説明

景品取得ゲーム装置

【課題】景品収容部内において景品の配置位置を特定することなく、景品取得部の下降時に景品を下側に押し込んで、景品落とし口に落下させることができる景品取得装置を得る。
【解決手段】筐体の外部に設けた操作部と、予め景品を筐体内に展示する景品展示部と、操作部の操作により景品展示部から景品を移動させることが可能な景品移動部と、景品移動部により移動させられた景品を落下させる筐体内部に設けた開口部と、開口部から落下した景品を収容する景品取出収容部と、景品取出収容部に落下した景品を筐体の外部に取り出す筐体に設けた取出部と、を備えた景品払出装置において、景品展示部21は、少なくとも景品展示部を挟む相対する位置関係に配した係留部29l1・・29lnと、前記相対する位置関係にある係留部、29r1・・29rnの間に紐状部材30を掛け渡した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、景品取得ゲーム装置の景品収容部内に取得する景品を配置し展示する展示フィールドの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
景品取得ゲーム機において、景品が載置される複数の景品フロアを個別に上下方向に揺動させて高さを調整する、前記複数の景品フロアのそれぞれに対応する複数の昇降機構が配置され、前記複数の景品フロアが上下方向で重なるように前記昇降機構に装着されたものが提案されている(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
また所定空間からなるゲームフィールドと、上記ゲームフィールドの周縁部または内部において立ち上がる1または2以上の縦壁と、上記ゲームフィールド内において銃器縦壁に取り付けられており、景品を載置するための景品載置部材と、上記ゲームフィールド内に設けられる景品落下口と、上記ゲームフィールド内において、景品を上記景品落下口へと移動させるための景品移動手段と、を備えた景品獲得ゲーム機であって、上記縦壁に対する上記景品載置部材の高さ方向の取付位置を変更可能な高さ調整手段を備える景品獲得ゲーム機が提案されている(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−183644号公報
【特許文献2】特開2009−201921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1の方式では、各景品フロアの高さ調整をするための昇降機構が必要となり、構造が複雑になりコスト高になってしまうのであった。
特許文献2の方式では、ゲームフィールドの周縁部または内部において立ち上がる1または2以上の縦壁に、平面視扇形あるいは、矩形の景品載置部材を取り付け、さらに景品落下口の上端の高さ調整が可能になっているものの、景品落下口の面積を変えることはできず、既存の景品落下口よりも大きな景品では、落下することが出来ないのであった。
【0006】
そこで本発明は、景品収容部内において景品の配置位置を特定することなく、棚田状に景品を置くことができるとともに、景品の大きさに囚われない景品落下口を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明では、筐体の外部に設けた操作部と、予め景品を筐体内に展示する景品展示部と、前記操作部の操作により景品展示部から景品を移動させることが可能な景品移動部と、前記景品移動部により移動させられた景品を落下させる筐体内部に設けた開口部と、前記開口部から落下した景品を収容する景品取出収容部と、前記景品取出収容部に落下した景品を筐体の外部に取り出す筐体に設けた取出部と、を備えた景品払出装置に用いられるのである。
その景品展示部は、少なくとも景品展示部を挟む相対する位置関係に配した係留部と、前記相対する位置関係にある係留部の間に線状に伸縮可能な伸縮部材を掛け渡したことを特徴とする景品取得遊戯装置とした。
【0008】
本願発明では、これにより景品展示部を挟む相対する位置関係に係留部を配して係留部間に伸縮部材を掛け渡したことにより、景品取得部の下降時に景品をが伸縮部材を押し広げて下側に押し込むことが可能となり、景品を景品落とし口に落下させることができるのである。
【0009】
本願発明の他の特徴に従った景品取得ゲーム装置は、上記発明において、係留部は棒状体を景品展示部の景品を配置する載置面の両側に少なくとも平行に配した2本の棒状体であり、該棒状体間に複数の伸縮自在な伸縮部材を掛け渡したことを特徴とする。
これにより、本願発明では、複数の伸縮部材を景品展示部の景品を配置する両面に少なくとも平行に配した2本の棒状体に掛け渡して複数の伸縮部材を掛け渡すことで、景品を配置することができる載置部を得ることができるのである。
【0010】
本願発明の更に他の特徴に従った景品取得ゲーム装置は、上記発明において、係留部は棒状体を景品展示部の景品を配置する載置面の両側に少なくとも平行に配した2本の第1の棒状体であり、さらに前記第1の棒状体に直交する2本の第2の棒状体を掛け渡して該第2の棒状体を足場として載置板を取り付け、さらに前記載置板の存在しない第1の棒状体間に複数の伸縮自在な伸縮部材を掛け渡したことを特徴とする。
これにより、本願発明では景品を配置する景品配置板とは別体に対抗する棒状体間に複数の伸縮自在な伸縮部材を掛け渡すことで景品を搭載する載置面が任意に構成することができ、これらの伸縮部材間の間をすり抜けて景品を落下させて景品取出収容部に導いて景品を取り出すことができるのである。
【0011】
上記目的を達成するために、本発明では、筐体の外部に設けた操作部と、予め景品を筐体内に展示する景品展示部と、前記操作部の操作により景品展示部から景品を移動させることが可能な景品移動部と、前記景品移動部により移動させられた景品を落下させる筐体内部に設けた開口部と、前記開口部から落下した景品を収容する景品取出収容部と、前記景品取出収容部に落下した景品を筐体の外部に取り出す筐体に設けた取出部と、を備えた景品払出装置において、前記景品展示部には、少なくとも前記景品展示部で相対する位置関係に配した係留部と、前記相対する位置関係にある係留部の間に線状に伸縮可能な伸縮部材を掛け渡したことを特徴とする景品取得遊戯装置とした。
