHzでは66Ωで基本波成分の振幅はおおよそ0.4Vp-pと少なく、3倍高調波付近の4500MHzでは220Ωで、3倍高調波成分の振幅はおおよそ1.2Vp-pと大きくなる。通常、直径8.6mmのトライアックスケーブルの300MHzの減衰量は100mで12dBである。したがって、6dB低域を減衰させ6dB高域を増幅すれば、SDIではおおよそ100m延長したケーブルでも波形等化が可能となる。図3Aまたは図3Bの本発明の1実施例の増幅回路を、送信と受信の両方に設ければ、補正量とケーブル延長量は倍になり、SDIではおおよそ200m延長したケーブルでも波形等化が可能となる。
【0053】
ケーブル2の長さが長い場合のみ、送信側で高域周波数成分を増強し低周波数成分を減衰を行う事で、受信側での波形等化による補正量が小さくなるため、波形等化による劣化を最小限にする事が可能なるため、長いケーブルに応じた波形等化が可能となる。さらに基本波の周波数に合わせてフェライトビーズの特性を選択することで、さらに長いケーブルに応じた波形等化が可能となる。
基本波周波数インピーダンスが負入力抵抗の半分以下で、3次高調波周波数インピーダンス分が負入力抵抗の2倍以上のフェライトビーズであれば、実用になる。
【0054】
図3Cと図4Cにおいて、例えばSDIではフェライトビーズZ1が模式図の図5の(a)BLM15BA220SNで、100MHzでは5Ωで無視でき、抵抗R5=220Ωと抵抗R2=680Ωとの並列で約167Ωで基本波成分の振幅はおおよそ0.4Vp-pで、3倍高調波付近の1000MHzでは505Ωで725Ωと抵抗R2=680Ωとの並列で約351Ωでと、3倍高調波成分の振幅はおおよそ0.8Vp-pとなる計算である。またHD−SDIではフェライトビーズZ1を本発明の1実施例のフェライトビーズの周波数特性の模式図の図5の(b)MMMZ0603F100Cが3並列とすればよい。また、H.264等の映像圧縮が高画質で高圧縮比を維持してより低遅延となり、50Mbps等のより低いデータ量でカメラの映像信号が伝送可能となった場合は、フェライトビーズZ1を本発明の1実施例のフェライトビーズの周波数特性の模式図の図5の(c)MMMZ2012D301Bとすればよい。
【0055】
例えばSDIではフェライトビーズZ1が模式図の図5の(a)BLM15BA220SNで、基本波300MHz付近で73Ωで抵抗R5=75Ωとの直列で約148Ωでの振幅はおおよそ0.4Vp-pで、3倍高調波付近の1000MHzでは505Ωと抵抗R5=75Ωとの直列で約580Ωで、3倍高調波成分の振幅はおおよそ2.4Vp-pとなる計算である。またHD−SDIではフェライトビーズZ1が本発明の1実施例のフェライトビーズの周波数特性の模式図の図5の(b)MMMZ0603F100Cが3並列とすれば、基本波1500MHz付近で66Ωで抵抗R5=75Ωとの直列で約141Ωでの振幅はおおよそ0.4Vp-pで、3倍高調波付近の4500MHzでは220Ωと抵抗R5=75Ωとの直列で約295Ωで、3倍高調波成分の振幅はおおよそ2.4Vp-pとなる計算である。通常、直径8.6mmのトライアックスケーブルの1500MHzの減衰量は100mで約19dBである。したがって、6dB低域を減衰させ9dB高域を増幅すれば、HD−SDIではおおよそ85m延長したケーブルでも波形等化が可能となる。SDIではおおよそ125m延長したケーブルでも波形等化が可能となる。
【0056】
そのため、1500MbpsのHD−SDIにも対応できる。また、300MbpsのSDIでは、高周波数増幅に余裕ができるので、フェライトビーズの周波数特性のインピーダンス変化がより大きくなれば、より長いケーブルが補正できる。
さらに増幅器やフェライトビーズの高周波数特性が改良されれば、2970Mbpsの3GのSDI信号、約24000MbpsのUHDTV用のSDI信号の伝送でも、トライアックスケーブルや通常の同軸ケーブルでも従来より長いケーブルが伝送可能となる。
【0057】
図3Aと図3Bとで、増幅部のアナログ切換器で切換えるとしたが、図3Aと図3Bとは、シャットダウン(SD)機能付きの演算増幅器で切換えて増幅しても良い。
【実施例2】
【0058】
本発明の実施例1と同様の部分の説明は省略する。
本発明の実施例1の図3Aと図3Bとの本発明の1実施例の増幅回路と切替器とのブロック図と、本発明の実施例2の図3Cと図3Dとの本発明の1実施例の駆動回路と波形等化器または波形等化器を含む受信器(以下波形等化器)と切替器とのブロック図との相違は、図3Aと図3Bとの送出増幅回路が図3Cと図3Dとの駆動回路と容量のCoとに、図3Aと図3Bとの受信増幅回路が図3Cと図3Dとの等化器に、変更されている。
【0059】
図3Cと図3Dのアナログ切換器にNMOSバススイッチICを用いた場合では、電源電圧を正電源Vccを+2.9V以上3.3V程度まで高くとし正電源Vccと負電源Veeの差Vabが4.5V以上5.5V以下とし、負電源電圧Veeを1.7V程度まで少なくし、伝送するSDI信号の振幅0.8Vp−p直流電位0V(接地電位中心)の各電圧−0.4Vから+0.4Vに対し、アナログ切換器のNMOSバススイッチの導通抵抗と導通抵抗の変化とを少なくする。NMOSバススイッチICの導通抵抗Rdは、正電源電圧Vccから2.5Vで8Ω、2.9Vで7Ω、3.3Vで6Ωとなる。そのため、出力抵抗Rsoと受信終端抵抗R6とは伝送路2の特性抵抗Rz一般に75ΩからNMOSバススイッチICでは、直流電位SDI信号の振幅での導通抵抗Rdの6Ωから8Ωで平均7Ωを引いた値で68Ωとし、Rz75Ω程度とする。
そのため、出力終端抵抗とNMOSバススイッチICの導通抵抗との合計値と、受信終端抵抗とNMOSバススイッチICの導通抵抗との合計値と、トライアックスケーブルまたは同軸ケーブルの伝送路の特性インピーダンス75Ωとが誤差約1%とほぼ等しくなり、インピーダンスミスマッチングの反射による波形歪が低減する。さらに直流電位SDI信号の振幅での振幅値0.8Vp−pで抵抗値の変化が75Ωに対し約2%と低減し、上下非対称の波形歪が低減する。
【0060】
また、図3Cと図3Dのアナログ切換器に非特許文献9の5V低容量バススイッチを用いた場合では、導通抵抗Rdは正電源電圧Vccから2.1Vで4.8Ω、2.5Vで4.3Ω、2.7Vから3.5Vで4.2Ωとなる。そのため、正電源Vcc+2.5Vでの直流電位SDI信号の振幅での導通抵抗Rdは4.8Ωから4.2Ωで平均4.5Ωとなる。RzからRdを引き、75−4.5=70.5≒71≒68+2.7で68Ωと2.7Ωの直列として、75Ωに対する平均誤差0.2Ω0.3%と誤差範囲以下の精度でインピーダンスマッチングを取る。反射による波形歪が誤差範囲以下となる。さらに直流電位SDI信号の振幅での振幅値0.8Vp−pで抵抗値の変化が75Ωに対し約0.8%p−pと誤差範囲以下に低減し、上下非対称の波形歪も誤差範囲以下になる。
【0061】
さらに、受信側の前記アナログ切換器の導通抵抗が低く信号波形の圧縮されない信号波形極性を圧縮する接地されたSBDのD10と抵抗R11の直列接続とを有して、切替器で圧縮されない方を圧縮し、信号波形の上下のバランスをとり、SDI信号の受信用の等化器または波形等化器を含む受信器で送信時の波形に戻す波形等化をし易くする。その結果、延長したケーブルでも波形等化が可能となる。
【0062】
また、5V低容量バススイッチICの導通抵抗Rdは、正電源電圧から2.7Vから3.5Vで4.2Ωと一定であることを利用し、5V低容量バススイッチを用いて、さらに正電源Vcc+3.2VでVee−1.3Vから−2.3Vとすれば、接地電位のSDI信号の0.8Vp−pでの導通抵抗Rdは4.2Ω一定で、抵抗値の変化がなくなり、上下非対称の波形歪がなくなる。そのため、上下非対称の波形歪の補正のD10とR11は不要となり、D10またはR11開放とする。
さらに、Rso=R6=Rz−Rd=75−4.2=70.8≒71≒68+2.7で、RsoとR6とを68Ωと2.7Ωの直列とすれば、Rz75Ωからの誤差0.1Ωで0.1%とほとんどなくなる。つまり、反射による波形歪もほとんどなくなる。
【0063】
つまり、従来の駆動回路と波形等化器と切替器とのブロック図の図6と、本発明の実施例2の図3Cと図3Dとの本発明の1実施例の駆動回路と波形等化器と切替器とのブロック図との相違は、アナログ切換器のNMOSバススイッチまたは5V低容量バススイッチのICの電源電圧と、出力抵抗Rsoと受信終端抵抗R6とを工夫し、インピーダンスミスマッチングの反射による波形歪と抵抗値の変化による波形の非対称歪を低減したことである。従来の駆動回路と波形等化器と切替器との入出力波形図の図7のVrinの非対称歪が著しいのに対し、本発明の1実施例の駆動回路と波形等化器の入出力波形図の図4DのVrinの非対称歪は少ない。そのため、SDI信号の受信用の等化器または波形等化器を含む受信器による波形等化が容易で、ケーブル長を伸ばすことが可能となる。
【0064】
さらに、本発明の実施例2の図3Cの本発明の1実施例の駆動回路と波形等化器と切替器とのブロック図では、超長距離ケーブル用に、受信側の前記アナログ切換器の導通抵抗が低く信号波形の圧縮されない信号波形極性を圧縮する接地されたSBDと抵抗の直列接続とで、切替器で圧縮されない信号波形極性を圧縮し、信号波形の上下のバランスをとる。
または、5V低容量バススイッチを用いて正電源Vcc+3.2Vなら、図4DのVrinの反射による波形歪と抵抗値の変化による非対称歪は誤差範囲以下になる。
【0065】
その結果、従来の駆動回路と波形等化器と切替器との入出力波形図の図7のVrinの非対称歪が著しいのに対し、本発明の1実施例の駆動回路と波形等化器または波形等化器を含む受信器の入出力波形図の図4CのVrinの非対称歪はほとんどなく、波形等化器または波形等化器を含む受信器による波形等化が容易で、270MbpsのSDI信号や1500MbpsのHD−SDI信号で、トライアックスケーブルや通常の同軸ケーブルでも超長距離ケーブルでの伝送が可能となる。
さらに駆動回路と波形等化器または波形等化器を含む受信器が改良されれば、2970Mbpsの3GのSDI信号、約24000MbpsのUHDTV用のSDI信号の伝送でも、トライアックスケーブルや通常の同軸ケーブルでも従来より長いケーブルが伝送可能となる。
【実施例3】
【0066】
本発明の実施例1と同様の部分の説明は省略する。
