説明

映像配信システム、端末装置、プログラム、及び映像配信方法

【課題】映像コンテンツの不正コピーを防止しながら、携帯端末が保持するコンテンツを他の映像再生端末上で高精細映像として視聴する方法等を提供する。
【解決手段】コンテンツサーバ100に蓄積された映像コンテンツの基本レイヤストリームデータを携帯端末200上に転送する。携帯端末200は、映像再生端末300に拡張レイヤストリームデータの情報を通知すると共に基本レイヤストリームデータを送信する。映像再生端末300は、基本レイヤストリームデータを受信すると共に拡張レイヤストリームデータをコンテンツサーバ100から取得し再生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像配信システム等に関し、特に端末装置間で複数の伝送方法を用いて映像を配信するシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地上波デジタル放送、BS(Broadcasting Satellite)デジタル、CS(Communications Satellite)デジタル放送等の高解像度デジタル放送サービスが開始されている。また、プラズマテレビ、液晶テレビの高性能化と低価格化が進んだことにより、家庭でもHDTV(High Definition Television)の視聴環境が普及しつつある。同時に、ハードディスクドライブ等の大容量記憶デバイスを搭載した映像記録機器が販売され、個人でも高精細映像コンテンツを蓄積し、視聴することが一般的になっている。
【0003】
しかしながら、録画したコンテンツを視聴する場合、コンテンツの再生時間の間、自宅のTVを視聴し続ける必要があり、現実的ではない。
【0004】
この問題点の解決策として、例えば、特許文献1に示すような技術があった。この技術では、視聴したいコンテンツをサーバから携帯端末に転送して持ち運び、移動中には携帯端末上で映像を視聴することを可能にする。また、外出先に据え置きTVのようなコンテンツ再生端末が存在するときは、再生開始の指示を受けたコンテンツ再生端末は、携帯端末からコンテンツを保持するサーバの情報とコンテンツの再生を中断した位置情報を受け取る。コンテンツ再生端末は、コンテンツが存在するサーバに再生中断位置からの映像配信を要求する。この時、要求する映像は、コンテンツ再生端末の能力に合わせた高解像度のコンテンツである。これにより、コンテンツ再生端末と連携し、携帯端末で視聴するよりも高品質なコンテンツを再生中断位置から継続視聴することが可能になる。
【0005】
また特許文献2には、蓄積メディアを前提としているため拡張レイヤストリームのパケットの到着が遅れた場合には再生映像が停止することについて開示されている。
【0006】
更に特許文献3には、端末認証によって認証されていない端末での拡張レイヤストリーム信号(高解像度映像)の不正な再生を防止することができることについて開示されている。
【特許文献1】特開2007‐74529号公報
【特許文献2】特表2006‐511148号公報
【特許文献3】特開2005‐136762号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来の技術では、コンテンツ再生端末は、再生に必要な全ての高解像度コンテンツデータをサーバから取得する必要がある。これはサーバ上に保存されたコンテンツをコンテンツ再生端末上にコピーすることと同じ処理である。そのため、コンテンツのコピーにつながる当該処理は、著作権等の権利保護の関係上認められない可能性がある。また、高解像度コンテンツデータは、16〜40Mbpsと非常高いビットレートでエンコードされているため、コンテンツのコピーには、広帯域ネットワークを用いたストリーミングか、長い時間がかかるコンテンツのダウンロードを行う必要があった。コンテンツ再生端末とサーバとの間が従量制課金のネットワークであれば、多額のコストが発生することになる。更に、全てのコンテンツをネットワーク経由でサーバから取得しているため、再生中にネットワーク帯域の減少や伝送ルートの変更等に起因する一時的な通信途絶が発生した場合は、再生映像が停止する等の大きな品質劣化が発生する問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、その目的の一例は、映像再生端末で著作権を保護しつつ高画質映像を再生することを可能にする映像配信システム等を提供することにある。また、本発明の他の目的は、ネットワーク品質の変動が発生した場合でも安定した映像の表示を可能にする映像配信システム等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、映像コンテンツは、単独で再生可能な基本映像信号と、当該基本映像信号の画質を高めるための拡張映像信号と、により構成されており、前記映像コンテンツを蓄積し前記基本映像信号と前記拡張映像信号とを互いに独立して配信することが可能な映像コンテンツ蓄積サーバ装置と、当該映像コンテンツ蓄積サーバ装置から前記基本映像信号を受信して蓄積する映像コンテンツ携帯端末装置と、当該映像コンテンツ携帯端末装置からの指示を受けて映像を再生する映像コンテンツ再生端末装置と、を備え、前記基本映像信号を前記映像コンテンツ携帯端末装置から受信し、前記拡張映像信号を前記映像コンテンツ蓄積サーバ装置から受信して前記映像コンテンツ再生端末装置が再生する映像を生成することを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の映像配信システムにおいて、前記映像コンテンツ再生端末装置は、前記拡張映像信号の識別子を前記映像コンテンツ携帯端末装置から取得し、当該識別子を用いて前記拡張映像信号を前記映像コンテンツ蓄積サーバ装置に要求することを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、映像コンテンツは単独で再生可能な基本映像信号と当該基本映像信号の画質を高めるための拡張映像信号とにより構成されており、前記基本映像信号を受信する基本映像信号受信手段と、前記拡張映像信号を受信する拡張映像信号受信手段と、前記基本映像信号と前記拡張映像信号とから映像を生成する映像デコード手段と、を備え、互いに異なる経路により伝送される前記基本映像信号と前記拡張映像信号とを受信することを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の映像コンテンツ再生端末装置において、前記拡張映像信号の送信を、当該拡張映像信号を保持する前記映像コンテンツ蓄積サーバ装置又は前記映像コンテンツ携帯端末装置に対して要求する拡張映像信号要求手段を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の映像コンテンツ再生端末装置において、前記映像コンテンツの再生指示を前記映像コンテンツ携帯端末装置から受け付ける映像再生指示受付手段を備えることを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の映像コンテンツ再生端末装置において、前記映像再生指示受付手段は、前記映像コンテンツの再生指示に含まれる、拡張映像信号の取得に関する情報を読み出し、前記拡張映像信号要求手段は、当該情報に基づいて前記拡張映像信号を要求することを特徴とする。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の映像コンテンツ再生端末装置において、前記拡張映像信号要求手段は、前記情報に含まれる拡張映像信号の識別子を用いて、任意の階層の拡張映像信号を前記映像コンテンツ蓄積サーバ装置又は前記映像コンテンツ携帯端末装置に対して要求し、前記映像デコード手段は、複数の拡張映像信号のうち任意の階層までの拡張映像信号と基本映像信号とから映像を生成することを特徴とする。
【0016】
請求項8に記載の発明は、請求項3乃至7の何れか一項に記載の映像コンテンツ再生端末装置において、前記拡張映像信号を完全に受信できない場合には、前記デコード手段は受信した基本映像信号と受信できなかった最下位階層未満の拡張映像信号とを用いて映像を生成することを特徴とする。
【0017】
