説明

映像表示装置及び映像表示方法

【課題】ディスプレイ(映像表示部)の大きさより大きい映像をユーザが視聴可能な映像表示装置を提供する。
【解決手段】第1の映像と第2の映像とを入力する入力手段と、前記第1の映像を第1の位置の視聴者に直接視聴可能となるように、前記第2の映像を前記第1の位置の視聴者に直接視聴不可能となるように表示する表示部であって、第2の位置に所定角度で存在する鏡面で反射された第2の映像が、前記第1の位置の視聴者に視聴可能となるように映像を表示する表示部とを具備する映像表示装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、映像表示装置及び映像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯型の通信装置、情報処理装置などが数多く提供されている。これらの装置では、携帯性を高めるために更に小型化がすすめられている。また小型化と共に、他の装置との差別化を図り、ユーザのニーズに対応するために、装置が保有する機能は増加の傾向にある。このため、表示される情報量も増大している。従って、小型化するディスプレイに更に多くの情報を表示するための技術が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−37193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、専用の眼鏡などを使用せずに動画表示が可能な3次元映像表示装置、いわゆる、裸眼立体視ディスプレイが、上述の携帯型の通信装置、情報処理装置などにも使用されている。
【0005】
一般的にユーザが視聴する映像は画像が大きい方が情報量が多く好ましいが、ユーザに提供されるディスプレイのサイズは固定であるため、ユーザはそのディスプレイのサイズ以上の大きさの映像を視聴することが難しい。
【0006】
本発明は上記に鑑みたもので、ディスプレイ(映像表示部)の大きさより大きい映像をユーザが視聴可能な映像表示装置及び映像表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明の実施の形態によれば、第1の映像と第2の映像とを入力する入力手段と、前記第1の映像を第1の位置の視聴者に直接視聴可能となるように、前記第2の映像を前記第1の位置の視聴者に直接視聴不可能となるように表示する表示部であって、第2の位置に所定角度で存在する鏡面で反射された第2の映像が、前記第1の位置の視聴者に視聴可能となるように映像を表示する表示部とを具備する映像表示装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施の形態の映像表示装置の基本的な考え方を説明するための図。
【図2】II方式の表示原理を説明するための概念図。
【図3】裸眼立体視ディスプレイの複数の立体視聴可能域を例示する図。
【図4】本実施の形態の映像表示装置の原理を説明する図。
【図5】本実施の形態の映像表示装置の製造上の原因による品位低下の対応を説明するための図。
【図6】本実施の形態の映像表示装置の信号処理ブロックを示す図。
【図7】本実施の形態の映像表示装置の観察者の観察位置の変化による品位低下の対応を説明する図。
【図8】本実施の形態の映像表示装置の画像歪みを補正する処理手順を示すフロー図。
【図9】他の実施の形態の映像表示装置の基本的な考え方を説明するための図。
【図10】別の実施の形態の映像表示装置の基本的な考え方を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本実施の形態の映像表示装置の基本的な考え方を説明するための図である。
【0010】
画像を表示する表示パネル10の左右両側には互いに向かい合った鏡11a、11bが設けられている。表示パネル10は、例えば液晶表示パネルであり、その水平(または垂直)走査ライン3本ごとに1つの画像が表示される。即ち、3n本目の水平(または垂直)走査ラインにはニコニコマークの画像が表示され、(3n+1)本目の水平(または垂直)走査ラインには星型の画像が表示され、(3n+2)本目の水平(または垂直)走査ラインには太陽の画像が表示される。
