説明

映像表示装置、音声出力方法、オーディオアンプ装置及び映像音声出力システム

【課題】5.1ないし7.1チャネルの音声チャネルを有する装置で、実際のスピーカ接続を知り、最適な多チャネル再生を容易にできるようにする。
【解決手段】オーディオアンプ側で、たとえば端子のインピーダンスを測るなどして、実際のスピーカ配置を知る。誤接続があれば警告する。この情報をEDID信号で信号源に伝え、最適なチャネル数の信号を送る。映像表示部との接続にもEDID信号を用い、それが固有に持つスピーカの接続を知る。映像表示部のスピーカを前方スピーカのチャネルに用い、たとえば7.1チャネルでの音声再現を容易にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビジョン放送、あるいはVTR、DVD(Digital Versatile Disc)、ハードディスクレコーダなどの蓄積装置から得られた複数チャネル(例えば、5.1、7.1チャネル)の音声信号を良好に再生するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビジョン放送、および映画ソフトなどのパッケージメディアにおいて、映像信号及び音声信号のディジタル化が進んでいる。ディジタル音声信号は多チャネル化が進み、例えばDVDの音声には、正面左(FL)、正面右(FR)、中央(C)、背面左(RL)、背面右(RR)の5チャネルと、低音再生用のサブウーハ(S)を合わせた通称5.1チャネル音声を再現できるものがある。また、正面やや左(FLC)、正面やや右(FRC)を含めた7.1チャネルの音声を再生するものもある。
【0003】
このように音声信号の多チャネル化が進むと、スピーカケーブルの接続が煩雑となり、誤接続の恐れがある。多数あるスピーカの接続作業を簡単にするための第一の従来技術として、例えば特許文献1に記載のものが知られている。この文献には、5.1チャネルのスピーカを接続するに際し、スピーカの配置をスピーカから出力されるテスト信号で判定し、不適当な配置や接続があった場合に、通知すると共に、スピーカとの接続をオーディオアンプで切換えることが開示されている。
【0004】
第二の従来技術として、例えば特許文献2に記載のものが知られている。この文献には、スピーカに接続されていない端子を検出し、そのスピーカへ供給されるべき音声信号を他のスピーカへ振り分けることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−25085号公報
【特許文献2】特開平10−94086号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記第一の従来技術は、音声信号処理装置に一部のスピーカが接続されていない場合について警告表示のみで自動的に対応する方法が示唆されていなかった。例えば、音声信号処理装置の一つであるオーディオアンプ付スイッチャ装置が5.1チャネルに対応していても、ユーザが適切な処理を行わない場合、音響効果が不満足なものとなる恐れがある。
【0007】
第二の従来技術は自動的に処理を行っており、手動による音声処理のための指令を与える必要がない。しかしながら、第二の従来技術は、音声信号の振り分け処理が該オーディオアンプ内でのみ行われている。このため、例えば、オーディオアンプに接続される音声信号源が、そのオーディオアンプに接続されたスピーカ数を知ることができず、ステレオや5.1チャネル等複数の音声信号を供給できる場合でも、適切な音声信号を提供できない。
【0008】
また上記第一及び第二の従来技術には、テレビジョン受像機等の映像表示装置に元々備わっているスピーカをも有効に利用したり、スピーカを接続する際に、映像表示装置の映像表示部を利用したりすることについても考慮されていなかった。
【0009】
本発明は、上記した問題に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、音声処理装置に接続されるスピーカの接続状態を音声信号源に伝えてそれに適した音声データを要求し、好適に音声の再生を行うことを可能にするための技術を提供することにある。また、本発明は、映像表示装置に備わっているスピーカをも有効に利用して、より優れた音声の再生を行うことが可能の技術を提供する。更に、本発明は、映像表示装置の表示部を活用して煩雑な多チャネルスピーカの接続を、容易に確認できるような技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は、スイッチャ装置などの音声信号処理装置に、複数の音声チャネルに対応した音声信号の各出力端子に対するスピーカの接続状態を検出する検出回路と、該検出回路の検出結果に基づいて、スピーカの接続状態に関する情報を、例えばSTB等の音声信号出力装置に送信するための制御回路とを設けた。この音声処理装置の構成は、テレビジョン受像機等の映像表示装置に設けてもよい。
【0011】
音声信号出力装置は、上記スピーカの接続状態に関する情報を入力し、該入力情報に基づいて、前記音声処理装置に供給する音声チャネルの数を制御するようにしている。
【0012】
具体的に、上記音声処理装置は、上記検出回路によって出力端子に特定チャネル(例えば、前方右(FR)チャネルおよび前方左(FL)チャネル、及び/又は中央(C)チャネル)のスピーカが接続されていないと検出された場合、この特定チャネルの音声信号を映像信号に重畳して、該特定チャネルの音声信号を前記映像表示装置に付属するスピーカで再生するように構成されるものであってもよい。
【0013】
また、スピーカを接続する際には、OSD(On Screen Display)回路を設け、このOSD回路により、上記検出回路による検出結果を用いて、スピーカの接続状態に関する視覚的なメッセージをユーザに提供するようにすることが好ましい。このメッセージとしては、例えばスピーカの誤接続、スピーカの接続の有無を示す情報を含むようにしてもよい。また、上記OSD回路によりスピーカの配置を表示し、各スピーカに試験音声信号を与える際に、試験中のスピーカを視覚的に判定できるための表示を行うようにしてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、スピーカの接続状況に応じて、多チャネルの音声信号を好適に再生することが可能となる。また、スイッチャなどに接続されるスピーカの他に、映像表示装置のスピーカも併せて利用することが可能となり、より高い音響効果を得ることができる。また、スピーカの接続状況を映像表示装置に表示するようにしているので、スピーカの接続が容易かつ確実に行える効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態を示す装置ブロック図。
