説明

映像記録装置、コピー制御方法およびプログラム

【課題】コンテンツの重複コピーを防止でき、コンテンツの履歴情報をコンテンツを削除した後でも利用可能にすることができる映像記録装置、コピー制御方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】実施形態によれば、外部機器にコピーされたコンテンツの識別情報と前記外部機器の識別情報とを関連づけるコピー履歴情報を記録する手段と、コンテンツを外部機器にコピーする場合、前記コピー履歴情報を参照し、前記コンテンツの前記外部機器に対するコピー履歴があれば、前記コンテンツの前記外部機器に対するコピー履歴がある旨の通知を行う手段と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツを記録する映像記録装置に係り、特にコンテンツを外部機器にコピーした履歴を管理することが可能な映像記録装置、コピー制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、デジタル放送等のコンテンツを録画するハードディスクレコーダ等においては、録画したコンテンツは著作権保護されているため、録画したコンテンツを外部機器へコピー(ダイビング)する場合には、コピー回数の制限がある。また、コピーされたコンテンツのコピー履歴を管理する技術が用いられている。例えば、特許文献1参照に示すように、管理センタにコピー情報を送信し一括管理する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−16788号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、コンテンツの重複コピーを防止する技術は含まれていない。さらに、コンテンツの履歴情報をコンテンツを削除した後でも利用可能にする方法は含まれていない。
【0005】
そこで、本発明は、コンテンツの重複コピーを防止でき、コンテンツの履歴情報をコンテンツを削除した後でも利用可能にすることができる映像記録装置、コピー制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、映像記録装置は、外部機器にコピーされたコンテンツの識別情報と前記外部機器の識別情報とを関連づけるコピー履歴情報を記録する手段と、コンテンツを外部機器にコピーする場合、前記コピー履歴情報を参照し、前記コンテンツの前記外部機器に対するコピー履歴があれば、前記コンテンツの前記外部機器に対するコピー履歴がある旨の通知を行う手段と、を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施形態に係る映像記録装置を示す斜視図。
【図2】本発明の一実施形態に係る映像記録装置の構成を示すブロック図。
【図3】本発明の一実施形態に係る映像記録装置の主要な構成を示すブロック図。
【図4】本発明の一実施形態に係る映像記録装置を適用したコピー制御方法を示すフローチャート。
【図5】本発明の一実施形態に係る映像記録装置を適用したコピー制御方法を示すフローチャート。
【図6】本発明の一実施形態に係る映像記録装置を適用したコピー制御方法を示すフローチャート。
【図7】本発明の一実施形態に係る映像記録装置のコンテンツ一覧を示す概念図。
【図8】本発明の一実施形態に係る映像記録装置のコンテンツのコピー履歴を示す概念図。
【図9】本発明の一実施形態に係る映像記録装置のコンテンツのコピー先一覧を示す概念図。
【図10】本発明の別の実施形態に係るテレビジョンを示す斜視図。
【図11】本発明の別の実施形態に係るコンピュータを示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0009】
まず、図1および図2を参照して、本発明の一実施形態に係る映像記録装置の構成について説明する。この映像記録装置は、例えば、ハードディスクレコーダ1として実現されている。
【0010】
図1はハードディスクレコーダ1の斜視図である。本ハードディスクレコーダ1は、ハードディスク(HDD)106b(図2参照)を内蔵している。また、必要に応じて、DVDドライブやHD DVD(High Definition DVD)ドライブ等の光学ドライブ116aを内蔵している。このハードディスクレコーダ1は、例えば、TV放送番組等の映像および音声信号(コンテンツ)をデジタル記録および再生することが可能な録画再生装置である。
【0011】
ハードディスクレコーダ1は、図2に示すように、図示しないリモコンユニットから赤外線信号などによって送信されるリモコンコードに応じて、コンテンツの記録および再生動作を制御するように構成されている。