請求項9に記載の発明は、映像コンテンツは単独で再生可能な基本映像信号と当該基本映像信号の画質を高めるための拡張映像信号とにより構成されており、前記映像コンテンツを蓄積するコンテンツ蓄積手段と、前記基本映像信号を映像コンテンツ携帯端末装置へ送信する基本映像信号配信手段と、前記拡張映像信号を映像コンテンツ再生端末装置へ送信する拡張映像信号配信手段と、を備え、前記基本映像信号と前記拡張映像信号と互いに独立して配信することを特徴とする。
【0018】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の映像コンテンツ蓄積サーバ装置において、前記基本映像信号と前記拡張映像信号とを取得する端末装置が正当であるか否かを判断する端末認証手段と、前記端末認証手段における認証に必要な端末装置情報を記憶する認証情報記憶手段と、を備え、前記端末認証手段により認証された端末装置に対して前記基本映像信号の配信を可能にすることを特徴とする。
【0019】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の映像コンテンツ蓄積サーバ装置において、前記映像コンテンツを記憶するコンテンツ蓄積手段は、前記蓄積している基本映像信号の識別子と前記拡張映像信号の識別子とを保持し、前記認証情報記憶手段は、前記端末装置が利用可能な映像コンテンツと当該映像コンテンツの拡張映像信号の識別子とを記憶し、前記端末認証手段により正当であると認証された端末装置に対して前記拡張映像信号の識別子を送信することを特徴とする。
【0020】
請求項12に記載の発明は、映像コンテンツは単独で再生可能な基本映像信号と当該基本映像信号の画質を高めるための拡張映像信号とにより構成されており、前記基本映像信号を受信する基本映像信号受信手段と、前記基本映像信号受信手段により受信した基本映像信号を蓄積する映像信号蓄積手段と、前記映像コンテンツの再生を前記映像コンテンツ再生端末装置に指示する再生指示手段と、再生の指示を行った前記映像コンテンツ再生端末装置に前記基本映像信号を配信する基本映像信号配信手段と、を備え、前記受信して蓄積した映像コンテンツを選択し、前記映像コンテンツ再生端末装置以外の映像コンテンツ再生端末装置に対して再生の指示と基本映像信号の送信とを行うことを特徴とする。
【0021】
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の映像コンテンツ携帯端末装置において、端末認証を前記映像コンテンツ蓄積サーバ装置に対して要求する端末認証要求手段を備え、前記映像コンテンツ蓄積サーバ装置に対して端末認証を要求し、認証を受けて映像コンテンツを構成する基本映像信号を受信することを特徴とする。
【0022】
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の映像コンテンツ携帯端末装置において、前記映像コンテンツ蓄積サーバ装置から前記拡張映像信号の識別子を取得し、前記映像コンテンツの再生を前記映像コンテンツ再生端末装置に指示すると共に、前記拡張映像信号の識別子を送信することを特徴とする。
【0023】
請求項15に記載の発明は、請求項1又は2に記載の映像配信システムにおいて、前記基本映像信号は、映像スケーラブルコーデックの基本レイヤストリームであり、前記拡張映像信号は、拡張レイヤストリームであることを特徴とする。
【0024】
請求項16に記載の発明は、請求項3乃至8の何れか一項に記載の映像コンテンツ再生端末装置において、前記基本映像信号は、映像スケーラブルコーデックの基本レイヤストリームであり、前記拡張映像信号は、拡張レイヤストリームであることを特徴とする。
【0025】
請求項17に記載の発明は、請求項9乃至11の何れか一項に記載の映像コンテンツ蓄積サーバ装置において、前記基本映像信号は、映像スケーラブルコーデックの基本レイヤストリームであり、前記拡張映像信号は、拡張レイヤストリームであることを特徴とする。
【0026】
請求項18に記載の発明は、請求項12乃至14の何れか一項に記載の映像コンテンツ携帯端末装置において、前記基本映像信号は、映像スケーラブルコーデックの基本レイヤストリームであり、前記拡張映像信号は、拡張レイヤストリームであることを特徴とする。
【0027】
請求項19に記載の発明は、コンピュータを、請求項3乃至8の何れか一項に記載の映像コンテンツ再生端末装置として機能させることを特徴とする。
【0028】
請求項20に記載の発明は、コンピュータを、請求項12乃至14の何れか一項に記載の映像コンテンツ携帯端末装置として機能させることを特徴とする。
【0029】
請求項21に記載の発明は、映像コンテンツは、単独で再生可能な基本映像信号と、当該基本映像信号の画質を高めるための拡張映像信号と、により構成されており、前記映像コンテンツを蓄積し前記基本映像信号と前記拡張映像信号とを互いに独立して配信することが可能な映像コンテンツ蓄積サーバ装置と、当該映像コンテンツ蓄積サーバ装置から前記基本映像信号を受信して蓄積する映像コンテンツ携帯端末装置と、当該映像コンテンツ携帯端末装置からの指示を受けて映像を再生する映像コンテンツ再生端末装置と、を備える映像配信システムにおける映像配信方法であって、前記映像コンテンツ再生端末装置は、前記基本映像信号を前記映像コンテンツ携帯端末装置から受信する基本映像信号受信工程と、前記映像コンテンツ再生端末装置は、前記拡張映像信号を前記映像コンテンツ蓄積サーバ装置から受信する拡張映像信号受信工程と、前記基本映像信号受信工程により受信した前記基本映像信号と、前記映像コンテンツ再生端末装置は、前記拡張映像信号受信工程により受信した前記拡張映像信号とにより前記映像コンテンツ再生端末装置が再生する映像を生成する映像生成工程と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、再生に必須である基本レイヤストリームを、映像コンテンツ蓄積サーバ装置から取得せず、映像コンテンツ再生端末装置からバス、LAN(Local Area Network)、近距離無線ネットワーク等の安定した伝送手段によって取得するので、拡張レイヤストリームを取得する際に支障がある場合でも、基本レイヤストリームのデコード結果を表示することにより、再生映像の停止という映像品質の大きな劣化を避けることができる。従って、ネットワーク品質の変動による再生映像品質の劣化を軽減することができる。
【0031】
また、本発明によれば、映像コンテンツ蓄積サーバ装置は、スケーラブルコーデックを用いて基本レイヤストリームと拡張レイヤストリームとに分離して映像コンテンツを保持しており、再生に必須な基本レイヤストリームは、映像コンテンツ携帯端末
装置に保存して持ち運ばれ、映像コンテンツ再生端末装置に対してLANやケーブル接続等の広帯域な伝送手段によって供給されので、映像コンテンツ再生端末装置は、映像コンテンツコンテンツ蓄積サーバ装置から基本レイヤストリームを取得する必要はなく、基本レイヤストリームの伝送に必要な帯域を拡張レイヤストリームの取得に割り当てることが可能になる。従って、より高ビットレートの拡張レイヤストリームを取得することが可能になるため、基本レイヤストリームと拡張レイヤストリームとを全て映像コンテンツ蓄積サーバ装置から取得するよりも、高精細な映像の再生が可能になる。また、対外接続ネットワークが従量制料金制度になっている場合には、通信コストが軽減することができる。更に、映像コンテンツ蓄積サーバ装置と映像コンテンツ再生端末装置とが接続されているネットワーク帯域が狭い環境である場合においても、当該ネットワーク帯域を超えるビットレートを有する映像コンテンツを再生することができる。
【0032】
また、本発明によれば、基本レイヤストリームを保持している映像コンテンツ携帯端末装置からの再生指示によって映像コンテンツ再生端末装置側の再生が開始される。基本レイヤストリームのデータは、再生時にのみ対象となる映像コンテンツ再生端末装置に対して送信される。映像コンテンツのデコードには、基本レイヤストリームが必要であるため、映像コンテンツ携帯端末装置からの指示のない状態での再生は、不可能になる。また、映像コンテンツ再生端末装置が映像コンテンツ携帯端末装置から受け取る情報には、映像コンテンツタイトルや再生停止位置情報、拡張レイヤストリームの取得に関する情報に限られ、基本レイヤストリームの情報を含まない。これにより、映像コンテンツ再生端末装置が単体で映像コンテンツの再生を試みる場合においても、映像コンテンツ蓄積サーバ装置に基本レイヤストリームを取得することができないため、映像コンテンツを再生することを防止することができる。従って、映像コンテンツの不正なコピーを防止しながら、任意の映像コンテンツ再生端末装置を用いて高画質映像を再生することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0034】
