説明

映像記録装置、映像再生装置、映像記録再生システム、方法、およびプログラム

【課題】高々1つの映像ストリームと、保持すべきデータが規定されていないヌルストリームとを含むことが許容される多重化ストリームを用いて、複数の映像ストリームで表される映像コンテンツの記録および伝送を行う技術を提供する。
【解決手段】映像記録装置100は、対象を撮影することによって複数の映像信号を得る撮像処理部14と、前記複数の映像信号のうち、1つを主TSに符号化し、他のそれぞれを副TSに符号化する符号化部15と、符号化された副TSを、ヌルTSを識別する特定のデータを持つヌル化TSに変換することでヌルTSに擬装するTSヌル化部11と、主TSとヌル化TSとを多重化ストリームに多重して、記録メディア300に記録するTS多重部12とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は映像記録装置、映像再生装置、映像記録再生システム、方法、およびプログラムに関し、特に、高々1つの映像ストリームと、保持すべき映像データが規定されていないヌルストリームとを含むことが許容される多重化ストリームを用いて、複数の映像ストリームの記録と再生を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビから始まった高精細(HD)映像の普及はデジタルビデオカメラへも波及しつつあり、HD撮影可能なデジタルビデオカメラも普及の兆しを示している。また、デジタルスチルカメラもHD動画撮影機能の搭載が予見される。
【0003】
従来のデジタルビデオカメラでは、HD撮影された映像の記録を主な目的として、映像符号化方式としてH.264やMPEG2−VIDEOを用い、多重化方式としてMPEG2−TS(Moving Picture Expert Group − Transport Stream)を多くが採用しており、装置を廉価に実現可能とするためにそれぞれの方式を簡素化した運用規定を採用している。
【0004】
ビデオカメラによる撮影および再生のフレームレートは、一般に30Hzであるが、業務用カメラでは、例えば120Hzといった高速なフレームレートで撮影(高速撮影)して、30Hzのフレームレートで再生(通常再生)することにより、高画質スロー再生を実現するものがある。民生用ビデオカメラにおいても、高速撮影および通常再生による高画質スロー再生が可能なカメラが望まれるものと考えられる。
【非特許文献1】ISO/IEC13818−1(MPEG2−TS規格書)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記の簡素化した運用規定では、高速撮影および通常再生による高画質スロー再生を行うことは想定されていない。
【0006】
簡素化した運用規定は、MPEG2−TSを簡素化しており、多重化ストリームに高々1つの映像ストリームを含むことしか許容しない。そのため、高速撮影で得られた30Hzを超えるフレームレートのフレーム画像を記録および伝送するために、例えば30Hzのフレームレートに対応するフレーム画像を第1の映像ストリームで表し、その他のフレーム画像を第2の映像ストリームで表して多重化ストリームに多重しようとしても、それができない。
【0007】
このように、高々1つの映像ストリームを含むことしか許容されていない運用規定における多重化ストリームは、高画質スロー再生のための映像ストリームの記録および伝送に適さないだけでなく、同じシーンを異なる複数の視点から見た複数の映像を表すマルチアングル映像や、両眼視による立体映像といった複数の映像ストリームで表されるコンテンツを記録および伝送することができないという制約がある。
【0008】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、高々1つの映像ストリームと、保持すべきデータが規定されていないヌルストリームとを含むことが許容される多重化ストリームを用いて、複数の映像ストリームで表される映像コンテンツの記録および伝送を行う技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の映像記録装置は、対象を撮影することによって複数の映像信号を得る撮像部と、前記複数の映像信号のうち、1つを主映像ストリームに符号化し、他のそれぞれを副映像ストリームに符号化する符号化部と、前記1つ以上の副映像ストリームをヌルストリームに擬装するストリームヌル化部と、前記ヌルストリームに擬装された前記1つ以上の副映像ストリームを多重化ストリームに多重して、記録のために出力するストリーム多重部とを備える。
【0010】
ここで、前記副映像ストリームを前記ヌルストリームに擬装するとは、前記副映像ストリームを、ヌルストリームを識別する特定のデータを持ったストリームに変換することを意味する。
【0011】
この構成によれば、前記1つ以上の副映像ストリームをヌルストリームに擬装するので、前記多重化ストリームが高々1つの主映像ストリームを含むことしか許容されていない場合でも、前記多重化ストリームにヌルストリームとして前記1つ以上の副映像ストリームを多重化できるようになる。その結果、高々1つの映像ストリームを含むことしか許容されていない多重化ストリームを用いて、複数の映像ストリームで表される映像コンテンツの記録および伝送を行うことが可能となる。
【0012】
また、前記ヌルストリームおよび前記各副映像ストリームは、ヘッダとペイロードとからなる複数のパケットで構成されるとしてもよい。
