普遍的に使用可能なバーカッタヘッド及びこのバーカッタヘッドの使用方法
【課題】可及的に少ないツールを使用して種々のスパイラルベベルギヤを製造する。
【解決手段】第1バーカッタセットの複数のバーカッタを受けるためのバーカッタヘッド20は、前記第1バーカッタセットのn個のバーカッタを受けるためのn個の受容開口部25.1〜25.6を有し、該n個の受容開口部は全て第1のカッタヘッドの基準の半径r1を有する第1のカッタヘッドの同心の基準の円に沿って配置されている。従い単一割出法において第1のスパイラルベベルギヤをフライス加工できる。バーカッタヘッド20は、第2バーカッタセットのm個のバーカッタを受けるための少なくともm個の受容開口部26.1〜26.6を更に有し、該m個の受容開口部は全て第2のカッタヘッドの基準の半径r2を有する第2のカッタヘッドの同心の基準の円に沿って配置されている。従いm個のバーカッタを用いることにより、第2のスパイラルベベルギヤをフライス加工できる。
【解決手段】第1バーカッタセットの複数のバーカッタを受けるためのバーカッタヘッド20は、前記第1バーカッタセットのn個のバーカッタを受けるためのn個の受容開口部25.1〜25.6を有し、該n個の受容開口部は全て第1のカッタヘッドの基準の半径r1を有する第1のカッタヘッドの同心の基準の円に沿って配置されている。従い単一割出法において第1のスパイラルベベルギヤをフライス加工できる。バーカッタヘッド20は、第2バーカッタセットのm個のバーカッタを受けるための少なくともm個の受容開口部26.1〜26.6を更に有し、該m個の受容開口部は全て第2のカッタヘッドの基準の半径r2を有する第2のカッタヘッドの同心の基準の円に沿って配置されている。従いm個のバーカッタを用いることにより、第2のスパイラルベベルギヤをフライス加工できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単一割出法において、ベベルギヤ、特にスパイラルベベルギヤを機械加工するためのバーカッタヘッドに関する。本発明は、また、単一割出法においてスパイラルベベルギヤを機械加工するための普遍的に使用可能な上記カッタヘッドの使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ベベルギヤには、とりわけ、縦方向の側面ラインのカーブに基づき区別される種々のタイプがある。縦方向の側面ラインのカーブに従って区別されるベベルギヤとして、ストレートベベルギヤ、ヘリカルベベルギヤ及びスパイラルベベルギヤがある。
【0003】
「スパイラルベベルギヤ(spiral-toothed bevel gears)」という用語は、おそらく、このギヤを一般的に「スパイラル状ベベルギヤ(spiral bevel gears)」と呼ぶ米国人から受け継がれたものであろう。螺旋は弧の特殊な形状を示すものであるため、ここでは、「スパイラルベベルギヤ」という用語に代えて「弧型ベベルギヤ」という用語を使用する方がよい。「スパイラルベベルギヤ」という用語は以降もまだ使用される。軸のオフセットを有するベベルギヤは、ハイポイド歯車とも呼ばれ、以降、ベベルギヤと呼ぶときは、軸のオフセットを有するベベルギヤと有さないベベルギヤとを意味する。
【0004】
スパイラルベベルギヤにおいて、縦方向の側面ラインの形状は、更に円弧、拡張された外サイクロイド、インボリュート、及び、拡張された内サイクロイドに細分することができる。
【0005】
円弧型ベベルギヤは、縦方向の側面ラインとして円弧を有する。円弧型ベベルギヤは、単一割出法(「間欠割出法」、「単一割出プロセス」、又は「正面フライス加工」ともいう。)において製造される。単一割出法は、図1Aに図示されている。バーカッタヘッド20のバーカッタ21は、製造されるベベルギヤが一定の角度で静止している間に、円弧状の動作を完了する。さらなる歯間を製造するために、カッタヘッド20は退避し、ワークピース11が割出角度だけ回転する。段階的な更なる回転(ここでは反時計回り)が、図1Aにおいて矢印A、B及びCにより示されている。したがって、同時に製造される歯間は常に一つである。カッタ21は全て、割出円Nに沿って配置されている。
【0006】
拡大された外サイクロイド型(「拡張された外サイクロイド型」ともいう。)ベベルギヤは、連続割出法(「連続ホブ加工」、「連続割出プロセス」、又は「表面ホブ加工」ともいう。)によって製造される。連続割出法における外サイクロイドの形成中において、カッタヘッドのスレッドの総数(カッタグループの個数)に対する歯の総数の比率は、定円Gの半径と動円Rの半径との比率に対応する。カッタの刃が配置されるカッタヘッドの基準の半径が、動円Rの半径よりも大きい場合において、拡張された外サイクロイドについて言及する。この連続割出法では、カッタヘッド24とワークピース11の両方が、連続動作において回転し、順次相互に適合する。このように、割出は連続的に行われ、全ての歯間が外見上同時に作られる。これに相当する例が図1Bに示されている。図1Bを参照すると、対応するカッタヘッド24のバーカッタ23が、典型的には、二つ一組で(複数個一組で)位置付けられていることが分かる。バーカッタ23の配置は、前記のカッタヘッド20とは異なり、前記の基準の円Nに沿った同心円上の配置にはなっていない。図1Bを参照すると、カッタヘッド24の動円Rが、ワークピース11の定円Gに沿って回転することが分かる。この図において、符号Mはカッタヘッド24の中心点を示す。
【0007】
インボリュート型ベベルギヤは、インボリュート曲線状の縦方向の側面ラインを有する。このようなベベルギヤも、連続割出法により円錐台状の特別なホブを用いて製造される。この原理に従って作動するクリンゲルンベルク社の方法はPalloid(商標名)と呼ばれる。
【0008】
連続割出法において製造されるベベルギヤの例としては、クリンゲルンベルク社製のSpiroflex(商標名)ベベルギヤ、及びSpirac(商標名)ベベルギヤがある。
【0009】
ベベルギヤを形成するために使用されるカッタヘッドとしては、所謂バーカッタヘッドとフォームカッタヘッド(form cutter head)とに区別される。バーカッタヘッドには複数のバーカッタが設けられ、各バーカッタは、シャフトとヘッド領域とを有する。バーカッタには、該バーカッタを研磨することにより所望の形状と位置とを付与することができる。バーカッタヘッドは、フォームカッタヘッドよりも生産性が高く、バーカッタはプロファイル(profile)され得る。対照的に、フォームカッタヘッドには、フォームカッタ(form cutter)が設けられる。フォームカッタはドレッシングにおいて形状を維持する。フォームカッタはバーカッタとは異なる形状を有し、正面でのみドレッシングされる。フォームカッタのドレッシングには特別な研磨マシンを必要としないことが、フォームカッタを使用してベベルギヤをフライス加工する利点である。例えば、公知のサイクロパロイド方式は、スパイラルベベルギヤの形成にこの種のフォームカッタを使用する。
【0010】
バーカッタヘッド及びフォームカッタヘッドには、バーカッタ又はフォームカッタの径方向の位置を修正可能にするために、いわゆる下地プレートまたは平行プレートが使用されることがある。この目的のため、前記のプレートは異なる厚みで用意される。カッタの位置は、一般的には最大で5mm外側へプレートとともに移動させることができる。カッタの位置の精度、カッタの取付け安定性、及び、カッタヘッドとカッタとからなる構造全体の剛性は、そのようなプレートを使用することにより損なわれる。
【0011】
他種類の認定されたベベルギヤを使用する企業および使用者が存在する。したがって、要求に応じて特定のベベルギヤを形成できるようにするためには、店頭では対応するカッタヘッドをしばしば多数用意する必要がある。古いバーカッタヘッドから、新しく耐久性に優れたバーカッタを受けることができたり新しいベベルギヤ歯切り盤で使用できたりする新しいバーカッタヘッドに取り替える場合、出費が特に嵩む。古いカッタヘッドの全てを、対応する新しいバーカッタヘッドに取り替える必要がある場合、コストはかなり高くなる。
【0012】
クリンゲルンベルク社製のARCON(商標名)カッタヘッドシステムは、単一割出歯切り法(単一割出法)用として、模範的な高性能のカッタヘッドシステムを代表するものである。例えば、3.75インチのARCON(商標名)カッタヘッドは、11個のカッタグループを運び、それらのカッタグループ毎に1つの内側カッタと1つの外側カッタとが設けられている。外側カッタは、歯間の外側すなわち凹状の側面から材料を除去する。内側カッタは、歯間の内側すなわち凸状の側面から材料を除去する。このように、この例では、合計22個のバーカッタが使用される。このカッタヘッドを使用すると、例えば、モジュール4.5のベベルギヤを製造することができる。モジュール2.5のベベルギヤが必要な場合は、合計14個のバーカッタを有する2.5インチの異なるARCON(商標名)カッタヘッドを使用する必要がある。他の製造業者のカッタヘッドシステムとしても、同様の例がなされる。
【0013】
これに関連して、ツインブレードシステムも忘れてはならない。このシステムでは、カッタが歯間全体を形成し、このシステムは、単一割出におけるいわゆる仕上げ工程(completing process)にのみ適用することができる。
【0014】
これらの例は、多くの使用者にとってツールの出費が莫大で高コストであることを証明する。
【0015】
そこで、本発明は、可及的に少ないツールを使用して種々のスパイラルベベルギヤを製造でき、費用効率が高い解決策を提供することを目的とする。
【発明の概要】
【0016】
前記目的は、請求項1に係るバーカッタヘッドによる本発明により達成される。本発明の有利な実施形態は、従属項の対象を形成する。また、前記目的は、請求項8に係る使用方法によっても達成される。
【0017】
