説明

映像表示装置、ノイズ除去方法および映像表示システム

【課題】映像表示装置の省電力性能に影響を与えることなく、IP電話機能から出力される音声データについて、高品質な音声を出力する。
【解決手段】音声データを含む放送コンテンツを入力する放送データ入力部と、放送コンテンツ以外の音声データを含む情報を入力する少なくとも1以上のデータ入力部と、音声データを入力し、必要な範囲の周波数のみを通す動作をデータ入力部の制御によって選択的に有効化または無効化される周波数制御部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、映像表示装置、ノイズ除去方法および映像表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ネットワーク技術の向上に応じて、ネットワークを介して接続された通信機器間で、通話するための様々なアプリケーション等が提案されている。
【0003】
そして、処理装置の高性能化及びソフトウェア技術の発展に伴い、デジタル機器が高機能化する傾向にある。これにより、デジタルテレビジョン表示装置も、様々な機能が搭載される傾向にある。これによりデジタルテレビジョン表示装置においても、例えばネットワークを介して接続された通信機器からテレビ番組情報を取得することが可能となった。
【0004】
さらには、デジタルテレビジョン表示装置に、ネットワークを介して接続された他の通信機器との間で通話するIP電話機能も提案されている。このようなIP電話機能では、高度に音声のノイズを除去、高品質の音声を出力することが求められている。
【0005】
一方、デジタルテレビジョン表示装置では、スピーカにバンドパスフィルタ回路を搭載することにより、ノイズを除去するようにしたものがある。また、イコライザでバンドパスを調整することによって、ノイズを除去する方法も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−207768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、スピーカに搭載したバンドパスフィルタ回路でノイズ除去を常時行うような設定にしてしまうと、デジタルテレビジョン表示装置の省電力性能に影響がでたり、IP電話機能など他の機能の音質に悪影響がでたりするなどの副作用がでてしまう問題があった。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、映像表示装置の省電力性能に影響を与えることなく、IP電話機能から出力される音声データについて、高品質な音声を出力することができる映像表示装置、ノイズ除去方法および映像表示システムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態の映像表示装置は、音声データを含む放送コンテンツを入力する放送データ入力部と、前記放送コンテンツ以外の音声データを含む情報を入力する少なくとも1以上のデータ入力部と、前記音声データを入力し、必要な範囲の周波数のみを通す動作を前記データ入力部の制御によって選択的に有効化または無効化される周波数制御部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、第1の実施形態にかかるデジタルテレビジョン受像装置の利用環境を示した図である。
【図2】図2は、映像表示装置と同映像表示装置に組み込まれる通信装置の一例を示した図である。
【図3】図3は、IP電話部における機能を示したブロック図である。
【図4】図4は、テレビ電話データのデータ構造を示す図である。
【図5】図5は、ディスプレイに表示される着信の表示画面の例を示す図である。
【図6】図6は、ディスプレイに表示される送信者映像の表示画面の例を示す図である。
【図7】図7は、IP電話部におけるノイズ除去制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】図8は、第2の実施形態のIP電話部における機能を示したブロック図である。
【図9】図9は、IP電話部におけるノイズ除去制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】図10は、第3の実施形態のIP電話部におけるノイズ除去制御処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1の実施形態>
