説明

映像再生装置及びそのデータ管理方法

【課題】ダウンロードしたデータのローカルストレージへの書き込みを抑制できる「映像再生装置及びそのデータ管理方法」を提供する。
【解決手段】映像再生装置は、記録媒体の装着−脱着が自在な記録情報読取装置と、コンテンツ再生部と、外部サーバとの間で通信を行う通信部と、制御部と、操作部と、揮発性メモリと、不揮発性メモリとを有する。制御部は、記録媒体に記録された映像コンテンツに関連する関連情報を通信部を介して外部サーバから取得し、その関連情報の取得がユーザの指示によるものか否かを判定する。そして、ユーザの指示によるものであると判定したときには関連情報に付加情報を付加して揮発性メモリに記録し、揮発性メモリに記録された関連情報のうち付加情報が付加された関連情報のみを不揮発性メモリにコピーする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に記録されている映像コンテンツを再生する映像再生装置及びそのデータ管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高精細な映像データを記録する記録媒体(メディア)としてBlu-ray Disc(登録商標)が使用されている。Blu-ray Discに記録されるアプリケーションとしては、HDMVタイトルとBD−Jタイトルの2つのタイプが存在している。タイトルとは、ディスクコンテンツの再生単位である。HDMVタイトルは従来のDVD(Digital Versatile Disc)規格を拡張したものであり、BD−JタイトルはJava(登録商標)のプログラムで構成されたものである。BD−Jタイトルでは、コンテンツプロバイダーが自由にコンテンツを作成することができる。
【0003】
Blu-ray Discを再生する再生装置では、ディスクの再生が指示されると、タイトルに関連した映像やオーディオなどのストリームファイルを再生する。また、この種の映像再生装置では、インターネットに接続して外部からデータを取得することも可能となっている。
【0004】
特許文献1には、BD−Jモード(BD−Jタイトルを再生するモード)においてJavaアプリケーションから与えられたURL(Uniform Resource Locator)を基に、ネットワークを通じてコンテンツをダウンロードし、ディスクに記録されたコンテンツと同様に再生することが記載されている。
【0005】
また、取得したデータの管理について、特許文献2には、コンテンツプロバイダーからダウンロードしてローカルストレージ内に保存したデータファイルに対して特定のファイルを削除する旨の命令を受信したとき、ファイルに含まれたタイトルに関連したファイルのみの削除や、削除を希望するファイルのみを削除することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2005/045840号
【特許文献2】特表2008−522342号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、Blu-ray Discを再生する映像再生装置では、BD−Jモードを使用することで外部からデータを取得することができ、取得したデータはローカルストレージに保存される。この場合、ユーザがコンテンツのダウンロードを指示する場合と、Javaアプリケーションがその動作の過程でコンテンツを自動的にダウンロードする場合とがある。
【0008】
外部からダウンロードするデータとして、例えば映画の予告編がある。一般的に映画の予告編のデータ量は大きく、数百MB(Megabyte)になるものも存在する。一方、ディスク再生装置のローカルストレージには主にフラッシュメモリが使用されており、その容量は1GB(Gigabyte)〜数GB程度である。このため、映画の予告編のように大容量のデータを複数保存すると、ローカルストレージの容量が足りなくなってそれ以上データを保存することができなくなってしまう。
【0009】
通常は、ユーザがローカルストレージに保存したデータのうち、不要なデータを選択して消去している。しかし、不要なデータを選択して消去する操作はユーザにとって面倒であるだけでなく、常にローカルストレージの空き容量に注意を払う必要があり利便性が低下する。また、フラッシュメモリは、頻繁にデータの書き込み及び消去を行うと、寿命が短くなる。
【0010】
