説明

映像投影システム

【課題】投射光以外の光源からの光を完全に遮断することなく、投射光以外に光の影響を抑えて高いコントラストの映像を実現する映像投影システムを提供する。
【解決手段】第1の周波数で反射率を周期的に変化させるスクリーンと、スクリーンに映像光を投影し、第1の周波数で、且つ実質的に同位相で映像光の投影光量を周期的に変化させる映像投影装置と、光を出射し、第1の周波数で、且つ実質的に逆位相で光の光量を周期的に変化させる照明光源と、スクリーン、映像投影装置、及び照明光源の駆動を制御する制御部とを具備する映像投影装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像投影システムに関し、特に投射光以外の光源からの光の影響を抑えて高いコントラストの映像を実現する映像投影システムに関する。
【背景技術】
【0002】
映像投影システムは、一般的に、投影用スクリーンと映写機又はプロジェクターなどの投影装置とを含む。スクリーンに映し出された映像を鑑賞する環境において、コントラストが高い鮮明な映像をスクリーンに表示することが好ましい。そのため、投影装置からの投影光をできるだけ多く反射するように、スクリーンの反射率を高くすることが一般的である。しかし、投影装置からの投影光以外に室内照明光又は外光(室外からの自然光等)が存在する場合、その照明光や外光もスクリーンに到達して反射させる。そのため、観察者には、投影装置からの投影光の反射によりスクリーン上に映し出される映像とスクリーンによって反射された照明光や外光の光とが混合されて見える。その結果、スクリーンに映し出された映像のコントラストが低減する。このようなコントラストの低減は、同時に色彩の彩度も低減させる。そのため、コントラストが高い鮮やかな映像を実現するためには、投影装置からの投射光以外の光が遮断された完全な暗室を用いることが最も望ましい。
【0003】
一方、完全な暗黒環境下においては、観察者がスクリーンに投影された映像以外のもの、例えば手元の資料などを見ることが困難になる。そのため、照明光や外光を含む光を適度に許容し、投影映像以外のものに対する視認性を確保していた。特許文献1には表面反射率を制御可能なスクリーンを有する映像投影装置が開示され、特許文献2には、反射率が変化するスクリーン、それを有する投射システム及びその投射方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−328209号公報
【特許文献2】特開2003−121943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述したように、投影装置からの光を投影用スクリーンに投影して映像を表示する場合、投影装置の投影光以外からの光を完全に遮断して暗黒環境にすると、スクリーンに映し出される映像においては高コントラストを実現できるが、投影映像以外のものが全く視認できないという課題があり、投影装置以外の照明光が存在すると、その光がスクリーンに反射されてスクリーンに映し出される映像のコントラストが低減するという課題がある。以上のような問題点は、上記特許文献1及び特許文献2における映像投影システム及び反射率変化スクリーンとそれを有する投射システムの場合も同様である。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑み、投影装置からの投影光以外の照明光を完全に遮断することなく、照明光のスクリーンの反射を抑えて高いコントラストの映像を実現する映像投影システムに関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る映像投影装置は、第1の周波数で反射率を周期的に変化させるスクリーンと、スクリーンに映像光を投影し、第1の周波数で、且つ実質的に同位相で映像光の投影光量を周期的に変化させる映像投影装置と、光を出射し、第1の周波数で、且つ実質的に逆位相で光の光量を周期的に変化させる照明光源と、スクリーン、映像投影装置、及び照明光源の駆動を制御する制御部とを具備する。
【0008】
本発明の一実施形態に係る映像投影装置は、第1の周波数で反射率を周期的に変化させるスクリーンと、スクリーンに映像光を投影する映像投影装置と、光を出射する照明光源と、第1の周波数を有して実質的に同位相となるように映像光が投影されるように、映像投影装置から投影された映像光を遮断又は透過させる映像投影装置用シャッター部と、映像投影用シャッター部を駆動させる映像投影装置用シャッター駆動部と、第1の周波数を有して実質的に逆位相となるように光が出射されるように、照明光源から出射される光を透過又は遮断させる照明光源用シャッター部と、照明光源用シャッター部を駆動する照明光源用シャッター駆動部と、照明光源の周囲に配置されて、照明光源から出射される光の拡散を防ぐ照明光源カバーと、スクリーン、映像投影装置、照明光源、映像投影装置用シャッター駆動部、及び照明光源用シャッター駆動部の駆動を制御する制御部と、を具備する。
【0009】
本発明の一実施形態に係る映像投影装置は、第1の周波数で反射率を周期的に変化させるスクリーンと、光源を含み、スクリーンの反射率の変化と同期して、且つ第1の周波数で光源からの光の経路をスクリーンの方向と外部方向とに交互に変更する、映像投影光学ユニットと、スクリーン、及び映像投影光学ユニットの駆動を制御する制御部と、を具備する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、投影光以外の照明光からの光を完全に遮断することなく、照明光のスクリーンの反射を抑えて高いコントラストの映像を実現する映像投影システムを提供することができる。
【0011】
本発明によれば、高コントラストの映像をスクリーン上に実現するとともに、スクリーンに映し出される映像以外のものの視認性を向上させる投影システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に係る映像投影システムの概略図である。
【図2A】図1に示された映像投影システムの制御部からスクリーン、投影装置、及び照明光源に出力される制御信号の波形を示す図面である。
【図2B】図2Aに示された制御信号に対応する図1に示されたスクリーンの反射率、投影装置からの光の照度、及び照明光源の照度を示す図面である。
【図3】図1に示されたスクリーンとスクリーン駆動部とを示す概略図である。
【図4】(a)図3に示されたスクリーンの構造を示す断面図及びスクリーン制御部の動作の一例を示す図面である。(b)図3に示されたスクリーンの構造を示す断面図及びスクリーン制御部の動作の一例を示す図面である。
【図5】(a)図4(a)に示されたスクリーンの構造の断面図に対応するスクリーンの平面図である。(b)図4(b)に示されたスクリーンの構造の断面図に対応するスクリーンの平面図である。
【図6】本発明の別の一実施形態に係る映像投影システムの概略図である。
【図7】図6に示されたシャッター板の一例を示す概略図である。
【図8A】図6に示された映像投影システムの制御部からスクリーン、投影装置、及び照明光源に出力される制御信号の波形を示す図面である。
【図8B】図8Aに示された制御信号に対応する図6に示されたスクリーンの反射率、投影装置からの光の照度、及び照明光源の照度を示す図面である。
【図9】本発明のさらに別の一実施形態に係る映像投影システムの概略図である。
【図10A】図9に示された映像投影システムの一例を示す概略図である。
【図10B】図10Aに示された回転ミラーを示す概略図である。
【図11】本発明の映像投影システムの制御部からスクリーン、投影装置、及び照明光源に出力される制御信号の波形の一例である。
【図12】本発明の映像投影システムの制御部からスクリーン、投影装置、及び照明光源に出力される制御信号の波形の一例である。