【図2】本発明の別の実施形態を示す装置ブロック図。
【図3】本発明の別の実施形態を示す装置ブロック図。
【図4】本発明で用いる信号源とスイッチャのブロック図
【図5】本発明で用いる信号源とスイッチャのブロック図
【図6】本発明で用いる映像表示部のブロック図
【図7】本発明で用いる映像表示部における表示例を示す図
【図8】本発明で用いる映像表示部における表示例を示す図
【図9】本発明の別の実施形態を示す装置ブロック図。
【図10】本発明で用いる信号源と信号源内蔵スイッチャのブロック図
【図11】本発明で用いる信号源とスイッチャのブロック図
【図12】本発明で用いる映像表示部のブロック図
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、テレビジョン放送を受信して音声信号、映像信号を出力する放送受信装置(以下、STB(set-top-box)と呼ぶ)、VTR,DVD等の音声信号出力装置(当然映像信号も出力され得る)、この音声信号出力装置からの信号を処理して複数のスピーカに分配するためのスイッチャ等の音声処理装置、またはテレビジョン受像機等の映像表示装置に適用される。
【0017】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施形態を示す装置ブロック図である。本実施形態の装置は、映像表示装置1、音声再現装置2及び信号源3を有する。映像表示装置1と音声再現装置2とは、プラグ・アンド・プレイ機能を含む映像音声信号伝送線231で互いに接続されている。この伝送線については、PC(Personal Computer)の本体と表示装置の接続規格であるDDWG(Digital Display Working Group)制定のDVI1.0(Digital Visual Interface version 1.0)、及び独立の音声伝送線を併用したインターフェイスを使用してもよい。またディジタル映像信号とディジタル音声信号を重畳して送信するためのインターフェイス使用してもよい。
【0018】
尚、以下の本実施形態の説明において、「プラグ・アンド・プレイ機能」とは、信号送信部と信号受信部をケーブル接続した際に、人手を介さずに、信号受信部の特性データを信号送信部が把握して、信号受信部に最適な信号を自動的に送信する機能を指す。
【0019】
本発明の実施形態は、実際に機能できる状態のスピーカを映像音声信号源に知らせるための工夫がなされている。さらには、スピーカ結線の状態が変わった際に、映像音声信号源はこれを知ることができ、動作中でも新しい状態に適した音声出力が得られるようにする工夫が成されている。
【0020】
まずスイッチャ201は、スピーカケーブル220から225が接続される各端子において、負荷のインピーダンスを測りスピーカ接続の有無を検出する。有無だけであるならば、さほど厳密な測定である必要はなく、出力インピーダンスを有する信号源を設けて、端子に現れる電圧をおおまかに測るような方法でも良い。また、たとえばサブウーハ210などは低音を再生する特殊なスピーカであるから、他のスピーカとは内部インピーダンスを変えて設計し、または入力端子間を容量で短絡して高周波でのインピーダンスを低くするなどすれば、接続の有無のみならず、スピーカの種類も判定でき、誤接続を検出できる。
【0021】
なお、後記するように本発明のシステムでは映像表示部101を有することが特徴であるから、検出したスピーカ接続を表示部に図示して表し、誤接続があれば警告表示をすることができる。たとえばリア側のスピーカでRLが接続されていながら、RRが接続されていない場合など、これを警告し、さらにはRL側からRLとRRを加算した信号を出力する旨を、知らせることもできる。
【0022】
また、例えばスピーカが5.1チャネル接続されていた場合に、映像表示部101に模式的なスピーカの配置図を出し、各スピーカに試験信号を送り、同時に映像表示部上の当該スピーカを点滅などして表示させ、実際に音の来る方向と矛盾がないかをユーザに確認させる機能を有することで、スピーカの配置ミスも簡単に知ることができる。
【0023】
次に、スイッチャ201が実際に接続されているスピーカを検出した後、これを映像音声信号源301,302に知らせるための構成について述べる。これはプラグ・アンド・プレイ機能を実現するために、識別子として、例えばVESA(Video Electronics Standards Association)制定のEDID(Extended Display Identification Data)信号に、スピーカ接続の情報を付加することにより行われる。このEDID信号は、周知のように表示装置の仕様(対応可能水平周波数範囲やピクセル数)等を記述したデータであるが、本実施形態は、このEDID信号にスピーカの接続状況に関する情報も付加して映像音声信号源301,302に通知するように構成したものである。
【0024】
映像音声信号源の要求でスイッチャ−は、EDID信号を送るが、事前にスピーカの検出を行っておけば、スイッチャ201の持つ初期状態のスピーカ配置情報の代わりに、実際に接続されたスピーカの情報に書き換えたEDID信号を送ることができる。またスピーカの検出が終わる前にEDID信号は送出済みとなるならば、検出終了後にホットプラグ機能を用いて、スイッチャ201と映像音声信号源301,302の接続を一旦切断し、再度新たなEDID信号を送るようにする。このためには、EDID信号を送出済みであるか否かを、RAM(Random Access Memory)などに記憶しておいても良い。なおホットプラグ機能は、本来、音声再現装置と映像音声信号源がケーブル接続されたことを示す機能であり、数十ミリ秒程度の切断時間では切断と再接続を認識できないことが考えられるので、確実動作を考えると0.5〜2秒程度の切断時間が望ましく、その切断時間中は装置の機能が中断する。ホットプラグ専用線を独立に用意しておけば、ホットプラグ端子のみを切断する仮想的な切断とすることができ、映像や音声信号の伝送は継続してもかまわない。ホットプラグ機能が無い場合に備え、映像音声信号源が所定の時間例えば0.5〜2秒程度毎にEDIDデータの読み込みを続ける機能を持たせておくと尚好都合である。
【0025】
