説明

映像記録再生装置

【課題】数多くの記録済み記録媒体(テープ)を一括管理し、所望の記録媒体および番組を容易に検索する映像記録再生装置を提供する。
【解決手段】映像信号と情報信号とを記録媒体に記録再生できる映像記録再生装置において、情報信号を記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶された情報信号を表示手段に表示する表示信号出力手段と、ユーザーの指示に応じて、上記記憶手段に記憶された情報信号を検索して上記表示信号出力手段を制御する表示制御手段とを備える。表示制御手段は、複数の記録媒体について、ユーザーの指示した分類項目に従い並び替える制御を行う。また前記表示制御手段は、複数の記録媒体および複数の記録番組について、指示した検索内容に従い検索して表示させる制御を行う。さらに前記表示制御手段は、記録番組の情報信号にコピー禁止を表す信号が含まれるかどうかを識別し、含まれる場合には、その旨のシンボル符号を画面表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像信号に重畳した文字信号や制御信号を応用し、記録媒体や番組の検索等を容易にする映像記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
VTRなどの映像記録再生装置において、記録媒体(磁気テープ)の記録内容を画面上に表示し、所望の番組を頭出し再生する機能を有する装置が既に製品化されている。その際、番組検索精度が高く、またユーザの使い勝手を考慮した構成として、例えば特開平8−32922号公報や特開平11−039847号公報に開示された技術が知られる。前者は、装着されたテープを識別し、それに記録された各番組の記録日時、チャンネル等を画面上に一覧表示し、ユーザーは番組を選択すると自動的に頭出し再生することができる。後者は、アナログ映像信号のみならず、ディジタル映像信号にも対応して録画番組を一括管理する技術に関するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−32922号公報
【特許文献2】特開平11−039847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記した従来技術は、装着されたテープに対してそのテープに記録されている番組情報を表示する機能を有するものである。よってテープ数が少ない場合は不自由しないが、記録したテープ数が増加し、またこれに伴い番組数の増加すると、過去に記録した番組を手早く探し出すのは容易でない。
【0005】
本発明の目的は、このような数多くの記録済み記録媒体(テープ)を一括管理し、所望の記録媒体および番組を容易に検索する映像記録再生装置を提供することにある。本発明の他の目的は、検索した番組を他の記録媒体にダビングする際、コピーガードの付された番組を誤ってダビングすることを防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記の目的を達成するために、次のような構成を採用した。
【0007】
映像信号と情報信号とを記録媒体に記録再生できる映像記録再生装置において、
記録媒体の所定の記録領域に映像信号と情報信号をそれぞれ記録する記録手段と、
記録媒体から映像信号と情報信号を再生する再生手段と、
上記記録または再生する際に、上記情報信号を記憶する記憶手段と、
該記憶手段に記憶された情報信号を表示手段に表示する表示信号出力手段と、
ユーザーの指示に応じて、上記記憶手段に記憶された情報信号を検索して上記表示信号出力手段を制御する表示制御手段と、を備える構成とした。
【0008】
また前記表示制御手段は、複数の記録媒体について、ユーザーの指示した分類項目に従い並び替える制御を行うようにした。
【0009】
また前記表示制御手段は、複数の記録媒体および複数の記録番組について、ユーザーの指示した検索内容に従い検索して表示させる制御を行うようにした。
【0010】
さらに前記表示制御手段は、記録番組の情報信号にコピー禁止を表す信号が含まれるかどうかを識別し、含まれる場合には、その旨のシンボル符号を画面表示させるようにした。
【発明の効果】
【0011】
以上述べたように本発明によれば、複数の記録済み記録媒体を有する場合、並び替え機能により、所望の記録媒体を即座に検索することができる。例えば「残量」並び替えによれば、引き続き録画する際の記録媒体の選択が容易になる。また所望のタイトルの番組の記録された記録媒体のNo、録画日等が一覧表示される。この機能により例えば連続ドラマ等の検索および再生が容易になる。さらに本発明によれば、コピー禁止番組を自動的に識別することができるので、ユーザーが誤ってコピーガードされた番組をダビングすることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明による映像記録再生装置の一実施例を示す全体構成図。
