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時間別薬物送達のための医薬剤形
説明

時間別薬物送達のための医薬剤形

本発明は、場合によっては薬学的に許容される添加剤と混合される1種または複数の有効成分のための容器を含む、薬物の時間制御放出を目的とした経口剤形に関し、前記容器は、内容物を密閉するように結合させることができる少なくとも2つの部分または要素からなり、前記要素の少なくとも1種は、pH値5を超えるときにのみ可溶性であるpH依存性溶解性を有するポリマーを除いて、水性液体と接触したとき、ガラス−ゴム転移温度を低下させる1種または複数の親水性ポリマーから構成され、場合によっては薬学的に許容される添加剤と混合され、容器の要素の壁は、投与時間に関して含有する薬物の放出を遅延させるような厚さである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、夜にまたは早朝の時間帯に再発する症状を有する疾患の治療のために作られた拍動性放出医薬剤形に関する。
【背景技術】
【0002】
技術水準
拍動性放出系による治療がかなり重要となり得る疾患(狭心症、高血圧、関節リウマチ、早朝不眠など)は、最もよく見られる疾患の1つである(世界で、9億7200万人の高血圧罹患者が存在する、Hajjar I.ら、Annu. Rev. Public Health 27巻、465〜90頁(2006年);北米だけで、人口の20%が睡眠障害に罹っている、Young T.ら、Am. J. Respir. Crit. Care Med. 165巻、1217〜1239頁(2002年))。
【0003】
症状が夜間または早朝の時間帯に再発する場合、一般に、全睡眠時間中に有効成分を放出する一定の薬物遊離による持続放出系を投与することによって、前述の疾患の治療は行われる。あるいは、従来の剤形は、夜間に投与され、したがって、正常な睡眠パターンを中断する必要がある。
【0004】
この文献では、上記疾患を治療するための系の多数の例が見出され得る。これらの系は、治療に用いられたことがなく、生体液の浸透を遅らせることができるコーティングが施されている、主に、即時放出挙動を有する、錠剤、硬カプセル剤、軟質ゲルおよびペレットなどの薬物含有固形コアからなり、したがって、放出の開始、最終的には薬物吸収を制御する。
【0005】
有効成分の拍動性放出を有する系の例は、コーティング層がpH値5を超えるときに可溶性であるpH依存性ポリマー層からなるものであり、遅延放出系とも名付けられている。経口投与される、このような系は、pHがおよそ1〜3である、胃内の滞留時間中には損なわれないでいる。幽門弁を通過した後、この系は、pHがより高い生理的環境(Evans D.F.ら、Gut 29巻、1035〜1041頁(1988年))を見出し、保護層を溶解させ、薬物を放出させる。
【0006】
このタイプの手法では、薬物放出待ち時間は、剤形が位置している部位によって決定される。こうした理由から、これらの系の放出性能は、胃排出時間の変動にさらされ、食物摂取条件に依存する。
【0007】
文献において提案された拍動性放出剤形の他の例は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルエチルセルロース(HEC)、または、ワックスおよび界面活性剤の混合物でコーティングされたものであり、これらは、二重圧縮、フィルムコーティングまたは粉末層の形成(powder layering)(Gazzaniga A.ら、Eur. J. Pharm. Biopharm. 40巻、246〜250頁(1994年);Gazzaniga A.ら、S.T.P. Pharma Sci. 5巻、83〜88頁(1995年);国際公開第9832425号(1998年);ES2232886T(2005年);Matsuo M.ら、Chem. Pharm. Bull. 43巻、311〜314頁(1995年);Fukui E.ら、J. Control. Release 68巻、215〜223頁(2000年);Bachwal A.R.、米国特許第0118267号(2005年);ドイツ特許第4122039号(1992年))、最後に、浸透圧ポンプによって剤形に適用される。
【0008】
