説明

映像送信装置、無線局、表示端末、および無線通信システム

【課題】表示端末と映像送信装置との距離に応じて前記表示端末に異なる映像を表示させる。
【解決手段】本発明の一態様としての無線通信システムは、映像情報を送信する映像送信装置と、前記映像送信装置から送信された映像情報を受信して表示する表示端末と、前記映像送信装置と自局との間の距離に応じて、その距離と関連付けられた識別情報を前記表示端末に送信する1つ以上の無線局とを備えた無線通信システムであって、前記映像送信装置は、前記表示端末が表示すべき映像情報を、前記映像送信装置からの距離に応じて複数生成し、前記識別情報と関連付けて送信し、前記表示端末は、前記映像送信装置から送信された複数の映像情報のうち、前記無線局のひとつから受信した識別情報に対応する映像情報を受信して表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像送信装置、無線局、表示端末、および、無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
目的物からの距離に応じて異なる表示内容を、端末装置(ディスプレイ)側で表示させることが望まれている。従来では、特許文献1に開示されているように、目的物が端末装置の前方部に位置することを検出するために、端末装置が指向性アンテナを介して所定の識別信号を含む電波を受信した場合に、表示部を介してユーザに目的物の存在を通知するものがあった。この従来技術では、目的物との方向関係のみ検出することが可能はあるが、端末装置の位置・方向に応じて、表示内容を適切に変化させることはできなかった。
【特許文献1】特開2005−333468公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、映像送信装置との距離に応じて、異なる映像情報を、表示可能にした表示端末、映像送信装置、無線局、および無線通信システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様としての無線通信システムは、
映像情報を送信する映像送信装置と、
前記映像送信装置から送信された映像情報を受信して表示する表示端末と、
前記映像送信装置と自局との間の距離に応じて、その距離と関連付けられた識別情報を前記表示端末に送信する1つ以上の無線局と
を備えた無線通信システムであって、
前記映像送信装置は、前記表示端末が表示すべき映像情報を、前記映像送信装置からの距離に応じて複数生成し、前記識別情報と関連付けて送信し、
前記表示端末は、前記映像送信装置から送信された複数の映像情報のうち、前記無線局のひとつから受信した識別情報に対応する映像情報を受信して表示する
ことを特徴とする。
【0005】
本発明の一態様としての映像送信装置は、
映像送信装置と自局との間の距離に応じて、その距離と関連付けられた識別情報を送信する1つ以上の無線局から前記識別情報を受信する表示端末と通信する映像送信装置であって、
前記表示端末が表示すべき映像情報を、前記表示端末からの距離に応じて複数生成する映像情報生成手段と、
各前記映像情報に関連づけられた識別情報を記憶する識別情報記憶手段と、
前記表示端末から前記識別情報を含む接続要求を受け、前記表示端末と接続する接続手段と、
前記識別情報に関連づけられた映像情報を前記表示端末に送信する映像情報送信手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0006】
本発明の一態様としての無線局は、
表示端末が表示すべき映像情報を、前記表示端末からの距離に応じて複数生成し、識別情報と関連づけて送信する映像情報送信装置から1つの映像情報を受信して表示する表示端末、と通信する無線局であって、
前記映像送信装置と自局との間の距離に応じて、その距離と関連付けられた前記識別情報を記憶する識別情報記憶手段と、
前記識別情報記憶手段内の前記識別情報を前記表示端末に送信する識別情報送信手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明の一態様としての表示端末は、
表示端末が表示すべき映像情報を、前記表示端末からの距離に応じて複数生成し、識別情報と関連づけて送信する映像情報送信装置と通信する表示端末であって、
前記映像送信装置と自局との間の距離に応じて、その距離と関連付けられた識別情報を送信する1つ以上の無線局から前記識別情報を受信する第1の受信手段と、
前記映像送信装置から送信された複数の映像情報のうち、前記無線局のひとつから受信した識別情報に対応する映像情報を受信して表示する第2の受信手段と、
受信された映像情報を表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、表示端末と映像送信装置との距離に応じて、異なる映像情報を、表示端末に表示させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
【0010】
(第1の実施形態)
図4は、本発明の第1の実施形態における無線通信システムの構成例を示している。
【0011】
この無線通信システムは、映像送信装置11、4つの無線局31a〜31d、表示端末51から構成される。映像送信装置11と4つの無線局31a〜31dが固定的に設置されている。表示端末51は利用者により所持され、利用者の移動および動きに伴って位置が可変である。図4には、利用者により所持される表示端末51は右下より中央に向かい、その後、映像送信装置11に向かって移動していく様子が示されている。表示端末51は、指向性アンテナと無指向性アンテナとを有し、指向性アンテナを用いて特定の方向においてのみ映像送信装置11と通信可能であり、無指向性アンテナを用いて無線局31a〜31dと通信する。図4に示される表示端末51の傾きは、指向性アンテナの受信方向と対応しているとする。