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑みなされたものであり、記録媒体に記録された映像コンテンツを再生する映像再生装置であって、ダウンロードしたデータのローカルストレージへの書き込みを抑制できる映像再生装置及びそのデータ管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一形態によれば、映像コンテンツが記録された記録媒体の装着−脱着が自在であり、前記記録媒体が装着されると前記記録媒体からデータを読み出す記録情報読取部と、前記記録情報読取部から出力される信号を信号処理して前記映像コンテンツを再生するコンテンツ再生部と、外部サーバとの間で通信を行う通信部と、前記コンテンツ再生部及び前記通信部を制御する制御部と、ユーザ操作を前記制御部に伝達する操作部と、前記制御部に接続されてデータの書き込み及び読み出しが可能な揮発性メモリと、前記制御部に接続されてデータの書き込み及び読み出しが可能な不揮発性メモリとを有し、前記制御部は、前記記録媒体に記録された映像コンテンツに関連する関連情報を前記通信部を介して前記外部サーバから取得し、該取得した関連情報が前記操作部を介して入力されたユーザの指示によるものか否かを判定し、ユーザの指示によるものであると判定したときには前記関連情報にコピー対象である旨を示す付加情報を付加して前記揮発性メモリに記録し、前記揮発性メモリに記録された関連情報のうち前記付加情報が付加された関連情報のみを前記不揮発性メモリにコピーすることを特徴とする映像再生装置が提供される。
【0012】
また、本発明の他の一形態によれば、映像コンテンツが記録された記録媒体の装着−脱着が自在であり、前記記録媒体が装着されると前記記録媒体に記録された前記映像コンテンツを再生する映像再生装置のデータ管理方法において、前記記録媒体に記録された前記映像コンテンツに関連する関連情報を外部サーバから取得するステップと、前記関連情報の取得が操作部を介して入力されたユーザ指示によるものか否かを判定し、ユーザ指示によるものであると判定したときには前記関連情報にコピー対象である旨を示す付加情報を付加するステップと、前記関連情報を揮発性メモリに記録するステップと、前記揮発性メモリに記録された関連情報のうち前記付加情報が付加された関連情報のみを不揮発性メモリにコピーするステップとを有することを特徴とするデータ管理方法が提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、通信部を介して取得した関連情報がユーザ指示(操作部を介して入力された指示)によるものか否かを判定し、ユーザ指示により取得した関連情報の場合はコピー対象であることを示す付加情報を付加する。そして、不揮発メモリには、付加情報が付加された関連情報のみを記録する。これにより、不要な情報が不揮発性メモリに記録されることが抑制され、その結果ユーザの利便性が向上するとともに、不揮発性メモリの寿命が延びる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、第1の実施形態に係る映像再生装置のブロック図である。
【図2】図2は、Blu-ray Discに記録される各種コンテンツのディレクトリ構成を示す図である。
【図3】図3は、ディスクに記録されるコンテンツの構成例及び動作例を説明する図である。
【図4】図4は、映画予告編タイトルリストの一例を示した図である。
【図5】図5は、第1の実施形態に係る映像再生装置のデータ管理方法を示すフローチャートである。
【図6】図6は、ダウンロードした映像をローカルストレージに保存するか否かをユーザに問い合わせるときの画面表示例を示す図である。
【図7】図7は、第2の実施形態に係るデータ管理方法を示すフローチャートである。
【図8】図8は、第3の実施形態に係る映像再生装置のブロック図である。
【図9】図9は、ダウンロードしたコンテンツを再生するか破棄するかをユーザに問い合わせるときの画面表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0016】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る映像再生装置のブロック構成図を示している。
【0017】
本実施形態に係る映像再生装置100は、ディスク1からデータを読み出す記録情報読取装置(ドライブユニット)2と、操作部3と、出力情報生成部4と、通信部19と、ローカルストレージ20とにより構成されている。なお、本実施形態では、ディスク1がBlu-ray Discであるとする。
【0018】
出力情報生成部4は、復号・信号処理部11と、Java仮想マシン12aを含む制御部(MPU:Microprocessor Unit)12と、AV(Audio-Visual)デコーダ13と、RAM(Random Access Memory)14と、RAM15と、ROM(Read Only Memory)16と、映像信号処理部17と、オーディオ信号処理部18とにより構成されている。
【0019】
記録情報読取装置2は、モータ(図示せず)によりディスク1を回転させ、その回転するディスク1にレーザービームを照射する。そして、ディスク1で反射されたレーザ光を受光素子(図示せず)で検出し、受光素子から出力されるRF(高周波)信号を増幅して出力情報生成部4の復号・信号処理部11に出力する。