【図13】本発明の映像投影システムの制御部からスクリーン、投影装置、及び照明光源に出力される制御信号の波形の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る映像投影システム100の概略図である。図1に示すように、映像投影システム100は、映像が映し出されるスクリーン101と、映像光を投影する映像投影装置102と、照明光源103と、スクリーン101、映像投影装置102、及び照明光源103に接続されて、スクリーン101、映像投影装置102、及び照明光源103の動作を制御する制御部104と、を含む。
【0015】
スクリーン101は、例えば、電気泳動方式又は電子粉流体方式の電子ペーパー表示パネルであることが好ましい。本発明の実施形態では、電子粉流体方式の電子ペーパー表示パネル(例えば、ブリヂストン社製のQR−LPD(登録商標))を使用する。しかし、本発明はこれに限定されず、電気泳動方式の電子ペーパー(例えば、EInk社製の電気泳動方式のVizplex(登録商標))などを使用してもよい。また、本発明のスクリーンは、電子ペーパー表示パネルに限定されず、液晶表示パネルやエレクトロクロミック表示パネル、感熱表示パネルなど、所望の周波数で印加電圧などによりスクリーンの反射率の変化が可能な表示パネルであればよい。電子粉流体方式の電子ペーパーを使用したスクリーン101の動作についての詳細な説明は後述する。
【0016】
映像投影装置102は、例えば、データプロジェクター、又は映写機などであってもよい。照明光源103は、例えば、一般的な蛍光灯であってもよく、LED照明、水銀灯であってもよい。ここでは、蛍光灯を照明光源103として使用した例を説明する。
【0017】
制御部104は、スクリーン101、映像投影装置102、及び照明光源103の動作を制御するスクリーン反射率制御信号、投影制御信号、及び照明光源制御信号を生成して出力する。ここで、制御部104は、スクリーン101の反射率が30Hz以上で周期的に変化し、映像投影装置102の内蔵光源からの投影光量がスクリーン101の反射率の変化と同期して周期的に変化し、且つ照明光源103の光量がスクリーン101の反射率の変化と同期して周期的に変化するように、スクリーン101、映像投影装置102、及び照明光源103の動作を制御する。
【0018】
制御部104から出力されるスクリーン反射率制御信号に応じてスクリーン101の駆動を制御するスクリーン駆動部(以下に後述する)によって、スクリーン101の反射率は制御される。制御部104から出力される投影制御信号に応じて、映像投影装置602の投影光量は制御される。制御部104から出力される照明光源制御信号に応じて、照明光源103が出射する光の光量が制御される。
【0019】
図2Aは、制御部104が生成して出力する投影制御信号、照明光源制御信号、及びスクリーン反射率制御信号の波形の一例を示し、図2Bは、図2Aに示され各制御信号に対応する実際のスクリーン101の反射率、映像投影装置102からの光の照度(投影照度)、及び照明光源103の照度の一例を示す。
【0020】
制御部104は、例えば、図2Aに示されたような波形を有する投影制御信号、照明光源制御信号、及びスクリーン反射率制御信号を生成し、映像投影装置102、照明光源103及びスクリーン101にそれぞれ出力する。ここで、制御部104は、人間の眼にちらつきが感じられないような短い周期の周波数、例えば50Hzでスクリーン101のスクリーン反射率を変化させるようにスクリーン反射率制御信号を生成する。図2Aに示すように、制御部104は、スクリーン反射率制御信号と同一の周波数を有して実質的に同じ位相を有する投影制御信号を生成し、スクリーン反射率と同一の周波数を有して実質的に逆位相を有する照明光源制御信号、言い換えると、投影制御信号と同一の周波数を有して実質的に逆位相を有する照明光源制御信号を生成する。即ち、照明光源制御信号は、実質的に投影制御信号の反転信号である。スクリーン反射率制御信号と投影制御信号と照明光源制御信号とは、互いに同期している。図2Aを参照すると、t11期間ではスクリーン反射率制御信号はハイ(High)状態であり、投影制御信号もハイ状態であり、照明光源制御信号はロウ(Low)状態である。t12期間で、スクリーン反射率制御信号がハイ状態からロウ状態に遷移すると、スクリーン反射率の遷移に同期して、投影制御信号もハイ状態からロウ状態に遷移し、照明光源制御信号はロウ状態からハイ状態に遷移する。ここでは、スクリーン反射率制御信号がハイであるときに、スクリーンの反射率が高くなり、ロウであるときにスクリーンの反射率が低くなるとする。また、投影制御信号がハイであるときに投影装置からの投影光の光量が増加し、ロウであるときに投影装置からの投影光の光量が減少し、照明光源制御信号がハイであるときに照明光源からの光量が増加し、ロウであるときに照明光源からの光の光量が減少するとする。しかし、本発明はこれに限定されず、例えば、スクリーンの反射率を高くするためのスクリーン反射率制御信号の状態をロウに設定する回路方式を採用してもよい。同様に、映像投影装置からの投影光の光量を増加させる投影制御信号の状態をロウに設定してもよく、照明光源からの光の光量を増加させる照明光源制御信号の状態をロウに設定してもよい。
【0021】
図2Bは、図2Aに示された、制御部104が生成して出力する投影制御信号、照明光源制御信号、及びスクリーン反射率制御信号に対応する、実際の映像投影装置102及び照明光源103の照度、及びスクリーン101のスクリーン反射率の一例を示す。図2Bに示すように、投影照度及び照明光源照度には、所定の遅延が発生する。これは、映像投影装置102及び照明光源103における各々の照明の起動速度(起動時間)及び残光に起因し、照明の種類によって異なる(例えば、蛍光灯とLED照明とでは、残光時間が異なる)。スクリーンの反射率の遅延は、スクリーン101に含まれる電子粉流体の応答特性に起因する。
【0022】
図3は、図1に示されたスクリーン101とスクリーン駆動部301との一例を示す概略図である。図4(a)及び(b)は、図3に示されたスクリーン101の構造を示す断面図及びスクリーン制御部の動作の一例を示す図面である。図5(a)は図4(a)に示されたスクリーンの構造の断面図に対応するスクリーンの平面図であり、図5(b)は図4(b)に示されたスクリーンの構造の断面図に対応するスクリーンの平面図である。
【0023】
図3を参照すると、スクリーン101は、透明表面電極101−aと、表示層101−bと、背面電極101−cとを含む。透明表面電極101−a及び背面電極101−cは、例えば、透明電極付きのガラス基板であってもよい。透明電極付きのガラス基板は、例えば、厚さ0.5mm程度のガラス基板にITO電極を形成したものであってもよい。
【0024】
スクリーン駆動部301は、スクリーン101を駆動するための電源を有し、透明表面電極101−aと背面電極101−cとに配線で電気的に接続される。スクリーン駆動部301は、スクリーン101又は制御部104に内蔵されていてもよい。表示層101−bには、帯電した多数の電子粉流体が含まれている。透明表面電極101−a及び背面電極101−cに10〜100ボルト程度(50〜100ボルト程度が好ましい)の印加電圧を正負極性に切り替えて印加することによって、電子粉流体が表示層101−bを移動し、スクリーン101は反射率を高反射率状態又は低反射率状態に切り替えることが可能になる。ここでは、スクリーン101の透明表面電極101−a及び背面電極101−cに印加される10〜100ボルト程度(50〜100ボルト程度が好ましい)の駆動電圧を、図2Aに示されたようなスクリーン反射率と同一の周波数(例えば、50Hz)及び同一の位相で正負極性に切り替えることによって、スクリーン101の反射率を高反射率状態又は低反射率状態に切り替えて、図2Bに示すようなスクリーン反射率を実現する。
【0025】
スクリーン101の表示及びスクリーン駆動部301の動作について、図4(a)及び(b)、及び図5(a)及び(b)を参照して詳しく説明する。
【0026】