【0012】
映像送信装置11は、自装置からの距離毎に異なる識別情報(後述する図5(A)参照)を記憶し、識別情報に関連付けた複数の映像情報を送信している。すなわち、映像送信装置11は、自装置との距離が近い範囲に対する近距離用の識別情報と、自装置との距離が中程度の範囲に対する中距離用の識別情報と、自装置との距離が遠い範囲に対する遠距離用の識別情報とを記憶しておく。そして、それらの識別情報に対応した、近距離用の映像情報と、中距離用の映像情報と、遠距離用の映像情報とを送信している。映像情報の送信方法としては、電波の範囲内の全端末が受信対象となる無線ブロードキャスト、特定のグループの端末が受信可能な無線マルチキャスト、ある1端末のみが受信可能な無線ユニキャストが存在するが、本発明の実施形態においては、無線ブロードキャスト、もしくは無線マルチキャストを用いることが望ましい。図示の例では、距離に応じた3種類の映像情報を、無指向性アンテナを介して、無線ブロードキャストにて継続的に送信しているものとする。
【0013】
無線局31a〜31dは、映像送信装置11からの映像情報を表示端末51により受信、表示するために必要な識別情報(後述する図5(B)参照)を配布する。すなわち、無線局は、自局が設置された場所が、映像送信装置11から近い距離である場合は、近距離用の識別情報、中程度の距離である場合は、中距離用の識別情報、距離が遠い場合は、遠距離用の識別情報を配布する。本例では、無線局31a、31bは近距離用の識別情報、無線局31cは中距離用の識別情報、無線局31dは遠距離用の識別情報を配布している。無線局31a〜31dは、識別情報を、無指向性アンテナを介して、無線ブロードキャストにて送信する。尚、無線局31a〜31dが配布すべき識別情報の種類は、予め固定的に設定しても良いし、映像送信装置11からの通知によって動的に設定しても良い。
【0014】
上述したように、図4において、利用者により所持される表示端末51は右下より中央に向かい、その後、映像送信装置11に向かって移動していく。まず表示端末51は、右下の無線局31dより、遠距離用の識別情報を受信する。しかし、識別情報を受信していても、表示端末51は、指向性アンテナを介して映像送信装置11と無線通信可能な状態になっていなければ、映像情報を識別および受信するための処理を行わない。すなわち、表示端末51が映像送信装置11とは異なる方向を向いている場合、映像情報の再生表示は開始されない。続いて、遠距離用の識別情報を記憶した状態で、表示端末51が映像送信装置11の方向に向く。このとき、表示端末51は、指向性アンテナを介して映像送信装置11と無線通信可能な状態となり、無線局から受信した遠距離用の識別情報を用いて、映像送信装置11との間で遠距離用の映像情報を受信するための接続処理(アソシエーション処理)を開始し、遠距離用の映像情報を受信して表示する。
【0015】
更に、表示端末51が映像送信装置11に近づいていくと、無線局31cから中距離に応じた識別情報を受信し、先に取得した遠距離用の識別情報を中距離用の識別情報によって更新し、更新後の識別情報を用いて、映像送信装置11と接続し、中距離用の映像情報を受信および表示する。この際、遠距離用の識別情報を用いて確立した接続は、切断する。
【0016】
更に、表示端末51が映像送信装置11に近づいていくと、無線局31bから近距離に応じた識別情報を受信し、現在の中距離用の識別情報を近距離用の識別情報によって更新し、更新後の識別情報を用いて、映像送信装置11と接続し、近距離用の映像情報を受信および表示する。この場合も、中距離用の識別情報を用いて確立した接続は、切断する。
【0017】
このようにして、表示端末51は、映像送信装置11からの距離に応じて、異なる映像情報を表示していく。
【0018】
図1は、本発明の第1の実施形態における表示端末51の構成を示している。表示端末51は、無指向性アンテナ52、指向性アンテナ53、無線通信処理部54、識別情報更新部55、識別情報記憶部56、識別制御部57、無線通信処理部58、画面生成部59、出力インターフェース60、ディスプレイ61によって構成される。
【0019】
無指向性アンテナ52および指向性アンテナ53は、それぞれ無線通信処理部54および無線通信処理部58に接続されている。指向性アンテナ53は、電波の受信範囲に指向性を持たせることができるもので、本発明の第1の実施形態においては、表示端末51の前方向からの電波を受信できるように、表示端末51本体前方部に取り付けることが望ましい。無線通信処理部58、54は、IEEE802.11やBluetooth等の無線規格に従った通信処理を実施する。以後の説明においては、無指向性アンテナ52に関連付けられた無線通信処理部54、指向性アンテナ53に関連付けられた無線通信処理部58が、双方ともIEEE802.11の手順に従った無線通信を行う場合の動作例を示すが、本発明は他の無線規格を用いた場合も、同様の手順を用いて、実施することが可能である。また、無線通信処理部54、58は、アンテナ52、53から受信したアナログ信号の電波を、デジタル信号に変換し、誤り検査を行った上で、無線パケットとして取得する処理を主に行う。
【0020】
