説明

映像化装置

目標空間に挿入可能なコンポーネントに着脱可能な態様で結合されるディスプレイ支持コンポーネントを備える映像化装置。挿入可能コンポーネントは目標空間の画像を提供するカメラを備える。画像はディスプレイ支持コンポーネントによって支持されるディスプレイデバイスに表示される。挿入可能コンポーネントは許容回数の使用後に廃棄することができる。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の説明】
【0001】
本出願は、2009年11月30日に出願された、名称を「エラストマー構造をもつ挿管システム(INTUBATION SYSTEM WITH ELASTOMERIC FEATURES)」とする米国特許出願第61/265330号、2010年3月15日に出願された、名称を「映像化機能を備える挿管装置(INTUBATION INSTRUMENT WITH VISUALIZATION FEATURES)」とする米国特許出願第61/314058号、2010年9月1日に出願された、名称を「映像化装置(VISUALIZATION INSTRUMENT)」とする米国特許出願第12/874058号、及び2010年9月1日に出願された、名称を「映像化装置(VISUALIZATION INSTRUMENT)」とする米国特許第12/874035号の優先権の恩典を主張する。上記特許出願の明細書の開示はそれぞれの全体が明示的に本明細書に含まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、全般的には、内部空間を観察するためのカメラを有する映像化装置を備えるシステムに関し、さらに詳しくは、患者の体内を検査するためのカメラを有する映像化装置に関する。
【背景技術】
【0003】
映像化装置には、内視鏡、喉頭鏡、ボアスコープ及び、患者の体内を観察するために設計された、その他の医用機器がある。医用映像化装置は、喉頭鏡検査、鼻鏡検査、気管支鏡検査、膀胱鏡検査、子宮鏡検査、腹腔鏡検査、関節鏡検査、等を含む、多くの医療処置に用いられる。映像化装置は、機械、建物及び爆破装置の内部構造の調査のような非医学用途にも用いられる。喉頭鏡は、非侵襲性気管挿管を施すため、声帯ひだ及び声門の観察像を得るために用いられる。従来の硬性喉頭鏡は光源及びブレードを有するハンドルからなる。直接喉頭鏡検査は通常、患者を仰臥させて実施される。喉頭鏡は口内に、一般に右側で、挿入され、舌を視線から外すため及び気管内チューブの挿入のための通路を形成するために、左側に向けて押される。喉頭蓋を動かして声門の観察を可能にするため、ブレードを上方及び前方に動かして持ち上げることができる。喉頭鏡が所定の位置につけられると、気管内チューブを通路に挿入することができる。気管内チューブの挿入を誘導するための誘導表面をブレードに設けることができる。声帯の観察像を患者の体外から得るために、照明装置及び光学装置を備えることができる。光学装置は、全てが光学像の転送に適合された、レンズ、ミラー、プリズム及び光ファイバを有する。光学像を取込み、光学像を高解像度ディスプレイモニタに表示するための撮像装置も備えることができる。
【0004】
スタイレット及びその他の映像化装置も開発されている。それぞれの装置にはそれぞれ自体の、例えば、かぶり、良好な光学像を形成するには不十分な照明、画像の遠隔投影が不能、気管内チューブを挿入するための追加の手順、及びコストのような、限界がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
事故または戦闘における状況のような、病院から離れた場所での気管挿管は実施が困難であるから、現場で気管挿管を施すに必要な緊急即応装置及びその他の応急装置を提供することが望ましいであろう。1回または限定された回数の使用後には廃棄できる映像化装置を提供することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
映像化装置及び映像化装置の使用方法が本明細書に説明される。映像化装置は空間内に挿入して、その空間の内部観察像を表す映像を取り込むことができる。映像化装置は、撮像センサを支持する挿入可能部及び、撮像センサで取り込まれた観察像に対応する映像を表示するように構成された、ビデオデバイスを備える。
【0007】
本開示の一実施形態例において、映像化装置が提供される。映像化装置は、
ディスプレイデバイス、
カメラ及びレンズを有する撮像アセンブリであって、前記カメラは、撮像センサ、遠位表面を有する撮像支持体及び光学キャビティを有し、前記光学キャビティは遠位表面にキャビティ開口を定め、前記レンズ及びカメラは光学キャビティを乾燥状態に保つために光学キャビティ内に封入され、前記カメラはレンズを通して得られた複数の観察像に対応するデジタル画像ストリームを出力するものである撮像アセンブリ、
ディスプレイデバイスに着脱可能な態様で結合されたハンドル部、
ハンドル部及びディスプレイデバイスの一方によって支持される内蔵エネルギー源、
及び
ハンドル部に結合された、患者に挿入可能な挿入可能部であって、該挿入可能部はその遠端に遠位開口をもつ遠位キャビティを有し、前記撮像アセンブリは、遠位開口を通して、遠位キャビティによって受け入れられ、該撮像アセンブリは、挿入可能部がハンドル部に結合され、ハンドル部がディスプレイデバイスに結合されたときに、ディスプレイデバイスに電気的に接続されて、複数の観察像に対応する映像をディスプレイデバイスによって表示するものである挿入可能部、
を備える。
【0008】
この実施形態の一例において、挿入可能部はチューブを患者内に誘導するために適合された誘導路をさらに有し、遠位キャビティ及び誘導路は挿入可能部の前部/後部高を抑えるために相互に横並びに配置される。
【0009】
この実施形態の別の例において、ハンドル部及び挿入可能部は単体ブレードとして一体形成される。
【0010】
この実施形態のまた別の例において、挿入可能部は前部誘導表面及び内側誘導表面をさらに有し、前部誘導表面及び内側誘導表面は患者内にチューブを誘導するために適合された誘導路を定める。これの変形において、前部誘導表面及び内側誘導表面は相互に実質的に直交する。これのさらなる変形において、チューブはレンズの視界を通過するから、チューブをデジタル画像ストリーム内で弁別することができる。これの別の変形において、誘導路は近位部及び遠位部を有し、挿入可能部はさらに前部誘導表面の反対側にある後部誘導表面及び内側誘導表面の反対側にある外側誘導表面を有し、誘導路の遠位部は、前部誘導表面、後部誘導表面、内側誘導表面及び外側誘導表面によって定められる。これのさらなる変形において、誘導路の近位部は遠位部より短い。また別の変形において、挿入可能部の中心線に沿って測定した、誘導路の近位部の近位部長は誘導路の遠位部の遠位部長の多くとも40%である。別の変形において、内側誘導表面は、誘導路の近位部を通して延びる遷移部及び誘導路の遠位部を通して延びる縦方向整列部を有し、遠位部は挿入可能部の側面から縦方向整列まで延びる。さらなる変形において、遷移部は挿入可能部の外側側面から延びる。
【0011】
さらなる例において、挿入可能部はさらに前部壁及び内側壁を有し、前部壁及び内側壁は患者内にチューブを誘導するために適合された誘導路を定め、誘導路は内側壁の一方の側面に隣接し、遠位キャビティは内側壁の他方の側面に隣接し、前部壁は内側壁をこえて遠位に延びる先端部を有する。これの変形において、先端部は患者の組織に噛み合うように適合された構造付表面を有する。これの別の変形において、構造付表面は規則的パターンで配列された複数の隆線を有する。これのさらなる変形において、複数の隆線は軸方向に整列される。これのまた別の変形において、構造付表面は、第1の方向で測定される第1の摩擦係数及び第1の方向とは異なる第2の方向で測定される第2の摩擦係数を有する。これのさらなる変形において、先端部は1つ以上の可撓支持構造を有する。これの別の変形において、1つ以上の可撓支持構造は先端部の撓み強度を少なくとも5%高める。別の変形において、可撓支持構造は、縦方向整列隆線、縦方向整列壁部及び先端部の横方向湾曲の内の少なくとも1つを有する。
【0012】
また別の例において、挿入可能部は細長チューブ部材を有する。これの変形において、細長チューブ部材は柔順である。これの別の変形において、細長チューブ部材は操縦可能であり、ハンドル部によって支持される操縦機構を有する。
【0013】
別の例において、撮像アセンブリは挿入可能部に恒久的に取り付けられる。
【0014】
また別の例において、映像化装置はさらに、挿入可能部に取り付けられ、遠位キャビティからアクセスできる、電気コネクタを備え、撮像アセンブリは、撮像アセンブリが遠位キャビティに配置されるときに、コネクタに着脱可能な態様で接続する。
【0015】
別の例において、映像化装置は遠位表面に取り付けられた半透明カバーをさらに備え、半透明カバーは防曇コーティングを有する。
【0016】
さらなる例において、映像化装置は第2のレンズ及び、鏡胴キャビティを有する、鏡胴をさらに備え、レンズは鏡胴が光学キャビティに受けられたときに遠位表面と鏡胴の間に配置され、第2のレンズは鏡胴に受けられて、鏡胴とカメラの間に配置される。
【0017】
またさらなる例において、映像化装置はさらに、ディスプレイデバイスの動きを検出し、所定の時間にわたって動きが検出されない場合には映像の表示をディゼーブルにする、モーションセンサを備える。
【0018】
別の例において、カメラは、10nmと14000nmの間の範囲にある波長を有する光を用いてデジタル画像ストリームを形成する。これの変形において、細長チューブ部材は柔順である。別の変形において、カメラは可視光スペクトル内の波長を有する光を用いてデジタル画像ストリームを形成する。
【0019】
また別の例において、映像化装置はさらに、突起及び、突起を受け入れるように構成された、窪みを備え、窪み及び突起は、ハンドル部がディスプレイデバイスに結合されたときに、可聴音を発する。これの変形において、映像化装置はディスプレイデバイスを支持するディスプレイデバイス支持部をさらに備え、ハンドル部は、ディスプレイデバイス支持部を受入れ、よってディスプレイデバイスを挿入可能部に結合するように適合されたハンドルキャビティを有し、突起及び窪みの一方はディスプレイデバイス支持部上に配置され、突起及び窪みの他方はハンドルキャビティ内部に配置される。
【0020】
本開示の別の実施形態例において、患者にある程度挿入可能な映像化装置が提供される。映像化装置は、
ディスプレイデバイス、
レンズ、
撮像センサを有するカメラ、
−カメラはレンズを通して得られる複数の観察像に対応するデジタル画像ストリームを出力する、
ディスプレイデバイスに着脱可能な態様で結合されるハンドル部、
ハンドル部及びディスプレイデバイスの内の一方によって支持される内蔵エネルギー源、及び
ハンドル部に結合されて、患者に挿入可能な、挿入可能部、
−挿入可能部はその遠端に、レンズ及びカメラを受け入れる、遠位キャビティを有する、
−カメラは、挿入可能部がハンドル部に結合され、ハンドル部がディスプレイデバイスに結合されたときに、ディスプレイデバイスに電気的に接続されて、複数の観察像に対応する画像をディスプレイデバイスによって表示する、
−挿入可能部はさらに、患者へのチューブの挿入を誘導するためにはたらくことができる誘導路を形成し、細長開口を定める、少なくとも2つの実質的に非弾性の壁及び少なくとも1つの弾性の壁を有し、少なくとも1つの弾性壁は、チューブの少なくとも一部が細長開口を通して取り出されるときに、変形する、
を備える。
【0021】
これの一例において、ハンドル部と挿入可能部は単体ブレードとして一体形成される。これの一変形において、ブレードは1回使用した後に廃棄されるように構成される。
【0022】
別の例において、誘導路は、その一端において近位前部/後部高を、またその遠端において遠位前部/後部高を定め、近位前部/後部高は遠位前部/後部高より大きい。これの変形において、近位前部/後部高は遠位前部/後部高より少なくとも0.5mm大きい。別の変形において、近位前部/後部高は遠位前部/後部高より少なくとも1.0mm大きい。
【0023】
これのまた別の例においては、遠位先端がさらに備えられ、遠位先端はレンズをこえて遠位に延び、遠位先端は患者の声門を変位させるためにはたらくことができる構造付表面を有する。
【0024】
これのさらなる例においては、レンズ及び処理デバイスをこえて遠位に延びる遠位先端がさらに備えられ、遠位先端は、レンズの視界内に配置され、挿入可能部の使用状態を判定するためにはたらくことができる、使用標識を有し、従前使用回数が許容使用回数をこえることを使用状態が示したときに、処理デバイスは映像の表示をディゼーブルにする。
【0025】
これのさらなる例において、レンズをこえて遠位に延びる遠位先端がさらに備えられ、遠位先端は、遠位先端が患者の組織に噛み合うときの遠位先端の撓みを少なくとも5%高めるための耐撓み補剛構造を有する。これの変形において、耐撓み補剛構造は、遠位先端の幅に沿う遠位先端の湾曲形状、遠位先端の表面から延びる縦方向隆線、及び縦方向壁にの内の少なくとも1つを有する。
【0026】
本開示のまた別の実施形態例において、患者にある程度挿入可能な映像化装置が提供される。映像化装置は、
患者内へのチューブの挿入を誘導するための誘導手段を有する挿入可能部、
−誘導手段は、チューブの少なくとも一部が誘導手段を介して取り出されるときに、弾性変形する、
ディスプレイデバイスを挿入可能部に着脱可能な態様で結合するための取付け手段、及び
撮像手段、
−撮像手段は、撮像手段の視界に対応する複数の画像を取り込み、対応する画像をディスプレイデバイスにより表示するためにはたらくことができるデジタル画像ストリームを出力する、
を備える。
【0027】
本開示のまた別の実施形態例において、映像化装置が提供される。映像化装置は、
ディスプレイデバイス、
レンズ、
撮像センサを有するカメラ、
−カメラはレンズを通して得られる複数の観察像に対応するデジタル画像ストリームを出力する、
ディスプレイデバイスに着脱可能な態様で結合されるハンドル部、
ハンドル部及びディスプレイデバイスの内の一方により支持される内蔵エネルギー源、
ハンドル部に結合され、患者に挿入可能な、挿入可能部、
−挿入可能部は、レンズ及びカメラを受け入れる、遠位キャビティを挿入可能部の遠端に有する、
−カメラは、挿入可能部がハンドル部に結合され、ハンドル部がディスプレイデバイスに結合されると、ディスプレイデバイスに電気的に接続されて、複数の観察像に対応する画像をディスプレイデバイスに表示する、
及び
ハンドル部及び挿入可能部の内の一方に配置された使用標識、
−使用標識は、挿入可能部の従前の使用回数を判定するため及び従前の使用回数が許容使用回数をこえると画像の表示をディゼーブルにするためにはたらくことができる、
を備える。
【0028】
これの一例において、許容使用回数は1回である。別の例において、使用標識は、温度及び湿度の内の少なくとも一方を含む、環境変数に関する情報を提供する。さらに別の例において、使用標識は使い捨てヒューズである。
【0029】
また別の例において、映像化装置は使用標識と協働して従前使用回数を判定するための処理デバイスをさらに備える。これの一例において、映像化装置は、処理デバイスに電気的に接続され、従前使用回数を判定するために使用標識を検知する、検知デバイスをさらに備える。これの別の例において、映像化装置はさらに映像センサ識別子を有し、処理デバイスは映像センサ識別子に基づいて従前使用回数を判定する。これの一変形において、映像センサ識別子はカメラに格納される。別の変形においては、映像センサ識別子を格納する電子デバイスがさらに備えられ、電子デバイスは、ハンドル部及び挿入可能部の内の一方に支持され、挿入可能部がディスプレイデバイスに結合されると処理デバイスに電気的に接続される。
【0030】
さらなる例において、挿入可能部は細長チューブ部材を有する。これの一変形において、細長チューブ部は柔順である。別の変形において、細長チューブ部は操縦可能であり、ハンドル部で支持される操縦機構を有する。