本発明に係るバーカッタヘッドは、第1バーカッタセットと第2バーカッタセットとの複数のバーカッタを受けるためのものである。前記バーカッタヘッドは、第1バーカッタセットのn個のバーカッタを受けるためのn個の前部受容開口部(frontal receptacle opening)を有する。該n個の受容開口部(receptacle opening)は全て、単一割出法において前記n個のバーカッタを使用して第1のスパイラルベベルギヤをフライス加工できるようにするために第1のカッタヘッドの基準の半径を有する第1のカッタヘッドの同心の基準の円(a first concentric cutter head nominal circle)に沿って配置されている。前記バーカッタヘッドは、第2バーカッタセットのm個のバーカッタを受けるための少なくともm個の受容開口部を更に有し、該m個の受容開口部は全て、第2のカッタヘッドの基準の半径を有する第2のカッタヘッドの同心の基準の円に沿って配置されている。前記バーカッタヘッドに、第2バーカッタセットの前記m個のバーカッタが装着されると、第2のスパイラルベベルギヤが単一割出法においてフライス加工され得る。n及びmは2以上の整数であり、第2のカッタヘッドの基準の半径は、第1のカッタヘッドの基準の半径よりも大きい。
【0018】
本発明に係る上記バーカッタヘッドの使用方法は、該バーカッタヘッドが種々の歯の形状を有するスパイラルベベルギヤの製造に使用されることを提供する。異なる歯の形状を形成できるようにするために、異なるカッタヘッドの基準の半径を有するバーカッタヘッドが必要とされる。これは、カッタヘッドの基準の半径が歯の形状と所要の機械設定とに大きな影響を与えるためである。前記バーカッタヘッドは、第1バーカッタセットのn個のバーカッタを受けるためのn個の受容開口部を有し、該n個の受容開口部は全て、単一割出法において前記n個のバーカッタを使用して第1のスパイラルベベルギヤをフライス加工できるようにするために第1のカッタヘッドの基準の半径を有する第1のカッタヘッドの同心の基準の円に沿って配置されている。さらに、前記バーカッタヘッドは、第2バーカッタセットのm個のバーカッタを受けるための少なくともm個の受容開口部を更に有し、該m個の受容開口部は全て、単一割出法において前記m個のバーカッタのみを使用して第2のスパイラルベベルギヤをフライス加工できるようにするために第2のカッタヘッドの基準の半径を有する第2のカッタヘッドの同心の基準の円に沿って配置されている。n及びmは2以上の整数であり、第2のカッタヘッドの基準の半径は、第1のカッタヘッドの基準の半径よりも大きい。
【0019】
本発明の有利な実施形態は、各従属項から推察され得る。
【0020】
以下、本発明の利点をいくつか列挙する。本発明に係るカッタヘッドは、機動的に使用可能でありながら、従来のバーカッタヘッドの高い精度を維持する。この高い精度は、種々のカッタヘッドの基準の半径でバーカッタを受けるための高精度の凹所が存在することにより達成される。例えば電子的な浸食を用いることで、各凹所は所望の位置に正確に形成され得る。各凹所は1つのバーカッタを受けるために必要な最低限の大きさを有する。比較的小さな凹所のみが必要とされるため、カッタヘッドの剛性は基本的に維持されたままである。仮に凹所が径方向の正しい位置に設けられなければ、剛性は著しく低減する。
【0021】
本発明に係る好ましいカッタヘッドは、基本的に一体的に実行されることを更なる特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1A】単一割出法の略図。
【図1B】連続割出法の略図。
【図2】ベベルギヤのピニオンの側面図。
【図3】ベベルギヤ歯切り盤の斜視図。
【図4】本発明に係る第1のカッタヘッドの平面図。
【図5】本発明に係る第2のカッタヘッドの平面図。
【図6A】本発明に係る第3のカッタヘッドの平面図。
【図6B】本発明に係る第3のカッタヘッドの詳細な平面図。
【図6C】本発明に係る第3のカッタヘッドの詳細なA−A線断面図。
【図6D】本発明に係る第3のカッタヘッドの詳細な側面図。
【図6E】本発明に係る第3のカッタヘッドの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の説明に関して使用される用語は、関連のある出版物および特許にも使用されるものである。ただし、これらの用語は、よりよい理解に役立つために使用されるに過ぎないものである。本発明の考え、及び本願請求項の保護範囲は、用語の特異な選択によってそれらの範囲内に限定されるべきものでない。本発明は、他の特殊化された用語のシステム及び/又は領域に容易に転換することができる。それらの用語は、他の特殊化された領域において適切に使用されるべきである。
【0024】
スパイラルベベルギヤのピニオン11の側面図が図2に示されている。このベベルギヤのピニオン11は、螺旋状に曲がりながら縦方向に延びる側面ラインを有する。本発明はまた、単一割出法で生産可能な他のベベルギヤのピニオン11およびクラウン歯車(例えばハイポイドベベルギヤ)の生産にも適用することができる。
【0025】
図3は、ベベルギヤ、好ましくは、スパイラルベベルギヤのピニオン11及びスパイラルクラウンギヤの歯切りを行うための対応するCNC旋盤(ベベルギヤ歯切り盤とも呼ばれる。)100の基本的な構造を示す斜視図である。
【0026】
CNC旋盤100は次のように構成される。旋盤ハウジング110は、線形座標軸X(第1の軸)に沿って旋盤ベッド106上を水平且つ直線状に案内されている。第1キャリッジ103は、スピンドル駆動部101を使用することで、線形座標軸Z(第2軸)に沿って、旋盤ハウジング110の側面に取り付けられたガイド105上を垂直に移動可能である。図3に示されるCNC旋盤100において、第2キャリッジ108を有するワークピース用スピンドル搬送部は、前記X軸に直交する線形座標軸Y(第3軸)に沿って旋盤ベッド104上のガイド107上を水平且つ直線状に案内される。鉛直方向の軸C(第4軸)を有する第1旋回装置109は、前記キャリッジ108に配置されている。図3に示されるCNC旋盤100において、第1キャリッジ103のガイド105と前記Z軸とは、鉛直線に対して傾斜している。
【0027】
第1キャリッジ103は、ツールスピンドル軸102(第5軸)を中心として回転可能なように取り付けられたツールスピンドル111を搬送する。ツールスピンドル111は、例えば、複数のバーカッタを有するカッタヘッド20等のツールを搬送する。ワークピーススピンドル112は、水平に案内されており、第2キャリッジ108と第1旋回装置109とにより直線状の移動および/または旋回が可能である。第1旋回装置109は、ワークピーススピンドル軸113(第6軸)を中心として回転可能なワークピーススピンドル112を搬送する。ワークピーススピンドル112は、ワークピース11、本実施形態ではスパイラルベベルギヤのピニオン11を搬送する。第1旋回装置109は、ワークピース11を機械加工位置へ旋回させるために、前記C軸の周りに案内されながら水平に旋回可能である。ワークピーススピンドル112には、ワークピース11を固定するためのチャック装置を設けるようにしてもよい。
【0028】
図4に基づき、本発明の原理について説明する。図4には、異なる2セットのバーカッタを受けるために作られたバーカッタヘッド20の平面図が示されている。符号1の位置には、第1カッタセットの外側カッタのために受容開口部25.1が設けられている。符号5の位置には、第1カッタセットの内側カッタのために受容開口部25.2が設けられている。第1カッタセットの2つのバーカッタ(すなわちn=2)、または受容開口部25.1,25.2は、カッタヘッドの基準の半径r1を有するカッタヘッドの同心の基準の円上に配置される。例えば、本実施形態において、r1は3.75/2inch(=1.875inch=47.62mm)である。カッタヘッドの同心の基準の円は全て、バーカッタヘッド20のツールスピンドル軸102と一致する共通の中心点を有する。第1カッタセットの前記2つのバーカッタは、所謂カッタグループを形成する。後述するように、1つのカッタグループは複数のカッタグループで構成することができる。
【0029】
さらに、バーカッタヘッド20は、2つのバーカッタ(すなわちm=2)を有する少なくとも更なる1組のカッタセット(第2カッタセット)のための受容開口部26.1,26.2を有する点に特徴がある。受容開口部26.1は、第2カッタセットの外側カッタのために符号3の位置に設けられている。第2カッタセットの内側カッタのための受容開口部26.2は、符号7の位置に配置されている。2つのバーカッタ、または第2カッタセットの受容開口部26.1,26.2は、カッタヘッドの基準の半径r2を有するカッタヘッドの同心の基準の円上に配置される。例えば、本実施形態において、r2は、5/2inch(=2.5inch=63.5mm)である。
【0030】
図4に示される上述のカッタヘッド20は、2つの現存するカッタヘッド(3.75inch及び5inchのカッタヘッド)を切り換えることができる。カッタヘッドに第1カッタセットのバーカッタが装備されている場合、第1の歯の形状を有する第1のベベルギヤ11を加工することができる。カッタヘッドに第2カッタセットのバーカッタが装備されている場合、異なる歯の形状を有する第2のベベルギヤを加工することができる。
【0031】
しかしながら、そのような新手の、普遍的に使用可能なカッタヘッド20の生産性は、1つのカッタグループを有するカッタセットが1組しか同時に使用されないため、特別高くない。
【0032】
次の図面に基づき、本発明の意義をより明確にする。図5は、別の実施例を示す。図5のカッタヘッド20は、第1カッタセットのバーカッタのためにn=6個の受容開口部25.1〜25.6を有し、第2カッタセットのバーカッタのためにm=6個の受容開口部26.1〜26.6を有する。第1カッタセットの外側カッタは、符号1の位置で受容開口部25.1,25.3,25.5内に受けられる。第1カッタセットの内側カッタは、符号5の位置で受容開口部25.2,25.4,25.6内に受けられる。第2カッタセットの外側カッタは、符号3の位置で受容開口部26.1,26.3,26.5内に受けられる。第2カッタセットの内側カッタは、符号7の位置で受容開口部26.2,26.4,26.6内に受けられる。第1カッタセットと第2カッタセットとは、それぞれ1つの内側カッタと1つの外側カッタとからなる3つのカッタグループでそれぞれ構成されている。
【0033】
本実施例のカッタヘッドは、カッタグループの個数が多いため、図4に示すカッタヘッド20よりも高い生産性を有する。
【0034】