識別情報更新部55は、無線局から配布される識別情報(図5(B)参照)を、無指向性アンテナ52を介して受信した場合に、識別情報記憶部56の内容を最新状態に更新する制御を行う。識別情報記憶部56は、無線局より受信した識別情報を記憶する。識別制御部57は、指向性アンテナ53を介して映像送信装置11と無線通信が可能になった場合に、識別情報記憶部56から識別情報を取得して、この識別情報に関連付けられた映像情報を受信するための制御を行う。
【0021】
画面生成部59は、映像送信装置11からの映像情報を、指向性アンテナ53を介して受信した場合に、出力用画面情報の生成を行う。すなわち、MPEG(Moving Picture Experts Group)やH.264等の圧縮映像を受信した場合は、動画の復号処理を実施する。この他、JPEG(Joint Photographic Experts Group)等の圧縮画像を受信した場合は、静止画の復号処理を実施する。無論、画面生成部59は、無圧縮のビットマップ画像も取り扱うことができる。出力インターフェース60は、画面生成部59から取得した出力用画面情報を元に、出力処理を実施する。ディスプレイ61は、映像送信装置11から受信した映像情報を表示する。
【0022】
図2は、本発明の第1の実施形態における映像送信装置11の構成を示している。映像送信装置11は、無指向性アンテナ12、無線通信処理部13、識別情報記憶部14、映像情報送信部15によって構成される。
【0023】
無線通信処理部13は、表示端末51と同様に、IEEE802.11やBluetooth等の無線規格に従った通信処理を実施する。識別情報記憶部14は、自装置を特定するための映像送信装置識別子や、距離に応じて映像情報をグループ化して区別するためのグループ識別子などから構成される識別情報を記憶する(後述する図5(A)参照)。映像情報送信部15は、映像情報を識別情報に関連付けた上で、無線通信処理部13を介して送信する。各識別情報に対応する映像情報は、図示しない映像情報記憶部に、識別情報に関連づけられて格納されている。この他、図示しない有線通信処理部から受信した映像情報を、無線通信処理部を介して送信することも考えうる。尚、映像情報送信部15が取り扱う映像情報は、MPEG等の動画像の他、JPEG等の静止画像も含むことができる。
【0024】
図3は、本発明の第1の実施形態における無線局31a〜31dの構成を示している。無線局31a〜31dは、無指向性アンテナ32、無線通信処理部33、識別情報記憶部34、識別情報送信部35によって構成される。
【0025】
無線通信処理部33は、表示端末51と同様に、IEEE802.11やBluetooth等の無線規格に従った通信処理を実施する。識別情報記憶部34は、映像送信装置11を特定するための映像送信装置識別子や、自局の位置に対応した映像情報を識別するためのグループ識別子などから構成される識別情報を記憶する(後述する図5(B)参照)。識別情報送信部35は、識別情報記憶部34から識別情報を取得し、無線通信処理部33を介して送信する。
【0026】
図5(A)は映像送信装置11における識別情報記憶部14の構成例、図5(B)は無線局31a〜31dにおける識別情報記憶部34の構成例を示すものである。前述のように、本発明の第1の実施形態においては、無線通信処理部がIEEE802.11の手順に従った処理を行う。図4に示したように、映像送信装置11が、近距離用の映像情報、中距離用の映像情報、遠距離用の映像情報の3種類の映像情報を送信している場合、同様に識別情報も3種類となる。
【0027】
図5(A)および図5(B)に示すように、識別情報は、映像送信装置識別子、グループ識別子、認証情報、固有情報とで構成される。映像送信装置識別子は、映像送信装置11を識別するものであり、MAC(Mediamu Access Control)アドレス等の一意に機器を特定可能な識別子である。無線LANアクセスポイント(映像送信装置11)のMACアドレスは、BSSID(Basic Service Set IDentifier)とも呼ばれる。グループ識別子は、複数の映像情報を区別するものであり、SSID(Service Set IDentifier)のように、無線LANアクセスポイントとして動作する映像送信装置11と無線LANクライアントして動作する表示端末51を始めとする複数の表示端末をグループ化するために用いる。認証情報は、グループ識別子に関連付けられ、映像送信装置11が送信する映像情報を暗号化するものであり、WEP(Wired Equivalent Privacy)鍵等、無線LANにおいてMACデータフレームを暗号化する識別子である。表示端末51側では、映像情報毎に正しい認証情報(WEP鍵)を持っていないと、暗号化された映像情報の受信と表示を正常に行うことが出来ない。固有情報は、映像情報に関する補足的な情報(たとえばコンテンツのタイトル情報や、格納場所)である。
【0028】
図5(A)では、近距離用の映像情報に対して、グループ識別子(SSID)が“Red”、認証情報(WEP鍵)が“redwepkey1234”の情報を関連付けている。同様に、中距離用の映像情報、遠距離用の映像情報にも各々の識別情報が関連付けられる。ここで、映像送信装置11は、例えば近距離用の映像情報を送信する際には、MACデータフレームに対して、“redwepkey1234”の鍵情報によるWEP暗号処理を実施した上で、無線通信処理部13を介して送信する。中距離用映像情報、遠距離用映像情報に対しても、対応する認証情報を元に、暗号化を施したMACデータフレームを、無線ブロードキャストにて送信する。映像送信装置識別子は、全て自装置(ここでは映像送信装置11)のMACアドレス(BSSIDと同義)である。各映像情報は、上述したように図示しない映像情報記憶部に格納されており、グループ識別子、認証情報、固有情報またはこれらの組み合わせをキーとして、識別情報記憶部14内の識別情報との関連づけが行われている。