以下、第1の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、第1の実施形態にかかる映像表示装置100としてのデジタルテレビジョン受像装置の利用環境を示した図である。図1に示すように、本実施形態にかかる映像表示装置100は、デジタルテレビジョン受像装置として、受信した番組コンテンツを、表示画面101に表示する機能を備えている。また、映像表示装置100は、パーソナルコンピュータやデジタルテレビジョンなどの情報処理装置である通信機器180とインターネット通信回線などのネットワーク150を介して接続されて、映像表示システム1を構成する。
【0012】
さらに、映像表示装置100は、ネットワーク150を介して接続された他の通信機器との間でテレビ電話等を用いて通話可能とする機能が搭載されている。これにより、通信機器180との間で、テレビ電話等を用いたコミュニケーションを取ることができる。また、リモートコントローラ120は、番組を選択する場合に限らず、通話を行う場合にも利用される。
【0013】
このようなコミュニケーションを可能とするために、映像表示装置100には、通話等を行うためのIDが割り当てられている。そして、通信機器180が、映像表示装置100に対して通話を行いたい場合に、通話先として当該IDを選択すればよい。
【0014】
図2は、実施形態にかかる映像表示装置と同映像表示装置に組み込まれる通信装置の一例を示した図である。なお、以下に説明する要素や構成、あるいは機能は、ハードウェアで実現するものであってもよいし、マイクロコンピュータ(処理装置、CPU)等、を用いてソフトウェアで実現するものであってもよい。
【0015】
図2が示す映像表示装置100は、例えばテレビジョン放送を受信して音声(オーディオ)及び映像(ビデオ)を再生するデジタルテレビジョン受像装置を含んでいる。
【0016】
映像表示装置100は、少なくともデジタル放送の番組すなわちコンテンツを受信し、再生する。なお、映像表示装置100は、ネットワーク150を通じて供給されるコンテンツの受信を可能とする。また、映像表示装置100は、ネットワーク150を通じて接続される任意の接続相手先との間で、IP(Internet Protocol)を用いた音声(オーディオを含む)及び動画(ビデオ)を用いたIP電話の利用を可能とする。そして、映像表示装置100は、ネットワーク150を介して、IP電話サーバ280と接続されているものとする。
【0017】
映像表示装置100のチューナ部211は、放送データ入力部として機能するものであり、アンテナや外部入力端子を介して第1の音声データを含む放送コンテンツ(番組)を受信する。そして、分離(Demux)部212が、受信した放送コンテンツを、映像データと、音声(オーディオ)データと、に分離する。
【0018】
映像処理ブロック221が、映像デコーダ222と、映像処理部223と、を備える。そして、映像デコーダ222は、分離部212により分離された映像データをデコードして映像処理部223に出力する。
【0019】
映像処理部223は、映像デコーダ222から出力された映像データを、後段のディスプレイ224で表示可能に処理する。本実施形態にかかる映像処理部223は、映像データに対して、所定の解像度、フレームレート及び出力方式、例えばインターレース(i)/ノンインターレース(p)等に変換する。そして、映像処理部223は、変換した後の映像データを、ディスプレイ224に供給する。なお、映像処理部223の出力先として、例えば外部モニタ装置あるいは投影装置(プロジェクタ装置)等が接続可能な、出力端225を選択しても良い。
【0020】
一方、分離部212により分離された音声データは、音声処理ブロック231に入力される。音声処理ブロック231は、音声デコーダ232と、音声処理部233と、遅延部234と、D−Aコンバータ235と、を備える。
【0021】
そして、音声デコーダ232は、入力された音声データをデコードして音声処理部233に出力する。
【0022】
音声デコーダ232によりデコードされた音声データは、音声処理部233に入力される。そして、音声処理部233は、入力された音声データを、音声出力装置で再生可能に処理し、遅延部234に出力する。そして、遅延部234は、入力された音声データに対して、映像処理部223が出力する映像データとの間の時間的な整合のために、所定時間の遅延を与える(音声(オーディオ)出力を遅延させる)。そして、遅延が与えられた後の音声データは、D−Aコンバータ235に入力される。そして、D−Aコンバータ235は、入力された音声データから、アナログの音声(オーディオ)出力を得る。
