景品取得ゲーム装置
【課題】 種々の構成をとった場合や、ユーザ側にてディスプレイを変更したいと考えた場合などに幅広く対応できるようにする。
【解決手段】 ゲーム開始時および終了時における景品取得部5のホームポジションである初期位置の高さを任意に設定するための初期位置高さ調整手段を備えている。景品取得部5が当該景品取得部5の昇降可能範囲内における上端に到達したことを検出するセンサを備えており、初期位置高さ調整手段は、センサによる検出結果に基づき景品取得部5を当該上端位置から所定量だけ下降させて初期位置高さに位置させる。また、初期位置高さ調整手段による景品取得部5の初期位置高さの設定内容を参照し、当該景品取得部5の昇降速度の制御を行うことが好ましい。
【解決手段】 ゲーム開始時および終了時における景品取得部5のホームポジションである初期位置の高さを任意に設定するための初期位置高さ調整手段を備えている。景品取得部5が当該景品取得部5の昇降可能範囲内における上端に到達したことを検出するセンサを備えており、初期位置高さ調整手段は、センサによる検出結果に基づき景品取得部5を当該上端位置から所定量だけ下降させて初期位置高さに位置させる。また、初期位置高さ調整手段による景品取得部5の初期位置高さの設定内容を参照し、当該景品取得部5の昇降速度の制御を行うことが好ましい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は景品取得ゲーム装置に関する。さらに詳述すると、本発明は、開閉する例えば一対のアームによって景品を取得する遊戯のためのゲーム装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
筐体の内部に収納された景品(例えばぬいぐるみ等)の取得を目的とするクレーンゲーム機のような景品取得ゲーム装置は、その操作に面白味があるとともに、景品に人気のあるキャラクタ等を用いることでプレイヤ(遊戯者)の挑戦意欲をそそるため、ゲームセンターはもちろんのこと、一般の店舗やショッピングモール等にも多く設置されている。従来、このような景品取得ゲーム装置として様々なものが提案され、商品化されている
【0003】
上述のような景品取得ゲーム装置としては、例えばUFOのような形をした景品取得部(把持部)に爪付きの一対の開閉アームを設けたものが多く利用されている。この場合、景品取得部はプレイヤの操作に応答して筐体内をまず水平に移動し、その後、当該位置の真下にてアームを開閉する動作をし、さらにホームポジション(景品受取口の真上)に戻った後、Z方向(鉛直方向)移動モータの駆動に応じて下降し、再びアームを開閉する動作をして保持した景品を落下させる(例えば特許文献1参照)。このような一連の動作中、例えばアーム先端の爪を利用して景品を保持して持ち上げ、景品受取口の真上まで落とさずに運ぶことができれば当該景品を手に入れることができる。
【0004】
このような景品取得ゲーム装置の場合、ゲームが行われている以外のとき、景品取得部は例えば景品投入ガイド等からなる景品受取口の真上等の初期位置(ホームポジション)にて待機した状態となっている。また、ゲーム開始後に当該景品取得部が筐体内を水平移動するときは、初期位置と同じ高さのままで移動する場合が一般に多い。このようにしてプレイヤに指示された位置まで水平移動した景品取得部は、その位置で下降し、目的とする景品の間近にて開閉動作を行った後で上昇し、景品投入ガイドの真上まで移動してから再度開閉動作をし、その後、ホームポジションである初期位置に復帰するようになっている。
【特許文献1】特開平11−239669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、景品取得部が上述した構成となっている従来の一般的な景品取得ゲーム装置においては、あらかじめ設定された面内を水平移動するといういわば画一的な動作しかできないため、種々の構成のゲーム装置、あるいはユーザ側の細かなニーズに必ずしも対応しきれない場合があった。このため、ユーザ側からすればディスプレイ(例えば景品の積み上げ方)を変更したいと考えた場合にも画一的な動作を妨げることのない限られた範囲内にて行うしかなかった。
【0006】
そこで、本発明は、種々の構成をとった場合や、ユーザ側にてディスプレイを変更したいと考えた場合などに幅広く対応することが可能な景品取得ゲーム装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するべく本発明者は種々の検討を行った。まず、上述したように種々の構成をとった場合やユーザ側にてディスプレイを変更したいと考えた場合などに限られた範囲でしか対応できないことの背景としては以下のようなことがある。すなわち、ユーザ(例えばゲームセンターや店舗などのサービス提供側)としては、例えば客(プレイヤ)の目を引くために景品を山積みにして高く詰むようなディスプレイをしたいと考えることがある。また、実際よりも多くの景品が山積みされているように見せかけるため、ディスプレイ空間である収納部を上げ底にするようなこともある。ところが、景品取得部の水平移動時の通過領域を確保しなければならないことから、景品を山積みにしたり上げ底にしたりするにも自ずと限界があり、このことが種々のニーズに対応しきれないことの要因となっている。
【0008】
また、その一方で、収納部内における景品の載置面を従前よりも下げたり、あるいは景品取得部を移動させるための天井装置を薄型化したりする等により、ディスプレイ空間である収納部をさらに大型化することが可能である。ところが、例えば景品の載置位置を従前より下げただけだと、景品取得部と景品との距離が開いて間延びしたように見えるばかりでなく、実際に景品取得部が昇降して景品を把持ないしは保持するための動作に時間を要してしまうことも懸念される。
【0009】
以上のような背景に着目しつつ、種々の構成やユーザのニーズに幅広く柔軟に対応することについて検討を重ねた本発明者は、かかる課題の解決に結び付く新たな知見を得るに至った。本発明はかかる知見に基づくものであり、外部操作に応答して所定空間内を移動する景品取得部と、景品取得部に開閉可能に取り付けられて取得対象たる景品を保持しあるいは保持した該景品を離す動作を行うアームと、を備え、景品を保持して取得する遊戯を実施可能な景品取得ゲーム装置において、ゲーム開始時および終了時における景品取得部のホームポジションである初期位置の高さを任意に設定するための初期位置高さ調整手段をさらに備えていることを特徴とするものである。
【0010】
このように、景品取得部の初期位置(ホームポジション)の高さを任意に設定できるようにした本発明にかかる景品取得ゲーム装置の場合、ユーザのニーズ等に応じて景品取得部の初期位置高さを適宜変更することが可能である。例えば、景品取得部の移動領域に達するくらいまで景品を山積みにしたとしても、これに合わせて景品取得部の初期位置を高く設定することができる。また、このことは景品取得部が取得対象としうる景品の設置深さ(設置スペース)が増えることを意味することでもあるから、取得対象たる景品の数を増やすことにもつながる。以上からすれば、景品を多く見せようなどとして所望量だけ上げ底にすることも可能になるから、ユーザ側にとってみても余裕(ゆとり)のあるサービス提供が可能になるという点でも好ましい。さらには、従前よりも大型ないしは長尺の景品を取り扱うことも可能となるから、景品の多様化、装置の多種化も促すといった利点もある。
【0011】
一方で、例えば収納部内における景品の載置面を下げた場合であれば、これに合わせて景品取得部の初期位置を低く設定することもできる。これによれば、景品の位置が下がったとしても景品取得部の初期位置と景品との距離が間延びするようなことがない。また、景品取得部が昇降するのに要する時間が長くなりすぎるようなこともない。
【0012】
また、初期位置高さ調整手段は、景品取得部の初期位置高さの設定内容を参照し、当該景品取得部の昇降速度の制御を行うものであることが好ましい。例えば山積みされた景品と景品取得部との距離が大きめに開いているような場合、景品取得部の下降時の動作速度を速めるといった制御を行うことにより、ゲームを間延びさせることなく円滑に進行させることが可能である。
【0013】
また、景品取得ゲーム装置は、景品取得部が当該景品取得部の昇降可能範囲内における上端に到達したことを検出する検出手段を備えており、初期位置高さ調整手段は、検出手段による検出結果に基づき景品取得部を当該上端位置から所定量だけ下降させて初期位置高さに位置させるものとなっている。例えば従前の景品取得ゲーム装置は、景品取得部が昇降可能な範囲の中で上端や下端に到達したことを検出するためのセンサ(検出手段)を備えているものがある。本発明によれば、これらのうち上端側の検出手段による検出結果を利用し、この検出結果に基づく上端位置から所定量だけ下降させることによって景品取得部を初期位置高さに位置させることができる。こうした場合、別個のセンサといった他の部品を要することなくソフトウエア上の処理にて景品取得部を初期位置高さに位置させることが可能であり、既存の構成をそのまま利用できるという点で好ましい。
【0014】
また、この場合、景品取得部の昇降可能範囲内における上端位置と設定された初期位置高さとの距離を所定下降量としてメモリしておき、上端位置から当該所定下降量だけ下降させて初期位置高さに位置させるようにしてもよい。これによれば、上述の場合と同様、既存の構成をそのまま利用して景品取得部の初期位置高さを調整することができる。しかも、初期位置高さが再設定されない限り所定下降量はメモリされたままだから、景品取得部の動作の度に初期位置に戻す場合にも再現性があり、高い位置決め精度を実現することが可能である。
【0015】
上述のように景品取得部を所定下降量だけ下降させる際のパラメータとしては、当該景品取得部の昇降に連動する回転数検出手段の回転数を用いることができる。この場合、所定下降量に対応する分のエンコーダの回転数をカウントしたところで景品取得部を初期位置高さに位置させることができる。
【0016】
また、景品取得部が昇降可能範囲内の上端に到達する度に当該景品取得部の位置校正を行うことも好ましい。ゲーム中、景品取得部は景品の近傍まで下降し、開閉動作を行い上昇してから水平移動し、ゲーム終了時には設定された初期位置に復帰するというように昇降動作を繰り返すため、場合によっては初期位置高さからの乖離(ずれ)が生じることも考えられる。この点、本発明のごとく景品取得部が上端に到達する度に位置校正を行うこととすれば、例えばゲームの度に基準となる位置を認識し直すことが可能であるから位置決め精度を向上ないしは保持することができる。
【0017】
また、本発明にかかる景品取得ゲーム装置は、景品取得ゲームの遊戯者が景品取得部を操作する際に用いる操作手段が設けられたコントロールパネルを備えているとともに、該コントロールパネルが当該ゲーム装置の基台に対して上下に調整可能に設けられたものとなっている。従前、コントロールパネルを例えば水平方向に移動できるような景品取得ゲーム装置は存在するが(例えば特開平11−156040号公報など参照)、これはゲーム中に遊戯者が視点を大きく移動させても操作を行えるようにすることを主眼としたものに過ぎず、遊戯者の背の高さにまで配慮したものではない。この点、コントロールパネルの高さ調整を可能にした本発明によれば、例えば子供など身長の低い遊戯者さらには車椅子の利用者などがゲームを楽しむ際に当該コントロールパネルを昇降させて操作を行いやすくすることができるという点で好ましい。
【0018】
また、この場合においては、コントロールパネルの上下位置が変わった際に初期位置高さを設定し直すことも好ましい。例えばコントロールパネルが下方位置にある場合にはこれに合わせて景品取得部の初期位置も低目に設定することとすれば、例えば子供などの遊戯者であっても景品取得部が見やすくなるから水平移動などの操作がより行いやすくなるという点で好ましい。つまりは、このようにコントロールパネルの上下調整に景品取得部の初期位置高さを連動させるという新しい構造により、子供などの遊戯者にも配慮した操作しやすい景品取得ゲーム装置を実現することが可能である。
【0019】
さらに、本発明においては、当該ゲーム装置の基台に収容可能であって遊戯者が乗ることができる踏み台を備えたものとしている。上述のようにコントロールパネルの上下位置の調整が可能であれば子供などの遊戯者であっても操作しやすく便宜であるが、本発明ではさらに必要に応じて基台内の踏み台を利用し、この上に乗った状態でゲームを行うことをも可能としている。これによれば、より見やすくより操作しやすい状態にてゲームを楽しむことが可能である。
【0020】
また、上述したのと同様の観点から、踏み台の収容状態と使用状態とが入れ替わった際に初期位置高さを設定し直すようにすることも好ましい。
【0021】
さらに、本発明にかかる景品取得ゲーム装置は、複数の景品を収容する景品収容部と、景品収容部内の景品を取得する景品取得部と、景品収容部内において、景品取得部が水平方向への移動を開始するまで停止して待機する水平移動開始位置から、景品取得部を水平方向へ移動させる移動駆動機構と、景品収容部内において、景品取得部が下方向への移動を開始するまで高さを維持する下方移動開始位置から、景品取得部を移動させ、下方向への移動終了後に景品取得部が上方向へ移動して停止する上方向移動停止位置まで、景品取得部を移動させる昇降駆動機構と、移動駆動機構及び昇降駆動機構により景品取得部を移動させる制御を行う制御手段と、下方移動開始位置を、景品取得部が移動する垂直方向に沿って異なる高さで複数箇所に設定可能に構成され、設定した下方移動開始位置に昇降駆動機構を作動させて景品取得部を配置させる制御情報を記憶した記憶手段と、遊戯者が景品取得部を移動させる操作を行う操作手段と、を備え、制御手段は、記憶手段に記憶された制御情報に基づいて、遊戯者の操作により景品取得部が水平方向への移動を開始する前に、設定した下方移動開始位置へ昇降駆動機構を作動させて景品取得部を移動させて配置し、操作手段からの操作信号に応答して、移動駆動機構を作動させて水平移動開始位置から水平方向に景品取得部を移動させた後、昇降駆動機構を作動させて設定後の下方移動開始位置から下方向へ景品取得部を移動させる制御を行うというものである。
【0022】
また、本発明にかかる景品取得ゲーム装置は、複数の景品を収容する景品収容部と、景品収容部内の景品を取得する景品取得部と、景品収容部内において、景品取得部が水平方向への移動を開始するまで停止して待機する水平移動開始位置から、景品取得部を水平方向へ移動させる移動駆動機構と、景品収容部内において、景品取得部が下方向への移動を開始するまで高さを維持する下方移動開始位置から、景品取得部を移動させ、下方向への移動終了後に景品取得部が上方向へ移動して停止する上方向移動停止位置まで、景品取得部を移動させる昇降駆動機構と、移動駆動機構及び昇降駆動機構により景品取得部を移動させる制御を行う制御手段と、景品取得部が移動する垂直方向に沿って異なる高さで複数箇所に変更可能に構成された下方移動開始位置のうちから、いずれかの箇所に下方移動開始位置を設定する設定入力手段と、遊戯者が景品取得部を移動させる操作を行う操作手段と、を備え、制御手段は、設定入力手段による設定情報に基づいて、遊戯者の操作により景品取得部が水平方向への移動を開始する前に、設定した下方移動開始位置へ昇降駆動機構を作動させて景品取得部を移動させて配置し、操作手段からの操作信号に応答して、移動駆動機構を作動させて水平移動開始位置から水平方向に景品取得部を移動させた後、昇降駆動機構を作動させて設定後の下方移動開始位置から下方向へ景品取得部を移動させる制御を行うというものである。
【0023】
さらにまた、本発明にかかる景品取得ゲーム装置は、複数の景品を収容する景品収容部と、景品収容部内の景品を取得する景品取得部と、景品収容部内において、景品取得部が水平方向への移動を開始するまで停止して待機する水平移動開始位置から、景品取得部を水平方向へ移動させる移動駆動機構と、景品収容部内において、景品取得部が下方向への移動を開始するまで高さを維持する下方移動開始位置から、景品取得部を移動させ、下方向への移動終了後に景品取得部が上方向へ移動して停止する上方向移動停止位置まで、景品取得部を移動させる昇降駆動機構と、移動駆動機構及び昇降駆動機構により景品取得部を移動させる制御を行う制御手段と、景品取得部が移動する垂直方向に沿って異なる高さで複数箇所に変更可能に構成された下方移動開始位置のうちから、いずれかの箇所に下方移動開始位置を設定する設定入力手段と、遊戯者が景品取得部を移動させる操作を行う操作手段と、を備え、制御手段は、設定入力手段による設定情報に基づいて、遊戯者の操作により景品取得部が水平方向への移動を開始する前に、設定した下方移動開始位置へ昇降駆動機構を作動させて景品取得部を移動させて配置し、操作手段からの操作信号に応答して、移動駆動機構を作動させて水平移動開始位置から水平方向に景品取得部を移動させた後、昇降駆動機構を作動させて設定後の下方移動開始位置から下方向へ景品取得部を移動させ、下方向への移動終了後に、景品取得部を上方向移動停止位置へ上昇させ、その後に移動駆動機構を作動させて、水平移動開始位置に景品取得部を移動させて戻した後、昇降駆動機構を作動させて、設定した下方移動開始位置へ景品取得部を再度移動させる制御を行うというものである。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、種々の構成をとった場合や、ユーザ側にてディスプレイを変更したいと考えた場合などに幅広く対応することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】景品取得ゲーム装置の外観構成を示す斜視図である。
【図2】移動駆動機構の構成を示す斜視図である。
【図3】景品取得部の構成を示す正面図である。
【図4】景品取得部の構成を示す正面図及び分解図である。
【図5】景品取得ゲーム装置の内部構成を示すブロック図である。
【図6】景品取得ゲーム実行処理手順を示すフローチャートである。
【図7】伸縮管などからなる支持部の構成例を示した斜視図である。
【図8】景品取得部などの構成例を示した斜視図である。
【図9】キャリアに搭載されたワイヤの巻取り巻戻し機構を示した斜視図である。
【図10】ワイヤの巻取の装置を示した正面図である。