【0029】
図5(B)に示す無線局31a〜31dにおける識別情報記憶部34の内容は、自局が設置された位置に応じて異なる。図4の例の場合、右下の無線局31dは、映像送信装置11から遠い場所に位置しているため、遠距離用の映像情報を受信および表示するための識別情報を記憶している。図5(B)に示した識別情報記憶部14の構成は、映像送信装置11から遠い距離に設置された無線局31dのものである。無線局31a〜31dは、一定の周期毎に、自局が持つ識別情報を、無線通信処理部33を介して送信する。無線局31a〜31dは、図5(C)に示すように、映像送信装置識別子、グループ識別子、認証情報、固有情報からなる識別情報に、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)ヘッダや、MACヘッダといった通信制御用ヘッダを付加して送信する。識別情報には種別の情報を含めてもよく、種別は、該通信パケットが映像送信装置に関する識別情報であることを示す一意に定まる識別子である。なお本実施形態では、固有情報は表示端末側では特に用いない。
【0030】
図6に、本発明の第1の実施形態における通信処理の流れを示す。
【0031】
映像送信装置11は、自装置からの距離に応じて異なる3種類の映像情報を、無指向性アンテナ12を介して、無線ブロードキャストにて送信している(S11〜S13)。映像情報と識別情報は、図5(A)に示したような対応付けを行っているものとする。従って、近距離用の映像情報には、グループ識別子(SSID)として“Red”、認証情報(WEP鍵)として“redwepkey1234”を含む識別情報を割り当てる。近距離用映像情報の送信時には、認証情報(WEP鍵)に基づいた暗号化処理を施すことにより、表示端末51は、近距離用の無線局から、対応する識別情報を受信していない場合は、映像情報の内容を受信表示することが出来ない。
【0032】
無線局31a〜31dは、周期的に、無指向性アンテナ32を介して、識別情報を無線ブロードキャストにて送信する。無線局31a〜31dが送信する識別情報に対しては、暗号化を施さず、受信した表示端末全てが、制限なく内容を解析可能であることが望ましい。図6の例では、表示端末51が、映像送信装置11から遠い距離にいる無線局31dから、遠距離用識別情報を受信した場合を示している(S14)。この時、無線局31dの識別情報記憶部34の構成は、図5(B)の識別情報記憶部の構成例に対応しており、無線局31dは遠距離用識別情報を配布している。
【0033】
本発明の第1の実施形態において、表示端末51は、無線局より識別情報を受信しても、映像送信装置11からの映像情報を、指向性アンテナ53を介して受信できる状態になければ、映像の表示を行わない。すなわち、映像送信装置11は周期的にビーコン情報等を送信しており(S15)、表示端末51は、指向性アンテナ53を介して、映像送信装置11からビーコン情報等を受信した場合に、映像情報を受信可能な距離および方位に位置することを認識する(S16)。尚、IEEE802.11の規格によれば、MAC層におけるデータフレームは暗号化処理の対象となり、ビーコンフレーム等の管理フレームは暗号化を行わない。従って、表示端末51はビーコン情報に関しては、識別情報を用いなくても、内容を解析することが可能である。
【0034】
表示端末51は、指向性アンテナ53を介して、ビーコン情報を受信すると、その送信元MACアドレスと一致する識別情報を、識別情報記憶部56(無線局から取得した最新の識別情報が記憶されている)から取得する。そして、識別情報に含まれるグループ識別子(SSID)および認証情報(WEP鍵)を元に、ビーコン情報を送信した映像情報送信装置との間で、アソシエーション処理(接続処理)を開始する(S17)。すなわち、映像送信装置は、表示端末から距離の指定(SSID)等を含む接続要求を受け、表示端末との間で接続処理を行う。映像送信装置は、表示端末から距離の指定を含む接続要求を受けて表示端末と接続する接続手段を含む。アソシエーションが完了すると、表示端末51は、上記グループ識別子(SSID)に関連する映像情報を含むMACデータフレームを受信し、受信したMACデータフレームを、関連するWEP鍵により復号することで、自端末の位置に応じた映像情報を表示することができる。
【0035】
図示の例では、表示端末51は、遠距離用の識別情報(SSIDが“Blue”)を用いて、映像送信装置11に接続を行い、暗号化された遠距離用の映像情報を受信し、復号処理を行った上で表示する。尚、表示端末51が、遠距離用の映像情報に加えて、中距離用の映像情報を受信しても、無線局より配布された識別情報によって、1つの映像情報のみ選択して受信・表示することになる。このため、無線局31a〜31dが配布する識別情報は、1つの映像送信装置11に対して、1種類であることが望ましい。この場合、表示端末51は、無線局より識別情報を受信する度に、1つの映像送信装置11に対して、1種類の識別情報のみを記憶するよう、識別情報の更新処理を行う。あるいは、表示端末51が、1つの映像送信装置11に対して、複数種類の識別情報を記憶する場合は、GUI(Graphical User Interface)を通じたユーザからの選択、あるいはビーコン情報の受信強度を元に、アソシエーションを行うべきグループ識別子を決定する方法等を用いても良い。