これにより、本願発明では、景品展示部で相対する位置関係である例えば景品展示部内に上下位置で相対する関係に配した係留部の間に線状の伸縮可能な伸縮部材が架け渡されているので、この伸縮部材に景品を架けるように保持させることができ、景品獲得部を操作してこの景品の係留を外すことで取得できるのである。
【0012】
本願発明の更に他の特徴に従った景品取得ゲーム装置は、上述したいずれかの発明において、伸縮自在な伸縮部材の両端には係留部の任意の位置に固定可能である係止部を有することを特徴とする。
本願発明では、伸縮部材の両端にフック体やクランプ体である係止部を設けたことにより容易に景品展示部に伸縮部材の一端を取り付けることが可能となっている。
【0013】
本願発明はさらに、さらにいずれかの発明において、係留部には伸縮自在な伸縮部材が折り返して相対する位置関係にある係留部に向かう際に、折り返し位置が固定可能な凹凸部を備えたことを特徴とする景品取得遊戯装置としてある。
これにより、本願発明では、伸縮部材であるゴム紐等を枠体間に掛け渡す際に、枠体での折り返し時にずれることなく取り付けることが可能となっており、景品獲得部が衝突して衝撃を与えても折り返し部の位置が移動することがなく、初期に構成した通りになっているのである。
【0014】
上記目的を達成するために、本願発明では、筐体の外部に設けた操作部と、予め景品を筐体内に展示する景品展示部と、前記操作部の操作により景品展示部から景品を移動させることが可能な景品移動部と、前記景品移動部により移動させられた景品を落下させる筐体内部に設けた開口部と、前記開口部から落下した景品を収容する景品取出収容部と、前記景品取出収容部に落下した景品を筐体の外部に取り出す筐体に設けた取出部と、を備えた景品払出装置において、前記景品展示部は、少なくとも前記景品展示部で相対する位置関係に配した係留部と、前記相対する位置関係にある係留部の間に紐状部材を掛け渡したことを特徴とする景品取得遊戯装置とした。
【0015】
本願発明では、これにより景品展示部で相対する位置関係に係留部を配して係留部間に紐状部材を掛け渡したことにより、景品取得部の下降時に景品を紐状部材間を押し広げて下側に押し込むことが可能となり、景品を景品落とし口に落下させることができるのである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、景品収容部内において景品の配置位置を特定することなく、さらに景品を破損することがなく、景品取得部の下降時に景品を下側に押し込んで、景品落とし口に落下させることができる景品取得ゲーム装置を得るのである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】景品取得ゲーム装置の外観図である。
【図2】景品取得ゲーム装置の天井部分の一部裁断斜視図である。
【図3A】本景品取得ゲーム装置の中央から左右に分割された展示室の景品載置部の骨組みの斜視図である。
【図3B】図3(B)の平面概略図である。
【図4】係留部を設けた側枠部材の斜視図である
【図5】正方形板の裏から見た斜視図である。
【図6】クランプ体の平面図である。
【図7A】景品配置部の実施例2の概略図である。
【図7B】景品配置部の実施例2の概略斜視図である。
【図8A】景品配置部の実施例3の概略平面図である。
【図8B】景品配置部の実施例3の概略平面図である。
【図9】景品配置部の実施例4の概略平面図である。
【図10】景品配置部の実施例5の概略斜視図である。
【図11】景品配置部の実施例6の概略平面図である。
【図12】景品配置部の実施例7の概略平面図である。
【図13】景品配置部の実施例8の概略斜視図である。
【図14A】景品配置部の実施例9の概略斜視図である。
【図14B】景品配置部の実施例9の展示室の拡大正面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施例を図面に基づき詳細に説明する。以下、本願発明の実施例1から実施例9について述べる。
【0019】
(実施例1)
図1は本発明の景品取得ゲーム装置の外観図である。景品取得ゲーム装置100は、幅1.7m、奥行き1m、高さ2m程の外形寸法で、略直方体の基台1の上に箱型の展示室2が設けられ、この展示室2の前面及び側面は、透明な樹脂又はガラスの透明板3によって構成されている。
展示室2にはぬいぐるみ等の景品Pが収容されている。展示室2の下側は展示室2から落下した景品を受けて、手前中央に誘導するために左右が中央に、後方が手前に向けて傾斜し手前中央寄りに落下した景品を誘導して収納する景品収納部4が構成されている。
【0020】
図2には景品取得ゲーム装置の天井部分の一部裁断斜視図を示している。展示室の上側には、景品獲得部5が2ケ吊下げられ、この景品獲得部5は、内部上面から鉛直方向に吊下げられた伸縮パイプからなる支持部6と、その下端に設けられた把持部7とから構成されている。把持部7には景品を把持するための2本のアーム7a、7bが開閉可能に設けられている。景品獲得部5は、展示室2を左右に分割した空間内を移動することができる。
【0021】
展示室の上方には景品獲得部5が移動するための横行用固定レール8が前後の左右方向に平行に取り付けられており、該横行用固定レール8の下には横行用固定レールに直交して縦行用可動レール9が左右に移動可能に掛け渡されている。そして縦行用レール9には景品獲得部基台10が懸架され、前後に移動可能に取り付けられている。
景品獲得部基台10には、景品獲得部5が昇降可能に取り付けられており、景品獲得部5を吊下げ昇降させる。横行用固定レール8、縦行用可動レール9は、展示室の天井部11に配置されている。