【0031】
これのまた別の例において、映像化装置は患者にチューブを挿管するために適合され、チューブがレンズの視界を通過するから、チューブはディスプレイデバイスによって表示され、さらに画像において弁別される。
【0032】
別の例において、ハンドル部及び挿入可能部は単体ブレードとして一体形成され、ブレードは誘導路を定める2つの誘導表面をさらに有する。
【0033】
また別の例においては、処理デバイス、カメラ識別子、データ格納デバイス及び、データ格納デバイスに格納された、複数のカメラ識別子がさらに備えられ、処理デバイスは、一致を見いだすためにカメラ識別子を複数のカメラ識別子と比較し、一致が見いだせなければ、画像の表示をイネーブルにする。
【0034】
本開示のさらなる実施形態例において、患者にある程度挿入可能な映像化装置が提供され、映像化装置は、
チューブの患者への挿入を誘導するための誘導手段を有する挿入可能部、
挿入可能部にディスプレイデバイスを着脱可能な態様で結合するための取付け手段、
撮像手段、
−撮像手段は、撮像手段の視界に対応する複数の画像を取り込み、対応する映像をディスプレイデバイスによって表示するためにはたらくことができるデジタル画像ストリームを出力する、
及び
挿入可能部が許容使用回数より多く使用されているときには対応する画像の表示をイネーブルにするための使用回数追跡手段、
を備える。
【0035】
本開示の別の実施形態例において、映像化キットが提供される。映像化キットは、
患者の口腔に挿入可能な第1のコンポーネント、
−第1のコンポーネントは口腔の第1の画像を送信するためにはたらくことができる第1のカメラを有する、
第1のコンポーネントとは異なる、第1のコンポーネントと互換の第2のコンポーネント、
−第2のコンポーネントは第2の画像を送信するためにはたらくことができる第2のカメラを有する、
及び
第1のコンポーネント及び第2のコンポーネントと着脱可能な態様で取り付けることができる、ユーザの手で保持される大きさにつくられた、第3のコンポーネント、
−第3のコンポーネントは表示スクリーンを有し、第3のコンポーネントが第1のコンポーネントに取り付けられたときには第1のカメラと、また第3のコンポーネントが第2のコンポーネントに取り付けられたときには第2のカメラと、通信可能な態様で接続される、
を備え、
表示スクリーンは第1の画像及び第2の画像の内の一方に対応する画像を表示する。これの一例において、第1のコンポーネントはチューブの口腔内への挿入を誘導するために適合された誘導路を有し、第2のコンポーネントはスタイレットを含む。
【0036】
本開示のまた別の実施形態例において、映像化方法が提供される。映像化方法は、
カメラを有する挿入可能コンポーネントを提供する工程、
ディスプレイ支持コンポーネントを着脱可能な態様で挿入可能コンポーネントに結合する工程、
−ディスプレイ支持コンポーネントは、ユーザの手に保持される大きさにつくられ、ディスプレイデバイスを備える、
−ディスプレイ支持コンポーネントは、ディスプレイ支持コンポーネントが挿入可能コンポーネントに連結されると、通信可能な態様でカメラに接続される、
挿入可能コンポーネントを目標空間に挿入する工程、
カメラの視界に対応する複数の観察像をカメラによって取り込む工程、
複数の観察像に対応する複数の画像をディスプレイデバイスによって表示する工程、
視界を目標空間内の目標に合わせる工程、
挿入可能コンポーネントを目標空間から取り出す工程、及び
ディスプレイ支持コンポーネントを挿入可能コンポーネントから取り外す工程、
を含む。これの一例において、方法は挿入可能コンポーネントを廃棄する工程をさらに含む。別の例において、方法は、挿入可能コンポーネントの使用回数を追跡する工程及び、挿入可能コンポーネントが許容使用回数より多く使用された場合は、複数の画像の表示をディゼーブルにする工程をさらに含む。これの一変形において、使用回数を追跡する工程は使用標識を検知する工程を含む。さらに別の変形において、使用回数を追跡する工程は挿入可能コンポーネントの使用後に使用標識を格納する工程を含む。
【0037】
これのまた別の例において、目標空間は患者の内部であり、目標は患者の声帯を含み、方法は、挿入可能コンポーネントを目標空間から取り出す工程の前に、挿入可能コンポーネントを用いて患者に挿管する工程をさらに含む。これの変形において、挿入可能部は弾性部を有し、取り出す工程は弾性部を弾性変形させる工程を含む。
【0038】
これのまた別の例において、ディスプレイデバイスはディスプレイ側面及びディスプレイ側面とは逆の側の裏側面を有し、ディスプレイ支持コンポーネントは静置面及びスイッチをさらに有し、静置面及びスイッチは裏側面に配され、方法はスイッチを作動させずにディスプレイコンポーネントを静置面上に静置させて置く工程をさらに含む。
【0039】
別の例において、方法は、カメラ識別子をメモリデバイスに格納された複数のカメラ識別子と、一致を見いだすために、処理デバイスにより比較する工程及び、一致が見いだせなければ、複数の画像の表示をディゼーブルにする工程をさらに含む。
【0040】
本開示のさらなる実施形態例において、患者に挿管するために構成された映像化装置が提供される。映像化装置は、
ディスプレイドライバ及びディスプレイを有するディスプレイデバイス、
撮像センサ、透明カバー、撮像センサと透明カバーの間の複数のレンズ及び、患者の内腔を照明する、照明デバイスを有する、撮像アセンブリ、
−撮像アセンブリは内腔の観察像を表す画像ストリームをディスプレイデバイスに転送するように構成される、
プロセッサ、メモリ及び、メモリに内蔵された、プログラムを有する、制御デバイス、
−プロセッサは、撮像アセンブリからデータストリームを受け取り、データストリームを第2のデータストリームに変換し、内腔の観察像をディスプレイ上に示すために第2のデータストリームをディスプレイドライバに供給する、
ディスプレイデバイスに結合された、制御コンポーネントから第2のデータストリームを受け取るように構成された第1のコネクタを有する、ハウジング、及び
ハウジングを受け入れるように構成された近位キャビティ及び撮像アセンブリを受け入れるように構成された遠位キャビティを有する、挿入可能部、
−挿入可能部は細長チューブコンポーネントの内腔への挿入を誘導するために構成された誘導路をさらに有する、
を備え、
撮像アセンブリは、チューブコンポーネントが誘導路を通って滑動している間、チューブコンポーネントの遠端の観察像を第1の画像ストリームで取り込むように構成され、
識別源が挿入可能部に配置され、
センサが、制御コンポーネントと通信可能な態様で接続され、識別源からの識別信号を検知するために構成され、
識別信号は挿入部の従前使用回数を確認するためにはたらくことができ、
制御コンポーネントは、識別信号に基づいて従前使用を検出し、従前使用を検出すると撮像アセンブリの動作を止めるように構成される。
【0041】
本開示の別の実施形態例において、映像化装置が提供される。本映像化装置は、
ディスプレイドライバ及びディスプレイを有するディスプレイデバイス、
撮像センサ、透明カバー、撮像センサと透明カバーの間のレンズ及び患者の内腔を照明する照明デバイスを有する撮像アセンブリ、
−撮像アセンブリは、内腔の観察像を表す画像ストリームをディスプレイデバイスに転送するように構成される、
プロセッサ、メモリ及びメモリに格納されたプログラムを有する制御コンポーネント、
−プロセッサは撮像アセンブリからデータストリームを受け取り、データストリームを第2のデータストリームに変換し、ディスプレイ上に内腔の観察像を表示するために第2のデータストリームをディスプレイドライバに供給する、
ディスプレイデバイスに結合され、制御コンポーネントから第2のデータストリームを受け取るように構成された第1のコネクタを有する、ハウジング、
及び
ハウジングを受け入れるように構成された近位キャビティ及び撮像アセンブリを受け入れるように構成された遠位キャビティを有する挿入可能部、
−挿入可能部は第2のコネクタ、通路及び遠位先端も有する、
−第2のコネクタは撮像アセンブリからの第1の画像ストリームを第1のコネクタを介して制御コンポーネントに転送するように構成される、
−通路は内腔への細長チューブコンポーネントの挿入を誘導するように構成される、及び
−遠位先端は患者の声門に噛み合い、遠位先端は遠位キャビティをこえて遠位に延びる外側壁及び声門に噛み合うように構成された構造付表面を有する、
を備え、
撮像アセンブリは、チューブコンポーネントが誘導路を通って滑動している間、チューブコンポーネントの遠端の第1の画像ストリームを取り込むように構成される。
【0042】
本開示のまた別の実施形態例において、映像化装置が提供される。映像化装置は、
ディスプレイドライバ及びディスプレイを有するディスプレイデバイス、
撮像センサ、透明カバー、撮像センサと透明カバーの間のレンズ及び患者の内腔を照明する照明デバイスを有する撮像アセンブリ、
−撮像アセンブリは、内腔の観察像を表す画像ストリームをディスプレイデバイスに転送するように構成される、
プロセッサ、メモリ及びメモリに格納されたプログラムを有する制御コンポーネント、
−プロセッサは撮像アセンブリからデータストリームを受け取り、データストリームを第2のデータストリームに変換し、ディスプレイ上に内腔の観察像を表示するために第2のデータストリームをディスプレイドライバに供給する、
ディスプレイデバイスに結合され、制御コンポーネントから第2のデータストリームを受け取るように構成された第1のコネクタを有する、ハウジング、及び
ハウジングを受け入れるように構成された近位キャビティ及び撮像アセンブリを受け入れるように構成された遠位キャビティを有する挿入可能部、
−挿入可能部は第2のコネクタ、通路及び遠位先端も有する、
−第2のコネクタは撮像アセンブリからの第1の画像ストリームを第1のコネクタを介して制御コンポーネントに転送するように構成される、
−通路は細長チューブコンポーネントの内腔への挿入を誘導するように構成される、及び
−遠位先端は患者の声門に噛み合い、遠位先端は遠位キャビティをこえて遠位に延びる外側壁及び声門に噛み合うように構成された構造付表面を有する、
を備え、
遠位先端は、挿入可能部の長さに対して垂直方向の湾曲を示し、挿入可能部の長さに平行な隆線の少なくとも一部を有し、湾曲及びリッジは遠位先端の撓み強度を少なくとも5%高める。
【0043】
本開示の別の実施形態例において、患者に挿管するために構成された映像化装置が提供される。本映像化装置は、
挿入可能コンポーネントであって、カメラ、少なくとも2枚のレンズ及び、挿入可能コンポーネントが患者の口腔内に、少なくともある程度、挿入されたときに口腔を照明するための照明デバイスを有する、挿入可能コンポーネント、
−挿入可能コンポーネントは患者の声帯を通すチューブの挿入を誘導するように構成される、及び
−カメラは、チューブが声帯に入る間、チューブの遠端の画像を取り込むために挿入可能コンポーネント上に取り付けられる、
ディスプレイデバイス及びビデオ処理部を有する再使用可能コンポーネント、
−再使用可能コンポーネントは挿入可能コンポーネントに着脱可能な態様で取り付けることができる、
挿入可能コンポーネント上の識別標識、及び
再使用可能コンポーネントによって支持され、識別標識を検知するためにはたらくことができる、センサ、
を備え、
再使用可能コンポーネントは、識別標識に基づいて挿入可能コンポーネントの識別データは判定し、複数の挿入可能コンポーネントに対応する複数の識別データ及びステータスデータを比較することで挿入可能コンポーネントのステータスを判定する。
【0044】
本開示の実施形態例をそれぞれの変形及び例とともに上述した。実施形態例を参照して変形及び例を説明したが、それぞれの実施形態例を参照して説明した変形及び例は実施形態例の全てに適用可能である。本明細書に開示される発明は実施形態例並びにそれらの変形及び例に限定されず、実施形態例並びにそれらの変形及び例の、いずれの及び全ての組合せも包含し、また以下でさらに詳細に説明されるさらなる特徴の例のいずれも含む組合せも包含するとされる。
【0045】
添付図面とともになされる本発明の実施形態の以下の説明を参照することにより、本発明の特徴及びそれらを達成する態様がさらに明らかになり、本発明自体がさらに深く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】図1は映像化装置の一実施形態の正面図である。
【図2】図2は撮像アセンブリの一実施形態の断面斜視図である。
【図3】図3は図2の撮像アセンブリを示す図1の映像化装置の部分斜視図である。
【図4】図4は図2の撮像アセンブリを示す図1の映像化装置の部分斜視図及び撮像アセンブリを用いて得ることができる視界である。
【図5】図5は撮像アセンブリの別の実施形態の斜視図である。
【図6】図6は撮像アセンブリの別の実施形態の斜視図である。
【図7】図7は撮像アセンブリのさらなる実施形態の断面斜視図である。
【図8】図8は撮像アセンブリのさらなる実施形態の正面図である。
【図9】図9は撮像アセンブリのまた別の実施形態の斜視近位図である。
【図10】図10は撮像アセンブリのまた別の実施形態の斜視遠位図である。
【図11】図11は映像化装置の電子コンポーネントの一実施形態のブロック図である。
【図12】図12は映像化システムの略図である。
【図13】図13は映像化システムの略図である。
【図14】図14は図12及び13の映像化システムとともに動作できる映像化装置の図である。
【図15】図15は映像化装置の別の実施形態の正面図である。
【図16】図16は映像化装置の別の実施形態の斜視図である。
【図17】図17は図15及び16の映像化装置の遠位部の部分斜視図である。
【図18】図18は図15及び16の映像化装置の遠位部の部分斜視図である。
【図19】図19は映像化装置の挿入可能部の遠端の別の実施形態の部分平面図である。
【図20】図20は映像化装置の挿入可能部の遠端の別の実施形態の部分平面図である。
【図21】図21は映像化装置の挿入可能部のさらなる実施形態の正面図である。
【図22】図22は映像化装置の挿入可能部のさらなる実施形態の正面図である。
【図23】図23は映像化装置の挿入可能部のまた別の実施形態の正面図である。
【図24】図24は映像化装置の挿入可能部のまた別の実施形態の正面図である。
【図25】図25は遠位先端表面の実施形態の斜視図である。
【図26】図26は遠位先端表面の別の実施形態の斜視図である。
【図27】図27は遠位先端表面の別の実施形態の斜視図である。
【図28】図28は遠位先端表面の別の実施形態の斜視図である。
【図29】図29は映像化装置の再使用部の一実施形態の正面図である。
【図30】図30は映像化装置の再使用部の一実施形態の正面図である。
【図31】図31は映像化装置のさらなる実施形態の正面図である。
【図32】図32はスタイレットを含む映像化装置の実施形態を示す。
【図33】図33はスタイレットを含む映像化装置の実施形態を示す。
【図34】図34はスタイレットを含む映像化装置の実施形態を示す。
【図35】図35はスタイレットを含む映像化装置の実施形態を示す。
【図36】図36はスタイレットを含む映像化装置の一部を示す。
【図37】図37はスタイレットを含む映像化装置の一部を示す。
【図38】図38は図35の映像化装置のさらなる実施形態を示す。
【図39】図39は図35の映像化装置のさらなる実施形態を示す。
【図40】図40は映像化装置の別の実施形態の正面図である。
【図41】図41は映像化装置の別の実施形態の斜視図である。
【図42】図42は図40及び41の装置の部分遠位図である。
【図43】図43は図40及び41の装置の背面図である。
【図44】図44は図40及び41の装置の横面図である。
【図45】図45は映像化装置のブレードの別の実施形態の横面図である。
【図46】図46は図40及び41の装置の特徴の部分斜視図である。
【図47】図47は図40及び41の装置の特徴の部分斜視図である。
