説明

映像処理装置及び映像処理方法

【課題】受信可能チャンネル数の番組情報を1画面全体に表示させる場合に、カーソルジャンプにおいて不便が生じない映像処理装置及び映像処理方法を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、映像処理装置は設定手段と、電子番組表作成手段と、カーソル制御手段とを具備する。設定手段は電子番組表に掲載する表示チャンネル数を受信可能なチャンネル数に基づいて設定する。電子番組表作成手段は設定手段により設定された表示チャンネル数が基準数未満の場合、画面の一方向に該表示チャンネル数と等しい数のチャンネル枠を配列し、画面の他方向に所定数の時間枠を配列する第1のレイアウトの電子番組表を表示する。カーソル制御手段は第1のレイアウトの電子番組表の表示中に一方向のカーソルジャンプが指示されると、第1のレイアウトの電子番組表の一方向の端部にカーソルを移動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、例えばテレビジョン放送受信装置等の映像処理装置及び映像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビジョン放送のデジタル化が推進されている。例えば、日本国内においては、BS(broadcasting satellite)デジタル放送及び110度CS(communication satellite)デジタル放送等の衛星デジタル放送だけでなく、地上デジタル放送も開始されている。
【0003】
このようなデジタルテレビジョン放送を受信するデジタル放送受信装置では、放送信号から取得したEPG(electronic program guide)情報に基づいて電子番組表を作成し、画面に映像表示している。これにより、ユーザは、映像表示された電子番組表から所望の番組を選択して、視聴や録画予約等を行なうことができる。
【0004】
ところで、テレビジョン放送においては、地域によって、受信可能なチャンネル数が異なっている。このため、デジタル放送受信装置としても、地域によって異なる受信可能なチャンネル数に対応させて、ユーザがより一層見易くなるように電子番組表の表示に工夫を施すことが重要となる。
【0005】
一例として、受信可能なチャンネル数が1画面に表示可能なチャンネル数よりも小さいか否かを判断し、受信可能なチャンネル数の方が小さい場合には、1画面全体に受信可能な全チャンネル分の番組情報を表示させ、受信可能なチャンネル数の方が小さくない場合には、受信可能なチャンネルのうち1画面に表示できるチャンネル分の番組情報だけを表示させるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−203955号公報
【特許文献2】特開2009−71357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の映像処理装置はカーソルジャンプにおいて不便が生じていたという課題があった。
【0008】
本発明の目的は、電子番組表を表示させる場合に、カーソルジャンプにおいて不便が生じない映像処理装置及び映像処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態によれば、映像処理装置は設定手段と、電子番組表作成手段と、カーソル制御手段とを具備する。設定手段は電子番組表に掲載する表示チャンネル数を受信可能なチャンネル数に基づいて設定する。電子番組表作成手段は設定手段により設定された表示チャンネル数が基準数未満の場合、画面の一方向に該表示チャンネル数と等しい数のチャンネル枠を配列し、画面の他方向に所定数の時間枠を配列する第1のレイアウトの電子番組表を表示する。カーソル制御手段は第1のレイアウトの電子番組表の表示中に一方向のカーソルジャンプが指示されると、第1のレイアウトの電子番組表の一方向の端部にカーソルを移動する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態のデジタルテレビジョン放送受信装置の信号処理系の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】デジタルテレビジョン放送受信装置のリモートコントローラの一例を示す図である。
【図3】電子番組表の表示の一例を示す図。