【0020】
復号・信号処理部11では、記録情報読取装置2から入力したRF信号を信号処理し、ビデオフレームとオーディオフレームを抽出してRAM14に一時的に格納する。
【0021】
AVデコーダ13はビデオデコーダ(図示せず)及びオーディオデコーダ(図示せず)を含んで構成されている。ビデオデコーダは、RAM14からビデオフレームを読み出し、このビデオフレームを伸長(デコード)してピクチャデータとする。そして、このピクチャデータをRAM14に一時的に格納する。また、オーディオデコーダは、RAM14からオーディオフレームを読み出し、このオーディオフレームを伸長(デコード)してオーディオ信号とする。そして、このオーディオ信号をRAM14に一時的に格納する。
【0022】
映像信号処理部17は少なくとも一画面分の容量を有するメモリを備え、RAM14に格納されたピクチャデータを読み出してメモリに格納する。そして、所定のタイミングでメモリからピクチャデータを読み出し、外部接続されたTV(テレビ)等の映像装置に映像信号として出力する。また、オーディオ信号処理部18は、RAM14からオーディオ信号を読み出し、映像信号に同期したタイミングで映像装置に出力する。
【0023】
なお、映像信号処理部17及びオーディオ信号処理部18は、映像装置がデジタル信号入力に対応しているときは映像信号及びオーディオ信号をデジタル信号のまま出力し、デジタル信号入力に対応していないときにはアナログ信号に変換して出力する。
【0024】
本実施形態では、復号・信号処理部11、AVデコーダ13、RAM14、映像信号処理部17及びオーディオ信号処理部18により、コンテンツ再生部を構成している。
【0025】
ROM16には、制御部(MPU)12の動作を記述したプログラムや制御部12の動作に必要なデータが記憶されており、RAM15には制御部12の動作にともなって種々のデータが一時的に記憶される。また、後述するように、RAM15には、通信部19を介して取得した映画予告等のコンテンツや追加字幕等のデータを保存するためのデータエリア(バインディングユニットデータエリア)が制御部12によって割り当てられる。
【0026】
ここでは、RAM14,15は、いずれもDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性メモリにより形成されているものとする。DRAMは、高速でデータの書き込み及び読み出しが可能であるが、データの保持に電力供給が必要であり、電源をオフにするとデータは消失する。
【0027】
制御部12は、ROM16に記録されたプログラムに従って、復号・信号処理部11及びAVデコーダ13等を制御する。Java仮想マシン12aは、制御部12がROM16から読み出したプログラムを実行することにより作成したJavaアプリの実行部であり、Javaコンテンツの再生を行う。
【0028】
操作部(User Interface:UI)3は例えば映像再生装置100のフロントパネルに設けられ、ユーザが行う入力操作を受け付ける。なお、操作部3にはリモコンも含まれるものとする。操作部3は、例えばディスク1の再生を開始させるプレイキーや再生中のディスクを停止させるストップキーの押下等のユーザ操作(UO(User Operation)と呼ぶ)を検出し、ユーザ操作に応じた信号を制御部12に出力する。
【0029】
通信部19は制御部12により制御され、例えばインターネットを介して映画配給会社などのサーバ(外部サーバ)との間で通信を行う。
【0030】
ローカルストレージ20も、制御部12により制御される。このローカルストレージ20には、アプリケーションデータエリアとバインディングユニットデータエリアとが設けられる。アプリケーションデータエリアには例えばゲームのハイスコアやお気に入りシーンのブックマーク情報が記録される。また、バインディングユニットデータエリアには、映画配給会社のサーバなどから取得した映画予告等のコンテンツや追加字幕などが格納される。アプリケーションデータエリアには例えば64kB以上の容量が割り当てられ、バインディングユニットデータエリアには例えば1GB以上の容量が割り当てられる。
【0031】
なお、本実施形態では、ローカルストレージ20は映像再生装置100に内蔵されたフラッシュメモリ(不揮発性メモリ)からなるものとするが、ローカルストレージ20は、映像再生装置100に着脱自在なものであってもよい。着脱自在なローカルストレージ20として、SDカードやUSBメモリなどを使用することができる。
【0032】
次に、ディスク1(Blu-ray Disc)に記録されるコンテンツについて、図2及び図3を参照しながら説明する。
【0033】
図2は、Blu-ray Discに記録される各種コンテンツのディレクトリ構成を示している。コンテンツはBDフォーマット(Blu-ray Discの規定フォーマット)に従って記録される。
【0034】