【0036】
ところで、本発明の第1の実施形態においては、表示端末51の指向性アンテナ51に関連付けられた無線通信処理部58と、映像送信装置11の無指向性アンテナ12に関連付けられた無線通信処理部13とが接続を行う。そして、表示端末51が、映像送信装置11の映像情報を受信出来なくなった場合は、映像送信装置11と通信可能な範囲から外れたと判断する。尚、映像情報の送受信に当たっては、映像送信装置に指向性アンテナを持たせ、表示端末51の無指向性アンテナに関連付けられた無線通信処理部と、映像送信装置11の指向性アンテナに関連付けられた無線通信処理部とが接続を行って実現することも可能であるが、この場合は、映像送信装置11から特定の方角のみ映像を配信するよう制限されてしまうため、多数の表示端末51が多方面に存在するようなシステムを実現することが困難となる。
【0037】
ここで、映像送信装置11の無線通信処理部13と、無線局31a〜31dの無線通信処理部33と、表示端末51の指向性アンテナ53および無指向性アンテナ52に関連付けられた無線通信処理部58、54とが、全て同一の周波数チャネルを利用する場面について考える。
【0038】
表示端末51の位置や角度によっては、指向性アンテナ53から無線局31a〜31dの識別情報を受信したり、無指向性アンテナ52から映像送信装置11のビーコン情報を受信したりする場合がある。そこで本発明の第1の実施形態においては、表示端末51は、無指向性アンテナ52に対しては無線局31a〜31dから配布される識別情報のみ有効とみなし、指向性アンテナ53に対しては映像送信装置11のビーコン情報や映像情報のみ有効とみなすとする。尚、映像送信装置11と、表示端末51の指向性アンテナ側の無線通信処理部58とを対に、無線局31a〜31dと表示端末51の無指向性アンテナ側の無線通信処理部54とを対にし、各対毎にして無線周波数のチャネル割り当てを行う場合は、アンテナ毎に受信情報の有効・無効の判定を行う必要はない。
【0039】
図7は、表示端末51の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0040】
表示端末51は、無指向性アンテナ52から無線パケットを受信したら、その内容を調べ、識別情報が含まれていたときは、その識別情報により識別情報記憶部56を更新する(S21、S22)。一方、表示端末51は、指向性アンテナ53から無線パケットを受信し、その内容がビーコン情報であったときは、映像送信装置11と通信可能であると判断し、無線局から受信した識別情報に対応した映像送信装置11の識別情報を記憶しているかどうかを判断する(S23)。記憶していないときは、すなわち無線局からまだ識別情報を取得していないときはステップS21に戻る。記憶しているときは、映像送信装置11に記憶している識別情報をもとに接続し、映像送信装置11から前記識別情報に対応する映像情報を受信して表示する(S24)。
【0041】
図8は、映像送信装置11の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0042】
映像送信装置11は、図示しない映像情報記憶部に記憶してある各映像情報を、それぞれ別個の識別情報に関連付けて送信する(S31)。
【0043】
図9は、無線局31a〜31dの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0044】
無線局31a〜31dは、識別情報記憶部内の識別情報を周期的に送信する(S41)。無線局31a〜31dが配布する識別情報は、固定的に割り当てても良いし、映像送信装置11から動的に通知制御しても良い。
【0045】
以上のように、本発明の第1の実施形態によれば、表示端末51の方向、表示端末51と映像送信装置11の距離に応じて、異なる映像情報を、表示端末51側で表示させることが可能となる。
【0046】
(第2の実施形態)
上述した本発明の第1の実施形態においては、映像送信装置が無指向性アンテナを備え、表示端末が指向性アンテナと無指向性アンテナ双方を備える場合の例を示した。これに対し、本発明の第2の実施形態では、映像送信装置が指向性アンテナと無指向性アンテナ双方を備え、表示端末が無指向性アンテナのみを備える場合の例を説明する。
【0047】
図10は、本発明の第2の実施形態における表示端末71の構成例を示す。
【0048】
表示端末71は、無指向性アンテナ72、無線通信処理部73、識別情報更新部74、識別情報記憶部75、識別制御部76、画面生成部77、出力インターフェース78、ディスプレイ79を備える。
【0049】
表示端末71は、無指向性アンテナ72に関連付けられた無線通信処理部73を介して、無線局から識別情報を受信すると、識別情報更新部74が識別情報記憶部75の内容を更新する。また、無線通信処理部73を介して、映像送信装置からの補助識別情報(後述)を受信した場合は、映像情報を受信表示するための識別制御を識別制御部76が実施する。補助識別情報は、映像送信装置の無指向性アンテナに接続するための情報である。各要素のその他の処理は図1の同一名称の要素と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0050】
図11は、本発明の第2の実施形態における映像送信装置81の構成を示す図である。
【0051】