本発明の実施例1の図3Aの本発明の1実施例の増幅回路と切替器とのブロック図と、本発明の実施例3の図3Eと図3Fの本発明の1実施例の増幅回路と切替器とのブロック図との相違は、図3Aの送出増幅回路の抵抗R14が図3Eと図3Fの送出増幅回路のフェライトビーズZ2に、変更されている。さらに図3AではショトキーバリアダイオードD10と抵抗R11の直列接続の組であるのに対し、図3EではショトキーバリアダイオードD11と抵抗R12の直列接続の組が追加され、図3FではショトキーバリアダイオードD11と抵抗R12の直列接続の組となっている。ショトキーバリアダイオードD10とショトキーバリアダイオードD11とでは順方向効果電圧特性が異なっている。
【0067】
アナログ切換器の5V低容量バススイッチICの電源電圧の正電源Vccを+2.9V以上とし正電源Vccと負電源Veeの差Vabが4.5V以上5.5V以下として、通過信号振幅に余裕を持たせて、送信側のオーバーシュートを許容させる。本発明の1実施例の低容量バススイッチICの導通抵抗特性の模式図の図8Bのように、負電源Veeの導通抵抗3.8Ωと正電源Vccから2.3Vの導通抵抗4.8Ωの2.2Vp−pの通過信号振幅は許容される。その上で、ケーブル2の長さが長い場合に送信側で、フェライトビーズZ2を用いオーバーシュートを許容して、送信側でも基本波周波数以下の低周波数成分を減衰させ3次以上の高調波成分を増強する。さらに、送信側の低容量バススイッチICの導通抵抗が低く信号波形の圧縮されない信号波形極性を圧縮する接地されたショトキーバリアダイオードと抵抗の直列接続と、受信側の低容量バススイッチICの導通抵抗が低く信号波形の圧縮されない信号波形極性を圧縮する接地されたショトキーバリアダイオードと抵抗の直列接続とを有して、送信側と受信側で圧縮されない方を圧縮し、信号波形の上下のバランスをとる。
低容量バススイッチICの導通抵抗の変化が少なくなれば、受信側で圧縮されない方を圧縮するショトキーバリアダイオードD10と抵抗R11は必要はなくなり、ショトキーバリアダイオードD11と抵抗R12の直列接続の1組で良い。
【0068】
本発明の実施例1から実施例3の産業上の利用として、トライアックスケーブルでの伝送の超長距離化だけでなく、270MbpsのSDI信号や1500MbpsのHD−SDI信号で、や通常の同軸ケーブルでも超長距離ケーブルでの伝送が可能となるため、SDI映像信号に電源を重畳する監視用途の同軸重畳でも超長距離化が容易となる。特に映像信号に定電圧電源を重畳すると超長距離化が容易となる。
【符号の説明】
【0069】
1:撮像部、2:トライアックスケーブル、3:制御部、
101:レンズ部、102:撮像素子、
103,129,141:A/Dコンバータ(ADC)、
104,127,204、217:デジタル信号処理部、
105,136:映像圧縮部、
106:切換部、112,121:双方向部、
107,135:ENCODE部、116,125:DECODE部、
114,128,139,140:D/Aコンバータ(DAC)、
108,109,133,134,:増幅部、
138,139,238,239:駆動回路、113,130:CPU、
115,126:映像伸長部、119,122,219,222:波形等化器または波形等化器を含む受信器、
211、215:フィルタ、120,142:接栓、
208,209、222,224:MULTIPLEX部、
210,216:時分割双方向切換部
IC1,IC3:演算増幅器または演算増幅器と電流バッファ、
IC2,IC5:アナログ切換器、IC4:アナログ切換器、
Z1〜Z2:フェライトビーズ、C1〜C14,Co:容量、
D10,D11:ショトキーバリアダイオード(SBD)、
Ro:出力抵抗、Rso:出力終端抵抗、R1〜R7,R11,R12:抵抗、
Rz:伝送路の特性インピーダンス抵抗、Rd:アナログ切換器の導通抵抗の平均値、
Vin:送信側入力信号、Vso:送信側出力信号、
Vrin:受信側入力信号、Vro:受信側増幅出力信号、Vo:受信側出力信号、
Vcc:正電源、Vee:負電源
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビジョンカメラ装置等の撮像装置に用いる映像信号多重伝送装置における伝送方法の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、テレビジョンカメラシステムではカメラヘッドとカメラコントロールユニットの間で本線映像信号,送り返し映像信号,音声信号,コントロール用シリアルデータ信号,及び電源の伝送を3重同軸(トライアックス)ケーブル1本の伝送路で行なっている。簡易方法として伝送路に通常の同軸ケーブルも用いることもある。通常、これらの信号は周波数変調され周波数多重伝送するか、デジタルで時分割多重(双方向切換)伝送される。
【0003】
主な映像信号としてはSDTVとして有効走査線485本のNTSCと有効走査線575本のPAL、HDTVとして有効走査線720本と有効走査線1080本、SHDTVとして有効走査線2160本、UHDTVとして有効走査線4320本がある。
【0004】
カメラ部から出力されたNTSCの10bit4:2:2のデジタル化した映像信号、音声信号、制御信号を含む映像シリアルデジタルインタフェース(SDI)信号は出力振幅0.8Vp−pで270Mbpsのデータ量があり、送り返しの映像信号はデータ圧縮しても約50Mbpsのデータ量がある。時分割双方向伝送の場合、映像信号を時間圧縮し、約360Mbpsの信号にして短い時間で間欠的にカメラヘッドからカメラ制御装置に伝送する。そして時間圧縮により空いた期間に、カメラ制御装置からカメラヘッドの方向に360Mbpsに時間圧縮した送り返しの映像信号を短い時間で間欠的に伝送する。その処理を1秒間に数回の速度で入出力切換え器により切り替えを行なうことにより時分割多重(双方向切換)伝送を実現している(特許文献1)。HDTV用のSDI(HD−SDI)信号は1500Mbpsのデータ量がある。3GのSDI信号は2970Mbpsのデータ量がある。UHDTV用のSDI信号は約24000Mbpsのデータ量がある。
【0005】
パルス波形の再生を行うことを波形等化という。通常、直径8.6mmのトライアックスケーブルの300MHzの減衰量は100mで12dBで1kmで120dBと大きく、現状の市販の波形等化器では、直径8.6mmのトライアックスケーブルでは約500m程度しかカメラヘッドとカメラコントロールユニットの間は延長できない。中継ケーブルの挿入による延長には、伝送された基準信号に基づき、デジタル映像信号のケーブル周波数特性の劣化を予め補正する必要がある。SDI映像信号に電源を重畳する監視用途の同軸重畳も提案されている(非特許文献1参照)。
【0006】
SDI信号は、アナログ信号処理回路において反転増幅器が多用されるため、信号の極性を常に留意していることが煩わしくなる。そこで、G(x)=(x9 +x4 +1)(x+1)という生成多項式による自己同期型スクランブルド(Non Return To Zero)NRZ−I符号を採用し、データの0/1を0→1,1→0の反転情報に置き換えることによって、極性フリーでスペクトルが均一に分布したSDI信号を実現している。こうした自己同期型スクランブルを掛けると、シリアル伝送路上に、1水平ラインに亘り、1ビットの1に続いて19ビットの0が続くパターン(あるいはその反転パターン)の信号や、20ビットの1が連続した後20ビットの0が連続するパターン(あるいはその反転パターン)の信号が発生する場合がある。これらのパターンは、パソロジカルパターンと呼ばれている。したがって、パソロジカルパターンの最大長20からSDI信号の基本クロック周波数の1/20から3倍の高調波周波数を伝送すれば、誤りなくSDI信号を伝送できる(非特許文献2参照)。HD−SDI信号も同様である。
【0007】
送信回路と受信回路のインピーダンスがケーブルインピーダンス75Ωから外れると反射が起こり伝送エラーが増加する。SDI信号を長距離にケーブル伝送するには、送信回路と受信回路のインピーダンスを所要周波数内で、ケーブルインピーダンス75Ωにできるだけ一致させるのが望ましい(非特許文献2参照)。
【0008】
2970Mbpsの3GのSDI信号受信で伝送同軸ケーブル長100mから200mに改良された波形等化器で波形等化しても、270MbpsのSDI信号受信で伝送同軸ケーブル長は350mから400mと少ししか伸びない(非特許文献3と非特許文献4参照)。波形等化器を含む受信器でも270MbpsのSDI信号受信で伝送同軸ケーブル長は480mと少ししか伸びない(非特許文献5参照)。
【0009】
電流帰還演算増幅器(Operational Amplifier: Op Amp)は0.2Vp−pの小振幅で増幅度1倍(0dB)なら1.8GHz程度、増幅度2倍(+6dB)なら1.2GHz程度までの高周波数を増幅でき、2Vp−pの大振幅なら750MHz程度までの高周波数を増幅でき、シャットダウン(SD)機能を有するものもある(非特許文献6参照)。
しかし、電流帰還演算増幅器内部の増幅トランジスタのエミッタが負入力端子に接続されており、負入力端子の接続インピーダンスは高周波数成分が抵抗成分でないと、高周波数で発振を起こしやすい。そのため、電流帰還演算増幅器の負入力端子を容量で接地し、高周波数成分を増強する増幅回路の実現は困難だった。
【0010】
ところで、最近不要輻射低減用に、低い周波数では、低いインピーダンスで、特定周波数からインピーダンスが急激に高くなり、抵抗成分が大きいフェライトビーズが多様な種類で各社から量産されている。フェライトビーズの近似の等価回路はインダクタと容量と抵抗との並列接続したものと抵抗との直列接続したものである(非特許文献7参照)。フェライトビーズを用いたケーブル補正も提案されている(特許文献2参照)。
【0011】
従来の一実施例の概要と動作を図2で説明する。図2は、従来の一実施例のトライアックスカメラシステムを示すブロック図である。図2において、トライアックスカメラシステムは撮像部1とトライアックスケーブル2と制御部3で構成している。
【0012】
撮像部1の撮像素子102は、レンズ部101で結像された入射光を光電変換してデジタル映像信号処理部204に出力する。デジタル映像信号処理部204は、映像信号のレベル増幅や輪郭強調等の処理を施し出力する。伝送路2が長い場合、映像圧縮部105で映像圧縮を行い、短い場合はそのまま時分割双方向切換部210に出力される。時分割双方向切換部210では、デジタル映像信号とデジタル音声信号とを時分割多重化し、双方向伝送する。撮像部1より出力されたシリアルデジタル信号は、トライアックスケーブル2を介して制御部3に伝送される。制御部3に伝送されたシリアルデジタル信号は、時分割双方向切換部216で分解され、もとのデジタル映像信号とデジタル音声信号とに復調し、映像伸縮を行い、デジタル信号処理部217で信号処理後、D/Aコンバータ128でアナログ映像信号に変換され、映像信号を出力する。また、制御部3から入力し撮像部1から出力する外部映像信号も上記と同様に伝送される。