Blu-ray Discは螺旋状の記憶領域を持ち、内周のリード・インと外周のリード・アウトとの間に論理データを記録する論理アドレス空間を有している。論理アドレス空間には、論理データをファイル・ディレクトリ構造を使って読み出すことを可能とするファイルシステムや映像データなどのアプリケーションデータが記録されている。
【0035】
Blu-ray Discのファイル・ディレクトリ構造では、ROOTディレクトリの下に、BDMVディレクトリが置かれる。BDMVディレクトリには、ユーザとのインタラクティビティを保障するための一般ファイル情報として、インデックスファイル(index)とオブジェクトファイル(Movie Object及びBD-J Object)を含んでいる。
【0036】
BDMVディレクトリの下には、ディスク内に記録されたデータに対する情報と、これを再生する方法などに対する情報とを有するディレクトリを含んでいる。これらのディレクトリは、プレイリストディレクトリ(PLAYLIST)、クリップ情報ディレクトリ(CLIPINF)、ストリームディレクトリ(STREAM)、BD−Jオブジェクトディレクトリ(BDJO)である。
【0037】
BD−Jオブジェクトディレクトリ(BDJO)には、BD−Jタイトルを再生するためのBD−Jオブジェクトファイルが含まれている。
【0038】
ストリームディレクトリ(STREAM)には、ディスク内に特定フォーマットで記録されたストリームファイルが含まれている。ストリームのうち、ビデオ/オーディオ/グラフィック情報がすべてマルチプレクスされたストリームをAVストリームといい、少なくとも一つのAVストリームファイルでタイトルを構成している。
【0039】
クリップ情報ディレクトリ(CLIPINF)には、ストリームファイルと1対1に対応するクリップ情報ファイルが含まれている。ストリームファイルとクリップ情報ファイルとをまとめて、クリップと呼ぶ。
【0040】
プレイリストディレクトリ(PLAYLIST)には、複数のプレイリストファイルが含まれている。各プレイリストファイルは、一つ以上のプレイアイテムと、一つ以上のサブプレイアイテムを含んでいる。各プレイアイテムとサブプレイアイテムは、特定クリップの再生間隔を指定する。プレイアイテムとサブプレイアイテムは、再生を希望する特定クリップの情報、例えば、再生開始時間と再生終了時間に関する情報を有している。
【0041】
BDフォーマットではディスク上にタイトルと呼ばれる単位を記録する。タイトルとは、ディスクコンテンツの状態遷移において1つの状態にあたる再生単位であり、各タイトルは特定のオブジェクトとリンクされている。オブジェクト内のコマンド又はプログラムによって、ディスク内に記録されているタイトルに関連したストリームが再生される。タイトルにはHDMVタイトルとBD−Jタイトルがあり、両者はBDフォーマットにて定義されるインデックステーブルに記載される。
【0042】
HDMVタイトルはMPEG2等の圧縮方式による映像情報及びインタラクティブ情報が記録されたタイトルであり、BD−JタイトルはJavaプログラムにより実行される映像情報及びインタラクティブ情報が記録されたタイトルである。
【0043】
図3は、ディスクに記録されるコンテンツの構成例及び動作例を説明する図である。コンテンツは、インデックス、ムービーオブジェクト、プレイリスト、クリップの階層構成を有している。
【0044】
再生されるタイトルを示すインデックスが指定されると、各タイトルに関連付けられた再生プログラム(ムービーオブジェクト)が指定され、指定されたムービーオブジェクトに備えられたコマンドやプログラム情報に従ってコンテンツの再生順等を規定したプレイリストが選択される。
【0045】
プレイリストには、再生対象データ情報としてのプレイアイテムが含まれており、プレイアイテムによって規定されるタイトルを再生する少なくとも一つのクリップが再生される。このクリップ情報によって、コンテンツの実データであるAVストリーム又はコマンドが選択的に読み出されて、AVストリームの再生、又はコマンドの実行処理が行われる。
【0046】
HDMVタイトルを指定した再生では、HDMVタイトルに関連付けられたムービーオブジェクトが読み出され、そのムービーオブジェクトによって特定のプレイリストに従ったコンテンツ再生が実行される。
【0047】
BD−Jタイトルを指定した再生では、BD−Jタイトルに関連付けられたBD−Jオブジェクトが読み出され、そのBD−Jオブジェクトによって指定されるJavaアプリケーションが読み出され、Javaアプリケーションによって指定されるプレイリストに従ってコンテンツ再生が実行される。
【0048】
BD−Jタイトルを再生するBD−Jモードでは、webサイトからコンテンツをダウンロードして、取得したデータをディスクに記録されたコンテンツと同様に再生することができる。
【0049】