【図4】電子番組表におけるカーソルジャンプの一例を示す図。
【図5】電子番組表におけるカーソルジャンプの他の例を示す図。
【図6】電子番組表におけるカーソルジャンプのさらに他の例を示す図。
【図7】電子番組表におけるカーソルジャンプの別の例を示す図。
【図8】録画チャンネルの選択画面の一例を示す図。
【図9】過去番組表と現在番組表の混在表示の一例を示す図。
【図10】実施形態による電子番組表の表示の流れを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態について図面を参照して説明する。映像処理装置の実施形態としてはデジタルテレビジョン放送受信装置を例に説明をするが、これに限定されることはない。例えば、放送受信・録画機能付き携帯電話、放送受信・録画機能付きパーソナルコンピュータ、及び放送受信装置が搭載された映像記録装置等、放送受信・録画装置を備えた機器であれば何でも良い。また、放送は空中を伝播してくる電波を受信するものに限らず、ケーブルやIP(インターネット・プロトコル)網等のネットワークを介して放送局から配信される番組を受信可能な放送でも良い。
【0012】
テレビジョン放送受信装置は薄型のキャビネット内に格納される。キャビネットの正面中央部にディスプレイが配置され、ディスプレイの下部にはスピーカが配置されステレオ音声再生が行えるようになっている。ディスプレイは、例えばLCD(Liquid Crystal Display)パネル、プラズマディスプレイパネル、SED(Surface−conduction Electron−emitter Display)パネルである。キャビネットの正面下部には、リモートコントローラから無線送信された操作信号を受信するための受信部が設けられる。また、キャビネットの側面には、電源スイッチ等の操作部が配置されている。
【0013】
テレビジョン放送受信装置は、図示しないプラグを介して外部から電力供給を受け、アンテナを介して各種の放送波を受信して、この受信した放送波の信号を信号処理部でデコードすることにより映像信号、及び音声信号を出力する。ディスプレイはデコードされた映像信号を処理して映像を表示し、スピーカはデコードされた音声信号を処理して音声を出力する。
【0014】
尚、キャビネット内にチューナ等のテレビジョン放送受信装置を格納するとしたが、これに限定されることはない。即ち、チューナ等の電子装置をキャビネットとは別の筐体に格納し、この筐体とテレビジョン放送受信装置とを接続して、テレビジョン放送受信装置に備えられるディスプレイ及びスピーカにて映像音声を出力するとしても良い。
【0015】
図1は、上記したデジタルテレビジョン放送受信装置1の主要な信号処理系を示すブロック部である。BS/CSデジタル放送受信用のアンテナ2で受信した衛星デジタル放送信号は、入力端子3を介して衛星デジタル放送用のチューナ12に供給されることにより、所望のチャンネルの放送信号が選局される。
【0016】
チューナ12で選局された放送信号は、PSK(phase shift keying)復調器14に供給されてTS(transport stream)が復調される。このTSは、TS復号器16に供給されてデジタルの映像信号及び音声信号等に復号化された後、信号処理部18に出力される。
【0017】
地上波放送受信用のアンテナ4で受信した地上デジタルテレビジョン放送信号は、入力端子5を介して地上デジタル放送用のチューナ20に供給されることにより、所望のチャンネルの放送信号が選局される。
【0018】
チューナ20で選局された放送信号は、OFDM(orthogonal frequency division multiplexing)復調器22に供給されてTSが復調される。このTSは、TS復号器24に供給されてデジタルの映像信号及び音声信号に復号化された後、信号処理部18に出力される。
【0019】
信号処理部18は、TS復号器16、24からそれぞれ供給されたデジタルの映像信号及び音声信号に対して、選択的に所定のデジタル信号処理を施し、グラフィックス処理部26及び音声処理部28に出力している。
【0020】
グラフィックス処理部26は、信号処理部18から供給されるデジタルの映像信号に、OSD(on screen display)信号生成部30で生成されるOSD信号を重畳して出力する機能を有する。また、グラフィックス処理部26は、信号処理部18の出力映像信号と、OSD信号生成部30の出力OSD信号とを選択的に出力することや、両出力をそれぞれ画面の半分を構成するように組み合わせて出力することができる。