【図11】ワイヤの巻取の装置を示した側面図である。
【図12】リミットスイッチ等の構成を示した縦断面図である。
【図13】リミットスイッチ等の構成を示した側面図である。
【図14】本実施形態における景品取得ゲーム装置の全体を示す正面図である。
【図15】景品取得部の初期位置高さに応じて当該景品取得部の昇降速度を制御する場合の処理例を示すフローチャートである。
【図16】ゲーム中における景品取得部の動作態様と位置校正を行うタイミングとの関係について示す動作図である。
【図17】ゲーム中における景品取得部の動作態様と位置校正を行うタイミングとの関係について他の例を示す動作図である。
【図18】ゲーム中における景品取得部の動作態様と位置校正を行うタイミングとの関係についてさらに他の例を示す動作図である。
【図19】左右におけるそれぞれのコントロールパネルの高さを独立に調整可能とした景品取得ゲーム装置の概略図である。
【図20】コントロールパネルの高さを一体的に調整可能とした景品取得ゲーム装置の概略図である。
【図21】コントロールパネルの高さ調整を行う際に個人認証を行う場合の処理例を示すフローチャートである。
【図22】踏み台を備えた景品取得ゲーム装置を部分的に示す図である。
【図23】図22に示した踏み台が左右に回転可能な様子を示す図である。
【図24】踏み台およびその回転中心である支点示す図である。
【図25】水平時の踏み台を示す概略図である。
【図26】プレイヤの脚が乗って傾いた踏み台を示す概略図である。
【図27】底付きセンサとして機能するリミットスイッチにより弛んだ状態のワイヤを検出するための構成の一例を示す図である。
【図28】景品収容部内に複数の段が設けられた景品取得ゲーム装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
【0027】
図1〜図28に本発明の一実施形態を示す。本発明にかかる景品取得ゲーム装置1は、外部操作に応答して所定空間内を移動する景品取得部5と、景品取得部5に開閉可能に取り付けられて取得対象たる景品Pを保持しあるいは保持した該景品Pを離す動作を行うアーム12と、を備え、景品Pを保持して取得する遊戯を実施可能にしているものである。また、本実施形態の景品取得ゲーム装置は、ゲーム開始時および終了時における景品取得部5のデフォルト位置である初期位置(ホームポジション)の高さを任意に設定するための初期位置高さ調整手段41をさらに備えている。
【0028】
以下では、まず本実施形態にかかる景品取得ゲーム装置1の全体的な構成について説明し、その後、景品取得ゲーム装置1の内部構成について説明する。さらにその後、景品取得部5の初期位置を調整するための構成、コントロールパネル14を上下させるための構成、踏み台60の構成について説明する。
【0029】
(1)景品取得ゲーム装置1の全体構成
図1において、符合1は全体として本実施の形態による景品取得ゲーム装置を示し、直方体形状の基台2の上に箱型の景品収容部3が設けられている。景品収容部3は、その内部に収容された景品Pをプレイヤ(遊戯者)が目視することができるように前面2A及び側面2B,2Cが透明な樹脂またはガラスの板状部材から形成されている。また背面2Dは、鏡面状の板状部材や装飾が施された板状部材により形成されている。そしてこの景品収容部3の前面2Aには、例えば引戸又は観音開き方式の扉2Eが設けられており、ユーザ(例えば店舗の店員)がこの扉2Eを開けてキャラクタ等のぬいぐるみや、雑貨などの景品Pを景品収容部3内に収容することができるようになされている。
【0030】
さらに景品収容部3の上側には、景品Pを保持するための景品取得部5と、この景品取得部5をプレイヤの操作に応じて景品収容部3内で水平方向に移動させるための移動駆動機構6(図2参照)と、景品取得部5を鉛直方向に移動させる(昇降させる)ための昇降駆動機構37と、を備えた景品取得用移動装置7が配設されている。
【0031】
移動駆動機構6は、図2に示すように、景品収容部3の内部上方に横方向(X方向)と平行に固定配置された一対の横行用固定レール8と、この横行用固定レール8にスライド自在に、かつ縦方向(Y方向)と平行に取り付けられた縦行用可動レール9と、この縦行用可動レール9にスライド自在に取り付けられた景品取得用基台10とを備えている。この景品取得用基台10には、上下方向(Z方向)と平行に取り付けられた伸縮自在の支持部11が設けられている。そして、この支持部11の下端部に景品取得部5が取り付けられている。
【0032】
この場合、移動駆動機構6の縦行用可動レール9は、X方向移動用モータ6X(図5)の回転出力に基づいて横行用固定レール8に沿って横方向(X方向)に移動させることができ、景品取得部用基台10は、Y方向移動用モータ6Y(図5)の回転出力基づいて縦行用可動レール9に沿って縦方向(Y方向)に移動させることができるようになされている。また支持部11は、Z方向移動用モータ6Z(図5)の回転出力に基づいて伸縮させ得るようになされている。これにより景品取得用移動装置7においては、移動駆動機構6のこれらX方向移動用モータ6X,Y方向移動用モータ6Y、さらには昇降駆動機構37を構成しているZ方向移動用モータ6Zを所望状態に作動することによって、景品取得部5を景品収容部3内の所望位置に移動させ得るようになされている。
【0033】
また景品取得部5においては、それぞれ先端部に爪13(図3)が取り付けられた開閉自在の2本のアーム12を有し、これらアーム12を開閉させることによって、景品Pを把持ないしは保持することができるようになされている。この場合、各アーム12は交換自在に景品取得部5に取り付けられると共に、各爪13は対応する交換自在にアーム12に取り付けられており、かくしてこれらアーム12及び爪13を交換することによってゲームの難易度を調整できるようになされている。
【0034】
一方、基台2には操作卓であるコントロールパネル14が設けられており、このコントロールパネル14に、ゲームを行う際にコインを投入するためのコイン投入口15と、ゲーム時にプレイヤが景品取得部5を横方向の所望位置に移動させる操作を入力するための第1の操作スイッチ16Aと、その後プレイヤが景品取得部5を縦方向の所望位置にまで移動させる操作を入力するための第2の操作スイッチ16Bとからなる操作部(操作手段)16が設けられている。なおこの操作部16は、ジョイステック等の他の操作手段により構成することも可能である。
【0035】
また基台2の前面側には、景品収容部3内の所定位置に設けられた景品投入ガイド17と連通する景品の取出口18が設けられており、後述のように景品取得部5により保持され、搬送されて景品投入ガイド17内に落とされた景品Pをこの取出口18から取り出し得るようになされている。
【0036】
さらに基台2の前面側には開閉扉19が設けられている。そしてこの開閉扉19を開けた内側には、この景品取得ゲーム装置に対して各種設定等を行うためのスイッチパネル56や液晶タッチパネル(図示せず)などの設定入力手段が収納されており、かくして管理者がこれらスイッチパネル56や液晶タッチパネルの表示内容を目視確認しながら、各種事項を所望状態に設定することができるようになされている。
【0037】
ここで図3及び図4は、景品取得部5の具体的構成を示すものである。図3からも明らかなように、景品取得部5は、動力源としてのモータ20と、このモータ20の回転出力に基づいてアーム12を開閉駆動するアーム開閉部材21と、アーム12により景品Pを把持する際の最大把持力を決定するばね部22とを有し、モータ20を含む一部分がカバー23に覆われている。各アーム12はそれぞれ基端部材24を介してブラケット25に傾動可能に、かつ着脱自在に取り付けられており、これらアーム12の開放端にそれぞれ爪13がねじ止めされている。
【0038】
また図4(A)に示すように、モータ20の出力軸の先端部にはピニオン26が取り付けられると共に、アーム開閉部材21の内面には、このピニオン26と噛み合うように、ばね部22と並行にラック27が固着されており、かくしてモータ20を正転駆動又は逆転駆動することによって、ラック27と一体にアーム開閉部材21を基端部材24に向かう方向又はこれと逆方向に移動させ得るようになされている。
【0039】
さらにばね部22は、図4(B)に示すように、コイルばね28と棒状のピン29とから構成されており、ピン29の一端29Aがアーム開閉部材21に設けられたばね受け部材21Aに取り付けられている。またピン29の他端29Bは、コイルばね28の中に挿入されており、その端部にコイルばね28の内側に引っ掛かることを防止するための渦巻き状のカール部が形成されている。さらにピン29のほぼ中央部にはコイルばね28の他端28Bから抜け落ちることを防止するための係止部29Cが形成されている。
【0040】
コイルばね28においては、その一端28Aがアーム12の基端部材24に取り付けられ、他端28Bにピン29が挿入されている。このコイルばね28のピン29が挿入される側の端部は径が小さくなっており、これによりピン29が抜け落ちることを防止し得るようになされている。
【0041】
このような構成により、アーム12の開動作時に基端部材24がアーム開閉部材21に押されてアーム12を開放させる方向に移動する際に、ピン29の係止部29Cがコイルばね28の他端28Bに到達するまで、コイルばね28を伸長させることなくピン29が開放方向に移動するので、コイルばね28が伸びて付勢力を発生することを防止できる。またラック27の移動によりアーム開閉部材21に設けられたばね受け部材21Aが移動して、コイルばね28を伸長させようとした際に、係止部29Cがコイルばね28の他端28Bに到達するまで、ピン29のみがアーム開閉部材21Aと共に移動することで、コイルばね28が伸びることを防止できる。
【0042】
なお、係止部29Cがコイルばね28の他端28Bに到達した状態では、ピン29の係止部29Cから他端29Bまでの部分がコイルばね28に挿入されているため、コイルばね28がたるむことを防止できる。
【0043】
ここで図5は、この景品取得ゲーム装置1の内部構成を示すものである。この図5からも明らかなように、この景品取得ゲーム装置1は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)からなるマイクロコンピュータ構成の制御部(制御手段)30と、例えば不揮発性メモリからなる記憶部(記憶手段)31と、ネットワークを介して外部機器と通信するためのインタフェースである通信部32と、現在時刻をカウントするタイマ33とを有している。なお、本明細書にて詳しい説明は省くが、図5中の符合55は、景品Pのタグに取り付けられたRFIDチップの記録内容(部品種別情報及び部品種類情報や景品識別コード)を読み取るためのRFIDリーダ、符合56は、景品取得ゲーム装置1に対して各種設定等を行うため開閉扉19を開けた内側に設けられているスイッチパネル(設定入力手段の一例)である。
【0044】
そして制御部30には、例えばゲーム中にプレイヤによりコントロールパネル14(図1)の第1又は第2の操作スイッチ16A,16Bが押圧されたときに、これに応じた操作信号S1がその第1又は第2の操作スイッチ16A,16Bから与えられる。また移動駆動機構6および昇降駆動機構37においては、景品取得部5の左右方向の位置を検出する左右位置検出手段、前後方向の位置を検出する前後位置検出手段及び上下方向の位置を検出する上下位置検出手段として、例えば景品取得部5のX方向、Y方向又はZ方向の移動限界位置にそれぞれリミットスイッチ34が設けられている。そしてこれらリミットスイッチ34は、それぞれ景品取得部5が対応するX方向、Y方向又はZ方向の移動限界位置にまで移動したときに、これに応じた移動限界検出信号S2を対制御部30に送出するようになされている。
【0045】
かくして制御部30は、これら操作信号S1及び移動限界検出信号S2に基づき、図6に示す景品取得ゲーム実行処理手順RT1に従って、プレイヤによる第1及び第2の操作スイッチ16A,16Bの操作に応答したゲーム動作を景品取得ゲーム装置1に実行させる。
【0046】
すなわち制御部30は、予め設定された1プレイ分の所定枚数のコインがコイン投入口15(図1)に投入されたことを認識すると、この景品取得ゲーム実行処理手順RT1をステップSP0において開始し、続くステップSP1において、コントロールパネル14(図1)の第1の操作ボタン16A(図1)が押圧されるのを待ち受ける。
【0047】
そして制御部30は、やがてプレイヤが第1の操作ボタン16Aを押圧したことを当該第1の操作ボタン16Aからの操作信号S1に基づいて認識すると、ステップSP2に進んで、移動駆動機構6(図2)のX方向移動用モータ6Xを作動させて、初期状態において景品投入ガイド17(図1)の真上のホームポジションに位置していた景品取得部5の横方向(X方向)への移動を開始させる。
【0048】
次いで制御部30は、ステップSP3に進んで、対応するリミットスイッチ34からの移動限界検出信号S2に基づいて、景品取得部5が横方向の移動限界位置にまで移動し終えたかを判断する。また制御部30は、続くステップSP4において、第1の操作ボタン16Aからの操作信号S1に基づいて、当該第1の操作ボタン16Aの押圧が解除されたか否かを判断する。そして制御部30は、これらステップSP3及びステップSP4において共に否定結果を得ると、ステップSP3に戻る。
【0049】
これに対して制御部30は、ステップSP3又はステップSP4のいずれかにおいて肯定結果を得ると、ステップSP5に進んで、移動駆動機構6のX方向移動用モータ6Xを停止させて景品取得部5の横方向(X方向)の移動を終了させ、この後ステップSP6に進んで、コントロールパネル14の第2の操作ボタン16B(図1)が押圧されるのを待ち受ける。
【0050】
そして制御部30は、やがて第2の操作ボタン16Bが押圧されたことを当該第2の操作ボタン16Bからの操作信号S1に基づいて認識すると、ステップSP7に進んで、移動駆動機構6のY方向移動用モータ6Yを作動させて景品取得部5の縦方向(Y方向)への移動を開始させる。
【0051】
この後制御部30は、ステップSP8に進んで、対応するリミットスイッチ34からの移動限界検出信号S2に基づいて、景品取得部5が縦方向の移動限界位置にまで移動し終えたかを判断する。また制御部30は、続くステップSP9において、第2の操作ボタン16Bからの操作信号S1に基づいて、当該第2の操作ボタン16Bの押圧が解除されたか否かを判断する。そして制御部30は、これらステップSP8及びステップSP9において共に否定結果を得ると、ステップSP8に戻る。
【0052】
そして制御部30は、やがてステップSP8又はステップSP9のいずれかにおいて肯定結果を得ると、ステップSP10に進んで、移動駆動機構6のY方向移動用モータ6Yを停止させて景品取得部5の縦方向(Y方向)への移動を終了させ、この後ステップSP11に進んで、景品取得部5のモータ20(図3)を作動させて当該景品取得部5のアーム12を開放させる。
【0053】
また制御部30は、この後ステップSP12に進んで、昇降駆動機構37のZ方向移動用モータ6Zを作動させて景品取得部5の下降を開始させ、さらにこの後ステップSP13に進んで、景品取得部5が下方向の移動限界位置にまで移動し終えるのを待ち受ける。
【0054】
そして制御部30は、やがてリミットスイッチ34からの移動限界検出信号S2に基づき、景品取得部5が下方向の移動限界位置にまで移動し終えたことを認識すると、ステップSP14に進んで、昇降駆動機構37のZ方向移動用モータ6Zを停止させて景品取得部5の下降を終了させ、この後ステップSP15に進んで、景品取得部5のモータ20を作動させることによりアーム12を閉じさせる。
【0055】
続いて制御部30は、ステップSP16に進んで、昇降駆動機構37のZ方向移動用モータ6Zを作動させて景品取得部5の上昇を開始させ、この後ステップSP17に進んで、景品取得部5が上方向の移動限界位置にまで移動し終えるのを待ち受ける。
【0056】
そして制御部30は、リミットスイッチ34からの移動限界検出信号S2に基づいて、景品取得部5が上方向の移動限界位置にまで移動し終えたことを確認すると、ステップSP18に進んで、昇降駆動機構37のZ方向移動用モータ6Zを停止させて景品取得部5の上昇を終了させ、この後ステップSP19に進んで、移動駆動機構6のX方向移動用モータ6X及びY方向移動用モータ6Yをそれぞれ作動させることにより、景品取得部5を景品投入ガイド17上の元のホームポジション位置にまで移動させる。
【0057】
さらに制御部30は、この後ステップSP20に進んで、景品取得部5のモータ20を作動させて当該景品取得部5のアーム12を開放させた後に再び閉じさせ(景品Pの解放動作)、この後ステップSP21に進んでこの景品取得ゲーム実行処理手順RT1を終了する。
【0058】
かくしてこの景品取得ゲーム装置1では、景品取得部5によって景品Pを掴むことができた場合には、その景品Pが景品取得部5のアーム12によって掴まれた状態で景品投入ガイド15上にまで運ばれ、この後景品取得部5による景品Pの解放動作にて景品投入ガイド17内に落下することから、プレイヤがこの景品Pを景品取出口18から取り出して取得することができる。
【0059】
(2)景品取得部5の初期位置を調整するための構成
続いて、以下では、景品取得部5の初期位置を調整するための構成について初期位置高さ調整手段41を中心に説明する(図5、図14等参照)。本実施形態の初期位置高さ調整手段41は、ゲーム開始時および終了時における景品取得部5のホームポジションである初期位置の高さを任意に設定することを可能とするものである。このような機能を実現するための初期位置設定手段41は、例えばユーザが指示を入力するための設定入力手段56、入力された指示データをメモリしておく記憶部31、記憶部31からデータを適宜読み出して参照して命令を送信する制御部30、当該命令を受けて所定の初期位置高さを実現するように動作する昇降駆動装置37によって構成されうる。
【0060】
