説明

映像表示装置及び情報提供システム

【課題】利用者が安心して歩くことができる映像表示装置及び情報提供システムを提供する。
【解決手段】情報提供システム100は、案内・危険箇所情報を通信装置から送信し、映像表示装置1は前記案内・危険箇所情報を通信部80で受信して該案内・危険箇所情報を外界の映像と同時に表示エリアAに表示する。更に、映像表示装置1は、測位部90により検出される方位と案内・危険箇所情報とを元に、利用者の向いている方位に応じた情報を表示エリアAに表示する。更に、映像表示装置1は、受信された案内・危険箇所情報に応じて画像処理部60で外界の映像を変換処理して表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像表示装置及び情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、階段やエレベータの位置などの建物内の構成や道路の状況などを認識することが困難な高齢者や視覚障害者に対してその案内を行うシステムが開発されている。
例えば、利用者を誘導するときに赤外線センサなどのセンサ装置で周囲の状況を検知して音声通知する誘導システムに関する技術が提案されている(特許文献1を参照)。
また、周囲の状況を電磁波の反射から検知し、検知された検知物を撮影して予め記憶されている映像と比較することで名称を特定し、音で提示する経路誘導方法が提案されている(特許文献2、4を参照)。
また、情報提供が必要な場所に非接触ICカードを配置してカードリーダにより読み取ることで案内情報を提供する歩行誘導及び案内情報システムが提案されている(特許文献3を参照)。
【特許文献1】特開平8−66441号公報
【特許文献2】特開平8−252279号公報
【特許文献3】特開平11−175017号公報
【特許文献4】特開2001−319288号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、障害物をセンサや撮像装置で捉える構成では、建物の構成により測定範囲に死角が生じる可能性があり、的確な案内を行うことができないといった問題があった。また、特に視覚障害者は階段の上り又は下りを判別することも困難な場合があり、単に障害物に関する警告や経路情報の提示だけでは利用者に優しい案内とは言えず、さらなる開発が望まれていた。
【0004】
そこで、本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、より利用者が安心して歩くことができる映像表示装置の提供を課題とするものである。
また、本発明は、利用者が安心して歩行することができる情報提供システムの提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、案内対象箇所に関する無線送信案内情報を受信する受信手段と、前記受信手段により受信された案内情報を光学像に変換する画像処理手段と、前記画像処理手段により変換された光学像を当該映像表示装置の利用者の眼に導く接眼光学系を有する表示手段と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、掲示された案内対象箇所の案内情報を取得する案内情報取得手段と、前記案内情報取得手段により取得された案内情報を光学像に変換する画像処理手段と、前記画像処理手段により変換された光学像を当該映像表示装置の利用者の眼に導く接眼光学系を有する表示手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の案内情報提供システムは、請求項1又は2に記載の発明において、当該映像表示装置の存在位置を測位する自己位置測位手段と、この自己位置測位手段からの自己の存在位置情報及び前記送信された案内対象箇所の存在位置情報に基づいて、当該映像表示装置の存在位置を基準とする前記案内対象箇所の存在方位を算出する方位算出手段とを更に有し、前記画像処理手段は、前記算出された案内対象箇所の存在方位情報を光学像に変換して前記表示手段に送ることを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、前記案内対象箇所の案内情報は危険箇所に関する情報であることを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発明において、前記案内対象箇所の案内情報は階段に関する情報であることを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の発明において、前記案内対象箇所の案内情報は、階段の昇降方向、階段の延在方向、階段の段数、階段の開始位置、階段の終了位置、階段の一段当たりの高さ、踊り場の位置、階段の開始位置から踊り場までの段数、踊り場から階段の終了位置間での段数のいずれかを含むことを特徴とする。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の発明において、外界の映像を撮像する撮像手段を更に備え、前記画像処理手段は、前記案内情報に応じて撮像手段による撮像画像の変換処理を行ない、前記表示手段は、前記変換処理された画像を当該映像表示装置の利用者の眼に導くことを特徴とする。
【0012】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、前記画像処理手段による変換処理は、撮像画像の輪郭を強調することを特徴とする。