先ず、本発明の実施形態に係る映像配信システムSの構成及び機能について、図1を参照して説明する。なお、図1は本発明の実施形態に係る映像配信システムSの構成概略図である。
【0035】
図1において、映像配信システムSは、コンテンツサーバ100(映像コンテンツ蓄積サーバの一例)と、携帯端末200(映像コンテンツ携帯端末装置の一例)と、映像再生端末300(映像コンテンツ再生端末装置の一例)と、を備えて構成されており、ネットワーク400a、ネットワーク400bを介して接続されている。また、映像配信システムSは、映像を再生する際に必須となる基本レイヤストリーム(低精細映像)を携帯端末200が保持し、任意の映像再生端末300上で拡張レイヤストリーム(高精細映像)を再生させる。尚、図1では、説明に必要な最小の構成のみを示しているため、音声の処理等については、図中に含まれていない。
【0036】
先ず、各装置の概略について説明する。
【0037】
コンテンツサーバ100は、内部にハードディスクやDVD等の大容量記憶装置を備え、映像コンテンツを蓄積し、他の端末へ送信する機能を備えたサーバである。本実施形態において、コンテンツサーバ100は、DLNA(Digital Living Network Alliance)規格対応HDDレコーダのような映像コンテンツの蓄積とネットワークを介した送信機能を持つと想定して説明する。
【0038】
携帯端末200は、内部にハードディスク若しくはSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を備え、ユーザが持ち歩くことができる携帯電話やスマートフォン、ノートパソコンのような端末である。また、携帯端末200は、ネットワークへの接続手段を備え、コンテンツサーバ100若しくは後述の映像再生端末300との通信が可能な端末である。なお、携帯端末200は、場所の移動により、ネットワーク400aに接続されている状態と、ネットワーク400bに接続されている状態に分けられる。
【0039】
映像再生端末300は、大きな映像表示画面とネットワーク接続手段を備え、ネットワーク400経由でコンテンツサーバ100及び携帯端末200と通信し、取得した映像コンテンツを再生するHDTV(High Definition Television)対応プラズマ/液晶テレビのような端末である。
【0040】
上記のコンテンツサーバ100と、携帯端末200と、映像再生端末300とは、ネットワーク400aに接続され、相互に通信を行うことができる環境にある。また、携帯端末200は、場所の移動によってネットワーク400bに接続され、映像再生端末300と相互に通信を行うことができる。ネットワーク400a、ネットワーク400bに共通の説明については、ネットワーク400として説明する。
【0041】
コンテンツサーバ100の構成及び機能について、図2を参照して説明する。なお、図2はコンテンツサーバ100のブロック図である。
【0042】
図2に示すように、コンテンツサーバ100は、コンテンツ蓄積手段101と、基本レイヤストリーム配信手段102と、端末認証手段103と、認証情報記憶手段104と、拡張レイヤストリーム配信手段105と、を備えている。
【0043】
コンテンツ蓄積手段101は、MPEG‐4FGSコーデックや、H.264/SVCコーデック等の映像スケーラブルコーデックによって、階層エンコードされた映像コンテンツを蓄積する手段である。なお、H.264/SVCコーデックは、映像をエンコードした結果であるストリームが、1つ以上の階層から構成されることが特徴のスケーラブルコーデックであり、この時、最下位層を基本レイヤと呼び、基本レイヤ以外を拡張レイヤと呼ぶ。当該H.264/SVCコーデックは、通常のコーデックとは異なり、一部データのみ存在する場合でもデコードが可能である。基本レイヤは、基本レイヤ単体でデコードが可能であるが、拡張レイヤは、自己の階層以下のすべての拡張レイヤと基本レイヤが存在しない場合にはデコードができない。基本レイヤのみをデコードした場合は低画質の映像が出力され、基本レイヤと拡張レイヤとをデコードした場合は基本レイヤのみをデコードした場合以上の画質で映像が出力される。また、拡張レイヤが複数存在する場合は、拡張レイヤを増やすことでより画質が向上した映像が出力される。なお、ここでの画質は、本実施形態において、基本レイヤの場合は画像のサイズが小さく、拡張レイヤを含める場合は元画像と同じサイズになることを示している。
【0044】
また、コンテンツは、図10に示す映像コンテンツ管理テーブル800によって管理されている。
【0045】
映像コンテンツ管理テーブル800は、コンテンツID、基本レイヤストリームID、及び拡張レイヤストリームIDを保持している。
【0046】
コンテンツIDは、映像コンテンツを一意に特定することができる情報である。また、基本レイヤストリームIDは、映像コンテンツの基本レイヤストリームを一意に特定することができる情報である。また、拡張レイヤストリームIDは、映像コンテンツの拡張レイヤストリームを一意に特定することができる情報である。
【0047】
本実施形態においては、コンテンツIDにコンテンツ名801を、基本レイヤストリームIDに基本レイヤストリームファイル名802を、拡張レイヤストリームIDに拡張レイヤストリームファイル名を夫々用いている。
【0048】
また、コンテンツ蓄積手段101は、スケーラブルエンコードされた映像コンテンツを基本レイヤストリームと、1つ以上の拡張レイヤストリームをレイヤ単位で配信手段にデータを渡す機能を持つ。
【0049】
ストリーム配信手段は、基本レイヤストリーム配信手段102と、拡張レイヤストリーム配信手段105とから構成されており、スケーラブルコーデックによりエンコードされた映像コンテンツを内部に保持し、携帯端末200若しくは映像再生端末300からの要求を受け、基本レイヤストリームと複数の拡張レイヤストリームとを夫々レイヤ別に分けて配信することが可能である手段である。
【0050】
基本レイヤストリーム配信手段102は、携帯端末200とネットワークを介して通信し、端末認証手段103によって認証された携帯端末200からの基本レイヤストリーム配信要求に対し、映像コンテンツの基本レイヤストリームを送信する機能を持つ。基本レイヤストリーム配信手段102は、コンテンツ蓄積手段101から当該映像コンテンツの基本レイヤストリームを取得して、携帯端末200へ送信を実施する。なお、送信の方法は、RTP(Real-time Transport Protocol)/UDP(User Datagram Protocol)等を用いたストリーミングの他に、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)によるストリーミングや、FTP(File Transfer Protocol)等のファイル転送等でも良い。また、対象となる映像コンテンツの情報をあわせて携帯端末200に送信する。
【0051】
端末認証手段103は、携帯端末200とネットワークを介して通信し、携帯端末200が要求するコンテンツを視聴する権限を持っているかを判断する手段である。なお、認証の詳細な方法については、本願では限定しないが、携帯端末の機器固有情報を用いて対象端末を特定することが考えられる。また、認証は、端末に対して行うだけではなく、端末を利用しているユーザの認証を含める場合もある。認証に必要な情報は、認証情報記憶手段104が保持している。また、認証された端末からの利用可能コンテンツの一覧要求に対して、利用可能コンテンツのリストを返信する処理を行う。
【0052】
認証情報記憶手段104は、端末認証手段103が端末若しくはユーザの認証に必要になる情報をデータベースや管理表等に記憶し、端末認証手段103へと供給する手段である。
【0053】
図9は、認証情報記憶手段104が管理する認証情報管理テーブル700を示しており、ユーザ名、端末固有番号、及びコンテンツIDからなる情報である。