まず、このように景品取得部5の初期位置(ホームポジション)の高さを任意に設定できるようにすることの利点を簡単に説明しておくと、ユーザのニーズ等に応じた設定が可能になるということがいえる。すなわち、例えば景品取得部5の移動領域に達するくらいまで景品Pを山積みにしようとした場合であれば、これに合わせて景品取得部5の初期位置を高く設定することが可能である。また、これによれば景品取得部5が取得対象としうる景品Pの設置深さ(ひいては設置スペース)を増やすことも可能であるから、同じ景品Pであっても設置できる数量を増やすことが可能になる。さらには、従前よりも大型ないしは長尺の景品Pを取り扱うことも可能となるから、景品Pの多様化、ゲーム自体の多種化を促すといった利点もある。また、例えば収納部3内における景品Pの載置面3aを下げた場合であれば、これに合わせて景品取得部5の初期位置を低く設定することもできる。こうした場合、景品Pの位置が下がったとしても景品取得部5の初期位置と景品Pとの距離が間延びするようなことがないし、景品取得部5が昇降するのに要する時間が長くなりすぎるようなこともない。
【0061】
このような初期位置高さ調整手段41において指示を入力するための手段は特に限定されることはなく、例示すれば例えばスイッチパネル56に設けられたディップスイッチやダイヤルなどを利用した設定入力手段を利用することができる。例えば複数のスイッチからなるディップスイッチの場合であれば、各スイッチを適宜切り替えることによりこれらスイッチの位置の組合せによって一義的に定まる初期位置高さを指示することができる。また、ダイヤルを使った場合であれば、当該ダイヤルの示すボリューム値に対応する初期位置高さを指示することができる。あるいはこれら以外の設定入力手段を用いることも当然に可能であり、例えばボタンやタッチパネルを利用したものであってもよい。ユーザ(例えばゲームセンターや店舗などのサービス提供側)は、このような設定入力手段を介して所望の初期位置高さを設定することができる。当該設定入力手段における設定値は制御部30に送信され、さらに記憶部31にメモリされる。なお、初期位置高さの情報(高さ設定に基づく昇降駆動機構37を駆動させる制御信号等)はネットワーク経由のようにデータとしてメモリされる場合もある。例示すれば、上述したようなスイッチパネル56等の設定入力手段を介さずとも、通信部32を介してインターネットを利用し、他のPCなどによる遠隔操作で高さ設定をするような入力操作を実施しうる。制御部30は、メモリされた設定内容(設定入力情報)を適宜読み出して参照し、例えば後述のように景品取得部5の昇降速度を調節する場合などにおいて所定の制御を行う。
【0062】
初期位置高さ調整手段41においては、制御部30からの指示信号に基づき景品取得部5の初期位置高さを調整する。例えば本実施形態においては、リミットスイッチ34を用いた検出手段により景品取得部5が昇降可能範囲内における上端位置にあることを検出し、当該上端位置を基準として制御部30や記憶部31の機能により景品取得部5を初期位置高さに位置させるものとなっている(図5等参照)。
【0063】
このように、本実施形態における検出手段(センサ)は、景品取得部5が当該景品取得部5の昇降可能範囲内における上端あるいは下端に到達したことを検出可能なものであり、具体的には上述したように景品取得部5がZ方向の昇降可能範囲内における移動限界位置にまで到達したときに移動限界検出信号S2を送出するリミットスイッチ34である。上述したように、景品取得部5を支持するため景品取得用基台10の鉛直方向(Z方向)下側に取り付けられている支持部11は伸縮自在であり、所定のストローク範囲で景品取得部5を昇降させる。この支持部11は例えば径の異なる複数本のパイプが組み合わされた振出し構造であり、各パイプの長さや本数で定まるストローク長の範囲で伸縮することができる。また、このパイプの内部を通るワイヤの一端が景品取得部5に接続されており、例えば景品取得用基台10の内部に配置されているZ方向移動用モータ6Zにてこのワイヤを巻き取りまたは送り出すことによって支持部11を伸縮させ、景品取得部5を昇降させることができるようになっている。
【0064】
ここで、景品取得部5を支持しつつ昇降させるための支持部11等の構成について一具体例を挙げて説明する(図7〜図13参照)。
【0065】
支持部11は、複数個のパイプを入子式に嵌合させてなる伸縮管として構成されている。この伸縮管は、順次小径となる4本のパイプ11a,11b,11c,11dを入子式に摺動自在に嵌合させたものである(図7参照)。最下位のパイプ11dの下端には、カプラ35のボス35aが嵌入固定されている。このカプラ35の先には、ブラケット36を介して景品取得部5が連結されている(図8参照)。なお、ここで例示しているパイプは支持部11の構成例の一つにすぎない。もちろん、伸縮管の構成部材が外観上円筒形のものに限定されることもない。
【0066】
また、景品取得部5を上下に昇降させるための昇降駆動機構37は、キャリア38に搭載された巻取り巻戻し装置39と、この巻取り巻戻し装置39によって巻き取られるワイヤ40とからなり、ワイヤ40は、支持部11の内側を通過するようになっている(図9参照)。すなわち、巻取り巻戻し装置39は、Z方向移動用モータ(ワイヤモータ)6Zと、ウオーム42と、ウオームギヤ43と、ワイヤリール44と、ガイドリール45とから構成されている。このガイドリール45は、支軸46を中心として揺動可能な揺動アーム47の自由端に支持されており、揺動アーム47は、ばね48によって図上時計方向に付勢されている(図10、図11参照)。ワイヤ40は、ワイヤリール44から繰り出され、ガイドリール45の周囲を巻いた後、支持部11の内側に導入され、パイプ11dの出口端のところでパイプ内を上下動可能な円柱状のコネクタ49に結合されている。このコネクタ49は、中心に受け孔49aを有し、この受け孔49aの中にスイッチ作動子51を下端に固着した心棒52の上端が結合されている。スイッチ作動子51の上には心棒52を取り囲むようにコイルスプリング53が装着されている(図12、図13参照)。上記スイッチ作動子51が上下に動く範囲内にはワイヤ40の下降を制限するリミットスイッチ34がセットされている。本実施形態では、リミットスイッチ34はブラケット36の中央部に取り付けられている。このリミットスイッチ34はZ方向移動用モータ(ワイヤモータ)6Zを駆動する電気回路内に組み込まれた常閉スイッチである。なお、図中符号54はモータ20に給電するケーブルである。
【0067】
本実施形態における昇降駆動機構37はこのように構成されているから、所望の景品Pの直上に景品取得部5を位置させた後、Z方向移動用モータ(ワイヤモータ)6Zを駆動し、ワイヤリール44上にワイヤ40を繰り出すと、支持部11が下方に向かって伸び、景品取得部5が景品Pに向かって接近する。そして、景品取得部5の爪13の先端が景品Pに当接すると、その時点で景品取得部5の下降が停止するが、景品取得部5は支持部11に取り付けられているので、景品Pに当接しても傾くことがない。一方、景品取得部5が景品Pに当接した時点においては、巻取り巻戻し装置39が作動しているので、ワイヤ40は支持部11内にさらに繰り出される。すると、景品取得部5が景品Pに当接したことにより景品取得部5の重量が負荷されなくなったばね53は、伸張してスイッチ作動子51を付勢するので、スイッチ作動子51は図12中にて下方側に向かって変位させられ、リミットスイッチ34を作動させる。これによりZ方向移動用モータ(ワイヤモータ)6Zの回転が停止させられ、ワイヤ40の繰り出しが停止する。
【0068】
換言すれば、上述のリミットスイッチ34はいわば底付きセンサとして機能するものである。本実施形態の景品取得ゲーム装置1の場合、Z方向移動用モータ6Zがワイヤ40を順次送り出せば、景品取得部5は当該ワイヤ40の送り出し量に応じた分だけ下降する。このようにして下降した景品取得部5が例えば景品Pに当たりその上に載った状態となった場合、あるいは収納部3内における景品Pの載置面3aに突き当たった場合、そこでいったん下降は止まるが、Z方向移動用モータ6Zが引き続きワイヤ40を送り出すため一時的に当該ワイヤの張力がなくなり弛んだ状態となる。このことを検出可能な底付きセンサ(リミットスイッチ34)によれば、このように景品取得部5が下側の限界位置まで下降したことを把握することが可能である。なお、上述の説明から明らかなとおり、本明細書でいう景品取得部5の下端位置とは収納部3の載置面3aあるいはその上に積まれている景品Pに突き当たって下降動作が止まる底付き位置のことであり、景品Pの形状や配置、山積みの状態などに応じてその高さは毎回変わりうるものである。
【0069】
ここで、上述のような底付きセンサとして機能するリミットスイッチ34により弛んだ状態のワイヤ40を検出するための構成例を簡単に説明すると以下のとおりである(図27参照)。すなわち、図中に示したガイドリール45は一定距離をストローク可能であって図示しない付勢手段によって一方向(図27中の上方向)に付勢されているものであり、景品取得部5が底付き状態となってワイヤ40の張力が弱まると上方に移動し、当該ワイヤ40の経路を上方に変化させるように設けられている。底付きセンサとしてのリミットスイッチ34は、このようなワイヤ40の動きを直接、あるいは図示しない作動子を介して間接的に検出することにより、景品取得部5が底付き状態となったことを検出可能である。なお、図27においては長孔62に沿って一定距離を移動可能なスライダ63が設けてあり、このスライダ63の動きに応じてリミットスイッチ34の相対位置を変えることにより、当該リミットスイッチ34による底付き検出のタイミングを変化させることが可能となっている。
【0070】
また、本実施形態の景品取得ゲーム装置1においては、上述したような底付きセンサを以下のような構成で具体化している(図10参照)。すなわち、揺動アーム47を支軸46に取り付け一定範囲を揺動可能とし、さらにばね48によってこの揺動アーム47を上方向へと付勢する。揺動アーム47の先端にはガイドリール45を回転可能な状態で取り付けておく。さらに、揺動アーム47が下方に移動すると当該アームが作動子として機能してスイッチが入りオン状態になる一方、揺動アーム47上方に移動して離れるとスイッチが切れてオフ状態になるようにリミットスイッチ34を配置しておく(図10参照)。この場合、ワイヤ40に張力が作用している間はガイドリール45および揺動アーム47が下方位置にあるからリミットスイッチ34はオン状態にあるが、景品取得部5が底付き状態となってワイヤ40の張力が弱まるとばね48の付勢力によってガイドリール45が揺動して上方に移動するから(図10参照)、このときリミットスイッチ34はオフ状態へと切り替わることによって景品取得部5が底付き状態となったことを検出することができる。
【0071】
さらに、景品取得用基台10の内部には、図示しない別の作動子と上付きセンサ(別のリミットスイッチ34のことであり、図27参照)とが設けられている。作動子は、支持部11が最短になった状態(景品取得部5が上端位置に到達した状態)のとき例えばパイプ11dの上端面が接触する位置に設けられているもので、このように景品取得部5が上側移動限界に到達したときのみ押し上げられるようになっている。上付きセンサ(リミットスイッチ34)は、作動子が押し上げられているかどうかを検出する例えば光センサで構成されているものである。したがって、景品取得部5が上昇して上端位置に到達したことは作動子の動きを上付きセンサ(リミットスイッチ34)が検出することによって把握することが可能となっている。
【0072】
上述した初期位置高さ調整手段41は、上述のように上付きセンサ(リミットスイッチ34)によって検出される上端位置を基準に、景品取得部5を所定量だけ下降させることによって初期位置高さに位置させる。より具体的に説明すると、上述したようなディップスイッチなどの設定入力手段からの指示内容に基づき、制御部30がZ方向移動用モータ(ワイヤモータ)6Zに対して命令信号を送る。ここで、景品取得部5が上端位置に到達したことを上付きセンサ(リミットスイッチ34)が検出すると、当該位置から所定量だけ下降させ、初期位置(ホームポジション)にて景品取得部5を停止させ待機状態とする。
【0073】
ここで、上端位置から下降させる際の所定量の算出方法は種々あるが、例えば、当該景品取得部5の昇降に連動する回転数検出手段(例えばエンコーダ)の回転数をパラメータとして用いる方法を採用することができる。こうした場合、所定下降量に対応する分のエンコーダの回転数をカウントしたところで景品取得部5を初期位置高さ(ホームポジション)に位置させることができる。あるいは、このようなエンコーダ等の新たな装置を付加せずに行うということであればソフトウエア上の処理にて所定量を算出してもよい。例示すれば、上端位置から景品取得部5を下降させる際のZ方向移動用モータ6Zの動作時間をカウントし、当該動作時間をパラメータとしてワイヤ40の送り出し量が所定量となるところで動作を停止させるといった処理を実施することが可能であり、これによれば既存の景品取得ゲーム装置1に対しても新たな装置を付加することなく適用可能である。
【0074】
以上によれば景品取得部5の初期位置高さ(ホームポジションの高さ)をユーザが適宜設定可能であるが、これに加えて、当該初期位置高さに応じて景品取得部5の昇降速度を制御することも好ましい。例えば本実施形態では、上述した初期位置高さ調整手段41における初期位置高さの設定内容(例えば上述したディップスイッチやダイヤルなどを利用した設定入力手段を利用して入力され、記憶部31にメモリされた設定内容)を制御部30によって読み出して参照し、当該初期位置高さが高い位置に設定されていればその分だけ景品取得部5の下降時の動作速度(下降速度)を速めるという制御を行うようにしている。この場合、初期位置が高ければ下降速度が速く、低ければ遅いといった関係を表した初期位置高さと下降速度との対応テーブルをあらかじめ記憶部31にメモリしておき、昇降速度を制御する場合にこのテーブルを参照して速度を決定することとしている。また、このような制御の手順を、当該手順における処理のみを示したフローチャートを用いて簡単に説明すれば以下のとおりである(図15参照)。すなわち、例えばコインが投入されたことをトリガーとして(ステップSP31)、景品取得部5の初期位置(ホームポジション)の高さの設定値を確認する(ステップSP32)。その後、上述のテーブルを参照して当該設定値に対応する下降速度を設定し(ステップSP33)、ゲームを開始する(ステップSP34)。以上のように初期位置高さに応じて景品取得部5の動作速度を適宜変えることとすれば、ゲームを間延びさせることなく円滑に進行させうるという点で好ましい。また、これによってゲームの回転率、さらにはゲームの難易度をも調整が可能になる点も好ましい。なお、ここでは主として景品取得部5の下降速度を制御する場合について述べたが、上昇速度を制御する場合についても同様である。
【0075】
また、景品取得部5が昇降可能範囲内の上端位置に到達する度に当該景品取得部5の位置校正(キャリブレーション)を行うことも好ましい。ゲーム中、景品取得部5は景品Pの近傍まで下降し、開閉動作を行い上昇してから水平移動し、ゲーム終了時には設定された初期位置に復帰するというように昇降動作を繰り返すため、場合によっては初期位置高さからの乖離(ずれ)が生じることがある。特に、Z方向移動用モータ6Zの動作時間をパラメータとして景品取得部5の位置決めを行う場合にはエンコーダの回転数をパラメータとして用いる場合よりも誤差が生じる可能性があるので位置校正を適宜行うことが好ましい。例えば本実施形態においては、景品取得部5が上端に到達する度に制御部30において位置校正を行う(基準位置の再読込ないしは再認識を行う)こととしている。これによれば、景品取得部5の位置決め精度を向上ないしは保持することが可能である。
【0076】
また、ゲーム中における景品取得部5の動作態様とこのような位置校正を行うタイミングとの関係について例示すれば以下のとおりである(図16〜図18参照)。なお、図中における矢印に書き添えた括弧付きの数字はゲーム中における景品取得部5の動作順である。
【0077】
まず、図16に例示する景品取得部5の動作態様は、(1)水平移動開始位置(景品取得部5が水平方向への移動を開始するまで停止して待機している位置のことをいい、この場合はホームポジションに一致)からユーザの操作に応じた量だけ水平移動し、(2)下方移動開始位置(景品取得部5が下方向への移動を開始するまで高さを維持する位置のことをいう)にて下降して開閉動作を行い、(3)上方向移動停止位置(下方向への移動終了後に景品取得部5が上方向へ移動して停止する位置のことをいう)まで上昇し、(4)水平移動して初期位置(ホームポジション)に戻り開閉動作をもう一度行い、(5)昇降可能範囲内における上端位置まで上昇し、(6)下降して初期位置に戻るというものである。この場合における位置校正は、上記(5)の動作により上端位置に到達したときに景品Pを保持していない状態で行うことができる。
【0078】
図17に例示する景品取得部5の動作態様は、(1)水平移動開始位置からユーザの操作に応じた量だけ水平移動し、(2)下方移動開始位置にて下降して開閉動作を行い、(3)上方向移動停止位置まで上昇し、(4)水平移動開始位置と同じ高さまで下降し、(4)水平移動して初期位置(この場合、水平移動開始位置)に戻り開閉動作をもう一度行うというものである。この場合における位置校正は、上記(3)の動作により上方向移動停止位置に到達したときに景品Pを保持している可能性がある状態で行うことができる。
【0079】
図18に例示する景品取得部5の動作態様は、(1)水平移動開始位置からユーザの操作に応じた量だけ水平移動し、(2)下方移動開始位置にて下降して開閉動作を行い、(3)上方向移動停止位置まで上昇し、(4)水平移動開始位置と同じ高さまで下降しながら移動して初期位置(この場合、水平移動開始位置)に戻り開閉動作をもう一度行うというものである。この場合における位置校正も、上記(3)の動作により上方向移動停止位置に到達したときに景品Pを保持している可能性がある状態で行うことができる。
【0080】
なお、上述したのは位置校正の態様を例示したものに過ぎない。例えば、図16〜図18の例ではいずれもゲームが行われる毎に位置校正を行うというものだが、これ以外としては、景品取得ゲーム装置1の電源をオンにする毎に位置校正を行うといった態様も可能である。
【0081】