次に、プラグ・アンド・プレイ機能付の映像音声伝送線231に関して述べる。図2の装置ブロック図を参照しながら、FRスピーカ211とFLスピーカ212が接続されていない、あるいは存在しない場合を考える。図中で斜線を付したスピーカはスピーカケーブルで接続されているとする。スピーカケーブル221,222は図中破線で記入し、また×印を付したとおり接続されていないものとする。この二つのスピーカ211,212は正しい音場感を得るうえでは、欠くことのできないものである。そこで、前記したオーディオアンプ付スイッチャ201によるスピーカの検出により、これらが接続されていないことを知った場合、スイッチャ201は映像表示部101へFR,FLチャネルの音声信号を送り、表示部の持つ右スピーカ111と、左スピーカ112で音声を再現できるようにする。これにより、前方の主スピーカがないことによる不具合を解消できる。映像表示部101にスピーカが接続されているか否かは、映像音声伝送線231を介して伝達されるEDID信号を検出することで、スイッチャ201は知ることができる。そのためには、前記したスピーカが実際に接続されているか否かを検出する機能を、映像表示部101にも有すことにより、さらに正しく音声を再現することができる。なお、FRスピーカ211とFLスピーカ212が接続されており、表示部の持つ右スピーカ111と、左スピーカ112を使用する必要のない場合には、映像表示部101に送る音声信号を停止(Mute)し、あるいは無音のデータを送り、あるいは通常よりレベルを下げた音声信号を送るようにすると良い。
【0026】
また前記したとおり、図2で示したようなスピーカの配置図を、装置の立上げ時などに映像表示部101に表示し、各スピーカの接続の有無を表すとユーザに分かり易い。このためには、スイッチャ201などに図や文字の表示を行うためのOSD(On Screen Display)回路を設けると良い。
【0027】
図2の例では、映像音声信号源301ないし302から5.1チャネルの音声が発生されれば、映像表示部のスピーカ111,112を用いた5.1チャネルの音声再現が可能である。そこで、スピーカ211,212が接続されていないことを検出した際に、図7で模式的に示したような案内を映像表示部101に出しても良い。
【0028】
以上述べた事項の変形として、FR,FLチャネルのスピーカ211,212が接続されていても、Cチャネルの中央スピーカ210が接続されていない場合、スイッチャ201は映像表示部101へCチャネルの音声信号を送り、表示部の持つ右スピーカ111と左スピーカ112、ないしそのいずれか一方で音声を再現できるようにしても良い。これにより、映像表示部101のスピーカを利用した豊かな音場感を得ることができる。
【0029】
現在はFR,FL,C,RR,RL,Sのチャネルを用いた5.1チャネルの音声を、DVDなどで再生できるが、将来、さらに臨場感を増すために、前右側中央寄りチャネル(FRC)、前左側中央寄りチャネル(FLC)の二つのチャネルを加えた7.1チャネルの音声を使うことが考えられる。FR,FLチャネルのスピーカが接続されている場合には、一般にこれらよりは中央寄りに位置しやすい映像表示部のスピーカを、FRC,FLCチャネルに用いて7.1チャネルの音声を再現すると良い。スイッチャ201は、5.1チャネルのスピーカが接続されていることを前記した方法で検出し、また映像音声伝送線231を介して伝達されるEDID信号を検出して、映像表示部101にスピーカが接続されていることを知り、また映像音声信号源301ないし302から7.1チャネルの音声信号が送られた場合、そのうちFRC,FLCチャネルの音声信号は映像音声伝送線231を介して、映像表示部101へ送られる。なお、以上のようにして7.1チャネルの音声の再現が可能な場合において、映像音声信号源301ないし302からの音声信号が、5.1チャネルである場合には、たとえばスイッチャ201でマトリクス演算を行い、FRC,FLCチャネルの信号を擬似的に作り、映像表示部101へ送っても良い。
【0030】
なお、以上述べた映像表示部101の持つスピーカ111,112を活用する場合は、これらに供給する音声信号は映像音声伝送線231に乗せ、これ一本で映像信号とともに送ることができるので、スピーカ毎にスピーカケーブルを引き回す必要がなくなり、配線が容易となる効果もある。
【0031】
次に図3の装置ブロック図を参照しながら、FRチャネルのスピーカ211だけが接続されていない場合を考える。当然ながらこのままでは、正常な音場感は得られない。この場合、スイッチャ201はスピーカ211が接続されていないことを検出したうえで、図8で模式的に示した文字などによるメニューを表示しても良い。ユーザは図中の番号を選択して、たとえばリモートコントローラなどを使い応答する。図8の場合、1を選べば映像表示部(モニタ)に接続されたスピーカ111,112を使って2チャネルステレオで再現する。2を選べばスピーカ211,212は使用せず、スピーカ111,112を主スピーカとして、スピーカ210,213,214,215とともに、5.1チャネルで再現する。3を選べば、ユーザがスピーカ211を接続することを前提にして、スピーカ211〜215を使用して、5.1チャネルで再現する。また4を選べば、ユーザがスピーカ211を接続することを前提にして、スピーカ111,112,211〜215を使用して、7.1チャネルで再現する。ユーザの選択に応じた音声の再現をすることができる効果がある。
【0032】
このようなメニュー表示とメニュー選択は、スピーカ配置の変化をスピーカ接続検出回路が検出した時点だけでなく、ユーザ指示、例えばリモートコントローラで任意のタイミングで開始できると、スピーカ接続検出回路の誤動作等の対策にもなり、便利である。また、スイッチャにスピーカ接続検出回路を設けず、ユーザ指示だけで行っても良い。
【0033】
映像表示部101とオーディオアンプ付スイッチャ201の間で、音声信号に対する利得が異なると正しい臨場感は再現されない。このためには、利得値を規格化し合わせておくことが考えられる。しかし現状はこの規格がなく、特に異なるメーカの装置の間では、これは容易ではない。リモートコントローラは使用者の近辺に置かれるのが普通であるから、これにマイクロフォンを内蔵し、スピーカ毎に音声を発生させてこれを検出し、最適なバランスとなるよう利得を制御する方法が考えられる。また、映像表示部101にスピーカ配置を示す表示を出し、該当するスピーカを点滅するなどして示しながら音声を発生させ、ユーザに最適となるよう調整を依頼する方法もある。また、試験対象スピーカ以外のスピーカをマイクとして動作させることによって、スピーカの配置を推定する方法も考えられる。
【0034】
