時空間データの処理装置、統合化装置、共用化システム及び処理方法
【課題】それぞれが要求に適合したデータ管理をしていても、必要時には情報を統合できる手段を提供する。
【解決手段】位置情報と当該位置情報に関係付けされる種別毎の管理情報と時間情報を含む時空間データを時空間データ記憶手段1に格納するとともに、管理情報を出力するための管理図面を展開する図面情報及び当該管理図面上の特定された位置の属性情報に対応して位置情報を有する管理データを管理データ記憶手段2に格納し、図面情報により管理図面を展開し、種別や時間の指示入力3に基づき時空間データ記憶手段1及び管理データ記憶手段2をアクセスして、位置情報に関係付けされる管理情報を検索して検索した管理情報を出力する(4、5)。
【解決手段】位置情報と当該位置情報に関係付けされる種別毎の管理情報と時間情報を含む時空間データを時空間データ記憶手段1に格納するとともに、管理情報を出力するための管理図面を展開する図面情報及び当該管理図面上の特定された位置の属性情報に対応して位置情報を有する管理データを管理データ記憶手段2に格納し、図面情報により管理図面を展開し、種別や時間の指示入力3に基づき時空間データ記憶手段1及び管理データ記憶手段2をアクセスして、位置情報に関係付けされる管理情報を検索して検索した管理情報を出力する(4、5)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置情報と当該位置情報に関係付けされる種別毎の管理情報と時間情報を含む時空間データを管理データで共用する時空間データの処理装置、統合化装置、共用化システム及び処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ファクシミリによるイメージ情報からなる災害情報を収集して分類、管理、整理を効率よく行えるようにするシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このシステムは、ファクシミリにより受信したイメージ情報に受信日時の情報を付与し、さらに、イメージ情報から分析される災害の発生場所の情報、及び、少なくとも災害の種類、災害のレベル、災害の関連の各情報を有する災害事象の情報を付与して、災害情報データファイルに蓄積し、発信場所や発生場所を含む地域、時間帯、災害事象を検索キーとして災害情報データを検索し、災害情報のイメージを地図上の発信場所や発生場所に貼り付けて出力できるようにするものである。
【0003】
各自治体等から被災地の災害情報を中央官庁や県本部が広域的に収集し監視するシステムを想定した場合、ファクシミリは、迅速な災害情報の伝達手段として便利である。例えばメールのような場合には、キー入力により災害情報を文章にして送信することが必要であるため、簡便かつ迅速に災害情報を編集して送信する手段としてはある面でファクシミリより劣っている。ファクシミリは、例えば地図を含む所定の送信用シートを何種類か用意しておくと、そこにマーク等を付け、手書き情報を少し加えるだけでも的確な災害情報を送信でき、より簡便かつ迅速な災害情報の編集、送信が可能になる。
【0004】
また、携帯端末と災害情報端末装置とを接続可能にして安否情報を管理サーバー装置に収集しその安否情報を管理サーバー装置から所定の機関等に配信する災害情報通信システムが提案されている(例えば、特許文献2参照)。このシステムは、各携帯端末と通信可能とする簡易通信手段を有し各所に配置されている自動販売機に安否情報を蓄積し、その蓄積した安否情報を各自動販売機からネットワークを介して接続したデータベースに取り込んで蓄積することにより、それらの安否情報を各自動販売機の設置された地域毎に振り分け、その地域別の安否情報を外部機関等に配信できるようにしている。このシステムにより、災害時に、各所に配置されている自動販売機(または災害情報端末装置)によって携帯端末との通信が可能となり、自動販売機を介して安否情報を直ちに伝達でき、しかも大勢の人が携帯端末を使って安否情報を送ることができるので、安心感を与えることができ、治安の面でも貢献できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−133831号公報
【特許文献2】特開2007−179137号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来より、災害対応の情報をインターネットで配信する試みも多いが、伝送路の途絶や機器に不慣れで、その情報を必要とする被災者には届かない場合が多いのが実情である。普段から防災関連機関が身近で信頼できると住民が実感できることと、災害時にも破綻しない防災システムの実現が不可欠である。
【0007】
また、地域コミュニティでは、概略地図を、自治体では詳細地図をそれぞれ使用していると、災害時に情報の共用をしたいという要求があっても、概略地図と詳細地図のままでは対応できないという問題が生じる。同じことが、それぞれの部署で、異なる表現のデータを使いたいという場合に生じる。
【0008】
このように自治体と地域コミュニティ、近隣自治体との間では、必ずしも同じ地図データが使われるとは限らない。場合によっては、部署ごとに異なる地図データを使うこともある。それぞれの規模、目的に応じた利便性の差に依存するためで、そのような中でも、被災時には情報の共用が求められる。
【0009】
確実に稼動する情報システムは、単体での稼動を基本として、かつ複数台の連動もできる構成が望まれる。しかも、異なる表現のデータ、地図データで共用できるようにするためには、概略地図、見取り図、表なども含めて、地域管理に必要となる全情報を時空間情報として統一管理する時空間情報処理を構築することが必要となる。しかし、従来のシステムには、これらの要求にこたえるものがなかった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を解決するものであって、それぞれが要求に適合したデータ管理をしていても、必要時には情報を統合できる手段を提供し、また、自治体間の情報連携にも同じ処理が適用でき、さらに、汎用的なデータベース管理にも適用できる手段を提供するものである。
【0011】
そのために本発明は、位置情報と当該位置情報に関係付けされる種別毎の管理情報と時間情報を含む時空間データを管理データで共用する時空間データの処理装置であって、前記時空間データを格納する時空間データ記憶手段と、前記管理情報を出力するための管理図面を展開する図面情報及び当該管理図面上の特定された位置の属性情報に対応して前記位置情報を有する管理データを格納する管理データ記憶手段と、前記時空間データ及び前記管理データを入出力するための指示入力を行う指示入力手段と、前記指示入力手段の指示入力に基づき前記時空間データ記憶手段及び前記管理データ記憶手段をアクセスして前記時空間データ及び管理データの入出力処理を行う入出力情報合成展開処理手段とを備え、前記入出力情報合成展開処理手段は、前記図面情報により管理図面を展開し、前記指示入力手段による種別や時間の指示入力に基づき前記位置情報に関係付けされる管理情報を検索して前記検索した管理情報を出力することを特徴とする。
【0012】
前記時空間データは、管理情報の種別を識別する識別情報を有し、前記時間情報は、前記管理情報毎に確実に存在する時間と確実に存在しない時間とそれらが曖昧な中間の時間の情報を含むことを特徴とし、前記管理情報のうち、従属関係にある管理情報は、主の管理情報の位置情報の近傍の位置に関係付けされることを特徴とし、前記主の管理情報の位置情報に対して渦巻き状に一定の値ずつ離れた位置に関係付けされることを特徴とし、前記位置情報は、地図上の座標であることを特徴とし、前記入出力情報合成展開処理手段は、前記指示入力手段からの指示入力により時空間データ記憶手段の時空間データの更新、追加、削除の処理を行うことを特徴とする。
【0013】
さらに、時空間データの統合化装置として、複数の時空間データの処理装置の前記時空間データ記憶手段に格納された時空間データを前記位置情報に基づき統合化することを特徴とし、時空間データの共有化システムとして、複数の時空間データの処理装置と統合化装置とを通信回線を介して接続したことを特徴とする。
【0014】
また、位置情報と当該位置情報に関係付けされる種別毎の管理情報と時間情報を含む時空間データを管理データで共用する時空間データの共用化方法であって、前記時空間デー