【0013】
その場合に、前記ストリームヌル化部は、前記1つ以上の副映像ストリームを、ヘッダにヌルストリームを識別する特定のデータを持ち、かつ、ペイロードに前記1つ以上の副映像ストリームのパケットのペイロードのデータを持つ複数のパケットで構成されたヌル化ストリームに変換することにより、ヌルストリームに擬装してもよい。
【0014】
この構成によれば、前記副映像ストリームの各パケットのヘッダに元々含まれているデータが破棄され、ペイロードのデータがそのままヌルストリームのペイロードに保持されるので、前記副映像ストリームを、前記副映像ストリームの元々のデータ量と同じ量の前記ヌルストリームに擬装できる。
【0015】
また、前記ストリームヌル化部は、前記1つ以上の副映像ストリームを、ヘッダにヌルストリームを識別する特定のデータを持ち、かつ、ペイロードに前記1つ以上の副映像ストリームの各パケットをペイロードの大きさに分割して得られる個々のデータを持つ複数のパケットから構成されたヌル化ストリームに変換することにより、ヌルストリームに擬装してもよい。
【0016】
この構成によれば、前記副映像ストリームを、ヘッダのデータを含めて、ヌルストリームに擬装できる。前記副映像ストリームの各パケットのヘッダの先頭に同期のための特定のデータが本来含まれている場合には、その特定のデータがヌルストリームのパケットのペイロードの先頭に保持されるので、多重化ストリームにおいて、前記副映像ストリームが擬装されたヌルストリームのパケットと、有効な映像データを保持していない本来のヌルストリームのパケットとを見分けるのに役立つ。
【0017】
また、前記ストリームヌル化部は、前記1つ以上の副映像ストリームを、ヘッダにヌルストリームを識別する特定のデータを持ち、かつ、ペイロードに前記各副映像ストリームの全体をペイロードの大きさに分割して得られる個々のデータを持つ複数のパケットから構成されたヌル化ストリームに変換することにより、ヌルストリームに擬装してもよい。
【0018】
この構成によれば、前記副映像ストリームをパケットごとに分割する場合と異なり、ヌルストリームのペイロードに分割の端数による空き領域が生じない。そのため、前記副映像ストリームをより小さなヌルストリームに擬装できることはもちろん、ヌルストリームのペイロードから前記副映像ストリームを復元する際に、空き領域にある無効なデータを除外する必要がなくなるので、処理を簡略化できる可能性がある。
【0019】
また、前記ストリームヌル化部は、さらに、前記ヌル化ストリームの各パケットのヘッダに、それぞれの副映像ストリームを区別する値を設定してもよい。
【0020】
この構成によれば、ヌルストリームに擬装された複数の前記副映像ストリームが多重された多重化ストリームからでも、副映像ストリームを区別する値を用いて、個々の副映像ストリームを復元できる。
【0021】
なお、本発明は、このような映像記録装置として実現することができるだけでなく、映像再生装置および映像記録再生システムとしても実現できる。さらに、映像記録方法ならびに映像再生方法、およびプログラムとして実現することもできる。
【発明の効果】
【0022】
上記説明したように、本発明の映像ストリームの多重装置によれば、副映像ストリームをヌルストリームに擬装することにより、高々1つの主映像ストリームを含むことしか許容されない多重化ストリームに、前記副映像ストリームをヌルストリームとして多重化できるようになる。その結果、高々1つの映像ストリームを含むことしか許容されていない多重化ストリームを用いて、複数の映像ストリームで表される映像コンテンツの記録および伝送を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0024】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における映像ストリームの処理システム1の構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0025】
映像ストリームの処理システム1は、高々1つの主映像ストリームと、保持すべき映像データが規定されていないヌルストリームとを含むことが許容されている多重化ストリームに、1つ以上の副映像ストリームを多重し、また多重化ストリームから、主映像ストリームと各副映像ストリームとを分離するシステムである。
【0026】
実施の形態1では、背景技術の項で述べた簡素化した運用規定に従い、主映像ストリームおよび副映像ストリームがH.264符号化によるTSであり、また、多重化ストリームがMPEG2−TSに準じた多重化ストリームであるとして説明する。前述したように、簡素化した運用規定による多重化ストリームでは、高々1つの映像TSと保持すべき映像データが規定されていないヌルTSとを含むことが許容されている。
【0027】
通常、ヌルTSは、ビットレートの調整のために多重化ストリームに挿入され、映像再生機器において処理されることなく破棄される。
【0028】
図1において、映像ストリームの処理システム1は、TS多重装置10およびTS分離装置20から構成される。図1にはさらに、ストレージまたは伝送路30が示されている。
【0029】
なお、本明細書では、主および副という言葉は、複数の映像ストリームおよび複数のTSを区別するためにだけ用いられ、複数の映像ストリーム間および複数のTS間でのフレームレートおよび解像度などの優劣を意味しない。
【0030】