【図2】図1の装置における基本制御動作を示すフローチャート図。
【図3】本発明によるテープデータ並び替え機能の画面表示例。
【図4】本発明による番組タイトル検索機能の画面表示例。
【図5】本発明によるコピーガード機能を説明するフローチャート。
【図6】コピーガード機能を画面表示した例。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態であるカセットテープ式映像記録再生装置(VTR)の全体構成を示すブロック図である。図1において、1は映像信号入力切換制御回路、2は日付・時刻信号発生回路、3は絶対番地信号発生回路、5はTVチューナー、6,11,12は映像信号切り換え回路、7は情報信号記録処理回路、8は情報信号多重処理回路、9は映像信号記録・再生処理回路、10は文字信号加算回路、13は文字信号発生回路、14は映像信号有無検出回路、15はブルーバック発生回路、16は情報信号再生処理回路、18はメモリ、19はコントロール信号記録処理回路、20はコントロール信号再生処理回路、21はコントロール信号切換え回路、22はシステムコントロール回路、24は操作部、25は表示部、26はリール回転数検出回路、27はテープ挿入検出回路、28はコントロールヘッド、29,30は映像ヘッド、31は磁気テープ、32は巻き取りリール、33は供給リール、34は誤消去防止モード検出回路、35はTV放送信号入力端子、36は映像信号入力端子、37は映像信号出力端子である。
【0015】
操作部24は、例えば、リモコン装置で構成し、電源のオン/オフを指示する電源ボタン、カセットテープの録画状況を表示して録画/再生選択を支援するナビゲーション機能を指示するテープナビボタン、録画内容の一覧表示を指示する一覧表示ボタン、目的の録画番組を選択指示する番組選択ボタン、録画を指示する録画再生ボタン、再生を指示する再生ボタン、録画または再生の停止を指示する停止ボタン、決定ボタン(何れも図示省略)を備える。これらの各スイッチボタンは、必要に応じて、独立して専用に設け、または他のスイッチボタンと兼用するように設ける。
【0016】
図2は、この映像記録再生装置における基本制御動作(主としてシステムコントロール回路22が実行する制御処理)を示すフローチャートである。
【0017】
使用者により操作部24の電源ボタンが操作されて電源の投入が指示されると、システムコントロール回路22は、この磁気録画再生装置の電源投入を行う(ステップS1)。そして、先ず、セットされているカセットテープ(テープカセット31)の有無を確認し(ステップS2)、次にカセットテープ31の挿入監視を行う(ステップS3)。カセットテープ31の挿入は、テープ挿入検出回路27により検出する。システムコントロール回路22は、テープ挿入検出回路27がカセットテープ31の挿入を検出すると、予備再生(ステップS4)を行い装置番号識別(ステップS5)、テープ識別番号検出(ステップS6)及び番組情報検出(ステップS7)を行う。
【0018】
ここで、予備再生・録画情報取得処理ステップS4について説明する。予備再生を開始して磁気ヘッド29,30により再生した信号は、映像信号記録・再生処理回路9によって再生処理し、情報信号再生処理回路16によって録画情報信号を抽出してシステムコントロール回路22へ出力する。ここでの録画情報とは、再生しているカセットテープ31に対して録画を行った装置固有の識別番号とカセットテープ固有の識別番号と再生しているカセットテープ(磁気テープ)の絶対番地情報である。システムコントロール回路22は、情報信号再生処理回路16から入力される録画情報信号を取得して保持する。このときシステムコントロール回路22は、映像信号切換え回路11を制御して、TVチューナー5からの映像信号を文字信号加算回路10を介して映像信号出力端子37に出力するようにする。従って、予備再生処理において再生される映像信号は、映像信号出力端子37には出力しない。この予備再生は、カセットテープ31に記録されている録画情報を読み取って取得することを目的としているので、再生される映像信号を表示する必要はなく、再生映像信号の不要な表示を避けるようにしている。システムコントロール回路22は、この予備再生処理を所定時間実行した後にカセットテープ31の走行を自動的に停止して該予備再生を終了する。
【0019】
システムコントロール回路22は、予備再生において取得して保持した録画情報の有無を確認する(ステップS7)。録画情報を保持しているときには、その絶対番地を絶対番地信号発生回路3に設定すると共にメモリ18に記憶している録画情報を検索し(ステップS9)、カセットテープ31から再生した装置固有の識別番号およびテープカセット固有の識別番号とメモリ18に記憶している録画情報に一致するものがあるかどうかを確認する(ステップS10)。この映像記録再生装置は、ナビゲーション機能を使用した録画においては、録画を実行する毎に録画したカセットテープ固有の識別番号と録画番組ナンバーと録画日、曜日と録画チャンネルと録画開始/終了時刻と録画モード等を録画情報としてメモリ18に記憶して保持し、また、装置固有の識別番号を保持している。