【0054】
ユーザ名は、利用ユーザを一意に特定することができる情報である。また、端末固有番号は、電話番号やMACアドレス等端末を一意に特定することができる情報である。また、コンテンツIDは、コンテンツサーバ100が保持する複数の映像コンテンツの中からある映像コンテンツを一意に特定することができる情報である。本実施形態においては、ユーザ名はユーザID701を、端末固有番号は電話番号702を、コンテンツIDはコンテンツ名703を夫々用いている。
【0055】
拡張レイヤストリーム配信手段105は、他の端末とネットワークを介して通信し、端末の拡張レイヤストリーム配信要求に従い、映像コンテンツの拡張レイヤストリームを送信する手段である。拡張レイヤストリーム配信手段105は、コンテンツ蓄積手段101から当該映像コンテンツの拡張レイヤストリームを取得して端末への送信を行う。なお、送信の方法は、RTP/UDP等を用いたストリーミングの他に、HTTPによるストリーミングや、FTP等のファイル転送などでも良い。対象となる端末は、特に携帯端末200に制限されず、映像再生端末300からの要求も受け付ける。
【0056】
携帯端末200の構成及び機能について、図3を参照して説明する。なお、図3は携帯端末200のブロック図である。
【0057】
図3に示すように、携帯端末200は、端末認証要求手段201と、基本レイヤストリーム取得手段202と、コンテンツ蓄積手段203と、再生指示送信手段204と、基本レイヤストリーム配信手段205と、を備えている。
【0058】
端末認証要求手段201は、ネットワークを介して通信し、基本レイヤストリームの取得に必要な端末認証を行う手段である。具体的には、コンテンツサーバ100の端末認証手段103と通信し、認証要求メッセージを送信する。認証要求メッセージには、ユーザIDと電話番号とを含める。端末認証手段103から承認を受けたときには、利用可能なコンテンツリストをコンテンツサーバ100から取得し、基本レイヤストリーム取得手段202に通知する。なお、コンテンツサーバ100のアドレスを取得する方法については、本発明では限定しないが、図示していない通信手段によってネットワークが利用であるかを常に監視し、ネットワークが利用可能である場合には、ブロードキャスト、若しくは、マルチキャストを用いたメッセージの送信とその応答から、コンテンツサーバ100や他の携帯端末200、若しくは、映像再生端末300が存在するかを識別する方法が考えられる。また、図示していない記憶手段に予め記憶させておく方法も考えられる。本実施形態においては、前者の方法で実現している。
【0059】
基本レイヤストリーム取得手段202は、コンテンツサーバ100とネットワークを介して通信し、コンテンツサーバ100に対して希望する映像コンテンツの基本レイヤストリームデータを取得する機能を持つ。端末認証要求手段201での認証要求の結果、利用が認められた映像コンテンツの情報に基づき、基本レイヤストリーム配信手段102に対し、基本レイヤストリーム配信要求を行う。受信した基本レイヤストリームデータと映像コンテンツ情報は、コンテンツ蓄積手段203に渡される。
【0060】
コンテンツ蓄積手段203は、基本レイヤストリーム取得手段202が取得した基本レイヤストリームのデータとコンテンツの付加情報を記憶媒体に保存する手段である。保存されたストリームデータと付加情報とは、再生指示送信手段204、及び基本レイヤストリーム配信手段205の要求に応じて渡される。
【0061】
再生指示送信手段204は、ネットワークを介して映像再生端末300等の他の端末に対して、携帯端末200が保持している映像コンテンツの再生をユーザが指示する手段である。同時に対象となるコンテンツの付加情報をあわせて送信する。
【0062】
基本レイヤストリーム配信手段205は、再生指示送信手段204で再生を指示した端末に対して、コンテンツ蓄積手段203に保持されている基本レイヤストリームを配信する手段である。なお、ストリームの送信は、RTP/UDP等によるストリーミングの他に、HTTP等の一般的なプロトコルによるストリーミングであっても良い。
【0063】
映像再生端末300の構成及び機能について、図4を参照して説明する。なお、図4は映像再生端末300のブロック図である。
【0064】
図4に示すように、映像再生端末300は、再生指示受付手段301と、拡張レイヤストリーム配信要求手段302と、拡張レイヤストリーム受信手段303と、基本レイヤストリーム受信手段304と、デコード対象レイヤ選択手段(図示しない)と、映像デコード手段305と、映像表示手段306と、を備えている。
【0065】
再生指示受付手段301は、携帯端末200の再生指示送信手段205からネットワークを介して送られる再生要求メッセージを受信する手段である。再生要求メッセージには、基本レイヤストリームを伝送するための情報、再生開始位置、拡張レイヤストリームが保存されているコンテンツサーバ名及び受信要求を発行するに必要な情報が送られる。
【0066】
拡張レイヤストリーム配信要求手段302は、再生指示受付手段301が受信した拡張レイヤストリームに関する情報を受け、コンテンツサーバ100に対して携帯端末200が再生を指示した映像コンテンツの拡張レイヤストリームの配信を要求する。
【0067】
拡張レイヤストリーム受信手段303は、拡張レイヤストリーム配信要求手段302がコンテンツサーバ100に要求した拡張レイヤストリームを受信する手段である。拡張レイヤストリームは、RTP/UDPプロトコルやHTTPプロトコル、FTPプロトコル等で配信しても良い。本実施形態においては、RTPパケットでストリーミングされることとする。
【0068】
基本レイヤストリーム受信手段304は、携帯端末200から配信される基本レイヤストリームを受信する手段である。基本レイヤストリームは、RTP/UDPプロトコルやHTTPプロトコル、FTPプロトコル等で配信しても良い。本実施形態においては、RTPパケットでストリーミングされることとする。
【0069】
デコード対象拡張レイヤ選択手段(図示しない)は、映像再生端末300がある拡張レイヤストリームを受信できなかった場合は、その1段階下の階層の拡張レイヤまでのデータを用いてデコードを行う手段である。
【0070】
映像デコード手段305は、基本レイヤストリームと、拡張レイヤストリームとを取得して、スケーラブルコーデックでデコードし、ビットマップデータを取得する手段である。本実施形態においては、スケーラブルコーデックによるデコード方法については限定しないが、基本レイヤストリーム受信手段304で受信した基本レイヤストリームをデコードし、ビットマップを取得した後、同じ時刻情報を持つ拡張レイヤストリームデータを拡張レイヤストリーム受信手段303から取得し、両者をスケーラブルコーデックでデコードすることにより、基本レイヤストリーム以上の解像度のビットマップデータを取得することが考えられる。また、デコード対象となる拡張レイヤストリームのレイヤを上げることで、より高解像度のビットマップデータを取得することが可能であると考えられる。
【0071】
基本レイヤストリームに付加されている時刻情報に対応する拡張レイヤストリームが、まだ拡張レイヤストリーム受信手段303に到着していない場合は、拡張レイヤストリームのデコードの実施を遅らせるが、現在時刻が時刻情報に記された時刻を超える場合には、拡張レイヤストリームのデコードを行わず、基本レイヤストリームのデコード結果のみを映像表示手段306に送信する。また、基本レイヤストリームに付加されていた時刻情報は、そのままデコード結果のビットマップデータに付加して映像表示手段306に送信する。
【0072】
映像表示手段306は、映像デコード手段305で取得したビットマップデータを表示する手段である。映像デコード手段305の出力映像は、空間スケーラブルコーデックを用いた場合は、基本レイヤストリームのみデコードした場合と、拡張レイヤストリームを複数含めてデコードした場合とにおいて解像度が異なるため、表示する画面サイズに合わせて拡大又は縮小を実施する。一方、時間スケーラブルコーデック、SNスケーラブルコーデックを用いた場合は、デコード結果の解像度に変化がないため、デコードレイヤ別の画面の解像度の変更は行わない。また、映像表示手段306は、映像デコード手段305でビットマップデータに付加された時刻情報と現在時刻とを比較して、再生のタイミングを計り、滑らかに映像を表示する機能を持つ。
