説明

映像管理システム

【課題】映像を管理するための管理情報は、映像全体に対して一意に関連付けられるため、管理対象の映像の一部でも機密性が高い情報が含まれるなどの理由で非公開で管理する必要がある場合には、映像全体が非公開となってしまうが、映像全体のセキュリティポリシーとは別個に、公開・非公開を柔軟に設定できるようにする。
【解決手段】映像全体を管理する管理情報ではなく、映像を構成するブロック単位に公開制限を示すフラグを埋め込むことで、ブロック単位に公開範囲を管理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、映像管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術としては、例えば、視聴制限により1つの動画タイトル中に視聴可能なシーン、視聴できないシーンを設定し、限定公開した動画断片に他サイトへのリンク情報を埋め込み、動画断片の視聴者を、動画全体の視聴ができる別サイトに誘導する技術がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-259120
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、映像を管理するための管理情報は、映像全体に対して一意に関連付けを行っている。そのため、管理対象の映像の一部でも機密性が高い情報が含まれるなどの理由で非公開で管理する必要がある場合には、管理情報は映像全体に対して非公開とせざるを得ず、映像全体を非公開とすることになってしまう。その結果、機密性の低い情報を含んでいるとしても当該低い情報も公開ができなくなる。そして、映像の複数端末・ユーザでの共有ができず、編集作業や内容確認の分担ができないという課題が発生する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による映像管理システムは、一例として、映像データを格納するための格納部と、前記映像データを処理するサーバと、前記サーバの処理に関連する情報を管理する管理データベース部と、ユーザの入力と前記ユーザへの出力を受け付ける入出力装置とを有する映像管理システムであって、前記格納部は、ヘッダと複数のフレーム時刻情報と前記複数のフレーム時刻情報に対応する複数のフレーム映像とを含む映像ブロックを、複数含む映像データを格納し、前記サーバは、前記入出力装置から映像選択の入力を受けるとき、前記映像選択の入力に基づいて前記管理データベース部を照合し、前記映像選択の入力に対応した時刻情報指定の画面を前記入出力装置に表示するよう制御し、前記入出力装置から公開制限として入力される開始時刻情報と終了時刻情報とを前記ヘッダに登録するように、前記映像データをエンコードし、前記入出力装置から映像選択の再生指示入力を受けるとき、前記再生指示入力に基づいて前記管理データベース部を照合し、照合結果に基づいて前記再生指示入力に対応した前記映像データをデコードすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
映像を構成するブロック毎に公開制限を管理することができるため、映像全体のセキュリティポリシーとは別個に、部分毎の公開、非公開を柔軟に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】映像データを管理するシステム構成図例である。
【図2】映像を構成するブロック図例である。
【図3】デコーダを構成するブロック図例である。
【図4】実施例2の外部メディアの映像データを管理するシステム構成図例である。
【図5】実施例2の複数映像ブロックで構成する映像のブロック図例である。
【図6】映像の一部分に公開制限を行う処理フロー例である。
【図7】映像を使用する際のパスワード入力処理フロー例である。
【図8】映像の一部分がTC指定で公開制限された映像を出力する処理フロー例である。
【図9】実施例2の映像の一部分がブロック単位で公開制限された映像を出力する処理フロー例である。
【図10】ユーザ情報の管理テーブル例である。
【図11】映像情報の管理テーブル例である。
【図12】排他情報の管理テーブル例である。
【図13】管理映像を一覧表示する画面例である。
【図14】パスワードを入力する画面例である。
【図15】TCを指定して公開を制限する区間を登録する画面例である。
【図16】実施例2のブロック指定で公開制限する区間を登録する画面例である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施例を図面を用いて説明する。なお、図1に示すシステムでの各種の処理動作について、図2〜図3でブロック図例を、図6〜9において機能ごとのフローチャート例を、図10〜12において管理テーブル例を、図13〜16において実施例1のユーザが操作する画面例を示す。なおここでは実施例1と実施例2について纏めて図面について説明したが、図4,5,9,16は特に実施例2に関するものであり、また一部の図面は実施例1,2で共通して適用されるものである。
