説明

景品交換システム及び景品交換方法

【課題】遊技客が望む景品を該遊技客のニーズに応じて適切かつ効率的に供給することができる景品交換システム及び景品交換方法を提供することを課題とする。
【解決手段】遊技機20で遊技している遊技客が、自席から景品の予約操作を行うと、この景品の景品交換に必要な玉数が持玉数から減算されるとともに、景品コード及びカードIDを含む予約依頼データが管理装置40に通知され、管理装置40のカード情報40eが更新されるとともに、管理装置40から転送された予約依頼データを受け付けた景品管理装置70が、景品予約リスト70fに予約景品を追加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技客が獲得した遊技媒体を景品に交換する景品交換システム及び景品交換方法に関し、特に、遊技客が望む景品を該遊技客のニーズに応じて適切かつ効率的に供給することができる景品交換システム及び景品交換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ店等の遊技店では、遊技客が獲得したパチンコ玉等の遊技媒体を島端計数機で計数し、その計数結果が印字されたレシートや計数結果が関連づけられた会員カードをカウンターに持ち込み、カウンター内の景品交換装置で遊技媒体を景品に交換処理する仕組みが一般的であった。
【0003】
また、最近になって、遊技台に併設された台間カード処理機に各台計数機を設け、この各台計数機によって持玉を計数できる仕組みが普及しつつある。遊技客は、この持玉が関連付けられた持玉カード(以下、単に「カード」と言う)を景品交換装置に挿入することで、遊技媒体を景品に交換することができる。
【0004】
このように、従来の景品交換システムでは、遊技店のカウンターに設けられた景品交換装置を用いてカウンターにおいて景品交換処理を行うのが一般的であったが、最近は、遊技客がカウンターに赴かなくても自席で遊技媒体を景品に交換できる先行技術が知られている。かかる先行技術を用いると、遊技客は、カウンターに赴かなくともジュースや煙草等の景品を自席で入手することができる。
【0005】
例えば、特許文献1には、台間カード処理機の各台計数機と景品交換装置を通信回線で接続し、各台計数機の計数結果に応じた景品交換の受付処理を景品交換装置で行い、景品交換装置で受け付けた景品を台間カード処理機が併設される遊技機まで搬送するよう構成した景品交換システムが開示されている。
【0006】
また、特許文献2には、パチンコ台間に挿入したオーダー用パネルが商品代金投入口と商品選択釦とを備え、各パチンコ台の前面側に商品取出口を設け、各パチンコ台に対応している各商品取出口に連なる商品搬送路を設け、この商品搬送路の一端を商品貯蔵部に接続することで、パチンコ遊技中に各パチンコ台の席で所望の商品を購入できるようにしたパチンコ台用自動販売装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−118324号公報
【特許文献2】特開平8−238382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来技術1及び2のものは、ジュースや煙草等の景品を取得する場合には有用であるが、その他の景品を取得する場合には効率的ではない。遊技店が、例えば「カニ」や「明太子」等の数量限定の特売品を景品として準備した場合に、遊技客が上記従来技術1及び2を用いて特売品を獲得したとしても、継続して遊技を行いたい遊技客にとっては、獲得した特売品の置き場所に困る結果となる。
【0009】
また、遊技客は、特売品等の景品を獲得した時点では多数の持玉等を有していたが、その後に該遊技客の持玉が遊技とともに減少する場合も多い。このような場合には、遊技客が特売品等の景品を獲得した事が結果的に継続遊技に支障を来すおそれがある。
【0010】
このように、遊技客にとっては、ジュースや煙草のように直ちに手元に欲しい景品だけではなく、特売品のように他の遊技客に先んじて入手をしたい反面で遊技中に手元に置きたくない景品や、持玉等がある場合には獲得したいが持玉が減少した場合には放棄して遊技の継続を優先できる景品が望ましい。これらのことから、遊技客が望む景品を該遊技客のニーズに応じていかに効率良く供給するかが重要な課題となっている。
【0011】
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、遊技客が望む景品を該遊技客のニーズに応じて適切かつ効率的に供給することができる景品交換システム及び景品交換方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、遊技機に併設されるとともに所定のカードに関連づけられた遊技媒体数の範囲内で遊技媒体の投出処理を行うカード処理機と、前記カードに関連づけられた遊技媒体数に応じた景品交換処理を行う景品交換装置とを有する景品交換システムであって、前記カード処理機は、予約対象として選択された景品の識別情報を受け付ける景品予約受付手段と、前記景品予約受付手段により受け付けた景品の識別情報及び該カード処理機の処理対象とされるカードの識別情報を含む予約依頼データを送信して、前記景品の予約依頼処理を行う予約依頼処理手段と、を備え、前記景品交換装置は、景品の識別情報とカードの識別情報を対応づけた景品予約リスト情報を記憶する記憶手段と、前記予約依頼データを受信した場合に、該予約依頼データに含まれる景品の識別情報とカードの識別情報を前記記憶手段に記憶した景品予約リスト情報に登録して該景品予約リストを更新する景品予約リスト更新手段と、前記カードを受け付けた場合に、前記記憶手段に記憶された景品予約リスト情報を参照しつつ予約された景品の景品交換処理を行う予約景品交換処理手段と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記発明において、前記カード処理機又は前記カードに関連づけられた遊技媒体数を管理する管理装置は、前記予約依頼データに含まれるカードの識別情報に対応する遊技媒体数から前記景品の識別情報に対応する遊技媒体数を減算処理することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記発明において、前記カード処理機は、前記景品予約リスト情報に登録された景品予約の取消依頼を受け付ける取消依頼受付手段と、前記取消依頼受付手段により受け付けた取消依頼の対象となる景品の識別情報及び該カード処理機の処理対象とされるカードの識別情報を含む予約取消依頼データを送信して、前記景品の予約取消依頼処理を