【0011】
そして、表示パネル10のバックライト(不図示)からの光を3方向に振り分ける光線制御素子(不図示)の作用によって、これら3つの画像を異なる方向に投射する。即ち、3n本目の水平(または垂直)走査ラインのニコニコマークの画像は正面に投射され、(3n+1)本目の水平(または垂直)走査ラインの星型の画像は左方向に投射され、(3n+2)本目の水平(または垂直)走査ラインの太陽の画像は右方向に投射される。
【0012】
観察者が、表示パネル10の正面の所定位置から表示画像を観察している場合を想定すると、ニコニコマークの画像は正面の表示パネル10において観察される。左方向に投射された星型の画像は、鏡11aで反射されて観察される。従って、観察者は、鏡11aに写った鏡像の表示パネル10aにおいて星型の画像を観察する。右方向に投射された太陽の画像は、鏡11bで反射されて観察される。従って、観察者は、鏡11bに写った鏡像の表示パネル10bにおいて太陽の画像を観察する。
【0013】
この結果、観察者は、表示パネル10、10a、10bを観察していることになり、結果として、視野幅が拡大されている。
【0014】
次に裸眼立体視ディスプレイについて説明する。
動画表示が可能な3次元映像表示装置、いわゆる、裸眼立体視ディスプレイには、種々の方式がある。近年では、フラットパネルタイプで、且つ、専用の眼鏡等を必要としない方式へのニーズが高くなっている。専用の眼鏡等を必要としない方式の裸眼立体視ディスプレイの一つとして、表示パネルの直前に光線制御素子が設置され、表示パネルからの光線が制御されて観察者に向けられるものが知られている。表示パネル(表示装置)としては、直視型若しくは投影型の液晶表示装置又はプラズマ表示装置等が用いられ、その画素位置は固定である。
【0015】
光線制御素子には、光線制御素子上の同一位置を観察する角度に応じて異なる映像が見えるようにする働きがある。左右視差(水平視差)のみを与える場合には、光線制御素子としてスリット(視差バリア)又はレンチキュラー・シート(シリンドリカル・レンズ・アレイ)が用いられる。左右視差のみならず上下視差(垂直視差)も与える場合には、光線制御素子としてピンホール・アレイ又はレンズ・アレイが用いられる。
【0016】
光線制御素子を用いる方式は、2眼式、多眼式、超多眼式(多眼式において超多眼条件を満たすもの)、インテグラル・イメージング(以下、II方式とも云う)式に分類される。2眼式は、両眼視差に基づく立体視である。多眼式以降の方式による映像は、程度の差はあれ運動視差を伴うことから、2眼式の立体映像と区別して「3次元映像」と呼ばれる。3次元映像を表示するための基本的な原理は、100年程度前に発明され3次元写真に応用されるインテグラル・フォトグラフィ(IP)の原理と実質的に同一である。
【0017】
図2は、II方式の表示原理を説明するための概念図である。
【0018】
観察者の位置、あるいは、観察者の見る角度によって、1視差の画像であるγ、2視差の画像であるβ、3視差の画像であるαの異なる画像を見ることになる。ここで、画像α、β、γを同一の対象について視差が異なる画像とすると、観察者は、右目と左目に入る視差により、立体を知覚することができる。なお、レンチキュラーレンズを光線制御素子として用いると、光の利用効率が高いため輝度を高くできる。また、レンズアレイと画素間のギャップは、レンズの略焦点距離ほど離したほうが良く、そうすると一つの画素を一つの方向に射出することができ、見る角度によって異なる視差画像を見ることができる。従って、観察者が見る角度を変化すると、観察対象の奥行きの異なる立体画像(運動視差の画像)を観察することができる。
【0019】
II方式において、一つのレンズから射出される光線は要素画素群の数に相当する。要素画素群の数を視差数という。即ち、視線方向に応じて切り替え表示される画像数を視差数といい、視差数は一レンズピッチに含まれる画素数に他ならない。
【0020】