映像送信装置81は、無指向性アンテナ82、指向性アンテナ83、それぞれのアンテナに関連付けられた無線通信処理部84、85、映像情報送信部86、識別情報記憶部87、補助識別情報送信部88を備える。無指向性アンテナ82および無指向性アンテナ82に関連付けられた、無線通信処理部84および映像情報送信部86で行われる処理は、本発明の第1の実施形態と同様であり、よってここではそれらの説明を省略する。本発明の第2の実施形態において追加された補助識別情報送信部88は、指向性アンテナ83を介して、無指向性アンテナ82に関連づけられた無線通信処理部84のMACアドレスを含む補助識別情報を送信する。補助識別情報の詳細は後述する。
【0052】
本発明の第1の実施形態においては、映像送信装置に無指向性アンテナのみを備えさせ、表示端末側に指向性アンテナを備えさせることにより、方向の検出を行っていた。すなわち、ビーコン情報を、指向性アンテナを介して受信すると、表示端末は、映像送信装置81が特定の方向に位置することを判定し、ビーコン情報の送信元MACアドレス(映像送信装置識別子)を含む識別情報をもとに、映像送信装置との接続を行っていた。
【0053】
これに対し、本発明の第2の実施形態では、表示端末71が指向性アンテナを備えないため、表示端末71が映像送信装置81の無指向性アンテナ82を介して送信されたビーコン情報を受信しても、映像送信装置81が特定の方向に位置すると断定できない。また、映像送信装置が指向性アンテナ83を介して送信したビーコン情報を受信しても、ビーコン情報の送信元は、指向性アンテナ83に関連付けられた無線通信処理部85のMACアドレス(BSSID)である。このため、表示端末71は、映像情報を送信する無指向性アンテナ82に関連づけられた無線通信処理部84のMACアドレスは未知であり、映像情報を受信するための接続処理を無線通信処理部84との間で行うことができない。
【0054】
そこで、本発明の第2の実施形態では、映像送信装置81は、指向性アンテナ83を介して、無指向性アンテナ82に関連付けられた無線通信処理部84に関する情報(補助識別情報)を送信する。送信する補助識別情報の一例を図12に示す。通信ヘッダは、TCP/IPヘッダおよびMACヘッダから構成される。種別は、映像送信装置81からの補助識別情報であることを示す一意の識別子である。映像送信装置識別子は、無指向性アンテナ82に関連付けられた無線通信処理部84のMACアドレス(BSSID)である。無線通信処理部84のMACアドレス(BSSID)は識別情報記憶部87から取得する。
【0055】
図13は、本発明の第2の実施形態における通信処理の流れを示す図である。
【0056】
映像送信装置81は、近距離用と、中距離用、遠距離用の3種類の映像情報を無指向性アンテナ82を介して、無線ブロードキャストにて送信する(S51〜S53)。本発明の第1の実施形態にて述べたように、映像情報は、無線マルチキャストによる送信を用いても良い。近距離用映像情報にはグループ識別子(SSID)が“Red”、中距離用映像情報にはグループ識別子(SSID)が“Green”、遠距離用映像情報にはグループ識別子(SSID)が“Blue”の識別情報を関連付ける。
【0057】
表示端末71は、無線局より、遠距離用の映像情報Cに関する識別情報を受信する(S54)。映像送信装置81は、指向性アンテナ83を介して補助識別情報を送信し(S55)、表示端末71は、映像送信装置81の指向性アンテナ83を介して送信された、映像送信装置81からの補助識別情報を受信した場合(S56)、映像送信装置81が特定の方向に位置し、映像送信装置81と通信可能であることを判定する。すなわち、本発明の第2の実施形態では、第1の実施形態と異なり、映像送信装置81の無指向性アンテナ82を介して送信されたビーコン情報を、表示端末71が受信しても、映像送信装置81が特定の方向に位置したとは判断しない。
【0058】
上述したように、映像送信装置81が送信した補助識別情報には、映像送信装置81の無指向性アンテナ82に関連付けられた無線通信処理部84のMACアドレス(BSSID)が記載されている。表示端末71は、無線局と映像送信装置81双方から、対になった識別情報および補助識別情報を受信した場合に、映像送信装置81の無線通信処理部84に対して接続処理(アソシエーション処理)を開始する(S57)。このように、表示端末71は、補助識別情報を受信したら、映像情報を受信および表示可能であると判断し、映像送信装置81に対して接続する。補助識別情報は、上述したように、映像送信装置の無指向性アンテナに接続するための情報である。本例では、表示端末71は、遠距離用の映像情報Cを受信するために、グループ識別子(SSID)“Blue”を元に、接続処理を行う。接続が完了すると、遠距離に応じた映像情報Cを受信、再生表示することが可能となる。
【0059】
尚、本発明の第2の実施形態では、映像送信装置81は、補助識別情報を、周期的に無線ブロードキャストにて送信する。無線局が送信する識別情報と同様、暗号化処理等は行わず、受信した表示端末が制限なく内容を解析できることが望ましい。また、表示端末71は、映像送信装置81の無指向性アンテナ82を介して送信される映像情報の受信ができなくなった場合に、映像送信装置81が通信可能な範囲から外れたと判断する。
【0060】
図14は、本発明の第2の実施形態における表示端末71の処理の流れを示すフローチャートである。
【0061】