TS多重装置10は、主TSおよび1つ以上の副TSを、多重化ストリームに多重する装置であり、TSヌル化部11およびTS多重部12から構成される。
【0031】
TSヌル化部11は、1つ以上の副TSをヌルTSに擬装する。
以下では、副TSが擬装されたヌルTSを、ヌル化TSと呼んで、有効な映像データを保持しない本来のヌルTSと区別する。1つ以上の副TSをヌルTSに擬装することと、1つ以上の副TSをヌル化TSに変換することとは、同義である。
【0032】
TS多重部12は、TSヌル化部11で変換されたヌル化TSと主TSとを多重化ストリームに多重する。
【0033】
TS多重装置10で得られた多重化ストリームは、ストレージまたは伝送路30において蓄積または伝送され、TS分離装置20によって取得される。
【0034】
TS分離装置20は、多重化ストリームから、主TSおよび1つ以上の副TSを分離する装置であり、TS分離部21およびTS復元部22から構成される。
【0035】
TS分離部21は、多重化ストリームから、主TSおよびヌル化TSを分離する。
TS復元部22は、TS分離部21で分離されたヌル化TSから副TSを復元する。
【0036】
なお、TS多重装置10およびTS分離装置20は、個別に、または両者を一体として、図示しないCPU(Central Processing Unit)がROM(Read Only Unit)に記録されたプログラムを実行することでソフトウェア機能として実現されてもよく、また集積回路装置などのハードウェアとして実現されてもよい。
【0037】
次に、このように構成されたTS多重装置10およびTS分離装置20の動作について、フローチャートを参照して説明する。
【0038】
図2(A)および図2(B)は、それぞれTS多重装置10およびTS分離装置20の動作の一例を示すフローチャートである。
【0039】
まず、TS多重装置10におけるTS多重処理について説明する。
TS多重装置10は、主TSおよび副TSを取得する(S11、S12)。
【0040】
TSヌル化部11は、取得された各副TSをヌル化TSに変換する(S13)。この変換は、例えば副TSのパケットのヘッダを、ヌルTSを識別する特定のデータで書き換えることによって行われる。副TSからヌル化TSへの変換の一例を具体的に説明する。
【0041】
図3は、MPEG2−TSのパケットのフォーマットを表す図である。図3に示されるように、MPEG2−TSのパケットは、ヘッダとペイロードとからなる。ヘッダは、複数のフィールドにそれぞれ制御用のデータを保持し、ペイロードは、映像データであるPES(Packetized Elementary Stream)を保持する。
【0042】
ヌルTSでは、ヘッダのPIDフィールドには値0x1FFFが設定される。この値0x1FFFが、本発明のヌルストリームを識別する特定のデータの一例である。
【0043】
TSヌル化部11は、副TSの各パケットのヘッダのPIDフィールドを、値0x1FFFで書き換える。これにより、副TSは、ヘッダのPIDフィールドに値0x1FFFを持ち、かつ、ペイロードには元々の副TSのペイロードのPESデータを持つ複数のパケットで構成されたヌル化TSに変換される。副TSは、ヌルTSに擬装される結果、多重化ストリームに多重可能となる。
【0044】
副TSが複数ある場合、TSヌル化部11は、ヌル化TSのヘッダの例えばcontinuity counterフィールドに、それぞれの副TSを区別する値(以下、TS識別子)を設定する。
【0045】
TS識別子は、PID値を表現するためのビット数よりも少ないビット数で表現できる値であることが望ましい。TS識別子として、例えば、副TSのヘッダのPIDフィールドに元々設定されていたPID値に対応するハッシュ値を用いてもよい。
【0046】
TS識別子は、例えば、図2に示されるような変換テーブルによって、PID値に対応付けて固定的にまたは変更可能に保持してもよい。変換テーブルを設ける場所は限定されない。変換テーブルは、例えば、TS多重装置10の内部や、ストレージまたは伝送路30を介してアクセス可能な外部に設けられる。
【0047】
TS識別子は、変換テーブルで保持する代わりに、周知のハッシュ関数を用いて必要の都度、算出することもできる。
【0048】
TS識別子は、必ずしもcontinuity counterフィールドに設定しなくてもよい。同期用の固定値0x47が設定されるsync byteフィールドと前述したPIDフィールドとを除く、transport error indicatorフィールド、payload unit start indicatorフィールド、transport priorityフィールド、transport scrambling controlフィールド、adaptation field controlフィールド、およびcontinuity counterフィールドのうちの1つ、または2つ以上にまたがって、設定すればよい。
【0049】
TS多重部12は、TSヌル化部11で変換されたヌル化TSと主TSとを多重化ストリームに多重する(S14)。
【0050】
次に、TS分離装置20におけるTS分離処理について説明する。
TS分離装置20は、TS多重装置10で得られた多重化ストリームを、ストレージまたは伝送路30を介して取得する(S21)。
【0051】