ところで、II方式を含めた立体映像方式では、メインローブと呼ばれる画面が立体的に見える領域(立体視聴可能域)が存在する。そのため、裸眼立体視ディスプレイが複数の立体視聴可能域を備えるように、例えば、光線制御素子を構成することができる。
【0021】
図3は、裸眼立体視ディスプレイの複数の立体視聴可能域を例示する図である。
この裸眼立体視ディスプレイでは、3方向(正面、左右斜め)の立体視聴可能域を備えている。それぞれの立体視聴可能域では、上述の運動視差を可能とする複数の視差画像が表示される。そして、それぞれの立体視聴可能域に表示される視差画像は同じである。この結果、立体視聴可能域が広がり、より視聴し易い裸眼立体視ディスプレイとなっている。
【0022】
図4は、本実施の形態の映像表示装置の原理を説明する図である。
【0023】
図4では、右立体視聴可能域に射出される複数の視差画像を第1視差群と呼び、正面立体視聴可能域に射出される複数の視差画像を第2視差群と呼び、左立体視聴可能域に射出される複数の視差画像を第3視差群と呼ぶ。
【0024】
第1視差群に鏡11aに写った鏡像の表示パネル10aに表示される立体画像を設定し、第2視差群に表示パネル10に表示される立体画像を設定し、第3視差群に鏡11bに写った鏡像の表示パネル10bに表示される立体画像を設定する。
【0025】
この結果、観察者は、表示パネル10、10a、10bに表示される立体画像を観察していることになり、結果として、擬似的に視野幅が3倍に拡大されている。
【0026】
ところで、平面画像と異なり、観察者が視差画像を適正な位置で観察することにより品位の高い立体画像が得られる。従って、本願の映像表示装置では、観察者に対して品位の高い立体画像を提供するために、以下の品位低下を引き起こす原因に対応する仕組みを備えている。
【0027】
(1)映像表示装置の製造上の原因による品位低下の対応
立体視聴可能域は、観察者が観察すると規定した所定の位置において適正な立体画像が得られるように、たとえば、光線制御素子を適宜の形状で作成し、配置することで形成するが、製造上の理由により第1、3視差群の射出される角度が設計上の角度を実現できない場合がある。また、射出される角度に誤差を生ずる場合がある。
【0028】
(2)観察者の観察位置の変化による品位低下の対応
観察者の観察位置が所定の位置から外れた場合、例えば、不特定多数の観察者に対して立体画像を提供する場合、観察者ごとに観察位置が異なる場合が考えられる。また、同じ観察者であっても観察中に観察姿勢を変更することによって観察位置が変化する場合が考えられる。
【0029】
図5は、本実施の形態の映像表示装置の製造上の原因による品位低下の対応を説明するための図である。
【0030】
第1視差群の射出される角度が所定の角度と異なっている場合は、鏡11aで反射した第1視差群が所望の角度で観察者に入射するように、パネル10と鏡11aとのなす角度を変更する。具体的には、観察者に入射すべき第1視差群の中心線に対応する光線方向とパネル10から出射された第1視差群の中心線に対応する光線方向とのなす角度を等分する線分に対して垂直となるように鏡11aを配置する。第3の視差群に対応する鏡11bの傾きについても同様にして定めることができる。
【0031】
但し、鏡11a、11bの傾きの調整は、映像表示装置の製造段階において実施されるべきものであり、調整後に鏡11a、11bの傾きを調整することはできない。
【0032】
なお、図5に示すように、鏡11aを傾けることにより、観察者から見た場合の鏡像の表示パネル10aは、本来の鏡像の表示パネル10aとは異なり水平ではなく傾いて(角度をもって)観察される。従って、この角度により画像に歪み(画像のデプスのずれ等)が生ずるため、パネル10に設定する画素データは、画像歪みが補正された画素データとする必要がある。
【0033】
図6は、本実施の形態の映像表示装置100の信号処理ブロックを示す図である。映像表示装置100には、チューナ部102、映像合成部103、GUI表示生成部104、映像表示部105及び定数テーブル106が設けられている。
【0034】
全体制御部101は各部と信号線により接続されている。全体制御部101は、メモリ空間の一部にマッピングされている各部の制御レジスタ、専用の制御命令などにより各部を制御して映像表示装置100を動作させる。