行う予約取消依頼処理手段と、をさらに備え、前記景品交換装置は、前記予約取消依頼データを受け付けた場合に、該予約取消依頼データに含まれる景品の識別情報とカードの識別情報を前記記憶手段に記憶した景品予約リスト情報から削除して該景品の予約取消処理を行う予約取消処理手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、上記発明において、前記カード処理機又は前記カードに関連づけられた遊技媒体数を管理する管理装置は、前記予約取消依頼データに含まれるカードの識別情報に対応する遊技媒体数に前記景品の識別情報に対応する遊技媒体数を加算処理することを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、上記発明において、遊技機に併設されるとともに所定のカードに関連づけられた遊技媒体数の範囲内で遊技媒体の投出処理を行うカード処理機と、前記カードに関連づけられた遊技媒体数に応じた景品交換処理を行う景品交換装置とを有する景品交換システムの景品交換方法であって、前記カード処理機が、予約対象として選択された景品の識別情報を受け付ける景品予約受付工程と、前記景品予約受付工程により受け付けた景品の識別情報及び該カード処理機の処理対象とされるカードの識別情報を含む予約依頼データを送信して、前記景品の予約依頼処理を行う予約依頼処理工程と、前記予約依頼データに含まれるカードの識別情報に対応する遊技媒体数から前記景品の識別情報に対応する遊技媒体数を減算処理する減算処理工程と、前記景品交換装置が、前記予約依頼データを受信した場合に、該予約依頼データに含まれる景品の識別情報とカードの識別情報を景品予約リスト情報に登録して該景品予約リストを更新する景品予約リスト更新工程と、前記カードを受け付けた場合に、前記景品予約リスト情報を参照しつつ予約された景品の景品交換処理を行う予約景品交換処理工程と、を含んだことを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、上記発明において、前記カード処理機が、前記景品予約リスト情報に登録された景品予約の取消依頼を受け付ける取消依頼受付工程と、前記取消依頼受付工程により受け付けた取消依頼の対象となる景品の識別情報及び該カード処理機の処理対象とされるカードの識別情報を含む予約取消依頼データを送信して、前記景品の予約取消依頼処理を行う予約取消依頼処理工程と、前記予約取消依頼データに含まれるカードの識別情報に対応する遊技媒体数に前記景品の識別情報に対応する遊技媒体数を加算処理する加算処理工程と、前記景品交換装置が、前記予約取消依頼データを受け付けた場合に、該予約取消依頼データに含まれる景品の識別情報とカードの識別情報を前記景品予約リスト情報から削除して該景品の予約取消処理を行う予約取消処理工程と、をさらに含んだことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、カード処理機は、予約対象として選択された景品の識別情報を受け付け、受け付けた景品の識別情報及び該カード処理機の処理対象とされるカードの識別情報を含む予約依頼データを送信して、景品の予約依頼処理を行い、景品交換装置は、予約依頼データを受信した場合に、該予約依頼データに含まれる景品の識別情報とカードの識別情報を景品予約リスト情報に登録して該景品予約リストを更新し、カードを受け付けた場合に、景品予約リスト情報を参照しつつ予約された景品の景品交換処理を行うよう構成したので、遊技客が望む景品を自席から予約することができ、もって遊技客が望む景品を該遊技客のニーズに応じて適切かつ効率的に供給することが可能となる。
【0019】
また、本発明によれば、カード処理機又はカードに関連づけられた遊技媒体数を管理する管理装置は、予約依頼データに含まれるカードの識別情報に対応する遊技媒体数から景品の識別情報に対応する遊技媒体数を減算処理するよう構成したので、景品交換装置での予約景品の交換に伴う減算処理が不要となり、迅速かつ効率良く予約景品の受け渡しが可能となる。
【0020】
また、本発明によれば、カード処理機は、景品予約リスト情報に登録された景品予約の取消依頼を受け付け、受け付けた取消依頼の対象となる景品の識別情報及び該カード処理機の処理対象とされるカードの識別情報を含む予約取消依頼データを送信して、景品の予約取消依頼処理を行い、景品交換装置は、予約取消依頼データを受け付けた場合に、該予約取消依頼データに含まれる景品の識別情報とカードの識別情報を景品予約リスト情報から削除して該景品の予約取消処理を行うよう構成したので、遊技客が予約景品よりも遊技の継続を望むような場合に柔軟に対応することができる。
【0021】
また、本発明によれば、カード処理機又はカードに関連づけられた遊技媒体数を管理する管理装置は、予約取消依頼データに含まれるカードの識別情報に対応する遊技媒体数に景品の識別情報に対応する遊技媒体数を加算処理するよう構成したので、予約時に減算処理を行った場合であっても、予約の取消に伴って遊技媒体数を戻すことで、遊技客が予約に伴う不利な取り扱いを受ける事態を防ぐことができる。
【0022】
また、本発明によれば、カード処理機が、予約対象として選択された景品の識別情報を受け付け、受け付けた景品の識別情報及び該カード処理機の処理対象とされるカードの識別情報を含む予約依頼データを送信して、景品の予約依頼処理を行い、予約依頼データに含まれるカードの識別情報に対応する遊技媒体数から景品の識別情報に対応する遊技媒体数を減算処理し、景品交換装置が、予約依頼データを受信した場合に、該予約依頼データに含まれる景品の識別情報とカードの識別情報を景品予約リスト情報に登録して該景品予約リストを更新し、カードを受け付けた場合に、景品予約リスト情報を参照しつつ予約された景品の景品交換処理を行うよう構成したので、遊技客が望む景品を自席から予約することができ、もって遊技客が望む景品を該遊技客のニーズに応じて適切かつ効率的に供給することが可能となる。
【0023】
また、本発明によれば、カード処理機が、景品予約リスト情報に登録された景品予約の取消依頼を受け付け、受け付けた取消依頼の対象となる景品の識別情報及び該カード処理機の処理対象とされるカードの識別情報を含む予約取消依頼データを送信して、景品の予約取消依頼処理を行い、予約取消依頼データに含まれるカードの識別情報に対応する遊技媒体数に前記景品の識別情報に対応する遊技媒体数を加算処理し、景品交換装置が、予約取消依頼データを受け付けた場合に、該予約取消依頼データに含まれる景品の識別情報とカードの識別情報を景品予約リスト情報から削除して該景品の予約取消処理を行うよう構成したので、遊技客が予約景品よりも遊技の継続を望むような場合に柔軟に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、本実施例1に係る景品交換システムの概念を説明するための説明図である。