【0021】
グラフィックス処理部26から出力されたデジタルの映像信号は、映像処理部32に供給される。映像処理部32は、入力されたデジタルの映像信号を、上述したようにキャビネットの正面中央部に配置され、LCDパネル、プラズマディスプレイパネル、SEDパネル等からなるディスプレイ34で表示可能なフォーマットのアナログ映像信号に変換した後、ディスプレイ34に出力して映像表示させる。
【0022】
音声処理部28は、入力されたデジタルの音声信号を、上述したようにディスプレイの下部に配置されるスピーカ36で再生可能なフォーマットのアナログ音声信号に変換した後、スピーカ36に出力して音声再生させる。
【0023】
デジタルテレビジョン放送受信装置1は、上記した各種の受信動作を含むその全ての動作を制御部40によって統括的に制御されている。この制御部40は、CPU(central processing unit)40aを内蔵しており、上述したようにキャビネットの側面に配置された操作部42からの操作情報を受け、または、リモートコントローラ6から送出され受光部44で受信した操作情報を受けて、その操作内容が反映されるように各部をそれぞれ制御している。
【0024】
制御部40は、主として、そのCPU40aが実行する制御プログラムを格納したROM(read only memory)40bと、該CPU40aに作業エリアを提供するRAM(random access memory)40cと、各種の設定情報及び制御情報、電子番組表情報等が格納される不揮発性メモリ40dと、予約設定部40e、番組表作成制御部40f、録画再生制御部40gとを備えている。番組表作成制御部40eは、放送信号あるいはネットワーク等を介して予め取得したEPG情報に基づいて電子番組表を作成し、画面に映像表示する。EPG情報は通常は放送信号を介して取得され、チューナ12、20を制御してアンテナを介して受信される放送信号からEPG情報が分離される。しかし、これ以外にもLAN端子52を介してネットワークから取得することも可能である。EPG情報は不揮発性メモリ40dに格納される。これにより、ユーザは、映像表示された電子番組表から所望の番組を選択して、視聴や録画予約等を行なうことができる。なお、電子番組表のレイアウトは受信可能なチャンネル数に対応して変更される。番組表作成制御部40fはディスプレイ34に表示される電子番組表のレイアウトをユーザがより一層見易くなるように変更する機能を有している。予約設定部40eは2つの予約方法(シングル予約と連ドラ予約)で番組録画を予約する。シングル予約とは、現在から一週間先までの番組についての電子番組表から番組を1つ選択し、選択された1つの番組録画を予約することである。連ドラ予約とは、現在から一週間先までの番組についての電子番組表、若しくは録画リスト画面の中から選択された番組(トリガ番組)と同じ連ドラグループに属する番組の録画を予約することである。録画再生制御部40gは予約設定部40eの予約情報に基づいて録画を実行することで、番組の予約録画を行う。
【0025】
制御部40は、カードI/F46を介して、メモリカード[IC(integrated circuit)カード]7が装着可能なカードホルダ48に接続されている。これにより、制御部40は、カードホルダ48に装着されたメモリカード7と、カードI/F46を介して情報伝送を行なうことができる。メモリカード7は、例えば放送受信契約の契約情報等を記録するものである。
【0026】
制御部40は、通信I/F50を介してLAN端子52に接続されている。これにより、制御部40は、LAN端子52に接続されたLAN対応のHDD8と、通信I/F50を介して情報伝送を行なうことができる。この場合、制御部40は、DHCP(dynamic host configuration protocol)サーバ機能を有し、LAN端子52に接続されたLAN対応のHDD8にIP(internet protocol)アドレスを割り当てて制御している。図示しないが、LAN端子52はHDD8のみならず、ハブ、ブロードバンドルータを介してネットワークに接続されても良い。
【0027】
制御部40は、USB I/F54を介してUSB端子56に接続されている。これにより、制御部40は、USB端子56に接続されたUSB対応のHDD9とUSB I/F54を介して情報伝送を行なうことができる。