以上、ここまで説明したように、本実施形態の景品取得ゲーム装置1においては初期位置高さ調整手段41を用いて景品取得部5の初期位置(ホームポジション)の高さをユーザが任意に設定することが可能となっている。このため、ユーザ側にて景品Pのディスプレイを変更したような場合に当該ディスプレイの内容(景品Pの個数、積み方、載置面3aの底上げなど)に幅広くかつ柔軟に対応した初期位置高さに変更することが可能である。
【0082】
また、本実施形態の初期位置高さ調整手段41は、上付きセンサ(リミットスイッチ34)による検出結果を利用し、この検出結果に基づく上端位置から所定量だけ下降させることによって景品取得部5を初期位置高さに位置させるものとなっている。この上付きセンサ(リミットスイッチ34)は従前の装置においても採用されている場合があるから、この場合には別個のセンサといった他の部品を要することなくソフトウエア上の処理にて景品取得部5を初期位置高さに位置させることが可能であり、既存の構成をそのまま利用できるという点で好ましい。
【0083】
(3)コントロールパネル14を上下させるための構成
続いて、コントロールパネル14の高さ調整に関して説明する(図19等参照)。
【0084】
上述したように、景品取得ゲーム装置1に設けられているコントロールパネル14は、プレイヤが景品取得部5を操作する際に用いる操作スイッチ(第1および第2の操作ボタン16A,16B)が設けられているものである(図1等参照)。本実施形態の場合には、該コントロールパネル14が当該ゲーム装置の基台2に対して上下に調整可能に設けられたものとなっている。従前、コントロールパネルを例えば水平方向に移動できるような景品取得ゲーム装置は存在するが(例えば特開平11−156040号公報など参照)、これはゲーム中にプレイヤが視点を大きく移動させても操作を行えるようにすることを主眼としたものに過ぎず、プレイヤの背の高さにまで配慮したものではない。この点、コントロールパネル14の高さ調整を可能にした本実施形態の景品取得ゲーム装置1によれば、例えば子供など身長の低いプレイヤさらには車椅子の利用者などがゲームを楽しむ際に当該コントロールパネル14を昇降させて操作を行いやすくすることが可能である(図19、図20参照)。あるいは、複数設置された景品取得ゲーム装置1のうち、低年齢層を対象とする装置においてのみユーザがあらかじめコントロールパネル14を低く設定しておくといった利用方法もあるし、プレイヤ自身が高さを設定できるようにしてもよい。
【0085】
また、上述の場合においては、コントロールパネル14の上下位置が変わった際に景品取得部5の初期位置高さを設定し直すことも好ましい。例えばコントロールパネル14が下方位置にある場合にはこれに合わせて景品取得部5の初期位置も低目に設定することとすれば、子供などのプレイヤであっても景品取得部5の動きがより見やすくなるから水平移動などの操作が行いやすくなるという点で好ましい。つまりは、このようにコントロールパネル14の上下調整に景品取得部5の初期位置高さを連動させるという新しい構造により、子供などのプレイヤにも配慮した操作しやすい景品取得ゲーム装置1を実現することが可能である。
【0086】
また、このようにコントロールパネル14の高さに景品取得部5の初期位置高さを連動させる場合、当該コントロールパネル14の高さがどの位置に取り付けられているかを検出する検出手段(センサ)を設けておき、その検出信号に基づいて制御部30が記憶部31のデータテーブルを参照し、コントロールパネル14の高さに対応する景品取得部5の高さ初期位置を決定し、昇降駆動機構37を駆動させて景品取得部5を決定した設定初期位置に移動させるようにしてもよい。
【0087】
さらに、コントロールパネル14の高さに景品取得部5の初期位置高さを連動させる場合においては、例えば個人認証を行うこともできる(図21参照)。例示すれば、個人認証の確認をした場合(ステップSP41にてYES)、当該コントロールパネル14の高さ調整動作を実施する(ステップSP42)。調整動作が終了し(ステップSP43)、コインが投入されたら(ステップSP44)、ボタンを点灯させ(ステップSP45)、一連の処理を終了する。また、個人認証を確認しなかった場合には(ステップSP41にてNO),コントロールパネル14の高さ調整を実施せずにコインが投入されるまで待機する。この場合に行う個人認証としては、例えば赤外線を利用してプレイヤの大凡の身長を計測するもの、プレイヤが所有している個人カードを使ってデータを読み出すもの、など種々のものが考えられる。また、後述する踏み台60の使用状況を個人認証の参照とし、コントロールパネル14の高さ調整を行うこととしてもよい。
【0088】
なお、本明細書では特に詳しい説明はしていないが、コントロールパネル14の高さを調整可能とするための装置は公知のガイドローラや駆動モータなどを利用して構成することができる。あるいは、ユーザが手動にて上下できる構成とするならば駆動モータの代わりに高さを固定するためのストッパなどを利用して構成することができる。
【0089】
また、コントロールパネル14を上下させるにあたっては、当該景品取得ゲーム装置1におけるコントロールパネル14の全体を一体的に上下させることとしてもよいが(図20参照)、装置の左右におけるそれぞれのコントロールパネル14(例えば第1のプレイヤと第2のプレイヤとが同時に遊戯できるようにしたもの)を独立に調整可能とすることも好ましい(図19参照)。
【0090】
(4)踏み台60の構成
さらに本実施形態の景品取得ゲーム装置1においては、当該装置の基台2に収容可能であってプレイヤが乗ることができる踏み台60を備えている(図22〜図26参照)。上述のようにコントロールパネル14の上下位置の調整が可能であれば子供などのプレイヤであっても操作しやすく便宜であるが、本実施形態ではさらに必要に応じて基台2内の踏み台60を利用し、この上に乗った状態でゲームを行うことをも可能としている。これによれば、より見やすくより操作しやすい状態にてゲームを楽しむことが可能である。
【0091】
また、本実施形態では、この踏み台60を支点61を中心として左右に回転可能な構成としている(図24等参照)。例えば単なる台を置いただけではプレイヤなどが躓いて転んでしまい営業上の問題が生じうるが、このように支点61を中心として回転可能であり尚かつ基台2の下部に収容可能な踏み台60を備えた本実施形態の景品取得ゲーム装置1の場合には、仮にプレイヤの脚がぶつかった場合にも左右いずれかに回転して逃げる動きができるため、プレイヤなどが躓くのを極力避けることが可能である。例えば、当該踏み台60のエッジに衝撃を緩和するクッションなどを設けておくことも好ましい。
【0092】
また、本実施形態においてはこの踏み台60を通常は水平であるがプレイヤが脚を乗せると所定量だけ傾いて回転し難くなる構成としている(図25、図26参照)。これによれば当該踏み台60の使用時には不意に回転するようなおそれがなく、踏み台60としての機能を十分に発揮することが可能である。
【0093】
さらには、この踏み台60が基台2から出て使用状態になっていることを検出する光センサなどの検出手段を併設しておくことも好ましい。踏み台60が使用状態であれば、上述したコントロールパネル(駆動モータで昇降するように構成されているもの)14の位置が低くなるように自動調整したり、あるいは上述した景品取得部5の初期位置高さが低くなるように連動させて見やすくしたりするなど、ユーザに配慮した構造を実現することが可能である。
【0094】
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば本実施形態においては景品収容部3における載置面3aが原則として水平な一面である場合を前提として説明したが、例えば図28に示すように複数の段3b,3cを有した階段状の景品収容部3を構成した場合にも本発明を適用して好適である。すなわち、このように複数の段3b,3cなどを設ければその分だけ景品収容部3内の高さに余裕が必要となるが、上述のように景品取得部5の初期位置高さを任意に設定できる本発明の景品取得ゲーム装置1によればこのような構造にも柔軟に対応することが可能である。こうした場合、いわば空間を利用した運営が可能となり、遊ばせ方、見せ方の幅が広がるという利点がある。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明は、特にクレーン機型の景品取得ゲーム装置1に適用して好適なものである。
【符号の説明】
【0096】
1…景品取得ゲーム装置、2…基台、2A…前面、2B…側面、2C…側面、2D…背面、2E…扉、3…景品収容部、3a…載置面、5…景品取得部、6…移動駆動機構、6X…X方向移動用モータ、6Y…Y方向移動用モータ、6Z…Z方向移動用モータ、7…景品取得用移動装置、8…横行用固定レール、9…縦行用可動レール、10…景品取得用基台、11…支持部、12…アーム、13…爪、14…コントロールパネル、15…コイン投入口、16…操作部(操作手段)、16A…第1の操作スイッチ、16B…第2の操作スイッチ、17…景品投入ガイド、18…取出口、19…開閉扉、20…モータ、21…アーム開閉部材、21A…ばね受け部材、22…ばね部、23…カバー、24…基端部材、25…ブラケット、26…ピニオン、27…ラック、28…コイルばね、28A…コイルばねの一端、28B…コイルばねの他端、29…ピン、29A…ピンの一端、29B…ピンの他端、29C…ピンの係止部、30…制御部(制御手段)、31…記憶部(記憶手段)、32…通信部、33…タイマ、34…リミットスイッチ(検出手段)、35…カプラ、36…ブラケット、37…昇降駆動機構、38…キャリア、39…巻取り巻戻し装置、40…ワイヤ、41…初期位置高さ調整手段、42…ウオーム、43…ウオームギヤ、44…ワイヤリール、45…ガイドリール、46…支軸、47…揺動アーム、48…ばね、49…コネクタ、49a…受け孔、51…スイッチ作動子、52…心棒、53…コイルスプリング、54…ケーブル、55…RFICリーダ、56…スイッチパネル(設定入力手段)、60…踏み台、61…支点、62…長孔、63…スライダ、64…検出タイミング遅延手段、P…景品。
【技術分野】
【0001】
本発明は景品取得ゲーム装置に関する。さらに詳述すると、本発明は、開閉する例えば一対のアームによって景品を取得する遊戯のためのゲーム装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
筐体の内部に収納された景品(例えばぬいぐるみ等)の取得を目的とするクレーンゲーム機のような景品取得ゲーム装置は、その操作に面白味があるとともに、景品に人気のあるキャラクタ等を用いることでプレイヤ(遊戯者)の挑戦意欲をそそるため、ゲームセンターはもちろんのこと、一般の店舗やショッピングモール等にも多く設置されている。従来、このような景品取得ゲーム装置として様々なものが提案され、商品化されている
【0003】
上述のような景品取得ゲーム装置としては、例えばUFOのような形をした景品取得部(把持部)に爪付きの一対の開閉アームを設けたものが多く利用されている。この場合、景品取得部はプレイヤの操作に応答して筐体内をまず水平に移動し、その後、当該位置の真下にてアームを開閉する動作をし、さらにホームポジション(景品受取口の真上)に戻った後、Z方向(鉛直方向)移動モータの駆動に応じて下降し、再びアームを開閉する動作をして保持した景品を落下させる(例えば特許文献1参照)。このような一連の動作中、例えばアーム先端の爪を利用して景品を保持して持ち上げ、景品受取口の真上まで落とさずに運ぶことができれば当該景品を手に入れることができる。
【0004】
このような景品取得ゲーム装置の場合、ゲームが行われている以外のとき、景品取得部は例えば景品投入ガイド等からなる景品受取口の真上等の初期位置(ホームポジション)にて待機した状態となっている。また、ゲーム開始後に当該景品取得部が筐体内を水平移動するときは、初期位置と同じ高さのままで移動する場合が一般に多い。このようにしてプレイヤに指示された位置まで水平移動した景品取得部は、その位置で下降し、目的とする景品の間近にて開閉動作を行った後で上昇し、景品投入ガイドの真上まで移動してから再度開閉動作をし、その後、ホームポジションである初期位置に復帰するようになっている。
【特許文献1】特開平11−239669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、景品取得部が上述した構成となっている従来の一般的な景品取得ゲーム装置においては、あらかじめ設定された面内を水平移動するといういわば画一的な動作しかできないため、種々の構成のゲーム装置、あるいはユーザ側の細かなニーズに必ずしも対応しきれない場合があった。このため、ユーザ側からすればディスプレイ(例えば景品の積み上げ方)を変更したいと考えた場合にも画一的な動作を妨げることのない限られた範囲内にて行うしかなかった。
【0006】
そこで、本発明は、種々の構成をとった場合や、ユーザ側にてディスプレイを変更したいと考えた場合などに幅広く対応することが可能な景品取得ゲーム装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するべく本発明者は種々の検討を行った。まず、上述したように種々の構成をとった場合やユーザ側にてディスプレイを変更したいと考えた場合などに限られた範囲でしか対応できないことの背景としては以下のようなことがある。すなわち、ユーザ(例えばゲームセンターや店舗などのサービス提供側)としては、例えば客(プレイヤ)の目を引くために景品を山積みにして高く詰むようなディスプレイをしたいと考えることがある。また、実際よりも多くの景品が山積みされているように見せかけるため、ディスプレイ空間である収納部を上げ底にするようなこともある。ところが、景品取得部の水平移動時の通過領域を確保しなければならないことから、景品を山積みにしたり上げ底にしたりするにも自ずと限界があり、このことが種々のニーズに対応しきれないことの要因となっている。
【0008】
また、その一方で、収納部内における景品の載置面を従前よりも下げたり、あるいは景品取得部を移動させるための天井装置を薄型化したりする等により、ディスプレイ空間である収納部をさらに大型化することが可能である。ところが、例えば景品の載置位置を従前より下げただけだと、景品取得部と景品との距離が開いて間延びしたように見えるばかりでなく、実際に景品取得部が昇降して景品を把持ないしは保持するための動作に時間を要してしまうことも懸念される。
【0009】
以上のような背景に着目しつつ、種々の構成やユーザのニーズに幅広く柔軟に対応することについて検討を重ねた本発明者は、かかる課題の解決に結び付く新たな知見を得るに至った。本発明はかかる知見に基づくものであり、外部操作に応答して所定空間内を移動する景品取得部と、景品取得部に開閉可能に取り付けられて取得対象たる景品を保持しあるいは保持した該景品を離す動作を行うアームと、を備え、景品を保持して取得する遊戯を実施可能な景品取得ゲーム装置において、ゲーム開始時および終了時における景品取得部のホームポジションである初期位置の高さを任意に設定するための初期位置高さ調整手段をさらに備えていることを特徴とするものである。
【0010】
このように、景品取得部の初期位置(ホームポジション)の高さを任意に設定できるようにした本発明にかかる景品取得ゲーム装置の場合、ユーザのニーズ等に応じて景品取得部の初期位置高さを適宜変更することが可能である。例えば、景品取得部の移動領域に達するくらいまで景品を山積みにしたとしても、これに合わせて景品取得部の初期位置を高く設定することができる。また、このことは景品取得部が取得対象としうる景品の設置深さ(設置スペース)が増えることを意味することでもあるから、取得対象たる景品の数を増やすことにもつながる。以上からすれば、景品を多く見せようなどとして所望量だけ上げ底にすることも可能になるから、ユーザ側にとってみても余裕(ゆとり)のあるサービス提供が可能になるという点でも好ましい。さらには、従前よりも大型ないしは長尺の景品を取り扱うことも可能となるから、景品の多様化、装置の多種化も促すといった利点もある。
【0011】
一方で、例えば収納部内における景品の載置面を下げた場合であれば、これに合わせて景品取得部の初期位置を低く設定することもできる。これによれば、景品の位置が下がったとしても景品取得部の初期位置と景品との距離が間延びするようなことがない。また、景品取得部が昇降するのに要する時間が長くなりすぎるようなこともない。
【0012】
また、初期位置高さ調整手段は、景品取得部の初期位置高さの設定内容を参照し、当該景品取得部の昇降速度の制御を行うものであることが好ましい。例えば山積みされた景品と景品取得部との距離が大きめに開いているような場合、景品取得部の下降時の動作速度を速めるといった制御を行うことにより、ゲームを間延びさせることなく円滑に進行させることが可能である。
【0013】
また、景品取得ゲーム装置は、景品取得部が当該景品取得部の昇降可能範囲内における上端に到達したことを検出する検出手段を備えており、初期位置高さ調整手段は、検出手段による検出結果に基づき景品取得部を当該上端位置から所定量だけ下降させて初期位置高さに位置させるものとなっている。例えば従前の景品取得ゲーム装置は、景品取得部が昇降可能な範囲の中で上端や下端に到達したことを検出するためのセンサ(検出手段)を備えているものがある。本発明によれば、これらのうち上端側の検出手段による検出結果を利用し、この検出結果に基づく上端位置から所定量だけ下降させることによって景品取得部を初期位置高さに位置させることができる。こうした場合、別個のセンサといった他の部品を要することなくソフトウエア上の処理にて景品取得部を初期位置高さに位置させることが可能であり、既存の構成をそのまま利用できるという点で好ましい。
【0014】
また、この場合、景品取得部の昇降可能範囲内における上端位置と設定された初期位置高さとの距離を所定下降量としてメモリしておき、上端位置から当該所定下降量だけ下降させて初期位置高さに位置させるようにしてもよい。これによれば、上述の場合と同様、既存の構成をそのまま利用して景品取得部の初期位置高さを調整することができる。しかも、初期位置高さが再設定されない限り所定下降量はメモリされたままだから、景品取得部の動作の度に初期位置に戻す場合にも再現性があり、高い位置決め精度を実現することが可能である。