【図2】図2は、本実施例1に係る遊技媒体処理システム(景品交換システムを含む)のシステム構成を示す図である。
【図3】図3は、図1に示した台間カード処理機の外観構成を示す図である。
【図4】図4は、図1に示した台間カード処理機、管理装置及び景品管理装置の内部構成を示す機能ブロック図である。
【図5】図5は、景品選択画面の一例を示す図である。
【図6】図6は、図4に示したカード情報の一例を示す図である。
【図7】図7は、図4に示した景品予約リストの一例を示す図である。
【図8】図8は、図1に示した台間カード処理機、管理装置及び景品管理装置の景品予約時の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】図9は、図1に示した景品管理装置にカードが挿入された場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】図10は、本実施例2に係る景品交換システムの概念を説明するための説明図である。
【図11】図11は、予約取消時のカード情報の状態遷移を説明するための説明図である。
【図12】図12は、景品予約取消画面の一例を示す図である。
【図13】図13は、図10に示した台間カード処理機、管理装置及び景品管理装置の景品予約取消時の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、本願の開示する景品交換システム及び景品交換方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。以下に示す実施例1では遊技客が自席から景品を予約する場合を示し、実施例2では景品の予約を取り消す場合を示すこととする。なお、以下に示す実施例1及び2では、台間カード処理機で計数された持玉を景品交換する場合について説明するが、貯玉等を景品交換する場合に適用することもできる。
【実施例1】
【0026】
まず、本実施例1に係る景品交換システムの概念について説明する。図1は、本実施例1に係る景品交換システムの概念を説明するための説明図である。同図に示すように、遊技店内には、複数の遊技機20と、この遊技機20にそれぞれ対応して設けられた台間カード処理機10と、カード90に対応づけられた残額及び持玉数を管理する管理装置40と、カード90に対応づけられた残額を精算処理する精算機60と、カード90に関連づけられた持玉数を景品交換処理する景品管理装置70とが設けられている。
【0027】
この景品交換システムでは、遊技機20で遊技している遊技客が、自席から景品の予約を行えるようにした点に特徴がある。具体的には、遊技客が持玉を有する状態で台間カード処理機10の操作表示部から景品予約操作を行うと、台間カード処理機10から管理装置40に対して予約依頼データが送信され、台間カード処理機10で管理される持玉情報から予約する景品の景品交換に必要な玉数が減算される。この予約依頼データには、予約対象となる景品の景品コードと、持玉数が関連づけられたカード90のカードIDとが含まれる。
【0028】
この予約依頼データを受信した管理装置40は、カード情報40eの更新を行う。例えば、管理装置40が、景品コード「123」及びカードID「001」を含む予約依頼データを受信したならば、このカードID「001」の持玉数をカード情報40eから検索する。そして、この時点でのカードID「001」の持玉数が「5000個」であり、景品コード「123」の景品交換に必要な持玉数が「1000個」である場合には、カードID「001」の持玉数は、「5000個」から「4000個」に減算処理される。それとともに、カードID「001」の景品予約玉数が「0個」から「1000個」になる。なお、景品コード「123」の景品交換に必要な持玉数「1000個」は、事前に管理装置40に通知されている。また、カードID「001」の景品コード欄に「123」が追加される。
【0029】
これにより、管理装置40では、景品コード「123」の景品がカードID「001」によって予約されたことが分かる。その後、管理装置40は、予約依頼データを景品管理装置70に転送する。
【0030】
この予約依頼データを受信した景品管理装置70は、この予約依頼データに含まれる景品コード「123」とカードID「001」を景品予約リスト70fに登録する。なお、景品コード「123」の景品の景品交換に必要な玉数「1000個」についても、景品予約リスト70fに登録される。なお、景品コード「123」の景品交換に必要な持玉数「1000個」は、事前に景品管理装置70に通知されている。
【0031】
その後、遊技客は、遊技機10での遊技を終えて台間カード処理機10からカード90を排出し、このカード90を景品管理装置70に挿入する。景品管理装置70は、カード90のカードID「001」を読み取り、このカード90に関連づけられた予約景品が存在するか否かを調べる。具体的には、景品予約リスト70fのカードID欄にカードID「001」が存在するか否かを確認することになる。
【0032】
そして、この景品予約リスト70fに該当する景品が存在するならば、該当する景品を遊技客に受け渡すことになる。なお、受け渡した景品の景品コード欄は景品予約リスト70fから削除するとともに、景品交換完了を管理装置40に通知して景品予約玉数及び景品コードをクリアする。
【0033】
上記一連の処理を行うことにより、遊技客は、例えば「カニ」等の数量限定の特売品の景品が存在する場合に、この景品を予約処理することが可能となる。なお、あくまでも予約処理であるので、遊技客の手元に特売品を置く必要がなく、遊技客は引き続き遊技を継続して行うことができる。
【0034】
次に、本実施例1に係る遊技媒体処理システム(景品交換システムを含む)のシステム構成について説明する。図2は、本実施例1に係る遊技媒体処理システムのシステム構成を示す図である。同図に示すように、この遊技媒体処理システムでは、複数の遊技機20と、各遊技機20にそれぞれ対応して設けられた台間カード処理機10と、管理装置40と、複数の島端計数機50と、精算機60と、景品管理装置70とが通信回線80を介して接続されている。なお、複数の遊技機20及び台間カード処理機10は、島コントローラ30を介して通信回線80に接続されている。
【0035】
