説明

映像表示装置

【課題】ディスプレイの前面に焦点を可変的に変更できるレンズ機能を設け、視聴者の視力状態、ディスプレイまでの視聴距離に応じてレンズの屈折率を適応制御することにより、どのような視力状態・視聴環境においても、最適な映像の表示環境を提供する。
【解決手段】映像を表示するディスプレイC11の前面に可変焦点レンズC13が設けられ、また視聴者とディスプレイC11間の距離を測定する視聴者認識部C12が備えられる。予め、視聴者が最適映像と認識するときの視聴距離と可変焦点レンズC13の焦点距離を記憶させておくなどして、視聴者の視力状態・視聴環境に応じて、焦点制御部C14が可変焦点レンズC13の焦点距離及びディスプレイC11の表示を制御する。視聴者は、眼鏡・コンタクトレンズ等の視力矯正手段を極力必要とすることなく、解像度の高い鮮明な映像を最適映像として見ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、主に個人が近距離〜中距離で視聴する場合を想定した、映像や文字等を表示する映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像装置で撮影、又は記録されるなどして得られた映像を表示する装置として、液晶ディスプレイに代表される映像表示装置がある。近年、映像表示装置の高精細化・高解像化が進み、1インチあたり300画素(300dpi)を超える液晶ディスプレイが実用化の段階に入っている。画素の密度が高くなると、より微細な情報まで忠実に再現することが可能となり、携帯電話やノートPC等の中小型ディスプレイでさえも、新聞一面分の情報を表示することも将来的に可能となっている。
【0003】
しかしながら、人間の視覚能力には個人差があり、映像表示装置の高精細化・高解像度化が進んでも、微細化した文字や映像を十分に認識できないことも多く、特に近視・遠視等で十分な視力が得られない視聴者はその恩恵を得らない場合がある。こうした事情を、図2に概要を示した視覚の原理に基づいて説明する。即ち、被写体から出た光は、眼内の角膜C21及び水晶体C22で屈折されて眼球奥で結像される。この際、網膜C23上に正確に結像されることで、焦点が合い、最良の視認能力を発揮する。水晶体はその周囲の筋肉により伸縮し、被写体との距離に応じて最適な屈折率に調整される。
【0004】
図2に示すように被写体までの距離が短い場合には屈折率を強くし、図3に示すように被写体が遠い場合は屈折率を弱くすることにより、いずれの場合も網膜C23上に正確に結像され、視覚細胞に正確な情報が届けられる。こうした水晶体の伸縮による焦点調整可能範囲については、現在の視力検査を参考にすると、5メートル〜数10cmの距離に対応できるものであれば、正常な視力状態とされる。
【0005】
一方、水晶体の調整機能の状態(近視又は遠視の状態)によっては遠方・近方に焦点を合わせることができず、被写体がぼやけて見える場合がある。図4に、水晶体の屈折率が弱いために正常に結像できない状態を示す。この状態は、所謂、遠視と呼ばれる状態である。視力の矯正は、眼内もしくは眼の前方に、水晶体の屈折率と合わせて全体の屈折率(焦点距離)を調整するレンズを置くことにより、これらの状態を補正して網膜上に適切に結像させて、適切な視力を得るために行われるものである。矯正レンズとしては、眼の水晶体の屈折率が通常より強い場合は凹レンズ、眼の水晶体の屈折率が通常より弱い場合は凸レンズが用いられる。
【0006】
このように、ディスプレイの映像情報が如何に高解像度であっても、そうした映像情報を正確に視認するためには、視聴者側において視聴距離に応じた正確な焦点調整が必要である。こうした正確な焦点調整が困難な場合は、眼鏡やコンタクトレンズ等の視聴者側の矯正手段が必要とされる。また、焦点距離を調整する手段として、特許文献1に記載のものに代表されるような液晶レンズが提案されている。
【0007】
特許文献1に記載の液晶レンズは、液晶に電圧を印加すると屈折率が変化する性質を利用し、可変焦点レンズとして利用することができる。この液晶レンズは、透明な第1の電極を有する第1の基板、孔を有する第2の電極、及び両電極の間に第1の電極と対向するように収容された液晶分子を一方向に配向された液晶層を備え、両電極間に印加する電圧によって液晶分子の配向制御を行うことにより、焦点を可変制御するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平6−46356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
