説明

映像視聴装置、映像視聴方法およびプログラム

【課題】視聴者に応じて字幕の表示時間を変えることができる映像視聴装置、映像視聴方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】受信手段と、字幕抽出手段と、時間変更手段と、映像出力手段と、を備える映像視聴装置。受信手段は、画像のデータと、画像とともに表示される字幕の文字情報、字幕の表示時間および字幕の表示位置の各データを含む字幕のデータとを含む映像データを受信する。字幕抽出手段は、受信手段が受信した映像データから字幕データを抽出する。時間変更手段は、字幕抽出手段により抽出された字幕の表示時間を変更する。映像出力手段は、字幕の文字情報、字幕の表示位置および時間変更手段により変更された字幕の表示時間に基づき字幕を画像に重畳した映像を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、映像視聴装置、映像視聴方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルテレビジョン等の映像視聴装置において受信する映像情報には、画像や音声の情報に加えて、画像と共に表示される字幕情報等が含まれている。
【0003】
しかし、例えばニュース番組で用いられる字幕のように、漢字が多く使用される字幕は、子供や外国人には読み辛い場合がある。
【0004】
こうした場合に対応するため、字幕情報に含まれる漢字をひらがなに変換する等して、視聴者に読み易い字幕を提供できる映像視聴装置がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−142168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、字幕情報は、予め設定されている表示時間に従い画面に表示されるが、番組の内容やそれを観る視聴者によっては、その表示時間では字幕情報を読むことが難しい場合がある。
【0007】
例えば、上述した多くの漢字が混じる字幕情報をひらがなに変換した場合でも、子供や外国人はひらがなの読解が苦手であり、また、漢字をひらがなに変換することで字数も増加するため、予め設定されている表示時間では読み辛い場合がある。
【0008】
また、語学番組等、他国語を習得するための番組において表示される他国語の字幕は、視聴者の学習レベルによっては当初設定されている表示時間では読解が難しい場合がある。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、視聴者に対して字幕をより見易くする映像視聴装置、映像視聴方法およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態の映像視聴装置は、受信手段と、字幕抽出手段と、時間変更手段と、映像出力手段と、を備える。受信手段は、画像のデータと、画像とともに表示される字幕の文字情報、字幕の表示時間および字幕の表示位置の各データを含む字幕のデータとを含む映像データを受信する。字幕抽出手段は、受信手段が受信した映像データから字幕データを抽出する。時間変更手段は、字幕抽出手段により抽出された字幕の表示時間を変更する。映像出力手段は、字幕の文字情報、字幕の表示位置および時間変更手段により変更された字幕の表示時間に基づき字幕を画像に重畳した映像を出力する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本実施形態に係る映像視聴装置としてのデジタルテレビジョンを示す概略ブロック図である。
【図2】図2は、字幕情報のデータ構造を示す図である。
【図3】図3は、字幕変換コントロール部の機能ブロック図である。
【図4】図4は、本実施形態に係るデジタルテレビジョンによる字幕の変換の様子を示す図である。
【図5】図5は、本実施形態に係るデジタルテレビジョンによる字幕の変換手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係る映像視聴装置について図を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る映像視聴装置としてのデジタルテレビジョン1を示す概略ブロック図である。
【0013】
本実施形態に係るデジタルテレビジョン1は、図1に示すように、受信部6と、デジタル復調部5と、システム制御部3と、MPEG処理部8と、映像データ一時保持部4と、字幕変換コントロール部2と、映像データ出力部11と、ディスプレイ/スピーカ12と、光ディスクドライブ9と、ハードディスクドライブ10と、操作部7を主に備えて構成されている。