【0023】
D−Aコンバータ235から出力されたアナログの音声は、例えばスピーカ236に入力される。なお、D−Aコンバータ235から出力されたアナログの音声は、AV(Audio Visual)アンプ等が接続可能な出力端237に対して、分岐入力しても良い。
【0024】
スピーカ236には、ノイズを除去する目的で、周波数制御部であるバンドパスフィルタ(Band-pass filter:BPF)回路236aが搭載されている。バンドパスフィルタ回路236aは、RLC回路(抵抗、コイル、コンデンサ)で構成されており、必要な範囲の周波数のみを通し、他の周波数は通さない(減衰させる)ようにする。バンドパスフィルタ回路236aは、ハイパスフィルタとローパスフィルタを組み合わせることで作成できる。なお、周波数制御部として、音声信号の周波数特性を変更するイコライザ(Equalizer)を適用しても良い。
【0025】
また、遅延部234により所定時間の遅延が与えられた音声(オーディオ)データは、IP電話制御部241にも入力可能とする。IP電話制御部241は、通信セット244と接続可能とする。通信セット244は、例えば、マイクロフォン242と、イヤホン243と、カメラ246と、を含む。また、イヤホン243の代わりに、音声再生部として、低出力の音声再生向けスピーカであってもよい。カメラ246は、外部の環境に存在するユーザの顔等を撮像する。
【0026】
また、IP電話制御部241は、A−Dコンバータ245と、カメラ映像処理部248と、を含み、アナログの音声出力を行うD−Aコンバータ235を音声(オーディオ)処理ブロック231と共用する。A−Dコンバータ245は、マイクロフォン242から入力されたアナログの音声を、音声(オーディオ)データに変換する。カメラ映像処理部248は、カメラ246から入力されたデータに対して処理を行い、映像データを生成する。
【0027】
主制御ブロック251は、映像表示装置100の、スピーカ236(バンドパスフィルタ回路236a)、チューナ部211、分離部212、音声処理ブロック231及びIP電話制御部241のそれぞれを制御し、所定の動作を実行させる。
【0028】
主制御ブロック(Main Processing Unit,以下、MPUと称す)251は、当該装置を制御する制御部であるCPU(Central Processing Unit)252と、ROM256と、RAM257と、GUI制御部254と、ネットワーク制御部255と、操作入力部253と、を少なくとも備える。
【0029】
ROM256は、動作プログラムを保持する。RAM257は、ワークメモリとして機能する。GUI制御部254は、ディスプレイ224に表示するGUI(Graphical User Interface,グラフィカルユーザインタフェース)の表示、及びGUIからのユーザ入力を処理する。
【0030】
また、CPU252は、NVRAM(non-volatile RAM)261と接続されている。NVRAM261は、不揮発性の書き換え可能な記憶デバイスであって、CPU252からの制御に従って様々なデータを記憶する記憶手段として機能する。
【0031】
ネットワーク制御部255は、ネットワーク150との間の接続、すなわちネットワーク150からのさまざまな情報の取得及びネットワーク150へのユーザからのアクセス等を制御する。本実施形態においては、ネットワーク制御部255は、テレビ電話システムによる他の通信機器との間で、コミュニケーションを行うためのデータを送受信する。
【0032】
また、MPU251には、操作入力部253が接続されている。操作入力部253は、ユーザからの制御入力を受け付ける。また、操作入力部253は、例えばチューナ(入力)部211が選択するチャンネルを特定するチャンネルキー(ボタン)や、電源のオン/オフに用いる電源スイッチを備える。さらに、操作入力部253は、リモートコントローラ120からの指示や制御入力を受け付ける。その上、操作入力部253は、文字や記号あるいは数字等の入力を可能とするキー操作入力部(キーボード)等が接続されてもよい。
【0033】
リモートコントローラ120は、チャンネルキーや、電源スイッチを備えるほか、IP電話による通話を開始するための操作キーを備える。そして、当該操作キーによる操作が行われた場合に、操作入力部253が、当該操作に基づく指示等を受け付ける。
【0034】
CPU252は、ROM256に格納された動作プログラムを読み出した後、RAM257を作業領域として用いて当該動作プログラムによる制御を行う。この動作プログラムには、オペレーティングシステム(Operating System:OS)、TVプログラム等のアプリケーションや各種ドライバの他、映像処理プログラムおよびIP電話プログラムが含まれている(図7参照)。