たとえばスピーカ111,112も利用して、前記したように7.1チャネルの音声を再現している時、音楽のみのプログラムでは、途中で映像表示部101の電源が切断されることも考えられる。この場合は、映像表示部101の電源が入っている時に7.1チャネル、切れている時に5.1チャネルの音声再現となるよう、出力するチャネル数を切換えると良い。映像表示部101の電源が入っているか否かは、ホットプラグ機能を使った、映像音声伝送線231を介してスピーカ非接続を示すEDID信号の再伝送や、映像表示部101の映像音声入力回路の動作状態を映像音声伝送線231を介してスイッチャ201で検出する方法がある。スイッチャ201が映像表示部の電源が切れている、ないし切れたことを知った時に、スイッチャ201でのマトリクス演算で音声を5.1チャネルに変換して、各スピーカ210〜215へ送るようにしても良い。また前記したホットプラグ機能を用いて、映像音声信号源301ないし302とスイッチャ201の間の接続を一旦切断した後に、新たなEDID信号の授受を行い、映像音声信号源301ないし302から送り出す音声信号を5.1チャネルとしても良い。このようにすれば、常にスピーカの状態に適した音声の再現ができる。
【0035】
なお、ホットプラグを用いた切換えは、異なるメーカの装置を用いた場合の互換性を考慮すると、0.5〜2秒程度の時間を見込むことが望ましく、その間装置は機能することができない。同じメーカの装置同士では、設計時に短時間でのホットプラグ動作を考慮した機種であることを確認したうえで、さらに短い時間での切換えを行うことができる。一般に制御信号は映像信号の垂直ブランキング期間に送られるので、ホットプラグ動作による切断時間は、動作マージンを考慮しても、インタレース走査による従来の3フレーム(約200ms)以下とすることができる。これにより切断される時間長を短縮できる効果がある。
【0036】
さらに動作開始時に接続されていなかった音声チャネルに、途中でスピーカが接続された場合、そのままでは該当するスピーカから音声を再現することはできない。ユーザの指令などによってホットプラグ機能を動作させ、前記したスピーカ接続の検出を新たに行った結果をEDID信号のせて、装置間で授受することにより、新たに接続したスピーカも機能できる。以上述べたことを実現するための各構成要素のブロック図について、図4、図5、図6を用いて説明する。図4と図5はオーディオアンプ付スイッチャ201と映像音声信号源301(ないし302)を、図6は映像表示部101を示す。
【0037】
まず図4に基づいて述べる。映像音声信号源301は映像信号源30101、音声信号源30102、音声重畳回路30103、送信回路30104、音声チャネル数制御回路30105から成る。なお、スイッチャ201との接続のためのプラグ・アンド・プレイ機能付映像音声伝送線331は、実際は一本のケーブルであるが、表示の都合上331Aと331Bに分けて図示している。
【0038】
映像信号源30101は、放送ないしDVDなどの装置から得た映像情報を、音声重畳回路30103へ送る。音声信号源30102はこの映像情報に伴う音声情報を、同じく音声重畳回路30103へ送る。音声信号源30102からの音声情報のチャネル数は、音声チャネル数制御回路30105の指示に応じて決定される。このチャンネル数制御は、テレビジョン放送、DVDなどに含まれている音声データの中から必要なチャネル数を抽出して行う場合もある。また、必要に応じてチャネル数を減らす変換、ないし擬似的に信号を作ってチャネル数を増やす変換が行われることもある。このチャネル数の指示は、後述するようにスイッチャ201から送られるEDID信号で決定される。音声重畳回路30103で多重化された映像信号と音声信号は、送信回路30104を介してスイッチャ201へ送られる。
【0039】
次にオーディオアンプ付スイッチャ201は、スイッチ20101、受信回路20102、音声分離回路20103、加算回路20104、音声出力回路20105、スピーカ接続検出回路20106、制御回路20107、OSD回路20108、第一のEDID発生回路20109、第二のEDID発生回路20110、スイッチ20111、音声重畳回路20112から成る。また映像表示装置1との接続のための、プラグ・アンド・プレイ機能付映像音声伝送線231は、実際は一本のケーブルであるが、表示の都合上二本に分けて図示している。スピーカケーブル220〜225は、図1と同様に各々独立している。
【0040】
プラグ・アンド・プレイ機能付映像音声伝送線331Aより、オーディオアンプ付スイッチャ201へ送られた信号は、まずスイッチ20101に与えられる。これは、前記したプラグ・アンド・プレイ機能のためのスイッチである。たとえば装置の電源立上げ時に接続される装置間で、自分の状態を知らせるためにEDID信号を送る際、あるいは、動作中にスピーカの接続が検出され、また接続が変更されたことを検出してEDID信号を送り際には、一旦(最大2秒程度)スイッチ20101は開路される。開閉のタイミングは制御回路20107より与えられる。通常の使用時は閉路されており、映像音声信号は受信回路20102に与えられる。尚、スイッチ20101の回路は模式的に示したものであり、少なくともホットプラグ端子の開路又はレベル変化があれば、必ずしも映像音声の送受信動作を継続してもかまわない。また、ホットプラグ専用線を映像伝送線と独立に配してもよい。
【0041】
次いで音声分離回路20103で映像信号と音声信号が分離され、前者は加算回路20104へ、後者は音声出力回路20105へ与えられる。また制御回路20107へは、必要に応じて実際に受信された音声信号のチャネル数が知らされる。音声出力回路20105は、たとえば7.1チャネル対応であっても良いが、ここでは図1と同様に5.1チャネル対応とする。
【0042】
各チャネルの出力には、本発明によるスピーカ接続検出回路20106が設けられており、スピーカ接続端子のインピーダンスを測定するなどして、接続の有無を検出する。その結果に応じて制御回路20107は、再現するに最適な音声のチャネル数を判定して、スイッチ20111に指示をし、第一のEDID発生回路20109、第二のEDID発生回路20110のうち、最適な音声チャネルを指定できるEDID信号を選択して、映像音声信号源301に送る。もちろん、EDID信号は2種類だけではなく、さらに多数の選択ができるようにしても良い。全てのEDIDデータを複数用意する必要は無く、音声チャネル数に関するEDID部分のみ複数用意して切換えても良い。
【0043】