通信部19を介してコンテンツを取得する場合、ユーザが操作部3を操作してコンテンツの取得を指示する場合と、Javaアプリケーションがその動作の途中で自動的にコンテンツを取得する場合とがある。
【0050】
本実施形態に係る映像再生装置100において、制御部12は、通信部19を介して映画配給会社等のwebサイトから映画の予告編をダウンロードすると、映画の予告編に含まれる映画タイトルや出演者等の映画関連情報(メタデータ)を抽出して映画予告編タイトルリストを作成し、予告編のデータとともに映画予告編タイトルリストをRAM15のバインディングユニットデータエリアに一時的に保存する。
【0051】
図4は、映画予告編タイトルリストの一例を示した図である。この図4に示すように、映画予告編タイトルリストには、リストの各項目を形成する映画内容情報として、映画タイトル、監督・出演者が含まれている。また、映画提供情報として、映画上映日、ディスクのリリース日、レンタル開始日、映画の予告編を提供している取得元のアドレス情報や映画の予告編が提供された日(アップデート日)が含まれている。映画予告編タイトルリストの各データは、予告編のデータと関連付けられている。
【0052】
以下に、本実施形態に係る映像再生装置100のデータ管理方法について、図5のフローチャートを参照しながら説明する。なお、ここでは通信機19を介して取得したデータ(コンテンツ)の管理についてのみ記載するが、実際にはディスク1内に収録されたコンテンツの管理も同時に行う。
【0053】
まず、ステップS11において電源がオンになると、制御部12はROM16からプログラムを読み出して、そのプログラムに従った動作を開始する。そして、制御部12は、Java仮想マシン12aを搭載するとともに、RAM15内にバインディングユニットデータエリアを割り当てる。ここでは、RAM15内に割り当てるバインディングユニットデータエリアの容量を500MBとするが、ローカルストレージ20内のバインディングユニットデータエリアの容量と同一(例えば1GB)の容量をRAM15内に割り当ててもよい。
【0054】
なお、制御部12は、バインディングユニットデータエリアの割り当てにともなって、RAM15内のバインディングユニットデータエリア内のデータ管理を行うためのバインディングユニットデータエリア管理データを作成する。
【0055】
その後、ステップS12に移行し、制御部12がディスク1に記録されたコンテンツに関連する関連情報(例えば映画の予告編)のダウンロードの要求を受けると、ステップS13に移行する。そして、制御部12は、関連情報のダウンロードの要求がユーザの指示によるものか否か、すなわちユーザが操作部3を操作してダウンロードを指示したか否かを判定する。ユーザの指示によると判定した場合(YESの場合)は、ステップS14に移行する。
【0056】
ステップS14において、制御部12は通信部19を制御して所定のサーバ(例えば映画配給会社のサーバ)と通信接続する。そして、そのサーバから関連情報をダウンロードすると、ステップS15に移行して、制御部12はダウンロードした関連情報にコピー対象であることを示すフラグ(付加情報)を付加し、この関連情報をRAM15のバインディングユニットデータエリアに保存する。なお、制御部12は、バインディングユニットデータエリアへの関連情報の保存にともなって、データ名、ダウンロード日時及び容量等の情報をバインディングユニットデータエリア管理データに記録する。その後、ステップS18に移行する。
【0057】
一方、ステップS13においてダウンロードの要求がユーザの指示でない場合、すなわちJavaアプリケーションにより関連情報のダウンロードが要求された場合は、ステップS16に移行する。そして、制御部12は通信部19を制御して所定のサーバ(例えば映画配給会社のサーバ)と通信接続し、そのサーバから関連情報をダウンロードする。次いで、ステップS17に移行して、ダウンロードした関連情報をRAM15のバインディングユニットデータエリアに保存する。この場合も、制御部12は、バインディングユニットデータエリアへの関連情報の保存にともなって、データ名、ダウンロード日時及び容量等の情報をバインディングユニットデータエリア管理データに記録する。その後、ステップS18に移行する。
【0058】
このようにして、RAM15内のバインディングユニットデータエリアに保存された関連情報は、Javaアプリケーションにより復号・信号処理部11に送られ、ディスク1に記録されているデータやローカルストレージ20に格納されているデータと同様に再生される。
【0059】
ステップS18では、ディスク1の取り出し要求があるか否かを判定する。ディスク1の取り出し要求がない場合(NOの場合)はステップS19に移行し、ディスク1の取り出し要求がある場合、例えばユーザが操作部3のイジェクトキーを押下した場合は、ステップS18からステップS20に直接移行する。
【0060】