タを時空間データ記憶手段に格納するとともに、前記管理情報を出力するための管理図面を展開する図面情報及び当該管理図面上の特定された位置の属性情報に対応して前記位置情報を有する管理データを管理データ記憶手段に格納し、前記図面情報により管理図面を展開し、種別や時間の指示入力に基づき前記時空間データ記憶手段及び前記管理データ記憶手段をアクセスして、前記位置情報に関係付けされる管理情報を検索して前記検索した管理情報を出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、詳細地図上の座標により時空間データと管理データが連繋でき、管理データにより管理機関や目的、地域などに応じた管理画面を展開して時空間データの管理情報を出力することができる。しかも、管理情報は、時空間データに全て持たせるので、他のシステムとの管理情報の統合が簡便に実現でき、例えば各戸の情報は、自治体に集められて、個別の時空間データを統一的な時空間データベースに統合することも容易に実現できる。近隣自治体と広域連携の組織化をすることで、相互支援の情報伝送も実現できる。さらに、災害情報に限らず様々な情報に位置情報を持たせた時空間データを構築することにより、任意の管理画面により管理情報を出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る時空間データの処理装置の実施の形態を説明する図である。
【図2】時空間データの構成例を示す図である。
【図3】時間情報を説明する図である。
【図4】管理データの構成例を示す図である。
【図5】本発明に係る時空間データの処理装置による処理を説明する図である。
【図6】主情報の座標に関係付けてその周囲の座標に従情報を格納し管理する例を示す図である。
【図7】図6(a)に示す座標配置例における前の従情報との座標差、各従情報の座標値、座標範囲を説明する図である。
【図8】自治会で使用される見取り図の例を示す図である。
【図9】自治会で使用される組織図の例を示す図である。
【図10】概略地図と詳細地図により統合される時空間データベースを説明する図である。
【図11】従来の防災情報データベースシステムを説明する図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明に係る時空間データの処理装置の実施の形態を説明する図、図2は時空間データの構成例を示す図、図3は時間情報を説明する図、図4は管理データの構成例を示す図である。図中、1は時空間データ記憶部、2は管理データ記憶部、3は指示入力部、4は入出力情報合成展開処理部、5は出力部を示す。
【0018】
図1において、時空間データ記憶部1は、位置情報と当該位置情報に関係付けされる種別毎の管理情報と、さらには時間情報を含む時空間データが格納される。管理データ記憶部2は、管理情報を出力するための管理図面を展開する図面情報及びその管理図面上の特定された位置の属性情報に対応して時空間データの位置情報を有する管理データが格納される。時空間データは、位置に関係付けされる任意の管理情報(実情報)を有する。したがって、時空間データは、位置情報により他の装置と実情報を共用でき、位置情報に従い装置間で情報を統合することができる。それに対し、管理データは、時空間データの管理情報を出力し、追加、変更、更新するための管理図面を展開する図面情報を有する。したがって、管理データにおいて管理図面上の属性情報に対応する位置情報より時空間データと連結して必要な管理情報を検索して出力することができる。このように管理データには
実情報である管理情報を持たずに、常に時空間データに管理情報を持たせている。
【0019】
指示入力部3は、時空間データ及び管理データを入出力するための指示入力を行い、入出力情報合成展開処理部4は、指示入力部3の指示入力に基づき時空間データ記憶部1及び前記管理データ記憶部2をアクセスして時空間データ及び管理データの入出力処理を行う。入出力情報合成展開処理部4の出力処理では、管理データにおける図面情報に基づき管理図面を展開するとともに、指示入力部3による種別や時間の指示入力に基づき管理データにおける図面上の属性情報に関係付け(連結)される座標により管理情報を検索し、展開した管理図面に検索した管理情報を合成し、あるいは管理図面を管理情報の展開図に切り換える。出力部5は、入出力情報合成展開処理部4により出力処理された管理図面と管理情報を出力し、あるいは管理情報の展開図を出力するディスプレイやプリンタ、送信部からなる。
【0020】
時空間データは、例えば図2に示すように位置情報として地図上の座標その他装置の適用に対応して規格化された標準座標(Xi ,Yi 、東経,北緯) 、代表情報データ001(例えば代表名、地番、地名など)を有し、その座標値に関係付けされる管理情報を種別する識別情報として種イ、ロ、ハ、……(人、物、事象など)、管理情報としてデータ00101、00102、00103、……(人であれば氏名、性別、生年月日、年齢、家族、家系、職業、経歴、生活状況、健康状況など、物であれば建物その他の構築物名、構造、規模、地番、状態など、事象であれば過去に発生したした災害、事件、工事施工履歴など)を有する。
【0021】
例えば代表情報データ「特許太郎、東京都千代田区丸の内1−1−1」、種別情報「世帯」に対応して管理情報「特許太郎(男、本人)1945年1月1日生、花子(女、妻)1950年2月2日生、大助(男、父)1915年3月3日生、ハツ(女、母)1920年4月4日生)」、種別情報「健康」に対応して管理情報「既往病歴××、介護認定の有無××」、種別情報「土地」に対応して「地番××、地目、××」とその時間情報「登記日付××」、また、造成や分筆その他の変動があった場合には、その内容や発生時期、施工期間など、種別情報「家屋」に対応して「家屋番号××、種類××、構造××、床面積××」とその時間情報「登記日付××」、さらに改築があった場合には、その改築の内容や改築年月日、種別情報「緊急時連絡先」に対応して「連絡先名××、電話番号××」とその時間情報「登録日付××」、種別情報「災害履歴」に対応して「災害の種類××、規模××、被災状態××」とその時間情報「発生日時××」が設定される。
【0022】
そして、それぞれの代表情報、管理情報に、ある時期にのみ存在したものについてはその時期を示す時間情報tを、ある期間存在したものについては何時から何時まで存在したかその存在期間を示す時間情報(ts ,te ,tss,tse,tes,tee)を適宜有する。ts は存在の始期、te は存在の終期、tssはこの時点より前は確実に存在せず、tseはこの時点より後は確実に存在し、tesはこの時点より前は確実に存在し、teeはこの時点より後は確実に存在しない時間情報を示す。すなわち、tssからtseまでの間、tesからteeまでの間は、存在が曖昧な時間であり、tseからtesまでの間は、確実に存在していた時間を示すことになり、消滅、存在の状況、切り換えの発生状況に応じて使い分け設定される。
【0023】
家の時間情報は、例えば図3(a)に示すように建築から解体に至るまで、建築の開始時にtss、完成時(登記時)にtse、解体開始時にtes、解体終了時にteeが設定される。また、駐車場として利用される土地の時間情報は、図3(d)に示すように建築の開始時にte が設定され、駐車場として利用可能状態に整備された時にts が設定される。町名変更になった行政界の時間情報は、その変更時に、また、売買等により所有が移転した物件の時間情報、人や動物の誕生や死亡の時間情報は、その発生時にそれぞれ図3(d)
に示すようにts 、te が設定される。調査により存在しなかった最後の時点がtss、存在を確認した最初の時点がtseであった場合には、図3(b)に示すようにtssからtseまでの間は何時から存在したかが確定できない曖昧ゾーンとして時間情報が設定される。同様に調査により存在した最後の時点がtes、存在が確認できなくなった最初の時点がteeがあった場合には、図3(c)に示すようにtesからteeまでの間は何時から存在しなくなったかが確定できない曖昧ゾーンとして時間情報が設定される。ts とtss=tse、te とtes=teeは同じ意味になるので、いずれを使ってもよく、状況に応じて適宜図3(a)〜(d)のタイプの時間情報が使い分け設定される。
【0024】