科学文献でこれまでに発表された時間依存性拍動性放出剤形に関する完全な総説は、Maroni A.ら、Expert Opin. Drug Deliv. 2巻、855〜871頁(2005年)に記載されており、時間疾患(chronopathology)に関する総説は、Smolensky M.H.、Peppas N.A.、Adv. Drug Deliv. Rev. 59、823〜824頁(2007年)において報告されている。
【0009】
いくつかの特許および特許出願は、即時放出および制御放出のための、医薬剤形としてのカプセル剤の調製および使用に関する。
【0010】
例えば、欧州特許第1258242号は、関連する放出特性を記載せずにカプセル剤を得ることを目的とした方法を記載し、米国特許第5674530号は、時間依存性遅延放出についての参考文献なしに薬物放出のためのカプセル剤の調製を記載している。
【0011】
薬物放出のためのデンプンカプセル剤の使用は、Vilivalam V.D.ら、Pharm. Sci. Tech. Today 3巻、64〜69頁(2000年)に記載されている。
【0012】
米国特許第2001/036473号および国際公開第00/18377号は、HPMCなどのゼラチンと異なる物質からなる即時放出カプセル剤を含む、薬物の小腸または結腸への送達のための系の調製を開示している。前記カプセル剤は、薬物の腸溶および結腸放出を達成するためにコーティングを施す。コーティングは、pH依存的溶解性を有し、pH値5.5を超えるときに可溶性であり、5mg/cm2〜10mg/cm2の様々な量で適用される、典型的な胃耐性ポリマー(Eudragit L30D−55、ポリビニルアセタートフタラート(PVAP)、酢酸フタル酸セルロース(CAP)など)に基づいている。
【0013】
Ogura T.ら、Pharm Tech. Europe 11巻、32〜42頁(1998年)では、ゼラチンをHPMCなどの非動物性誘導体および従来の硬カプセル剤用の調製物質としての少量のカラギーナンと置き換える可能性が示されている。実際、ゼラチンから作られたカプセル外皮は、13〜15%の水を含み、したがって、一部が変色または架橋結合および外皮崩壊時間の望まれない遅延を引き起こす、ゼラチンのアミノ基との反応を起こすため、加水分解性薬物用には適していない。
【0014】
米国特許第4917885号は、70:30〜98:2の重量比でアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、アルキルヒドロキシアルキルセルロースおよびポリビニルアルコール(PVA)などの水溶性セルロースエーテルを用いて調製される硬カプセル剤を記載している。記載されたカプセル剤は、酸素および水分に対して著しく低い透過性を有し、したがって、含有する薬物物質をそれらの影響から保護することが特許請求されている。米国特許第4917885号におけるカプセル剤は、予熱したマンドレルピンを水性ポリマー溶液に浸漬し、続いて、ポリマー組成物の外層を形成するピンの表面で溶液を乾燥することによって調製される。次いで、外層は、ピンから除去されてカプセル外皮を形成する。単離した厚さ100ミクロンのフィルムを調査することによってポリマー混合物を評価するために、予試験が行われる。異なるポリマー混合物で調製されたカプセル剤は、6.5〜7.0分の崩壊時間を有することが実証された。
【0015】
米国特許第6228396号は、個々の結腸放出用のカプセルの形態の医薬組成物に関する。米国特許第5788987号は、時間疾患の治療を目的とした系を調製するための方法を記載している。
【0016】
米国特許出願公開第2005/249807号は、射出成形技法、カプセル外皮、リンカー、スペーサー、多成分カプセル剤および薬物の持続、遅延またはパルス放出のために設計された医薬剤形によって、調製するための医薬組成物を提供する。該発明は、好ましくは、10〜80%の百分率のメタクリル酸コポリマー、ポリ(メト)アクリラートコポリマー、およびEudragit RL 100またはRS 100などのメタクリル酸アンモニウムコポリマー、ならびに約30〜約70重量%の百分率のHPCなどの熱可塑性物質を含めたカプセル外皮およびリンカーの調製のための組成物と、ステアリルアルコールなどの親油性滑沢剤、Tween 80などの界面活性剤、TEC、ATEC、DBSまたはPEGなどの可塑剤、マンニトール、乳糖、HPC、HPMC、砂糖、クエン酸などの溶解修飾剤(dissolution modifying agent)および崩壊剤の添加とを記載している。
【0017】
国際公開第2004/010978号は、胃耐性ポリマーを用いた拍動性薬物放出のための射出成形によるカプセル剤の調製を記載している。