また制御回路20107は、さきに図7、図8で示したような文字表示、図2、図3で示したような接続図の表示などを行う場合は、OSD回路20108に指示を送り、必要な表示信号を発生させて加算回路20104へ与える。ここで音声分離回路20103からの映像信号へ加算、ないし置換する。なお、OSD回路20108による表示が行われている間、現在放送中の情報を受信しているならば、これを背景画像として重ねて表示しても良いが、DVDなどの再生画像が送られている場合は、これの再生動作を一時停止するようにしても良い。加算回路20104の出力は音声重畳回路20112に与えられる。
【0044】
先の制御回路20107は、図2、図3などの実施例で示したように映像表示装置1の持つスピーカ111,112を使用して音声を再現する場合は、音声重畳回路20112に指示を出し、必要な1ないし2チャネルの音声信号を映像信号に重畳し、映像表示装置1へ送るようにする。音声信号は映像表示装置1の持つスピーカの接続数に応じて、Cチャネルのみ、あるいはFR,FLの2チャネルを選ぶ。また7.1チャネルの場合はFRC,FLCの2チャネルを選ぶこともあり、また5.1チャネルの音声信号から擬似的にFRC,FLCの2チャネルを作って送ることもある。
【0045】
図4において、スピーカ接続端子の一部から信号を並列に取り出して音声重畳回路20112へ入力する例が記されているが、音声分離回路20103の出力を直接音声重畳回路20112へ入力しても良い。スピーカ接続端子はアナログ信号であることが多く、音声分離回路20103や音声重畳回路20112がディジタルデータを扱う場合に有利である。後述する図10で、音声選択回路20205を経由して音声分離回路20103の出力を音声重畳回路20112へ入力するように構成しても良い。 なお、映像表示装置1の持つスピーカが実際に接続されているか否かは、後記するような映像表示装置1側の類似の手段により、EDID信号として制御回路20107へ伝えられる。これらを基に制御回路20107は、前記した音声重畳回路20112への指示を決定する。
【0046】
図5は、本発明において、スピーカの実際の接続は検出するが、映像表示装置1のスピーカを積極的に活用する機能は省略した場合のブロック図を示す。図4と比較して、音声重畳回路20112が省かれている。
【0047】
図6は本発明における映像表示部101の一実施例を示すブロック図である。図6の構成は、映像表示体10112があり、音声信号が二つのスピーカ111,112へ与えられることを除けば、図4、図5のスイッチャ201と同様であるので、詳しい説明は省略する。ここでは映像表示部101の持つスピーカが実際に接続されているか否かを検出するための、スピーカ接続検出回路10106を有し、その結果を制御回路に送り、さらに実際の接続状態をスイッチャ201に知らせるEDID信号を発生して、前述のとおり最適の音声信号を受信できるようにしたことを特徴としている。プラグ・アンド・プレイの機能のためのスイッチ10101があること、EDID信号の発生回路は二つとは限らないことなどは、さきのスイッチャ201と同様である。
【0048】
以上の説明において、後述する図10でEDID−RAM20206と例示しているように、EDID信号の発生回路をRAM(Random Access Memory)やフラッシュRAMで構成し、その内容をCPUなどで構成される制御回路で書き換えて使うようにすれば、一つの発生回路で、さらに多種の信号を発生することができる。
【0049】
次に図9の装置ブロック図を用いて、本発明の別の実施例を述べる。図1と異なる点は、図1のオーディオアンプ付スイッチャ201が、図9ではオーディオアンプ202、スイッチャ203と、別の構成要素に分かれていることである。この場合映像表示部101に信号を供給するプラグ・アンド・プレイ機能付映像音声伝送線231に関しては、これをスイッチャ203に接続すれば、図1と同様な動作が可能である。また、スピーカ210〜215は図1と同様にして、スピーカケーブル220〜225を介して、オーディオアンプ202に接続される。したがいスイッチャ203は、映像音声信号源301,302からの信号を振り分ける機能を有し、映像信号を映像表示部101へ送るほか、音声信号の各チャネルを前記した実施例に示したように、スピーカの実際の接続状況に応じ、オーディオアンプ202と映像表示部101へ分けて送る。
【0050】
オーディオアンプ202とスイッチャ203を接続する音声伝送線232が、プラグ・アンド・プレイ機能を持つか否かで動作が変わる。まず機能を持つ場合は、この機能をオーディオアンプ202とスイッチャ203の間で新たに行うことになるが、そのほかは図1の場合と同じである。一方機能を持たない場合は、オーディオアンプ202に実際に接続されるスピーカを、ユーザが装置に知らせるようにする。たとえば、リモコンを用いて接続されているチャネルを入力する、あるいは映像表示部をタッチパネル式にし、図2に示したような表示を出し、接続されているスピーカのマークに触れて入力するなどの方法が考えられる。なお各実施例において、映像表示装置101の持つスピーカが二個である場合を例にとって説明したが、一個、ないし三個以上であっても本発明は適用でき、本発明の記述と同様の発想で、これらを利用した多チャネルの音声再現を実現することができる。
【0051】
次に図10の装置ブロック図を用いて、本発明の別の実施例を述べる。図1におけるオーディオアンプ付スイッチャ201にDVDやSTBなどの映像・音声信号源が内蔵された場合を想定したものである。図10において、20201は映像信号源、20202は音声信号源、20203は映像信号切換えスイッチ、20204は音声信号切換えスイッチ、20205音声選択回路、20109はEDID−RAMである、図4に示したものと同じ構成要素でも良いものは、同じ番号を付して示している。
【0052】
図10では、EDID−RAM20109を用いているが、図4の説明でもふれた通り、図4の複数のEDIDを切換えるものと同様な働きをする。また、音声選択回路20205を設けて、音声分離回路20103の出力から映像表示装置1へ伝送する音声信号を抽出して音声重畳回路20112へ送っているが、基本的に図4と同様な動作である、特に、外部の信号源301に対しては、図4と同様な動作なので、動作説明は省略する。
【0053】
スイッチ20203と20204が内部の映像信号源20201の映像出力と内部の音声信号源20202の音声出力を選択する場合は、EDIDデータのやりとりは必要無く、直接制御回路20107が音声信号源20202を直接制御(図示せず)して最適な音声チャネル再生数を設定する。他は外部信号源301と同様な動作となるので、省略する。
【0054】