【0028】
なお、HDDは外付けに限らず、内蔵してもよい。内蔵HDDはATAインターフェース等を介して制御部40に接続される。また、外付けの場合も1台に限らず、複数台のHDDを接続することもできる。
【0029】
図2は、リモートコントローラ6の外観を示している。リモートコントローラ6には、主として、電源キー6a、入力切換キー6b、地デジ/BS/CSの放送切替キー6d、ダイレクト選局キー6c、マルチキー6e、カーソルキー6f、決定キー6g、青、赤、緑、黄のカラーキー6m、チャンネルアップダウンキー6n、音量調整キー6o、メニューキー6p、録画リストキー6q、再生制御キー6r等が設けられている。
【0030】
カーソルキー6fは上下左右の4箇所を押すことができ、押した位置に応じてカーソルを上下左右のいずれかにシフトさせることができる。シフトとは最小単位の移動を表し、メニュー内の隣のボタン、電子番組表の隣の番組等に移動することである。マルチキー6eは上下左右に加えて斜めの計8箇所を押すことができ、カーソルの表示中に上下左右のいずれかを押すとカーソルを上下左右方向にジャンプさせることができ、斜めを押すと「タイムシフト」、「番組表」、「終了」、「戻る」の4つのキーと等価のキー操作ができる。ジャンプとはシフトよりも大きい単位でカーソルを移動することや、画面を他のページに切換えることを意味する。そのため、カーソルジャンプとページ切換えは同義で使われる。
【0031】
デジタルテレビジョン放送受信装置1では、ユーザがリモートコントローラ6のマルチキー6e内の「番組表」をキー操作することにより、電子番組表をディスプレイ34に表示させることができる。なお、この電子番組表は、予め放送信号やネットワーク等を介して取得した番組情報であるEPG情報に基づいて番組表作成制御部40fにより作成されるものである。また、ユーザがリモートコントローラ6の録画リストキー6gをキー操作することにより、録画した番組の一覧をディスプレイ34に表示させることができる。なお、本実施形態は、番組を指定して録画するだけではなく、タイムシフト再生機能も有している。この機能は、指定したチャンネルについて過去数十時間の番組を一時保管して、その中から見たい番組を選んで視聴するものである。これにより、放送番組を数十時間タイムシフトすることができる。一時保管できる時間は指定したチャンネル数によって変動する。さらに、現在から連続した過去の数十時間ではなく、指定した時間帯の番組のみ一時保管することもできる。このような機能を有している場合は、録画リストキー6gをキー操作すると、録画番組の一覧ではなく、指定したチャンネルに関する過去の電子番組表(過去番組表と称する)が表示される。
【0032】
番組表作成制御部40fが作成する電子番組表の一例を図3に示す。図3においては、縦方向が時間を、横方向がチャンネルを表し、7チャンネルの6時間分の番組表を画面の横方向に配列したレイアウトになっている。すなわち、それぞれが放送局(チャンネル)に対応する7つのチャンネル枠106〜106を横方向に配列し、それぞれが1時間に対応する6つの時間枠102〜102を縦方向に配列し、チャンネル枠と時間枠とで示される矩形の領域が番組の表示欄となっている。上端部の時間枠は現在時刻に対応する。この中の希望の番組にカーソルを合わせ、決定キー6gを操作すると、番組指定画面が表示され、「録画する」を選択すると、当該番組が録画予約される。
【0033】
電子番組表は時間とチャンネルが2次元配列されていれば良く、縦横は図3とは逆でも良い。即ち、チャンネル枠を縦方向に配列し、時間枠を横方向に配列してもよい。チャンネル数が少ない場合は、この方が好ましい場合もある。チャンネル枠、時間枠の配列数は上記は一例であり、ユーザが自由に設定できるようにしてもよい。
【0034】
チャンネル数が7より多い場合は、マルチキー6eを左右方向に押すことによりページを左右に切り換えるとともにカーソルをジャンプさせることにより、現在表示されているチャンネル群以外のチャンネルの番組表を表示することができる。例えば、右方向へのカーソルジャンプ操作が指示されると、図4(a)に示すように現在表示されているチャンネル番号群より大きいチャンネル番号群の次ページの番組表に切り換わるとともに、カーソルが次ページの同じ時間枠の一番左端(次ページ内でチャンネル番号が最も小さいチャンネル枠)に移動する。同様に、左方向へのカーソルジャンプ操作が指示されると、図4(b)に示すように現在表示されているチャンネル番号群より小さいチャンネル番号群の前ページの番組表に切り換わるとともに、カーソルが前ページの同じ時間枠の一番右端(前ページ内でチャンネル番号が最も大きいチャンネル枠)に移動する。