【実施例1】
【0009】
本実施例では、映像ストレージに保存された、機密性の高く公開制限ありと管理されるデータを、データに埋め込まれる時刻情報(以降TCと略す)で指定する例を説明する。
【0010】
図1は、映像データを管理するシステム構成図の例である。
【0011】
操作端末0101は、入力装置と出力装置を含む。本入力装置及び出力装置は、映像内容を確認する処理の他、映像に対して公開制限を行う処理の場合にも使用する。
【0012】
処理サーバ0111は、処理制御部0112とデコーダ0113とエンコーダ0115を有する。デコーダ0113は、代替映像0114をデータとして格納する。代替映像0114には、黒味映像(一定の色のデータからなるデータ)やカラーバーなど固定された映像音声データを使用する。
【0013】
管理データベース(管理DB)0121は、処理サーバ0111の処理に関連する情報を格納する、ユーザ情報管理テーブル0122と映像情報管理テーブル0123と排他管理テーブル0124を有する。 格納部としての映像ストレージ0131は、映像データ0132を格納する。映像データは、ヘッダとフレーム映像で構成される。ヘッダには、当該映像データを作成・編集した際に設定したTCが含まれる。
【0014】
処理制御部0112は、映像情報管理テーブル0123が管理するデータを映像一覧画面として入出力装置に表示する。デコーダ0113は映像ストレージ0131が管理する映像データ又は、デコーダ内に保存された黒味画像0114を指定したTCの間出力する処理を行う。
【0015】
処理制御部0112は、デコーダに指示し、デコーダが出力する映像の再生、停止などのコントロールを行う。
【0016】
また、処理制御部0112は、エンコーダに指示し、映像データ0132のヘッダやフレーム映像を編集する処理を行う。 図2は、映像データを構成するブロック図例である。映像データ0201は、可変長の映像ブロック0202を複数含む。映像ブロック0202は、ヘッダ0211とフレーム映像群0221を有する。ヘッダ0211は、先頭TC0212と終了TC0213と、制限フラグ0214と次ブロックTC0215を有する。フレーム映像群0221は、フレームTC0222とフレーム映像0223との組合せを、その映像ブロック先頭TC0212から終了TC0213の区間分に対応するように複数含んで構成されている。ヘッダ0211の先頭TC0212は、フレーム映像群で先頭のフレームTCに対応し、終了TC0213はフレーム映像群で最終のフレームTCに対応する。
【0017】
処理制御部0112は、開始TCと終了TCの区間が一定のTC区間(m)に満たない場合は、エンコーダ0115に対して、先頭TC0212と終了TC0213を指定して、次ブロックTC0215は空として登録し、映像のエンコードを指示する。
【0018】
処理制御部0112は、開始TCと終了TCの区間が一定のTC区間(m)を超える場合は、終了TCに対して先頭TC+mを指定して映像ブロックの作成を指示し、次の映像ブロックが存在するため次ブロックTC0215に終了TC+1として登録し、映像のエンコードを指示する。映像ブロックの作成は、最後の映像ブロックの終了TCが一定のTC区間(m)を超えなくなるまで継続する。制限フラグ0214は、映像ブロックが公開制限をかけられる場合に1とし、制限がかけられていない場合は0とする。公開制限の設定方法は後述する。 図3は、デコーダを構成するブロック図例である。実施例1では、可変長の映像データを処理する場合のデコーダについて説明する。
【0019】
デコーダ0113は、映像デコード部0311と映像解析部0312とヘッダ解析部0313と黒味映像格納部0114と映像切替部0315を有する。
【0020】
映像デコード部0311は、入力された映像データ0201のデコード後に、映像ブロック0202毎に入力ヘッダ0211とフレーム映像群0221へ分解し、フレーム映像群0221を映像解析部0312に、ヘッダ0211をヘッダ解析部0313に各々入力する。
【0021】
映像解析部0312は、入力されたフレーム映像群0221を各フレーム毎にフレームTC0222とフレーム映像0223に分解し、フレームTC0222をヘッダ解析部0313に、フレーム映像0223を映像切替部0315に入力する。
【0022】