【0018】
時間疾患の治療のために今までに提案された溶液は、水性液体の浸透を減速させ、したがって、これらのコアとの相互作用を遅延させることができる物質でコーティングされたコア(錠剤、カプセル剤、ペレット)を含む薬物に基づいている。提供される系の大部分の場合、コーティング過程が必要とされ、要する時間は選択した技術に基づいて変わり得る。
【0019】
pH依存性ポリマーが関与する記載された系では、先に論じた通り、薬物放出の時間制御は存在しないが、胃排出時間の変動により薬物放出の被験者内および被験者間の再現性が乏しい、部位制御がより多く存在する。
【0020】
不溶性ポリマーの使用が記載される例では、ラグ相には、重要な拡散相が関与し、続いて、薬物は持続放出動態で送達される。コーティングまたはカプセル外皮中の不溶性物質の存在がしばしば構造に剛性および機械的な強度を与えることが特許請求されているが、それにはまた、可溶性物質のみが使用される場合、観察されない放出率の制御が関与する。ポリ(メト)アクリラートコポリマーおよびメタクリル酸アンモニウムコポリマー(Eudragit RL 100またはRS 100)などの不溶性ポリマー、エチルセルロースまたは酢酸フタル酸セルロースが、コーティングまたはカプセル外皮中に含まれる場合、膨潤物質の溶解および機械的な侵食の過程は妨害されるまたは損傷を受け、フィルムまたは外皮を通した薬物の透過ならびに拡散現象はより顕著である。さらに、コーティングまたはカプセル外皮の組成物におけるEudragit RLまたはRSなどの不溶性物質の使用は、糞による不溶性残留物の除去を必要とし、したがって、患者の許容性の問題を引き起こし、最終的に治療のコンプライアンスが不十分になる。これらの問題は、医薬品過程において滑沢剤として親油性物質(例えば、ステアリル酸)の使用によってさらに複雑になり得る。最後に、Eudragit RLおよびRSなどの不溶性物質の使用は、コーティング系またはカプセル外皮の放出性能に水力学的条件に応じた高い可変性を与え得る。
【0021】
さらに、提案されている技術の一部は、工業生産用にとてもスケールアップすることができない複雑かつ高価な調製過程を要する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】国際公開第9832425号
【特許文献2】ES2232886T
【特許文献3】米国特許第0118267号
【特許文献4】ドイツ特許第4122039号
【特許文献5】欧州特許第1258242号
【特許文献6】米国特許第5674530号
【特許文献7】米国特許第2001/036473号
【特許文献8】国際公開第00/18377号
【特許文献9】米国特許第4917885号
【特許文献10】米国特許第6228396号
【特許文献11】米国特許第5788987号
【特許文献12】米国特許出願公開第2005/249807号
【特許文献13】国際公開第2004/010978号
【非特許文献】
【0023】
【非特許文献1】Hajjar I.ら、Annu. Rev. Public Health 27巻、465〜90頁(2006年)
【非特許文献2】Young T.ら、Am. J. Respir. Crit. Care Med. 165巻、1217〜1239頁(2002年)
【非特許文献3】Evans D.F.ら、Gut 29巻、1035〜1041頁(1988年))
【非特許文献4】Gazzaniga A.ら、Eur. J. Pharm. Biopharm. 40巻、246〜250頁(1994年)
【非特許文献5】Gazzaniga A.ら、S.T.P. Pharma Sci. 5巻、83〜88頁(1995年)
【非特許文献6】Matsuo M.ら、Chem. Pharm. Bull. 43巻、311〜314頁(1995年)
【非特許文献7】Fukui E.ら、J. Control. Release 68巻、215〜223頁(2000年)
【非特許文献8】Maroni A.ら、Expert Opin. Drug Deliv. 2巻、855〜871頁(2005年)
【非特許文献9】Smolensky M.H.、Peppas N.A.、Adv. Drug Deliv. Rev. 59、823〜824頁(2007年)
【非特許文献10】Vilivalam V.D.ら、Pharm. Sci. Tech. Today 3巻、64〜69頁(2000年)