ステップS19では、電源オフの指示があるか否かを判定する。電源オフの指示がない場合(NOの場合)はステップS18に戻り、電源オフの指示がある場合はステップS20に移行する。
【0061】
ステップS20では、RAM15のバインディングユニットデータエリアに記憶されている関連情報にコピー対象である旨を示すフラグが付加されているか否かを判定する。フラグが付加されている場合はステップS21に移行し、RAM15のバインディングユニットデータエリアに記憶されている関連情報を、ローカルストレージ20のバインディングユニットデータエリアにコピーした後、ステップS22に移行する。
【0062】
一方、ステップS20において関連情報にコピー対象である旨を示すフラグが付加されていないと判定した場合は、ステップS20からステップS21に直接移行する。
【0063】
ステップS22において、制御部12は、RAM15のバインディングユニットデータエリアに関するバインディングユニットデータエリア管理データを消去(クリア)する。
【0064】
このようにして、本実施形態に係る映像再生装置100では、ローカルストレージ20のバインディングユニットデータエリアには、ユーザによってダウンロードが指示された関連情報のみが格納される。これにより、ローカルストレージ20への書き込み回数が抑制され、ローカルストレージ(フラッシュメモリ)20の劣化が抑制される。
【0065】
なお、ローカルストレージ20に格納された関連情報は、ユーザの操作により削除することができる。また、例えばローカルストレージ20の容量が足りなくなって新たな関連情報を格納することができない場合は、古い関連情報から順に削除するようにしてもよい。
【0066】
更に、上記実施形態ではユーザがダウンロードを指定した関連情報はローカルストレージ20に自動的に記録される場合について説明したが、例えば図6に示すような画面を表示装置に表示し、ユーザがローカルストレージ20に保存することを指示した場合のみRAM15からローカルストレージ20に関連情報をコピーするようにしてもよい。
【0067】
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態に係るデータ管理方法を示すフローチャートである。本実施形態に係るデータ管理方法が第1の実施形態のデータ管理方法と異なる点は、ステップS15,S17とステップS18との間にステップS31〜S33を有する点にあり、その他のステップは基本的に第1の実施形態のデータ管理方法と同様であるので、ここでは重複する部分の説明は省略する。なお、本実施形態においても、映像再生装置の構造は第1の実施形態(図1参照)と同じである。
【0068】
RAM15内のバインディングユニットデータエリアに保存された関連情報は復号・信号処理部11で信号処理されて表示装置に表示すること可能である。ステップS31において、制御部12は、RAM15のバインディングユニットデータエリアに保存されている関連情報が映画の予告編か否かを判定する。そして、映画の予告編であると判定した場合(YESの場合)はステップS32に移行し、否と判定した場合(NOの場合)はステップS18に移行する。
【0069】
ステップS32において、制御部12は、RAM15のバインディングユニットデータエリアに保存されている関連情報が再生済みか否かを判定する。再生済みと判定した場合(YESの場合)はステップS33に移行し、否と判定した場合(NOの場合)はステップS18に移行する。
【0070】
ステップS33において、制御部12は、関連情報にコピー対象である旨を示すフラグを付加する。この場合、ステップS15において既にフラグが付加されている関連情報については再度フラグを付加する必要はない。また、関連情報が複数ある場合は、ステップS31〜S33を繰り返し実施する。
【0071】
本実施形態では、ユーザが指示した関連情報だけでなく、Javaアプリケーションが自動的にダウンロードした関連情報のうちユーザが視聴した映画予告編のデータをローカルストレージ20に記録する。このため、Javaアプリケーションが自動的にダウンロードした関連情報であっても、ユーザが好みのときに再度視聴するができる。
【0072】
(第3の実施形態)
図8は、第3の実施形態に係る映像再生装置の構成を示すブロック図である。本実施形態に係る映像再生装置が第1の実施形態の映像再生装置と異なる点は、過去に再生したディスクのタイトル情報を記憶するタイトル情報記憶部21を有することにあり、その他の構成は基本的に第1の実施形態と同様である。このため、図8において、図1と同一物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0073】
ディスク1には、映画のタイトル情報(映画タイトル、監督・出演者、リリース日等)をメタデータとして格納することが推奨されている。また、ディスク1に映画のタイトル情報が格納されていなくても、インターネットを介して映画のタイトル情報を取得できることもある。