【0013】
時分割双方向切換部210と216とは、高速なNMOS(N-channel Metal Oxidize Semiconductor Field Effect Transistor)バススイッチのICを用いるが、NMOSバススイッチのIC内のNMOSのソースーゲート間電圧が約1V以上確保されないとNMOSバススイッチが導通されない。またNMOSバススイッチIC内のNMOSのソースーゲート間電圧が約2VではNMOSバススイッチの導通抵抗Rdが高い。またNMOSバススイッチIC内のNMOSのソースーゲート間電圧が約2.5V以上確保されないとNMOSバススイッチの導通抵抗Rdが下がりきらない。そのため、時分割双方向切換部を通過する信号は、NMOSバススイッチICの正電源電圧から約2.5V低い電圧以内が圧縮され、NMOSバススイッチICの正電源電圧から約2V低い電圧以内が強く圧縮され、NMOSバススイッチICの正電源電圧から約1V低い電圧以下に制限される。具体的なNMOSバススイッチICの導通抵抗Rdは、本発明の1実施例のNMOSバススイッチICの導通抵抗特性の模式図の図8Aのように、NMOSバススイッチICの正電源電圧から2.1Vで10Ω、2.5Vで8Ω、2.9Vで7Ω、3.3Vで6Ω、3.7Vで5Ω、4.3Vで4Ωとなる(非特許文献8参照)。
つまり、時分割双方向切換を行う場合は、接地電位のSDI信号0.8Vp−pでの導通抵抗RdがNMOSバススイッチで10Ωから7Ωとなり、トライアックスケーブルまたは同軸ケーブルの伝送路の特性インピーダンスRz=75Ωに対し5%以上と、無視できない抵抗値となり、インピーダンスミスマッチングが発生して反射による波形歪が発生する。さらにSDI信号の振幅値0.8Vp−pでの抵抗値変化がNMOSバススイッチICでは3Ωと75Ωに対し約4%と無視できない変化をし、上下非対称の波形歪が発生する。受信側で受信信号の高周波数成分を増幅させる等の周波数特性補正や2970Mbpsの3GのSDI信号受信用に改良された等化器でも波形等化では、インピーダンスミスマッチングの反射による波形歪や上下非対称の波形歪による位相変化は残ってしまい補正できない。そのため、伝送ケーブル長を延長することが困難であった。
【0014】
改良された5V低容量バススイッチICも製品化され、本発明の1実施例の低容量バススイッチICの導通抵抗特性の模式図の図8Bのように、正電源電圧から1Vで6Ω、1.5Vで6.8Ω、2Vで5Ω、2.1Vで4.8Ω、2.5Vで4.3Ω、2.7Vから3.5Vで4.2Ω、3.9Vで4Ω、4.5Vで3.8Ωとなる(非特許文献9参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開平7−203399号公報
【特許文献2】特開2010−021993号公報
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】ジェナム Security &Surveillance http://www.gennum.com/applications/security-surveillance/hdcctv
【非特許文献2】ARIB−B07 http://www.arib.or.jp/english/html/overview/doc/4-TR-B07v2_0.pdf
【非特許文献3】テキサスインスツルメント製LMH0024 http://www.ti.com/lit/ds/symlink/lmh0024.pdf
【非特許文献4】テキサスインスツルメント製LMH0394 http://www.ti.com/lit/ds/symlink/lmh0394.pdf
【非特許文献5】ジェナム製GS2971A http://www.gennum.com/extranet/document/55977
【非特許文献6】テキサスインスツルメント製LMH6703 http://www.ti.com/lit/ds/symlink/lmh6703.pdf
【非特許文献7】TDK製mmz2012Equivalent Circuit http://www.tdk.co.jp/etvcl/equivalent/mmz2012.pdf
【非特許文献8】ルネサス テクノロジ高速バススイッチ HD74CBTシリーズ http://hk.renesas.com/products/standard_ic/logic/hd74cbt/index.jsp
【非特許文献9】東芝5V低容量バススイッチ TC7SB66CFU, TC7SB67CFU http://www.semicon.toshiba.co.jp/docs/datasheet/en/LogicIC/TC7SB66CFU_TC7SB67CFU_en_datasheet_110401.pdf
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
従来のトライアックスシステムのデジタル伝送では270Mbps以上という高い周波数でのビットレートで伝送するため、ケーブルでの減衰量が大きくなってしまい、ケーブル長を延長することが困難であった。特に、時分割双方向切換を行う場合は、アナログ切換器の導通抵抗が、トライアックスケーブルまたは同軸ケーブルの伝送路の特性インピーダンスに対し、無視できない抵抗値となる。さらにSDI信号の振幅で抵抗値が変化をする。そのため、伝送ケーブル長を延長することが困難であった。
【0018】
本発明は、これらの欠点を除去し、時分割双方向切換のデジタル伝送でも長いケーブル長で運用できるトライアックスシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、上記の目的を達成するために、一つの伝送路を介して、デジタル化した映像信号、音声信号、制御信号を含むデジタル信号を時分割双方向切換送受するデジタル映像信号多重伝送装置において、前記伝送路の両側の終端に時分割多重を切換えるアナログ切換器のICを有し、受信側に波形等化器または波形等化器を含む受信器を有し、前記デジタル化した映像信号、音声信号、制御信号を含むデジタル信号における前記アナログ切換器の導通抵抗の平均値が前記伝送路の特性インピーダンス抵抗Rzの約1/10以下でかつ、前記デジタル化した映像信号、音声信号、制御信号を含むデジタル信号における前記アナログ切換器の導通抵抗の変化が前記伝送路の特性インピーダンス抵抗Rzの約1/30以下、になるように、前記アナログ切換器の電源電圧の正電源Vccを高く設定し、前記伝送路の前記伝送路の特性インピーダンス抵抗Rzに対し、前記アナログ切換器の導通抵抗による終端抵抗の増加を補正する手段と、前記アナログ切換器の導通抵抗の変化による終端抵抗のずれによる信号波形の歪を補正する手段との少なくとも一方を有することを特徴とする映像信号多重伝送装置である。
【0020】
また、一つの伝送路を介して、デジタル化した映像信号、音声信号、制御信号を含むデジタル信号を時分割双方向切換送受するデジタル映像信号多重伝送装置において、前記伝送路の両側の終端に時分割多重を切換えるアナログ切換器のNMOSバススイッチICを有し、受信側に波形等化器または波形等化器を含む受信器を有し、前記アナログ切換器のNMOSバススイッチICの電源電圧の正電源Vccを+2.9V以上とし正電源Vccと負電源Veeの差Vabが4.5V以上5.5V以下とするか、または、前記伝送路の両側の終端に時分割多重を切換えるアナログ切換器の5V低容量バススイッチICを有し、受信側に波形等化器または波形等化器を含む受信器を有し、前記アナログ切換器の5V低容量バススイッチICの電源電圧の正電源Vccを+2.5V以上とし正電源Vccと負電源Veeの差Vabが4.5V以上5.5V以下とするかとし、前記伝送路の特性インピーダンス抵抗Rzに対し、前記アナログ切換器の導通抵抗による終端抵抗の増加を補正する手段と、前記アナログ切換器の導通抵抗の変化による終端抵抗のずれによる信号波形の歪を補正する手段との少なくとも一方を有することを特徴とする映像信号多重伝送装置である。
【0021】
また、上記において、前記デジタル化した映像信号、音声信号、制御信号を含むデジタル信号における前記アナログ切換器のバススイッチICの導通抵抗の変化が前記伝送路の特性インピーダンス抵抗Rzの約1/100以下になるように、前記アナログ切換器のバススイッチICの電源電圧の正電源Vccを設定した前記アナログ切換器のバススイッチICと、前記伝送路の特性インピーダンス抵抗Rzから前記アナログ切換器の導通抵抗の平均値Rd分低減した抵抗値Rz−Rdの終端抵抗と、前記アナログ切換器の受信側の前記アナログ切換器の導通抵抗が低(く信号波形の圧縮されな)い信号波形極性を圧縮する接地されたショトキーバリアダイオードと抵抗の直列接続と、との少なくとも一方を有することを特徴とする映像信号多重伝送装置である。
【0022】
上記映像信号多重伝送装置において、受信側の波形等化器または波形等化器を含む受信器の前に前記デジタル信号の波形を増幅する増幅器と、前記デジタル信号の波形を増幅する増幅器の(非反転増幅の負入力の接地抵抗または非反転増幅の正入力の接地抵抗または反転増幅の出力と反転極性の入力の入力抵抗または増幅器の出力抵抗または2段の増幅回路間の接続抵抗等の)回路特性抵抗に比較して、前記デジタル信号の波形のクロック基本波周波数におけるインピーダンスが低く、前記デジタル信号の波形のクロック高調波周波数におけるインピーダンスが高いインダクタと容量と抵抗との並列接続したものと抵抗との直列接続したものの近似の等価回路として表せるもの(以下インピーダンス体)を有し、前記波形等化器または波形等化器を含む受信器に入力する、前記デジタル信号の波形のクロック基本波周波数以下の低周波数成分を減衰し、前記デジタル信号の波形のクロック高調波成分を増強し、ショトキーバリアダイオードと抵抗とで、(前記アナログ切換器で圧縮されない)前記アナログ切換器で負方向の信号振幅を圧縮するか、または、前記アナログ切換器の5V低容量バススイッチICの電源電圧を、正電源Vcc約3.2Vで負電源Veeを正電源Vccと負電源Veeの差Vabが4.5V以上5.5V以下と(して、伝送信号振幅0.8Vp−pでの切替器の導通抵抗の変化を少なく)するか、の少なくとも一方を行う事を特徴とする映像信号多重伝送装置である。
さらに、上記映像信号多重伝送装置において、送信側の前記アナログ切換器の前に前記デジタル信号の波形を増幅する増幅器と、前記インピーダンス体とを有し、送信側の前記アナログ切換器に入力する、前記デジタル信号の波形のクロック基本波周波数以下の低周波数成分を減衰し、前記デジタル信号の波形のクロック高調波成分を増強する事を特徴とする映像信号多重伝送装置である。