図6Aには、別の実施例が図示されている。図6Aのバーカッタヘッド20は、第1カッタセットのバーカッタのためにn=6個の受容開口部25.1〜25.6を有し、第2カッタセットのバーカッタのためにm=6個の受容開口部26.1〜26.6を有し、第3カッタセットのバーカッタのためにk=6個の受容開口部27.1〜27.6を有し、第4カッタセットのバーカッタのためにj=6個の受容開口部28.1〜28.6を有する。
【0035】
第1カッタセットの外側カッタは、符号1の位置で受容開口部25.1,25.3,25.5内に受けられる。第1カッタセットの内側カッタは、符号5の位置で受容開口部25.2,25.4,25.6内に受けられる。第2カッタセットの外側カッタは、符号3の位置で受容開口部26.1,26.3,26.5内に受けられる。第2カッタセットの内側カッタは、符号7の位置で受容開口部26.2,26.4,26.6内に受けられる。第3カッタセットの外側カッタは、符号2の位置で受容開口部27.1,27.3,27.5内に受けられる。第3カッタセットの内側カッタは、符号6の位置で受容開口部27.2,27.4,27.6内に受けられる。第4カッタセットの外側カッタは、符号4の位置で受容開口部28.1,28.3,28.5内に受けられる。第4カッタセットの内側カッタは、符号8の位置で受容開口部28.2,28.4,28.6内に受けられる。
【0036】
上記の各カッタセットは、それぞれ1つの内側カッタと1つの外側カッタとからなる3つのカッタグループで構成されている。
【0037】
第1カッタセットの受容開口部25.1〜25.6は、カッタヘッドの基準の半径r1を有するカッタヘッドの同心の基準の円上に配置されている。例えば、本実施形態において、r1は3.75/2inch(=1.875inch=47.62mm)である。第2カッタセットの受容開口部26.1〜26.6は、カッタヘッドの基準の半径r2を有するカッタヘッドの同心の基準の円上に配置されており、r2は例えば5/2inch(=2.5inch=63.5mm)である。第3カッタセットの受容開口部27.1〜27.6は、カッタヘッドの基準の半径r3を有するカッタヘッドの同心の基準の円上に配置されている。例えば、本実施形態において、r3は4.375/2inch(=2.1875inch=55.56mm)である。第4カッタセットの受容開口部28.1〜28.6は、カッタヘッドの基準の半径r4を有するカッタヘッドの同心の基準の円上に配置されており、r4は例えば6/2inch(=3inch=76.2mm)である。
【0038】
本発明に係るバーカッタヘッド20は、概して第1バーカッタセットの複数のバーカッタを受けるために作られており、バーカッタヘッド20は、第1カッタセットのn個のバーカッタを受けるためのn個の受容開口部25.1〜25.nを有する。第1カッタセットのn個のバーカッタは全て、第1カッタヘッドの基準の半径r1を有する第1のカッタヘッドの同心の基準の円に沿って位置付けられる。バーカッタヘッド20に第1カッタセットのn個のバーカッタが装備されている場合、単一割出法において、第1のスパイラルベベルギヤをフライス加工することができる。バーカッタヘッド20は、第2カッタセットのm個のバーカッタを受けるための少なくともm個の受容開口部を更に有する。第2カッタセットのこれらm個のバーカッタは全て、第2カッタヘッドの基準の半径r2を有する第2のカッタヘッドの同心の基準の円に沿って位置付けられ、これにより、単一割出法において、これらm個のバーカッタのみを使用して第2スパイラルベベルギヤをフライス加工することができる。前述の数字「n」及び「m」は全て2以上の数字である。例えば、nが6である場合(図5参照)、第1カッタセットの3つの内側カッタを受けるための受容開口部25.1,25.3,25.5は、相互に120度の角度で間隔が空けられている。第1カッタセットの3つの外側カッタを受けるための受容開口部25.2,25.4,25.6も、相互に120度の角度で間隔が空けられている。内側カッタのための受容開口部25.1と外側カッタのための次の(近傍の)受容開口部25.6との間の角度間隔は360/n度、すなわち本実施例においてその角度は60度である。また、mも6である場合、角度の仕様に関して前述したことは、受容開口部26.1〜26.6にも同様に適用される。第2カッタセットの3つの内側カッタは、相互に120度の角度間隔を有し、第2カッタセットの3つの外側カッタも相互に120度の角度間隔を有する。
【0039】
例えば、n=6個のバーカッタが使用される場合、これらのバーカッタのうちの3つを内側カッタとし、残り3つを外側カッタとすることができる。この場合、1つの内側カッタと1つの外側カッタとをそれぞれ有する3つのカッタグループが、第1カッタセットとして使用される。
【0040】
しかしながら、2つの内側カッタ、2つの外側カッタ、及び2つの荒削りブレードも、歯間の底部を切削するために使用することができる。この場合、各カッタセットは、1つの内側カッタと、1つの外側カッタと、1つの荒削りブレードとを有する。しかしながら、それは、仕上げブレードとしての2つの内側カッタと、仕上げブレードとしての2つの外側カッタと、荒削りカッタとしての2つの荒削りブレードとであってもよい。この場合、各カッタセットは、1つの内側カッタと、1つの外側カッタと、1つの仕上げブレードとを有する。
【0041】
個々のカッタグループへの上記タイプのカッタの分配は、本発明の全ての実施形態に使用することができる。
【0042】
第2カッタセットのm=6のバーカッタを受けるための受容開口部26.1〜26.6は、第1カッタセットのn=6のバーカッタを受けるための受容開口部25.1〜25.6に対して、少なくとも15度の角度を変えて位置付けられている。例えば、図5では、第1カッタセットの外側カッタのための受容開口部25.1(符号1の位置)と、第2カッタセットの外側カッタのための受容開口部26.1(符号3の位置)との間の角度間隔は90度である。第1カッタセットの外側カッタのための受容開口部25.1(符号1の位置)と、第2カッタセットの内側カッタのための受容開口部26.4(符号7の位置)との間の角度間隔は30度である。
【0043】
カッタヘッド20は、個々の受容開口部を互いにオフセットして位置付けるために15度の角度量に分割されることが好ましい。
【0044】
図6Bには、(3つのカッタグループに分割される)6つのバーカッタをそれぞれ有する合計4つのカッタセットを受けることができる典型的なカッタヘッド20の全ての寸法が示されている。個々の角度と、中心点(軸102)から個々の受容開口部の特定の最接近点までの半径(ミリメートル単位)とが明記されている。
【0045】
本発明に係るカッタヘッドには、径方向に延びるねじを設けることが好ましく、これにより、個々のバーカッタをこれに対応する受容開口部に固定することができる。これらのねじは、雌ねじを備えた径方向に延びる締結穴に取り付けられる。雌ねじを備えた前記個々の締結穴の位置は、図6Bにおいて二重線で示されており、該二重線は、カッタヘッド20の外周縁部から径方向内側へ受容開口部まで延びている。好ましくは、バーカッタ毎に2つの固定ねじが用いられる。これら2つの固定ねじは、軸方向において(斜めに)一方が他方の後方に取り付けられる。該固定ねじは、バーカッタを圧迫し、該バーカッタへの締結を確保する。
【0046】
図6Cは、図6BのA−A線断面図を示す。図6Cの上部領域には、(符号1の位置にある)受容開口部25.1に連なる前記2つの締結穴31.1,31.2が示されている。図6Cの下部領域における前記2つの締結穴31.1,31.2は、(符号5の位置にある)受容開口部25.2に連なっている。
【0047】
典型的には、カッタヘッド20は、本質的に筒状の対称的な基本形状を有し、プレート状の頭部領域30と、筒状の後部領域32とを備えている。中央部には中央穴33が設けられ、これにより、ツールスピンドル上(例えば、図3のスピンドル駆動部101上)にカッタヘッド20を固定できるようになっている。
【0048】
前記受容開口部は、カッタヘッド20を貫通して斜めに延びるように設けることが好ましい。これにより、該受容開口部は、頭部領域30の前面と後面34とに現れる。
【0049】
これらの受容開口部の斜線形状は、図6Dに示される。これに応じて、固定ねじ用の締結穴31.1,31.2は、前記軸方向から僅かに傾斜した方向において一方が他方の上側に配置されている。
【0050】
図6Eを参照すると、前記バーカッタの傾斜により、カッタヘッド20の分割した後面32が生じることが分かる。該後面には、前記受容開口部の個々のスロットの伸長が見られる。そのようなスロットは、図6Eにおいて参照符号35によって示されている。
【0051】
本発明に係るカッタヘッドでは、径方向および角度においてバーカッタの位置を正確に固定するために、前記受容開口部としては精密に製造されたスロットを用いることが好ましい。前記受容開口部は、径方向および角度の位置を正確に固定し、固定ねじを用いてバーカッタを締結するために、例えば、所謂カッタチャンバを形成する。
【0052】
前記カッタチャンバにはスペーサプレートを設けることが好ましく、これにより、(スペーサプレートの厚みに対応する)僅かな幅で特定の受容開口部内においてバーカッタを径方向に移動させることができる。平行プレートとも言われるスペーサプレートを用いるこの構成は以前から知られており、以前のカッタヘッドにおいて既に使用されている。
【0053】
バーカッタを位置決めして固定するために、締め付け用のくさびを使用してもよく、該くさびは、カッタヘッド20の軸方向に対して斜めに受容開口部内に挿入されることが好ましい。
【0054】
前記バーカッタは、典型的には、長方形または柱状の断面を備えたカッタシャフトを有する。したがって、カッタヘッド20の受容開口部は、好ましくは相補的な対応する断面形状を有する。ただし、前記カッタシャフトは、凹状または凸状の断面を有してもよい。この場合、前記受容開口部の形状は、それに適応することが好ましい。
【0055】
本発明に係るカッタヘッド20の外径は、カッタヘッド20上に収まり得る最大のカッタヘッドの基準の直径に由来する。例えば、最大のカッタヘッドの基準の直径が7.5inch(190.5mm)である場合、前記外径は約268mmであることが好ましい。例えば、最大のカッタヘッドの基準の直径が3.75inch(95.25mm)である場合、前記外径は約165mmであることが好ましい。