図4(a)及び(b)を参照すると、スクリーン101は、透明表面電極101−aと背面電極101−cとの間にある表示層101−bにおいて、帯電した多数の白及び黒の電子粉流体44、45と表示層101−bにおいて微小区画を定義する離隔用スペーサ43とを有する。ここでは、白電子粉流体44は、マイナスに帯電しており、黒電子粉流体45はプラスに帯電している。尚、本発明はこれに限定されず、白電子粉流体44がプラスに帯電し、黒電子粉流体45がマイナスに帯電していてもよい。離隔用スペーサ43によって区画された密閉空間である微小区画において、マイナスに帯電した白電子粉流体44とプラスに帯電した黒電子粉流体45とは、互いにほぼ同量ずつ十分な空間を残して充填される。
【0027】
離隔用スペーサ43によって離隔される透明表面電極101−aと背面電極101−cとの間隔は、例えば0.2mm弱程度が好ましいが、これに限定されるわけではない。離隔用スペーサ43の厚さは、例えば、0.01〜0.02mmであってもよいが、これに限定されるわけではない。離隔用スペーサ43の配置間隔は、例えば、0.2〜1mm程度であってもよいが、これに限定されるわけではなく、スクリーン101の寸法などに応じて適宜変更することができる。
【0028】
マイナスに帯電する白電子粉流体44として、例えば、酸化チタン、アクリル素材などを使用してもよい。また、プラスに帯電する黒電子粉流体45として、炭素微粒子、レーザー電子写真記録装置に用いられるトナーなどを使用してもよい。各々の電子粉流体44、45の表面は、摩擦が少なく粉体としての流動性の高いもの、すなわち安息角の小さな粉流体が、スクリーン反射率が変化するスクリーン101の安定的な動作のためには望ましい。摩擦を少なくして、流動性を高くするためには、例えば、粉流体表面に細かい凹凸を設けることにより実現することができる。
【0029】
スクリーン駆動301は、プラス電源46と、マイナス電源47と、切り替えスイッチ48とを有する。切り替えスイッチ48によって、プラス電源46及びマイナス電源47を切り替えることによって、透明表面電極101−aと背面電極101−cとに印加される電圧の正負を切り替える。これによって、透明表面電極101−aと背面電極101−cとの間に形成される電界の方向が切り替わり、この電界の方向の切り替わりに伴って、白及び黒の電子粉流体44、45が表示層101−bの密閉空間内を移動して、スクリーン101の反射率が高反射率状態(白電子粉流体44がスクリーンの投影面側に集まった状態)と低反射率状態(黒電子粉流体45がスクリーンの投影面側に集まった状態)とに切り替わる。例えば、透明表面電極101−aにプラスの電圧が印加され、背面電極101−cにマイナスの電圧が印加されると、マイナスに帯電した白電子粉流体44が透明表面電極101−a側(スクリーン101の投影面側)に集まるため、図5(a)に示されるように、スクリーン101の反射率は高反射率状態となる。一方、透明表面電極101−aにマイナスの電圧が印加され、背面電極101−cにプラスの電圧が印加されると、プラスに帯電した黒電子粉流体45が透明表面電極101−a側(スクリーン101の投影面側)に集まるため、図5(b)に示されるように、スクリーン101の反射率は低反射率状態となる。
【0030】
本実施形態では、電子粉流体方式の電子ペーパー表示パネルをスクリーン101として使用している。電子粉流体方式の電子ペーパーは、粒子が空気中を移動するため、人の目にちらつきが視認されない30〜100Hz程度の白黒表示の高速切り替え動作が可能である(例えば、ブリヂストン社製のQR−LPD(登録商標)の場合、およそ0.2msecでの切り替えが可能である)。スイッチ48の切り替え周波数は、30〜100Hz程度がスクリーン101の反射率の制御動作としては最も実用的であるが、本発明ではこれに限定されるわけではない。前述したように、スクリーン101の透明表面電極101−a及び背面電極101−cに印加される駆動電圧(10〜100ボルト程度)を、図2Aに示されたようなスクリーン反射率と同一の周波数(例えば、50Hz)及び同一の位相で正負極性に切り替えることによって、スクリーン101の反射率を高反射率状態又は低反射率状態に切り替えて、図2Bに示すようなスクリーン反射率を実現する。
【0031】
本実施形態において、スクリーン駆動部301がプラス電源46とマイナス電源47とを含む構成を説明したが、本発明はこれに限定されるわけではなく、一つの電源の出力をスイッチなどで切り替えることによって、スクリーン101の透明表面電極101−aと背面電極101−bとに印加される電圧の正負極性を切り替えてもよい。また、交流電源をスクリーン駆動部301として使用してもよい。
【0032】
前述したように、本実施形態のスクリーン101のスクリーン反射率は、制御部104から出力されるスクリーン反射率制御信号によって、人の眼にちらつきが視認されない30Hz以上(例えば、50Hz)で周期的に変化する。映像投影装置の内蔵光源からの投影光量は、スクリーン反射率制御信号と同一の周波数を有して実質的に同じ位相を有する投影制御信号によって、スクリーンの反射率の変化と同期して、スクリーン反射率の変化と同一の周波数を有して実質的に同位相で変化する。また、照明光源103からの光の光量は、スクリーン反射率制御信号と同一の周波数を有して実質的に逆位相を有する照明光源制御信号によって、スクリーンの反射率の変化と同期して、スクリーン反射率の変化と同一の周波数を有して実質的に逆同位相で変化する。即ち、映像投影装置102及び照明光源103から出射される光は、互いにスクリーン101の反射率の変化と同期して交互に出射される。
【0033】
人の眼にちらつきが視認されない周波数としては50Hz前後が適当であるが、30Hzまでは許容でき、50〜500Hz程度の周波数を用いることは機器構成さえ可能であれば差し支えない。
【0034】
これによって、例えば、スクリーン101の反射率が低いとき(スクリーン101の投影面側の黒電子粉流体45が集まっているとき)、照明光源103の照明光量が増加し、逆に映像投影装置102からの投影光量が減少する。即ち、スクリーン101の反射率が低いときには、照明光源103の光量が増加するため映像鑑賞室内が明るくなる。このとき、スクリーン101の反射率が低くなっているため、スクリーン101による照明光源103から出射される光の反射が抑制されて、スクリーン101に映し出されている映像の非鮮明化が防ぐことができる。したがって、照明光源103の光量が増加しても、スクリーン101に映し出された映像は(全体的に白く見えずに)高コントラストを維持することが可能となる。また、照明光源103の光量が増加するため、映像鑑賞室内が明るくなり、観察者は、スクリーン101に映し出される映像だけでなく、手元の資料などを視認することが可能となる。
【0035】
一方、スクリーン101の反射率が高いとき(スクリーン101の投影面側に白電子粉流体44が集まっているとき)、映像投影装置102からの投影光量が増加し、逆に照明光源103の照明光量が減少する。即ち、スクリーン101の反射率が高いときには、映像鑑賞室内が暗くなり、映像投影装置102からの映像光がスクリーン101に投影されるため、高コントラストの鮮明な映像が観察者に視認される。
【0036】
前述したように、スクリーン101の反射率の変化と、それに同期する映像投影装置102からの投影光量の変化及び照明光源103の光量の変化とは、人の眼にちらつが視認されない周波数で実現される。そのため、観察者は、常に、同じ明るさに感じられる鑑賞環境において高コントラストの映像を視認することが可能となる。また、照明光源103により映像鑑賞室内が明るくなるため、観察者は、スクリーン101に映し出される映像以外のもの、例えば手元の資料などを視認すること可能となる。また、スクリーンに映し出された映像を鑑賞する環境において、照明光だけでなく外光(自然光など)が存在する場合であっても、観察者はコントラストが向上した映像を視認することができる。