【0074】
本実施形態に係る映像再生装置101では、再生した映画のタイトル情報をタイトル情報記憶部21に記憶する。このタイトル情報記憶部21は不揮発性メモリにより構成され、電源をオフにしても情報は保持される。なお、本実施形態ではタイトル情報記憶部21をローカルストレージ20と別に設けているが、ローカルストレージ20内にタイトル情報記憶部21を設けてもよい。また、ハードディスクを備えた映像再生装置(所謂ハードディスクビデオレコーダ)の場合は、ハートディスク内の一部領域をタイトル情報記憶部21として使用してもよい。
【0075】
本実施形態に係る映像再生装置101では、今まで再生したディスクのタイトル情報をタイトル情報記憶部21に保存してデータベース化しておく。そして、制御部12は、通信部19を介して関連情報をダウンロードした後、タイトル情報記憶部21に記憶されているタイトル情報を参照し、ダウンロードした関連情報が今まで再生したことがある映画の予告編やリリース情報か否かを調べる。そして、ダウンロードした関連情報が今までに再生したことがある映画の予告編やリリース情報の場合は、RAM15にダウンロードした関連情報を自動的に、又はユーザに確認した上で削除する。
【0076】
ユーザに確認する場合は、例えば図9に示すような画面を表示装置に表示し、ユーザが「再生する」を選択した場合はダウンロードした関連情報をRAM15に残し、「破棄する」を選択した場合はRAM15からダウンロードした関連情報を削除する。
【0077】
本実施形態によれば、ダウンロードした関連情報が今までに再生したことがある映画の予告編やリリース情報の場合にダウンロードした関連情報を削除するので、バインディングユニットデータエリアの容量を削減することができる。
【0078】
(その他の実施形態)
車載用の映像再生装置ではローカルストレージ20の容量が少なく、ローカルストレージ20に保存できるコンテンツの量が制限されることが考えられる。このような場合、RAM15にダウンロードした関連情報の一部又は全部を、自宅に設置したサーバやその他の電子機器(外部記録装置)にネットワークを介して送信し、それらのサーバや電子機器に保存しておくようにしてもよい。そして、映像再生装置は、適宜自宅のサーバや電子機器にネットワーク接続し、必要な関連情報を自宅のサーバや電子機器からダウンロードするようにしてもよい。
【0079】
なお、上述した各実施形態では記録媒体としてBlu-ray Discを使用した場合について説明したが、開示した技術はBlu-ray Disc以外の記録媒体に記録された映像コンテンツを再生する映像再生装置に適用することもできる。
【符号の説明】
【0080】
1…ディスク、
2…記録情報読取装置、
3…操作部、
4…出力情報生成部、
11…復号・信号処理部、
12…制御部、
12a…Java仮想マシン、
13…AVデコーダ、
14,15…RAM、
16…ROM、
17…映像信号処理部、
18…オーディオ信号処理部、
19…通信部、
20…ローカルストレージ、
21…タイトル情報記憶部、
100,101…映像再生装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像コンテンツが記録された記録媒体の装着−脱着が自在であり、前記記録媒体が装着されると前記記録媒体からデータを読み出す記録情報読取部と、
前記記録情報読取部から出力される信号を信号処理して前記映像コンテンツを再生するコンテンツ再生部と、
外部サーバとの間で通信を行う通信部と、
前記コンテンツ再生部及び前記通信部を制御する制御部と、
ユーザ操作を前記制御部に伝達する操作部と、
前記制御部に接続されてデータの書き込み及び読み出しが可能な揮発性メモリと、
前記制御部に接続されてデータの書き込み及び読み出しが可能な不揮発性メモリとを有し、
前記制御部は、前記記録媒体に記録された映像コンテンツに関連する関連情報を前記通信部を介して前記外部サーバから取得し、該取得した関連情報が前記操作部を介して入力されたユーザの指示によるものか否かを判定し、ユーザの指示によるものであると判定したときには前記関連情報にコピー対象である旨を示す付加情報を付加して前記揮発性メモリに記録し、
前記揮発性メモリに記録された関連情報のうち前記付加情報が付加された関連情報のみを前記不揮発性メモリにコピーすることを特徴とする映像再生装置。
【請求項2】
前記記録媒体に記録された映像コンテンツが映画であることを特徴とする請求項1に記載の映像再生装置。
【請求項3】
前記関連情報が、映画の予告編であることを特徴とする請求項2に記載の映像再生装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記関連情報が前記映像コンテンツ再生部で再生されたときにも、前記関連情報にコピー対象である旨を示す付加情報を付加することを特徴とする請求項3に記載の映像再生装置。
【請求項5】