【図48】図48は図40及び41の装置の特徴の部分斜視図である。
【図49】図49は図40及び41の装置の特徴の部分斜視図である。
【図50】図50は図40及び41の装置の特徴の部分斜視図である。
【図51】図51は図40及び41の装置の特徴の部分斜視図である。
【図52】図52は図40及び41の装置の特徴の部分斜視図である。
【図53】図53は映像化装置とともに動作することができる撮像システムの斜視図である。
【図54】図54は映像化装置とともに動作することができる撮像システムの分解組立図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
添付図面において、対応する参照数字はいくつかの図面を通して対応する要素を示す。図面は本発明の実施形態を表すが、図面は必ずしも比例尺で描かれてはおらず、いくつかの特徴は実施形態をより詳しく示し、説明するために誇張されている。本明細書に提示される例示は本発明の実施形態をいくつかの形態で示し、そのような例示はいかなる態様においても本発明の範囲を限定すると解されるべきではない。
【0048】
以下に論じられる本開示の実施形態は、網羅的であることは目的とされておらず、また以下の詳細な説明に開示される精確な形態に本発明を限定することは目的とされていない。むしろ、そのような実施形態は、当業者がそれらの教示を利用できるように、選ばれ、説明される。
【0049】
映像化装置及び映像化装置の使用方法が本明細書に開示される。映像化装置の一実施形態において、映像化装置は、表示スクリーン及び、内部空間のは像を取り込むための撮像システムを有する挿入可能部に着脱可能な態様で電気的に接続された、表示スクリーン支持部を備える。映像化装置の例には、内視鏡、喉頭鏡及びスタイレットがある。表示スクリーン支持部及び表示スクリーンは一体構成することができ、再使用可能または使用後廃棄とすることができる。以下に説明される様々な実施形態において、表示スクリーン及び表示スクリーン支持部からなる一体型コンポーネントは、多くの場合に、必ずしも必要ではないが、表示スクリーン及びこれに関連する電子コンポーネントを再使用することが可能であり、おそらくは経済的利用のため望ましいことを表す、再使用可能部と称される。これの一変形において、映像化装置は遠隔ディスプレイに画像を転送する。これの一例において、再使用可能部は挿入可能部に結合されるハンドルの近位キャビティに受け入れられるハウジングを含む。ディスプレイデバイスはハウジングによって支持される。これの一変形において、ディスプレイデバイスは、挿入可能部の近端の後背面に平行な平面から測定して、10°と30°の間であることが好ましく、12.5°と25°の間であることがさらに一層好ましい、固定角をなしてハウジングに支持される。これの別の変形において、ディスプレイデバイスは、映像化装置が患者に挿入されている間の医師によるディスプレイ角度の調節を可能にするために蝶番止めされる。ディスプレイ表面上に防眩コーティングまたは防眩層を施すことができる。
【0050】
映像化装置の別の実施形態において、挿入可能部は細長チューブコンポーネント、例えば、エアウエイ、気管チューブ、等の挿入を誘導するように構成された通路すなわち誘導路、及び挿入可能部の遠端上または遠端内に配された撮像アセンブリを有する。撮像アセンブリは、ディスプレイデバイスによって表示される、患者の画像を取り込む。チューブコンポーネントが誘導路を通って声帯に向けて滑進している間、チューブコンポーネントの遠端も画像で観察することができる。再使用可能部及び挿入可能部の例示実施形態が、図1,15〜30及び40〜52を参照して説明される。
【0051】
映像化装置のまた別の実施形態において、挿入可能部は、撮像アセンブリがその遠端に配されている、細長アームを有する。これの一例において、細長アームは再使用可能部を受け入れるように適合されたハンドルに結合される。前述の例の一変形において、細長アームはスタイレットの一部をなす。スタイレットの例示実施形態が図31〜39を参照して説明される。これの別の変形において、細長アーム及びハンドルは内視鏡を構成する。
【0052】
映像化装置のさらなる実施形態において、撮像キャップが提供される。撮像キャップは、ユーザによる外部画像の取込みを可能にするため、再使用可能部及びカメラを着脱可能な態様で受け入れるように適合されたハンドルを有する。再使用可能部または撮像キャップにデータ収集センサをさらに結合させることができる。撮像キャップ及びセンサの例示実施形態が図4を参照して以下で説明される。本明細書に開示される実施形態のいずれにおいても、ハンドルが再生使用可能部を着脱可能な態様で受け入れるように適合される代わりに、再使用可能部がハンドルを着脱可能な態様で受け入れるように適合され得ることは当然である。
【0053】
本明細書に開示される映像化システムの一実施形態において、上述した映像化装置は画像をリモートデバイスに送信するように適合される。再使用可能部からリモートデバイスに画像を送信するように適合されたシステムの例示実施形態が以下で図12及び13を参照して説明される。
【0054】
撮像アセンブリは、挿入可能部が1回使用後に廃棄されるデバイスとして機能することを可能にするため、低コストで作成されるように構成することができれば有利である。一実施形態において、撮像アセンブリは、カメラ集積回路(IC)、カメラまたはカメラチップ、照明デバイス及びレンズを支持する支持構造体またはカメラ鏡胴を有する。撮像アセンブリは挿入可能部の遠端に配されたキャビティに挿入することができる。撮像アセンブリは撮像アセンブリを遠位キャビティに確実に結合するための保持具、例えば、ピン、戻止め、弾性エラストマーフィラー、ねじまたはその他の固定具を有することができる。撮像アセンブリの例示実施形態が以下で図2〜10,53及び54を参照して説明される。
【0055】
撮像アセンブリの曇りを防止するため、いくつかの除曇機能を備えることができる。一実施形態において、最も遠位に配置されるレンズの遠位表面が曇りを軽減または排除するためにコーティングされる。これの一例において、基板の一方の側に防曇コーティングが施され、基板の他方の側に接着剤コーティングが施される。次いで接着剤コーティング側がレンズの遠位表面に接着されて、レンズに防曇コーティングが取り付けられる。基板には透明薄膜形態で押出成形された高分子材の既知のいずれの組合せも含めることができる。高分子材の例には、ポリカーボネート、ポリエステルベース高分子材、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン及びその他の透明高分子材がある。処理を容易にするため、取外し可能な裏地を薄膜の接着剤コーティング面に貼り付けることができる。次いで、レンズ表面への基板の貼り付けの前に裏地をはがして接着剤を露出させる。別の例において、カバープレートがキャビティを封止してレンズの曇りを防止する。これの一変形において、カバープレートはその外表面に防曇層または防曇コーティングを有する。挿入可能部は、挿入可能部がパッケージから取り出されるときにHまたはその他の防曇コーティング剤を含む綿棒がレンズを拭うように、そのような綿棒とともにパッケージに入れることができる。例えば、パッケージは綿棒が取り付けられた帯状高分子材を有することができる。あるいは、接着剤コーティング及び防曇コーティングが施された基板をカバープレートに接着することができる。さらなる例において、防曇は遠位レンズまたはカバープレートに加熱素子を結合することによって達成される。これの一変形において、加熱素子は、一実施形態において白色発光ダイオード(LED)である、照明デバイスの電力リードに接続され、公称照明電力より高い電力で駆動されて、余分の電力により熱を発生させる。別の変形において、加熱素子に接続された150mAを通すLEDが約1分で45℃まで遠位レンズを加熱する。同じ電力導電線からの照明デバイス及び加熱素子への電力供給により、余分のコネクタを排除することでコストが低減されるから、有利である。
【0056】
携帯電話及び電子手帳(PDA)に用いられるカメラのような、市販のカメラは撮像センサ及び、撮像センサで取り込まれたピクセルデータを画像データ、例えばデジタル画像に変換し、デジタル画像ストリームを標準フォーマットで出力するように構成された、電子コンポーネントを有する。撮像センサには、能動ピクセルまたは受動ピクセルを有する、CCDセンサまたはCMOSセンサ、あるいは技術上既知のその他の光センサを含めることができる。撮像センサに、その動作を制御するため、作動信号を与えることができる。作動信号を与えるためのコンポーネントを再使用可能部に配置することにより、使い捨て部のコストがさらに低減されるから、有利である。一実施形態において、標準画像ストリームを受け取り、それにしたがってディスプレイデバイスを駆動するように構成されたディスプレイドライバも、カメラを制御するに必要なコンポーネントを有する。これの一例において、入力/出力信号が信号導電線、例えば複数導電線フレキシブルリボンによって与えられる。これの別の例において、標準画像ストリームをディスプレイデバイスの寸法に合う別の構造の画像ストリームに変換するため、及び/または標準画像ストリームをディスプレイデバイスが要求するフォーマットに対応する別のフォーマットに変換するため、カメラとディスプレイドライバの間に制御コンポーネントが備えられる。これのさらなる例において、電力印加時にあらかじめ構成された画像ストリームを出力するように構成され、ディスプレイデバイスによって直接用いられ得る、作動回路がカメラに組み込まれる。また別の例において、再使用可能部ハウジングによって支持される制御コンポーネントが、カメラによって出力される映像の寸法を定めるための制御信号をカメラに与える。さらなる例において、カメラにより出力される画像ストリームは挿入可能部に配置された無線送信器によって無線送信される。また別の例において、無線送信器はカメラに組み込まれる。これの変形において、無線送信器は挿入可能部の近端または遠位キャビティに配置される。一例において、カメラは、10nmと14000nmの間の範囲の波長を有する光を用いてデジタル画像ストリームを形成する。この波長範囲には、可視スペクトル、紫外スペクトル及び赤外スペクトルが含まれる。一変形において、カメラは赤外線カメラである。別の変形において、カメラは紫外線カメラである。別の変形において、カメラは可視光カメラである。
【0057】
本開示の実施形態は医用分野及び非医用分野に適用可能であり、映像化装置の特徴の例は喉頭鏡及びスタイレットのような医用装置を参照して説明されるが、本発明は医用用途及び医用装置に限定されない。
【0058】
映像化装置の一実施形態が以下に図1〜4を参照して説明される。図1は、蝶番22を介してハウジング108及びブレード14に旋回可能な態様で結合されたディスプレイデバイス110を有する再使用可能部12を備える、挿管装置10の平面図である。ブレード14は、遠端に配置された挿入可能部から隔てられた近端にハンドル30を有する。撮像アセンブリ(図の撮像アセンブリ100)が遠端に配置される。本実施形態において、語句「ブレード」はハンドル及び、以下で説明されるように、複数の壁で定められる挿入可能部を一体に複合した単一部品を表す。これの変形において、ハンドル及び挿入可能部は着脱可能な態様で取り付けることができる個別部品である。ディスプレイデバイス110は表示スクリーン112を有する。蝶番22には摩擦蝶番を含めることができ、あるいは蝶番22はディスプレイデバイス110を所望の位置にロックするための調節ノブを有することができる。ハンドル30は、ハウジング108を受入れ、再使用可能部12をブレード14に結合するための、近位キャビティ32を有する。ブレード14の挿入可能部は、カテーテル、挿管チューブ等(図示せず)の患者の喉頭内への挿入を誘導するように構成された細長通路(図の通路36)を有する。ハウジング108は、複数の信号導電線を有し、電力導電線及び制御導電線も有することができる、導電線102を介して撮像アセンブリ100から画像信号を受け取るための、図11を参照して詳細に説明される、電池及び電子回路を備える。別の実施形態において、導電線102は、少なくとも一部は、撮像アセンブリ100とハウジング108を結ぶ無線送信器及び無線受信器で置き換えることができる。ハウジング108は、制御コンポーネント106及び、映像をハウジング108に転送するためにブレード14のコネクタ105と結合されるように適合された、コネクタ104を備えることができる。図面を通して、例示の目的のために撮像アセンブリ100が参照される。以下で別途に言明されない限り、撮像アセンブリ100への参照は代表的であり、非限定的である。撮像アセンブリ300,350,380,400及びそれらの変形のいずれであっても、代わりに用いることができる。
【0059】
通路36は,内側壁44,前部壁34,後部壁24及び、本実施形態においては壁領域54を含む、外側壁50の内表面で定められる。それぞれの壁は通路36に隣接する表面である内表面を有する。表面42は内側壁44の内表面である。表面38及び40はそれぞれ、前部壁34及び後部壁24の外表面である。他の実施形態において、壁50は、ブレード14の近端から遠端まで中断されずに延びることができ、あるいはより多いかまたは少ない壁領域で構成することができる。通路36は2.0〜10.0mmの範囲の、さらに好ましくは5.0mmと8.0mmの間の、内径を有する気管内チューブとともに動作可能であるように設計された断面を有することができる。表面38及び40はそれぞれ、ブレード14の前部表面及び後部表面を定める。壁50は、壁領域54によって局限されるような容積より大きく、通路36の容積を局限するように構成された壁領域56も有することができる。遠位先端46が内側壁44の末端より先に壁34を延ばし、喉頭蓋を動かして声帯を露出させるために患者に接触するように構成された表面70を有する。
【0060】
図2は撮像アセンブリ100の断面斜視図である。撮像アセンブリ100は、カメラ鏡胴200によって支持される複数枚のレンズを有する。加熱素子230が、図示されるように、コネクタ216及び218によって電力供給されるLEDを有する、照明デバイス220を支持する。LEDは、デバイスの最大照明出力の発生に必要な電力をこえる電力を供給するために過駆動することができる。剰余電力は加熱素子に伝わって遠位レンズ210の曇りを軽減する熱を発生する。カメラ鏡胴200はレンズ212及びレンズ214も支持する。ピクセルデータを含む画像ストリームを出力するための検知アレイ及び回路を有するカメラ202によって、遠位レンズ210で観察可能な空間に対応する画像が検知される。圧力の下で撮像アセンブリ100をブレード14に確実に固定するため、支持爪236がカメラ202の近位に隣接して備えられる。
【0061】
図3はブレード14の部分斜視図である。図示されるように、ブレード14の遠端は、内側壁44の一方の側上の通路36及び、反対側の遠位キャビティに挿入された、撮像アセンブリ100を有する。図4は遠位レンズ210の視界240を示し、視界240は、遠位レンズ210の遠位面に対し、内/外(M/L)中心線242とカメラ202の視線方向(DOV)を示す前/後(A/P)中心線244の交点において視野240の中心を通過する中心線250に垂直に配位される。声帯を通る気管チューブの挿入を観察できることが望ましい。したがって、撮像アセンブリ100は、傾斜DOVを得るため、内側壁44に対して傾けることができる。別の例において、撮像アセンブリ100を内側壁44に平行に保持したまま傾斜DOVを得るために、遠位レンズ210及び/またはレンズ212と214が内側壁44に対して、及び/または相互に、傾けられる。撮像アセンブリ100をより小さなキャビティ内に置き、よってブレード14の大きさ及びコストをさらに一層低減することが可能になるようにレンズを傾け得ることが有利である。さらなる例において、中心線250及び撮像アセンブリ100は、表面70に平行に、また内側壁44に対して通路36に向けて10°と25°の間に、配位される。図示される実施形態において、ブレード14は、射出成形され、その後に結合された、前部及び後部を有する。