【0022】
展示室2は左右に分かれており、それぞれ略80cm四方の面積を有し、展示室内の正面外側と中央側には高さが展示室の半分程度の前側支柱12が立設されている。展示室の背面外側と中央側には天井部11に至る後側支柱13が立設されている。これらの支柱間の領域は景品を展示することができる景品展示部14となる。景品展示部14は前側支柱の上端と後側支柱の上端を結んだ手前に向けて斜めになった平面から下の領域である。
【0023】
基台1の上部手前に張り出した操作卓15には、左右の景品獲得部5を展示室内の左右の空間内で動かし、所望の景品の位置に導くための操作ボタン16が左右にそれぞれ設けられている。操作卓は高さが0.7m位置にあり、操作者が立った状態で透明板3を透過して展示室2を覗きながら、手で押せる位置にある。操作ボタン16は、景品獲得部5のホームポジションである手前外側から横方向に移動させる第1ボタン16a、第1ボタンの操作後、景品獲得部を奥行方向に移動させるための第2ボタン16b、第2ボタンの操作後、景品獲得部5の下降を止める第3ボタン16cとが設けてある。
【0024】
また中央寄りには、左右それぞれに対応した硬貨投入口や電子マネー受付部からなる料金入力部17が設けてある。料金入力部17にプレーするに必要な料金が入力されると、第1ボタン16aは押している間だけ、景品獲得部5を右方向に移動させることができる。
第2ボタン16bは押している間だけ、景品獲得部5が後方に移動し、第2ボタン16bを離すと、把持部7のアーム7a、7bが開いて把持部7が下降動作を行い、アーム7a、7bが景品等に当接するまで下降し、アーム7a、7bを閉じて、その場で把持部7が上昇し、景品獲得部5のホームポジションに戻って、アーム7a、7bの開閉動作を行なう。
【0025】
第3ボタン16cは、第2ボタン16bを離した後、把持部7が下降動作中に押すことで、把持部7の下降動作を止めてアーム7a、7bを閉じる動作を行う。アーム7a、7bが閉じると把持部7が上昇し、景品獲得部5が手前に移動して、アーム7a、7bの開閉動作を行う。ここで把持部7が景品を掴んでいると、当該景品を景品収納部4に落下させ、その後ホームポジションに戻る一連の動作を行なう。
尚、第3のボタン16cはオプションとしてもよく、第1のボタン16aと第2のボタン16bのみで景品獲得部5を水平移動させて、景品獲得部5の降下停止は自動としてもよい。
【0026】
基台1の下方左右には、方形の景品取出口18が設けられ、景品取出口18を塞ぐ扉19が吊設されており、この扉19を内側に押し上げることで、景品収納部4と連接し、操作者が手で扉19を押し上げて景品収納部4に落下した景品Pを取り出すことができる。
【0027】
図3(A)には本景品取得ゲーム装置の中央から左右に分割された展示室の景品載置部の骨組みの斜視図を示す。図3(B)には図3(A)の概略平面図を示す。
展示室2には、4隅に設けた前側支柱12、12、後側支柱13、13間に支持される枠体20と、枠体20に取り付けられる景品配置部21を備えている。景品配置部21は景品が配置可能な部分である。枠体20は前側支柱12、後方支柱13に取り付けられている。
【0028】
この後方支柱13、13間に丸棒状の後方枠部材22を掛け渡して、後方枠部材22の両端にT字型のパイプつなぎ23のT字の横部を嵌めて後方支柱に設けた被係合部13aにパイプつなぎ23のT字の横部の突出を係合部23aとして係合する。
後方支柱13には後方支柱同士の対抗する側面に所定間隔で後方上側に向けて傾斜した切欠が鋸歯状に被係合部13aとして多数設けられている。この被係合部13aは横挽き用の窓鋸のさらい歯状になっている。
【0029】
そして、後方支柱13に掛け渡した後方枠部材の両端のパイプつなぎ23のT字の縦部分23bには、それぞれ前側支柱に至る2本の丸棒状の側枠部材24の後端24aを嵌入し、前記後方枠部材22と同一平面状に取り付けられ、側枠部材24の前端は係合部24bとして前側支柱の被係合部12aに係合される。
前側支柱12の後方面には高さ方向に所定間隔で差込穴が多数設けてあり被係合部12aとして、前記側枠部材24の前端の係合部24bが挿入される。
【0030】
これら前側支柱の被係合部12aと後方支柱の被係合部13a間に丸棒状の略コの字の形をした枠体20を水平あるいは手前側に傾斜させてはめ込むことができる。略コの字で囲まれる面は略75cm四方の正方形領域となる。
手前側はコの字の枠体20が開いており、後方支柱の被係合部13aには、コの字の中央の後方枠部材22の両端に突出した係合部23aを嵌ることができる。枠体20を手前に傾斜させて取り付けるには、枠体20の前端の係合部24bを前側支柱の被係合孔12aに挿入した後、枠体20のコの字中央の両端の係合部23aを前端の係合部24bより高い位置にある後方支柱の被係合部13aに嵌めることで設置する。
【0031】
コの字を形成する丸棒状の枠部材22、24は略13mmの同一径の円筒形であり、コの字の両側の対抗する側枠部材24、24間に同一径の棒状部材25を直交して掛け渡し架設することができる。この棒状部材25は両端にクランプ体26を有しており、両側の側枠部材24をクランプ体26で挟持することでしっかりと固定することができる。
【0032】
側枠部材24、24間の距離幅L1は75cmあり、該側枠部材24、24の間に棒状部材25を架設し、後方枠部材22から所定の距離L2の25cmよりやや短い距離にした位置にしてクランプ体26で側枠部材24、24に固定する。
そして後方枠部材22と棒状部材25間には、景品を載置する正方形板27や長方形板28を取り付けることができる。正方形板27は25cm四方の面積寸法を有し、長方形板28は幅75cm、奥行き25cmの平面寸法である。
【0033】
正方形板27を3枚並べると長方形板28の大きさになり、両側の側枠部材24、24間に配置することができる。ここでは長方形板28を設置しており、一部裁断して図示している。