【0073】
ここで表示タイミングになった段階においても、まだ拡張レイヤストリームが到着しない場合には、基本レイヤストリームのみのデコードを指示して映像コンテンツを取得して表示することについて、図5及び6を参照して具体的に説明する。
【0074】
拡張レイヤストリーム受信手段303と基本レイヤストリーム受信手段304とを介して受信したビットマップデータは、映像デコード手段305内部のバッファリング手段(図示しない)に蓄積される。
【0075】
映像デコード手段305は、映像デコード手段305の内部にシステムクロックを有する。当該システムクロックは、常に一定のレートで上昇するカウンタである。映像デコード手段305は、内部に蓄積されているビットマップデータの時刻情報を確認し、システムクロック以下の値を持つビットマップデータがバッファリング手段内部に存在する場合は、当該バッファリング手段からビットマップデータを取り出す。そして、映像デコード手段305は、当該ビットマップデータを取り出した後に、RTPシーケンス番号の情報を元に昇順にソートする。なお、ソートした段階で、RTPシーケンス番号に飛びがある場合には、到着していないか、又は消えたパケットが存在することを意味する。
【0076】
取り出したRTPパケットが完全である場合(図6における901)は、そのままペイロードを取り出しコーデックでデコードし、映像を取得する。この時、元のRTPパケットの時刻情報をこのデコード済み映像にも付加する。その後、システムクロックがこの付加した時刻情報+Dになったときに、映像表示手段306に送信して映像を表示する。このDが映像再生遅延量であり、一般的に500msec程度である。
【0077】
一方、取り出したRTPパケットが完全でない場合(図6における902)は、時間Dだけパケットの到着を待つ。時間d(D>d)が経過した時に、バッファリング手段にビットマップデータが到着した場合は、ペイロードを取り出し、コーデックでデコードし、映像を取得する。この時、元のRTPパケットの時刻情報をこのデコード済み映像にも付加する。その後、システムクロックが時刻情報+Dになったときに、映像表示手段306に送信して映像を表示する。
【0078】
時間dが経過しても、バッファリング手段にビットマップデータが到着しない場合は、ペイロードを取り出した後、拡張レイヤストリームが到着しなかった場合(図6における903)は、基本レイヤストリームのみをデコードし、映像を取得する。この時、元のRTPパケットの時刻情報をこのデコード済み映像にも付加する。この時点で、システムクロックは、時刻情報+Dであるため、直ちに映像表示手段306に送信して映像を表示する。基本レイヤストリームが到着しなかった場合(図6における904)は、デコードができないため、デコードを行わず、映像表示手段306には映像を送信しない。映像表示手段306では1つ前の映像を表示させ続ける。これにより映像表示手段306は、乱れた映像を表示させることなくエラーを隠蔽することが可能になる。
【0079】
次に、本実施形態であるコンテンツサーバ100、携帯端末200、及び映像再生端末300がどのように連携して映像配信及び映像再生を行うかについて、図7及び8を参照して詳細に説明する。なお、図7は本実施形態の動作のうち、コンテンツサーバ100から基本レイヤストリームを携帯端末200に転送するまでを示すシーケンス図である。
【0080】
図7において、先ず、ユーザは、例えば自宅にて携帯端末200の電源を投入する(ステップST501)。
【0081】
ユーザは、指紋認証、若しくはパスワード入力等の手段により、携帯端末200を利用可能な状態にする(ステップST502)。
【0082】
携帯端末200は、ネットワーク400aに接続する。本実施形態においては、このネットワーク400aは、インターネットとする。
【0083】
コンテンツサーバ100、若しくは映像再生端末300の存在を確認するため、端末探索メッセージを予め決められたマルチキャストアドレスに対して送信する(ステップST503)。
【0084】
コンテンツサーバ100、若しくは映像再生端末300が存在する場合は、端末探索メッセージを受信した端末から端末探索応答メッセージが携帯端末200に送られる(ステップST504)。これにより、携帯端末200が存在するネットワーク上に存在する映像再生端末、及びコンテンツサーバのアドレスを知ることができる。端末探索メッセージの送信処理は、一定時間間隔で繰り返し、常時コンテンツサーバと映像再生端末の存在を確認し続ける。
【0085】
携帯端末200は、コンテンツサーバ100に対して認証要求メッセージを送信する(ステップST505)。コンテンツサーバ100のアドレスは、事前に与えられていても、上述の端末探索メッセージで取得しても良い。認証要求メッセージには、携帯端末200のユーザIDと電話番号とが含まれている。本実施形態においては、認証要求メッセージにはユーザID=UID001と、電話番号=0001とが含まれているとする。
【0086】
コンテンツサーバ100は、受け取ったユーザID=UID100と、電話番号=0001とからユーザと端末とが事前に登録された内容と一致し、コンテンツへのアクセス権限があるかを確認する(ステップST506)。なお、確認のための登録データは、コンテンツサーバ100内部の認証情報記憶手段104の認証情報管理テーブル700に保持されている。
【0087】
認証情報管理テーブル700をサーチした結果、ユーザID701と電話番号702とに、ユーザID=UID100と、電話番号=0001とが存在するエントリがあるため、端末認証手段103は、正規のユーザと端末からのアクセスであり、コンテンツへのアクセスの権限があると判断する。
【0088】
コンテンツへのアクセス権限が存在する場合には、コンテンツサーバ100は、携帯端末200に対して承認する旨の認証応答メッセージを返信する。コンテンツへのアクセス権限を持っていない場合には、拒否する旨の認証応答メッセージを返信する(ステップST507)。
【0089】
以下では、承認した場合の処理について説明する。
【0090】
携帯端末200は、コンテンツサーバ100の端末認証手段103に対してコンテンツリスト要求メッセージを送信する(ステップST508)。
【0091】
コンテンツサーバ100は、保持している映像コンテンツの中で、要求したユーザと端末に視聴が認められているコンテンツの一覧をリストとして生成し(ステップST509)、コンテンツリスト応答メッセージに含めて送信する(ステップST510)。
【0092】
ユーザID=UID100と、電話番号=0001とを持つ端末は、認証情報管理テーブル700のサーチ結果からコンテンツ名703に記述された、映画X、映画Y、及びニュースAの3コンテンツを視聴する権限を持っているため、コンテンツリスト応答メッセージには、この3つのコンテンツ名を含めて送信する。
【0093】
携帯端末200は、取得したコンテンツリストの中で、取得したいコンテンツを選択する(ステップST511)。必要なコンテンツの選択は、GUIによってユーザが明示的に行う場合の他に、携帯端末200のコンテンツ蓄積手段203に存在しないコンテンツを対象にする場合がある。また、要求する基本レイヤストリームの数は、1つだけでなく2つ以上であっても良い。ここでは、ユーザは、映画Xを選択することとする。
【0094】
取得の対象となったコンテンツの基本レイヤストリームを取得するため、コンテンツサーバ100に対して基本レイヤストリーム要求メッセージを発行する(ステップST512)。
【0095】
基本レイヤストリーム要求メッセージには、コンテンツ名として映画Xを記述する。
【0096】
コンテンツサーバ100は、基本レイヤストリーム要求メッセージに基づき、コンテンツ蓄積手段203から対象コンテンツの基本レイヤストリームを取得する(ステップST513)。ここで、映像コンテンツ管理テーブル800をサーチし、拡張レイヤストリームファイル名803から映画Xの基本レイヤストリームが保存されているファイル名BL_MovX.datを取得し、コンテンツ蓄積手段203は、このファイル名からストリームデータを取得する。
【0097】