【0056】
本発明は、(図1の原理に従う)単一割出法で利用するための普遍的に使用可能なカッタヘッド20に関する。そのようなカッタヘッド20は、形成されるベベルギヤ11が、一定の角度位置に静止している間に、らせん動作を完了する。歯間は、1つのフライス加工の通路において最終的な形状が形成されるまで機械加工される。さらに別の歯間を加工するために、バーカッタヘッド20は退避し、ワークピース11は、割出角度だけ回転される。したがって、同時に加工される歯間は常に1つである。
【0057】
特に好ましい実施形態において、前記受容開口部(スロット)は、従来のカッタヘッドの受容開口部に比べて形状的に同一であってもよい。この実施形態の利点は、従来のカッタヘッドと、本発明に係る一般的なカッタヘッド24とが、同一のベベルギヤの歯のための等しいカッタヘッドの基準の径を備えている場合、それらのカッタヘッド間で前記バーカッタを交換できることである。ただし、本発明に係るカッタヘッド20が受けるバーカッタの個数は従来のカッタヘッドよりも少ない。この実施形態は、演算およびデータ記憶、並びに、保管および取扱いが著しく簡素化される利点を有する。
【0058】
また、本発明は、特に、(例えばツインブレードシステムにおける)所謂完結方法(completing method)と半完結方法(semi-completing method)とに適用することができる。前記完結方法は、大量生産に使用される単一割出法である。前記完結方法は、他の単一割出法に比べて生産性が高くなる特徴がある。
【0059】
勿論、本発明は、カッタヘッドの安定性が凹部の個数によって危険にさらされない限り、5つ以上の基準の径のカッタグループにも適用できる。
【符号の説明】
【0060】
1:第1カッタグループの外側カッタの位置、2:第3カッタグループの外側カッタの位置、3:第2カッタグループの外側カッタの位置、4:第4カッタグループの外側カッタの位置、5:第1カッタグループの内側カッタの位置、6:第3カッタグループの内側カッタの位置、7:第2カッタグループの内側カッタの位置、8:第4カッタグループの内側カッタの位置、11:ベベルギヤのピニオン、20:バーカッタヘッド、21:バーカッタ、24:カッタヘッド、25.1〜25.6:第1カッタグループのバーカッタのための受容開口部、26.1〜26.6:第2カッタグループのバーカッタのための受容開口部、27.1〜27.6:第3カッタグループのバーカッタのための受容開口部、28.1〜28.6:第4カッタグループのバーカッタのための受容開口部、30:プレート状頭部領域、31.1,31.2:固定ねじ用のねじ穴、32:筒状の後部領域、33:中心穴、34:後面、35:スロット、100:CNC旋盤、101:スピンドル駆動部、102:ツールスピンドル軸、103:第1キャリッジ、104:旋盤ベッド、105:ガイド、106:旋盤ベッド、108:第2キャリッジ、109:旋回装置、110:旋盤ハウジング、111:ツールスピンドル、112:ワークピーススピンドル、113:ワークピーススピンドル軸、n:第1カッタグループのバーカッタの個数、m:第2カッタグループのバーカッタの個数、k:第3カッタグループのバーカッタの個数、j:第4カッタグループのバーカッタの個数、A:第1の割出回転、B:第2の割出回転、C:第3の割出回転、G:定円、M:カッタヘッドの中心点、R:動円。
【技術分野】
【0001】
本発明は、単一割出法において、ベベルギヤ、特にスパイラルベベルギヤを機械加工するためのバーカッタヘッドに関する。本発明は、また、単一割出法においてスパイラルベベルギヤを機械加工するための普遍的に使用可能な上記カッタヘッドの使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ベベルギヤには、とりわけ、縦方向の側面ラインのカーブに基づき区別される種々のタイプがある。縦方向の側面ラインのカーブに従って区別されるベベルギヤとして、ストレートベベルギヤ、ヘリカルベベルギヤ及びスパイラルベベルギヤがある。
【0003】
「スパイラルベベルギヤ(spiral-toothed bevel gears)」という用語は、おそらく、このギヤを一般的に「スパイラル状ベベルギヤ(spiral bevel gears)」と呼ぶ米国人から受け継がれたものであろう。螺旋は弧の特殊な形状を示すものであるため、ここでは、「スパイラルベベルギヤ」という用語に代えて「弧型ベベルギヤ」という用語を使用する方がよい。「スパイラルベベルギヤ」という用語は以降もまだ使用される。軸のオフセットを有するベベルギヤは、ハイポイド歯車とも呼ばれ、以降、ベベルギヤと呼ぶときは、軸のオフセットを有するベベルギヤと有さないベベルギヤとを意味する。
【0004】
スパイラルベベルギヤにおいて、縦方向の側面ラインの形状は、更に円弧、拡張された外サイクロイド、インボリュート、及び、拡張された内サイクロイドに細分することができる。
【0005】
円弧型ベベルギヤは、縦方向の側面ラインとして円弧を有する。円弧型ベベルギヤは、単一割出法(「間欠割出法」、「単一割出プロセス」、又は「正面フライス加工」ともいう。)において製造される。単一割出法は、図1Aに図示されている。バーカッタヘッド20のバーカッタ21は、製造されるベベルギヤが一定の角度で静止している間に、円弧状の動作を完了する。さらなる歯間を製造するために、カッタヘッド20は退避し、ワークピース11が割出角度だけ回転する。段階的な更なる回転(ここでは反時計回り)が、図1Aにおいて矢印A、B及びCにより示されている。したがって、同時に製造される歯間は常に一つである。カッタ21は全て、割出円Nに沿って配置されている。
【0006】
拡大された外サイクロイド型(「拡張された外サイクロイド型」ともいう。)ベベルギヤは、連続割出法(「連続ホブ加工」、「連続割出プロセス」、又は「表面ホブ加工」ともいう。)によって製造される。連続割出法における外サイクロイドの形成中において、カッタヘッドのスレッドの総数(カッタグループの個数)に対する歯の総数の比率は、定円Gの半径と動円Rの半径との比率に対応する。カッタの刃が配置されるカッタヘッドの基準の半径が、動円Rの半径よりも大きい場合において、拡張された外サイクロイドについて言及する。この連続割出法では、カッタヘッド24とワークピース11の両方が、連続動作において回転し、順次相互に適合する。このように、割出は連続的に行われ、全ての歯間が外見上同時に作られる。これに相当する例が図1Bに示されている。図1Bを参照すると、対応するカッタヘッド24のバーカッタ23が、典型的には、二つ一組で(複数個一組で)位置付けられていることが分かる。バーカッタ23の配置は、前記のカッタヘッド20とは異なり、前記の基準の円Nに沿った同心円上の配置にはなっていない。図1Bを参照すると、カッタヘッド24の動円Rが、ワークピース11の定円Gに沿って回転することが分かる。この図において、符号Mはカッタヘッド24の中心点を示す。
【0007】
インボリュート型ベベルギヤは、インボリュート曲線状の縦方向の側面ラインを有する。このようなベベルギヤも、連続割出法により円錐台状の特別なホブを用いて製造される。この原理に従って作動するクリンゲルンベルク社の方法はPalloid(商標名)と呼ばれる。
【0008】
連続割出法において製造されるベベルギヤの例としては、クリンゲルンベルク社製のSpiroflex(商標名)ベベルギヤ、及びSpirac(商標名)ベベルギヤがある。
【0009】
ベベルギヤを形成するために使用されるカッタヘッドとしては、所謂バーカッタヘッドとフォームカッタヘッド(form cutter head)とに区別される。バーカッタヘッドには複数のバーカッタが設けられ、各バーカッタは、シャフトとヘッド領域とを有する。バーカッタには、該バーカッタを研磨することにより所望の形状と位置とを付与することができる。バーカッタヘッドは、フォームカッタヘッドよりも生産性が高く、バーカッタはプロファイル(profile)され得る。対照的に、フォームカッタヘッドには、フォームカッタ(form cutter)が設けられる。フォームカッタはドレッシングにおいて形状を維持する。フォームカッタはバーカッタとは異なる形状を有し、正面でのみドレッシングされる。フォームカッタのドレッシングには特別な研磨マシンを必要としないことが、フォームカッタを使用してベベルギヤをフライス加工する利点である。例えば、公知のサイクロパロイド方式は、スパイラルベベルギヤの形成にこの種のフォームカッタを使用する。
【0010】
バーカッタヘッド及びフォームカッタヘッドには、バーカッタ又はフォームカッタの径方向の位置を修正可能にするために、いわゆる下地プレートまたは平行プレートが使用されることがある。この目的のため、前記のプレートは異なる厚みで用意される。カッタの位置は、一般的には最大で5mm外側へプレートとともに移動させることができる。カッタの位置の精度、カッタの取付け安定性、及び、カッタヘッドとカッタとからなる構造全体の剛性は、そのようなプレートを使用することにより損なわれる。
【0011】
他種類の認定されたベベルギヤを使用する企業および使用者が存在する。したがって、要求に応じて特定のベベルギヤを形成できるようにするためには、店頭では対応するカッタヘッドをしばしば多数用意する必要がある。古いバーカッタヘッドから、新しく耐久性に優れたバーカッタを受けることができたり新しいベベルギヤ歯切り盤で使用できたりする新しいバーカッタヘッドに取り替える場合、出費が特に嵩む。古いカッタヘッドの全てを、対応する新しいバーカッタヘッドに取り替える必要がある場合、コストはかなり高くなる。
【0012】
クリンゲルンベルク社製のARCON(商標名)カッタヘッドシステムは、単一割出歯切り法(単一割出法)用として、模範的な高性能のカッタヘッドシステムを代表するものである。例えば、3.75インチのARCON(商標名)カッタヘッドは、11個のカッタグループを運び、それらのカッタグループ毎に1つの内側カッタと1つの外側カッタとが設けられている。外側カッタは、歯間の外側すなわち凹状の側面から材料を除去する。内側カッタは、歯間の内側すなわち凸状の側面から材料を除去する。このように、この例では、合計22個のバーカッタが使用される。このカッタヘッドを使用すると、例えば、モジュール4.5のベベルギヤを製造することができる。モジュール2.5のベベルギヤが必要な場合は、合計14個のバーカッタを有する2.5インチの異なるARCON(商標名)カッタヘッドを使用する必要がある。他の製造業者のカッタヘッドシステムとしても、同様の例がなされる。