【0034】
長方形板28が存在していない側枠部材24の側面には、頭部が球体で下部が円柱状になった係留部29が適宜間隔で側枠部材に螺子着している。係留部29は、左側の側枠部材24の長方形板28に近い方から29la、29lb・・とする。右側の側枠部材24の長方形板28に近い方から29ra、29rb・・とする。
【0035】
ゴム紐30の両端に鉤状のフック31を設けてある。フック31aを右側の側枠部材24の係留部29raと29rbの間にかけて、ゴム紐30を伸ばし気味に対抗する左側の側枠部材24の隣合う係留部29la,29lbにかけて、右側の側枠部材24の係留部29raにかけて、次に左側の側枠部材24の係留部29lc、29ldにかけて、次に右側の側枠部材の係留部29raにかけて、次に右側の側枠部材24の係留部29le、29lfにかけて、というように右側の係留部29raを中心に扇状にゴム紐30を側枠部材間に伸ばし気味に掛け渡し、余ったゴム紐は右の側枠部材24に巻きつけるなりしてゴム紐の他端のフック31bを左の側枠部材24に係止してある。
【0036】
これにより扇状にゴム紐30を側枠部材の係留部29に伸ばし気味に掛け渡すことで、扇状になった部分に景品を載置することができる。景品獲得部5のアームが下降してゴム紐30に当たっても係留部29が上側になっておりゴム紐30が付勢してかけてあるので側枠部材24からゴム紐30が外れることがなく付勢されたゴム紐群により景品を載置することができる。
【0037】
これにより正方形板27や長方形板28の載置板の範囲を景品獲得部5が移動することができない範囲とすることで景品Pの展示のみを行ない、載置板の手前側のゴム紐群で構成された範囲を景品獲得部5が移動できる範囲とすることができる。正方形板27や長方形板28に景品を展示しておくことで、景品の載置時の姿勢が保て、ショウウインドウ的に展示のみを行うことができる。
【0038】
一方ゴム紐群で構成される載置部に景品を載置したり、ゴム紐30の間に景品Pを押し込んでおくことにより、景品Pをゴム紐30の弾性力で挟持させておき、景品獲得部の下降動作により、アームで景品を下方に押し込むことで、景品Pを挟んでいるゴム紐30の弾性力に抗して景品Pを下方にずらして景品落とし口に落下させることができるようになる。本願では景品展示部は、景品獲得部5が移動できる範囲及び景品獲得部5が移動できないで景品の展示のみをしておく部分を含めている。
例えば景品の狭くなった部分をゴム紐群で挟持して、景品をゴム紐群にぶら下げておくことで、景品獲得部5のアームで当該景品を押し下げ、ゴム紐の弾性力に抗して少しずつ景品を下方に押し込み景品を下方に落下させることができる。
【0039】
図4には係留部を設けた側枠部材を示す斜視図である。
図4(A)は図3で採用した係留部29を示し丸棒に設けたネジ孔に螺子着されている。係留部29l、29rはそれぞれ左右外側に向けて取り付けられている。さらに図4(B)は係留部の別の実施例であり、側枠部材24に硬質樹脂製の筒体の側面に複数の凹凸からなる係留部29を設け、筒体を側枠部材24に装着して、ゴム紐をかけるようにしたものである。図4(C)は、係留部のさらに別の実施例であり、側枠部材を予め側面方向に凹凸のある棒状状態に構成してある部材24cを側枠部材24として使うものである。係留部が左右外方に向けた凹凸があるので、把持部の昇降時に掛け渡したゴム紐が容易に外れることがないのである。図4(A)、(B)での係留部29はそれぞれ左右外側に向けてあるが、下方向に向けられてもよい。
【0040】
あるいは側枠部材24、後方部材22の表面にゴム紐30を斜め方向からかけてもその位置が滑らないようにゴム等の滑り止め剤を塗布した丸棒部材にしてもよい。この場合にゴム紐を側枠部材や後方枠部材に架け渡す際に当該部材に一回りさせることで、経年変化にも部材の長手方向に滑ることが防ぐことができることでもよい。
またさらには、側枠部材24の長手方向に適宜間隔を有して側面に貫通する穴を開けておき、この穴を貫通する取り外し可能な、たとえば平面が傘状になった尻部にゴム紐等が連結された係止部を差込み抜けないようにして側枠部材24,24間に架け渡す方式でもよい。この係止部を穴から抜くには傘部を押し込み穴から抜くようにする。
【0041】
図5には正方形板の裏側から見た斜視図を示す。長方形板でも裏面の構造は同じである。
各辺の下側に棒状部材25の上半部を覆う程度の深さ1cm程の周縁27aが設けてあり、周縁の四隅近傍は一点鎖線で示した棒状部材25が周縁27aに沿って位置できるように半円状に切欠27bが縦方向と横方向にそれぞれ設けてある。
【0042】
これにより長方形板28や正方形板27は後方枠部材22や側枠部材24、棒状部材25の上側に前記切欠27bを宛がうことで座置される。
また一点鎖線で図示した棒状部材25に直交して後方枠部材22や側枠部材24を宛がう際には、直交する縁部27aに沿って設けた切欠27bに宛がう。この場合の枠部材22、24を二点鎖線で示している。
【0043】
正方形板27の周縁27aに沿って棒状部材25が前記切欠27bに位置した際に、棒状部材25を周縁27aとの間に棒状部材25を挟持する脚部27cが底に取り付けてある。脚部27cは棒状部材25に正方形板27を宛がい押し込むことで脚部27cが有する弾性力で正方形板27を周縁27aとの間に挟持させることができる。
【0044】
図6には、パイプの外端に取り付けるクランプ体の側面図を示す。図6(A)はクランプ体を解放した状態の側面図であり、図6(B)はクランプ体を閉じた状態の側面図である。
クランプ体41は棒体を挟持する挟持部42には棒状部材24の外周を装着するU字溝42aを備え、U字底の径は13mm幅で挟持部42aの片側に設けた回動軸42bに、軸着したレバー体43を閉じることで、レバー体のショルダー部43aが13mm径の棒状部材24の円周を挟み挟持して締着する構造となっている。
【0045】