管理データは、例えば図4に示すように管理情報を出力するための管理図面として、概略図、見取図、区分図、配置図、模式図、関係図、表、リスト、グラフなどを展開する図面情報及びその管理図面上の特定された位置となる属性情報イや、その管理図面上の座標(xj ,yj ) 、表の行や項目の位置、領域に対応して時空間データの位置情報、つまり実際の詳細地図上の座標その他装置の適用に対応して規格化された標準座標(Xi ,Yi ) を有する。
【0025】
本実施形態において、自治体や地域コミュニティ、自治会、施設管理、地域管理その他装置を適用する機関や利用目的に応じ、管理図面は、それぞれに適応した概略図や見取図、表、リストなどの図面情報が選択適用される。例えば町内会や自治会での利用のような場合には、市街地図や概略地図、自治会、町内会の班や組毎の各家の一覧表、リスト、関係図などの管理図面を展開する図面情報が用意される。その場合、これら図面情報における各家の代表名などの属性情報や座標(xj ,yj ) に対応して実際の詳細地図の上の座標その他装置の適用に対応して規格化された標準座標(Xi ,Yi ) が格納される。
【0026】
このような管理データに対し、時空間データは、適用する機関や利用目的に関係なくさまざまな管理データで共用化されるものであり、実際の詳細地図上の座標(Xi ,Yi ) に関係付けされる種別(識別情報)毎の管理情報と時間情報を有し、管理図面でその時々の要求に応じて時間情報が提供される。すなわち、概略図、見取図、区分図、配置図、模式図、関係図、表、リスト、グラフなどのいずれの管理図面においても、適用する機関や利用目的に応じ同じ時空間データである実際の詳細地図の上の座標その他装置の適用に対応して規格化された標準座標(Xi ,Yi ) に関係付けされる種別毎の管理情報を選択的に検索して出力することができる。その結果、他の装置の時空間データも詳細地図上の座標その他装置の適用に対応して規格化された標準座標(Xi ,Yi ) で統合することができる。
【0027】
図5は本発明に係る時空間データの処理装置による処理を説明する図である。本実施形態では、まず、適用する機関や利用目的、地域などに応じ使用する表現の管理図面の選択指示を行い(ステップS11)、さらに出力する管理情報の選択指示を行う(ステップS12)。次に、管理データ記憶部2の図面情報から読み出して選択指示された表現の管理図面を展開するとともに(ステップS13)、管理データから時空間データの座標を読み出して時空間データ記憶手段から選択指示された管理情報を検索して(ステップS14)、展開した管理図面上に管理情報を貼り付け合成して管理図面を出力する(ステップS15)。管理情報の選択指示は、種別(識別情報)、さらには時間情報により行われる。
【0028】
出力された管理図面において、続けて管理情報の選択指示があるか否か(ステップS16)を判定し、指示に従いステップS14の処理に戻って新たな管理情報の検索を行う。管理情報の選択指示がない場合には、管理情報の更新指示があるか否か(ステップS17)、管理情報の追加削除指示があるか否か(ステップS19)を判定し、指示に従い時空間データ記憶手段の管理情報の更新を行い(ステップS18)、或いは管理情報の追加削除(ステップS20)を行うとともに、指示された管理情報を管理画面に反映させる(ス
テップS21)。
【0029】
図6は主情報の座標に関係付けてその周囲の座標に従情報を格納し管理する例を示す図、図7は図6(a)に示す座標配置例における前の従情報との座標差、各従情報の座標値、座標範囲を説明する図である。
【0030】
例えば世帯情報と家族情報のように、従属関係があると同時にそれぞれが主になる情報に対して関係付けの記述をするとそのデータは大量になる。本実施形態の時空間データにおいて、特定の位置情報にあらゆる管理情報を関係付けると、情報が多く検索が煩雑になり整理が難しくなる。そのような問題を解決するものとして、管理情報の一部を従情報として設定し、近傍の位置情報に関係付け配置する例を示したのが図6である。
【0031】
図6において、主情報を〔0〕、それに従属する従情報を〔1〕、〔2〕、……で示し、従情報の座標は、Δaを基準単位として、主情報〔0〕の座標(Xi ,Yi )の周囲、Δa/2ずつ外側へ反時計方向の渦巻き状にΔaずつ順次ずらせて配置されている。図6(a)は主情報の右上から、図6(b)は主情報の右横から順次渦巻き状にずらせた周囲に従情報の座標が配置されている。
【0032】
したがって、従情報〔1〕〜〔4〕は、主情報〔0〕の座標(Xi ,Yi )から±Δa/2だけ離れた座標範囲に配置され、従情報〔5〕〜〔12〕は、主情報〔0〕の座標(Xi ,Yi )から±Δaだけ離れ、従情報〔13〕〜〔24〕は、さらに±3Δa/2だけ離れた座標範囲に配置されている。
【0033】
図6において、例えばδを管理情報が関係付けされる位置情報の最小座標密度とし、Δaを0.1δとすると、渦巻き状に9周りの層までは隣接する主情報との間で従情報の座標と競合が生じない。しかし、10周りの層(0.5δ)になると、隣接する主情報の従情報との間で座標の競合が生じることになる。同様にして従情報にも、さらに0.1Δaを基準単位として孫の従情報の座標を設定して配置し、さらに階層化してもよい。
【0034】
このように主情報を配置した座標から算出できる座標で従情報を配置する。従情報は複数個になるため、数が増やせる配置として渦巻状の配置が好都合である。渦巻状の配置位置は情報の数で決めることができる。また、1つの主情報に複数の独立の従情報が存在する場合、世帯と家族のように上限値は大きくない場合と、数が大きくなり得る場合など、内容に応じて計算方法を指定できる方式がある。1つの渦巻き配置をN飛ばしで使用することで、N種類の独立情報の分類を含めて同じ渦巻きに乗せることができる。N飛ばしにする方法としては、連続的に飛ばす方法だけでなく、リング状の位置に応じた管理も可能である。
【0035】
関係を制御できる場合は、主から従の位置を算出できる位置に配置する。主従関係は、1:nになる場合は、渦巻きが1つになるが、1:〔n1〕、〔n2〕というふうに1つの主に対して、独立の従のセットが複数個付属する場合もある。主だけの検索は、点を与えることで可能であり、主と従の検索は、広がりを含めて検索する。従だけの検索は従の位置で検索できる。
【0036】
図6(a)に示す座標配置における各従情報の座標値、グループ化して検索する場合の座標範囲の一覧を示したのが図7である。この一覧を参照することにより、例えば従情報を登録する場合、図7(a)に示すXY座標差で順次、N飛ばしで、或いは、各点の座標を図7(a)にしたがって選択することにより特定の位置を選択することができ、特定の従属座標に関係付けされる管理情報を選択的に格納し、検索することができる。
【0037】
例えば図6(a)に示す座標配置で従情報の検索範囲として、象限1〜4、外周1、2、……を選択する場合には、図7(b)に示す座標範囲で従情報が検索され所望の管理情報が抽出される。また、従情報〔i〕〜〔j〕や〔m〕を検索範囲として指示し、さらに時間軸ti を検索範囲として指定することにより、所望の管理情報を検索することもできる。例えば従情報〔1〕に家族情報を設定し、それぞれの家族(長男家族、長女家族、次男家族、兄弟家族、……)の情報を奇数の従情報に設定し、従情報〔2〕、〔4〕を△△、従情報〔6〕、〔8〕を○○のようにして管理することにより、従情報を適宜選択して検索することができる。
【0038】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えばサーバや情報管理センターなどの統合化装置に時空間データを持ち、通信回線を通して端末の時空間データの処理装置に時空間データを配信して時空間データ記憶部に格納し、また、各端末から通信回線を通してセンターなどに時空間データを収集して統合し管理する構成であってもよい。勿論、時空間データを記録媒体に格納して単体稼働のカステムにロードし共用化する構成であってもよい。
【0039】
図8は自治会で使用される見取り図の例を示す図、図9は自治会で使用される組織図の例を示す図、図10は概略地図と詳細地図により統合される時空間データベースを説明する図、図11は従来の防災情報データベースシステムを説明する図である。
【0040】
自治会では、地区の地図を使って住民の情報基盤としている。ここでは、隣接家屋の関係が分かりやすい例えば図8に示すような見取り図や自治会会員の役割分担や連絡網が分かりやすい図9に示すような組織図が使われている。それに対して自治体では、複数の自治会を統合的に見る必要もあり、測量に基づく詳細地図が使われる。
【0041】