ヘッダ解析部0313は、ヘッダ0211を解析して先頭TC0212と終了TC0213と制御フラグ0214と次ブロックTC0215を参照する。また、映像解析部0312から入力されたフレームTC0222から各フレームの時刻情報を判定する。そして、先頭TC0212と終了TC0213との対照とフレームTC0222に基づいて、映像を挿入する場合には、映像切替部0315に挿入する映像を、代替映像0114かフレーム映像0223のいずれにするか指示する。
【0023】
映像切替部0315は、ヘッダ解析部0313から受信した指示内容に従い映像解析部0312から入力されたフレーム映像0223と黒味映像0114のどちらかを、各フレームTC0222に基づく出力映像0321として出力する。
【0024】
図6は、映像の再生範囲の中でTCを指定して、公開制限を付与する処理フローの一例である。
【0025】
映像の作成者は、ログイン処理として、入出力装置0101からIDとログインパスワードを入力する。処理制御部0112は、入力されたIDとログインパスワードについて、ユーザ情報管理テーブル0122(例として図10に2101を図示)に格納されるログインID2102とログインパスワード2105と照合し認証処理を行う。確認処理が完了すると、映像情報管理テーブル0123(例として図11に2201を図示)に格納された情報を、映像一覧画面3101として入出力装置0101に表示する(1101)。
【0026】
ユーザは、入出力装置0101の映像一覧画面3101から映像を選択して映像選択を入力する(1102)。
【0027】
処理制御部0112は、入力された映像選択に基づいて、映像番号を映像情報管理テーブル0123(例として図11に2201を図示)の映像選択に該当する映像番号と映像番号2202とを照合し、当該レコードの映像パスワード2207が設定されているかを確認する(1103)。
【0028】
処理制御部0112は、当該レコードに映像パスワード2207が登録されていないことを確認する場合、TC指定公開制限登録画面3301を表示する(1105)。
【0029】
処理制御部0112は、当該レコードに映像パスワード2207がすでに登録されていることを確認する場合は、映像パスワード入力画面3201を入出力装置0101に表示する(1104)。映像パスワード入力画面3201でのユーザの映像パスワード入力について認証が成功すれば、処理制御部0112は入出力装置0101にTC指定公開制限登録画面3301を表示するよう制御する(1105)。映像パスワード入力画面3201でのユーザの映像パスワード入力について認証が失敗した場合、または認証をキャンセルした場合は、処理制御部0112は入出力装置の表示を映像一覧画面3101に戻るよう制御する(1101)。
【0030】
TC指定するためのTC指定公開制限登録画面3301では、ユーザが映像操作ボタン3315を押下すると、処理制御部0112はデコーダ0113に対して映像データのデコードと入出力装置0101への出力を指示し、入出力装置0101に映像データを送信し、映像の試写が処理される。
【0031】
ユーザが開始TC入力ボタン3316を押下するとき、処理制御部0112は、そのときに試写されている映像データ中のフレーム映像に対応するフレームTC0222を制限開始TC表示部3318に表示する。
【0032】
ユーザが終了TC入力ボタン3316を押下するとき、処理制御部0112は、そのときに試写されている映像データ中のフレーム映像に対応するフレームTC0222を制限終了TC表示部3319に表示する(1106)。
【0033】
ユーザがキャンセルボタン3205を押下するとき、処理制御部0112は公開制限処理をキャンセルし、映像一覧画面に戻る(1107)
ユーザが登録ボタン3321を押下するとき、処理制御部0112はエンコーダ0115に対して、制限開始TC表示3318に表示された値と制限終了TC表示3319を区切り位置として公開を制限された映像ブロックを作成するよう指示する。
【0034】
処理制御部0112は、制限開始TC表示部3318に表示された値をヘッダの開始TC0212に登録し、制限終了TC表示部3319に表示された値をヘッダの終了TC0213に登録し、制限フラグ0214に1を登録する。ブロックが分割される長さの場合は、ブロックを分割の上、ヘッダの次ブロックTCに次ブロックの開始TCを登録し、各々のブロックの制限フラグ0214に1を登録し、エンコードするよう指示する。(1108)。
【0035】
図7は映像データを試写処理する際の排他管理テーブルを用いるときの処理フローの一例である。
【0036】
処理制御部0112は、映像を再生するユーザが、ログイン処理として入力装置から入力したIDとログインパスワードと、ユーザ管理テーブル0122(例として図10に2101を図示)に保存されたデータを照合し認証処理を行う。合致する場合には、映像情報管理テーブル0123(例として図11に2201を図示)に格納された情報を、映像一覧画面3101として入出力装置0101に表示する(1201)。