【0014】
受信部6は、アンテナ等から構成されていて、放送局から送信される電波を受信する。
【0015】
デジタル復調部5は、受信部6が受信した受信した電波をデジタルデータに復調する。
【0016】
システム制御部3は、デジタル復調部5により復調されたデジタルデータを受け取り、デジタルテレビジョン1の各構成に送信するとともに、各構成の制御を行う。具体的には、システム制御部3は、デジタル復調部5により復調されたデジタルデータを、MPEG処理部8、映像データ一時保持部4、字幕変換コントロール部2、映像データ出力部11、光ディスクドライブ9およびハードディスクドライブ10に送信するとともに、これら各構成の制御を行う。また、システム制御部3は、操作部7から送信される各種処理要求を受信し、受信した処理要求に基づき各構成の制御を行う。システム制御部3は、CPU(Central Processing Unit)およびメモリ部を内蔵している。メモリ部は、主として、CPUが実行する制御プログラムを格納したROM(Read Only Memory)と、CPUに作業エリアを提供するためのRAM(Random Access Memory)と、各種の設定情報及び制御情報等が格納される不揮発性メモリとを有している。
【0017】
MPEG処理部8は、システム制御部3から送信されたデジタルデータの復号処理を行う。
【0018】
映像データ一時保持部4は、MPEG処理部8により復号処理されたデジタルデータである映像データを一時的にハードディスクドライブ10に保持する。そして、映像データ一時保持部4は、ハードディスクドライブ10に保持された映像データを読み出し、当該映像データを出力表示するため、映像データ出力部11に送信する。また、映像データ一時保持部4は、映像データからの字幕情報の抽出と変換を行うため、映像データをハードディスクドライブ10から読み出し、字幕変換コントロール部2に送信する。また、映像データ一時保持部4は、後述する光ディスクドライブ9から受信する映像データの保管も行う。
【0019】
字幕変換コントロール部2は、映像データ一時保持部4から受信する映像データに含まれる字幕情報をもとに、字幕の変換や表示の制御を行う。字幕変換コントロール部2の機能の詳細については後述する。図2は、字幕情報のデータ構造を示す図である。字幕変換コントロール部2は、映像データ一時保持部4から受信した映像データから、図2に示すように、画像に含まれる字幕の内容である文字情報101、字幕の表示時間102および字幕の表示位置103の各データを抽出する。そして、字幕変換コントロール部2は、抽出した字幕の内容である文字情報101、表示時間102および表示位置103のそれぞれについて必要に応じて変更を行い、変更後の字幕情報を映像データ出力部11に送信する。
【0020】
映像データ出力部11は、MPEG処理部8で復号処理された映像データをディスプレイ/スピーカ12に映像視聴出力として出力する。また、映像データ出力部11は、字幕変換コントロール部2から受信した字幕情報にもとづく字幕を、画像に重畳して表示する。
【0021】
ディスプレイ/スピーカ12は、表示部として映像を表示するディスプレイと、音声を出力するスピーカであり、映像データ出力部11から受信した映像データにもとづき画像や字幕を表示するとともに、音声出力を行う。
【0022】
光ディスクドライブ9は、DVDやブルーレイディスク等に記録されている映像データを読み取るとともに、これを再生表示するため、映像データ一時保持部4に供給する。また、光ディスクドライブ9は、映像データ一時保持部4に保持されている映像データを受信し、光ディスクに記録する。
【0023】
ハードディスクドライブ10は、映像データ一時保持部4に保持されている映像データを受信し、ハードディスクに記録する。また、ハードディスクドライブ10は、ハードディスクに記録されている映像データを再生表示するため、映像データ一時保持部4に供給する。
【0024】
操作部7は、視聴者によって行われるデジタルテレビジョン1に対する各種処理要求を行うための部位であり、リモコンやタッチパッド等により構成される。操作部7により行われた各種処理要求は、システム制御部3に送信される。
【0025】
次に、字幕変換コントロール部2について、図3を用いて詳述する。図3は、字幕変換コントロール部の機能ブロック図である。
【0026】
字幕変換コントロール部2は、字幕抽出部21と、字幕情報保持部22と、字幕消去部23と、年齢指定部29と、国籍指定部30と、文字情報変更部24と、時間変更部25と、位置変更部26と、表示部27と、シーンチェンジ抽出部28と、を備えている。