TS分離部21は、取得された多重化ストリームから、主TSを分離する(S22)とともに、ヌル化TSを分離する(S23)。ヌル化TSの分離は、取得された多重化ストリームから、ヘッダのPIDフィールドに値0x1FFFを持つパケットのうち、ペイロードの全てのデータが均一値(例えば全てのビットが0か1かに揃っている)ではないパケットを抽出することによって行われる。
【0052】
本来のヌルTSのペイロードは、保持すべき映像データが規定されていないために、全てのビットが0か1かに揃っているから、そうでないパケットは、ペイロードに元々の副TSのPESデータを持ったヌル化TSのパケットであると判断できる。なお、本来のヌルTSと判断されたパケットは、従来と同様に破棄される。
【0053】
TS復元部22は、TS分離部21で分離されたヌル化TSから副TSを復元する(S24)。この復元は、分離されたヌル化TSのヘッダのPIDフィールドに、主TSのヘッダのPIDフィールドの値とは異なる値を設定することによって行われる。
【0054】
副TSが複数あり、continuity counterフィールドなどにTS識別子が設定されている場合は、設定されているTS識別子に応じて異なるPID値を、分離されたヌル化TSのヘッダのPIDフィールドに設定する。
【0055】
PID値とTS識別子との対応を定義した変換テーブルがある場合は、TS識別子に対応するPID値を変換テーブルから参照して、分離されたヌル化TSのヘッダのPIDフィールドに設定する。
【0056】
以上説明したように、映像ストリームの処理システム1によれば、TS多重装置10は、高々1つの主TSを含むことが許容されている多重化ストリームに、1つ以上の副TSをヌルTSに擬装して多重し、TS分離装置20は、ヌルTSに擬装された1つ以上の副TSを含む多重化ストリームから、副TSを復元するので、高々1つの映像ストリームを含むことしか許容されていない多重化ストリームで、複数の映像ストリームを記録および伝送することが可能となる。
【0057】
この構成によれば、高々1つの映像ストリームを含むことしか許容されていない多重化ストリームを、非常に広範な応用に活用することが可能になる。
【0058】
例えば、課題の項で説明したように、高速撮影で得られた30Hzを超えるフレームレートのフレーム画像のうち、例えば30Hzのフレームレートに対応するフレーム画像を表す主TSと、その他のフレーム画像を表す副TSとを、多重化ストリームに多重して記録および伝送することが可能となる。
【0059】
図示しない映像再生装置で、そのような多重化ストリームから分離した主TSおよび副TSによって表される全てのフレーム画像を30Hzのフレームレートで再生すれば、高画質スロー再生が実現される。また、主TSによって表されるフレーム画像のみを通常速度で再生することもできる。
【0060】
また、そのような多重化ストリームを、従来の一般的な映像再生装置で再生した場合、ヌルTSに擬装された副TSは破棄され、主TSによって表されるフレーム画像のみが通常速度で再生される。すなわち、この多重化ストリームは、既存のシステムとの互換性も高い。
【0061】
さらには、高々1つの映像ストリームを含むことしか許容されていない多重化ストリームを用いて、同じシーンを異なる複数の視点から見た複数の映像を表すマルチアングル映像や両眼視による立体映像といった複数の映像ストリームで表されるコンテンツの記録および伝送が可能となる。
【0062】
さらには、高々1つの映像ストリームを含むことしか許容されていない多重化ストリームを用いて、映像を複数の映像ストリームへと解像度的に階層符号化することによって超高解像度の映像コンテンツの記録および伝送が可能となる。
【0063】
(実施の形態1の変形例)
実施の形態1では、副TSのヘッダを書き換えることによって、副TSをヌル化TSに変換するとして説明した。しかしながら、副TSからヌル化TSへの変換は、上記の例に限定されない。
【0064】
以下では、副TSからヌル化TSへの変換の他の例について説明する。
図4は、副TSからヌル化TSへの変換の一変形例を説明する図である。
【0065】
TS多重装置10において、TSヌル化部11は、図4に示されるように、ヌルTSのペイロードに、副TSの各パケットをペイロードの大きさに分割して得られる個々のデータを格納することにより、副TSをヌル化TSに変換してもよい。
【0066】
図4では、見易さのために、ヘッダおよびペイロードの大きさを不同に描いているが、副TSおよびヌル化TSがMPEG2−TSである場合、ヘッダおよびペイロードの大きさは、それぞれ4バイトおよび184バイトである。
【0067】
したがって、副TSのパケットP11のヘッダの4バイトのデータ、およびペイロードのPESデータの先頭の180バイトが、ヌル化TSのパケットP21のペイロードに格納される。
【0068】
また、副TSのパケットP11のペイロードのPESデータの残りの4バイトが、ヌル化TSの次のパケットP22のペイロードに格納される。ヌル化TSのパケットP22のペイロードに示される斜線部分は、副TSのパケットの分割の端数によって生じる空き領域(無効データ)を表す。
【0069】
副TSのパケットP12のデータは、ヌル化TSのパケットP23以降に格納される。
副TSが複数ある場合は、TSヌル化部11は、上述の変換を行った上に、実施の形態1で説明したようにして、ヌル化TSのヘッダの例えばcontinuity counterフィールドに、それぞれの副TSを区別するTS識別子を設定してもよい。
【0070】