挟持部42の他端には円柱体42cが形成され、円柱体42cの中心線はU字溝に嵌る棒状部材24の中心Oに一致している。円柱体42cには円周の縁の一部が切欠された凹部42dが形成されており、パイプの外側が挟持部42に当接するまで挿入され、凹部42dの位置でパイプ体の側面にカシメを打ってパイプの内面を凹部42dに凹ませて固定する。
【0046】
(実施例2)
図7には景品配置部の実施例2の概略図を示す。図7(A)は景品配置部の概略平面図を示し、図7(B)は同景品配置部において平面で交わるゴムチューブに景品を挟んだ斜視図を示している。
ここでは、後方枠部材に平行に2列にわたり載置板として、一列毎に正方形板27が2つと長方形板28が1つ取り付けてある。図3及び図5で示した正方形板、長方形板の寸法より小さい。
【0047】
伸縮部材として略後方枠部材22より若干短いゴムチューブ32の両端にクランプ体41を取り付けてある。ゴムチューブ32はクランプ体の円筒体部42cに接着や圧着、あるいは円筒体部42cに孔を開けて縛って固着してあり、ゴムチューブ32に伸力を加えても外れることがないようにしてある。ゴムチューブ32を左右の側枠部材24間に掛け渡してクランプ体41で側枠部材24を挟持してある。クランプ体41は側枠部材24に直行方向に掴持され、固定位置がずれることはないので、斜めにゴムチューブ32を掛け渡してもゴムチューブ32は側枠部材24に直交して掛け渡した場合よりも伸びるがクランプ体41がしっかりと挟持している。ここでは×状に2本のゴムチューブ32を側枠部材24、24間に掛け渡している。
【0048】
この場合では、側枠部材24は丸棒であればよく、何等係留部を設ける必要がなく、クランプ体41の取り付け位置も任意の位置でよいので、容易に伸縮部材としてのゴムチューブ32を取り付けることができる。
平面視で景品としての縫いぐるみPを2本のゴムチューブ32が交わる範囲と長方形板28との間に載置しておくことで、景品獲得部が長方形板28の範囲まで移動できなくとも、ゴムチューブ32の範囲まで移動することで、縫いぐるみPの下半身部分を景品獲得部で掴み取り、景品落下口へ落下させることができる。
あるいは景品獲得部の下降時にアームを縫いぐるみPの下半身に押し付けることで、ゴムチューブ32の弾性力により寝かせてある縫いぐるみPをゴムチューブ32上に立たせ長方形板28から起したり、あるいは縫いぐるみPを起こす際の勢いで手前側に転がすことが可能である。
【0049】
図7(B)は景品配置部において平面で交わるゴムチューブに景品を挟んだ状態にある。
この場合では2本のゴムチューブ32で縫いぐるみPの首部分が挟まれて吊り下げられている。この際には、把持部7のアーム7a、7bを上手に使って縫いぐるみPを左方向に移動させることで、ゴムチューブ32、32の間が広がりやすくなり、縫いぐるみPを下方に落下させ易くなる。
【0050】
(実施例3)
図8には、景品配置部の実施例3の概略平面図を示す。図8(A)は全面にゴム紐を掛けた景品配置部の概略平面図である。
コの字を形成する枠体20は丸棒状の後方枠部材22と左右両側の側枠部材24、24で構成され、側枠部材の下側には、実施例1で述べた係留部29l、29rが後方枠部材近傍から手前側まで適宜間隔を有して設けてある。
【0051】
ゴム紐の両端にはフック31a、31bが取り付けてある。フック31aを左側の側枠部材24の奥側に掛けて、後方枠部材22と平行にゴム紐30を伸ばし気味に対抗する右側の側枠部材の上側から隣合う係留部29rに掛けて側枠部材の上側に戻してから、後方枠部材に平行に左側の側枠部材の上側から隣合う係留部29lに掛けて上側に戻してから、後方部材に平行に右側の側枠部材の上側から隣合う係留部29rにというようにゴム紐を平行にして側枠部材の手前側まで掛け渡しフック31bで左側の側枠部材の手前側に取り付けてある。
【0052】
この場合では景品配置部の全範囲に亘って平行にゴム紐30が掛け渡されている。後方枠部材22の近くの範囲は景品獲得部が移動できない範囲となっている場合は、その範囲にあるゴム紐群に景品を載置くことで、景品は獲得できず、展示しておくだけとなる。
本実施例3では手前側のゴム紐群を揺らしてもその揺れはその揺れているゴム紐のみが揺れるだけで、その揺れは揺れているゴム紐が直接係留されている係留部29l、29rで止められてしまい隣り合うゴム紐には伝わらないのである。
【0053】
景品獲得部が移動できる範囲でも、景品がゴム紐間に掛け渡されている場合では景品を掴むことができても、落とし口がないので景品を吊り上げても取得できない。この場合は景品をゴム紐間に押し込んで、ゴム紐の下側に景品をずり落として景品を落下口に導くのである。従って景品が隣合うゴム紐間に載置されている場合では景品の取得は難しいが、景品の一部がゴム紐を押しのけて下側に落としこまれている場合では集中的に景品獲得部のアームで押し込むことで、より景品をゴム紐群から落下しやすい姿勢に導いて最終的に景品落下口に落下させて取得するのである。
【0054】
図8(B)は前側にゴム紐を掛けた景品配置部の概略平面図である。図8(A)とはゴム紐の掛け方が異なり、図8(B)では、ゴム紐30の一端のフック31aは左側の側枠部材24の中程に掛けられており、後方部材22に並行に右側の側枠部材24の上側から中程の係留部29rに掛けて、側枠部材24の上側に戻してから、後方枠部材22に並行に左側の側枠部材24の上端から隣あう係留部29rにというようにゴム紐39を並行にして側枠部材の手前側まで架け渡しフック31bで左側の側枠部材の手前側に取り付けてある。
この場合では、景品配置部の手前側の範囲のみに平行にゴム紐30が架け渡されており、ゴム紐群に載置されている景品を後方のゴム紐30が架け渡していない開口から落下させることが可能である。このようにゴム紐30を架け渡すことで後方は開口とすることができる。こうすることで、景品獲得部の操作により、ゴム紐上に載置されている景品をゴム紐群の中に押し込んでそのまま下方に落下させることもできるし、あるいは景品獲得部の操作により、景品把持動作時に景品を少しずつ後方に移動させて、後方の開口に落とし込むことで景品を落下させることも出来るのである。