【0035】
映像処理プログラムは、上述した映像処理ブロック221(映像デコーダ222および映像処理部223)を実現するためのプログラムである。
【0036】
IP電話プログラムは、ネットワーク150を用いて、通信機器180等とテレビ電話等による通話を行うデータ入力部であるIP電話部260を実現するためのプログラムである。IP電話プログラムは、周知のプログラムで提供される機能を含んでいてもよく、例えばSkype(登録商標)社が提供するインターネット電話「Skype」の機能を利用しても良い。なお、データ入力部はIP電話部260に限るものではなく、放送コンテンツ以外の音声データを含む情報を入力する入力部であれば良いし、データ入力部は複数存在するものであっても良い。
【0037】
そして、IP電話部260は、通信セット244のマイクロフォン242により集音されたユーザの音声を示した音声データをパケット化し、ネットワーク150を介して接続された通信相手先に送信する。また、IP電話部260は、カメラ246を利用する場合、ユーザを撮像した映像データをパケット化し、音声データとともに送信する。
【0038】
また、IP電話部260は、ネットワーク制御部255を介して、通信相手先から情報を受信した場合、当該情報から音声データ(第2の音声データ)や映像データを分離し、復号化する。そして、復号化された音声データは、音声処理ブロック231に出力される。そして、音声処理ブロック231の音声処理部233により処理が行われた音声データは、D−Aコンバータ235に出力される。これにより、スピーカ236又はイヤホン243から、相手からの音声が出力される。
【0039】
なお、詳細は後述するが、スピーカ236においては、IP電話部260からの音声データ(第2の音声データ)においては高品質の音声を出力することが求められていることから、IP電話部260からの制御に従ってバンドパスフィルタ回路236aが動作する。
【0040】
一方、復号化された映像データは、映像処理ブロック221に出力される。映像処理ブロック221の映像処理部223は、復号化された映像データである、JPEG(Joint Photographic Experts Group)に代表される静止画や、例えばMPEG(Moving Picture Experts Group)−2,MPEG−4(H.264−AVC)に代表される動画を再生できる。このように、映像処理部223は、コンテンツを再生する時の処理の他、IP電話による映像データを再生する時の処理も行う。
【0041】
次に、IP電話部260における処理について説明する。図3は、IP電話部260における機能を示したブロック図である。図3に示すように、IP電話部260は、映像データ符号化部310と、音声データ符号化部311と、テレビ電話データ生成部312と、テレビ電話データ送信部313と、テレビ電話データ受信部302と、テレビ電話データ分離部303と、映像データ復号化部304と、音声データ復号化部305と、通話機能制御部306と、カメラ映像符号化部308と、マイク音声符号化部309と、を有している。
【0042】
本実施形態にかかる映像表示装置100においては、上述した構成を備えることで、テレビ電話としての機能を有する。
【0043】
本実施形態では、映像表示装置100と、通信機器180と、の間でテレビ電話を用いて通話している場合、映像表示装置100と通信機器180との間でテレビ電話データが送受信されている。
【0044】
図4は、テレビ電話データのデータ構造を示す図である。図4に示すように、テレビ電話データ400は、映像データ401と、音声データ402と、通話制御データ403と、から構成されている。映像データ401は、カメラ246から入力された映像を符号化したデータを示す。音声データ402は、マイクロフォン242から入力された音声を符号化したデータを示す。
【0045】
通話制御データ403は、テレビ電話を行う際の制御に用いられるデータを示す。本実施形態にかかる通話制御データ403は、通話発信者ID411と、通話発信者プロフィール情報412と、通話受信者ID413と、から構成されている。
【0046】
通話発信者ID411及び通話受信者ID413は、テレビ電話システムに接続する各通信装置(映像表示装置100を含む)又は各ユーザに対して、重複が無いようIP電話サーバ280から割り振られたIDとする。そして、通話発信者プロフィール情報412には、通話発信者のIPアドレス、機器固有アドレス、通話発信者の名前、及び住所等の個人情報が格納されている。