遊技機20は、パチンコ玉を遊技領域に打ち込んで遊技客がパチンコ遊技を行うパチンコ機等の装置であり、台間カード処理機10は、遊技機20に対する玉貸し処理、遊技機20で獲得したパチンコ玉の計数処理、計数したパチンコ玉を持玉として再投出する処理などを行う装置である。
【0036】
この台間カード処理機10にはカード90が挿入され、遊技客が遊技を終えてカード返却ボタンを押下操作すると、該カード90に残額並びに持玉情報が対応づけられる。具体的には、この残額及び持玉情報がカード90に書き込まれるとともに、管理装置40で管理されるカード情報40eの内容も更新される。また、カード90を受け入れたならば、このカード90の残額並びに持玉情報に基づいて遊技媒体の貸出処理並びに持玉の投出処理を行う。
【0037】
ここで、この台間カード処理機10は、景品の予約を行う場合にも利用される。具体的には、液晶パネルを用いて景品が選択されると、選択された景品の景品コード及びカードのカードIDを含む予約依頼データが管理装置40に対して送信される。なお、この台間カード処理機10を用いると、遊技客は予約済みの景品の取消を行うこともできるが、この点については後述する実施例2で説明する。
【0038】
島コントローラ30は、遊技島に設けられた一群の遊技機20および台間カード処理機10を束ねる中継装置である。管理装置40は、カード90の残額及び持玉情報等をカード情報40eとして管理する管理装置である。この管理装置40は、カード情報40eを用いて予約された景品に関する情報も管理する。
【0039】
島端計数機50は、遊技島端等に設けられ、遊技客が獲得した遊技媒体数を計数し、計数値をカード90に関連付けるか、レシートへ印字して発行する。精算機60は、カード挿入口に挿入された各種紙幣の残額が関連付けられたカード90が挿入されると、残額に相当する現金の払出を行う。
【0040】
景品管理装置70は、遊技店内の景品交換カウンターに併設された景品交換用の端末装置であり、持玉情報の景品交換処理を行う。具体的には、この景品管理装置70は、従来行われている持玉数の景品への交換処理だけではなく、予約された景品の受け渡しをも行う。
【0041】
なお、ここでは説明の便宜上、島端計数機50で発行したレシートによる景品交換や、カード90に対応づけられた貯玉の景品交換についての説明を省略するが、景品管理装置70は、レシートに価値づけられた計数値又は貯玉数の景品交換を行うこともできる。
【0042】
次に、図1に示した台間カード処理機10の外観構成について説明する。図3は、図1に示した台間カード処理機10の外観構成を示す図である。同図には、台間カード処理機10が併設される遊技機20が破線で図示されている。また、同図には紙幣のみを受け付ける台間カード処理機10を図示したが、硬貨受け付け用のユニットを設けることもできる。
【0043】
図3に示すように、台間カード処理機10は、台間カード処理機10の装置状態を所定色のランプの点灯あるいは点滅で表示する状態表示部11と、遊技媒体貸し出しのための各種紙幣を受け付ける紙幣挿入部12とを有する。また、台間カード処理機10は、ディスプレイなどの表示部並びにテンキーや各種ボタンを含む操作部からなる表示操作部13と、遊技機20の上皿21に遊技媒体を供給するノズル14と、カードID、残額及び持玉情報が記憶されたカード90を受け付けるカード挿入口15と、携帯端末の識別子であるIDmを読み取る携帯読取部16とが設けられている。
【0044】
また、台間カード処理機10は、遊技客が獲得した遊技媒体数を持玉数として計数する計数部17と、持玉数を貯留する持玉貯留部18とを有する。遊技機20の下皿22から落下した遊技媒体は、持玉貯留部18を経て計数部17へと導かれる。また、持玉貯留部18には、持玉数を表示する持玉表示部及び持玉払出ボタンが設けられている。遊技客により持玉払出ボタンが押下された場合には払出要求が払出処理部10hに対して通知される。
【0045】
なお、遊技機20には、カードの残額や貸し出された遊技媒体数などを表示する表示部と、遊技媒体の貸し出しを指示する貸出ボタンやカード返却を指示するカード返却ボタンを含む操作ボタンとが設けられる。なお、貸出ボタンが押下された場合には、貸出要求が払出処理部10hに対して通知される。
【0046】
次に、図1に示した台間カード処理機10、管理装置40及び景品管理装置70の内部構成について説明する。図4は、図1に示した台間カード処理機10、管理装置40及び景品管理装置70の内部構成を示す機能ブロック図である。
【0047】
同図に示すように、台間カード処理機10は、R/W部10aと、通信I/F部10bと、記憶部10cと、制御部10eとを有する。この制御部10eには、表示操作部13及び計数部17が接続されている。
【0048】
R/W部10aは、受け入れたカード90へのデータの読み書きを行う処理部である。具体的には、カード90が挿入された場合には、該カード90のカードID、残額及び持玉情報を読み込んで制御部10eに出力する。カード90を返却する場合には、このカード90に残額及び持玉情報を書き込む処理を行う。通信I/F部10bは、管理装置40とデータ通信を行うためのインタフェース部である。記憶部10cは、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり持玉情報10dを記憶する。
【0049】
制御部10eは、台間カード処理機10の全体制御を行う制御部であり、持玉管理部10f、景品予約処理部10g及び払出処理部10hを有する。持玉管理部10fは、記憶部10cに記憶した持玉情報10dを用いて遊技客の持玉数を管理する管理部である。具体的には、新たな持玉が計数された場合には計数値を持玉数に加算処理し、持玉の払い出しが行われた場合には払い出し数を持玉数から減算処理する。持玉数を加算処理又は減算処理する場合には、管理装置40に対してその旨を通知して、管理装置40での持玉数の更新を終えた後に更新する。管理装置40が管理する持玉数との整合を図るためである。
【0050】
景品予約処理部10gは、景品の予約処理を行う処理部である。表示操作部13において予約対象となる景品が選択されたならば、選択された景品の景品コード及びカードIDを含む予約依頼データを管理装置40に対して送信するとともに、記憶部10cに記憶した持玉情報10dから景品の景品交換に必要な遊技媒体数を減算する処理を行う。
【0051】
なお、表示操作部13を用いた景品選択を行う場合には、図5に例示した表示画面を表示操作部13に表示制御し、遊技客が「1.カニ」を選択して「予約」ボタンを押下操作したならば、この「1.カニ」に対応する景品コード「123」が予約対象として特定されることになる。
【0052】