【0013】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の発明において、前記表示手段を備えるレンズと、該レンズの左右方向の中央付近に取り付けられ、鼻に接する鼻当てと、前記レンズの左右方向の両端付近に取り付けられ、耳、側頭部または後頭部に接する1対のテンプルとを含む装着部を備える眼鏡型の装着手段を更に備えることを特徴とする。
【0014】
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか一項に記載の発明において、前記表示手段は反射型又は回折型ホログラムディスプレイであることを特徴とする。
【0015】
請求項11に記載の発明は、請求項1〜10のいずれか一項に記載の発明において、前記表示手段の透過率は30%以上であることを特徴とする。
【0016】
請求項12に記載の発明は、請求項1、3〜11のいずれか一項に記載の映像表示装置を利用した情報提供システムである。
更に、請求項13に記載の発明は、請求項2〜11のいずれか一項に記載の映像表示装置を利用した情報提供システムである。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の発明によれば、無線送信される案内情報を受信し、該案内情報を利用者に見ることを可能に表示する構成であるため、利用者は、案内情報を容易に確認することができ、安心して歩行することができる。
【0018】
請求項2に記載の発明によれば、例えば二次元コード情報などにより掲示された案内情報を取得し、該案内情報を利用者に見ることを可能に表示する構成であるため、利用者は、案内情報を容易に確認することができ、安心して歩行することができる。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、案内を行なう地点から案内対象への方位と装置の向いている方位を検出する構成であり、利用者の向いている方位に応じた案内情報を提供することができるため、利用者により分かり易い案内を行うことができ、歩行時の安心感を向上させることができる。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、危険箇所に関する情報を表示する構成であるため、特に危険な場所を的確に利用者に通知することができ、利用者により安全な案内を行うことができる。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、階段に関する情報を表示する構成であるため、特に階段に不安をおぼえる視覚障害者などでも安心して歩行することができる。
【0022】
請求項6に記載の発明によれば、階段に関する詳しい情報を表示する構成であるため、特に階段に不安をおぼえる視覚障害者が安心して階段を歩行することができる。
【0023】
請求項7に記載の発明によれば、取得された外界の映像を案内情報に応じて変換して表示する構成であるため、利用者に特に注意を促す必要がある地点の映像を的確に通知し、より安全な歩行環境を提供することができる。
【0024】
請求項8に記載の発明によれば、案内情報に応じて外界の映像の輪郭を強調して表示する構成であるため、利用者が階段や障害物といった危険な箇所の形状を的確に認識することができるため、危険箇所を通過する場合においても安心して歩行することができる。
【0025】
請求項9に記載の発明によれば、眼鏡型の映像表示装置とすることができるため、映像表示装置の利用時の負担を通常の眼鏡を掛ける程度に抑えることができ、より容易かつ安全に利用者への案内を行なうことができる。
【0026】
請求項10に記載の発明によれば、反射型又は回折型ホログラムディスプレイを備えた構成において本発明を実施することができる。
【0027】
請求項11に記載の発明によれば、表示手段が30%以上の透過率をもつため、外界の映像をより鮮明に確認することができるため、歩行時に妨げになることが無く、より安全な歩行環境を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
[第1の実施の形態]
以下、この発明の実施の形態について説明するが、この発明は、この実施の形態に限定されない。また、この発明の実施の形態は発明の最も好ましい形態を示すものであり、発明の用語はこれに限定されない。
【0029】
先ず、図1を用いて、本発明である情報提供システム100の構成を説明する。情報提供システム100は、利用者が携帯し、画面に表示される案内情報から目的地までの経路案内と周囲の状況を同時に確認可能に表示する映像表示装置1と、該映像表示装置1に案内情報を無線通信Nを通じて提供する通信装置M1、M2…と、各通信装置から発信する情報を制御するサーバSとから構成される。
【0030】
サーバSは、PC(Personal Computer)、WS(Work Station)などの情報機器で構成され、電話回線、LAN(Local Area Network)回線、WAN(Wide Area Network)回線、無線通信などの通信方法により通信装置M1、M2…と接続し、特に図示しないキーボードによる指示や記憶装置に格納された制御プログラムや制御データなどの情報を元に、各通信装置を制御する。
本実施の形態では、サーバSにより通信装置を統括制御する構成であるため、各通信装置から送信する案内・危険箇所情報の更新を容易に行うことができる。
【0031】