【0037】
ユーザは、入出力装置0101の映像一覧画面3101から映像を選択し、再生ボタン3103を押下し、再生指示入力をする(1202)。
【0038】
ユーザが映像一覧画面3101から映像を選択して再生指示入力すると、処理制御部0112は、排他管理テーブル0124(例として図12に2301を図示)に選択された映像の映像番号2302を登録し、ユーザが利用している入出力端末の利用端末名2303、利用ユーザのユーザID2304を併せて登録する。処理制御部0112は、選択された映像番号に基づいて映像情報管理テーブル0123(例として図11に2201を図示)を検索し、当該レコードの映像パスワード欄2207に値が入っているときに、排他管理テーブル2301の当該レコードのパスワード入力有無欄2305に1を登録し、当該レコードの映像パスワード欄に値が入っていないときには、パスワード入力有無2305に0を登録する(1203)。
【0039】
処理制御部0112は、排他管理テーブル0124(例として図12に2301を図示)の当該レコードのパスワード入力有無2305が0であれば、デコード処理の開始(1207)に進む。パスワード入力有無2305が1であれば、映像パスワード入力画面3201を表示する(1204)。
【0040】
ユーザが映像パスワード入力画面3201でキャンセルボタン3304を押下するかまたは間違ったパスワードを入力すると、処理制御部0112は排他管理テーブル0124(例として図12に2301を図示)の更新処理を行わずデコード処理の開始(1207)に進む。ユーザがパスワード認証に成功すると、処理制御部0112は排他管理テーブル2301の更新処理(1206)を行う(1205)。処理制御部0112は、排他管理テーブル0124(例として図12に2301を図示)のパスワード入力有無2305を1から0に更新し、パスワード設定を無効化する(1206)。当該無効化の処理の上で、デコード処理の開始(1207)に進む。デコード処理(1207)が開始されてからデコード処理終了(1208)までは図8で示す。デコーダ0113は、処理制御部に0112にデコード処理終了(1208)を通知する。処理制御部0112は、排他管理テーブル0124(例として図12に2301を図示)から該当する映像番号のレコードを削除し映像の試写を完了する(1209)。
【0041】
図8は映像データをデコード処理するフローである。処理制御部0112は、選択した映像データと、排他管理テーブル0124(例として図12に2301を図示)から当該映像番号のパスワード入力有無2305をデコーダ0113に入力する(1301)。デコーダ0113内の映像デコード部0311は、入力された映像データをヘッダ0211とフレーム映像群0221に分解してデコードし、フレーム映像群0221を映像解析部0312に、ヘッダ0211をヘッダ解析部0313に入力する。ヘッダ解析部0313は、ヘッダ211から開始TC0212と制御終了TC0213と制御フラグ0214と次ブロックTCを抽出する 。(1302)。映像解析部0312は、フレーム映像群の先頭のフレーム映像から解析を開始し、各フレームごとにフレームTC0222とフレーム映像0223を抽出し、フレームTC0222をヘッダ解析部0313に、フレーム映像0223を映像切替部0315に入力する。(1303)。
【0042】
ヘッダ解析部0313は、当該映像のパスワード入力有無2305の値を排他管理テーブルを用いて確認する(1304)。ヘッダ解析部0313は、当該映像のパスワード入力有無が0であれば、パスワードの入力が不要または入力済みであると判定し、映像切替部0315に対して該当する開始TC0212から終了TC0213に含まれるフレームTC基づくフレーム映像をそのまま出力するよう指示する(1306)。ヘッダ解析部0313は、当該映像のパスワード入力有無2405が1であれば、パスワード入力が未済と判断し、現在の映像ブロックの制限フラグ0214を判定する(1305)。
【0043】
ヘッダ解析部0313は、制限フラグ0214が0であれば該当する映像ブロックはパスワードの入力が不要と判定し、映像切替部0315に対して該当する開始TC0212から終了TC0213に含まれるフレームTC対応するフレーム映像をそのまま出力するよう指示する(1306)。制限フラグが1であれば、該当する映像ブロックが制限対象であると判定し、映像切替部0315に対して該当する開始TC0212から終了TC0213に含まれるフレームTC対応するフレーム映像を黒味映像0114に切り替えて出力するよう指示する(1307)。
【0044】