【0047】
このテレビ電話データ400を送受信することで、映像表示装置100を含んだ複数の通信装置間で、テレビ電話による通話を行うことができる。
【0048】
図3に戻り、本実施形態にかかる映像表示装置100では、テレビ電話による通話時に、カメラ246で撮像した映像データと、マイクロフォン242で集音した音声データと、を含めたテレビ電話データを、ネットワーク制御部255を介して送信する。さらに、映像表示装置100では、ネットワーク制御部255を介して受信したテレビ電話データから分離した映像データを、ディスプレイ224で表示し、受信したテレビ電話データから分離した音声データを、スピーカ236から出力する。本実施形態にかかる映像データは、動画像データ又は静止画像データのどちらでも良いものとする。
【0049】
さらに、映像表示装置100では、リモートコントローラ120から、操作入力部253を介して、ユーザの指示を受信し、テレビ機能及びテレビ電話機能を制御する。
【0050】
カメラ映像符号化部308は、カメラ映像処理部248で生成された映像データに対して符号化処理を行い、カメラ246で撮像された映像データを取得する。
【0051】
マイク音声符号化部309は、A−Dコンバータ245により変換された音声データに対して符号化処理を行うことで、マイクロフォン242で集音された音声データを取得する。
【0052】
テレビ電話データ受信部302は、ネットワーク制御部255を介して、通信機器180から、コミュニケーションするための情報であるテレビ電話データを受信する。そして、テレビ電話データ受信部302が受信したテレビ電話データは、テレビ電話データ分離部303に出力される。
【0053】
テレビ電話データ分離部303は、テレビ電話データ受信部302から入力されたテレビ電話データを、映像データ401と、音声データ402と、通話制御データ403と、に分離する。分離された通話制御データ403は、そのまま通話機能制御部306に入力される。
【0054】
映像データ復号化部304は、分離された映像データ401に対して、復号化処理を施し、通話機能制御部306に出力する。音声データ復号化部305は、分離された音声データ402に対して、復号化処理を施し、通話機能制御部306に出力する。
【0055】
通話機能制御部306は、通信機器180との間のテレビ電話による通話機能の制御を行う。例えば、通話機能制御部306は、テレビ電話データ分離部303で分離された通話制御データ403が入力された場合に、通話制御データ403に含まれている通話受信者ID413が、自装置である映像表示装置100を識別するIDと一致しているか否かを判定する。そして、通話機能制御部306は、一致していることを判定した場合に、着信を許可する。
【0056】
図5は、ディスプレイ224に表示される着信の表示画面の例である。図5に示すように、表示画面101において、コンテンツの上に、着信通知ウィンドウ701が重畳表示される。この着信通知ウィンドウ701には、通話を開始するための通話開始ボタン702と、着信を強制的に切断するための着信切断ボタン703と、発信者のプロフィールが記載されたプロフィール情報欄704と、発信者からの要件を録音する留守番電話ボタン705と、が含まれている。そして、発信者との通話は、テレビ電話のユーザが、通話開始ボタン702を選択した場合に限り、開始される。
【0057】
そして、通話機能制御部306は、通話開始ボタン702を選択した場合に限り、当該通話発信者ID411で識別される通信機器180との間の通話制御を開始する。なお、通話制御が開始された場合、通話機能制御部306は、映像データ復号化部304により復号化された送信者側の映像データ401を映像処理部223に出力する。
【0058】
さらに、通話機能制御部306は、音声データ復号化部305により復号化された音声データ402に対して、各種処理を実施し、音声処理部233に出力する。
【0059】
これにより、映像処理部223が映像データの合成等をした後、図6に示すように、ディスプレイ224が送信者側の映像データ801を表示する。また、音声処理部233が音声データの合成等を行い、D−Aコンバータ235で音声に変換された後、送信者側の音声がスピーカ236から出力される。
【0060】