【0012】
さらに、ハードディスクレコーダ1は、ローカルエリアネットワーク(LAN)に接続するためのネットワーク機能を有しており、LANまたはインターネット等のネットワークを通じて情報処理端末等から例えばケーブルTVに対応する放送波を受信することができる。
【0013】
ハードディスクレコーダ1は、図示のように、地上波アナログチューナ101、地上波デジタルチューナ102、BS/CS(Broadcasting Satellite/Communication Satellite)チューナ103、AV入力部104、エンコーダ部105、ディスクドライブ部106、MPU(Micro Processing Unit)107、デコーダ部108、AV出力部109、表示部110、タイマーマイコン部111、ユーザ操作入力部112、メモリ113、リモコンインターフェース(I/F)114、および通信制御部115を備えている。
【0014】
地上波アナログ放送波チューナ101は、地上波アナログ放送番組データの受信とチャンネル選択のための選局処理とを行うデバイスであり、外部のTVアンテナに接続されている。地上波デジタル放送波チューナ102は、地上波デジタル放送番組データの受信とチャンネル選択のための選局処理とを行う放送受信部であり、デジタル放送対応のアンテナに接続されている。BS/CSチューナ103は、BSおよびCSに対応する放送番組データの受信とチャンネル選択のための選局処理とを行う放送受信部であり、BS/CS対応のアンテナに接続されている。
【0015】
AV入力部104は、入力端子5を介して動画像データを入力する。AV入力部104によって外部機器から入力された動画像データはエンコード部105に送られる。
【0016】
エンコーダ部105は、MPU105の制御の下、AV入力部101またはTVチューナ102から入力されるコンテンツをデジタル圧縮符号化するためのエンコード処理を実行する。このエンコード処理により、コンテンツは、例えばMPEG2またはDVDビデオフォーマット等に対応した、圧縮符号化されたデジタルデータ列に変換される。
【0017】
ディスクドライブ部106は、MPU107の制御の下、圧縮符号化されたデジタルデータ列に変換されたコンテンツを記録する処理、および記録されたコンテンツを読み出す処理を実行するディスク記憶装置である。このディスクドライブ部106は、ディスクドライブ116a、および一時記憶装置106bを備えている。
【0018】
ディスクドライブ116aは、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)や、DVDドライブなどから構成される。DVDドライブは、DVD−RAM/DVD−R等の記録型メディアに対するリード/ライト処理を実行する。ディスクドライブ116aとしてDVDドライブを利用した場合には、DVD−RAM/DVD−R等のディスクメディア201は取り外し自在にディスクドライブ116aに装着される。また、DVDドライブは、DVD−ROMメディアからのデータのリード処理も実行することができる。
【0019】
なお、ハードディスクドライブと、DVDドライブの双方をディスクドライブ部106内にディスクドライブ116aとして設けてもよい。この場合には、圧縮符号化されたデジタルデータ列に変換されたコンテンツは、まず、ハードディスクドライブに記録される。ハードディスクドライブに記録されたコンテンツは、必要に応じて、DVD−RAM/DVD−R等のディスクメディア201に記録される(ダビング)。
【0020】
一時記憶装置106bは、ディスクドライブ部104への書き込みデータまたはディスクドライブ部104からの読み出しデータを一時的に記録するためのバッファメモリである。エンコーダ部105によって得られる圧縮符号化されたコンテンツは、一時記憶装置106bを介してディスクドライブ116aに入力される。また、ディスクドライブ116aから読み出される圧縮符号化されたコンテンツは一時記憶装置106bを介してデコーダ部108に送られる。
【0021】
デコーダ部108は、MPU107の制御の下、圧縮符号化されたコンテンツを復号するためのデコード処理を実行するデバイスである。このデコード処理によって復号されたコンテンツは、AV出力部109によって出力端子6を介して外部機器などに出力される。
【0022】