【0035】
現在表示されている時間帯以外の時間の番組表を見たい場合は、マルチキー6eを上下方向に押すことによりページを上下に切り換えるとともにカーソルをジャンプさせることができる。例えば、下方向へのカーソルジャンプ操作が指示されると、図5(a)に示すように現在表示されている時間帯よりも将来の時間帯の次ページの番組表に切り換わるとともに、カーソルが次ページの同じチャンネル枠の一番上端(次ページ内で最も早い時間枠)に移動する。同様に、上方向へのカーソルジャンプ操作が指示されると、図5(b)に示すように現在表示されている時間帯よりも過去の時間帯の前ページの番組表に切り換わるとともに、カーソルが前ページの同じチャンネル枠の一番下端(前ページ内で最も遅い時間枠)に移動する。
【0036】
なお、上下左右へのカーソルジャンプが指示された時、次ページあるいは前ページがない場合は、カーソルは当該ページの上下左右の端部までジャンプする。例えば、EPGは過去の番組表情報は含んでいないので、上端部の時間枠が現在時刻に対応している場合は、上方向へのカーソルジャンプ操作が指示されても、前ページの番組表に切り換わることはないが、図3に示すように、カーソル120は当該ページの同じチャンネル枠の一番上の時間枠120aまでジャンプする。チャンネル方向についても、左端部または右端部のチャンネルより大きいまたは小さいチャンネル番号が無い場合は、左右方向へのカーソルジャンプ操作が指示されても、前ページまたは次ページの番組表に切り換わらず、カーソル120は当該ページの同じ時間枠の左端部または右端部までジャンプする。
【0037】
このように、カーソルジャンプが指示されると、ジャンプ方向に応じたチャンネル枠あるいは時間枠の次ページ/前ページの番組表に切り換わるとともに、次ページ/前ページの番組表で現ページでカーソルが位置している枠に最も近い時間枠あるいはチャンネル枠にカーソルがジャンプする。従前は、次ページのチャンネル枠へのカーソルジャンプの場合、チャンネル番号が最も大きいチャンネル枠に、前ページのチャンネル枠へのカーソルジャンプの場合、チャンネル番号が最も小さいチャンネル枠に、次ページの時間枠へのカーソルジャンプの場合、最も遅い時間枠に、前ページの時間枠へのカーソルジャンプの場合、最も早い時間枠に移動している。これでは、ジャンプ距離が長過ぎて、却って不便となることがある。実施形態によれば、次ページ/前ページで現ページに最も近い位置の枠まで移動するので、ジャンプし過ぎることがない。
【0038】
図3のレイアウトでチャンネル数を7と決めたのは、ある地域で受信可能な地上波ディジタル放送のチャンネル数の最大数が日本では7であるからである。このレイアウトのままであると、例えば受信可能なチャンネル数が5つしかない地域の場合には、2つのチャンネル枠に対応する番組表示欄が何も表示されない領域、つまり、空き領域となってしまい、電子番組表が全体的にアンバランスで非効率なレイアウトで表示されることになる。この実施形態では、電子番組表のレイアウトは受信可能なチャンネル数に応じて可変とされている。例えば、受信可能なチャンネル数が基準数である7よりも小さい、例えば5チャンネルしか受信できない地域では、番組表作成制御部40eは、図6に示すように、受信可能な5つのチャンネルに対応するチャンネル枠106〜106を電子番組表の水平方向の全表示領域一杯にそれぞれ均等な幅(間隔)で配列されるように電子番組表のレイアウトを制御している。なお、電子番組表のレイアウトは受信可能なチャンネル数だけで決まるのではなく、受信可能なチャンネルでもユーザが電子番組表に表示させないように設定できるようにしてもよい。
【0039】
図6のチャンネル枠106〜106のそれぞれの横幅は図3のチャンネル枠106〜106のそれぞれの横幅より広く、チャンネル枠は拡大されることになる。なお、各チャンネル枠106〜106の横幅(間隔)は均一に拡大される必要はなく、多少のばらつきを許容するものとし、基準数(7つ)に基づいて作成されたときよりも1チャンネル分の表示枠の幅が平均して拡大されるようにすれば良いものである。