【0013】
これに関連して、ツインブレードシステムも忘れてはならない。このシステムでは、カッタが歯間全体を形成し、このシステムは、単一割出におけるいわゆる仕上げ工程(completing process)にのみ適用することができる。
【0014】
これらの例は、多くの使用者にとってツールの出費が莫大で高コストであることを証明する。
【0015】
そこで、本発明は、可及的に少ないツールを使用して種々のスパイラルベベルギヤを製造でき、費用効率が高い解決策を提供することを目的とする。
【発明の概要】
【0016】
前記目的は、請求項1に係るバーカッタヘッドによる本発明により達成される。本発明の有利な実施形態は、従属項の対象を形成する。また、前記目的は、請求項8に係る使用方法によっても達成される。
【0017】
本発明に係るバーカッタヘッドは、第1バーカッタセットと第2バーカッタセットとの複数のバーカッタを受けるためのものである。前記バーカッタヘッドは、第1バーカッタセットのn個のバーカッタを受けるためのn個の前部受容開口部(frontal receptacle opening)を有する。該n個の受容開口部(receptacle opening)は全て、単一割出法において前記n個のバーカッタを使用して第1のスパイラルベベルギヤをフライス加工できるようにするために第1のカッタヘッドの基準の半径を有する第1のカッタヘッドの同心の基準の円(a first concentric cutter head nominal circle)に沿って配置されている。前記バーカッタヘッドは、第2バーカッタセットのm個のバーカッタを受けるための少なくともm個の受容開口部を更に有し、該m個の受容開口部は全て、第2のカッタヘッドの基準の半径を有する第2のカッタヘッドの同心の基準の円に沿って配置されている。前記バーカッタヘッドに、第2バーカッタセットの前記m個のバーカッタが装着されると、第2のスパイラルベベルギヤが単一割出法においてフライス加工され得る。n及びmは2以上の整数であり、第2のカッタヘッドの基準の半径は、第1のカッタヘッドの基準の半径よりも大きい。
【0018】
本発明に係る上記バーカッタヘッドの使用方法は、該バーカッタヘッドが種々の歯の形状を有するスパイラルベベルギヤの製造に使用されることを提供する。異なる歯の形状を形成できるようにするために、異なるカッタヘッドの基準の半径を有するバーカッタヘッドが必要とされる。これは、カッタヘッドの基準の半径が歯の形状と所要の機械設定とに大きな影響を与えるためである。前記バーカッタヘッドは、第1バーカッタセットのn個のバーカッタを受けるためのn個の受容開口部を有し、該n個の受容開口部は全て、単一割出法において前記n個のバーカッタを使用して第1のスパイラルベベルギヤをフライス加工できるようにするために第1のカッタヘッドの基準の半径を有する第1のカッタヘッドの同心の基準の円に沿って配置されている。さらに、前記バーカッタヘッドは、第2バーカッタセットのm個のバーカッタを受けるための少なくともm個の受容開口部を更に有し、該m個の受容開口部は全て、単一割出法において前記m個のバーカッタのみを使用して第2のスパイラルベベルギヤをフライス加工できるようにするために第2のカッタヘッドの基準の半径を有する第2のカッタヘッドの同心の基準の円に沿って配置されている。n及びmは2以上の整数であり、第2のカッタヘッドの基準の半径は、第1のカッタヘッドの基準の半径よりも大きい。
【0019】
本発明の有利な実施形態は、各従属項から推察され得る。
【0020】
以下、本発明の利点をいくつか列挙する。本発明に係るカッタヘッドは、機動的に使用可能でありながら、従来のバーカッタヘッドの高い精度を維持する。この高い精度は、種々のカッタヘッドの基準の半径でバーカッタを受けるための高精度の凹所が存在することにより達成される。例えば電子的な浸食を用いることで、各凹所は所望の位置に正確に形成され得る。各凹所は1つのバーカッタを受けるために必要な最低限の大きさを有する。比較的小さな凹所のみが必要とされるため、カッタヘッドの剛性は基本的に維持されたままである。仮に凹所が径方向の正しい位置に設けられなければ、剛性は著しく低減する。
【0021】
本発明に係る好ましいカッタヘッドは、基本的に一体的に実行されることを更なる特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1A】単一割出法の略図。
【図1B】連続割出法の略図。
【図2】ベベルギヤのピニオンの側面図。
【図3】ベベルギヤ歯切り盤の斜視図。
【図4】本発明に係る第1のカッタヘッドの平面図。
【図5】本発明に係る第2のカッタヘッドの平面図。
【図6A】本発明に係る第3のカッタヘッドの平面図。
【図6B】本発明に係る第3のカッタヘッドの詳細な平面図。
【図6C】本発明に係る第3のカッタヘッドの詳細なA−A線断面図。
【図6D】本発明に係る第3のカッタヘッドの詳細な側面図。
【図6E】本発明に係る第3のカッタヘッドの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の説明に関して使用される用語は、関連のある出版物および特許にも使用されるものである。ただし、これらの用語は、よりよい理解に役立つために使用されるに過ぎないものである。本発明の考え、及び本願請求項の保護範囲は、用語の特異な選択によってそれらの範囲内に限定されるべきものでない。本発明は、他の特殊化された用語のシステム及び/又は領域に容易に転換することができる。それらの用語は、他の特殊化された領域において適切に使用されるべきである。
【0024】
スパイラルベベルギヤのピニオン11の側面図が図2に示されている。このベベルギヤのピニオン11は、螺旋状に曲がりながら縦方向に延びる側面ラインを有する。本発明はまた、単一割出法で生産可能な他のベベルギヤのピニオン11およびクラウン歯車(例えばハイポイドベベルギヤ)の生産にも適用することができる。
【0025】
図3は、ベベルギヤ、好ましくは、スパイラルベベルギヤのピニオン11及びスパイラルクラウンギヤの歯切りを行うための対応するCNC旋盤(ベベルギヤ歯切り盤とも呼ばれる。)100の基本的な構造を示す斜視図である。
【0026】
CNC旋盤100は次のように構成される。旋盤ハウジング110は、線形座標軸X(第1の軸)に沿って旋盤ベッド106上を水平且つ直線状に案内されている。第1キャリッジ103は、スピンドル駆動部101を使用することで、線形座標軸Z(第2軸)に沿って、旋盤ハウジング110の側面に取り付けられたガイド105上を垂直に移動可能である。図3に示されるCNC旋盤100において、第2キャリッジ108を有するワークピース用スピンドル搬送部は、前記X軸に直交する線形座標軸Y(第3軸)に沿って旋盤ベッド104上のガイド107上を水平且つ直線状に案内される。鉛直方向の軸C(第4軸)を有する第1旋回装置109は、前記キャリッジ108に配置されている。図3に示されるCNC旋盤100において、第1キャリッジ103のガイド105と前記Z軸とは、鉛直線に対して傾斜している。
【0027】
第1キャリッジ103は、ツールスピンドル軸102(第5軸)を中心として回転可能なように取り付けられたツールスピンドル111を搬送する。ツールスピンドル111は、例えば、複数のバーカッタを有するカッタヘッド20等のツールを搬送する。ワークピーススピンドル112は、水平に案内されており、第2キャリッジ108と第1旋回装置109とにより直線状の移動および/または旋回が可能である。第1旋回装置109は、ワークピーススピンドル軸113(第6軸)を中心として回転可能なワークピーススピンドル112を搬送する。ワークピーススピンドル112は、ワークピース11、本実施形態ではスパイラルベベルギヤのピニオン11を搬送する。第1旋回装置109は、ワークピース11を機械加工位置へ旋回させるために、前記C軸の周りに案内されながら水平に旋回可能である。ワークピーススピンドル112には、ワークピース11を固定するためのチャック装置を設けるようにしてもよい。
【0028】
図4に基づき、本発明の原理について説明する。図4には、異なる2セットのバーカッタを受けるために作られたバーカッタヘッド20の平面図が示されている。符号1の位置には、第1カッタセットの外側カッタのために受容開口部25.1が設けられている。符号5の位置には、第1カッタセットの内側カッタのために受容開口部25.2が設けられている。第1カッタセットの2つのバーカッタ(すなわちn=2)、または受容開口部25.1,25.2は、カッタヘッドの基準の半径r1を有するカッタヘッドの同心の基準の円上に配置される。例えば、本実施形態において、r1は3.75/2inch(=1.875inch=47.62mm)である。カッタヘッドの同心の基準の円は全て、バーカッタヘッド20のツールスピンドル軸102と一致する共通の中心点を有する。第1カッタセットの前記2つのバーカッタは、所謂カッタグループを形成する。後述するように、1つのカッタグループは複数のカッタグループで構成することができる。
【0029】
さらに、バーカッタヘッド20は、2つのバーカッタ(すなわちm=2)を有する少なくとも更なる1組のカッタセット(第2カッタセット)のための受容開口部26.1,26.2を有する点に特徴がある。受容開口部26.1は、第2カッタセットの外側カッタのために符号3の位置に設けられている。第2カッタセットの内側カッタのための受容開口部26.2は、符号7の位置に配置されている。2つのバーカッタ、または第2カッタセットの受容開口部26.1,26.2は、カッタヘッドの基準の半径r2を有するカッタヘッドの同心の基準の円上に配置される。例えば、本実施形態において、r2は、5/2inch(=2.5inch=63.5mm)である。
【0030】