普段の運用では、それぞれが、独立して作業をしているため情報の連携はさほど重要ではない。しかし、被災時などでは、図8や図9などの管理図面で運用される地域の情報を図10に示すように詳細図に集約して、町全体の状況を把握することが、自治体、各自治会にとって対策を迅速化する上でも意義がある。
【0042】
個別管理のデータベースシステムでは、項目ごとの管理体系が異なるため、現実的な統合は、図11に示すように事前に統合化をしていなければ困難である。整合が取れる状況にしてあっても、データの更新が入るとその整合は崩れるのが現状である。しかし、本実施形態のように詳細地図の座標を使用した時空間位置で管理するデータベースシステムでは、位置と機関などの時間情報は共通になるため、この問題の多くは解消される。つまり、管理している地図が異なれば、位置関係は対応付けが困難になる。しかし、位置には一義的に決まる対応関係がある(RDBでは、複雑なインデックス関係が記述されるため、対応は容易でない)。
【0043】
本実施形態によれば、詳細地図の座標その他装置の適用に対応して規格化された標準座標に基づき詳細地図と概略図の対応関係を1度だけ登録することで、そこに変化が起こるデータの対応関係は維持される。そのため、それぞれの管理図面により独立に管理される隣接自治体との情報交換も同様の対応関係を記述することで可能になる。データベースで、主従関係があると同時に独立性もある内容については、主従関係は算出可能な配置を使うことで対応付けが容易にできる。また、個別の位置に対応付けられているために、個別管理、検索も行える。
【0044】
本実施形態のように管理データと時空間データとを組み合わせることで、共用する時空間データに対し管理データとして異なる表現の管理図面を展開する図面情報を自由に使うことができる。しかも、それぞれの要求に適合したデータ管理をしながら、必要な時には
図10に示すように位置情報をキーとして複数の独立管理される自治会の情報と自治体の情報とを時空間データで統合することができる。
【0045】
本実施形態によれば、複数の独立管理される時空間データベースの間で、詳細地図上の座標により要素間の関係付けを行う機能を付与することで、情報の共用が可能になる。この場合、新たに追加、作成されるデータベースの間でも詳細地図上の座標により情報の共用を保障することができ、また、独立にそれぞれが更新でき、その上で、必要な時に情報の共用が可能な方式を提供できる。
【0046】
自律的に運用している独立したコンピュータシステムと独自に管理できる無線システムの組み合わせで、必要に応じて情報連携ができるシステムが実現できる。このシステムは、自治体内で開発から運用・保守までを行える。また、平常時の情報処理の流用で被災時の情報処理が行えるため、確実な動作が見込める。
【0047】
防災システムとしては、災害時にも破綻しないシステムの実現が不可欠である。本実施形態は、確実に稼動する情報システムとして、単体での稼動を基本とし、かつ複数台の連動もできる構成である。平常時から災害対応に必要な情報、例えば土地・家屋と税務関係の情報や水道受益者などの情報を、物件ごとに地図上の位置で管理することが求められる。ここで、客観情報と災害時にも保護されるべき個人情報を分離して管理する機能も重要である。このことは、独立機関、または選択的に管理するデータベースで、業務の要求に応じた共用ができることが求められる。
【0048】
本実施形態の装置によって、固定資産や施設管理など自治体の平常業務システムを構築でき、インターフェース画面を定義することで、罹災証明や倒壊家屋撤去などに関係する防災対応処理を実現できる。さらに、平常業務で使用する機能だけで災害対応に固有のプログラムを実現することができる。このことは、普段使わない防災関係のプログラムを実装しない防災システムを、平常業務システムで実現することを意味する。平常業務を担当している自治体職員や自治会関係者は、容易かつ確実に災害対応ができることになる。同時に、防災関係の専用データベースを持たないため、平常業務によって常時更新されていることになり、各組織の費用負担を軽減することにも繋がる。
【0049】
大規模災害の被災時には、住民や外部からの滞在者の安否情報の収集と整理が必要になる。被災地内の安否の情報は、概ね避難所で収集することができる。道路の途絶などで、避難所に行けない状況でも、無線機などの通信手段を活用することで、安否情報の収集を行える。安否情報は、地域コミュニティや避難所単位で、図8や図9に示すようなそれぞれの概略地図や表によって整理される。各戸の情報は、図10に示すように自治体に集められて、個別の時空間データは統一的な時空間データベースに統合される。さらに、被災地外に出ていた住民は、携帯電話等で安否情報を伝え、また家族の避難情報を得られる仕組みが構築できる。被災との情報通信ネットワークが途絶しても、被災情報を被災地外の協力自治体まで送ることによって、定期的な情報交換を確保する。近隣自治体と広域連携の組織化をすることで、相互支援の情報伝送は実現できる。
【符号の説明】
【0050】
1…時空間データ記憶部、2…管理データ記憶部、3…指示入力部、4…入出力情報合成展開処理部、5…出力部
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置情報と当該位置情報に関係付けされる種別毎の管理情報と時間情報を含む時空間データを管理データで共用する時空間データの処理装置、統合化装置、共用化システム及び処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ファクシミリによるイメージ情報からなる災害情報を収集して分類、管理、整理を効率よく行えるようにするシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このシステムは、ファクシミリにより受信したイメージ情報に受信日時の情報を付与し、さらに、イメージ情報から分析される災害の発生場所の情報、及び、少なくとも災害の種類、災害のレベル、災害の関連の各情報を有する災害事象の情報を付与して、災害情報データファイルに蓄積し、発信場所や発生場所を含む地域、時間帯、災害事象を検索キーとして災害情報データを検索し、災害情報のイメージを地図上の発信場所や発生場所に貼り付けて出力できるようにするものである。
【0003】
各自治体等から被災地の災害情報を中央官庁や県本部が広域的に収集し監視するシステムを想定した場合、ファクシミリは、迅速な災害情報の伝達手段として便利である。例えばメールのような場合には、キー入力により災害情報を文章にして送信することが必要であるため、簡便かつ迅速に災害情報を編集して送信する手段としてはある面でファクシミリより劣っている。ファクシミリは、例えば地図を含む所定の送信用シートを何種類か用意しておくと、そこにマーク等を付け、手書き情報を少し加えるだけでも的確な災害情報を送信でき、より簡便かつ迅速な災害情報の編集、送信が可能になる。
【0004】
また、携帯端末と災害情報端末装置とを接続可能にして安否情報を管理サーバー装置に収集しその安否情報を管理サーバー装置から所定の機関等に配信する災害情報通信システムが提案されている(例えば、特許文献2参照)。このシステムは、各携帯端末と通信可能とする簡易通信手段を有し各所に配置されている自動販売機に安否情報を蓄積し、その蓄積した安否情報を各自動販売機からネットワークを介して接続したデータベースに取り込んで蓄積することにより、それらの安否情報を各自動販売機の設置された地域毎に振り分け、その地域別の安否情報を外部機関等に配信できるようにしている。このシステムにより、災害時に、各所に配置されている自動販売機(または災害情報端末装置)によって携帯端末との通信が可能となり、自動販売機を介して安否情報を直ちに伝達でき、しかも大勢の人が携帯端末を使って安否情報を送ることができるので、安心感を与えることができ、治安の面でも貢献できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−133831号公報
【特許文献2】特開2007−179137号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来より、災害対応の情報をインターネットで配信する試みも多いが、伝送路の途絶や機器に不慣れで、その情報を必要とする被災者には届かない場合が多いのが実情である。普段から防災関連機関が身近で信頼できると住民が実感できることと、災害時にも破綻しない防災システムの実現が不可欠である。