【0035】
全体制御部101は、リモートコントローラ(不図示)から送信されてくる操作信号を受取ることができる。ユーザの操作入力時には、GUI表示生成部104が操作用のインターフェース画面を生成してユーザ支援を行う。操作信号が入力すると、全体制御部101は、操作信号を解読し、ユーザが操作した内容を映像表示装置100の動作に反映する。
【0036】
放送波で送られてくる番組を表示する場合は、放送波はチューナ部102に入力される。チューナ部102は、操作信号に応じてチャンネル及び番組の選択を行う。選択されたチャンネル及び番組の復調信号は、映像合成部103に送られる。また、映像データ入力からは、HDMI/ビデオ入力端子などからの映像入力が映像合成部103に送られる。
【0037】
映像合成部103は、設定に応じて、チューナ部102もしくは映像入力からの映像データを取り込んで、立体画像を表示するための画像を生成する。例えば、2D画面から3D画像に変換して必要な視差数の画像を生成する。あるいは、左右眼用の映像信号から必要な視差数の画像を生成する。また、この映像合成部103で必要な視差数の画像を生成するのではなく、外部から全ての視差画像を入力するように構成しても良い。
【0038】
また、映像合成部103は、画像歪み補正を実行する。上述のように、鏡11a、11bは、パネル10に対して垂直に設けられているとは限られず、傾いて設けられていることがある。そのため、定数テーブル106には、鏡11a、11bそれぞれの傾き角度が記録されている。映像合成部103は、鏡11a、11bそれぞれの傾き角度を用いて、上述の視差画像データに対して画像歪みを補正する。
【0039】
図7は、本実施の形態の映像表示装置の観察者の観察位置の変化による品位低下の対応を説明する図である。
【0040】
パネル10には、観察者の顔を撮影するカメラ110が設けられている。カメラ110は、全体制御部101に接続されており、このカメラ110で撮影する人物画像(顔画像)が取り込まれる。全体制御部101は、人物画像から観察位置を判断し、観察者が基準の位置から左右(上下)にどれだけずれているかを求める。基準の位置からのずれ量は、例えば定数テーブル106に記憶した辞書データを参照することによって取得しても良く、また顔画像認識技術を適用して眼の位置を特定して基準位置からのずれ量を求めても良い。
【0041】
求められたずれ量は、定数テーブル106に記録される。映像合成部103は、定数テーブル106にあるずれ量に従って、視差画像データに対して画像歪みを補正する。
【0042】
なお、映像表示装置の製造上の原因による品位低下の対応及び観察者の観察位置の変化による品位低下の対応は、いずれか一方の品位低下に対応する機能を有するように映像表示装置を構成しても良く、両方の品位低下に対応する機能を有するように映像表示装置を構成しても良い。
【0043】
図8は、本実施の形態の映像表示装置の画像歪みを補正する処理手順を示すフロー図である。
【0044】
観察者は、観察する位置を決めてパネル10を観察する。もし、観察者が基準の位置からパネル10を観察すれば、高品位の立体画像が観察できる筈である。従って、観察者が、高品位の立体画像が観察できる基準位置において観察を続けるのであれば問題はない。しかし、観察者が基準位置でない現在の位置を変えたくない場合は、その観察位置において高品位の立体画像を提供することが必要である。
【0045】
観察者は、現在の観察位置において観察を続けたい旨の指示(「観察位置変更指示」)を映像表示装置に入力することができる。観察者が、観察位置変更を指示すると、全体制御部101は、リモートコントローラ(不図示)から送信されてくる観察位置変更の操作信号を受取る。そして、ステップS01において、カメラ110を動作して観察者の顔を撮影する。ステップS02において、全体制御部101は、撮影された顔画像から観察者の現状での観察位置を求める。ステップS03において、全体制御部101は、現状の観察位置と基準の観察位置とのずれ量を求める。ステップS04において、映像合成部103は、鏡11a、11bそれぞれの傾き角θ1、θ2と、求めたずれ量とに基づいて画像データの画像歪みを補正する。