前記揮発性メモリから前記不揮発性メモリへの前記付加情報が付加された関連情報のコピーは、前記記録媒体の脱着が指示されたとき又は電源オフが指示されたときに行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の映像再生装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記付加情報が付加された関連情報を前記不揮発メモリにコピーする前に確認画面を表示装置に表示し、ユーザによりコピーが了承された関連情報のみを前記不揮発メモリにコピーすることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の映像再生装置。
【請求項7】
前記揮発性メモリがDRAMであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の映像再生装置。
【請求項8】
前記不揮発性メモリがフラッシュメモリであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の映像再生装置。
【請求項9】
前記不揮発性メモリが着脱自在であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の映像再生装置。
【請求項10】
前記関連情報には、映画のタイトル、監督及び出演者の情報が含まれていることを特徴とする請求項2又は3に記載の映像再生装置。
【請求項11】
更に、前記コンテンツ再生部で再生した映像コンテンツの履歴を記憶するタイトル情報記憶部を有することを特徴とする請求項2に記載の映像再生装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記通信部を介して外部記録装置に通信接続し、前記揮発性メモリに記録された前記関連情報を前記外部記録装置に転送することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の映像再生装置。
【請求項13】
映像コンテンツが記録された記録媒体の装着−脱着が自在であり、前記記録媒体が装着されると前記記録媒体に記録された前記映像コンテンツを再生する映像再生装置のデータ管理方法において、
前記記録媒体に記録された前記映像コンテンツに関連する関連情報を外部サーバから取得するステップと、
前記関連情報の取得が操作部を介して入力されたユーザ指示によるものか否かを判定し、ユーザ指示によるものであると判定したときには前記関連情報にコピー対象である旨を示す付加情報を付加するステップと、
前記関連情報を揮発性メモリに記録するステップと、
前記揮発性メモリに記録された関連情報のうち前記付加情報が付加された関連情報のみを不揮発性メモリにコピーするステップと
を有することを特徴とするデータ管理方法。
【請求項14】
前記記録媒体に記録された映像コンテンツが映画であることを特徴とする請求項13に記載のデータ管理方法。
【請求項15】
関連情報を外部サーバから取得するステップと前記付加情報が付加された関連情報のみを不揮発性メモリにコピーするステップとの間に、
前記関連情報が再生済みの映画の予告編か否かを判定し、再生済みの映画の予告編のときには該関連情報にコピー対象である旨を示す付加情報を付加するステップを有することを特徴とする請求項14に記載のデータ管理方法。
【請求項16】
前記揮発性メモリがDRAMであることを特徴とする請求項13又は14に記載のデータ管理方法。
【請求項17】
前記不揮発性メモリがフラッシュメモリであることを特徴とする請求項13又は14に記載のデータ管理方法。
【請求項18】
前記揮発性メモリから前記不揮発性メモリへの前記付加情報が付加された関連情報のコピーは、前記記録媒体の脱着が指示されたとき又は電源オフが指示されたときに行われることを特徴とする請求項13又は14に記載のデータ管理方法。
【請求項19】
再生した映像コンテンツの履歴をタイトル情報記憶部に記憶し、前記外部サーバから取得した関連情報が前記タイトル情報記憶部に記憶されている映像コンテンツに関するものであるときに、前記揮発性メモリに記録された前記関連情報を破棄することを特徴とする請求項14に記載のデータ管理方法。
【請求項20】
前記揮発性メモリに記録された関連情報を、通信部を介して外部の記録装置に転送することを特徴とする請求項13又は14に記載のデータ管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−80334(P2012−80334A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−223767(P2010−223767)
【出願日】平成22年10月1日(2010.10.1)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】