【0027】
字幕抽出部21は、表示される映像データから図2に示す字幕情報100を抽出する。また、抽出した字幕情報100をもとに、変換前の字幕情報100と、変換後の字幕情報100’を字幕情報保持部22に登録する。
【0028】
字幕抽出部21は、字幕が画像と一体化されている場合、すなわち、字幕が画像の一部となっている場合には、画像データ(フレームデータ)から字幕情報を抽出する。そして、字幕抽出部21は、画像から、図2に示す字幕の文字情報101、字幕の表示時間102および字幕の表示位置103の各データを含む字幕情報100を抽出する。
【0029】
また、字幕抽出部21は、字幕が画像と別のデータとして管理され、画像に重畳して表示されるようになっている場合、映像データに含まれる字幕データを字幕情報100として抽出するとともに、抽出された字幕情報100から、字幕の文字情報101、字幕の表示時間102および字幕の表示位置103の各データを抽出する。こうして字幕抽出部21により抽出された字幕情報100は、字幕情報保持部22に保持される。
【0030】
字幕情報保持部22は、字幕抽出部21により抽出された字幕情報100を保持する。また、字幕情報保持部22は、後述するように文字情報、表示位置、表示時間等が変更された字幕情報100’も保持する。
【0031】
字幕消去部23は、字幕情報保持部22から字幕情報100を受け取り、字幕が画像と一体化されている場合に、画像データから字幕に該当する部分を消去する。具体的には、字幕消去部23は、字幕に該当する部分の画像を消去するとともに、消去した部位の画像について、周りの背景情報を用いて補完する。
【0032】
年齢指定部29は、視聴者が操作部7を操作して選択した年齢情報をシステム制御部3を介して受け付け、当該年齢情報を後述する文字情報変更部24および時間変更部25に送信する。
【0033】
国籍指定部30は、視聴者が操作部7を操作して選択した国籍情報をシステム制御部3を介して受け付け、当該国籍情報を後述する文字情報変更部24および時間変更部25に送信する。
【0034】
文字情報変更部24は、字幕情報保持部22から字幕情報100を受け取り、文字情報101を抽出し、必要に応じて他の文字に変換し、変換後の字幕情報の文字情報101’として字幕情報保持部22に送信する。
【0035】
例えば、文字情報変更部24は、年齢指定部29から送信される年齢情報や、国籍指定部30から送信される国籍情報に基づき変換モードを選択し、変更を実行するか否かの判断をしてもよい。
【0036】
具体的には、文字情報変更部24は、年齢指定部29から送信される年齢情報が小学生以下の年齢である場合には、字幕抽出部21により抽出された字幕の文字情報101に含まれる漢字を全て平仮名に変換するモードを選択し、中学生以下の年齢である場合には、難解な漢字として予め設定されているもののみを平仮名に変換するモードを選択してもよい。
【0037】
また、文字情報変更部24は、国籍指定部30から送信される国籍情報が日本国民以外の情報である場合には、文字情報変更部24は、字幕抽出部21により抽出された字幕の文字情報101に含まれる漢字を全て平仮名に変換するモードを選択してもよい。
【0038】
時間変更部25は、字幕情報保持部22から字幕情報100を受け取り、表示時間102を抽出し、必要に応じて表示時間102を変更する。また、時間変更部25は、変更後の字幕の表示時間102’を字幕情報保持部22に送信する。
【0039】
例えば、時間変更部25は、字幕の表示時間を予め視聴者により定められる任意の時間だけ延長してもよい。具体的には、視聴者は表示時間延長の割合、すなわち何パーセントの表示時間延長を行うかを設定することができるように構成すると共に、時間変更部25は、この設定に従い字幕の表示時間を決定してもよい。
【0040】
また、時間変更部25は、変換前の字幕に含まれる漢字の数や文字数に応じて、変換後の字幕の表示時間を決定するように構成してもよい。
【0041】
また、時間変更部25は、年齢指定部29から送信される年齢情報や、国籍指定部30から送信される国籍情報に基づき変換モードを選択し、変更を実行するか否かの判断をしてもよい。
【0042】
具体的には、時間変更部25は、年齢指定部29から送信される年齢情報が小学生以下の年齢である場合には、表示時間102を一律20%延長するモードを選択し、中学生以下の年齢である場合には、表示時間を一律10%延長するモードを選択してもよい。
【0043】