【非特許文献11】Ogura T.ら、Pharm Tech. Europe 11巻、32〜42頁(1998年)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
発明の説明
本発明は、プログラム可能な期間にわたって内容物の放出を遅延することができる物質で調製される少なくとも2つの部分を含めた容器からなる薬物の拍動性放出のための経口医薬剤形を提供する。
【0025】
容器は、固体、液体、または半固体の形態の薬物であって、場合によっては、他の医薬有効成分および/または適当な添加剤との混合物して、または散剤、カプセル剤、錠剤、顆粒、ペレット、ナノもしくは微小粒子として前もって配合された薬物を送達することができる。
【0026】
前記容器の2つの部分は、2単位が形成され組み立てられて医薬製剤を含むようにモデル化される。容器外皮の厚さの機能として調節することができる、使用した物質は、期間中生体液の内容物との接触を遅延させることができる。
【0027】
密接に組み合わさる容器の組み立て可能な部分または要素の少なくとも1つは、pH依存性溶解性を有しpH値5を超えるときに可溶性であるポリマーを除いて、場合によっては薬学的に許容される添加剤と混合される水性液体と接触したとき、ガラス−ゴム転移温度を低下させる1種または複数の親水性ポリマーで調製される。pH依存性溶解性を有しpH値5を超えるときに可溶性であるポリマーは、腸溶フィルムコーティングの調製のために通常用いられ、胃耐性としても知られるものであり、メタクリル酸コポリマー(Eudragit(登録商標)L 100、Eudragit(登録商標)L 12.5、Eudragit(登録商標)L 12.5 P、Eudragit(登録商標)L 100−55、Eudragit(登録商標)L30 D−55、Eudragit(登録商標)S 100、Eudragit(登録商標)S 12.5、Eudragit(登録商標)S 12.5 P、Eudragit(登録商標)FS 30 D)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタラート(HPMCP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシナート(HPMCAS)、ポリビニルアセタートフタラート(PVAP)、酢酸フタル酸セルロース(CAP)などである。
【0028】
本発明では、容器は、外側の胃耐性フィルムの存在または非存在にかかわらず、薬物放出を遅延することができる。
【0029】
本発明の好ましい構造において、両方の容器部分は、同じポリマーで調製され、実質的に強固な外皮を有し、350ミクロンを超える厚さ、好ましくは、500〜1500ミクロンの厚さを有するカプセル剤として組み立てた2つの部分である。
【0030】
容器の調製用に用いられるポリマーは、HPMC、HPC、HEC、ポリビニルピロリドン(PVP)およびポリビニルアルコール(PVA)などのビニルコポリマー、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレンオキシド(ポロキサマー、PEO)、アルギン酸誘導体、およびそれらの混合物から選択される。
【0031】
HPMCおよびHPCなどのセルロースエーテルは特に好ましい。
【0032】
本剤形は、内容物を密封するように留めるまたは溶結することによって結合させる要素を形成するように、例えば、物質のタイプに応じて、押出しなどの従来の技法によって調製することができる。
【0033】
前記溶結は、適当な溶媒中でポリマー溶液を適用することによって、または超音波または接触もしくは放射によって伝導される熱によって誘導された接触面の融解によって達成することができる。
【0034】
あるいは、容器の2つの部分は、遅延放出が望まれる、1種または複数の配合された有効成分が添加される空洞を得るために成形されたフィルムから調製することができる。前記フィルムは、物質が溶液または分散液から不活性基質上に積層し、その後の溶媒を除去する(流延)ことによって、または融解したおよび/または軟化した塊および/または適当な結合剤で調製した混練された生成物をカレンダーに押し込むことによって得られる。
【0035】
容器は、融解したおよび/または軟化した塊および/または適当な結合剤で得られた混練された生成物を造形されたダイに押し込むこと(射出成形)によって得ることもできる。
【0036】
最後に、容器は、2つの、場合によっては加熱したダイによって出された圧力の結果として、融解したおよび/または軟化した塊および/または適当な結合剤で得られた混練された生成物をモデル化することによって調製することができる。