TS分離装置20において、このような変換によって得られる多重化ストリームが取得されると、TS分離部21は、取得された多重化ストリームから、ヘッダのPIDフィールドに値0x1FFFを持つパケットのうち、ペイロードの先頭のデータがヘッダのsync byteフィールドに固定的に設定される値0x47であるパケットとその次のパケットとを抽出することによって、多重化ストリームからヌル化TSを分離する。
【0071】
TS復元部22は、TS分離装置20で抽出されたパケットのペイロードに設定されているデータのうち、空き領域の無効データを除いたデータをつなぎ合わせることで、副TSを復元する。
【0072】
図5は、副TSからヌル化TSへの変換の他の変形例を説明する図である。
TS多重装置10において、TSヌル化部11は、図5に示されるように、ヌルTSのペイロードを、副TSの全体をペイロードの大きさに分割して得られる個々のデータで書き換えることにより、副TSをヌル化TSに変換してもよい。
【0073】
副TSが複数ある場合、TSヌル化部11は、上述の変換を行った上に、実施の形態1で説明したようにして、ヌル化TSのヘッダの例えばcontinuity counterフィールドに、それぞれの副TSを区別するTS識別子を設定してもよい。
【0074】
TS分離装置20において、TS分離部21は、取得された多重化ストリームから、ヘッダのPIDフィールドに値0x1FFFを持つパケットのうち、ペイロードの全てのデータが均一値(例えば全てのビットが0か1かに揃っている)ではないパケットを抽出することによって、多重化ストリームからヌル化TSを分離する。
【0075】
TS復元部22は、TS分離装置20で抽出されたパケットのペイロードに設定されているデータを、パケットの大きさごとにつなぎ合わせることで、副TSを復元する。
【0076】
この構成によれば、副TSをパケットごとに分割する場合と異なり、ヌル化TSに分割の端数による空き領域が生じない。そのため、副TSをより小さなヌル化TSに変換できることはもちろん、ヌル化TSから副TSを復元する際に、空き領域にある無効なデータを除外する必要がなくなるので、処理を簡略化できる(集積回路装置などのハードウェアによる実現では、無効なデータを除外するための選択回路を省略できる)可能性がある。
【0077】
次に、上記説明した映像ストリームの処理システムを用いて構成される、高画質スロー再生機能を有する映像記録再生システムについて、詳細に説明する。
【0078】
(実施の形態2)
図6(A)は、本発明の実施の形態2における映像記録再生システム400の構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0079】
映像記録再生システム400は、高速撮影により得られた映像ストリームを記録し、記録された映像ストリームを通常再生することで高画質スロー再生を行う映像記録再生システムであり、撮像光学系401、映像記録装置100、映像再生装置200、および表示装置402から構成される。映像ストリームは、記録メディア300に記録される。
【0080】
図6(B)は、ビデオカメラとして実現された場合の映像記録再生システム400の外観の一例を示す斜視図である。映像記録装置100、映像再生装置200、および記録メディア300は、ビデオカメラの筐体内に配置される。
【0081】
図7は、映像記録装置100の構成の一例を示す機能ブロック図である。
映像記録装置100は、撮像光学系401にて30Hzを超える高速なフレームレートで対象を撮影して得られるフレーム画像のうち、30Hzのフレームレートに対応するフレーム画像を主映像ストリームで表し、その他のフレーム画像を第1および第2の副映像ストリームで表して多重化ストリームに多重して、記録メディア300に記録する。
【0082】
実施の形態2においても、背景技術の項で述べた簡素化した運用規定に従い、主映像ストリームおよび副映像ストリームがH.264符号化によるTSであり、また、多重化ストリームがMPEG2−TSに準じた多重化ストリームであるとして説明する。
【0083】
映像記録装置100は、撮像処理部14、符号化部15、TSヌル化部11、およびTS多重部12から構成される。
【0084】
ここで、撮像処理部14、符号化部15、TSヌル化部11、およびTS多重部12が、それぞれ本発明の撮像部、符号化部、ストリームヌル化部、およびストリーム多重部の一例である。また、主TSが主映像ストリームの一例であり、第1副TSおよび第2副TSが副映像ストリームの一例である。
【0085】
撮像処理部14は、例えば120Hzのフレームレートで撮像光学系401からフレーム画像を取得し、30Hzのフレームレートに対応するフレーム画像を表す主映像信号、および他のフレーム画像を表す第1副映像信号ならびに第2副映像信号を出力する。
【0086】
図8は、撮像光学系401から得られる120Hzのフレームレートで得られるフレーム画像のうち、撮像処理部14から出力される主映像信号、第1副映像信号、および第2副映像信号によって表されるフレーム画像を説明する図である。
【0087】
主映像信号は、撮像光学系401から得られるフレームのうち、4フレームごとに1つの主映像フレームの画像を表す。第1副映像信号は、主映像フレームの時間的に中間にある第1副映像フレームの画像を表す。第2副映像信号は、残りの第2副映像フレームの画像を表す。この例では、主映像信号および第1副映像信号は30Hzのフレームレートの映像を表し、第2副映像信号は60Hzのフレームレートの映像を表す。