また、時間変更部25は、国籍指定部30から送信される国籍情報が日本国民以外の情報である場合には、表示時間を一律20%延長するモードを選択してもよい。
【0044】
位置変更部26は、字幕情報保持部22から字幕情報100を受け取り、表示位置103を抽出し、変換後の字幕の表示位置103’を決定する。位置変更部26は、変換後の字幕の表示位置103’として、変換前の字幕の表示位置103を用いる。ただし、先に検出された字幕の変換後の表示位置103’と、後に検出された字幕の変換後の表示位置103’が重複する場合、位置変更部26は、先の字幕の変換前の表示位置103を、先の字幕の変換後の表示位置103’とし、後の字幕の変換後の表示位置103’を、先の字幕の変換後の表示位置103’と異なる位置とする。この場合、位置変更部26は、後の字幕の変換後の表示位置103’として、画像中のオブジェクトとの重なりが最小となる背景部分等を用いようにしてもよい。また、位置変更部26は、後述するシーンチェンジ抽出部28によるシーンチェンジの検出後、先の字幕が変換された状態で延長表示されている場合等に、当該字幕の表示位置103’の再調整を実施してもよい。位置変更部26は、変更後の字幕の表示位置103’を字幕情報保持部22に送信する。
【0045】
表示部27は、字幕情報保持部22から変換後の字幕情報100’を受け取り、この変換後の字幕情報100’に基づき、変換後の字幕をディスプレイに表示する。
【0046】
シーンチェンジ抽出部28は、映像中のシーンチェンジを検出し、必要に応じて位置変更部26に変換後の字幕の表示位置103’の再調整を要求する。
【0047】
次に、上述したデジタルテレビジョンによる字幕の変換の様子について図4を用いて説明する。図4は、本実施形態に係るデジタルテレビジョンによる字幕の変換の様子を示す図である。なお、図4では、漢字が含まれる字幕が、漢字の含まれない平仮名のみの字幕に変換される様子を示している。
【0048】
図4では、画像が切り替わるタイミングに基づき、映像がl、m、n、oの4つのフレームに分割されている。図4の上側に表示されているl、m、n、oの4つのフレームは、字幕変換せずに字幕を表示する状態を示し、下側に表示されているl、m、n、oの4つのフレームは、変換が行われた字幕を表示する状態を示している。
【0049】
本実施形態に係るデジタルテレビジョンが受信した映像データに含まれる字幕データ100では、フレームl、mに字幕aが画面の下部に表示されるとともに、フレームn、oに字幕bが画面の下部に表示されるように設定されている。これらの字幕の表示位置は、いずれも図3に示した字幕情報100に含まれる表示位置103のデータとして規定されている。
【0050】
そして、字幕抽出部21は、フレームl、mにおいて字幕aの存在とその文字情報を抽出するとともに、フレームn、oにおいて字幕bの存在とその文字情報を抽出する。
【0051】
次に、文字情報変更部24は、字幕抽出部21により抽出された字幕aの字幕情報100の文字情報101に基づき、漢字を平仮名に変換する。また、時間変更部25は、表示時間102に基づき1フレーム分、すなわちフレームnまで延長表示することを決定する。さらに、位置変更部26は、表示位置103に基づき字幕aと同位置に表示することを決定する。こうして字幕aが変換された字幕a’は、変換前の字幕aと同位置に表示されるとともに、フレームl〜nまで表示されることになる。
【0052】
一方、字幕抽出部24により抽出された字幕bは、文字情報変更部24により漢字が平仮名に変換されるとともに、時間変更部25により1フレーム分延長することが決定される。しかし、字幕aが変換された字幕a’が、字幕bが表示されるフレームnにおいても延長表示され、字幕a’の表示位置は字幕bの表示位置と同一であるため、位置変更部26は、字幕bが変換された字幕b’を、字幕bと同位置に表示することができない。
【0053】
そこで、位置変更部26は、字幕b’の表示位置を字幕bとは異なる位置、すなわち、延長表示される字幕a’と異なる位置に決定する。なお、本実施形態においては字幕b’の表示位置として画面上部が用いられているが、本発明においてはこれに限らず、字幕aの下に並べて表示してもよい。こうして字幕bが変換された字幕b’は、変換前の字幕bと同位置に表示されるとともに、変換されない場合に表示されるフレームであるフレームn〜oまで表示されることになる。
【0054】