【0037】
容器の充填は、硬ゼラチンカプセル剤用に用いられる従来の装置によって行うことができる。望むなら、薬物の一部または容器に挿入されるものと異なる薬物は、外皮の組成物中に含むことができる。
【0038】
本発明に記載の剤形によって、薬物が経口投与してからプログラム可能な時間に放出することが可能になる。
【0039】
したがって、前記剤形は、特に、時間疾患(日中または夜の特定の時間に一般的に再発する症状を有する疾患)の治療および/または予防用に指示される。
【0040】
本発明は、ラグ相が剤形の投与後に望まれ、その後、治療の必要性に応じて即時であるまたは延長することができる放出相がある、治療に処方される薬物を送達するためのツールを提供する。具体的には、本発明は、症状が主に夜間または早朝の時間帯に示される疾患に利用可能であり、治療効果を高め副作用を低減するために有効成分の吸収および症状の出現を調整することが可能になる。
【0041】
かかる疾患の例は、夜間に呼吸困難(dyspnoic)発作が多い気管支喘息、早朝不眠などの睡眠障害、関節リウマチおよび早朝の時間帯に発生率が多い心臓血管疾患を含む。
【0042】
本発明は、この系(pH非依存性挙動)の胃腸通過にかかわらず薬物放出の遅延を得る可能性を与える。これらの遅延は、容器の外皮の厚さおよび組成の機能としてプログラムすることができる。この系は汎用性の高さを特徴とする。さらに、送達させるために配合物を別々に作成した容器にすると、最も適当なものが治療の必要性および必要とする時間のずれのために選択することができる幅広い系が利用可能である。運搬される薬物の放出は、in vivoで少なくとも1時間、好ましくは2時間遅延される。
【0043】
本発明に記載の剤形は、様々な物質でおよび異なる技法によってコーティングすることができる。コーティングが、特に、pH値5を超えるときに可溶性である、pH依存性溶解性ポリマーで調製される場合、剤形は、時間依存性配合物手法に基づいた薬物の経口結腸送達のために用いることができる(A. Maroniら、Expert Opin. Drug Deliv.:2巻(5号)、855〜871頁(2005年))。結腸薬物送達は、大腸に罹る疾患(潰瘍性大腸炎、クーロン病、結腸直腸腺癌、ミクロフローラの変化)の治療および予防だけでなく、薬物の全身の吸収を必要とする薬理学的治療に有利である。
【0044】
本発明は、既存の技術に関して以下の利点を提供する。
−異なる薬物および/または配合物による充填に関する汎用性;
−治療の必要性により要求されるプログラム可能なラグ相を得る可能性;
−硬ゼラチンカプセル剤の調製のために用いられるものと同じ装置を用いて充填する可能性;
−産業のスケールアップに適合する、短期の生産時間;
−(有り得る相溶性の問題を有するコーティング技術を開発する必要なく)遅延放出剤形の開発に必要な短い時間;
−GRAS(Generally Recognized as Safe:一般に安全と認められる)物質の使用。
【0045】
さらに、欧州特許第1258242号、米国特許第5674530号、Ogura T.ら、Pharm Tech. Europe 11巻、32〜42頁(1998年)、米国特許第4917885号および米国特許出願公開第2001/036473号に記載のカプセル剤が即時薬物放出を目的としていることを強調していることが重要である。したがって、カプセル剤形成物質の水和に要する時間により関連する放出プロフィールでおそらく観察される遅延相は、それらが所期の迅速な薬物遊離を損なうはずであるため、許容されないものとみなされる。これに反して、本発明では、遅延は、調節放出剤形を得るために適当な物質の使用および適当な外皮の厚さの選択によって意図的に実行される。
【0046】
さらに、米国特許出願公開第2005/249807号に従って調製されたカプセル剤と比較して、本発明に記載のデバイスは、かなり短期の拡散相を有するモデル薬物を「in vitroで」放出する。実際、薬物の速やかかつ完全な放出は、約15〜30分で達成される。さらに、本発明では、不溶性物質の使用は避ける。したがって、完全に可溶なカプセル剤が得られる。この革新は、患者のコンプライアンスの問題を引き起こす恐れがある糞中の不溶性残留物の存在に関連する欠点を克服する。以下の例は、本発明をより詳細に論じている。
図面の簡単な説明
図1は、例1に記載の剤形から得られるアセトアミノフェンのin vitro放出プロフィールを示す;