【0020】
装置に挿入されているカセットテープ31に関し、録画を行った装置固有の識別番号とカセットテープ固有の識別番号が、メモリ18に記憶されたそれと一致しないとき(ステップS10において「N」)、予備再生において録画情報が抽出されず(ステップS7において「N」)、そして、映像信号有無検出回路14が映像信号の再生を検出していない(ステップS10において「N」)ときには、カセットテープ31をカセット挿入時のテープ位置まで巻き戻して予備再生を再開し、再度、録画情報の取得を試みる(ステップ11)。
【0021】
そして、再度録画情報取得の有無を確認し(ステップS12)、メモリ18に記憶している録画情報を検索し(ステップS13)、両録画情報を照合し(ステップS14)、一致するものがないときにはカセットテープ31を該カセット挿入時の位置まで巻き戻し(ステップS16)、カセットテープ固有の識別番号(テープナンバー)として未だ使っていない最も小さい数字を割り当る(ステップS17)。
【0022】
次にナビゲーション機能によるカセットテープ31の録画状態の表示について説明する。予備再生により取得した録画情報とメモリ18に記憶している録画情報の照合において、装置固有の識別番号とテープ識別番号と番組録画情報がそれぞれ一致した(ステップS10,S14において「Y」)ときには、操作部24からのナビゲーション機能における一覧表示の指示の有無を確認し(ステップS18)、一覧表示が指示されているときには、メモリ18から録画情報を読み出して録画状態を一覧表示する(ステップS19)。この一覧表示は、ブルーバック発生回路15、あるいはTVチューナー5または映像信号入力端子36からの映像信号に、文字信号発生回路13で生成した文字および絵符号をスーパーインポーズすることによりテレビジョンモニタ画面に表示させ、または表示部25によって行う。
【0023】
次に、頭出し制御について説明する。操作部24により目的の録画番組が選択され、頭出しが指示されると(ステップS20)、システムコントロール回路22は、頭出し制御処理ステップS21を行う。この制御処理ステップS21では、先ず、録画開始/終了単位データをメモリ18から読み出して目標の絶対番地を設定する。そして、メモリ18から読み出した目標の絶対番地とカセットテープ31を録画開始/終了単位に向けて移動する。カセットテープ31の現在の絶対番地との差によりテープ移動時間を算出し、カセットテープ移動中に、算出した移動時間とCTL信号の計数により算出した移動時間を比較し、両者が一致したならばカセットテープ31の現在の絶対番地を読み込み、その絶対番地と目標の絶対番地を比較し、一致していればカセットテープ31の移動を停止して頭出しを終了する。
【0024】
以上の基本制御機能に加えて、本発明では以下の新規な機能を有する。次に述べる機能は、システムコントロール22と、メモリ18と、操作部24と、表示部25を主に用いて実現できる。
【0025】
図3は、本発明による、テープデータ並び替え機能の画面表示例を示すものである。図3(a)は装置メモリ18に記憶されているテープを画面100に一覧表示したもので、この場合は「テープNo」の項目101の順に、登録されている7本のテープ内容が表示されている。これに対し、ユーザーが最終録画日順の表示を希望する場合は、画面上段の「最終録画日」の項目102をカーソル選択すると、図3(b)のように録画日の新しい順に並び替えができる。また、ユーザーが残量順の表示を希望する場合は、画面上段の「残量」の項目104を選択すると、図3(c)のようにテープ残量時間の多い順に並び替えができる。テープ数が多く、1頁に表示できない場合は、画面下段の機能釦106で頁切り替えができる。このような並び替え機能により、所望のテープを即座に検索することができる。例えば引き続き録画する際には、「残量」並び替えを利用すれば、テープ選択が容易になる。
【0026】
次に図4は、本発明による番組タイトル検索機能の画面表示例を示すものである。ここで番組タイトルとは、記録した番組に対して、ユーザーがタイトルを設定するか、または放送信号に含まれる番組名をそのまま設定したものである。番組タイトル検索機能は、目的のタイトルに当てはまる番組一覧を表示するものである。図4(a)の番組検索画面110にて「タイトル入力」の項目111を選択する。続いて図4(b)のタイトル入力検索画面に切り替わり、タイトルを入力する。この操作はタイトル登録時と同様であり、漢字を含む文字または記号などを入力する。図4(c)は検索中であることを表示している。図4(d)は検索結果の例で、目的のタイトルの番組115とそれが記録されたテープNo、録画日等が一覧表示される。この機能によれば、例えば分散して記録した連続ドラマ等の検索および再生が容易になる。