また、AV出力部109は、接続された外部機器に録画されたコンテンツをコピー(ダビング)およびムーブ(移動)する際に使用するインターフェースである。なお、外部機器は、HDDレコーダ、携帯情報端末、カーナビゲーション、携帯音楽プレーヤ等である。なお、外部機器は本提案におけるコピー先となる機器であり、ハードディスクや不揮発性メモリを内蔵した携帯メディアプレイヤーなどが考えられるが、HD DVD-R/RWやSDメモリカードなどのリムーバブルメディアであっても構わない。
【0023】
MPU107は、ハードディスクレコーダ1の各コンポーネントの動作を制御するために設けられたメインCPUである。このMPU107は、地上波アナログチューナ101から受信される放送波に重畳される電子番組表データ11、地上波デジタルチューナ102から受信される放送波に重畳される電子番組表データ12およびBS/CSチューナ103から受信される放送波に重畳される電子番組表データ13などを合成して、全番組表データ20を作成するプログラムを実行する。これらの電子番組表データは、例えばEPG(Electric Program Guide)のような電子番組表である。
【0024】
また、このMPU107は、例えばTV受像機などで表示される全番組表データ20から電子番組表に含まれる放送サービス名がユーザによって指定されることによって、指定された放送サービス名からなるカスタマイズ電子番組表データを作成する登録プログラムも実行する。
【0025】
表示部110は、ハードディスクレコーダ1本体に設けられたステータス表示用の表示装置であり、例えば、現在の視聴、再生および記録対象となっているコンテンツのコピー履歴情報、タイトル、チャネル番号、再生/記録に関する進捗状況などのステータス情報の表示に用いられる。例えば、ユーザがハードディスクレコーダ1によって録画されたコンテンツ(TV番組等)を外部機器にコピーする場合には、コンテンツや外部機器の識別情報、コピー履歴情報、タイトル等が表示される。
【0026】
タイマーマイコン部111は、計時用のタイマーを内蔵したマイクロコンピュータであり、ユーザ操作入力部112およびリモコンユニットそれぞれから送信される信号を処理するためのサブCPUとして機能する。このタイマーマイコン部111は、録画予約されたTV番組毎にそのチャネル番号、タイトル、録画開始時間、録画終了時間等を管理する機能も有する。タイマーマイコン部111に内蔵されたタイマーは現在日時を計時する時計モジュールとして機能する。録画予約されたそれぞれのTV番組の録画開始時間または録画終了時間が到来した時、タイマーマイコン部111はリモコンコード処理機能を有している。このリモコンコード処理機能は、リモコンインターフェース114を介してリモコンユンット301から受信したリモコンコードによって要求された動作をMPU107と共同して実行する機能である。
【0027】
本ハードディスクレコーダ1においては、各リモコンコード毎にそれに対応して実行すべき動作が規定されている。ユーザは、リモコンユニットを操作することにより、例えば、コンテンツの記録/再生、録画予約、録画予約一覧の表示、記録されたコンテンツのタイトル一覧の表示、などの動作の実行を、ハードディスクレコーダ1に指示することができる。
【0028】
また、ユーザは、リモコンユニットのキーを操作することにより、そのキーに対応する電子番組表を表示部108に出力するように、ハードディスクレコーダ1に指示することもできる。
【0029】
次に、図3は、ハードディスクレコーダ1の主要な構成を示した構成図である。ハードディスクレコーダ1は、コンテンツソース入力部120、記憶媒体a(コンテンツ記憶領域)121、記憶媒体b(コンテンツ一覧情報記憶領域)122、記憶媒体c(コンテンツコピー先一覧情報記憶領域)123、記憶媒体d(コンテンツコピー履歴情報記憶領域)124、暗号化・復号化部125、著作権管理部126、コピー出力インターフェース127、ユーザインターフェース部128を備えている。
【0030】
また、ハードディスクレコーダ1に接続される外部機器400は、コピー出力インターフェース401を備えている。
【0031】
コンテンツソース入力部120は、上述した放送波のデジタルチューナ102、103やAV入力部104等である。コンテンツソース入力部120は、コンテンツの入力口であり、コンテンツは主として著作権等によってコピー制限を受けたものを想定する。例えばTVのチューナのような機能を有し、コンテンツ取り込んで、必要ならば再生可能なフォーマットのデータに変換する。このときコンテンツに関する著作権情報も取得する。放送波がスクランブルされているような場合には、ここでデスクランブルの処理も行うものとする。また、コンテンツソース入力部はTVチューナに限らず、例えばインターネット等からのコンテンツのダウンロードであっても良いし、ディスクメディアからの読み込みインターフェースであっても良い。