図2は、例2に記載の剤形から得られるアセトアミノフェンのin vitro放出プロフィールを示す;
図3は、例3に記載の剤形から得られるアセトアミノフェンのin vitro放出プロフィールを示す;
図4は、例4に記載の剤形から得られるアセトアミノフェンのin vitro放出プロフィールを示す;
図5は、例5に記載のカプセル剤の原型の概略図である;
図6は、例5に記載の剤形から得られるアセトアミノフェンのin vitro放出プロフィールを示す;
図7は、例6に記載の剤形から得られたアセトアミノフェンの唾液濃度プロフィールを示す;
図8は、例7に記載の剤形から得られるアセトアミノフェンの唾液濃度プロフィールを示す。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】例1に記載の剤形から得られるアセトアミノフェンのin vitro放出プロフィールを示す。
【図2】例2に記載の剤形から得られるアセトアミノフェンのin vitro放出プロフィールを示す。
【図3】例3に記載の剤形から得られるアセトアミノフェンのin vitro放出プロフィールを示す。
【図4】例4に記載の剤形から得られるアセトアミノフェンのin vitro放出プロフィールを示す。
【図5】例5に記載のカプセル剤の原型の概略図である。
【図6】例5に記載の剤形から得られるアセトアミノフェンのin vitro放出プロフィールを示す。
【図7】例6に記載の剤形から得られたアセトアミノフェンの唾液濃度プロフィールを示す。
【図8】例7に記載の剤形から得られるアセトアミノフェンの唾液濃度プロフィールを示す。例1
【0048】
【表1】

【0049】
混合物を高剪断ミキサー中で混練した。ポリマードウを押出し過程の前に密閉容器で24時間貯蔵した。押出しのために、一軸スクリュー押出機を使用し、円筒ロッド(直径8mm)を準備した。厚さ350〜1500ミクロンを有するフィルムを調製するためにロッドをカレンダーで押し入れた。乾燥後、フィルムをダイで切断し、容器の要素を形成するために手動プレスで固定した、約130℃で加熱した金型で形づくった。2つの部分を作成した後、アセトアミノフェン200mgを容器の空洞に充填した。この系を、HPMC水溶液を要素間の接触面上で適用することによって密閉した。この方法によって作成された系から得られる放出プロフィールを図1で報告する(おもりを有する崩壊装置、脱イオン水、800mL、37℃、n=6)。
例2
【0050】
【表2】

【0051】
混合物を高剪断ミキサー中で混練した。ポリマードウを押出し過程の前に密閉容器で24時間貯蔵した。一軸スクリュー押出機による押出しを行い、円筒ロッド(8mm直径)を準備した。厚さ350〜1500ミクロンを有するフィルムを調製するためにロッドをカレンダーで押し入れた。乾燥後、フィルムをホットエアガンで約130℃で加熱し、容器の要素を形成するために手動プレスで室温で固定した金型で形づくった。2つの部分を作成した後、アセトアミノフェン200mgを容器の空洞に充填した。この系を密閉し、130℃で加熱したチューブダイを適用することによって切断した。この方法によって作成された系から得られる放出プロフィールを図2で報告する(おもりを有する崩壊装置、脱イオン水、800mL、37℃、n=5)。
例3
【0052】
【表3】

【0053】
混合物を遊星形ミキサー中で回転率68rpmで10分間調製し、圧縮比19:25Dおよび直径10mmのダイを有するスクリューを備える一軸スクリュー押出機のホッパーに添加した。温度をT1:150℃、T2:155℃、T3:160℃およびT4:150℃に設定し、回転速度は15rpmであった。押出機の出口のホットロッドを1mm間隙でカレンダーのロールに押し込んだ。得られたフィルムを容器の要素を形成するために手動プレスで固定した、約130℃で加熱した金型で形づくった。2つの部分を作成した後、アセトアミノフェン200mgを容器の空洞に充填した。この系を、HPMC水溶液を要素間の接触面上で適用することによって密閉した。この方法によって作成された系から得られる放出プロフィールは図3で報告する(おもりを有する崩壊装置、脱イオン水、800mL、37℃、n=3)。
例4
【0054】
【表4】

【0055】