【0040】
これにより、従来の電子番組表の表示形態のように、無駄な空き領域がなくなり、電子番組表を全体的にバランス良く効率的に表示することができる。この場合、各チャンネル枠106〜106の幅(間隔)が従来よりも広がるので、その分、各番組の表示欄が大きくなるため、文字サイズを大きくして表示することが可能となる。
【0041】
文字サイズを大きくすることは、例えば、ユーザが、リモートコントローラ6のメニューキー6pを操作して、階層構造となされたメニュー画面に分け入ることにより文字サイズ変更画面に到達し、その画面上で文字サイズを「標準よりも大」に選択設定しておくことにより可能となる。なお、この文字サイズ変更画面上で「標準」が選択設定された場合には、従来と同じ文字サイズでの表示が可能となり、文字サイズを変更するか否かはユーザによって選択可能となっている。
【0042】
また、各チャンネル枠106〜106の横幅(間隔)が従来よりも広がり、その分、各番組の表示欄が大きくなるので、表示する情報量(具体的には文字数)を増やすことも可能となる。表示する情報量を増やすことは、例えば、上記文字サイズ変更画面で「標準」が選択設定されている状態で、ユーザが、リモートコントローラ6のメニューキー6pを操作して、階層構造となされたメニュー画面に分け入ることにより表示情報量変更画面に到達し、その画面上で表示情報量を「標準よりも多」に選択設定しておくことにより可能となる。なお、この表示情報量変更画面上で「標準」が選択設定された場合には、従来と同じ情報量での表示が可能となり、表示する情報量を変更するか否かはユーザによって選択可能となっている。
【0043】
図6のレイアウトの電子番組表(受信可能チャンネル数が7未満)が表示される時は、全受信可能チャンネルが表示されている(チャンネル方向の前ページ、次ページの番組表は無い)ので、マルチキー6eを左右方向に押してもページが切り換わらないが、当該ページの左右端部までカーソルをジャンプさせることができる。例えば、図6に示すようにカーソル110が中央部に位置する時、左方向へのカーソルジャンプ操作が指示されると、カーソル110が当該ページの左端部の枠110aまでジャンプし、右方向へのカーソルジャンプ操作が指示されると、カーソル110が当該ページの右端部の枠110bまでジャンプする。また、上端部の時間枠が現在時刻に対応している場合は、上方向へのカーソルジャンプ操作が指示されても、カーソル110は当該ページの同じチャンネル枠の上端部の時間枠110cまでジャンプする。
【0044】
図6のレイアウトの電子番組表の場合も、図4、図5と同様に、カーソルジャンプが指示され、ジャンプ方向に応じたチャンネル枠あるいは時間枠の次ページ/前ページの番組表に切り換わるとともに、次ページ/前ページの番組表で現ページでカーソルが位置している枠に最も近い時間枠あるいはチャンネル枠にカーソルがジャンプする。例えば、図6の状態で下方向のカーソルジャンプが指示されると、図7に示すように次の時間帯の次ページの番組表に切り換わり、カーソルは次ページの番組表の上端部の枠110cに移動する。図7の状態で上方向のカーソルジャンプが指示されると、図6に示すように前の時間帯の前ページの番組表に切り換わり、カーソル112は前ページの番組表の下端部の枠112aに移動する。
【0045】
図6のレイアウトの電子番組表において、カーソルが左右端部に位置する時にカーソルジャンプが指示された場合は左右に前/次ページのチャンネルが存在しないので、ページは切り換わらない。図3のレイアウトの電子番組表であれば、カーソルが左右端部に位置していても左右に前/次ページのチャンネルが存在すればページが切り換えられ、カーソルジャンプがなされる。
【0046】
次にタイムシフト機能について説明する。この機能は、指定したチャンネルについて常に過去数十時間の全番組をHDD(好ましくは内蔵HDD)に一時的に保管するものである。HDDの容量が一杯になると、過去の番組から自動的に消去される。タイムシフト機能の録画チャンネルの設定画面を図8に示す。リモートコントローラ6の設定メニューキー6pを押し、カーソルキー6fと決定キー6gで「初期設定」、「地デジ機能設定」、「タイムシフトマシン録画設定」を選ぶ。「タイムシフトマシン録画設定」が選択されると、図8の画面が表示され、タイムシフトマシン録画するチャンネルを設定する。ここでは、5つのチャンネルを選択したとする。チャンネル設定の後、図示しないが、1週間分の時刻テーブルが表示され、過去の全番組ではなく、指定した曜日の指定した時間帯(例えば、月曜から金曜日の19時から22時)の番組のみ一時保管するように設定することもできる。