このように、本実施形態に係るデジタルテレビジョンでは、変換後の字幕の表示位置103’は変換前の字幕の表示位置103と現在の画面の表示状況等をもとに調整され、変換前の字幕の表示位置103と変換後の字幕の表示位置103’とは別管理されている。そして、字幕表示が重複した際に決定された変換後の字幕の表示位置(字幕の再表示位置)103’が、当該重複が解消された後も継承される。こうして表示された各字幕は、それらの表示が行われている間はそれぞれ同じ位置に表示され続ける。そのため、本実施形態に係るデジタルテレビジョン1に表示される字幕は、視聴者が目で追い易く、読み易いものとなっている。
【0055】
次に、本実施形態に係るデジタルテレビジョン1による字幕の変換手順について、図5を用いて説明する。図5は、本実施形態に係るデジタルテレビジョン1による字幕の変換手順を示すフローチャートである。
【0056】
まず、字幕変換コントロール部2は、視聴者により操作部が操作され、字幕変換開始要求が行われた場合に当該字幕変換開始要求を受け付ける(ステップS1)。
【0057】
字幕変換コントロール部2により字幕変換開始要求が受け付けられると、字幕変換コントロール部2の字幕抽出部21は、映像データの現在のフレームに該当する部分から字幕情報100を抽出する(ステップS2)。
【0058】
次に、字幕抽出部21は、字幕抽出部21による字幕情報の抽出の有無について判断する(ステップS3)。
【0059】
ステップS3において字幕抽出部21が字幕を抽出した場合(ステップS3:Yes)、字幕抽出部21は、字幕情報保持部22に当該字幕情報を登録するとともに、当該字幕が新規字幕であるか否かについて判断する(ステップS4)。
【0060】
抽出された字幕が新規字幕である場合(ステップS4:Yes)、字幕抽出部21は、当該字幕の表示位置103がその前に検出されすでに表示されている既存字幕の表示位置103と重なるか否かについて判断する(ステップS5)。
【0061】
ステップS5において字幕抽出部21が字幕の表示位置の重なりを検出した場合、位置変更部26は、字幕の表示位置103’を前に検出された字幕の表示位置103と重ならない位置に変更し(ステップS6)、字幕情報保持部22に表示位置103’を登録するとともに、ステップS7に進む。一方、ステップS5において字幕抽出部21が字幕の表示位置の重なりを検出しなかった場合、位置変更部26は、変換前の字幕の表示位置103を変換後の字幕の表示位置103’とし、字幕情報保持部22に表示位置103’を登録するとともに、ステップS7に進む。
【0062】
次に、文字情報変更部24は、字幕の変換処理を行う(ステップS7)。
【0063】
次に、字幕消去部23は、変換前の字幕を映像から消去する処理を行う(ステップS8)。
【0064】
次に、表示部27は、変換後の字幕を位置変更部26により決定された表示位置103’に表示する。また、表示部27は、時間変更部25により決定された表示時間(フレーム数)102’に従い変換後の字幕の表示を行う(ステップS9)。
【0065】
次に、表示部27は、字幕の変換要求が終了したか否かを判断する(ステップS10)。字幕の変換要求が終了している場合(ステップS10:Yes)、表示部27は、字幕の表示を終了する。一方、字幕の変換要求が終了していない場合(ステップS10:No)、ステップS2に戻る。
【0066】
また、ステップS3において字幕抽出部21が字幕の情報を抽出しなかった場合(ステップS3:No)、上述したステップS7に進む。
【0067】
また、ステップS4において字幕抽出部21により抽出された字幕が新規の字幕ではなく既存字幕であると判断された場合(ステップS4:No)、表示部27は、当該既存字幕の表示時間が終了したか否かについて判断する(ステップS11)。既存字幕の表示時間が終了していない場合(ステップS11:No)、ステップS8に進む。
【0068】
一方、既存字幕の表示時間が終了した場合(ステップS11:Yes)、時間変更部25は、既存字幕について表示時間の延長の要否を判断する(ステップS12)。
【0069】
既存字幕の表示時間が延長される場合(ステップS12:Yes)、ステップS9に進む。一方、既存字幕の表示時間が延長されない場合(ステップS12:No)、ステップS10に進む。
【0070】
上述した本実施形態に係るデジタルテレビジョン1によると、必要に応じて字幕の表示時間を変えることができるため、当初の字幕の表示時間では字幕情報を読むことが難しい視聴者でも、字幕を容易に読むことができる。
【0071】
また、本実施形態に係るデジタルテレビジョン1によると、必要に応じて字幕の内容が変換されるため、字幕の内容を読解し辛い視聴者でも、字幕の内容を理解することができる。
【0072】