【0015】
上述のように景品取得部を所定下降量だけ下降させる際のパラメータとしては、当該景品取得部の昇降に連動する回転数検出手段の回転数を用いることができる。この場合、所定下降量に対応する分のエンコーダの回転数をカウントしたところで景品取得部を初期位置高さに位置させることができる。
【0016】
また、景品取得部が昇降可能範囲内の上端に到達する度に当該景品取得部の位置校正を行うことも好ましい。ゲーム中、景品取得部は景品の近傍まで下降し、開閉動作を行い上昇してから水平移動し、ゲーム終了時には設定された初期位置に復帰するというように昇降動作を繰り返すため、場合によっては初期位置高さからの乖離(ずれ)が生じることも考えられる。この点、本発明のごとく景品取得部が上端に到達する度に位置校正を行うこととすれば、例えばゲームの度に基準となる位置を認識し直すことが可能であるから位置決め精度を向上ないしは保持することができる。
【0017】
また、本発明にかかる景品取得ゲーム装置は、景品取得ゲームの遊戯者が景品取得部を操作する際に用いる操作手段が設けられたコントロールパネルを備えているとともに、該コントロールパネルが当該ゲーム装置の基台に対して上下に調整可能に設けられたものとなっている。従前、コントロールパネルを例えば水平方向に移動できるような景品取得ゲーム装置は存在するが(例えば特開平11−156040号公報など参照)、これはゲーム中に遊戯者が視点を大きく移動させても操作を行えるようにすることを主眼としたものに過ぎず、遊戯者の背の高さにまで配慮したものではない。この点、コントロールパネルの高さ調整を可能にした本発明によれば、例えば子供など身長の低い遊戯者さらには車椅子の利用者などがゲームを楽しむ際に当該コントロールパネルを昇降させて操作を行いやすくすることができるという点で好ましい。
【0018】
また、この場合においては、コントロールパネルの上下位置が変わった際に初期位置高さを設定し直すことも好ましい。例えばコントロールパネルが下方位置にある場合にはこれに合わせて景品取得部の初期位置も低目に設定することとすれば、例えば子供などの遊戯者であっても景品取得部が見やすくなるから水平移動などの操作がより行いやすくなるという点で好ましい。つまりは、このようにコントロールパネルの上下調整に景品取得部の初期位置高さを連動させるという新しい構造により、子供などの遊戯者にも配慮した操作しやすい景品取得ゲーム装置を実現することが可能である。
【0019】
さらに、本発明においては、当該ゲーム装置の基台に収容可能であって遊戯者が乗ることができる踏み台を備えたものとしている。上述のようにコントロールパネルの上下位置の調整が可能であれば子供などの遊戯者であっても操作しやすく便宜であるが、本発明ではさらに必要に応じて基台内の踏み台を利用し、この上に乗った状態でゲームを行うことをも可能としている。これによれば、より見やすくより操作しやすい状態にてゲームを楽しむことが可能である。
【0020】
また、上述したのと同様の観点から、踏み台の収容状態と使用状態とが入れ替わった際に初期位置高さを設定し直すようにすることも好ましい。
【0021】
さらに、本発明にかかる景品取得ゲーム装置は、複数の景品を収容する景品収容部と、景品収容部内の景品を取得する景品取得部と、景品収容部内において、景品取得部が水平方向への移動を開始するまで停止して待機する水平移動開始位置から、景品取得部を水平方向へ移動させる移動駆動機構と、景品収容部内において、景品取得部が下方向への移動を開始するまで高さを維持する下方移動開始位置から、景品取得部を移動させ、下方向への移動終了後に景品取得部が上方向へ移動して停止する上方向移動停止位置まで、景品取得部を移動させる昇降駆動機構と、移動駆動機構及び昇降駆動機構により景品取得部を移動させる制御を行う制御手段と、下方移動開始位置を、景品取得部が移動する垂直方向に沿って異なる高さで複数箇所に設定可能に構成され、設定した下方移動開始位置に昇降駆動機構を作動させて景品取得部を配置させる制御情報を記憶した記憶手段と、遊戯者が景品取得部を移動させる操作を行う操作手段と、を備え、制御手段は、記憶手段に記憶された制御情報に基づいて、遊戯者の操作により景品取得部が水平方向への移動を開始する前に、設定した下方移動開始位置へ昇降駆動機構を作動させて景品取得部を移動させて配置し、操作手段からの操作信号に応答して、移動駆動機構を作動させて水平移動開始位置から水平方向に景品取得部を移動させた後、昇降駆動機構を作動させて設定後の下方移動開始位置から下方向へ景品取得部を移動させる制御を行うというものである。
【0022】
また、本発明にかかる景品取得ゲーム装置は、複数の景品を収容する景品収容部と、景品収容部内の景品を取得する景品取得部と、景品収容部内において、景品取得部が水平方向への移動を開始するまで停止して待機する水平移動開始位置から、景品取得部を水平方向へ移動させる移動駆動機構と、景品収容部内において、景品取得部が下方向への移動を開始するまで高さを維持する下方移動開始位置から、景品取得部を移動させ、下方向への移動終了後に景品取得部が上方向へ移動して停止する上方向移動停止位置まで、景品取得部を移動させる昇降駆動機構と、移動駆動機構及び昇降駆動機構により景品取得部を移動させる制御を行う制御手段と、景品取得部が移動する垂直方向に沿って異なる高さで複数箇所に変更可能に構成された下方移動開始位置のうちから、いずれかの箇所に下方移動開始位置を設定する設定入力手段と、遊戯者が景品取得部を移動させる操作を行う操作手段と、を備え、制御手段は、設定入力手段による設定情報に基づいて、遊戯者の操作により景品取得部が水平方向への移動を開始する前に、設定した下方移動開始位置へ昇降駆動機構を作動させて景品取得部を移動させて配置し、操作手段からの操作信号に応答して、移動駆動機構を作動させて水平移動開始位置から水平方向に景品取得部を移動させた後、昇降駆動機構を作動させて設定後の下方移動開始位置から下方向へ景品取得部を移動させる制御を行うというものである。
【0023】
さらにまた、本発明にかかる景品取得ゲーム装置は、複数の景品を収容する景品収容部と、景品収容部内の景品を取得する景品取得部と、景品収容部内において、景品取得部が水平方向への移動を開始するまで停止して待機する水平移動開始位置から、景品取得部を水平方向へ移動させる移動駆動機構と、景品収容部内において、景品取得部が下方向への移動を開始するまで高さを維持する下方移動開始位置から、景品取得部を移動させ、下方向への移動終了後に景品取得部が上方向へ移動して停止する上方向移動停止位置まで、景品取得部を移動させる昇降駆動機構と、移動駆動機構及び昇降駆動機構により景品取得部を移動させる制御を行う制御手段と、景品取得部が移動する垂直方向に沿って異なる高さで複数箇所に変更可能に構成された下方移動開始位置のうちから、いずれかの箇所に下方移動開始位置を設定する設定入力手段と、遊戯者が景品取得部を移動させる操作を行う操作手段と、を備え、制御手段は、設定入力手段による設定情報に基づいて、遊戯者の操作により景品取得部が水平方向への移動を開始する前に、設定した下方移動開始位置へ昇降駆動機構を作動させて景品取得部を移動させて配置し、操作手段からの操作信号に応答して、移動駆動機構を作動させて水平移動開始位置から水平方向に景品取得部を移動させた後、昇降駆動機構を作動させて設定後の下方移動開始位置から下方向へ景品取得部を移動させ、下方向への移動終了後に、景品取得部を上方向移動停止位置へ上昇させ、その後に移動駆動機構を作動させて、水平移動開始位置に景品取得部を移動させて戻した後、昇降駆動機構を作動させて、設定した下方移動開始位置へ景品取得部を再度移動させる制御を行うというものである。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、種々の構成をとった場合や、ユーザ側にてディスプレイを変更したいと考えた場合などに幅広く対応することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】景品取得ゲーム装置の外観構成を示す斜視図である。
【図2】移動駆動機構の構成を示す斜視図である。
【図3】景品取得部の構成を示す正面図である。
【図4】景品取得部の構成を示す正面図及び分解図である。
【図5】景品取得ゲーム装置の内部構成を示すブロック図である。
【図6】景品取得ゲーム実行処理手順を示すフローチャートである。
【図7】伸縮管などからなる支持部の構成例を示した斜視図である。
【図8】景品取得部などの構成例を示した斜視図である。
【図9】キャリアに搭載されたワイヤの巻取り巻戻し機構を示した斜視図である。
【図10】ワイヤの巻取の装置を示した正面図である。
【図11】ワイヤの巻取の装置を示した側面図である。
【図12】リミットスイッチ等の構成を示した縦断面図である。
【図13】リミットスイッチ等の構成を示した側面図である。
【図14】本実施形態における景品取得ゲーム装置の全体を示す正面図である。
【図15】景品取得部の初期位置高さに応じて当該景品取得部の昇降速度を制御する場合の処理例を示すフローチャートである。
【図16】ゲーム中における景品取得部の動作態様と位置校正を行うタイミングとの関係について示す動作図である。
【図17】ゲーム中における景品取得部の動作態様と位置校正を行うタイミングとの関係について他の例を示す動作図である。
【図18】ゲーム中における景品取得部の動作態様と位置校正を行うタイミングとの関係についてさらに他の例を示す動作図である。
【図19】左右におけるそれぞれのコントロールパネルの高さを独立に調整可能とした景品取得ゲーム装置の概略図である。
【図20】コントロールパネルの高さを一体的に調整可能とした景品取得ゲーム装置の概略図である。
【図21】コントロールパネルの高さ調整を行う際に個人認証を行う場合の処理例を示すフローチャートである。
【図22】踏み台を備えた景品取得ゲーム装置を部分的に示す図である。
【図23】図22に示した踏み台が左右に回転可能な様子を示す図である。
【図24】踏み台およびその回転中心である支点示す図である。
【図25】水平時の踏み台を示す概略図である。
【図26】プレイヤの脚が乗って傾いた踏み台を示す概略図である。
【図27】底付きセンサとして機能するリミットスイッチにより弛んだ状態のワイヤを検出するための構成の一例を示す図である。
【図28】景品収容部内に複数の段が設けられた景品取得ゲーム装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
【0027】
図1〜図28に本発明の一実施形態を示す。本発明にかかる景品取得ゲーム装置1は、外部操作に応答して所定空間内を移動する景品取得部5と、景品取得部5に開閉可能に取り付けられて取得対象たる景品Pを保持しあるいは保持した該景品Pを離す動作を行うアーム12と、を備え、景品Pを保持して取得する遊戯を実施可能にしているものである。また、本実施形態の景品取得ゲーム装置は、ゲーム開始時および終了時における景品取得部5のデフォルト位置である初期位置(ホームポジション)の高さを任意に設定するための初期位置高さ調整手段41をさらに備えている。
【0028】
以下では、まず本実施形態にかかる景品取得ゲーム装置1の全体的な構成について説明し、その後、景品取得ゲーム装置1の内部構成について説明する。さらにその後、景品取得部5の初期位置を調整するための構成、コントロールパネル14を上下させるための構成、踏み台60の構成について説明する。
【0029】
(1)景品取得ゲーム装置1の全体構成
図1において、符合1は全体として本実施の形態による景品取得ゲーム装置を示し、直方体形状の基台2の上に箱型の景品収容部3が設けられている。景品収容部3は、その内部に収容された景品Pをプレイヤ(遊戯者)が目視することができるように前面2A及び側面2B,2Cが透明な樹脂またはガラスの板状部材から形成されている。また背面2Dは、鏡面状の板状部材や装飾が施された板状部材により形成されている。そしてこの景品収容部3の前面2Aには、例えば引戸又は観音開き方式の扉2Eが設けられており、ユーザ(例えば店舗の店員)がこの扉2Eを開けてキャラクタ等のぬいぐるみや、雑貨などの景品Pを景品収容部3内に収容することができるようになされている。
【0030】
さらに景品収容部3の上側には、景品Pを保持するための景品取得部5と、この景品取得部5をプレイヤの操作に応じて景品収容部3内で水平方向に移動させるための移動駆動機構6(図2参照)と、景品取得部5を鉛直方向に移動させる(昇降させる)ための昇降駆動機構37と、を備えた景品取得用移動装置7が配設されている。
【0031】
移動駆動機構6は、図2に示すように、景品収容部3の内部上方に横方向(X方向)と平行に固定配置された一対の横行用固定レール8と、この横行用固定レール8にスライド自在に、かつ縦方向(Y方向)と平行に取り付けられた縦行用可動レール9と、この縦行用可動レール9にスライド自在に取り付けられた景品取得用基台10とを備えている。この景品取得用基台10には、上下方向(Z方向)と平行に取り付けられた伸縮自在の支持部11が設けられている。そして、この支持部11の下端部に景品取得部5が取り付けられている。
【0032】
この場合、移動駆動機構6の縦行用可動レール9は、X方向移動用モータ6X(図5)の回転出力に基づいて横行用固定レール8に沿って横方向(X方向)に移動させることができ、景品取得部用基台10は、Y方向移動用モータ6Y(図5)の回転出力基づいて縦行用可動レール9に沿って縦方向(Y方向)に移動させることができるようになされている。また支持部11は、Z方向移動用モータ6Z(図5)の回転出力に基づいて伸縮させ得るようになされている。これにより景品取得用移動装置7においては、移動駆動機構6のこれらX方向移動用モータ6X,Y方向移動用モータ6Y、さらには昇降駆動機構37を構成しているZ方向移動用モータ6Zを所望状態に作動することによって、景品取得部5を景品収容部3内の所望位置に移動させ得るようになされている。
【0033】
また景品取得部5においては、それぞれ先端部に爪13(図3)が取り付けられた開閉自在の2本のアーム12を有し、これらアーム12を開閉させることによって、景品Pを把持ないしは保持することができるようになされている。この場合、各アーム12は交換自在に景品取得部5に取り付けられると共に、各爪13は対応する交換自在にアーム12に取り付けられており、かくしてこれらアーム12及び爪13を交換することによってゲームの難易度を調整できるようになされている。
【0034】
一方、基台2には操作卓であるコントロールパネル14が設けられており、このコントロールパネル14に、ゲームを行う際にコインを投入するためのコイン投入口15と、ゲーム時にプレイヤが景品取得部5を横方向の所望位置に移動させる操作を入力するための第1の操作スイッチ16Aと、その後プレイヤが景品取得部5を縦方向の所望位置にまで移動させる操作を入力するための第2の操作スイッチ16Bとからなる操作部(操作手段)16が設けられている。なおこの操作部16は、ジョイステック等の他の操作手段により構成することも可能である。
【0035】
また基台2の前面側には、景品収容部3内の所定位置に設けられた景品投入ガイド17と連通する景品の取出口18が設けられており、後述のように景品取得部5により保持され、搬送されて景品投入ガイド17内に落とされた景品Pをこの取出口18から取り出し得るようになされている。
【0036】
さらに基台2の前面側には開閉扉19が設けられている。そしてこの開閉扉19を開けた内側には、この景品取得ゲーム装置に対して各種設定等を行うためのスイッチパネル56や液晶タッチパネル(図示せず)などの設定入力手段が収納されており、かくして管理者がこれらスイッチパネル56や液晶タッチパネルの表示内容を目視確認しながら、各種事項を所望状態に設定することができるようになされている。
【0037】
ここで図3及び図4は、景品取得部5の具体的構成を示すものである。図3からも明らかなように、景品取得部5は、動力源としてのモータ20と、このモータ20の回転出力に基づいてアーム12を開閉駆動するアーム開閉部材21と、アーム12により景品Pを把持する際の最大把持力を決定するばね部22とを有し、モータ20を含む一部分がカバー23に覆われている。各アーム12はそれぞれ基端部材24を介してブラケット25に傾動可能に、かつ着脱自在に取り付けられており、これらアーム12の開放端にそれぞれ爪13がねじ止めされている。
【0038】
また図4(A)に示すように、モータ20の出力軸の先端部にはピニオン26が取り付けられると共に、アーム開閉部材21の内面には、このピニオン26と噛み合うように、ばね部22と並行にラック27が固着されており、かくしてモータ20を正転駆動又は逆転駆動することによって、ラック27と一体にアーム開閉部材21を基端部材24に向かう方向又はこれと逆方向に移動させ得るようになされている。
【0039】
さらにばね部22は、図4(B)に示すように、コイルばね28と棒状のピン29とから構成されており、ピン29の一端29Aがアーム開閉部材21に設けられたばね受け部材21Aに取り付けられている。またピン29の他端29Bは、コイルばね28の中に挿入されており、その端部にコイルばね28の内側に引っ掛かることを防止するための渦巻き状のカール部が形成されている。さらにピン29のほぼ中央部にはコイルばね28の他端28Bから抜け落ちることを防止するための係止部29Cが形成されている。
【0040】
コイルばね28においては、その一端28Aがアーム12の基端部材24に取り付けられ、他端28Bにピン29が挿入されている。このコイルばね28のピン29が挿入される側の端部は径が小さくなっており、これによりピン29が抜け落ちることを防止し得るようになされている。
【0041】
このような構成により、アーム12の開動作時に基端部材24がアーム開閉部材21に押されてアーム12を開放させる方向に移動する際に、ピン29の係止部29Cがコイルばね28の他端28Bに到達するまで、コイルばね28を伸長させることなくピン29が開放方向に移動するので、コイルばね28が伸びて付勢力を発生することを防止できる。またラック27の移動によりアーム開閉部材21に設けられたばね受け部材21Aが移動して、コイルばね28を伸長させようとした際に、係止部29Cがコイルばね28の他端28Bに到達するまで、ピン29のみがアーム開閉部材21Aと共に移動することで、コイルばね28が伸びることを防止できる。