取得した基本レイヤストリームデータを基本レイヤストリーム応答メッセージに含めて携帯端末200に対して送信する(ステップST514)。
【0098】
送信に用いるプロトコルは、本願では対象としないが、基本レイヤストリームの配送は、一般的にリアルタイム性が不要であるため、配送プロトコルは、RTP等のストリーミングプロトコルだけでなく、HTTP、FTP等のプロトコルを用いても良い(ステップST515)。
【0099】
コンテンツサーバ100は、映像コンテンツの基本レイヤストリームの配送後、指定されたコンテンツの付加情報を携帯端末200に対して送信する(ステップST516)。
【0100】
この付加情報には、拡張レイヤストリームの情報が含まれており、携帯端末200に蓄積された後、携帯端末200から映像再生端末300に伝達され、映像再生端末300がコンテンツサーバ100に対して拡張レイヤストリームの配信要求を行うために使用される。
【0101】
具体的には、映像コンテンツ管理テーブル800をサーチすることで、映画Xの拡張レイヤストリームファイル名であるEL1_MovX.datを取得する。コンテンツサーバ100のホスト名がserver.example.comである場合は、EL1_MovX.datをあわせて、server.example.com/EL1_MovX.datのようなフォーマットとして、携帯端末200へ送信する。また、本付加情報には、基本レイヤストリームの情報は含めない。
【0102】
携帯端末200は、取得した映像コンテンツの基本レイヤストリームのデータとコンテンツの付加情報とをコンテンツ蓄積手段203に保存する。
【0103】
ここまでのシーケンスにより、携帯端末200は、認証の後、基本レイヤストリームと拡張レイヤストリームの取得に必要な付加情報をコンテンツサーバ100から取得することができる。
【0104】
携帯端末200を持ったユーザが、外出先に設置されている映像再生端末300を使用して映像を再生する場合の動作について、図8を用いて説明する。なお、図8は、本実施形態の動作の内、携帯端末200が映像再生を映像再生端末300に指示し、映像再生端末300上で高精細映像を表示するまでのシーケンス図である。
【0105】
ユーザは、外出先において携帯端末200の電源を投入する(ステップST601)。
【0106】
ユーザは、指紋認証、若しくは、パスワード入力等の手段により、携帯端末200を利用可能な状態にする(ステップST602)。
【0107】
携帯端末200は、ネットワーク400bに接続する。ネットワーク400bは、外出先のLAN(Local Area Network)を想定する。コンテンツサーバ100、若しくは、映像再生端末300が存在するかを調査するため、携帯端末200は、端末探索メッセージを予め決められたマルチキャストアドレスに対して送信を行う(ステップST603)。
【0108】
コンテンツサーバ100、若しくは、映像再生端末300が存在する場合は、端末探索メッセージを受信した端末から端末探索応答メッセージが携帯端末200に送られる(ステップST604)。
【0109】
この送信元アドレスから携帯端末200が接続されたネットワーク上に存在する映像再生端末300及びコンテンツサーバ100のアドレスを知ることができる。
【0110】
端末探索メッセージの送信処理は、定期的に繰り返され、コンテンツサーバと映像再生端末の存在を確認し続ける。
【0111】
ユーザは、携帯端末200を操作し、内部に保存されているコンテンツを選択する(ステップST605)。
【0112】
また、ユーザは、選択したコンテンツをどの映像再生端末で再生させるかを選択するため、映像再生端末300の一覧から対象となる映像再生端末を選択する(ステップST606)。
【0113】
そしてユーザは、映像再生端末を選択した後、映像再生開始を指示する。本実施形態においては、映像再生端末300を選択するものとする。
【0114】
映像再生開始の指示により、携帯端末200は、映像再生端末300の再生指示受付手段301に対して再生指示メッセージを送信する(ステップST607)。
【0115】
この再生指示メッセージには、コンテンツ付加情報を記述している(ステップST608)。
【0116】
具体的には、メッセージ中にコンテンツ名=映画X、拡張レイヤストリーム取得情報=server.example.com/EL1_MovX.datと記述している。
【0117】
映像再生端末300は、取得した再生指示メッセージに記述された拡張レイヤストリーム情報を取得する(ステップST609)。
【0118】
拡張レイヤストリーム情報には、拡張レイヤストリームが保持されているコンテンツサーバ名、及び拡張レイヤファイル名が記述されている。
【0119】
具体的には、コンテンツサーバ名=server.example.com、拡張レイヤファイル名=EL1_MovX.datとなる。
【0120】
映像再生端末300の拡張レイヤストリーム配信要求手段302は、server.example.comであるコンテンツサーバ100の拡張レイヤストリーム配信手段105に対して、当該コンテンツの拡張レイヤストリームEL1_MovX.datの送信準備を要求するため、拡張レイヤストリーム配信準備要求メッセージを送信する(ステップST610)。
【0121】
コンテンツサーバ100は、指示された拡張レイヤストリームの送信の準備が完了した後、映像再生端末300へ拡張レイヤストリーム配信準備応答メッセージを返す(ステップST611)。
【0122】
映像再生端末300は、ストリーム受信の準備を整えた後に、コンテンツサーバ100に基本レイヤストリーム配信開始要求メッセージを送信し(ステップST612)、携帯端末200に拡張レイヤストリーム配信開始要求メッセージを送信する(ステップST613)。ここで、各配信開始要求メッセージには、ストリームの受信に必要な待ち受けポート番号を含めている。
【0123】
携帯端末200は、本メッセージの受信により、基本レイヤストリームの送信を開始する(ステップST614)。
【0124】
コンテンツサーバ100は、本メッセージを受信することにより、拡張レイヤストリームの指定ポートへの送信を開始する(ステップST615)。
【0125】
映像再生端末300は、基本レイヤストリーム受信手段304と、拡張レイヤストリーム受信手段303とにより、基本レイヤストリーム及び拡張レイヤストリームの両ストリームを受信し、映像デコード手段305へ送る。
【0126】
映像デコード手段305では、基本レイヤストリームのデコードと、対応する拡張レイヤストリームのデコードとを実施し、映像表示手段306で再生を行う(ステップST616)。
【0127】
拡張レイヤストリームを結合して映像をデコードした場合には、携帯端末200に保持した基本レイヤストリームの品質以上の高精細映像が再生される。
【0128】
再生中は、基本レイヤストリーム及び拡張レイヤストリームの両ストリームの受信処理、レイヤ結合、デコード、及び再生を繰り返す。
【0129】
再生停止は、映像再生端末300又は携帯端末200のどちらからも可能であるが、本実施形態においては、ユーザが携帯端末200から再生停止の操作を行う。
【0130】
ユーザは、携帯端末200を操作し、再生停止を決定する(ステップST617)。尚、再生停止の対象となるコンテンツは、コンテンツを明示的に選択して停止を決定しても、現在配信中のコンテンツの停止としても良い。
【0131】
携帯端末200は、映像再生端末300に対して映像再生停止要求メッセージを送信する(ステップST618)。この時に、基本レイヤストリームの配信を停止する。
【0132】
映像再生端末300は、映像の再生を停止すると共に、拡張レイヤストリームの配信を停止させるため、コンテンツサーバ100に対して拡張レイヤストリーム停止要求メッセージを送信する(ステップST619)。
【0133】
コンテンツサーバ100は、拡張レイヤストリームの送信を停止し、拡張レイヤストリーム停止応答メッセージを映像再生端末100に返す(ステップST620)。
【0134】
映像再生端末300は、停止が完了したことを通知するため、携帯端末200に対して再生停止応答メッセージを送信する(ステップST621)。
【0135】