払出処理部10hは、持玉払出ボタンが押下操作された場合に、持玉情報のうちの所定数(例えば、100玉)を払い出すよう遊技機20に指示するとともに、貸出ボタンが押下操作された場合には、カード90に残額があることを条件に所定数の遊技媒体を払い出すよう遊技機20に指示する処理部である。
【0053】
次に、管理装置40は、入力部40aと、表示部40bと、通信I/F部40cと、記憶部40dと、制御部40fとを有する。入力部40aは、キーボードやマウス等の入力デバイスであり、表示部40bは、液晶パネルやディスプレイ装置等の表示デバイスである。通信I/F部40cは、台間カード処理機10及び景品管理装置70とデータ通信するためのインタフェース部であり、記憶部40dは、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスである。
【0054】
この記憶部40dには、図6(a)に示すように、カードID、残額、持玉数、景品予約玉数及び景品コードが対応づけられたカード情報40eが記憶されている。図6には、残額「0円」、持玉数「5000玉」、景品予約玉数「0玉」、景品コード「−」がカードID「001」に対応づけられ、残額「0円」、持玉数「2000玉」、景品予約玉数「0玉」、景品コード「−」がカードID「002」に対応づけられた状況を示している。この状況では、カードID「001」、「002」はともに景品予約がなされていない。
【0055】
ここで、カードID「001」について景品コード「123」の景品予約が行われると、図6(b)に示すように、カードID「001」の残額「0円」、持玉数「4000玉」、景品予約玉数「1000玉」、景品コード「123」となる。景品交換に「1000玉」が必要な景品コード「123」の景品を予約した状況を示している。
【0056】
制御部40fは、管理装置40を全体制御する制御部であり、持玉管理部40g及び景品予約管理部40hを有する。持玉管理部40gは、記憶部40dに記憶したカード情報40eを用いて各カードの持玉数を管理する管理部である。
【0057】
景品予約管理部40hは、記憶部40dに記憶したカード情報40eを用いて予約された景品に関する情報を管理する管理部である。この景品予約管理部40hは、予約依頼データを受け付けたならば、この予約依頼データに含まれるカードIDでカード情報40eを検索し、該当するカードIDの持玉数から景品コードの景品を交換するのに必要な持玉数を減算処理するとともに、景品コードの景品を交換するのに必要な持玉数を景品予約玉数に書き込み、景品コードを景品コード欄に書き込む。その後、この予約依頼データを景品管理装置70に対して転送する。
【0058】
次に、景品管理装置70は、入力部70aと、表示部70bと、通信I/F部70cと、R/W部70dと、記憶部70eと、制御部70gとを有する。入力部70aは、キーボードやマウス等の入力デバイスであり、表示部70bは、液晶パネルやディスプレイ装置等の表示デバイスである。通信I/F部70cは、管理装置40とデータ通信するためのインタフェース部であり、R/W部70dは、受け入れたカード90へのデータの読み書きを行う処理部である。
【0059】
記憶部70eは、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、遊技客によって予約された景品のリストを示す景品予約リスト70fを記憶する。具体的には、図6に示すように、この景品予約リスト70fは、景品コード、必要玉数、カードID及び景品名からなる。ここでは、景品コード「123」、必要玉数「1000玉」、カードID「001」及び景品名「カニ」の景品が予約された状況を示している。
【0060】
制御部70gは、景品管理装置70の全体制御を行う制御部であり、景品交換処理部70h及び予約景品管理部70iを有する。景品交換処理部70hは、持玉情報を一般景品又は特殊景品に景品交換処理する処理部である。
【0061】
予約景品管理部70iは、景品予約リスト70fを用いて遊技客により予約された景品の管理並びに予約景品の受け渡し処理を行う処理部である。具体的には、予約依頼データを受け付けたならば、この予約依頼データに含まれる景品コード及びカードIDを景品予約リスト70fに登録するとともに、併せてこの景品コードの景品の景品交換に必要となる持玉数と景品名を景品予約リスト70fに登録する。また、カード90を受け付けた場合に、このカード90のカードIDで景品予約リスト70fを検索し、該当するカードIDが存在するならば、該景品の受け渡し処理を行われた後に、景品予約リスト70fから該当するものを削除し、予約景品の景品交換完了を管理装置40に対して通知する。
【0062】
次に、図1に示した台間カード処理機10、管理装置40及び景品管理装置70の景品予約時の処理手順について説明する。図8は、図1に示した台間カード処理機10、管理装置40及び景品管理装置70の景品予約時の処理手順を示すフローチャートである。ここでは、遊技客は事前に十分な持玉を獲得しており、この持玉数がカードに関連づけられているものとする。
【0063】
図8に示すように、台間カード処理機10は、当初景品予約操作の受付待ちの状態にあり(ステップS101:No)、景品予約操作を受け付けたならば(ステップS101:Yes)、選択された景品コード及びカードIDを含む景品予約データが管理装置40に対して送信されるとともに(ステップS102)、選択された景品の景品交換に必要な持玉数が持玉情報10dから減算される(ステップS103)。
【0064】
一方、管理装置40は、景品予約データの受信待ちの状態にあり(ステップS104:No)、景品予約データを受信したならば(ステップS104:Yes)、この景品予約データに含まれるカードIDを取り出し、カード情報40eのカードIDに対応する持玉数から景品コードの景品の景品交換に必要な持玉数を減算する(ステップS105)。
【0065】
また、カード情報40eのカードIDに対応する景品予約玉数の欄に景品コードの景品の景品交換に必要な持玉数を加算し(ステップS106)、カード情報40eのカードIDに対応する景品コードの欄に対して景品予約データに含まれる景品コードを書き込み(ステップS107)、景品予約データを景品管理装置70に転送する(ステップS108)。
【0066】
景品管理装置70は、景品予約データの受信待ちの状態にあり(ステップS109:No)、景品予約データを受信したならば(ステップS109:Yes)、この景品予約データに含まれるカードIDを取り出し、景品コード、必要玉数、カードID及び景品名を景品予約リスト70fに書き込み(ステップS110)、景品コード及びカードIDを含む予約完了データを管理装置40に対して送信する(ステップS111)。