眼鏡やコンタクトレンズ等による視力補正は、従来用いられている簡便で有効な矯正手段であるが、長時間に渡って矯正をかけた状態が続くと目の疲れを誘発する場合がある。また裸眼状態と矯正状態とを使い分けると、眼鏡やコンタクトレンズ等の矯正手段を着脱する度に手間が発生する。日常の生活では支障がなくても、テレビや携帯電話のディスプレイ等で映像を見る、或いは細かい文字を読む時のみ矯正が必要なケースがある。
【0010】
特に、高齢者は加齢によって水晶体周辺の筋肉が衰え、遠視が進行することが多いため、近くの映像が見えづらくなる傾向がある。例えば、携帯電話やノートPC等のように表示部と操作部が一体となった機器を用いる場合、操作しやすい距離と視認しやすい距離が一致しない状況が起きる場合がある。また、近視の状態にある視聴者が遠視をも併発すると、焦点調節可能な範囲が狭くなり、手元と映像表示装置との両方で焦点を合わせるのが困難になり、遠近両用眼鏡を掛けるか、状況に応じて焦点距離の異なる眼鏡を取り替える等の煩わしい対応が必要となる。
【0011】
そこで、映像表示装置の前面に焦点距離(屈折率)を可変的に変更できるレンズ機能を設けることで、視聴者の視力状態及び映像表示装置までの視聴距離に応じてレンズの焦点距離を適応制御する点で解決すべき課題がある。
この発明の目的は、映像表示装置の前面に設けたレンズ機能の焦点距離を適応制御することで、視聴者が視力矯正手段(単焦点又は多焦点の眼鏡・コンタクトレンズ)を必要とすることなく、視聴者の視力状態・視聴環境に応じて、最適な映像、即ち、解像度の高い鮮明な映像を視ることができる映像表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するため、本発明による映像表示装置は、映像を表示するディスプレイと、前記ディスプレイの前面に配置されており焦点距離が調整可能な可変焦点レンズと、前記ディスプレイと視聴者との距離を測定する視聴者認識手段と、前記視聴者認識手段が測定した前記距離に基づいて前記可変焦点レンズの前記焦点距離を変化させる焦点制御手段とを備えている。
【0013】
この映像表示装置によれば、視聴者認識手段は、ディスプレイと視聴者との距離を測定し、その測定結果を焦点制御手段に伝達するものである。視聴者の視力状態と視聴者認識手段が測定したディスプレイまでの視聴距離に応じて、ディスプレイ側、即ち、ディスプレイの前面に配置されている可変焦点レンズについて最適な焦点の補正を行う。これにより、近視・遠視等の視力補正を極力必要とせずに、鮮明な映像の再生が実現できる。
【0014】
この映像表示装置において、可変焦点レンズは、一枚又は複数の光学レンズから構成され、光学レンズの位置を機械的に調整するものとすることができる。光学レンズの場合には、焦点距離を変えるとピントがずれるバリフォーカルレンズとすることができる。また、特性が変化することによって屈折率が変化する材料を用いたレンズであってもよい。また、この可変焦点レンズは、液晶の印加電圧による屈折率の変化を利用し、屈折率を電気的に調整する液晶レンズとすることができる。液晶レンズの場合には、ディスプレイとレンズとを一体形成し、別々に作るより低コストで実現することができる。
【0015】
また、この映像表示装置において、視聴者認識手段は、視聴者の顔を撮影するカメラを備え、当該撮影画像から当該顔の特徴を認識し、当該認識結果を前記焦点制御手段に伝達するものとすることができる。焦点制御手段が可変焦点レンズの焦点距離を変化させる際に、視聴者の顔の特徴を認識することで視聴者が特定できるので、最適映像となるように可変焦点レンズの焦点距離を自動的に調整することができる。
【0016】
また、この映像表示装置において、焦点制御手段は、ディスプレイに映像を表示した状態で、視聴者が最も視認しやすい状態に調整されたときの距離と可変焦点レンズの焦点距離とを記憶することができる。即ち、視聴者にとって最適な映像となるディスプレイまでの距離と可変焦点レンズの焦点距離とが組合せとして記憶される。こうした処理は、ディスプレイ使用開始の初期設定において行うことができ、また新たな視聴者が設定することも、更には同じ視聴者であっても、例えば眼鏡交換をした後に再設定としても行うことができる。
【0017】