また、上記において、上記デジタル信号が(25Mbps、50Mbps、100Mbps、270Mbps、1500Mbps、2970Mbps等の)シリアルデジタルインタフェース(SDI)信号であり、上記インピーダンス体がフェライトビーズまたは、フェライトビーズと抵抗または、インダクタと抵抗の少なくとも一つである事を特徴とする映像信号多重伝送装置である。
【0023】
また、一つの伝送路を介して、デジタル化した映像信号、音声信号、制御信号を含むデジタル信号を時分割双方向切換送受するデジタル映像信号多重伝送装置において、前記伝送路の両側の終端に時分割多重を切換えるアナログ切換器のバススイッチICを有し、受信側に波形等化器または波形等化器を含む受信器を有し、前記伝送路の前記伝送路の特性インピーダンス抵抗に対し、前記アナログ切換器のバススイッチICの導通抵抗による終端抵抗の増加を補正する手段と、前記アナログ切換器のバススイッチICの導通抵抗の変化による終端抵抗のずれによる信号波形の歪を補正する手段との少なくとも一方を有することを特徴とする映像信号多重伝送装置である。
【0024】
さらに、撮像素子と映像信号処理部とCPU(Central Processing Unit)を有する撮像部と、上記の映像信号多重伝送装置と、映像信号処理部と映像信号入出力部とCPUを有する制御部とを具備し、映像信号を時分割双方向多重伝送する事を特徴とする撮像装置である。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように本発明によれば、時分割双方向切換を行うアナログ切換器のNMOSバススイッチICまたは5V低容量バススイッチICの導通抵抗によるインピーダンスミスマッチングから発生する反射歪または、信号電圧による導通抵抗の変化による信号波形の非対称劣化を改善することができ、デジタル映像信号多重伝送装置のケーブル長を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施例の全体構成を示すブロック図
【図2】従来の一実施例の全体構成を示すブロック図
【図3A】本発明の1実施例の反転増幅回路と切替器とのブロック図
【図3B】本発明の1実施例の非反転増幅回路と切替器とのブロック図
【図3C】本発明の1実施例の駆動回路と波形等化器または波形等化器を含む受信器と切替器とのブロック図
【図3D】本発明の1実施例の駆動回路と波形等化器または波形等化器を含む受信器と切替器とのブロック図
【図3E】本発明の1実施例の反転増幅回路と切替器とのブロック図
【図3F】本発明の1実施例の反転増幅回路と切替器とのブロック図
【図4A】本発明の1実施例の反転増幅回路の入出力波形図
【図4B】本発明の1実施例の非反転増幅回路の入出力波形図
【図4C】本発明の1実施例の駆動回路と波形等化器または波形等化器を含む受信器の入出力波形図
【図4D】本発明の1実施例の駆動回路と波形等化器または波形等化器を含む受信器の入出力波形図
【図4E】本発明の1実施例の反転増幅回路の入出力波形図
【図5】本発明の1実施例のフェライトビーズの周波数特性の模式図
【図6】従来の駆動回路と波形等化器と切替器とのブロック図
【図7】従来の駆動回路と波形等化器と切替器との入出力波形図
【図8A】本発明の1実施例のNMOSバススイッチICの導通抵抗特性の模式図
【図8B】本発明の1実施例の低容量バススイッチICの導通抵抗特性の模式図
【発明を実施するための形態】
【0027】
時分割双方向切換を行う場合は、背景技術の0014段落のように、アナログ切換器の導通抵抗からインピーダンスミスマッチングが発生して反射による波形歪が発生する。さらにアナログ切換器の導通抵抗変化から、上下非対称の波形歪が発生する。そのため、受信側で受信信号の高周波数成分を増幅させる等の周波数特性補正や2970Mbpsの3GのSDI信号受信用に改良された等化器(イコライザ)(非特許文献4参照)または波形等化器を含む受信器(レシーバ)(非特許文献5参照)での波形等化では、反射による波形歪や上下非対称の波形歪による位相変化は残ってしまい補正できない。そのため、インピーダンスミスマッチングの反射による波形歪やアナログ切換器の導通抵抗の変化により上下非対称の波形歪が発生すると、伝送ケーブル長を延長することが困難であった。
【0028】
そこで、本発明では、SDI信号0.8Vp−pにおけるアナログ切換器の導通抵抗によるインピーダンスミスマッチングを伝送路の特性インピーダンスRz=75Ωの約1/50以下に低減し、さらにアナログ切換器の導通抵抗変化をRz=75Ωの約1/30以下に低減するか補正する。
具体的には、一つの伝送路を介して、デジタル化した映像信号、音声信号、制御信号を含むデジタル信号を時分割双方向切換送受するデジタル映像信号多重伝送装置において、伝送路の両側の終端に時分割に双方向を切換えるアナログ切換器の非特許文献8のNMOSバススイッチICを有し、受信側に波形等化器または波形等化器を含む受信器を有し、NMOSバススイッチICの電源電圧は、正電源Vccを+2.9V以上とし正電源Vccと負電源Veeの差Vabが4.5V以上5.5V以下とし、伝送するSDI信号の振幅0.8Vp−p直流電位0Vの各電圧−0.4Vから+0.4Vに対し、NMOSバススイッチの導通抵抗が8Ωから6Ωと導通抵抗の変化を2Ωと伝送路の特性インピーダンス75Ωに対し約2.7%と少なくする。または、NMOSバススイッチICが約3V以上の正電源を有し該正電源電圧より約2.5V以上低い(負の)電圧に前記NMOSバススイッチICを通過するデジタル信号をバイアスする。
そして、前記伝送路の特性インピーダンスRz=75Ωに対し、NMOSバススイッチICの導通抵抗の平均値Rd約7Ω分低減したRso=Rz−Rd=75−7=68で68Ωを終端抵抗値としてインピーダンスマッチングを取り、反射歪を低減する。
【0029】
または、前記伝送路の両側の終端に時分割多重を切換えるアナログ切換器の非特許文献9の5V低容量バススイッチICを有し、受信側に波形等化器または波形等化器を含む受信器を有し、5V低容量バススイッチICの電源電圧は、正電源Vccを+2.5V以上とし正電源Vccと負電源Veeの差Vabが4.5V以上5.5V以下とするかとし、前記伝送路の特性インピーダンスRz=75Ωに対し、5V低容量バススイッチICの導通抵抗Rdは4.8Ωから4.2Ωで平均値約4.5Ω分低減したRso=Rz−Rd=75−4.5=70.5≒71≒68+2.7で68Ωと2.7Ωの直列を終端抵抗値として平均誤差0.2Ω0.3%と誤差範囲以下の精度でインピーダンスマッチングを取り、反射歪を低減する。
【0030】
出力終端抵抗とアナログ切換器の導通抵抗との合計値と、受信終端抵抗とアナログ切換器の導通抵抗との合計値と、トライアックスケーブルまたは同軸ケーブルの伝送路の特性インピーダンス抵抗75Ωとがほぼ等しくなり、インピーダンスミスマッチングと反射による波形歪が低減する。さらにSDI信号の振幅値0.8Vp−pで抵抗値の変化が75Ωに対しNMOSバススイッチICで約2.7%と5V低容量バススイッチICで約0.8%と低減し、上下非対称の波形歪が低減する。
【0031】
ところで、本発明は、NMOSバススイッチICと5V低容量バススイッチICに限定せず、導通抵抗が低く高速なアナログ切換器のICが使用できる。SDI信号の振幅値0.8Vp−pにおける前記アナログ切換器の導通抵抗の平均値が前記伝送路の特性インピーダンス抵抗Rzの約1/10以下でかつ、SDI信号の振幅値0.8Vp−pにおける前記アナログ切換器の導通抵抗の変化が前記伝送路の特性インピーダンス抵抗Rzの約1/30以下、になるように、導通抵抗が低く高速なアナログ切換器のICの導通抵抗の特性に基づいて、正電源Vccと負電源Veeの値と、出力終端抵抗と受信終端抵抗の値と、前記アナログ切換器の電源電圧の正電源Vccを高く設定する。その結果、SDI信号0.8Vp−pにおけるアナログ切換器の導通抵抗によるインピーダンスミスマッチングを低減し、さらにアナログ切換器の導通抵抗変化を低減する。
【0032】
さらに、受信側の前記アナログ切換器の導通抵抗が低く信号波形の圧縮されない信号波形極性を圧縮する接地されたショトキーバリアダイオードと抵抗の直列接続とを有して、切替器で圧縮されない方を圧縮し、信号波形の上下のバランスをとる。
または、非特許文献9の5V低容量バススイッチICの導通抵抗Rdは、正電源電圧から2.7Vから3.5Vで4.2Ωと一定であることを利用し、5V低容量バススイッチを用いて、さらに正電源Vcc+3.2VでVee−1.3Vから−2.3Vとすれば、接地電位のSDI信号の0.8Vp−pでの導通抵抗Rdは4.2Ω一定で、抵抗値の変化がなくなり、上下非対称の波形歪がなくなる。
【0033】
その結果、受信側において、SDI信号の受信用のイコライザ(等化)ICまたは波形等化器を含む受信器ICで送信時の波形に戻す波形等化によるSDI信号の補正が容易となる。そのため、波形等化による劣化を最小限にする事が可能なるため、長いケーブルに応じた波形等化が可能となる。ケーブル2はトライアックスケーブルだけでなく、通常の同軸ケーブルでも従来より長いケーブルが伝送可能となる。さらに、ケーブル内の伝送波形とは独立に信号劣化を補正するので、中継ケーブルの挿入によるケーブル長の変更に容易に対応し、トライアックスケーブルだけでなく、通常の同軸ケーブルでも従来より長いケーブルが補正可能となる。また、2970Mbpsの3GのSDI信号受信用に改良された等化器または波形等化器を含む受信器で波形等化が有効となり、より長いケーブルが補正可能となる。
さらに、1500MbpsのHD−SDI信号、2970Mbpsの3GのSDI信号、約24000MbpsのUHDTV用のSDI信号の伝送でも、トライアックスケーブルや通常の同軸ケーブルでも従来より長いケーブルが伝送可能となる。
【0034】
以下、本発明の一実施例のトライアックスカメラシステムの全体を図1で説明してから、本発明の1実施例の反転増幅回路と非反転増幅回路のブロック図と入出力波形図と動作の模式図とを図3A〜図3C、図4A〜図4Cを用いて説明する。
【0035】