【0067】
上記一連の処理を行うことで、景品交換管理装置70の景品予約リスト70fに予約した景品を登録することができる。これにより、遊技客は、このカード90を持参してカウンターに赴くことにより、いつでも予約した景品を受け取ることができる。
【0068】
次に、図1に示した景品管理装置70にカード90が挿入された場合の処理手順について説明する。図9は、図1に示した景品管理装置70にカード90が挿入された場合の処理手順を示すフローチャートである。なお、ここでは説明の便宜上、カードの関連づけられた持玉数の景品交換処理についての説明は省略している。
【0069】
同図に示すように、景品管理装置70は、カード90の受付待ち状態にあり(ステップS201:No)、カード90を受け付けたならば(ステップS201:Yes)、カード90からカードID及び持玉情報を読み取り、このカードIDで景品予約リスト70fを検索する(ステップS202)。
【0070】
その結果、景品予約リスト70fに該当するカードIDが存在し、予約景品が有る場合には、(ステップS203:Yes)、予約景品の景品交換処理を行う(ステップS204)。具体的には、すでに予約段階で景品交換に必要な持玉数は減算されているので、景品の受け渡しのみを行うことになる(ステップS204)。
【0071】
この景品の受け渡しを終えたならば、景品交換リスト70fからカードIDを削除し(ステップS205)、カードIDを含む景品コードの削除指示を管理装置40に対して行う(ステップS206)。なお、景品コードの削除指示を受け付けた管理装置40は、カード情報40eの該当するカードIDの景品予約玉数の欄と景品コードの欄をクリアする。上記一連の処理を行うことにより、遊技客は、予約した景品を円滑かつ迅速に受け取ることが可能となる。
【0072】
上述してきたように、本実施例1では、遊技機20で遊技している遊技客が、自席から景品の予約操作を行うと、この景品の景品交換に必要な玉数が持玉数から減算されるとともに、景品コード及びカードIDを含む予約依頼データが管理装置40に通知され、管理装置40のカード情報40eが更新されるとともに、管理装置40から転送された予約依頼データを受け付けた景品管理装置70が、景品予約リスト70fに予約景品を追加するよう構成したので、遊技客が望む景品を自席から予約することができ、もって遊技客が望む景品を該遊技客のニーズに応じて適切かつ効率的に供給することが可能となる。
【0073】
かかる景品の予約が可能になると、遊技店は、景品を常時カウンター内に準備しておく必要がなくなるので、遊技店にとっても有利である。遊技店は、ある程度カウンターに置くべき景品数を把握できるため、例えば、遊技店に近い提携先のコンビニエンスストアに景品を当初は準備しておき、遊技客の持玉数を確認しながら適宜景品を遊技店内に搬送することで、設備の効率的な利用を図ることができる。
【0074】
なお、本実施例1では、遊技客が景品を予約できる場合について説明したが、景品が数量限定の制限品の場合には、遊技客が景品を予約できない場合もある。かかる場合には、景品管理装置70に景品予約待ちリストを設け、景品の予約待ちを可能にするよう構成することもできる。予約された景品の取消があった場合には、この景品予約待ちリストの優先順位の高いカードIDから順に景品予約リスト70fに移行させて予約状態に遷移させるとともに、予約状態になった旨を遊技客が遊技する遊技機10に併設された台間カード処理機10の表示操作部13に表示させれば良い。なお、景品予約待ちリストは、図7に示した景品予約リスト70fと同様のものとなる。
【0075】
また、本実施例1では、遊技客の持玉数と無関係に景品の予約が完了したならば、景品予約リスト70fにカードIDを書き込んで予約を確定させることとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技客の持玉数が所定数以下となった場合に、景品の予約を取り消すか否かを遊技客が遊技する遊技機10に併設された台間カード処理機10の表示操作部13に表示させることもできる。
【0076】
また、本実施例1では、遊技客により選択された景品の予約を行う場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技客の持玉数が増加した場合に、予約した景品の上位の景品を推奨するよう遊技客が遊技する遊技機10に併設された台間カード処理機10の表示操作部13に表示させることもできる。例えば、カニ(1000玉)、毛ガニ(3000玉)の景品が存在し、遊技客がカニ(1000玉)を予約する場合に、遊技客の持玉数が所定数以上になると、毛ガニ(3000玉)を推奨するよう表示することができる。かかる推奨に伴って予約する景品を変更する場合には、差額分の持玉数を遊技客の持玉数から減算されることになる。持玉数よりも交換数の方が多い場合であっても、大当たり等をしていれば、おおよその出玉数が把握できるので、その出玉数の範囲内の交換数の景品であれば、計数していなくても予約することができても良い。その場合は、計数しても予約景品の交換数を超えるまではカウント値は上がらない。また、予約も完了していない未計数の状態で管理しておき、所定の時間内に交換数分が計数されなければ、予約を自動キャンセルするようにしても良い。
【実施例2】
【0077】
ところで、上記実施例1では、遊技機20で遊技する遊技客が自席で景品の予約を行う場合を示したが、景品の予約を取り消すこともできる。そこで、本実施例2では、景品の予約を取り消す場合について示すこととする。
【0078】
まず、本実施例2に係る景品交換システムの概念について説明する。図10は、本実施例2に係る景品交換システムの概念を説明するための説明図である。なお、上記実施例1と同様の部分はその詳細な説明を省略する。
【0079】
同図に示す景品交換システムでは、遊技機20で遊技している遊技客が、自席から景品の予約の取り消しを行えるようにした点に特徴がある。具体的には、遊技客が台間カード処理機10の表示操作部を用いて景品予約取消操作を行うと、台間カード処理機10から管理装置40に対して予約取消依頼データが送信されるとともに、台間カード処理機10で管理される持玉情報に予約が取り消される景品の景品交換に必要な玉数が加算される。この予約取消依頼データには、予約された景品の景品コードと、持玉数が関連づけられたカード90のカードIDとが含まれる。
【0080】