【0037】
(実施形態2)
次に、図6を参照して、本発明の実施形態2に係る映像投影システム600を説明する。図6は、本発明の実施形態2に係る映像投影システム600の概略図である。
【0038】
図6に示すように、映像投影システム600は、映像が映し出されるスクリーン601と、映像光を投影する映像投影装置602と、照明光源603と、映像投影装置用シャッター605と、映像投影装置用シャッター駆動部606と、照明光源用シャッター607と、照明光源用シャッター駆動部608と、スクリーン601、映像投影装置602、照明光源603、映像投影装置用シャッター駆動部606、及び照明光源用シャッター駆動部608に接続されて、スクリーン601、映像投影装置602、照明光源603、映像投影装置用シャッター駆動部606、及び照明光源用シャッター駆動部608の動作を制御する制御部604と、照明光源用カバー609とを含む。図示してはいないが、映像投影システム600は、スクリーン602の駆動を制御するスクリーン駆動部を含んでもよい。実施形態1と同様の構成要素については、重複する説明を省略する。
【0039】
スクリーン601は、実施形態1において使用されたスクリーン101と同様のものであり、実施形態1と同様に、制御部604から出力される、人間の眼にちらつきが感じられないような短い周期の周波数、例えば50Hzを有するスクリーン反射率制御信号に応答して、反射率が制御される。スクリーン601の構造及び動作もまた、実施形態1のスクリーン101と同様であるため、説明は省略する。
【0040】
前述の実施形態1とは異なり、映像投影装置602は、ある一定の光量で映像光をスクリーン601に投影するように制御される。同様に、照明光源603は、ある一定の光量の光を出射するように制御される。
【0041】
実施形態1とは異なり、本実施形態の映像投影システム600は、映像投影装置602の内蔵光源からスクリーン601に照射される光の経路に配置された映像投影装置用シャッター605と、映像投影装置用シャッター605と制御部604とに接続された映像投影装置用シャッター駆動部606と、照明光源603から出射される光の経路に配置された照明光源用シャッター607と、照明光源用シャッター607と制御部604とに接続された照明光源用シャッター駆動部608と、照明光源603の周囲を囲むように配置された照明光源用カバー609とを備える。
【0042】
映像投影装置用シャッター605は、映像投影装置602に内蔵される光源からスクリーン601に照射される光を遮断又は透過させる。映像投影装置用シャッター駆動部606は、スクリーン601の反射率の変化と同期して且つ同じ周波数で、映像投影装置602からスクリーン601に照射される光を遮断又は透過させるように、映像投影装置用シャッター605の動作を制御する。
【0043】
図7は、映像投影装置用シャッター605の一例を示した概略図である。映像投影装置用シャッター605は、例えば、円盤形状を有し、穴部605aを含む。映像投影装置用シャッター駆動部606によって、映像投影装置用シャッター605を所定の回転数で回転させることによって、映像投影装置602からスクリーン601に照射される光を映像投影装置用シャッター605の穴部605aから周期的に透過させる。尚、映像投影装置用シャッター605の穴部605a以外の部分は、シャッター板として機能し、映像投影装置602からに完全に光を遮断するが、これに限定されず、映像投影装置用シャッター605の材質に応じて、透過する光の量を調節可能であってもよい。
【0044】
照明光源用シャッター607は、照明光源603から出射される光を遮断又は透過させる。照明光源用シャッター駆動部608は、スクリーン601の反射率の変化と同期して且つ同じ周波数で、照明光源603から出射される光を遮断又は透過させるように、照明光源用シャッター607の動作を制御する。照明光源用カバー609は、照明光源603から出射される光が照明光源用シャッター607によって効率的に遮断又は透過されるように、照明光源603から出射される光の拡散を防止する。
【0045】
照明光源用シャッター607は、図示はしないが、映像投影装置用シャッター605と同様の形状を有してもよい。即ち、図7に示されたような、円盤形状を有し、穴部を含んでもよい。この場合、照明光源用シャッター駆動部608によって、照明光源用シャッター607を所定の回転数で回転させることによって、照明光源603から出射される光を照明光源用シャッター607の穴部から周期的に透過させる。映像投影装置用シャッター605と同様に、シャッター板として機能する穴部以外の部分は、照明光源から出射される光を完全に遮断するが、これに限定されず、照明光源用シャッター607の材質に応じて、透過する光の量を調節可能であってもよい。
【0046】
本実施形態の制御部604は、スクリーン601、映像投影装置602、照明光源603、映像投影装置用シャッター駆動部606、及び照明光源用シャッター駆動部608に接続されて、スクリーン601、映像投影装置602、照明光源603、映像投影装置用シャッター駆動部606、及び照明光源用シャッター駆動部608の動作を制御するスクリーン反射率制御信号、投影制御信号、照明光源制御信号、映像投影装置用シャッター駆動制御信号、及び照明光源用シャッター駆動制御信号を生成して出力する。
【0047】
前述したように、映像投影装置用シャッター駆動部606は、映像投影装置用シャッター駆動制御信号に応答して、スクリーン601の反射率の変化と同期して且つ同じ周波数で、映像投影装置602から出射される光を遮断又は透過させるように、映像投影装置用シャッター605を駆動する。また、照明光源用シャッター駆動制御部608は、照明光源用シャッター駆動制御信号に応答して、スクリーン601の反射率の変化と同期して且つ同じ周波数で、照明光源603から出射される光を遮断又は透過させるように、照明光源用シャッター607を駆動する。
【0048】
図8Aは、制御部604が生成して出力する、投影制御信号、照明光源制御信号、及びスクリーン反射率制御信号の波形の一例を示し、図8Bは、図8Aに示され各制御信号に対応する実際の映像投影装置からの光の照度(投影照度)、照明光源の照度、及びスクリーンの反射率の一例を示す。
【0049】
図8Aにおいて、スクリーン反射率制御信号は、スクリーン601のスクリーン反射率を人間の眼にちらつきが感じられないような短い周期の周波数、例えば50Hzを有する。図8Aに示すように、制御部604は、一定の投影制御信号及び照明光源制御信号を出力する。図8Aを参照すると、t11期間ではスクリーン反射率制御信号はハイ状態であり、投影制御信号及び照明光源制御信号はハイ状態のまま一定である。t12期間で、スクリーン反射率制御信号がハイ状態からロウ状態に遷移する。
【0050】
図8Bは、図8Aに示された、制御部604が生成して出力する投影制御信号、照明光源制御信号、及びスクリーン反射率制御信号に対応する、実際の映像投影装置602及び照明光源603の照度、及びスクリーン601のスクリーン反射率の一例を示す。映像投影装置902から出射される光は、映像投影装置用シャッター駆動部606によって駆動される映像投影装置用シャッター605によって、スクリーン601の反射率の変化と同期して且つ同じ周波数で実質的に同位相を有するように制御される。照明光源603から出射される光は、照明光源用シャッター駆動部608によって駆動される照明光源用シャッター607によって、スクリーン601の反射率の変化と同期して且つ同じ周波数で実質的に逆位相を有するように制御される。
【0051】
図8Bに示すように、投影照度及び照明光源照度には、所定の遅延が発生する。これは、映像投影装置602及び照明光源603から出射される光を遮断する映像投影装置用シャッター605及び照明光源用シャッター607の回転速度に起因し、その速度によって異なる。スクリーンの反射率の遅延は、スクリーン101に含まれる電子粉流体の応答特性に起因する。