デコーダ0113は、映像切替部0315から出力されたフレーム映像を入出力装置0101に出力する(1308)。デコーダ0113は、映像データの終了TCに到達するまで映像の再生を繰り返し、終了TCのフレーム映像を処理後、次ブロックTC0215に値があれば、処理制御部0112に、再生TCが次ブロックTCに等しい映像ブロックを要求する。処理制御部0112は、次の映像ブロックを選択してデコーダ0113に入力する(1309)。デコーダ0113は、次フレームTCが空であることを検知すると、デコード処理を終了し、処理制御部0112に通知する(1208)。
【0045】
図10はユーザ情報管理テーブル0122の例である。ユーザ情報管理テーブル2101は、ユーザID2102とユーザ名2103とユーザの所属部局2104とユーザのログインパスワードを有する。
【0046】
図11は映像情報管理テーブル0123の例である。映像情報管理テーブル2201は、映像番号2202とタイトル2203と作成者2204と先頭TC2205と終了TC2206と映像パスワード2207を有する。先頭TC2205は映像の最も先頭のシーンに属する収録開始時間を表す。終了TC2206は映像の最も末端のシーンに属する収録完了時間を表す。
【0047】
図12は排他管理テーブル0124の例である。排他管理テーブル2301は、映像番号2302と利用端末2303と利用ユーザ2304とパスワード入力有無2305を有する。ユーザが映像を試写する操作を行うと、排他管理テーブルにレコードとして各項目が登録される。パスワード入力有無2305は、映像にパスワード入力が必要な場合に入力が完了したかどうかを判定するフラグであり、パスワード入力有無が1ならパスワード入力が未実施、パスワード入力有無が0ならパスワード入力実施済み、またはパスワード入力が不要であることを表す。
【0048】
図13は映像一覧画面の例である。映像一覧画面3101は、映像一覧表3102と、映像操作ボタン3103と公開制限指定ボタン3104を有する。ユーザは映像一覧表3102で映像を選択すると、映像操作ボタン3103と公開制限指定ボタン3104を押下することができる。映像操作ボタン3103を押下すると、処理制御部0112は、排他管理テーブル2301の当該映像番号のレコードにおけるパスワード入力有無2305を判定する。パスワード入力有無2305が1の場合、映像パスワード入力画面3201が表示される。本実施例では、パスワード認証の成功に関わらずデコードされた映像を操作する(再生、停止など)ことが可能となる。公開制限指定ボタン3104を押下するとTC指定公開制限登録画面3301が表示される。
【0049】
図14は映像パスワード入力画面の例である。映像パスワード入力画面3301は、映像番号3302とパスワード入力フォーム3303と確認ボタン3304とキャンセルボタン3305を有する。ユーザが映像番号3302対応する映像パスワードをパスワード入力フォーム3303に入力し確認ボタン3304を押下すると、処理制御部0112が、入力された映像パスワードと、映像情報管理テーブル2201の映像パスワード2207の認証処理を行う。キャンセルボタン3305を押下するとパスワード入力フォーム3303に映像パスワードを入力していたとしても、パスワード入力画面3301を終了させ呼び出し元画面に戻る。
【0050】
図15はTC指定公開制限登録画面3301の例である。TC指定公開制限登録画面3301は、映像メタ情報エリア3302と、映像利用制限区間表示エリア3311と、登録ボタン3321とキャンセルボタン3322を有する。映像メタ情報エリア3301は、映像情報管理テーブルに格納される情報から映像番号、タイトルを読み出して表示し、ユーザ情報管理テーブルから作成者と部局を読み出して表示する。映像利用制限区間表示エリア3311は、映像先頭TC3312と映像終点TC3313と公開制限区間表示3314と映像操作ボタン3315と制限開始TC入力ボタン3316と制限終了TC入力ボタン3317と制限開始TC表示フォーム3318と制限終了TC表示フォーム3319を有する。映像先頭TC3312には、映像情報管理テーブルの該当する映像番号に属する先頭TC2205が表示される。映像終点TC3313には、映像情報管理テーブルの該当する映像番号に属する終了TC2206が表示される。公開制限区間表示3314には、映像番号に対応する制限開始TCと制限終了TCに囲まれた範囲が表示される。ユーザが入出力装置を操作して映像操作ボタン3315を押下すると、処理制御部0112が映像の再生や停止をデコーダに指示する。映像操作ボタン3315を操作し再生または停止した状態で制限開始TC入力ボタン3316を押下すると、処理制御部0112はそのときにフレーム映像に対応するフレームTCをデコーダから取得し、制限開始TC表示フォーム3318に表示する。映像操作ボタン3315を操作し再生および停止した状態で制限終了TC入力ボタン3317を押下すると、処理制御部0112は現在のフレームTCをデコーダから取得し、制限終了TC表示フォーム3319に表示する。登録ボタン3321を押下すると、処理制御部0112はエンコーダに対して、制限開始TCフォームに入力されたTC3318を、当該映像番号の制限開始TC欄に登録し、制限終了TCフォームに入力されたTC3319を、当該映像番号の制限終了TC欄に登録するよう指示する。