上述したように、映像表示装置100で動作させる放送受信表示、他のアプリケーション表示中は、Skype等のIP電話の通話機能の画面は表示されない。また、TVプログラム等のアプリケーション実行中に着信があった場合、着信がある旨のみを表示画面101に表示し、ユーザがTVプログラム等のアプリケーションを終了させ、リモートコントローラ120によりIP電話プログラムを起動させてIP電話の通話機能を動作させて、着信対応を行う。
【0061】
なお、通話制御が開始された場合、通話機能制御部306は、映像データ復号化部304により復号化された、送信者側の映像データ401と、カメラ映像符号化部308から入力された、受信者側の映像データと、を重畳し、映像処理部223に出力するようにしても良い。この場合、ディスプレイ224は、送信者側及び受信者側等を含んだ映像データを表示する。
【0062】
次に、本実施形態にかかる映像表示装置100のIP電話部260におけるノイズ除去制御処理について説明する。
【0063】
ここで、図7はノイズ除去制御処理の流れを示すフローチャートである。図7に示すように、IP電話プログラムの起動に従い(ステップS1のYes)、IP電話部260は、スピーカ236のバンドパスフィルタ回路236aをオン(有効化)にする(ステップS2)。
【0064】
また、IP電話プログラムの終了に従い(ステップS3のYes)、IP電話部260は、スピーカ236のバンドパスフィルタ回路236aをオフ(無効化)にする(ステップS4)。
【0065】
このように本実施形態の映像表示装置100によれば、IP電話部260から出力される音声データ(第2の音声データ)について、必要な範囲の周波数のみを通し、ノイズを構成する他の周波数は通さない(減衰させる)ようにすることで、スピーカ236から相手からの高品質な音声を出力することができる。一方、放送コンテンツの音声データ(第1の音声データ)についてはバンドパスフィルタ回路236aを動作させずにスピーカ236から出力することにより、映像表示装置100の省電力性能に影響を与えることはない。
【0066】
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態について図面を参照して説明する。なお、前述した第1の実施形態と同じ部分は同じ符号で示し説明も省略する。
【0067】
図8は、第2の実施形態のIP電話部260における機能を示したブロック図である。図8に示すように、第2の実施形態のIP電話部260の通話機能制御部306は、ノイズ除去部306aを備えている。
【0068】
ノイズ除去部306aは、音声データ復号化部305により復号化された音声データ402に対して、ノイズと見なされる成分を除去するノイズリダクション処理、またはマイクロフォン242で拾った周囲のノイズの波形を逆位相に変換したものを被せてノイズを消すノイズキャンセリング処理、あるいは特定周波数帯域のデータを取り出すバンドパスフィルタ処理などのノイズ除去処理を実施し、音声処理部233に出力する。
【0069】
次に、本実施形態にかかる映像表示装置100のIP電話部260におけるノイズ除去制御処理について説明する。
【0070】
図9は、IP電話部260におけるノイズ除去制御処理の流れを示すフローチャートである。図9に示すように、IP電話部260は、ノイズ除去部306aによるノイズ除去処理のCPU使用率が所定値を超えた場合(ステップS11のYes)、ノイズ除去部306aの負荷を下げる目的で、スピーカ236のバンドパスフィルタ回路236aをオン(有効化)にして(ステップS12)、ノイズ除去部306aによるノイズ除去処理の一部をバンドパスフィルタ回路236aに委譲させる(ステップS13)。例えば、ノイズ除去部306aは、バンドパスフィルタ回路236aで通す周波数範囲のみノイズリダクション処理を実行するようにすれば、ノイズ除去部306aの負荷を下げることができる。
【0071】
なお、CPU使用率の算出については、既に知られているので、その説明は省略する。CPU使用率の値が大きいほど、そのプロセスが現時点でCPU252に対し大きな負荷をかけていることになる。
【0072】
また、IP電話部260は、ノイズ除去部306aによるノイズ除去処理のCPU使用率が所定値を超えていない(下回った)場合(ステップS11のNo)、スピーカ236のバンドパスフィルタ回路236aをオフ(無効化)にする(ステップS14)。
【0073】
このように本実施形態の映像表示装置100によれば、ノイズ除去部306aによるノイズ除去処理のCPU使用率が所定値を超えた場合にのみスピーカ236のバンドパスフィルタ回路236aを駆動するので、ノイズ除去部306aのノイズ除去処理によるCPUリソースの消費量を抑制することができるとともに、映像表示装置100の省電力性能に与える影響を抑制することができる。