【0052】
前述したように、本実施形態のスクリーン601のスクリーン反射率は、制御部604から出力されるスクリーン反射率制御信号によって、人の眼にちらつきが視認されない30Hz以上(例えば、50Hz)で周期的に変化する。映像投影装置の内蔵光源からの投影光量は、スクリーン反射率の変化と同一の周波数を有して実質的に同じ位相を有するように、映像投影装置用シャッター605によって、スクリーンの反射率の変化と同期して変化する。また、照明光源103の光量は、スクリーン反射率の変化と同一の周波数を有して実質的に逆位相を有するように、照明光源用シャッター607によって、スクリーンの反射率の変化と同期して変化する。即ち、映像投影装置602からの光と照明光源103からの光とは、互いにスクリーン101の反射率と同期して交互に出射される。
【0053】
これによって、例えば、スクリーン601の反射率が低いときに、照明光源603の照明光量が増加し、逆に映像投影装置602からの投影光量が減少する。即ち、スクリーン601の反射率が低いときには、照明光源603の光量が増加するため映像鑑賞室内が明るくなる。このとき、スクリーン601の反射率が低くなっているため、スクリーン601による照明光源603から出射される光の反射が抑制されて、スクリーン601に映し出されている映像の非鮮明化が防がれる。したがって、照明光源603の光量が増加しても、スクリーン601に映し出された映像は(全体的に白く見えずに)高コントラストを維持することが可能となる。また、照明光源603の光量が増加するため、映像鑑賞室内が明るくなり、観察者は、スクリーン601に映し出される映像だけでなく、手元の資料などを視認することが可能となる。
【0054】
一方、スクリーン601の反射率が高いときに、映像投影装置602からの投影光量が増加し、逆に照明光源603の照明光量が減少する。即ち、スクリーン601の反射率が高いときには、映像鑑賞室内が暗くなり、映像投影装置602からの映像光がスクリーン601に投影されるため、高コントラストの鮮明な映像が観察者に視認される。
【0055】
前述したように、スクリーン601の反射率の変化と、それに同期する映像投影装置602からの投影光量の変化及び照明光源603の光量の変化とは、人の眼にちらつが視認されない周波数で実現される。そのため、観察者は、常に、同じ明るさに感じられる鑑賞環境において高コントラストの映像を視認することが可能となる。また、照明光源603により映像鑑賞室内が明るくなるため、観察者は、スクリーン601に映し出される映像以外のもの、例えば手元の資料などを視認すること可能となる。また、スクリーンに映し出された映像を鑑賞する環境において、照明光だけでなく外光(自然光など)が存在する場合であっても、観察者はコントラストが向上した映像を視認することができる。
【0056】
本実施形態では、映像投影装置602から出射される光量を映像投影装置用シャッター605によって制御し、照明光源603から出射される光量を照明光源用シャッター607によって制御される例を説明したが、本発明はこれに限定されるわけではない。図示してはいないが、制御部604が、実施形態1と同様に、映像投影装置602から出射される光量を制御する投影制御信号、又は照明光源603から出射される光量を制御する照明光源制御信号のいずれか一方を生成して、映像投影装置602から出射される光量、又は照明光源603から出射される光量のいずれか一方が実施形態1と同じように、制御部604によって制御されてもよい。
【0057】
(実施形態3)
次に、図9を参照して、本発明の実施形態3に係る映像投影システム900を説明する。図9は、本発明の実施形態3に係る映像投影システム900の概略図である。
【0058】
図9を参照すると、映像投影システム900は、映像が映し出されるスクリーン901と、映像投影光学ユニット905と、スクリーン901及び映像投影光学ユニット905に接続されて、スクリーン901及び映像投影光学ユニット905の動作を制御する制御部904とを含む。映像投影光学ユニット905は、光源906と、光源からの光の拡散を防止する光拡散防止部907と、光拡散防止部907を通して出射された光の経路を変更する光経路変換部908と、光経路変換部908を通って入射する光を利用して映像光をスクリーンに投影する映像投影部902と、光経路変換部908からの光を拡散させる第1の光拡散部910と、第1の光拡散部910を通った光をさらに広範囲に拡散させる第2の光拡散部911と、拡散された光が映像投影光学ユニット905から外部に出射される出射窓912とを有する。図示してはいないが、映像投影システム900は、スクリーン902の駆動を制御するスクリーン駆動部を含んでもよい。また、図示してはいないが、映像投影システム900は、光経路変換部908を駆動する光経路変換部駆動部を含んでもよい。実施形態1及び実施形態2と類似の構成要素については、重複する説明を省略する。
【0059】
スクリーン901は、実施形態1及び実施形態2において使用されたスクリーン101及び601と同様であり、実施形態1及び実施形態2と同様に、制御部904から出力される、人間の眼にちらつきが感じられないような短い周期の周波数、例えば50Hzを有するスクリーン反射率制御信号に応答して、反射率が制御される。スクリーン901の構造及び動作もまた、実施形態1及び実施形態2のスクリーン101及び601と同様であるため、説明は省略する。
【0060】
制御部904は、スクリーン902と映像投影光学ユニット905とに接続される。実施形態1及び実施形態2と同様に、制御部904は、人間の眼にちらつきが感じられないような短い周期の周波数、例えば50Hzを有するスクリーン反射率制御信号を生成して出力し、スクリーン902の動作を制御する。また、制御部904は、映像投影光学ユニット905の動作を制御する制御信号を生成して出力し、映像投影光学ユニット905の動作を制御する。この制御信号は、例えば、後述する光経路変換部908の動作を制御する光経路変換制御信号などを含む。
【0061】
前述の実施形態1及び実施形態2とは異なり、光源906と、光源906からの光の拡散を防止する光拡散防止部907と、光拡散防止部907を通して出射された光の経路を変換する光経路変換部908と、光経路変換部908から入射する光を利用して映像光を投影する映像投影部902と、光経路変換部からの光を拡散させる第1の光拡散部910と、第1の光拡散部910を通った光をさらに広範囲に拡散させる第2の光拡散部911と、光を外部に出射する出射窓912とを有して、制御部604に接続される映像投影光学ユニット905を有する。
【0062】
図9を参照すると、映像投影光学ユニット905において、まず、光源906から、光が出射される。光源906から出射された光は、光拡散防止部907を通過して、光経路変換部908によってその経路が変更される。拡散防止部907を通った光源906からの光は、あるタイミングでは、光経路変換部908によって、図9の破線で示すように映像投影部902に入射する。別のタイミングでは、図9の一点鎖線で示すように、例えば上方向(外部方向)に出射される。映像投影部902に入射した光は、映像投影部902において所定の映像変調を受けた後にスクリーン901に照射される。図9の一点鎖線で示すように、光経路変換部908によって、例えば上方向に出射された光は、第1の光拡散部910を通って拡散され、さらに第2の光拡散部911を通ってさらに拡散されて、出射窓912から映像鑑賞室内に出射される。映像鑑賞室内に出射された光は、例えば、天井に照射されて、間接照明として鑑賞室内を照らす。
【0063】
本実施形態において、光源906として、例えば、ハロゲンランプ、水銀灯、LED光源を使用してもよいが、本発明はこれらに限定されず、他の光源を使用してもよい。
【0064】
光拡散防止部907は、光源906から出射される光の拡散を防止するためのものであり、例えば、凸レンズであってもよい。
【0065】