混合物を遊星形ミキサー中で回転率68rpmで10分間調製し、圧縮比19:25Dおよび直径10mmのダイを有するスクリューを備える一軸スクリュー押出機のホッパーに添加した。温度をT1:150℃、T2:155℃、T3:160℃およびT4:150℃で設定し、回転速度は15rpmであった。押出機の出口のホットロッドを1mm間隙でカレンダーのロールに押し込んだ。得られたフィルムを、容器の要素を形成するために手動プレスで固定した、約130℃で加熱した金型で形づくった。2つの部分を作成した後、アセトアミノフェン200mgを容器の空洞に充填した。この系を、HPMC水溶液を要素間の接触面上で適用することによって密閉した。この方法によって作成された系から得られる放出プロフィールを図4で報告する(おもりを有する崩壊装置、脱イオン水、800mL、37℃、n=3)。
例5
【0056】
【表5】

【0057】
容器の要素を、遊星形ミキサー中で前もって調製した粉末混合物を射出成形機(Baby Plast 6/10P、Cronoplast SI)に添加することによって得られた。定義された期間内に2mm直径ノズル(160℃)で、金型キャビティにプレス射出した場合、粉末基質をホッパーから可塑化ユニット(165℃)に送り、次いで、射出ユニット(160℃)に運搬した。製品取り出し前に、処理された物質を放置して冷却し硬化させるために金型を密閉しておいた。金型の概略図を図5で報告する。2つの部分を作成した後、アセトアミノフェン200mgを容器の空洞に充填した。この系を、HPMC水溶液を要素間の接触面上で適用することによって組み立て密封した。この方法によって作成された系から得られる放出プロフィールを図6で報告する(おもりを有する崩壊装置、脱イオン水、800mL、37℃、n=3)。
例6
【0058】
【表6】

【0059】
容器の要素を、遊星形ミキサー中で前もって調製した粉末混合物を射出成形機(Baby Plast 6/10P、Cronoplast SI)に添加することによって得られた。定義された期間内に2mm直径ノズル(160℃)で、金型キャビティにプレス射出した場合、粉末基質をホッパーから可塑化ユニット(165℃)に送り、次いで、射出ユニット(160℃)に運搬した。製品取り出し前に、処理された物質を放置して冷却し硬化させるために金型を密閉しておいた。金型の概略図を図5で報告する。2つの部分を作成した後、アセトアミノフェン200mgを容器の空洞に充填した。この系を、HPMC水溶液を要素間の接触面上で適用することによって組み立てた。カプセル外皮の厚さは900ミクロンであった。
【0060】
上記ユニットの1つを6名の健常なボランティア(年齢25〜50歳、体重55〜85Kg)それぞれに投与するin vivo試験を実施した。これらのユニットを終夜絶食した対象に水150mLと共に投与した。投与の3時間後、軽い朝食を取った。3mLの唾液サンプルを所定の期間の後24時間収集した。サンプルを直ちに凍結し、分析まで−20℃で貯蔵した。アセトアミノフェン唾液濃度をHPLCによって決定した。薬物濃度プロフィールを図7で報告する。
例7
【0061】
【表7】

【0062】
容器の要素を、遊星形ミキサー中で前もって調製した粉末混合物を射出成形機(Baby Plast 6/10P、Cronoplast SI)に添加することによって得られた。2mm直径ノズル(160℃)で、定義された期間内に金型キャビティにプレス射出した場合、粉末基質をホッパーから可塑化ユニット(165℃)に送り、次いで、射出ユニット(160℃)に運搬した。製品取り出し前に、処理された物質を放置して冷却し硬化させるために金型を密閉しておいた。金型の概略図を図5で報告する。2つの部分を作成した後、アセトアミノフェン200mgを容器の空洞に充填した。この系をHPMC水溶液を要素間の接触面上で適用することによって組み立て密閉した。カプセル外皮の厚さは1100ミクロンであった。
【0063】
上記ユニットの1つを6名の健常なボランティア(年齢25〜50歳、体重55〜85Kg)それぞれに投与するin vivo試験を実施した。これらのユニットを終夜絶食した対象に水150mLと共に投与した。投与の3時間後、軽い朝食を取った。3mLの唾液サンプルを所定の期間の後24時間収集した。サンプルを直ちに凍結し、分析まで−20℃で貯蔵した。アセトアミノフェン唾液濃度をHPLCによって決定した。薬物濃度プロフィールを図8で報告する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物の拍動性放出を目的とした経口剤形であって、場合によっては、薬学的に許容される添加剤と混合される1種または複数の有効成分のための容器を含み、前記容器が内容物を密閉するように結合させることができる少なくとも2つの部分または要素からなり、前記要素の少なくとも1種が、場合によっては、薬学的に許容される添加剤との混合物としてヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポロキサマー(PEO)、アルギン酸誘導体、およびそれらの混合物から選択される1種または複数の親水性ポリマーから構成され、容器の要素の壁が厚さ350μmを超える経口剤形。