送信装置としての通信装置M1、M2…は、サーバSからの制御情報に基づいて特に図示しない通信回路により無線通信Nを通じて案内・危険箇所情報(案内情報)を映像表示装置1に送信する。なお、ここでいう無線通信Nは、GSM(Global System for Mobile communication)方式、GPRS(General Packet Radio System:汎用パケット通信システム)方式、PDC(Personal Digital Cellular)方式、CDMA(Code Division Multiple Access)方式、PHS(Personal Handyphone System)方式、Bluetooth無線通信方式、無線LAN、無線タグ等のように各種携帯電話、無線モデム、無線通信タグの規格や通信方式により各通信装置と映像表示装置1とを接続する通信路である。また、無線通信Nは、赤外線通信による通信路であってもよい。
【0032】
映像表示装置1は、表示部10、記憶部40、撮像部50、画像処理部60、制御部70、通信部80、及び測位部90を備える。
【0033】
表示手段としての表示部10は、後述する図4のように構成され、処理済みの画像情報を映像として表示する表示器と、該表示器からの光を眼に導いて観察者へ可視画像を表示する接眼光学系とからなる。また、表示部10は、制御部70からの指示により、機器の状態を示すステータス情報を制御部70へ送信する。
【0034】
記憶部40は、電気的に消去及び書き換えが可能な不揮発メモリであるEEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)やフラッシュメモリなどにより構成され、制御部70による制御処理時に使用される映像表示装置1の各種設定データや処理プログラム、及び画像データなどを格納し、制御部70からの処理用データ要求に対して、該当するデータを制御部70に送信する。なお、映像表示装置1の各種設定データとは表示部10での表示レイアウトに関する情報などであり、画像データとは表示部10で表示される動画又は静止画像などである。
【0035】
取得手段としての撮像部50は、例えばCCD(Charge-Coupled Device)カメラを用いて撮像を行ない、制御部70からの制御命令によって、ピント制御、絞り制御、視野角制御、ズーム制御、階調制御等が行なわれ、被写体を撮像する。これらの撮像された画像情報及び各種制御状態を示すステータス情報は制御部70へ送られる。
【0036】
画像処理手段としての画像処理部60は、画像処理全体を司るCPU(Central Processing Unit)、画像処理プログラムを記憶したROM(Read Only Memory)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)等を有し、制御部70からの画像処理指示情報と画像情報とに基づいて後述する画像処理を行ない、処理済み画像として表示部10で表示する画像を制御部70に出力する。また、画像処理部60では、撮像部50で撮像して得られた画像や記憶部40に格納された画像などを映像として表示可能に画像処理する。
【0037】
また、画像処理部60は、制御部70からの制御により撮像部50で撮像された画像などの階調変換、色変換、鮮鋭性処理、画像抽出等の画像処理も行なう。例えば周波数補正の画像処理や輝度を所定の閾値で二値化するなどの処理で輪郭強調することにより外界の物体の輪郭を捉えやすくする。また、記憶部40に格納された色テーブルを用いて行なわれる色調補正の画像処理では、特定色を強調し、またモノクロ化して表示し、色盲等の視覚障害者を有する利用者に見易いようにすることができる。また、利用者が色弱などの場合に従来区別がつかなかった色を交換処理して別の濃度または色で表示することにより、見易いようにすることができる。また、視覚障害者により輝度圧縮の画像処理では、画面全体の輝度を対数変換し、コントラストを落として表示することで見易くしたり、全体に輝度を上げることにより見易いようにすることができる。
【0038】
制御部70は、制御全体を司るCPU、制御プログラムを記憶したROM、データを一時的に記憶するRAM、バッテリ等を有し、CPUにおいて、RAMの所定領域を作業領域としてROMに記憶されている各種制御プログラムに従い、各部に制御信号を送って映像表示装置1の動作全般を統括制御する。また、バッテリは別体として電源ケーブル等により電気を供給するようにしても良い。この制御部70のバッテリが映像表示装置1全般の電源である。
【0039】
具体的に、制御部70は、後述する通信部80で受信される案内・危険箇所情報、表示部10、撮像部50、測位部90からのステータス情報、表示レイアウトや機器の設定などの記憶部40に格納された処理用データを元に画像処理指示情報を作成し、撮像部50で撮像して得られた画像情報と前記画像処理指示情報とを画像処理部60へ送り、画像処理部60で画像処理された処理済み画像情報を受け取る。そして制御部70は、画像処理部60から送られる処理済み画像情報を表示部10へ送ることで前述の表示器へ映像を表示する。
【0040】
受信手段としての通信部80は、前述の通信方式により各通信装置(通信装置M1、M2…)からの案内・危険箇所情報を受信する通信回路であり、受信した情報を制御部70に出力する。
【0041】