また、この映像表示装置において、焦点制御手段は、視聴者認識手段が測定した距離に対応した焦点距離として、最も視認しやすい状態に調整されたときの値として記憶されている距離と可変焦点レンズの焦点距離との組合せを参照して、定めることができる。即ち、視聴者がディスプレイに映像を表示させるときに、視聴者認識手段が視聴者とディスプレイとの間の距離を測定し、当該視聴者について、最適映像となるディスプレイまでの距離と焦点距離の情報を利用して、その測定距離に対応した可変焦点レンズの焦点距離を定めることができる。即ち、視聴距離が変わった場合は、これに応じて新しい視聴距離にて、最適な焦点の調整を行う。
【0018】
また、この映像表示装置において、焦点制御手段は、視聴者が最も視認しやすい状態に調整されたときのディスプレイまでの距離と可変焦点レンズの前記焦点距離とを複数の視聴者毎に記憶しており、視聴者が変わった場合は、視聴者認識手段から伝達された前記顔の特徴を利用して特定された視聴者に応じて可変焦点レンズの前記焦点距離を調整することができる。即ち、最適映像となるディスプレイまでの距離と可変焦点レンズの焦点距離は、複数の視聴者毎に記憶させることができ、視聴者認識手段からの顔の特徴を利用して区別された視聴者に応じて、可変焦点レンズの前記焦点距離を調整することができる。
【0019】
この映像表示装置におけるディスプレイは、可変焦点レンズの屈折率調整に応じて、表示する映像のサイズを縮小するものとすることができる。また、このディスプレイは、可変焦点レンズの屈折率調整を行った場合に、表示する映像の位置を縮小し、さらに縦横方向に調整するものとすることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明による映像表示装置は、従来の眼鏡等のように視聴者側が備えていた視力矯正手段をディスプレイ側に、即ち、視力矯正手段としての可変焦点レンズをディスプレイの前面に置き、視聴者の視力状態と視聴距離に応じて、可変焦点レンズの焦点距離の補正を行う。視聴者にとって、単焦点の眼鏡・コンタクトレンズ等の場合には、そうした視力矯正手段を必要とすることなく、また高価な複数焦点の眼鏡・コンタクトレンズ等の場合には、単焦点の視力矯正手段で済むようにして、しかも解像度の高い鮮明な映像の再生を実現可能とする。可変焦点レンズを液晶レンズとする場合には、ディスプレイのパネルと一体形成して製造することができるので、別々に作るより低コストで実現できる
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明における映像処理のブロック図である。
【図2】視覚の焦点調整(近距離に焦点が合った状態)を説明する図である。
【図3】視覚の焦点調整(遠距離に焦点が合った状態)を説明する図である。
【図4】視覚の焦点調整(焦点が合っていない状態)を説明する図である。
【図5】本発明における焦点調整を説明する図である。
【図6】本発明におけるディスプレイの映像縮小処理を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1を用いて、本発明による映像表示装置の実施例を説明する。本発明による映像表示装置であるディスプレイC11を使用する際は、まず視聴者が通常利用する距離にディスプレイC11が置かれ、ディスプレイC11の前面には焦点距離を調整可能な可変焦点レンズC13が配置される。ディスプレイC11には、ディスプレイC11と視聴者との間の距離を測定する視聴者認識手段としての視聴者認識部C12が設けられている。焦点制御手段としての焦点制御部C14は、視聴者認識部C12が測定したディスプレイC11と視聴者との間の距離についての情報(信号)の伝達を受け、当該距離情報に基づいて、可変焦点レンズC13の焦点距離を変化させる焦点制御を行う。
【0023】
可変焦点レンズC13は、一枚又は複数の光学レンズ(バリフォーカスレンズ)から構成することができ、この場合には光学レンズの位置を機械的に調整することで合成焦点距離を変えることができる。可変焦点レンズC13は、また、液晶分子の配向制御を電極間の電圧で行う液晶レンズによって構成することができ、この場合には、その屈折率を電気的に調整することができる。また、可変焦点レンズC13は、例えば、外からの電気的な入力に対して屈折率を変える材料から製作されたレンズであってもよい。
【0024】