【0032】
記憶媒体a(コンテンツ記憶領域)121は、録画されたコンテンツを記憶する。記憶媒体b(コンテンツ一覧情報記憶領域)122は、録画されたコンテンツの一覧(後述:図7参照)を記憶する。記憶媒体c(コンテンツコピー先一覧情報記憶領域)123は、コンテンツのコピー先一覧(後述:図9参照)を記憶する。記憶媒体d(コンテンツコピー履歴情報記憶領域)124は、コンテンツのコピー履歴(後述:図8参照)を記憶する。これら記録媒体a〜dはハードディスクドライブのような大容量の記録媒体でも良いし、不揮発性のメモリなどでもよく、種類は問わない。また、便宜上4つの記録媒体に分けて記載しているが、これらの幾つか、または全てについて、同一の記録媒体上にそれぞれの記録領域を確保してもよい。
【0033】
暗号化・復号化部125はハードディスクレコーダ1の記録媒体にコンテンツを保存するための暗号化処理とそれを復号化するための処理を行う。コピー出力インターフェース部127は、コピーの際にコンテンツを出力する部分であり、外部の記録媒体や映像記録装置と通信する。また、接続された外部の記録媒体や映像記録装置がコピーを許諾される機器であるかを認証する機能を有する。例えばDTCP保護機能付きのIEEE1394インターフェースなどが例として挙げられる。著作権管理部126は、記録媒体a121に格納されているコンテンツのコピーの可否の判定、コピーを行ったコンテンツのステータス情報の管理等によって、コンテンツの著作権を管理する。
【0034】
ユーザインターフェース部128は、ユーザに対し、メニュー等のGUIを表示し、またユーザからの指示を受けて、著作権管理部126に指示を渡す、ユーザの操作に対する入出力を管理する。
【0035】
以上のように構成されたハードディスクレコーダ1の動作について説明する。
【0036】
図4〜図6は、本発明の実施形態に係る映像記録装置を適用したコピー制御方法について示したフローチャートである。
【0037】
ハードディスクレコーダ1のコンテンツソース入力部120は、放送波等によりコンテンツを取得する(ステップS1:図4)。取得したコンテンツに含まれる著作権管理情報をコンテンツソース入力部120から著作権管理部126に渡す(ステップS2:図4)。なお、コンテンツソース入力部120では上述のように、著作権保護されたコンテンツを主に扱うことを想定しており、コンテンツと共に取得した著作権管理情報を著作権管理部126へと渡す。これはコンテンツが著作権保護されていない場合も同様であり、その場合はコピーフリーのコンテンツであるという情報が渡される。記録媒体b122を参照し、記録媒体b122にないコンテンツであれば、新規にコンテンツIDを発番する(ステップS3:図4)。次にコンテンツIDと共に記録するコンテンツに関する情報を取得する。これは著作権に関する情報や、記録日時、コンテンツを記録する記録媒体a121内の記憶領域のパスや、コンテンツの名前、コメントなどであり、必要であればGUI等を通してユーザが入力する形で情報を取得する。これらの情報をコンテンツIDと共にコンテンツ一覧に追加して、記録媒体b122に保存する。ハードディスクレコーダ1のMPU107は、取得したコンテンツからタイトルや日時等であるコンテンツに関する情報とコンテンツIDとを関連づけてコンテンツ一覧情報に追加し、記録媒体b122に保存(記憶)する(ステップS4:図4、図7参照)。また、暗号化・復号化部125は、コンテンツを暗号化し、コンテンツIDに関連づけて記憶媒体a121に保存する(ステップS5:図4)。この場合、暗号化したコンテンツと共にコンテンツIDを保存しても良いし、コンテンツ一覧側にコンテンツのパスを記録することで、対応付けられるようにしても良い。コンテンツを暗号化するのは記録媒体a121において、著作権を保護するためであり、コピーフリーのコンテンツであれば必ずしも暗号化を施す必要はない。
【0038】
次に、記憶媒体a121に記憶されているコンテンツを外部機器にコピーする場合について図5のフローチャートを参照して説明する。
【0039】
コンテンツをコピーする場合、ユーザがコピー先の外部機器(記録媒体等)を、コピー出力インターフェース部127に接続する。そして、記録媒体b122から情報を取得し、表示部110にGUIなどを通じてコンテンツ一覧を表示させ、コピーするコンテンツを選択する。ユーザの操作情報はユーザインターフェース部128から取り込まれて著作権管理部128に渡される。
【0040】