自己位置測位手段としての測位部90は、例えば磁気インピーダンス効果等を利用して微弱な磁気を検知可能な磁気センサ(特に図示しない)から構成されたもので、鉛直方向と直交する平面上で互いに直交するX軸方向とY軸方向の磁気成分を検知する2つの磁気センサにより地磁気の方向を検知して測位する。具体的には、磁気センサに駆動用電流として一定のバイアス電流が印加され、各軸方向の磁界強度に応じた検知電圧信号が測定されて、制御部70に該検知電圧信号をステータス情報として出力される。
制御部70では、方位算出手段として、受信した検知電圧信号を元に鉛直方向と直交する平面上の地磁気の方向を算出することで映像表示装置1の向いている方位(映像表示装置1を装着して利用する利用者の向いている方向)を検出する。
【0042】
なお、測位部90は、上述の磁気センサによる構成の他に、特に図示しないGPS(Global Positioning System)衛星からの信号を受信して測位する構成であってもよい。
【0043】
次に、映像表示装置1の外観構成について、図2乃至図5を参照して説明する。
図1は、映像表示装置1の外観を示す図である。この実施の形態の映像表示装置1は、その外観において、1つ表示部10、撮像部50、画像処理部60、制御部70、通信部80、測位部90、左右1対のプリズム20L、20R、鼻当て31、左右1対のテンプル32L、32Rよりなり、プリズム20L、20Rが左右の眼の前に位置するように利用者の顔前に装着される。
【0044】
なお、図2に示しように、映像表示装置1は、画像処理部60、制御部70、通信部80、及び測位部90を情報提供システム100に一体に組み込み、ケーブル102で撮像部50及び表示部10に電源を与え、信号の送受信を行なうようにしてもよい。
この場合は、顔前に装着する眼鏡部分に余分な構成を設けることなく、情報提供システム100と分離する構成であり、利用者に対する重量負担を分散することができるため、利用者が長時間装着して使用する場合の利用者の疲労を低減する。
【0045】
鼻当て31は、プリズム20L、20Rに取り付けられており、これらを連結している。テンプル32L、32Rは、それぞれプリズム20L、20Rの端部に取り付けられている。装着時には、鼻当て31が鼻に当たり、テンプル32L、32Rが耳、側頭部又は後頭部に当たって、映像表示装置1はこれら3部位で支持される。テンプル32L、32Rは、プリズム20L、20R近傍の部位に設けられた垂直方向の軸(特に図示しない)を中心に回動可能であり、非使用時には内側に折り畳むことができる。
【0046】
表示部10は、右のプリズム20Rに取り付けられている。表示部10を含む断面を図4に示す。表示部10は、透過型の液晶表示器であるLCD11、筐体12、プリズム13、LED14、及びレンズ15よりなる。LCD11は利用者に表示するための画像を表示し、表示した映像により照射光を変調する。筐体12は、LCD11、LED14、及びレンズ15を収容してこれらを保持する。LED14はLCD11を照明するための光源であり、レンズ15はLED14が発した光をLCD11の全面に均一に導くための照明光学系である。
【0047】
LCD11の映像の表示やLED14の発光は、LED14の発光タイミングやLCD11における各画素情報からなる処理済み画像情報を元に制御部70で制御される。例えば、撮像部50で撮像した画像情報が画像処理部60により画像処理された後に処理済み画像情報として制御部70に送られることで、表示部10に電力や映像が供給されて行なわれる。
【0048】
プリズム13は平板状であり、透明なガラス又は樹脂で作成されている。プリズム13はLCD11からの光を利用者の眼Eに導いて、LCD11に表示された映像の虚像を表示する。プリズム13の上端部は、縁の方が内部側よりも厚いくさび状とされており、筐体12はこのくさび状の上端部を挟むようにして、プリズム13に取り付けられている。
【0049】
プリズム20Lは平板状であり、単一の部材で構成されている。プリズム20Rも平板状であるが、単一の部材ではなく、プリズム13とプリズム21で構成されている。プリズム20Lおよびプリズム21は、プリズム13と同じ材料で作製されており、これら3者に屈折率の差はない。プリズム20Rを成すプリズム13とプリズム21は相補的な形状を有し、隙間なく、かつ表面が連続するように接合されている。プリズム13がくさび状の上端部を有することを除いて、プリズム20L、20Rは一般的な眼鏡と同様に対称形である。映像表示装置1を顔前に装着した利用者は、プリズム20L、20Rを通して外界を観察することになる。
【0050】
プリズム13の下端部は、縁に向かうほど全面(眼Eから遠い面)が後面(眼Eに近い面)に近づくように作製されており、くさび状である。このくさび状の部位の全面、すなわちプリズム21との接合面は平面であり、この平面にはホログラム素子22が形成されている。ホログラム素子22は、装着時に眼Eの直前に位置する。プリズム13及びホログラム素子22が接眼光学系16を構成する。
【0051】
プリズム13は、LCD11からの光を、上端部の端面より内側に導き入れ、前面と後面で複数回全反射させながら、ホログラム素子22に導く。ホログラム素子22は、導かれた光を回折させて、平行光に近い光束としながら、眼Eに入射させる。これにより、利用者は、LCD11に表示された映像の虚像を認識することができる。ホログラム素子22は外界からの光にはほとんど作用せず、虚像は外界の像の中央部に重なって観察される。
【0052】