【0046】
以上説明した本実施の形態の映像表示装置によれば、立体視可能な3つの視差群を用いて、パネルの左右に対向した鏡を設置することで、中央視差群、左視差群、右視差群とを左右方向に連結させて、立体視可能な画面幅を広げることができた。
【0047】
[他の実施の形態]
上述の実施の形態で説明した映像表示装置は、更に以下のような形態で実施することができる。
【0048】
図9は、他の実施の形態の映像表示装置の基本的な考え方を説明するための図である。図9に示した形態では、(2n+1)の視差群を用いる。パネル10の左右端に対向して設けた鏡11a、11bを用いて視差群の光線を観察者まで導く。これによって、(2n+1)倍の画面幅を実現することができる。なお、n=1のときは、上述の実施の形態に示した3倍に表示画像を拡大する場合に相当する。
【0049】
また、この際、反射特性を補間する補正を行っても良い。補正方法としては、画像の代表値(平均値、最大値など)を一律にアップする補正であっても良い。例えば、鏡の反射率が90%の場合、10%輝度をアップするなどの補正であっても良い。また、各画素について、その位置による反射角の違いより生じる反射率の違いを考慮した補正であっても良い。さらに、それぞれについて反射率の波長特性により生ずる、各色の反射率を個別に補正してもよい。2n+1視差群の構成であれば、複数回の反射について補正する。
【0050】
図10は、別の実施の形態の映像表示装置の基本的な考え方を説明するための図である。図10に示した形態では、パネル10の上下左右端に対向して設けた4枚の鏡を用いて視差群の光線を観察者まで導く。この形態によって、幅方向だけでなく高さ方向にも視野幅を拡大することができる。
【0051】
なお、上述の実施の形態では、表示パネル10の左右両側に互いに向い合った鏡11a、11bを設けたが、表示パネル10の大きさよりも大きい映像を視聴可能とするためには、少なくとも一つの鏡が設けられていれば良い。
【0052】
なお上述の各実施の形態で説明した技術は、テレビ機器、携帯機器、スマートフォン、ノートPCなどのディスプレイに適用することができる。
【0053】
[付記]
なお上述の各実施の形態で説明した映像表示装置は、次のように表すことができる。
【0054】
(1)複数の立体視聴可能域を有する裸眼立体視ディスプレイと、前記裸眼立体視ディスプレイのそれぞれの両端部近傍に対向して配された第1及び第2の鏡とを備え、前記立体視聴可能域は、前記裸眼立体視ディスプレイの正面方向、及び正面方向を挟む両斜め方向に設けられ、前記第1及び第2の鏡は、それぞれの前記斜め方向の立体視聴可能域からの視差画像群を所定の基準観察位置に反射するように設けられ、少なくとも第1又は第2の鏡は、前記裸眼立体視ディスプレイに対して傾けて設けられていることを特徴とする映像表示装置。
【0055】
(2)前記複数の立体視聴可能域の視差画像群に対応する視差画像を生成し、前記鏡の傾きによる前記基準観察位置での視差画像の歪みを補正する映像合成部を更に備えたことを特徴とする(1)に記載の映像表示装置。
【0056】
(3)前記映像表示装置は、前記裸眼立体視ディスプレイを観察するユーザの顔画像情報を取得する顔画像取得手段と、前記顔画像情報から求めたユーザの観察位置と、前記基準観察位置とのずれ量を求めるずれ量算出手段とを有し、前記映像合成部は、前記鏡の傾き角度と前記位置ずれ量とに基づいて前記ユーザの観察位置での視差画像の歪みを補正することを特徴とする(2)に記載の映像表示装置。
【0057】
(4)前記第1及び第2の鏡は、それぞれ前記裸眼立体視ディスプレイの左右端近傍に設けられていることを特徴とする(3)に記載の映像表示装置。
【0058】
(5)前記第1及び第2の鏡は、それぞれ前記裸眼立体視ディスプレイの上下端近傍に設けられていることを特徴とする(3)に記載の映像表示装置。
【0059】
(6)前記映像表示装置は、前記第1及び第2の鏡が設けられた前記両端部と直交する方向の両端部の近傍に対向して配される第3及び第4の鏡を有し、前記立体視聴可能域は、前記裸眼立体視ディスプレイの正面方向及び正面方向を挟む上下左右の斜め方向に設けられることを特徴とする(3)に記載の映像表示装置。