【実施例2】
【0051】
本実施例では、映像データを格納部としての外部メディアに保存し、外部メディアから映像を再生する場合を説明する。また、実施例1では映像データを可変長の複数ファイル構成としているが、本実施例では固定長のファイルサイズのブロック単位で制限範囲を指定する。
【0052】
図4は、外部メディアの映像データを管理するシステム構成図例である。図4と図1との差異は、図1の構成において、管理DB0121で管理していた映像情報管理テーブル0123及び映像ストレージ0131で保管していた映像データ0132が、図4の構成では外部メディア0141に保管されることである。
【0053】
処理制御部0112は入出力装置0101経由で、映像情報管理テーブル0123と映像データ0132に接続することと、映像情報管理テーブルの対象範囲が、外部メディア0141内に保存された映像データに制限されている以外は図1での説明における機能と差異はない。
【0054】
図4に示すシステムでの各種の処理動作について、図5、図3でブロック図例を、図6,7、9において機能ごとのフローチャート例を、図10〜12において管理テーブル例を、図13,14,15においてユーザが操作する画面例を示す。このうち、図6,7,10,11,12,13,14は実施例1と同様であるため説明は省略する。
【0055】
図5は、複数の映像ブロックで構成する映像のブロック図例である。映像データ0501はブロック0502を複数含む。各ブロックはヘッダ0511とフレーム映像群0521を有する。ヘッダ0511は、ブロック番号0512と制御フラグ0513と、次ブロック番号0514を有する。フレーム映像群0521は、フレームTC0522とフレーム映像0523との組合せを複数含んで構成される。ヘッダ0511の次ブロック番号0514は、次ブロック番号0514を有する映像ブロックが存在することを示す。次ブロック番号0514が0の場合は、現在の映像ブロックが映像データの最終映像ブロックであることを示す。
【0056】
図3は、デコーダを構成するブロック図例である。実施例2では、固定長の映像データを処理する場合のデコーダについて説明する。
【0057】
デコーダ0113は、映像デコード部0311と映像解析部0312とヘッダ解析部0313と黒味映像0114と映像切替部0315を有する。映像デコード部0311は、入力された映像データ0501をヘッダ0511とフレーム映像群0521にへデコード後分解し、フレーム映像群0521を映像解析部0312に、ヘッダ0511をヘッダ解析部0313に各々入力する。
【0058】
映像解析部0312は、入力されたフレーム映像群0521を各フレーム毎にフレームTC0522とフレーム映像0523に分解し、フレームTC0522をヘッダ解析部0313に、フレーム映像0523を映像切替部0315に入力する。
【0059】
ヘッダ解析部0313は、ヘッダ0511を解析してブロック番号0512と制限フラグ0513と、次ブロック番号0514を参照する。また、映像切替部0315にフレームTC0522に対応つける映像を、代替映像0114かフレーム映像0523にするか指示する。
【0060】
映像切替部0315は、ヘッダ解析部0313から受信した指示内容に従い映像解析部0312から入力されたフレーム映像0523と黒味映像0114のどちらかを、各フレームTC0522に紐づく出力映像0321として出力する。
【0061】
図9は、映像の一部がブロック単位で制限した映像を出力する処理フロー例である。処理制御部0112は、選択した映像データのブロック番号1の映像ブロックと、排他管理テーブル0124(例として図12に2301を図示)から当該映像番号のパスワード入力有無2305をデコーダ0113に入力する(1301)。
【0062】
デコーダ0113内の映像デコード部0311は、入力された映像ブロックを映像データ0301としてヘッダ0511とフレーム映像群0521にデコードし、フレーム映像群0521を映像解析部0312、ヘッダ0511をヘッダ解析部0313に入力する。
【0063】
映像解析部0312はフレーム映像群0521を解析して、各フレームごとにフレームTC0522とフレーム映像0523に分解し、フレームTC0522をヘッダ解析部0313に、フレーム映像0523を映像切替部0315に入力する。
【0064】