【0088】
符号化部15は、主映像信号、第1副映像信号、および第2副映像信号を、それぞれ、主TS、第1副TS、および第2副TSに符号化する。
【0089】
TSヌル化部11は、第1副TSおよび第2副TSをヌル化TSに変換する。
TS多重部12は、主TS、およびヌル化TSを多重化ストリームに多重し、多重化ストリームを記録メディア300に記録する。
【0090】
図9は、映像再生装置200の構成の一例を示す機能ブロック図である。
映像再生装置200は、記録メディア300に記録されている多重化ストリームに多重された主映像ストリーム、第1副映像ストリーム、および第2副映像ストリームによって表される映像を再生する。
【0091】
映像再生装置200は、TS分離部21、TS復元部22、復号化部23、および映像多重部24から構成される。
【0092】
ここで、TS分離部21、TS復元部22、および復号化部23が、それぞれ本発明のストリーム分離部、ストリーム復元部、および復号化部の一例である。
【0093】
TS分離部21は、記録メディア300から多重化ストリームを取得し、取得した多重化ストリームから主TSおよびヌル化TSを分離する。
【0094】
TS復元部22は、TS分離部21で分離されたヌル化TSから第1副TSおよび第2副TSを復元する。
【0095】
復号化部23は、主TS、第1副TS、および第2副TSを、それぞれ主映像信号、第1副映像信号、および第2副映像信号に復号化する。復号化部23は、与えられるTS選択信号に応じて、主TS、第1副TS、および第2副TSの中から選択されるTSについてのみ、復号化を行ってもよい。
【0096】
映像多重部24は、復号化で得られた主映像信号、第1副映像信号、および第2副映像信号によって表される主映像フレームの画像、第1副映像フレームの画像、および第2副映像フレームの画像を、図8に示される順序で時分割多重し、時分割多重されたフレーム画像を表す映像信号を生成して、表示装置402に出力する。
【0097】
なお、映像記録装置100および映像再生装置200は、個別に、または両者を一体として、図示しないCPU(Central Processing Unit)がROM(Read Only Unit)に記録されたプログラムを実行することでソフトウェア機能として実現されてもよく、また集積回路装置などのハードウェアとして実現されてもよい。
【0098】
特に、符号化部15、TSヌル化部11、およびTS多重部12を統合符号化部101とし、TS分離部21、TS復元部22、および復号化部23を統合復号化部201として、それぞれを個別に、または両者を一体として、集積回路装置で実現することが望ましい。
【0099】
そのような集積回路装置は、撮像処理部14からの映像信号のみならず、外部入力から取得される複数の映像信号をも符号化および多重処理し、また分離および復号化できる汎用性を持つと期待される。
【0100】
次に、このように構成された映像記録装置100および映像再生装置200の動作について、フローチャートを参照して説明する。
【0101】
図10(A)および図10(B)は、それぞれ映像記録装置100および映像再生装置200の動作の一例を示すフローチャートである。
【0102】
まず、映像記録装置100における映像記録処理について説明する。
撮像処理部14は、撮像光学系401から120Hzのフレームレートで得られるフレーム画像のうち、30Hzのフレームレートに対応するフレーム画像を表す主映像信号、および他のフレーム画像を表す第1副映像信号ならびに第2副映像信号を出力する(S101および図8)。
【0103】
符号化部15は、主映像信号、第1副映像信号、および第2副映像信号を、それぞれ、主TS、第1副TS、および第2副TSに符号化する(S102)。この符号化は、簡素化した運用規定に則して、H.264符号化として行われる。
【0104】
TSヌル化部11は、第1副TSおよび第2副TSをヌル化TSに変換し(S103)、TS多重部12は、主TSとヌル化TSとを多重化ストリームに多重する(S104)。これらの処理は、実施の形態1で詳細に説明した、TS多重装置10による処理(図2(A)のS13およびS14)そのものであるため、ここでは説明を繰り返さない。
【0105】
TS多重部12は、多重化ストリームを出力し、記録メディア300にて記録する(S105)。
【0106】
次に、映像再生装置200における映像再生処理について説明する。
映像再生装置200は、記録メディア300から記録されている多重化ストリームを取得する(S201)。
【0107】
TS分離部21は、取得された多重化ストリームから、主TSを分離する(S202)とともに、ヌル化TSを分離する(S203)。そして、TS復元部22は、TS分離部21で分離されたヌル化TSから副TSを復元する(S204)。これらの処理は、実施の形態1で詳細に説明した、TS分離装置20による処理(図2(B)のS22およびS23)そのものであるため、ここでは説明を繰り返さない。
【0108】
復号化部23は、与えられるTS選択信号に応じて、主TS、第1副TS、および第2副TSの中から選択されるTSを、それぞれ主映像信号、第1副映像信号、および第2副映像信号に復号化する(S205)。この復号化は、簡素化した運用規定に則して、H.264復号化として行われる。
【0109】
映像多重部24は、復号化で得られた映像信号によって表されるフレーム画像を、図8に示される順序で時分割多重して、30Hzのフレームレートで表示装置402に出力する(S206)。