光経路変換部908は、入射してくる光の出射角度を変えることにより、光源906からの光を映像投影部902方向と鑑賞室内に出射される方向(外部方向)、例えば、上方向とに一定の周期で交互に出射する。光経路変換部908としては、例えば、半円鏡面部が形成された円盤状の回転ミラーであってもよい。光経路変換部908に回転ミラーを使用する場合、回転ミラーは、毎秒50回転〜100回転することが好ましい。回転ミラーが毎秒50回転〜100回転すれば、観察者から見てスクリーン902に映し出される映像と鑑賞室内に出射される光とにちらつきが視認されず、理想的な映像鑑賞環境を実現することができる。ここで、映像投影部902方向と鑑賞室内に出射される方向とに向かう光の出射が、スクリーン901の反射率の変化と同期するように、光経路変換部908は制御部904に制御される。具体的には、光経路変換部908は、スクリーン901の反射率が高いタイミングでは映像投影部902方向に光を出射する。逆に、スクリーン901の反射率が低いタイミングでは鑑賞室内に出射される方向に光を出射する。前述したように、回転ミラーを用いる場合、毎秒50回転〜100回転させることが好ましいが、本発明はこれに限定されず、これよりも少ない回転数又は多い回転数であっても所定の効果を実現することが可能である。光経路変換部908に回転ミラーを使用する例は、以下に詳述する。
【0066】
第1の光拡散部910及び第2の光拡散部911は、入射してくる光の光路を鈍角化、即ち、光を拡散させるものであればよい。一例として、第1の光拡散部910は凹レンズであってもよく、第2の光拡散部911は拡散用凹凸レンズであってもよい。拡散用凹凸レンズは、例えば、深さ2mm程度の凹凸を約4mm間隔で表面に有する厚さ4mm程度のガラス板を使用してもよい。しかし、第1の光拡散部910及び第2の光拡散部911は、これらに限定されず装置の寸法などに応じて、材質や寸法を適宜変更してもよい。
【0067】
本実施形態では、第1の光拡散部910及び第2の光拡散部911が両方使用されている例を示したが、本発明はこれに限定されず、第1の光拡散部910及び第2の光拡散部911のどちらか一方が省略されてもよく、また、両方とも省略されてもよい。
【0068】
映像投影部902は、例えば、一般的な透過型液晶シャッター板、反射型液晶板、マイクロミラーアレイ等であってもよい。しかし、本発明はこれらに限定されず、光選択制御系とレンズ系とを備えるものであればよい。
【0069】
本実施形態において、光経路変換部908によって、光源906から出射される光は、映像投影部902に方向と鑑賞室内に出射される方向、例えば上方向とに出射される。映像投影部902に出射された光は、所定の映像変調を受けた後にスクリーン901に照射される。室内に出射される方向、例えば上方向に出射された光は、拡散レンズなどを通って、間接照明として映像鑑賞室内に出射される。光経路変換部908には、前述したように、回転ミラーなどが使用されてもよい。半円鏡面部が形成された回転ミラーを高速で回転させることによって、図8Bに示したようなタイミングでスクリーン901の反射率の変化に同期させて、観察者の眼にちらつきが視認されないように、映像投影光と照明光源光とを交互に高速で点滅制御することが可能になる。
【0070】
前述したように、本実施形態のスクリーン901のスクリーン反射率は、制御部904から出力されるスクリーン反射率制御信号によって、人の眼にちらつきが視認されない30Hz以上(例えば、50Hz)で周期的に変化する。映像投影光学ユニット905の光源906からの光は、光経路変換部908によって、映像投影部902に入射して、スクリーン901の反射率の変化と同期して、且つスクリーン901の反射率の変化と同一の周波数を有して実質的に同位相で映像投影部902から映像光として出射される。また、前述したように、映像投影光学ユニット905の光源906からの光は、映像投影光学ユニット905から鑑賞室内に出射されて、照明光源としても使用される。映像投影光学ユニット905から鑑賞室内に出射される光は、スクリーン901の反射率の変化と同期して、且つスクリーン901の反射率の変化と同一の周波数を有して実質的に位相で光経路変換部908から出射される。上述したように、映像投影部902方向と鑑賞室内に出射される方向とに向かう光源906からの光の出射が、スクリーン901の反射率の変化と同期して同一の周波数を有するように、光経路変換部908は制御部904によって制御される。具体的には、光経路変換部908は、スクリーン901の反射率が高いタイミングでは映像投影部902方向に光を出射する。逆に、スクリーン901の反射率が低いタイミングでは鑑賞室内に出射される方向に光を出射する。
【0071】
これによって、例えば、スクリーン601の反射率が低いときに、照明光源として映像投影光学ユニット905から鑑賞室内に出射される光の光量が増加し、逆に映像投影部902からの投影光量が減少する。即ち、スクリーン901の反射率が低いときには、鑑賞室内を照らす光の光量が増加するため映像鑑賞室内が明るくなる。このとき、スクリーン901の反射率が低くなっているため、スクリーン901による鑑賞室内の光の反射が抑制されて、スクリーン901に映し出されている映像の非鮮明化が防がれる。したがって、鑑賞室内の光の光量が増加しても、スクリーン901に映し出された映像は(全体的に白く見えずに)高コントラストを維持することが可能となる。また、鑑賞室内の光の光量が増加するため、映像鑑賞室内が明るくなり、観察者は、スクリーン901に映し出される映像だけでなく、手元の資料などを視認することが可能となる。
【0072】
一方、スクリーン901の反射率が高いときに、映像投影部902からの投影光量が増加し、逆に鑑賞室内の光の光量が減少する。即ち、スクリーン901の反射率が高いときには、映像鑑賞室内が暗くなり、映像投影部902からの映像光がスクリーン901に投影されるため、高コントラストの鮮明な映像が観察者に視認される。
【0073】
前述したように、スクリーン901の反射率の変化と、それに同期する映像投影部902からの投影光量の変化及び鑑賞室内の光の光量の変化とは、人の眼にちらつが視認されない周波数で実現される。そのため、観察者は、常に、同じ明るさに感じられる鑑賞環境において高コントラストの映像を視認することが可能となる。また、映像投影光学ユニット905から出射される光により映像鑑賞室内が明るくなるため、観察者は、スクリーン901に映し出される映像以外のもの、例えば手元の資料などを視認することが可能となる。また、スクリーンに映し出された映像を鑑賞する環境において、照明光だけでなく外光(自然光など)が存在する場合であっても、観察者はコントラストが向上した映像を視認することができる。
【0074】
さらに、本実施形態では、スクリーン901に照射される映像投影光の光源と鑑賞室内に出射される光の光源とを映像投影光学ユニット905に内蔵された一つ光源で兼ねるため、映像投影部902から照射される光と同期して交互に点滅する照明光源を別途設ける必要がない。そのため、映像投影光学ユニット905に内蔵された光源を効率的に利用することができる。また、照明光源を別途設ける必要がないため、省電力を実現することができる。
【0075】
図10Aは、実施形態3の光経路変換部908に回転ミラーを使用した例を示す。図10Bは、図10Aに示された回転ミラーの平面図である。
【0076】