次にハードディスクレコーダ1の著作権管理部128は、選択されたコンテンツ(のコンテンツID)に関する情報を記録媒体b122から取得する(ステップS101)。次にコンテンツIDに対応するコピー先履歴を記録媒体d124から取得する(ステップS102)。このとき、対応するコピー先履歴が存在しない場合には、新規にコンテンツIDに対応するコピー先履歴を作成する。取得されたコンテンツ一覧、コピー先履歴(図8参照)から、該当コンテンツが許可されているコピーの回数と該当コンテンツが過去にコピーした回数を判定し、コピーの可否を判定する(ステップS103)。
【0041】
コピーできないコンテンツおよび残りのコピー回数がなくなったコンテンツ等、コピーが不可能な場合は(ステップS103のNO)、ユーザにその旨を通知し、コピーの処理を終了する(ステップS104)。一方、ステップS103で、コピーが可能な場合は(ステップS103のYES)、コピー先一覧(図9参照)を記録媒体c123から取得する(ステップS105)。コピー先一覧は、ハードディスクレコーダ1が過去にコピーを行ったコピー先の外部機器の一覧であり、コピー先である外部機器を識別するためのコピー先ID等が記録されている。ここで、コピー先一覧に最低限必要な情報は、このコピー先IDのみだが、利便性を考えれば以下のような情報を合わせて記録することが望ましい。例えば外部機器が認証等の手続きに関連して、型番やシリアル番号等の外部機器を識別する情報受け渡すことができるならその型番やシリアル番号等の情報を記録する。また、最後にアクセスした日時や、外部機器の残り記録容量、最後に記録したコンテンツの情報、記録媒体の所有者名なども有用である(図9参照)。また、外部機器に付与するラベルとして、ユーザが個々の外部機器を識別しやすい文字列をコピー先一覧の中に設定しておき、ユーザに該当外部機器を提示する際には、そのラベルを表示すれば、ユーザの利便性が図れる(図9参照)。
【0042】
コピー先一覧を取得すると、次に現在コピーしようとしているコピー先についての情報を取得する(ステップS106)。コピー先についての情報は、コピー先一覧の中から、ユーザが選択する形をとっても良いし、接続されている外部機器との認証の過程で、前述のような型番やシリアル番号等の識別情報があれば、コピー出力インターフェースを通じて情報を取得し、自動的にコピー先一覧の中から該当するコピー先を照合してユーザに提示しても良い。このとき、現在コピーしようとしているコピー先がコピー先一覧に存在しないものであれば(ステップS107のNO)、コピー先一覧にコピー先に関する情報を追加して、記録媒体c123に保存する(ステップS108)。
【0043】
次に取得したコピー先IDが該当コンテンツのコピー先履歴内に存在するかを照合し(ステップS109)、無ければ次の処理に進む。一致するコピー先IDがコピー先履歴内にあった場合は(ステップS109のYES)、ユーザに対して同一のコピー先に対して過去にコピーしたことがある旨を通知する(ステップS110)。このとき、コピー先履歴内の一致したコピー先IDに関するその他の情報、例えば過去にコピーした日時、外部機器内のパス、コピーを行ったユーザ名等を、コピー先のラベルと共に提示すれば、ユーザに過去のコピーを想起させるのに有用である。続いて、ユーザに対して今回のコピーをこのまま実行するかを確認する(ステップS111)。ユーザがコピーを希望しないなら(ステップS111のNO)処理を終了し、コピーを希望するなら(ステップS111のYES)次の処理に進む。
【0044】
次に記録媒体a121からコンテンツを読み出し、ハードディスクレコーダ1で保存用に施されていた暗号について暗号化・復号化部125によって復号化処理を行う(ステップS112)。
【0045】
次に著作権管理部128は、コピー出力インターフェース部127に対してコンテンツの取り扱いについて指示する(ステップS113)。このとき、例えばCCI(Consolidated Client Infrastructure)等のコピー管理情報等であり、コピー出力インターフェース部127の処理を決定する。コピー出力インターフェース部127は、通常何らかの著作権保護に対応したインターフェースであることが予想され、該当保護技術についての処理を施して、外部機器400に対してコンテンツを出力する(ステップS114)。
次に今回のコピーについての情報をコピー先履歴に追加を行い、記録媒体d124に保存する(ステップS115)。記録しておくべき情報は、最低限、コピー先IDが必要であるが、コピー回数が複数回許されているなら、何回目のコピーであるかに関連付けて記録することが望ましい(図7、図8,図9の点線部分の関連づけ参照)。また、利便性を考えれば以下のような情報を合わせて記録することが望ましい。例えばコピーを行った日時、可能であれば外部機器内のパス、コピーを行ったユーザ名等である。