なお、ホログラム素子22は、入射光であるLED14の各色の回折効率を高くするようにRGB3色のレーザで2つの光束を干渉させてその干渉縞をホログラム感材に記録する2光束干渉法により作製される。なお、ホログラム感材としては、銀塩、重クロムゼラチンなどでも良いが、ドライプロセスで使用できるフォトポリマーが最も好ましい。さらに、透過光量を30%以上とするホログラム感材の膜厚は、5μmから100μmが望ましく、さらには15μmから80μmが最適である。膜厚が5μm未満の場合は十分な映像の虚像を得られず、その膜厚が100μmを越える場合は透過光量が急激に減衰する。
【0053】
映像表示装置1では、LCD11からの光をプリズム13の内部で反射しながらホログラム素子22に導くようにしているため、プリズム20Rを大きくすることが可能である。プリズム13の下端部はくさび状であるが、同じ材質のプリズム21に接合されているため、プリズム13の下端部を透過する外界からの光に屈折は生じない。したがって、外界の像の中央部が歪んだり不連続になったりすることもなく、映像表示装置1は質の高い像を表示することができる。
【0054】
LCD11は、左右方向に長い長方形状であり、十数文字が横方向に並ぶ文字列を1〜数行表示することができる。このため、利用者は、映像から多くの情報を一度に得ることが可能である。なお、この実施の形態では、右眼に映像を表示するようにしているが、もちろん左眼に映像を表示するようにしても良い。
【0055】
また、図5に示すように、1対の表示部10を備えて左右両眼に映像を表示する構成であってもよい。そして、例えば、プリズム20L、20Rにパワーをもたせて、利用者の視力を矯正し得るようにしたものであっても良い。この場合は、左右の表示部10の構成においてプリズム13が曲率を有する点を除き、上述した表示部10と同様の構成である。
【0056】
そして、利用者の視力を矯正し得る構成では、プリズム20L、20Rのパワーを利用者の視力に応じて設定する。プリズム20L、20Rに負のパワーをもたせることで近視を、正のパワーをもたせることで遠視を矯正することができる。プリズム13の下端部のプリズム21との接合面は平面とされており、ホログラム素子22の形成は容易である。
【0057】
上述の構成により、映像表示装置1は、図7、8に示すようにレンズの表示エリアAに映像の虚像を表示する。利用者は、映像表示装置1を装着することにより、眼前にある表示エリアAにおいて外界の画像と表示部10で描画される画像とを同時に見ることが可能となる。
【0058】
利用者の眼前に装着されて、撮像して得られた画像情報を映像として表示可能に画像処理し、表示部10により健常者視野の表示エリアAに画像処理を行なった画像情報の映像を表示することで、利用者が正常時に認識できるのにできる限り近づけるようにすることができる。しかも、表示部10において外界の映像と表示エリアAに描画される画像が同時に利用者から見ることが可能であることで、実際の風景に重ねて後述する画像処理による案内情報を表示することができ、利用者に分かり易い案内を行なうことができる。
また、利用者が視覚障害者などの場合は、映像表示装置1を装着した状態で治療する側から利用者の目を確認することができる。また、一般生活上対面して話しをする人から見ても、利用者の目を見て話をすることができ、ゴーグル型のように特殊な形状をしていないため、一般生活上で違和感なく用いることが可能である。
【0059】
この表示エリアAは図7及び8に示すように配置することができる。図7に示す表示エリアAは、表示部10をプリズム20Rの外側部20R1に縦方向に取り付けることによって、四角形の形状で横方向より縦方向を長く設定される。このように、表示エリアAは、横方向より縦方向を長く設定して表示比率を縦長にすることで、表示エリアAが縦位置となるため利用者は見易い。
【0060】
また、図8に示す表示エリアAは、表示部10をプリズム20Rの上側部20R2に横方向に取り付けることによって縦方向より横方向を長く設定されるが、この場合、表示エリアAの両側をマスクすることで、表示エリアA1とし、横方向より縦方向を長く設定することもできる。この表示エリアAは、四角形の形状に限定されず、例えば楕円形状でもよい。この楕円形状の表示エリアAにおいても外接する四角形の比率で横方向より縦方向を長く設定される。
【0061】
また、表示部10は、図7に示すプリズム20Rの外側部20R1と、図8に示すプリズム20Rの上側部20R2とに取り付け位置が可変可能であり、利用者の使用状況に応じて自由に取付位置を変更することができる。また、プリズム20Rの形状を表示部10を組み込みにして正方形状にすれば、プリズム20R部だけ90度回転させることで、表示エリアAの形状を好みに応じて縦長又は横長へ変更することができる。
【0062】
この表示エリアAの透過率は、表示エリアAの周囲A2の透過率と比較して40%以内である。画像非表示時は表示エリアAが通常のガラス玉として機能するため、歩行などの日常生活において影響することがない。また、例えば医師などの利用者と対面する人は、表示エリアAが透過することにより利用者の眼球運動を観察することができ、より正確な診断が可能である。
【0063】
次に、視覚障害者などの映像表示装置1の利用者に対して撮像部50で撮像した外界の画像を障害の程度に合わせて拡大や色補正を行い表示部10に表示する時において、通信部80で受信された案内・危険箇所情報を元に制御部70により制御されて行なわれる案内情報の表示処理について図6に示すラダーチャートを参照して説明する。
なお、図中の点線で示された処理は、制御部70の動作周波数の整数倍の周波数周期で割り込まれて定期的に行なわれる。