次に図11の装置ブロック図を用いて、本発明の別の実施例を述べる。図1におけるオーディオアンプ付スイッチャ201にヘッドホン端子を設けた場合である。図11において、226はスイッチャ201のヘッドホン端子(図示せず)とヘッドホンを接続するヘッドホンケーブル、20207はヘッドホン検出回路である。図10に示したものと同じ構成要素でも良いものは、同じ番号を付して示している。基本動作は図10と同様なので省略し、ヘッドホン接続動作に絞って以下,説明する。
【0055】
ヘッドホン端子にヘッドホンが接続されると、ヘッドホン検出回路20207が、機械的な接点の開閉あるいはヘッドホンのインピーダンス検出により、ヘッドホンの接続を検出する。ヘッドホン検出信号が音声出力回路20105及び音声選択回路20205へ入力され、スピーカケーブル220〜225への音声出力及び音声重畳回路20112への音声出力を止める(無音化する)ものである。これにより、スイッチャ201に接続されたスピーカや映像表示装置1に接続されたスピーカ全ての音出力を停止させることができる。映像表示装置に接続された音を止める場合は、上記の音声重畳回路20112の入力を無音化する以外に、映像表示装置1の音量を下げるよう制御信号を映像表示装置に送る方法もある。
【0056】
ここで、例えばヘッドホン接続前に5.1chのスピーカ配置を取っていたとすると、接続されたヘッドホンがステレオやモノラルかなど音声再生チャネル数が減る。このチャネル数の変化を制御20107経由で20206のEDID−RAMのスピーカ配置情報を書換えると共に、スイッチ20101のホットプラグ機能を用いて、信号源301へ知らせ、ヘッドホンに適した音声データを信号源301が出力するものである。
【0057】
次に図12の映像表示部のブロック図を用いて、本発明の別の実施例を述べる。図1における映像表示部101にヘッドホン端子を設けた場合である。図12において、123は映像表示部101のヘッドホン端子(図示せず)とヘッドホンを接続するヘッドホンケーブル、10113はヘッドホン検出回路、10114はEDID−RAMである。図6のEDID−1とEDID−2をスイッチ10111で切換える部分は図10の実施例と同様にEDID−RAMで代用している。その他、図6に示したものと同じ構成要素でも良いものは、同じ番号を付して示している。基本動作は図6と同様なので省略し、ヘッドホン接続動作に絞って以下、説明する。
【0058】
ヘッドホン端子にヘッドホンが接続されると、ヘッドホン検出回路10113が、機械的な接点の開閉あるいはヘッドホンのインピーダンス検出により、ヘッドホンの接続を検出する。ヘッドホン検出信号が音声出力回路10105へ入力され、スピーカケーブル121,122への音声出力を止める(無音化する)ものである。これにより、映像表示部101に接続されたスピーカの音出力を停止させることができる。
【0059】
ここで、例えばヘッドホン接続前にスピーカが接続されていなかったとすると、ヘッドホンを接続したことにより、音声再現機能が付加されてことになる。この変化を制御10107経由で10114のEDID−RAMのスピーカ配置情報を書換えると共に、スイッチ210101のホットプラグ機能を用いて、音声出力装置やスイッチャなどの音声処理装置(図示せず)へ知らせ、ヘッドホンに適した音声データを映像表示部が受け取り、ヘッドホンで音再現するものである。また、プラグ・アンド・プレイ機能付映像音声伝送線231に接続された音声処理装置がスピーカが接続されたオーディオアンプであるとすると、これらのスピーカの音出力も同時に停止させる必要がある。このためには、前述したEDID−RAMのスピーカ配置情報の書換えでオーディオアンプへ知らせることができる。
【0060】
また、図示していないが、専用の制御線やリモコンを併用すれば、オーディオアンプを直接制御してスピーカを無音化することができる。制御線やリモコン併用する方法は、映像表示部101にステレオスピーカが接続されている時に、ステレオヘッドホンが接続されると、EDID−RAMのスピーカ配置が同一であるため区別できなくなる際に有効である。
【0061】
以上の実施形態の説明では、スイッチャ201が映像音声信号源301や302、または映像表示装置1と分離されているが、映像音声信号源301や302または映像表示装置1がスイッチャ201内蔵する構成でもよい。この場合、スイッチャ201から映像音声信号源301や302に対し接続情報を送信する構成は省かれるが、検出された接続状態に応じたチャネル数制御の構成は、前述の実施例と変わらない。
【0062】
更に、テレビジョン放送信号に番組情報が重畳されている場合には、その番組情報に基づき音声のチャネル数制御を行ってもよい。番組情報は、電子番組ガイドをディスプレイ上に表示するために用いられる。この番組ガイドは、通常、各チャンネルの将来における番組のスケジュールを表す。また、番組情報は、番組のタイトル、放送局名(Ch番号)、番組の放送開始及び終了時刻、その番組の種類(映画、ニュース、ドラマ等)、その番組で再生される音声のチャネル数に関するデータを含んでいる。
【0063】
番組がニュースの場合は2Chの音声信号が、映画や音楽番組であれば、5.1Chもしくは7.1Chの音声信号が、それぞれの番組の放送信号に重畳される場合が多い。よって、ニュースの放送信号に対しては、音声チャネル数が2Chであることを示すデータが、映画や音楽番組の放送信号に対しては音声チャネル数が5.1Chもしくは7.1Chであることを示すデータが付加される。
【0064】
従って、本発明の他の実施形態として、ユーザが選局した番組の放送信号から番組情報を抜き出し、その抜き出された番組情報に含まれる音声チャンネル数のデータに従って、音声Ch数制御回路で音声信号源30102を制御するようにしてもよい。従って、ニュース番組を選局し、その放送信号に音声チャネル数が2Chであることを示すデータが付加されたいる場合は、たとえ装置が5.1Chのスピーカを有する場合でも2Chで音声が再生される。一方、映画番組を選局し、その放送信号に音声チャネル数が5.1Chであることを示すデータが付加され、かつ装置が5.1Chのスピーカを有する場合は、全てのスピーカを活用して音声の再生を行う。このように構成することによって、番組の内容に応じた、自動的な音声チャネル数制御が実現できる。
【0065】
更に、本発明では、2Chの音声信号しか付加されていない映画も、その番組が上記番組情報に含まれる番組種類のデータで「映画」であることが判明すれば、その番組を5.1Chで擬似再生することが可能である。また、7.1Chの音声信号しか付加されているニュースでも、その番組が上記番組情報に含まれる番組種類のデータで「ニュース」であることが判明すれば、その番組を2Chで擬似再生することも可能である。すなわち、この実施形態では、再生すべき音声チャネル数を決定するためのデータとして、番組情報に含まれるチャネル数データよりも、番組種別のデータを優先して用いることを特徴とするものである。