また、本実施形態に係るデジタルテレビジョン1によると、先に表示される字幕の表示時間が延長され、後に表示される字幕の表示時間と重複する場合でも、後に表示される字幕は先に表示される字幕の表示位置と異なる位置に表示される。そのため、本実施形態に係るデジタルテレビジョン1によると、字幕の表示時間の変更を容易に行うことができるとともに、視聴者はそれぞれの字幕を容易に読むことができる。
【0073】
なお、上述した実施形態に係るデジタルテレビジョン1においては、先の字幕の表示中に後の字幕を表示する場合、同じフォント(文字の種類、色、大きさ等)を用いて表示されていた。しかし、本発明においてはこれに限らず、例えば文字情報変更部24は、後の字幕が表示されたときに先の字幕と色を変えたり、文字の濃さや大きさを変えたりしてもよい。具体的には、例えば、後の字幕が表示されたときには、先の字幕の文字を薄く表示したり、小さく表示したりしてもよい。
【0074】
また、上述した実施形態においては、映像視聴装置としてデジタルテレビジョンを例に挙げて説明したが、本発明においてはこれに限らず、例えばDVDプレイヤーやブルーレイディスクプレイヤー、PC等の映像視聴装置に本発明を適用してもよい。DVDプレイヤーに本発明を適用する場合は、例えば英語の教材DVDについて、視聴者の英語の習得度が低い場合には、本発明に係る映像視聴装置を用いることで、字幕を延長表示することができ、字幕の内容を容易に把握することができるようになる。
【0075】
また、上述した実施形態においては、時間変更部25は字幕の表示時間の延長のみを行っていたが、本発明においてはこれに限らず、表示時間の短縮をしてもよい。字幕の表示時間が短縮されることで、字幕に目が行きにくくなるため、画像をより見やすくすることができる。
【0076】
また、上述した実施形態においては、文字情報として日本語の場合を例に説明したが、本発明においてはこれに限られない。すなわち、本発明に係る映像視聴装置は、英語などの他国語の文字情報が用いられる場合でも好適に用いることができる。
【0077】
なお、本実施形態の録画装置で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供されるが、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0078】
さらに、本実施形態のデジタルテレビジョンで実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のデジタルテレビジョンで実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0079】
本実施形態のデジタルテレビジョンで実行されるプログラムは、上述した各部(字幕抽出部21、字幕情報保持部22、字幕消去部23、文字情報変更部24、時間変更部25、位置変更部26、表示部27、シーンチェンジ抽出部28など)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、字幕抽出部21、字幕情報保持部22、字幕消去部23、文字情報変更部24、時間変更部25、位置変更部26、表示部27、シーンチェンジ抽出部28などが主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0080】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0081】
1…デジタルテレビジョン、2…字幕変換コントロール部、3…システム制御部、4…映像データ一時保持部、5…デジタル復調部、6…受信部、7…操作部、8…MPEG処理部、9…光ディスクドライブ、10…ハードディスクドライブ、11…映像データ出力部、12…ディスプレイ/スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像のデータと、前記画像とともに表示される字幕の文字情報、字幕の表示時間および字幕の表示位置の各データを含む字幕のデータとを含む映像データを受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した前記映像データから前記字幕データを抽出する字幕抽出手段と、
前記字幕抽出手段により抽出された前記字幕の表示時間を変更する時間変更手段と、
前記字幕の文字情報、前記字幕の表示位置および前記時間変更手段により変更された前記字幕の表示時間に基づき前記字幕を前記画像に重畳した映像を出力する映像出力手段と、
を備える映像視聴装置。
【請求項2】