【0042】
なお、係止部29Cがコイルばね28の他端28Bに到達した状態では、ピン29の係止部29Cから他端29Bまでの部分がコイルばね28に挿入されているため、コイルばね28がたるむことを防止できる。
【0043】
ここで図5は、この景品取得ゲーム装置1の内部構成を示すものである。この図5からも明らかなように、この景品取得ゲーム装置1は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)からなるマイクロコンピュータ構成の制御部(制御手段)30と、例えば不揮発性メモリからなる記憶部(記憶手段)31と、ネットワークを介して外部機器と通信するためのインタフェースである通信部32と、現在時刻をカウントするタイマ33とを有している。なお、本明細書にて詳しい説明は省くが、図5中の符合55は、景品Pのタグに取り付けられたRFIDチップの記録内容(部品種別情報及び部品種類情報や景品識別コード)を読み取るためのRFIDリーダ、符合56は、景品取得ゲーム装置1に対して各種設定等を行うため開閉扉19を開けた内側に設けられているスイッチパネル(設定入力手段の一例)である。
【0044】
そして制御部30には、例えばゲーム中にプレイヤによりコントロールパネル14(図1)の第1又は第2の操作スイッチ16A,16Bが押圧されたときに、これに応じた操作信号S1がその第1又は第2の操作スイッチ16A,16Bから与えられる。また移動駆動機構6および昇降駆動機構37においては、景品取得部5の左右方向の位置を検出する左右位置検出手段、前後方向の位置を検出する前後位置検出手段及び上下方向の位置を検出する上下位置検出手段として、例えば景品取得部5のX方向、Y方向又はZ方向の移動限界位置にそれぞれリミットスイッチ34が設けられている。そしてこれらリミットスイッチ34は、それぞれ景品取得部5が対応するX方向、Y方向又はZ方向の移動限界位置にまで移動したときに、これに応じた移動限界検出信号S2を対制御部30に送出するようになされている。
【0045】
かくして制御部30は、これら操作信号S1及び移動限界検出信号S2に基づき、図6に示す景品取得ゲーム実行処理手順RT1に従って、プレイヤによる第1及び第2の操作スイッチ16A,16Bの操作に応答したゲーム動作を景品取得ゲーム装置1に実行させる。
【0046】
すなわち制御部30は、予め設定された1プレイ分の所定枚数のコインがコイン投入口15(図1)に投入されたことを認識すると、この景品取得ゲーム実行処理手順RT1をステップSP0において開始し、続くステップSP1において、コントロールパネル14(図1)の第1の操作ボタン16A(図1)が押圧されるのを待ち受ける。
【0047】
そして制御部30は、やがてプレイヤが第1の操作ボタン16Aを押圧したことを当該第1の操作ボタン16Aからの操作信号S1に基づいて認識すると、ステップSP2に進んで、移動駆動機構6(図2)のX方向移動用モータ6Xを作動させて、初期状態において景品投入ガイド17(図1)の真上のホームポジションに位置していた景品取得部5の横方向(X方向)への移動を開始させる。
【0048】
次いで制御部30は、ステップSP3に進んで、対応するリミットスイッチ34からの移動限界検出信号S2に基づいて、景品取得部5が横方向の移動限界位置にまで移動し終えたかを判断する。また制御部30は、続くステップSP4において、第1の操作ボタン16Aからの操作信号S1に基づいて、当該第1の操作ボタン16Aの押圧が解除されたか否かを判断する。そして制御部30は、これらステップSP3及びステップSP4において共に否定結果を得ると、ステップSP3に戻る。
【0049】
これに対して制御部30は、ステップSP3又はステップSP4のいずれかにおいて肯定結果を得ると、ステップSP5に進んで、移動駆動機構6のX方向移動用モータ6Xを停止させて景品取得部5の横方向(X方向)の移動を終了させ、この後ステップSP6に進んで、コントロールパネル14の第2の操作ボタン16B(図1)が押圧されるのを待ち受ける。
【0050】
そして制御部30は、やがて第2の操作ボタン16Bが押圧されたことを当該第2の操作ボタン16Bからの操作信号S1に基づいて認識すると、ステップSP7に進んで、移動駆動機構6のY方向移動用モータ6Yを作動させて景品取得部5の縦方向(Y方向)への移動を開始させる。
【0051】
この後制御部30は、ステップSP8に進んで、対応するリミットスイッチ34からの移動限界検出信号S2に基づいて、景品取得部5が縦方向の移動限界位置にまで移動し終えたかを判断する。また制御部30は、続くステップSP9において、第2の操作ボタン16Bからの操作信号S1に基づいて、当該第2の操作ボタン16Bの押圧が解除されたか否かを判断する。そして制御部30は、これらステップSP8及びステップSP9において共に否定結果を得ると、ステップSP8に戻る。
【0052】
そして制御部30は、やがてステップSP8又はステップSP9のいずれかにおいて肯定結果を得ると、ステップSP10に進んで、移動駆動機構6のY方向移動用モータ6Yを停止させて景品取得部5の縦方向(Y方向)への移動を終了させ、この後ステップSP11に進んで、景品取得部5のモータ20(図3)を作動させて当該景品取得部5のアーム12を開放させる。
【0053】
また制御部30は、この後ステップSP12に進んで、昇降駆動機構37のZ方向移動用モータ6Zを作動させて景品取得部5の下降を開始させ、さらにこの後ステップSP13に進んで、景品取得部5が下方向の移動限界位置にまで移動し終えるのを待ち受ける。
【0054】
そして制御部30は、やがてリミットスイッチ34からの移動限界検出信号S2に基づき、景品取得部5が下方向の移動限界位置にまで移動し終えたことを認識すると、ステップSP14に進んで、昇降駆動機構37のZ方向移動用モータ6Zを停止させて景品取得部5の下降を終了させ、この後ステップSP15に進んで、景品取得部5のモータ20を作動させることによりアーム12を閉じさせる。
【0055】
続いて制御部30は、ステップSP16に進んで、昇降駆動機構37のZ方向移動用モータ6Zを作動させて景品取得部5の上昇を開始させ、この後ステップSP17に進んで、景品取得部5が上方向の移動限界位置にまで移動し終えるのを待ち受ける。
【0056】
そして制御部30は、リミットスイッチ34からの移動限界検出信号S2に基づいて、景品取得部5が上方向の移動限界位置にまで移動し終えたことを確認すると、ステップSP18に進んで、昇降駆動機構37のZ方向移動用モータ6Zを停止させて景品取得部5の上昇を終了させ、この後ステップSP19に進んで、移動駆動機構6のX方向移動用モータ6X及びY方向移動用モータ6Yをそれぞれ作動させることにより、景品取得部5を景品投入ガイド17上の元のホームポジション位置にまで移動させる。
【0057】
さらに制御部30は、この後ステップSP20に進んで、景品取得部5のモータ20を作動させて当該景品取得部5のアーム12を開放させた後に再び閉じさせ(景品Pの解放動作)、この後ステップSP21に進んでこの景品取得ゲーム実行処理手順RT1を終了する。
【0058】
かくしてこの景品取得ゲーム装置1では、景品取得部5によって景品Pを掴むことができた場合には、その景品Pが景品取得部5のアーム12によって掴まれた状態で景品投入ガイド15上にまで運ばれ、この後景品取得部5による景品Pの解放動作にて景品投入ガイド17内に落下することから、プレイヤがこの景品Pを景品取出口18から取り出して取得することができる。
【0059】
(2)景品取得部5の初期位置を調整するための構成
続いて、以下では、景品取得部5の初期位置を調整するための構成について初期位置高さ調整手段41を中心に説明する(図5、図14等参照)。本実施形態の初期位置高さ調整手段41は、ゲーム開始時および終了時における景品取得部5のホームポジションである初期位置の高さを任意に設定することを可能とするものである。このような機能を実現するための初期位置設定手段41は、例えばユーザが指示を入力するための設定入力手段56、入力された指示データをメモリしておく記憶部31、記憶部31からデータを適宜読み出して参照して命令を送信する制御部30、当該命令を受けて所定の初期位置高さを実現するように動作する昇降駆動装置37によって構成されうる。
【0060】
まず、このように景品取得部5の初期位置(ホームポジション)の高さを任意に設定できるようにすることの利点を簡単に説明しておくと、ユーザのニーズ等に応じた設定が可能になるということがいえる。すなわち、例えば景品取得部5の移動領域に達するくらいまで景品Pを山積みにしようとした場合であれば、これに合わせて景品取得部5の初期位置を高く設定することが可能である。また、これによれば景品取得部5が取得対象としうる景品Pの設置深さ(ひいては設置スペース)を増やすことも可能であるから、同じ景品Pであっても設置できる数量を増やすことが可能になる。さらには、従前よりも大型ないしは長尺の景品Pを取り扱うことも可能となるから、景品Pの多様化、ゲーム自体の多種化を促すといった利点もある。また、例えば収納部3内における景品Pの載置面3aを下げた場合であれば、これに合わせて景品取得部5の初期位置を低く設定することもできる。こうした場合、景品Pの位置が下がったとしても景品取得部5の初期位置と景品Pとの距離が間延びするようなことがないし、景品取得部5が昇降するのに要する時間が長くなりすぎるようなこともない。
【0061】
このような初期位置高さ調整手段41において指示を入力するための手段は特に限定されることはなく、例示すれば例えばスイッチパネル56に設けられたディップスイッチやダイヤルなどを利用した設定入力手段を利用することができる。例えば複数のスイッチからなるディップスイッチの場合であれば、各スイッチを適宜切り替えることによりこれらスイッチの位置の組合せによって一義的に定まる初期位置高さを指示することができる。また、ダイヤルを使った場合であれば、当該ダイヤルの示すボリューム値に対応する初期位置高さを指示することができる。あるいはこれら以外の設定入力手段を用いることも当然に可能であり、例えばボタンやタッチパネルを利用したものであってもよい。ユーザ(例えばゲームセンターや店舗などのサービス提供側)は、このような設定入力手段を介して所望の初期位置高さを設定することができる。当該設定入力手段における設定値は制御部30に送信され、さらに記憶部31にメモリされる。なお、初期位置高さの情報(高さ設定に基づく昇降駆動機構37を駆動させる制御信号等)はネットワーク経由のようにデータとしてメモリされる場合もある。例示すれば、上述したようなスイッチパネル56等の設定入力手段を介さずとも、通信部32を介してインターネットを利用し、他のPCなどによる遠隔操作で高さ設定をするような入力操作を実施しうる。制御部30は、メモリされた設定内容(設定入力情報)を適宜読み出して参照し、例えば後述のように景品取得部5の昇降速度を調節する場合などにおいて所定の制御を行う。
【0062】
初期位置高さ調整手段41においては、制御部30からの指示信号に基づき景品取得部5の初期位置高さを調整する。例えば本実施形態においては、リミットスイッチ34を用いた検出手段により景品取得部5が昇降可能範囲内における上端位置にあることを検出し、当該上端位置を基準として制御部30や記憶部31の機能により景品取得部5を初期位置高さに位置させるものとなっている(図5等参照)。
【0063】
このように、本実施形態における検出手段(センサ)は、景品取得部5が当該景品取得部5の昇降可能範囲内における上端あるいは下端に到達したことを検出可能なものであり、具体的には上述したように景品取得部5がZ方向の昇降可能範囲内における移動限界位置にまで到達したときに移動限界検出信号S2を送出するリミットスイッチ34である。上述したように、景品取得部5を支持するため景品取得用基台10の鉛直方向(Z方向)下側に取り付けられている支持部11は伸縮自在であり、所定のストローク範囲で景品取得部5を昇降させる。この支持部11は例えば径の異なる複数本のパイプが組み合わされた振出し構造であり、各パイプの長さや本数で定まるストローク長の範囲で伸縮することができる。また、このパイプの内部を通るワイヤの一端が景品取得部5に接続されており、例えば景品取得用基台10の内部に配置されているZ方向移動用モータ6Zにてこのワイヤを巻き取りまたは送り出すことによって支持部11を伸縮させ、景品取得部5を昇降させることができるようになっている。
【0064】
ここで、景品取得部5を支持しつつ昇降させるための支持部11等の構成について一具体例を挙げて説明する(図7〜図13参照)。
【0065】
支持部11は、複数個のパイプを入子式に嵌合させてなる伸縮管として構成されている。この伸縮管は、順次小径となる4本のパイプ11a,11b,11c,11dを入子式に摺動自在に嵌合させたものである(図7参照)。最下位のパイプ11dの下端には、カプラ35のボス35aが嵌入固定されている。このカプラ35の先には、ブラケット36を介して景品取得部5が連結されている(図8参照)。なお、ここで例示しているパイプは支持部11の構成例の一つにすぎない。もちろん、伸縮管の構成部材が外観上円筒形のものに限定されることもない。
【0066】
また、景品取得部5を上下に昇降させるための昇降駆動機構37は、キャリア38に搭載された巻取り巻戻し装置39と、この巻取り巻戻し装置39によって巻き取られるワイヤ40とからなり、ワイヤ40は、支持部11の内側を通過するようになっている(図9参照)。すなわち、巻取り巻戻し装置39は、Z方向移動用モータ(ワイヤモータ)6Zと、ウオーム42と、ウオームギヤ43と、ワイヤリール44と、ガイドリール45とから構成されている。このガイドリール45は、支軸46を中心として揺動可能な揺動アーム47の自由端に支持されており、揺動アーム47は、ばね48によって図上時計方向に付勢されている(図10、図11参照)。ワイヤ40は、ワイヤリール44から繰り出され、ガイドリール45の周囲を巻いた後、支持部11の内側に導入され、パイプ11dの出口端のところでパイプ内を上下動可能な円柱状のコネクタ49に結合されている。このコネクタ49は、中心に受け孔49aを有し、この受け孔49aの中にスイッチ作動子51を下端に固着した心棒52の上端が結合されている。スイッチ作動子51の上には心棒52を取り囲むようにコイルスプリング53が装着されている(図12、図13参照)。上記スイッチ作動子51が上下に動く範囲内にはワイヤ40の下降を制限するリミットスイッチ34がセットされている。本実施形態では、リミットスイッチ34はブラケット36の中央部に取り付けられている。このリミットスイッチ34はZ方向移動用モータ(ワイヤモータ)6Zを駆動する電気回路内に組み込まれた常閉スイッチである。なお、図中符号54はモータ20に給電するケーブルである。
【0067】
本実施形態における昇降駆動機構37はこのように構成されているから、所望の景品Pの直上に景品取得部5を位置させた後、Z方向移動用モータ(ワイヤモータ)6Zを駆動し、ワイヤリール44上にワイヤ40を繰り出すと、支持部11が下方に向かって伸び、景品取得部5が景品Pに向かって接近する。そして、景品取得部5の爪13の先端が景品Pに当接すると、その時点で景品取得部5の下降が停止するが、景品取得部5は支持部11に取り付けられているので、景品Pに当接しても傾くことがない。一方、景品取得部5が景品Pに当接した時点においては、巻取り巻戻し装置39が作動しているので、ワイヤ40は支持部11内にさらに繰り出される。すると、景品取得部5が景品Pに当接したことにより景品取得部5の重量が負荷されなくなったばね53は、伸張してスイッチ作動子51を付勢するので、スイッチ作動子51は図12中にて下方側に向かって変位させられ、リミットスイッチ34を作動させる。これによりZ方向移動用モータ(ワイヤモータ)6Zの回転が停止させられ、ワイヤ40の繰り出しが停止する。
【0068】
換言すれば、上述のリミットスイッチ34はいわば底付きセンサとして機能するものである。本実施形態の景品取得ゲーム装置1の場合、Z方向移動用モータ6Zがワイヤ40を順次送り出せば、景品取得部5は当該ワイヤ40の送り出し量に応じた分だけ下降する。このようにして下降した景品取得部5が例えば景品Pに当たりその上に載った状態となった場合、あるいは収納部3内における景品Pの載置面3aに突き当たった場合、そこでいったん下降は止まるが、Z方向移動用モータ6Zが引き続きワイヤ40を送り出すため一時的に当該ワイヤの張力がなくなり弛んだ状態となる。このことを検出可能な底付きセンサ(リミットスイッチ34)によれば、このように景品取得部5が下側の限界位置まで下降したことを把握することが可能である。なお、上述の説明から明らかなとおり、本明細書でいう景品取得部5の下端位置とは収納部3の載置面3aあるいはその上に積まれている景品Pに突き当たって下降動作が止まる底付き位置のことであり、景品Pの形状や配置、山積みの状態などに応じてその高さは毎回変わりうるものである。
【0069】
ここで、上述のような底付きセンサとして機能するリミットスイッチ34により弛んだ状態のワイヤ40を検出するための構成例を簡単に説明すると以下のとおりである(図27参照)。すなわち、図中に示したガイドリール45は一定距離をストローク可能であって図示しない付勢手段によって一方向(図27中の上方向)に付勢されているものであり、景品取得部5が底付き状態となってワイヤ40の張力が弱まると上方に移動し、当該ワイヤ40の経路を上方に変化させるように設けられている。底付きセンサとしてのリミットスイッチ34は、このようなワイヤ40の動きを直接、あるいは図示しない作動子を介して間接的に検出することにより、景品取得部5が底付き状態となったことを検出可能である。なお、図27においては長孔62に沿って一定距離を移動可能なスライダ63が設けてあり、このスライダ63の動きに応じてリミットスイッチ34の相対位置を変えることにより、当該リミットスイッチ34による底付き検出のタイミングを変化させることが可能となっている。
【0070】