【0007】
また、地域コミュニティでは、概略地図を、自治体では詳細地図をそれぞれ使用していると、災害時に情報の共用をしたいという要求があっても、概略地図と詳細地図のままでは対応できないという問題が生じる。同じことが、それぞれの部署で、異なる表現のデータを使いたいという場合に生じる。
【0008】
このように自治体と地域コミュニティ、近隣自治体との間では、必ずしも同じ地図データが使われるとは限らない。場合によっては、部署ごとに異なる地図データを使うこともある。それぞれの規模、目的に応じた利便性の差に依存するためで、そのような中でも、被災時には情報の共用が求められる。
【0009】
確実に稼動する情報システムは、単体での稼動を基本として、かつ複数台の連動もできる構成が望まれる。しかも、異なる表現のデータ、地図データで共用できるようにするためには、概略地図、見取り図、表なども含めて、地域管理に必要となる全情報を時空間情報として統一管理する時空間情報処理を構築することが必要となる。しかし、従来のシステムには、これらの要求にこたえるものがなかった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を解決するものであって、それぞれが要求に適合したデータ管理をしていても、必要時には情報を統合できる手段を提供し、また、自治体間の情報連携にも同じ処理が適用でき、さらに、汎用的なデータベース管理にも適用できる手段を提供するものである。
【0011】
そのために本発明は、位置情報と当該位置情報に関係付けされる種別毎の管理情報と時間情報を含む時空間データを管理データで共用する時空間データの処理装置であって、前記時空間データを格納する時空間データ記憶手段と、前記管理情報を出力するための管理図面を展開する図面情報及び当該管理図面上の特定された位置の属性情報に対応して前記位置情報を有する管理データを格納する管理データ記憶手段と、前記時空間データ及び前記管理データを入出力するための指示入力を行う指示入力手段と、前記指示入力手段の指示入力に基づき前記時空間データ記憶手段及び前記管理データ記憶手段をアクセスして前記時空間データ及び管理データの入出力処理を行う入出力情報合成展開処理手段とを備え、前記入出力情報合成展開処理手段は、前記図面情報により管理図面を展開し、前記指示入力手段による種別や時間の指示入力に基づき前記位置情報に関係付けされる管理情報を検索して前記検索した管理情報を出力することを特徴とする。
【0012】
前記時空間データは、管理情報の種別を識別する識別情報を有し、前記時間情報は、前記管理情報毎に確実に存在する時間と確実に存在しない時間とそれらが曖昧な中間の時間の情報を含むことを特徴とし、前記管理情報のうち、従属関係にある管理情報は、主の管理情報の位置情報の近傍の位置に関係付けされることを特徴とし、前記主の管理情報の位置情報に対して渦巻き状に一定の値ずつ離れた位置に関係付けされることを特徴とし、前記位置情報は、地図上の座標であることを特徴とし、前記入出力情報合成展開処理手段は、前記指示入力手段からの指示入力により時空間データ記憶手段の時空間データの更新、追加、削除の処理を行うことを特徴とする。
【0013】
さらに、時空間データの統合化装置として、複数の時空間データの処理装置の前記時空間データ記憶手段に格納された時空間データを前記位置情報に基づき統合化することを特徴とし、時空間データの共有化システムとして、複数の時空間データの処理装置と統合化装置とを通信回線を介して接続したことを特徴とする。
【0014】
また、位置情報と当該位置情報に関係付けされる種別毎の管理情報と時間情報を含む時空間データを管理データで共用する時空間データの共用化方法であって、前記時空間デー
タを時空間データ記憶手段に格納するとともに、前記管理情報を出力するための管理図面を展開する図面情報及び当該管理図面上の特定された位置の属性情報に対応して前記位置情報を有する管理データを管理データ記憶手段に格納し、前記図面情報により管理図面を展開し、種別や時間の指示入力に基づき前記時空間データ記憶手段及び前記管理データ記憶手段をアクセスして、前記位置情報に関係付けされる管理情報を検索して前記検索した管理情報を出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、詳細地図上の座標により時空間データと管理データが連繋でき、管理データにより管理機関や目的、地域などに応じた管理画面を展開して時空間データの管理情報を出力することができる。しかも、管理情報は、時空間データに全て持たせるので、他のシステムとの管理情報の統合が簡便に実現でき、例えば各戸の情報は、自治体に集められて、個別の時空間データを統一的な時空間データベースに統合することも容易に実現できる。近隣自治体と広域連携の組織化をすることで、相互支援の情報伝送も実現できる。さらに、災害情報に限らず様々な情報に位置情報を持たせた時空間データを構築することにより、任意の管理画面により管理情報を出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る時空間データの処理装置の実施の形態を説明する図である。
【図2】時空間データの構成例を示す図である。
【図3】時間情報を説明する図である。
【図4】管理データの構成例を示す図である。
【図5】本発明に係る時空間データの処理装置による処理を説明する図である。
【図6】主情報の座標に関係付けてその周囲の座標に従情報を格納し管理する例を示す図である。
【図7】図6(a)に示す座標配置例における前の従情報との座標差、各従情報の座標値、座標範囲を説明する図である。
【図8】自治会で使用される見取り図の例を示す図である。
【図9】自治会で使用される組織図の例を示す図である。
【図10】概略地図と詳細地図により統合される時空間データベースを説明する図である。
【図11】従来の防災情報データベースシステムを説明する図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明に係る時空間データの処理装置の実施の形態を説明する図、図2は時空間データの構成例を示す図、図3は時間情報を説明する図、図4は管理データの構成例を示す図である。図中、1は時空間データ記憶部、2は管理データ記憶部、3は指示入力部、4は入出力情報合成展開処理部、5は出力部を示す。
【0018】
図1において、時空間データ記憶部1は、位置情報と当該位置情報に関係付けされる種別毎の管理情報と、さらには時間情報を含む時空間データが格納される。管理データ記憶部2は、管理情報を出力するための管理図面を展開する図面情報及びその管理図面上の特定された位置の属性情報に対応して時空間データの位置情報を有する管理データが格納される。時空間データは、位置に関係付けされる任意の管理情報(実情報)を有する。したがって、時空間データは、位置情報により他の装置と実情報を共用でき、位置情報に従い装置間で情報を統合することができる。それに対し、管理データは、時空間データの管理情報を出力し、追加、変更、更新するための管理図面を展開する図面情報を有する。したがって、管理データにおいて管理図面上の属性情報に対応する位置情報より時空間データと連結して必要な管理情報を検索して出力することができる。このように管理データには
実情報である管理情報を持たずに、常に時空間データに管理情報を持たせている。
【0019】
指示入力部3は、時空間データ及び管理データを入出力するための指示入力を行い、入出力情報合成展開処理部4は、指示入力部3の指示入力に基づき時空間データ記憶部1及び前記管理データ記憶部2をアクセスして時空間データ及び管理データの入出力処理を行う。入出力情報合成展開処理部4の出力処理では、管理データにおける図面情報に基づき管理図面を展開するとともに、指示入力部3による種別や時間の指示入力に基づき管理データにおける図面上の属性情報に関係付け(連結)される座標により管理情報を検索し、展開した管理図面に検索した管理情報を合成し、あるいは管理図面を管理情報の展開図に切り換える。出力部5は、入出力情報合成展開処理部4により出力処理された管理図面と管理情報を出力し、あるいは管理情報の展開図を出力するディスプレイやプリンタ、送信部からなる。
【0020】