【0055】
ゴム紐の掛け方次第で、開口の位置を任意の位置に設けることが可能となるのである。側枠部材間のゴム紐の引張力を変えることで、ゴム紐上に載置された景品がそのままゴム紐の下側に落下させやすくなったり、そのままではゴム紐が容易に広がらず景品を開口のある方に導いて開口から落下させた方が景品を取得しやすいなどの変化を付けられる。これによって、景品載置フィールドの大きさを変えることができるので、景品の落とし口の大きさや位置(前や後ろ)を簡単に微調整できるのである。
【0056】
(実施例4)
図9には、景品配置部の実施例4の概略平面図を示す。コの字を形成する丸棒状の枠部材22、24は、実施例1で述べた係留部29が下側に適宜間隔を有して設けてある。ゴム紐の両端にはフック31が取り付けてある。
フック31aを左側の側枠部材24の奥側にかけて、後方枠部材22と平行にゴム紐30を伸ばし気味に対抗する右側の側枠部材24の上側から隣合う係留部29にかけて側枠部材の上側に戻してから、後方枠部材22に平行に左側の側枠部材24の上側から係留部29にかけて側枠部材24の上側に戻し、後方枠部材22に平行に次に右側の側枠部材24の上側から係留部29にかけて側枠部材の上側に戻し、次に後方枠部材22に平行に左側の側枠部材の上側から係留部29にかけて上側に戻して、次に後方枠部材に平行に右側の側枠部材24の上側から係留部29にかける。
【0057】
その次には後方枠部材22の中央に位置する係留部29に向けて斜めにゴム紐をかけた後に、左側の側枠部材24の係留部29というようにして網状にゴム紐を各係留部に掛け渡し、最後は左側の手前側の係留部にゴム紐の他端のフック31bをかける。
【0058】
すると景品配置部は後方が平行なゴム紐群と左右手前側が斜めに掛け渡したゴム紐群からなるゴム状の載置部が得られる。景品をゴム紐群の任意の位置に配置することができ、景品配置部の後方側が景品獲得部が移動できない範囲の場合では、景品を展示しておくだけであったが、ゴム紐で載置部を構成することで、手前側の景品を獲得する際にゴム紐が後方枠部材に掛け渡されているので、その振動が伝わり、景品獲得部が移動できない範囲にある景品でも動かすことが可能となり、うまくいけば手前側に景品を移動させることができるのである。
【0059】
(実施例5)
図10には景品配置部の実施例5の概略斜視図であり、図10(A)は景品がゴムチューブ32間に挟まっている状態であり、図10(B)は景品獲得部のアーム7bが下降して景品を下方に押し込んでいる状態を示している。
景品である縫いぐるみPは両側の側枠部材24間にクランプ体41で固定して掛け渡したゴムチューブ32の間に首を挟まれて吊り下がっている状態であり、景品獲得部のアーム7a、7bが開いて縫いぐるみPの頭に当接してゴムチューブ32を押し下げて縫いぐるみPをずり下げている。景品獲得部のアーム7a、7bが降下して何度か縫いぐるみに衝突することで縫いぐるみが除々に下方にずれて最後には落下する。
【0060】
(実施例6)
図11には景品配置部の実施例6の概略斜視図を示す。ゴム紐を景品展示室内で縦方向に架け渡し、景品配置部は上下面状にゴム紐を網の目状に配されている。
コの字の枠体20を二組用意して、それぞれ前側支柱12と後側支柱13の被係合部12a、13aに各枠体の係合部24b、23aを嵌め入れて上下二段に設置している。側枠部材24は入れ子状のパイプ状部材となっており、内部に図示しない押しバネが挿入されており、側枠部材自体が長さ方向に付勢されており、縮む方向に力を加えると縮むことが出来る構造を有している。コの字の枠体20を後側支柱13の被係合部13bに後方枠部材22の係合部23aが係合した状態で、側枠部材24の係合部24bを前側支柱の被係合部から側枠部材24が縮む方向に付勢することで被係合部12aの孔から抜くことができ、容易にその係合位置を変えることができる。
【0061】
上下二段のコの字の両側の対抗する側枠部材24、24間に同一径の棒状部材25を直交して掛け渡し架設してあり、この棒状部材25は両端にクランプ体26を有しており、両側の側枠部材24をクランプ体26で挟持することでしっかりと固定することができる。この棒状部材25には、図示しない係留部が適宜間隔で設けられおり、上下の棒状部材間には前記係留部にゴム紐30を係留しながら、上下の棒状部材間で網の目を構成するように架け渡されている。もちろん棒状部材25には、係留部としてその表面に滑り止めとなる塗料を塗布してあるものでもよく、あるいは棒状部材25にゴムチューブを挿通し、棒状部材の表面を滑り難くしてあるのでもよい。
上下二段に配置した棒状部材25間に網の目状にゴム紐を引っ張り気味に架け渡してあり、各網の目に景品となる縫いぐるみPの突起部である腕を差し込むことで、縫いぐるみPは網の目により保持されている。この縫いぐるみに対して景品獲得部により景品を掴み、網の目から縫いぐるみPを抜き出すことができれば、網の目から抜き出された景品Pは落下して景品を取得することができる。
【0062】
(実施例7)
図12には景品配置部の実施例7の概略斜視図を示す。ゴムチューブ32に錘を取り付けてハンモック状に側枠部材24間に架け渡している。
実施例2で用いたゴムチューブ32に錘となるシリコン製のシリコンボール33を貫通させてある。シリコンボール33には図示しない貫通穴が開いており、ゴムチューブ32が貫通している。ゴムチューブが側枠部材22の中程に後方部材22に平行に3本のゴムチューブ32が適宜間隔を開けて架け渡されて両端のクランプ体41で側枠部材に固定されている。前側と後側のゴムチューブ32には2個のシリコンボールが貫通している。3本のゴムチューブ33は横方向に平行に架け渡され、その上に縫いぐるみPがシリコンボール33を挟んでゴムチューブ32に載置されている。このシリコンボール33は錘となり、景品が軽くてもゴムチューブ32を下方に弛ませ、景品獲得部が触れることで、景品の揺れを大きくする。