図1は、本発明の一実施例のトライアックスカメラシステムの全体を示すブロック図であり、撮像部1とトライアックスケーブル2と制御部3で構成している。101は図示していない入射光を結像するためのレンズ部、102はレンズ部101で結像した光を光電変換する撮像素子、103は映像信号をデジタル映像信号に変換するA/Dコンバータ、104と127とはデジタル映像信号を所定のレベルに増幅する事や輪郭強調等の処理を施す映像処理部である。105と136とは映像の圧縮を行う映像圧縮部で、107と135とはデジタル映像信号とデジタル音声信号と制御信号(CPUデータ)とを多重化するENCODE部、108と133とはデジタル信号を増幅する増幅部で、109と134とはトライアックスケーブル2の周波数特性分を補正する増幅部で受信側の波形等化器または波形等化器を含む受信器の前にある。この増幅部の切換はケーブル2の長さに応じて撮像部1または制御部3のCPUの113と130とからの制御により、増幅部がシャットダウン機能を有する増幅器や切り替え機能を有する増幅器や低インピーダンスの切換ICで構成されていれば、増幅部108と109と133と134とで行う。双方向部112と121とが時分割多重のアナログ切換器であり、108と109と133と134との増幅部が、長いケーブル用と短いケーブル用と各2組ある場合は、双方向部112と121とで切換えても良い。113と130とは制御するためのCPU(Central Processing Unit)、120は撮像部1とトライアックスケーブル2とをつなぐ接栓で142はトライアックスケーブル2と制御部3をつなぐ接栓、112は撮像部1で生成された映像信号と制御部3より伝送されてきた外部映像信号の時分割切換を行う双方向部、121とは外部映像信号と撮像部1より伝送されてきた映像信号の切換を行う切換部、119と122とは伝送されてきた信号の波形等化を行う波形等化器または波形等化器を含む受信器、116と125とはもとのデジタル映像信号とデジタル音声信号とに復調するDECODE部、115と126とは映像の伸長を行う映像伸長部、114と128とはデジタル映像信号をアナログ映像信号に変換するD/Aコンバータ(DAC)、138は増幅器である。
【0036】
次に本発明の一実施例の動作について説明する。
電源投入時に撮像部1のCPUの113または制御部3のCPUの130でケーブル2の遅延量または減衰量を測定する事によりケーブル2の長さを検出する。検出したケーブル2の長さは撮像部1または制御部3のCPUに伝送し、ケーブル2の長さは撮像部1と制御部3とで共用する。
【0037】
背景技術の非特許文献1の様に、映像シリアルデジタルインタフェース(SDI)信号はG(x)=(x9 +x4 +1)(x+1)という生成多項式による自己同期型スクランブルド(Non Return To Zero)NRZ−I符号を採用し、データの0/1を0→1,1→0の反転情報に置き換えることによって、極性フリーでスペクトルが均一に分布したSDI信号を実現している。こうした自己同期型スクランブルを掛けると、シリアル伝送路上に、1水平ラインに亘り、1ビットの1に続いて19ビットの0が続くパターン(あるいはその反転パターン)の信号や、20ビットの1が連続した後20ビットの0が連続するパターン(あるいはその反転パターン)の信号が発生する場合がある。これらのパターンは、パソロジカルパターンと呼ばれている。したがって、パソロジカルパターンの最大長20からSDI信号の基本クロック周波数の1/20から3倍の高調波周波数を伝送すれば、誤りなくSDI信号を伝送できる。SDI信号の生成にパソロジカルパターンの最大長をより短くする自己同期型スクランブルド符号を用いれば周波数帯域をさらに狭くできる。
【0038】
ここで、撮像部で生成された順方向のSDI信号はNTSCで270Mbps、HDTVで1500Mbpsのデータ量がある。3GのSDI信号は2970Mbpsのデータ量がある。UHDTV用のSDI信号は24000Mbpsのデータ量が予想される。また、制御部より撮像部に送り返し伝送される送り返しの映像信号はMPEG2で圧縮すると映像圧縮比がおおよそ1/5となり、順方向のSDI信号と圧縮した送り返しSDI信号の時分割切換または周波数選別を行う双方向部は時分割のアナログ切換器のICが好ましい。H.264で圧縮すると撮像部で生成された順方向のSDI信号の1500Mbpsに対し送り返し方向の映像圧縮されたSDI信号の25Mbpsと映像圧縮比が1/60と、パソロジカルパターンの最大長20と高調波次数3との積60倍の逆数の1/60以下も可能となる。音声信号,制御信号(CPUデータ信号)をSDI信号に重畳してあるので、順方向のSDI信号と圧縮した送り返しSDI信号の時分割切換または周波数選別を行う双方向部は、順方向のSDI信号を高域通過フィルタ(HPF)で通過させ、送り返し方向の映像圧縮されたSDI信号を低域通過フィルタ(LPF)で通過させ、順方向のSDI信号と送り返し方向の映像圧縮されたSDI信号とを双方向伝送させる組み合わせでも良い。
また、制御部3から入力し撮像部1に送り返えされて撮像部1から出力する外部デジタル映像信号も上記と同様に伝送される。図1では、送り返し方向の映像圧縮は映像圧縮部136で圧縮されているが、圧縮された外部デジタル映像信号を入力しても良い。
【0039】
撮像部1の撮像素子102は、レンズ部101で結像された入射光を光電変換してデジタル映像信号処理部104に出力する。デジタル映像信号処理部104は、映像信号のレベル増幅や輪郭強調等の処理を施し出力する。映像圧縮部105で、HDTVのSDI信号と3GのSDI信号の場合は低遅延の映像圧縮を行い、UHDTV用のSDI信号の場合はH.264等の高圧縮比の映像圧縮を行い、SDI信号を270Mbpsに圧縮し、NTSCのSDI信号の270MbpsはそのままENCODE部107に出力される。ENCODE部107では、デジタル映像信号とデジタル音声信号とCPUデータとを多重化される。多重化された信号は、ケーブル2が長い場合には、増幅部108と109とにより増強される。短い場合には、一定の低増幅率とする。撮像部1より出力された補正デジタル信号波形は、ケーブル2を介して制御部3に伝送される。
【0040】
上記は270MbpsのNTSCの4:2:2映像信号の伝送について説明したが、HDTVの映像信号のHD−SDIの1500Mbps(4:2:2)や3000Mbps(4:4:4)やSHDTVや24000Mbpsのデータ量が予想されるUHDTVのSDIについても、A/Dコンバータ、D/Aコンバータ、増幅器、波形等化器または波形等化器を含む受信器、バススイッチIC等が高速化すれば、適用可能となる。
【0041】
さらに、撮像素子と映像信号処理部とCPU(Central Processing Unit)を有する撮像部(Camera Head)と、映像信号多重伝送部(Camera Adaptor)と、映像信号処理部と映像信号入出力部とCPUを有する制御部(Camera Control Unit)とを具備すれば、運動施設やホールの内部に光ケーブルを敷設し直すことなく、運動施設やホールに既に敷設されているトライアックスケーブルを用いて、映像信号を時分割双方向多重伝送し、運動施設やホールの外部の有線(光ファイバー網)または無線(Field Pick Up)の映像信号伝送手段で放送局に伝送するか録画するいわゆる放送中継が可能な撮像装置(テレビカメラ)が実現できる。
【実施例1】
【0042】
背景技術で説明したように、電流帰還演算増幅器は小振幅で増幅度2倍なら1.2GHz程度までの高周波数を増幅できる。しかし、電流帰還演算増幅器内部の増幅トランジスタのエミッタが負入力端子に接続されており、負帰還入力端子の接続インピーダンスは高周波数成分が抵抗成分でないと、高周波数で発振を起こしやすい。そのため、電流帰還演算増幅器の負帰還入力端子を容量で接地するのではなく、本発明の1実施例のフェライトビーズの周波数特性の模式図の図5の様な、おおよそ25MHzまたは270MHzまたは1500MHzまたは3000MHzのクロック基本波周波数Fcにおけるインピーダンス(抵抗)分が前記電流帰還演算増幅器の非反転増幅の負入力の接地抵抗または反転増幅の負入力の入力抵抗より低く、クロック高調波周波数におけるインピーダンス(抵抗)分が非反転増幅の負入力の接地抵抗または反転増幅の負入力の入力抵抗より高いフェライトビーズを電流帰還演算増幅器の出力と電流帰還演算増幅器の負入力間に設け、伝送信号の低周波数成分を減衰し高周波数成分を増強する。高周波数の出力インピーダンスが上昇してしまう場合は、電流バッファICを追加する。
【0043】
さらに、波形等化器または波形等化器を含む受信器(以下波形等化器)の入力振幅に余裕がない場合は、伝送路(トライアックスケーブルまたは同軸ケーブル)が長く伝送路の損失が大きいときのみ、増幅度を高くし、伝送路が短く伝送路の損失が小さいときは増幅度を0dB(特性整合損失を除けば+6dB)付近にする。
【0044】
制御部3に伝送されたデジタル信号波形は、ケーブル2が長い場合には、増幅部109とで基本波周波数以下の低周波数成分を減衰させ3次以上の高調波成分を増強してから波形等化器122で波形等化が行われ、その後DECODE部125によりもとのデジタル映像信号とデジタル音声信号とに復調し、映像伸縮部126で映像伸縮を行い、デジタル信号処理部127で信号処理後、D/Aコンバータ128でアナログ映像信号に変換され増幅器138から出力する。又、DECODE部125からは、CPUデータ、音声データも再生される。増幅部の108と109と波形等化器の119と122との性能が向上し1500Mbps等の高いデータ量が伝送できる場合は、映像圧縮部105の圧縮比を下げてより低遅延とする。低遅延で高圧縮比の映像圧縮が可能となれば、映像圧縮部105の出力SDI信号を25Mbps、50Mbps等の100Mbps以下に圧縮し、本発明の1実施例のフェライトビーズの周波数特性の模式図の図5の(c)の様な低い周波数でインピーダンスが変化するフェライトビーズで、SDI信号のクロック基本波周波数以下の低周波数成分を減衰させ、高調波成分を増強する。
【0045】
双方向部112と121とはHPFとLPFとで構成されており双方向部112と121とは時分割のアナログ切換器のNMOSバススイッチICまたは5V低容量バススイッチである。通過信号振幅に余裕がない場合は、ケーブル2の長さが長い場合に送信側では増幅度を3次高調波までの周波数で一定としてオーバーシュートを防止して振幅を制限し、受信側で基本波周波数以下の低周波数成分を減衰させ3次以上の高調波成分を増強する。
以下、説明を簡易化するため、広帯域で一般的な電流帰還演算増幅器で説明する。広帯域な電圧帰還演算増幅器を用いても良い。
【0046】
図3Aは本発明の1実施例の反転増幅回路のブロック図であり、図3Bは本発明の1実施例の非反転増幅回路のブロック図であり、図4Aは本発明の1実施例の反転増幅回路の入出力波形図であり、図4Bは本発明の1実施例の非反転増幅回路の入出力波形図であり、図5は、本発明の1実施例のフェライトビーズの周波数特性の模式図である。本発明に用いるインピーダンス体は、図5のフェライトビーズの周波数特性例をしめす模式図のようなフェライトビーズまたは、図5と同様な周波数特性例をしめすインダクタと容量の並列接続と抵抗である。
【0047】