時空間データは、例えば図2に示すように位置情報として地図上の座標その他装置の適用に対応して規格化された標準座標(Xi ,Yi 、東経,北緯) 、代表情報データ001(例えば代表名、地番、地名など)を有し、その座標値に関係付けされる管理情報を種別する識別情報として種イ、ロ、ハ、……(人、物、事象など)、管理情報としてデータ00101、00102、00103、……(人であれば氏名、性別、生年月日、年齢、家族、家系、職業、経歴、生活状況、健康状況など、物であれば建物その他の構築物名、構造、規模、地番、状態など、事象であれば過去に発生したした災害、事件、工事施工履歴など)を有する。
【0021】
例えば代表情報データ「特許太郎、東京都千代田区丸の内1−1−1」、種別情報「世帯」に対応して管理情報「特許太郎(男、本人)1945年1月1日生、花子(女、妻)1950年2月2日生、大助(男、父)1915年3月3日生、ハツ(女、母)1920年4月4日生)」、種別情報「健康」に対応して管理情報「既往病歴××、介護認定の有無××」、種別情報「土地」に対応して「地番××、地目、××」とその時間情報「登記日付××」、また、造成や分筆その他の変動があった場合には、その内容や発生時期、施工期間など、種別情報「家屋」に対応して「家屋番号××、種類××、構造××、床面積××」とその時間情報「登記日付××」、さらに改築があった場合には、その改築の内容や改築年月日、種別情報「緊急時連絡先」に対応して「連絡先名××、電話番号××」とその時間情報「登録日付××」、種別情報「災害履歴」に対応して「災害の種類××、規模××、被災状態××」とその時間情報「発生日時××」が設定される。
【0022】
そして、それぞれの代表情報、管理情報に、ある時期にのみ存在したものについてはその時期を示す時間情報tを、ある期間存在したものについては何時から何時まで存在したかその存在期間を示す時間情報(ts ,te ,tss,tse,tes,tee)を適宜有する。ts は存在の始期、te は存在の終期、tssはこの時点より前は確実に存在せず、tseはこの時点より後は確実に存在し、tesはこの時点より前は確実に存在し、teeはこの時点より後は確実に存在しない時間情報を示す。すなわち、tssからtseまでの間、tesからteeまでの間は、存在が曖昧な時間であり、tseからtesまでの間は、確実に存在していた時間を示すことになり、消滅、存在の状況、切り換えの発生状況に応じて使い分け設定される。
【0023】
家の時間情報は、例えば図3(a)に示すように建築から解体に至るまで、建築の開始時にtss、完成時(登記時)にtse、解体開始時にtes、解体終了時にteeが設定される。また、駐車場として利用される土地の時間情報は、図3(d)に示すように建築の開始時にte が設定され、駐車場として利用可能状態に整備された時にts が設定される。町名変更になった行政界の時間情報は、その変更時に、また、売買等により所有が移転した物件の時間情報、人や動物の誕生や死亡の時間情報は、その発生時にそれぞれ図3(d)
に示すようにts 、te が設定される。調査により存在しなかった最後の時点がtss、存在を確認した最初の時点がtseであった場合には、図3(b)に示すようにtssからtseまでの間は何時から存在したかが確定できない曖昧ゾーンとして時間情報が設定される。同様に調査により存在した最後の時点がtes、存在が確認できなくなった最初の時点がteeがあった場合には、図3(c)に示すようにtesからteeまでの間は何時から存在しなくなったかが確定できない曖昧ゾーンとして時間情報が設定される。ts とtss=tse、te とtes=teeは同じ意味になるので、いずれを使ってもよく、状況に応じて適宜図3(a)〜(d)のタイプの時間情報が使い分け設定される。
【0024】
管理データは、例えば図4に示すように管理情報を出力するための管理図面として、概略図、見取図、区分図、配置図、模式図、関係図、表、リスト、グラフなどを展開する図面情報及びその管理図面上の特定された位置となる属性情報イや、その管理図面上の座標(xj ,yj ) 、表の行や項目の位置、領域に対応して時空間データの位置情報、つまり実際の詳細地図上の座標その他装置の適用に対応して規格化された標準座標(Xi ,Yi ) を有する。
【0025】
本実施形態において、自治体や地域コミュニティ、自治会、施設管理、地域管理その他装置を適用する機関や利用目的に応じ、管理図面は、それぞれに適応した概略図や見取図、表、リストなどの図面情報が選択適用される。例えば町内会や自治会での利用のような場合には、市街地図や概略地図、自治会、町内会の班や組毎の各家の一覧表、リスト、関係図などの管理図面を展開する図面情報が用意される。その場合、これら図面情報における各家の代表名などの属性情報や座標(xj ,yj ) に対応して実際の詳細地図の上の座標その他装置の適用に対応して規格化された標準座標(Xi ,Yi ) が格納される。
【0026】
このような管理データに対し、時空間データは、適用する機関や利用目的に関係なくさまざまな管理データで共用化されるものであり、実際の詳細地図上の座標(Xi ,Yi ) に関係付けされる種別(識別情報)毎の管理情報と時間情報を有し、管理図面でその時々の要求に応じて時間情報が提供される。すなわち、概略図、見取図、区分図、配置図、模式図、関係図、表、リスト、グラフなどのいずれの管理図面においても、適用する機関や利用目的に応じ同じ時空間データである実際の詳細地図の上の座標その他装置の適用に対応して規格化された標準座標(Xi ,Yi ) に関係付けされる種別毎の管理情報を選択的に検索して出力することができる。その結果、他の装置の時空間データも詳細地図上の座標その他装置の適用に対応して規格化された標準座標(Xi ,Yi ) で統合することができる。
【0027】
図5は本発明に係る時空間データの処理装置による処理を説明する図である。本実施形態では、まず、適用する機関や利用目的、地域などに応じ使用する表現の管理図面の選択指示を行い(ステップS11)、さらに出力する管理情報の選択指示を行う(ステップS12)。次に、管理データ記憶部2の図面情報から読み出して選択指示された表現の管理図面を展開するとともに(ステップS13)、管理データから時空間データの座標を読み出して時空間データ記憶手段から選択指示された管理情報を検索して(ステップS14)、展開した管理図面上に管理情報を貼り付け合成して管理図面を出力する(ステップS15)。管理情報の選択指示は、種別(識別情報)、さらには時間情報により行われる。
【0028】
出力された管理図面において、続けて管理情報の選択指示があるか否か(ステップS16)を判定し、指示に従いステップS14の処理に戻って新たな管理情報の検索を行う。管理情報の選択指示がない場合には、管理情報の更新指示があるか否か(ステップS17)、管理情報の追加削除指示があるか否か(ステップS19)を判定し、指示に従い時空間データ記憶手段の管理情報の更新を行い(ステップS18)、或いは管理情報の追加削除(ステップS20)を行うとともに、指示された管理情報を管理画面に反映させる(ス
テップS21)。
【0029】
図6は主情報の座標に関係付けてその周囲の座標に従情報を格納し管理する例を示す図、図7は図6(a)に示す座標配置例における前の従情報との座標差、各従情報の座標値、座標範囲を説明する図である。
【0030】
例えば世帯情報と家族情報のように、従属関係があると同時にそれぞれが主になる情報に対して関係付けの記述をするとそのデータは大量になる。本実施形態の時空間データにおいて、特定の位置情報にあらゆる管理情報を関係付けると、情報が多く検索が煩雑になり整理が難しくなる。そのような問題を解決するものとして、管理情報の一部を従情報として設定し、近傍の位置情報に関係付け配置する例を示したのが図6である。
【0031】
図6において、主情報を〔0〕、それに従属する従情報を〔1〕、〔2〕、……で示し、従情報の座標は、Δaを基準単位として、主情報〔0〕の座標(Xi ,Yi )の周囲、Δa/2ずつ外側へ反時計方向の渦巻き状にΔaずつ順次ずらせて配置されている。図6(a)は主情報の右上から、図6(b)は主情報の右横から順次渦巻き状にずらせた周囲に従情報の座標が配置されている。
【0032】
したがって、従情報〔1〕〜〔4〕は、主情報〔0〕の座標(Xi ,Yi )から±Δa/2だけ離れた座標範囲に配置され、従情報〔5〕〜〔12〕は、主情報〔0〕の座標(Xi ,Yi )から±Δaだけ離れ、従情報〔13〕〜〔24〕は、さらに±3Δa/2だけ離れた座標範囲に配置されている。
【0033】