図4に示される上述のカッタヘッド20は、2つの現存するカッタヘッド(3.75inch及び5inchのカッタヘッド)を切り換えることができる。カッタヘッドに第1カッタセットのバーカッタが装備されている場合、第1の歯の形状を有する第1のベベルギヤ11を加工することができる。カッタヘッドに第2カッタセットのバーカッタが装備されている場合、異なる歯の形状を有する第2のベベルギヤを加工することができる。
【0031】
しかしながら、そのような新手の、普遍的に使用可能なカッタヘッド20の生産性は、1つのカッタグループを有するカッタセットが1組しか同時に使用されないため、特別高くない。
【0032】
次の図面に基づき、本発明の意義をより明確にする。図5は、別の実施例を示す。図5のカッタヘッド20は、第1カッタセットのバーカッタのためにn=6個の受容開口部25.1〜25.6を有し、第2カッタセットのバーカッタのためにm=6個の受容開口部26.1〜26.6を有する。第1カッタセットの外側カッタは、符号1の位置で受容開口部25.1,25.3,25.5内に受けられる。第1カッタセットの内側カッタは、符号5の位置で受容開口部25.2,25.4,25.6内に受けられる。第2カッタセットの外側カッタは、符号3の位置で受容開口部26.1,26.3,26.5内に受けられる。第2カッタセットの内側カッタは、符号7の位置で受容開口部26.2,26.4,26.6内に受けられる。第1カッタセットと第2カッタセットとは、それぞれ1つの内側カッタと1つの外側カッタとからなる3つのカッタグループでそれぞれ構成されている。
【0033】
本実施例のカッタヘッドは、カッタグループの個数が多いため、図4に示すカッタヘッド20よりも高い生産性を有する。
【0034】
図6Aには、別の実施例が図示されている。図6Aのバーカッタヘッド20は、第1カッタセットのバーカッタのためにn=6個の受容開口部25.1〜25.6を有し、第2カッタセットのバーカッタのためにm=6個の受容開口部26.1〜26.6を有し、第3カッタセットのバーカッタのためにk=6個の受容開口部27.1〜27.6を有し、第4カッタセットのバーカッタのためにj=6個の受容開口部28.1〜28.6を有する。
【0035】
第1カッタセットの外側カッタは、符号1の位置で受容開口部25.1,25.3,25.5内に受けられる。第1カッタセットの内側カッタは、符号5の位置で受容開口部25.2,25.4,25.6内に受けられる。第2カッタセットの外側カッタは、符号3の位置で受容開口部26.1,26.3,26.5内に受けられる。第2カッタセットの内側カッタは、符号7の位置で受容開口部26.2,26.4,26.6内に受けられる。第3カッタセットの外側カッタは、符号2の位置で受容開口部27.1,27.3,27.5内に受けられる。第3カッタセットの内側カッタは、符号6の位置で受容開口部27.2,27.4,27.6内に受けられる。第4カッタセットの外側カッタは、符号4の位置で受容開口部28.1,28.3,28.5内に受けられる。第4カッタセットの内側カッタは、符号8の位置で受容開口部28.2,28.4,28.6内に受けられる。
【0036】
上記の各カッタセットは、それぞれ1つの内側カッタと1つの外側カッタとからなる3つのカッタグループで構成されている。
【0037】
第1カッタセットの受容開口部25.1〜25.6は、カッタヘッドの基準の半径r1を有するカッタヘッドの同心の基準の円上に配置されている。例えば、本実施形態において、r1は3.75/2inch(=1.875inch=47.62mm)である。第2カッタセットの受容開口部26.1〜26.6は、カッタヘッドの基準の半径r2を有するカッタヘッドの同心の基準の円上に配置されており、r2は例えば5/2inch(=2.5inch=63.5mm)である。第3カッタセットの受容開口部27.1〜27.6は、カッタヘッドの基準の半径r3を有するカッタヘッドの同心の基準の円上に配置されている。例えば、本実施形態において、r3は4.375/2inch(=2.1875inch=55.56mm)である。第4カッタセットの受容開口部28.1〜28.6は、カッタヘッドの基準の半径r4を有するカッタヘッドの同心の基準の円上に配置されており、r4は例えば6/2inch(=3inch=76.2mm)である。
【0038】
本発明に係るバーカッタヘッド20は、概して第1バーカッタセットの複数のバーカッタを受けるために作られており、バーカッタヘッド20は、第1カッタセットのn個のバーカッタを受けるためのn個の受容開口部25.1〜25.nを有する。第1カッタセットのn個のバーカッタは全て、第1カッタヘッドの基準の半径r1を有する第1のカッタヘッドの同心の基準の円に沿って位置付けられる。バーカッタヘッド20に第1カッタセットのn個のバーカッタが装備されている場合、単一割出法において、第1のスパイラルベベルギヤをフライス加工することができる。バーカッタヘッド20は、第2カッタセットのm個のバーカッタを受けるための少なくともm個の受容開口部を更に有する。第2カッタセットのこれらm個のバーカッタは全て、第2カッタヘッドの基準の半径r2を有する第2のカッタヘッドの同心の基準の円に沿って位置付けられ、これにより、単一割出法において、これらm個のバーカッタのみを使用して第2スパイラルベベルギヤをフライス加工することができる。前述の数字「n」及び「m」は全て2以上の数字である。例えば、nが6である場合(図5参照)、第1カッタセットの3つの内側カッタを受けるための受容開口部25.1,25.3,25.5は、相互に120度の角度で間隔が空けられている。第1カッタセットの3つの外側カッタを受けるための受容開口部25.2,25.4,25.6も、相互に120度の角度で間隔が空けられている。内側カッタのための受容開口部25.1と外側カッタのための次の(近傍の)受容開口部25.6との間の角度間隔は360/n度、すなわち本実施例においてその角度は60度である。また、mも6である場合、角度の仕様に関して前述したことは、受容開口部26.1〜26.6にも同様に適用される。第2カッタセットの3つの内側カッタは、相互に120度の角度間隔を有し、第2カッタセットの3つの外側カッタも相互に120度の角度間隔を有する。
【0039】
例えば、n=6個のバーカッタが使用される場合、これらのバーカッタのうちの3つを内側カッタとし、残り3つを外側カッタとすることができる。この場合、1つの内側カッタと1つの外側カッタとをそれぞれ有する3つのカッタグループが、第1カッタセットとして使用される。
【0040】
しかしながら、2つの内側カッタ、2つの外側カッタ、及び2つの荒削りブレードも、歯間の底部を切削するために使用することができる。この場合、各カッタセットは、1つの内側カッタと、1つの外側カッタと、1つの荒削りブレードとを有する。しかしながら、それは、仕上げブレードとしての2つの内側カッタと、仕上げブレードとしての2つの外側カッタと、荒削りカッタとしての2つの荒削りブレードとであってもよい。この場合、各カッタセットは、1つの内側カッタと、1つの外側カッタと、1つの仕上げブレードとを有する。
【0041】
個々のカッタグループへの上記タイプのカッタの分配は、本発明の全ての実施形態に使用することができる。
【0042】
第2カッタセットのm=6のバーカッタを受けるための受容開口部26.1〜26.6は、第1カッタセットのn=6のバーカッタを受けるための受容開口部25.1〜25.6に対して、少なくとも15度の角度を変えて位置付けられている。例えば、図5では、第1カッタセットの外側カッタのための受容開口部25.1(符号1の位置)と、第2カッタセットの外側カッタのための受容開口部26.1(符号3の位置)との間の角度間隔は90度である。第1カッタセットの外側カッタのための受容開口部25.1(符号1の位置)と、第2カッタセットの内側カッタのための受容開口部26.4(符号7の位置)との間の角度間隔は30度である。
【0043】
カッタヘッド20は、個々の受容開口部を互いにオフセットして位置付けるために15度の角度量に分割されることが好ましい。
【0044】
図6Bには、(3つのカッタグループに分割される)6つのバーカッタをそれぞれ有する合計4つのカッタセットを受けることができる典型的なカッタヘッド20の全ての寸法が示されている。個々の角度と、中心点(軸102)から個々の受容開口部の特定の最接近点までの半径(ミリメートル単位)とが明記されている。
【0045】
本発明に係るカッタヘッドには、径方向に延びるねじを設けることが好ましく、これにより、個々のバーカッタをこれに対応する受容開口部に固定することができる。これらのねじは、雌ねじを備えた径方向に延びる締結穴に取り付けられる。雌ねじを備えた前記個々の締結穴の位置は、図6Bにおいて二重線で示されており、該二重線は、カッタヘッド20の外周縁部から径方向内側へ受容開口部まで延びている。好ましくは、バーカッタ毎に2つの固定ねじが用いられる。これら2つの固定ねじは、軸方向において(斜めに)一方が他方の後方に取り付けられる。該固定ねじは、バーカッタを圧迫し、該バーカッタへの締結を確保する。
【0046】
図6Cは、図6BのA−A線断面図を示す。図6Cの上部領域には、(符号1の位置にある)受容開口部25.1に連なる前記2つの締結穴31.1,31.2が示されている。図6Cの下部領域における前記2つの締結穴31.1,31.2は、(符号5の位置にある)受容開口部25.2に連なっている。
【0047】
典型的には、カッタヘッド20は、本質的に筒状の対称的な基本形状を有し、プレート状の頭部領域30と、筒状の後部領域32とを備えている。中央部には中央穴33が設けられ、これにより、ツールスピンドル上(例えば、図3のスピンドル駆動部101上)にカッタヘッド20を固定できるようになっている。
【0048】
前記受容開口部は、カッタヘッド20を貫通して斜めに延びるように設けることが好ましい。これにより、該受容開口部は、頭部領域30の前面と後面34とに現れる。
【0049】
これらの受容開口部の斜線形状は、図6Dに示される。これに応じて、固定ねじ用の締結穴31.1,31.2は、前記軸方向から僅かに傾斜した方向において一方が他方の上側に配置されている。
【0050】
図6Eを参照すると、前記バーカッタの傾斜により、カッタヘッド20の分割した後面32が生じることが分かる。該後面には、前記受容開口部の個々のスロットの伸長が見られる。そのようなスロットは、図6Eにおいて参照符号35によって示されている。
【0051】