【0062】
映像化装置のさらなる実施形態において、画像で見られるように、カメラによって観察される空間に対する方位を示すための画像形成構造が、挿入可能部の表面上に設けられる。これの一例において、画像形成構造は、図では隆線48の、視認標識である。隆線48に対応する画像オブジェクトが画像ストリームに表示され、さらに、撮像アセンブリ100の中心線250に対する角度方位を反映するように映像オブジェクトの位置及び形状が調節される。例えば、撮像アセンブリ100が15°に配位されていれば、画像オブジェクトが画像から抽出されて、15°オフセットに置き換えられる。これの別の実施形態においては、ディスプレイデバイスで観察したときに、画像に見られる声帯を通して気管チューブを向けるために挿管装置10をどのように定めるかを医師が容易に決定できるようにする、「滑走路」、スカラップ形エッジ、名称またはラベル、矢印、線またはその他の視認標識が隆線48の近くに設けられる。これの変形において、装置の移動方向を示すため、ゲージ、バーグラフ、コンパス及びその他のデジタル生成された方位像が画像に与えられる。方位像は、画像ストリーム内の声帯視認標識を識別し、視認標識を画像オブジェクト、例えば隆線48の像と比較し、次いで通路内のチューブを声帯と合わせるためにそれぞれの移動軸に必要な変化量を決定することによって、生成することができる。
【0063】
図5から10は撮像アセンブリの別の実施形態を示す。図5及び6は撮像アセンブリ300の斜視図である。多くの点において撮像アセンブリ300は撮像アセンブリ100と同様である。照明デバイス220は、熱伝導性である電気絶縁性リング222及び224を通過する導電線216及び218によって電力供給される。複数の爪304がカメラ鏡胴306から近位に延びる。本実施形態においては、カメラ202を含む回路基板が爪304の周りに嵌るように構成された複数のノッチを有する。カメラ202をカメラ鏡胴306に対して確実に固定するために爪に圧力嵌めされるように、タブ308,310及び312を有する圧力プレート302が構成される。カメラ鏡胴306と圧力プレート302の間にタブ316が配置され、同じく圧力プレート302によって固定される。さらに、必要に応じて、ブレード14内に撮像アセンブリ300を確実に固定するために遠位キャビティに押し付けるため、エンドタブ320を備え、圧力プレート302で固定することができる。別の実施形態において、カメラ202はカメラ鏡胴306の内部に嵌り、圧力プレート302のは支持されない。図7及び8は、オリフィス354を有する加熱素子352及び遠位表面372を有するカバー370を備える撮像アセンブリ350の断面図及び平面図である。加熱素子352は照明デバイス220を支持する。キャビティ101内に示されるカメラ鏡胴200はカメラも支持し、挿入可能部分の前部壁と後部壁の間に支持素子240によって支持される。加熱素子352は、防曇または除曇のため、カバー370を加熱する。あるいはまたはさらに、防曇コーティングまたは防曇層により表面372をコーティングすることができる。撮像アセンブリによって観察されるように隆線または別の「滑走路」視認標識を設けることができる表面71の一部を示す図8に、遠位先端46の一部が示される。
【0064】
図9及び10は撮像アセンブリ380の斜視図である。撮像アセンブリ380は、遠位レンズ210,レンズ212,レンズ214及びカメラ202を支持するカメラ鏡胴376を備える。カメラ鏡胴376はカメラ鏡胴306と、カメラを所定の場所に保持するために用いられ得る圧力プレートを受け取るように適合された爪をいずれもが有するから、同様である。カメラ鏡胴376は、遠位壁382及び、照明デバイス220を中に受け入れる、キャビティを有するカメラホルダ384によって支持される。遠位壁382は遠位表面390及びアパーチャ392を有する。防曇組成物でコーティングされた防曇膜または防曇層を遠位面390に取り付けることができる。あるいは、遠位壁382は、カメラホルダ384に取り付けることができる、アパーチャ392が無い半透明または透明な材料を含むことができる。カメラホルダ384の少なくとも一部が映像化装置の挿入可能部の遠位キャビティ内に嵌る。カメラホルダ384の少なくとも一部は、所定の場所にスナップ嵌めするか、または遠位キャビティ内の保持を保証するために接着剤で接合することができる。カメラホルダ384は、接着剤、熱かしめ、超音波溶接、さね継ぎ構成またはその他の適する手段を用いて、挿入可能部または撮像キャップに取り付けることができる。同様の取付方法を、防曇カバーを挿入可能部または撮像キャップに取り付けるために用いることができる。
【0065】
撮像アセンブリのさらなる実施形態において、爪は、カメラ鏡胴376の近端からではなく、カメラホルダ384の近端から延びる。カメラ鏡胴376はカメラホルダの近端からカメラホルダのキャビティ内に滑入する。次いで、カメラを支持している回路基板が取り付けられる。最後に圧力プレートが取り付けられる。圧力プレートはカメラホルダの爪に噛み合い、よってカメラ鏡胴及びカメラを所定の場所に保持する。カメラはいずれか他の態様でカメラ鏡胴上に搭載することができる。本実施形態においてはカメラを保持している回路基板はもはや爪と噛み合わないから、回路基板の寸法を縮小できる点で有利である。もちろん、回路基板に代わるいずれか他の手段でカメラを支持することができる。
【0066】
図11は映像化装置の一実施形態の電子コンポーネントのブロック図である。本装置は、挿入可能部または撮像キャップ(図では支持体400)に配され、導電線102とコネクタ104及び105でハウジング108に電気的に接続された、撮像アセンブリ(図では撮像アセンブリ100)を備える。制御コンポーネント430は、チップ440(図ではフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA))、チップ442(図ではNTSC/Sビデオ変換IC)のような、また必要に応じてビデオ処理IC及びメモリ(図ではそれぞれビデオチップ444及びメモリチップ446)のような、電子コンポーネントを搭載している1枚以上の回路基板を含む。制御コンポーネント430は作動信号を与えることでカメラ202の動作を制御する。制御コンポーネント430は、カメラ202からの第1の画像ストリームを受け取り、第1の画像ストリームのディスプレイユニット110に適するフォーマットへの変換も行う。必要に応じて、制御コンポーネント430は第1の画像ストリームを外部ディスプレイに、また遠隔送信に、適するフォーマットに変換することができる。例えば、制御コンポーネント430はリモートデバイスに送信される情報の量を低減するために映像をサンプリングすることができる。もちろん、第1の画像ストリームがディスプレイデバイス110に適していれば、変換は必要ではない。制御コンポーネント430はディスプレイデバイス110のための作動信号を与えることができる。そのような信号はディスプレイデバイス110に組み込まれているコンポーネントによって生成することもできる。
【0067】
本実施形態の一例において、カメラは8ビット幅の第1の画像ストリームを供給する。カメラの解像度はフレーム当たり640×480ピクセル(VGA)である。毎秒30枚のフレームがある。データフォーマッチはピクセル当たり2バイト(すなわち、いわゆるYUV(4:2:2)フォーマット)である。強度Yはピクセル毎に指定され、色情報UまたはVは1ピクセルおきに指定される。データストリームを、OLEDディスプレイを含むディスプレイデバイス110と互換のフォーマットをもつ、第2の画像ストリームに変換するようにFPGAがプログラムされる。別の実施形態において、カメラデータはビデオ処理チップに与えられ、ビデオ処理チップは、色、シンボルのような情報またはその他の情報を付加した後に、ビデオストリームをFPGAに出力し、FPGAがビデオストリームをVGAフォーマットに変換する。ディスプレイ解像度はフレーム当たり320×240ピクセル(QVGA)であり、毎秒30フレームである。しかし、データフォーマットはRGB(6,6,6)である。このフォーマットは、赤色に6ビット値、緑色に6ビット値、青色に6ビット値を用いる。YUV色空間からRGB色空間への変換のための周知の固有方程式がある。FPGAがこの変換を実施する。FPGAはVGA解像度からQVGA解像度に変換するための変換(例えばピクセルを1つおきに抜く)も実施する。FPGAは変換されたデータストリームをOLEDディスプレイのメモリ/バッファに書き込むための信号も供給する。FPGAはカメラデータをNTSC/Sビデオ変換ICにも送る。ビデオプロセッサを有するビデオICはVGAフォーマット、YUVフォーマットをほとんど直接に受け入れることができる。FPGAはビデオICのメモリへのロードに必要な作動信号を与える。これの変形において、FPGAは認証されたカメラのデータベースに対してカメラの識別情報の検証も行う。FPGAはカメラからカメラ情報、例えば組込カメラIDまたはプログラマブルカメラIDを抽出し、定期的に更新される認証リストに対して識別情報をチェックする。カメラ識別情報が認証リスト上に無ければ、FPGAは第1の画像ストリームの変換を行わず、あるいは、必要に応じて、挿入可能部が認証されたデバイスではないことを医師に警告するため、第2の画像ストリームに警報を挿入する。認証は、挿入可能部が品質仕様を満たすことを保証するために望ましいであろう。
【0068】
プログラム及びデータ構造はメモリに格納される。プログラムは、データを含むデータ構造との作用のためにプロセッサによる実行が可能な複数のプログラムシーケンスを含む。データは、ビデオ命令、保全機能命令、視認標識パターン等のような、パラメータを含むことができる。再使用可能部は温度センサ及び湿度センサを有することができ、したがってデータはステータス情報、例えば電池充電レベル及び使用回数、及び環境情報、例えば温度レベル及び湿度レベルを含むことができる。そのようなデータはディスプレイデバイスで表示することができ、あるいは医師を補助するためにリモートデバイスに送信することができる。環境情報または電池情報が所定の範囲から外れると、適する警告機能をはたらかせることができる。
【0069】
映像化装置の一実施形態において、第1の処理シーケンスは第1の画像ストリームを調べ、内部空間の特徴及び挿入可能部上の方位特徴に対応する複数の視認標識を識別する。別の処理シーケンスは空間視認標識を着色することで第1の画像ストリームを変換する。第3の処理シーケンスは方位特徴を着色することで第1の画像ストリームを変換する。一例において、方位特徴は遠位先端46の遠位表面または壁34の内表面の可視マークであり、空間視認標識は声帯の形状に対応する。したがって、第1の画像ストリームは挿管装置を声帯に合わせるための医師の能力を強化するように変換される。
【0070】
映像化装置の別の実施形態において、映像化装置の再使用可能部の電池寿命を延ばすため、電力節約機能が備えられる。電力は、照明、映像表示、画像ストリーム生成及び撮像センサからディスプレイデバイスへの画像ストリームの変換によって消費される。これの一例において、再使用可能部は、カメラがない(取外し中である)ことを検出するとディスプレイデバイスをディゼーブルにする。カメラ取外し中のディスプレイデバイスをイネーブルにすると、そのような期間中にディスプレイがディゼーブルにされていれば防止される、雑音及び静止映像がビデオディスプレイに現れ得る。
【0071】
別の例において、ディスプレイデバイスはモニタリング期間にもディゼーブルにされ、モニタリングにより警告、例えば、低電池レベル、不良接続、高湿度等が発せられると、自動的にイネーブルにされる。モニタリング期間においても、医師は情報を求めるためにディスプレイを手動でイネーブルにすることができる。あるいは、モニタリングをディゼーブルにし、よってディスプレイデバイスもディゼーブルにする、非アクティブモードを設定することができる。これの変形において、モニタリングモードまたは非アクティブモードは撮像キャップまたは挿入可能部の取付けまたは取外しに基づいて決定することができる。モニタリング期間及び非アクティブ期間中は、カメラをディゼーブルにすることができる。取付けを含む、所定の条件下にのみカメラをイネーブルにし、電力を節約するだけでなく、再使用可能部及び挿入可能部の活線挿抜によって生じ得る損傷を最小限に抑えることが有利である。映像化装置の、上述したようなコンポーネントの状態に基づく、複数の動作モードを表1にまとめて示す。しかし、本明細書に説明されるモードは例示であり、同じかまたはより多くのモードを決定するために、追加のまたは別の規準を用いることができる。
【表1】

【0072】
別の例において、映像化装置は再使用可能部または挿入可能部あるいはいずれにもモーションセンサを備える。モーションセンサの例には、動きがないことを検出するように構成された、超小型電気機械(MEMS)センサ、例えば、慣性センサ、ジャイロスコープ、加速度計、速度センサ及び傾斜計がある。所定の時間内に動きがないことが検出されると、電力節約のため、動き検出を除く全ての機能を停止する、すなわち装置をスリープモードに入れることができる。スリープモード中に動きが検出されると、全機能を迅速にイネーブルにするため、軌道ルーチンを実施せずに全機能を再確立することができる。
【0073】
挿入可能部が1回の使用で廃棄されるユニットであるとされている場合、挿入可能部が再使用可能であるかどうかが、医師、病院管理者、及び患者の安全に責任があるその他の人々にとって問題になり得る。一実施形態において、挿入可能部が以前に使用されていれば、再使用可能部が挿入可能部をディゼーブルにするかまたはイネーブルにせず、よってこの問題を軽減するかまたは排除することが有利である。反復使用を防止する機能の一例は本明細書において使い捨てヒューズとして説明される。一般に、使い捨てヒューズ機能は挿入可能部またはハンドルへの非可逆的変化を検出する。機能の別の例はステータス追跡である。ステータス追跡は、挿入可能部分が一度使用され、次いで廃棄される、例えば使い捨て挿入可能部であることの認識を可能にし、許容使用回数の認識も可能にする。挿入可能部が限られた回数使用できるとされていれば、そのような挿入可能部は本明細書で「リポーザブル」と定義される。追跡機能は使用回数を計数し、使用回数が限度に達した後はリポーザブルユニットをディゼーブルにするために用いられる。そのような機能の例が以下で説明される。一般に、ステータス追跡実施形態において、挿入可能部使用回数を追跡するための識別特徴を有する。再使用可能部またはブレードは識別特徴を検出するように構成することができる。再使用可能部または付帯するデータベース及び処理システムが使用を追跡することができる。さらなる例において、再使用可能ブレード及び挿入可能部は、使用限度に達していない限り、複数の使用可能部とともに用いることができる。プログラムは、挿入可能部またはブレードのステータスをディスプレイデバイスによって示すことができる。識別情報は、不正操作を防止するため、暗号化することができる。不正操作防止集積回路を挿入可能部の導電線に接続することができる。
【0074】
使い捨てヒューズのさらなる変形が以下に説明される。これの一変形において、挿入可能部が再使用可能部に結合されたときまたは取り外されたときに変形する、例えば破壊されるタブが備えられる。挿入可能部を再使用しようとしたときに、再使用可能部が壊れたタブを検出する。例えば、ハウジングが、ハンドルの近位キャビティにタブの通過を可能にする、傾けられた突起を有することができる。挿入可能部が取り外されるときに、傾けられた突起がタブを引き裂く。再取付け時に、再使用可能部は変形したタブを検出する。検出器の例には、リミットスイッチ、光センサ、圧力センサ等がある。改変可能な機械的キー/スロットも用いることができる。
【0075】