図6において、例えばδを管理情報が関係付けされる位置情報の最小座標密度とし、Δaを0.1δとすると、渦巻き状に9周りの層までは隣接する主情報との間で従情報の座標と競合が生じない。しかし、10周りの層(0.5δ)になると、隣接する主情報の従情報との間で座標の競合が生じることになる。同様にして従情報にも、さらに0.1Δaを基準単位として孫の従情報の座標を設定して配置し、さらに階層化してもよい。
【0034】
このように主情報を配置した座標から算出できる座標で従情報を配置する。従情報は複数個になるため、数が増やせる配置として渦巻状の配置が好都合である。渦巻状の配置位置は情報の数で決めることができる。また、1つの主情報に複数の独立の従情報が存在する場合、世帯と家族のように上限値は大きくない場合と、数が大きくなり得る場合など、内容に応じて計算方法を指定できる方式がある。1つの渦巻き配置をN飛ばしで使用することで、N種類の独立情報の分類を含めて同じ渦巻きに乗せることができる。N飛ばしにする方法としては、連続的に飛ばす方法だけでなく、リング状の位置に応じた管理も可能である。
【0035】
関係を制御できる場合は、主から従の位置を算出できる位置に配置する。主従関係は、1:nになる場合は、渦巻きが1つになるが、1:〔n1〕、〔n2〕というふうに1つの主に対して、独立の従のセットが複数個付属する場合もある。主だけの検索は、点を与えることで可能であり、主と従の検索は、広がりを含めて検索する。従だけの検索は従の位置で検索できる。
【0036】
図6(a)に示す座標配置における各従情報の座標値、グループ化して検索する場合の座標範囲の一覧を示したのが図7である。この一覧を参照することにより、例えば従情報を登録する場合、図7(a)に示すXY座標差で順次、N飛ばしで、或いは、各点の座標を図7(a)にしたがって選択することにより特定の位置を選択することができ、特定の従属座標に関係付けされる管理情報を選択的に格納し、検索することができる。
【0037】
例えば図6(a)に示す座標配置で従情報の検索範囲として、象限1〜4、外周1、2、……を選択する場合には、図7(b)に示す座標範囲で従情報が検索され所望の管理情報が抽出される。また、従情報〔i〕〜〔j〕や〔m〕を検索範囲として指示し、さらに時間軸ti を検索範囲として指定することにより、所望の管理情報を検索することもできる。例えば従情報〔1〕に家族情報を設定し、それぞれの家族(長男家族、長女家族、次男家族、兄弟家族、……)の情報を奇数の従情報に設定し、従情報〔2〕、〔4〕を△△、従情報〔6〕、〔8〕を○○のようにして管理することにより、従情報を適宜選択して検索することができる。
【0038】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えばサーバや情報管理センターなどの統合化装置に時空間データを持ち、通信回線を通して端末の時空間データの処理装置に時空間データを配信して時空間データ記憶部に格納し、また、各端末から通信回線を通してセンターなどに時空間データを収集して統合し管理する構成であってもよい。勿論、時空間データを記録媒体に格納して単体稼働のカステムにロードし共用化する構成であってもよい。
【0039】
図8は自治会で使用される見取り図の例を示す図、図9は自治会で使用される組織図の例を示す図、図10は概略地図と詳細地図により統合される時空間データベースを説明する図、図11は従来の防災情報データベースシステムを説明する図である。
【0040】
自治会では、地区の地図を使って住民の情報基盤としている。ここでは、隣接家屋の関係が分かりやすい例えば図8に示すような見取り図や自治会会員の役割分担や連絡網が分かりやすい図9に示すような組織図が使われている。それに対して自治体では、複数の自治会を統合的に見る必要もあり、測量に基づく詳細地図が使われる。
【0041】
普段の運用では、それぞれが、独立して作業をしているため情報の連携はさほど重要ではない。しかし、被災時などでは、図8や図9などの管理図面で運用される地域の情報を図10に示すように詳細図に集約して、町全体の状況を把握することが、自治体、各自治会にとって対策を迅速化する上でも意義がある。
【0042】
個別管理のデータベースシステムでは、項目ごとの管理体系が異なるため、現実的な統合は、図11に示すように事前に統合化をしていなければ困難である。整合が取れる状況にしてあっても、データの更新が入るとその整合は崩れるのが現状である。しかし、本実施形態のように詳細地図の座標を使用した時空間位置で管理するデータベースシステムでは、位置と機関などの時間情報は共通になるため、この問題の多くは解消される。つまり、管理している地図が異なれば、位置関係は対応付けが困難になる。しかし、位置には一義的に決まる対応関係がある(RDBでは、複雑なインデックス関係が記述されるため、対応は容易でない)。
【0043】
本実施形態によれば、詳細地図の座標その他装置の適用に対応して規格化された標準座標に基づき詳細地図と概略図の対応関係を1度だけ登録することで、そこに変化が起こるデータの対応関係は維持される。そのため、それぞれの管理図面により独立に管理される隣接自治体との情報交換も同様の対応関係を記述することで可能になる。データベースで、主従関係があると同時に独立性もある内容については、主従関係は算出可能な配置を使うことで対応付けが容易にできる。また、個別の位置に対応付けられているために、個別管理、検索も行える。
【0044】
本実施形態のように管理データと時空間データとを組み合わせることで、共用する時空間データに対し管理データとして異なる表現の管理図面を展開する図面情報を自由に使うことができる。しかも、それぞれの要求に適合したデータ管理をしながら、必要な時には
図10に示すように位置情報をキーとして複数の独立管理される自治会の情報と自治体の情報とを時空間データで統合することができる。
【0045】
本実施形態によれば、複数の独立管理される時空間データベースの間で、詳細地図上の座標により要素間の関係付けを行う機能を付与することで、情報の共用が可能になる。この場合、新たに追加、作成されるデータベースの間でも詳細地図上の座標により情報の共用を保障することができ、また、独立にそれぞれが更新でき、その上で、必要な時に情報の共用が可能な方式を提供できる。
【0046】
自律的に運用している独立したコンピュータシステムと独自に管理できる無線システムの組み合わせで、必要に応じて情報連携ができるシステムが実現できる。このシステムは、自治体内で開発から運用・保守までを行える。また、平常時の情報処理の流用で被災時の情報処理が行えるため、確実な動作が見込める。
【0047】
防災システムとしては、災害時にも破綻しないシステムの実現が不可欠である。本実施形態は、確実に稼動する情報システムとして、単体での稼動を基本とし、かつ複数台の連動もできる構成である。平常時から災害対応に必要な情報、例えば土地・家屋と税務関係の情報や水道受益者などの情報を、物件ごとに地図上の位置で管理することが求められる。ここで、客観情報と災害時にも保護されるべき個人情報を分離して管理する機能も重要である。このことは、独立機関、または選択的に管理するデータベースで、業務の要求に応じた共用ができることが求められる。
【0048】
本実施形態の装置によって、固定資産や施設管理など自治体の平常業務システムを構築でき、インターフェース画面を定義することで、罹災証明や倒壊家屋撤去などに関係する防災対応処理を実現できる。さらに、平常業務で使用する機能だけで災害対応に固有のプログラムを実現することができる。このことは、普段使わない防災関係のプログラムを実装しない防災システムを、平常業務システムで実現することを意味する。平常業務を担当している自治体職員や自治会関係者は、容易かつ確実に災害対応ができることになる。同時に、防災関係の専用データベースを持たないため、平常業務によって常時更新されていることになり、各組織の費用負担を軽減することにも繋がる。
【0049】
大規模災害の被災時には、住民や外部からの滞在者の安否情報の収集と整理が必要になる。被災地内の安否の情報は、概ね避難所で収集することができる。道路の途絶などで、避難所に行けない状況でも、無線機などの通信手段を活用することで、安否情報の収集を行える。安否情報は、地域コミュニティや避難所単位で、図8や図9に示すようなそれぞれの概略地図や表によって整理される。各戸の情報は、図10に示すように自治体に集められて、個別の時空間データは統一的な時空間データベースに統合される。さらに、被災地外に出ていた住民は、携帯電話等で安否情報を伝え、また家族の避難情報を得られる仕組みが構築できる。被災との情報通信ネットワークが途絶しても、被災情報を被災地外の協力自治体まで送ることによって、定期的な情報交換を確保する。近隣自治体と広域連携の組織化をすることで、相互支援の情報伝送は実現できる。