また、本実施形態の景品取得ゲーム装置1においては、上述したような底付きセンサを以下のような構成で具体化している(図10参照)。すなわち、揺動アーム47を支軸46に取り付け一定範囲を揺動可能とし、さらにばね48によってこの揺動アーム47を上方向へと付勢する。揺動アーム47の先端にはガイドリール45を回転可能な状態で取り付けておく。さらに、揺動アーム47が下方に移動すると当該アームが作動子として機能してスイッチが入りオン状態になる一方、揺動アーム47上方に移動して離れるとスイッチが切れてオフ状態になるようにリミットスイッチ34を配置しておく(図10参照)。この場合、ワイヤ40に張力が作用している間はガイドリール45および揺動アーム47が下方位置にあるからリミットスイッチ34はオン状態にあるが、景品取得部5が底付き状態となってワイヤ40の張力が弱まるとばね48の付勢力によってガイドリール45が揺動して上方に移動するから(図10参照)、このときリミットスイッチ34はオフ状態へと切り替わることによって景品取得部5が底付き状態となったことを検出することができる。
【0071】
さらに、景品取得用基台10の内部には、図示しない別の作動子と上付きセンサ(別のリミットスイッチ34のことであり、図27参照)とが設けられている。作動子は、支持部11が最短になった状態(景品取得部5が上端位置に到達した状態)のとき例えばパイプ11dの上端面が接触する位置に設けられているもので、このように景品取得部5が上側移動限界に到達したときのみ押し上げられるようになっている。上付きセンサ(リミットスイッチ34)は、作動子が押し上げられているかどうかを検出する例えば光センサで構成されているものである。したがって、景品取得部5が上昇して上端位置に到達したことは作動子の動きを上付きセンサ(リミットスイッチ34)が検出することによって把握することが可能となっている。
【0072】
上述した初期位置高さ調整手段41は、上述のように上付きセンサ(リミットスイッチ34)によって検出される上端位置を基準に、景品取得部5を所定量だけ下降させることによって初期位置高さに位置させる。より具体的に説明すると、上述したようなディップスイッチなどの設定入力手段からの指示内容に基づき、制御部30がZ方向移動用モータ(ワイヤモータ)6Zに対して命令信号を送る。ここで、景品取得部5が上端位置に到達したことを上付きセンサ(リミットスイッチ34)が検出すると、当該位置から所定量だけ下降させ、初期位置(ホームポジション)にて景品取得部5を停止させ待機状態とする。
【0073】
ここで、上端位置から下降させる際の所定量の算出方法は種々あるが、例えば、当該景品取得部5の昇降に連動する回転数検出手段(例えばエンコーダ)の回転数をパラメータとして用いる方法を採用することができる。こうした場合、所定下降量に対応する分のエンコーダの回転数をカウントしたところで景品取得部5を初期位置高さ(ホームポジション)に位置させることができる。あるいは、このようなエンコーダ等の新たな装置を付加せずに行うということであればソフトウエア上の処理にて所定量を算出してもよい。例示すれば、上端位置から景品取得部5を下降させる際のZ方向移動用モータ6Zの動作時間をカウントし、当該動作時間をパラメータとしてワイヤ40の送り出し量が所定量となるところで動作を停止させるといった処理を実施することが可能であり、これによれば既存の景品取得ゲーム装置1に対しても新たな装置を付加することなく適用可能である。
【0074】
以上によれば景品取得部5の初期位置高さ(ホームポジションの高さ)をユーザが適宜設定可能であるが、これに加えて、当該初期位置高さに応じて景品取得部5の昇降速度を制御することも好ましい。例えば本実施形態では、上述した初期位置高さ調整手段41における初期位置高さの設定内容(例えば上述したディップスイッチやダイヤルなどを利用した設定入力手段を利用して入力され、記憶部31にメモリされた設定内容)を制御部30によって読み出して参照し、当該初期位置高さが高い位置に設定されていればその分だけ景品取得部5の下降時の動作速度(下降速度)を速めるという制御を行うようにしている。この場合、初期位置が高ければ下降速度が速く、低ければ遅いといった関係を表した初期位置高さと下降速度との対応テーブルをあらかじめ記憶部31にメモリしておき、昇降速度を制御する場合にこのテーブルを参照して速度を決定することとしている。また、このような制御の手順を、当該手順における処理のみを示したフローチャートを用いて簡単に説明すれば以下のとおりである(図15参照)。すなわち、例えばコインが投入されたことをトリガーとして(ステップSP31)、景品取得部5の初期位置(ホームポジション)の高さの設定値を確認する(ステップSP32)。その後、上述のテーブルを参照して当該設定値に対応する下降速度を設定し(ステップSP33)、ゲームを開始する(ステップSP34)。以上のように初期位置高さに応じて景品取得部5の動作速度を適宜変えることとすれば、ゲームを間延びさせることなく円滑に進行させうるという点で好ましい。また、これによってゲームの回転率、さらにはゲームの難易度をも調整が可能になる点も好ましい。なお、ここでは主として景品取得部5の下降速度を制御する場合について述べたが、上昇速度を制御する場合についても同様である。
【0075】
また、景品取得部5が昇降可能範囲内の上端位置に到達する度に当該景品取得部5の位置校正(キャリブレーション)を行うことも好ましい。ゲーム中、景品取得部5は景品Pの近傍まで下降し、開閉動作を行い上昇してから水平移動し、ゲーム終了時には設定された初期位置に復帰するというように昇降動作を繰り返すため、場合によっては初期位置高さからの乖離(ずれ)が生じることがある。特に、Z方向移動用モータ6Zの動作時間をパラメータとして景品取得部5の位置決めを行う場合にはエンコーダの回転数をパラメータとして用いる場合よりも誤差が生じる可能性があるので位置校正を適宜行うことが好ましい。例えば本実施形態においては、景品取得部5が上端に到達する度に制御部30において位置校正を行う(基準位置の再読込ないしは再認識を行う)こととしている。これによれば、景品取得部5の位置決め精度を向上ないしは保持することが可能である。
【0076】
また、ゲーム中における景品取得部5の動作態様とこのような位置校正を行うタイミングとの関係について例示すれば以下のとおりである(図16〜図18参照)。なお、図中における矢印に書き添えた括弧付きの数字はゲーム中における景品取得部5の動作順である。
【0077】
まず、図16に例示する景品取得部5の動作態様は、(1)水平移動開始位置(景品取得部5が水平方向への移動を開始するまで停止して待機している位置のことをいい、この場合はホームポジションに一致)からユーザの操作に応じた量だけ水平移動し、(2)下方移動開始位置(景品取得部5が下方向への移動を開始するまで高さを維持する位置のことをいう)にて下降して開閉動作を行い、(3)上方向移動停止位置(下方向への移動終了後に景品取得部5が上方向へ移動して停止する位置のことをいう)まで上昇し、(4)水平移動して初期位置(ホームポジション)に戻り開閉動作をもう一度行い、(5)昇降可能範囲内における上端位置まで上昇し、(6)下降して初期位置に戻るというものである。この場合における位置校正は、上記(5)の動作により上端位置に到達したときに景品Pを保持していない状態で行うことができる。
【0078】
図17に例示する景品取得部5の動作態様は、(1)水平移動開始位置からユーザの操作に応じた量だけ水平移動し、(2)下方移動開始位置にて下降して開閉動作を行い、(3)上方向移動停止位置まで上昇し、(4)水平移動開始位置と同じ高さまで下降し、(4)水平移動して初期位置(この場合、水平移動開始位置)に戻り開閉動作をもう一度行うというものである。この場合における位置校正は、上記(3)の動作により上方向移動停止位置に到達したときに景品Pを保持している可能性がある状態で行うことができる。
【0079】
図18に例示する景品取得部5の動作態様は、(1)水平移動開始位置からユーザの操作に応じた量だけ水平移動し、(2)下方移動開始位置にて下降して開閉動作を行い、(3)上方向移動停止位置まで上昇し、(4)水平移動開始位置と同じ高さまで下降しながら移動して初期位置(この場合、水平移動開始位置)に戻り開閉動作をもう一度行うというものである。この場合における位置校正も、上記(3)の動作により上方向移動停止位置に到達したときに景品Pを保持している可能性がある状態で行うことができる。
【0080】
なお、上述したのは位置校正の態様を例示したものに過ぎない。例えば、図16〜図18の例ではいずれもゲームが行われる毎に位置校正を行うというものだが、これ以外としては、景品取得ゲーム装置1の電源をオンにする毎に位置校正を行うといった態様も可能である。
【0081】
以上、ここまで説明したように、本実施形態の景品取得ゲーム装置1においては初期位置高さ調整手段41を用いて景品取得部5の初期位置(ホームポジション)の高さをユーザが任意に設定することが可能となっている。このため、ユーザ側にて景品Pのディスプレイを変更したような場合に当該ディスプレイの内容(景品Pの個数、積み方、載置面3aの底上げなど)に幅広くかつ柔軟に対応した初期位置高さに変更することが可能である。
【0082】
また、本実施形態の初期位置高さ調整手段41は、上付きセンサ(リミットスイッチ34)による検出結果を利用し、この検出結果に基づく上端位置から所定量だけ下降させることによって景品取得部5を初期位置高さに位置させるものとなっている。この上付きセンサ(リミットスイッチ34)は従前の装置においても採用されている場合があるから、この場合には別個のセンサといった他の部品を要することなくソフトウエア上の処理にて景品取得部5を初期位置高さに位置させることが可能であり、既存の構成をそのまま利用できるという点で好ましい。
【0083】
(3)コントロールパネル14を上下させるための構成
続いて、コントロールパネル14の高さ調整に関して説明する(図19等参照)。
【0084】
上述したように、景品取得ゲーム装置1に設けられているコントロールパネル14は、プレイヤが景品取得部5を操作する際に用いる操作スイッチ(第1および第2の操作ボタン16A,16B)が設けられているものである(図1等参照)。本実施形態の場合には、該コントロールパネル14が当該ゲーム装置の基台2に対して上下に調整可能に設けられたものとなっている。従前、コントロールパネルを例えば水平方向に移動できるような景品取得ゲーム装置は存在するが(例えば特開平11−156040号公報など参照)、これはゲーム中にプレイヤが視点を大きく移動させても操作を行えるようにすることを主眼としたものに過ぎず、プレイヤの背の高さにまで配慮したものではない。この点、コントロールパネル14の高さ調整を可能にした本実施形態の景品取得ゲーム装置1によれば、例えば子供など身長の低いプレイヤさらには車椅子の利用者などがゲームを楽しむ際に当該コントロールパネル14を昇降させて操作を行いやすくすることが可能である(図19、図20参照)。あるいは、複数設置された景品取得ゲーム装置1のうち、低年齢層を対象とする装置においてのみユーザがあらかじめコントロールパネル14を低く設定しておくといった利用方法もあるし、プレイヤ自身が高さを設定できるようにしてもよい。
【0085】
また、上述の場合においては、コントロールパネル14の上下位置が変わった際に景品取得部5の初期位置高さを設定し直すことも好ましい。例えばコントロールパネル14が下方位置にある場合にはこれに合わせて景品取得部5の初期位置も低目に設定することとすれば、子供などのプレイヤであっても景品取得部5の動きがより見やすくなるから水平移動などの操作が行いやすくなるという点で好ましい。つまりは、このようにコントロールパネル14の上下調整に景品取得部5の初期位置高さを連動させるという新しい構造により、子供などのプレイヤにも配慮した操作しやすい景品取得ゲーム装置1を実現することが可能である。
【0086】
また、このようにコントロールパネル14の高さに景品取得部5の初期位置高さを連動させる場合、当該コントロールパネル14の高さがどの位置に取り付けられているかを検出する検出手段(センサ)を設けておき、その検出信号に基づいて制御部30が記憶部31のデータテーブルを参照し、コントロールパネル14の高さに対応する景品取得部5の高さ初期位置を決定し、昇降駆動機構37を駆動させて景品取得部5を決定した設定初期位置に移動させるようにしてもよい。
【0087】
さらに、コントロールパネル14の高さに景品取得部5の初期位置高さを連動させる場合においては、例えば個人認証を行うこともできる(図21参照)。例示すれば、個人認証の確認をした場合(ステップSP41にてYES)、当該コントロールパネル14の高さ調整動作を実施する(ステップSP42)。調整動作が終了し(ステップSP43)、コインが投入されたら(ステップSP44)、ボタンを点灯させ(ステップSP45)、一連の処理を終了する。また、個人認証を確認しなかった場合には(ステップSP41にてNO),コントロールパネル14の高さ調整を実施せずにコインが投入されるまで待機する。この場合に行う個人認証としては、例えば赤外線を利用してプレイヤの大凡の身長を計測するもの、プレイヤが所有している個人カードを使ってデータを読み出すもの、など種々のものが考えられる。また、後述する踏み台60の使用状況を個人認証の参照とし、コントロールパネル14の高さ調整を行うこととしてもよい。
【0088】
なお、本明細書では特に詳しい説明はしていないが、コントロールパネル14の高さを調整可能とするための装置は公知のガイドローラや駆動モータなどを利用して構成することができる。あるいは、ユーザが手動にて上下できる構成とするならば駆動モータの代わりに高さを固定するためのストッパなどを利用して構成することができる。
【0089】
また、コントロールパネル14を上下させるにあたっては、当該景品取得ゲーム装置1におけるコントロールパネル14の全体を一体的に上下させることとしてもよいが(図20参照)、装置の左右におけるそれぞれのコントロールパネル14(例えば第1のプレイヤと第2のプレイヤとが同時に遊戯できるようにしたもの)を独立に調整可能とすることも好ましい(図19参照)。
【0090】
(4)踏み台60の構成
さらに本実施形態の景品取得ゲーム装置1においては、当該装置の基台2に収容可能であってプレイヤが乗ることができる踏み台60を備えている(図22〜図26参照)。上述のようにコントロールパネル14の上下位置の調整が可能であれば子供などのプレイヤであっても操作しやすく便宜であるが、本実施形態ではさらに必要に応じて基台2内の踏み台60を利用し、この上に乗った状態でゲームを行うことをも可能としている。これによれば、より見やすくより操作しやすい状態にてゲームを楽しむことが可能である。
【0091】
また、本実施形態では、この踏み台60を支点61を中心として左右に回転可能な構成としている(図24等参照)。例えば単なる台を置いただけではプレイヤなどが躓いて転んでしまい営業上の問題が生じうるが、このように支点61を中心として回転可能であり尚かつ基台2の下部に収容可能な踏み台60を備えた本実施形態の景品取得ゲーム装置1の場合には、仮にプレイヤの脚がぶつかった場合にも左右いずれかに回転して逃げる動きができるため、プレイヤなどが躓くのを極力避けることが可能である。例えば、当該踏み台60のエッジに衝撃を緩和するクッションなどを設けておくことも好ましい。
【0092】
また、本実施形態においてはこの踏み台60を通常は水平であるがプレイヤが脚を乗せると所定量だけ傾いて回転し難くなる構成としている(図25、図26参照)。これによれば当該踏み台60の使用時には不意に回転するようなおそれがなく、踏み台60としての機能を十分に発揮することが可能である。
【0093】
さらには、この踏み台60が基台2から出て使用状態になっていることを検出する光センサなどの検出手段を併設しておくことも好ましい。踏み台60が使用状態であれば、上述したコントロールパネル(駆動モータで昇降するように構成されているもの)14の位置が低くなるように自動調整したり、あるいは上述した景品取得部5の初期位置高さが低くなるように連動させて見やすくしたりするなど、ユーザに配慮した構造を実現することが可能である。
【0094】
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば本実施形態においては景品収容部3における載置面3aが原則として水平な一面である場合を前提として説明したが、例えば図28に示すように複数の段3b,3cを有した階段状の景品収容部3を構成した場合にも本発明を適用して好適である。すなわち、このように複数の段3b,3cなどを設ければその分だけ景品収容部3内の高さに余裕が必要となるが、上述のように景品取得部5の初期位置高さを任意に設定できる本発明の景品取得ゲーム装置1によればこのような構造にも柔軟に対応することが可能である。こうした場合、いわば空間を利用した運営が可能となり、遊ばせ方、見せ方の幅が広がるという利点がある。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明は、特にクレーン機型の景品取得ゲーム装置1に適用して好適なものである。
【符号の説明】
【0096】
1…景品取得ゲーム装置、2…基台、2A…前面、2B…側面、2C…側面、2D…背面、2E…扉、3…景品収容部、3a…載置面、5…景品取得部、6…移動駆動機構、6X…X方向移動用モータ、6Y…Y方向移動用モータ、6Z…Z方向移動用モータ、7…景品取得用移動装置、8…横行用固定レール、9…縦行用可動レール、10…景品取得用基台、11…支持部、12…アーム、13…爪、14…コントロールパネル、15…コイン投入口、16…操作部(操作手段)、16A…第1の操作スイッチ、16B…第2の操作スイッチ、17…景品投入ガイド、18…取出口、19…開閉扉、20…モータ、21…アーム開閉部材、21A…ばね受け部材、22…ばね部、23…カバー、24…基端部材、25…ブラケット、26…ピニオン、27…ラック、28…コイルばね、28A…コイルばねの一端、28B…コイルばねの他端、29…ピン、29A…ピンの一端、29B…ピンの他端、29C…ピンの係止部、30…制御部(制御手段)、31…記憶部(記憶手段)、32…通信部、33…タイマ、34…リミットスイッチ(検出手段)、35…カプラ、36…ブラケット、37…昇降駆動機構、38…キャリア、39…巻取り巻戻し装置、40…ワイヤ、41…初期位置高さ調整手段、42…ウオーム、43…ウオームギヤ、44…ワイヤリール、45…ガイドリール、46…支軸、47…揺動アーム、48…ばね、49…コネクタ、49a…受け孔、51…スイッチ作動子、52…心棒、53…コイルスプリング、54…ケーブル、55…RFICリーダ、56…スイッチパネル(設定入力手段)、60…踏み台、61…支点、62…長孔、63…スライダ、64…検出タイミング遅延手段、P…景品。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部操作に応答して所定空間内を移動する景品取得部と、前記景品取得部に開閉可能に取り付けられて取得対象たる景品を保持しあるいは保持した該景品を離す動作を行うアームと、を備え、前記景品を保持して取得する遊戯を実施可能な景品取得ゲーム装置において、