この予約取消依頼データを受信した管理装置40は、カード情報40eの更新を行う。例えば、管理装置40が、景品コード「123」及びカードID「001」を含む予約取消依頼データを受信したならば、このカードID「001」の持玉数をカード情報40eから検索する。そして、この時点でのカードID「001」の持玉数が「4000個」であり、景品コード「123」の景品交換に必要な持玉数が「1000個」である場合には、カードID「001」の持玉数は、「4000個」から「5000個」に加算処理される。それとともに、カードID「001」の景品予約玉数が「1000個」から「0個」になる。なお、景品コード「123」の景品交換に必要な持玉数「1000個」は、事前に管理装置40に通知されている。また、カードID「001」の景品コード欄から「123」が削除される。
【0081】
これにより、管理装置40では、景品コード「123」の予約済み景品がカードID「001」によって取り消されたことが分かる。その後、管理装置40は、予約取消依頼データを景品管理装置70に転送する。
【0082】
この予約取消依頼データを受信した景品管理装置70は、この予約取消依頼データに含まれる景品コード「123」とカードID「001」の行を景品予約リスト70fから削除する。なお、景品コード「123」の景品交換に必要な持玉数「1000個」は、事前に景品管理装置70に通知されている。
【0083】
上記一連の処理を行うことにより、遊技客は、一度予約した景品の予約を取り消し、取り消した景品分の持玉数を含めて遊技を継続することが可能となる。
【0084】
次に、予約取消時のカード情報40eの状態遷移について説明する。図11は、予約取消時のカード情報40eの状態遷移を説明するための説明図である。同図(a)に示すように、予約前の段階では、残額「0円」、持玉数「5000玉」、景品予約玉数「0玉」、景品コード「−」がカードID「001」に対応づけられ、残額「0円」、持玉数「2000玉」、景品予約玉数「0玉」、景品コード「−」がカードID「002」に対応づけられている。この状況では、カードID「001」、「002」はともに景品予約がなされていない。
【0085】
また、カードID「001」について景品コード「123」の景品予約が行われると、図11(b)に示すように、カードID「001」の残額「0円」、持玉数「4000玉」、景品予約玉数「1000玉」、景品コード「123」となる。
【0086】
さらに、カードID「001」について景品コード「123」の景品予約取消が行われると、図11(c)に示すように、カードID「001」の残額「0円」、持玉数「5000玉」、景品予約玉数「0玉」、景品コード「−」となる。つまり、景品を予約する以前の状態に戻ることになる。このため、遊技客は、予約した景品分も含めた持玉を用いて遊技を継続することが可能となる。
【0087】
なお、表示操作部13を用いた景品取消選択を行う場合には、図12に例示した表示画面を表示操作部13に表示制御し、遊技客が「1.カニ」を選択して「キャンセル」ボタンを押下操作したならば、この「1.カニ」に対応する景品コード「123」が予約取消対象として特定されることになる。
【0088】
次に、図10に示した台間カード処理機10、管理装置40及び景品管理装置70の景品予約取消時の処理手順について説明する。図13は、図10に示した台間カード処理機10、管理装置40及び景品管理装置70の景品予約取消時の処理手順を示すフローチャートである。ここでは、事前に景品の予約が行われたものとする。
【0089】
図13に示すように、台間カード処理機10は、当初景品予約取消操作の受付待ちの状態にあり(ステップS301:No)、景品予約取消操作を受け付けたならば(ステップS301:Yes)、選択された景品コード及びカードIDを含む景品予約取消データが管理装置40に対して送信されるとともに(ステップS302)、選択された景品の景品交換に必要な持玉数が持玉情報10dに加算される(ステップS303)。
【0090】
一方、管理装置40は、景品予約取消データの受信待ちの状態にあり(ステップS304:No)、景品予約取消データを受信したならば(ステップS304:Yes)、この景品予約取消データに含まれるカードIDを取り出し、カード情報40eのカードIDに対応する持玉数に景品コードの景品の景品交換に必要な持玉数を加算する(ステップS305)。
【0091】
また、カード情報40eのカードIDに対応する景品予約玉数の欄から景品コードの景品の景品交換に必要な持玉数を減算し(ステップS306)、カード情報40eのカードIDに対応する景品コードの欄から景品予約データに含まれる景品コードを削除し(ステップS307)、景品予約取消データを景品管理装置70に転送する(ステップS308)。
【0092】
景品管理装置70は、景品予約取消データの受信待ちの状態にあり(ステップS309:No)、景品予約取消データを受信したならば(ステップS309:Yes)、この景品予約取消データに含まれるカードIDを取り出し、景品コード、必要玉数、カードID及び景品名を景品予約リスト70fから削除し(ステップS310)、景品コード及びカードIDを含む取消完了データを管理装置40に対して送信する(ステップS311)。
【0093】
上記一連の処理を行うことで、景品交換管理装置70の景品予約リスト70fに予約された景品の予約を取り消すことができる。これにより、遊技客は、景品予約した持玉数分を含めて遊技を継続することができる。
【0094】
上述してきたように、本実施例2では、遊技機20で遊技している遊技客が、自席から景品の予約取消操作を行うと、この景品の景品交換に必要な玉数が持玉数に加算されるとともに、景品コード及びカードIDを含む予約取消依頼データが管理装置40に通知され、管理装置40のカード情報40eが更新されるとともに、管理装置40から転送された予約取消依頼データを受け付けた景品管理装置70が、景品予約リスト70fから予約景品を削除するよう構成したので、遊技客がいつでも景品の予約を取り消し、この景品分の持玉数を含めて遊技を継続することが可能となる。
【0095】
なお、本実施例2では、予約した景品を無条件で取り消しできる場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、予約を取り消す際に所定数の手数料を徴収することもできる。この場合は、予約された景品の景品交換に必要な玉数から手数料の玉数を減じた数を遊技客の持玉数に加算することになる。
【0096】
また、上記実施例1及び2では、持玉数を用いて景品を予約する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、貯玉や貯メダル等の貯遊技媒体を用いて景品を予約する場合に適用することもできる。