【符号の説明】
【0050】
1…時空間データ記憶部、2…管理データ記憶部、3…指示入力部、4…入出力情報合成展開処理部、5…出力部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置情報と当該位置情報に関係付けされる種別毎の管理情報と時間情報とを含む時空間データを管理データで共用する時空間データの処理装置であって、
前記時空間データを格納する時空間データ記憶手段と、
前記管理情報を出力するための管理図面を展開する図面情報及び当該管理図面上の特定された位置の属性情報に対応して前記位置情報を有する管理データを格納する管理データ記憶手段と、
前記時空間データ及び前記管理データを入出力するための指示入力を行う指示入力手段と、
前記指示入力手段の指示入力に基づき前記時空間データ記憶手段及び前記管理データ記憶手段をアクセスして前記時空間データ及び管理データの入出力処理を行う入出力情報合成展開処理手段と
を備え、前記入出力情報合成展開処理手段は、前記図面情報により管理図面を展開し、前記指示入力手段による種別や時間の指示入力に基づき前記位置情報に関係付けされる管理情報を検索し前記検索した管理情報を出力することを特徴とする時空間データの処理装置。
【請求項2】
前記時空間データは、管理情報の種別を識別する識別情報を有すること特徴とする請求項1に記載の時空間データの処理装置。
【請求項3】
前記時間情報は、前記管理情報毎に確実に存在する時間と確実に存在しない時間とそれらが曖昧な中間の時間の情報を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の時空間データの処理装置。
【請求項4】
前記管理情報のうち、従属関係にある管理情報は、主の管理情報の位置情報の近傍の位置に関係付けされることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の時空間データの処理装置。
【請求項5】
前記主の管理情報の位置情報に対して渦巻き状に一定の値ずつ離れた位置に関係付けされることを特徴とする請求項4に記載の時空間データの処理装置。
【請求項6】
前記位置情報は、地図上の座標であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の時空間データの処理装置。
【請求項7】
前記入出力情報合成展開処理手段は、前記指示入力手段からの指示入力により時空間データ記憶手段の時空間データの更新、追加、削除の処理を行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の時空間データの処理装置。
【請求項8】
請求項1乃至6のいずれかに記載の複数の時空間データの処理装置の前記時空間データ記憶手段に格納された時空間データを前記位置情報に基づき統合化することを特徴とする時空間データの統合化装置。
【請求項9】
請求項1乃至6のいずれかに記載の複数の時空間データの処理装置と請求項8に記載の時空間データの統合化装置とを通信回線を介して接続したことを特徴とする時空間データの共有化システム。
【請求項10】
位置情報と当該位置情報に関係付けされる種別毎の管理情報と時間情報とを含む時空間データを管理データで共用する時空間データの処理方法であって、
前記時空間データを時空間データ記憶手段に格納するとともに、前記管理情報を出力する
ための管理図面を展開する図面情報及び当該管理図面上の特定された位置の属性情報に対応して前記位置情報を有する管理データを管理データ記憶手段に格納し、
前記図面情報により管理図面を展開し、種別や時間の指示入力に基づき前記時空間データ記憶手段及び前記管理データ記憶手段をアクセスして、前記位置情報に関係付けされる管理情報を検索し前記検索した管理情報を出力することを特徴とする時空間データの処理方法。
【請求項1】
位置情報と当該位置情報に関係付けされる種別毎の管理情報と時間情報とを含む時空間データを管理データで共用する時空間データの処理装置であって、
前記時空間データを格納する時空間データ記憶手段と、
前記管理情報を出力するための管理図面を展開する図面情報及び当該管理図面上の特定された位置の属性情報に対応して前記位置情報を有する管理データを格納する管理データ記憶手段と、
前記時空間データ及び前記管理データを入出力するための指示入力を行う指示入力手段と、
前記指示入力手段の指示入力に基づき前記時空間データ記憶手段及び前記管理データ記憶手段をアクセスして前記時空間データ及び管理データの入出力処理を行う入出力情報合成展開処理手段と
を備え、前記入出力情報合成展開処理手段は、前記図面情報により管理図面を展開し、前記指示入力手段による種別や時間の指示入力に基づき前記位置情報に関係付けされる管理情報を検索し前記検索した管理情報を出力することを特徴とする時空間データの処理装置。
【請求項2】
前記時空間データは、管理情報の種別を識別する識別情報を有すること特徴とする請求項1に記載の時空間データの処理装置。
【請求項3】
前記時間情報は、前記管理情報毎に確実に存在する時間と確実に存在しない時間とそれらが曖昧な中間の時間の情報を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の時空間データの処理装置。
【請求項4】
前記管理情報のうち、従属関係にある管理情報は、主の管理情報の位置情報の近傍の位置に関係付けされることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の時空間データの処理装置。
【請求項5】
前記主の管理情報の位置情報に対して渦巻き状に一定の値ずつ離れた位置に関係付けされることを特徴とする請求項4に記載の時空間データの処理装置。
【請求項6】
前記位置情報は、地図上の座標であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の時空間データの処理装置。
【請求項7】
前記入出力情報合成展開処理手段は、前記指示入力手段からの指示入力により時空間データ記憶手段の時空間データの更新、追加、削除の処理を行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の時空間データの処理装置。
【請求項8】
請求項1乃至6のいずれかに記載の複数の時空間データの処理装置の前記時空間データ記憶手段に格納された時空間データを前記位置情報に基づき統合化することを特徴とする時空間データの統合化装置。
【請求項9】
請求項1乃至6のいずれかに記載の複数の時空間データの処理装置と請求項8に記載の時空間データの統合化装置とを通信回線を介して接続したことを特徴とする時空間データの共有化システム。
【請求項10】
位置情報と当該位置情報に関係付けされる種別毎の管理情報と時間情報とを含む時空間データを管理データで共用する時空間データの処理方法であって、
前記時空間データを時空間データ記憶手段に格納するとともに、前記管理情報を出力する
ための管理図面を展開する図面情報及び当該管理図面上の特定された位置の属性情報に対応して前記位置情報を有する管理データを管理データ記憶手段に格納し、
前記図面情報により管理図面を展開し、種別や時間の指示入力に基づき前記時空間データ記憶手段及び前記管理データ記憶手段をアクセスして、前記位置情報に関係付けされる管理情報を検索し前記検索した管理情報を出力することを特徴とする時空間データの処理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−194620(P2012−194620A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−56164(P2011−56164)
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(511068005)株式会社テクノ (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(511068005)株式会社テクノ (1)
【Fターム(参考)】
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