【0074】
<第3の実施形態>
次に、第3の実施形態について図面を参照して説明する。なお、前述した第1の実施形態または第2の実施形態と同じ部分は同じ符号で示し説明も省略する。
【0075】
本実施形態にかかる映像表示装置100のIP電話部260におけるノイズ除去制御処理について説明する。
【0076】
図10は、第3の実施形態のIP電話部260におけるノイズ除去制御処理の流れを示すフローチャートである。図10に示すように、IP電話部260は、ノイズ除去部306aによるノイズ除去処理の一定期間におけるCPU使用時間の累積値が所定値を超えた場合(ステップS21のYes)、ノイズ除去部306aの負荷を下げる目的で、スピーカ236のバンドパスフィルタ回路236aをオン(有効化)にして(ステップS22)、ノイズ除去部306aによるノイズ除去処理の一部をバンドパスフィルタ回路236aに委譲させる(ステップS23)。例えば、ノイズ除去部306aは、バンドパスフィルタ回路236aで通す周波数範囲のみノイズリダクション処理を実行するようにすれば、ノイズ除去部306aの負荷を下げることができる。
【0077】
なお、一定期間におけるCPU使用時間の累積値の算出については、既に知られているので、その説明は省略する。CPU使用率の値が小さくても、一定期間におけるCPU使用時間の累積値が大きければ、そのプロセスは継続的にCPU252に負荷をかけていたことになる。
【0078】
また、IP電話部260は、ノイズ除去部306aによるノイズ除去処理の一定期間におけるCPU使用時間の累積値が所定値を超えていない(下回った)場合(ステップS21のNo)、スピーカ236のバンドパスフィルタ回路236aをオフ(無効化)にする(ステップS24)。
【0079】
このように本実施形態の映像表示装置100によれば、ノイズ除去部306aによるノイズ除去処理の一定期間におけるCPU使用時間の累積値が所定値を超えた場合にのみスピーカ236のバンドパスフィルタ回路236aを駆動するので、ノイズ除去部306aのノイズ除去処理によるCPUリソースの消費量を抑制することができるとともに、映像表示装置100の省電力性能に与える影響を抑制することができる。
【0080】
なお、上述した各実施形態の映像表示装置100で実行されるIP電話プログラムは、ROM256等に予め組み込まれて提供される。
【0081】
上述した各実施形態の映像表示装置100で実行されるIP電話プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0082】
さらに、上述した各実施形態の映像表示装置100で実行されるIP電話プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。
【0083】
上述した各実施形態の映像表示装置100で実行されるIP電話プログラムは、上述した各部(IP電話部260)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROM256からIP電話プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、IP電話部260が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0084】
また、各実施形態では、映像表示装置100としてデジタルテレビジョン受像装置に適用した例をあげて説明したが、例えば、HDDレコーダ、チューナ、セットトップボックス等にも映像表示装置100を適用することができる。
【0085】
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
【符号の説明】
【0086】
1 映像表示システム
100 映像表示装置
150 ネットワーク
180 情報処理装置
211 放送データ入力部
236a 周波数制御部
252 制御部
260 データ入力部
306a ノイズ除去部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声データを含む放送コンテンツを入力する放送データ入力部と、
前記放送コンテンツ以外の音声データを含む情報を入力する少なくとも1以上のデータ入力部と、
前記音声データを入力し、必要な範囲の周波数のみを通す動作を前記データ入力部の制御によって選択的に有効化または無効化される周波数制御部と、
を備える映像表示装置。