【0046】
最後に必要があればコンテンツ一覧内の該当コンテンツの情報を更新しても良い。例えば、コピーを行った回数をコンテンツ一覧で管理する場合や、コピー可能回数が上限に達し、コンテンツ一覧内のステータス等を変更する場合である。
【0047】
以上のようにコンテンツ一覧、コピー先一覧、コピー先履歴を用いて、コンテンツのコピーを管理することで、ユーザがあるコンテンツについてのコピー先を容易に見つけることができ、かつ無駄なコピーを防止することに役立つ。
【0048】
次に、ハードディスクレコーダ1からコンテンツを削除する場合について、図6を参照して説明する。
【0049】
ハードディスクレコーダ1のMPU107は、ユーザによって削除指示がされたコンテンツのコンテンツIDに対応するコンテンツに関する情報を記憶媒体b122から取得する(ステップS201)。MPU107は、記憶媒体d124に該当するコピー先履歴は存在するかを判別する(ステップS202)。MPU107によって、記憶媒体d124に該当するコピー先履歴は存在すると判別された場合(ステップS202のYES)、コンテンツ一覧の該当コンテンツIDに削除済みを示すフラグを立てて、記録媒体b122の情報を更新する(ステップS203:図7の最上段のステータス参照)。この場合、コンテンツ一覧の該当コンテンツIDに削除済みを示すフラグを立てて、記録媒体b122からは、該当コンテンツの記載は削除されない。また、該当コンテンツのコピー先履歴の情報も記録媒体dに保存される。そして、コンテンツIDに対応するコンテンツを記録媒体a121から削除する(ステップS205)。一方、MPU107によって、記憶媒体d124に該当するコピー先履歴が存在しないと判別された場合(ステップS202のNO)、コンテンツ一覧から該当コンテンツIDに対応する情報を削除して、記録媒体b122の情報を更新する(ステップS204)。
【0050】
以上のように、ハードディスクレコーダ1からコンテンツを削除する場合、従来はコンテンツと共に該当コンテンツに対応するコンテンツ一覧およびコピー履歴も削除されるが、本発明のハードディスクレコーダ1では、コピー先履歴を参照することで、コンテンツがどの外部機器にコピーされたかを参照する機能を備えており、このような機能はコンテンツ自体がハードディスクレコーダ1から削除された後でも有用である。このためコンテンツを削除した場合もコンテンツ一覧の該当項目とコピー履歴は削除しない機能を備えている。
【0051】
また、単純にコンテンツ削除を行ったときにコンテンツ一覧の該当項目を削除しないとすると、一覧のサイズがすぐに膨大な量になる可能性がある。これはキーワード検索等で放送されているコンテンツを番組表から選択し、自動録画するようなハードディスクレコーダでは特に顕著であると考えられる。そこで本発明では、コンテンツを削除する際に、該当するコピー先履歴の有無を確認し、コピー先履歴が無い場合にはコンテンツ一覧から該当するコンテンツの項目を削除し、コピー先履歴が有る場合にはコンテンツ一覧から該当する項目を削除しないようにしている。ただし、コンテンツそのものは削除されるため、削除済みであることを示すフラグ等をコンテンツ一覧の該当コンテンツの項目に記すようにしている。
【0052】
以上のようにコンテンツ削除時にコピー先履歴の有無を参照して、コンテンツ一覧からの項目の削除を決めることで、コンテンツ一覧のサイズが無駄に大きくなることを防ぎつつ、コンテンツ削除後でもコピー先履歴を参照することができる。
【0053】
なお、上述した実施形態では、ハードディスクレコーダについて説明したが、コンテンツを記憶し、コピーする機能を備えているものであればよい。例えば、図10に示すように、HDD等の記憶媒体を内蔵したテレビジョン300や、図11に示すように、デジタル放送受信機能を備えたパーソナルコンピュータ310等でもよい。
【0054】
なお、本発明は、上述した実施形態そのままに限定されるものではない。本発明は、実施段階では、その要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変更して具現化できる。
【0055】
また、上述した実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜に組み合わせることで、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0056】