図10Aを参照すると、映像投影システム1000は、映像が映し出されるスクリーン1001と、映像投影光学ユニット1005と、スクリーン1001及び映像投影光学ユニット1005に接続されて、スクリーン1001及び映像投影光学ユニット1005の動作を制御する制御部1004とを含む。映像投影光学ユニット1005は、光源1006と、光源1006からの光の拡散を防止する光拡散防止部1007と、光拡散防止部1007を通して出射された光の経路を変更する光経路変換部1008と、光経路変換部1008を駆動する光経路変換部駆動部1009と、光経路変換部1008を通って入射する光を利用して映像光をスクリーン1001に投影する映像投影部1002と、光経路変換部1008からの光を拡散させる第1の光拡散部1010と、第1の光拡散部1010を通った光をさらに広範囲に拡散させる第2の光拡散部1011と、拡散された光を映像投影光学ユニット1005から外部に出射する出射窓1012とを有する。図示してはいないが、映像投影システム1000は、スクリーン1002の駆動を制御するスクリーン駆動部を含んでもよい。また、第1の光拡散部1010及び第2の光拡散部1011の一方、又は両方が省略されてもよい。スクリーン1001、映像投影光学ユニット1005、及び制御部1004の構成及び機能については、実施形態3と同様であるので、同一の要素に対する重複する説明を省略する。
【0077】
光経路変換部1008は、入射する光の角度を変更する回転ミラー1008であって、光経路変換部駆動部1009によって駆動される。光経路変換部駆動部1009は、例えば、モータであってもよい。この回転ミラー1008は、例えば円盤形状を有するガラス板であってもよい。回転ミラー1008の寸法は、例えば、厚さ1mm、半径20mm程度であってもよいが、本発明はこれに限定されず、装置の寸法などに応じて、寸法などが適宜変更されてもよい。回転ミラー1008には、ガラス円盤の半円部に、例えば、クロムメッキなどを施して半円鏡面部1008−aが形成される。回転ミラー1008の半円鏡面部1008−a以外の部分は、光を透過させる半円透過部1008−bである。しかし、本発明の光経路変換部1008はこれに限定されず、例えば、ポリゴンミラーなどを使用してもよい。
【0078】
回転ミラー1008は、光源1006と映像投影部1002との間に例えば、45度程度傾けるようにして配置される。しかし、本発明はこれに限定されず、光源1006からの光の経路を変更することができるのであれば、回転ミラー1008は何度傾いていてもよい。この回転ミラー1008を、回転ミラー1008の半円鏡面部1008−aと半円透過部1008−bとが光源1006から映像投影部1002に向かう光の光路を交互に横切るように、光経路変換部駆動部1009によって高速で回転させる。回転ミラー1008の半円鏡面部1008−aが光の光路上にあるタイミングでは、光源1006からの光は半円鏡面部1008−aによって反射されて、図10Aに一点鎖線で示された光路を通り、第1の光拡散部1010と第2の光拡散部1011を通って拡散され、鑑賞室内に照射される。一方、回転ミラー1008の半円透過部1008−bが光の光路上にあるタイミングでは、光源1006からの光は、半円透過部1008−bを通過し、図10Aの破線で示された光路を通って映像投影部1002に入射される。
【0079】
光経路変換部駆動部1009は、制御部1004から出力される光経路変換部駆動制御信号に応答して、回転ミラー1008を毎秒50回転〜100回転させる。回転ミラー1008を、毎秒50回転〜100回転させれば、観察者から見てスクリーン1002に映し出される映像と鑑賞室内に出射される光とにちらつきが視認されず、理想的な映像鑑賞環境を実現することができる。ここで、映像投影部1002方向と鑑賞室内に出射される方向とに向かう光の出射が、スクリーン1001の反射率の変化と同期するように、回転ミラー1008は光経路変換部駆動部1009及び制御部1004に制御される。具体的には、回転ミラー1008は、スクリーン1001の反射率が高いタイミングでは映像投影部1002方向に光を出射する。逆に、スクリーン1001の反射率が低いタイミングでは鑑賞室内に出射される方向に光を出射する。前述したように、回転ミラー1008を毎秒50回転〜100回転させることが好ましいが、本発明はこれに限定されず、これよりも少ない回転数又は多い回転数であっても所定の効果を実現することが可能である。
【0080】
実施形態3と同様に、スクリーン1001のスクリーン反射率は、制御部1004から出力されるスクリーン反射率制御信号によって、人の眼にちらつきが視認されない30Hz以上(例えば、50Hz)で周期的に変化する。映像投影光学ユニット1005の光源1006からの光は、スクリーン反射率の変化と同一の周波数を有して実質的に同じ位相を有するように、回転ミラー1008によって、スクリーンの反射率の変化と同期して映像投影光学ユニット1005の映像投影部1002から出射される。また、照明光源として、映像投影光学ユニット1005から鑑賞室内に出射される光が使用される。映像投影光学ユニット1005から鑑賞室内に出射される光は、スクリーン反射率の変化と同一の周波数を有して実質的に逆位相を有するように、回転ミラー1008によって、スクリーンの反射率の変化と同期して出射される。
【0081】
これによって、例えば、スクリーン1001の反射率が低いとき、照明光源として映像投影光学ユニット1005から鑑賞室内に出射される光の光量が増加し、逆に映像投影部1002からの投影光量が減少する。即ち、スクリーン1001の反射率が低いときには、鑑賞室内を照らす光の光量が増加するため映像鑑賞室内が明るくなる。このとき、スクリーン1001の反射率が低くなっているため、スクリーン1001による鑑賞室内の光の反射が抑制されて、スクリーン1001に映し出されている映像の非鮮明化が防がれる。したがって、鑑賞室内の光の光量が増加しても、スクリーン1001に映し出された映像は(全体的に白く見えずに)高コントラストを維持することが可能となる。また、鑑賞室内の光の光量が増加するため、映像鑑賞室内が明るくなり、観察者は、スクリーン1001に映し出される映像だけでなく、手元の資料などを視認することが可能となる。
【0082】
一方、スクリーン1001の反射率が高いとき、映像投影部1002からの投影光量が増加し、逆に鑑賞室内の光の光量が減少する。即ち、スクリーン1001の反射率が高いときには、映像鑑賞室内が暗くなり、映像投影部1002からの映像光がスクリーン1001に投影されるため、高コントラストの鮮明な映像が観察者に視認される。
【0083】
前述したように、スクリーン1001の反射率の変化と、それに同期する映像投影部1002からの投影光量の変化及び鑑賞室内の光の光量の変化とは、人の眼にちらつが視認されない周波数で実現される。そのため、観察者は、常に、同じ明るさに感じられる鑑賞環境において高コントラストの映像を視認することが可能となる。また、映像投影光学ユニット1005から出射される光により映像鑑賞室内が明るくなるため、観察者は、スクリーン1001に映し出される映像以外のもの、例えば手元の資料などを視認すること可能となる。
【0084】
さらに、実施形態3と同様に、スクリーン1001に照射される映像投影光の光源と鑑賞室内に出射される光の光源とを映像投影光学ユニット1005に内蔵された一つ光源で兼ねるため、映像投影部1002から照射される光と同期して交互に点滅する照明光源を別途設ける必要がない。そのため、映像投影光学ユニット1005に内蔵された光源を効率的に利用することができる。また、照明光源を別途設ける必要がないため、省電力を実現することができる。
【0085】
図11乃至図13は、本発明の実施形態1における制御部104で生成される投影制御信号、照明光源制御信号、及びスクリーン反射率制御信号の波形を変更した例を示す。図11乃至図12に示すように、投影制御信号、照明光源制御信号、及びスクリーン反射率制御信号の波形は、三角波、又はサイン波形状であってもよい。又、図13に示すように、投影制御信号、照明光源制御信号、及びスクリーン反射率制御信号の全てがオフになる期間(図13のti期間及びtj期間)、即ちスクリーンの反射率が低い状態で、映像投影光、照明光源が両方とも消える期間(全黒期間)があってもよい。また、スクリーン反射率制御信号、投影制御信号、及び照明光源制御信号のパルス幅は、適宜変更されてもよい。
【0086】
本発明の一実施形態によると、映像投影装置用シャッター部は、円盤状であり、映像光を透過する穴部を有する回転シャッターであってもよい。