【0027】
番組検索機能としては、これ以外にジャンル検索、録画日検索の機能を有する。ジャンル検索112とは、録画した番組を「映画」「音楽」「スポーツ」などのジャンルに分類し、このジャンル別に検索するものである。また録画日検索113,114は、録画日を「月」「日」「曜日」をもとに検索するものである。このように、用途により検索項目を適宜選択できる。
【0028】
図5は、本発明による映像記録再生装置のコピーガード機能を示すフローチャートである。現在放送されている番組の中には、コピー(ダビング)禁止の番組が含まれており、これを確実に実行するための構成である。放送信号に重畳されたコピー情報を再取得して(S37)、コピー情報に変化の有無を判別し(S40)、コピー禁止と判断した場合には録画を終了させるものである。この機能により、ユーザーが誤ってコピーすることを防止できる。特に、単一番組として録画したものが、録画開始あるいは終了時刻の変更などで、予定外のコピー禁止番組を含んでしまったような場合、これを自動的に識別してコピーを禁止させることができる。
【0029】
さらに図6は、コピーガード機能を番組一覧画面120に表示した例である。すなわち、シンボルマーク(アイコン)121で表示すると共に、メッセージ122で警告を発し、ユーザーが、誤ってコピーガードされた番組をダビングすることを防止するものである。
【0030】
以上の説明は、映像記録再生装置として、磁気記録再生装置(VTR)を対象としたが、本発明はこれに限定されず、磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどを記録媒体とする記録再生装置にも適用できる。
【符号の説明】
【0031】
5…TVチューナ
7…情報信号記録処理回路
8…情報信号多重処理回路
9…映像信号記録・再生処理回路
18…メモリ
22…システムコントロール
24…操作部
25…表示部
31…磁気テープ
100…テープ一覧表示画面
110…番組検索画面
120…コピーガード表示画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像信号と情報信号とを記録媒体に記録再生できる映像記録再生装置において、
記録媒体の所定の記録領域に映像信号と情報信号をそれぞれ記録する記録手段と、
記録媒体から映像信号と情報信号を再生する再生手段と、
上記記録または再生する際に、上記情報信号を記憶する記憶手段と、
該記憶手段に記憶された情報信号を表示手段に表示する表示信号出力手段と、
ユーザーの指示に応じて、上記記憶手段に記憶された情報信号を検索して上記表示信号出力手段を制御する表示制御手段と、を備えたことを特徴とする映像記録再生装置。
【請求項2】
請求項1に記載の映像記録再生装置であって、
前記表示制御手段は、複数の記録媒体について、ユーザーの指示した分類項目に従い並び替える制御を行うことを特徴とする映像記録再生装置。
【請求項3】
請求項2に記載の映像記録再生装置であって、前記分類項目は、記録日時であることを特徴とする映像記録再生装置。
【請求項4】
請求項2に記載の映像記録再生装置であって、前記分類項目は、記録媒体の残量であることを特徴とする映像記録再生装置。
【請求項5】
請求項1に記載の映像記録再生装置であって、
前記表示制御手段は、複数の記録媒体および複数の記録番組について、ユーザーの指示した検索内容に従い検索して表示させる制御を行うことを特徴とする映像記録再生装置。
【請求項6】
請求項5に記載の映像記録再生装置であって、前記検索内容は、番組タイトル名であることを特徴とする映像記録再生装置。
【請求項7】
請求項1に記載の映像記録再生装置であって、
前記表示制御手段は、記録番組の情報信号にコピー禁止を表す信号が含まれるかどうかを識別し、含まれる場合には、その旨のシンボル符号を画面表示させることを特徴とする映像記録再生装置。
【請求項8】
請求項1に記載の映像記録再生装置であって、
前記記録手段は、記録する情報信号にコピー禁止を表す信号が含まれるかどうかを識別し、含まれる場合には、記録動作を中止することを特徴とする映像記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−166575(P2010−166575A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−24995(P2010−24995)
【出願日】平成22年2月8日(2010.2.8)
【分割の表示】特願2006−252034(P2006−252034)の分割
【原出願日】平成11年6月22日(1999.6.22)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【出願人】(000233136)株式会社日立アドバンストデジタル (76)
【Fターム(参考)】