【0063】
シリコンは摩擦が大きく、2個のシリコンボールに挟まれてゴムチューブ32に載置された景品はシリコンの摩擦により滑りずらく、ゴムチューブから落ちにくくなるのである。景品獲得部の掴み動作時に揺れる景品等に当接することで揺れて景品が取得できそうに見えるものの、シリコンボールで挟まれ摩擦力によって挟持された景品は容易には取得できないのである。またゴムチューブが貫通しているシリコンボールは容易には横方向には動かず、ゴムチューブ32上に載置された景品はシリコンボールに阻まれ、横方向に容易には移動することができない。
ここでは錘としてシリコン製のボールを示したが、素材的にはシリコンに限らず、同様の効果を出すものであればよい。また、ゴムチューブはゴム紐であってもよい。
【0064】
(実施例8)
図13には、景品配置部の実施例8の概略斜視図を示す。上下に平行に配した棒状体25とゴムチューブ32で景品Pを挟持している。
実施例6で用いたコの字の枠体20を二組用意して、それぞれ前側支柱12と後側支柱13間に上下二段にして取り付けられている。
上下二段のコの字の両側の対抗する側枠部材24、24間に同一径の棒状部材25を直交して掛け渡し架設してあり、この棒状部材25は両端のクランプ体26で両側の側枠部材24に固定されている。各棒状部材25の中程には滑り止め部材34が設けられている。滑り止め部材34としてはゴム等の摩擦の大きい部材が取り付けてある。取り付け方としてはシリコン等のゴム質の摩擦の大きなチューブを挿通したり、棒状部材25に巻きつけてあってもよい。勿論、棒状部材25に滑り止めが無くともよく、ゴムチューブの付勢で押し付けることができる。
【0065】
上下二段に平行に設けた棒状部材25の滑り止め部材34に箱状の景品Pを宛がい、ゴムチューブ32で景品Pを棒状部材の滑り止め部材34に押し付けるような配置になるようにゴムチューブ32の両端のクランプ体26で両側の側枠部24に固定している。これにより、箱状の景品Pは2本の棒状部材25とゴムチューブ32に挟持され、落下せずにその位置に保持されている。この箱状の景品Pを取得するには景品獲得部を操作して箱を棒状部材25に付勢しているゴムチューブ32を手前に動かすことで、棒状部材25への付勢を弱めて、その間に箱状の景品Pの自重で箱を下方にずらし落としたり、あるいは箱状の景品Pの上部に景品獲得部を下降動作時に当接させて、その衝撃により箱状景品Pをゴムチューブ32の付勢に打ち勝ち、箱を下方にずらして、上段の棒状部材25から箱を外すことで落下して景品Pを取得できるのである。
【0066】
上記実施例では景品獲得部は景品配置部の奥側には移動できないとして説明したが、奥側まで移動するようにしてもよいし、また伸縮部材としてゴム紐やゴムチューブを例に上げたが、つる巻きばねでも良いのは勿論である。
また、上記実施例では枠体を構成する側枠部材や後方枠部材に係留部を設けてあるが、必ずしも側枠部材や後方枠部材に設ける必要はなく、例えば筐体の景品収容部の上側の筐体内の回壁に係留部を設け伸縮部材を掛け渡して景品展示部を構成しても良く、図14にはその実施例9を示す。
【0067】
(実施例9)
図14Aは、景品展示室を取り囲む正面以外の両側面と背面に係留部を全面に渡り配した本景品取得ゲーム装置の概観斜視図を示しており、図14Bは景品展示室の拡大正面斜視図を示している。
ここでは景品取得ゲーム装置50の左右の景品展示室2を分ける中央の仕切板51を天井部11まで設けてあり、左側の展示室2のみに加工が加えてあるが、勿論右側の展示室2も同様にしてもよい。図1で図示した景品取得ゲーム装置100と同一の部分は同一の図番で示している。
【0068】
景品取得ゲーム装置50の内部中央には天井部11まで届く仕切板51が設けてある。また左外側の透明板3の内側には鎧戸状に配置した横板52が複数段に渡り設けてある。そして、仕切板51、横板52、背面板53には一本のゴム紐30や多数のゴムチューブ32が展示室2の3次元空間内に自在に架け渡せるように係留部54が縦横に格子の目状に配してある。図では球体に棒状が取り付け形状の係留部54としてあるが、これに限らず鉤の手状でも、かすがい状でもよい。かすがい状では、板に全部刺さらず、かすがいと板の間で閉空間を有し、ゴム紐など通すことができる。左外側の透明板3は透明なガラス面となっており、外部から内部が見通せるように内側には鎧状に横板52を内部に設けて、各横板に係留部54を配している。勿論、透明アクリル板に係留部54を縦横の格子の目位置に取り付けてもよく、正面側に係留部を有する透明板を設けてもよい。
【0069】
このようにして正面を除く両側面及び背面に多数の係留部54を設けてあることで、ゴム紐30を展示室2の囲む壁に配した係留部54に架け渡すことで、斜めに架け渡したりできその配置は自由度が増す。さらに両端にフック体を有するゴムチューブを適宜の間隔を保つ係留部間に架け渡すことで、景品配置部の構造を自在に構成することが出来る。無論、景品獲得部5が動作する空間は必要であるから展示室2の上方の係留部54にはゴム紐やゴムチューブを架け渡すというよりも、景品を掛けて展示するなどに用いるのが最適である。
【0070】
上記実施例では、係留部間に架け渡す部材としてゴム紐やゴムチューブである伸縮可能な伸縮部材について説明したが、本願の目的を達成するためには、紐や縄、チェーン、ワイヤーなどのそれ自体では伸縮しないが可撓性のある紐状部材であってもよい。これらは自重で垂れ下がり、複数本で景品を受けることで景品を載置でき、上記実施例の全てにおいて伸縮部材の代替とすることが可能である。
上述の通り本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。明細書中で寸法を記載したがあくまでも具体的な一例を示したに過ぎず、特許請求の範囲に定義された本発明の広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更を加えることができることは明らかである。すなわち、具体例の詳細および添付の図面により本発明が限定されるものと解釈してはならない。