また、ここで説明する案内情報の表示処理は、表示部10における外界の映像に案内情報と撮像部50で撮像して利用者に合わせて補正された映像とを表示する構成であるが、外界の映像に案内情報のみを表示する構成であってもよく、特に限定するものではない。
【0064】
先ず、制御部70は、通信部80から案内・危険箇所情報の受信時に案内情報の表示処理に必要なデータを記憶部40に要求する。 記憶部40に格納された案内情報の表示処理に必要なデータとは、案内情報を表示するウインドウの大きさ・位置情報などを含む設定情報や警告表示などを行なう画像シンボルの情報などである。
【0065】
ここで、通信部80で受信される案内・危険箇所情報について、図9を参照して具体的に説明する。図9は、1階部分(1F)と2階部分(2F)からなる建造物内部を示す図である。1Fは、北側に出入り口IN1、該出入り口IN1を入った地点P1の南側正面に1Fと2Fとを接続するエレベーターEL、及び地点P1の東側に1Fと2Fとを接続する階段を備える構造である。2Fは、北側に出入り口IN2、該出入り口IN2を入った地点P5の正面南側にエレベーターEL、及び地点P5の東側に1Fと2Fとを接続する階段を備える構造である。また、階段は、途中に踊り場(地点P3)を備えるU字階段である。
【0066】
地点P1〜P5には、各地点における案内・危険箇所情報を所定の範囲の映像表示装置1と送受信可能に送信する通信装置M1〜M5が備えられる。ここにおける案内・危険箇所情報の通知は、各地点を包括する例えば数メートルに及ぶ範囲としてもよいが、各地点又は各地点を包括する範囲の出入り口の通過時にゲート状のアンテナなどにより行なう構成であってよく、特に限定するものではない。
【0067】
案内・危険箇所情報(案内情報)は、各地点の階情報、その地点からの構造物の位置や別の階への接続などを示す案内情報、及び階段の段差、段数などの例えば危険箇所である階段に関する情報や障害物などの危険箇所情報からなる。例えば、通信装置M1は1Fであることと、地点P1からの出入り口IN1、エレベーターEL、及び階段に関する位置情報とを案内・危険箇所情報として送信し、通信装置M2は1Fから2Fへの階段に関する情報を送信し、通信装置M3は地点P3における踊り場の構成と地点P3から1F又は2Fまでの階段に関する情報を送信する。同様に通信装置M5は2Fであることと、P5からの構造物の位置・接続情報とを送信し、通信装置M4は階段の情報を危険箇所に関する情報として送信する。特に階段に関する情報は、階段の昇降方向、階段の延在方向、階段の段数、階段の開始位置、階段の終了位置、階段の一段当たりの高さ、踊り場の位置、階段の開始位置から踊り場までの段数、踊り場から階段の終了位置間での段数などにより構成される。
【0068】
なお、案内・危険情報は、通信装置M3のように踊り場である地点P3の構成を示す案内情報と階段などの危険箇所に関する情報とを含む構成以外にも、通信装置M1、M5のように案内情報のみである場合や通信装置M2、M4のように危険箇所情報のみの場合であっても良い。
【0069】
次に、制御部70は、上述の通信部80で受信された案内・危険箇所情報と測位部90による測位情報と記憶部40に格納された案内情報の表示設定とにより生成される案内情報の表示指示、及び撮像部50で撮像された外界の画像を補正する指示を含む画像データ処理指示情報と、撮像部50で撮像された画像情報と、を画像処理部60へ送信し、画像処理部60で処理された処理済み画像情報を表示部10に表示する。
【0070】
ここで、制御部70により生成される案内情報の表示指示について、該表示指示により画像処理部60で処理されて表示部10の表示エリアAに表示される地点P1〜P4における案内情報の表示例(図10〜13)を参照して説明する。
【0071】
図10は、地点P1における案内情報の表示例を示す図である。表示エリアAには、通信部80で受信した案内・危険箇所情報を元に地点P1からの構造物の位置と接続を示す情報を表示する情報表示D1、階情報を表示する情報表示D2、測位部90による測位情報を表示する進行方向表示D3、及び警告表示D4が表示される。
なお、情報表示D1での表示は、図で示したとおり、受信した地点P1からの構造物の位置情報と測位部90による測位情報とを元に利用者に対する構造物の方向を示すように行なわれることが好適である。
【0072】
また、警告表示D4の表示は、新たな案内・危険箇所情報を受信して表示する時に警告を促すように表示されるものであり、常時表示せずに数秒の間表示する構成であって良い。
また、情報表示D1〜D4のレイアウト/表示位置は、案内情報の表示設定を元に行なわれるが、特に図示のレイアウトに限定するものではなく、例えば、利用者に合わせて表示位置の変更や文字の大きさを変更してよい。
【0073】
図10に示すように、映像表示装置1は、通信装置からの案内情報を映像表示装置1の向いている方向に応じて表示エリアAに表示することにより地点P1からの構造物の位置を正確に把握することができるため、利用者は安心して歩くことができる。また、警告表示が行なわれる構成であるため、利用者は、案内情報が更新された場合に案内情報を見落とすことがない。
【0074】
図11は、地点P2における案内情報の表示例を示す図である。表示エリアAには、階段の段数、段差などの危険箇所情報を表示する情報表示D2、測位部90による測位情報を表示する進行方向表示D3、及び警告表示D4が表示される。
同様に、図12は、地点P4における案内情報の表示例を示す図である。
【0075】