これの別の変形において、環境にさらされた後に色が変わるフィルムまたはコーティングが挿入可能部またはブレードにまたはその上に与えられる。例えば、非可逆化学反応、高分子材のUV活性化架橋、等により、色の変化が可逆的であれば、この識別特徴は使い捨て識別特徴である。しかし、この識別特徴は色の変化が可逆的であれば、ステータス追跡識別特徴である。所定の色への色変化の検出時に、ソフトウエアが挿入可能部をディゼーブルにするかまたは挿入可能部のステータスを変更する。色はハウジング内の検出器により、または第1の画像ストリーム内で、検出することができる。環境変数には、空気、水分、例えば唾液、圧力、例えば接触または熱、及びその他の適する変数があるが、これらには限定されない。環境変数を検出するためのセンサを挿入可能部に備えることができる。例えば、挿入可能部の外表面上にMEMSICを備えることができる。環境変数は、所定の時間の間、変更された状態に維持されなければならないことがあり得る。例えば、ステータス変化を起発させるには、1分間温度を75℃より高温にしておかなければならないことがあり得る。
【0076】
ステータス追跡識別標識のさらなる変形が以下で説明される。一変形において、挿入可能部は、第1の画像ストリームにおいて検出可能な電子識別子(ID)または一意的な識別標識のような、識別コンポーネントによってエンコードされる。電子IDには、RFID受動/能動送信機、カメラID、挿入可能部内に配されたプログラマブルID、等を含めることができるが、これらには限定されない。取付け時に、再使用可能部は識別コンポーネントを検出し、ステータスを判定して、ステータスが初回の使用または規定された限度内のリポーザブル使用であることを示せば、挿入可能部を活性化する。
【0077】
別の変形において、挿入可能部の遠端に配された声門に噛み合う突起の遠位側表面が、画像内に見ることができるパターンでエンコードされる。ソフトウエアが画像ストリームにおいてパターンを検出する。パターンは、遠位側表面にモールド成形されたかまたは彫り込まれたホログラフキーとすることができ、使用中に変化し、よって以降の使用を検出できるように構成することができる。
【0078】
さらなる変形において、識別コンポーネントは、初使用か再使用かを判定するために再使用可能部によって検知される、挿入可能部の物理的マークを含む。識別コンポーネントの例には、バーコード、蛍光マーク、カラーキー、ホログラフキー、磁気キー、等がある。対応する物理的マークを検知するように適合されたセンサには、物理的マークの寸法の最小化を可能にするために高倍率対物レンズを有する超小型バーコードリーダー、光センサ及び/または検出器、ホログラフ回折パターンに感じる光センサまたは光検出器、ホール効果センサ、圧力センサまたは圧力検出器、接触スイッチ及びその他の適するセンサがある。磁気マークまたは光学マークと組み合わされたキー/スロットのような、物理的マークの組合せも考えられる。識別標識は、挿入可能部分のタイプ、製造元及びモデル、ディスプレイの識別、表示、及び/または、データ及びGPSスタンプを含む、情報の法的使用のために生成される第2の画像ストリームへの記録を行えることが有利である。一例において、制御コンポーネントは第2の画像ストリームを生成するために第1の画像ストリームの法医学的情報を付加する。別の例において、法医学的データは画像ストリームとは別に格納され、送信される。
【0079】
映像化装置の別の実施形態において、流体管理内腔が提供される。これの一例において、挿入可能部は患者に流体を供給するかまたは患者から流体を抜き取るための内腔を有する。これの一変形において、誘導路の反対側に成形される。別の変形において、挿入可能部の寸法を大きくしないため、映像アセンブリの周りに配された遠位開口をもつ、複数本の細いチャネルが挿入可能部の成形部品に含められる。内腔またはチャネルは、外部流体槽に、または外部流体槽から、流体、例えば薬剤または体液を、それを通して転送する外部チューブに連結される。患者に供給される流体の例には、液体、空気及び気体がある。
【0080】
映像化装置のまた別の実施形態において、快適化機能が提供される。これの一例において、ハンドルは把握快適性を高めるために軟質材料からなる。別の例において、挿入可能部は患者の歯にかかる圧力を減じるために弾性コンポーネントからなる。これのさらなる例において、ブレードは、挿入可能部に構造及び剛性を与える第1の材料及び、柔軟で弾性的な感触を与えるために第1の材料に結合される、第2の材料からなる。一変形において、第2の材料は、少なくともある程度、ハンドルの表面にかけて拡がる。別の変形において、第2の材料は把握快適性を高めるために表面構造が付けられる。別の例において、圧力を検出してステータス変化をおこさせるために第2の材料の下側にセンサが配される。例えば、薄い、例えば約1mm厚の、エラストマー材料層を表面40に被せ、ハンドル30の後側まで拡げて、設けることができる。第2の材料は壁50の表面を覆って拡がることもできる。第2の材料は第1の材料に接着剤で固定することができる。第1の材料は第1のモジュラスを有し、第2の材料は第1のモジュラスより小さいモジュラスを有する。さらなる例において、壁34及び44は第1の材料からなり、壁部54は第2の材料からなる。本実施形態は、気管内チューブの通路36からの取り出しを容易にする、壁部54の可撓性を提供するから有利である。
【0081】
映像化システムの例が図12及び13を参照して説明される。図では挿管装置460及び480である映像化装置,図ではコンピュータ462であるローカル処理システム、並びに、図ではコンピュータ476及び携帯型デバイス488であるリモート処理システムが図に表されている。携帯型デバイス488には、ブラックベリー(商標)のようなPDA、アイポッド(商標),及び表示スクリーン490をもつ携帯電話を含めることができる。ローカル処理システム及びリモート処理システムは、メモリ、コンパクトディスク等のような記憶デバイス内のアクセス可能なプログラム命令を実施することができるデバイスを意味する。リモート処理システムは、映像化装置による画像生成の必要はないが、映像化装置によって得られた画像を見るために備えられる、処理システムを意味する。リモート処理システムは、映像化装置と同じ部屋、同じ地区の別の部屋、あるいは別の地区、例えば別の市に配置することができる。図12は映像化装置がビデオ画像をコンピュータ462に電気的に直接送信するシステムを示す。映像化装置は有線または無線の通信リンクを介して送信を行うことができる。無線信号464が示される。さらに、通信リンクには、物理的コネクタ、ブルートゥース(商標)デバイス、セル式モデム、IRまたはその他の通信リンクを含めることができる。コンピュータ462はビデオ画像を、モデム/ルータ470を介して、雲472で表される、インターネットに、続いてモデム/ルータ474及びコンピュータ476に、再送信することができる。映像化システムの別の実施形態において、図13はビデオ画像を、処理システム488への再送信のため、通信衛星484に送信している映像化装置を示す。信号482及び486はセル式信号である。
【0082】
図12及び13に示されるシステムはより一般的なシステムの実施形態例である。例えば、信号464はローカル処理システムを経由せずにモデム/ルータ470で受信することができる。同様に、挿管装置480はローカル処理システムに無線送信することができ、ローカル処理システムはリモート処理システムに届けるためにセル式通信を用いることができる。ローカル処理システムは、挿管装置の電力を節約するため、低電力無線送信の使用が可能であれば有利である。また別の実施形態において、再使用可能部がセル式電話に画像ストリームを送信し、セル式電話がリモートコンピュータに画像ストリームを送信し、リモートコンピュータが画像ストリームを受信し、遠隔の医師からの入力を受け取って、これをセル式電話に送信し返し、セル式電話と映像化装置のいずれかまたはいずれもが、遠隔の医師にフィードバックを与える。普通に知られるセル式電話及びPDAは、ディスプレイ、マイクロフォン、キーボード、映像の表示及びテキスト信号またはオーディオ信号の送信を同時に行うための通信コンポーネントのような、必要な要素を全て備える。映像化装置と、コンピュータ、セル式電話等のいずれであるかにかかわらず、リモートデバイスの間のリモート双方向リンクは、挿管を実施している医師にフィードバックを与えるだけでなく、教示目的及び法医学的目的に用いることができる。
【0083】
リモートフィードバックにより、遠隔で観察している医師による、現地の医師への助言及びその他の情報の提供が可能になる。例えば、戦場または事故現場で医療技士が病院にいる医師に指示されながら挿管を実施することができる。リモートフィードバックは、テキスト、映像、音声、またはその他いずれかのタイプのフィードバックとすることができる。映像化装置とローカルコンピュータの間の電子通信リンクを介してディスプレイデバイスに視認フィードバックを与えることができる。ローカルコンピュータまたは再使用可能部は、医師にリモートフィードバックを口頭で伝えるためにスピーカーを備えることもできる。本実施形態の一例において、再使用可能部またはローカルコンピュータが医師にフィードバックを与え、フィートバックソースはリモート処理システムによって生成されている。映像化装置により生成された画像は、再使用可能部のディスプレイデバイスで、またローカル処理システムとリモート処理システムで同時に、医師が見ることができる。それぞれのデバイスで表示される画像は、同じ画像かまたは異なる画像とすることができる。ローカルコンピュータ462には現地使用に適するディスプレイ機能を組み込むことができ、リモートコンピュータ476または携帯型デバイス488には、遠隔での使用に適するかまたはそれぞれの処理能力と同等な、機能を組み込むことができる。
【0084】
別の例において、図12及び13に示される通信システムは、図14に示される、撮像アセンブリ100を備える映像化システムの、図では撮像キャップ492である、別のコンポーネントの付加によっててこ入れされる。現場において、医療技士は、再使用部12,ブレード14及び撮像キャップ492を携帯することができる。患者への挿管後、医療技士はブレード14を取り外して撮像キャップ492と交換し、撮像キャップ492を用いて彼/彼女は患者をスキャンして、患者の傷のリモート観察を可能にする。再使用可能部12のポートまたは撮像キャップ492に設けられた通信ポートに接続することができる多重センサアダプタ、図ではセンサS1,S2及びS3を有する多重センサアダプタ494を備えることもできる。S1,S2及びS3には、例えば、温度センサ、血圧センサ、心律センサを含めることができる。再使用可能部12または撮像キャップ492は、センサ信号をサンプリングし、サンプリングした信号を次いでローカル処理システムまたはリモート処理システムに送信する能力を有することができる。もちろん、センサ信号は、再使用可能部12で処理することもでき、再使用可能部12は次いで、血圧アラーム等のような、センサ信号に対応する示標を表示することができる。
【0085】
映像化システムのさらなる例において、ローカルコンピュータは患者情報を収集し、その情報を再使用可能部に送信する。再使用可能部は、医師が同じ情報を受け取るためによそ見をする必要無しに医師に警告するため、ディスプレイデバイスにオンスクリーンインジケータを表示する。オンスクリーン情報には、生命徴候、患者の呼気内COレベル、体温、酸素飽和、脈拍、血圧及びその他の患者の生命徴候を含めることができる。オンスクリーン情報には、警報、生命徴候が懸念レベルに近づいていることを示すカラーコード化閾値、及び、換気装置のような装置の性能に対応する警報/インジケータのような、対応するインジケータも含めることができる。これの一変形において、再使用可能部は再使用可能部で生成されたオンスクリーン情報及びインジケータを表示する。そのような情報には、第1の画像ストリームから抽出されたパラメータ、挿入可能部に対する視認標識の推定位置に対する第1の画像ストリーム内の視認標識の比較によるインジケータ、及び、通信ポートに取り付けられたセンサのようなセンサを用いて再使用可能部が収集できる、その他のデータを含めることができる。
【0086】
本映像化システムは、緊急活動、救急活動及び軍事活動に十分適している。映像化システムのさらなる実施形態において、そのような活動に一般に用いられる通信装置が、再使用可能部が格納される架台に備えられる。架台は再使用可能部の電池を再充電するための充電箱を備える。再使用可能部は救急チームまたは軍事チームが基地に戻る前に数回用いられることがあり得るから、架台は再使用可能部を消毒するためのUV光源を備える。電力源及び通信装置の利用可能性によっては、再使用可能部がローカルにのみ通信するように設計され、よって再使用可能部の寸法及び重量を最小限に抑えることができる。架台はリポーザブル部も消毒することができる。もちろん、そのような架台の使用は救急活動及び軍事活動に限定されない。架台は再主要部が用いられ得るいかなる環境においても用いることができる。
【0087】
映像化装置の別の実施形態が参照数字500で示される挿管装置の図が与えられている図15〜18を参照して説明される。挿管装置500は、ハウジング108に蝶番22により軸旋回可能な態様でディスプレイデバイス110が連結されている再使用可能部12及び、撮像アセンブリ100が配置されている遠位キャビティ568を有する遠端から隔てられた近端にハンドル30を有する、ブレード514を備える。ブレード514は患者の喉頭内へのカテーテルの挿入を誘導するように構成された通路536を有する。通路536は外側壁440の内表面542と前部壁534の内表面538によって定められる。ブレード514は、(図18に示される)遠位端554にかけて配置された表面570及び突起を有する、非外傷性遠位先端546をさらに有する。非外傷性は、鋭い縁端及び丸みのきつい突起のような外傷を生じさせることが一般に知られている表面がないという特徴を意味する。遠位先端546は遠位先端46と同様に機能する。側縁556及び558は遠位縁端554が挿入可能部の幅より狭くなるように傾けられる。もちろん、挿入可能部の幅は遠位縁端554の幅と等しくすることができ、この場合、側縁556及び558は壁534及び560とともに同一空間を延びるであろう。表面570は、いずれかの平滑な表面または、(図25〜28に示される)表面700,710,730または740のいずれかのような、いずれか構造付表面を含むことができる。ブレード514が患者の舌を変位させるために横方向に移動している間にブレード514によって生じる知覚効果を弱めるために、非外傷性壁部550も設けられる。壁部550は遠位先端546の縁端に沿って壁560をある程度延ばす。内側壁44は遠位キャビティの一側面を定める。反対側において、遠位キャビティ壁は、遠位先端に向けて遠位先端に達するまで、遠位キャビティの端から先に延びることができる。内側壁44に対向する壁の、遠位キャビティの開口の先に延びる部分は参照数字550で示される。壁部550は後面40または図19及び20に示されるように後部壁40と内部壁538の中間のいずれかの点から伸びることができる(壁部550A及び550Bを見よ)。遠位先端546は外傷を弱めるために設けられた、参照数字552で示される、突起を有することができる。
【0088】
挿管装置のさらなる実施形態において、通路536は後部壁24の延長部により、後部壁24の延長部の内表面が内表面538に面するように、挿入可能部の遠端においてある程度拘束される。延長部は、例えば単一押出部品として、壁24と一体で設けることができ、あるいは、例えば壁24の表面に接着剤で接合させることができる層を設けることによって、挿入可能部に取り付けることができる。延長部は、上述したように、気管内チューブが通路を通して患者の喉頭内に挿入された後の挿入可能部の取出しを弾性的態様で可能にする、エラストマー組成を有することができる。延長部の形状及び比率は図1に示される壁54の形状及び比率と同様とすることができる。しかし、本明細書に述べられるように、また壁54とは異なり、延長部は壁24から平行に延び、壁24に対して垂直ではない(すなわち、図1におけるようには伸びていない)。延長部、内側壁44及び前壁34は通路36の遠位部と同じ空間に伸びるC字形チャネルを形成する。