図3Aと図3Bとは反転+6dBや非反転+12dBで帯域3Fcが確保できる電流帰還演算増幅器または電流帰還演算増幅器と電流バッファICのIC1を用いた場合である。背景技術で説明した様に電流帰還演算増幅器は0.2Vp−pの小振幅で0dBなら1.8GHz程度、+6dBなら1.2GHz程度までの高周波数を増幅でき、2Vp−pの大振幅なら750MHz程度までの高周波数を増幅できる。そのため、高周波数増幅に余裕ができるので、フェライトビーズの周波数特性のインピーダンス変化がより大きくなれば、より長いケーブルが補正できる。
【0048】
図3A〜図3Fにおいて、IC2、IC5〜IC14はNMOSバススイッチICであり、D10,D11はショトキーバリアダイオード(以下SBD)、Z1、Z2,Z5〜Z24は図5の周波数特性の模式図のようなフェライトビーズであり、C1〜C14とCoは容量であり、Roは出力抵抗、Rsoは出力終端抵抗、R1〜R7,R11,R12は抵抗である。Vinは送信側入力信号、Vsoは送信側出力信号、Vrinは受信側入力信号、Vroは受信側増幅出力信号、Voは受信側出力信号である。
【0049】
図3Aと図3Bとの増幅部134の出力抵抗Roは次の等化器122の入力の特性抵抗にそろえるが、増幅部134の増幅器の出力と次の等化器122の入力との配線長がデジタル信号の波形のクロック基本波周波数の波長の1/8(270MHzなら154mm)以下なら出力抵抗Roは短絡可能である。図3Aと図3Bの様に、増幅部108として用いる場合は、出力終端抵抗Rsoは伝送路2の特性抵抗Rzが一般に75ΩからNMOSバススイッチICの導通抵抗Rdを引いた値となる。NMOSバススイッチICの導通抵抗Rdは、正電源電圧Vccから2.5Vで8Ω、2.9Vで7Ω、3.3Vで6Ωとなる。そのため、図3Aと図3Bのアナログ切換器にNMOSバススイッチICを用いた場合では、正電源Vcc+2.9Vでの直流電位SDI信号の振幅での導通抵抗Rdの8Ωから6Ωで平均7Ωとなる。出力終端抵抗Rsoは75Ωから7Ωを引いた値で68Ωとなる。図3Aの受信終端抵抗R6は68Ω程度、図3Bの受信終端抵抗R3と受信終端抵抗R4との合計は68Ωが最適だが、33+36=69で69Ω程度でも誤差約1.3%で許容できる。
NMOSバススイッチICの導通抵抗Rdは正電源電圧から2.9Vで7Ω、3.3Vで6Ω、3.7Vで5Ωとなるから、正電源Vccを3.3V以上に高くすれば、出力終端抵抗Rsoは導通抵抗Rdの平均6Ωを引いた69Ωが最適だが68Ωでも誤差約1.3%で許容できる。
【0050】
また、図3Aと図3Bのアナログ切換器に非特許文献9の5V低容量バススイッチを用いた場合では、導通抵抗Rdは正電源電圧Vccから2.1Vで4.8Ω、2.5Vで4.3Ω、2.7Vから3.5Vで4.2Ωとなる。そのため、正電源Vcc+2.5Vでの直流電位SDI信号の振幅での導通抵抗Rdは4.8Ωから4.2Ωで平均4.5Ωとなる。RzからRdを引き、75−4.5=70.5=33+36+1.5≒68+2.7となり、R6は68Ωと2.7Ωの直列でRz75Ωからの誤差0.2Ωで0.3%と誤差範囲以下で、R3は33ΩでR4は36Ωと1.5ΩとでRz75Ωからの誤差はなくなる。
つまり、Rso+Rd=Rz、R6+Rd=Rz,R3+R4+Rd=Rzを誤差範囲以下でインピーダンスマッチングをとり、反射歪を低減する。
【0051】
さらに、受信側のアナログ切換器の導通抵抗が低く信号波形の圧縮されない信号波形極性を圧縮する接地されたショトキーバリアダイオードD10と抵抗R11の直列接続で、信号波形の上下のバランスをとる。
非特許文献9の5V低容量バススイッチのCの導通抵抗Rdは、正電源電圧から2.7Vから3.5Vで4.2Ωと一定であることを利用し、5V低容量バススイッチを用いて、さらに正電源Vcc+3.2VでVee−1.3Vから−2.3Vとすれば、接地電位のSDI信号の0.8Vp−pでの導通抵抗は4.2Ω一定で、抵抗値の変化がなくなり、上下非対称の波形歪がなくなる。そのため、上下非対称の波形歪の補正のD10とR11は不要となり、D10またはR11開放とする。
【0052】
図3Aと図3Bと図4Aと図4Bにおいて、バススイッチ器のIC2の切替により、伝送ケーブルが近距離時は演算増幅器の負入力の接地抵抗または負入力の入力抵抗のR1と演算増幅器の出力と演算増幅器の負入力間の帰還抵抗のR2の値の比から増幅度(Gain)は周波数によらず一定で、出力は0.8Vp-pとなる。そして、伝送ケーブルが遠距離時は、例えばSDIでは演算増幅器の出力と演算増幅器の負入力間の帰還のフェライトビーズZ1の周波数特性から低周波数が減衰され、高周波数が増強される。具体的には、本発明の1実施例のフェライトビーズの周波数特性の模式図の図5の(a)BLM15BA220SNで基本波付近の300MHzでは73Ωで基本波成分の振幅はおおよそ0.4Vp-pと少なく、3倍高調波付近の1000MHzでは505Ωで、3倍高調波成分の振幅はおおよそ1.4Vp-pと大きくなる。またHD−SDIではフェライトビーズZ1が本発明の1実施例のフェライトビーズの周波数特性の模式図の図5の(b)MMMZ0603F100Cが3並列で基本波付近の1500MHzでは66Ωで基本波成分の振幅はおおよそ0.4Vp-pと少なく、3倍高調波付近の4500MHzでは220Ωで、3倍高調波成分の振幅はおおよそ1.2Vp-pと大きくなる。通常、直径8.6mmのトライアックスケーブルの300MHzの減衰量は100mで12dBである。したがって、6dB低域を減衰させ6dB高域を増幅すれば、SDIではおおよそ100m延長したケーブルでも波形等化が可能となる。図3Aまたは図3Bの本発明の1実施例の増幅回路を、送信と受信の両方に設ければ、補正量とケーブル延長量は倍になり、SDIではおおよそ200m延長したケーブルでも波形等化が可能となる。
【0053】
ケーブル2の長さが長い場合のみ、送信側で高域周波数成分を増強し低周波数成分を減衰を行う事で、受信側での波形等化による補正量が小さくなるため、波形等化による劣化を最小限にする事が可能なるため、長いケーブルに応じた波形等化が可能となる。さらに基本波の周波数に合わせてフェライトビーズの特性を選択することで、さらに長いケーブルに応じた波形等化が可能となる。
基本波周波数インピーダンスが負入力抵抗の半分以下で、3次高調波周波数インピーダンス分が負入力抵抗の2倍以上のフェライトビーズであれば、実用になる。
【0054】
図3Cと図4Cにおいて、例えばSDIではフェライトビーズZ1が模式図の図5の(a)BLM15BA220SNで、100MHzでは5Ωで無視でき、抵抗R5=220Ωと抵抗R2=680Ωとの並列で約167Ωで基本波成分の振幅はおおよそ0.4Vp-pで、3倍高調波付近の1000MHzでは505Ωで725Ωと抵抗R2=680Ωとの並列で約351Ωでと、3倍高調波成分の振幅はおおよそ0.8Vp-pとなる計算である。またHD−SDIではフェライトビーズZ1を本発明の1実施例のフェライトビーズの周波数特性の模式図の図5の(b)MMMZ0603F100Cが3並列とすればよい。また、H.264等の映像圧縮が高画質で高圧縮比を維持してより低遅延となり、50Mbps等のより低いデータ量でカメラの映像信号が伝送可能となった場合は、フェライトビーズZ1を本発明の1実施例のフェライトビーズの周波数特性の模式図の図5の(c)MMMZ2012D301Bとすればよい。
【0055】
例えばSDIではフェライトビーズZ1が模式図の図5の(a)BLM15BA220SNで、基本波300MHz付近で73Ωで抵抗R5=75Ωとの直列で約148Ωでの振幅はおおよそ0.4Vp-pで、3倍高調波付近の1000MHzでは505Ωと抵抗R5=75Ωとの直列で約580Ωで、3倍高調波成分の振幅はおおよそ2.4Vp-pとなる計算である。またHD−SDIではフェライトビーズZ1が本発明の1実施例のフェライトビーズの周波数特性の模式図の図5の(b)MMMZ0603F100Cが3並列とすれば、基本波1500MHz付近で66Ωで抵抗R5=75Ωとの直列で約141Ωでの振幅はおおよそ0.4Vp-pで、3倍高調波付近の4500MHzでは220Ωと抵抗R5=75Ωとの直列で約295Ωで、3倍高調波成分の振幅はおおよそ2.4Vp-pとなる計算である。通常、直径8.6mmのトライアックスケーブルの1500MHzの減衰量は100mで約19dBである。したがって、6dB低域を減衰させ9dB高域を増幅すれば、HD−SDIではおおよそ85m延長したケーブルでも波形等化が可能となる。SDIではおおよそ125m延長したケーブルでも波形等化が可能となる。
【0056】
そのため、1500MbpsのHD−SDIにも対応できる。また、300MbpsのSDIでは、高周波数増幅に余裕ができるので、フェライトビーズの周波数特性のインピーダンス変化がより大きくなれば、より長いケーブルが補正できる。
さらに増幅器やフェライトビーズの高周波数特性が改良されれば、2970Mbpsの3GのSDI信号、約24000MbpsのUHDTV用のSDI信号の伝送でも、トライアックスケーブルや通常の同軸ケーブルでも従来より長いケーブルが伝送可能となる。
【0057】
図3Aと図3Bとで、増幅部のアナログ切換器で切換えるとしたが、図3Aと図3Bとは、シャットダウン(SD)機能付きの演算増幅器で切換えて増幅しても良い。
【実施例2】
【0058】
本発明の実施例1と同様の部分の説明は省略する。
本発明の実施例1の図3Aと図3Bとの本発明の1実施例の増幅回路と切替器とのブロック図と、本発明の実施例2の図3Cと図3Dとの本発明の1実施例の駆動回路と波形等化器または波形等化器を含む受信器(以下波形等化器)と切替器とのブロック図との相違は、図3Aと図3Bとの送出増幅回路が図3Cと図3Dとの駆動回路と容量のCoとに、図3Aと図3Bとの受信増幅回路が図3Cと図3Dとの等化器に、変更されている。
【0059】
図3Cと図3Dのアナログ切換器にNMOSバススイッチICを用いた場合では、電源電圧を正電源Vccを+2.9V以上3.3V程度まで高くとし正電源Vccと負電源Veeの差Vabが4.5V以上5.5V以下とし、負電源電圧Veeを1.7V程度まで少なくし、伝送するSDI信号の振幅0.8Vp−p直流電位0V(接地電位中心)の各電圧−0.4Vから+0.4Vに対し、アナログ切換器のNMOSバススイッチの導通抵抗と導通抵抗の変化とを少なくする。NMOSバススイッチICの導通抵抗Rdは、正電源電圧Vccから2.5Vで8Ω、2.9Vで7Ω、3.3Vで6Ωとなる。そのため、出力抵抗Rsoと受信終端抵抗R6とは伝送路2の特性抵抗Rz一般に75ΩからNMOSバススイッチICでは、直流電位SDI信号の振幅での導通抵抗Rdの6Ωから8Ωで平均7Ωを引いた値で68Ωとし、Rz75Ω程度とする。