【請求項2】
容器が内側の密閉される空洞を区切るために結合させることができる2つの部分または要素からなる、請求項1に記載の剤形。
【請求項3】
両方の要素が、場合によっては、薬学的に許容される添加剤との混合物として請求項1に定義される1種または複数の親水性ポリマーから構成される、請求項1または2に記載の剤形。
【請求項4】
要素が成形によって、特に射出成形によって得られる、請求項1から3のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項5】
ポリマーが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポロキサマー(PEO)およびそれらの混合物から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項6】
ポリマーがヒドロキシプロピルセルロース(HPC)である、請求項5に記載の剤形。
【請求項7】
容器の要素の肉厚が500〜1500μmの範囲である、請求項1から6のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項8】
容器の要素が、内容物を密閉するように留めるまたは溶結することによって結合される、請求項1から7のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項9】
pH値5を超えるときにのみ可溶性であるpH依存性溶解性を有するポリマーでコーティングされた、請求項1から8のいずれか一項に記載の剤形。
【請求項10】
容器の要素を形づけ、次いで、内容物を密閉するように留めるまたは溶結することによって結合させることができることを目的とした1種または複数の押出し技法を含む、請求項1から8に記載の剤形のための製造方法。
【請求項11】
押出しが、融解したおよび/または軟化した塊および/または適当な結合剤で調製された混練された生成物を形づけられたダイに押し込むことによって達成される、請求項10に記載の製造方法。
【請求項12】
1種または複数の場合によっては製剤化されている有効成分が中に負荷され、その遅延放出が目的とされる空洞を得るためにフィルムから容器の要素を形づくることを含み、前記フィルムが、溶液またはディスパージョンから不活性基質上への物質の積層、およびその後の溶媒の除去(流延)によって、または融解したおよび/または軟化した塊および/または適当な結合剤で調製した混練された生成物をカレンダーに押し込むことによって得られる、請求項1から8に記載の剤形のための製造方法。
【請求項13】
2つの、場合によっては加熱したダイによって出された圧力による、融解したおよび/または軟化した塊および/または適当な結合剤で調製された混練された生成物の形づけを含む、請求項1から8に記載の剤形のための製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2011−528677(P2011−528677A)
【公表日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−519084(P2011−519084)
【出願日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際出願番号】PCT/EP2009/005370
【国際公開番号】WO2010/009891
【国際公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(511014655)
【氏名又は名称原語表記】GAZZANIGA, ANDREA
【出願人】(311009262)
【氏名又は名称原語表記】CEREA, MATTEO
【出願人】(311009251)
【氏名又は名称原語表記】COZZI, ALBERTO
【出願人】(311009240)
【氏名又は名称原語表記】FOPPOLI, ANASTASIA ANNA
【出願人】(511014688)
【氏名又は名称原語表記】ZEMA, LUCIA
【出願人】(311009239)
【Fターム(参考)】