【0060】
(7)前記立体視聴可能域は、前記斜め方向に、それぞれ複数設けられることを特徴とする(2)に記載の映像表示装置。
【0061】
なお、上述の各実施の形態で説明した機能は、ハードウェアを用いて構成するに留まらず、ソフトウェアを用いて各機能を記載したプログラムをコンピュータに読み込ませて実現することもできる。また、各機能は、適宜ソフトウェア、ハードウェアのいずれかを選択して構成するものであっても良い。
【0062】
尚、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0063】
10…表示パネル、10a…表示パネル、10b…表示パネル、11a…鏡、11b…鏡、100…映像表示装置、101…全体制御部、102…チューナ部、103…映像合成部、104…GUI表示生成部、105…映像表示部、106…定数テーブル、110…カメラ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の映像と第2の映像とを入力する入力手段と、
前記第1の映像を第1の位置の視聴者に直接視聴可能となるように、前記第2の映像を前記第1の位置の視聴者に直接視聴不可能となるように表示する表示部であって、第2の位置に所定角度で存在する鏡面で反射された第2の映像が、前記第1の位置の視聴者に視聴可能となるように映像を表示する表示部と、
を具備する映像表示装置。
【請求項2】
前記鏡面で反射された第2の映像の前記第1の位置における歪みを補正する映像合成部を更に具備する請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項3】
前記映像表示装置は、
前記視聴者の顔画像情報を取得する顔画像取得手段と、
前記顔画像情報から求めた前記視聴者の観察位置と、所定の基準観察位置とのずれ量を求めるずれ量算出手段とを有し、
前記映像合成部は、
更に前記ずれ量による前記第2の映像の前記第1の位置における歪みを補正する
請求項2に記載の映像表示装置。
【請求項4】
複数の立体視聴可能域を有する裸眼立体視ディスプレイと、
前記裸眼立体視ディスプレイの一つの端部近傍に配された鏡とを備え、
前記立体視聴可能域は、前記裸眼立体視ディスプレイの正面方向、及び斜め方向に設けられ、前記鏡は、前記斜め方向の立体視聴可能域からの視差画像群を所定の基準観察位置に反射するように設けられ、前記鏡は、前記裸眼立体視ディスプレイに対して傾けて設けられていることを特徴とする映像表示装置。
【請求項5】
前記複数の立体視聴可能域の視差画像群に対応する視差画像を生成し、前記鏡の傾きによる前記基準観察位置での視差画像の歪みを補正する映像合成部を更に備えたことを特徴とする請求項4に記載の映像表示装置。
【請求項6】
前記映像表示装置は、
前記裸眼立体視ディスプレイを観察するユーザの顔画像情報を取得する顔画像取得手段と、
前記顔画像情報から求めたユーザの観察位置と、前記基準観察位置とのずれ量を求めるずれ量算出手段とを有し、
前記映像合成部は、
前記鏡の傾き角度と前記位置ずれ量とに基づいて前記ユーザの観察位置での視差画像の歪みを補正することを特徴とする請求項5に記載の映像表示装置。
【請求項7】
第1の映像と第2の映像とを入力し、
前記第1の映像を第1の位置の視聴者に直接視聴可能となるように、前記第2の映像を前記第1の位置の視聴者に直接視聴不可能となるように表示し、第2の位置に所定角度で存在する鏡面で反射された第2の映像が、前記第1の位置の視聴者に視聴可能となるように映像を表示すること
を特徴とする映像表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−105000(P2013−105000A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248403(P2011−248403)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】