ヘッダ解析部0313は、ヘッダ511からブロック番号0512と制限フラグ0513と次ブロック番号0514を抽出する 。(1301)。ヘッダ解析部0313は、制限フラグの値を確認する(1402)。ヘッダ解析部0313は、制限フラグが0であれば、該当するブロックに公開制限されていないため、映像切替部に対して、該当する映像ブロックのフレームTCとフレーム映像は全てそのまま出力映像として処理するよう指示する(1404)。ヘッダ解析部0313は、制限フラグが1であれば、該当するブロックが公開制限されているため、パスワード入力有無2305を確認する処理に進む(1403)。ヘッダ解析部0313は、パスワード入力有無2305の値が0の場合、すでにパスワードの認証が完了しているもしくはパスワード入力が不要と判定し、映像切替部0315に対して該当する映像ブロックのフレーム映像は全てそのまま出力映像として処理するよう指示する(1404)。ヘッダ解析部0313は、パスワード入力有無2305の値が1の場合、パスワードの認証が完了していないため、制限がかかっていると判定し、映像切替部0315に対して該当する映像ブロックのフレーム映像をデコーダーに内臓された黒味映像0114に変更するよう指示する(1405)
映像切替部0315から出力された映像は、入出力装置0102に出力される(1406)。
【0065】
ヘッダ解析部0313は、現在再生する映像がブロックの最終TCに対応することを検知すると、次ブロックが存在するかを次ブロック番号0514で確認する(1407)。ヘッダ解析部0313は、次ブロック番号0514が0以外の場合、次のブロックが存在するため、処理制御部0112に対して次ブロック映像0514に合致する映像ブロックを要求する。処理制御部0112は、次ブロック番号0514に該当する映像ブロックをデコーダに入力する(1401)。ヘッダ解析部0313は、次ブロック番号0514が0の場合、次のブロックが存在しないと判定し、デコード処理の終了を行い処理制御部0112に対して映像出力の終了を通知する(1408)。
【0066】
図16はブロック指定映像公開制限登録画面の例である。ブロック指定映像公開制限登録画面3401は、映像メタデータ表示エリア3402と、映像利用制限区間表示エリア3411と、新規パスワード登録部3421と映像操作ボタン3422と登録ボタン3423とキャンセルボタン3424を有する。映像メタデータ表示エリア3402は、映像番号とタイトルと作成者と部局を表示する。映像利用制限区間表示エリア3411は、映像先頭TC3412と映像終了TC3413と映像ブロックリスト3416と選択されたブロック毎の選択先頭TC3414と選択終了TC3415とブロック操作ボタン3417と選択ボタン3418と解除ボタン3419を有する。
【0067】
映像先頭TC3412には、映像情報管理テーブルの該当する映像番号に対応する先頭TC2205が表示される。映像終了点TC3413には、映像情報管理テーブルの該当する映像番号に対応する終了TC2206が表示される。
【0068】
映像ブロックリスト3416には、該当する映像番号に属する映像ブロックが表示される。映像ブロックにはブロック番号が表示されており一列に図示され、移動ボタン3217を押下することで処理制御部0112は、映像ブロックの表示される範囲を切り替える。ユーザが入出力装置からの入力により、公開制限をかけたい映像ブロックを選択すると、処理制御部0112にて、該当する映像ブロックの枠を太枠囲みなどで選択対象ブロックとして他のブロックと区別して表示するよう制御する。
【0069】
映像ブロックが例えば太枠の状態で、ユーザが太枠表示の選択映像ブロックを選択すると処理制御部0112は他の映像ブロックの枠を細枠として表示する。
【0070】
処理制御部0112は、枠が太枠となっている選択映像ブロックの映像を表示する際のTCの範囲として先頭TC3414と終点TC3415を表示する。
【0071】
選択映像ブロックが太枠になっている状態で、選択ボタン3418を操作すると、処理制御部0112は、当該選択映像ブロックに網掛けを表示する。この際、映像ブロックが公開制限された状態であることを表す。
【0072】
選択映像ブロックに網掛けが表示された状態で、解除ボタンを押下すると、処理制御分0112は、選択中の映像ブロックの網掛けを非表示にし、公開制限されていない状態であることを表す。
映像ブロックが太枠になっている状態で、映像操作ボタン3422を操作すると、処理制御部0112はデコーダ0113に該当する映像ブロックのデコード処理を指示し、映像を再生停止することが可能となる。また、新規パスワード登録部3421に、新しいパスワードを入力することができる。
【0073】