本発明に係るカッタヘッドでは、径方向および角度においてバーカッタの位置を正確に固定するために、前記受容開口部としては精密に製造されたスロットを用いることが好ましい。前記受容開口部は、径方向および角度の位置を正確に固定し、固定ねじを用いてバーカッタを締結するために、例えば、所謂カッタチャンバを形成する。
【0052】
前記カッタチャンバにはスペーサプレートを設けることが好ましく、これにより、(スペーサプレートの厚みに対応する)僅かな幅で特定の受容開口部内においてバーカッタを径方向に移動させることができる。平行プレートとも言われるスペーサプレートを用いるこの構成は以前から知られており、以前のカッタヘッドにおいて既に使用されている。
【0053】
バーカッタを位置決めして固定するために、締め付け用のくさびを使用してもよく、該くさびは、カッタヘッド20の軸方向に対して斜めに受容開口部内に挿入されることが好ましい。
【0054】
前記バーカッタは、典型的には、長方形または柱状の断面を備えたカッタシャフトを有する。したがって、カッタヘッド20の受容開口部は、好ましくは相補的な対応する断面形状を有する。ただし、前記カッタシャフトは、凹状または凸状の断面を有してもよい。この場合、前記受容開口部の形状は、それに適応することが好ましい。
【0055】
本発明に係るカッタヘッド20の外径は、カッタヘッド20上に収まり得る最大のカッタヘッドの基準の直径に由来する。例えば、最大のカッタヘッドの基準の直径が7.5inch(190.5mm)である場合、前記外径は約268mmであることが好ましい。例えば、最大のカッタヘッドの基準の直径が3.75inch(95.25mm)である場合、前記外径は約165mmであることが好ましい。
【0056】
本発明は、(図1の原理に従う)単一割出法で利用するための普遍的に使用可能なカッタヘッド20に関する。そのようなカッタヘッド20は、形成されるベベルギヤ11が、一定の角度位置に静止している間に、らせん動作を完了する。歯間は、1つのフライス加工の通路において最終的な形状が形成されるまで機械加工される。さらに別の歯間を加工するために、バーカッタヘッド20は退避し、ワークピース11は、割出角度だけ回転される。したがって、同時に加工される歯間は常に1つである。
【0057】
特に好ましい実施形態において、前記受容開口部(スロット)は、従来のカッタヘッドの受容開口部に比べて形状的に同一であってもよい。この実施形態の利点は、従来のカッタヘッドと、本発明に係る一般的なカッタヘッド24とが、同一のベベルギヤの歯のための等しいカッタヘッドの基準の径を備えている場合、それらのカッタヘッド間で前記バーカッタを交換できることである。ただし、本発明に係るカッタヘッド20が受けるバーカッタの個数は従来のカッタヘッドよりも少ない。この実施形態は、演算およびデータ記憶、並びに、保管および取扱いが著しく簡素化される利点を有する。
【0058】
また、本発明は、特に、(例えばツインブレードシステムにおける)所謂完結方法(completing method)と半完結方法(semi-completing method)とに適用することができる。前記完結方法は、大量生産に使用される単一割出法である。前記完結方法は、他の単一割出法に比べて生産性が高くなる特徴がある。
【0059】
勿論、本発明は、カッタヘッドの安定性が凹部の個数によって危険にさらされない限り、5つ以上の基準の径のカッタグループにも適用できる。
【符号の説明】
【0060】
1:第1カッタグループの外側カッタの位置、2:第3カッタグループの外側カッタの位置、3:第2カッタグループの外側カッタの位置、4:第4カッタグループの外側カッタの位置、5:第1カッタグループの内側カッタの位置、6:第3カッタグループの内側カッタの位置、7:第2カッタグループの内側カッタの位置、8:第4カッタグループの内側カッタの位置、11:ベベルギヤのピニオン、20:バーカッタヘッド、21:バーカッタ、24:カッタヘッド、25.1〜25.6:第1カッタグループのバーカッタのための受容開口部、26.1〜26.6:第2カッタグループのバーカッタのための受容開口部、27.1〜27.6:第3カッタグループのバーカッタのための受容開口部、28.1〜28.6:第4カッタグループのバーカッタのための受容開口部、30:プレート状頭部領域、31.1,31.2:固定ねじ用のねじ穴、32:筒状の後部領域、33:中心穴、34:後面、35:スロット、100:CNC旋盤、101:スピンドル駆動部、102:ツールスピンドル軸、103:第1キャリッジ、104:旋盤ベッド、105:ガイド、106:旋盤ベッド、108:第2キャリッジ、109:旋回装置、110:旋盤ハウジング、111:ツールスピンドル、112:ワークピーススピンドル、113:ワークピーススピンドル軸、n:第1カッタグループのバーカッタの個数、m:第2カッタグループのバーカッタの個数、k:第3カッタグループのバーカッタの個数、j:第4カッタグループのバーカッタの個数、A:第1の割出回転、B:第2の割出回転、C:第3の割出回転、G:定円、M:カッタヘッドの中心点、R:動円。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1バーカッタセットの複数のバーカッタを前面で受けるためのバーカッタヘッド(20)であり、
前記第1バーカッタセットのn個のバーカッタを受けるためのn個の受容開口部(25.1〜25.6)を有し、該n個の受容開口部は全て、単一割出法において前記n個のバーカッタを使用して第1のスパイラルベベルギヤ(11)をフライス加工できるようにするために第1のカッタヘッドの基準の半径(r1)を有する第1のカッタヘッドの同心の基準の円に沿って配置されている、バーカッタヘッド(20)であって、
該バーカッタヘッド(20)は、第2バーカッタセットのm個のバーカッタを受けるための少なくともm個の受容開口部(26.1〜26.6)を更に有し、
該m個の受容開口部は全て、単一割出法において前記m個のバーカッタのみを使用して第2のスパイラルベベルギヤをフライス加工できるようにするために第2のカッタヘッドの基準の半径(r2)を有する第2のカッタヘッドの同心の基準の円に沿って配置されており、
n及びmは2以上の整数であり、
前記第2のカッタヘッドの基準の半径(r2)は、前記第1のカッタヘッドの基準の半径(r1)よりも大きいことを特徴とするバーカッタヘッド。
【請求項2】
前記バーカッタヘッド(20)は、第3バーカッタセットのk個のバーカッタを受けるための少なくともk個の受容開口部(27.1〜27.6)を更に有し、
該k個の受容開口部は全て、単一割出法において前記k個のバーカッタのみを使用して第3のスパイラルベベルギヤをフライス加工できるようにするために第3のカッタヘッドの基準の半径(r3)を有する第3のカッタヘッドの同心の基準の円に沿って配置されており、
kは2以上の整数であることを特徴とする請求項1に記載のバーカッタヘッド。
【請求項3】
前記バーカッタヘッド(20)は、第4バーカッタセットのj個のバーカッタを受けるための少なくともj個の受容開口部(28.1〜28.6)を更に有し、
該j個の受容開口部は全て、単一割出法において前記j個のバーカッタのみを使用して第4のスパイラルベベルギヤをフライス加工できるようにするために第4のカッタヘッドの基準の半径(r4)を有する第4のカッタヘッドの同心の基準の円に沿って配置されており、
jは2以上の整数であることを特徴とする請求項2に記載のバーカッタヘッド。
【請求項4】
nは6であり、前記第1バーカッタセットの前記n=6個のバーカッタを受けるための前記受容開口部(25.1〜25.6)は相互に60度の角度間隔を有し、
mは6であり、前記第2バーカッタセットの前記m=6個のバーカッタを受けるための前記受容開口部(26.1〜26.6)は相互に60度の角度間隔を有し、
前記第2バーカッタセットの前記m=6個のバーカッタを受けるための前記受容開口部(26.1〜26.6)は、前記第1バーカッタセットの前記n=6個のバーカッタを受けるための前記受容開口部(25.1〜25.6)に対して、少なくとも15度の角度を変えて位置付けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のバーカッタヘッド。
【請求項5】
nは6であり、前記第1バーカッタセットの前記n=6個のバーカッタを受けるための前記受容開口部(25.1〜25.6)は相互に60度の角度間隔を有し、該受容開口部(25.1〜25.6)は、常に、外側切削バーカッタを受けるものと内側切削バーカッタを受けるものとが交互に前記第1のカッタヘッドの同心の基準の円に沿って配置されており、
mは6であり、前記第2バーカッタセットの前記m=6個のバーカッタを受けるための前記受容開口部(26.1〜26.6)は相互に60度の角度間隔を有し、該受容開口部(26.1〜26.6)は、常に、外側切削バーカッタを受けるものと内側切削バーカッタを受けるものとが交互に前記第2のカッタヘッドの同心の基準の円に沿って配置されており、
前記第2バーカッタセットの前記m=6個のバーカッタを受けるための前記受容開口部(26.1〜26.6)は、前記第1バーカッタセットの前記n=6個のバーカッタを受けるための前記受容開口部(25.1〜25.6)に対して、少なくとも15度の角度を変えて位置付けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のバーカッタヘッド。
【請求項6】
kは6であり、前記第3バーカッタセットの前記k=6個のバーカッタを受けるための前記受容開口部(27.1〜27.6)は相互に60度の角度間隔を有し、該受容開口部(27.1〜27.6)は、常に、外側切削バーカッタを受けるものと内側切削バーカッタを受けるものとが交互に前記第3のカッタヘッドの同心の基準の円に沿って配置されていることを特徴とする請求項2に従属する請求項5に記載のバーカッタヘッド。
【請求項7】
jは6であり、前記第4バーカッタセットの前記j=6個のバーカッタを受けるための前記受容開口部(28.1〜28.6)は相互に60度の角度間隔を有し、該受容開口部(28.1〜28.6)は、常に、外側切削バーカッタを受けるものと内側切削バーカッタを受けるものとが交互に前記第4のカッタヘッドの同心の基準の円に沿って配置されていることを特徴とする請求項3に従属する請求項5に記載のバーカッタヘッド。