【0087】
本発明の一実施形態によると、照明光源用シャッター部は、円盤状であり、光を透過する穴部を有する回転シャッターであってもよい。
【0088】
本発明の一実施形態によると、映像投影光学ユニットは、光経路変換部を通って経路が変更された光を拡散させる光拡散部をさらに含んでもよい。
【0089】
本発明の一実施形態によると、光拡散部は、第1の光拡散部と第2の光拡散部とを含んでもよい。
【0090】
本発明の一実施形態によると、映像投影光学ユニットは、光経路変換部を駆動する光経路変換部駆動部をさらに含んでもよい。
【0091】
本発明の一実施形態によると、光経路変換部は、回転ミラーであってもよい。回転ミラーは、鏡面部と透過部とを少なくとも1つの面に有してもよい。回転ミラーは、鏡面部と透過部とが形成された面に光源から出射された光が当たるように、光拡散防止部と映像投影部との間に、所定の角度だけ傾いて配置されてもよく、その角度は、45度であってもよい。
【0092】
本発明の一実施形態によると、制御部は、スクリーンの反射率の変化を制御するスクリーン反射率制御信号と、光源からの光の経路をスクリーンの方向と外部方向とに交互に変更するように映像投影光学ユニットを制御する光経路変換制御信号とを生成し、スクリーンと映像投影光学ユニットとにそれぞれ出力してもよい。スクリーン反射率制御信号は、第1の周波数を有してもよい。
【0093】
本発明の一実施形態によると、スクリーンに電圧を印加してスクリーンを駆動させるスクリーン駆動部をさらに含んでもよい。
【0094】
本発明の一実施形態によると、スクリーン駆動部は、正極性の電圧を出力するプラス電源と、負極正の電圧を出力するマイナス電源と、前記プラス電源及び前記マイナス電源の出力を切り替えるスイッチと、を含んでもよい。
【0095】
本発明の一実施形態によると、スクリーンは、電子ペーパーであってもよい。
【0096】
本発明の一実施形態によると、電子ペーパーは、スクリーン駆動部から電圧が印加される透明表面電極と、多数の帯電した電子粉流体が充填された表示層と、スクリーン駆動部から透明表面電極に印加される電圧とは逆極性の電圧が印加される背面電極と、を含んでもよい。
【0097】
本発明の一実施形態によると、映像投影装置は、データプロジェクター又は映写機であってもよい。
【0098】
本発明の一実施形態によると、映像投影部は、データプロジェクター又は映写機であってもよい。
【0099】
本発明の一実施形態によると、照明光源は、蛍光灯、水銀灯、又はLED光源のいずれか一つであってもよい。
【0100】
本発明の一実施形態によると、第1の周波数は30Hz以上であってもよい。
【符号の説明】
【0101】
100、600、900、1000 映像投影システム
101、601、901、1001 スクリーン
102、602 映像投影装置
902、1002 映像投影部
103、603 照明光源
104、604、904、1004 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の周波数で反射率を周期的に変化させるスクリーンと、
前記スクリーンに映像光を投影し、前記第1の周波数で、且つ実質的に同位相で前記映像光の投影光量を周期的に変化させる映像投影装置と、
光を出射し、前記第1の周波数で、且つ実質的に逆位相で前記光の光量を周期的に変化させる照明光源と、
前記スクリーン、前記映像投影装置、及び前記照明光源の駆動を制御する制御部と、
を具備する映像投影システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記スクリーンの反射率の変化を制御するスクリーン反射率制御信号と前記スクリーンに対する前記映像投影装置の投影光量の変化を制御する投影制御信号と前記照明光源の光量の変化とを制御する照明光源制御信号とを生成して、前記スクリーンと、前記映像投影装置と、前記照明光源とにそれぞれ出力することを特徴とする請求項1に記載の映像投影システム。
【請求項3】
前記スクリーン反射率制御信号は、前記第1の周波数を有し、
前記投影制御信号は、前記第1の周波数を有し、且つ同位相であり、
前記照明光源制御信号は、前記第1の周波数を有し、且つ逆位相であることを特徴とする請求項2に記載の映像投影システム。
【請求項4】
第1の周波数で反射率を周期的に変化させるスクリーンと、
前記スクリーンに映像光を投影する映像投影装置と、
光を出射する照明光源と、
前記第1の周波数を有して実質的に同位相となるように前記映像光が投影されるように、前記映像投影装置から投影された前記映像光を遮断又は透過させる映像投影装置用シャッター部と、
前記映像投影用シャッター部を駆動させる映像投影装置用シャッター駆動部と、
前記第1の周波数を有して実質的に逆位相となるように前記光が出射されるように、前記照明光源から出射される前記光を透過又は遮断させる照明光源用シャッター部と、
照明光源用シャッター部を駆動する照明光源用シャッター駆動部と、
前記照明光源の周囲に配置されて、前記照明光源から出射される光の拡散を防ぐ照明光源カバーと、
前記スクリーン、前記映像投影装置、前記照明光源、前記映像投影装置用シャッター駆動部、及び前記照明光源用シャッター駆動部の駆動を制御する制御部と、
を具備する映像投影システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記スクリーンの反射率の変化を制御するスクリーン反射率制御信号と、前記スクリーンに対する前記映像投影装置の投影光量の変化を制御する投影制御信号と、前記照明光源の光量の変化とを制御する照明光源制御信号と、映像投影装置用シャッター駆動部を制御する映像投影装置用シャッター駆動制御信号と、照明光源用シャッター駆動部を制御する照明光源用シャッター駆動制御信号とを生成して、前記スクリーン、前記映像投影装置、前記照明光源、映像投影装置用シャッター駆動部、及び照明光源用シャッター駆動部にそれぞれ出力することを特徴とする請求項4に記載の映像投影システム。
【請求項6】
前記スクリーン反射率制御信号は、第1の周波数を有し、
前記投影制御信号及び前記照明光源制御信号は、一定であることを特徴とする請求項5に記載の映像投影システム。
【請求項7】
第1の周波数で反射率を周期的に変化させるスクリーンと、
光源を含み、前記スクリーンの反射率の変化と同期して、且つ前記第1の周波数で前記光源からの光の経路を前記スクリーンの方向と外部方向とに交互に変更する、映像投影光学ユニットと、
前記スクリーン、及び前記映像投影光学ユニットの駆動を制御する制御部と、
を具備する映像投影システム。
【請求項8】
前記映像投影光学ユニットは、
前記光源から出射された光の拡散を防止する光拡散防止部と、
前記光拡散防止部を通って入射する前記光の経路を変更する光経路変換部と、
前記光経路変換部を通って入射する前記光を利用して前記スクリーンに映像光を投影する映像投影部と、
前記光経路変換部を通って経路が変更された前記光を外部に出射する出射窓と、
をさらに有することを特徴とする請求項7に記載の映像投影システム。
【請求項9】
前記光経路変換部は、前記第1の周波数を有して実質的に同位相となるように前記映像光が前記スクリーンに投影されるように、且つ前記第1の周波数を有して実質的に逆位相となるように前記光が前記外部方向に出射されるように、前記光源から出射された前記光の経路を変更することを特徴とする請求項8に記載の映像投影システム。



【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−95678(P2011−95678A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−252226(P2009−252226)
【出願日】平成21年11月2日(2009.11.2)
【出願人】(000125369)学校法人東海大学 (352)
【Fターム(参考)】