登録ボタン3423を押下すると、処理制御部0112は、エンコーダに対して、該当する映像番号と、映像ブロックリスト3416にて公開制限されるように選択されて表示されている映像ブロックのブロック番号に対応する制限フラグ0513を1として、映像ブロックを更新するエンコードの指示を行う。
【0074】
また、新規パスワード登録部3421に新しいパスワードが入力されることを処理制御部が0112が検知すると、処理制御部0112は映像情報管理テーブルの映像パスワード2207の値を、登録部3421に入力された値に更新する。
【0075】
キャンセルボタンを押下すると、処理制御部0112はブロック指定映像公開制限登録画面3401に入力した値によらず、データをすべてクリアし各管理テーブルには登録を行わない。 本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0076】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【0077】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像データを格納するための格納部と、前記映像データを処理するサーバと、前記サーバの処理に関連する情報を管理する管理データベース部と、ユーザの入力と前記ユーザへの出力を受け付ける入出力装置とを有する映像管理システムであって、
前記格納部は、
ヘッダと複数のフレーム時刻情報と前記複数のフレーム時刻情報に対応する複数のフレーム映像とを含む映像ブロックを、複数含む映像データを格納し、
前記サーバは、
前記入出力装置から映像選択の入力を受けるとき、前記映像選択の入力に基づいて前記管理データベース部を照合し、
前記映像選択の入力に対応した時刻情報指定の画面を前記入出力装置に表示するよう制御し、
前記入出力装置から公開制限として入力される開始時刻情報と終了時刻情報とを前記ヘッダに登録するように、前記映像データをエンコードし、
前記入出力装置から映像選択の再生指示入力を受けるとき、前記再生指示入力に基づいて前記管理データベース部を照合し、照合結果に基づいて前記再生指示入力に対応した前記映像データをデコードすることを特徴とする映像管理システム。
【請求項2】
前記サーバは、前記時刻情報指定の画面に前記映像データを試写するように処理し、前記開始時刻情報は、前記時刻情報指定の画面に前記開始時刻情報の入力があるときに試写される前記フレーム画像に対応する前記フレーム時刻情報であり、前記終了時刻情報は、前記時刻情報指定の画面に前記終了時刻情報の入力があるときに試写される前記フレーム画像に対応する前記フレーム時刻情報であることを特徴とする請求項1に記載の映像管理システム。
【請求項3】
前記サーバは、前記映像選択の入力に基づいて前記管理データベース部を照合し、前記映像選択の入力に対応する映像データに映像パスワードが設定されているか否かを検索し、前記映像パスワードが設定されている場合には、前記入出力装置から入力される前記映像パスワードが認証されるときに、前記時刻情報指定の画面を前記入出力装置に表示するよう制御することを特徴とする請求項1に記載の映像管理システム。
【請求項4】
前記サーバは、前記時刻情報指定の画面に前記映像データを試写するように処理し、前記開始時刻情報は、前記時刻情報指定の画面に表示される開始時刻入力部が入力を受けるときに試写される前記フレーム画像に対応する前記フレーム時刻情報であり、前記終了時刻情報は、前記時刻情報指定の画面に表示される終了時刻入力部が入力を受けるときに試写される前記フレーム画像に対応する前記フレーム時刻情報であることを特徴とする請求項1に記載の映像管理システム。
【請求項5】
前記サーバは、前記照合結果、前記再生指示入力に対応した前記画像データについて、映像パスワードの設定がないときにデコードすることを特徴とする請求項1に記載の映像管理システム。
【請求項6】
前記サーバは、前記照合結果、前記再生指示入力に対応した前記画像データについて、映像パスワードの設定があるときに、前記管理データベース部の前記映像パスワードの設定を無効にしてデコードすることを特徴とする請求項1に記載の映像管理システム。
【請求項7】
前記格納部は、前記サーバと接続される映像ストレージであることを特徴とする請求項1に記載の映像管理システム。
【請求項8】
前記格納部は、外部メディアであることを特徴とする請求項1に記載の映像管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−102358(P2013−102358A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−245052(P2011−245052)
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】