なお、ここで例示する危険箇所情報は、階段に関するものであるが、踏切又は横断歩道とその横断距離や、プラットホームの縁と白線との距離及び電車の停止位置を示すものであって良く、特に限定するものではない。
【0076】
図11、12に示すように階段の段差や段数などの危険箇所情報を表示エリアAに表示する構成であるため、映像表示装置1の利用者は、特に視覚障害者である場合においても安心して歩くことができる。
【0077】
図13は、地点P3における案内情報の表示例を示す図である。表示エリアAには、案内・危険箇所情報と測位部90の測位情報とを元に利用者に対する地点P3の構成を表示する情報表示D1、危険箇所情報を表示する情報表示D2、測位情報を表示する進行方向表示D3、及び警告表示D4が表示される。
【0078】
図13に示すように案内・危険箇所情報を表示エリアAに表示することにより、地点P3のような危険箇所である階段の踊り場の構成も合わせて案内することができるため、映像表示装置1の利用者はより安心して歩くことができる。
【0079】
<変形例1>
ここで、変形例1として、制御部70の制御指示により通信部80で受信された案内・危険箇所情報と測位部90の測位情報とに連動して撮像部50で取得された外界の映像を鮮鋭化や輪郭抽出などの画像処理を行なって表示部10に表示する構成について、図6、9、14を参照して説明する。
【0080】
図6のラダーチャートに示すように、制御部70は、通信部80で受信された案内・危険箇所情報による受信地点からの階段や障害物に関する危険箇所の方向と測位部90で測位された映像表示装置1の向いている方向とを比較して、映像表示装置1の向いている方向が危険箇所の方向である場合、撮像部50で撮像された画像情報に対して輪郭抽出処理を行なう画像データ処理指示情報を画像処理部60に送信し、輪郭抽出処理をされた画像を表示部10に表示する。
【0081】
例えば、図9の地点P1における映像表示装置1を装着した利用者Hが危険箇所である階段方向を向いた場合(図14(a)を参照)は、図14(b)に示すように、表示エリアAには撮像された画像の輪郭が強調された映像が表示される。なお、ここにおける輪郭の強調などの画像処理は、危険箇所が階段の場合は横方向の輪郭を太くする、信号などの場合は信号色を強調するなど、危険箇所に応じたものや輪郭に関する画像処理以外の色変換処理などであってよい。
【0082】
また、取得される外界の映像は、撮像部50で取得する構成以外に、通信装置(通信装置M1〜M50)で各地点における方向や案内情報に対応した構造物ごとの映像を送信し、通信部80で受信して取得する構成であってよく、特に撮像部50で取得された映像に限定しない。
【0083】
以上のように、映像表示装置1は、現在位置において受信した案内・危険箇所情報と測位情報とを元に利用者の向いている方向が危険箇所方向である場合に、撮像部50で取得された画像の輪郭抽出などの画像処理を行なって表示エリアAに表示する構成である。このため、映像表示装置1の利用者は、危険箇所を的確に認識することができ、安心して歩行することができる。
【0084】
なお、本発明は、発明の趣旨を逸脱しない範囲内で自由に変更、改良が可能である。例えば、本発明では通信装置をサーバSで管理する構成としたが、通信装置はCPU、記憶装置、通信装置、データ入力装置などを備えた単体で配置される構成であってもよい。
【0085】
更に、本実施の形態では、無線送信案内情報を受信手段としての通信部80により受信して案内・危険箇所の情報を表示する構成としたが、案内を行なう箇所近傍に掲示手段として掲示された案内・危険箇所情報を含むQRコード(登録商標)などの二次元コードを取得手段としての撮像部50で撮影して受け取る構成であってよく、特に限定しない。
【0086】
なお、ここで掲示される情報の方式は、上述のQRコードのほか、PDF417、Data Matrix、Maxi Code等の二次元コード、JANコード、UPCコード、CDDE39等の一次元バーコードやカラーバーコードであってよく、その種類は問わないものとする。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明である映像表示装置1の機能的構成を模式的に示した図である。
【図2】映像表示装置1の外観を示す図である。
【図3】画像処理部60、制御部70、通信部80、及び測位部90を装置ユニット101に一体に組み込んだ映像表示装置1の外観を示す図である。
【図4】映像表示装置1の表示部10を含む断面図である。
【図5】左右に表示部10を備える映像表示装置1の外観を示す図である。
【図6】映像表示装置1の動作を示すラダーチャートである。
【図7】表示部10を縦方向に配置した映像表示装置1の表示エリアを示す図である。
【図8】表示部10を横方向に配置した映像表示装置1の表示エリアを示す図である。
【図9】通信装置M1〜M5を地点P1〜P5に配した建物の構造を示す図である。
【図10】地点P1において表示エリアAに表示される案内情報の表示例を示す図である。
【図11】地点P2において表示エリアAに表示される案内情報の表示例を示す図である。
【図12】地点P4において表示エリアAに表示される案内情報の表示例を示す図である。
【図13】地点P3において表示エリアAに表示される案内情報の表示例を示す図である。
【図14】地点P1において利用者が危険箇所方向を向いた時の表示エリアAに表示される映像の表示例を示す図であり、(a)は案内情報の表示例を示す図であり、(b)は輪郭強調処理された画像の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0088】