以上説明したように、本実施形態によれば、コンテンツサーバ100に蓄積されているコンテンツの基本レイヤストリームは、認証済みの携帯端末200へのみ伝送される。任意の映像再生端末300でコンテンツを再生する場合は、この携帯端末200から基本レイヤストリームが供給され、映像再生端末300には拡張レイヤストリームに関する情報のみが通知される。よって、映像再生端末300単独でコンテンツサーバ100から映像再生に必要なストリームを要求することができなくなり、他人が映像再生端末300を操作し、不正に映像を再生することを防止できる。
【0136】
また、本実施形態によれば、映像再生端末300は、携帯端末200とLAN(ネットワーク400b)で通信を実施するため、低コストで安定した高速通信が可能である。インターネット(ネットワーク400a)等の外部ネットワークと接続する必要があるのは、コンテンツサーバ100からの拡張レイヤストリーム取得のみである。よって、コンテンツサーバ100との間で準備するネットワークは、拡張レイヤストリームの取得に必要な帯域で済むと共に、データ量も少なくなり通信コストを軽減することができる。
【0137】
また、本実施形態によれば、拡張レイヤストリームは、1階層のみ記述されているが、拡張レイヤストリームは、複数の階層から構成され、夫々の拡張レイヤストリームを独立して取り扱う場合でも、本発明は有効である。また、基本レイヤストリーム単独で携帯端末200に送信しているが、基本レイヤストリームに加えて一部又は全部の階層の拡張レイヤストリームを付加して送信し、携帯端末200に蓄積させても良い。同様に、携帯端末200から映像再生端末300に対して送信する映像ストリームも、基本レイヤストリームに一部又は全部の階層の拡張レイヤストリームを付加して送信しても良い。
【0138】
また、本実施形態によれば、インターネット(ネットワーク400a)等の外部ネットワークに拡張レイヤストリームを配信することにより、インターネット上で発生するネットワーク帯域の変動やルーティング変更による通信の一時的な途絶によるパケット到着の遅れは、映像デコードに不可欠でない拡張レイヤに限定される。これにより、映像の品質は、基本レイヤストリームのデコード結果のレベルまで低下するが、再生映像が停止するというQoS(Quality of Service)を大きく損なう状況を回避することができる。
【0139】
また、本実施形態によれば、映像再生端末300は、インターネット経由で拡張レイヤストリームを、LAN経由で基本レイヤストリームを取得しているが、NGN(Next Generation Network)等の次世代ネットワークを用いても実現可能である。この場合、基本レイヤストリームの優先度を拡張レイヤストリームよりも高く設定することで、より安定した基本レイヤストリームの伝送が可能になるため、映像再生品質をより向上させることが可能である。
【0140】
また、本実施形態によれば、コンテンツサーバ100と、携帯端末200と、映像再生端末300とは、インターネット、若しくはLANで接続されているが、この接続は、USB(Universal Serial Bus)やIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1364といった機器接続ケーブル、赤外線、クレードル等でも良い。
【0141】
また、本実施形態では、コンテンツサーバ100、携帯端末200、及び映像再生端末300は夫々1ずつであるが、コンテンツサーバ、携帯端末、及び映像再生端末が夫々複数存在しても本発明は有効である。
【0142】
また、本実施形態によれば、携帯端末200は、映像デコード手段、及び映像表示手段を持っていないが、コンテンツ蓄積手段203の基本レイヤストリームをデコードする映像デコード手段と、映像表示手段とを持っても良い。この場合、携帯端末200がネットワークに接続していない状態でも映像再生が可能であり、映像再生位置を記憶することで、映像再生端末300に途中から映像再生を指示することが可能になる。
【0143】
また、本実施形態によれば、認証されていない端末に対してコンテンツアドレスをそのまま送信しないため、このアドレスでデコードすることが可能な映像ファイルを取得できず、その結果、認証されていない端末単独では一切の再生を防止することができる。
【0144】
また、本実施形態によれば、基本レイヤストリームのデコード結果を表示するデコード、表示手段を備えているので、拡張レイヤストリームのパケットの到着が遅れた場合には、再生映像が停止しない。
【0145】
また、本実施形態によれば、携帯端末200から再生指示をし、基本レイヤストリームは認証されていない端末にストリーミングで送信すると同時に、認証されていない端末には拡張レイヤストリームの取得に必要な情報以外は渡していないので、認証されていない端末単体では、基本レイヤストリームを含め一切の映像再生を防止することができる。
【0146】
尚、本発明は上記実施形態に限定されず、メディアデータを蓄積するコンテンツ蓄積システムや、コンテンツ視聴システム等に適用することができる。また、上記の装置を実現するための装置、その装置を実装するためのプログラムといった用途にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0147】
【図1】本発明の実施形態に係る映像配信システムSを示す構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係るコンテンツサーバ100のブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る携帯端末200のブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係る映像再生端末300のブロック図である。
【図5】本発明の実施形態のシステムクロック以下の値を持つビットマップデータを取り出す場合を説明するための図である。
【図6】本発明の実施形態のシステムクロック以下の値を持つビットマップデータを取り出す場合を説明するための図である。
【図7】本発明の実施形態に係るコンテンツサーバ100と携帯端末200との動作を示すシーケンス図である。
【図8】本発明の実施形態に係るコンテンツサーバ100と携帯端末200と映像再生端末300との動作を示すシーケンス図である。
【図9】本発明の実施形態に係る認証情報の図である。
【図10】本発明の実施形態に係るコンテンツ情報の図である。
【符号の説明】
【0148】
S 映像配信システム
100 コンテンツサーバ
101 コンテンツ蓄積手段
102 基本レイヤストリーム配信手段
103 端末認証手段
104 認証情報記憶手段
105 拡張レイヤストリーム配信手段
200 携帯端末
201 端末認証要求手段
202 基本レイヤストリーム取得手段
203 コンテンツ蓄積手段
204 再生指示送信手段
205 基本レイヤストリーム配信手段
300 映像再生端末
301 再生指示受付手段
302 拡張レイヤストリーム配信要求手段
303 拡張レイヤストリーム受信手段
304 基本レイヤストリーム受信手段
305 映像デコード手段
306 映像表示手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像コンテンツは単独で再生可能な基本映像信号と当該基本映像信号の画質を高めるための拡張映像信号とにより構成されており、
前記映像コンテンツを蓄積し前記基本映像信号と前記拡張映像信号とを互いに独立して配信することが可能な映像コンテンツ蓄積サーバ装置と、
当該映像コンテンツ蓄積サーバ装置から前記基本映像信号を受信して蓄積する映像コンテンツ携帯端末装置と、
当該映像コンテンツ携帯端末装置からの指示を受けて映像を再生する映像コンテンツ再生端末装置と、を備え、
前記基本映像信号を前記映像コンテンツ携帯端末装置から受信し、前記拡張映像信号を前記映像コンテンツ蓄積サーバ装置から受信して前記映像コンテンツ再生端末装置が再生する映像を生成することを特徴とする映像配信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の映像配信システムにおいて、
前記映像コンテンツ再生端末装置は、前記拡張映像信号の識別子を前記映像コンテンツ携帯端末装置から取得し、当該識別子を用いて前記拡張映像信号を前記映像コンテンツ蓄積サーバ装置に要求することを特徴とする映像配信システム。
【請求項3】