表示端末71は、無線局から識別情報を受信した場合は、識別情報記憶部75を更新する(S61、S62)。表示端末71は、映像送信装置81から補助識別情報を受信した場合は、該補助識別情報に記載されている映像送信装置識別子と同一の識別子をもつ、無線局からの識別情報を記憶しているかを確認する(S63)。該識別情報を記憶していれば、表示端末71は、グループ識別子および認証情報等を用いて、映像送信装置81と接続処理を行い、映像情報を受信し表示する(S64)。
【0062】
図15は、本発明の第2の実施形態における映像送信装置81の処理の流れを示すフローチャートである。
【0063】
映像送信装置81は、補助識別情報を指向性アンテナ83から送信する(S71)。また、映像送信装置81は、識別情報に関連づけられた映像情報を無指向性アンテナ82から送信する(S72)。
【0064】
尚、無線局の構成、および処理内容は、本発明の第1の実施形態で示したものと同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0065】
以上のように、本発明の第2の実施形態によれば、表示端末71が指向性アンテナを備えず映像送信装置81が指向性アンテナを備える場合であっても、表示端末71の方向、表示端末71と映像送信装置81の距離に応じて、異なる映像情報を、表示端末側で表示させることができる。
【0066】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態は、映像送信装置からの距離が同じであっても、表示端末が移動してきた経路に応じて、異なる映像情報を再生表示しようとするものである。映像送信装置、無線局、表示端末は、第1の実施形態、もしくは第2の実施形態にて述べた構成を有し、以下の説明では第1の実施形態で述べた構成を有するとする。
【0067】
図16に、本発明の第3の実施形態に関するシステム構成の例を示す。
【0068】
図16において、映像送信装置11は、自装置から中距離の範囲に対して、第1の中距離用映像情報と第2の中距離用映像情報の2種類の映像情報を送信しているものとする。右側の無線局31fは、第1の中距離用映像情報に関する識別情報を配布する。一方、左側の無線局31eは、第2の中距離用映像情報に関する識別情報を配布する。表示端末51は、移動途中に右側の無線局31fより識別情報を受信すると、映像送信装置11が視界の範囲(通信可能範囲)に入った際に、移動経路に固有な映像情報を受信し、表示することが可能となる。
【0069】
以上のように、本発明の第3の実施形態によれば、表示端末の方向、表示端末と映像送信装置の距離に加え、表示端末の移動経路に依存して、異なる映像情報を、表示端末側で表示させることができる。
【0070】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の第1の実施形態に係わる表示端末の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の第1の実施形態に係わる映像送信装置の構成を示すブロック図。
【図3】本発明の第1の実施形態に係わる無線局の構成を示すブロック図。
【図4】本発明の第1の実施形態に係わる無線通信システムを示す図。
【図5】本発明の第1の実施形態に係わる識別情報記憶部の構成例を示す図。
【図6】本発明の第1の実施形態に係わる通信処理のシーケンス図。
【図7】本発明の第1の実施形態の表示端末の動作を示すフローチャート。
【図8】本発明の第1の実施形態の映像送信装置の動作を示すフローチャート。
【図9】本発明の第1の実施形態の無線局の動作を示すフローチャート。
【図10】本発明の第2の実施形態に係わる表示端末の構成を示すブロック図。
【図11】本発明の第2の実施形態に係わる映像送信装置の構成を示すブロック図。
【図12】本発明の第2の実施形態に係わる映像送信装置の送信する識別情報の図。
【図13】本発明の第2の実施形態に係わる通信処理のシーケンス図。
【図14】本発明の第2の実施形態の表示端末の動作を示すフローチャート。
【図15】本発明の第2の実施形態の映像送信装置の動作を示すフローチャート。
【図16】本発明の第3の実施形態に係わる無線通信システムを示す図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像情報を送信する映像送信装置と、
前記映像送信装置から送信された映像情報を受信して表示する表示端末と、
前記映像送信装置と自局との間の距離に応じて、その距離と関連付けられた識別情報を前記表示端末に送信する1つ以上の無線局と
を備えた無線通信システムであって、
前記映像送信装置は、前記表示端末が表示すべき映像情報を、前記映像送信装置からの距離に応じて複数生成し、前記識別情報と関連付けて送信し、
前記表示端末は、前記映像送信装置から送信された複数の映像情報のうち、前記無線局のひとつから受信した識別情報に対応する映像情報を受信して表示する
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
前記映像送信装置は、第1の無指向性アンテナを有し、前記第1の無指向性アンテナを介して前記映像情報を送信し、
前記表示端末は第2の無指向性アンテナと、第2の指向性アンテナとを有し、
前記第2の無指向性アンテナを介して前記識別情報を受信し、前記第2の指向性アンテナを介して前記映像送信装置から前記映像情報を受信することを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記映像送信装置は、前記第1の無指向性アンテナを介してビーコン情報を送信し、