【0110】
ここで、復号化部23が、TS選択信号に応じて、主TS、第1副TS、および第2副TSの全てを復号化する場合は、図8に示される全てのフレーム画像が30Hzのフレームレートで表示装置402に出力されることとなり、撮像時の120Hzのフレームレートに対して1/4倍速の高画質スロー再生が行われる。
【0111】
また、復号化部23が、TS選択信号に応じて、主TSおよび第1副TSを復号化し、第2副TSを復号化しない場合は、図8に示される主映像フレームおよび第1副映像フレームのフレーム画像が30Hzのフレームレートで表示装置402に出力されることとなり、撮像時の120Hzのフレームレートに対して1/2倍速の高画質スロー再生が行われる。
【0112】
また、復号化部23が、TS選択信号に応じて、主TSのみを復号化する場合は、通常再生が行われる。
【0113】
このように、TS選択信号は再生速度を指示する機能を有している。TS選択信号に応じて、復号化部23で復号化をするか否かを切り替える以外にも、TS復元部22でヌル化TSから副TSを復元するか否かを切り替えるか、またはTS分離部21で多重化ストリームからヌル化TSを分離するか否かを切り替えても、再生速度を切り替えることができる。
【0114】
なお、従来の一般的な映像再生装置では、多重化ストリームに含まれるヌル化TSは、本来のヌルTSと区別されないために破棄される。その結果、主TSによって表されるフレーム画像のみが通常速度で再生される。すなわち、この多重化ストリームは、既存のシステムとの互換性も高い。
【0115】
また、映像記録装置100および映像再生装置200を、同じシーンを異なる複数の視点から見た複数の映像を表すマルチアングル映像や両眼視による立体映像といった複数の映像ストリームで表されるコンテンツの記録および再生に応用することも可能である。
【0116】
以上、本発明の映像記録装置、映像再生装置、映像記録再生装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものも本発明の範囲内に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0117】
本発明の映像記録装置、映像再生装置、映像記録再生装置、方法、およびプログラムは、ビデオカメラ、携帯情報端末など、映像を記録および再生する機器に広く利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】実施の形態1における処理システムの構成の一例を示す機能ブロック図
【図2】(A)TS多重装置の動作の一例を示すフローチャート、(B)TS分離装置の動作の一例を示すフローチャート
【図3】副TSからヌル化TSへの変換の一例を示す図
【図4】副TSからヌル化TSへの変換の一例を示す図
【図5】副TSからヌル化TSへの変換の一例を示す図
【図6】(A)実施の形態2における映像記録再生装置の構成の一例を示す機能ブロック図、(B)映像記録再生装置の外観の一例を示す外観図
【図7】映像記録装置の構成の一例を示す機能ブロック図
【図8】主映像信号、第1副映像信号、および第2副映像信号によって表されるフレーム画像を説明する図
【図9】映像再生装置の構成の一例を示す機能ブロック図
【図10】(A)映像記録装置の動作の一例を示すフローチャート、(B)映像再生装置の動作の一例を示すフローチャート
【符号の説明】
【0119】
1 映像ストリームの処理システム
10 TS多重装置
11 TSヌル化部
12 TS多重部
14 撮像処理部
15 符号化部
20 TS分離装置
21 TS分離部
22 TS復元部
23 復号化部
24 映像多重部
30 ストレージまたは伝送路
100 映像記録装置
101 統合符号化部
200 映像再生装置
201 統合復号化部
300 記録メディア
400 映像記録再生システム
401 撮像光学系
402 表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象を撮影することによって複数の映像信号を得る撮像部と、
前記複数の映像信号のうち、1つを主映像ストリームに符号化し、他のそれぞれを副映像ストリームに符号化する符号化部と、
前記1つ以上の副映像ストリームをヌルストリームに擬装するストリームヌル化部と、
前記ヌルストリームに擬装された前記1つ以上の副映像ストリームを多重化ストリームに多重して、記録のために出力するストリーム多重部と
を備えることを特徴とする映像記録装置。
【請求項2】
前記ヌルストリームおよび前記各副映像ストリームは、ヘッダとペイロードとからなる複数のパケットで構成され、
前記ストリームヌル化部は、前記1つ以上の副映像ストリームを、ヘッダにヌルストリームを識別する特定のデータを持ち、かつ、ペイロードに前記1つ以上の副映像ストリームのパケットのペイロードのデータを持つ複数のパケットで構成されたヌル化ストリームに変換することにより、ヌルストリームに擬装する
ことを特徴とする請求項1に記載の映像記録装置。
【請求項3】
前記ヌルストリームおよび前記各副映像ストリームは、ヘッダとペイロードとからなる複数のパケットから構成され、
前記ストリームヌル化部は、前記1つ以上の副映像ストリームを、ヘッダにヌルストリームを識別する特定のデータを持ち、かつ、ペイロードに前記1つ以上の副映像ストリームの各パケットをペイロードの大きさに分割して得られる個々のデータを持つ複数のパケットから構成されたヌル化ストリームに変換することにより、ヌルストリームに擬装する