【0089】
図17〜20は(図15に示される)表面570を有する遠位先端546の様々な適合形態を示す。表面570は実質的に平坦である。側縁556及び558に接する、縦方向の境界上において、表面は遠位先端46及び546の撓み強度を高めるために凹形である。一例において、表面570の横方向境界は撓み強度を約10%高めるに十分に湾曲させられる。撓み強度は隆線48の付加によってさらに高められる。撓み強度は、表面570に印加される力に曲がらずに耐えることができる、遠位先端の能力を意味する。撓み強度は、装置が患者の声門を変位させるために用いられている間、声門によって印加される力に抗することが望ましい。もちろん、所望の撓み強度を達成するに必要な湾曲の実量は、遠位先端543の厚さ及びその組成に依存する。図18に示される別の例において、参照数字556及び558で示される遠位先端546の側縁は、患者に外傷を生じさせる可能性を低めるため、ブレード514の中心線に対して傾けられる。傾き角は平均的な患者の平均的な声門の幅に対して縁端554の長さを小さくするに十分である。縁端554の幅は成人患者に用いるためにつくられるデバイスの場合には広くし、児童に用いるためにつくられるデバイスについては狭くすることができる。図19及び20の壁部550A及び550Bは、表面40に対して浅い角度または急な角度をなすように壁高が変わり得ることを示す。さらなる例において、図15に示される実施形態と同様に、壁550は表面40に達し、よって患者が感じとり得るであろういずれの縁端効果も最小限に抑える。壁550,550A及び550Bの高さは、外傷を抑えたいという欲求、撓み強度を高めたいという欲求及び挿入可能部514の視界を広げたいという欲求の妥協の結果である。
【0090】
挿管チューブの取出しを容易にするために与えられ得る多くの構成が本明細書に説明される。図21及び22は、参照数字600で示される、一例のブレードの正面図である。ブレード600は、通路36の前部壁が連続壁34ではなく壁部604及び610からなることを除いて、ブレード14と同様である。壁部602及び54は通路36の外側壁36をなす。遠位キャビティ101が通路36の反対側に示される。同様に、図23及び24は、連続壁34ではなく壁部654を含む前壁を有する、参照数字640で示される、別の例のブレードの正面図である。壁部644及び54は通路36の外側壁をなす。
【0091】
通路36の断面積は一様であるか、または変わり得る。一実施形態において、通路36の断面積は挿入可能部の遠端において近端より小さい。壁24及び54の一方またはいずれも、あるいはそれぞれの一部分を、断面積より大きい直径を有するチューブが通路36を通して導入されるときの小断面積の拡張を可能にするように構成された、弾性材料、例えば熱硬化性または熱可塑性のエラストマー材料、ブナ-N(ニトリル)(BNR)、EPDM、シリコーン、ネオプレン、ブロック共重合体(SIS,SBS,SEBS,SEPS)等、を含む組成で、少なくとも一部を形成することができる。弾性的遠位断面積により、弾性材料によって前壁に押し付けられ、よって弾性材料により遠位先端46に隣接して配される、直径が異なるチューブの挿入可能部分による安楽な受入れが可能になるから有利である。別の実施形態において、挿入可能部の遠端において後部壁の内表面上及び/または外側壁の内表面上に弾性タブが配置される。弾性タブは、気管内チューブを押してチューブ径にかかわらず遠位先端46に向けて通路36を通過させるように構成される。したがって、チューブ径が通路の断面積より実質的に小さい場合であっても、声帯を通る挿入のためにタブが気管内チューブを適切な位置に押し込む。
【0092】
図25〜28は構造付表面を有する、例示の、遠位先端700,710,730及び740を示す。これらの構造付表面は、またこれらのいずれの変形も、表面70及び570を含む、本明細書に開示される前部表面のいずれにも適用することができる。構造付表面は図25〜28に示されるように規則的パターンを示すことができ、あるいは不規則パターン、すなわちランダムパターンを示すことができる。規則パターンは図25で例示されるように縦方向に揃えることができ、あるいは図27で例示されるように横方向に揃えることができる。構造付表面の例には、粗さ、バンプ、隆線、突起または、光学デバイスを用いずに見ることができ、触って認めることができるような、十分に顕著な三次元的特徴を有する、不規則性がある。平滑表面は簡明に、粗さ、バンプ、隆線または不規則性が無い表面として知られ、構造付表面は定義により、表面によって生じる触感が必ずしも不快でないかまたは外傷性でないとしても、非平滑である。図25は表面から突き出している、図では隆線702の、複数本の細長隆線を有する遠位先端700を示す。隆線702は測定方向に依存する2つの摩擦係数を有する表面を遠位先端700に与えている、縦方向において、摩擦係数は隆線702に垂直な方向で測定した摩擦係数より小さくなり得る。2つの摩擦係数は、患者の声門に対する遠位先端700の縦方向の動きを容易にし、横方向の動きまたは声門の変位を防止するから、有利である。図26は同様にデザインされ、遠位先端710が声門に押し付けられたときに隆線702と声門の間の張力を較正するように構成された複数の突起722を有する遠位先端を示す。隆線702及び突起722は患者に所望の感覚を生じさせる寸法につくられ、そのように構成される。突起722の高さ、形状及び断面積は、また隣接突起間隔も、変えることができる。遠位先端700と同様に、2つの摩擦係数を得ることができ、突起722は2つの摩擦係数間の差を調節するために用いることができる。図27は、壁44に対して垂直に配された、表面から突き出している複数本の細長隆線732を有する遠位先端730を示す。隆線は、遠位先端の声門との接触後の声門の縦方向の変位を防止するように構成される。図26で設けられている突起と同様に、隆線間に突起を設けることができる。隆線は、隆線がなければ必要になったであろう力より弱い力の印加による声門の変位を可能にし得るから、有利である。図28は、患者の声門との接触に関して以降に開示される利点を提供することができる、複数の四辺突起を含むパターン742によって例示される規則パターンを有する遠位先端740を示す。これの変形において、隆線の断面パターンは四辺キャビティを定める。四辺突起または四辺キャビティの、辺間角度及び辺長は、場合に応じて、正方形、長方形及び菱形の内の少なくとも1つを形成するように変えられる。これのさらなる変形において、突起またはキャビティは長円形または円形である。非外傷性縁端、図では縁端744を遠位先端46に与えるために遠位先端46から延びる遠位縁端744も示される。非外傷性突起は図15〜17にも突起552として示される。
【0093】
図29及び30は、ディスプレイデバイスが固定角で備えられている、参照数字800で示される、再使用可能部の一実施形態を示す。再使用可能部800は、ハウジング802及び、ハウジング802を表示スクリーン112に結合する、ネック804を有する。挿管装置を制御するための複数の押しボタン806が設けられる。例えば、カメラを起動するため、ディスプレイ特性を変えるため、及び外部デバイスに画像ストリームまたはその他のデータを無線送信するための押しボタンが設けられる。破線808はハウジング802に平行な平面を表し、破線810は表示スクリーン112が破線808に対して配位される固定角を表す。ほとんどの挿管において、医師は患者の頭の近くに、患者の脚に顔を向けて立つ。挿管装置が患者に挿入されている間、表示スクリーン112は、医師がディスプレイを見つめ、彼/または彼女が視線を移すだけで患者の口腔を覗き込むことができるように、医師に向いている。
【0094】
図31は、参照数字900で示される、別の映像化装置の平面図である。挿入器900は、スタイレット902及びハウジング108に連結するように構成されたアダプタ901に着脱可能な態様で結合される、図ではスタイレット902である、挿入可能部に被さる気管内チューブを受け入れるように構成される。アダプタ901はコネクタ904と905を電気的に接続する導電線906を有する。スタイレット902の直径は2mmと7mmの間、好ましくは3mmと6mmに間の範囲にあることができる。スタイレット902は、縦長形状を維持し、注目するキャビティ内への撮像アセンブリ100の導入を容易にするように適合された柔順な材料を有することができる。可撓カテーテル及び操縦機構を用いて制御できる先端を有するカテーテルのような付加コンポーネントを再使用可能部とともに用いることができる。
【0095】
図32〜39は、再使用可能部1002及びスタイレット1004を有する、参照数字1000で表される、映像化装置のさらなる実施形態を示す。再使用可能部1002は、表示スクリーン1012を有するディスプレイデバイス1020に結合されたハウジング1008を有する。ディスプレイデバイス1020は支持部1018によって支持される。ディスプレイデバイス1020は、電源オン状態または警報のようなその他の適する指標を示すに適する、図ではLED1016である、発光素子も有する。一例において、LED1016は、LEDの色を識別できない人のために、瞬くかまたは閃光を発して状態を示す。状態の例には、電源オン、許容使用回数をこえる使用によるディゼーブル化、電池電圧低下、及びその他の適する状態がある。ディスプレイデバイス1020の表示スクリーン1012とは反対の側に電源オンボタン(図示せず)を設けることができる。電源オンボタンは、電源オンボタンを封入して再使用部を洗うことができる能力を高めるため、(図46及び47を参照して以下でさらに詳細に開示される)弾性材料、例えば高分子エラストマーまたはゴムで覆うことができる。スタイレット1004は、再使用可能部1002及び、撮像アセンブリ100を支持する、スタイレットアーム110を受け入れるように構成されたキャビティ1032を定めるハンドル1030を有する。これの一変形において、挿入可能部を留めるため、本体部(ハウジング)1008及び支持部1018上に、例えば本体部1008とネック部(支持部)1018の間の結合部に、磁性粒子を含むシリコーンガスケット及び磁引力材料例えば鉄、または磁性粒子を含む別のガスケットを備えることができる。磁気結合は、再使用可能部のプロセッサが、カメラをイネーブルにする前に、挿入可能部または撮像キャップ内への俳人具の適切な挿入をチェックして確認する、磁気インターロック回路も形成することができる。これの別の変形において、再使用可能部及び挿入可能部の一方が、2つの部分が嵌合したときに可聴音を発する、機械的ロック機構、例えばタブを有する。
【0096】
ハンドル1030は、把握性を高めるため、構造付外表面を有することができる。ハンドル1030は、カメラを本体部1008に通信可能な態様で接続するように適合された、コネクタ1060を有する。再使用可能部を不使用時に充電するため、同様のコネクタを架台に設けることができる。あるいはまたはさらに、架台は電磁誘導型充電器を備えることができ、再使用可能部または挿入可能部は整合する誘導コイルを有することができる。挿管装置が架台におかれたときに、電磁誘導型充電器が誘導コイルに電力を送って、挿管装置を再充電する。ハンドル1030の壁の少なくとも一部は、電磁誘導型充電器が発する電磁波の壁の通過を可能にするに十分に薄い。図33はキャビティ1032に挿入された再使用部1002を示す。図34は、その下側に通信ポートがある通信ポートカバー1014及びハンドル1030に対するディスプレイデバイス1020の適切な方位を示すための確実動作界面構造として設けられた突起1036のような、ディスプレイデバイス1020の特徴的構造を示す。通信ポートレセプタクルの例には、USB、ミニUSB、マイクロUSB、シリアル、同軸、UEEE1994フォーマット、及びいずれかの通信標準に対するいずれか既知の他のコネクタがある。突起1030はハンドル1030に配されたノッチ1034に整合する。図49及び50を参照してさらに詳細に開示されるように、映像化装置の一実施形態において、突起1030は、ハンドル1030とディスプレイデバイス1020が適切に嵌合したことをユーザに示すため、突起1036がノッチ1034に嵌ったときに可聴音を発する。
【0097】
図35及び36はハンドル1030のさらなる特徴的構造を示す。一例において、本体部1008の前部表面に配置された縦方向細長レールを受け入れるため、及び再使用可能部1002とハンドル1030の適切な結合を保証するため、ハンドル1030の前部壁の内表面に位置合せ構造、図では誘導チャネル1044及び1046が設けられる。様々な他の機械的キー構造のいずれも用いることができる。別の例において、ハンドル1030の後部表面は実質的に平坦であり、ハンドル1030の前部表面は、ハンドル1030に対する再使用部1002の方位のユーザの触感による判断を補助するため、実施的に円形または長円形である(前部表面と後部表面の一方はコンパートメントカバー1010を有する)。ハンドル1030は、相互に嵌め合わされる、2つ以上の射出成形部品として作成することができる。必要に応じて設けられる、図では親指ロータリースイッチ1040及びレバー1042の、ロータリーエフェクタ及びレバーが示され、それらの機能は図38を参照して以下でさらに説明される。図36はコネクタ1060の場所を隠れ線で示す。コネクタ1060は、本体部1008をハンドル1030に通信可能な態様で結合するため、コネクタ1060を受け入れる再使用部1002のインターフェーススロット(図示せず)に嵌り込む。
【0098】
図37はコンパートメントカバー1010の内側を示す。使用において、コンパートメントカバー1010は、内部コンパートメント、例えば電池室を覆うように配置される。コンパートメントカバー1010は表面1054に連結された内部遠位表面1050を有する。キーラッチ構造1052が内表面1050から延び、コンパートメントカバー1010がコンパートメントを覆って確実に固定されると本体部1008の設けられた鏡像構造と嵌合し、よってコンパートメントカバー1010を所定の場所に確実にロックする。
【0099】
本実施形態の一例において、スタイレット1004は操縦可能である。図38は、近端にシャフト1102を有し、遠端に可撓シャフト1104を有する、スタイレットアーム1100を備える操縦可能スタイレットの一例を示す。可撓シャフト1104はシャフト1102に対して曲がることができ、図では円弧1108である、円弧をなして操縦可能である、図ではA,B及びCの、複数の観察位置を生じる。一次元円弧が示されるが、円弧はいずれの方位にも形成され得る。したがって、可撓シャフト1104の先端は自由度3で位置決めし直すことができる。シャフト1102の軸線をZ軸とすれば、可撓シャフト1104の先端はX-Y平面のどこででも回転することができる。シャフト1104を曲げるための操縦機構(図示せず)はスタイレットハンドル1030及びシャフト1102内に備えられる。操縦機構の例は歯車列または誘導ワイアである。歯車列は、スタイレットアーム1100に、スタイレットアーム1100の遠端の位置の変化、よってカメラの視角の変化をおこさせるための、ユーザによる親指ロータリースイッチ1040の容易な作動を可能にするために備えられる、レバー1042を含む、親指ロータリースイッチ1040によって作動させることができる。
【0100】