まず、焦点制御部C14は、ディスプレイC11に表示される映像が視聴者にとって正常に視認できるように、可変焦点レンズC13の焦点調整について初期設定を行う。ディスプレイC11には視力測定に用いるランドルト環又はこれに類似した映像パターンを表示しておき、その表示状態において、視聴者の操作に基づく焦点制御部C14の制御によって、可変焦点レンズC13の焦点距離(屈折率)を最適になるように調整する。視聴者認識部C12が測定したディスプレイC11と視聴者との間の視聴距離と、その視聴距離に応じて焦点調整で視聴者が最も視認しやすい映像、即ち、最適な映像となったときの可変焦点レンズC13の焦点距離とが、組合せとして記憶される。このように、ディスプレイC11を個別の固定された環境で視聴する場合には、焦点制御部C14を用いてした調整状態(リモコンでの調整)をその場で維持した視聴を行う。
【0025】
次に、ディスプレイC11を通常利用する範囲で近距離・遠距離に移動し、変更された視聴距離に応じて最適な焦点調整を行って、測定手段により計測した視聴距離と可変焦点レンズC13の焦点距離とを記憶する。こうすることで、視聴者毎に、ディスプレイC11までの複数の視聴距離と、そのときに最適映像となる可変焦点レンズC13の焦点距離との複数の組合せが記憶される。
【0026】
ユーザーの判定は基本的に手動設定で行うが、視聴者認識部C12は、視聴距離測定の他にカメラ機能を備えていて、視聴者の顔認証を行うことができる。視聴者の顔認証を行うには、予め視聴者認識部C12がカメラ機能によって視聴者の顔を撮影してその特徴を記憶しておく。視聴者が変更になった場合は、同様に視聴距離の変更を行って視聴距離測定を行い、その変更された各視聴距離とその視聴距離において映像が当該視聴者にとって最適に視認できる焦点距離とが、その視聴者についての情報と併せて記憶される。
【0027】
以上より計測された情報をディスプレイC11側に記憶し、初期設定が完了となる。以後は、視聴者認識部C12が視聴者を顔認証するとともにディスプレイC11と視聴者との間の視聴距離を測定する。視聴者認識部C12は、カメラで撮影した視聴者の顔の画像情報に基づいて視聴者の顔の特徴を認識し、その特徴点の認識に基づいて視聴者の顔の認証を行い、該当する視聴者があればその認証結果を、測定した視聴距離とともに焦点制御部C14に伝達する。焦点制御手段C14は、顔認識情報を利用した視聴者認識部C12からの視聴者特定情報に基づいて、また視聴者認識部C12からの視聴距離情報を利用して、可変焦点レンズC13の焦点距離(屈折率)を調整するものである。
【0028】
焦点制御部C14は、視聴者認識部C12から受けた視聴者についての認識結果(顔認証された視聴者の特定)及び測定された視聴距離に応じて、その視聴者について視聴距離に対応して予め登録されている最適な焦点距離となるように、可変焦点レンズC13の焦点距離を自動的に調整する。実際の視聴距離が記憶された距離の中間にある場合は、前後の計測距離からの線形補間により最適とみなし得る焦点距離を算出する。可変焦点レンズC13の焦点距離をこのように制御することにより、ディスプレイC11が表示する映像がその視聴者にとって最適映像となる。その結果、視聴者は、眼鏡等の矯正手段を極力必要とすることなく(又は、高価な矯正手段に依ることなく)、ディスプレイC11において、可変焦点レンズC13を通して、鮮明な最適映像を見ることができる。
【0029】
図5に示すように、ディスプレイC11を遠距離に離して見る場合と、近距離で焦点調整した状態で見る場合とは視覚的に等価となる。眼鏡やコンタクトレンズ等による矯正は基本的に固定屈折率であるため、視聴距離が大きく変化した場合は焦点が合わず映像がぼけて見える場合があるが、本方式では距離に応じた細かい焦点補正を行っているため、これを軽減することができる。
【0030】
なお、本発明による映像表示装置ではレンズ効果を利用した焦点距離の補正を行っているため、屈折率が強くなる方向に焦点距離の補正を大きくすると、ディスプレイC11の表示サイズが異なって見える場合がある。図6この状態を示す。焦点距離が合った状態の映像イメージをC61、焦点距離が合っていない状態の映像イメージをC62に示す。例えば、可変焦点レンズC13を凸レンズとして屈折を行うと見える範囲は、C64に示すようにディスプレイの中央寄りとなり、画面端の映像は見えなくなる。
【0031】