100 情報提供システム
1 映像表示装置
A、A1 表示エリア
A2 周囲
D1 情報表示
D2 情報表示
D3 進行方向表示
D4 警告表示
E 眼
EL エレベーター
H 利用者
IN1、IN2 出入り口
N 無線通信
M1、M2、M3、M4、M5 通信装置
P1、P2、P3、P4、P5 地点
S サーバ
T 階段
10 表示部
11 LCD
12 筐体
13、20、20L、20R、21 プリズム
14 LED
15 レンズ
16 接眼光学系
20R1 外側部
20R2 上側部
22 ホログラム素子
31 鼻当て
32L、32R テンプル
40 記憶部
50 撮像部
60 画像処理部
70 制御部
80 通信部
90 測位部
101 装置ユニット
102 ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
案内対象箇所に関する無線送信案内情報を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された案内情報を光学像に変換する画像処理手段と、
前記画像処理手段により変換された光学像を当該映像表示装置の利用者の眼に導く接眼光学系を有する表示手段と、
を備えたことを特徴とする映像表示装置。
【請求項2】
掲示された案内対象箇所の案内情報を取得する案内情報取得手段と、
前記案内情報取得手段により取得された案内情報を光学像に変換する画像処理手段と、
前記画像処理手段により変換された光学像を当該映像表示装置の利用者の眼に導く接眼光学系を有する表示手段と、
を備えたことを特徴とする映像表示装置。
【請求項3】
当該映像表示装置の存在位置を測位する自己位置測位手段と、この自己位置測位手段からの自己の存在位置情報及び前記送信された案内対象箇所の存在位置情報に基づいて、当該映像表示装置の存在位置を基準とする前記案内対象箇所の存在方位を算出する方位算出手段とを更に有し、
前記画像処理手段は、前記算出された案内対象箇所の存在方位情報を光学像に変換して前記表示手段に送ることを特徴とする請求項1又は2に記載の映像表示装置。
【請求項4】
前記案内対象箇所の案内情報は危険箇所に関する情報であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の映像表示装置。
【請求項5】
前記案内対象箇所の案内情報は階段に関する情報であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の映像表示装置。
【請求項6】
前記案内対象箇所の案内情報は、階段の昇降方向、階段の延在方向、階段の段数、階段の開始位置、階段の終了位置、階段の一段当たりの高さ、踊り場の位置、階段の開始位置から踊り場までの段数、踊り場から階段の終了位置間での段数のいずれかを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の映像表示装置。
【請求項7】
外界の映像を撮像する撮像手段を更に備え、
前記画像処理手段は、前記案内情報に応じて撮像手段による撮像画像の変換処理を行ない、
前記表示手段は、前記変換処理された画像を当該映像表示装置の利用者の眼に導くことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の映像表示装置。
【請求項8】
前記画像処理手段による変換処理は、撮像画像の輪郭を強調することを特徴とする請求項7に記載の映像表示装置。
【請求項9】
前記表示手段を備えるレンズと、
該レンズの左右方向の中央付近に取り付けられ、鼻に接する鼻当てと、
前記レンズの左右方向の両端付近に取り付けられ、耳、側頭部または後頭部に接する1対のテンプルとを含む装着部を備える眼鏡型の装着手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の映像表示装置。
【請求項10】
前記表示手段は反射型又は回折型ホログラムディスプレイであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の映像表示装置。
【請求項11】
前記表示手段の透過率は30%以上であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の映像表示装置。
【請求項12】
案内対象箇所の近傍に設置され、当該案内対象箇所に関する案内情報を無線送信する送信装置と、前記請求項1、3〜11のいずれか一項に記載の映像表示装置とを備えたことを特徴とする情報提供システム。
【請求項13】
案内対象箇所の近傍に設置され、当該案内対象箇所に関する案内情報を掲示する掲示手段と、前記請求項2〜11のいずれか一項に記載の映像表示装置とを備えたことを特徴とする情報提供システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−171302(P2006−171302A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−363058(P2004−363058)
【出願日】平成16年12月15日(2004.12.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(303050159)コニカミノルタフォトイメージング株式会社 (1,066)
【Fターム(参考)】