スタイレットアーム1100はスタイレットハンドル1030に恒久的に、または着脱可能な態様で、取り付けることができる。図39は着脱可能な態様で取り付けることができるスタイレットアーム1100を示す。スタイレットアームコネクタ1120の表面から径方向に外側に延びる突起1122及び1124をその上に有するスタイレットアームコネクタ1120を受け入れるため、アパーチャ1070がスタイレットハンドル1030に設けられる。アパーチャ1070は、縦方向丸穴、突起1122及び1124を受け入れるために設けられた縦方向に延びるスロット1080,及び径方向スロット1082及び1084を含む。スタイレットアーム1102は肩1112を有するカラー1110をさらに有する。スタイレットアームコネクタ1120は、突起1122及び1124がスロット1080に合わせられると、アパーチャ1070に入り込む。肩1112がスタイレットハンドル1030にぶつかると、突起1122及び1124がそれぞれ、径方向スロット1082及び1084に合わせられる。次いで、突起1122及び1124がスロット1082及び1084に入ったときにスタイレットアーム1100を反時計回りに回すことで、スタイレットアーム1100をスタイレットハンドル1030にロックすることができる。さらなる例において、着脱可能な外被がスタイレットを包む。使用後、スタイレット外被は廃棄される。スタイレットを再使用するため、新しい外被がスタイレットに被せられる。
【0101】
映像化装置のさらなる実施形態が図40及び41に示される。ディスプレイデバイス1202,(図49及び50に示される)ハウジング1370及びディスプレイデバイス1202をハウジング1370に結合する支持部1208を有する第1の部分1201を含むビデオ喉頭鏡1200として、医用映像化装置が例示される。ビデオ喉頭鏡1200は、後部側面1252及び(図41に示される)前部側面1253を有するハンドル1256,及び挿入可能部1258を有するブレード1250も含む。使用においてハンドルは一般に主として縦位置にあるであろうが、ブレード部品の文脈において語句「前部」及び「後部」はブレードの一方の側またはその反対側を指す。ディスプレイデバイス1202は、フレーム1205で囲まれた表示スクリーン1204及びビデオ出力ポート1206を有する。一例において、フレーム1205には静電気を消散させるために金属膜が被着される。ディスプレイデバイス1202がバックライト型である、別の例において、バックライトは電力節約のため、ブレード1250と第1の部分1201が連結されるまで消しておかれる。さらなる例において、ディスプレイデバイス1202はブレード1250と第1の部分1201が連結されるまで完全に作動が停止される。一例において、ブレード1250の連結部と第1の部分1201の連結部の間に、連結を流体封止するため、ガスケットが備えられる。
【0102】
ブレード1250は、気管内チューブのための通路を形成する複数の誘導壁を有する。誘導路は、少なくともある程度は、前部誘導表面及び内側誘導表面によって定められる。これの一変形において、前部誘導表面、例えば前部誘導表面1269は、内側誘導表面、例えば図41に示される内側壁1272の表面、に対して実質的に直交する。直交誘導表面は図45にも示され、図45には前部壁1270及び内側壁1273で示される。図40及び41に示される、別の変形において、誘導路は近位部及び遠位部を有する。誘導路の近位部は図41に示される前部誘導表面1269及び内側壁1272の表面によって定められる。誘導路の遠位部は近位部から延び、さらに、後部誘導表面及び外側誘導壁1276の通路に面する表面によって定められる。一例の誘導路の遠位部は参照数字1262で示される。さらなる変形において、誘導路の近位部は、挿入可能部の中心線に沿って測定して、遠位部より短い。別の変形において、近位部の長さは、長くとも、遠位部の長さの40%である。
【0103】
一例において、内側誘導表面は、誘導路の近位部を通して延びる遷移部分及び誘導路の遠位部を通して延びる縦方向に合わせられた部分を有する。これの変形において、遷移部分は挿入可能部の側面から縦方向に合わせられた部分まで延びる。図40に例示される、これの別の変形において、遷移部分は挿入可能部の横側から縦方向に合わせられた部分まで延びる。これのさらなる変形において、遷移部分は、遷移部分の遠端において遷移部分が前部誘導表面に直交するように、遷移部分の近端から遠端にかけて回転する。
【0104】
ブレード1250は撮像センサ及び電子コンポーネントを、撮像センサをビデオディスプレイ1202に電気的に接続するために、支持する。撮像センサは無線で、またはブレードの挿入可能部に埋め込まれた導電線により、電気的に接続することができる。図40〜44に示される実施形態例において、ブレード1250は、内側壁1272,後部電気路壁1278,外側電気路壁1271及び前部壁1270によって定められる電気路を有する。図42に最善に見られるように、参照数字1300で示される、遠位キャビティが撮像アセンブリ1400をその中に受け入れる。ブレード1250の先端部1280が電気路をこえて遠位に延びる。映像アセンブリ1400のカメラが観察した画像におけるブレード1250の中心のユーザによる検出を補助するため、図では細長突起1284の、撮像視認標識を先端部1280に設けることができる。図では隆線1286の、非外傷性先端も設けることができる。図41に示されるように、先端部1280は図15〜20を参照して前述したようないずれの非外傷性壁も含めることができる、図では壁部1282の、非外傷性壁部も有することができる。さらなる例において、上述し、図3〜4及び15〜28も参照した、ブレード実施形態のいずれも、撮像視認標識、非外傷先端及び非外傷性壁のいずれか1つ以上を有することなく、提供される。さらなる例において、ブレードは遠端において撮像アセンブリを支持し、再使用可能部に撮像アセンブリを接続する電気コネクタが挿入可能部の壁の1つの中に埋め込まれる。例えば、電気コネクタにはブレードの内側壁に埋め込まれた電気コネクタを含めることができる。さらなる例において、電気コネクタは挿入可能部に接合される。例えば、コネクタにはフラットリボンコネクタを含めることができ、内側壁に接合することができる。
【0105】
前述したように、ブレードに機能性を付加するため、弾性材料を備えることができる。図40〜44を参照して説明される実施形態例において、ブレード1250は2つの材料からなる2つのコンポーネントを有する。第1のコンポーネント1261は第1の材料からなり、ハンドル及びブレード1250の挿入可能部の硬質部分を含む。第1の材料はブレードに構造及び剛性を与える。第2のコンポーネント1260は第2の材料からなり、後部誘導壁1274及び外側誘導壁1276を含む。第2の材料は第1の材料に比較して、弾性及び軟性を与える。第2のコンポーネント1260は第1のコンポーネント1261に接合されるか、または第1のコンポーネント1261上に重ね成形される。第2のコンポーネント1260と第1のコンポーネント1261を接合するため、接着、熱的、超音波及び機械的のような、既知のいずれの接合方法も用いることができる。一例において、第2の材料のショアーA硬度は60と90の間である。これの変形において、第2の材料のショアーA硬度は75と85の間である。
【0106】
映像化装置のまた別の実施形態において、再使用可能部とハンドルの嵌合を容易にするため、位置合せ機構が設けられる。嵌合位置合せ機構の例を、図35を参照して説明した。さらなる例において、位置合せ機構は、再使用可能部がブレードと適切に位置合せされていない限り、再使用可能部とブレードの嵌合を防止する嵌合位置合せ機構を含む。嵌合位置合せ機構は、ユーザによる2つのコンポーネントの目視位置合せを必要としない、触感による再使用可能部とブレードの嵌合を容易にするから、有利である。ハンドル1256に対するハウジング1370の適切な方位をとらせるため、支持部1208から遠位に延び、半円開口1254で例示される、ハンドル1256の開口に嵌る、突起1214を有する、嵌合位置合せ機構のさらなる例が図40に示される。別の例において、突起と開口の位置は逆にされる。またさらなる例において、開口は、外表面または内表面の窪み、スロットまたは、突起に嵌合し、よってハンドル1256に対する第1の部分1201の適切な方位を示すために設けられる、他のいずれかの表面改変を含む。嵌合位置合せ機構のさらなる実施形態例が図49及び50を参照して以下に説明される。位置合せ機構には表面マークのような目視示標も含めることができる。一例において、表面マークはハンドル及び再使用可能部の表面上の線のような、方位標識または位置合せ標識を含む。別の例において、表面マークは、再使用可能部及びハンドルが前部側に1つの色を、また後部側に別の色を示す、前部色及び後部色を含む。
【0107】
医用映像化装置の別の実施形態において、複数の気管内チューブ径の使用を容易にするため、誘導路バイアス印加機構が設けられる。一般に、バイアス印加機構は、気管内チューブが誘導路を通って平行移動している間、前方に向けられた力を気管内チューブにかける。図41,42及び44に示されるように、挿入可能部1258は、前部/後部高を定める、前部壁1270の前部誘導表面1269及び後部壁1274の後部誘導表面1263を有する。近位前部/後部高は、遠位前部/後部高が参照数字1312で示される図44に参照数字1310で示される。一例において、近位前部/後部高及び遠位前部/後部高は実質的に同じである。別の例において、遠位前部/後部高は近位前部/後部高より小さい。これの一変形において、近位前部/後部高は遠位前部/後部高より少なくとも0.5mm大きい。これの一変形において、近位前部/後部高は遠位前部/後部高より少なくとも1.0mm大きい。近位前部/後部高の低減は、前部壁に向けてバイアスされたチューブが誘導路1262から出ることを保証するため、後部側から、気管内チューブにかかるバイアス印加力を与える。前述の例の一変形において、バイアス印加力は、遠位前部/後部高を減じるために後部誘導壁の円弧を縮めることによってつくられる。別の変形において、後部誘導壁及び横誘導壁は、十分に大きな直径を有する気管内チューブが静置位置において気管内チューブの直径より小さい前部/後部高を定める後部誘導壁を圧迫すると、遠位前部/後部高を大きくして、気管内チューブを前部壁から離して後方に移動させるように適合された弾性材料で形成される。気管内チューブが取り出されると、弾性後部誘導壁はその静置位置に戻ることができる。図40に示されるように、コンポーネント1260は弾性材料からなる。別の例において、バイアス印加力を提供するため、弾性バーまたは弾性ランプが後部誘導表面から誘導路に向けて突き出す。本明細書に説明されるように遠端バイアス印加力を有するブレードは、様々な直径を有する複数の気管内チューブのいずれに対しても、その直径にかかわらず、気管内チューブが誘導路から出てくる間、前部壁に向けてバイアスされ、よって声帯に向けて導かれてカメラで観察するできることをバイアス印加力が保証するから、1つのブレードの使用を可能にするので、有利である。
【0108】
本開示の別の実施形態において、映像化装置が提供される。本映像化装置は、再使用可能部、ハンドル部、挿入可能部及び撮像アセンブリを有する。挿入可能部は、その遠端に遠位キャビティを有し、挿入可能部撮像アセンブリを電気的に、また着脱可能な態様で、接続するために遠位キャビティを通してアクセス可能である、コネクタを有する。これの一例において、ハンドル部及び挿入可能部は一体結合される。これの別の例において、撮像アセンブリは使用前にコネクタに接続され、使用後にコネクタから外される。次いで挿入可能部は廃棄されるが、撮像アセンブリは洗浄して再使用することができる。再使用可能な撮像アセンブリにより、1回または限られた回数の使用後に廃棄することができる挿入可能部のコストが低減されるから、有利である。
【0109】
映像化装置の別の実施形態において、気管内チューブの映像化を容易にするため、映像位置合せ機構が備えられる。後部誘導壁1274がブレード1250の軸線に対して実質的に垂直に配された遠位遠端1275を有し、後部電気路壁1278が、遠位遠端1275に対して、軸線1290と軸線1292で定められ、参照数字1294で示される、角度をなして配置される遠位遠端1279を有する、映像位置合せ機構の一例が図43に示される。撮像アセンブリ1400は、声帯に向かう気管内チューブの変位の観察を容易にするため、図4を参照して上述したように撮像アセンブリ1400の視線を傾けるために軸線1290に対して垂直方向に傾けることができる。図4を参照して前述した、別の例において、撮像アセンブリのレンズは、撮像アセンブリはブレードの中心線に平行に配置されるが、視線はブレードの中心線に向けられる、斜視観察を提供するように、傾斜面をもって構成することができる。さらなる例において、斜視観察を提供するため、遠位レンズが撮像アセンブリの中心線に対して傾けられる。
【0110】
映像化装置の別の実施形態において、後部誘導壁及び外側誘導壁がないブレードが提供される。そのようなブレードの一例が、ブレード1320の横面図が示される、図45に示される。ブレード1320の前部側及び後部側がそれぞれ、参照数字1324及び1322で示される。内側壁が参照数字1273で示される。内側壁1273は後部壁1274を支持するほど延びてはいないから内側壁1272より短いことを除き、内側壁1273は内側壁1272と実質的に同じである。ブレード1320によって与えられる(外側誘導路及び後部誘導路がない)気管内チューブを制御する上での、ブレード1250に比較して増えた、自由度を好む手術医もいるであろう。
【0111】
映像化装置のさらなる実施形態において、再使用可能部が表面上に静置されているときに再使用可能部を支持する静置機能が備えられる。静置機能は、医用機器を静置位置で安定化するように適合された静置表面を有する。一例において、静置表面はディスプレイデバイスの遠位表面の摩擦係数より高い摩擦係数を有する。前述の例の一変形において、静置表面はゴムからなる。別の変形において、静置表面は摩擦係数がディスプレイデバイスのフレームを形成する材料の摩擦係数より高い高分子材からなる。別の例において、静置表面はディスプレイデバイスの遠位表面から拡がる。これの一変形において、再使用可能部がハンドルから外されたときに、静置表面は支持表面に平行である。これの別の変形において、再使用可能部がハンドルに結合されたときに、静置表面は支持表面に平行である。これのさらなる変形において、ディスプレイデバイスは2つの静置表面を有する静置機構を備える。一方の静置表面はハンドルが再使用可能部に結合されたときにディスプレイデバイスを支持し、他方の静置表面はハンドルが再使用可能部に結合されていないときにディスプレイデバイスを支持する。さらなる例において、静止表面とスクリーンの間にスイッチカバーが配され、静止表面がスイッチの偶発的作動を防止する。ここで、図41,46及び47を用いて、ディスプレイデバイス1202が遠位側に、図では静置バー1210である静置表面を有する、静止表面及びスイッチカバーの一例を説明する。静置バー1210は支持表面上の再使用可能部の滑りを実質的に防止するに十分な摩擦係数を有する材料からなる。材料の例にはゴム及び高分子エラストマーがある。別の例において、摩擦を強める構造が静置バーの表面に付けられる。例えば。構造は線及びバンプを有することができる。図ではカバー1212の、スイッチカバーが、(図47に示される)スイッチ1330で図示される、電気スイッチを封止態様で覆う。スイッチの例には、押しボタンスイッチ及びトグルスイッチがある。スイッチ1330は医用映像化装置の電源をオン/オフするように構成することができる。ディスプレイデバイス1202の、近位側の代わりに、遠位側に電源スイッチを配すれば、ディスプレイデバイス1202の近位領域のより大きな部分を表示スクリーン1204に利用することが可能になり、同時に人間工学的に好ましいスイッチ位置が得られるから、有利である。静置バー1210は、静置バー1210がディスプレイデバイス1202を支持するときに、スイッチの偶発的作動を防止するに十分に厚い。別の例において、再使用可能部は、静置バーではなく、ディスプレイデバイス1202の遠位側上に静置表面を有し、スイッチ1330の偶発的作動を防止するため、カバーがおかれる。図46は、ハウジング1370とディスプレイデバイス1202を連結する支持部材1208から延びる、ハウジング1370も示す。
【0112】