これに対する解決案の一つとして、可変焦点レンズC13の焦点距離補正に応じてディスプレイC11の表示範囲を縮小し、画面全体を表示させることが考えられる。C 63は、ディスプレイC11に表示された縮小画像であるが、可変焦点レンズC13によって屈折させることによりC61と同等の画像として認識される。また別の解決案として、表示内容や視聴者の操作によりディスプレイC11の表示内容を変更することもできる。文字等の画面全体を見る必要が少ない映像表示の場合は縮小を行わず、必要時に画面をスクロール、即ち、縦横方向に調整させる。画面中央を表示させた状態をC64、画面右下を表示させた状態をC65に示す。
【0032】
本発明による映像表示装置は、携帯電話やノートPC等の個人向け中小型ディスプレイを数十センチ〜1メートル以下の近距離で視聴することを想定しているが、状況によっては大型ディスプレイを数メートル離れて視聴する場合にも応用できることは言うまでもない。更に、レンズの屈折率を細かく変化させることで、左右の視力に合わせた焦点調整、視聴位置に合わせた焦点調整なども可能である。
【符号の説明】
【0033】
C11・・ディスプレイ C12・・視聴者認識部
C13・・可変焦点レンズ C14・・焦点制御部
C21・・角膜 C22・・水晶体
C23・・網膜
C61・・ディスプレイの視聴状態(正常時)
C62・・ディスプレイの視聴状態(焦点が合っていない状態)
C63・・ディスプレイの縮小表示処理
C64・・ディスプレイの通常表示処理(焦点調整後)
C65・・ディスプレイの通常表示処理(焦点調整後、画像を右下側に調整)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を表示するディスプレイと、
前記ディスプレイの前面に配置されており焦点距離が調整可能な可変焦点レンズと、
前記ディスプレイと視聴者との距離を測定する視聴者認識手段と、
前記視聴者認識手段が測定した前記距離に基づいて前記可変焦点レンズの前記焦点距離を変化させる焦点制御手段と、を備える映像表示装置。
【請求項2】
前記可変焦点レンズは、位置を機械的に変えることで前記焦点距離が調整される一枚又は複数の光学レンズであることから成る請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項3】
前記可変焦点レンズは、屈折率を電気的に変えることで前記焦点距離が調整される液晶レンズであることから成る請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項4】
前記視聴者認識手段は、視聴者の顔を撮影するカメラを備え、当該撮影画像から当該顔の特徴を認識し、当該認識結果を前記焦点制御手段に伝達することから成る請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項5】
前記焦点制御手段は、初期設定において、前記ディスプレイに映像を表示した状態で、視聴者が最も視認しやすい状態に調整されたときの前記距離と前記可変焦点レンズの前記焦点距離とを記憶することから成る請求項1〜4のいずれか一項に記載の映像表示装置。
【請求項6】
前記焦点制御手段は、前記視聴者認識手段が測定した前記距離に対応した前記焦点距離として、最も視認しやすい状態に調整されたときの値として記憶されている前記距離と前記可変焦点レンズの前記焦点距離との組み合わせを参照して、定めることから成る請求項5に記載の映像表示装置。
【請求項7】
前記焦点制御手段は、視聴者が最も視認しやすい状態に調整されたときの前記距離と前記可変焦点レンズの前記焦点距離とを複数の視聴者毎に記憶しており、前記視聴者認識手段から伝達された前記顔の特徴を利用して区別された視聴者に応じて、前記可変焦点レンズの前記焦点距離を調整することから成る請求項5又は6に記載の映像表示装置。
【請求項8】
前記ディスプレイは、前記可変焦点レンズの前記焦点距離の調整に応じて表示する映像のサイズを縮小することから成る請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項9】
前記ディスプレイは、更に縦横方向に調整することを特徴とした請求項8に記載の映像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−28011(P2011−28011A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−173848(P2009−173848)
【出願日】平成21年7月27日(2009.7.27)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】