前記表示端末は前記第2の指向性アンテナを介してビーコン情報を受信した場合に前記映像送信装置と接続を行い、前記受信した識別情報に対応する映像情報を前記映像送信装置から受信し表示することを特徴とする請求項2に記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記映像送信装置は
第1の無指向性アンテナと、第1の指向性アンテナとを有し、
前記第1の無指向性アンテナを介して前記映像情報を送信し、
前記第1の無指向性アンテナに接続するための補助識別情報を、前記第1の指向性アンテナを介して送信し、
前記表示端末は、第2の無指向性アンテナを有し、
前記第2の無指向性アンテナを介して前記映像送信装置から前記補助識別情報を受信したら前記映像送信装置に接続し、前記受信した識別情報に対応する映像情報を前記第2の無指向性アンテナを介して受信し表示することを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項5】
前記映像送信装置は、前記表示端末が表示すべき映像情報を、前記映像送信装置からの距離毎に、前記表示端末が前記距離に達するまでの経路に関連づけて、複数生成し、
前記無線局は、前記映像送信装置と自局との間の距離と、自局が設置された経路との組に関連づけられた前記識別情報を送信する、
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の無線通信システム。
【請求項6】
映像送信装置と自局との間の距離に応じて、その距離と関連付けられた識別情報を送信する1つ以上の無線局から前記識別情報を受信する表示端末と通信する映像送信装置であって、
前記表示端末が表示すべき映像情報を、前記表示端末からの距離に応じて複数生成する映像情報生成手段と、
各前記映像情報に関連づけられた識別情報を記憶する識別情報記憶手段と、
前記表示端末から前記識別情報を含む接続要求を受け、前記表示端末と接続する接続手段と、
前記識別情報に関連づけられた映像情報を前記表示端末に送信する映像情報送信手段と、
を備えたことを特徴とする映像送信装置。
【請求項7】
第1の無指向性アンテナと、
第1の指向性アンテナと、
前記第1の無指向性アンテナに接続するための補足識別情報を、前記第1の指向性アンテナを介して送信する補助識別情報送信手段と、を備え、
前記接続手段は、前記第1の無指向性アンテナを介して、前記補助識別情報を受信した表示端末からの前記接続要求を受け、
前記映像情報送信手段は、前記第1の無指向性アンテナを介して前記映像情報を前記表示端末に送信する
ことを特徴とする請求項6に記載の映像送信装置。
【請求項8】
前記映像情報生成手段は、前記表示端末が表示すべき映像情報を、前記表示端末からの距離毎に、前記表示端末が前記距離に達するまでの経路に関連づけて、複数生成することを特徴とする請求項6または7に記載の映像送信装置。
【請求項9】
表示端末が表示すべき映像情報を、前記表示端末からの距離に応じて複数生成し、識別情報と関連づけて送信する映像情報送信装置から1つの映像情報を受信して表示する表示端末、と通信する無線局であって、
前記映像送信装置と自局との間の距離に応じて、その距離と関連付けられた前記識別情報を記憶する識別情報記憶手段と、
前記識別情報記憶手段内の前記識別情報を前記表示端末に送信する識別情報送信手段と、
を備えたことを特徴とする無線局。
【請求項10】
前記映像送信装置は、前記表示端末が表示すべき映像情報を、前記映像送信装置からの距離毎に、前記表示端末が前記距離に達するまでの経路に関連づけて、複数生成し、
前記識別情報記憶手段は、前記映像送信装置と自局との間の距離と、自局が設置された経路との組に関連づけられた前記識別情報を記憶する、
ことを特徴とする請求項9に記載の無線局。
【請求項11】
表示端末が表示すべき映像情報を、前記表示端末からの距離に応じて複数生成し、識別情報と関連づけて送信する映像情報送信装置と通信する表示端末であって、
前記映像送信装置と自局との間の距離に応じて、その距離と関連付けられた識別情報を送信する1つ以上の無線局から前記識別情報を受信する第1の受信手段と、
前記映像送信装置から送信された複数の映像情報のうち、前記無線局のひとつから受信した識別情報に対応する映像情報を受信する第2の受信手段と、
受信された映像情報を表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とする表示端末。
【請求項12】
第2の無指向性アンテナと第2の指向性アンテナとを備え、
前記第1の受信手段は、前記第2の無指向性アンテナを介して前記識別情報を受信し、
前記第2の受信手段は、前記第2の指向性アンテナを介して前記映像送信装置から前記映像情報を受信する
ことを特徴とする請求項11に記載の表示端末。
【請求項13】
前記第2の受信手段は、前記映像送信装置から前記第2の指向性アンテナを介してビーコン情報を受信したら、前記映像送信装置に接続し、前記映像送信装置から前記映像情報を受信する
ことを特徴とする請求項12に記載の表示端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−164701(P2009−164701A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−339474(P2007−339474)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】