【請求項8】
種々の歯の形状を有するスパイラルベベルギヤを製造するためのバーカッタヘッド(20)の使用方法であり、
該バーカッタヘッド(20)は、第1バーカッタセットのn個のバーカッタを受けるためのn個の受容開口部(25.1〜25.6)を備え、該n個の受容開口部は全て、単一割出法においてn個のバーカッタを使用して第1のスパイラルベベルギヤ(11)をフライス加工できるようにするために第1のカッタヘッドの基準の半径(r1)を有する第1のカッタヘッドの同心の基準の円に沿って配置された使用方法であって、
前記バーカッタヘッド(20)は、第2バーカッタセットのm個のバーカッタを受けるためのm個の受容開口部(26.1〜26.6)を更に備え、
該m個の受容開口部は全て、単一割出法においてm個のバーカッタのみを使用して第2のスパイラルベベルギヤをフライス加工できるようにするために第2のカッタヘッドの基準の半径(r2)を有する第2のカッタヘッドの同心の基準の円に沿って配置されており、
n及びmは2以上の整数であり、
前記第2のカッタヘッドの基準の半径(r2)は、前記第1のカッタヘッドの基準の半径(r1)よりも大きいことを特徴とする使用方法。
【請求項9】
前記バーカッタヘッド(20)は、第3バーカッタセットのk個のバーカッタを受けるための少なくともk個の受容開口部(27.1〜27.6)を更に有し、
該k個の受容開口部は全て、単一割出法において前記k個のバーカッタのみを使用して第3のスパイラルベベルギヤをフライス加工できるようにするために第3のカッタヘッドの基準の半径(r3)を有する第3のカッタヘッドの同心の基準の円に沿って配置されており、
kは2以上の整数であることを特徴とする請求項8に記載の使用方法。
【請求項10】
前記第1のスパイラルベベルギヤ(11)は、前記第2のスパイラルベベルギヤおよび/または前記第3のスパイラルベベルギヤと異なる歯の形状を有することを特徴とする請求項8または9に記載の使用方法。
【請求項1】
第1バーカッタセットの複数のバーカッタを前面で受けるためのバーカッタヘッド(20)であり、
前記第1バーカッタセットのn個のバーカッタを受けるためのn個の受容開口部(25.1〜25.6)を有し、該n個の受容開口部は全て、単一割出法において前記n個のバーカッタを使用して第1のスパイラルベベルギヤ(11)をフライス加工できるようにするために第1のカッタヘッドの基準の半径(r1)を有する第1のカッタヘッドの同心の基準の円に沿って配置されている、バーカッタヘッド(20)であって、
該バーカッタヘッド(20)は、第2バーカッタセットのm個のバーカッタを受けるための少なくともm個の受容開口部(26.1〜26.6)を更に有し、
該m個の受容開口部は全て、単一割出法において前記m個のバーカッタのみを使用して第2のスパイラルベベルギヤをフライス加工できるようにするために第2のカッタヘッドの基準の半径(r2)を有する第2のカッタヘッドの同心の基準の円に沿って配置されており、
n及びmは2以上の整数であり、
前記第2のカッタヘッドの基準の半径(r2)は、前記第1のカッタヘッドの基準の半径(r1)よりも大きいことを特徴とするバーカッタヘッド。
【請求項2】
前記バーカッタヘッド(20)は、第3バーカッタセットのk個のバーカッタを受けるための少なくともk個の受容開口部(27.1〜27.6)を更に有し、
該k個の受容開口部は全て、単一割出法において前記k個のバーカッタのみを使用して第3のスパイラルベベルギヤをフライス加工できるようにするために第3のカッタヘッドの基準の半径(r3)を有する第3のカッタヘッドの同心の基準の円に沿って配置されており、
kは2以上の整数であることを特徴とする請求項1に記載のバーカッタヘッド。
【請求項3】
前記バーカッタヘッド(20)は、第4バーカッタセットのj個のバーカッタを受けるための少なくともj個の受容開口部(28.1〜28.6)を更に有し、
該j個の受容開口部は全て、単一割出法において前記j個のバーカッタのみを使用して第4のスパイラルベベルギヤをフライス加工できるようにするために第4のカッタヘッドの基準の半径(r4)を有する第4のカッタヘッドの同心の基準の円に沿って配置されており、
jは2以上の整数であることを特徴とする請求項2に記載のバーカッタヘッド。
【請求項4】
nは6であり、前記第1バーカッタセットの前記n=6個のバーカッタを受けるための前記受容開口部(25.1〜25.6)は相互に60度の角度間隔を有し、
mは6であり、前記第2バーカッタセットの前記m=6個のバーカッタを受けるための前記受容開口部(26.1〜26.6)は相互に60度の角度間隔を有し、
前記第2バーカッタセットの前記m=6個のバーカッタを受けるための前記受容開口部(26.1〜26.6)は、前記第1バーカッタセットの前記n=6個のバーカッタを受けるための前記受容開口部(25.1〜25.6)に対して、少なくとも15度の角度を変えて位置付けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のバーカッタヘッド。
【請求項5】
nは6であり、前記第1バーカッタセットの前記n=6個のバーカッタを受けるための前記受容開口部(25.1〜25.6)は相互に60度の角度間隔を有し、該受容開口部(25.1〜25.6)は、常に、外側切削バーカッタを受けるものと内側切削バーカッタを受けるものとが交互に前記第1のカッタヘッドの同心の基準の円に沿って配置されており、
mは6であり、前記第2バーカッタセットの前記m=6個のバーカッタを受けるための前記受容開口部(26.1〜26.6)は相互に60度の角度間隔を有し、該受容開口部(26.1〜26.6)は、常に、外側切削バーカッタを受けるものと内側切削バーカッタを受けるものとが交互に前記第2のカッタヘッドの同心の基準の円に沿って配置されており、
前記第2バーカッタセットの前記m=6個のバーカッタを受けるための前記受容開口部(26.1〜26.6)は、前記第1バーカッタセットの前記n=6個のバーカッタを受けるための前記受容開口部(25.1〜25.6)に対して、少なくとも15度の角度を変えて位置付けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のバーカッタヘッド。
【請求項6】
kは6であり、前記第3バーカッタセットの前記k=6個のバーカッタを受けるための前記受容開口部(27.1〜27.6)は相互に60度の角度間隔を有し、該受容開口部(27.1〜27.6)は、常に、外側切削バーカッタを受けるものと内側切削バーカッタを受けるものとが交互に前記第3のカッタヘッドの同心の基準の円に沿って配置されていることを特徴とする請求項2に従属する請求項5に記載のバーカッタヘッド。
【請求項7】
jは6であり、前記第4バーカッタセットの前記j=6個のバーカッタを受けるための前記受容開口部(28.1〜28.6)は相互に60度の角度間隔を有し、該受容開口部(28.1〜28.6)は、常に、外側切削バーカッタを受けるものと内側切削バーカッタを受けるものとが交互に前記第4のカッタヘッドの同心の基準の円に沿って配置されていることを特徴とする請求項3に従属する請求項5に記載のバーカッタヘッド。
【請求項8】
種々の歯の形状を有するスパイラルベベルギヤを製造するためのバーカッタヘッド(20)の使用方法であり、
該バーカッタヘッド(20)は、第1バーカッタセットのn個のバーカッタを受けるためのn個の受容開口部(25.1〜25.6)を備え、該n個の受容開口部は全て、単一割出法においてn個のバーカッタを使用して第1のスパイラルベベルギヤ(11)をフライス加工できるようにするために第1のカッタヘッドの基準の半径(r1)を有する第1のカッタヘッドの同心の基準の円に沿って配置された使用方法であって、
前記バーカッタヘッド(20)は、第2バーカッタセットのm個のバーカッタを受けるためのm個の受容開口部(26.1〜26.6)を更に備え、
該m個の受容開口部は全て、単一割出法においてm個のバーカッタのみを使用して第2のスパイラルベベルギヤをフライス加工できるようにするために第2のカッタヘッドの基準の半径(r2)を有する第2のカッタヘッドの同心の基準の円に沿って配置されており、
n及びmは2以上の整数であり、
前記第2のカッタヘッドの基準の半径(r2)は、前記第1のカッタヘッドの基準の半径(r1)よりも大きいことを特徴とする使用方法。
【請求項9】
前記バーカッタヘッド(20)は、第3バーカッタセットのk個のバーカッタを受けるための少なくともk個の受容開口部(27.1〜27.6)を更に有し、
該k個の受容開口部は全て、単一割出法において前記k個のバーカッタのみを使用して第3のスパイラルベベルギヤをフライス加工できるようにするために第3のカッタヘッドの基準の半径(r3)を有する第3のカッタヘッドの同心の基準の円に沿って配置されており、
kは2以上の整数であることを特徴とする請求項8に記載の使用方法。
【請求項10】
前記第1のスパイラルベベルギヤ(11)は、前記第2のスパイラルベベルギヤおよび/または前記第3のスパイラルベベルギヤと異なる歯の形状を有することを特徴とする請求項8または9に記載の使用方法。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【公開番号】特開2010−105155(P2010−105155A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−250250(P2009−250250)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(596043494)クリンゲルンベルク・アクチェンゲゼルシャフト (15)
【氏名又は名称原語表記】Klingelnberg AG
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−250250(P2009−250250)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(596043494)クリンゲルンベルク・アクチェンゲゼルシャフト (15)
【氏名又は名称原語表記】Klingelnberg AG
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