先に表示される字幕の表示位置と後に表示される字幕の表示位置とが重複する場合、前記字幕抽出手段が抽出する前記後の字幕の表示位置を前記先に表示される字幕と異なる位置に変更する位置変更手段を備える請求項1記載の映像視聴装置。
【請求項3】
前記字幕抽出手段により抽出された前記字幕の文字情報を所定の基準に応じて変更する文字情報変更手段を備える請求項1または2記載の映像視聴装置。
【請求項4】
前記時間変更手段は、前記字幕の内容に応じて前記表示時間を変更する請求項1乃至3の何れかに記載の映像視聴装置。
【請求項5】
前記時間変更手段は、前記字幕に含まれる漢字の数に応じて前記表示時間を変更する請求項4記載の映像視聴装置。
【請求項6】
前記時間変更手段は、前記字幕に含まれる文字数に応じて前記表示時間を変更する請求項4記載の映像視聴装置。
【請求項7】
前記時間変更手段は、前記字幕の表示時間を所定の割合で変更する請求項1乃至3の何れかに記載の映像視聴装置。
【請求項8】
視聴者の年齢を選択する年齢選択手段を備え、
前記時間変更手段は、前記年齢選択手段による選択に応じて前記字幕の表示時間を変更する請求項1乃至3の何れかに記載の映像視聴装置。
【請求項9】
視聴者の年齢を選択する年齢選択手段を備え、
前記文字情報変更手段は、前記年齢選択手段により選択された視聴者の年齢に応じて前記字幕の文字情報を変更する請求項3記載の映像視聴装置。
【請求項10】
視聴者の国籍を設定する国籍選択手段を備え、
前記時間変更手段は、前記国籍選択手段による選択に応じて前記字幕の表示時間を変更する請求項1乃至3の何れかに記載の映像視聴装置。
【請求項11】
視聴者の国籍を設定する国籍選択手段を備え、
前記文字情報変更手段は、前記国籍選択手段により選択された視聴者の国籍に応じて前記字幕の文字情報を変更する請求項3記載の映像視聴装置。
【請求項12】
前記位置変更手段は、前記映像に含まれるオブジェクトとの重なりが最小となる位置を前記次の字幕の表示位置とする請求項2乃至11の何れかに記載の映像視聴装置。
【請求項13】
前記文字情報変更手段は、前記字幕に含まれる漢字をひらがなに変換する請求項3乃至12の何れかに記載の映像視聴装置。
【請求項14】
前記時間変更手段は、前記文字情報変更手段により文字情報が変更された前記字幕の当該文字情報に応じて字幕の表示時間を変更する請求項3乃至13の何れかに記載の映像視聴装置。
【請求項15】
前記時間変更手段は、前記文字情報変更手段により文字情報が変更された前記字幕の文字数の変化に応じて前記文字情報が変更された字幕の表示時間を変更する請求項14記載の映像視聴装置。
【請求項16】
前記映像出力手段が出力した映像を表示する表示手段を更に備える請求項1記載の映像視聴装置。
【請求項17】
映像視聴装置で実行される映像視聴方法であって、
前記映像視聴装置は、受信手段と、字幕抽出手段と、時間変更手段と、映像出力手段と、を備え、
前記受信手段が、画像のデータと、前記画像に重畳して表示される字幕の文字情報、字幕の表示時間および字幕の表示位置の各データを含む字幕のデータとを含む映像データを受信する受信工程と、
前記字幕抽出手段が、前記受信工程において受信した前記映像データから前記字幕データを抽出する字幕抽出工程と、
前記時間変更手段が、前記字幕抽出工程において抽出された前記字幕の表示時間を変更する時間変更工程と、
前記表示手段が、前記字幕の文字情報、前記字幕の表示位置および前記時間変更工程において変更された前記字幕の表示時間に基づき前記字幕を前記画像に重畳した映像を出力する映像出力工程と、
を含むことを特徴とする映像視聴方法。
【請求項18】
画像のデータと、前記画像に重畳して表示される字幕の文字情報、字幕の表示時間および字幕の表示位置の各データを含む字幕のデータとを含む映像データを受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した前記映像データから前記字幕データを抽出する字幕抽出手段と、
前記字幕抽出手段により抽出された前記字幕の表示時間を変更する時間変更手段と、
前記字幕の文字情報、前記字幕の表示位置および前記時間変更手段により変更された前記字幕の表示時間に基づき前記字幕を前記画像に重畳した映像を出力する映像出力手段と、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−115747(P2013−115747A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−262640(P2011−262640)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】