【0047】
タイムシフトマシン録画が設定されていると、録画リストキー6gがキー操作すると、録画番組の一覧ではなく、指定したチャンネルに関する過去の電子番組表(過去番組表と称する)が表示される。上述したように、電子番組表が表示されている状態でマルチキー6eを上下方向に押すと、他の時間帯の番組表のページに切り換えることができる。そのため、過去番組表が表示されている状態でマルチキー6eが下方向に押されると、時間帯が現在方向にシフトして、図9に示すように、上半分に過去番組表が、下半分に通常の現在番組表が配置されたレイアウトの電子番組表が表示される。なお、通常の現在番組表が表示されている状態でマルチキー6eを上方向に押し、時間帯が過去方向にシフトした場合も図9に示すように、上半分に過去番組表が、下半分に通常の現在番組表が配置されたレイアウトの電子番組表が表示されることがある。図9のレイアウトの電子番組表の表示においても、左右の前ページ、次ページがないので、マルチキー6eが左右方向に押ささた場合は、図6に示したように、カーソルは当該ページの同じ時間枠の左端部、右端部までしかジャンプしない。
【0048】
図10は番組表表示の処理の流れの一例を示すフローチャートである。処理が開始されると、制御部40は、ブロック202で、チャンネルスキャンを行なうことにより、その地域で受信可能なチャンネル数を取得する。もしも、受信可能なチャンネルのうちユーザによってチャンネルスキップされているチャンネルが存在する場合は、チャンネルスキップされたチャンネル数を減算して受信可能なチャンネル数を更新する。ブロック202では、受信可能なチャンネル数は電子番組表に掲載する表示チャンネル数と等価である。
【0049】
ブロック204で受信可能なチャンネルの数が基準数(この場合7つ)であるか否かを判断する。基準数(7つ)であると判断された場合、制御部40は、ブロック206で図3に示すように水平方向の全表示領域一杯に基準数である7つのチャンネルに対応するチャンネル枠がそれぞれ均等な幅(間隔)で配列された第1のレイアウトの電子番組表をディスプレイ34に表示させて、処理を終了する。
【0050】
ブロック204で受信可能なチャンネルの数が基準数(この場合7つ)以外であると判断された場合、制御部40は、ブロック208で受信可能なチャンネルの数が基準数以上であるか否かを判断する。基準数以上であると判断された場合、制御部40は、ブロック210で受信可能なチャンネルの中の7つのチャンネルに対応するチャンネル枠を図3に示すように水平方向の全表示領域一杯にそれぞれ均等な幅(間隔)で配列した第1のレイアウトの電子番組表をディスプレイ34に表示させて、処理を終了する。
【0051】
ブロック208で受信可能なチャンネルの数が基準数以上ではないと判断された場合、制御部40は、ブロック212で図6に示すように水平方向の全表示領域一杯に受信可能なチャンネルに対応するチャンネル枠がそれぞれ均等な幅(間隔)で配列された第2のレイアウトの電子番組表をディスプレイ34に表示させて、処理を終了する。
【0052】
このように実施形態によれば、地域に応じて受信チャンネル数が異なっても、電子番組表に表示できるチャンネル数あるいは表示させたいチャンネル数に応じて電子番組表のレイアウトにおけるチャンネル枠の数を可変するので、見易い番組表を表示することができる。次ページまたは前ページが存在しない場合でも、カーソルジャンプあるいはページ切換えが指示された場合、当該ページの端部までカーソルを移動するので、カーソルジャンプにおいて不便が生じることがない。また、次ページまたは前ページが存在する場合でも、カーソルジャンプあるいはページ切換えが指示された場合、次ページまたは前ページの当該ページに最も近い端部までカーソルを移動するので、ジャンプし過ぎる不便も生じることがない。
【0053】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0054】