1…ハードディスクレコーダ、101…地上波アナログチューナ、102…地上波デジタルチューナ、103…BS/CSチューナ、104…AV入力部、106…ディスクドライブ部、106a…ディスクドライブ、106b…HDD、109…AV出力部、107…MPU、120…コンテンツソース入力部、121…記録媒体a、122…記録媒体b、123…記録媒体c、124…記録媒体d、125…暗号化・復号化部、126…著作権管理部、127…コピー出力インターフェース部、128…ユーザインターフェース部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部機器にコピーされたコンテンツの識別情報と前記外部機器の識別情報とを関連づけるコピー履歴情報を記録する手段と、
コンテンツを外部機器にコピーする場合、前記コピー履歴情報を参照し、前記コンテンツの前記外部機器に対するコピー履歴があれば、前記コンテンツの前記外部機器に対するコピー履歴がある旨の通知を行う手段と、
を具備する映像記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載の映像記録装置において、
記憶媒体を具備し、
前記コピー履歴情報は、前記映像記録装置が具備する前記記憶媒体に記憶される映像記録装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の映像記録装置において、
前記コンテンツの前記外部機器に対するコピー履歴がある旨の通知後、前記コンテンツを前記外部機器にコピーする旨の指示が行われた場合、前記コンテンツを前記外部機器にコピーする映像記録装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の映像記録装置において、
前記コンテンツの前記外部機器に対するコピー履歴があれば、前記コンテンツのコピー履歴を表示する映像記録装置。
【請求項5】
請求項1または2に記載の映像記録装置において、
前記コピー履歴情報は、前記コンテンツのコピー回数情報、前記コンテンツの記憶領域情報、前記コンテンツのコピー先の記憶領域情報、前記コンテンツのコピー日時情報、前記コンテンツのコピー先の機器情報のうち、いずれか1つ以上である映像記録装置。
【請求項6】
映像記録装置のコピー制御方法であって、
外部機器にコピーされたコンテンツの識別情報と前記外部機器の識別情報とを関連づけるコピー履歴情報を記録し、
コンテンツを外部機器にコピーする場合、前記コピー履歴情報を参照し、前記コンテンツの前記外部機器に対するコピー履歴があれば、前記コンテンツの前記外部機器に対するコピー履歴がある旨の通知を行う
コピー制御方法。
【請求項7】
請求項6に記載のコピー制御方法において、
前記コピー履歴情報は、前記映像記録装置が具備する記憶媒体に記憶されるコピー制御方法。
【請求項8】
請求項6または7に記載のコピー制御方法において、
前記コンテンツの前記外部機器に対するコピー履歴がある旨の通知後、前記コンテンツを前記外部機器にコピーする旨の指示が行われた場合、前記コンテンツを前記外部機器にコピーするコピー制御方法。
【請求項9】
請求項6または7に記載のコピー制御方法において、
前記コンテンツの前記外部機器に対するコピー履歴があれば、前記コンテンツのコピー履歴を表示するコピー制御方法。
【請求項10】
請求項6または7に記載のコピー制御方法において、
前記コピー履歴情報は、前記コンテンツのコピー回数情報、前記コンテンツの記憶領域情報、前記コンテンツのコピー先の記憶領域情報、前記コンテンツのコピー日時情報、前記コンテンツのコピー先の機器情報のうち、いずれか1つ以上であるコピー制御方法。
【請求項11】
外部機器にコピーされたコンテンツの識別情報と前記外部機器の識別情報とを関連づけるコピー履歴情報を記録する手順と、
コンテンツを外部機器にコピーする場合、前記コピー履歴情報を参照し、前記コンテンツの前記外部機器に対するコピー履歴があれば、前記コンテンツの前記外部機器に対するコピー履歴がある旨の通知を行う手順と、
をコンピュータに実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−216226(P2012−216226A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−133873(P2012−133873)
【出願日】平成24年6月13日(2012.6.13)
【分割の表示】特願2007−327733(P2007−327733)の分割
【原出願日】平成19年12月19日(2007.12.19)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】