【0097】
さらに、上記実施例1及び2では、景品を予約する時点で必要な玉数を持玉数から減算し、予約を取り消す時点で必要な玉数を持玉数に加算する場合を示したが、景品の予約及び取消の時点では持玉数の加減算を行わず、予約された景品を受け渡す時点で持玉数から必要な玉数を減算する場合に適用することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0098】
以上のように、本発明に係る景品交換システム及び景品交換方法は、遊技客が獲得した遊技媒体を景品に交換する場合に適し、特に、遊技客が望む景品を該遊技客のニーズに応じて適切かつ効率的に供給する場合に適する。
【符号の説明】
【0099】
10 台間カード処理機
10a R/W部
10b 通信I/F部
10c 記憶部
10d 持玉情報
10e 制御部
10f 持玉管理部
10g 景品予約処理部
10h 払出処理部
11 状態表示部
12 紙幣挿入部
13 表示操作部
14 ノズル
15 カード挿入口
16 携帯読取部
17 計数部
18 持玉貯留部
20 遊技機
21 上皿
22 下皿
30 島コントローラ
40 管理装置
40a 入力部
40b 表示部
40c 通信I/F部
40d 記憶部
40e カード情報
40f 制御部
40g 持玉管理部
40h 景品予約管理部
50 島端計数機
60 精算機
70 景品管理装置
70a 入力部
70b 表示部
70c 通信I/F部
70d R/W部
70e 記憶部
70f 景品予約リスト
70g 制御部
70h 景品交換処理部
70i 景品予約管理部
80 通信回線
90 カード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機に併設されるとともに所定のカードに関連づけられた遊技媒体数の範囲内で遊技媒体の投出処理を行うカード処理機と、前記カードに関連づけられた遊技媒体数に応じた景品交換処理を行う景品交換装置とを有する景品交換システムであって、
前記カード処理機は、
予約対象として選択された景品の識別情報を受け付ける景品予約受付手段と、
前記景品予約受付手段により受け付けた景品の識別情報及び該カード処理機の処理対象とされるカードの識別情報を含む予約依頼データを送信して、前記景品の予約依頼処理を行う予約依頼処理手段と、を備え、
前記景品交換装置は、
景品の識別情報とカードの識別情報を対応づけた景品予約リスト情報を記憶する記憶手段と、
前記予約依頼データを受信した場合に、該予約依頼データに含まれる景品の識別情報とカードの識別情報を前記記憶手段に記憶した景品予約リスト情報に登録して該景品予約リストを更新する景品予約リスト更新手段と、
前記カードを受け付けた場合に、前記記憶手段に記憶された景品予約リスト情報を参照しつつ予約された景品の景品交換処理を行う予約景品交換処理手段と、を備えた
ことを特徴とする景品交換システム。
【請求項2】
前記カード処理機又は前記カードに関連づけられた遊技媒体数を管理する管理装置は、前記予約依頼データに含まれるカードの識別情報に対応する遊技媒体数から前記景品の識別情報に対応する遊技媒体数を減算処理することを特徴とする請求項1に記載の景品交換システム。
【請求項3】
前記カード処理機は、
前記景品予約リスト情報に登録された景品予約の取消依頼を受け付ける取消依頼受付手段と、
前記取消依頼受付手段により受け付けた取消依頼の対象となる景品の識別情報及び該カード処理機の処理対象とされるカードの識別情報を含む予約取消依頼データを送信して、前記景品の予約取消依頼処理を行う予約取消依頼処理手段と、をさらに備え、
前記景品交換装置は、
前記予約取消依頼データを受け付けた場合に、該予約取消依頼データに含まれる景品の識別情報とカードの識別情報を前記記憶手段に記憶した景品予約リスト情報から削除して該景品の予約取消処理を行う予約取消処理手段をさらに備えた
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の景品交換システム。
【請求項4】
前記カード処理機又は前記カードに関連づけられた遊技媒体数を管理する管理装置は、前記予約取消依頼データに含まれるカードの識別情報に対応する遊技媒体数に前記景品の識別情報に対応する遊技媒体数を加算処理することを特徴とする請求項3に記載の景品交換システム。
【請求項5】
遊技機に併設されるとともに所定のカードに関連づけられた遊技媒体数の範囲内で遊技媒体の投出処理を行うカード処理機と、前記カードに関連づけられた遊技媒体数に応じた景品交換処理を行う景品交換装置とを有する景品交換システムの景品交換方法であって、
前記カード処理機が、予約対象として選択された景品の識別情報を受け付ける景品予約受付工程と、
前記景品予約受付工程により受け付けた景品の識別情報及び該カード処理機の処理対象とされるカードの識別情報を含む予約依頼データを送信して、前記景品の予約依頼処理を行う予約依頼処理工程と、
前記予約依頼データに含まれるカードの識別情報に対応する遊技媒体数から前記景品の識別情報に対応する遊技媒体数を減算処理する減算処理工程と、
前記景品交換装置が、前記予約依頼データを受信した場合に、該予約依頼データに含まれる景品の識別情報とカードの識別情報を景品予約リスト情報に登録して該景品予約リストを更新する景品予約リスト更新工程と、
前記カードを受け付けた場合に、前記景品予約リスト情報を参照しつつ予約された景品の景品交換処理を行う予約景品交換処理工程と、
を含んだことを特徴とする景品交換方法。
【請求項6】
前記カード処理機が、前記景品予約リスト情報に登録された景品予約の取消依頼を受け付ける取消依頼受付工程と、
前記取消依頼受付工程により受け付けた取消依頼の対象となる景品の識別情報及び該カード処理機の処理対象とされるカードの識別情報を含む予約取消依頼データを送信して、前記景品の予約取消依頼処理を行う予約取消依頼処理工程と、
前記予約取消依頼データに含まれるカードの識別情報に対応する遊技媒体数に前記景品の識別情報に対応する遊技媒体数を加算処理する加算処理工程と、
前記景品交換装置が、前記予約取消依頼データを受け付けた場合に、該予約取消依頼データに含まれる景品の識別情報とカードの識別情報を前記景品予約リスト情報から削除して該景品の予約取消処理を行う予約取消処理工程と、
をさらに含んだことを特徴とする請求項5に記載の景品交換方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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