そのため、出力終端抵抗とNMOSバススイッチICの導通抵抗との合計値と、受信終端抵抗とNMOSバススイッチICの導通抵抗との合計値と、トライアックスケーブルまたは同軸ケーブルの伝送路の特性インピーダンス75Ωとが誤差約1%とほぼ等しくなり、インピーダンスミスマッチングの反射による波形歪が低減する。さらに直流電位SDI信号の振幅での振幅値0.8Vp−pで抵抗値の変化が75Ωに対し約2%と低減し、上下非対称の波形歪が低減する。
【0060】
また、図3Cと図3Dのアナログ切換器に非特許文献9の5V低容量バススイッチを用いた場合では、導通抵抗Rdは正電源電圧Vccから2.1Vで4.8Ω、2.5Vで4.3Ω、2.7Vから3.5Vで4.2Ωとなる。そのため、正電源Vcc+2.5Vでの直流電位SDI信号の振幅での導通抵抗Rdは4.8Ωから4.2Ωで平均4.5Ωとなる。RzからRdを引き、75−4.5=70.5≒71≒68+2.7で68Ωと2.7Ωの直列として、75Ωに対する平均誤差0.2Ω0.3%と誤差範囲以下の精度でインピーダンスマッチングを取る。反射による波形歪が誤差範囲以下となる。さらに直流電位SDI信号の振幅での振幅値0.8Vp−pで抵抗値の変化が75Ωに対し約0.8%p−pと誤差範囲以下に低減し、上下非対称の波形歪も誤差範囲以下になる。
【0061】
さらに、受信側の前記アナログ切換器の導通抵抗が低く信号波形の圧縮されない信号波形極性を圧縮する接地されたSBDのD10と抵抗R11の直列接続とを有して、切替器で圧縮されない方を圧縮し、信号波形の上下のバランスをとり、SDI信号の受信用の等化器または波形等化器を含む受信器で送信時の波形に戻す波形等化をし易くする。その結果、延長したケーブルでも波形等化が可能となる。
【0062】
また、5V低容量バススイッチICの導通抵抗Rdは、正電源電圧から2.7Vから3.5Vで4.2Ωと一定であることを利用し、5V低容量バススイッチを用いて、さらに正電源Vcc+3.2VでVee−1.3Vから−2.3Vとすれば、接地電位のSDI信号の0.8Vp−pでの導通抵抗Rdは4.2Ω一定で、抵抗値の変化がなくなり、上下非対称の波形歪がなくなる。そのため、上下非対称の波形歪の補正のD10とR11は不要となり、D10またはR11開放とする。
さらに、Rso=R6=Rz−Rd=75−4.2=70.8≒71≒68+2.7で、RsoとR6とを68Ωと2.7Ωの直列とすれば、Rz75Ωからの誤差0.1Ωで0.1%とほとんどなくなる。つまり、反射による波形歪もほとんどなくなる。
【0063】
つまり、従来の駆動回路と波形等化器と切替器とのブロック図の図6と、本発明の実施例2の図3Cと図3Dとの本発明の1実施例の駆動回路と波形等化器と切替器とのブロック図との相違は、アナログ切換器のNMOSバススイッチまたは5V低容量バススイッチのICの電源電圧と、出力抵抗Rsoと受信終端抵抗R6とを工夫し、インピーダンスミスマッチングの反射による波形歪と抵抗値の変化による波形の非対称歪を低減したことである。従来の駆動回路と波形等化器と切替器との入出力波形図の図7のVrinの非対称歪が著しいのに対し、本発明の1実施例の駆動回路と波形等化器の入出力波形図の図4DのVrinの非対称歪は少ない。そのため、SDI信号の受信用の等化器または波形等化器を含む受信器による波形等化が容易で、ケーブル長を伸ばすことが可能となる。
【0064】
さらに、本発明の実施例2の図3Cの本発明の1実施例の駆動回路と波形等化器と切替器とのブロック図では、超長距離ケーブル用に、受信側の前記アナログ切換器の導通抵抗が低く信号波形の圧縮されない信号波形極性を圧縮する接地されたSBDと抵抗の直列接続とで、切替器で圧縮されない信号波形極性を圧縮し、信号波形の上下のバランスをとる。
または、5V低容量バススイッチを用いて正電源Vcc+3.2Vなら、図4DのVrinの反射による波形歪と抵抗値の変化による非対称歪は誤差範囲以下になる。
【0065】
その結果、従来の駆動回路と波形等化器と切替器との入出力波形図の図7のVrinの非対称歪が著しいのに対し、本発明の1実施例の駆動回路と波形等化器または波形等化器を含む受信器の入出力波形図の図4CのVrinの非対称歪はほとんどなく、波形等化器または波形等化器を含む受信器による波形等化が容易で、270MbpsのSDI信号や1500MbpsのHD−SDI信号で、トライアックスケーブルや通常の同軸ケーブルでも超長距離ケーブルでの伝送が可能となる。
さらに駆動回路と波形等化器または波形等化器を含む受信器が改良されれば、2970Mbpsの3GのSDI信号、約24000MbpsのUHDTV用のSDI信号の伝送でも、トライアックスケーブルや通常の同軸ケーブルでも従来より長いケーブルが伝送可能となる。
【実施例3】
【0066】
本発明の実施例1と同様の部分の説明は省略する。
本発明の実施例1の図3Aの本発明の1実施例の増幅回路と切替器とのブロック図と、本発明の実施例3の図3Eと図3Fの本発明の1実施例の増幅回路と切替器とのブロック図との相違は、図3Aの送出増幅回路の抵抗R14が図3Eと図3Fの送出増幅回路のフェライトビーズZ2に、変更されている。さらに図3AではショトキーバリアダイオードD10と抵抗R11の直列接続の組であるのに対し、図3EではショトキーバリアダイオードD11と抵抗R12の直列接続の組が追加され、図3FではショトキーバリアダイオードD11と抵抗R12の直列接続の組となっている。ショトキーバリアダイオードD10とショトキーバリアダイオードD11とでは順方向効果電圧特性が異なっている。
【0067】
アナログ切換器の5V低容量バススイッチICの電源電圧の正電源Vccを+2.9V以上とし正電源Vccと負電源Veeの差Vabが4.5V以上5.5V以下として、通過信号振幅に余裕を持たせて、送信側のオーバーシュートを許容させる。本発明の1実施例の低容量バススイッチICの導通抵抗特性の模式図の図8Bのように、負電源Veeの導通抵抗3.8Ωと正電源Vccから2.3Vの導通抵抗4.8Ωの2.2Vp−pの通過信号振幅は許容される。その上で、ケーブル2の長さが長い場合に送信側で、フェライトビーズZ2を用いオーバーシュートを許容して、送信側でも基本波周波数以下の低周波数成分を減衰させ3次以上の高調波成分を増強する。さらに、送信側の低容量バススイッチICの導通抵抗が低く信号波形の圧縮されない信号波形極性を圧縮する接地されたショトキーバリアダイオードと抵抗の直列接続と、受信側の低容量バススイッチICの導通抵抗が低く信号波形の圧縮されない信号波形極性を圧縮する接地されたショトキーバリアダイオードと抵抗の直列接続とを有して、送信側と受信側で圧縮されない方を圧縮し、信号波形の上下のバランスをとる。
低容量バススイッチICの導通抵抗の変化が少なくなれば、受信側で圧縮されない方を圧縮するショトキーバリアダイオードD10と抵抗R11は必要はなくなり、ショトキーバリアダイオードD11と抵抗R12の直列接続の1組で良い。
【0068】
本発明の実施例1から実施例3の産業上の利用として、トライアックスケーブルでの伝送の超長距離化だけでなく、270MbpsのSDI信号や1500MbpsのHD−SDI信号で、や通常の同軸ケーブルでも超長距離ケーブルでの伝送が可能となるため、SDI映像信号に電源を重畳する監視用途の同軸重畳でも超長距離化が容易となる。特に映像信号に定電圧電源を重畳すると超長距離化が容易となる。
【符号の説明】
【0069】
1:撮像部、2:トライアックスケーブル、3:制御部、
101:レンズ部、102:撮像素子、
103,129,141:A/Dコンバータ(ADC)、
104,127,204、217:デジタル信号処理部、
105,136:映像圧縮部、
106:切換部、112,121:双方向部、
107,135:ENCODE部、116,125:DECODE部、
114,128,139,140:D/Aコンバータ(DAC)、
108,109,133,134,:増幅部、
138,139,238,239:駆動回路、113,130:CPU、
115,126:映像伸長部、119,122,219,222:波形等化器または波形等化器を含む受信器、
211、215:フィルタ、120,142:接栓、
208,209、222,224:MULTIPLEX部、
210,216:時分割双方向切換部
IC1,IC3:演算増幅器または演算増幅器と電流バッファ、
IC2,IC5:アナログ切換器、IC4:アナログ切換器、
Z1〜Z2:フェライトビーズ、C1〜C14,Co:容量、
D10,D11:ショトキーバリアダイオード(SBD)、
Ro:出力抵抗、Rso:出力終端抵抗、R1〜R7,R11,R12:抵抗、
Rz:伝送路の特性インピーダンス抵抗、Rd:アナログ切換器の導通抵抗の平均値、
Vin:送信側入力信号、Vso:送信側出力信号、
Vrin:受信側入力信号、Vro:受信側増幅出力信号、Vo:受信側出力信号、
Vcc:正電源、Vee:負電源
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つの伝送路を介して、デジタル化した映像信号、音声信号、制御信号を含むデジタル信号を時分割双方向切換送受するデジタル映像信号多重伝送装置において、
前記伝送路の両側の終端に時分割多重を切換えるアナログ切換器のICを有し、受信側に波形等化器または波形等化器を含む受信器を有し、前記デジタル化した映像信号、音声信号、制御信号を含むデジタル信号における前記アナログ切換器の導通抵抗の平均値が前記伝送路の特性インピーダンス抵抗Rzの約1/10以下でかつ、前記デジタル化した映像信号、音声信号、制御信号を含むデジタル信号における前記アナログ切換器の導通抵抗の変化が前記伝送路の特性インピーダンス抵抗Rzの約1/30以下、になるように、前記アナログ切換器の電源電圧の正電源Vccを高く設定し、
前記伝送路の前記伝送路の特性インピーダンス抵抗Rzに対し、前記アナログ切換器の導通抵抗による終端抵抗の増加を補正する手段と、
前記アナログ切換器の導通抵抗の変化による終端抵抗のずれによる信号波形の歪を補正する手段と、
の少なくとも一方を有することを特徴とする映像信号多重伝送装置。
【請求項2】
一つの伝送路を介して、デジタル化した映像信号、音声信号、制御信号を含むデジタル信号を時分割双方向切換送受するデジタル映像信号多重伝送装置において、
前記伝送路の両側の終端に時分割多重を切換えるアナログ切換器のNMOSバススイッチICを有し、受信側に波形等化器または波形等化器を含む受信器を有し、前記アナログ切換器のNMOSバススイッチICの電源電圧の正電源Vccを+2.9V以上とし正電源Vccと負電源Veeの差Vabが4.5V以上5.5V以下とするか、