6…リモートコントローラ、6e…マルチキー、6f…カーソルキー、8,9…HDD、12,20…チューナ、14,22…復調器、16,24…TS復号器、18…信号処理部、26…グラフィック処理部、28…音声処理部、32…映像処理部、34…ディスプレイ、36…スピーカ、40…制御部、40a…CPU、40e…予約制御部、40f…番組表作成制御部、40g…録画再生制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子番組表に掲載する表示チャンネル数を受信可能なチャンネル数に基づいて設定する設定手段と、
前記設定手段により設定された表示チャンネル数が基準数未満の場合、画面の一方向に該表示チャンネル数と等しい数のチャンネル枠を配列し、画面の他方向に所定数の時間枠を配列する第1のレイアウトの電子番組表を作成する電子番組表作成手段と、
前記第1のレイアウトの電子番組表の表示中に前記一方向のカーソルジャンプが指示されると、該第1のレイアウトの電子番組表の前記一方向の端部にカーソルを移動するカーソル制御手段と、
を具備する映像処理装置。
【請求項2】
前記カーソル制御手段は、前記第1のレイアウトの電子番組表の前後の時間枠帯の電子番組表が無い場合に前記他方向のカーソルジャンプが指示されると、該第1のレイアウトの電子番組表の前記他方向の端部にカーソルを移動する請求項1記載の映像処理装置。
【請求項3】
前記カーソル制御手段は、カーソルが前記第1のレイアウトの電子番組表の前記一方向の端部に位置する場合に前記一方向のカーソルジャンプまたはカーソルシフトが指示されてもカーソルを移動しない請求項1記載の映像処理装置。
【請求項4】
前記カーソル制御手段は、前記第1のレイアウトの電子番組表の表示中に前記他方向のカーソルジャンプが指示されると、表示されている該電子番組表の現ページの時間枠帯の前の時間枠群の番組を含む前ページまたは該現ページの時間枠帯の次の時間枠群の番組を含む次ページを表示し、該前ページまたは該次ページで該現ページの時間枠帯に最も近い時間枠にカーソルを移動する請求項1記載の映像処理装置。
【請求項5】
前記電子番組表作成手段は、前記設定手段により設定された表示チャンネル数が基準数以上の場合、画面の一方向に所定数のチャンネル枠を配列し、画面の他方向に所定数の時間枠を配列する第2のレイアウトの電子番組表を表示し、
前記カーソル制御手段は、前記第2のレイアウトの電子番組表の表示中に前記他方向のカーソルジャンプが指示されると、表示されている該電子番組表の現ページの時間枠群の前の時間枠群の番組を含む前ページまたは該現ページの時間枠群の次の時間枠群の番組を含む次ページを表示し、該前ページまたは該次ページで該現ページの時間枠帯に最も近い時間枠にカーソルを移動する請求項1記載の映像処理装置。
【請求項6】
前記カーソル制御手段は、前記第2のレイアウトの電子番組表の前後のチャンネル枠帯の電子番組表が無い場合に前記一方向のカーソルジャンプが指示されると、該第2のレイアウトの電子番組表の前記一方向の端部にカーソルを移動し、前記第2のレイアウトの電子番組表の前後の時間枠帯の電子番組表が無い場合に前記他方向のカーソルジャンプが指示されると、該第2のレイアウトの電子番組表の前記他方向の端部にカーソルを移動する請求項5記載の映像処理装置。
【請求項7】
指定したチャンネルの番組を録画する手段をさらに具備し、
前記電子番組表作成手段は画面の一方向に該指定されたチャンネルのチャンネル枠を配列し、画面の他方向に時間枠を配列する第3のレイアウトの電子番組表と前記第1のレイアウトの電子番組表を画面の他方向に並べて表示する請求項1記載の映像処理装置。
【請求項8】
電子番組表に掲載する表示チャンネル数を受信可能なチャンネル数に基づいて設定し、
前記設定された表示チャンネル数が基準数未満の場合、画面の一方向に該表示チャンネル数と等しい数のチャンネル枠を配列し、画面の他方向に所定数の時間枠を配列する第1のレイアウトの電子番組表を作成し、
前記第1のレイアウトの電子番組表の表示中に前記一方向のカーソルジャンプが指示されると、該第1のレイアウトの電子番組表の前記一方向の端部にカーソルを移動する映像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−102369(P2013−102369A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−245333(P2011−245333)
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】