映像化装置のまたさらなる実施形態において、外部通信機能が備えられる。次に図48を参照すれば、一例においてディスプレイデバイス1202は画像出力を提供するように構成された電子回路に内部で接続されるレセプタクル1332を有する。画像出力はシリアル信号またはパラレル信号とすることができ、デジタル信号またはパラレル信号とすることができる。コネクタ1334がケーブル1336から伸びる。コネクタ1334は、コンピュータ、ビデオモニタまたは、リモートデバイスにおける最終のディスプレイに画像出力をさらに転送するように構成された、ハードウエアインターフェースにケーブル1336を介して画像信号を転送するため、レセプタクル1332に電気的に結合される。本例において、ディスプレイデバイス1202は、コネクタとケーブル1336の間に配された、図では封止部1338である、封止部を封止態様で受け入れる、図ではキャビティ1333である、キャビティを有する。封止部1338及びキャビティ1333は長方形につくられる。前述の例の一変形において、封止部及びキャビティは別の形状を有する。形状の例には、長円形、円形及び正方形がある。コネクタ及びレセクタを封止すれば、キャビティ1333の屑及び汚染物への暴露が防止され、この結果、ディスプレイデバイス1202をより容易に洗浄するかまたは消毒することができるから、有利である。画像出力のリモートデバイスへの提供が望まれない場合、ケーブルを含まない、同様の形状のカバーがキャビティ1333を封止するために提供される。
【0113】
図49及び50を次に参照すれば、位置決め機構の別の例が示される。上述したように、再使用可能部は医用装置のハンドルに挿入できるハウジングを備える。図49は、ハンドルの対応する断面形状と容易に嵌合するように構成された特定の断面形状を有する、参照数字1370で示される、ハウジングの一例を示す。図示されるように、ハウジング1370は、断面が概ね長円形の本体1372を有し、概ね長円形の本体1372から縦方向に延びる、図では突起1374である、細長突起を有する。図50に示されるように、ハンドル1256は、突起1374を受け入れるように構成されたスロット1362を合わせて定める、縦方向に配された2つの、隆線1360で実施された、表面を有する。前述した例の一変形において、縦方向に配される表面は、隆線を形成せずにハンドルの内表面から延びる突起によって形成される。例えば、スロット1362はハンドルの壁上に直接に形成することができる。
【0114】
図34を参照してさらに詳細に開示したように、映像化装置の別の実施形態において、映像化装置は可聴嵌合機構を備える。これの一例において、突起1036は、ノッチ1034に嵌るときに、ハンドル1030とディスプレイデバイス1020が適切に嵌合したことをユーザに示すため、可聴音を発する。別の例において、図60に示される隆線1360(または図35に示されるチャネル1044及び1446)の一方またはいずれもが、長円形の本体1372から、または上述したハンドル部のいずれかから、延びる突起(図示せず)を受け入れ、突起がそこに受け入れられたときに、ハウジング1370とハンドル1256が適切の嵌合したことを示すため、可聴音を発するように適合された、中断部(図示せず)を有する。さらなる例において、ハンドル及びディスプレイデバイスを支持する支持素子の一方によって支持される突起とハンドル及び支持素子の他方の対応リセスが、ハンドルと支持素子が適切に嵌合されたときに、「カチッ」音のような、可聴音を発するように構成される。
【0115】
図51及び52を次に参照すれば、電池接続部1382及び電池カバー1380を有する、再使用可能部のハウジングが示される。ハウジングは電池カバーロック機構も有する。一例において、ロック機構は隆線及びスロットを有する。電池カバー1380が電池接続部1382に押し付けられ、縦方向の力が印加されると、隆線とスロットが嵌合する。嵌合位置にある図52に示される、前述の例の一変形において、電池カバー1380は隆線を有し、電池接続部1382はスロット1384を有する。これのさらなる変形において、スロットと隆線の位置が入れ換えられる。これのさらなる変形において、スロット及び隆線は電池接続部1382及び電池カバー1380の横表面に配置される。
【0116】
図53及び54はそれぞれ、図では撮像アセンブリ1400である、撮像アセンブリの実施形態の例の斜視図及び分解組立図である。撮像アセンブリ1400は、遠位カバー1402,撮像開口1406及び照明開口1408を有するカメラホルダ1404,遠位レンズ1422,カメラ鏡胴1420,レンズ1424及び1426,ガスケット1430,カメラ1432,撮像センサ1432を支持する支持ボード1434,ケーブル1436,及び、圧力コンポーネント1444及び複数のロックコンポーネント1446を有する、裏板1442を備える。裏板1442は支持ボード1434並びにレンズ1424及び1426をカメラ鏡筒1420に押し込む。ガスケット1430は必要に応じて用いられ、除外することができる。用いられる場合、ガスケット1430は撮像センサ1432をカメラ鏡胴1420内部に封入し、光がカメラ鏡胴1420内に入って画像を劣化させることを防止する。照明開口1408を通して遠位カバー1402の前方の空間を照明するため、LED1440がカメラホルダ1404に結合される。前述した例の一変形において、遠位カバー1402は、シリコーン剥離塗布法を用いる接着態様でカメラホルダ1404に接合される。接着剤はシリコーン紙上に与えられる。シリコーン紙及び接着剤が遠位カバー1402に貼り付けられる。次いでシリコーン紙がはがされ、接着剤の新規露出面がカメラホルダ1404に押し付けられて遠位カバー1402をカメラホルダ1404に確実に固定する。本明細書に説明されるシリコーン剥離法は遠位レンズ1422の遠位面上の接着剤の不用意なスピアリングから遠位レンズ1422を保護するから、有利である。支持ハウジングとカメラ鏡胴の組合せにより、撮像アセンブリの組立てが簡単になる。上述した例の一変形においては、2つのレンズしか用いられない。これの別の変形において、カメラ鏡胴及びカメラホルダは遠位レンズ及び第2レンズを撮像アセンブリの光軸に対して自動調心させる単一金型インサートによって形成され、これにより、組立プロセスが簡単になり、焦点合わせ機構が除かれることでコストが低減される。これのまた別の変形において、撮像アセンブリは、負メニスカスを有する遠位レンズ及び、両凸面素子及び負メニスカス素子からなる、二重レンズを備える。遠位レンズ及び二重レンズは、負メニスカス素子及び両凸面素子と組み合わされて、ほぼ回折限界の性能を達成する、非球面を有する。
【0117】
再使用可能部及びシングルピース構成で挿入可能部に結合されたハンドルを備える映像化装置の例を上述した。映像化装置のさらなる例において、挿入可能部とハンドルは着脱可能な態様で結合される。ハンドルと再使用可能部の結合に関して上述した位置合せ及び維持機構のいずれもが、ハンドルと挿入可能部の結合にも適用され得る。一例において、ハンドルはビデオディスプレイを支持するハウジングと一体形成され、挿入可能部はハンドルと着脱可能な態様で結合される。これの一変形において、挿入可能部は誘導路を定める壁を有する。これの別の変形において、挿入可能部は細長チューブ部材を有する。
【0118】
例示した構成を有するとして本発明を説明したが、本開示は本開示の精神及び範囲内でさらに改変され得る。したがって、本出願は、本開示の全般的な原理を用いる、いかなる変形形態、使用形態及び適合形態も包含するとされる。さらに、本出願は、本発明がかかわる技術における既知のまたは通例の実施の範囲内に入るような本開示からの発展を包含するとされる。
【符号の説明】
【0119】
1200 ビデオ喉頭鏡
1201 第1の部分
1202 ディスプレイデバイス
1204 表示スクリーン
1205 フレーム
1206 ビデオ出力ポート
1208 支持部
1214 突起
1250 ブレード
1252 後部側面
1253 前部側面
1254 半円開口
1256 ハンドル
1258 挿入可能部
1260 第2のコンポーネント
1261 第1のコンポーネント
1262 遠位部
1270 前部壁
1271 横電気路壁
1274 後部誘導壁
1276 横誘導壁
1278 後部電気路壁
1370 ハウジング
1400 撮像アセンブリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイデバイス及びレンズを備え、また、撮像センサを有し、前記レンズを通して得られる複数の映像に対応するデジタル画像ストリームを出力するカメラ及び、前記ディスプレイデバイス及び前記カメラに電力を供給する、内蔵エネルギー源を備える映像化装置において、前記映像化装置が、
患者に挿入することができる挿入可能部であって、前記挿入可能部は前記挿入可能部の遠位に、前部壁、前記前部壁に対向する後部壁、内側壁、前記内側壁に対向する外側壁で定められる、遠位キャビティを有し、前記遠位キャビティは前記複数の映像がそれを通して得られる遠位開口を有し、前記前部壁は前記内側壁から延びて、前記内側壁とともに、前記患者にチューブを挿入するための誘導路を形成し、前記内側壁及び前記前部壁は非弾性壁であり、前記遠位キャビティ及び前記誘導路は、前記挿入可能部の前部/後部高を減じるように、相互に横並びに配置される、挿入可能部、
近端及び遠端を有するハンドル部であって、前記近端にキャビティを定め、前記遠端において前記挿入可能部に結合し、ユーザの手に保持される大きさにつくられるハンドル部、
及び
前記ディスプレイデバイスに取外し不能な態様で結合され、前記ディスプレイデバイスを支持する、ディスプレイ支持体であって、前記ディスプレイデバイスを前記挿入可能部に着脱可能な態様で結合するため、前記ハンドル部に着脱可能な態様で挿入されるディスプレイ支持体、
を備え、
前記複数の映像に対応する画像を前記ディスプレイデバイスによって表示するために、前記挿入可能部への前記ディスプレイデバイスの結合によって前記カメラが前記ディスプレイデバイスに電気的に接続されることを特徴とする映像化装置。
【請求項2】
前記映像化装置が少なくとも1つの弾性壁をさらに備え、前記前部壁、前記内側壁及び前記弾性壁が協働して細長開口を定め、前記チューブの少なくとも一部が前記細長開口を通して取り出されるときに、前記弾性壁が変形することを特徴とする請求項1に記載の映像化装置。
【請求項3】
遠位表面及び光学キャビティを有する撮像支持体をさらに備え、前記光学キャビティが前記遠位表面にキャビティ開口を定め、前記光学キャビティを乾燥状態に保つために前記レンズ及び前記カメラが前記光学キャビティ内に封入されることを特徴とする請求項1または2に記載の映像化装置。
【請求項4】
前記撮像支持体の前記遠位表面に取り付けられた半透明カバーをさらに備え、前記半透明カバーが防曇コーティングを有することを特徴とする請求項3に記載の映像化装置。
【請求項5】
前記誘導路が近位部及び遠位部を有し、前記近位部が4未満の表面を有し、前記4未満の表面が前記壁及び前記内側壁によって与えられる2つの誘導表面を含み、前記誘導路の前記遠位部において前記後部壁が前記内側壁から延びて第3の誘導面を与えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の映像化装置。
【請求項6】
前記誘導路の前記近位部が前記遠位部より短いことを特徴とする請求項5に記載の映像化装置。
【請求項7】
前記前部壁が前記遠位キャビティをこえて遠位に延びる先端部を有することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の映像化装置。
【請求項8】
前記先端部が、前記患者の組織に噛み合うように適合された構造付表面及び、前記遠位先端が前記患者の組織に噛み合うときの前記遠位先端の撓みを減じるための、1つ以上の耐撓み補剛機構を有することを特徴とする請求項7に記載の映像化装置。
【請求項9】
前記構造付表面が規則的パターンで配列された複数の隆線を含むことを特徴とする請求項8に記載の映像化装置。
【請求項10】
前記耐撓み補剛機構が、前記遠位先端が前記患者の組織に噛み合うときの前記遠位先端の撓みを少なくとも5%減じることを特徴とする請求項8に記載の映像化装置。
【請求項11】
前記耐撓み補剛機構が、前記遠位先端の幅に沿う前記遠位先端の湾曲形状、前記遠位先端の表面から延びる縦方向隆線、及び縦方向壁の内の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項8に記載の映像化装置。
【請求項12】
前記挿入可能部に取り付けられた、前記遠位キャビティからアクセスできる電気コネクタをさらに備え、前記撮像アセンブリが、前記遠位キャビティに受け入れられるときに、前記コネクタに着脱可能な態様で接続することを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の映像化装置。
【請求項13】
突起及び前記突起を受け入れるように構成された窪みをさらに備え、前記ハンドル部が前記ディスプレイデバイスに結合するときに前記窪み及び前記突起が可調音を発することを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の映像化装置。
【請求項14】
前記窪み及び前記突起の一方が前記ディスプレイ支持部の中または上に配置され、前記窪み及び前記突起の他方が前記ハンドルキャビティの中または上に配置されることを特徴とする請求項13に記載の映像化装置。
【請求項15】
前記誘導路の前記遠位部が前記遠位部の一端における近位前部/後部高及び前記遠位部の遠端における遠位前部/後部高を定め、前記近位前部/後部高が前記遠位前部/後部高より大きいことを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載の映像化装置。
【請求項16】
前記映像化装置が前記ハンドル部及び前記挿入可能部の内の一方に配置された使用標識をさらに備え、前記使用標識が、前記挿入可能部の従前使用回数を判定するため及び、前記従前使用回数が許容使用回数をこえるときに、前記画像の表示をディゼーブルにするために機能し得ることを特徴とする請求項1から16のいずれかに記載の映像化装置。
【請求項17】
前記許容使用回数が一回であることを特徴とする請求項16に記載の映像化装置。
【請求項18】
請求項1から17のいずれかに記載の映像化装置を含む映像化キットにおいて、前記挿入可能部及び前記ハンドル部が前記キットの第1のコンポーネントを含み、前記ディスプレイ支持体によって支持される前記ディスプレイデバイスが前記キットの第3のコンポーネントを含み、前記映像化キットが、前記第1のコンポーネントと異なる、前記第1のコンポーネントと交換可能な、前記キットの第2のコンポーネントをさらに有し、前記第2のコンポーネントが第2の画像を送信するために動作し得る第2のカメラ及び前記ディスプレイ支持体を受け入れるように適合されたキャビティを備え、前記ディスプレイデバイスが、前記第2のコンポーネントが前記ディスプレイ支持体を受け入れたときに前記第2の画像を表示し、前記第1のコンポーネントの前記ハンドル部が前記ディスプレイ支持体を受け入れたときに前記第1のコンポーネントの前記カメラによって生成された前記画像を表示することを特徴とする映像化キット。
【請求項19】
前記第2のコンポーネントがスタイレットを含むことを特徴とする請求項18に記載の映像化キット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【公表番号】特表2013−512046(P2013−512046A)
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−541223(P2012−541223)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【国際出願番号】PCT/US2010/058226
【国際公開番号】WO2011/066510
【国際公開日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(500108666)キング システムズ コーポレイション (2)
【Fターム(参考)】