または、前記伝送路の両側の終端に時分割多重を切換えるアナログ切換器の5V低容量バススイッチICを有し、受信側に波形等化器または波形等化器を含む受信器を有し、前記アナログ切換器の5V低容量バススイッチICの電源電圧の正電源Vccを+2.5V以上とし正電源Vccと負電源Veeの差Vabが4.5V以上5.5V以下とするかとし、
前記伝送路の特性インピーダンス抵抗Rzに対し、前記アナログ切換器の導通抵抗による終端抵抗の増加を補正する手段と、前記アナログ切換器の導通抵抗の変化による終端抵抗のずれによる信号波形の歪を補正する手段との少なくとも一方を有することを特徴とする映像信号多重伝送装置。
【請求項3】
請求項2の伝送装置の映像信号多重伝送装置において、
前記デジタル化した映像信号、音声信号、制御信号を含むデジタル信号における前記アナログ切換器のバススイッチICの導通抵抗の変化が前記伝送路の特性インピーダンス抵抗Rzの約1/100以下になるように、前記アナログ切換器のバススイッチICの電源電圧の正電源Vccを設定した前記アナログ切換器のバススイッチICと、
前記伝送路の特性インピーダンス抵抗Rzから前記アナログ切換器の導通抵抗の平均値Rd分低減した抵抗値Rz−Rdの終端抵抗と、
前記アナログ切換器の受信側の前記アナログ切換器の導通抵抗が低い信号波形極性を圧縮する接地されたショトキーバリアダイオードと抵抗の直列接続と、
との少なくとも一方を有することを特徴とする映像信号多重伝送装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の伝送装置の映像信号多重伝送装置において、受信側の波形等化器または波形等化器を含む受信器の前に前記デジタル信号の波形を増幅する増幅器と、前記デジタル信号の波形を増幅する増幅器の回路特性抵抗に比較して、前記デジタル信号の波形のクロック基本波周波数におけるインピーダンスが低く、前記デジタル信号の波形のクロック高調波周波数におけるインピーダンスが高いインダクタと容量と抵抗との並列接続したものと抵抗との直列接続したものの近似の等価回路として表せるもの(以下インピーダンス体)を有し、前記波形等化器または波形等化器を含む受信器に入力する、前記デジタル信号の波形のクロック基本波周波数以下の低周波数成分を減衰し、前記デジタル信号の波形のクロック高調波成分を増強し、ショトキーバリアダイオードと抵抗とで、前記アナログ切換器で負方向の信号振幅を圧縮するか、
または、前記アナログ切換器の5V低容量バススイッチICの電源電圧を、正電源Vcc約3.2Vで負電源Veeを正電源Vccと負電源Veeの差Vabが4.5V以上5.5V以下とするか、
の少なくとも一方を行う事を特徴とする映像信号多重伝送装置。
【請求項5】
請求項4の伝送装置の映像信号多重伝送装置において、送信側の前記アナログ切換器の前に前記デジタル信号の波形を増幅する増幅器と、前記インピーダンス体とを有し、送信側の前記アナログ切換器に入力する、前記デジタル信号の波形のクロック基本波周波数以下の低周波数成分を減衰し、前記デジタル信号の波形のクロック高調波成分を増強する事を特徴とする映像信号多重伝送装置。
【請求項6】
一つの伝送路を介して、デジタル化した映像信号、音声信号、制御信号を含むデジタル信号を時分割双方向切換送受するデジタル映像信号多重伝送装置において、前記伝送路の両側の終端に時分割多重を切換えるアナログ切換器のバススイッチICを有し、受信側に波形等化器または波形等化器を含む受信器を有し、前記伝送路の前記伝送路の特性インピーダンス抵抗に対し、前記アナログ切換器のバススイッチICの導通抵抗による終端抵抗の増加を補正する手段と、前記アナログ切換器のバススイッチICの導通抵抗の変化による終端抵抗のずれによる信号波形の歪を補正する手段との少なくとも一方を有することを特徴とする映像信号多重伝送装置。
【請求項7】
撮像素子と映像信号処理部とCPU(Central Processing Unit)を有する撮像部と、請求項1乃至請求項5の伝送装置の映像信号多重伝送装置と、映像信号処理部と映像信号入出力部とCPUを有する制御部とを具備し、映像信号を時分割双方向多重伝送する事を特徴とする撮像装置。
【請求項1】
一つの伝送路を介して、デジタル化した映像信号、音声信号、制御信号を含むデジタル信号を時分割双方向切換送受するデジタル映像信号多重伝送装置において、
前記伝送路の両側の終端に時分割多重を切換えるアナログ切換器のICを有し、受信側に波形等化器または波形等化器を含む受信器を有し、前記デジタル化した映像信号、音声信号、制御信号を含むデジタル信号における前記アナログ切換器の導通抵抗の平均値が前記伝送路の特性インピーダンス抵抗Rzの約1/10以下でかつ、前記デジタル化した映像信号、音声信号、制御信号を含むデジタル信号における前記アナログ切換器の導通抵抗の変化が前記伝送路の特性インピーダンス抵抗Rzの約1/30以下、になるように、前記アナログ切換器の電源電圧の正電源Vccを高く設定し、
前記伝送路の前記伝送路の特性インピーダンス抵抗Rzに対し、前記アナログ切換器の導通抵抗による終端抵抗の増加を補正する手段と、
前記アナログ切換器の導通抵抗の変化による終端抵抗のずれによる信号波形の歪を補正する手段と、
の少なくとも一方を有することを特徴とする映像信号多重伝送装置。
【請求項2】
一つの伝送路を介して、デジタル化した映像信号、音声信号、制御信号を含むデジタル信号を時分割双方向切換送受するデジタル映像信号多重伝送装置において、
前記伝送路の両側の終端に時分割多重を切換えるアナログ切換器のNMOSバススイッチICを有し、受信側に波形等化器または波形等化器を含む受信器を有し、前記アナログ切換器のNMOSバススイッチICの電源電圧の正電源Vccを+2.9V以上とし正電源Vccと負電源Veeの差Vabが4.5V以上5.5V以下とするか、
または、前記伝送路の両側の終端に時分割多重を切換えるアナログ切換器の5V低容量バススイッチICを有し、受信側に波形等化器または波形等化器を含む受信器を有し、前記アナログ切換器の5V低容量バススイッチICの電源電圧の正電源Vccを+2.5V以上とし正電源Vccと負電源Veeの差Vabが4.5V以上5.5V以下とするかとし、
前記伝送路の特性インピーダンス抵抗Rzに対し、前記アナログ切換器の導通抵抗による終端抵抗の増加を補正する手段と、前記アナログ切換器の導通抵抗の変化による終端抵抗のずれによる信号波形の歪を補正する手段との少なくとも一方を有することを特徴とする映像信号多重伝送装置。
【請求項3】
請求項2の伝送装置の映像信号多重伝送装置において、
前記デジタル化した映像信号、音声信号、制御信号を含むデジタル信号における前記アナログ切換器のバススイッチICの導通抵抗の変化が前記伝送路の特性インピーダンス抵抗Rzの約1/100以下になるように、前記アナログ切換器のバススイッチICの電源電圧の正電源Vccを設定した前記アナログ切換器のバススイッチICと、
前記伝送路の特性インピーダンス抵抗Rzから前記アナログ切換器の導通抵抗の平均値Rd分低減した抵抗値Rz−Rdの終端抵抗と、
前記アナログ切換器の受信側の前記アナログ切換器の導通抵抗が低い信号波形極性を圧縮する接地されたショトキーバリアダイオードと抵抗の直列接続と、
との少なくとも一方を有することを特徴とする映像信号多重伝送装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の伝送装置の映像信号多重伝送装置において、受信側の波形等化器または波形等化器を含む受信器の前に前記デジタル信号の波形を増幅する増幅器と、前記デジタル信号の波形を増幅する増幅器の回路特性抵抗に比較して、前記デジタル信号の波形のクロック基本波周波数におけるインピーダンスが低く、前記デジタル信号の波形のクロック高調波周波数におけるインピーダンスが高いインダクタと容量と抵抗との並列接続したものと抵抗との直列接続したものの近似の等価回路として表せるもの(以下インピーダンス体)を有し、前記波形等化器または波形等化器を含む受信器に入力する、前記デジタル信号の波形のクロック基本波周波数以下の低周波数成分を減衰し、前記デジタル信号の波形のクロック高調波成分を増強し、ショトキーバリアダイオードと抵抗とで、前記アナログ切換器で負方向の信号振幅を圧縮するか、
または、前記アナログ切換器の5V低容量バススイッチICの電源電圧を、正電源Vcc約3.2Vで負電源Veeを正電源Vccと負電源Veeの差Vabが4.5V以上5.5V以下とするか、
の少なくとも一方を行う事を特徴とする映像信号多重伝送装置。
【請求項5】
請求項4の伝送装置の映像信号多重伝送装置において、送信側の前記アナログ切換器の前に前記デジタル信号の波形を増幅する増幅器と、前記インピーダンス体とを有し、送信側の前記アナログ切換器に入力する、前記デジタル信号の波形のクロック基本波周波数以下の低周波数成分を減衰し、前記デジタル信号の波形のクロック高調波成分を増強する事を特徴とする映像信号多重伝送装置。
【請求項6】
一つの伝送路を介して、デジタル化した映像信号、音声信号、制御信号を含むデジタル信号を時分割双方向切換送受するデジタル映像信号多重伝送装置において、前記伝送路の両側の終端に時分割多重を切換えるアナログ切換器のバススイッチICを有し、受信側に波形等化器または波形等化器を含む受信器を有し、前記伝送路の前記伝送路の特性インピーダンス抵抗に対し、前記アナログ切換器のバススイッチICの導通抵抗による終端抵抗の増加を補正する手段と、前記アナログ切換器のバススイッチICの導通抵抗の変化による終端抵抗のずれによる信号波形の歪を補正する手段との少なくとも一方を有することを特徴とする映像信号多重伝送装置。
【請求項7】
撮像素子と映像信号処理部とCPU(Central Processing Unit)を有する撮像部と、請求項1乃至請求項5の伝送装置の映像信号多重伝送装置と、映像信号処理部と映像信号入出力部とCPUを有する制御部とを具備し、映像信号を時分割双方向多重伝送する事を特徴とする撮像装置。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【公開番号】特開2012−186800(P2012−186800A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−27048(P2012−27048)
【出願日】平成24年2月10日(2012.2.10)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年2月10日(2012.2.10)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】
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