【0066】
より具体的に説明すれば、テレビジョン放送信号を受信する回路を備えた映像音声信号源301は、受信番組の番組情報中の番組情報が「映画」を示す場合は5.1Chもしくは7.1Chで音声を再生し、番組情報が「ニュース」を示す場合は2Chで音声を再生するためのデータを予め記憶する。つまり、番組の種類に対応した適切な再生音声チャンネル数のデータを、番組の種類毎に予め設定してテーブルを構成する。このテーブル内のデータを、再生される音声チャネル数の初期設定として用いる。上記テーブルは、図示しないマイクロコンピュータ内のメモリ、または別のメモリに格納してもよい。映像音声信号源301(に内蔵されるマイクロコンピュータ)は、受信したテレビジョン放送信号から番組情報を抽出し、その番組情報中に含まれる番組種類のデータの内容を判別する。その判別結果は、上記メモリに格納されたテーブルと参照され、そしてマイクロコンピュータは、判別した番組種類と対応する再生音声チャネル数のデータを、上記メモリから読み出す。この再生音声チャネル数のデータを使用して、番組音声Ch数制御回路は、音声信号源30102を制御して再生される音声のチャンネル数を制御する。このような構成により、番組の種類に応じた、適切なチャネル数で音声を再生することが可能となる。上記テーブルを使用した再生音声チャネル数制御は、ユーザが許可/禁止を選択できるようにしてもよい。その場合は、OSD回路を用いて、その選択に関するメッセージをディスプレイ上に表示し、ユーザと対話的に行うようにすることが好ましい。
【符号の説明】
【0067】
1…映像表示装置、101…映像表示部、111…表示部の持つ右スピーカ(R)、112…表示部の持つ左スピーカ(L)、121,122…スピーカケーブル、2…音声再現装置、201…オーディオアンプ付スイッチャ、202…オーディオアンプ、203…スイッチャ、210…スイッチャに接続された中央スピーカ(C)、211…スイッチャに接続された前右スピーカ(FR)、212…スイッチャに接続された前左スピーカ(FL)、213…スイッチャに接続された後右スピーカ(RR)、214…スイッチャに接続された後左スピーカ(RL)、215…スイッチャに接続されたサブウーハ(S)、221〜225…スピーカケーブル、231…プラグ・アンド・プレイ機能付映像音声伝送線、232…音声伝送線、3…信号源、301…映像音声信号源、302…映像音声信号源、331,332…プラグ・アンド・プレイ機能付映像音声伝送線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声信号出力装置から出力された複数の音声チャネルを含む音声信号が入力され、該入力音声信号を処理して接続されたスピーカまたはヘッドホンに供給するための音声処理装置であって、
前記スピーカ又はヘッドホンの接続状態を記憶する状態記憶部を設け、
該状態記憶部は、前記スピーカ又はヘッドホンが接続されているか否かを検出するための検出回路の検出結果又はユーザ設定、それらの組合せのいずれかの設定を記憶し、
該状態記憶部の記憶に基づいて、スピーカ又はヘッドホンの接続状態に関する情報を前記音声信号出力装置に送信するための制御回路を備えたことを特徴とする音声処理装置。
【請求項2】
前記検出回路におけるスピーカ接続の検出は、前記出力端子における電気的なインピーダンスを測定して行われることを特徴とする請求項1に記載の音声処理装置。
【請求項3】
音声信号出力装置と、該音声信号出力装置から出力された複数の音声チャネルを含む音声信号が入力され、該入力音声信号を処理して接続されたスピーカ又はヘッドホンに供給するための音声処理装置とを備えた音声処理システムであって、
前記スピーカ又はヘッドホンの接続状態を記憶する状態記憶部を設け、
該状態記憶部は、前記スピーカ又はヘッドホンが接続されているか否かを検出するための検出回路の検出結果又はユーザ設定、それらの組合せのいずれかの設定を記憶し、
該状態記憶部の記憶に基づいて、該スピーカ又はヘッドホンの接続数に対応した音声チャネル数に関する情報を前記音声信号出力装置に送信するための制御回路を備えたことを特徴とする音声処理システム。
【請求項4】
前記音声信号出力装置は、前記音声処理装置から出力された前記音声チャネル数に関する情報を入力し、該情報に対応する音声チャネル数の音声信号を生成して前記音声処理装置に供給することを特徴とする請求項3に記載の音声処理システム。
【請求項5】
前記音声出力装置は、前記音声信号とともに映像信号を出力するように構成され、前記音声処理装置は、少なくとも前記音声出力装置から出力された映像信号を、該音声処理装置に接続される表示装置に供給することを特徴とする請求項3に記載の音声処理システム。
【請求項6】
前記音声出力装置は、前記音声信号とともに映像信号を出力するように構成され、前記音声処理装置は、前記音声出力装置から出力された映像信号を表示するための表示装置に内蔵されることを特徴とする請求項1に記載の音声処理装置。
【請求項7】
映像信号及び複数の音声チャネルを含む音声信号を処理して、該映像信号を映像表示装置に供給し、音声信号を接続されたスピーカに供給するための音声処理装置であって、
前記映像信号に対して、前記映像表示装置に付属するスピーカの数に応じたチャネル数の音声信号を重畳して、映像表示装置に供給するための音声重畳回路を備えたことを特徴とする音声処理装置。
【請求項8】
前記音声処理装置にヘッドホン接続端子とヘッドホン検出回路を設け、該ヘッドホン検出回路の検出結果により前記映像表示装置に供給する音声信号の重畳を停止させることを特徴とする請求項7に記載の音声処理装置。
【請求項9】
映像信号及び複数の音声チャネルを含む音声信号を処理して、該映像信号を映像表示装置に供給し、音声信号を接続されたスピーカに供給するための音声処理装置であって、
前記音声処理装置のスピーカ接続端子に前記スピーカが接続されているか否かを検出するための第一の検出回路と、
前記映像表示装置に付属するスピーカを検出する第二の検出回路と、
入力された複数の音声チャネルを含む音声信号を該第一と第二の検出回路の検出結果に応じた音声処理を行い、第二の検出回路の検出結果に応じたチャネル数以下の音声信号を前記映像信号に重畳して前記映像表示装置に供給する音声重畳回路と、を備えたことを特徴とする音声処理装置。
【請求項10】