【請求項2】
前記周波数制御部は、前記データ入力部が起動している場合に有効化され、前記データ入力部が起動していない場合に無効化される、
請求項1記載の映像表示装置。
【請求項3】
当該装置を制御する制御部の一部であって、前記放送コンテンツ以外の音声データのノイズを除去するノイズ除去部を更に備え、
前記データ入力部は、前記ノイズ除去部によるノイズ除去処理の前記制御部の負荷が所定値を超えた場合、前記周波数制御部を有効化し、
前記ノイズ除去部は、ノイズ除去処理の一部を前記周波数制御部に委譲する、
請求項1記載の映像表示装置。
【請求項4】
前記データ入力部は、前記ノイズ除去部によるノイズ除去処理の前記制御部の使用率が所定値を超えた場合、前記周波数制御部を有効化する、
請求項3記載の映像表示装置。
【請求項5】
前記データ入力部は、前記ノイズ除去部によるノイズ除去処理の一定期間における前記制御部の使用時間の累積値が所定値を超えた場合、前記周波数制御部を有効化する、
請求項3記載の映像表示装置。
【請求項6】
音声データを含む放送コンテンツを入力する放送データ入力部と、前記放送コンテンツ以外の音声データを含む情報を入力する少なくとも1以上のデータ入力部と、を備える映像表示装置におけるノイズ除去方法であって、
前記音声データを入力し、必要な範囲の周波数のみを通す動作を実行する周波数制御部を、前記データ入力部の制御によって選択的に有効化または無効化する、ノイズ除去方法。
【請求項7】
前記周波数制御部は、前記データ入力部が起動している場合に有効化され、前記データ入力部が起動していない場合に無効化される、
請求項6記載のノイズ除去方法。
【請求項8】
前記映像表示装置は、当該装置を制御する制御部の一部であって、前記放送コンテンツ以外の音声データのノイズを除去するノイズ除去部を更に備え、
前記データ入力部は、前記ノイズ除去部によるノイズ除去処理の前記制御部の負荷が所定値を超えた場合、前記周波数制御部を有効化し、
前記ノイズ除去部は、ノイズ除去処理の一部を前記周波数制御部に委譲する、
請求項6記載のノイズ除去方法。
【請求項9】
前記データ入力部は、前記ノイズ除去部によるノイズ除去処理の前記制御部の使用率が所定値を超えた場合、前記周波数制御部を有効化する、
請求項8記載のノイズ除去方法。
【請求項10】
前記データ入力部は、前記ノイズ除去部によるノイズ除去処理の一定期間における前記制御部の使用時間の累積値が所定値を超えた場合、前記周波数制御部を有効化する、
請求項8記載のノイズ除去方法。
【請求項11】
映像表示装置と、前記映像表示装置にネットワークで接続された情報処理装置とを備えた映像表示システムであって、
前記映像表示装置は、
音声データを含む放送コンテンツを入力する放送データ入力部と、
前記放送コンテンツ以外の音声データを含む情報を入力する少なくとも1以上のデータ入力部と、
前記音声データを入力し、必要な範囲の周波数のみを通す動作を前記データ入力部の制御によって選択的に有効化または無効化される周波数制御部と、
を備える映像表示システム。
【請求項12】
前記周波数制御部は、前記データ入力部が起動している場合に有効化され、前記データ入力部が起動していない場合に無効化される、
請求項11記載の映像表示システム。
【請求項13】
前記映像表示装置は、当該装置を制御する制御部の一部であって、前記放送コンテンツ以外の音声データのノイズを除去するノイズ除去部を更に備え、
前記データ入力部は、前記ノイズ除去部によるノイズ除去処理の前記制御部の負荷が所定値を超えた場合、前記周波数制御部を有効化し、
前記ノイズ除去部は、ノイズ除去処理の一部を前記周波数制御部に委譲する、
請求項11記載の映像表示システム。
【請求項14】
前記データ入力部は、前記ノイズ除去部によるノイズ除去処理の前記制御部の使用率が所定値を超えた場合、前記周波数制御部を有効化する、
請求項13記載の映像表示システム。
【請求項15】
前記データ入力部は、前記ノイズ除去部によるノイズ除去処理の一定期間における前記制御部の使用時間の累積値が所定値を超えた場合、前記周波数制御部を有効化する、
請求項13記載の映像表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−199822(P2012−199822A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−63210(P2011−63210)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】