ゲーム開始時および終了時における前記景品取得部のホームポジションである初期位置の高さを任意に設定するための初期位置高さ調整手段をさらに備えていることを特徴とする景品取得ゲーム装置。
【請求項2】
前記初期位置高さ調整手段は、前記景品取得部の初期位置高さの設定内容を参照して当該景品取得部の昇降速度の制御を行うものであることを特徴とする請求項1に記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項3】
前記景品取得部が当該景品取得部の昇降可能範囲内における上端に到達したことを検出する検出手段を備えており、前記初期位置高さ調整手段は、前記検出手段による検出結果に基づき前記景品取得部を当該上端位置から所定量だけ下降させて初期位置高さに位置させることを特徴とする請求項1または2に記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項4】
前記景品取得部の昇降可能範囲内における上端位置と設定された初期位置高さとの距離を所定下降量としてメモリしておき、前記上端位置から当該所定下降量だけ下降させて初期位置高さに位置させることを特徴とする請求項3に記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項5】
前記所定下降量だけ下降させる際のパラメータとして、当該景品取得部の昇降に連動する回転数検出手段の回転数を用いることを特徴とする請求項4に記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項6】
前記景品取得部が昇降可能範囲内の上端に到達する度に当該景品取得部の位置校正を行うことを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項7】
景品取得ゲームの遊戯者が前記景品取得部を操作する際に用いる操作手段が設けられたコントロールパネルを備えているとともに、該コントロールパネルが当該ゲーム装置の基台に対して上下に調整可能に設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項8】
前記コントロールパネルの上下位置が変わった際に前記初期位置高さを設定し直すことを特徴とする請求項7に記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項9】
当該ゲーム装置の基台に収容可能であって遊戯者が乗ることができる踏み台を備えていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項10】
前記踏み台の収容状態と使用状態とが入れ替わった際に前記初期位置高さを設定し直すことを特徴とする請求項9に記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項11】
複数の景品を収容する景品収容部と、
前記景品収容部内の景品を取得する景品取得部と、
前記景品収容部内において、前記景品取得部が水平方向への移動を開始するまで停止して待機する水平移動開始位置から、前記景品取得部を水平方向へ移動させる移動駆動機構と、
前記景品収容部内において、前記景品取得部が下方向への移動を開始するまで高さを維持する下方移動開始位置から、前記景品取得部を移動させ、下方向への移動終了後に前記景品取得部が上方向へ移動して停止する上方向移動停止位置まで、前記景品取得部を移動させる昇降駆動機構と、
前記移動駆動機構及び前記昇降駆動機構により前記景品取得部を移動させる制御を行う制御手段と、
前記下方移動開始位置を、前記景品取得部が移動する垂直方向に沿って異なる高さで複数箇所に設定可能に構成され、設定した前記下方移動開始位置に前記昇降駆動機構を作動させて前記景品取得部を配置させる制御情報を記憶した記憶手段と、
遊戯者が前記景品取得部を移動させる操作を行う操作手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記記憶手段に記憶された前記制御情報に基づいて、遊戯者の操作により前記景品取得部が水平方向への移動を開始する前に、設定した前記下方移動開始位置へ前記昇降駆動機構を作動させて前記景品取得部を移動させて配置し、
前記操作手段からの操作信号に応答して、前記移動駆動機構を作動させて前記水平移動開始位置から水平方向に前記景品取得部を移動させた後、前記昇降駆動機構を作動させて設定後の前記下方移動開始位置から下方向へ前記景品取得部を移動させる制御を行うことを特徴とする景品取得ゲーム装置。
【請求項12】
複数の景品を収容する景品収容部と、
前記景品収容部内の景品を取得する景品取得部と、
前記景品収容部内において、前記景品取得部が水平方向への移動を開始するまで停止して待機する水平移動開始位置から、前記景品取得部を水平方向へ移動させる移動駆動機構と、
前記景品収容部内において、前記景品取得部が下方向への移動を開始するまで高さを維持する下方移動開始位置から、前記景品取得部を移動させ、下方向への移動終了後に前記景品取得部が上方向へ移動して停止する上方向移動停止位置まで、前記景品取得部を移動させる昇降駆動機構と、
前記移動駆動機構及び前記昇降駆動機構により前記景品取得部を移動させる制御を行う制御手段と、
前記景品取得部が移動する垂直方向に沿って異なる高さで複数箇所に変更可能に構成された前記下方移動開始位置のうちから、いずれかの箇所に下方移動開始位置を設定する設定入力手段と、
遊戯者が前記景品取得部を移動させる操作を行う操作手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記設定入力手段による設定情報に基づいて、遊戯者の操作により前記景品取得部が水平方向への移動を開始する前に、設定した前記下方移動開始位置へ前記昇降駆動機構を作動させて前記景品取得部を移動させて配置し、
前記操作手段からの操作信号に応答して、前記移動駆動機構を作動させて前記水平移動開始位置から水平方向に前記景品取得部を移動させた後、前記昇降駆動機構を作動させて設定後の前記下方移動開始位置から下方向へ前記景品取得部を移動させる制御を行うことを特徴とする景品取得ゲーム装置。
【請求項13】
複数の景品を収容する景品収容部と、
前記景品収容部内の景品を取得する景品取得部と、
前記景品収容部内において、前記景品取得部が水平方向への移動を開始するまで停止して待機する水平移動開始位置から、前記景品取得部を水平方向へ移動させる移動駆動機構と、
前記景品収容部内において、前記景品取得部が下方向への移動を開始するまで高さを維持する下方移動開始位置から、前記景品取得部を移動させ、下方向への移動終了後に前記景品取得部が上方向へ移動して停止する上方向移動停止位置まで、前記景品取得部を移動させる昇降駆動機構と、
前記移動駆動機構及び前記昇降駆動機構により前記景品取得部を移動させる制御を行う制御手段と、
前記景品取得部が移動する垂直方向に沿って異なる高さで複数箇所に変更可能に構成された前記下方移動開始位置のうちから、いずれかの箇所に下方移動開始位置を設定する設定入力手段と、
遊戯者が前記景品取得部を移動させる操作を行う操作手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記設定入力手段による設定情報に基づいて、遊戯者の操作により前記景品取得部が水平方向への移動を開始する前に、設定した前記下方移動開始位置へ前記昇降駆動機構を作動させて前記景品取得部を移動させて配置し、
前記操作手段からの操作信号に応答して、前記移動駆動機構を作動させて前記水平移動開始位置から水平方向に前記景品取得部を移動させた後、前記昇降駆動機構を作動させて設定後の前記下方移動開始位置から下方向へ前記景品取得部を移動させ、下方向への移動終了後に、前記景品取得部を前記上方向移動停止位置へ上昇させ、
その後に前記移動駆動機構を作動させて、前記水平移動開始位置に前記景品取得部を移動させて戻した後、前記昇降駆動機構を作動させて、前記設定した下方移動開始位置へ前記景品取得部を再度移動させる制御を行うことを特徴とする景品取得ゲーム装置。
【請求項1】
外部操作に応答して所定空間内を移動する景品取得部と、前記景品取得部に開閉可能に取り付けられて取得対象たる景品を保持しあるいは保持した該景品を離す動作を行うアームと、を備え、前記景品を保持して取得する遊戯を実施可能な景品取得ゲーム装置において、
ゲーム開始時および終了時における前記景品取得部のホームポジションである初期位置の高さを任意に設定するための初期位置高さ調整手段をさらに備えていることを特徴とする景品取得ゲーム装置。
【請求項2】
前記初期位置高さ調整手段は、前記景品取得部の初期位置高さの設定内容を参照して当該景品取得部の昇降速度の制御を行うものであることを特徴とする請求項1に記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項3】
前記景品取得部が当該景品取得部の昇降可能範囲内における上端に到達したことを検出する検出手段を備えており、前記初期位置高さ調整手段は、前記検出手段による検出結果に基づき前記景品取得部を当該上端位置から所定量だけ下降させて初期位置高さに位置させることを特徴とする請求項1または2に記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項4】
前記景品取得部の昇降可能範囲内における上端位置と設定された初期位置高さとの距離を所定下降量としてメモリしておき、前記上端位置から当該所定下降量だけ下降させて初期位置高さに位置させることを特徴とする請求項3に記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項5】
前記所定下降量だけ下降させる際のパラメータとして、当該景品取得部の昇降に連動する回転数検出手段の回転数を用いることを特徴とする請求項4に記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項6】
前記景品取得部が昇降可能範囲内の上端に到達する度に当該景品取得部の位置校正を行うことを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項7】
景品取得ゲームの遊戯者が前記景品取得部を操作する際に用いる操作手段が設けられたコントロールパネルを備えているとともに、該コントロールパネルが当該ゲーム装置の基台に対して上下に調整可能に設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項8】
前記コントロールパネルの上下位置が変わった際に前記初期位置高さを設定し直すことを特徴とする請求項7に記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項9】
当該ゲーム装置の基台に収容可能であって遊戯者が乗ることができる踏み台を備えていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項10】
前記踏み台の収容状態と使用状態とが入れ替わった際に前記初期位置高さを設定し直すことを特徴とする請求項9に記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項11】
複数の景品を収容する景品収容部と、
前記景品収容部内の景品を取得する景品取得部と、
前記景品収容部内において、前記景品取得部が水平方向への移動を開始するまで停止して待機する水平移動開始位置から、前記景品取得部を水平方向へ移動させる移動駆動機構と、
前記景品収容部内において、前記景品取得部が下方向への移動を開始するまで高さを維持する下方移動開始位置から、前記景品取得部を移動させ、下方向への移動終了後に前記景品取得部が上方向へ移動して停止する上方向移動停止位置まで、前記景品取得部を移動させる昇降駆動機構と、
前記移動駆動機構及び前記昇降駆動機構により前記景品取得部を移動させる制御を行う制御手段と、
前記下方移動開始位置を、前記景品取得部が移動する垂直方向に沿って異なる高さで複数箇所に設定可能に構成され、設定した前記下方移動開始位置に前記昇降駆動機構を作動させて前記景品取得部を配置させる制御情報を記憶した記憶手段と、
遊戯者が前記景品取得部を移動させる操作を行う操作手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記記憶手段に記憶された前記制御情報に基づいて、遊戯者の操作により前記景品取得部が水平方向への移動を開始する前に、設定した前記下方移動開始位置へ前記昇降駆動機構を作動させて前記景品取得部を移動させて配置し、
前記操作手段からの操作信号に応答して、前記移動駆動機構を作動させて前記水平移動開始位置から水平方向に前記景品取得部を移動させた後、前記昇降駆動機構を作動させて設定後の前記下方移動開始位置から下方向へ前記景品取得部を移動させる制御を行うことを特徴とする景品取得ゲーム装置。
【請求項12】
複数の景品を収容する景品収容部と、
前記景品収容部内の景品を取得する景品取得部と、
前記景品収容部内において、前記景品取得部が水平方向への移動を開始するまで停止して待機する水平移動開始位置から、前記景品取得部を水平方向へ移動させる移動駆動機構と、
前記景品収容部内において、前記景品取得部が下方向への移動を開始するまで高さを維持する下方移動開始位置から、前記景品取得部を移動させ、下方向への移動終了後に前記景品取得部が上方向へ移動して停止する上方向移動停止位置まで、前記景品取得部を移動させる昇降駆動機構と、
前記移動駆動機構及び前記昇降駆動機構により前記景品取得部を移動させる制御を行う制御手段と、
前記景品取得部が移動する垂直方向に沿って異なる高さで複数箇所に変更可能に構成された前記下方移動開始位置のうちから、いずれかの箇所に下方移動開始位置を設定する設定入力手段と、
遊戯者が前記景品取得部を移動させる操作を行う操作手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記設定入力手段による設定情報に基づいて、遊戯者の操作により前記景品取得部が水平方向への移動を開始する前に、設定した前記下方移動開始位置へ前記昇降駆動機構を作動させて前記景品取得部を移動させて配置し、
前記操作手段からの操作信号に応答して、前記移動駆動機構を作動させて前記水平移動開始位置から水平方向に前記景品取得部を移動させた後、前記昇降駆動機構を作動させて設定後の前記下方移動開始位置から下方向へ前記景品取得部を移動させる制御を行うことを特徴とする景品取得ゲーム装置。
【請求項13】
複数の景品を収容する景品収容部と、
前記景品収容部内の景品を取得する景品取得部と、
前記景品収容部内において、前記景品取得部が水平方向への移動を開始するまで停止して待機する水平移動開始位置から、前記景品取得部を水平方向へ移動させる移動駆動機構と、
前記景品収容部内において、前記景品取得部が下方向への移動を開始するまで高さを維持する下方移動開始位置から、前記景品取得部を移動させ、下方向への移動終了後に前記景品取得部が上方向へ移動して停止する上方向移動停止位置まで、前記景品取得部を移動させる昇降駆動機構と、
前記移動駆動機構及び前記昇降駆動機構により前記景品取得部を移動させる制御を行う制御手段と、
前記景品取得部が移動する垂直方向に沿って異なる高さで複数箇所に変更可能に構成された前記下方移動開始位置のうちから、いずれかの箇所に下方移動開始位置を設定する設定入力手段と、
遊戯者が前記景品取得部を移動させる操作を行う操作手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記設定入力手段による設定情報に基づいて、遊戯者の操作により前記景品取得部が水平方向への移動を開始する前に、設定した前記下方移動開始位置へ前記昇降駆動機構を作動させて前記景品取得部を移動させて配置し、
前記操作手段からの操作信号に応答して、前記移動駆動機構を作動させて前記水平移動開始位置から水平方向に前記景品取得部を移動させた後、前記昇降駆動機構を作動させて設定後の前記下方移動開始位置から下方向へ前記景品取得部を移動させ、下方向への移動終了後に、前記景品取得部を前記上方向移動停止位置へ上昇させ、
その後に前記移動駆動機構を作動させて、前記水平移動開始位置に前記景品取得部を移動させて戻した後、前記昇降駆動機構を作動させて、前記設定した下方移動開始位置へ前記景品取得部を再度移動させる制御を行うことを特徴とする景品取得ゲーム装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【公開番号】特開2012−81325(P2012−81325A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−16171(P2012−16171)
【出願日】平成24年1月30日(2012.1.30)
【分割の表示】特願2010−287792(P2010−287792)の分割
【原出願日】平成18年9月13日(2006.9.13)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年1月30日(2012.1.30)
【分割の表示】特願2010−287792(P2010−287792)の分割
【原出願日】平成18年9月13日(2006.9.13)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
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