前記第一の検出回路によって特定チャネルのスピーカ接続端子にスピーカが接続されていないと検出された場合、前記音声重畳回路は、該特定チャネルの音声信号を前記映像信号に重畳して、該特定チャネルの音声信号を前記映像表示装置に付属するスピーカで再生するようにしたことを特徴とする請求項9に記載の音声処理装置。
【請求項11】
前記第一の検出回路によって特定チャネルのスピーカ接続端子にスピーカが接続されていると検出された場合、前記音声重畳回路は、該特定チャネルの音声信号のレベルを通常よりも低下させて前記映像信号に重畳する、もしくは該特定チャネルの音声信号の映像信号に対する重畳を停止することを特徴とする請求項9に記載の音声処理装置。
【請求項12】
前記映像表示装置に供給する音声信号は、前記音声処理装置に入力される音声信号が5.1チャネルの場合、前方右(FR)チャネルおよび前方左(FL)チャネル、及び/又は中央(C)チャネルであることを特徴とする請求項9に記載の音声処理装置。
【請求項13】
前記第一の検出回路によって前記スピーカ接続端子に第1のチャネルのスピーカが接続されていると検出された場合、前記音声重畳回路は、第2のチャネルの音声信号を前記映像信号に重畳することを特徴とする請求項9に記載の音声処理装置。
【請求項14】
前記第1チャネルは、前記入力音声信号が7.1チャネルの場合、前方右(FR)チャネル、前方左(FL)チャネルおよび中央(C)チャネルであり、前記第2チャネルは、右側中央寄り(FRC)チャネルおよび左側中央寄り(FLC)チャネルであることを特徴とする請求項13に記載の音声処理装置。
【請求項15】
前記第一の検出回路による検出結果を用いて、スピーカの接続状態に関する視覚的なメッセージをユーザに提供するためのOSD(On Screen Display)回路と、前記映像信号にOSD回路出力を重ね合わせた映像信号又はOSD回路出力に置換して前記映像信号表示装置に供給する加算回路とを備えたことを特徴とする請求項9に記載の音声処理装置。
【請求項16】
信号出力装置から出力された映像信号と音声信号が入力され、該入力映像信号を処理して表示し、かつ該入力音声信号を処理してスピーカ又はヘッドホンに供給するための映像表示装置であって、
前記スピーカ又はヘッドホンの動作状態を検出するための検出回路の検出結果又はユーザ設定、それらの組合せのいずれかを記憶する状態記憶部と、該状態記憶部の記憶に基づいて、スピーカ又はヘッドホンの接続状態に関する情報を前記信号出力装置に送信するための制御回路と、を備えたことを特徴とする映像表示装置。
【請求項17】
スピーカが接続された外部音声処理装置から出力された映像信号を処理して表示する映像表示装置であって、
ヘッドホン接続端子とヘッドホン検出回路を設け、ヘッドホン検出回路の検出結果を前記外部音声処理装置に送出する制御回路を備えたことを特徴とする映像表示装置。
【請求項18】
音声信号出力装置からの信号を受け、これを処理して出力する音声処理装置において、
該音声処理装置が接続されたことを、音声信号出力装置に知らしめるためのホットプラグ機能と、該音声処理装置の構成を、音声出力装置に伝えるプラグ・アンド・プレイ機能と、該音声処理装置の構成等が変化した場合に、該音声処理装置が音声信号出力装置との接続を切断後に再接続状態として、音声信号出力装置のプラグ・アンド・プレイ動作開始を要求する機能を有し、
該音声信号出力装置がホットプラグ機能による短時間の切断にも応答して、再接続後のプラグ・アンド・プレイ動作を処理できることを、該音声処理装置が認識した場合は、認識しない場合に比べて切断状態を短時間にしたことことを特徴とする音声処理装置。
【請求項19】
映像を表示し、音声を再現する映像表示装置において、
該映像表示装置が接続されたことを、映像信号出力装置に知らしめるためのホットプラグ機能と、該映像表示装置の構成情報を、映像信号出力装置に伝えるプラグ・アンド・プレイ機能と、該映像表示装置の構成等が変化した場合に、該映像表示装置がホットプラグ機能を用いて、映像信号出力装置との接続を切断後に再接続状態として、映像信号出力装置のプラグ・アンド・プレイ動作開始を要求する機能を有し、
該映像信号出力装置がホットプラグ機能による短時間の切断にも応答して、再接続後のプラグ・アンド・プレイ動作を処理できることを、該映像表示装置が認識した場合は、認識しない場合に比べて切断状態を短時間にしたことを特徴とする映像表示装置。
【請求項20】
音声信号を処理する回路を備えた音声処理装置において、
再生される音声信号のチャネル数に関する複数の選択肢を含むメニュー画面を、ユーザに提示するためのOSD回路と、
該OSD回路によって表示されたメニュー画面からユーザが選択した選択肢に対応するチャンネル数を用いて、音声信号のチャンネル数を制御するための制御信号を生成する信号生成回路とを有することを特徴とする音声処理装置。
【請求項21】
更に、前記信号生成回路からの制御信号に基づいて、音声信号のチャンネル数を制御する音声チャンネル数制御回路を有することを特徴とする請求項20に記載の音声処理装置。
【請求項22】
前記メニュー画面は、前記装置にスピーカが接続されていない場合に、スピーカを接続することを促すメッセージを含むことを特徴とする請求項20に記載の音声処理装置。
【請求項23】
映像信号、音声信号、及び少なくとも番組の種類に関するデータを含む番組情報有するテレビジョン放送信号を受信して音声を再生する装置において、
複数の番組の種類に各々対応して、再生すべき音声チャネル数のデータを記憶するメモリと、前記受信した番組情報に含まれる番組の種類に関するデータを用いて、そのデータに対応する前記再生音声チャネル数のデータを前記メモリから読み出す読み出し回路と、前記読み出し回路から読み出された前記再生音声チャネル数のデータを用いて、再生される音声信号のチャンル数を制御する音声チャネル数制御回路とを備えることを特徴とする音声再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−35216(P2010−35216A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−255676(P2009−255676)
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【分割の表示】特願2007−10957(P2007−10957)の分割
【原出願日】平成14年12月27日(2002.12.27)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】