説明

時刻印字装置

【課題】印字時刻が正確であることを担保する。
【解決手段】GPS1や電波時計2のように正確な時刻を配信しているシステムを利用して、取得した時刻データを直接印字する。この時刻印字装置は印字部分にグラフィックプリンター4を使用し、独自の字形を使用することで、一般のプリンタとの差別を図る。この差別化により、独自に作成した字形であれば正確な時間印字が行われていることが容易に判別できる。同時に時刻印字装置6は内部で印字回数を記憶することで、印字対象物の数と、印字回数が同じであることを担保する。同じ印字対象物に複数回、異なる時刻の印字をすることを防止し、より一層印字時刻の正確さを担保する。また時刻の印字と共に、QRコード5(登録商標)等のコード化された時刻を同時に印字し、そのコードを解読することで文字の改竄が行われていないことを保障し、より一層の印字時刻の正確さを担保する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は時刻を配信しているシステムから取得した時刻データに一切手を加えることなく印字することによって、印字した時刻の正確さを担保することを目的とした時刻印字装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年問題になっている食品偽装問題のひとつである賞味期限改竄は、食品の包装に恣意的に不正確な賞味期限の日時を印字することによって起こっているが、この問題に関しては製造年月日が製造時点で正確に食品包装に印字されることで、賞味期限改竄の大部分が防止できると考えられる。
しかし現在食品包装に製造年月日を印字する時刻印字装置は、その利便性から印字日時を任意に設定が可能となっているものが大部分であり、印字されている時刻の正確さを担保できない。これらの問題を解決するために正確な時刻を自動的に取得し、その時刻の変更が不可能な時刻印字装置の必要性があると考えられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の時刻印字装置は、印字時刻を任意に設定できるものが大部分であるが、その手法としては印字時刻そのものを決定するもの、印字時刻の基になる内部時計の時刻を任意に設定できるものなどがある。このうち内部時計の時刻を任意に設定できるものに関しては、本来内部時計の狂いを手動で修正する機能として付加されているのであるが、このことが印字時刻の正確さを担保できない原因になっている。
【0004】
また印字された時刻が正確であった場合でも、印字対象物より多い時刻印字を行うことによる、すでに時刻印字した対象物に改めて異なる時刻印字を行う不正ならびに、印字時刻に対し故意に加筆修正を加えることで、改竄を行う不正に対しても有効な対抗手段の確立が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
GPSや電波時計のように正確な時刻を配信しているシステムを利用して、取得した時刻データを直接印字する時刻印字装置を開発する。このことにより、一切恣意的な時刻の変更が加えられる可能性を排除し、正確な時刻の印字を保障する。この印字装置により食品の包装への直接印字もしくは時刻を印字したシールを包装に貼付することで、食品の製造年月日の正確な時期を記録することが可能である。
【0006】
時刻印字装置は印字部分にグラフィックプリンターを使用し、独自の字形を使用することで、一般のプリンターとの差別を図る。この差別化により、独自に作成した字形であれば正確な時間印字が行われていることが容易に判別できるようにする。
【0007】
時刻印字装置は内部で印字回数を記憶することで、印字対象物の数と、印字回数が同じであることを担保する。このことにより、同じ印字対象物に複数回、異なる時刻の印字をすることを防止し、より一層印字時刻の正確さを担保する。
【0008】
また時刻の印字と共に、QRコード等のコード化された時刻を同時に印字し、そのコードを解読することで文字の改竄が行われていないことを保障するシステムを付加することで、より一層の印字時刻の正確さを担保する。
【発明の効果】
【0009】
本発明による時刻印字装置を使用することにより、印字対象物に正確な時刻が印字でき、かつその時刻が正確であることが第3者に対して担保できるようになる。このことにより、故意、錯誤に関わらず印字対象物に間違った時刻が印字されることを防止することが可能となる。
また、印字回数の記憶、コード化した時刻の印字により、なお一層の印字時刻の正確さが担保される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に従い説明する。
【0011】
図1に本発明の印字装置のブロック図を、図2にコード化したデータの解読のシステム図を示す。
【0012】
GPSアンテナもしくは電波時計アンテナから取り込まれた時刻データは演算処理装置で実際の時刻を表す数字の字形に変換され、そのまま時刻印字プリンタに送り出され印字する。この際恣意的に時刻を変更する処理は一切行わない。
【0013】
時刻印字プリンタは、時刻の印字と同時にコード化されたデータを印刷する。このコード化データは、QRコード等の汎用化されたコードを使用し、携帯電話などのコード化データを解読できる装置で再度数値化すると同時に別途設置されたサーバにデータを送信することで解読したデータが有意のものであることを証明する。
【図面の簡単な説明】
【図1】時刻印字装置、処理ブロック図
【図2】データ解読システム、ブロック図
【符号の説明】
1GPSアンテナ、2電波時計アンテナ、3演算処理装置、4時刻印字プリンタ、5コード化データ、6時刻印字装置、7サーバ、8コード化データ解読装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
GPS・電波時計等の時刻に関する汎用データを受信することで、正確な時刻を印字することを目的とした時刻印字装置。
【請求項2】
[請求項1]の時刻印字装置による時刻の正確さを担保するために、受信した時刻のデータの変更が不可能である電子回路。
【請求項3】
印字された時刻が正確であることの判断を容易にするため、他の時刻印字装置による印字と差別化された独自の字形を採用した時刻印字装置。
【請求項4】
時刻印字した回数を記憶し、その回数を検証可能とすることで、印字対象個数以上に時刻印字を行っていないことを保障し、印字対象に対し不正な時刻印字を行っていない証とすることを目的とする時刻印字装置。
【請求項5】
[請求項1]の時刻印字装置による印字された時刻が正確なものであることの検証を可能とするために、コード化された時刻データを同時に印刷し、そのコードを解読することでデータの改竄等が行われていないことを担保する検証システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−137359(P2010−137359A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−291527(P2008−291527)
【出願日】平成20年10月17日(2008.10.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(309007483)
【Fターム(参考)】