映像コンテンツは単独で再生可能な基本映像信号と当該基本映像信号の画質を高めるための拡張映像信号とにより構成されており、
前記基本映像信号を受信する基本映像信号受信手段と、
前記拡張映像信号を受信する拡張映像信号受信手段と、
前記基本映像信号と前記拡張映像信号とから映像を生成する映像デコード手段と、
を備え、
互いに異なる経路により伝送されてきた前記基本映像信号と前記拡張映像信号とを受信することを特徴とする映像コンテンツ再生端末装置。
【請求項4】
請求項3に記載の映像コンテンツ再生端末装置において、
前記拡張映像信号の送信を、当該拡張映像信号を保持する前記映像コンテンツ蓄積サーバ装置又は前記映像コンテンツ携帯端末装置に対して要求する拡張映像信号要求手段を備えることを特徴とする映像コンテンツ再生端末装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の映像コンテンツ再生端末装置において、
前記映像コンテンツの再生の指示を示す再生指示情報を前記映像コンテンツ携帯端末装置から受け付ける映像再生指示受付手段を備えることを特徴とする映像コンテンツ再生端末装置。
【請求項6】
請求項5に記載の映像コンテンツ再生端末装置において、
前記映像再生指示受付手段は、前記映像コンテンツの再生指示情報に含まれる拡張映像信号の取得に関する情報を読み出し、
前記拡張映像信号要求手段は、当該情報に基づいて前記拡張映像信号を要求することを特徴とする映像コンテンツ再生端末装置。
【請求項7】
請求項6に記載の映像コンテンツ再生端末装置において、
前記拡張映像信号要求手段は、前記情報に含まれる拡張映像信号の識別子を用いて、任意の階層の拡張映像信号を前記映像コンテンツ蓄積サーバ装置又は前記映像コンテンツ携帯端末装置に対して要求し、
前記映像デコード手段は、複数の拡張映像信号のうち任意の階層までの拡張映像信号と基本映像信号とから映像を生成することを特徴とする映像コンテンツ再生端末装置。
【請求項8】
請求項3乃至7の何れか一項に記載の映像コンテンツ再生端末装置において、
前記拡張映像信号を完全に受信できない場合には、前記デコード手段は、受信した基本映像信号と受信できなかった最下位階層未満の拡張映像信号とを用いて映像を生成することを特徴とする映像コンテンツ再生端末装置。
【請求項9】
映像コンテンツは単独で再生可能な基本映像信号と当該基本映像信号の画質を高めるための拡張映像信号とにより構成されており、
前記映像コンテンツを蓄積するコンテンツ蓄積手段と、
前記基本映像信号を映像コンテンツ携帯端末装置へ送信する基本映像信号配信手段と、
前記拡張映像信号を映像コンテンツ再生端末装置へ送信する拡張映像信号配信手段と、を備え、
前記基本映像信号と前記拡張映像信号と互いに独立して配信することを特徴とする映像コンテンツ蓄積サーバ装置。
【請求項10】
請求項9に記載の映像コンテンツ蓄積サーバ装置において、
前記基本映像信号と前記拡張映像信号とを取得する端末装置が正当であるか否かを判断する端末認証手段と、
前記端末認証手段における認証に必要な端末装置情報を記憶する認証情報記憶手段と、
を備え、
前記端末認証手段により認証された端末装置に対して前記基本映像信号の配信を可能にすることを特徴とする映像コンテンツ蓄積サーバ装置。
【請求項11】
請求項10に記載の映像コンテンツ蓄積サーバ装置において、
前記映像コンテンツを記憶するコンテンツ蓄積手段は、前記蓄積している基本映像信号の識別子と前記拡張映像信号の識別子とを保持し、
前記認証情報記憶手段は、前記端末装置が利用可能な映像コンテンツと当該映像コンテンツの拡張映像信号の識別子とを記憶し、前記端末認証手段により正当であると認証された前記携帯端末装置に対して前記拡張映像信号の識別子を送信することを特徴とする映像コンテンツ蓄積サーバ装置。
【請求項12】
映像コンテンツは単独で再生可能な基本映像信号と当該基本映像信号の画質を高めるための拡張映像信号とにより構成されており、
前記基本映像信号を受信する基本映像信号受信手段と、
前記基本映像信号受信手段により受信した基本映像信号を蓄積する映像信号蓄積手段と、
前記映像コンテンツの再生を映像コンテンツ再生端末装置に指示する再生指示手段と、
再生の指示を行った前記映像コンテンツ再生端末装置に前記基本映像信号を配信する基本映像信号配信手段と、
を備え、
前記受信して蓄積した映像コンテンツを選択し、前記映像コンテンツ再生端末装置以外の映像コンテンツ再生端末装置に対して再生の指示と基本映像信号の送信とを行うことを特徴とする映像コンテンツ携帯端末装置。
【請求項13】
請求項12に記載の映像コンテンツ携帯端末装置において、
端末認証を前記映像コンテンツ蓄積サーバ装置に対して要求する端末認証要求手段を備え、
前記映像コンテンツ蓄積サーバ装置に対して端末認証を要求し、認証を受けて映像コンテンツを構成する基本映像信号を受信することを特徴とする映像コンテンツ携帯端末装置。
【請求項14】
請求項13に記載の映像コンテンツ携帯端末装置において、
前記映像コンテンツ蓄積サーバ装置から前記拡張映像信号の識別子を取得し、前記映像コンテンツの再生を前記映像コンテンツ再生端末装置に指示すると共に、前記拡張映像信号の識別子を送信することを特徴とする映像コンテンツ携帯端末装置。
【請求項15】
請求項1又は2に記載の映像配信システムにおいて、
前記基本映像信号は、映像スケーラブルコーデックの基本レイヤストリームであり、前記拡張映像信号は、拡張レイヤストリームであることを特徴とする映像配信システム。
【請求項16】
請求項3乃至8の何れか一項に記載の映像コンテンツ再生端末装置において、
前記基本映像信号は、映像スケーラブルコーデックの基本レイヤストリームであり、前記拡張映像信号は、拡張レイヤストリームであることを特徴とする映像コンテンツ再生端末装置。
【請求項17】
請求項9乃至11の何れか一項に記載の映像コンテンツ蓄積サーバ装置において、
前記基本映像信号は、映像スケーラブルコーデックの基本レイヤストリームであり、前記拡張映像信号は、拡張レイヤストリームであることを特徴とする映像コンテンツ蓄積サーバ装置。
【請求項18】
請求項12乃至14の何れか一項に記載の映像コンテンツ携帯端末装置において、
前記基本映像信号は、映像スケーラブルコーデックの基本レイヤストリームであり、前記拡張映像信号は、拡張レイヤストリームであることを特徴とする映像コンテンツ携帯端末装置。
【請求項19】
コンピュータを、
請求項3乃至8の何れか一項に記載の映像コンテンツ再生端末装置として機能させることを特徴とする映像コンテンツ再生端末装置用プログラム。
【請求項20】
コンピュータを、
請求項12乃至14の何れか一項に記載の映像コンテンツ携帯端末装置として機能させることを特徴とする映像コンテンツ携帯端末装置用プログラム。
【請求項21】
映像コンテンツは、単独で再生可能な基本映像信号と、当該基本映像信号の画質を高めるための拡張映像信号と、により構成されており、前記映像コンテンツを蓄積し前記基本映像信号と前記拡張映像信号とを互いに独立して配信することが可能な映像コンテンツ蓄積サーバ装置と、当該映像コンテンツ蓄積サーバ装置から前記基本映像信号を受信して蓄積する映像コンテンツ携帯端末装置と、当該映像コンテンツ携帯端末装置からの指示を受けて映像を再生する映像コンテンツ再生端末装置と、を備える映像配信システムにおける映像配信方法であって、
前記映像コンテンツ再生端末装置は、前記基本映像信号を前記映像コンテンツ携帯端末装置から受信する基本映像信号受信工程と、
前記映像コンテンツ再生端末装置は、前記拡張映像信号を前記映像コンテンツ蓄積サーバ装置から受信する拡張映像信号受信工程と、
前記映像コンテンツ再生端末装置は、前記基本映像信号受信工程により受信した前記基本映像信号と、前記拡張映像信号受信工程により受信した前記拡張映像信号とに基づいて前記映像コンテンツ再生端末装置が再生する映像を生成する映像生成工程と、
を備えることを特徴とする映像配信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−147571(P2009−147571A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−321454(P2007−321454)
【出願日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】