ことを特徴とする請求項1に記載の映像記録装置。
【請求項4】
前記ヌルストリームおよび前記各副映像ストリームは、ヘッダとペイロードとからなる複数のパケットから構成され、
前記ストリームヌル化部は、前記1つ以上の副映像ストリームを、ヘッダにヌルストリームを識別する特定のデータを持ち、かつ、ペイロードに前記各副映像ストリームの全体をペイロードの大きさに分割して得られる個々のデータを持つ複数のパケットから構成されたヌル化ストリームに変換することにより、ヌルストリームに擬装する
ことを特徴とする請求項1に記載の映像記録装置。
【請求項5】
前記ストリームヌル化部は、さらに、前記ヌル化ストリームの各パケットのヘッダに、それぞれの副映像ストリームを区別する値を設定する
ことを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載の映像記録装置。
【請求項6】
主映像ストリームと、保持すべき映像データが規定されていないヌルストリームに擬装された1つ以上の副映像ストリームとが多重されている多重化ストリームから、映像を再生する映像再生装置であって、
前記多重化ストリームから、前記主映像ストリームと、前記1つ以上の副映像ストリームが擬装されたヌルストリームとを分離するストリーム分離部と、
前記分離されたヌルストリームから前記1つ以上の副映像ストリームを復元するストリーム復元部と、
前記分離された主映像ストリームおよび前記復元された1つ以上の副映像ストリームを、それぞれ主映像信号および1つ以上の副映像信号に復号化するストリーム復号化部と
を備えることを特徴とする映像再生装置。
【請求項7】
前記映像再生装置は、さらに、
復号化により得られた主映像信号および1つ以上の副映像信号で表されるフレーム画像を時分割多重して表す映像信号を出力する映像多重部を備える
ことを特徴とする請求項6に記載の映像再生装置。
【請求項8】
前記ヌルストリームおよび前記各副映像ストリームは、ヘッダとペイロードとからなる複数のパケットから構成され、
前記ストリーム分離部は、前記多重化ストリームから、ヘッダにヌルストリームを識別する特定のデータを持つパケットのうち、ペイロードの全てのデータが均一値ではないか、またはペイロードの先頭のデータがヘッダの先頭に設定されるべき同期用の特定のデータであるパケットを、ヌルストリームに擬装された前記1つ以上の副映像ストリームのパケットとして抽出することにより、前記1つ以上の副映像ストリームが擬装されたヌルストリームを分離する
ことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の映像再生装置。
【請求項9】
前記ヌルストリームおよび前記各副映像ストリームは、ヘッダとペイロードとからなる複数のパケットから構成され、
前記ストリーム復元部は、前記分離されたヌルストリームの各パケットのヘッダに、主映像ストリーム以外の有効な映像ストリームを識別する特定のデータを設定するとこにより、前記ヌルストリームから前記1つ以上の副映像ストリームを復元する
ことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の映像再生装置。
【請求項10】
請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の映像記録装置と、
請求項6ないし請求項9のいずれか1項に記載の映像再生装置と
からなる映像記録再生システム。
【請求項11】
対象を撮影することによって複数の映像信号を得る撮像ステップと、
前記複数の映像信号のうち、1つを主映像ストリームに符号化し、他のそれぞれを副映像ストリームに符号化する符号化ステップと、
前記1つ以上の副映像ストリームをヌルストリームに擬装するストリームヌル化ステップと、
前記ヌルストリームに擬装された前記1つ以上の副映像ストリームを多重化ストリームに多重して、記録のために出力するストリーム多重ステップと
を含むことを特徴とする映像記録方法。
【請求項12】
主映像ストリームと、保持すべき映像データが規定されていないヌルストリームに擬装された1つ以上の副映像ストリームとが多重されている多重化ストリームから、映像を再生する映像再生方法であって、
前記多重化ストリームから、前記主映像ストリームと、前記1つ以上の副映像ストリームが擬装されたヌルストリームとを分離するストリーム分離ステップと、
前記分離されたヌルストリームから前記1つ以上の副映像ストリームを復元するストリーム復元ステップと、
前記分離された主映像ストリームおよび前記復元された1つ以上の副映像ストリームを、それぞれ主映像信号および1つ以上の副映像信号に復号化するストリーム復号化ステップと
を含むことを特徴とする映像再生方法。
【請求項13】
請求項11に記載の映像記録方法に含まれるステップ、および請求項12に記載の映像再生方法に含まれるステップの、少なくともいずれか一方をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−194758(P2009−194758A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−35149(P2008−35149)
【出願日】平成20年2月15日(2008.2.15)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】