【符号の説明】
【0071】
100 景品取得ゲーム装置
1 基台
2 展示室
3 透明板
4 景品収納部
5 景品獲得部
6 支持部
7 アーム
8 横行用固定レール
9 縦行用固定レール
10 景品獲得部基台
11 天井部
12 前側支柱
13 後方支柱
14 景品展示部
15 操作卓
16 操作ボタン
17 料金入力部
18 景品取出口
19 扉
20 枠体
21 景品配置部
22 後方枠部材
23 パイプつなぎ
24 側枠部材
25 棒状部材
26 クランプ体
27 正方形板
28 長方形板
30 ゴム紐
31 フック体
32 ゴムチューブ
33 シリコンボール
34 滑り止め部材
41 クランプ体
42 挟持部
43 レバー体
50 景品取得ゲーム装置
51 仕切板
52 横板
53 背面板
54 係留部




【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の外部に設けた操作部と、
予め景品を筐体内に展示する景品展示部と、
前記操作部の操作により景品展示部から景品を移動させることが可能な景品移動部と、
前記景品移動部により移動させられた景品を落下させる筐体内部に設けた開口部と、
前記開口部から落下した景品を収容する景品取出収容部と、
前記景品取出収容部に落下した景品を筐体の外部に取り出す筐体に設けた取出部と、
を備えた景品払出装置において、
前記景品展示部は、少なくとも前記景品展示部を挟む相対する位置関係に配した係留部と、
前記相対する位置関係にある係留部の間に線状に伸縮可能な伸縮部材を掛け渡したことを特徴とする
景品取得遊戯装置。
【請求項2】
請求項1において、
係留部は棒状体を景品展示部の景品を配置する載置面の両側に少なくとも平行に配した2本の棒状体であり、
該棒状体間に複数の伸縮自在な伸縮部材を掛け渡したことを特徴とする景品取得遊戯装置。
【請求項3】
請求項2において、係留部は棒状体を景品展示部の景品を配置する載置面の両側に少なくとも平行に配した2本の第1の棒状体であり、さらに前記第1の棒状体に直交する2本の第2の棒状体を掛け渡して該第2の棒状体を足場として載置板を取り付け、さらに前記載置板の存在しない第1の棒状体間に複数の伸縮自在な伸縮部材を架け渡したことを特徴とする景品取得遊戯装置。
【請求項4】
筐体の外部に設けた操作部と、
予め景品を筐体内に展示する景品展示部と、
前記操作部の操作により景品展示部から景品を移動させることが可能な景品移動部と、
前記景品移動部により移動させられた景品を落下させる筐体内部に設けた開口部と、
前記開口部から落下した景品を収容する景品取出収容部と、
前記景品取出収容部に落下した景品を筐体の外部に取り出す筐体に設けた取出部と、
を備えた景品払出装置において、
前記景品展示部には、少なくとも前記景品展示部で相対する位置関係に配した係留部と、
前記相対する位置関係にある係留部の間に線状に伸縮自在な伸縮部材を掛け渡したことを特徴とする
景品取得遊戯装置。
【請求項5】
請求項4において、係留部は棒状体を景品展示部の両側に少なくとも平行に配した2本の第1の棒状体と、さらに前記第1の棒状体に直交する少なくとも2本の棒状体を掛け渡して該第2の棒状体を足場として上下二段に二組設け、前記第2の棒状体のうち対抗する第2の棒状体間に網の目状に伸縮部材を架け渡したことを特徴とする景品取得遊戯装置。
【請求項6】
請求項4において、係留部は棒状体を景品展示部の両側に少なくとも平行に配した2本の第1の棒状体と、さらに前記第1の棒状体に直交する少なくとも2本の棒状体を掛け渡して該第2の棒状体を足場として上下二段に二組設け、前記第2の棒状体のうち対抗する第2の棒状体間にそれぞれ滑り止め部材を設けると共に、第1の棒状体間に少なくとも1本の伸縮自在な伸縮部材を架け渡したことを特徴とする景品取得遊戯装置。
【請求項7】
請求項1又は4において、
係留部は景品展示部を囲む位置にある縦面部材に少なくとも景品展示部を挟む位置関係に設けたことを特徴とする
景品取得遊戯装置。
【請求項8】
請求項2において、
該伸縮部材は複数個のボール状の錘部材を貫通していることを特徴とする景品取得遊戯装置。
【請求項9】
請求項1乃至7において、係留部には伸縮自在な伸縮部材が折り返して相対する位置関係にある係留部に向かう際に、折り返し位置が固定可能な凹凸部を備えたことを特徴とする景品取得遊戯装置。
【請求項10】
請求項1乃至6、又は8において、伸縮部材の両端には係留部の任意の位置に固定可能である係止部を有することを特徴とする景品取得遊戯装置。
【請求項11】
筐体の外部に設けた操作部と、
予め景品を筐体内に展示する景品展示部と、
前記操作部の操作により景品展示部から景品を移動させることが可能な景品移動部と、
前記景品移動部により移動させられた景品を落下させる筐体内部に設けた開口部と、
前記開口部から落下した景品を収容する景品取出収容部と、
前記景品取出収容部に落下した景品を筐体の外部に取り出す筐体に設けた取出部と、
を備えた景品払出装置において、
前記景品展示部には、少なくとも前記景品展示部で相対する位置関係に配した係留部と、
前記相対する位置関係にある係留部の間に紐状部材を掛け渡したことを特徴とする
景品取得遊戯装置。



【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【公開番号】特開2011−136136(P2011−136136A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−18406(P2010−18406)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】